JPH07303474A - アスペルギルス・ニガー sbo−30株 - Google Patents

アスペルギルス・ニガー sbo−30株

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JPH07303474A
JPH07303474A JP12320494A JP12320494A JPH07303474A JP H07303474 A JPH07303474 A JP H07303474A JP 12320494 A JP12320494 A JP 12320494A JP 12320494 A JP12320494 A JP 12320494A JP H07303474 A JPH07303474 A JP H07303474A
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oil
strain
fats
fat
oils
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JP12320494A
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Satoshi Kawanaka
聡 川中
Yonekazu Sakamoto
米和 阪本
Kazutsugu Kitahata
千嗣 北畠
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 油脂分解能を有するアスペルギルス・ニガー
(Aspergillus nigerSBO−30株。この菌株は、土壌
の中から分離されたもので、アシペルギルス・ニガーの
新菌株である。 【効果】 高い油脂分解能を有し、油脂含有廃水の処理
用微生物として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大豆油、コーン油、ゴ
マ油等の植物性油脂又はラード、牛脂、鰯油等の動物性
油脂を効率よく分解・除去することのできるアスペルギ
ルス・ニガー(Aspergillus niger) SBO−30株に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】人の生活活動に伴い、大量の生活廃水や
工業廃水が排出されている。このうち、一般家庭下水、
ホテル、レストラン、ビル、給食センター等の生活廃水
や、食品加工廃水、水産加工廃水、油脂工業廃水等の産
業廃水には高濃度の植物性油脂(大豆油、コーン油、ゴ
マ油等)や動物性油脂(ラード、牛脂、鰯油等)が含ま
れている。従来では、このような油脂含有廃水は物理的
手法により、廃水中の油分を分離回収する方法が多くと
られていた。廃水中の油分は浮上油、分散油、乳化油等
の状態で存在し、自然浮上法、加圧浮上法、薬品沈殿
法、ろ過法、吸着法等の方法が適宜使用されている。こ
れらの方法により回収された油分は埋没、焼却等の方法
により処理されるが、腐敗し易く悪臭を放つので、すぐ
に処理しなければならないことや、専門業者に処理を依
託するためにコストが高くつくこと等の問題点があっ
た。
【0003】近年、油脂分解能を有する微生物を用いた
油脂分解装置の研究、開発が行われているが、これらに
用いられている微生物はバクテリア類や酵母類であり、
糸状菌類を用いた分解装置は知られていなかった。従
来、油脂分解酵素産生能を有する糸状菌としては、ゲオ
トリカム・キャンディダム(Geotrichum candidam)、ペ
ニシリウム・シクロピウム(Penicillium cyclopium)、
アスペルギルス・オリーゼ(Aspergillus oryzae)、リ
ゾプス・デレマー(Rhizopus delemar)、ムコール・ジ
ャバニカス(Mucor javanicus)、ペニシリウム・ロック
フォールティー(Penicillium roqueforti)、リゾプス
・オリゴスポラス(Rizopus oligosporus)、フミコーラ
・ラヌギノーザ(Humicola lanuginoza)、ムコール・フ
ラバス(Mucor flavus)等が知られているが、これらの
菌株の油脂分解活性は充分なものではなかった。
【0004】一方、アスペルギルス・ニガー(Aspergil
lus niger)は、黒色麹菌として古くから知られている微
生物であり、油脂分解酵素を産生することは公知であっ
た。アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)の
