JP4654108B2 - 被加工物加工保持装置及び被加工物加工装置及びその加工方法 - Google Patents

被加工物加工保持装置及び被加工物加工装置及びその加工方法 Download PDF

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Description

本発明は、被加工物を保持して、その加工面に対して精度の良いフライス、研磨、ドリル、放電、レーザー等の加工を行うことができる被加工物加工保持装置及び被加工物加工装置及びその加工方法に関するものである。
従来、被加工物の複数の加工面に対して、加工方向が予め設定されている加工機による加工を行うためには、まず、被加工物を保持した後、その被加工物の加工面に対して所定の加工方向から加工を行う。この後、被加工物を保持を解き、90度回転させた後、再度、被加工物の別の加工面に対して同じ加工方向から加工を行うことにより、逐次、複数の加工面に対する所望の加工を行うようにしたものが特許文献1等で知られている。
特開平5−123940号公報
ところで、特許文献1等では、被加工物に加工を行う加工面毎に保持する必要があったため、段取りに時間がかかると共に、加工面を設定する際の熟練度によって加工面間の加工精度にばらつきが生じるという問題があった。
そこで、本発明はかかる問題を解決するためになされたもので、被加工物を一度、保持するだけで、隣接直交する2面以上を一定の加工方向から加工可能となるように設定でき、人為的設定誤差をなくし、精度の良い加工を行うことができる被加工物加工保持装置及び被加工物加工装置及びその加工方法の提供を課題とするものである。
請求項1の被加工物加工保持装置は、回動自在に軸支され、120度間隔で固定自在な回転基台と、前記回転基台の回転軸の軸線に対する被加工物の加工された面との相対角度がsin-1(1/31/2 )度となるように、前記回転基台の前記回転軸の軸線に対して相対角度がsin -1 (1/3 1/2 )度の上平面を形成した被加工物を保持する保持台とを具備するものである。
ここで、回転基台は回動自在に軸支され、120度間隔毎に固定することができる機構を有するものである。そして、被加工物を保持する保持台は、回転基台の回転軸の軸線と被加工物の加工された面とに対する相対角度がsin-1(1/31/2 )度に設定されるものであり、前記保持台と前記回転基台の何れを基準位置としてもよい。この回転基台は回転軸を電動機等にて回転させる機構や手動にて回転させる機構が採用でき、設定された後に120度間隔毎に回転角度を正確に固定できればよい。保持台は、被加工物を保持することができればよく、被加工物の材質に関連して機械的または電磁的に保持することができる手段や方法を適宜選択することができる。前述したように、被加工物を保持する保持台と回転基台の回転軸の軸線に対する角度は、相対角度がsin-1(1/31/2 )度に設定されており、何れを水平面としてもよい。しかし、通常、保持台を平面とするのが被加工物の設定が容易になる。なお、本発明を実施する場合、回転基台と保持台は必ずしも平面とする必要がない。特定の被加工物をチャックで挟むように構成してもよい。特定の被加工物をチャックで把持した結果、回転基台の回転軸の軸線と被加工物の加工された面とに対する相対角度がsin-1(1/31/2 )度になればよい。何れにせよ、前記回転基台の回転軸の軸線に対する被加工物の加工された面の相対角度がsin-1(1/31/2 )度となるように被加工物を保持できればよい。前記回転基台を120度回転させ、前記被加工物の隣接直交する面の加工を行うのは、本発明を実施する場合には、その中間位置で停止することを禁止するものではなく、少なくとも、前記回転基台が120度回転され、その位置で停止できればよい。
上記被加工物としては、金属材料からなる直方体形状のもの、板状のもの、金属塊等の加工が可能であり、木材等の植物材料、プラスチック、グラスファイバ、セラミックス等の材料の加工が容易であり、特別材料を限定するものではない。
更に、前記保持台は、前記回転基台の回転軸の軸線に対して相対角度がsin-1(1/31/2 )度の上平面を形成したものである。
ここで、前記回転基台の回転軸の軸線と保持台の上平面(回転基台の回転軸の軸線の下に位置するときの上平面)が形成する角度は、それら平面間の角度がsin-1(1/31/2 )度となっておればよく、これら平面方向は、水平面やその垂直面等に何ら限定されるものではない。しかし、前記保持台が平面を形成していると、通常使用される直方体の被加工物の設置がそのままおくことができるので、保持台の上平面は平坦面が望ましい。また、他の加工機械の設置が保持台の上平面を基準にすればよいから、設置が容易になる。
請求項2の被加工物加工保持装置は、前記回転基台の回転軸の軸線に対して相対角度がsin-1(1/31/2 )度の前記保持台の上平面は、前記回転基台の回転平面に対して摺動自在としたものである。
ここで、回転基台の回転軸の軸線に対する角度がsin-1(1/31/2 )度の前記保持台の上平面を、回転基台の回転平面に対して摺動自在としたものとは、その上平面が、被加工物のサイズによって回転基台の回転平面の直径方向に移動自在にできるものであればよい。
請求項3の被加工物加工保持装置の前記保持台の上平面は、水平面とし、それに対して前記回転基台の回転軸の軸線の角度を、前記保持台の水平面に対してsin-1(1/31/2 )度となるように軸支したものである。
ここで、保持台は、被加工物が保持される面が水平面とされ、回転基台は水平に対してsin-1(1/31/2 )度となるように軸支されていることから、保持台に保持された被加工物に対する加工方向を水平方向または垂直方向とすることができる。即ち、前記保持台の上平面は、水平面とすればよく、回転基台が120度間隔で固定自在であることから、前記保持台の上平面もそれに伴って回転するが、少なくとも、回転基台が120度間隔の特定位置に保持台の被加工物が保持される面が水平面となれば、保持台の被加工物が保持される水平面と平行する面に仕上げることができる。
請求項4の被加工物加工保持装置の前記120度間隔で固定自在な回転基台は、前記保持台の上平面の水平位置を最下位置とし、その最下位置を中心に±120度の範囲内に回動自在に軸支されたものである。
ここで、最下位置を中心に±120度の範囲内に回動自在に軸支されたとは、最下位置を中心に±120度、最下位置を中心に±60度、または一方側に30度と反対側に90度とすることもできる。
請求項5の被加工物加工装置は、回動自在に軸支され、120度間隔で固定自在な回転基台と、前記回転基台の回転軸の軸線に対する被加工物の加工された面との相対角度がsin-1(1/31/2 )度となるように被加工物を保持する保持台と、前記回転基台の回転軸の軸線に対して相対角度がsin-1(1/31/2 )度の面に水平基準及びそれに垂直な垂直基準を設定した加工機を具備するものである。
ここで、回転基台は回動自在に軸支されており、所定の角度に設定された後120度間隔毎に固定することができる機構を有するものである。
被加工物を保持する保持台は、回転基台の回転軸の軸線と被加工物の加工された面とに対する相対角度がsin-1(1/31/2 )度に設定されるものであり、前記保持台と前記回転基台の何れを基準位置としてもよい。この回転基台は回転軸を電動機等にて回転させる機構や手動にて回転させる機構が採用でき、設定された後に120度間隔毎に回転角度を正確に固定できればよい。保持台は、被加工物を保持することができればよく、被加工物の材質に関連して機械的または電磁的に保持することができる手段や方法を適宜選択することができる。前述したように、被加工物を保持する保持台と回転基台の回転軸の軸線に対する角度は、相対角度がsin-1(1/31/2 )度に設定されており、何れを水平面としてもよい。しかし、通常、保持台を平面とすると被加工物の設定が容易である。
更に、加工機は回転基台の回転軸の軸線に対する角度として、sin-1(1/31/2 )度の面内に水平基準及びそれに垂直な垂直基準が設定され、保持台に保持された被加工物に対する水平基準及びそれに垂直な垂直基準に一致されるものであればよい。前記回転基台を120度回転させ、前記被加工物の隣接直交する面の加工は、本発明を実施する場合には、その中間位置で停止することを禁止するものではなく、少なくとも、前記回転基台が120度回転され、その位置で停止できればよい。
更にまた、被加工物を保持する保持台と回転基台の回転面との角度は、{90+sin-1(1/31/2 )}となるから、被加工物を保持する保持台の上面を水平面とすることにより、加工機関係も水平動作または垂直動作とすることができる。
なお、この被加工物加工装置における加工機としては、被加工物の加工面に対して一定な加工方向から、例えば、研削加工を行うフライス盤や回転砥石による研削加工機、穴あけ加工を行うドリル加工機やレーザビーム加工機、放電加工機等が該当する。
請求項6の被加工物加工装置の前記保持台は、前記被加工物を保持する面を水平面とし、それに対して前記回転基台の回転軸の軸線の角度を、前記水平面に対してsin-1(1/31/2 )度となるように軸支したものである。
