10,110,210,310,410:本発明のタイル接着強さ検査装置の第1の態様、12a,12b,112a,112b,212a,212b,312a,312b,412a,412b:板状部材、13a,13b,113a,113b,313a,313b,413a,413b:目地間隔部挿入部、14a,14b,16a,16b,114b,116b:係合部、17,117,317,417:付勢手段、18,118,418:軸棒、20,120,420:ネジロッド、21,121,421:溝部、22a,22b,24a,24b,122a,124a,422a,424a:取付部材、26,126,326,426:トルクレンチ(付勢手段、接着強さ測定手段)、30A,30C:ユニットタイル、32A,32C:タイル、33a,33b,33c,33d,133a〜133g:測定対象タイル、34A,34B,34C,134A,134C:挿入位置、36A,36C:目地間隔部、38A,38C:パネル、44a,44b,46a,44b,144a,444a:開孔部、52a,52b,152a,152b,252a,252b:基端部、54a,54b,154a,154b,354a,354b,454a,454b:先端部、214:スライド受け部、216:スライド部、S:ネジ、1010A,1010B,1110,1210,1310:本発明のタイル接着強さ検査装置の第2の態様、1012a,1012b,1012c,1112a,1112b,1112c,1212a,1212b,1372a,1372b:目地間隔部挿入部、1013a,1013b,1013c,1113a,1113b,1113c:押圧面、1014a,1014b,1014c,1114a,1114b,1114c,1214a,1214b,1312a,1312b,1612a,1612b:板状部材、1015a,1015b,1015c:板状部材穿孔部、1016a,1016b,1016c:当接部材、1017a,1017b,1017c:当接部材傾斜部、1018,1118,1320:ネジロッド、1020a,1020b:横枠部材、1022,1150:シャフト、1024:上蓋部材、1025:螺子穴、1026:スクリュー部材、1028,1326:トルクレンチ、1030,1130,1230,1330:付勢手段、1032a,1032b,1032c:板状部材傾斜部、1034A,1034B:ユニットタイル、1036A,1036B:目地間隔部、1038a,1038b,1038c,1040a,1040b,1042a,1042b:指示対象タイル、1039,1041,1043:測定対象タイル、1044A,1044C:タイル、1045A:タイル側面、1046A,1046C:パネル(下地材)、1049,1149,1156:螺子溝、1050a,1050b,1050c:当接部材穿孔部、1052a,1052b:上部開孔部、1054a,1054b:下部開孔部、1060A,1060B,1060C:挿入位置、1124:カバー部材、1128,1308:ハンドル、1144a,1144b,1144c:ローラー、1145:ローラー軸、1146a,1146b:固定螺子シャフト、1148a,1148b:スパイラルギア、1151a,1151b:フレーム部材、1152a,1152b:支持部材、1154a:係止部材、1222a,1222b:上部フレーム部材、1216:油圧ジャッキ、1218:レバー、1224a:ガイドレール部材、1224b:スライド部材、1304:トルク測定及び設定装置、1314a,1316a:係合部、1318:軸棒、1321:溝部、1322a,1324a:フレーム部材、1344a:開孔部、1352a,1352b:基端部、1613a,1613b:凹凸部、1672a,1672b:先端凹凸状目地間隔部挿入部、N:ナット、S:ネジ、W:ワッシャー、2010A,2010B,2010C,2010D,2010E:本発明のタイル接着強さ検査装置の第3の態様、2012A,2012B,2012C,2012D,2012E:基体部材、16:目地間隔部挿入部、2020,2120,2220,2320:被係合部、2022:アタッチメント、2024:開口部、2026:係合凸部、2028,2428:支軸部材、2029,2429:取っ手部材、2030:負荷値測定手段、2031:グリップ部、2034A:ユニットタイル、2036A:目地間隔部、2038,2438,2041:指示対象タイル、2039,2040,2139,2239,2339,2439:測定対象タイル、2044A:タイル、2046A:パネル、2060A,2060B,2160a,2160b,2260a,2260b,2260c,2260d,2360a,2360b,2460a,2460b:挿入位置、2113a,2213a,2313a,2413a:第一棒状部材、2113b,2213b,2313b,2413b:第二棒状部材、2114,2314:保持部材、2116a:第一目地間隔部挿入部、2116b:第二目地間隔部挿入部、2212a:第一先端二股棒状基体部材、2212b:第二先端二股棒状基体部材、2213c:第三棒状部材、2213d:第四棒状部材、2214a:第一保持部材、2214b:第二保持部材、2216a,2316a,2416a:第一目地間隔部挿入部、2216b,2316b,2416b:第二目地間隔部挿入部、2216c:第三目地間隔部挿入部、2216d:第四目地間隔部挿入部、2315a,2415a:第一平板状部材、2315b,2415b:第二平板状部材、A:作用点部、D:挿入幅、F:力点部、N:ナット、S:支点部。
以下に本発明のタイル接着強さ検査装置の第1の態様の実施の形態を添付図面に基づいて説明するが、図示例は例示的に示されたもので、本発明の技術的思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことは言うまでもない。
図1は本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第1の態様の第1形態を示す分解斜視図、図2は図1に係るタイル接着強さ検査装置の組立斜視図、図3は本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第1の態様の第1形態を示す正面図であって、(a)は目地間隔部挿入部を互いに内方に付勢せしめた状態、(b)目地間隔部挿入部を互いに外方に付勢せしめた状態、をそれぞれ仮想線で示す。図4は目地間隔部を設けて複数枚敷設されたタイルのうち、本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第1の態様のの第1形態の測定対象となるタイルの位置を示す平面図であって、(a)は一つの実施の形態、(b)はもう一つの実施の形態、(c)は別の実施の形態、をそれぞれ示す。
図5は本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第1の態様の第2形態を示す正面図、図6は本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第1の態様の第3形態を示す正面図、図7は本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第1の態様の第4形態を示す右側面である。
図8は目地間隔部を設けて複数枚敷設されたタイルのうち、タイル接着強さ検査装置の第1の態様の第4形態の測定対象となるタイルの位置を示した一つの実施の形態を示す平面図、図9は目地間隔部を設けて複数枚敷設されたタイルのうち、第4の形態の測定対象となるタイルの位置を示した別の実施の形態を示す平面図である。図10は本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第1の態様の第5形態を示す正面図である。
図11は目地間隔部を介して平行して敷設された2枚のタイルの両外側の目地間隔部のそれぞれに目地間隔部挿入部を挿入した状態を示す摘示概略図、図12は押圧状態を示す摘示概略図であって、(a)は目地間隔部挿入部を互いに内方に付勢せしめて前記目地間隔部挿入部の内側面部で2つのタイルの片側面を押圧することにより、貼り付けられていた位置からタイルがずれた状態、(b)は目地間隔部挿入部を互いに外方に付勢せしめて前記目地間隔部挿入部の外側面部で2つのタイルの片側面を押圧することにより、貼り付けられていた位置からタイルがずれた状態、をそれぞれ示す。
図1〜3、11〜12において、符号10は本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第1の態様の第1形態を示す。タイル接着強さ検査装置10は、図4によく示されるような
目地間隔部36A,36Cを設けて複数枚敷設されたタイル32A,32Cの接着強さ検査を行うためのタイル接着強さ検査装置である。
タイル接着強さ検査装置10は、図1〜図3及び図11〜12によく示される如く、相対向して設けられた一対の板状部材12a,12bと、前記一対の板状部材12a,12bの先端部54a,54bそれぞれに設けられ、目地間隔部36A,36Cよりも狭い幅を有し、且つ互いに内方又は外方へと付勢可能とされた目地間隔部挿入部13a,13bと、一対の板状部材12a,12bの目地間隔部挿入部13a,13bを内方又は外方に付勢させるための付勢手段17と、を含むように構成されている。
図示例では、付勢手段17は、外周に螺旋状の溝部21を有し前記一対の板状部材12a,12bを連結するように前記一対の板状部材12a,12bの基端部52a,52bに横架されたネジロッド20と、該ネジロッド20に係合されたトルクレンチ26(トルクレンチ26としては市販のダイヤル形トルクレンチを用いた)と、から構成されており、トルクレンチ26を回すと、図3中に仮想線でよく示される如く、目地間隔部挿入部13a,13bの間隔が狭まったり広くなったりするように、いわゆるジャッキ機構で構成されている。
このトルクレンチ26は、レンチにかかった負荷、すなわちトルクが表示される仕組みになっており、これにより、接着強さを測定することができるため接着強さ測定手段でもある。
また、前記付勢手段17の付勢力を調節するための付勢力調節手段をさらに有し、所定の接着強度に対応して予め設定した負荷値を検出したら該負荷値を超える付勢力が生じないようにし、該負荷値を接着強さとして測定することもできる。この場合には、トルクレンチ26として、プリセット型のトルクレンチ(例えば、京都機械工具株式会社製、CMPA1051)などを使用すればよい。こういった予め目標トルク値などが設定できるタイプのトルクレンチであれば、予め目標トルク値を設定しておき、該目標トルク値に達したら、該目標トルク値を超える負荷がかからないようにし、前記一対の板状部材12a,12bの目地間隔部挿入部13a,13bをそれ以上内方又は外方に付勢しないように構成することが可能となる。そして、この達した目標トルク値を接着強さとして検査すればよい。もちろん予め目標負荷値(目標トルク値など)が設定できるタイプの油圧シリンダ機構やエアシリンダ機構なども適用可能である。
図1において、符号14a,14bは板状部材12aに取付けられた係合部であり、開孔部44a,44bを有している。また、符号16a,16bは板状部材12bに取付けられた係合部であり、開孔部46a,46bを有している。
図示例では、相対向して取付けられた係合部14a,14bの内側に、相対向して取付けられた係合部16a,16bが位置し、開孔部44a,44bと開孔部46a,46bが貫通状態とされ、該貫通状態とされた開孔部44a,44bと開孔部46a,46bに軸棒18が挿入されることで、係合部14a,14b及び係合部16a,16bが軸支されている。そして、前記一対の板状部材12a,12bが前記軸棒18を支点として回動せしめられて前記目地間隔部挿入部13a,13bを内方又は外方に付勢せしめる構造とされている。なお、図1において、符号Sはネジを示す。
ネジロッド20は、図1〜図3によく示されるごとく、一端部が取付部材22a,22bによって板状部材12aに揺動可能に取付けられ、他端部が取付部材24a,24bによって板状部材12bに揺動可能に取付けられている。
したがって、図示例では、トルクレンチ26を時計回りに回すと、図3(a)によく示される如く、板状部材12aの基端部52a及び板状部材12bの基端部52bの間隔が広がり、一方、係合部14a,14b及び係合部16a,16bが軸棒18で軸支されているため、目地間隔部挿入部13a,13bの間隔は狭まる。逆に、トルクレンチ26を反時計回りに回すと、図3(b)によく示される如く、板状部材12aの基端部52a及び板状部材12bの基端部52bの間隔が狭まり、一方、目地間隔部挿入部13a,13bの間隔が広がる。
タイル接着強さ検査装置10では、付勢手段として前記一対の板状部材12a,12bをネジロッドで連結し、該ネジロッド20をトルクレンチ26で回すことによって前記一対の板状部材12a,12bの目地間隔部挿入部13a,13bを内方又は外方に付勢させる構成を示したが、付勢手段は、一対の板状部材12a,12bの目地間隔部挿入部13a,13bを内方又は外方に付勢させる作用を奏すればよいものであるから、図示例以外にも、例えば油圧シリンダ機構やエアシリンダ機構などを用いて一対の板状部材12a,12bの目地間隔部挿入部13a,13bを内方又は外方に付勢させる作用を奏するようにしてもよい。
また、タイル接着強さ検査装置10では、接着強さ測定手段として、トルクレンチ26を用いており、押圧されたタイルが、貼り付けられていた位置からずれた時の接着強さをトルクレンチ26で測定する。
本明細書において、目地間隔部36A,36Cは、目地部として空けられた目地が詰められる前のタイル間隔のことを指し、目地の幅と同一となる。例えば、幅95mm×高さ45mmのタイルを敷設する場合には、目地幅は5mmが基本であるから、目地間隔部36A,36Cは5mmとすればよい。そして、前記目地間隔部挿入部13a,13bは前記目地間隔部36A,36Cに挿入される必要があるため、前記目地間隔部36A,36Cよりも狭い幅とする必要があり、上記のように例えば目地間隔部36A,36Cを5mmとした場合には、前記目地間隔部挿入部13a,13bは幅4mmとする。