産生する油脂分解酵素(リパーゼ)に関する研究は多
く、例えば、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus ni
ger)の深部培養によるリパーゼ生産の研究〔ジャーナル
・オブ・ファーメンテーション・テクノロジー(J.F
erment.Technol)、第56巻、6号(1
978)〕、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus ni
ger)のリパーゼによるテルペンアルコールエステル合成
の研究〔アグリカルチュアル・バイオロジカル・ケミス
トリー(Agric.Biol.Chem)、第44
巻、11号(1980)〕、アスペルギルス・ニガー
(Aspergillus niger)の産生するリパーゼの基質特異性
及び位置特異性についての研究〔科学と工業、第56
巻、6号(1982)〕、アスペルギルス・ニガー(As
pergillus niger)の産生するリパーゼをポリプロピレン
ホローファイバーに吸着固定化し、バターオイルを加水
分解する研究〔バイオカタリシス(Biocataly
sis)、第7巻、3号、(1993)〕等が報告され
ている。
【0005】上述のように、アスペルギルス・ニガー
(Aspergillus niger)が油脂分解酵素を産生する糸状
菌であることは公知であった。しかしながら、従来、油
脂含有廃水の処理用微生物として利用されたことはな
く、また、油脂含有廃水の処理用微生物として利用しよ
うとしても、油脂分解活性が不十分であったので、実用
化できるようなものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、植物性又は
動物性油脂を分解除去能の高い微生物を提供することを
目的とするものである。また、本発明は、油脂を含有す
る廃水を処理することができ、廃水中の乳化油、分散
油、浮上油等の油分を分解処理する際の油脂分解能が高
く、かつ処理槽内において安定に保持される微生物を提
供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な状況に鑑み、既知及び未知の微生物を京都府下の土壌
からスクリーニングした結果、好気性のアスペルギルス
(Aspergillus)属の糸状菌が植物性又は動物性の油脂を
著しく分解することを見いだし、本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明は、油脂分解能を有することを
特徴とするアスペルギルス・ニガー SBO−30株を
要旨とするものである。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明の菌株の分類学的性質を説明する。 A.形態的性質 CZA(ツァペックイーストエキス寒天培地)及びME
A(マルトエキス寒天培地)においては菌核は認められ
ず、CZAにおける分生子は球形から亜球形であり、滑
面からやや粗面で直径3×5μmであった。CZAにお
いて分生子形成細胞におけるフィアライドの長さは8〜
12μmで、幅は2〜3μmで、メトレは小型分生子頭
ではみられず、頂のうは球形から亜球形で、幅は50〜
90μmであった。分生子柄は幅14〜16μmで粗面
であった。分生子頭の形態はCZAでもMEAでも球形
から放射状であった。栄養菌糸の色はCZAでもMEA
でも白色であり、集落表面の組織は顆粒状から羊毛状で
あり、いずれも水滴は認められなかった。集落表面はC
ZAでは灰色から黒色で、MEAでは黒色から緑味の黒
色であるが、裏面は極薄い黄色であった。
【0009】B.培養的性質 25℃において集落の生育速度はCZAでは7日間で直
径58〜60mmに達し、MEAでは7日間で65〜6
8mmに達した。37℃においてはCZAでは7日間で
直径85〜90mm、MEAでは7日間で75〜80m
mに達した。
【0010】C.生理的性質 本菌株の生育温度範囲は、8〜47℃であり、生育至適
温度は、33〜37℃であった。また、生育pH範囲
は、2.0〜10.5であり、最適生育pHは、4.0
〜6.0であった。
【0011】本発明の菌株はバージーズ・マニュアル・
オブ・システマチック・バクテリオロジー(Bergey's M
annual of Systematic Bacteriology)の記載の基準に
従って検討した結果、アスペルギルス・ニガー(Asperg
illus niger)に属する菌株であることが判明したが、