ここで、保持台は、被加工物が保持される面が水平面とされ、回転基台は水平に対してsin-1(1/31/2 )度となるように軸支されていることから、保持台に保持された被加工物に対する加工方向を水平方向または垂直方向とすることができる。即ち、前記保持台の上平面は、水平面とすればよく、回転基台が120度間隔で固定自在であることから、前記保持台の上平面もそれに伴って回転するが、少なくとも、回転基台が120度間隔の特定位置またはそれと無関係に保持台の被加工物が保持される面が水平面となればよい。
加工機は、保持台に保持された被加工物に対する加工方向を水平方向または垂直方向からの加工を選択することができる。また、回転基台が120度間隔で固定自在であることから、隣接直交する面の加工方向を常に、一定な水平面または垂直面からとすることができる。
請求項7の被加工物加工装置の前記120度間隔で固定自在な回転基台は、前記保持台の上平面の水平位置を最下位置とし、その最下位置を中心に±120度の範囲内に回動自在に軸支されたものである。
ここで、最下位置を中心に±120度の範囲内に回動自在に軸支されたとは、最下位置を中心に±120度、最下位置を中心に±60度、または一方側に30度と反対側に90度とすることもできる。
請求項8の被加工物加工方法は、回動自在に軸支され、120度間隔で固定自在な回転基台の回転軸の軸線に対して、被加工物の加工された面の相対角度がsin-1(1/31/2 )度となるように保持台の被加工物を取り付ける工程と、前記回転基台の回転軸の軸線に対する角度がsin-1(1/31/2 )度の面に水平基準及びそれに垂直な垂直基準を設定した加工機によって、前記被加工物を加工し、次いで、前記回転基台を120度回転させることによって、前記被加工物の隣接直交する面の加工を行う工程とを具備するものである。
ここで、回転基台は回動自在に軸支され、120度間隔毎に固定することができる機構であればよい。また、被加工物を保持する保持台は、回転基台の回転軸の軸線と被加工物の加工された面とに対する相対角度がsin-1(1/31/2 )度に設定されておれば、前記保持台と前記回転基台の何れを基準位置としてもよい。この回転基台は回転軸を電動機等にて回転させる機構や手動にて回転させる機構が採用でき、設定された後に120度間隔毎に回転角度を正確に固定できればよい。保持台は、被加工物を保持することができればよく、被加工物の材質に関連して機械的または電磁的に保持することができる手段や方法を適宜選択することができる。前述したように、被加工物を保持する保持台と回転基台の回転軸の軸線に対する角度は、相対角度がsin-1(1/31/2 )度に設定されており、何れを水平面としてもよい。しかし、通常、保持台を平面とするのが被加工物の設定が容易である。なお、本発明を実施する場合、回転基台と保持台は必ずしも平面とする必要がない。特定の被加工物をチャックで挟むように構成してもよい。特定の被加工物をチャックで把持した結果、回転基台の回転軸の軸線と被加工物の加工された面とに対する相対角度がsin-1(1/31/2 )度になればよい。何れにせよ、前記回転基台の回転軸の軸線に対する被加工物の加工された面の相対角度がsin-1(1/31/2 )度となるように被加工物を保持できればよい。
前記回転基台を120度回転させることによって、前記被加工物の隣接直交する面の加工を行う工程は、本発明を実施する場合には、その中間位置で停止することを禁止するものではなく、少なくとも、前記回転基台が120度回転され、その位置で停止できればよい。
請求項9の被加工物加工方法の前記120度間隔で固定自在な回転基台は、前記保持台の上平面の水平位置を最下位置とし、その最下位置を中心に±120度の範囲内に回動自在に軸支されたものである。
ここで、最下位置を中心に±120度の範囲内に回動自在に軸支されたとは、最下位置を中心に±120度、最下位置を中心に±60度、または一方側に30度と反対側に90度とすることもできる。
請求項1の被加工物加工保持装置によれば、120度間隔で固定自在な回転基台の回転軸の軸線に対する保持台との相対角度が、sin-1(1/31/2 )度となるように保持台に被加工物が保持される。このため、被加工物加工保持装置では、保持台に保持された被加工物の加工側を一度設定すると、その後は被加工物の保持状態を維持させたまま、回転基台の回転軸を120度間隔で回転され、被加工物の隣接する直交する面、即ち、隣接直交する面を、一定方向を含む特定された方向から加工することが可能となり、これら加工面に対する加工精度を熟練度にかかわらず向上させることができる。また、この間に通常の各面での設定し直しにかかる時間が不要となることで作業効率も大きく向上させることができるという効果が得られる。回転基台の回転軸を120度間隔で回転させることによって、保持台に保持された被加工物は、隣接直交する面が常に、所定の平行面位置となる。なお、立方体であれば、常に同一平面位置となり、直方体であれば、加工面の変位のみとなる。しかし、回転基台の回転軸を120度間隔で離れているから、同時加工することもできる。
したがって、被加工物を1回取り付けるだけで、隣接直交する2面以上を一定の加工方向から加工可能となるように設定でき、人為的設定誤差をなくし、作業効率よく、精度の良い加工を行うことができる。
更に、保持台に回転基台の回転軸の軸線に対する角度が、sin-1(1/31/2 )度となる平面が形成されているから、通常の直方体からなる被加工物は、当該平面に載置し、それを固定するだけで、保持台に保持された被加工物の隣接直交する面を、特定された加工方向に設定することができる。
請求項2の被加工物加工保持装置では、請求項1の効果に加えて、回転基台の回転軸の軸線に対する角度を、sin-1(1/31/2 )度とする保持台の平面が、回転基台の回転平面に対して摺動自在とされる。このため、回転基台の回転軸の軸線に対する相対角度sin-1(1/31/2 )とする保持台の平面の位置設定が、被加工物のサイズによって平行移動させて設定することができる。したがって、被加工物のサイズの大小に対しても、簡単に設定を行うことができる。仮に、特殊な金属板は勿論、金属塊、グラスファイバ、木材、プラスチック、セラミックスであっても、簡単に設定を行うことができる。
請求項3の被加工物加工保持装置では、請求項2の効果に加えて、保持台の被加工物を保持する面が水平面とされているから、従来からある被加工物の加工保持装置と同様、被加工物を水平面に取り付けることができ、専用機としての使用を前提とすることなく使用できる。また、水平面加工か、垂直面加工かによってその設置が容易になる。即ち、前記保持台の上平面は、水平面とすればよく、回転基台が120度間隔で固定自在であることから、前記保持台の上平面もそれに伴って回転するが、少なくとも、回転基台が120度間隔の特定位置に保持台の被加工物が保持される面が水平面となればよい。被加工物の上面を保持台の被加工物が保持される水平面と平行する面に仕上げることができる。
請求項4の被加工物加工保持装置では、請求項3の効果に加えて、前記120度間隔で固定自在な回転基台を前記保持台の上平面の水平位置を最下位置とし、その最下位置を中心に±120度の範囲内に回動自在に軸支したものであるから、被加工物が前記保持台から離れる方向の重力が直接加わるのを防止し、重力が被加工物を保持台に押し付けるように働く範囲内で設定できるから、前記保持台に対する被加工物の取り付けが容易になる。
請求項5の被加工物加工装置によれば、120度間隔で固定自在な回転基台の回転軸の軸線に対する角度が、sin-1(1/31/2 )度となるように保持台によって被加工物の加工される面が保持され、保持された被加工物の加工される面に加工機の水平基準及びそれに垂直な垂直基準が設定される。このため、回転基台の回転軸が120度間隔で回転されると、回転基台の回転軸の軸線に対する角度と被加工物の加工された面の相対角度が、sin-1(1/31/2 )度に設定されていれば、加工機により被加工物を一定の加工方向から加工することが可能となり、これら加工面に対する加工精度を熟練度にかかわらず向上させることができると共に、この間に保持し直しにかかる時間が不要となることで作業効率も大きく向上させることができる。
したがって、被加工物を1回取り付けるだけで、隣接直交する2面以上を一定の加工方向から加工可能となるように設定でき、人為的設定誤差をなくし、作業効率よく、精度の良い加工を行うことができる。
請求項6の被加工物加工装置では、請求項5の効果に加えて、前記保持台の前記被加工物を保持する面を水平面とし、前記保持台の前記被加工物を保持する面に対して、前記回転基台をsin-1(1/31/2 )度となるように軸支されものであるから、従来からある被加工物加工装置と同様、被加工物を水平面に取り付けることができ、専用機としての使用を前提とすることなく使用できる。また、水平面加工か、垂直面加工かによってその設置が容易になる。
請求項7の被加工物加工装置では、請求項6の効果に加えて、前記120度間隔で固定自在な回転基台を前記保持台の上平面の水平位置を最下位置とし、その最下位置を中心に±120度の範囲内に回動自在に軸支したものであるから、被加工物が前記保持台から離れる方向の重力が直接加わるのを防止し、重力が被加工物を保持台に押し付けるように働く範囲内で設定できるから、前記保持台に対する被加工物の取り付けが容易になる。