したがって、目地間隔部の幅に合わせて、その幅よりも狭い幅を有する目地間隔部挿入部13a,13bを備えた前記一対の板状部材12a,12bを用意しておけば、種々の目地間隔部を有するタイルに適用可能となる。
目地間隔部を設けて複数枚敷設されたタイルとしては、図4(a)に目地間隔部36Aを設けて複数のタイル32A(図示例では18枚)がパネル(下地材)38A上に敷設されたユニットタイル30Aを示した。図4(a)において、符号34Aは前記目地間隔部挿入部13a,13bの挿入位置を示し、斜めのハッチングで示した。図4(a)では挿入位置34Aはタイルの長手方向となっている。図4(a)において、符号33aは、目地間隔部挿入部13a,13bを互いに内方に付勢した場合の押圧の対象となるタイルを示し、測定対象タイル33aを格子柄で示した。
また、図4(b)は、上記したユニットタイル30Aを用いて、目地間隔部挿入部13a,13bの挿入位置をタイルの短手方向としたものであり、目地間隔部挿入部13a,13bの挿入位置を挿入位置34Bとして斜めのハッチングで示した。このように、目地間隔部挿入部13a,13bはタイルの長手方向でも短手方向に挿入してもよい。図4(b)において、符号33bは、目地間隔部挿入部13a,13bを互いに内方に付勢した場合の押圧の対象となるタイルを示し、測定対象タイル33bを格子柄で示した。
さらに、図4(c)では、目地間隔部36Cを設けて複数のタイル32C(図示例では21枚)がパネル(下地材)38C上に敷設されたユニットタイル30Cを示した。目地間隔部挿入部13a,13bの挿入位置を挿入位置34Cとして斜めのハッチングで示した。図4(c)において、符号33cは、目地間隔部挿入部13a,13bを互いに内方に付勢した場合の押圧の対象となるタイルを示し、測定対象タイル33cを格子柄で示した。
このように、目地間隔部を設けてタイルが敷設されており、且つタイルが目地間隔部を介して平行して敷設されていれば、タイル接着強さ検査装置10は適用可能である。図示例以外にも種々のタイルに適用可能であることは勿論である。また、複数のタイルである限りよいものであるから、タイルの材質や数などに特別の限定はない。
目地間隔部挿入部についても、目地間隔部よりも狭い幅を有し、且つ互いに内方又は外方へと付勢可能とされていればよいものであるからその形状などに特別の限定はない。また、例えば、拡張補助具目地間隔部挿入部を有する拡張補助具を用いてもよい。すなわち、前記一対の板状部材の前記目地間隔部挿入部の先端に、拡張補助具目地間隔部挿入部を有する拡張補助具を取付け、前記拡張補助具目地間隔部挿入部を前記目地間隔部に挿入するように構成すれば、より多くの種々のサイズのタイルに適合させることが可能となる。
図5に、本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第1の態様の第2形態を示す。図5において、タイル接着強さ検査装置110は、相対向して設けられた一対の板状部材112a,112bと、前記一対の板状部材112a,112bの先端部154a,154bそれぞれに設けられ、目地間隔部36A,36Cよりも狭い幅を有し、且つ互いに内方又は外方へと付勢可能とされた目地間隔部挿入部113a,113bと、一対の板状部材112a,112bの目地間隔部挿入部113a,113bを内方又は外方に付勢させるための付勢手段117と、を含むように構成されている。
符号114bは板状部材112aの基端部152aに取付けられた一対の係合部の一方を示し、開孔部144aを有している。また、符号116bは板状部材112bの基端部152bに取付けられた一対の係合部の一方を示し、開孔部144aと連通する開孔部を有している。そして、開孔部144aに軸棒118が挿入されることで、係合部114b及び係合部116bが軸支されており、前記一対の板状部材112a,112bが前記軸棒118を支点として回動せしめられて前記目地間隔部挿入部113a,113bを内方又は外方に付勢せしめる構造とされている。なお、図5において、符号Sはネジを示す。
図示例では、付勢手段117は、外周に螺旋状の溝部121を有し前記一対の板状部材112a,112bを連結するように前記一対の板状部材112a,112bに横架されたネジロッド120と、該ネジロッド120に係合されたトルクレンチ126(トルクレンチ126としては市販のダイヤル形トルクレンチを用いた)と、から構成されており、トルクレンチ126を回すと、目地間隔部挿入部113a,113bの間隔が狭まったり広くなったりするように、いわゆるジャッキ機構で構成されている。
ネジロッド120は、上記第1の態様と同様に、一端部が取付部材122aによって板状部材112aに揺動可能に取付けられ、他端部が取付部材124aによって板状部材112bに揺動可能に取付けられている。
図6に、本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第1の態様の第3形態を示す。図6において、符号210は本発明に係るタイル接着強さ検査装置を示す。タイル接着強さ検査装置210は、相対向して設けられた一対の板状部材212a,212bと、前記板状部材212aの基端部252aに設けられ且つ内部にスライドレールを有するスライド受け部214と、板状部材212bに設けられかつ該スライド受け部214に摺動自在に挿入されたスライド部216と、を有している。その他の構成については、上記した本発明のタイル接着強さ検査装置の第1の態様の第2形態と同様であるので、説明は省略する。このようにして、トルクレンチを回すと、目地間隔部挿入部の間隔が狭まったり広くなったりするように、いわゆるジャッキ機構で構成されている。
図7に、本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第1の態様の第4形態の右側面図を示す。図7において、タイル接着強さ検査装置310は、相対向して設けられた一対の板状部材312a,312bと、前記一対の板状部材312a,312bの先端部354a,354bそれぞれに設けられ、目地間隔部36A,36Cよりも狭い幅を有し、且つ互いに内方又は外方へと付勢可能とされた目地間隔部挿入部313a,313bと、一対の板状部材312a,312bの目地間隔部挿入部313a,313bを内方又は外方に付勢させるための付勢手段317と、を含むように構成されている。326はトルクレンチを示す。その他の構成については、上記した本発明のタイル接着強さ検査装置の第1の態様の第1形態と同様であるので、説明は省略する。このようにして、トルクレンチ326を回すと、目地間隔部挿入部の間隔が狭まったり広くなったりするように、いわゆるジャッキ機構で構成されている。
第1の態様の第4形態では、図7によく示される如く、板状部材312aの幅を板状部材312bよりも大きくすることで目地間隔部挿入部313aの幅を目地間隔部挿入部313bよりも大きくしてある。このように、目地間隔部挿入部313aの幅と目地間隔部挿入部313bの幅が異なる構成としてもよい。このように、目地間隔部挿入部313aの幅と目地間隔部挿入部313bの幅が異なる構成とした場合には、目地間隔部挿入部313aと目地間隔部挿入部313bとに押圧されるタイルが対称的にならないので、検査目標とする特定のタイルを容易に検査することができるという利点がある。
図4(a)に示したユニットタイル30Aと同様に目地間隔部36Aを設けて複数枚敷設されたタイル32Aのうち、第1の態様の第4形態の測定対象となるタイルの位置を示した一つの実施の形態を示す平面図を図8に示す。
図8において、タイルの配置は図4(a)と同様であるが、測定対象となるタイルの位置が図4(a)とは異なっている。図8において、符号134Aは前記目地間隔部挿入部313a,313bの挿入位置を示し、斜めのハッチングで示した。図8では挿入位置134Aはタイルの長手方向となっている。
図8において、符号133a〜133dは、目地間隔部挿入部313a,313bを互いに内方に付勢した場合の押圧の対象となる測定対象タイルを示し、測定対象タイル133a〜133dを格子柄で示した。図8では、ちょうど1枚分のタイル幅である距離lは、図8に示した目地間隔部挿入部313bの幅に相当し、他方の距離l’は、目地間隔部挿入部313aの幅に相当する。したがって、目地間隔部挿入部313aと目地間隔部挿入部313bを互いに内方に付勢すると、目地間隔部挿入部313bによってタイル133aの片側面が押圧され、目地間隔部挿入部313aによってタイル133b〜133dの片側面が押圧されることとなる。
故に、図8の例では、付勢された目地間隔部挿入部313aの押圧力は、タイル133b〜133dに分散されてかかるのに対して、付勢された目地間隔部挿入部313bの押圧力は、タイル133a一枚にかかるため、タイル133aが剥がれることとなる。こうして検査目標であるタイル133aの接着強さを容易に検査することができる。
図4(c)に示したユニットタイル30Cと同様に目地間隔部36Cを設けて複数枚敷設されたタイル32Cのうち、タイル接着強さ検査装置の第1の態様の第4形態の測定対象となるタイルの位置を示した別の実施の形態を示す平面図を図9に示す。
図9において、タイルの配置は図4(c)と同様であるが、測定対象となるタイルの位置が図4(c)とは異なっている。図9において、符号134Cは前記目地間隔部挿入部313a,313bの挿入位置を示し、斜めのハッチングで示した。図9では挿入位置134Cはタイルの長手方向となっている。
図9において、符号133e〜133gは、目地間隔部挿入部313a,313bを互いに内方に付勢した場合の押圧の対象となる測定対象タイルを示し、測定対象タイル133e〜133gを格子柄で示した。図9では、ちょうど1枚分のタイル幅である距離lは、図9に示した目地間隔部挿入部313bの幅に相当し、他方の距離l’は、目地間隔部挿入部313aの幅に相当する。したがって、目地間隔部挿入部313aと目地間隔部挿入部313bを互いに内方に付勢すると、目地間隔部挿入部313bによってタイル133eの片側面が押圧され、目地間隔部挿入部313aによってタイル133f及び133gの片側面が押圧されることとなる。
故に、図9の例では、付勢された目地間隔部挿入部313aの押圧力は、タイル133f及び133gに分散されてかかるのに対して、付勢された目地間隔部挿入部313bの押圧力は、タイル133e一枚にかかるため、タイル133eが剥がれることとなる。こうして検査目標であるタイル133eの接着強さを容易に検査することができる。
図10に、本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第1の態様の第5形態を示す。図10において、タイル接着強さ検査装置410は、相対向して設けられた一対の板状部材412a,412bと、前記一対の板状部材412a,412bの先端部454a,454bそれぞれに設けられ、目地間隔部36A,36Cよりも狭い幅を有し、且つ互いに内方又は外方へと付勢可能とされた目地間隔部挿入部413a,413bと、一対の板状部材412a,412bの目地間隔部挿入部413a,413bを内方又は外方に付勢させるための付勢手段417と、を含むように構成されている。
前記一対の板状部材412a,412bの基端部には開孔部444aが設けられており、軸棒418が開孔部444aに挿入されており、回動自在に軸棒418によって軸支されている。前記一対の板状部材412a,412bが前記軸棒418を支点として回動せしめられて前記目地間隔部挿入部413a,413bを内方又は外方に付勢せしめる構造とされている。なお、図10において、符号Sはネジを示す。
図示例では、付勢手段417は、外周に螺旋状の溝部421を有し前記一対の板状部材412a,412bを連結するように前記一対の板状部材412a,412bに横架されたネジロッド420と、該ネジロッド420に係合されたトルクレンチ426(トルクレンチ426としては市販のダイヤル形トルクレンチを用いた)と、から構成されており、トルクレンチ426を回すと、目地間隔部挿入部413a,413bの間隔が狭まったり広くなったりするように、いわゆるジャッキ機構で構成されている。
ネジロッド420は、上記第1の態様と同様に、一端部が取付部材422aによって板状部材412aに揺動可能に取付けられ、他端部が取付部材424aによって板状部材412bに揺動可能に取付けられている。
上記第1〜第5の態様のように構成した本発明に係るタイル接着強さ検査装置は、トルクレンチを回すことで目地間隔部挿入部が内方又は外方に付勢され、前記目地間隔部挿入部をタイル32A,32Cの目地間隔部36A,36Cに挿入し、トルクレンチを回すことで目地間隔部挿入部が内方又は外方に付勢され、前記目地間隔部挿入部の側面でタイル32A,32Cの片側面を押圧することにより、タイルの接着強さ検査を行うことができる。
そして、本発明に係るタイル接着強さ検査装置は、上述のように簡単な構造であるので、サイズも例えば高さ15cm×幅15cm×奥行き10cm程度で作製できるため極めてコンパクトである。このようにサイズがコンパクトであるため持ち運びが容易である。
また、コンパクトで持ち運びが容易であるため、タイル接着強さ検査を建築現場で行うことができる。また、剪断方向のタイル接着強さ検査を行うことができ、さらにタイルを破壊することなくタイル接着強さ検査を行うことが可能である。
次に、上記した本発明のタイル接着強さ検査装置10を用いた本発明のタイルの接着強さ検査方法の第1の態様を説明する。タイル接着強さ検査装置10を用いて、タイルの接着強さ検査方法を行うにあたっては、図4によく示されるように、まず、目地間隔部を設けて複数枚敷設されたタイル32A,32Cを準備する(ステップ1)。
そして、図11によく示される如く、前記タイル32A,32Cのうち目地間隔部36A,36Cを介して平行して敷設された少なくとも2枚のタイルの両外側の目地間隔部36A,36Cのそれぞれに前記目地間隔部挿入部13a,13bを挿入する(ステップ2)。