以下の比較例6で示す他のアスペルギルス・ニガー(As
pergillus niger ) 株に比べてトリグリセリド分解活性
が著しいことから、新菌株であると判断した。このた
め、この菌株をアスペルギルス・ニガー(Aspergillus
niger) SBO−30と命名し、工業技術院生命工学工
業技術研究所に寄託し、保存している。その寄託番号
は、FERM P−14185である。
【0012】本発明の菌株を廃水等の処理に使用する場
合には、生菌体又は胞子の状態で用いることが好まし
く、生菌体を得るための方法としては、公知の培養方法
でよい。すなわち、培地としては、通常用いられる炭素
源、窒素源、無機塩類、アミノ酸やビタミン類が用いら
れ、その炭素源としては、グルコースやシュクロース、
フラクトース、マンノース、キシロース等の糖類、デン
プン等の炭水化物、大豆油やコーン油等の植物性油脂や
ラード等の動物性油脂の他、同化し得る物質が使用でき
る。
【0013】窒素源としては、ペプトン、肉エキス、カ
ゼイン、イーストエキス等の蛋白質の他、尿素、リン酸
アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、
硝酸アンモニウム等の無機塩類も使用できる。また、必
要に応じてビタミン類、アミノ酸や消泡剤等を培養時に
添加してもよい。
【0014】培養方法としては、液体培養又は固体培養
のいずれも可能であるが、好気的条件下で行われること
が望ましい。培養時のpHとしては、3〜8が好まし
く、特に、4〜7が好ましい。また、培養温度として
は、15〜45℃が好ましく、特に、25〜35℃が好
ましい。培養時間としては、植菌量や培養温度、培養方
法等により影響を受けるので、本発明の菌株の最も生育
状態のよい時間を適宜選択すればよいが、通常は、2〜
3日間が好ましい。
【0015】また、胞子を得るための方法としては、例
えば、ポテトデキストロース寒天培地等の一般的に公知
の寒天培地を平板状の滅菌シャーレ内に作成し、本発明
の菌株の培養液を均一に塗布し、28℃で5〜10日間
培養し、生育した菌体の表面の胞子をガラス棒等で掻き
とればよい。
【0016】本発明の菌株は、油脂を分解する能力が著
しく高いことから、油脂を含有する廃水に接触させて、
廃水中の油脂を分解、除去させることが可能である。そ
の場合、廃水中の油脂は、乳化型、分散型、浮上型のい
ずれの形態でも本発明の菌株を用いて処理することがで
きる。
【0017】本発明において、培養して得られた培養物
をそのまま生菌剤として油脂含有廃水の処理に使用する
ことができるが、生菌剤として取り扱いやすい形態にす
るため、上記培養物から集菌したり、生菌細胞と親和あ
るいは吸着する物質と混合、乾燥して粉末状や粒状の生
菌製剤として利用することもできる。ここでの吸着物質
としては、生菌細胞を吸着させることによって生菌細胞
を安定化し、固形物としての取り扱いを可能にする固体
が挙げられ、例えば、木材チップ、ゼオライト、バーラ
イト、バームキュライト、酸性白土、炭酸カルシウム等
が利用できる。
【0018】本発明において、生菌剤を調製する方法と
しては、公知の方法でよく、生菌細胞と吸着物質とを適
当な比率(1:99〜99:1)で混合し、5〜40℃
で乾燥させて、粉末化又は粒状化すればよい。
【0019】また、本発明において、油脂分解槽内に安
定に保持して油脂を分解させるためには、本発明の菌株
を担体に固定化することが望ましい。その担体として
は、本発明の菌株が付着可能で、かつ微生物による腐食
を受けにくいものが好ましい。そのような担体として
は、繊維状担体、ゴム製担体、木製担体、ウレタンフォ
ーム製担体、アクリル製担体、ポリスチレン製担体、ポ
リエチレン製担体、ポリプロピレン製担体、硬質塩化ビ
ニール製担体、FRP製担体、サランロック製担体、セ
ラミックス製担体、ナイロン製担体、シリコン製担体、
金属製担体、発泡スチロール製担体等が挙げられるが、
微生物が固定化できるものであればいかなるものでもよ
い。これらの担体の形態としては、平板状、多層板状、
波板状、穴あき板状、四面体状、球状、紐状、網状、リ
ボン状、鞍状、円柱状、格子状、円筒状等いずれの形態
でもよい。本発明の菌株をこのような担体に固定化する
方法としては、生菌体又は胞子を培養液と共に2〜3日
間培養すればよい。また、PVA、ポリアクリルアミ
ド、寒天、コラーゲン、アルギン酸塩等の高分子ゲルに
本発明の菌体を公知の方法により包括した菌体固定化物
も利用できる。
【0020】これらの菌体固定化担体を利用する油脂分