請求項8の被加工物加工方法では、120度間隔で固定自在な回転基台の回転軸の軸線に対して、被加工物の加工された面の相対角度がsin-1(1/31/2 )度となるように保持台の被加工物を取り付け、加工機を前記被加工物の加工される面に水平基準及びそれに垂直な垂直基準を設定し、前記被加工物を加工し、次いで、前記回転基台を120度回転させることによって、前記被加工物の隣接直交する面の加工を行う。
したがって、本発明にかかる被加工物加工方法では、保持台に保持された被加工物の加工方向を特定すると、その後では、保持台による被加工物の保持状態を維持させたまま、回転基台の回転軸を120度間隔で回転させ固定させるだけで、被加工物の隣接直交する面を、特定された加工方向から加工することが可能となり、これら加工面に対する加工精度を熟練度にかかわらず向上させることができる。また、この間に被加工物の保持し直しにかかる時間が不要となることで作業効率も大きく向上させることができる。
よって、被加工物を1回取り付けるだけで、隣接直交する2面以上を一定の加工方向から加工可能となり、人為的設定誤差をなくし、作業効率よく、精度の良い加工を行うことができる。
請求項9の被加工物加工方法では、請求項8の効果に加えて、前記120度間隔で固定自在な回転基台を前記保持台の上平面の水平位置を最下位置とし、その最下位置を中心に±120度の範囲内に回動自在に軸支したものであるから、被加工物が前記保持台から離れる方向の重力が直接加わるのを防止し、重力が被加工物を保持台に押し付けるように働く範囲内で設定できるから、前記保持台に対する被加工物の取り付けが容易になる。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、図中、同一構成または相当部分からなるものについては同一符号及び同一記号を付し、その重複する説明を省略する。
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1の事例1にかかる被加工物加工保持装置に被加工物として立方体を保持させ、第1の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図であり、図1(a)は上面図、図1(b)は図1(a)の右側面図、図1(c)は保持台が固定された回転基台を所定角度傾けることにより立方体の第1の加工面が鉛直上向き方向とされた状態を示す斜視図である。また、図2は図1における回転基台の回転軸が時計回りに120度回転され、第2の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図であり、図2(a)は上面図、図2(b)は図2(a)の右側面図、図2(c)は保持台が固定された回転基台を所定角度傾けることにより立方体の第2の加工面が鉛直上向き方向とされた状態を示す斜視図である。そして、図3は、図2における回転基台の回転軸が、更に、時計回りに120度回転され、第3の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図であり、図3(a)は上面図、図3(b)は図3(a)の右側面図、図3(c)は保持台が固定された回転基台を所定角度傾けることにより立方体の第3の加工面が鉛直上向き方向とされた状態を示す斜視図である。更に、図4は本実施の形態にかかる被加工物加工保持装置における加工面設定の原理を示す説明図であり、図4(a)は立方体の各頂点を定義する斜視図、図4(b)は立方体の正面図、図4(c)は立方体を1辺で垂直に立てた場合の正面図、図4(d)は図4(c)の側面図、図4(e)は立方体を1頂点で垂直に立てた場合の側面図である。
まず、図4を参照して、本実施の形態にかかる被加工物加工保持装置における加工面設定の原理を説明する。なお、ここでは、原理を分かり易く説明するため、被加工物として正確な立方体形状の被加工物10を想定することとする。
図4(a)に示す図形は、立方体形状の被加工物10を斜視図であり、この立方体形状の被加工物10の各頂点を10a,10b,10c,10d,10e,10f,10g,10hとする。図4(b)に示すように、水平面1上に載置された立方体形状の被加工物10の1面(頂点10a,10b,10f,10eからなる正方形)は面10Aのようになる。また、頂点10a,10bの辺10Aa(紙面に垂直方向)を下に、立方体形状の被加工物10を直立させると、図4(c)に示すようになる。
一方の頂点10aを下に、他方の頂点10gを上に、それらを水平面1に対して垂直とすると、図4(e)に示すようになる。即ち、図4(a)に示す図形は、立方体形状の被加工物10における頂点10aとそれから最も遠く離れた頂点10gとを通る直線を、軸10(a−g)と表すと、この軸10(a−g)が水平面1に対して垂直となるように設定したときの図4(e)に示す図形は、軸10(a−g)の上方向から見た形状に一致する。
図4(a)において、軸10(a−g)を回転軸として、立方体形状の被加工物10を、例えば、時計回り方向に120度回転した図形は、回転する以前の図形に一致する。更に、軸10(a−g)を回転軸として、立方体形状の被加工物10を同じく時計回り方向に120度回転した図形は、回転する以前の図形に一致する。即ち、軸10(a−g)を回転軸として、立方体形状の被加工物10を時計回り方向または反時計回り方向に120度回転した図形は、常に、回転する以前の図形と同じになる。したがって、図4(a)に表されている立方体形状の被加工物10の3面のうち任意の1面(斜線にて示す)を、所定の加工機の加工方向に一致させるだけで、軸10(a−g)を回転軸として120度回転する毎の3面を、特定された加工方向に一致させることができる。
ここで、図4(e)に示す、水平面1に垂直な軸10(a−g)と立方体形状の被加工物10の1面10A(頂点10a,10d,10h,10eからなる正方形)とのなす角度θを算出する。立方体形状の被加工物10の1辺の長さを「1」とすると、立方体形状の被加工物10の1面(正方形)10Aの対角線の長さは「21/2 」となる。このため、立方体形状の被加工物10における頂点10aとそれから最も遠く離れた頂点10gとの距離は{12 +(21/221/2 =31/2となる。したがって、軸10(a−g)に対して、被加工物10の加工された面の相対角度θは、sin-1(1/31/2 )度となる。
次に、本実施の形態にかかる被加工物加工保持装置100について、図1乃至図3の模式図を参照して説明する。
なお、ここでは説明の分かり易さから、被加工物10として立方体形状を用いる場合について説明する。
図1、図2及び図3において、被加工物加工保持装置100は、主として、回転軸120を回転中心として回動自在で所定の回転角度に設定自在な回転基台110と、この回転基台110に固定された保持台150とからなる。この被加工物加工保持装置100では、保持台150の保持面160は、回転基台110の回転軸120に対する相対角度をθ=sin-1(1/31/2 )度、即ち、約35.26度となるように傾けると共に、回転基台110面上の回転軸120との交点110aを保持台150の保持面160が通るように固定されている。そして、立方体形状の被加工物10は、3加工面(第1の加工面11、第2の加工面12、第3の加工面13)の頂点とその頂点から最も遠く離れた頂点とが回転基台110の回転軸120上にあり、かつ、3加工面の頂点から最も遠く離れた頂点が回転基台110面上の回転軸120との交点110aに一致するように保持台150の保持面160に保持されている。なお、回転基台110の回転軸120は、例えば、図示しない電動モータの回転軸に接続されている。
まず、図1(a)において、被加工物として立方体形状の被加工物10の上側でハッチングで示された正方形の面が、第1の加工面11として設定される。この第1の加工面11は、図1(b)では矢印にて示す加工方向に垂直な面として表される。そこで、図1(c)に示すように、例えば、第1の加工面11を加工する際、立方体形状の被加工物10の第1の加工面11に対する加工方向を鉛直方向とするには、保持台150の保持面160が水平面(図4の水平面1に同じ)に平行となるように、回転基台110の回転面に対する角度を(90−θ)={90−sin-1(1/31/2 )}度、即ち、約54.74度傾ければよいことが分かる。
次に、図1(a)に示す状態から、回転基台110の回転軸120が時計回りに120度回転されると、図2(a)に示す状態となる。この図2(a)に示すように、図1(a)における立方体形状の被加工物10の上側の加工面11と同一位置に、第2の加工面12が位置する。この第2の加工面12は、図2(b)では矢印にて示す加工方向に垂直な面として表される。そこで、立方体形状の被加工物10の第1の加工面11と同様に、立方体形状の被加工物10の第2の加工面12に対する加工方向を鉛直方向とするには、保持台150の保持面160が水平面(図4の水平面1に同じ)に平行となるように、回転基台110の水平面に対する角度を(90−θ)={90−sin-1(1/31/2 )}度、即ち、約54.74度傾ければよい。