次に、図4及び図12によく示される如く、前記目地間隔部挿入部13a,13bを付勢せしめて前記目地間隔部挿入部13a,13bの側面で前記少なくとも2つのタイル32A,32Cの片側面を押圧する(ステップ3)。このとき、目地間隔部挿入部13a,13bを、図12(a)に示す如く、互いに内方に付勢せしめてもよいし、或いは図12(b)に示す如く、互いに外方に付勢せしめてもよい。
図12(a)において、符号33aは、目地間隔部挿入部13a,13bを互いに内方に付勢した場合の押圧の対象となるタイルを示し、測定対象タイル33aを格子柄で示した。また、図12(b)において、符号33dは、目地間隔部挿入部13a,13bを互いに外方に付勢した場合の押圧の対象となるタイルを示し、測定対象タイル33dを格子柄で示した。
そして、上記ステップ3において、押圧されたタイル32A,32Cが、貼り付けられていた位置からずれた時の接着強さを最大接着強さとして測定する(ステップ4A)。貼り付けられていた位置からタイルがずれた時の様子は図12(a)及び図12(b)に示した。図示例では、測定にあたっては接着強さ測定手段としてトルクレンチ26を用いており、押圧されたタイルが、貼り付けられていた位置からずれた時の接着強さを最大接着強さとして測定する。
また、検査の様式や環境によっては、貼り付けられていた位置からずれたタイルが剥がれて落下することがあるので、タイルを吸着するための吸盤手段をタイル接着強さ検査装置10に紐などで接続しておき、該吸盤手段によって該ずれたタイルが落下しないように保持するようにすれば、作業時の安全を保つことができる。
なお、図示例では、接着強さ測定手段としてトルクレンチを用いた例を示したが、押圧されたタイルが、貼り付けられていた位置からずれた時の接着強さを測定することができればよいものであるから、図示例以外にも、種々のトルク測定装置や荷重測定装置などの測定装置が適用できる。
さらに、貼り付けられていた位置からタイルがずれた時の接着強さを最大接着強さとして測定しなくとも、最大接着強さを超えない付勢力を与えて接着強さを測定することもできる。すなわち、所定の接着強度に対応して予め設定した負荷値を検出したら該負荷値を超える付勢力が生じないようにし、該負荷値を接着強さとして測定することもできる。
すなわち、上記ステップ3の際に、上記した予め設定した接着強度に対応する負荷値を検出したら該負荷値を超える付勢力が生じないようにする付勢力調整手段を用いて、所定の接着強度に対応して予め設定した負荷値を検出したら該負荷値を超える付勢力が生じないようにし、該負荷値を接着強さとして測定することもできる(ステップ4B)。
より具体的には、例えばタイルの最大接着強さの平均値を取り、該平均値のx%の接着強さに対応する負荷値を予め設定し、該予め設定した負荷値を検出したら該負荷値を超えないように接着強さ検査を行うようにすれば、該x%の接着強さが保証されることになる。タイルの最大接着強さの平均値としては、例えば1.0N/mm2であり、該平均値の50%の付勢力を与えて接着強さ検査を行うようにすれば、該50%の接着強さが保証されることになるのである。
本発明のタイル接着強さ検査方法の第1の態様は、タイル自体を破壊することがないタイルの非破壊検査方法であるが、上記のように、最大接着強さを超えない付勢力を与えて接着強さを測定すれば、タイルが貼ってあるタイル面を現状のまま維持することができるので、タイル面の非破壊のタイル接着強さ検査方法が行えるという利点がある。
以下に本発明のタイル接着強さ検査装置の第2の態様の実施の形態を添付図面に基づき説明するが、図示例は例示的に示されたもので、本発明の技術的思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことは言うまでもない。
図13は本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第2の態様の第1形態を示す分解斜視図、図14は図13のII(a)〜II(c)部分拡大図、図15は図13に係るタイル接着強さ検査装置の組立斜視図、図16は図13に係るタイル接着強さ検査装置の要部底面図であって、(a)は当接部材に板状部材が当接している状態を仮想線で示し、(b)は板状部材を外した状態の当接部材の様子を示す。図17は図16(b)のV(a)〜V(c)部分拡大図である。
図18は図13に係るタイル接着強さ検査装置の側面概略図、図19は本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第2の態様の第2形態を示す側面図、図20は目地間隔部を挟んで相対向して敷設されたタイルのうち、本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第2の態様の第2形態の測定対象となるタイルの位置を示す平面図であって、(a)は一つの実施の形態、(b)はもう一つの実施の形態、(c)は別の実施の形態、をそれぞれ示す。
図21は本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第2の態様の第3形態を示し、(a)は側面図、(b)は正面図である。図22は本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第2の態様の第4形態を示す側面図、図23は本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第2の態様の第5形態を示す側面図である。
図24は押圧状態を示す摘示概略図であって、(a)は目地間隔部に目地間隔部挿入部を挿入した状態、(b)は目地間隔部挿入部を付勢せしめて前記目地間隔部挿入部の押圧面でタイルの側面を押圧することにより、貼り付けられていた位置からタイルがずれた状態、をそれぞれ示す。図25は目地間隔部挿入部の別の実施の形態を示す斜視図であって、(a)は目地間隔部に目地間隔部挿入部を挿入する状態、(b)は目地間隔部挿入部を付勢せしめて前記目地間隔部挿入部の押圧面でタイルの側面を押圧する状態を示す。
図13〜18及び図24において、符号1010Aは本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第2の態様の第1形態を示す。タイル接着強さ検査装置1010Aは、図20によく示されるような、目地間隔部1036A,1036Bを挟んで相対向して敷設されたタイル1044A,1044Cの接着強さの検査を行うためのタイル接着強さ検査装置である。
タイル接着強さ検査装置1010Aは、図13〜6及び図24によく示される如く、複数の板状部材である第1板状部材1014a,第2板状部材1014b,第3板状部材1014cと、前記第1板状部材1014a,第2板状部材1014b,第3板状部材1014cの先端にそれぞれ設けられ、前記目地間隔部1036A,1036Bよりも狭い幅D(図18参照)を有し、且つ前記タイル1044A,1044Cの側面を押圧するための押圧面1013a,1013b,1013cを有する複数の目地間隔部挿入部である第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部12b,第3目地間隔部挿入部12cと、前記タイル1044A,1044Cの側面(図24では符号1045A)を押圧するように前記第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cを付勢せしめる付勢手段1030と、を含み、前記目地間隔部1036A,1036Bに前記第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cを挿入し、前記付勢手段30で前記第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cを付勢せしめて前記タイル1044A,1044Cの側面(図24では符号1045A)を押圧せしめ、剪断方向のタイル接着強さ検査を行うように構成されている。
符号1015a,1015b,1015cは第1板状部材1014a,第2板状部材1014b,第3板状部材1014cの中央部にそれぞれ設けられた板状部材穿孔部であり、該板状部材穿孔部1015a,1015b,1015cには、シャフト22が挿入されている。符号Wはワッシャー、符号Nはナットをそれぞれ示す。
符号1016a,1016b,1016cは第1板状部材1014a,第2板状部材1014b,第3板状部材1014cの基端部に当接される当接部材である。当接部材1016a,1016b,1016cの上部には上蓋部材1024が設けられており、当接部材1016a,1016b,1016cの螺子穴25にスクリュー部材26で螺着されている。当接部材1016a,1016b,1016cには、内周に螺子溝を有する当接部材穿孔部1050a,1050b,1050cが開穿されており、該当接部材穿孔部1050a,1050b,1050cにネジロッド1018が挿入されている。該ネジロッド1018の外周には螺子溝49が設けられており、ネジロッド1018が当接部材穿孔部1050a,1050b,1050cに螺挿されている。
符号1020a,1020bは横枠部材であり、該横枠部材1020a,1020bにはそれぞれ上部開孔部1052a,1052b及び下部開孔部1054a,1054bが設けられている。該下部開孔部1054a,1054bにはシャフト1022が挿嵌され、該上部開孔部1052a,1052bにはネジロッド1018が挿嵌されている。該ネジロッド1018にはトルクレンチ1028(トルクレンチ1028としては市販のダイヤル形トルクレンチを用いた)が取付けられている。
さらに、当接部材1016a,1016b,1016cの第1板状部材1014a,第2板状部材1014b,第3板状部材1014cに当接する面(図示例では当接部材1016a,1016b,1016cの長手方向側凹面)には傾斜がつけられており、当接部材傾斜部1017a10,1017b,1017cとされている(特に図16及び図17参照)。一方、第1板状部材1014a,第2板状部材1014b,第3板状部材1014cの基端部近傍には、当接部材傾斜部1017a,1017b,1017cに対応して当接する位置に、板状部材傾斜部1032a,1032b,1032c(特に図13及び図14参照)が設けられている。
このように構成されたタイル接着強さ検査装置1010Aは、図15、図18及び図24(a)によく示される如く、挿入状態では、目地間隔部挿入部1012a,1012b,1012cの長手方向の面、すなわち押圧面1013aと押圧面1013bの裏面と押圧面1013cとが面一の状態となっている。この長手方向の面、すなわち押圧面1013aと押圧面13bの裏面と押圧面1013cとが面一の状態で第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cを前記目地間隔部1036A,1036Bに挿入し、トルクレンチ1028を回す(図示の例では時計回り)とネジロッド1018が回転する。そうすると、第1板状部材1014a,第2板状部材1014b,第3板状部材1014cはシャフト1022によって横枠部材1020a,1020bの間に固定されたままであるが、当接部材1016a,1016b,1016cはネジロッド18の回転にしたがって第1板状部材1014a,第2板状部材1014b,第3板状部材1014cの基端部の間を摺動する。ここで、第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cの長手方向の面とは、押圧面1013a,1013b,1013cと押圧面1013a,1013b,1013cの裏面を含む概念である。
当接部材1016a,1016b,1016cは第1板状部材1014a,第2板状部材1014b,第3板状部材1014cに当接する面に当接部材傾斜部1017a,1017b,1017cを有しており、他方、第1板状部材1014a,第2板状部材1014b,第3板状部材1014cには当接部材傾斜部1017a,1017b,1017cに対応して当接する位置に板状部材傾斜部1032a,1032b,1032cが設けられているから、ネジロッド1018の回転にしたがって当接部材1016a,1016b,1016cが板状部材1014a,1014b,1014cの間を摺動すると、当接部材傾斜部1017a,1017b,1017cと板状部材傾斜部1032a,1032b,1032cのそれぞれの傾斜角度がゼロとなる位置(T1,T2,T3及びU1,U2,U3)で第1板状部材1014a,第2板状部材1014b,第3板状部材1014cの基端部が最も付勢されてシャフト1022を軸として回動せしめられ、これにより先端の第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cが付勢される。
すなわち、図14(a)〜図14(c)及び図17(a)〜図17(c)によく示されるように、当接部材傾斜部1017a,1017b,1017c及び板状部材傾斜部1032a,1032b,1032cのそれぞれの傾斜角度がゼロとなる位置、板状部材傾斜ゼロ位置T1,T2,T3及び当接部材傾斜ゼロ位置U1,U2,U3では、板状部材傾斜部1032a,1032b,1032cの傾斜によって形成された三角形の最短辺の長さP1,P2,P3並びに当接部材傾斜部1017a,1017b,1017cの傾斜によって形成された三角形の最短辺の長さQ1,Q2,Q3の分だけ、板状部材1014a,1014b,1014cの基端部が最も付勢されてシャフト1022を軸として回動せしめられ、これにより先端の第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cがそれぞれ付勢されるのである(特に図18及び図24参照)。
第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cが付勢されると、面一の状態であった押圧面1013a,押圧面1013bの裏面,押圧面1013cが互いに相違する状態となる。図示例では、図18に仮想線でよく示される如く、第2目地間隔部挿入部1012bは第1目地間隔部挿入部1012a及び第3目地間隔部挿入部1012cと交差し、押圧面1013bの裏面と押圧面1013a,1013cとが互いに離間するように付勢されて動き、これにより、図24(b)に示されるように、タイル1044Aの側面1045Aが押圧せしめられる。このようにして、剪断方向のタイルの接着強さ検査を行うことができる。
