(発明の詳細な説明)
(節の概要)
I.)定義
II.)PSCAポリヌクレオチド
II.A.)PSCAポリヌクレオチドの使用
II.A.1.)遺伝子異常のモニタリング
II.A.2.)アンチセンス実施形態
II.A.3.)プライマーおよびプライマー対
II.A.4.)PSCAコード核酸分子の単離
II.A.5.)組換え核酸分子および宿主−ベクター系
III.)PSCA関連タンパク質
III.A.)モチーフを有するタンパク質の実施形態
III.B.)PSCA関連タンパク質の発現
III.C.)PSCA関連タンパク質の改変
III.D.)PSCA関連タンパク質の用途
IV.)PSCA抗体
V.)PSCA細胞性免疫応答
VI.)PSCAトランスジェニック動物
VII.)PSCAの検出のための方法
VIII.)PSCA関連遺伝子およびこれらの産物の状態をモニターするための方法
IX.)PSCAと相互作用する分子の同定
X.)治療法および組成物
X.A.)抗癌ワクチン
X.B.)抗体ベースの治療に関する標的としてのPSCA
X.C.)細胞性免疫応答のための標的としてのPSCA
X.C.1. ミニ遺伝子ワクチン
X.C.2. CTLペプチドとヘルパーペプチドとの組み合わせ
X.C.3. CTLペプチドとT細胞感作薬剤との組み合わせ
X.C.4. CTLペプチドおよび/またはHTLペプチドが適用されたDC
を含むワクチン組成物
X.D.)養子免疫療法
X.E.)治療目的または予防目的でのワクチン投与
XI.)PSCAの診断実施形態および予後実施形態
XII.)PSCAタンパク質機能の阻害
XIII.)PSCAのモジュレータの同定、特徴付けおよび使用
XIV.)RNAiおよび小さい干渉RNA(siRNA)の治療的使用
XV.)キット/製造物品
。
I.)定義
そうではないと定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語、記号、および他の科学用語もしくは術語は、本発明が関する分野の当業者によって一般的に理解される意味を有することが、意図される。いくつかの場合において、一般的に理解される意味を有する用語が、明確さのため、および/またはすぐに参照するために、本明細書において定義される。本明細書においてそのような定義を含めることは、当該分野において一般的に理解されることに対する実質的な差異を示すと、必ずしも解釈されるべきではない。本明細書において記載または参照される技術および手順のうちの多くは、当業者によって十分に理解され、そして当業者によって従来の方法(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual 2nd.edition(1989) Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Yに記載される広く使用されている分子クローニング方法論)を使用して、一般的に使用される。適切な場合、市販のキットおよび試薬の使用を含む手順が、そうではないと記載されない限りは、製造業者が規定したプロトコルおよび/またはパラメーターに従って、一般的には実行される。
用語「進行型前立腺癌」、「局所進行型前立腺癌」、「進行型疾患」および「局所進行型疾患」とは、前立腺被膜(capsule)を通って伸長した前立腺癌を意味し、この用語は、米泌尿器学会(American Urological Association(AUA))のシステムでステージCの疾患、Whitmore−JewettのシステムでステージC1〜C2の疾患、およびTNM(腫瘍、結節、転移)システムでシステムT3〜T4およびN+の疾患を包含する。一般に、局所進行型疾患を有する患者に対して、手術は勧められない。これらの患者は、臨床的に限局化した(器官限定的な)前立腺癌と比較して、実質的に好ましくない結果を有する。局所進行型疾患は、前立腺の後方境界を越える硬化、または前立腺基部の上のひずみもしくは硬化という、触知可能な証拠によって、離床的には同定される。局所進行型前立腺癌は、その腫瘍が、前立腺被膜に侵襲もしくは貫入するか、外科手術周縁へと伸長するか、または精嚢に侵襲する場合に、根治的前立腺切除術の後に病理学的に現在は診断される。
「ネイティブグリコシル化パターンの変更」とは、ネイティブ配列のPSCAにおいて見出される1つ以上の糖質部分を(基礎となるグリコシル化部位を除去すること、または化学的手段および/もしくは酵素的手段によってグリコシル化を欠失させることのいずれかによって)欠失させること、ならびに/あるいは、そのネイティブ配列のPSCA中には存在しない1つ以上のグリコシル化部位を付加することを意味するために、本明細書における目的のために意図される。さらに、上記の句は、ネイティブタンパク質のグリコシル化の性質的変化(存在する種々の糖質部分の性質および比率の変化を含む)を包含する。
用語「アナログ」とは、別の分子(例えば、PSCA関連タンパク質)と構造的に類似するかまたは類似もしくは対応する属性を共有する、分子を指す。例えば、PSCAタンパク質のアナログは、PSCAに特異的に結合する抗体もしくはT細胞によって、特異的に結合され得る。
用語「抗体」とは、そうではないと明確に示されない限りは、その最も広い意味で使用される。従って、「抗体」は、天然に存在しても、人工生成されてもよい(例えば、従来のハイブリドーマ技術によって生成されたモノクローナル抗体)。抗PSCA抗体は、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体、ならびにこれらの抗体の抗原結合ドメインおよび/または1つ以上の相補性決定領域を含むフラグメントを包含する。本明細書において使用される場合、用語「抗体」とは、PSCAに特異的に結合し、かつ/または望ましい生物学的活性を示す、任の形態の抗体もしくはそのフラグメントを指す。この用語「抗体」は、モノクローナル抗体(全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、および抗体フラグメントを、それらがPSCAに特異的に結合し、かつ/または望ましい生物学的活性を示す限り、具体的には網羅する。任意の特異的抗体が、本明細書において提供される方法および組成物において使用され得る。従って、一実施形態において、用語「抗体」とは、軽鎖免疫グロブリン分子由来の少なくとも1つの可変領域と、重鎖分子由来の少なくとも1つの可変領域と(これらは、組み合わされると、標的抗原の特異的結合部位を形成する)を含む分子を包含する。一実施形態において、上記抗体は、IgG 抗体である。例えば、上記抗体は、IgG1抗体、IgG2抗体、IgG3抗体、またはIgG4抗体である。本方法および組成物において有用な抗体は、細胞培養物中、ファージ中、または種々の動物(ウシ、ウサギ、ヤギ、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ヒツジ、イヌ、ネコ、サル、チンパンジー、類人猿が挙げられるがこれらに限定はされない)中で生成され得る。従って、一実施形態において、本発明の抗体は、哺乳動物抗体である。ファージ技術が、最初の抗体を単離するため、または変化した特異性特徴もしくは変化したアビディティ特徴を有する改変体を生成するために、使用され得る。そのような技術は、慣用的であり、当該分野で周知である。一実施形態において、上記抗体は、当該分野で公知である組換え手段によって生成される。例えば、組換え抗体は、宿主細胞を、その抗体をコードするDNA配列を含むベクターでトランスフェクトすることによって、生成され得る。1つ以上のベクターが、少なくとも1つのVL領域および1つのVH領域を発現するDNA配列を、その宿主細胞においてトランスフェクトするために使用され得る。抗体生成および抗体産生についての組換え手段の例示的記載としては、Delves,ANTIBODY PRODUCTION:ESSENTIAL 技術S(Wiley,1997);Shephardら、MONOCLONAL ANTIBODIES(Oxford University Press,2000);Goding,MONOCLONAL ANTIBODIES:PRINCIPLESおよびPRACTICE(Academic Press,1993);CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY(John Wiley & Sons,最新版)が挙げられる。本発明の抗体は、望ましい機能を媒介することにおいて上記抗体の効力をより増加するために、組換え手段によって改変され得る。従って、組換え手段を使用する置換によって改変され得ることは、本発明の範囲内にある。代表的には、上記置換は、保存的置換である。例えば、上記抗体の定常領域中の少なくとも1つのアミノ酸が、異なる残基で置換され得る。例えば、米国特許第5,624,821号、米国特許第6,194,551号、出願公開WO 9958572;およびAngalら、Mol.Immunol.30:105−08(1993)を参照のこと。アミノ酸における改変としては、アミノ酸の欠失、付加、置換が挙げられる。いくつかの場合において、そのような変化は、望ましくない活性(例えば、補体依存性細胞傷害性)を低減するために使用され得る。頻繁に、上記抗体は、検出可能なシグナルを提供する物質を(共有結合または非共有結合のいずれかで)結合することによって、標識される。広範な種類の標識および結合体化技術が、公知であり、そして科学文献および特許文献の両方において広範に報告されている。これらの抗体は、正常なPSCAまたは欠損型PSCAに対する結合についてスクリーニングされ得る。例えば、ANTIBODY ENGINEERING:A PRACTICAL APPROACH(Oxford University Press,1996)を参照のこと。望ましい生物学的活性を有する適切な抗体は、以下のインビトロアッセイ(増殖、遊走、接着、軟寒天増殖、脈管形成、細胞間連絡、アポトーシス、輸送、シグナル伝達が挙げられるがこれらに限定はされない)および以下のインビボアッセイ(例えば、腫瘍増殖の阻害)にて同定され得る。本明細書において提供される抗体はまた、診断適用においても有用であり得る。捕捉抗体または非中和抗体として、これらの抗体は、特定の抗原に、その抗原のレセプター結合も生物学的活性も阻害することなく結合する能力について、スクリーニングされ得る。中和抗体として、上記抗体は、競合的結合アッセイにおいて有用であり得る。それらの抗体はまた、PSCAまたはそのレセプターを定量するために使用され得る。
「抗体フラグメント」とは、その標的に結合する免疫グロブリン分子の可変領域の少なくとも一部(すなわち、抗原結合領域)として定義される。一実施形態において、これは、具体的には、1つの抗PSCA抗体およびそのクローン(アゴニスト、アンタゴニスト、および中和抗体を含む)、ならびにポリエピトープ特異性を有する抗PSCA抗体組成物を網羅する。本方法および組成物の抗体は、モノクローナルであっても、ポリクローナルであってもよい。抗体は、抗原結合抗体フラグメントの形態(Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、単鎖可変領域などが挙げられる)であり得る。インタクトな分子のフラグメントが、当該分野で周知である方法を使用して生成され得、それには、酵素消化および組換え手段が挙げられる。
本明細書において使用される場合、上記「抗原」の任意の形態が、PSCAに特異的な抗体を生成するために使用され得る。従って、その惹起する抗原は、1つのエピトープであっても、複数のエピトープであっても、またはタンパク質全体単独であっても、当該分野で公知の1つ以上の免疫原性増殖因子と組み合わせたタンパク質全体であってもよい。その惹起する抗原は、単離された全長タンパク質であっても、細胞表面タンパク質(例えば、その抗原の少なくとも一部でトランスフェクトされた細胞で免疫する)であっても、可溶性タンパク質(例えば、そのタンパク質の細胞外ドメイン部分のみで免疫する)であってもよい。上記抗原は、遺伝子改変細胞において生成され得る。上記抗原をコードするDNAは、ゲノムDNAであっても、非ゲノムDNA(例えば、cDNA)であってもよく、それは、細胞外ドメインの少なくとも一部をコードする。本明細書において使用される場合、用語「部分」とは、適切な場合には、目的の抗原の免疫原性エピトープを構成するために、最小限の数のアミノ酸を指す。目的の細胞の形質転換のために適切な任意の遺伝子ベクターが、使用され得、それには、アデノウイルスベクター、プラスミド、および非ウイルスベクター,(例えば、カチオン性脂質)が挙げられるがこれらに限定はされない。一実施形態において、本明細書における方法および組成物の抗体は、目的のPSCAの細胞外ドメインの少なくとも一部に特異的に結合する。
本明細書において提供される抗体またはその抗原結合フラグメントは、「生物活性因子」に結合体化され得る。本明細書において使用される場合、用語「生物活性因子」とは、上記抗原に結合し、かつ/または細胞死滅毒素を増強するために望ましい生物学的硬化を増強もしくは媒介する、合成化合物もしくは天然に存在する化合物を指す。
一実施形態において、本発明において有用な結合フラグメントは、生物学的に活性なフラグメントである。本明細書において使用される場合、用語「生物学的に活性な」とは、望ましい抗原性エピトープに結合可能であり、かつ生物学的効果を直接的もしくは間接的に発揮可能である、抗体もしくは抗体フラグメントを指す。直接的効果としては、増殖シグナルの調節、刺激、および/もしくは阻害;抗アポトーシスシグナルの調節、刺激、および/もしくは阻害;アポトーシスシグナルもしくは壊死シグナルの調節、刺激、および/もしくは阻害;ADCCカスケードの調節、刺激、および/もしくは阻害;ならびにCDCカスケードの調節、刺激、および/もしくは阻害;が挙げられるが、これらに限定はされない。
「二重特異性」抗体はまた、本方法および組成物において有用である。本明細書において使用される場合、用語「二重特異性 抗体」とは、少なくとも2つの異なる抗原性エピトープに対する結合特異性を有する抗体(代表的には、モノクローナル抗体)を指す。一実施形態において、上記エピトープは、同じ抗原に由来する。別の実施形態において、上記エピトープは、2つの異なる抗原に由来する。二重特異性抗体を生成するための方法は、当該分野で公知である。例えば、二重特異性抗体は、2つの重鎖/軽鎖対の同時発現を使用して、組換え生成され得る。例えば、Milsteinら、Nature 305:537−39(1983)を参照のこと。あるいは、二重特異性抗体は、化学的結合を使用して調製され得る。例えば、Brennanら、Science 229:81(1985)を参照のこと。二重特異性抗体は、二重特異性抗体フラグメントを包含する。例えば、Hollingerら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.90:6444−48(1993),Gruberら、J.Immunol.152:5368(1994)を参照のこと。
本明細書におけるモノクローナル抗体は、具体的には、重鎖および/または軽鎖の部分が、特定の種に由来する抗体または特定の抗体クラスもしくは抗体サブクラスに属する抗体中の相同配列もしくは対応配列と同じであるが、その鎖の残りは、別の種に由来する抗体または別の抗体クラスもしくは抗体サブクラスに属する抗体中の相同配列もしくは対応配列と同じである、「キメラ」抗体;ならびにそのような抗体のフラグメント;を、それらが標的抗原に特異的に結合し、かつ/または望ましい生物学的活性を示す限りは、包含する。(米国特許第4,816,567号;およびMorrisonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851−6855(1984))。
用語「化学療法剤」とは、腫瘍増殖を阻害することにおいて有効である、すべての化合物を指す。化学療法剤の非限定的例としては、アルキル化剤(例えば、ナイトロジェンマスタード、エチレンイミン化合物、およびアルキルスルホネート);代謝拮抗物質(例えば、葉酸、プリンアンタゴニストもしくはピリミジンアンタゴニスト);有糸分裂インヒビター(例えば、ビンカアルカロイド、およびポドフィロトキシン誘導体);細胞傷害性抗生物質;DNA発現を損なうかまたは阻害する化合物;ならびに増殖因子レセプターアンタゴニストが挙げられる。さらに、化学療法剤としては、細胞毒性因子(本明細書中に定義されるようなもの)、抗体、生物学的分子および低分子が挙げられる。
用語「コドン最適化配列」とは、使用頻度が約20%未満である任意のコドンを置換することによって、特定の宿主種に対して最適化されたヌクレオチド配列を指す。偽のポリアデニル化配列の除去、エキソン/イントロンスプライシングシグナルの除去、トランスポゾン様反復の除去、および/またはGC含量の最適化を、コドン最適化に加えて行うことによって所定宿主種における発現に対して最適化されているヌクレオチド配列は、本明細書において「発現増強配列」という。
「コンビナトリアルライブラリー」とは、多数の化学的「構造ブロック」(例えば、試薬)を組み合わせることによって、化学合成または生物学的合成によって生成された多岐の化合物の収集物である。例えば、直線状コンビナトリアル化学ライブラリー(例えば、ポリペプチド(例えば、ムテイン)ライブラリー)が、アミノ酸と呼ばれる一組の化学的構造ブロックを、所定の化合物の長さ(すなわち、ポリペプチド化合物中のアミノ酸の長さ)についての可能なあらゆる様式で組み合わせることによって、形成される。多数の化合物が、化学的構造ブロックのそのようなコンビナトリアル混合を介して合成される(Gallopら、J.Med.Chem.37(9):1233−1251(1994))。