そして、図2(a)に示す状態から、回転基台110の回転軸120が時計回りに更に120度回転されると、図3(a)に示す状態となる。この図3(a)に示すように、図1(a)における立方体形状の被加工物10の上側の加工面11と同一位置に、立方体形状の被加工物10の上側の第3の加工面13が位置する。この第3の加工面13は、図3(b)では矢印にて示す加工方向に垂直な面として表される。そこで、立方体形状の被加工物10の第1の加工面11及び第2の加工面12と同様に、立方体形状の被加工物10の第3の加工面13に対する加工方向を鉛直方向とするには、保持台150の保持面160が水平面(図4の水平面1に同じ)に平行となるように、回転基台110の回転面に対する角度を(90−θ)={90−sin-1(1/31/2 )}度、即ち、約54.74度傾ければよい。
上述したように、本実施の形態にかかる被加工物加工保持装置100を用いて、例えば、第1の加工面11に対する加工方向が鉛直方向となるように、回転基台110の水平面に対する角度を(90−θ)度とすると、この後では、保持台150の保持面160に立方体形状の被加工物10を保持したままで、回転基台110の回転軸120を時計回りに120度回転する毎に、第1の加工面11に続く、第2の加工面12、第3の加工面13の加工方向を一定の鉛直方向に設定することができる。
次に、実施の形態1の事例2の被加工物加工保持装置において、保持台150の保持面160に保持される立方体の保持位置を変化させた場合について、図5乃至図7を参照して説明する。
ここで、図5乃至図7は、上述の実施の形態1の事例1の図1乃至図3に各々対応するものであるが、被加工物加工保持装置100の保持台150の保持面160に保持される立方体形状の被加工物10の保持位置のみが異なっている。そこで、本実施の形態では、被加工物加工保持装置100において、保持台150の保持面160に保持される立方体形状の被加工物10の保持位置が異なることで、立方体形状の被加工物10の3加工面の加工方向がどのように変化するのかについて説明する。
図5は実施の形態1の事例2の被加工物加工保持装置に対して立方体形状の被加工物を回転基台面から上方に離して保持台の保持面に保持させ、第1の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図であり、図5(a)は上面図、図5(b)は図5(a)の右側面図、図5(c)は保持台が固定された回転基台を所定角度傾けることにより立方体の第1の加工面が鉛直上向き方向とされた状態を示す斜視図である。また、図6は、図5における回転基台の回転軸が時計回りに120度回転され、第2の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図であり、図6(a)は上面図、図6(b)は図6(a)の右側面図、図6(c)は保持台が固定された回転基台を所定角度傾けることにより立方体の第2の加工面が鉛直上向き方向とされた状態を示す斜視図である。そして、図7は、図6における回転基台の回転軸が、更に、時計回りに120度回転され、第3の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図であり、図7(a)は上面図、図7(b)は図7(a)の右側面図、図7(c)は保持台が固定された回転基台を所定角度傾けることにより立方体の第3の加工面が鉛直上向き方向とされた状態を示す斜視図である。
図5乃至図7に示すように、図1乃至図3の事例1と同様、立方体形状の被加工物10の第1の加工面11を一度、所定の加工方向に一致させると、その後、保持台150による立方体形状の被加工物10の保持状態を維持させたまま、回転基台110の回転軸120を120度ずつ回転させるだけで、立方体形状の被加工物10のうちの互いに隣接直交する3加工面(第1の加工面11、第2の加工面12、第3の加工面13)を、逐次、一定の加工方向から加工することが可能となる。なお、この場合には、立方体形状の被加工物10を回転基台110面から上方に離す距離に応じて、加工の際の加工面毎に水平基準及びそれに垂直な垂直基準に対する送り量を変更する必要が生じる。
このため、立方体形状の被加工物10を回転基台110面から上方に離して保持台150の保持面160に保持させた場合においても、上述の実施の形態と同様、立方体形状の被加工物10における上記3加工面に対する加工精度を熟練度にかかわらず向上させることができる。また、加工開始から加工完了に至るまで、被加工物を保持し直す必要がないから、それに要する時間が不要となることで作業効率を大きく向上させることができる。
このように、上記実施の形態の被加工物加工保持装置100は、回動自在に軸支され、120度間隔で固定自在な回転基台110と、軸支された回転基台110の回転軸120の軸線に対する相対角度がsin-1(1/31/2 )度となるように立方体形状の被加工物10を保持する保持台150とを具備するものである。また、回転基台110と保持台150とは、回転基台110の回転軸120の軸線に対して相対角度がsin-1(1/31/2 )度の平面を形成したものである。そして、保持台150は、立方体形状の被加工物10を保持する面を水平面とし、軸支された回転基台110の回転軸120の軸線に対する相対角度sin-1(1/31/2 )度となるようにしたものである。
即ち、保持台150の保持面160は、回転基台110の回転軸120に対する相対角度をθ=sin-1(1/31/2 )度となるように傾けて固定され、その保持面160に立方体形状の被加工物10を保持していることで、保持台150の保持面160に被加工物10を保持したままで、回転基台110の回転軸120を時計回りに120度回転する毎に、第1の加工面11、第2の加工面12、第3の加工面13の加工方向を一定の角度方向に設定することができる。これにより、立方体形状の被加工物10における上記3加工面に対する加工精度を熟練度にかかわらず向上させることができると共に、この間に保持し直しにかかる時間が不要となることで作業効率を大きく向上させることができる。
次に、上記被加工物加工保持装置100において、立方体を保持する保持台150の保持面160を回転基台110面上の回転軸120との交点から回転円周方向に摺動させて固定させた場合について、図8乃至図10を参照して説明する。
ここで、図8乃至図10は、上述の実施の形態1の事例1の図1乃至図3に各々対応するものであるが、被加工物加工保持装置100の保持台150の保持面160を回転基台110の面上の回転軸120との交点110aから円周方向に摺動させて固定させた点が異なっている。そこで、本実施の形態では、被加工物加工保持装置100において、保持台150の保持面160を回転基台110の面上の回転軸120との交点110aから円周方向に摺動させて固定させることで、立方体形状の被加工物10の3加工面の加工方向がどのように変化するのかについて説明する。
図8は実施の形態1の事例3の被加工物加工保持装置において、立方体形状の被加工物を保持する保持台の保持面を回転基台面上の回転軸との交点から円周方向に摺動させて固定し、第1の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図であり、図8(a)は上面図、図8(b)は図8(a)の右側面図、図8(c)は保持台が固定された回転基台を所定角度傾けることにより立方体の第1の加工面が鉛直上向き方向とされた状態を示す斜視図である。また、図9は、図8における回転基台の回転軸が時計回りに120度回転され、第2の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図であり、図9(a)は上面図、図9(b)は図9(a)の右側面図、図9(c)は保持台が固定された回転基台を所定角度傾けることにより立方体の第2の加工面が鉛直上向き方向とされた状態を示す斜視図である。そして、図10は、図9における回転基台の回転軸が、更に、時計回りに120度回転され、第3の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図であり、図10(a)は上面図、図10(b)は図10(a)の右側面図、図10(c)は保持台が固定された回転基台を所定角度傾けることにより立方体の第3の加工面が鉛直上向き方向とされた状態を示す斜視図である。
図8乃至図10に示すように、図1乃至図3と同様、立方体形状の被加工物10の第1の加工面11を一度、所定の加工方向に一致させると、その後では、保持台150による立方体形状の被加工物10の保持状態を維持させたまま、回転基台110の回転軸120を120度ずつ回転させるだけで、立方体形状の被加工物10のうちの互いに隣接し直交する3加工面(第1の加工面11、第2の加工面12、第3の加工面13)を、逐次、一定の加工方向から加工することが可能となる。なお、この場合には、保持台150の保持面160を回転基台110面上の回転軸120との交点110aから円周方向に離す距離に応じて、加工の際の加工面毎に水平基準及びそれに垂直な垂直基準に対する送り量を変更する必要を生じる。
このため、立方体形状の被加工物10を保持する保持台150の保持面160を回転基台110面上の回転軸120との交点110aから円周方向に摺動させ固定させた場合においても、上述の実施の形態1の事例1と同様、立方体形状の被加工物10における上記3加工面に対する加工精度を熟練度にかかわらず向上させることができると共に、この間に保持し直しにかかる時間が不要となることで作業効率を大きく向上させることができる。