タイル接着強さ検査装置1010Aは、上述したように所謂螺子ジャッキ機構で構成されており、当接部材1016a,1016b,1016cの長手方向にネジロッド1018を挿入し、該当接部材1016a,1016b,1016cの長手方向側面に第1板状部材1014a,第2板状部材1014b,第3板状部材1014cの基端部を当接させつつ第1板状部材1014a,第2板状部材1014b,第3板状部材1014cに挿通されたシャフト1022を支点として回動自在に相対向して設けられているので、該ネジロッド1018をトルクレンチ1028で回すことによって、当接部材1016a,1016b,1016cが第1板状部材1014a,第2板状部材1014b,第3板状部材1014cの基端部の間を摺動することにより、複数の板状部材1014a,1014b,1014cの基端部の間隔が広がり、これにより、第1板状部材1014a,第2板状部材1014b,第3板状部材1014cの先端に設けられた第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cが付勢される。
付勢手段としては、図示例以外にも、例えば油圧シリンダ機構やエアシリンダ機構などを用いて第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cを付勢させるようにしてもよい。
トルクレンチ1028は、レンチにかかった負荷、すなわちトルクが表示される仕組みになっており、これにより、接着強さを測定することができるため接着強さ測定手段としても作用する。このように、タイル接着強さ検査装置1010Aでは、接着強さ測定手段として、トルクレンチ1028を用いており、図24によく示される如く、押圧されたタイル1044Aが、貼り付けられていた位置からずれた時の接着強さをトルクレンチ1028で測定する。
また、前記付勢手段1030の付勢力を調節するための付勢力調節手段をさらに有し、所定の接着強度に対応して予め設定した負荷値を検出したら該負荷値を超える付勢力が生じないようにし、該負荷値を接着強さとして測定することもできる。この場合には、トルクレンチ1028として、トルク測定及び設定装置を有するようなプリセット型のトルクレンチ(例えば、京都機械工具株式会社製、CMPA1051)などを使用すればよい。
こういった予め目標トルク値などが設定できるタイプのトルクレンチであれば、予め目標トルク値を設定しておき、該目標トルク値に達したら、該目標トルク値を超える負荷がかからないようにし、第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cをそれ以上付勢しないように構成することが可能となる。そして、この達した目標トルク値を接着強さとして検査すればよい。
図19に、付勢力調節手段としてトルク測定及び設定装置を設けたタイル接着強さ検査装置の例を示す。図19において、符号1010Bは本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第2の態様の第2形態を示す。タイル接着強さ検査装置1010Bは、ハンドル1308に付勢力調節手段としてトルク測定及び設定装置1304が設けられている点以外は、上記したタイル接着強さ検査装置1010Aと同様の構成であるので再度の詳細な説明は省略する。
このようにして、トルク測定及び設定装置1304に予め目標トルク値を設定しておき、該目標トルク値に達したら、該目標トルク値を超える負荷がかからないようにし、第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cをそれ以上付勢しないように構成されている。そして、この達した目標トルク値を接着強さとして検査する。
もちろん予め目標負荷値(目標トルク値など)が設定できるタイプの油圧シリンダ機構やエアシリンダ機構なども適用可能である。
目地間隔部を挟んで相対向して敷設されたタイルの状態を図20に示す。図20(a)及び図20(b)において、ユニットタイル1034Aは、目地間隔部1036Aを挟んで相対向して敷設されたタイル1044A(図示例では18枚)がパネル(下地材)1046A上に敷設されている。図20(c)において、ユニットタイル1034Bは、目地間隔部1036Bを挟んで相対向して敷設されたタイル1044C(図示例では21枚)がパネル(下地材)1046C上に敷設されている。
目地間隔部1036A,1036Bは、目地部として空けられた目地が詰められる前のタイル間隔のことを指し、目地の幅と同一となる。例えば、幅95mm×高さ45mmのタイルを敷設する場合には、目地幅は5mmが基本であるから、目地間隔部1036A,1036Bは5mmとすればよい。そして、前記目地間隔部挿入部1012a,1012b,1012cは前記目地間隔部1036A,1036Bに挿入される必要があるため、前記目地間隔部1036A,1036Bよりも狭い幅とする必要があり、上記のように例えば目地間隔部1036A,1036Bを5mmとした場合には、前記第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cの幅D(図18)は4mmとする。故に、図18の例では、第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cは4mmの厚みの例を示した。
したがって、目地間隔部の幅に合わせて、その幅よりも狭い短手方向の幅を有する第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cを備えた第1板状部材1014a,第2板状部材1014b,第3板状部材1014cを用意しておけば、種々の目地間隔部を有するタイルに適用可能となる。
図20(a)において、符号1060Aは前記第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cの挿入位置を示し、斜めのハッチングで示した。図20(a)では挿入位置1060Aはタイルの長手方向となっている。このように、本発明のタイル接着強さ検査装置の第2の態様では、第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cを目地間隔部1036Aが一直線状となっている箇所に挿入する。符号Lは面一の状態で挿入された第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cの長手方向の面幅を足した長さを示し、押圧対象となる範囲の長さを示す。
図20(a)において、符号1038a〜1038cは、第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cを付勢した場合の押圧の対象となるタイルのうち、指示対象のタイルを示し、指示対象タイル1038a,1038b,1038cを格子柄で示した。タイル接着強さ検査装置1010Aでは、第2目地間隔部挿入部1012bは第1目地間隔部挿入部1012a及び第3目地間隔部挿入部1012cと交差し、押圧面1013bの裏面と押圧面1013a,1013cとが互いに離間するように付勢されて動くので、測定対象となるタイルはドット柄で示した測定対象タイル1039となる。
図20(a)では、挿入位置1060Aをタイル1044Aの長手方向とした例を示したが、タイル1044Aの短手方向に第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cを挿入してもよい。
図20(a)の例では、押圧の対象となるタイルは、指示対象タイル1038a,1038b,1038c及び測定対象タイル1039であるが、このうち、タイルが元の位置からずれるのは、押圧力が最も大きくかかる測定対象タイル1039である。このように、押圧力が複数のタイルに対して不均一にかかるようにすれば、押圧力が最も大きくかかるタイルのみが元の位置からずれるので、タイルの接着力を検査したい特定のタイルをターゲットとして検査することが可能となる。したがって、本発明のタイル接着強さ検査装置の第2の態様では、検査ターゲットとなる測定対象タイルに最も大きな押圧力がかかるように第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cを挿入するのが好ましい。
図20(b)では、符号1060Bは前記第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cの挿入位置を示し、斜めのハッチングで示した。図20(b)では挿入位置1060Bはタイルの短手方向となっている。このように、本発明のでは、第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cを目地間隔部1036Aが一直線状となっている箇所に挿入する。符号Lは面一の状態で挿入された第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cの長手方向の面の面幅を足した長さを示し、押圧対象となる範囲の長さを示す。
図20(b)において、符号1040a,1040bは、第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cを付勢した場合の押圧の対象となるタイルのうち、指示対象のタイルを示し、指示対象タイル1040a,1040bを格子柄で示した。タイル接着強さ検査装置1010Aでは、第2目地間隔部挿入部1012bは第1目地間隔部挿入部1012a及び第3目地間隔部挿入部1012cと交差し、押圧面1013bの裏面と押圧面1013a,1013cとが互いに離間するように付勢されて動くので、測定対象となるタイルはドット柄で示した測定対象タイル1041となる。
図20(b)の例では、押圧の対象となるタイルは、指示対象タイル1040a,1040b及び測定対象タイル1041であるが、このうち、タイルが元の位置からずれるのは、押圧力が最も大きくかかる測定対象タイル1041である。このように、押圧力が複数のタイルに対して不均一にかかるようにすれば、押圧力が最も大きくかかるタイルのみが元の位置からずれるので、タイルの接着力を検査したい特定のタイルをターゲットとして検査することが可能となる。
さらに、図20(c)では、目地間隔部1036Bを設けて複数のタイル1044C(図示例では21枚)がパネル(下地材)1046C上に敷設されたユニットタイル1034Bを示した。目地間隔部挿入部1012a,1012b,1012cの挿入位置を挿入位置1060Cとして斜めのハッチングで示した。図20(c)において、符号1042a,1042bは、第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cを付勢した場合の押圧の対象となるタイルのうち、指示対象のタイルを示し、指示対象タイル1042a,1042bを格子柄で示した。タイル接着強さ検査装置1010Aでは、第2目地間隔部挿入部1012bは第1目地間隔部挿入部1012a及び第3目地間隔部挿入部1012cと交差し、押圧面1013bの裏面と押圧面1013a,1013cとが互いに離間するように付勢されて動くので、測定対象となるタイルはドット柄で示した測定対象タイル1043となる。
このように、目地間隔部を挟んで相対向してタイルが敷設されていれば、本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第2の態様は適用可能である。図示例以外にも種々のタイルに適用可能であることは勿論である。また、目地間隔部を挟んで相対向してタイルが敷設されていればよいものであるから、タイルの材質や数などに特別の限定はない。
また、図20の例のように、押圧力が複数のタイルに対して不均一にかかるようにすれば、押圧力が最も大きくかかるタイルのみが元の位置からずれるので、タイルの接着力を検査したい特定のタイルをターゲットとして検査することが可能となる。
目地間隔部挿入部についても、目地間隔部よりも狭い幅を有し、且つ付勢可能とされていればよいものであるからその形状などに特別の限定はない。また、例えば、拡張補助具目地間隔部挿入部を有する拡張補助具を用いてもよい。すなわち、前記複数の板状部材の前記目地間隔部挿入部の先端に、拡張補助具目地間隔部挿入部を有する拡張補助具を取付け、前記拡張補助具目地間隔部挿入部を前記目地間隔部に挿入するように構成すれば、より多くの種々のサイズのタイルに適合させることが可能となる。
図21に示される実施形態は、本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第2の態様の第3形態を示す。図21において、タイル接着強さ検査装置1110は、複数の板状部材である第1板状部材1114a,第2板状部材1114b,第3板状部材1114cと、前記第1板状部材1114a,第2板状部材1114b,第3板状部材1114cの先端にそれぞれ設けられ、前記目地間隔部1036A,1036Bよりも狭い幅Dを有し、且つ前記タイル1044A,1044Cの側面を押圧するための押圧面1113a,1113b,1113cを有する複数の目地間隔部挿入部である第1目地間隔部挿入部1112a,第2目地間隔部挿入部1112b,第3目地間隔部挿入部1112cと、前記タイル1044A,1044Cの側面を押圧するように前記第1目地間隔部挿入部1112a,第2目地間隔部挿入部1112b,第3目地間隔部挿入部1112cを付勢せしめる付勢手段1130と、を含み、前記目地間隔部1036A,1036Bに前記第1目地間隔部挿入部1112a,第2目地間隔部挿入部1112b,第3目地間隔部挿入部1112cを挿入し、前記付勢手段1130で前記第1目地間隔部挿入部1112a,第2目地間隔部挿入部1112b,第3目地間隔部挿入部1112cを付勢せしめて前記タイル1044A,1044Cの側面を押圧せしめ、剪断方向のタイル接着強さ検査を行うように構成されている。