解装置としては、従来の活性汚泥装置、散水ろ床装置、
接触酸化装置、回転円板装置等が挙げられる。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 実施例1 市販の大豆油、コーン油、ゴマ油、ヒマシ油、菜種油、
ベニバナ油、綿実油、カカオ油、ラード、牛脂、鱈肝
油、鯨油、鰯油のそれぞれ20gをツイーン80(界面
活性剤) 2ミリリットルと混合した後、水道水を用い
て100ミリリットルにした。これをそれぞれ100W
で10分間超音波処理して20W/V %(20,000m
g/リットル)の乳化液を得た。この乳化液1ミリリッ
トルを合成廃水(硫酸アンモニウム 0.15W/V %、
リン酸二水素カリウム 0.1W/V %、硫酸マグネシウ
ム7水和物 0.05W/V %)40ミリリットルに添加
し、pHを6に調整して油脂含有廃水を調製した(最終
油脂濃度5000mg/リットル)。
【0022】次に、上記の油脂含有廃水に、アスペルギ
ルス・ニガー SBO−30(FERM P−1418
5)スラントより1白金耳を植菌し、23℃で3日間振
盪培養した。その結果、全ての油脂含有廃水においてア
スペルギルス・ニガーが生育し、乳化状態が透明化して
いた。
【0023】そこで、透明化した油脂含有廃水の油脂残
存量(トリグリセリド残存量)を、F−キットグリセロ
ール(ベーリンガーマンハイム山之内社製)にリパー
ゼ、エステラーゼを追添加した改良法を用いて測定し
た。すなわち、リパーゼにより、トリグリセリドをグリ
セロールに分解し、生じたグリセロールをATPとグリ
コキナーゼにより、グリセロール−3−リン酸とADP
に変換する。このADPをホスホエノールピルビン酸と
ピルビン酸キナーゼによって、ピルビン酸とATPに変
換し、ピルビン酸をNADHとラクトースデヒドロゲナ
ーゼによって乳酸とNAD+ に変換する。この方法は4
つの酵素系を作用させる方法であり、最終的には、トリ
グリセリド1分子がNADH1分子に相当するため、N
ADHの減少量を340nmの吸光度の減少によって測
定することにより、総グリセロール量を測定することが
できる。次に、油脂含有廃水中に含まれているグリセロ
ール量(純粋なグリセロール量)をリパーゼ、エステラ
ーゼを添加しないグリセロール測定法で測定した。上記
の方法で得られた総クリセロール量から純粋なグリセロ
ール量を差し引いた値をトリグリセロール残存量とし
た。その結果を表1に示す。なお、表中の値は、トリグ
リセリド(TG)残存率〔残存トリグリセリド量(m
g)/添加トリグリセリド量(mg)×100〕で示し
た。
【0024】
【表1】
【0025】表1より、本発明の菌株であるアスペルギ
ルス・ニガー SBO−30株は、組成、成分比率の異
なる多種の動、植物性油脂を分解することができ、産業
上幅広く利用することができることがわかる。
【0026】実施例2 アスペルギルス・ニガー SBO−30株(FERM
P−14185)と円板型のウレタンフォーム(直径8
0×厚さ8mm)をサブロー培地〔グルコース4W/V
%、ペプトン 1W/V %(pH7)〕300ミリリット
ルを用いて25℃で振盪培養し、菌体固定化担体(湿菌
体重量 2.0g)を得た。
【0027】一方、市販の大豆油20gとツイーン80
(界面活性剤)2ミリリットルを水道水を用いて100
ミリリットルとし、100Wで10分間超音波処理し
て、20W/V %乳化液を得た。この乳化液の1ミリリッ
トルを合成廃水(硫酸アンモニウム 0.15W/V %、
リン酸二水素カリウム 0.1W/V %、硫酸マグネシウ
ム7水和物 0.05W/V %)40ミリリットルに添加
し、pHを6に調整して油脂含有廃水を調製した(最終
大豆油濃度5000mg/リットル)。
【0028】次に、上記の油脂含有廃水に、上記の固定
化担体1枚(湿菌体重量 1.0g)を添加し、23℃
において9時間、ビーカーで振盪培養を行った。その結
果、油脂含有廃水の乳化状態が透明化していた。
【0029】その透明化した油脂含有廃水中のトリグリ
セリド(大豆油)残存量を実施例1と全く同様にして測
定した。その結果を図1に示す。なお、図1は縦軸に残
存トリグリセリド濃度を、横軸に培養時間を示した。さ
らに、透明化した油脂含有廃水中の全有機炭素濃度(T
OC)をTOCアナライザー(島津社製TOC−50
0)により測定した。その結果を図2に示す。なお、図
2は縦軸に残存TOC濃度を、横軸に培養時間を示し
た。
【0030】図1及び2から、本発明の菌株は5時間以
内に3750mg/リットルのトリグリセリドを97.