次に、上記被加工物加工保持装置100において、立方体を保持する保持台150の保持面160を回転基台110面上の回転軸120との交点から円周方向に摺動させ固定させると共に、立方体を回転基台110面から上方に離して保持台150の保持面160に保持させた場合について、図11乃至図13を参照して説明する。ここで、図11乃至図13は、上述の実施の形態1の図1乃至図3に各々対応するものであるが、被加工物加工保持装置100における保持台150の保持面160を回転基台110面上の回転軸120との交点110aから円周方向に摺動させ固定させると共に、立方体形状の被加工物10を回転基台110面から上方に離して保持台150の保持面160に保持させた点が異なっている。そこで、被加工物加工保持装置100において、保持台150の保持面160を回転基台110面上の回転軸120との交点110aから円周方向に摺動させ固定させると共に、立方体形状の被加工物10を回転基台110面から上方に離して保持台150の保持面160に保持させることで、立方体形状の被加工物10の3加工面の加工方向がどのように変化するのかについて説明する。
図11は実施の形態1の事例4の被加工物加工保持装置において、立方体形状の被加工物を保持する保持台の保持面を回転基台面上の回転軸との交点から円周方向に摺動させ固定させると共に、立方体形状の被加工物を回転基台面から上方に離して保持台の保持面に保持させ、第1の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図であり、図11(a)は上面図、図11(b)は図11(a)の右側面図、図11(c)は保持台が固定された回転基台を所定角度傾けることにより立方体の第1の加工面が鉛直上向き方向とされた状態を示す斜視図である。また、図12は、図11における回転基台の回転軸が時計回りに120度回転され、第2の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図であり、図12(a)は上面図、図12(b)は図12(a)の右側面図、図12(c)は保持台が固定された回転基台を所定角度傾けることにより立方体の第2の加工面が鉛直上向き方向とされた状態を示す斜視図である。そして、図13は、図12における回転基台の回転軸が、更に、時計回りに120度回転され、第3の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図であり、図13(a)は上面図、図13(b)は図13(a)の右側面図、図13(c)は保持台が固定された回転基台を所定角度傾けることにより立方体の第3の加工面が鉛直上向き方向とされた状態を示す斜視図である。
図11乃至図13に示すように、実施の形態1の事例1の図1乃至図3と同様、立方体形状の被加工物10の第1の加工面11を一度、所定の加工方向に一致させると、その後では、保持台150による立方体形状の被加工物10の保持状態を維持させたまま、回転基台110の回転軸120を120度ずつ回転させるだけで、立方体形状の被加工物10のうちの互いに隣接し直交する3加工面(第1の加工面11、第2の加工面12、第3の加工面13)を、逐次、一定の加工方向から加工することが可能となる。なお、この場合には、保持台150の保持面160を回転基台110面上の回転軸120の交点110aから円周方向に離す距離及び立方体形状の被加工物10を回転基台110面から上方に離す距離に応じて、加工の際の加工面毎に水平基準及びそれに垂直な垂直基準に対する送り量を変更する必要が生じるのみである。
このように、上記被加工物加工保持装置100は、回動自在に軸支され、120度間隔で固定自在な回転基台110と、軸支された回転基台110の回転軸120の軸線に対する相対角度がsin-1(1/31/2 )度となるように立方体形状の被加工物10を保持する保持台150とを具備するものである。また、保持台150は、回転基台110の回転軸120の軸線に対して相対角度がsin-1(1/31/2 )度の平面を形成したものである。そして、回転基台110の回転軸120の軸線に対して相対角度がsin-1(1/31/2 )度の平面としての保持台150の保持面160は、回転基台110の回転平面に対して摺動自在としたものである。更に、保持台150は、立方体形状の被加工物10を保持する面を水平面とし、回動自在に軸支され、120度間隔で固定自在な回転基台110をsin-1(1/31/2 )度となるように軸支されたものである。
即ち、立方体形状の被加工物10を保持する保持台150の保持面160は、回転基台110の回転軸120に対する相対角度をsin-1(1/31/2 )度となるように傾けると共に、回転基台110面に対して保持台150の保持面160が摺動自在とされている。この保持面160に立方体形状の被加工物10が回転基台110面上または回転基台110面から上方に離して保持されていることで、保持台150の保持面160に立方体形状の被加工物10を保持したままで、回転基台110の回転軸120を時計回りに120度回転する毎に、第1の加工面11に続く、第2の加工面12、第3の加工面13の加工方向を一定の鉛直方向に設定することができる。これにより、立方体形状の被加工物10における上記3加工面に対する加工精度を熟練度にかかわらず向上させることができると共に、この間に保持し直しにかかる時間が不要となることで作業効率を大きく向上させることができる。
次に、上記被加工物加工保持装置100において、保持台150の保持面160に保持される被加工物10を立方体に替えて直方体とした実施の形態5について、図14乃至図16を参照して説明する。
図14は実施の形態1の事例5の被加工物加工保持装置に対して直方体を回転基台面から上方に離して保持台の保持面に保持させ、第1の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図であり、図14(a)は上面図、図14(b)は図14(a)の右側面図、図14(c)は保持台が固定された回転基台を所定角度傾けることにより直方体の第1の加工面が鉛直上向き方向とされた状態を示す斜視図である。なお、このとき、直方体20の3加工面(第1の加工面21、第2の加工面22、第3の加工面23)に対する頂点が、回転基台110の回転軸120を通り保持台150の保持面160に垂直な平面上にあり、直方体20の3加工面のうち第2の加工面22及び第3の加工面23が保持台150の端面に平行な面となるように保持台150の保持面160からはみ出して保持されている。また、図15は、図14における回転基台の回転軸が時計回りに120度回転され、第2の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図であり、図15(a)は上面図、図15(b)は図15(a)の右側面図、図15(c)は保持台が固定された回転基台を所定角度傾けることにより直方体の第2の加工面が鉛直上向き方向とされた状態を示す斜視図である。そして、図16は、図15における回転基台の回転軸が、更に、時計回りに120度回転され、第3の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図であり、図16(a)は上面図、図16(b)は図16(a)の右側面図、図16(c)は保持台が固定された回転基台を所定角度傾けることにより直方体の第3の加工面が鉛直上向き方向とされた状態を示す斜視図である。
図14乃至図16に示すように、図1乃至図3と同様、直方体20の第1の加工面21を一度、所定の加工方向に一致させると、その後では、保持台150による直方体20の保持状態を維持させたまま、回転基台110の回転軸120を120度ずつ回転させるだけで、直方体20のうちの互いに隣接し直交する3加工面(第1の加工面21、第2の加工面22、第3の加工面23)を、逐次、一定の加工方向から加工することが可能となる。なお、この場合には、直方体20を回転基台110面から上方に離す距離に応じて、加工の際の加工面毎に水平基準及びそれに垂直な垂直基準に対する送り量を変更する必要を生じる。
このため、直方体20を回転基台110面から上方に離して保持台150の保持面160に保持させた場合においても、上述の図1乃至図3と同様、これら3加工面に対する加工精度を熟練度にかかわらず向上させることができると共に、この間に保持し直しにかかる時間が不要となることで作業効率を大きく向上させることができる。
このように、上記被加工物加工保持装置100は、回動自在に軸支され、120度間隔で固定自在な回転基台110と、軸支された回転基台110の回転軸120の軸線に対する相対角度がsin-1(1/31/2 )度となるように被加工物としての直方体20を保持する保持台150とを具備するものである。また、回転基台110と保持台150とは、回転基台110の回転軸120の軸線に対して相対角度がsin-1(1/31/2 )度の平面を形成したものである。そして、保持台150は、直方体20を保持する面を水平面とし、回動自在に軸支され、120度間隔で固定自在な回転基台110をsin-1(1/31/2 )度となるように軸支されたものである。