符号1150は、第1板状部材1114a,第2板状部材1114b,第3板状部材1114cの基端部を回動自在に軸支するシャフトであり、該シャフト1150には、フレーム部材1151a,1151b、支持部材1152a,1152bを介して、下方にローラー軸1145が取付けられており、該ローラー軸1145の周面には、回転自在にローラー1144a,1144b,1144cが取付けられている。このようにして、図21(a)によく示される如く、ローラー1144a,1144b,1144cを挟むようにして板状部材1114a,1114b,1114cが取付けられている。
一方、シャフト1150の上部には螺子溝1149を有する固定螺子シャフト1146a,1146bが垂設されており、スパイラルギア1148a,1148bに固定螺子シャフト1146a,1146bが螺挿されている。スパイラルギア1148a,1148bの内側には、螺子溝が螺刻されており、これにより、固定螺子シャフト1146a,1146bが螺挿されている。符号1118はネジロッドであり、ネジロッド1118の外周には螺子溝1156が設けられており、第2のスパイラルギアの作用を果たす。これにより、ハンドル1128でネジロッド1118を回すと、スパイラルギア1148a,1148bが固定螺子シャフト1146a,1146bの周面を回転し、固定螺子シャフト1146a,1146bを下降せしめる。なお、符号1154aは係止部材であり、符号1124はカバー部材である。
このようにして、固定螺子シャフト1146a,1146bが下降せしめられると、ローラー1144a,1144b,1144cが板状部材1114a,1114b,1114cに当接しながら下降するので、第2目地間隔部挿入部1112bと前記第1目地間隔部挿入部1112a及び第3目地間隔部挿入部1112cの長手方向の面が強制的に離間せしめられることとなる。このようにして、前記第1目地間隔部挿入部1112a,第2目地間隔部挿入部1112b,第3目地間隔部挿入部1112cが、ネジロッド1118とローラー1144a,1144b,1144cを使用した付勢手段1130によって付勢せしめられる構成とされている。
図22に示される実施形態は、本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第2の態様の第4形態を示し、付勢手段として油圧ジャッキ機構を適用した例である。図22において、タイル接着強さ検査装置1210は、複数の板状部材である第1板状部材1214a,第2板状部材1214b,第3板状部材1214c(タイル接着強さ検査装置1010Aの板状部材のように、第3板状部材1214cは図22では、第1板状部材1214aの奥側に設けられている。第3板状部材1214cの図示は省略する。)と、前記第1板状部材1214a,第2板状部材1214b,第3板状部材1214cの先端にそれぞれ設けられ、前記目地間隔部1036A,1036Bよりも狭い幅Dを有し、且つ前記タイル1044A,1044Cの側面を押圧するための押圧面を有する複数の目地間隔部挿入部である第1目地間隔部挿入部1212a,第2目地間隔部挿入部1212b,第3目地間隔部挿入部1212c(第3目地間隔部挿入部1212cの図示は省略する。)と、前記タイル1044A,1044Cの側面を押圧するように前記第1目地間隔部挿入部1212a,第2目地間隔部挿入部1212b,第3目地間隔部挿入部1212cを付勢せしめる付勢手段1230と、を含み、前記目地間隔部1036A,1036Bに前記第1目地間隔部挿入部1212a,第2目地間隔部挿入部1212b,第3目地間隔部挿入部1212cを挿入し、前記付勢手段1230で前記第1目地間隔部挿入部1212a,第2目地間隔部挿入部1212b,第3目地間隔部挿入部1212cを付勢せしめて前記タイル1044A,1044Cの側面を第1目地間隔部挿入部1212a,第2目地間隔部挿入部1212b,第3目地間隔部挿入部1212cの押圧面で押圧せしめ、剪断方向のタイル接着強さ検査を行うように構成されている。
すなわち、タイル接着強さ検査装置1210では、第2目地間隔部挿入部1212bは第1目地間隔部挿入部1212a及び第3目地間隔部挿入部1212cと交差し、第2目地間隔部挿入部1212bの押圧面裏面と第1目地間隔部挿入部1212a及び第3目地間隔部挿入部1212cの押圧面とが互いに離間するように付勢されて動くように構成されている。
符号1222a,1222b,1222cは、上部フレーム部材(上部フレーム部材1222cは図22では、上部フレーム部材1222aの奥側に設けられている。上部フレーム部材1222cの図示は省略する。)であり、該上部フレーム部材1222a,1222b,1222cには、ガイドレール部材1224a及びスライド部材1224bが取付けられている。一方、第1板状部材1214a,第2板状部材1214b,第3板状部材1214cには油圧ジャッキ1216が取付けられている。符号1218は油圧ジャッキ1216を操作するためのレバーであり、レバー1218を操作することにより、油圧ジャッキ1216によって、上部フレーム部材1222a,1222b,1222c及び第1板状部材1214a,第2板状部材1214b,第3板状部材1214cが広狭自在となるように構成されている。
このようにして、第2板状部材1214bと第1板状部材1214a及び第3板状部材1214cとの間隔が広げられると、第1目地間隔部挿入部1212a,第2目地間隔部挿入部1212b,第3目地間隔部挿入部1212cが、油圧ジャッキ1216を使用した付勢手段1230によって付勢せしめられる構成とされている。
次に、図23に示される実施形態は、本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第2の態様の第5形態を示し、付勢手段として螺子ジャッキ機構を適用した別の例である。
図23において、タイル接着強さ検査装置1310は、相対向して設けられた複数の板状部材である第1板状部材1312a,第2板状部材1312b,第3板状部材1312c(タイル接着強さ検査装置1010Aの板状部材のように、第3板状部材1312cは図23では、第1板状部材1312aの奥側に設けられている。第3板状部材1312cの図示は省略する。)と、前記第1板状部材1312a,第2板状部材1312b,第3板状部材1312cの先端にそれぞれ設けられ、前記目地間隔部1036A,1036Bよりも狭い幅Dを有し、且つ前記タイル1044A,1044Cの側面を押圧するための押圧面を有する複数の目地間隔部挿入部である第1目地間隔部挿入部1372a,第2目地間隔部挿入部1372b,第3目地間隔部挿入部1372c(第3目地間隔部挿入部1372cの図示は省略)と、前記タイル1044A,1044Cの側面を押圧するように前記第1目地間隔部挿入部1372a,第2目地間隔部挿入部1372b,第3目地間隔部挿入部1372cを付勢せしめる付勢手段1330と、を含み、前記目地間隔部1036A,1036Bに前記第1目地間隔部挿入部1372a,第2目地間隔部挿入部1372b,第3目地間隔部挿入部1372cを挿入し、前記付勢手段1330で前記第1目地間隔部挿入部1372a,第2目地間隔部挿入部1372b,第3目地間隔部挿入部1372cを付勢せしめて前記タイル1044A,1044Cの側面を第1目地間隔部挿入部1372a,第2目地間隔部挿入部1372b,第3目地間隔部挿入部1372cの押圧面で押圧せしめ、剪断方向のタイル接着強さ検査を行うように構成されている。
すなわち、タイル接着強さ検査装置1310では、第2目地間隔部挿入部1372bは第1目地間隔部挿入部1372a,第3目地間隔部挿入部1372cと交差し、第2目地間隔部挿入部1372bの押圧面裏面と第1目地間隔部挿入部1372a,第3目地間隔部挿入部1372cの押圧面とが互いに離間するように付勢されて動くように構成されている。
符号1314aは第1板状部材1312a及び第3板状部材1312cの中央部に取付けられた一対の係合部の一方を示し、開孔部1344aを有している。また、符号1316aは第2板状部材1312bの中央部に取付けられた一対の係合部の一方を示し、開孔部1344aと連通する開孔部を有している。そして、開孔部1344aに軸棒1318が挿入されることで、係合部1314a及び係合部1316aが軸支されており、前記第1板状部材1312a,第2板状部材1312b,第3板状部材1312cが前記軸棒1318を支点として回動せしめられて前記第1目地間隔部挿入部1372a,第2目地間隔部挿入部1372b,第3目地間隔部挿入部1372cを内方又は外方に付勢せしめる構造とされている。なお、図23において、符号Sはネジを示す。
図示例では、付勢手段1330は、外周に螺旋状の溝部1321を有し前記第1板状部材1312a,第2板状部材1312b,第3板状部材1312cを連結するように前記第1板状部材1312a,第2板状部材1312b,第3板状部材1312cの基端部1352a,1352b,1352c(図示は省略)に横架されたネジロッド1320と、該ネジロッド1320に係合されたトルクレンチ1326(トルクレンチ1326としては市販のダイヤル形トルクレンチを用いた)と、から構成されており、トルクレンチ1326を回すと、第2目地間隔部挿入部1372bと第1目地間隔部挿入部1372a及び第2目地間隔部挿入部1372b,第3目地間隔部挿入部1372cの間隔が狭まったり広くなったりするように、所謂螺子ジャッキ機構で構成されている。なお、符号1322a,1324aは基端部1352a,1352bに取付けられたフレーム部材である。
このようにして、前記第1板状部材1312a,第2板状部材1312b,第3板状部材1312cの間隔が広げられると、第1目地間隔部挿入部1372a及び第2目地間隔部挿入部1372b,第3目地間隔部挿入部1372cが、所謂螺子ジャッキ機構を使用した付勢手段1330によって付勢せしめられる構成とされている。
上記第1〜第5の形態のように構成した本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第2の態様は、前記目地間隔部挿入部をタイル1044A,1044Cの目地間隔部1036A,1036Bに挿入し、付勢手段を操作することによって目地間隔部挿入部が付勢され、前記目地間隔部挿入部の側面でタイル1044A,1044Cの側面を押圧することにより、タイルの接着強さ検査を行うことができる。
図25に目地間隔部挿入部の別の実施の形態を示す。図25において、符号1612a,1612bは一対の板状部材を示す。第1板状部材1612a及び第2板状部材1612bは、その先端に、先端凹凸状とされた第1先端凹凸状目地間隔部挿入部1672a及び第2先端凹凸状目地間隔部挿入部1672bをそれぞれ有している。第1先端凹凸状目地間隔部挿入部1672aの凹凸部1613aがそれと相対向する他方の第2先端凹凸状目地間隔部挿入部1672bの凹凸部1613bと噛み合った状態で前記第1先端凹凸状目地間隔部挿入部1672a及び第2先端凹凸状目地間隔部挿入部1672bが面一の状態で前記目地間隔部1036A,1036Bに挿入され、付勢手段で第1先端凹凸状目地間隔部挿入部1672a及び第2先端凹凸状目地間隔部挿入部1672bが付勢されて第1先端凹凸状目地間隔部挿入部1672a及び第2先端凹凸状目地間隔部挿入部1672bの凹凸部1613a,1613bが互いに相違せしめられて前記タイル1044A,1044Cの側面が押圧せしめられ、剪断方向のタイル接着強さ検査を行うように構成されている。
目地間隔部1036A,1036Bに挿入する第1先端凹凸状目地間隔部挿入部1672a及び第2先端凹凸状目地間隔部挿入部1672bを挿入するときは、図25(a)によく示される如く、第1先端凹凸状目地間隔部挿入部1672a及び第2先端凹凸状目地間隔部挿入部1672bが面一の状態で挿入する。そして、前記した付勢手段1030などによって第1先端凹凸状目地間隔部挿入部1672a及び第2先端凹凸状目地間隔部挿入部1672bが付勢されると、図25(b)によく示される如く、第1先端凹凸状目地間隔部挿入部1672a及び第2先端凹凸状目地間隔部挿入部1672bの凹凸部1613a,1613bが互いに相違せしめられて前記タイル1044A,1044Cの側面が押圧せしめられる。
図25の例では、凹凸部1613bは突出部(ツメ部)が2箇所あり、凹凸部1613aは突出部(ツメ部)が3箇所ある。このように、第1先端凹凸状目地間隔部挿入部1672a及び第2先端凹凸状目地間隔部挿入部1672bの凹凸部の突出部(ツメ部)の数が異なっている方が、左右の力のかかり方が異なるため、タイルを剥離させる(タイルが元の場所からずれる概念を含む)剥離側(図示例では凹凸部1613b側)とタイルを剥離させる際の支えとなる支え側(図示例では凹凸部1613a側)が区別し易くなるという利点がある。
このように、目地間隔部挿入部の先端を凹凸状とし、一方の前記先端凹凸状目地間隔部挿入部の凹凸部がそれと相対向する他方の先端凹凸状目地間隔部挿入部の凹凸部と噛み合った状態で前記先端凹凸状目地間隔部挿入部が面一の状態で前記目地間隔部に挿入され、前記付勢手段で前記目地間隔部挿入部が付勢されて前記目地間隔部挿入部の凹凸部が互いに相違せしめられて前記タイルの側面が押圧せしめられ、剪断方向のタイル接着強さ検査を行う構成とすることは、上記第1〜第5の態様のように構成した本発明に係るタイル接着強さ検査装置の目地間隔部挿入部の先端を凹凸状とすればよいものであるから、上記本発明のタイル接着強さ検査装置の第2の態様の第1〜第5の形態のタイル接着強さ検査装置のいずれにも適用可能である。このように、間隔部挿入部の先端を凹凸状とすると、複数の板状部材が図25によく示される如く、相対向する一対の板状部材(第1板状部材1612a及び第2板状部材1612b)の2枚で済むという利点がある。
そして、本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第2の態様は、上述のように簡単な構造であるので、サイズも例えば高さ15cm×幅15cm×奥行き10cm程度で作製できるため極めてコンパクトである。このようにサイズがコンパクトであるため持ち運びが容易である。