コンビナトリアルライブラリーの調製およびスクリーニングは、当業者にとって周知である。そのようなコンビナトリアル化学ライブラリーとしては、ペプチドライブラリー(例えば、米国特許第5,010,175号,Furka,Pept.Prot.Res.37:487−493(1991),Houghtonら、Nature,354:84−88(1991))、ペプトイドライブラリー(PCT公開番号WO 91/19735)、コードペプチドライブラリー(PCT公開番号WO 93/20242)、ランダムバイオオリゴマーライブラリー(PCT公開番号WO 92/00091)、ベンゾジアゼピンライブラリー(米国特許第5,288,514号)、ダイバーソーマー(diversomer)(例えば、ヒダントイン、ベンゾジアゼピンおよびジペプチド)ライブラリー(Hobbsら、Proc.Nat.Acad.Sci.USA 90:6909−6913(1993))、ビニロガス(vinylogous)ポリペプチドライブラリー(Hagiharaら、J.Amer.Chem.Soc.114:6568(1992))、β−D−グルコース骨格を有する非ペプチド性ペプチド模倣物(Hirschmannら、J.Amer.Chem.Soc.114:9217−9218(1992))、低分子化合物ライブラリーの類似有機合成(Chenら、J.Amer.Chem.Soc.116:2661(1994))、オリゴカルバメートライブラリー(Choら、Science 261:1303(1993))、および/またはペプチジルホスホネートライブラリー(Campbellら、J.Org.Chem.59:658(1994))(一般的には、Gordonら、J.Med.Chem.37:1385(1994)を参照のこと);核酸ライブラリー(例えば、Stratagene,Corp.を参照のこと);ペプチド核酸ライブラリー(例えば、米国特許第5,539,083号を参照のこと);抗体ライブラリー(例えば、Vaughnら、Nature Biotechnology 14(3):309−314(1996)およびPCT/US96/10287を参照のこと);糖質ライブラリー(例えば、Liangら、Science 274:1520−1522(1996)、および米国特許第5,593,853号を参照のこと);ならびに有機低分子ライブラリー(例えば、ベンゾジアゼピン,Baum,C&EN,Jan 18,page 33(1993);イソプレノイド、米国特許第5,569,588号;チアゾリジノンおよびメタチアザノン、米国特許第5,549,974号;ピロリジン,米国特許第5,525,735号および米国特許第5,519,134号;モルホリノ化合物,米国特許第5,506,337号;ベンゾジアゼピン,米国特許第5,288,514号;などを参照のこと)が挙げられるが、これらに限定はされない。
コンビナトリアルライブラリーの調製のためのデバイスが、市販されている(例えば、357 NIPS,390 NIPS,Advanced Chem Tech,Louisville KY;Symphony,Rainin,Woburn,MA;433A,Applied Biosystems,Foster City,CA;9050,Plus,Millipore,Bedford,NIAを参照のこと)。多数の周知のロボットシステムもまた、溶液相化学のために開発されている。これらのシステムは、自動化ワークステーション(例えば、Takeda Chemical Industries,LTD.(Osaka,Japan)によって開発された自動合成装置)およびロボットアームを使用する多くのロボットシステム(Zymate H,Zymark Corporation,Hopkinton,Mass.;Orca,Hewlett−Packard,Palo Alto,Calif.)(これは、化学者によって実施される手動合成操作を模倣する)を含む。上記デバイスのいずれも、本発明に関して使用するために適切である。これらのデバイスが本明細書において考察されるように作動し得るようにするこれらのデバイスに対する改変(存在する場合)の性質および実施は、当業者にとって明らかである。さらに、多数のコンビナトリアルライブラリーは、それ自体が、市販されている(例えば、ComGenex,Princeton,NJ;Asinex,Moscow,RU;Tripos,Inc.,St.Louis,MO;ChemStar,Ltd,Moscow,RU;3D Pharmaceuticals,Exton,PA;Martek Biosciences,Columbia,MD;etc.を参照のこと)。
本明細書において使用される場合、用語「保存的置換」とは、当業者にとって公知であるアミノ酸置換を指し、それは、生じる分子の生物学的活性を変化させることなく一般的にはなされ得る。当業者は、一般に、ポリペプチドの非必須領域における一アミノ酸置換は、生物学的活性を実質的には変化させないことを認識する(例えば、Watsonら、MOLECULAR BIOLOGY OF THE GENE,The Benjamin/Cummings Pub.Co.,p.224(4th Edition 1987)を参照のこと)。そのような例示的置換は、好ましくは、表III(a−b)に示される置換に従ってなされる。例えば、そのような変化としては、イソロイシン(I)、バリン(V)、およびロイシン(L)のうちのいずれかを、これらの疎水性アミノ酸のうちの他のいずれかで置換すること;グルタミン酸(E)をアスパラギン酸(D)で置換することおよびその逆;アスパラギン(N)をグルタミン(Q)で置換することおよびその逆;ならびにスレオニン(T)をセリン(S)で置換することが挙げられる。他の置換もまた、特定のアミノ酸の環境およびそのタンパク質の三次構造におけるそのアミノ酸の役割に依存して、保存的であると考えられ得る。例えば、グリシン(G)およびアラニン(A)は、頻繁に互換可能であり得る。アラニン(A)およびバリン(V)も同様であり得る。メチオニン(M)(これは、比較的疎水性である)は、ロイシンおよびイソロイシンと頻繁に互換可能であり得、時には、バリンで互換可能であり得る。リジン(K)およびアルギニン(R)は、そのアミノ酸残基の有意な特徴がその電荷であり、かつこれらの2つのアミノ酸残基の異なるpKが有意ではない位置において、頻繁に互換可能である。なお他の変化が、特定の環境においては「保存的」であると考えられ得る(例えば、本明細書中の表III(a);第13−15頁「Biochemistry」2nd ED.Lubert Stryer編(Stanford University);Henikoffら、PNAS 1992 Vol 89 10915−10919;Leiら、J Biol Chem 1995 May 19;270(20):11882−6を参照のこと)。他の置換もまた、許容可能であり、そして経験的にかまたは公知の保存的置換に従って決定され得る。
用語「細胞毒性因子」とは、細胞の活性、細胞の機能を阻害もしくは防止し、かつ/または細胞の破壊を引き起こす、物質を指す。この用語は、反応性同位体、化学療法剤、および毒素(例えば、細菌起源、真菌起源、植物起源、または動物起源の、低分子毒素もしくは酵素活性毒素(そのフラグメントおよび/または改変体を含む))を包含することが意図される。細胞毒性因子の例としては、アウリスタチン(auristatin)、アウリスタチンE(auristatin e)、アウロマイシン(auromycin)、メイタンシノイド(maytansinoid)、イットリウム、ビスマス、リシン、リシンA鎖、コンブレスタチン(combrestatin)、デュオカルマイシン(duocarmycin)、ドロスタチン(dolostatin)、ドキソルビシン、ダウノルビシン、タクソール、シスプラチン、cc1065、臭化エチジウム、マイトマイシイン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ジヒドロキシアントラシンジオン、アクチノマイシン、ジフテリア毒素、Pseudomonas外毒素(PE)A、PE40、アブリン、アブリンA鎖、モデシン(modeccin)A鎖、α−サルシン、ゲロニン(gelonin)、マイトゲリン(mitogellin)、レトストリクトシン(retstrictocin)、フェノマイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)、キューリシン(curicin)、クロチン(crotin)、カリケアマイシン(calicheamicin)、Sapaonaria officinalisインヒビター、およびグルココルチコイド、ならびに他の化学療法剤および放射性同位体(例えば、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212またはBi213、P32、およびLuの放射性同位体(Lu177が挙げられる)が挙げられるが、これらに限定はされない。抗体はまた、プロドラッグをその活性形態へと変換可能である抗癌プロドラッグ活性化酵素に結合体化され得る。
本明細書において使用される場合、用語「ダイアボディ(diabody)」とは、2つの抗原結合部位を含む小さい抗体フラグメントを指し、このフラグメントは、
同じポリペプチド鎖中に軽鎖可変ドメイン(VL)に結合体化している重鎖可変ドメイン(VH)を含む(VH−VL)。同じ鎖の2つのドメイン間での対合を可能にするには短か過ぎるリンカーを使用することによって、それらのドメインは、別の鎖の相補的ドメインと対合させられ、2つの抗原結合部位を生成する。ダイアボディは、例えば、EP 404,097;WO93/11161;およびHollingerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444−48(1993)において、より完全に記載される。
「遺伝子産物」とは、ペプチド/タンパク質、またはmRNAを示すために本明細書において使用される。例えば、「本発明の遺伝子産物」は、時には、本明細書において、「癌アミノ酸配列」、「癌タンパク質」、「表Iにおいて列挙される癌のタンパク質」、「癌mRNA」、「表Iにおいて列挙される癌のmRNA」などとも呼ばれる。一実施形態において、上記癌タンパク質は、図1の核酸によってコードされる。上記癌タンパク質は、フラグメント、あるいは図1の核酸によってコードされる全長タンパク質であり得る。一実施形態において、癌アミノ酸配列は、配列同一性または配列類似性を決定するために使用される。別の実施形態において、上記配列は、図1の核酸によってコードされるタンパク質の天然に存在する対立遺伝子改変体である。別の実施形態において、上記配列は、本明細書中にさらに記載されるような、配列改変体である。
「ヘテロ結合体」抗体は、本方法および組成物において有用である。本明細書において使用される場合、用語「ヘテロ結合体抗体」とは、共有結合した2つの抗体を指す。そのような抗体は、合成タンパク質化学における公知方法(架橋剤が挙げられる)を使用して調製され得る。例えば、米国特許第4,676,980号を参照のこと。
特定の核酸またはタンパク質生成物の存在、不在、定量、もしくは他の特性のための「ハイスループットスクリーニング」アッセイが、当業者にとって周知である。同様に、結合アッセイおよびレポーター遺伝子アッセイも、同様に周知である。従って、例えば、米国特許第5,559,410号は、タンパク質のハイスループットスクリーニング方法を開示する;米国特許第5,585,639号は、核酸結合についての(すなわち、アレイにおける)ハイスループットスクリーニング方法を開示する;一方、米国特許第5,576,220号および米国特許第5,541,061号は、リガンド/抗体結合についてのハイスループットスクリーニング方法を開示する。
さらに、ハイスループットスクリーニングシステムは、市販されている(例えば、Amersham Biosciences,Piscataway,NJ;Zymark Corp.,Hopkinton,MA;Air Technical Industries,Mentor,OH;Beckman Instruments,Inc. Fullerton,CA;Precision Systems,Inc.,Natick,MA;etc.を参照のこと)。これらのシステムは、代表的には、手順全体(すべてのサンプルおよび試薬のピペッティング、液体分配、時限インキュベーション、およびそのアッセイのために適切な検出器におけるマイクロプレートの最終読出しを含む)を自動化する。これらの構造化可能なシステムは、ハイスループット、および迅速な開始、ならびに高度の柔軟性およびカスタム化を提供する。そのようなシステムの製造業者は、種々のハイスループットシステムのための詳細なプロトコルを提供する。従って、例えば、Zymark Corp.は、遺伝子転写の調節、リガンド結合などを検出するためのスクリーニングシステムを記載する、技術的発表を提供する。
用語「ホモログ」とは、例えば、対応する位置において同じであるかまたは類似する科学的残基の配列を有することによって、別の分子に対して相同性を示す分子を指す。
一実施形態において、本明細書において提供される抗体は、「ヒト抗体」である。本明細書において使用される場合、用語「ヒト抗体」とは、軽鎖配列および重鎖配列の基本的に全体の配列(相補性決定領域(CDR)を含む)がヒト遺伝子由来である、抗体を指す。一実施形態において、ヒトモノクローナル抗体は、トリオーマ技術、ヒトB細胞技術(例えば、Kozborら、Immunol.Today 4:72(1983)を参照のこと)、EBV形質転換技術(例えば、Cole ら、MONOCLONAL ANTIBODYおよびCANCER THERAPY 77−96(1985)を参照のこと)、またはファージディスプレイの使用(例えば、Marksら、J.Mol.Biol.222:581(1991)を参照のこと)によって、調製される。具体的な実施形態において、上記ヒト抗体は、トランスジェニックマウスにおいて生成される。そのような部分的または完全なヒト抗体を生成するための技術は、当該分野において公知であり、そのような任意の技術が、使用され得る。特定の好ましい実施形態に従って、完全ヒト抗体配列が、ヒト重鎖抗体遺伝子およびヒト軽鎖抗体遺伝子を発現するように操作されたトランスジェニックマウスにおいて生成される。ヒト抗体を生成するトランスジェニックマウスおよびその子孫を調製することに関する例示的記載は、出願番号WO 02/43478および米国特許第6,657,103号(Abgenix)において見出される。その後、望ましい抗体を生成するトランスジェニックマウス由来のB細胞が、その抗体の連続的生成のためのハイブリドーマ細胞株を生成するために、融合され得る。例えば、米国特許第5,569,825号;同第5,625,126号;同第5,633,425号;同第5,661,016号;および同第5,545,806号;ならびにJakobovits,Adv.Drug Del.Rev.31:33−42(1998);Greenら、J.Exp.Med.188:483−95(1998)を参照のこと。
「ヒト白血球抗原」または「HLA」とは、ヒトのクラスIまたはクラスIIの主要組織適合遺伝子複合体(MHC)タンパク質である(例えば、Stitesら、IMMUNOLOGY,8TH ED.,Lange Publishing,Los Altos,CA(1994)を参照のこと)。
本明細書において使用される場合、用語「ヒト化抗体」とは、非ヒト(例えば、マウス)抗体由来の配列ならびにヒト抗体由来の配列を含む、抗体の形態を指す。そのような抗体は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小限の配列を含む、キメラ抗体である。一般に、上記ヒト化抗体は、少なくとも1つ(代表的には2つ)の可変ドメインのうちの実質的にすべてを含み、その超可変ループのうちのすべてまたは実質的にすべてが、非ヒト免疫グロブリンものに対応し、FR 領域のうちのすべてまたは実質的にすべてが、ヒト免疫グロブリン配列のものである。上記ヒト化抗体はまた、必要に応じて、免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部(Fc)(代表的には、ヒト免疫グロブリンのもの)を含む。例えば、Cabilly、米国特許第4,816,567;Queen ら、(1989)Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 86:10029−10033;およびANTIBODY ENGINEERING:A PRACTICAL APPROACH(Oxford University Press 1996)を参照のこと。
用語「ハイブリダイズする」、「ハイブリダイズしている」、「ハイブリダイズ」などは、ポリヌクレオチドの文脈において使用されると、従来のハイブリダイゼーション条件(好ましくは、例えば、50%ホルムアルデヒド/6XSSC/0.1% SDS/100μg/ml ssDNA中におけるハイブリダイゼーション(ハイブリダイゼーションのための温度は、37℃よりも高く、0.1XSSC/0.1% SDSにおける洗浄のための温度は、55℃よりも高い))を指す。
句「単離された」または「生物学的に純粋な」とは、ある物質のネイティブ状態において見出される通常はその物質に付随する成分を実質的または基本的に含まない、物質を指す。従って、本発明に従う単離されたペプチドは、好ましくはそのペプチドのインサイチュ環境においてそのペプチドに通常は付随する物質を含まない。例えば、ポリヌクレオチドは、PSCA遺伝子以外の遺伝子に対応するかもしくは相補的であるか、またはそのPSCA遺伝子産物以外のポリペプチドもしくはそのフラグメントをコードする、混入ポリヌクレオチドから実質的に分離されている場合に、「単離されている」と言われる。当業者は、単離されたPSCAポリヌクレオチドを得るための核酸単離手順を容易に使用し得る。タンパク質は、例えば、PSCAタンパク質に通常は付随する細胞構成物からPSCAタンパク質を取り出すために物理的方法、機械的方法、または化学的方法が使用される場合に、「単離される」と言われる。当業者は、単離されたPSCAタンパク質を得るために標準的な精製方法を容易に使用し得る。あるいは、単離されたタンパク質は、化学的手段によって調製され得る。
適切な「標識」としては、放射性核種、酵素、基質、補因子、インヒビター、蛍光部分、化学発光部分、磁気粒子などが挙げられる。そのような標識の使用を教示する特許としては、米国特許第3,817,837号;同第3,850,752号;同第3,939,350号;同第3,996,345号;同第4,277,437号;同第4,275,149号;および同第4,366,241号が挙げられる。さらに、本明細書において提供される抗体は、蛍光体(fluorobody)の抗原結合成分として有用であり得る。例えば、Zeytunら、Nat.Biotechnol.21:1473−79(2003)を参照のこと。
用語「哺乳動物」とは、哺乳動物として分類される任意の生物(マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、およびヒトが挙げられる)を指す。本発明の一実施形態において、上記哺乳動物は、マウスである。本発明の別の実施形態において、上記哺乳動物は、ヒトである。
用語「転移性前立腺癌」および「転移性疾患」とは、局所的リンパ節または遠位部位に広がっている前立腺を意味し、そして、AUAシステムにおけるステージDの疾患およびTNMシステムにおけるステージTxNxM+を包含することを意味する。局所進行型前立腺癌と同様に、手術は、一般的には、転移性疾患を有する患者のために指示されない。ホルモン(アンドロゲン切除)治療が、好ましい治療様式である。転移性前立腺癌を有する患者は、最終的には、処置開始12ヶ月〜18ヶ月以内に、アンドロゲン治療抵抗性段階へと進展する。これらのアンドロゲン治療抵抗性患者のうちの約半分は、この状態に進展した後、6ヶ月以内に死亡する。前立腺癌転移についての最も一般的な部位は、骨である。前立腺癌骨転移は、しばしば、骨溶解性ではなく造骨性(osteoblastic)である(すなわち、正味の骨形成を生じる)。骨転移は、棘において最も頻繁に見出され、その後、大腿、骨盤、胸郭、頭蓋、上腕骨において見出される。転移について一般的な他の部位としては、リンパ節、肺、肝臓、および脳が挙げられる。転移性前立腺癌は、代表的には、開放性もしくは腹腔鏡下の骨盤リンパ節切除、全身放射性核種スキャン、骨格X線撮影、および/または骨病変生検によって、診断される。