8%分解し、かつ全有機炭素濃度(TOC)を78.3
%分解する能力を有していることが明らかになった。
【0031】実施例3,比較例1〜5 リパーゼ産生能の高いゲオトリカム・キャンディダム
(Geotrichum candidam)IFO−5767株(比較例
1)、ペニシリウム・シクロピウム(Penicillium cycl
opium )IFO−7226株(比較例2)、アスペルギ
ルス・オリーゼ(Aspergillus oryzae)IFO−421
4株(比較例3)、リゾプス・デレマー(Rhizopus del
emar)IFO−5406株(比較例4)、ムコール・ジ
ャバニカス(Mucor javanicus )IFO−5382株
(比較例5)と本発明の菌株であるアスペルギルス・ニ
ガー(Aspergillus niger) SBO−30株(実施例
3)をサブロー培地200ミリリットルに植菌し、28
℃で5日間振盪培養した。この培養液から遠心分離(8
000rpm×10min)により菌体を回収し、以下
のようにして菌体中のリパーゼ活性を測定した。
【0032】なお、リパーゼ活性の測定は、基質として
オリーブ油を用い、リパーゼ作用によって遊離した脂肪
酸をアルカリ滴定で定量し、その数値からリパーゼ活性
を求めた。すなわち、乳化オリーブ油5ミリリットルと
0.1Mのリン酸緩衝液(pH7.0)4ミリリットル
とを50ミリリットル容共栓三角フラスコにとり、よく
混合し、37℃の恒温水槽を用いて10分間予熱した。
これに粗酵素液(1gの湿菌体をリン酸緩衝液5ミリリ
ットルに懸濁し、超音波破砕機で菌体を充分破砕し、未
処理菌体を遠心機で除去して、濃縮し、80W/V %硫安
で沈殿させた後、沈殿物を5ミリリットルのリン酸緩衝
液に溶解して同緩衝液で透析したもの)1ミリリットル
を加えて、混合し、20分間後にアセトンエタノール等
量混液20ミリリットルを注ぎ、1W/V %フェノールフ
タレイン試液5滴を加え、0.05NNaOH液で滴定
した。ここで、リパーゼ活性(1unit)は、37℃
で基質オリーブ油から1分間に1μMの脂肪酸を遊離さ
せる酵素量を1単位(unit)とした。その結果を表
2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】表2から、本発明の菌株は、他のリパーゼ
産生株に比べて非常に高い活性を有していることがわか
る。このことから、本発明の菌株は、効率よく油脂を分
解することが可能である。
【0035】実施例4、比較例6 アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger )IFO
−4407、4415、5374、6341、642
8、6662、8541、31012、31628及び
ATCC−1015、6273、7750、7983、
10249、10553、11394、12846、2
2343、52556、62863、66565株(比
較例6)と本発明の菌株であるアスペスギルス・ニガー
SBO−32株(実施例4)とをサブロー培地におい
て28℃で振盪培養し、菌体を回収した。次に、回収し
た各菌体の0.4gを1000mg/リットルの乳化大
豆油を含む無機栄養培地(硫酸アンモニウム 0.15
W/V %、リン酸二水素カリウム0.1W/V %、硫酸マグ
ネシウム7水和物 0.05W/V %)40ミリリットル
に添加し、28℃で8時間振盪培養した後、実施例1と
全く同様にして残存トリグリセリド量(TG)を測定し
た。その結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】表3に示したように、本発明の菌株は、他
の21株に比べて顕著なトリグリセリド分解能を有して
いることが明らかである。
【0038】
【発明の効果】本発明の菌株は、高い油脂分解能を有
し、油脂含有廃水の処理用微生物として有用である。そ
のため、高濃度の油脂を含有する一般生活廃水や、食品
加工廃水、水産加工廃水、油脂工業廃水等の産業廃水を
効率良く処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の菌株を用いて油脂含有廃水を処理した
後の油脂含有廃水中の残存トリグリセリド(TG)濃度
の経時変化を示す図である。
【図2】本発明の菌株を用いて油脂含有廃水を処理した
後の油脂含有廃水中の残存全有機炭素濃度(TOC)濃
度の経時変化を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油脂分解能を有することを特徴とするア
    スペルギルス・ニガー SBO−30株。
JP12320494A 1994-05-11 1994-05-11 アスペルギルス・ニガー sbo−30株 Pending JPH07303474A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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Parashar et al. Production of Microbial Enzyme Triacylglycerol Acyl Hydrolases by Aspergillus Sydowii Jpg01 in Submerged Fermentation Using Agro-residues
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