また、コンパクトで持ち運びが容易であるため、タイル接着強さ検査を建築現場で行うことができる。また、剪断方向のタイル接着強さ検査を行うことができ、さらにタイルを破壊することなくタイル接着強さ検査を行うことが可能である。
次に、上記したタイル接着強さ検査装置1010Aを用いた本発明のタイルの接着強さ検査方法の第2の態様を説明する。タイル接着強さ検査装置1010Aを用いて、タイルの接着強さ検査方法を行うにあたっては、図20及び図24によく示されるように、まず、目地間隔部を設けて複数枚敷設されたタイル1044A,1044Cを準備する(ステップ1)。
そして、図24(a)によく示される如く、タイル1044Aのうち目地間隔部1036Aを挟んで敷設された少なくとも2枚のタイルの目地間隔部1060Aに押圧面1013a,押圧面1013bの裏面,押圧面1013cが面一となるようにして第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cを挿入する(ステップ2)。
次に、図18及び図24によく示される如く、第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cを付勢せしめると、第2目地間隔部挿入部1012bは第1目地間隔部挿入部1012a,第3目地間隔部挿入部1012cと交差し、押圧面1013bの裏面と押圧面1013a,1013cとが互いに離間するように付勢されて動き、前記第1目地間隔部挿入部1012a,第2目地間隔部挿入部1012b,第3目地間隔部挿入部1012cの押圧面1013a,1013b,1013cで指示対象タイル1038a,1038b,1038c及び測定対象タイル1039の片側面を押圧する(ステップ3)。
そして、上記ステップ3において、押圧された測定対象タイル1039が、貼り付けられていた位置からずれた時の接着強さを最大接着強さとして測定する(ステップ4A)。貼り付けられていた位置からタイルがずれた時の様子は図24(a)及び図24(b)に示した。図示例では、測定にあたっては接着強さ測定手段としてトルクレンチ1028を用いており、押圧されたタイルが、貼り付けられていた位置からずれた時の接着強さを最大接着強さとして測定する。
また、検査の様式や環境によっては、貼り付けられていた位置からずれたタイルが剥がれて落下することがあるので、タイルを吸着するための吸盤手段をタイル接着強さ検査装置1010Aに紐などで接続しておき、該吸盤手段によって該ずれたタイルが落下しないように保持するようにすれば、作業時の安全を保つことができる。
なお、図示例では、接着強さ測定手段としてトルクレンチを用いた例を示したが、押圧されたタイルが、貼り付けられていた位置からずれた時の接着強さを測定することができればよいものであるから、図示例以外にも、種々のトルク測定装置や荷重測定装置などの測定装置が適用できる。
さらに、貼り付けられていた位置からタイルがずれた時の接着強さを最大接着強さとして測定しなくとも、最大接着強さを超えない付勢力を与えて接着強さを測定することもできる。すなわち、所定の接着強度に対応して予め設定した負荷値を検出したら該負荷値を超える付勢力が生じないようにし、該負荷値を接着強さとして測定することもできる。
すなわち、上記ステップ3の際に、上記した予め設定した接着強度に対応する負荷値を検出したら該負荷値を超える付勢力が生じないようにする付勢力調整手段を用いて、所定の接着強度に対応して予め設定した負荷値を検出したら該負荷値を超える付勢力が生じないようにし、該負荷値を接着強さとして測定することもできる(ステップ104B)。この場合には、タイル接着強さ検査装置1010Bを用いればよい。
例えばタイルの最大接着強さの平均値を取り、該平均値のx%の接着強さに対応する負荷値をタイル接着強さ検査装置1010Bのトルク測定及び設定装置1304に予め設定し、該予め設定した負荷値を検出したら該負荷値を超えないように接着強さ検査を行うようにすれば、該x%の接着強さが保証されることになる。タイルの最大接着強さの平均値としては、例えば1.0N/mm2であり、該平均値の50%の付勢力を与えて接着強さ検査を行うようにすれば、該50%の接着強さが保証されることになる。
本発明のタイル接着強さ検査方法の第2の態様はタイル自体を破壊することがないタイルの非破壊検査方法であるが、上記のように、最大接着強さを超えない付勢力を与えて接着強さを測定すれば、タイルが貼ってあるタイル面を現状のまま維持することができるので、タイル面の非破壊のタイル接着強さ検査方法が行えるという利点がある。
以下に本発明のタイル接着強さ検査装置の第3の態様の実施の形態を添付図面に基づき説明するが、図示例は例示的に示されたもので、本発明の技術的思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことは言うまでもない。
図26は本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第3の態様の第1形態を示す分解斜視図、図27は本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第3の態様の第2形態を示す部分斜視図、図28は本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第3の態様の第3形態を示す部分斜視図、図29は本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第3の態様の第4形態を示す部分斜視図、図30は本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第3の態様の第5形態を示す部分斜視図、図31は目地間隔部を挟んで相対向して敷設されたタイルのうち、本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第3の態様の測定対象となるタイルの位置を示す平面図であって、(a)は一つの実施の形態、(b)はもう一つの実施の形態、をそれぞれ示す。
図32は目地間隔部を挟んで相対向して敷設されたタイルのうち、本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第3の態様の第2形態の測定対象となるタイルの位置を示す要部拡大平面図、図33は目地間隔部を挟んで相対向して敷設されたタイルのうち、本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第3の態様の第3形態の測定対象となるタイルの位置を示す要部拡大平面図、図34は目地間隔部を挟んで相対向して敷設されたタイルのうち、本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第3の態様の第4形態の測定対象となるタイルの位置を示す要部拡大平面図、図35は目地間隔部を挟んで相対向して敷設されたタイルのうち、本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第3の態様の第5形態の測定対象となるタイルの位置を示す平面図である。図36は押圧状態を示す摘示概略図であって、(a)は目地間隔部に目地間隔部挿入部を挿入した状態、(b)は目地間隔部挿入部を付勢せしめて前記目地間隔部挿入部の押圧面でタイルの側面を押圧することにより、貼り付けられていた位置からタイルがずれた状態、をそれぞれ示す。
図26、図31及び図36において、符号2010Aは本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第3の態様の第1形態を示す。タイル接着強さ検査装置2010Aは、図31によく示されるような、目地間隔部2036Aを挟んで相対向して敷設されたタイル2044Aの接着強さの検査を行うためのタイル接着強さ検査装置である。
タイル接着強さ検査装置2010Aは、基体部材2012Aと、該基体部材2012Aの先端に設けられ、前記目地間隔部2036Aに挿入される目地間隔部挿入部2016と、前記基体部材2012Aに取付けられた取っ手部材2029と、前記取っ手部材2029にかかった負荷値を前記タイル2044Aの接着強さとして測定するための負荷値測定手段2030と、を含むように構成されている。
そして、前記目地間隔部挿入部2016をタイル接着面に対して垂直に前記目地間隔部2036Aに挿入し、前記取っ手部材2029を水平方向に回動させて、前記目地間隔部挿入部2016をタイル2044Aの側面に当接させた際に、前記目地間隔部挿入部2016が、支点となる支点部と作用点となる作用点部とを有するように構成され、前記取っ手部材2029が、力点となる力点部を有するように構成されている。
前記目地間隔部挿入部2016の支点部と作用点部の位置は、取っ手部材2029を水平方向に時計回りに回動させるか或いは水平方向に反時計回りに回動させるかによって異なるが、図31のように取っ手部材2029を水平方向に時計回りに回動させた場合、図26に示したように、目地間隔部挿入部2016の支点となるのは支点部Sとなり、作用点となるのは作用点部Aとなり、取っ手部材2029のグリップ部2031が、力点部Fとなる。
図26の例では、基体部材2012Aは平板状部材とされている。また、基体部材2012Aの基端には、被係合部2020が設けられており、該被係合部2020には、開口部2024を有するアタッチメント2022が嵌着せしめられている。また、取っ手部材2029には、係合凸部2026が固着されており、該開口部2024には係合凸部2026が嵌着せしめられる。
また、取っ手部材2029は支軸部材2028を有しており、該支軸部材2028を介在して、さらにアタッチメント2022を介在して目地間隔部挿入部2016が取付けられている。支軸部材2028の長手方向の長さは、タイル2044Aの長手方向の長さの2倍以上とされている。このように、支軸部材2028が長く構成されているので、力点となる取っ手部材2029からの力がより大きくなって目地間隔部挿入部2016の作用点部Aにかかるようにされている。
負荷値測定手段2030は、取っ手部材2029にかかった負荷、すなわちトルクが表示される仕組みになっており、これにより、接着強さを測定することができる。図26の例では、負荷値測定手段2030を有する取っ手部材2029としては、デジタル型のトルクレンチ(京都機械工具株式会社製、デジラチェ(登録商標)GWE4−135)を用いた。また、負荷値測定手段2030が、予め設定した接着強度に対応する負荷を検出したら該負荷を超える付勢力が目地間隔部挿入部2016に伝達しないようにする目標負荷値設定機構をさらに有するように構成してもよい。この場合には、取っ手部材2029として、予め設定した負荷を検出したらそれ以上の負荷がかからないようにする目標負荷値設定機構を有するようなプリセット型のトルクレンチ(例えば、京都機械工具株式会社製、CMPA1051)などを使用すればよい。
目地間隔部を挟んで相対向して敷設されたタイルの状態を図31に示す。図31において、ユニットタイル2034Aは、目地間隔部2036Aを挟んで相対向して敷設されたタイル2044A(図示例では18枚)がパネル(下地材)2046A上に敷設されている。
目地間隔部2036Aは、目地部として空けられた目地が詰められる前のタイル間隔のことを指し、目地の幅と同一となる。例えば、幅95mm×高さ45mmのタイルを敷設する場合には、目地幅は5mmが基本であるから、目地間隔部2036Aは5mmとすればよい。そして、前記目地間隔部挿入部16は前記目地間隔部2036Aに挿入される必要があるため、前記目地間隔部2036Aよりも狭い挿入幅とする必要があり、上記のように例えば目地間隔部2036Aを5mmとした場合には、前記目地間隔部挿入部2016の挿入幅D(図26)は4mmとする。故に、図26の例では、目地間隔部挿入部2016は4mmの挿入幅の例を示した。
したがって、目地間隔部2036Aの幅に合わせて、その幅よりも狭い挿入幅Dを有する目地間隔部挿入部2016を備えた基体部材2012Aを用意しておけば、種々の目地間隔部を有するタイルに適用可能となる。
図31(a)において、符号2060Aはタイル接着強さ検査装置2010Aの目地間隔部挿入部2016の挿入位置を示し、斜めのハッチングで示した。図31(a)では挿入位置2060Aはタイルの長手方向となっている。
図31(a)において、符号2038は、目地間隔部挿入部2016をタイル接着面に対して垂直に前記目地間隔部2036Aに挿入し、前記取っ手部材2029を水平方向に回動させて、前記目地間隔部挿入部2016をタイル2044Aの側面に当接させた際に、目地間隔部挿入部2016を付勢した場合の押圧の対象となるタイルのうち、指示対象のタイルを示し、指示対象タイル2038をドット柄で示した。タイル接着強さ検査装置2010Aでは、取っ手部材2029を水平方向に回動させると、それに合わせて目地間隔部挿入部2016が付勢されて水平方向に回動して動くので、測定対象となるタイルは格子柄で示した測定対象タイル2039となる。
このように構成すれば、測定対象タイル2039の剪断方向の接着強さ検査を行うことができる。
図31(a)では、挿入位置2060Aをタイル2044Aの長手方向とした例を示したが、タイル2044Aの短手方向に目地間隔部挿入部2016を挿入してもよい(図31(b))。図31(b)において、符号2060Bは目地間隔部挿入部2016の挿入位置を示し、斜めのハッチングで示した。図31(b)では挿入位置2060Bはタイル2044Aの短手方向となっている。図31(b)において、指示対象タイル2041をドット柄で示した。タイル接着強さ検査装置2010Aでは、取っ手部材2029を水平方向に回動させると、それに合わせて目地間隔部挿入部2016が付勢されて水平方向に回動して動くので、測定対象となるタイルは格子柄で示した測定対象タイル2040となる。
次に、本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第3の態様の第2形態を図27及び図32に示す。