用語「モジュレーター」または「試験化合物」または「薬物候補」または文法的等価物は、本明細書において使用される場合、癌の表現型または癌配列(例えば、核酸配列もしくはタンパク質配列)の発現または癌配列の効果(例えば、シグナル伝達、遺伝子発現、タンパク質相互作用など)を直接的もしくは間接的に変化させる能力について試験されるべき、任意の分子(例えば、タンパク質、オリゴペプチド、有機低分子、多糖、ポリヌクレオチドなど)を指す。一局面において、モジュレーターは、本発明の癌タンパク質の効果を中和する。「中和する」とは、タンパク質の活性が、結果として生じる細胞に対する効果とともに阻害もしくはブロックされることが、意味される。別の局面において、モジュレーターは、本発明の遺伝子およびその対応するタンパク質の効果を、そのタンパク質のレベルを正常化することによって中和する。好ましい実施形態において、モジュレーターは、発現プロフィール、本明細書において提供される核酸またはタンパク質の発現プロフィール、または下流エフェクター経路を変化させる。一実施形態において、上記モジュレーターは、癌の表現型を、例えば、正常な組織フィンガープリントへと抑制する。別の実施形態において、モジュレーターは、癌の表現型を誘導した。一般的に、複数のアッセイ混合物が、種々の因子濃度を用いて並行して実施されて、その種々の濃度に対する差次的応答が得られる。代表的には、これらの濃度のうちの1つは、ネガティブコントロール(すなわち、ゼロ濃度または検出レベル未満)として役立つ。
モジュレーター、薬物候補、または試験化合物は、多数の化学物質のクラスを包含するが、代表的には、これらは、有機分子(好ましくは、100ダルトン未満および約2,500ダルトン未満の分子量を有する有機低分子化合物)である。好ましい低分子は、2000D未満または1500D未満または1000D未満または500D未満である。候補因子は、タンパク質との構造的相互作用(特に水素結合)のために必要な官能基を含み、代表的には、少なくともアミン基、カルボニル基、ヒドロキシル基、またはカルボキシル基を含み、好ましくはこれらの官能基のうちの少なくとも2つを含む。この候補因子は、しばしば、上記の官能基のうちの1つ以上を備える、環状炭素構造もしくは複素環式構造、および/または芳香環構造もしくは多芳香環構造を含む。モジュレーターはまた、生体分子(例えば、ペプチド、糖、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、それらの誘導体、それらの構造アナログ、もしくはそれらの組み合わせ)を含む。特に好ましいのは、ペプチドである。ある種類のモジュレーターは、ペプチドであり、例えば、約5アミノ酸〜約35アミノ酸であり、約5アミノ酸〜約20アミノ酸が好ましく、約7アミノ酸〜約15アミノ酸が特に好ましい。好ましくは、上記癌調節タンパク質は、可溶性であり、非膜貫通領域を含み、かつ/または溶解性を補助するためのN末端Cysを有する。一実施形態において、上記フラグメントのC末端は、遊離酸として維持され、そのN末端は、カップリング(すなわち、システインに対するカップリング)を補助するための遊離酸である。一実施形態において、本発明の癌タンパク質は、本明細書において考察されるような免疫原性因子に結合体化される。一実施形態において、上記癌タンパク質は、BSAに結合体化される。例えば好ましい長さの本発明のペプチドは、それよりも長いペプチド/タンパク質を生成するために互いにかまたは他のアミノ酸に連結され得る。上記調節ペプチドは、上記で概説されるような天然に存在するタンパク質の消化物、ランダムペプチド、または「偏向した(biased)」ランダムペプチドであり得る。好ましい実施形態において、ペプチド/タンパク質ベースのモジュレーターは、本明細書において定義されるような抗体およびそのフラグメントである。
癌のモジュレーターはまた、核酸であり得る。核酸調節因子は、天然に存在する核酸、ランダム核酸、または「偏向した(biased)」ランダム核酸であり得る。例えば、原核生物または真核生物のゲノム消化物が、タンパク質について上記で概説されたアプローチと同様のアプローチにおいて、使用され得る。
用語「モノクローナル抗体」とは、本明細書において使用される場合、実質的に均一な抗体の集団から得られた抗体(すなわち、その集団を含む個々の抗体は、微量で存在し得る起こり得る天然の変異以外は同じである)を指す。モノクローナル抗体は、非常に特異的であり、1つの抗原性エピトープに対する。対照的に、従来の(ポリクローナル)抗体調製物は、代表的には、種々のエピトープに対する(すなわち、それに対して特異的な)複数の抗体を含む。一実施形態において、上記ポリクローナル抗体は、複数の抗原性エピトープを含む1つの抗原との種々のエピトープ特異性、アフィニティ、またはアビディティを有する、複数のモノクローナル抗体を含む。修飾語「モノクローナル」とは、実質的な均一な抗体集団から得られている抗体の特徴を示し、これは、特定の何らかの方法によるその抗体の生成を必要とするとは解釈されるべきではない。例えば、本発明に従って使用されるべきモノクローナル抗体は、Kohlerら、Nature 256:495(1975)によって最初に記載されたハイブリドーマ方法によって生成され得るか、または組換えDNA方法(例えば、米国特許第4,816,567号を参照のこと)によって生成され得る。上記「モノクローナル抗体」はまた、例えば、Clacksonら、Nature 352:624−628(1991)およびMarksら、J.Mol.Biol.222:581−597(1991)に記載された技術を使用して、ファージ抗体ライブラリーから単離され得る。これらのモノクローナル抗体は、通常はELISAによって決定される、通常は少なくともKd約1μM、より通常は少なくとも約300nM、代表的には少なくとも約30nM、好ましくは少なくとも約10nM、より好ましくは少なくとも約3nM以上で結合する。
「モチーフ」とは、PSCA関連タンパク質の生物学的モチーフにおける場合、特定の機能(例えば、タンパク質間相互作用、タンパク質−DNA相互作用など)もしくは修飾(例えば、リン酸化、グリコシル化、もしくはアミド化される)もしくは局在化(例えば、分泌配列、核局在化配列など)に関連するタンパク質の一次配列のアミノ酸形成部分、または免疫原性(体液性もしくは細胞性のいずれか)と相関する配列の任意のパターンを指す。モチーフは、連続的であり得るか、または特定の機能または特性に一般的に相関する特定の位置に整列され得るかのいずれかである。HLAモチーフの文脈において、「モチーフ」とは、規定された長さのペプチド(通常は、クラスI HLAモチーフについて約8アミノ酸〜約13アミノ酸のペプチド、クラスII HLAモチーフについて約6アミノ酸〜約25アミノ酸)における残基パターン(これらは、特定のHLA分子によって認識される)を指す。HLA結合のためのペプチドモチーフは、代表的には、各ヒトHLA対立遺伝子によってコードされる各タンパク質について異なり、かつ一次アンカー残基および二次アンカー残基のパターンが異なる。頻繁に出現するモチーフが、表Vに示される。
「薬学的賦形剤」とは、アジュバント、キャリア、pH調整剤、および緩衝剤、張度調整剤、湿潤剤、保存剤などの物質を包含する。
「薬学的に受容可能な」とは、ヒトまたは他の動物と生理学的に適合性である、非毒性および/または不活性の組成を指す。
用語「ポリヌクレオチド」とは、長さが少なくとも10塩基もしくは10塩基対のヌクレオチド(リボヌクレオチドもしくはデオキシリボヌクレオチドのいずれか、またはいずれかの型のヌクレオチドの改変形態)のポリマー形態を意味し、これは、一本鎖形態および二本鎖形態のDNAおよび/またはRNAを包含する。当該分野において、この用語は、「オリゴヌクレオチド」としばしば互換的に使用される。ポリヌクレオチドは、本明細書において開示される配列を含み、その配列において、チミジン(T)(例えば、図1において示される)はまたウラシル(U)でもあり得る;この定義は、DNAとRNAとの間の化学構造の差(特に、RNAにおける4種の主要な塩基のうちの1つがチミジン(T)の代わりにウラシル(U)であるという知見)に関係がある。
用語「ポリペプチド」とは、少なくとも約4アミノ酸、少なくとも約5アミノ酸、少なくとも約6アミノ酸、少なくとも約7アミノ酸、または少なくとも約8アミノ酸のポリマーを意味する。本明細書全体を通して、アミノ酸に関する標準的な3文記号または1文字記号が、使用される。当該分野において、この用語は、「ペプチド」または「タンパク質」としばしば互換可能である。
HLA「一次アンカー残基」とは、免疫原性ペプチドとHLA分子との間の接触点を提供すると理解される、ペプチド配列に沿った特定の位置にあるアミノ酸である。規定された長さのペプチド中にある1〜3個(通常は2個の)一次アンカー残基が、免疫原性ペプチドについての「モチーフ」を一般的には規定する。これらの残基は、HLA分子のペプチド結合溝と密接に接触して適合すると理解され、その側鎖は、その結合溝の特定のポケット中に埋没している。一実施形態において、例えば、HLAクラスI分子についての一次アンカー残基は、本発明に従う8残基、9残基、10残基、11残基、または12残基のペプチドエピトープの2位(アミノ末端位置から)およびカルボキシ末端位置にある。あるいは、別の実施形態において、HLAクラスII分子に結合するペプチドの一次アンカー残基は、ペプチドの末端に対してではなく互いに対して、間隔を空けており、そのペプチドは、一般的には長さが少なくとも9アミノ酸である。各モチーフおよびスーパーモチーフについての一次アンカー位置が、表IV(a)に示される。例えば、アナログペプチドは、表IVに示される一次アンカー位置および/または二次アンカー位置における特定の残基の存在もしくは不在を変化させることによって、生成され得る。そのようなアナログは、特定のHLAモチーフまたはHLAスーパーモチーフを含むペプチドの結合親和性および/または集団範囲を調節するために使用される。
「放射性同位体」としては、以下が挙げられるが、これらに限定はされない(非限定的例示的使用もまた、表IV(I)に示される)。
「ランダム化」または文法的等価物によって、本明細書において核酸およびタンパク質に対して適用される場合、各核酸およびペプチドが、それぞれ、基本的にランダムなヌクレオチドおよびアミノ酸からなることが意味される。これらのランダムなペプチド(または本明細書において考察される核酸)は、任意の位置においてヌクレオチドまたはアミノ酸を組み込み得る。その合成プロセスは、ランダム化タンパク質またはランダム化核酸を生成して、その配列の長さにわたって可能な組み合わせのうちのすべてまたはほとんどの形成を可能にし、それによってランダム化候補生物活性タンパク質様因子のライブラリーを形成するように、設計され得る。
一実施形態において、ライブラリー は、「完全にランダム化されており」、どの位置にも、配列の優先性も不変性もない。別の実施形態において、上記ライブラリーは、「偏向した(biased)ランダム」ライブラリーである。すなわち、その配列中のいくつかの位置が一定のままであるか、または限定数の可能性から選択されるかのいずれかである。例えば、そのヌクレオチドまたはアミノ酸残基は、規定された種類の例えば疎水性アミノ酸、親水性残基、立体的に偏向した(小さいかもしくは大きいかのいずれかである)残基において、核酸結合ドメインの生成;架橋のためのシステインの生成;SH−3ドメインのためのプロリン;リン酸化のためのセリン残基、チロシン残基、もしくはヒスチジン残基;などまたはプリンなどに対してランダム化される。
「組換え」DNA分子またはRNA分子は、インビトロでの分子操作に供された、DNA分子またはRNA分子である。
本明細書において使用される場合、用語「単鎖Fv」または「scFv」または「単鎖」抗体とは、抗体のVHドメインおよびVLドメインを含む抗体フラグメントを指し、これらのドメインは、一本のポリペプチド鎖中に存在する。一般的に、上記Fvポリペプチドは、VHドメインとVLドメインとの間に、sFvが抗原結合のための望ましい構造を形成するのを可能にするポリペプチドリンカーをさらに含む。sFvの概説について、Pluckthun,THE PHARMACOLOGY OF MONOCLONAL ANTIBODY,vol.113,RosenburgおよびMoore編、Springer−Verlag,New York,pp.269−315(1994)を参照のこと。
「低分子」の非限定的例としては、PSCAと結合もしくは相互作用する化合物;PSCAタンパク質に結合して好ましくはその機能を阻害するリガンド(ホルモン、神経ペプチド、ケモカイン、臭気物質、リン脂質、およびそれらの機能的等価物が挙げられる)が挙げられる。そのような非限定的な低分子は、好ましくは、約10kDa未満、より好ましくは約9kDa未満、約8kDa未満、約7kDa未満、約6kDa未満、約5kDa未満、または約4kDakDa未満の分子量を有する。特定の実施形態において、PSCAタンパク質に物理的に会合するは、天然に存在する代謝経路において見出されず、かつ/または非水性溶液中よりも水溶液中で可溶性である。
本明細書において使用される場合、用語「特異的」とは、標的抗原エピトープに対する上記抗体の選択的結合を指す。抗体は、適切な抗原に対する結合を、所定の条件の組の下で、無関係の抗原または抗原混合物に対する結合と比較することによって、結合特異性について試験され得る。上記抗体は、その適切な抗原に対して、無関係の抗原もしくは抗原混合物に対してよりも少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも7倍、好ましくは少なくとも10倍結合する場合に、その抗体は特異的であると考えられる。一実施形態において、特異的抗体は、PSCA抗原にのみ結合するが無関係の抗原には結合しない抗体である。別の実施形態において、特異的抗体は、ヒトPSCA抗原に結合するが、PSCA抗原と70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上のアミノ酸相同性を有する非ヒトPSCA抗原とは結合しない、抗体である。別の実施形態において、特異的抗体は、ヒトPSCA抗原に結合しかつマウスPSCA抗原に結合するが、そのヒト抗原に対しての方が高い程度の結合を有する、抗体である。別の実施形態において、特異的抗体は、ヒトPSCA抗原に結合しかつ霊長類PSCA抗原に結合するが、そのヒト抗原に対しての方が高い程度の結合を有する、抗体である。別の実施形態において、上記特異的抗体は、ヒトPSCA抗原および任意の非ヒトPSCA抗原に結合するが、そのヒト抗原に対しての方が高い程度の結合を有する。
ハイブリダイゼーション反応の「ストリンジェンシー」とは、当業者によって容易に決定可能であり、一般的には、プローブの長さ、洗浄温度、および塩濃度に依存する経験的計算である。一般に、より長いプローブ程、適切なアニーリングのためにはより高い温度を必要とし、一方、より短いプローブ程、より低い温度を必要とする。ハイブリダイゼーションは、一般的には、相補鎖がその融解温度よりも低い環境において存在する場合に変性核酸配列がリアニールする能力に依存する。プローブとハイブリダイズ可能な配列との間の望ましい相同性の程度が高い程、使用され得る相対温度は、より高くなる。結果として、より高い相対温度ほど、反応条件をよりストリンジェントにする傾向があり、一方、より低い温度ほどそうではない傾向があることになる。ハイブリダイゼーション反応のストリンジェンシーについてのさらなる詳細および説明について、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology,Wiley Interscience Publishers,(1995)を参照のこと。
「ストリンジェントな条件」または「高ストリンジェンシー条件」とは、本明細書において定義される場合、(1)洗浄のために低いイオン強度および高い温度(例えば、50℃における、0.015M塩化ナトリウム/0.0015Mクエン酸ナトリウム/0.1%ドデシル硫酸ナトリウム)を使用すること;(2)ハイブリダイゼーションの間に変性剤(例えば、ホルムアミド(例えば、42℃における、50%(v/v)ホルムアミド+0.1%ウシ血清アルブミン/0.1% Ficoll/0.1%ポリビニルピロリドン/50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH 6.5)+750mM塩化ナトリウム、75mMクエン酸ナトリウム)を使用すること;または(3)50%ホルムアミド、5×SSC(0.75M NaCl,0.075Mクエン酸ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%ピロリン酸ナトリウム、5×デンハート溶液、超音波処理済みサケ精子DNA(50μg/ml)、0.1%SDS、および10%硫酸デキストランを42°Cにて使用し、42°Cの0.2×SSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)中で洗浄し、50%ホルムアミド中で55°Cにて洗浄し、その後、EDTAを含む0.1×SSCからなる高ストリンジェンシー洗浄を55°Cで行うこと;によって同定されるが、これらに限定はされない。「中程度にストリンジェントな条件」とは、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,New York:Cold Spring Harbor Press,1989によって記載されるものが挙げられるが、これらに限定はされず、これには、上記の条件よりも低いストリンジェントである洗浄溶液およびハイブリダイゼーション条件(例えば、温度、イオン強度、およびSDS %)が挙げられる。中程度にストリンジェントな条件の例は、1%ウシ血清アルブミン、0.5Mリン酸ナトリウム(pH7.5)、1.25mM EDTA,および7% SDS、5×SSC(150mM NaCl、15 mMクエン酸三ナトリウム)を含む溶液における65℃で一晩のインキュベーション;およびその後の2×SSC/1% SDS(50°C)および0.2×SSC/0.1% SDS(50°C)におけるフィルターの洗浄である。当業者は、必要な場合には、温度、イオン強度などを、プローブ、長さなどの要因に適合するように調整する方法を認識する。