即ち、直方体20を保持する保持台150の保持面160は、回転基台110の回転軸120に対する角度をθ=sin-1(1/31/2 )度となるように傾けると共に、回転基台110面に対して保持台150の保持面160が摺動自在とされている。この保持面160に直方体20が回転基台110面上または回転基台110面から上方に離して保持されていることで、保持台150の保持面160に直方体20を保持したままで、回転基台110の回転軸120を時計回りに120度回転する毎に、第1の加工面21に続く、第2の加工面22、第3の加工面23の加工方向を一定の鉛直方向に設定することができる。これにより、被加工物としての直方体20における上記3加工面に対する加工精度を熟練度にかかわらず向上させることができると共に、この間に保持し直しにかかる時間が不要となることで作業効率を大きく向上させることができる。
ところで、被加工物加工保持装置100において、被加工物として直方体20を保持する保持台150の保持面160を回転基台110面上の回転軸120との交点110aから円周方向に摺動させ固定させた場合、更に、直方体20を保持する保持台150の保持面160を回転基台110面上の回転軸120との交点110aから円周方向に摺動させ固定させると共に、直方体20を回転基台110面から上方に離して保持台150の保持面160に保持させた場合についても、上述の立方体形状の被加工物10の場合と同様に説明できるため、その詳細な説明を省略する。
ところで、上記実施の形態1の被加工物加工保持装置100は、被加工物10が正確な立方体に限ることなく、直方体形状、或いは直角が形成されていない金属塊のような形が特定されていないグラスファイバ、木材当の植物材料、プラスチック、セラミックス等においても、被加工物10の隣接直交する面の加工を行うことができる。したがって、譬え、作業者が熟練したものでなくても、被加工物10を保持台150に取り付けるだけで被加工物10の1面または隣接直交する2面以上の加工を行うことができる。
[実施の形態2]
次に、上記被加工物加工保持装置が使用された被加工物加工装置を構成する加工機として、具体的な研削加工機による被加工物に対する研削加工について、図17乃至図19の概略構成図を参照して説明する。ここでは、説明のし易さから、図17乃至図19においても、図1乃至図3と同様、回転基台110面上の回転軸120との交点110aを保持台150の保持面160が通るように固定され、回転基台110の回転軸120上に、被加工物として立方体形状の被加工物10の3加工面の頂点及びこの頂点から最も遠く離れた頂点とが位置し、この頂点から最も遠く離れた頂点が回転基台110面上の交点110aに位置するように保持面160に保持されているとする。
図17(a)は、図1(c)に示す鉛直上向き方向とされた立方体形状の被加工物10の第1の加工面11に対して、研削加工機200の回転砥石220による研削加工を示す斜視図、図17(b)は、図17(a)をQ方向から見た矢視図である。また、図18(a)は、図2(c)に示す鉛直上向き方向とされた立方体形状の被加工物10の第2の加工面12に対して、研削加工機200の回転砥石220による研削加工を示す斜視図、図18(b)は、図18(a)をR方向から見た矢視図である。そして、図19(a)は、図3(c)に示す鉛直上向き方向とされた立方体形状の被加工物10の第3の加工面13に対して、研削加工機200の回転砥石220による研削加工を示す斜視図、図19(b)は、図19(a)をS方向から見た矢視図である。なお、図17乃至図19に示すように、回転基台110の回転軸120は、固定基台130に軸支され、かつ、固定基台130内に配設された図示しない電動モータの回転軸に接続されている。
まず、図17(a)及び図17(b)において、被加工物加工装置としての研削加工機200は、回転軸210に軸支された回転砥石220が回転され、被加工物10として立方体形状の被加工物10の鉛直上向き方向とされた第1の加工面11に対して、回転砥石220の回転軸210が矢印で示すX,Y,Z方向の前後に研削送りされることで、立方体形状の被加工物10の第1の加工面11に対する所望の研削加工が行われる。なお、研削加工機200における回転砥石220を回転するための電動モータ、研削送りするための機構やその制御装置等は省略されている。
次に、立方体形状の被加工物10の第1の加工面11に対する回転砥石220による研削加工が終了すると、図17に示す被加工物加工保持装置100における回転基台110の回転軸120が時計回りに120度回転され、図18に示すように、立方体形状の被加工物10の第2の加工面12が鉛直上向き方向とされる。この後、図18(a)及び図18(b)において、研削加工機200はその回転軸210に軸支された回転砥石220が回転され、第2の加工面12に対して、回転砥石220の回転軸210が矢印で示すX,Y,Z方向の前後に研削送りされることで、立方体形状の被加工物10の第2の加工面12に対する所望の研削加工が行われる。
そして、立方体形状の被加工物10の第2の加工面12に対する回転砥石220による研削加工が終了すると、図18に示す被加工物加工保持装置100における回転基台110の回転軸120が、更に、時計回りに120度回転され、図19に示すように、立方体形状の被加工物10の第3の加工面13が鉛直上向き方向とされる。この後、図19(a)及び図19(b)において、研削加工機200はその回転軸210に軸支された回転砥石220が回転され、第3の加工面13に対して、回転砥石220の回転軸210が矢印で示すX,Y,Z方向の前後に研削送りされることで、立方体形状の被加工物10の第3の加工面13に対する所望の研削加工が行われる。
このように、上記実施の形態2の被加工物加工装置は、回動自在に軸支され、120度間隔で固定自在な回転基台110と、軸支された回転基台110の回転軸120の軸線に対する相対角度がsin-1(1/31/2 )度となるように立方体形状の被加工物10を保持する保持台150と、軸支された回転基台110の回転軸120の軸線に対する相対角度がsin-1(1/31/2 )度の面内に水平基準及びそれに垂直な垂直基準を設定した加工機としての研削加工機200とを具備するものである。また、回動自在に軸支され、120度間隔で固定自在な回転基台110に、回転基台110の回転軸120の軸線に対する角度がsin-1(1/31/2 )度となるように設定した保持台150に立方体形状の被加工物10を保持し、回転基台110を120度回転させることによって、隣接直交する面の加工を行うものである。そして、保持台150は、立方体形状の被加工物10を保持する面を水平面とし、回動自在に軸支され、120度間隔で固定自在な回転基台110をsin-1(1/31/2 )度となるように軸支されたものである。
加工機としての研削加工機200は、軸支された回転基台110の回転軸120の軸線に対する相対角度がsin-1(1/31/2 )度の面と平行する位置に水平基準及びそれに垂直な垂直基準を設定するものであるから、加工機としての研削加工機200は、被加工物10の隣接直交する1面乃至3面の加工を回転基台110を120度回転させる毎に行うことができる。
また、保持台150の被加工物10を保持する保持面160を水平面とし、保持台150の被加工物10を保持する保持面160に対して、回転基台110をsin-1(1/31/2 )度となるように軸支されものであるから、従来からある被加工物加工装置と同様、被加工物10を水平面に取り付けることができ、専用機としての使用を前提とすることなく使用できる。また、水平面加工か、垂直面加工かによってその設置が容易になる。また、加工機としての研削加工機200は、そのまま、保持台150の被加工物10を保持する保持面160を水平面として組付けを行えばよいから、被加工物加工装置としての組み付け精度を向上させることができる。
上記被加工物加工装置は、被加工物加工方法として捉えることができる。即ち、回動自在に軸支され、120度間隔で固定自在な回転基台110の回転軸120の軸線に対して相対角度がsin-1(1/31/2 )度となるように保持台150の保持面160を設定し、そこに立方体形状の被加工物10を取り付ける工程と、軸支された回転基台110の回転軸120の軸線に対する相対角度がsin-1(1/31/2 )度の面内に水平基準及びそれに垂直な垂直基準を設定した加工機200によって、立方体形状の被加工物10を加工し、次いで、回転基台110を120度回転させることによって、前回の加工方向に対して直角方向の加工を行う工程とからなる被加工物加工方法の実施の形態とすることができる。
即ち、保持台150の保持面160は、回転基台110の回転軸120に対する角度をθ=sin-1(1/31/2 )度となるように傾けると共に、回転基台110面上の交点110aを保持台150の保持面160を通るように固定され、その保持面160に立方体形状の被加工物10が保持されていることで、保持台150の保持面160に立方体形状の被加工物10を保持したままで、回転基台110の回転軸120を時計回りに120度回転する毎に、第1の加工面11に続く、第2の加工面12、第3の加工面13の加工方向を一定の鉛直方向に設定することができる。そして、軸支された回転基台110の回転軸120の軸線に対する角度がsin-1(1/31/2 )度の面内に水平基準及びそれに垂直な垂直基準を設定した加工機200によって、立方体形状の被加工物10における各加工面が所望のように加工される。これにより、研削加工機200は、その加工方向を一度、立方体形状の被加工物10の加工面に一致させると、その後では、保持台150による立方体形状の被加工物10の保持状態を維持させたまま、回転基台110の回転軸120を120度ずつ回転させるだけで、立方体形状の被加工物10の隣接直交する面を、逐次、一定の加工方向から加工することが可能となり、これら加工面に対する加工精度を熟練度にかかわらず向上させることができると共に、この間に保持し直しにかかる時間が不要となることで作業効率を大きく向上させることができる。