図27において、タイル接着強さ検査装置2010Bは、図32によく示されるような、目地間隔部2036Aを挟んで相対向して敷設されたタイル2044Aの接着強さの検査を行うためのタイル接着強さ検査装置である。
タイル接着強さ検査装置2010Bは、基体部材2012Bと、該基体部材2012Bの先端に設けられ、前記目地間隔部2036Aに挿入される第一目地間隔部挿入部2116a及び第二目地間隔部挿入部2116bと、前記基体部材2012Bに取付けられた取っ手部材2029と、前記取っ手部材2029にかかった負荷値を前記タイル2044Aの接着強さとして測定するための負荷値測定手段2030と、を含むように構成されている。
前記基体部材2012Bは、保持部材2114と、該保持部材2114の両端部に立設された第一棒状部材2113a及び第二棒状部材2113bとを含んでおり、前記基体部材2012Bが先端がコ字状に二股に分かれた先端二股棒状基体部材とされている。第一棒状部材2113a及び第二棒状部材2113bの先端には、第一目地間隔部挿入部2116a及び第二目地間隔部挿入部2116bが設けられている。前記保持部材2114には、被係合部2120が設けられており、前記取っ手部材2029には、アタッチメント2022を介して取付られる。
なお、タイル接着強さ検査装置の第3の態様の第2形態であるタイル接着強さ検査装置2010Bは、上記したタイル接着強さ検査装置2010Aとは基体部材2012Bが異なるのみであるので、その他の部材については図示を省略した。
図32のように、第一目地間隔部挿入部2116a及び第二目地間隔部挿入部2116bをタイル接着面に対して垂直に前記目地間隔部2036Aに挿入し、前記取っ手部材2029を水平方向に時計回りに回動させて、第一目地間隔部挿入部2116a及び第二目地間隔部挿入部2116bをタイル2044Aの側面に当接させると、第一目地間隔部挿入部2116aが支点となる支点部となり、第二目地間隔部挿入部2116bが作用点となる作用点部となるように構成され、前記取っ手部材2029が、力点となる力点部を有するように構成されている。
第一目地間隔部挿入部2116a及び第二目地間隔部挿入部2116bのどちらが支点部となりどちらが作用点部となるかは、取っ手部材2029を水平方向に時計回りに回動させるか或いは水平方向に反時計回りに回動させるかによって異なる。図32のように取っ手部材2029を水平方向に時計回りに回動させた場合、図27に示したように、第一目地間隔部挿入部2116aが支点部Sとなり、第二目地間隔部挿入部2116bが作用点部Aとなり、取っ手部材2029のグリップ部2031が、力点部Fとなる。
第一目地間隔部挿入部2116a及び第二目地間隔部挿入部2116bは前記目地間隔部2036Aに挿入される必要があるため、前記目地間隔部2036Aよりも狭い挿入幅とする必要があり、上記のように例えば目地間隔部2036Aを5mmとした場合には、第一目地間隔部挿入部2116a及び第二目地間隔部挿入部2116bの挿入幅D(図27)は4mmとする。故に、図27の例では、第一目地間隔部挿入部2116a及び第二目地間隔部挿入部2116bの挿入幅Dは4mmの例を示した。なお、図27において、第一目地間隔部挿入部2116a及び第二目地間隔部挿入部2116bの底面の縦横の挿入幅Dは同じ長さである。
したがって、目地間隔部2036Aの幅に合わせて、その幅よりも狭い挿入幅Dを有する第一目地間隔部挿入部2116a及び第二目地間隔部挿入部2116bを備えた基体部材2012Bを用意しておけば、種々の目地間隔部を有するタイルに適用可能となる。
目地間隔部を挟んで相対向して敷設されたタイルのうち、本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第3の態様の第2形態の測定対象となるタイルの位置の状態を図32に示す。図32は、タイル接着強さ検査装置2010Bの測定対象となるタイルの位置を示す図である以外は、図31と基本的に同様のタイルを示す。
図32において、符号2160aは第一目地間隔部挿入部2116aの挿入位置を示し、2160bは第二目地間隔部挿入部2116bの挿入位置を示す。そして、取っ手部材2029を水平方向に時計回りに回動させた場合、第一目地間隔部挿入部2116aが支点部Sとなり、第二目地間隔部挿入部2116bが作用点部Aとなるので、測定対象タイル2139が元の位置からずれたり、剥離したりすることとなる。このようにして、測定対象タイル2139がどのくらいの負荷をかけると元の位置からずれるかを測定することによって、検査目標となる測定対象タイル2139の接着強さを測定することができる。
次に、本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第3の態様の第3形態を図28及び図33に示す。
図28において、タイル接着強さ検査装置10Cは、図33によく示されるような、目地間隔部2036Aを挟んで相対向して敷設されたタイル2044Aの接着強さの検査を行うためのタイル接着強さ検査装置である。
タイル接着強さ検査装置2010Cは、基体部材2012Cを含み、前記基体部材2012Cは、第一先端二股棒状基体部材2212aと、第二先端二股棒状基体部材2212bとを含んでいる。
第一先端二股棒状基体部材2212aは第一保持部材2214aを含み、該第一保持部材2214aの両端部に第一棒状部材2213a及び第二棒状部材2213bが立設されている。第一棒状部材2213a及び第二棒状部材2213bの先端には、それぞれ前記目地間隔部2036Aに挿入される第一目地間隔部挿入部2216a及び第二目地間隔部挿入部2216bが設けられている。
一方、第二先端二股棒状基体部材2212bは第二保持部材2214bを含み、該第二保持部材2214bの両端部に第三棒状部材2213c及び第四棒状部材2213dが立設されている。第三棒状部材2213c及び第四棒状部材2213dの先端には、それぞれ前記目地間隔部2036Aに挿入される第三目地間隔部挿入部2216c及び第四目地間隔部挿入部2216dが設けられている。
このようにして、タイル接着強さ検査装置2010Cは、基体部材2012Cと、該基体部材2012Cの先端に設けられ、前記目地間隔部2036Aに挿入される第一目地間隔部挿入部2216a,第二目地間隔部挿入部2216b,第三目地間隔部挿入部2216c及び第四目地間隔部挿入部2216dと、前記基体部材2012Cに取付けられた取っ手部材2029と、前記取っ手部材2029にかかった負荷値を前記タイル2044Aの接着強さとして測定するための負荷値測定手段2030と、を含むように構成されている。なお、タイル接着強さ検査装置の第3の態様であるタイル接着強さ検査装置2010Cは、上記したタイル接着強さ検査装置2010Aとは基体部材2012Cが異なるのみであるので、その他の部材については図示を省略した。
第一先端二股棒状基体部材2212aと第二先端二股棒状基体部材2212bのそれぞれの保持部材である第一保持部材2214a及び第二保持部材2214bの中心部は取付部材である蝶番(図示は省略)で軸着せしめられており、第一先端二股棒状基体部材2212aに第二先端二股棒状基体部材2212bが回動自在に取付けられている。さらに、前記第一保持部材2214a及び第二保持部材2214bを介して、前記蝶番によって被係合部2220が取付けられている。そして、前記取っ手部材2029には、アタッチメント2022を介して基体部材2012Cが取付られる。
図33のように、第一目地間隔部挿入部2216a,第二目地間隔部挿入部2216b,第三目地間隔部挿入部2216c及び第四目地間隔部挿入部2216dをタイル接着面に対して垂直に前記目地間隔部2036Aに挿入し、前記取っ手部材2029を水平方向に時計回りに回動させて、第一目地間隔部挿入部2216a,第二目地間隔部挿入部2216b,第三目地間隔部挿入部2216c及び第四目地間隔部挿入部2216dをタイル2044Aの側面に当接させると、第一目地間隔部挿入部2216a及び第三目地間隔部挿入部2216cが支点となる支点部となり、第二目地間隔部挿入部2216b及び第四目地間隔部挿入部2216dが作用点となる作用点部となるように構成され、前記取っ手部材2029が、力点となる力点部を有するように構成されている。
第一目地間隔部挿入部2216a及び第二目地間隔部挿入部2216bのどちらが支点部となりどちらが作用点部となるか並びに第三目地間隔部挿入部2216c及び第四目地間隔部挿入部2216dのどちらが支点部となりどちらが作用点部となるかについては、取っ手部材2029を水平方向に時計回りに回動させるか或いは水平方向に反時計回りに回動させるかによって異なる。図33のように取っ手部材2029を水平方向に時計回りに回動させた場合には、図28に示したように、第一目地間隔部挿入部2216a及び第三目地間隔部挿入部2216cが支点部Sとなり、第二目地間隔部挿入部2216b及び第四目地間隔部挿入部2216dが作用点部Aとなり、取っ手部材2029のグリップ部2031が、力点部Fとなる。
第一目地間隔部挿入部2216a,第二目地間隔部挿入部2216b,第三目地間隔部挿入部2216c及び第四目地間隔部挿入部2216dは前記目地間隔部2036Aに挿入される必要があるため、前記目地間隔部2036Aよりも狭い挿入幅とする必要があり、上記のように例えば目地間隔部2036Aを5mmとした場合には、第一目地間隔部挿入部2216a,第二目地間隔部挿入部2216b,第三目地間隔部挿入部2216c及び第四目地間隔部挿入部2216dの挿入幅D(図28)は4mmとする。故に、図28の例では、第一目地間隔部挿入部2216a,第二目地間隔部挿入部2216b,第三目地間隔部挿入部2216c及び第四目地間隔部挿入部2216dの挿入幅Dは4mmの例を示した。なお、図28において、第一目地間隔部挿入部2216a,第二目地間隔部挿入部2216b,第三目地間隔部挿入部2216c及び第四目地間隔部挿入部2216dの底面の縦横の挿入幅Dは同じ長さである。
したがって、目地間隔部2036Aの幅に合わせて、その幅よりも狭い挿入幅Dを有する基体部材2012Cを用意しておけば、種々の目地間隔部を有するタイルに適用可能となる。
目地間隔部を挟んで相対向して敷設されたタイルのうち、本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第3の態様の測定対象となるタイルの位置を図33に示す。図33は、タイル接着強さ検査装置2010Cの測定対象となるタイルの位置を示す図である以外は、図31と基本的に同様のタイルを示す。
図33において、符号2260aは第一目地間隔部挿入部2216aの挿入位置、符号2260bは第二目地間隔部挿入部2216bの挿入位置、符号2260cは第三目地間隔部挿入部2216cの挿入位置、符号2260dは第四目地間隔部挿入部2216dの挿入位置、をそれぞれ示す。図33の例では、第一目地間隔部挿入部2216aと第三目地間隔部挿入部2216cとの間隔並びに第二目地間隔部挿入部2216bと第四目地間隔部挿入部2216dとの間隔がそれぞれ狭まるように第一保持部材2214a及び第二保持部材2214bを回動させてある。
そして、取っ手部材2029を水平方向に時計回りに回動させた場合、第一目地間隔部挿入部2216a及び第三目地間隔部挿入部2216cが支点部Sとなり、第二目地間隔部挿入部2216b及び第四目地間隔部挿入部2216dが作用点部Aとなるので、測定対象タイル2239が元の位置からずれたり、剥離したりすることとなる。このようにして、測定対象タイル2239がどのくらいの負荷をかけると元の位置からずれるかを測定することによって、検査目標となる測定対象タイル2239の接着強さを測定することができる。
次に、本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第3の態様の第4形態を図29及び図34に示す。
図29において、タイル接着強さ検査装置2010Dは、図34によく示されるような、目地間隔部2036Aを挟んで相対向して敷設されたタイル2044Aの接着強さの検査を行うためのタイル接着強さ検査装置である。
タイル接着強さ検査装置2010Dは、基体部材2012Dと、該基体部材2012Dの先端に設けられ、前記目地間隔部2036Aに挿入される第一目地間隔部挿入部2316a及び第二目地間隔部挿入部2316bと、前記基体部材2012Dに取付けられた取っ手部材2029と、前記取っ手部材2029にかかった負荷値を前記タイル2044Aの接着強さとして測定するための負荷値測定手段2030と、を含むように構成されている。
前記基体部材2012Dは、保持部材2314と、該保持部材2314の両端部に立設するようにナットNによって取付けられた第一棒状部材2313a及び第二棒状部材2313bとを含んでいる。第一棒状部材2313a及び第二棒状部材2313bの先端には第一平板状部材2315a及び第二平板状部材2315bが設けられており、前記第一平板状部材2315a及び第二平板状部材2315bの先端に第一目地間隔部挿入部2316a及び第二目地間隔部挿入部2316bが設けられている。前記保持部材2314には、被係合部2320が設けられており、前記取っ手部材2029には、アタッチメント2022を介して取付られる。
なお、タイル接着強さ検査装置の第3の態様の第4形態であるタイル接着強さ検査装置2010Dは、上記したタイル接着強さ検査装置2010Aとは基体部材2012Dが異なるのみであるので、その他の部材については図示を省略した。
図34の例では、第一目地間隔部挿入部2316a及び第二目地間隔部挿入部2316bをタイル接着面に対して垂直に前記目地間隔部2036Aに挿入し、前記取っ手部材2029を水平方向に時計回りに回動させて、第一目地間隔部挿入部2316a及び第二目地間隔部挿入部2316bをタイル2044Aの側面に当接させると、第一目地間隔部挿入部2316aが支点となる支点部となり、第二目地間隔部挿入部2316bが作用点となる作用点部となるように構成され、前記取っ手部材2029が、力点となる力点部を有するように構成されている。