HLA「スーパーモチーフ」は、2つの以上のHLA対立遺伝子によって共有されるペプチド結合特異性である。種々の人種集団におけるHLAスーパータイプの全体的な表現型頻度が、表IV(f)に示される。種々のスーパータイプの非限定的構成要素は、以下の通りである:
A2:A*0201、A*0202、A*0203、A*0204、A*0205、A*0206、A*6802、A*6901、A*0207
A3:A3、A11、A31、A*3301、A*6801、A*0301、A*1101、A*3101
B7:B7、B*3501−03、B*51、B*5301、B*5401、B*5501、B*5502、B*5601、B*6701、B*7801、B*0702、B*5101、B*5602
B44:B*3701、B*4402、B*4403、B*60(B*4001)、B61(B*4006)
A1:A*0102、A*2604、A*3601、A*4301、A*8001
A24:A*24、A*30、A*2403、A*2404、A*3002、A*3003
B27:B*1401−02、B*1503、B*1509、B*1510、B*1518、B*3801−02、B*3901、B*3902、B*3903−04、B*4801−02、B*7301、B*2701−08
B58:B*1516、B*1517、B*5701、B*5702、B58
B62:B*4601、B52、B*1501(B62)、B*1502(B75)、B*1513(B77)。
種々のHLAスーパータイプの組み合わせによって提供される計算上の集団適用範囲は、表IV(g)において示される。
本明細書において使用される場合、「処置するため」または「治療的」および文法的に関連する用語は、疾患の何らかの結果についての何らかの改善(例えば、生存の延長、罹患率の低下、および/または代替的治療様式の副産物である副作用の減弱)を指す;当該分野において容易に認識されるように、疾患の完全な根絶は、処置公知のための必要要件ではないにも関わらず、好ましい。
「トランスジェニック動物」(例えば、マウスまたはラット)は、トランスジーンを含む細胞を有する動物であり、そのトランスジーンは、出生前(例えば、胚段階)にてその動物中またはその動物の祖先中に導入されたものである。「トランスジーン」とは、トランスジェニック動物が発生する細胞のゲノム中に組み込まれるDNAである。
本明細書において使用される場合、HLAまたは細胞免疫応答の「ワクチン」は、本発明の1つ以上のペプチドを含むかまたはコードする、組成物である。そのようなワクチンの多数の実施形態(例えば、1つ以上の個々のペプチドのカクテル;ポリエピトープペプチドによって含まれる本発明の1つ以上のペプチド;または、そのような個々のペプチドもしくはポリペプチドをコードする核酸(例えば、ポリエピトープペプチドをコードするミニジーン)が、存在する。上記の「1つ以上のペプチド」は、本発明の1個〜150個以上の任意の単位整数全体(例えば、少なくとも2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、30個、31個、32個、33個、34個、35個、36個、37個、38個、39個、40個、41個、42個、43個、44個、45個、46個、47個、48個、49個、50個、55個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個、105個、110個、115個、120個、125個、130個、135個、140個、145個、または150以上)のペプチドを包含し得る。上記のペプチドまたはポリペプチドは、必要に応じて、例えば、脂質化、標的化配列もしくは他の配列の付加によって、改変され得る。本発明のHLAクラスIペプチドは、HLAクラスIIペプチドと混合もしくは連結され得て、細胞傷害性Tリンパ球およびヘルパーTリンパ球の両方の活性化が促進され得る。HLAワクチンはまた、ペプチドでパルスした抗原提示細胞(例えば、樹状細胞)も含み得る。
用語「改変体」とは、記載された型または基準からの変化を示す分子(例えば、具体的に記載されるタンパク質(例えば、図1に示されるPSCAタンパク質)の対応する位置において1つ以上の異なるアミノ酸残基をタンパク質)を指す。アナログは、改変体タンパク質の一例である。スプライスアイソフォームおよび一ヌクレオチド多型(SNP)が、改変体のさらなる例である。
本発明の「PSCA関連タンパク質」は、本明細書において具体的に同定されるもの、ならびに本明細書において概説される方法もしくは当該分野で容易に利用可能な方法に従って過度な実験を行わずに単離/生成および特徴付けされ得る、対立遺伝子改変体、保存的置換改変体、アナログ、およびホモログを包含する。異なるPSCAタンパク質の部分またはそのフラグメントを合わせる融合タンパク質、ならびにPSCAタンパク質と異種ポリペプチドとの融合タンパク質もまた、包含される。そのようなPSCAタンパク質は、集合的に、PSCA関連タンパク質、本発明のタンパク質、またはPSCAと呼ばれる。用語「PSCA関連タンパク質」とは、4アミノ酸、5アミノ酸、6アミノ酸、7アミノ酸、8アミノ酸、9アミノ酸、10アミノ酸、11アミノ酸、12アミノ酸、13アミノ酸、14アミノ酸、15アミノ酸、16アミノ酸、17アミノ酸、18アミノ酸、19アミノ酸、20アミノ酸、21アミノ酸、22アミノ酸、23アミノ酸、24アミノ酸、25アミノ酸、もしくは25アミノ酸よりも多くのPSCAタンパク質配列のポリペプチドフラグメント;あるいは少なくとも30アミノ酸、少なくとも35アミノ酸、少なくとも40アミノ酸、少なくとも45アミノ酸、少なくとも50アミノ酸、少なくとも55アミノ酸、少なくとも60アミノ酸、少なくとも65アミノ酸、少なくとも70アミノ酸、少なくとも80アミノ酸、少なくとも85アミノ酸、少なくとも90アミノ酸、少なくとも95アミノ酸、少なくとも100アミノ酸、少なくとも105アミノ酸、少なくとも110アミノ酸、少なくとも115アミノ酸、少なくとも120アミノ酸、少なくとも125アミノ酸、少なくとも130アミノ酸、少なくとも135アミノ酸、少なくとも140アミノ酸、少なくとも145アミノ酸、少なくとも150アミノ酸、少なくとも155アミノ酸、少なくとも160アミノ酸、少なくとも165アミノ酸、少なくとも170アミノ酸、少なくとも175アミノ酸、少なくとも180アミノ酸、少なくとも185アミノ酸、少なくとも190アミノ酸、少なくとも195アミノ酸、少なくとも200アミノ酸、少なくとも225アミノ酸、少なくとも250アミノ酸、少なくとも275アミノ酸、少なくとも300アミノ酸、少なくとも325アミノ酸、少なくとも330アミノ酸、少なくとも335アミノ酸、少なくとも339アミノ酸以上のPSCAタンパク質配列のポリペプチドフラグメントを指す。
II.)PSCAポリヌクレオチド
本発明の一局面は、PSCA遺伝子、PSCA mRNAおよび/またはPSCAコード配列のうちのすべてもしくは一部と対応するかもしくは相補的なポリヌクレオチド(好ましくは単離された形態である)(PSCA関連タンパク質をコードするポリヌクレオチドおよびそのフラグメント、DNA、RNA、DNA/RNAハイブリッド、および関連分子;PSCA遺伝子配列もしくはPSCA mRNA配列またはその一部に対して相補的な、ポリヌクレオチドもしくはオリゴヌクレオチド;PSCA遺伝子、PSCA mRNA、PSCAコードポリヌクレオチドにハイブリダイズする、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド(集合的に、「PSCAポリヌクレオチド」)を含む)を提供する。すべての場合、この節において言及される場合、Tはまた、図1におけるUであり得る。
PSCAポリヌクレオチドの実施形態としては、図1に示される配列を有するPSCAポリヌクレオチド;図1に示されるPSCAのヌクレオチド配列(TはUである);図1に示される配列を有するポリヌクレオチドのうちの少なくとも10個連続するヌクレオチド;または図1に示される配列を有するポリヌクレオチド(TはUである)のうちの少なくとも10個連続するヌクレオチドが挙げられる。
PSCAタンパク質の比較的長い部分をコードするポリヌクレオチドもまた、本発明の範囲内にある。例えば、図1もしくは図3において示されるPSCAタンパク質もしくは「改変体」のうちのほぼアミノ酸1(もしくは20もしくは30もしくは40など)〜ほぼアミノ酸20(もしくは30もしくは40もしくは50など)をコードするポリヌクレオチドが、当該分野で周知である種々の技術によって生成され得る。これらのポリヌクレオチドフラグメントは、図1に示されるPSCA配列のうちの任意の部分を含み得る。
II.A.)PSCAポリヌクレオチドの使用
II.A.1.遺伝子異常のモニタリング
前段落のポリヌクレオチドは、多数の異なる特定の使用を有する。上記ヒトPSCA遺伝子は、「PSCAの染色体マッピング」と題する実施例において示される染色体位置にマッピングされる。例えば、上記PSCA遺伝子は、この染色体にマッピングされるので、上記PSCAタンパク質の種々の領域をコードするポリヌクレオチドが、この染色体位置の細胞遺伝学的異常(例えば、種々の癌に関連すると同定される異常)を特徴付けるために使用される。特定の遺伝子において、種々の染色体異常(再配列を含む)が、多数の種々の癌における頻繁な細胞遺伝学的異常として同定されている(例えば、Krajinovicら、Mutat.Res.382(3−4):81−83(1998);Johanssonら、Blood 86(10):3905−3914(1995)およびFingerら、P.N.A.S.85(23):9158−9162(1988)を参照のこと)。従って、上記PSCAタンパク質の特定領域をコードするポリヌクレオチドは、悪性疾患表現型に寄与し得るPSCAをコードする染色体領域中の細胞遺伝学的異常を、以前に可能であったよりも正確に示すために、使用され得る。この文脈において、これらのポリヌクレオチドは、より微妙でかつ一般的ではない染色体異常を同定するために、染色体スクリーニングの感度を拡張するための当該分野における必要性を満たす(例えば、Evansら、Am.J.Obstet.Gynecol 171(4):1055−1057(1994)を参照のこと)。
さらに、PSCAは、前立腺癌および他の癌において高度に発現されることが示されたので、PSCAポリヌクレオチドは、癌性組織に対して正常組織におけるPSCA遺伝子の状態を評価する方法において使用される。代表的には、上記PSCAタンパク質の特定領域をコードするポリヌクレオチドは、そのPSCA遺伝子の特定領域(例えば、1つ以上のモチーフを含む領域)における混乱(perturbation)(例えば、欠失、挿入、点変異、または抗原の喪失を生じる変化など)を評価するために使用される。例示的アッセイとしては、RT−PCRアッセイならびに一本鎖高次構造多型(SSCP)分析(例えば、Marrogiら、J.Cutan.Pathol.26(8):369−378(1999)を参照のこと)が挙げられ、これらは両方とも、あるタンパク質の特定領域をコードするポリヌクレオチドを使用して、そのタンパク質中のこれらの領域を試験する。
II.A.2.アンチセンス実施形態
本明細書において開示される発明の他の具体的に企図される核酸関連実施形態は、ゲノムDNA、cDNA、リボザイム、およびアンチセンス分子、ならびに代替的骨格に基づくかまたは代替的塩基を含む核酸分子(天然供給源に由来しても合成されてもよい)であり、PSCAのRNAもしくはタンパク質の発現を阻害可能な分子を含む。例えば、アンチセンス分子は、RNAであっても、他の分子(ペプチド核酸(PNA)または非核酸分子(例えば、塩基対依存性様式でDNAもしくはRNAに特異的に結合するホスホロチオエート誘導体))であってもよい。当業者は、上記PSCAポリヌクレオチドおよび本明細書において開示されるポリヌクレオチド 配列を使用してこれらの種類の核酸分子を容易に取得し得る。
アンチセンス技術は、細胞中に位置する標的ポリヌクレオチドに結合する外因性オリゴヌクレオチドの投与を包含する。用語「アンチセンス」とは、そのようなオリゴヌクレオチドが、その細胞内標的(例えば、PSCA)に対して相補的であるという事実を指す。例えば、Jack Cohen,Oligodeoxynucleotides,Antisense Inhibitors ofGene Expression,CRC Press,1989;およびSynthesis 1:1−5(1988)を参照のこと。本発明のPSCAアンチセンスオリゴヌクレオチドは、誘導体(例えば、S−オリゴヌクレオチド(ホスホロチオエート誘導体もしくはSオリゴ(Jack Cohen(前出)を参照のこと)(これは、増強された癌細胞増殖阻害作用を示す))を包含する。S−オリゴ(ヌクレオシドホスホロチオエート)は、そのリン酸基の非架橋酸素原子がイオウ原子で置換されている、オリゴヌクレオチド(O−オリゴ)の等電性アナログである。本発明のS−オリゴは、対応するO−オリゴを、3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン−1,1−ジオキシド(これは、イオウ転移試薬である)で処理することによって、調製され得る。例えば、Iyer,R.P.ら、J.Org.Chem.55:4693−4698(1990);およびIyer,R.P.ら、J.Am.Chem.Soc.112:1253−1254(1990)を参照のこと。本発明のさらなるPSCAアンチセンスオリゴヌクレオチドは、当該分野で公知であるモルホリノアンチセンスオリゴヌクレオチド(例えば、Partridgeら、1996,Antisense & Nucleic Acid Drug Development 6:169−175を参照のこと)を含む。
本発明のPSCAアンチセンスオリゴヌクレオチドは、代表的には、PSCAゲノム配列もしくは対応するmRNAの最初の100個の5’コドンもしくは最後の100個の3’コドンと相補的でありかつそれと安定にハイブリダイズする、RNAもしくはDNAであり得る。絶対的相補性は必要ではないが、高度の相補性が、好ましい。:この領域に対するオリゴヌクレオチドの使用は、プロテインキナーゼの他の調節サブユニットを特定するmRNAに対してではなくPSCA mRNAに対する選択的ハイブリダイゼーションを可能にする。一実施形態において、本発明のPSCAアンチセンスオリゴヌクレオチドは、PSCA mRNAにハイブリダイズする配列を有するアンチセンスDNA分子の15マー〜30マーフラグメントである。必要に応じて、PSCAアンチセンスオリゴヌクレオチドは、PSCAの最初の10個の5’コドンまたは最後の10個の3’コドンにおける領域に対して相補的な30マーオリゴヌクレオチドである。
(II.A.3. プライマーおよびプライマー対)
本発明のこれらのヌクレオチドのさらなる具体的実施形態としては、本発明のポリヌクレオチドもしくはその特定部分の特異的増幅を可能にする、プライマーおよびプライマー対;ならびに本発明の核酸もしくはその任意の部分に対して選択的もしくは特異的にハイブリダイズするプローブが挙げられる。プローブは、検出可能なマーカー(例えば、放射性同位体、蛍光化合物、生体発光化合物、化学発光化合物、金属キレート剤、または酵素)で標識され得る。そのようなプローブおよびプライマーは、サンプル中のPSCAポリヌクレオチドの存在を検出するため、およびPSCAタンパク質を発現する細胞を検出するための手段として、使用される。
そのようなプローブの例としては、図1に示されるヒトPSCA cDNA配列のうちのすべてまたは部分を含むポリペプチドが挙げられる。PSCA mRNAを特異的に増幅可能なプライマー対の例もまた、実施例に記載される。当業者によって理解されるように、非常に多数の種々のプライマーおよびプローブが、本明細書において提供される配列に基づいて調製され得、そしてPSCA mRNAを増幅および/または検出するために有効に使用され得る
本発明のPSCAポリヌクレオチドは、種々の目的(が挙げられるがこれらに限定はされないPSCA遺伝子、PSCA mRNAもしくはそれらのフラグメントの増幅および/もしくは検出のためのプローブおよびプライマーとしての使用;前立腺癌および他の癌の診断および/もしくは予後判定のための試薬としての使用;PSCAポリペプチドの発現を指向可能なコード配列としての使用;PSCA遺伝子および/もしくはPSCA転写物の発現を調節もしくは阻害するためのツールとしての使用;ならびに治療剤としての使用が挙げられるがこれらに限定はされない)のために有用である。
本発明は、天然に存在する供給源(例えば、ヒトまたは他の哺乳動物)からPSCAもしくはPSCA関連核酸配列を同定および単離するための本明細書において記載される任意のプローブの使用、ならびに単離された核酸配列自体(これは、使用されるプローブにおいて見出される配列のうちのすべてもしくはほとんどを含む)を包含する。
II.A.4.PSCAコード核酸分子の単離
本明細書において記載されるPSCA cDNA配列は、PSCA遺伝子産物の単離、ならびにPSCA遺伝子産物ホモログをコードするポリヌクレオチド、PSCA遺伝子産物の選択的スプライスアイソフォーム、PSCA遺伝子産物の対立遺伝子改変体、PSCA遺伝子産物の変異形態、ならびにPSCA関連タンパク質のアナログをコードするポリヌクレオチドの単離を包含する。PSCA遺伝子をコードする全長cDNAを単離するために使用され得る種々の分子クローニング方法が、周知である(例えば、Sambrook,J.ら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2d edition,Cold Spring Harbor Press,New York,1989;Current Protocols in Molecular Biology. Ausubelら、Eds.,WileyおよびSons,1995を参照のこと)。例えば、λファージクローニング方法論が、市販のクローニングシステム(例えば、Lambda ZAP Express,Stratagene)を使用して、簡便に使用され得る。PSCA遺伝子cDNAを含むファージクローンは、標識されたPSCA cDNAまたはそのフラグメントでプロービングすることによって、同定され得る。例えば、一実施形態において、PSCA cDNA(例えば、図1)またはその部分が、合成され得、そしてPSCA遺伝子に対応する重複cDNAおよび全長cDNAを回収するためのプローブとして使用され得る。PSCA遺伝子自体が、ゲノムDNAライブラリー、細菌人工染色体ライブラリー(BAC)、酵母人工染色体ライブラリー(YAC)などを、PSCA DNAプローブまたはPSCA DNAプライマーを用いてスクリーニングすることによって、単離され得る。