上記被加工物加工保持装置が適用された被加工物加工装置では、具体的な加工機として研削加工機による研削加工について述べたが、この他、被加工物加工保持装置を適用して有効なものとしては、被加工物の加工面に対して同一の加工方向から加工を行う、例えば、フライス盤による研削加工、放電加工機、ドリル加工機やレーザビーム加工機等の各種加工機が該当し、同様の作用効果が期待できる。
[実施の形態3]
次に、上記被加工物加工保持装置における被加工物10の保持台150に対する取り付け方法について説明する。
特に、本実施の形態の被加工物加工保持装置及び被加工物加工装置では、保持台150に取り付ける被加工物10の3面の加工を容易にすることから、比較的不安定な取り付け状態となる。被加工物10が小型の場合には、マグネット(マグネットハンド)、バキューム(バキュームハンド)を使用した保持台150が好ましいが、被加工物10が大型の場合、保持台150に被加工物10をボルト締め、マグネット(マグネットハンド)で固着するのが望ましい。図20及び図321はその例である。
図20は本発明の実施の形態の被加工物加工保持装置に対する被加工物10の保持台150に取り付ける事例を示すもので、図17(b)に相当する加工面を水平に見た正面図、図21は本発明の実施の形態の被加工物加工保持装置に対する被加工物10の保持台150に取り付ける事例を示すもので、図5(b)に相当する右側面図である。
図20及び図21において、被加工物10は保持台150の保持面160に載置される前に、金型等のフック取り付け穴またはベース取り付け穴を穿設し、その穿設したフック取り付け穴またはベース取り付け穴等の螺子穴10mを設けておく。そして、螺子穴10mを設けた被加工物10を保持台150の保持面160に載置し、その複数の螺子穴10mにボルト151を螺入し、保持台150に被加工物10を堅固に取り付けるのが望ましい。
図21においては、保持台150と回転基台110との間に補強材111を配設し、保持台150に積載される被加工物10に耐える機械的強度を大きくしたものである。勿論、回転基台110と保持台150を一体に形成してもよい。この場合にも、回転基台110の回転軸の軸線に対する被加工物10の加工された面の相対角度がsin-1(1/31/2 )度となるように被加工物10を保持する保持台150の面を形成すればよい。このとき、回転基台110の回転面と保持台150の面の相対角度はsin-1(1/31/2 )度となる。
ここで、上記実施の形態1及び実施の形態2においては、回転基台110が360度回転することを前提に説明してきた。しかし、回転基台110が360度回転することは、保持台150に積載される被加工物10が反重力方向に取り付けられた状態を通過することを意味する。したがって、それだけ保持台150に積載される被加工物10の取り付けを堅固にする必要がある。
[実施の形態4]
次に、上記被加工物加工保持装置における回転基台110の回動について説明する。
前述したように、回転基台110が360度回転すると、保持台150に積載される被加工物10が反重力方向に取り付けられた状態を通過することになり、それだけ保持台150に積載される被加工物10の取り付けを堅固にする必要がある。そこで、被加工物10の隣接直交する3面の加工を行う場合には、図22に示すように設定を行うのが望ましい。
図22は本発明の実施の形態の被加工物加工保持装置に対する回転基台110の回動を示す事例で、図1(a)に相当する回転基台110の回転軸から見た正面図である。
図22において、120度間隔で固定自在な回転基台110は、保持台150の保持面160の水平位置を最下位置とし、その最下位置を中心に左右に120度回動、即ち、±120度回動自在に軸支されたものである。このようにすることにより、回転基台110が真上を通過する必要がなくなり、保持台150に積載される被加工物10が反重力方向に取り付けられた状態をかいひできるから、保持台150に積載される被加工物10を堅固に取り付ける必要がなくなる。
また、被加工物10の隣接直交する2面の加工を行う場合には、図22に示す一方の120度のみの使用とすることができる。または、図22に示す一方の±120度を±60度とし、その両側で停止させ、加工を施してもよい。
即ち、被加工物加工保持装置、被加工物加工装置では、前記120度間隔で固定自在な回転基台110を保持台150の上平面の水平位置を最下位置とし、その最下位置を中心に±120度の範囲内に回動自在に軸支したものであればよい。このように構成すると、被加工物10が保持台150から離れる方向の重力が直接加わるのを防止し、重力が被加工物10を保持台150に押し付けるように働く範囲内で設定できるから、保持台150に対する被加工物10の取り付けが容易になる。
上記実施の形態では、被加工物10及び保持台150が気中であるとか、油中であるとかを説明していないが、本発明を実施する場合には、気中、油中、水中を問うものではない。
また、上記実施の形態では回転基台110の回転軸の軸線に対する被加工物10の加工された面の相対角度がsin-1(1/31/2 )度となるように被加工物10を保持する保持台150は、正確にsin-1(1/31/2 )度が出るものではないので、その仕上げ精度及びサイズによって、1/10〜1/1000の精度とすることができる。勿論、1/1000以下の誤差の混入精度とすることができる。
そして、回転基台110の回転軸は、単に電動機等の出力軸または減速機構を介在した出力軸に直結されたものを前提とするものではなく、周囲から回転されるもののように駆動エネルギを何れから受けてもよい。何れにせよ、回転基台110の回転軸の軸線とは、回転基台110の回転中心を意味するものであればよい。また、この場合においても、必ずしも回転基台110の回転を意味するものではなく、三角柱状の穴に回転基台110を取り付けた三角柱を嵌め込み、120度の角度の変化を行ったものでも、結果的に、回転基台110の仮想回転軸の軸線を用いたものであり、本発明を実施する場合の回転基台110の回転中心を意味するものの概念に入る。
例えば、回転基台110の回転軸の振れが誤差の要因となるので、回転基台110の保持台150の反対側を1乃至3重の円柱状とし、ローラーまたはボールベアリングを介して、回転基台110の振れを少なくするのが望ましい。
また、回転基台110は、研削加工機、放電加工機、ドリル加工機、レーザビーム加工機等の各種加工機に取り付けられるが、それら機械系の本体の何れの位置に取り付けることも自在であり、また、それらを複合機としたり、複数軸として、同時に2面以上の加工を行うこともできる。
図1は本発明の実施の形態1の事例1にかかる被加工物加工保持装置に立方体を保持させ、第1の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図で、(a)は上面図、(b)は右側面図、(c)は斜視図である。 図2は本発明の実施の形態1の事例1にかかる被加工物加工保持装置に立方体を保持させ、第2の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図で、(a)は上面図、(b)は右側面図、(c)は斜視図である。 図3は本発明の実施の形態1の事例1にかかる被加工物加工保持装置に立方体を保持させ、第3の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図で、(a)は上面図、(b)は右側面図、(c)は斜視図である。 図4は本発明の実施の形態1の事例1にかかる被加工物加工保持装置による加工面設定の原理を示す説明図で、(a)は立方体の各頂点を定義する斜視図、(b)は立方体の正面図、(c)は立方体を1辺で垂直に立てた場合の正面図、(d)は(c)の側面図、(e)は立方体を1頂点で垂直に立てた場合の側面図である。 図5は本発明の実施の形態1の事例2にかかる被加工物加工保持装置として、立方体を回転基台面から上方に離して保持台の保持面に保持させ、第1の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図で、(a)は上面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は斜視図である。 図6は本発明の実施の形態1の事例2にかかる被加工物加工保持装置として、立方体を回転基台面から上方に離して保持台の保持面に保持させ、第2の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図で、(a)は上面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は斜視図である。 