第一目地間隔部挿入部2316a及び第二目地間隔部挿入部2316bのどちらが支点部となりどちらが作用点部となるかは、取っ手部材2029を水平方向に時計回りに回動させるか或いは水平方向に反時計回りに回動させるかによって異なる。図34のように取っ手部材2029を水平方向に時計回りに回動させた場合、図29に示したように、第一目地間隔部挿入部2316aが支点部Sとなり、第二目地間隔部挿入部2316bが作用点部Aとなり、取っ手部材2029のグリップ部2031が、力点部Fとなる。
第一目地間隔部挿入部2316a及び第二目地間隔部挿入部2316bは前記目地間隔部2036Aに挿入される必要があるため、前記目地間隔部2036Aよりも狭い挿入幅とする必要があり、上記のように例えば目地間隔部2036Aを5mmとした場合には、第一目地間隔部挿入部2316a及び第二目地間隔部挿入部2316bの挿入幅D(図29)は4mmとする。故に、図29の例では、第一目地間隔部挿入部2316a及び第二目地間隔部挿入部2316bの挿入幅Dは4mmの例を示した。
したがって、目地間隔部2036Aの幅に合わせて、その幅よりも狭い挿入幅Dを有する第一目地間隔部挿入部2316a及び第二目地間隔部挿入部2316bを備えた基体部材2012Dを用意しておけば、種々の目地間隔部を有するタイルに適用可能となる。
目地間隔部を挟んで相対向して敷設されたタイルのうち、本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第4の態様の測定対象となるタイルの位置の状態を図34に示す。図34は、タイル接着強さ検査装置2010Dの測定対象となるタイルの位置を示す図である以外は、図31と基本的に同様のタイルを示す。
図34において、符号2360aは第一目地間隔部挿入部2316aの挿入位置を示し、2360bは第二目地間隔部挿入部2316bの挿入位置を示す。そして、取っ手部材2029を水平方向に時計回りに回動させた場合、第一目地間隔部挿入部2316aが支点部Sとなり、第二目地間隔部挿入部2316bが作用点部Aとなるので、測定対象タイル2339が元の位置からずれたり、剥離したりすることとなる。このようにして、測定対象タイル2339がどのくらいの負荷をかけると元の位置からずれるかを測定することによって、検査目標となる測定対象タイル2339の接着強さを測定することができる。
図29に示したように、第一棒状部材2313a及び第二棒状部材2313bは、保持部材2314の両端部に立設するようにナットNによって取付けられているため、第一平板状部材2315a及び第二平板状部材2315bがそれぞれ回動自在となっている。また、これにより、第一平板状部材2315a及び第二平板状部材2315bの動きに若干の遊びが生じることとなる。このため、図34に示すように、保持部材2314がタイルの対角線上を横切るような配置にも適用できるのである。
また、タイル接着強さ検査装置2010Dでは、基体部材2012Dは、第一目地間隔部挿入部2316a及び第二目地間隔部挿入部2316bが第一平板状部材2315a及び第二平板状部材2315bの先端に設けられているので、面でしっかりとタイルを押圧することができるという利点がある。
次に、本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第3の態様の第5形態を図30及び図35に示す。
図30において、タイル接着強さ検査装置2010Eは、図35によく示されるような、目地間隔部2036Aを挟んで相対向して敷設されたタイル2044Aの接着強さの検査を行うためのタイル接着強さ検査装置である。
タイル接着強さ検査装置2010Eは、基体部材2012Eと、該基体部材2012Eの先端に設けられ、前記目地間隔部2036Aに挿入される第一目地間隔部挿入部241
6a及び第二目地間隔部挿入部2416bと、前記基体部材2012Eに取付けられた取っ手部材2429と、前記取っ手部材2429にかかった負荷値を前記タイル2044Aの接着強さとして測定するための負荷値測定手段2030と、を含むように構成されている。
前記基体部材2012Eは、支軸部材2428と、該支軸部材2428の二箇所に立設するようにナットNによって取付けられた第一棒状部材2413a及び第二棒状部材2413bとを含んでいる。第一棒状部材2413a及び第二棒状部材2413bの先端には第一平板状部材2415a及び第二平板状部材2415bが設けられており、前記第一平板状部材2415a及び第二平板状部材2415bの先端に第一目地間隔部挿入部2416a及び第二目地間隔部挿入部2416bが設けられている。前記支軸部材2428には図26と同様に、負荷値測定手段2030及びグリップ部2031が設けられており(図示は省略)、取っ手部材2429とされている。
図10の例では、第一目地間隔部挿入部2416a及び第二目地間隔部挿入部20416bをタイル接着面に対して垂直に前記目地間隔部2036Aに挿入し、前記取っ手部材2429を水平方向に時計回りに回動させて、第一目地間隔部挿入部2416a及び第二目地間隔部挿入部2416bをタイル2044Aの側面に当接させると、第一目地間隔部挿入部2416aが支点となる支点部となり、第二目地間隔部挿入部2416bが作用点となる作用点部となるように構成され、前記取っ手部材2429が、力点となる力点部を有するように構成されている。
第一目地間隔部挿入部2416a及び第二目地間隔部挿入部2416bのどちらが支点部となりどちらが作用点部となるかは、取っ手部材2429を水平方向に時計回りに回動させるか或いは水平方向に反時計回りに回動させるかによって異なる。図35のように取っ手部材2429を水平方向に時計回りに回動させた場合、図30に示したように、第一目地間隔部挿入部2416aが支点部Sとなり、第二目地間隔部挿入部2416bが作用点部Aとなり、取っ手部材2429のグリップ部2031が、力点部Fとなる。
第一目地間隔部挿入部2416a及び第二目地間隔部挿入部2416bは前記目地間隔部2036Aに挿入される必要があるため、前記目地間隔部2036Aよりも狭い挿入幅とする必要があり、上記のように例えば目地間隔部2036Aを5mmとした場合には、第一目地間隔部挿入部2416a及び第二目地間隔部挿入部2416bの挿入幅D(図30)は4mmとする。故に、図30の例では、第一目地間隔部挿入部2416a及び第二目地間隔部挿入部2416bの挿入幅Dは4mmの例を示した。
したがって、目地間隔部2036Aの幅に合わせて、その幅よりも狭い挿入幅Dを有する第一目地間隔部挿入部2416a及び第二目地間隔部挿入部2416bを備えた基体部材2012Eを用意しておけば、種々の目地間隔部を有するタイルに適用可能となる。
目地間隔部を挟んで相対向して敷設されたタイルのうち、本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第3の態様の第5形態の測定対象となるタイルの位置の状態を図35に示す。図35は、タイル接着強さ検査装置2010Eの測定対象となるタイルの位置を示す図である以外は、図31と基本的に同様のタイルを示す。
図35において、符号2460aは第一目地間隔部挿入部2416aの挿入位置を示し、2460bは第二目地間隔部挿入部2416bの挿入位置を示す。第一目地間隔部挿入部2416a及び第二目地間隔部挿入部2416bを付勢した場合の押圧の対象となるタイルのうち、指示対象のタイルとなる指示対象タイル2438をドット柄で示した。
タイル接着強さ検査装置2010Eでは、取っ手部材2429を水平方向に回動させると、それに合わせて第一目地間隔部挿入部2416a及び第二目地間隔部挿入部2416bが付勢されて水平方向に回動して動くので、第一目地間隔部挿入部2416aが支点部Sとなり、第二目地間隔部挿入部2416bが作用点部Aとなるので、測定対象タイル2439が元の位置からずれたり、剥離したりすることとなる。したがって、測定対象となるタイルは格子柄で示した測定対象タイル2439となる。このようにして、測定対象タイル2439がどのくらいの負荷をかけると元の位置からずれるかを測定することによって、検査目標となる測定対象タイル2439の接着強さを測定することができる。
図30に示したように、第一棒状部材2413a及び第二棒状部材2413bは、支軸部材2428の二箇所に立設するようにナットNによって取付けられているため、第一平板状部材2415a及び第二平板状部材2415bがそれぞれ回動自在となっている。また、これにより、第一平板状部材2415a及び第二平板状部材2415bの動きに若干の遊びが生じることとなる。このため、図35に示すように、支軸部材2428が2枚のタイルの対角線上を横切り、且つ、第一目地間隔部挿入部2416aが挿入位置2460aに位置し、第二目地間隔部挿入部2416bが挿入位置2460bに位置するような配置にも適用できるのである。
また、タイル接着強さ検査装置2010Eでは、基体部材2012Eは、第一目地間隔部挿入部2416a及び第二目地間隔部挿入部2416bが第一平板状部材2415a及び第二平板状部材2415bの先端に設けられているので、面でしっかりとタイルを押圧することができるという利点がある。
上記第1形態〜第5形態のように構成した本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第3の態様は、前記目地間隔部挿入部をタイル2044Aの目地間隔部2036Aに挿入し、取っ手部材を水平方向に時計回り又は反時計回りに回動せしめることによって目地間隔部挿入部が付勢され、前記目地間隔部挿入部でタイル2044Aの側面を押圧することにより、タイルの接着強さ検査を行うことができる。
そして、本発明に係るタイル接着強さ検査装置の第3の態様は、上述のように簡単な構造であるので、軽量であり、サイズも例えば高さ15cm×幅60cm(取っ手部材を含む)×奥行き10cm程度で作製できるため極めてコンパクトである。このように軽量且つサイズがコンパクトであるため持ち運びが容易である。
また、軽量且つコンパクトで持ち運びが容易であるため、タイル接着強さ検査を建築現場で行うことができる。また、剪断方向のタイル接着強さ検査を行うことができ、さらにタイルを破壊することなくタイル接着強さ検査を行うことが可能である。
次に、上記したタイル接着強さ検査装置2010Aを用いたタイルの接着強さ検査方法の第3の態様を説明する。タイル接着強さ検査装置2010Aを用いて、タイルの接着強さ検査方法の第3の態様を行うにあたっては、図31及び図36によく示されるように、まず、目地間隔部を設けて複数枚敷設されたタイル2044Aを準備する(ステップ1)。
そして、図36(a)によく示される如く、タイル2044Aのうち目地間隔部2036Aを挟んで敷設された少なくとも2枚のタイルの目地間隔部の挿入位置2060Aに目地間隔部挿入部2016をタイルの接着面に垂直に挿入する(ステップ2)。
次に、図31及び図36によく示される如く、取っ手部材2029を水平方向に回動させて(図示例では時計回り)、目地間隔部挿入部2016を付勢せしめると、目地間隔部
挿入部2016の支点部Sが支点となり、目地間隔部挿入部2016の作用点部Aが作用点となり、取っ手部材2029のグリップ部2031が、力点部Fとなり、このようにして、指示対象タイル2038及び測定対象タイル2039の片側面を押圧する(ステップ3)。
そして、上記ステップ3において、押圧された測定対象タイル2039が、貼り付けられていた位置からずれた時に負荷値測定手段2030で測定された接着強さを最大接着強さとして測定する(ステップ4A)。貼り付けられていた位置からタイルがずれた時の様子は図36(a)及び図36(b)に示した。図示例では、測定にあたっては負荷値測定手段2030としてトルクレンチを用いており、押圧されたタイルが、貼り付けられていた位置からずれた時の接着強さを最大接着強さとして測定する。
また、検査の様式や環境によっては、貼り付けられていた位置からずれたタイルが剥がれて落下することがあるので、タイルを吸着するための吸盤手段をタイル接着強さ検査装置2010Aに紐などで接続しておき、該吸盤手段によって該ずれたタイルが落下しないように保持するようにすれば、作業時の安全を保つことができる。
なお、図示例では、負荷値測定手段2030としてトルクレンチを用いた例を示したが、押圧されたタイルが、貼り付けられていた位置からずれた時の接着強さを測定することができればよいものであるから、図示例以外にも、種々のトルク測定装置や荷重測定装置などの測定装置が適用できる。
さらに、貼り付けられていた位置からタイルがずれた時の接着強さを最大接着強さとして測定しなくとも、所定の接着強度に対応して予め設定した負荷値を検出したら該負荷値を超える付勢力が前記目地間隔部挿入部に伝達しないようにし、該負荷値を接着強さとして測定するようにすることもできる。
すなわち、上記ステップ3の際に、所定の接着強度に対応して予め設定した負荷値を検出したら該負荷値を超える付勢力が前記目地間隔部挿入部に伝達しないようにする目標負荷値設定機構を有する負荷値測定手段(例えば、プリセット型のトルクレンチなどの予め目標トルク値が設定できるタイプのトルクレンチ)を用いれば、所定の接着強度に対応して予め設定した負荷値を検出したら該負荷値を超える付勢力が前記目地間隔部挿入部に伝達しないようにし、該負荷値を接着強さとして測定するようにすることもできる(ステップ4B)。
例えばタイルの最大接着強さの平均値を取り、該平均値のx%の接着強さに対応する負荷値を負荷値測定手段の目標負荷値設定機構に予め設定し、該予め設定した負荷値を検出したら該負荷値を超えないように接着強さ検査を行うようにすれば、該x%の接着強さが保証されることになる。タイルの最大接着強さの平均値としては、例えば1.0N/mm2であり、該平均値の50%の付勢力を与えて接着強さ検査を行うようにすれば、該50%の接着強さが保証されることになる。
本発明のタイル接着強さ検査方法はタイル自体を破壊することがないタイルの非破壊検査方法であるが、上記のように、最大接着強さを超えない付勢力を与えて接着強さを測定すれば、タイルが貼ってあるタイル面を現状のまま維持することができるので、タイル面の非破壊のタイル接着強さ検査方法が行えるという利点がある。