II.A.5.組換え核酸分子および宿主−ベクター系
本発明はまた、PSCAポリヌクレオチド、そのフラグメント、アナログもしくはホモログを含む、組換えDNA分子もしくは組換えRNA分子(ファージ、プラスミド、ファージミド、コスミド、YAC、BAC、ならびに当該分野で周知である種々のウイルスベクターおよび非ウイルスベクターが挙げられるがこれらに限定はされない)、ならびにそのような組換えDNA分子もしくはRNA分子で形質転換もしくはトランスフェクトされた細胞を提供する。そのような分子を生成するための方法は、周知である(例えば、Sambrookら、1989,(前出)を参照のこと)。
本発明はさらに、PSCAポリヌクレオチド、そのフラグメント、そのアナログもしくはホモログを含む組換えDNA分子を、適切な原核生物宿主細胞もしくは真核生物宿主細胞中に含む、宿主−ベクター系を提供する。適切な真核生物宿主細胞の例としては、酵母細胞、植物細胞、または動物細胞(例えば、哺乳動物細胞もしくは昆虫細胞(例えば、バキュロウイルス感染性細胞(例えば、Sf9細胞もしくはHighFive細胞)))が挙げられる。適切な哺乳動物細胞の例としては、種々の前立腺癌細胞株(例えば、DU145およびTsuPr1、他のトランスフェクト可能な前立腺癌細胞株もしくは形質導入可能な前立腺癌細胞株、一次細胞(PrEC))、ならびに組換えタンパク質の発現のために慣用的に使用される多数の哺乳動物細胞(例えば、COS細胞、CHO細胞、293細胞、293T細胞)が挙げられる。より具体的には、PSCAまたはそのフラグメント、アナログもしくはホモログのコード配列を含むポリヌクレオチドが、当該分野で慣用的に使用されかつ広範に公知である多数の宿主−ベクター系を使用して、PSCAタンパク質またはそのフラグメントを生成するために使用され得る。
PSCAタンパク質またはそのフラグメントの発現のために適切な広範囲の宿主−ベクター系が、利用可能である。例えば、Sambrookら、1989,(前出);Current Protocols in Molecular Biology,1995,(前出)を参照のこと。哺乳動物発現のための好ましいベクターとしては、pcDNA 3.1 myc−His−tag(Invitrogen)およびレトロウイルスベクターpSR tkneo(Mullerら、1991,MCB 11:1785)が挙げられるが、これらに限定はされない。これらの発現ベクターを使用して、PSCAは、いくつかの前立腺癌細胞株および非前立腺細胞株(例えば、293細胞、293T細胞、rat−1細胞、NIH 3T3細胞、およびTsuPr1細胞が挙げられる)において発現され得る。本発明の宿主−ベクター系は、PSCAタンパク質またはそのフラグメントの生成のために有用である。そのような宿主−ベクター系は、PSCAおよびPSCA変異もしくはPSCAアナログの機能的特性を研究するために、使用され得る。
組換えヒトPSCAタンパク質、または、そのアナログもしくはホモログもしくはフラグメントは、PSCA関連ヌクレオチドをコードする構築物を用いてトランスフェクトした哺乳動物細胞により産生され得る。例えば、293T細胞が、PSCA、または、そのフラグメント、アナログもしくはホモログをコードする発現プラスミドを用いてトランスフェクトされ得、PSCA関連タンパク質がこの293T細胞において発現され、そして、組換えPSCAタンパク質が、標準的な精製方法(例えば、抗PSCA抗体を用いるアフィニティ精製)を用いて単離される。別の実施形態において、PSCAコード配列が、レトロウイルスベクターpSRαMSVtkneo内にサブクローニングされ、そして、PSCA発現細胞株を樹立するために、種々の哺乳動物細胞株(例えば、NIH 3T3、TsuPr1、293およびrat−1)に感染させるために使用される。当該分野で周知である種々の他の発現系もまた、使用され得る。PSCAコード配列にインフレームで連結されたリーダーペプチドをコードする発現構築物が、分泌形態の組換えPSCAタンパク質を作製するために使用され得る。
本明細書において考察されるように、遺伝暗号における冗長性が、PSCA遺伝子配列におけるバリエーションを可能にする。特に、特定の宿主種が、しばしば、特定のコドンの選択性(preference)を有することが当該分野で公知であり、従って、所望の宿主に対して好ましい、開示される配列を適合させることができる。例えば、好ましいアナログコドン配列は、代表的には、高頻度のコドンと置き換えられた、希少コドン(すなわち、粗網の宿主の公知配列において約20%未満の使用頻度を有するコドン)を有する。特定の種についてのコドンの選択性は、例えば、インターネット上で(例えば、URL dna.affrc.go.jp/〜nakamura/codon.htmlにおいて)利用可能なコドン使用頻度表を利用することによって計算される。
さらなる配列の改変が、細胞の宿主におけるタンパク質の発現を増強することが公知である。これらとしては、偽ポリアデニル化シグナルをコードする配列、エキソン/イントロンスプライス部位シグナルをコードする配列、トランスポゾン様リピートをコードする配列、および/または、遺伝子発現にとって有害である他のこのような十分に特徴付けられた配列を排除することが挙げられる。配列のGC含量は、宿主細胞において発現される公知の遺伝子を参照して計算された所定の細胞の宿主についての平均的なレベルに調節される。可能である場合、配列は、推定されるmRNAのヘアピン二次構造を避けるように改変される。他の有用な改変としては、Kozak,Mol.Cell Biol.,9:5073−5080(1989)に記載されたような、オープンリーディングフレームの開始点における翻訳開始コンセンサス配列の付加が挙げられる。当業者は、真核生物のリボソームが、もっぱらその5’近位にあるAUGコドンにおいて翻訳を開始するという一般的なルールが、希な状況下でのみ廃止されることを理解する(例えば、Kozak PNAS 92(7):2662−2666,(1995)およびKozak NAR 15(20):8125−8148(1987)を参照のこと)。
III.)PSCA関連タンパク質
本発明の別の局面は、PSCA関連タンパク質を提供する。PSCAタンパク質の特定の実施形態は、図1(好ましくは図1A)に示されるヒトPSCAのアミノ酸配列の全体もしくは一部分を有するポリペプチドを含む。あるいは、PSCAタンパク質の実施形態は、図1に示されるPSCAのアミノ酸配列中に変更を有する、改変体、ホモログまたはアナログのポリペプチドを含む。
PSCAポリペプチドの実施形態としては、以下が挙げられる:図1に示される配列を有するPSCAポリペプチド、図1に示されるPSCAのペプチド配列であって、ここで、TがUである、配列;図1に示される配列を有するポリペプチドの少なくとも10個の連続するヌクレオチド;または、図1に示される配列を有するポリペプチドの少なくとも10個の連続するペプチドであって、ここで、TがUである、ペプチド。
アミノ酸の略称は、表IIに提供される。保存的アミノ酸置換は、タンパク質の立体配置も機能も変更することなく、タンパク質において頻繁に起こり得る。本発明のタンパク質は、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個の保存的置換を含み得る。
本明細書において開示される本発明の実施形態は、広範な種々の、当該分野で一般に認められた、PSCAタンパク質の改変体またはアナログ(例えば、アミノ酸の挿入、欠失および置換を有するポリペプチド)を含む。PSCA改変体は、当該分野で公知の方法(例えば、部位特異的変異誘発、アラニンスキャニングおよびPCR変異誘発)を用いて作製され得る。部位特異的変異誘発(Carterら、Nucl.Acids Res.,13:4331(1986);Zollerら、Nucl.Acids Res.,10:6487(1987))、カセット変異誘発(Wellsら、Gene,34:315(1985))、制限部位選択的変異誘発(Wellsら、Philos.Trans.R.Soc.London SerA,317:415(1986))、または他の公知技術が、PSCA改変体DNAを生成するために、クローニングしたDNAに対して行なわれ得る。
スキャニングアミノ酸(scanning amino acid)分析もまた、特定の生物学的活性(例えば、タンパク質−タンパク質相互作用)に関与する連続配列に沿って、1以上のアミノ酸を同定するために使用され得る。とりわけ、好ましいスキャニングアミノ酸は、比較的小さな中性アミノ酸である。このようなアミノ酸としては、アラニン、グリシン、セリンおよびシステインが挙げられる。代表的には、アラニンは、β炭素を超える側鎖を排除し、そして、改変体の主鎖の立体配置を変更する可能性が低いので、アラニンが、この群の中で好ましいスキャニングアミノ酸である。また、代表的には、アラニンは、最も一般的なアミノ酸であるので、アラニンが好ましい。さらに、アラニンは、埋もれた位置および露出された位置の両方において頻繁に見られる(Creighton,The Proteins,(W.H.Freeman & Co.,N.Y.);Chothia,J.Mol.Biol.,150:1(1976))。アラニンの置換が、適切な量の改変体をもたらさない場合、等電子の(isosteric)アミノ酸が使用され得る。
本明細書において定義されるように、PSCA改変体、アナログ、またはホモログは、図1のアミノ酸配列を有するPSCAタンパク質と「交差反応性」である、少なくとも1つのエピトープを有するという顕著な特質を有する。この文において使用される場合、「交差反応性」とは、PSCA改変体に特異的に結合する抗体またはT細胞もまた、図1に示されるアミノ酸配列を有するPSCAタンパク質に特異的に結合することを意味する。ポリペプチドが、もはや、出発時の(starting)PSCAタンパク質に特異的に結合する抗体またはT細胞によって認識され得る、あらゆるエピトープを含まない場合、このポリペプチドは、図1に示されるタンパク質の改変体ではなくなる。当業者は、タンパク質を認識する抗体が、可変サイズのエピトープに結合し、そして、約4個もしくは5個のアミノ酸(連続していてもそうでなくてもよい)のオーダーのグループ分けが、最小のエピトープにおけるアミノ酸の代表的な数であるとみなされることを理解する。例えば、Nairら、J.Immunol 2000 165(12):6949−6955;Hebbesら、Mol Immunol(1989)26(9):865−73;Schwartzら、J Immunol(1985)135(4):2598−608を参照のこと。
PSCA関連タンパク質改変体の他のクラスは、図1のアミノ酸配列またはそのフラグメントと、70%、75%、80%、85%または90%以上の類似性を共有する。PSCAタンパク質改変体またはアナログの別の特定のクラスは、本明細書中に記載されるか、または、当該分野において現在耕地である、PSCAの生物学的モチーフの1つ以上を含む。従って、本発明により包含されるのは、出発時のフラグメントに対して変更された機能的(例えば、免疫学的)特性を有するPSCAフラグメントのアナログ(核酸またはアミノ酸)である。現在当該分野の技術の一部であるか、または、当該分野の技術の一部となるモチーフは、図1の核酸配列またはアミノ酸配列に適用されることが理解されるべきである。
本明細書において考察されるように、本願発明の実施形態は、図1に示されるPSCAタンパク質の全長より少ないアミノ酸配列を含むポリペプチドを包含する。例えば、代表的な本発明の実施形態は、図1に示されるPSCAタンパク質の1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個以上の連続するアミノ酸を有するペプチド/タンパク質を含む。
PSCA関連タンパク質は、標準的なペプチド合成技術を用いて、または、当該分野で周知である化学的切断法を用いて作製される。あるいは、組換え法を用いて、PSCA関連タンパク質をコードする核酸分子を作製し得る。一実施形態において、核酸分子は、PSCAタンパク質の規定されるフラグメント(または、その改変体、ホモログもしくはアナログ)を作製するための手段を提供する。
III.A.)モチーフを有するタンパク質の実施形態
本明細書において開示される、さらなる例示的な本発明の実施形態は、図1に示されるPSCAポリペプチド配列内に含まれる1つ以上の生物学的モチーフのアミノ酸残基を含むPSCAポリペプチドを含む。当該分野において公知である種々のモチーフ、および、タンパク質は、多数の公的に利用可能なインターネットサイトによって、このようなモチーフの存在について評価され得る(例えば、URLアドレス:pfam.wustl.edu/;searchlauncher.bcm.tmc.edu/seq−search/struc−predict.html;psort.ims.u−tokyo.ac.jp/;cbs.dtu.dk/;ebi.ac.uk/interpro/scan.html;expasy.ch/tools/scnpsit1.html;EpimatrixTMおよびEpimerTM,Brown University,brown.edu/Research/TB−HIV_Lab/epimatrix/epimatrix.html;およびBIMAS,bimas.dcrt.nih.gov/を参照のこと)。
全てのPSCA改変体タンパク質のうちのモチーフを有する部分配列は、表V〜表XVIIIおよび表XXII〜表LIに示され、そして、同定される。
表IV(h)は、いくつかの頻繁に生じるpfam検索に基づくモチーフを示す(URLアドレスpfam.wustl.edu/を参照のこと)。表IV(h)の縦列は、(1)モチーフ名の略称、(2)モチーフファミリーの異なるメンバー間で見られる%同一性、(3)モチーフの名称または説明、および(4)最も一般的な機能を列挙する;モチーフが、位置と関連性がある場合、位置情報も含まれる。
先に考察された1つ以上のPSCAモチーフを含むポリペプチドは、先に考察されたPSCAモチーフが、成長の調節不全に関連するという観察を考慮すると、悪性の表現型の特定の特徴を説明するのに有用である。なぜならば、PSCAは、特定の癌において過剰発現されているからである(例えば、表Iを参照のこと)。例えば、カゼインキナーゼII、cAMPおよびcamp依存性プロテインキナーゼ、ならびに、プロテインキナーゼCが、悪性の表現型の発生に関与することが公知の酵素である(例えば、Chenら、Lab Invest.,78(2):165−174(1998);Gaiddonら、Endocrinology 136(10):4331−4338(1995);Hallら、核酸s Research 24(6):1119−1126(1996);Peterzielら、Oncogene 18(46):6322−6329(1999)およびO’Brian,Oncol.Rep.5(2):305−309(1998)を参照のこと)。さらに、グリコシル化およびミリストイル化の両方は、また癌および癌の進行に関連するタンパク質の改変である(例えば、Dennisら、Biochem.Biophys.Acta 1473(1):21−34(1999);Rajuら、Exp.Cell Res.235(1):145−154(1997)を参照のこと)。アミド化は、また癌および癌の進行に関連する別のタンパク質の改変である(例えば、Trestonら、J.Natl.Cancer Inst.Monogr.(13):169−175(1992)を参照のこと)。
別の実施形態において、本発明のタンパク質は、当該分野で一般に認められた方法に従って同定された1つ以上の免疫反応性エピトープ(例えば、表V〜表XVIIIおよび表XXII〜表LIに示されるペプチド)を含む。CTLエピトープは、特定のHLA対立遺伝子に最適に結合し得るPSCAタンパク質内のペプチドを同定するために特定のアルゴリズムを用いて決定され得る(例えば、表IV;EpimatrixTMおよびEpimerTM,Brown University,URL brown.edu/Research/TB−HIV_Lab/epimatrix/epimatrix.html;およびBIMAS,URL bimas.dcrt.nih.gov/)。さらに、HLA分枝に対する十分な結合親和性を有し、そして、免疫原性エピトープであることと相関しているペプチドを同定するためのプロセスは、当該分野で周知であり、そして、過度の実験を伴わずに行なわれる。さらに、免疫原性エピトープであるペプチドを同定するためのプロセスは、当該分野で周知であり、そして、インビトロもしくはインビトロのいずれかにおける過度の実験を伴わずに行なわれる。
また、当該分野で公知であるのは、免疫原性を調節するために、このようなエピトープのアナログを作製するための原理である。例えば、CTLモチーフまたはHTLモチーフを有するエピトープから開始する(例えば、表IVのHLAクラスIおよびHLAクラスIIのモチーフ/スーパーモチーフを参照のこと)。このエピトープは、特定の位置のうちの1つにおいて1つのアミノ酸を置換し、そして、そのアミノ酸を、その位置について別の特定されるアミノ酸で置き換えることによってアナログ化される。例えば、表IVに規定される残基に基づくと、任意の他の残基(例えば、好ましい残基)に有利となるように、有害な残基を置換して除くこと;好ましい残基で、あまり好ましくない残基を置換すること;または、別の好ましい残基で、もともと存在する好ましい残基を置換することができる。置換は、ペプチド内の主なアンカー位置、または他の位置において起こり得る;例えば、表IVを参照のこと。
種々の参考文献が、目的のタンパク質およびそのアナログにおけるエピトープの同定および作製に関する技術を示している。例えば、Chesnutら、に対するWO 97/33602;Sette,Immunogenetics 1999 50(3−4):201−212;Setteら、J.Immunol.2001 166(2):1389−1397;Sidneyら、Hum.Immunol.1997 58(1):12−20;Kondoら、Immunogenetics 1997 45(4):249−258;Sidneyら、J.Immunol.1996 157(8):3480−90;およびFalkら、Nature 351:290−6(1991);Huntら、Science 255:1261−3(1992);Parkerら、J.Immunol.149:3580−7(1992);Parkerら、J.Immunol.152:163−75(1994));Kastら、1994 152(8):3904−12;Borras−Cuestaら、Hum.Immunol.2000 61(3):266−278;Alexanderら、J.Immunol.2000 164(3);164(3):1625−1633;Alexanderら、PMID:7895164,UI:95202582;O’Sullivanら、J.Immunol.1991 147(8):2663−2669;Alexanderら、Immunity 1994 1(9):751−761ならびにAlexanderら、Immunol.Res.1998 18(2):79−92を参照のこと。