図7は本発明の実施の形態1の事例2にかかる被加工物加工保持装置として、立方体を回転基台面から上方に離して保持台の保持面に保持させ、第3の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図で、(a)は上面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は斜視図である。 図8は本発明の実施の形態1の事例3にかかる被加工物加工保持装置として、立方体を保持する保持台の保持面を回転基台面上の回転軸との交点から円周方向に離して固定させ、第1の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図で、(a)は上面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は斜視図である。 図9は本発明の実施の形態1の事例3にかかる被加工物加工保持装置として、立方体を保持する保持台の保持面を回転基台面上の回転軸との交点から円周方向に離して固定させ、第2の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図で、(a)は上面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は斜視図である。 図10は本発明の実施の形態1の事例3にかかる被加工物加工保持装置として、立方体を保持する保持台の保持面を回転基台面上の回転軸との交点から円周方向に離して固定させ、第3の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図で、(a)は上面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は斜視図である。 図11は本発明の実施の形態1の事例4にかかる被加工物加工保持装置として、立方体を保持する保持台の保持面を回転基台面上の回転軸との交点から円周方向に離して固定させると共に、被加工物を回転基台面から上方に離して保持台の保持面に保持させ、第1の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図で、(a)は上面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は斜視図である。 図12は本発明の実施の形態1の事例4にかかる被加工物加工保持装置として、立方体を保持する保持台の保持面を回転基台面上の回転軸との交点から円周方向に離して固定させると共に、被加工物を回転基台面から上方に離して保持台の保持面に保持させ、第2の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図で、(a)は上面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は斜視図である。 図13は本発明の実施の形態1の事例4にかかる被加工物加工保持装置として、立方体を保持する保持台の保持面を回転基台面上の回転軸との交点から円周方向に離して固定させると共に、被加工物を回転基台面から上方に離して保持台の保持面に保持させ、第3の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図で、(a)は上面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は斜視図である。 図14は本発明の実施の形態1の事例5にかかる被加工物加工保持装置として、直方体を回転基台面から上方に離して保持台の保持面に保持させ、第1の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図で、(a)は上面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は斜視図である。 図15は本発明の実施の形態1の事例5にかかる被加工物加工保持装置として、直方体を回転基台面から上方に離して保持台の保持面に保持させ、第2の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図で、(a)は上面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は斜視図である。 図16は本発明の実施の形態1の事例5にかかる被加工物加工保持装置として、直方体を回転基台面から上方に離して保持台の保持面に保持させ、第3の加工面を所定の加工方向に一致させた状態を示す模式図で、(a)は上面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は斜視図である。 図17は本発明の実施の形態2にかかる被加工物加工装置による被加工物として立方体の第1の加工面に対する研削加工を示す概略構成図である。 図18は本発明の実施の形態2にかかる被加工物加工装置による被加工物として立方体の第2の加工面に対する研削加工を示す概略構成図である。 図19は本発明の実施の形態2にかかる被加工物加工装置による被加工物として立方体の第3の加工面に対する研削加工を示す概略構成図である。 図20は本発明の実施の形態3の被加工物加工保持装置に対する被加工物の保持台に取り付ける事例1を示す、図17(b)に相当する加工面を水平に見た正面図である。 図21は本発明の実施の形態3の被加工物加工保持装置に対する被加工物の保持台に取り付ける事例2を示すもので、図5(b)に相当する右側面図である。 図22は本発明の実施の形態4の被加工物加工保持装置に対する回転基台の回動を示す事例で、図1(a)に相当する回転基台の回転軸から見た正面図である。
10 立方体(被加工物)
11 第1の加工面
12 第2の加工面
13 第3の加工面
20 直方体(被加工物)
21 第1の加工面
22 第2の加工面
23 第3の加工面
100 被加工物加工保持装置
110 回転基台
150 保持台
160 保持面
200 研削加工機(加工機)

Claims (9)

  1. 回動自在に軸支され、120度間隔で固定自在な回転基台と、
    前記回転基台の回転軸の軸線に対する被加工物の加工された面との相対角度がsin-1(1/31/2 )度となるように、前記回転基台の前記回転軸の軸線に対して相対角度がsin -1 (1/3 1/2 )度の上平面を形成した被加工物を保持する保持台と
    を具備することを特徴とする被加工物加工保持装置。
  2. 前記回転基台の回転軸の軸線に対して相対角度がsin-1(1/31/2 )度の前記保持台の上平面は、被加工物のサイズによって回転基台の回転平面の直径方向に移動自在にできることを特徴とする請求項1に記載の被加工物加工保持装置。
  3. 前記保持台の上平面は、水平面とし、それに対して前記回転基台の回転軸の軸線の角度を、前記保持台の水平面に対してsin-1(1/31/2 )度となるように軸支したことを特徴とする請求項2に記載の被加工物加工保持装置。
  4. 前記120度間隔で固定自在な回転基台は、前記保持台の上平面の水平位置を最下位置とし、その最下位置を中心に±120度または±60度回動自在に軸支されたことを特徴とする請求項3に記載の被加工物加工保持装置。
  5. 回動自在に軸支され、120度間隔で固定自在な回転基台と、
    前記回転基台の回転軸の軸線に対する被加工物の加工された面との相対角度がsin-1(1/31/2 )度となるように、前記回転基台の回転軸の軸線に対して相対角度がsin -1 (1/3 1/2 )度の上平面を形成した被加工物を保持する保持台と、
    前記回転基台の回転軸の軸線に対して相対角度がsin-1(1/31/2 )度の面に平行して水平基準及びそれに垂直な垂直基準を設定した加工機と
    を具備することを特徴とする被加工物加工装置。
  6. 前記保持台は、前記被加工物を保持する面を水平面とし、それに対して前記回転基台の回転軸の軸線の角度を、前記水平面に対してsin-1(1/31/2 )度となるように軸支したことを特徴とする請求項5に記載の被加工物加工装置。
  7. 前記120度間隔で固定自在な回転基台は、前記保持台の上平面の水平位置を最下位置とし、その最下位置を中心に±120度または±60度回動自在に軸支されたことを特徴とする請求項6に記載の被加工物加工装置。
  8. 回動自在に軸支され、120度間隔で固定自在な回転基台の回転軸の軸線に対して、被加工物の加工された面の相対角度がsin-1(1/31/2 )度となるように保持台の被加工物を保持台に取り付ける工程と、
    前記回転基台の回転軸の軸線に対する角度がsin-1(1/31/2 )度の面に平行して水平基準及びそれに垂直な垂直基準を設定した加工機によって、前記被加工物を加工し、次いで、前記回転基台を120度回転させることによって、前記被加工物の隣接直交する面の加工を行う工程と
    を具備することを特徴とする被加工物加工方法。
  9. 前記120度間隔で固定自在な回転基台は、前記保持台の上平面の水平位置を最下位置とし、その最下位置を中心に±120度または±60度回動自在に軸支されたことを特徴とする請求項8に記載の被加工物加工方法。
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