関連する本発明の実施形態は、表IV(a)、表IV(b)、表IV(c)、表IV(d)および表IV(h)に示される異なるモチーフの組み合わせを含むポリペプチド、ならびに/または、表V〜表XVIIIおよび表XXII〜表LIの1つ以上の推定CTLエピトープ、ならびに/または、表XLVIII〜表LIの1つ以上の推定HTLエピトープ、ならびに/または、当該分野で公知のT細胞1つう以上の結合モチーフを包含する。好ましい実施形態は、モチーフ内、または、ポリペプチドの介在配列内のいずれにも、挿入も欠失も置換も含まない。さらに、これらのモチーフのいずれかの側に、多数のN末端および/またはC末端のいずれかのアミノ酸残基を含む実施形態も、(例えば、モチーフが位置する、ポリペプチド構造の大部分を含むためには)望ましくあり得る。代表的には、モチーフのいずれかの側にあるN末端および/またはC末端のアミノ酸残基の数は、約1アミノ酸残基と約100アミノ酸残基との間であり、好ましくは、5アミノ酸残基と約50アミノ酸残基との間である。
PSCA関連タンパク質は、多くの形態、好ましくは、単離された形態で具体化される。精製PSCAタンパク質分子は、抗体、T細胞もしくは他のリガンドに対するPSCAの結合を損ねる他のタンパク質または分子を実質的に含まない。単離および精製の性質および程度は、意図される用途に依存する。PSCA関連タンパク質の実施形態は、精製PSCA関連タンパク質、および、機能的な可溶性PSCA関連タンパク質を含む。一実施形態において、機能的な可溶性PSCAタンパク質またはそのフラグメントは、抗体、T細胞または他のリガンドにより結合される能力を保持する。
本発明はまた、図1に示されるPSCAアミノ酸配列の生物学的に活性なフラグメントを含むPSCAタンパク質を提供する。このようなタンパク質は、出発時のPSCAタンパク質の特性(例えば、出発時のPSCAタンパク質に付随するエピトープに特異的に結合する抗体の作製を誘発する能力;このような抗体により結合される能力;HTLもしくはCTLの活性化を誘発する能力;および/または、また出発時のタンパク質に特異的に結合するHTLもしくはCTLにより認識される能力)を示す。
特に興味のある構造を含むPSCA関連ポリペプチドが、当該分野で周知である種々の分析技術(例えば、Chou−Fasman法、Garnier−Robson法、Kyte−Doolittle、法Eisenberg、法Karplus−Schultz法、またはJameson−Wolf分析が挙げられる)を用いて、もしくは、免疫原性に基づいて、推定および/または同定され得る。このような構造を含むフラグメントは、サブユニット特異的な抗PSCA抗体もしくはT細胞を作製する際、または、PSCAに結合する細胞因子を同定する際に、特に有用である。例えば、Hopp,T.P.およびWoods,K.R.(1981,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.78:3824−3828)の方法を用いて、親水性プロフィールが作製され、そして、免疫原性ペプチドフラグメントが同定され得る。Kyte,J.およびDoolittle,R.F.(1982,J.Mol.Biol.157:105−132)の方法を用いて、疎水性プロフィールが作製され、そして、免疫原性ペプチドフラグメントが同定され得る。Janin J.(1979,Nature 277:491−492)の方法を用いて、アクセス可能残基の割合(%)のプロフィールが作製され、そして、免疫原性ペプチドフラグメントが同定され得る。Bhaskaran R.,Ponnuswamy P.K.(1988,Int.J.Pept.Protein Res.32:242−255)の方法を用いて、平均柔軟性(Flexibility)プロフィールが作製され、そして、免疫原性ペプチドフラグメントが同定され得る。Deleage,G.,Roux B.(1987,Protein Engineering 1:289−294)の方法を用いて、β−ターンプロフィールが作製され、そして、免疫原性ペプチドフラグメントが同定され得る。
CTLエピトープは、特定されたHLA対立遺伝子へ最適に結合することができる(例えば、World Wide Web URL syfpeithi.bmi−heidelberg.com/においてSYFPEITHIサイト;表IV(A)〜(E)中の列挙;EpimatrixTMおよびEpimerTM,Brown University,URL(brown.edu/Research/TB−HIV_Lab/epimatrix/epimatrix.html);およびBIMAS,URL bimas.dcrt.nih.gov/を使用することによって)PSCAタンパク質内のペプチドを同定するために、特定のアルゴリズムを使用して決定され得る。これを例示すると、ヒトMHCクラスI分子(例えば、HLA−A1、HLA−A2、HLA−A3、HLA−A11、HLA−A24、HLA−B7およびHLA−B35)の状況において提示されるPSCA由来のペプチドエピトープは、推定される(例えば、表V〜XVIII、XXII〜LIを参照のこと)。具体的には、PSCAタンパク質の完全アミノ酸配列および他の改変体の関連部分(すなわち、HLAクラスI予測については、点変異またはエキソン接合部のいずれかの側にある9つの隣接する残基、およびHLAクラスII推定については、園か言う変態に対応する、点変異またはエキソン接合部のいずれかの側に14個の隣接する残基)を、サイトSYFPEITHI(URL syfpeithi.bmi−heidelberg.com/)に加えて、上記のBioinformatics and Molecular Analysis Section(BIMAS)ウェブサイトにおいて見出されるHLAペプチドモチーフ検索アルゴリズムに入力した。
このHLAペプチドモチーフ検索アルゴリズムは、HLAクラスI分子、特に、HLA−A2の溝における特異的ペプチド配列の結合に基づいて、Ken Parker博士によって開発された(see,例えば、Falkら,Nature 351:290−6(1991);Huntら,Science 255:1261−3(1992);Parkerら,J.Immunol.149:3580−7(1992);Parkerら,J.Immunol.152:163−75(1994)を参照のこと)。このアルゴリズムは、HLA−A2ならびに多くの他のHLAクラスI分子への推定される結合について、完全タンパク質配列から8マー、9マー、および10マーのペプチドの位置および順位付けを可能にする。多くのHLAクラスI結合ペプチドは、8マー、9マー、10マーまたは11マーである。例えば、クラスI HLA−A2に関して、このエピトープは、好ましくは、2位にロイシン(L)もしくはメチオニン(M)を、およびC末端にバリン(V)もしくはロイシン(L)を含む(例えば、Parkerら,J.Immunol.149:3580−7(1992)を参照のこと)。PSCAの推定される結合ペプチドの選択された結果を、本明細書において、表V〜XVIIIおよびXXII〜LIにおいて示す。表V〜XVIIIおよびXXII〜XLVIIIにおいて、各ファミリーのメンバーについて選択された候補(9マーおよび10マー)が、それらの位置、各特定のペプチドのアミノ酸配列、および推定結合スコアとともに示される。表XLVIII〜LIにおいて、各ファミリーのメンバーについて選択された候補(15マー)が、それらの位置、各特定のペプチドのアミノ酸配列、および推定結合スコアとともに示される。結合スコアは、pH6.5において37℃での、ペプチドを含む複合体の解離の推定半減期(estimated half time)に対応する。最高の結合スコアを有するペプチドは、最大の期間にわたって細胞表面上のHLAクラスIに最も強く結合されることが推定され、従って、T細胞認識のための最良の免疫原性標的を示す。
HLA対立遺伝子へのペプチドの実際の結合は、抗原プロセシング欠損細胞株T2上のHLA発現の安定化によって評価され得る(例えば、Xueら,Prostate 30:73−8(1997)およびPeshwaら,Prostate 36:129−38(1998)を参照のこと)。特定のペプチドの免疫原性は、抗原提示細胞(例えば、樹状細胞)の存在下でのCD8+細胞毒性Tリンパ球(CTL)の刺激によってインビトロで評価され得る。
BIMASサイト、EpimerTMサイトおよびEpimatrixTMサイトによって推定されるか、または当該分野で利用可能なHLAクラスIモチーフもしくはHLAクラスIIモチーフによって特定されるか、または当該技術の一部(例えば、表IVに記載される)になっている(またはワールドワイドウェブサイトURL syfpeithi.bmi−heidelberg.com/、もしくはBIMAS,bimas.dcrt.nih.gov/を用いて決定される)全てのエピトープは、本発明に従って、PSCAタンパク質に「適用」されるべきである。この状況において使用される場合、「適用」されるとは、関連分野の当業者によって認識されるように、例えば、視覚的にもしくはコンピューターベースのパターン発見法によって、PSCAタンパク質が評価される手段を意味する。HLAクラスIモチーフを有する、8アミノ酸残基、9アミノ酸残基、10アミノ酸残基、または11アミノ酸残基の、PSCAタンパク質の全ての部分配列、またはHLAクラスIIモチーフを有する9個以上のアミノ酸残基の部分配列は、本発明の範囲内である。
III.B.)PSCA関連タンパク質の発現
以下の例において記載される実施形態において、PSCAは、市販の発現ベクター(例えば、C末端の6XHisおよびMYCタグを有するPSCAをコードするCMV駆動発現ベクター(pcDNA3.1/mycHIS,InvitrogenまたはTag5,GenHunter Corporation,Nashville TN))でトランスフェクトされた細胞(例えば、293T細胞)において都合よく発現され得る。このTag5ベクターは、トランスフェクトされる細胞において分泌型PSCAタンパク質の生成を促進するために使用され得るIgGK分泌シグナルを提供する。培養培地中の分泌型HISタグ化PSCAは、例えば、標準技術を用いるニッケルカラムを使用して、精製され得る。
III.C.)PSCA関連タンパク質の改変
PSCA関連タンパク質の改変(例えば、共有結合改変)は、本発明の範囲内に含まれる。共有結合改変の1つの型は、PSCAポリペプチドの標的化アミノ酸残基と、有機性誘導体化剤(これは、選択された側鎖またはPSCAタンパク質のN末端残基もしくはC末端残基と反応することができる)とを反応させることを包含する。本発明の範囲内に含まれるPSCAポリペプチドの共有結合改変の別の型は、本発明のタンパク質のネイティブグリコシル化パターンを変更することを包含する。PSCAの共有結合改変の別の型は、PSCAポリペプチドを、種々の非タンパク質ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、またはポリオキシアルキレン)のうちの1つに、米国特許第4,640,835号;同第4,496,689号;同第4,301,144号;同第4,670,417号;同第4,791,192号または同第4,179,337号に記載される様式で、連結することを包含する。
本発明のPSCA関連タンパク質はまた、別の異種ポリペプチドまたはアミノ酸配列に融合されたPSCAを含むキメラ分子を形成するように改変され得る。このようなキメラ分子は、化学的に合成されてもよいし、組換え的に合成されてもよい。キメラ分子は、別の腫瘍関連抗原またはそのフラグメントに融合された本発明のタンパク質を有し得る。あるいは、本発明に従うタンパク質は、PSCA配列(アミノ酸または核酸)のフラグメントの融合物を含み得る。その結果、その長さにわたって、図1に示されるアミノ酸配列または核酸配列に直接に相同的でない分子が作られる。このようなキメラ分子は、PSCAの同じ複数の部分配列を含み得る。キメラ分子は、PSCA関連タンパク質とポリヒスチジンエピトープタグとの融合物を含み得る。このポリヒスチジンエピトープタグは、固定化ニッケルが、サイトカインとまたは増殖因子と選択的に結合し得るエピトープを提供する。このエピトープタグは、一般に、PSCAタンパク質のアミノ末端またはカルボキシル末端に配置される。別の実施形態において、このキメラ分子は、PSCA関連タンパク質と免疫グロブリンまたは免疫グロブリンの特定の領域との融合物を含み得る。キメラ分子の二価形態(「イムノアドヘシン」ともいわれる)に関して、このような融合物は、IgG分子のFc領域に関してであり得る。このIg融合物は、好ましくは、Ig分子内の少なくとも1つの可変領域の代わりに、PSCAポリペプチドの可溶性の(膜貫通ドメインが欠失されているかまたは不活性化されている)形態の置換を含む。好ましい実施形態において、この免疫グロブリン融合物は、IgGI分子のヒンジ領域とCH2領域とCH3領域、またはヒンジ領域とCH1領域とCH2領域とCH3領域を含む。免疫グロブリン融合物の精製に関して、例えば、米国特許第5,428,130号(1995年6月27日発行)を参照のこと。
III.D.)PSCA関連タンパク質の用途
本発明のタンパク質は、多くの種々の具体的な用途を有する。PSCAは、前立腺癌および他の癌において高く発現されるので、PSCA関連タンパク質は、正常組織 対 癌組織におけるPSCA遺伝子産物の状態(status)を評価する方法において使用される。それによって、悪性表現型を評価する。代表的には、PSCAタンパク質の特定の領域に由来するポリペプチドは、これらの領域(例えば、1つ以上のモチーフを含む領域)における混乱(例えば、欠失、層移入、点変異など)の存在を評価するために使用される。例示的アッセイは、正常組織 対 癌組織におけるこの領域の特性を評価するため、またはこのエピトープに対する免疫応答を誘発させるために、PSCAポリペプチド配列内に含まれる生物学的モチーフのうちの1つ以上のアミノ酸残基を含むPSCA関連タンパク質を標的とする、抗体またはT細胞を利用する。あるいは、PSCAタンパク質中の生物学的モチーフのうちの1つ以上のアミノ酸残基を含むPSCA関連タンパク質は、PSCAのその領域と相互作用する因子についてスクリーニングするために使用される。
PSCAタンパク質フラグメント/部分配列は、PSCAまたはその特定の構造ドメインに結合する薬剤または細胞因子を同定するために、ドメイン特異的抗体(例えば、PSCAタンパク質の細胞外エピトープまたは細胞内エピトープを認識する抗体)を生成および特徴付けすることにおいて、ならびに種々の治療および診断の状況(診断アッセイ、癌ワクチンおよびこのようなワクチンを調製する方法が挙げられるが、これらに限定されない)において、特に有用である。
PSCA遺伝子、またはそのアナログ、ホモログもしくはフラグメントによってコードされるタンパク質は、種々の用途(抗体の生成、およびPSCA遺伝子産物に結合するリガンドおよび他の薬剤および細胞成分を同定するための方法において、が挙げられるが、これらに限定されない)を有する。PSCAタンパク質またはそのフラグメントに対して惹起された抗体は、診断アッセイおよび予後アッセイにおいて、ならびにPSCAタンパク質の発現によって特徴づけられるヒトの癌(例えば、表Iに列挙されるもの)の管理における画像化方法論において有用である。このような抗体は、細胞内で発現され得、このような癌を有する患者を処置する方法において使用され得る。PSCA関連核酸またはPSCA関連タンパク質はまた、HTL応答またはCTL応答を発生させることにおいて使用される。
PSCAタンパク質の検出のために有用な種々の免疫学的アッセイが使用される。これらのアッセイとしては、種々の型のラジオイムノアッセイ、酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)、酵素結合免疫蛍光アッセイ(ELIFA)、免疫細胞化学法などが挙げられるが、これらに限定されない。抗体は、標識され得、そして(例えば、ラジオシンチグラフィー画像化法において)PSCA発現細胞を検出することができる免疫学的画像化試薬として使用され得る。PSCAタンパク質はまた、本明細書でさらに起債されるように、癌ワクチンを生成することにおいて特に有用である。
IV.)PSCA抗体
本発明の別の局面は、PSCA関連タンパク質に結合する抗体を提供する。好ましい抗体は、生理的条件下で、PSCA関連タンパク質に特異的に結合しかつPSCA関連タンパク質ではないペプチドにもタンパク質にも結合しない(または弱くしか結合しない)。この状況において、生理学的条件の例としては、以下が挙げられる:1)リン酸緩衝化生理食塩水;2)Tris緩衝化生理食塩水(25mM Trisおよび150mM NaClを含む);または通常生理食塩水(0.9% NaCl);4)動物血清(例えば、ヒト血清);または5)1)〜4)のいずれかの組み合わせ;これらの反応は、好ましくは、pH7.5で生じるか、代わりにpH7.0〜8.0の範囲で、または代わりにpH6.5〜8.5の範囲で生じる;また、これらの反応は、4℃〜37℃の間の温度で生じる。例えば、PSCAを結合する抗体は、PSCA関連タンパク質(例えば、そのホモログもしくはアナログ)を結合し得る。
本発明のPSCA抗体は、特に、癌(例えば、表Iを参照のこと)の診断アッセイおよび予後アッセイ、ならびに画像化方法論において有用である。同様に、このような抗体は、前立腺癌の処置、診断、および/または予後において、およびPSCAがまた、これらの他の癌において発現されるかまたは過剰発現される程度まで、他の癌の処置、診断、および/または予後において有用である。さらに、細胞内で発現される抗体(例えば、一本鎖抗体)は、PSCAの発現が関係する癌(例えば、進行したもしくは転移性の前立腺癌または他の進行した癌もしくは転移性の癌)を処置することにおいて治療上有用である。
本発明はまた、PSCAおよび変異PSCA関連タンパク質の検出および定量に有用な種々の免疫学的アッセイを提供する。このようなアッセイは、適切な場合、PSCA関連タンパク質を認識および結合することが可能な1つ以上のPSCA抗体を含む。これらのアッセイは、当該分野で周知の種々の免疫学的アッセイ形式(種々の型のラジオイムノアッセイ、酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)、酵素結合免疫蛍光アッセイ(ELIFA)などが挙げられるが、これらに限定されない)の範囲内で行われる。
本発明の免疫学的非抗体アッセイはまた、T細胞免疫原性アッセイ(阻害性または刺激性)ならびに主要組織適合遺伝子複合体(MHC)結合アッセイを包含する。
さらに、PSCAを発現する前立腺癌および他の癌を検出することができる免疫学的画像化方法はまた、本発明によって提供され、これらの方法としては、標識PSCA抗体を使用するラジオシンチグラフィー画像化法が挙げられるが、これらに限定されない。このようなアッセイは、PSCA発現癌(例えば、前立腺癌)の検出、モニタリング、および予後において臨床上有用である。
PSCA抗体はまた、PSCA関連タンパク質を生成するための方法、ならびにPSCAホモログおよび関連分子を単離するための方法において使用される。例えば、PSCA関連タンパク質を精製する方法は、固体マトリクスに結合されたPSCA抗体を、PSCA抗体がPSCA関連タンパク質に結合するような条件下で、PSCA関連タンパク質を含む溶解物または他の溶液とともにインキュベートする工程;この固体マトリクスを洗浄して、不純物を排除する工程;ならびにPSCA関連タンパク質を結合した抗体を溶出する工程を包含する。本発明に従うPSCA抗体の他の用途は、PSCAタンパク質を模倣する抗イディオタイプ抗体を生成することを包含する。
抗体を調製するための種々の方法が、当該分野で周知である。例えば、抗体は、単離されたまたは免疫結合体の形態で、PSCA関連タンパク質、ペプチド、またはフラグメントを使用して、適切な哺乳動物宿主を免疫することによって、調製され得る(Antibodies:A Laboratory Manual,CSH Press,編,Harlow,and Lane(1988);Harlow,Antibodies,Cold Spring Harbor Press,NY(1989))。さらに、PSCAの融合タンパク質も使用され得る(例えば、PSCA GST−融合タンパク質)。特定の実施形態において、図1のアミノ酸配列の全てまたは大部分を含むGST融合タンパク質が生成され、次いで、適切な抗体を生成するために、免疫原として使用される。別の実施形態において、PSCA関連タンパク質が合成され、免疫原として使用される。
さらに、当該分野で公知の裸のDNAでの免疫技術が、コードされる免疫原に対する免疫応答を生成するために、(精製PSCA関連タンパク質またはPSCA発現細胞ありまたはなしで)使用されている(総説に関しては、Donnellyら,1997,Ann.Rev.Immunol.15:617−648を参照のこと)。
図1に示されるPSCAタンパク質のアミノ酸配列は、抗体を生成するためのPSCAタンパク質の特定の領域を選択するために、分析され得る。例えば、PSCAアミノ酸配列の疎水性および親水性分析は、PSCA構造における親水性領域を同定するために使用される。免疫原性構造を示すPSCAタンパク質の領域、ならびに他の領域およびドメインは、当該分野で公知の種々の他の方法(例えば、Chou−Fasman分析、Garnier−Robson分析、Kyte−Doolittle分析、Eisenberg分析、Karplus−Schultz分析またはJameson−Wolf分析)を使用して容易に同定され得る。親水性プロフィールは、Hopp,T.P.およびWoods,K.R.,1981,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.78:3824−3828の方法を使用して生成され得る。ヒドロパシー(Hydropathicity)プロフィールは、Kyte,J.およびDoolittle,R.F.,1982,J.Mol.Biol.157:105−132の方法を使用して生成され得る。パーセント(%)接近可能残基プロフィールは、Janin J.,1979,Nature 277:491−492の方法を用いて生成され得る。平均可撓性プロフィールは、Bhaskaran R.,Ponnuswamy P.K.,1988,Int.J.Pept.Protein Res.32:242−255の方法を使用して生成され得る。β−ターンプロフィールは、Deleage,G.,Roux B.,1987,Protein Engineering 1:289−294の方法を使用して生成され得る。従って、これらのプログラムまたは方法のいずれかによって同定される各領域は、本発明の範囲内である。PSCA抗体の生成のための好ましい方法は、本明細書で提供される実施例によってさらに例示される。免疫原として使用するためのタンパク質またはポリペプチドを調製するための方法は、当該分野で周知である。タンパク質と、キャリア(例えば、BSA、KLHまたは他のキャリアタンパク質)との免疫原性結合体を調製するための方法もまた、当該分野で周知である。いくらかの状況において、例えば、カルボジイミド試薬を使用する直接的結合が、使用される;他の場合において、連結試薬(例えば、Pierce Chemical Co.,Rockford,ILによって供給されるもの)が有効である。PSCA免疫原の投与は、当該分野で理解されるように、しばしば、適切なアジュバントの使用とともに、適切な期間にわたる注射によって行われる。免疫スケジュールの間に、抗体力価は、抗体形成の正確さを決定するために調べられ得る。
PSCAモノクローナル抗体は、当該分野で周知の種々の手段によって生成され得る。例えば、望ましいモノクローナル抗体を分泌する不死化細胞株は、一般に知られるように、KohlerおよびMilsteinの標準的ハイブリドーマ技術または抗体生成B細胞を不死化する改変法を使用して調製される。望ましい抗体を分泌する不死化細胞株は、原がPSCA関連タンパク質であるイムノアッセイによってスクリーニングされる。適切な不死化細胞培養物が同定される場合、その細胞は、拡大され得、抗体がインビトロ培養物または腹水のいずれかから生成され得る。
本発明の抗体またはフラグメントはまた、組換え手段によって生成され得る。PSCAタンパク質の望ましい領域に特異的に結合する領域はまた、複数種起源の抗体を移植した、キメラ領域または相補性決定領域(CDR)の状況において生成され得る。ヒト化またはヒトのPSCA抗体はまた、生成され得、治療的状況における使用について好ましい。非ヒト抗体CDRのうちの1つ以上を対応するヒト抗体フラグメントで置換することによってマウスおよび他の非ヒト抗体をヒト化するための方法は、周知である(例えば、Jonesら,1986,Nature 321:522−525;Riechmannら,1988,Nature 332:323−327;Verhoeyenら,1988,Science 239:1534−1536を参照のこと)。Carterら,1993,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:4285およびSimsら,1993,J.Immunol.151:2296もまた参照のこと。
完全ヒトモノクローナル抗体を生成する方法は、include ファージディスプレイおよびトランスジェニック法(例えば、総説に関しては、Vaughanら,1998,Nature Biotechnology 16:535−539を参照のこと)。完全ヒトPSCAモノクローナル抗体は、大きなヒトIg遺伝子コンビナトリアルライブラリー(すなわち、ファージディスプレイ)を使用するクローニング技術を使用して生成され得る(GriffithsおよびHoogenboom,Building an in vitro immune system:human antibodies from phage display libraries:Protein Engineering of Antibody Molecules for Prophylactic and Therapeutic Applications、Man,Clark,M.(編),Nottingham Academic,pp45−64(1993);BurtonおよびBarbas,Human Antibodies from combinatorial libraries.同書,pp65−82)。完全ヒトPSCAモノクローナル抗体はまた、PCT特許出願 WO98/24893、KucherlapatiおよびJakobovitsら(1997年12月3日公開)において記載されるように(Jakobovits,1998,Exp.Opin.Invest.Drugs 7(4):607−614;米国特許第6,162,963号(2000年12月19日発行);同第6,150,584号(2000年11月12日発行);および同第6,114,598号(2000年9月5日発行もまた参照のこと)、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を含むように操作されているトランスジェニックマウスを使用して生成され得る。この方法は、ファージディスプレイ技術で要求されるインビトロ操作を回避し、高親和性の真性(authentic)ヒト抗体を効率的に生成する。
PSCA抗体と、PSCA関連タンパク質との反応性は、適切な場合、PSCA関連タンパク質、PSCA発現細胞その抽出物を用いて、多くの周知の手段(ウェスタンブロット、免疫沈降、ELISA、およびFACS分析が挙げられる)によって確立され得る。PSCA抗体またはそのフラグメントは、検出可能なマーカーで標識され得るか、または第2の分子に結合体化され得る。適切な検出可能なマーカーとしては、放射性同位体、蛍光化合物、生物発光化合物、化学発光化合物、金属キレート剤または酵素が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、2つ以上のPSCAエピトープに対して特異的な二重特異性抗体は、当該分野で一般に公知の方法を使用して生成される。ホモ二量体抗体はまた、当該分野で公知の架橋技術(例えば、Wolffら,Cancer Res.53:2560−2565)によって生成され得る。
一実施形態において、本発明は、Ha1−1.16、Ha1−5.99、Ha1−4.117、Ha1−4.20、Ha1−4.121、Ha1−4.37として同定されたモノクローナル抗体であって、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC、P.O.Box 1549,Manassas,VA 20108)へ2005年5月4日付けで(フェデラルエクスプレスで)送られ、それぞれ、アクセッション番号PTA−6698およびPTA−6703およびPTA−6699およびPTA−6700およびPTA−6701およびPTA−6702と割り当てられたハイブリドーマによって産生されるモノクローナル抗体を提供する。
V.)PSCA細胞性免疫応答
T細胞が抗原を認識する機構は、詳述されている。効果的なペプチドエピトープワクチン、本発明の組成物は、全世界の集団の非常に広い区分(segment)で、治療的免疫応答または予防的免疫応答を誘導する。細胞性免疫応答を誘導する本発明の組成物の価値および有効性の理解のために、免疫学関連技術の簡単な総説が、提供される。
HLA分子とペプチド抗原との複合体は、HLA拘束T細胞によって認識されるリガンドとして作用する(Buus,S.ら,Cell 47:1071,1986;Babbitt,B.P.ら,Nature 317:359,1985;Townsend,A.およびBodmer,H.,Annu.Rev.Immunol.7:601,1989;Germain,R.N.,Annu.Rev.Immunol.11:403,1993)。1個のアミノ酸置換された抗原アナログの研究、ならびに内因的に結合した、天然にプロセシングされるペプチドの配列決定を通じて、HLA抗原分子への特異的結合に必須のモチーフに対応する重要な残基が同定された。そしてこの残基は、表IVに示される(例えば、Southwoodら,J.Immunol.160:3363,1998;Rammenseeら,Immunogenetics 41:178,1995;Rammenseeら,SYFPEITHI(ワールドワイドウェブ URL(134.2.96.221/scripts.hlaserver.dll/home.htm)を介してアクセスのこと);Sette,A.およびSidney,J.Curr.Opin.Immunol.10:478,1998;Engelhard,V.H.,Curr.Opin.Immunol.6:13,1994;Sette,A.およびGrey,H.M.,Curr.Opin.Immunol.4:79,1992;Sinigaglia,F.およびHammer,J.Curr.Biol.6:52,1994;Ruppertら,Cell 74:929−937,1993;Kondoら,J.Immunol.155:4307−4312,1995;Sidneyら,J.Immunol.157:3480−3490,1996;Sidneyら,Human Immunol.45:79−93,1996;Sette,A.およびSidney,J.Immunogenetics 1999 Nov;50(3−4):201−12,総説もまた参照のこと)。
さらに、HLA−ペプチド複合体のx線結晶解析によって、対立遺伝子特異的様式において、ペプチドリガンドが有する残基に合うHLA分子のペプチド結合裂/溝内のポケットが明らかになった;次に、これらの残基は、これらの残基が存在するペプチドのHLA結合能を決定する(例えば、Madden,D.R.Annu.Rev.Immunol.13:587,1995;Smithら,Immunity 4:203,1996;Fremontら,Immunity 8:305,1998;Sternら,Structure 2:245,1994;Jones,E.Y.Curr.Opin.Immunol.9:75,1997;Brown,J.H.ら,Nature 364:33,1993;Guo,H.C.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:8053,1993;Guo,H.C.ら,Nature 360:364,1992;Silver,M.L.ら,Nature 360:367,1992;Matsumura,M.ら,Science 257:927,1992;Maddenら,Cell 70:1035,1992;Fremont,D.H.ら,Science 257:919,1992;Saper,M.A.,Bjorkman,P.J.およびWiley,D.C.,J.Mol.Biol.219:277,1991を参照のこと)。
従って、クラスIおよびクラスIIの対立遺伝子特異的HLA結合モチーフ、またはクラスIもしくはクラスIIのスーパーモチーフの定義は、特定のHLA抗原への結合と相関するタンパク質内の領域の同定を可能にする。
従って、HLAモチーフ同定のプロセスによって、エピトープベースのワクチンについての候補が同定された;このような候補は、結合親和性および/またはエピトープおよびその対応するHLA分子の会合の期間を決定するために、HLAペプチド結合アッセイによってさらに評価され得る。さらなる確認作業が、これらのワクチン候補の中で、集団網羅、および/または免疫原性の観点で好ましい特徴を有するエピトープを選択するために、行われ得る。
種々のストラテジーが、細胞免疫原性を評価するために利用され得る。これらのストラテジーとしては、以下が挙げられる:
1)正常固体からの初代T細胞培養物の評価(例えば、Wentworth,P.A.ら,Mol.Immunol.32:603,1995;Celis,E.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:2105,1994;Tsai,V.ら,J.Immunol.158:1796,1997;Kawashima,I.ら,Human Immunol.59:1,1998を参照のこと)。この手順は、抗原提示細胞の存在下で、試験ペプチドで正常被験体からの末梢血リンパ球(PBL)をインビトロで数週間にわたって刺激することを包含する。このペプチドに対して特異的なT細胞は、この時間の間に活性状態になり、ペプチドで感作した標的細胞に関連する例えば、リンホカイン放出アッセイまたは51Cr放出アッセイを使用して検出される。
2)HLAトランスジェニックマウスの免疫(例えば、Wentworth,P.A.ら,J.Immunol.26:97,1996;Wentworth,P.A.ら,Int.Immunol.8:651,1996;Alexander,J.ら,J.Immunol.159:4753,1997を参照のこと)。例えば、このような方法において、不完全フロイントアジュバント中のペプチドが、HLAトランスジェニックマウスへ皮下投与される。免疫して数週間後、脾細胞が取り出され、試験ペプチドの存在下で約1週間にわたってインビトロで培養される。例えば、ペプチドで感作した標的細胞および内因的に生成された抗原を発現する標的細胞を必要とする51Cr放出アッセイを使用して、ペプチド特異的T細胞が検出される。
3)有効にワクチン接種された免疫患者からおよび/または慢性的に疾患の患者から、T細胞応答の惹起(recall)の実証(例えば、Rehermann,B.ら,J.Exp.Med.181:1047,1995;Doolan,D.L.ら,Immunity 7:97,1997;Bertoni,R.ら,J.Clin.Invest.100:503,1997;Threlkeld,S.C.ら,J.Immunol.159:1648,1997;Diepolder,H.M.ら,J.Virol.71:6011,1997を参照のこと)。従って、惹起応答は、疾患に起因して抗原に曝され、従って、「天然に」免疫応答を発生させた被験体に由来するか、または抗原に対してワクチン接種した患者に由来するPBLを培養することによって検出される。被験体に由来するPBLは、「未処理(naive)」T細胞と比較して、「記憶」T細胞の活性化を可能にするために、試験ペプチドと抗原提示細胞(APC)との存在下で、インビトロで1〜2週間培養される。培養期間の終わりに、アッセイ(ペプチド感作標的に関連する51Cr放出、T細胞増殖、またはリンホカイン放出が挙げられる)を用いて、T細胞活性を検出する。
VI.)PSCAトランスジェニック動物
PSCA関連タンパク質をコードする核酸はまた、トランスジェニック動物または「ノックアウト」動物のいずれかを生成するために使用され得る。次に、これら動物は、治療的に有用な試薬の開発およびスクリーニングにおいて有用である。確立された技術に従って、PSCAをコードするcDNAは、PSCAをコードするゲノムDNAをクローニングするために使用され得る。このクローニングされたゲノム配列は、その後、PSCAをコードするDNAを発現する細胞を含むトランスジェニック動物を生成するために使用され得る。トランスジェニック動物、特にマウスまたはラットのような動物を生成するための方法は、当該分野においては従来通りであり、例えば、米国特許第4,736,866号(1988年4月12日発行)、および同第4,870,009号(1989年9月26日発行)に記載される。代表的には、特定の細胞が、組織特異的エンハンサーを組み込むPSCAトランスジーンについての標的となる。
PSCAをコードするトランスジーンのコピーを含むトランスジェニック動物は、PSCAをコードするDNAの増大した発現の効果を試験するために使用され得る。このような動物は、例えば、その過剰発現と関連する病的状態(condition)からの防御を付与すると考えられた試薬のための試験動物として使用され得る。本発明のこの局面に従って、動物は、試薬で処置され、このトランスジーンを有する未処置動物と比較した場合、病的状態(condition)の減少した発生率は、この病的状態(condition)についての潜在的な治療的介入を示す。
あるいは、PSCAの非ヒトホモログは、PSCAをコードする内因性遺伝子と、動物の胚細胞に導入されたPSCAをコードする変化したゲノムDNAとの間の相同組換えの結果として、遺伝指欠損またはPSCAをコードする変化した遺伝子を有するPSCA「ノックアウト」動物を構築するために使用され得る。例えば、PSCAをコードするcDNAはまた、確立された技術に従って、PSCAをコードするゲノムDNAをクローニングするために使用され得る。PSCAをコードするゲノムDNAの一部分は、欠失され得るかまたは別の遺伝子(例えば、組み込みをモニターするために使用され得る選択マーカーをコードする遺伝子)で置換され得る。代表的には、数キロベースの変化していない隣接DNA(5’末端および3’末端両方において)が、ベクター中に含まれる(例えば、相同組換えベクターの説明については、ThomasおよびCapecchi,Cell,51:503(1987)を参照のこと)。このベクターは、(例えば、エレクトロポレーションによって)胚性幹細胞株に導入され、導入されたDNAが相同的に内因性DNAと組み換わった細胞が選択される(例えば、Liら,Cell,69:915(1992)を参照のこと)。この選択された細胞は、その後、動物(例えば、マウスまたはラット)の胚盤胞に注射され、凝集キメラを形成する(例えば、Bradley,Teratocarcinomas and Embryonic Stem Cells:A Practical Approach,E.J.Robertson,編(IRL,Oxford,1987),pp.113−152を参照のこと)。キメラ胚は、その後、適切な偽妊娠雌性創始動物に移植され得、胚が、「ノックアウト」動物を作り出すようにされ得る。それらの生殖細胞において相同組換えされたDNAを有する子孫を、標準的な技術によって同定し得、その動物の全ての細胞が、相同組換えされたDNAを含む動物を繁殖させるために使用し得る。ノックアウト動物は、例えば、特定の病的状態(condition)に対して防御する能力について、またはPSCAポリペプチドがないことに起因する病的状態(condition)の発生について、特徴づけられ得る。
VII.)PSCAの検出のための方法
本発明の別の局面は、PSCAポリヌクレオチドおよびPSCA関連タンパク質を検出するための方法、ならびにPSCAを発現する細胞を同定するための方法に関する。PSCAの発現プロフィールによって、これが、転移した疾患についての診断マーカーになる。従って、PSCA遺伝子産物の状態は、種々の要因(進行した病期の疾患に対する係りやすさ、進行の速度、および/または腫瘍の攻撃性が挙げられる)を推定するために有用な情報を提供する。本明細書で詳細に議論されるように、患者サンプルにおけるPSCA遺伝子産物の状態は、当該分野で周知の種々のプロトコル(免疫組織化学分析、種々のノーザンブロッティング技術(インサイチュハイブリダイゼーション、RT−PCR分析(例えば、レーザー捕捉微小切開サンプル(laser capture micro−dissected sample)上での)が挙げられる)、ウェスタンブロット分析および組織アレイ分析が挙げられる)によって分析され得る。
より具体的には、本発明は、生物学的サンプル(例えば、血清、骨、前立腺、および他の組織、尿、精液、細胞調製物など)におけるPSCAポリヌクレオチドの検出のためのアッセイを提供する。検出可能なPSCAポリヌクレオチドとしては、例えば、PSCA遺伝子またはそのフラグメント、PSCA mRNA、選択的スプライス改変体のPSCA mRNA、およびPSCAポリヌクレオチドを含む組換えDNA分子もしくは組換えRNA分子が挙げられる。PSCAポリヌクレオチドの存在を増幅および/または検出するための多くの方法が、当該分野で周知であり、かつ本発明のこの局面の実施において使用され得る。
一実施形態において、生物学的サンプルにおいてPSCA mRNAを検出するための方法は、少なくとも1つのプライマーを用いて、逆転写によりサンプルからcDNAを生成する工程;センスプライマーおよびアンチセンスプライマーとしてPSCAポリヌクレオチドを使用して、このように生成されたcDNAを増幅して、その中のPSCA cDNAを増幅する工程;ならびにこの増幅されたPSCA cDNAの存在を検出する工程を包含する。必要に応じて、この増幅されたPSCA cDNAの配列が決定され得る。
別の実施形態において、生物学的サンプルにおいてPSCA遺伝子を検出する方法は、まず、ゲノムDNAを、このサンプルから単離する工程;この単離されたゲノムDNAを、センスプライマーおよびアンチセンスプライマーとしてのPSCAポリヌクレオチドを用いて増幅する工程;ならびにこの増幅されたPSCA遺伝子の存在を検出する工程を包含する。適切なセンスプローブおよびアンチセンスプローブの組み合わせの任意の数が、PSCAヌクレオチド配列から設計され得(例えば、図1を参照のこと)、この目的で使用され得る。
本発明はまた、組織または他の生物学的サンプル(例えば、血清、精液、骨、前立腺、尿、細胞調製物など)におけるPSCAタンパク質の存在を検出するためのアッセイを提供する。PSCA関連タンパク質を検出するための方法はまた、周知であり、これらの方法としては、例えば、免疫沈降、免疫組織化学分析、ウェスタンブロット分析、分子結合アッセイ、ELISA、ELIFAなどが挙げられる。例えば、生物学的サンプルにおいてPSCA関連タンパク質の存在を検出する方法は、まず、このサンプルと、PSCA抗体、そのPSCA反応性フラグメント、またはPSCA抗体の抗原結合領域を含む組換えタンパク質とを接触させる工程;その後、このサンプルにおいてPSCA関連タンパク質の結合を検出する工程を包含する。
PSCAを発現する細胞を同定するための方法はまた、本発明の範囲内である。一実施形態において、PSCA遺伝子を発現する細胞を同定するためのアッセイは、この細胞におけるPSCA mRNAの存在を検出する工程を包含する。細胞において特定のmRNAを検出するための方法は周知であり、この方法としては、例えば、相補的DNAプローブを用いるハイブリダイゼーションアッセイ(例えば、標識PSCAリボプローブを用いるインサイチュハイブリダイゼーション、ノーザンブロットおよび関連技術)および種々の核酸増幅アッセイ(例えば、PSCAに対して特異的な相補的プライマーを用いるRT−PCR)、ならびに他の増幅型検出法(例えば、分枝したDNA、SISBA、TMAなど)が挙げられる。あるいは、PSCA遺伝子を発現する細胞を同定するためのアッセイは、この細胞においてまたはこの細胞によって分泌されるPSCA関連タンパク質の存在を検出する工程を包含する。タンパク質の検出のための種々の方法は、当該分野で周知であり、PSCA関連タンパク質およびPSCA関連タンパク質を発現する細胞の検出のために使用される。
PSCA発現分析はまた、PSCA遺伝子発現を調節する因子を同定および評価するためのツールとして有用である。例えば、PSCA発現は、前立腺癌において有意に調節されておらず、表Iに列挙される組織の癌において発現される。癌細胞におけるPSCA発現またはPSCA過剰発現を阻害するある分子または生物学的因子の同定は、治療上、価値がある。例えば、このような因子は、RT−PCR、核酸ハイブリダイゼーションまたは抗体結合によって、PSCA発現を提供するスクリーンを使用することによって同定され得る。
VIII.)PSCA関連遺伝子およびこれらの産物の状態をモニターするための方法
腫瘍形成は、細胞増殖が徐々に無調節になり、細胞が正常な生理学的状態から前癌性状態、その後、癌状態へと進行する多段階プロセスであることが公知である(例えば、Alersら,Lab Invest.77(5):437−438(1997)およびIsaacsら,Cancer Surv.23:19−32(1995)を参照のこと)。この状況において、無調節になった細胞増殖の証拠(例えば、癌における異常なPSCA発現)に関して、生物学的サンプルを試験することは、病的状態(例えば、癌)が、治療選択肢がより制限されるかたもしくは予後がより悪化する段階へと進行してしまう前に、このような異常な生理状態の初期の検出を可能にする。このような試験において、目的の生物学的サンプルにおけるPSCAの状態が、例えば、対応する正常サンプル(例えば、その病状に罹患していないその個体由来のサンプルまたは代わりにその病状に罹患していない別の個体由来のサンプル)におけるPSCAの状態と比較され得る。生物学的サンプルにおけるPSCAの状態における(正常サンプルと比較した場合の)変化は、無調節になった細胞増殖の証拠を提供する。正常サンプルとしての、病状に罹患していない生物学的サンプルを使用することに加えて、サンプルにおいてPSCA状態を比較するために、所定の基準値(例えば、所定の正常レベルのmRNA発現)がまた使用され得る(例えば、Greverら,J.Comp.Neurol.1996 Dec 9;376(2):306−14および米国特許第5,837,501号を参照のこと)。
この文脈における用語「状態(status)」とは、その分野に受け入れられている意味に従って使用され、遺伝子およびその産物の状態(condition)または状態(status)をいう。代表的には、当業者は、遺伝子およびその産物の状態(condition)または状態(state)を評価するために多くのパラメーターを使用する。これらとしては、発現された遺伝子産物の位置(PSCA発現細胞の位置を含む)、ならびに発現された遺伝子産物(例えば、PSCA mRNA、PSCAポリヌクレオチドおよびPSCAポリペプチド)のレベルおよび生物学的活性が挙げられるが、これらに限定されない。代表的には、PSCAの状態(status)の変化は、PSCAおよび/またはPSCA発現細胞の位置の変化、ならびに/あるいはPSCA mRNAおよび/またはPSCAタンパク質の発現の増大を包含する。
サンプルにおけるPSCA状態(status)は、当該分野で周知の多くの手段(免疫組織化学分析、インサイチュハイブリダイゼーション、レーザー捕捉マイクロ切開サンプル上でのRT−PCR分析、ウェスタンブロット分析、および組織アレイ分析が挙げられるが、これらに限定されない)によって分析され得る。PSCA遺伝子および遺伝子産物の状態(status)を評価するための代表的なプロトコルは、例えば、Ausubelら編,1995,Current Protocols In Molecular Biology,Units 2(Northern Blotting)、4(Southern Blotting)、15(Immunoblotting)および18(PCR Analysis)において見出される。従って、生物学的サンプルにおけるPSCAの状態(status)は、当業者が利用する種々の方法(ゲノムサザン分析(例えば、PSCA遺伝子における混乱(perturbation)を試験するために)、PSCA mRNAのノーザン分析および/またはPCR分析(例えば、PSCA mRNAのポリヌクレオチド配列または発現レベルにおける変化を試験するために)、ならびにウェスタン分析および/または免疫組織化学分析(例えば、ポリペプチド配列の変化、サンプル内のポリペプチド位置の変化、PSCAタンパク質の発現レベルの変化および/またはPSCAタンパク質とポリペプチド結合パートナーとの会合を試験するために)が挙げられるが、これらに限定されない)によって、評価される。検出可能なPSCAポリヌクレオチドとしては、例えば、PSCA遺伝子またはそのフラグメント、PSCA mRNA、選択的スプライス改変体、PSCA mRNA、およびPSCAポリヌクレオチドを含む組換えDNA分子もしくは組換えRNA分子が挙げられる。
PSCAの発現プロフィールによって、これが局所的疾患および/もしくは転移した疾患のための診断マーカーになり、生物学的サンプルの増殖または腫瘍形成の可能性に関する情報を提供する。特に、PSCAの状態(status)は、特定の疾患段階、進行、および/または腫瘍の攻撃性に対する係りやすさを推定するために有用な情報を提供する。本発明は、PSCA状態(status)を決定するための方法およびアッセイ、ならびにPSCAを発現する癌(例えば、表Iに列挙される組織の癌)を診断するための方法およびアッセイを提供する。例えば、PSCA mRNAは、正常前立腺組織と比較して、前立腺癌および他の癌において非常に高く発現されるので、生物学的サンプルにおいてPSCA mRNA転写物もしくはPSCAタンパク質のレベルを評価するアッセイは、PSCA無調節と関連する疾患を診断するために使用され得、適切な治療選択肢を決めることにおいて有用な予後情報を提供し得る。
PSCAの発現状態(status)は、形成異常細胞、前癌細胞および癌細胞の存在、段階および位置、疾患の種々の段階に対する係りやすさの推定、ならびに/または腫瘍の攻撃性を判断するための情報を提供する。さらに、発現プロフィールによって、これが、転移した疾患についての画像化試薬として有用になる。結論として、本発明の局面は、生物学的サンプル(例えば、無調節になった細胞増殖によって特徴づけられる病状(例えば、癌)に罹患している個体またはこれに罹患していると疑われる個体に由来するサンプル)におけるPSCAの状態(status)を試験するための、種々の分子的予後方法および診断方法に関する。
上記のように、生物学的サンプルにおけるPSCAの状態(status)は、当該分野で周知の多くの手順によって試験され得る。例えば、身体の特定の位置から採取した生物学的サンプルにおけるPSCAの状態(status)は、PSCA発現細胞(例えば、PSCA mRNAまたはPSCAタンパク質を発現する細胞)の存在または非存在についてサンプルを評価することによって試験され得る。この試験は、無調節になった細胞増殖(例えば、PSCA発現細胞がこのような細胞を通常含まない生物学的サンプル(例えば、リンパ節)において見出される場合)の証拠を提供し得る。なぜなら、生物学的サンプルにおけるPSCAの状態(status)のこのような変化は、しばしば、無調節になった細胞増殖と関連する。具体的には、無調節になった細胞増殖の1つの指標は、元の器官(例えば、前立腺)から身体の異なる領域(例えば、リンパ節)への癌細胞の転移である。この状況において、無調節になった細胞増殖の証拠は重要である。なぜなら、不顕性のリンパ節転移が、前立腺癌を有する患者の実質的割合において検出され、かつこのような転移が疾患進行の既知の予測因子(predictor)と関連するからである(例えば、Murphyら,Prostate 42(4):315−317(2000);Suら,Semin.Surg.Oncol.18(1):17−28(2000)およびFreemanら,J Urol 1995 Aug 154(2 Pt 1):474−8)を参照のこと。
一局面において、本発明は、無調節になった細胞増殖(例えば、過形成または癌)と関連した疾患を有すると疑われる個体に由来する細胞によって発現されるPSCA遺伝子産物の状態(status)を決定し、その後、このように決定された状態(status)を、対応する正常サンプルにおいてPSCA遺伝子産物の状態(status)と比較することによって、PSCA遺伝子産物をモニターするための方法を提供する。正常サンプルと比較した、試験サンプルにおけるPSCA遺伝子産物の存在または非存在は、その個体の細胞内で無調節になった細胞増殖の存在の指標を提供する。
別の局面において、本発明は、個体における癌の存在を決定することにおいて有用なアッセイを提供し、このアッセイは、試験細胞または組織サンプルにおけるPSCA mRNAまたはPSCAタンパク質の、対応する正常細胞または正常組織における発現レベルと比較した、発現の有意な増加を検出する工程を包含する。PSCA mRNAの存在は、例えば、組織(表Iにおいて列挙される組織が挙げられるが、これらに限定されない)において評価され得る。これらの組織におけるいずれかにおける有意なPSCA発現の存在は、癌の出現、存在および/または重篤度を示すために有用である。なぜなら、対応する正常組織は、PSCA mRNAを発現するか、またはより低いレベルでこれを発現するからである。
関連する実施形態において、PSCA状態(status)は、核酸レベルではなく、タンパク質レベルで決定される。例えば、このような方法は、試験組織サンプルにおける細胞によって発現されるPSCAタンパク質のレベルを決定する工程、およびこのように決定されたレベルを、対応する正常サンプルにおいて発現されるPSCAのレベルと比較する工程を包含する。一実施形態において、例えば、免疫組織化学法を用いてPSCAタンパク質の存在が評価される。PSCA抗体またはPSCAタンパク質発現を検出することができる結合パートナーは、この目的で、当該分野で周知の種々のアッセイ形式において使用される。
さらなる実施形態において、生物学的サンプルにおけるPSCAヌクレオチド配列およびPSCAアミノ酸配列の状態(status)が、これらの分子の構造における混乱を同定するために、評価され得る。これらの混乱は、挿入、欠失、置換などを含み得る。このような評価は有用である。なぜなら、ヌクレオチド配列およびアミノ酸配列における混乱が、無調節になった増殖表現型(growth dysregulated phenotype)と関連する多数のタンパク質において観察されるからである(例えば、Marrogiら,1999,J.Cutan.Pathol.26(8):369−378を参照のこと)。例えば、PSCAの配列における変異は、腫瘍の存在または発癌補助作用(promotion)を示し得る。従って、このようなアッセイは、PSCAにおける変異が腫瘍増殖における機能もしくは増大の潜在的な喪失を示す場合に、診断上の価値があり、予測上の価値がある。
ヌクレオチド配列およびアミノ酸配列における混乱を観察するための広範な種々のアッセイは、当該分野で周知である。例えば、PSCA遺伝子産物の核酸配列またはアミノ酸配列の大きさおよび構造は、本明細書で議論されるノーザンプロトコル、サザンプロトコル、ウェスタンプロトコル、PCRプロトコルおよびDNA配列決定プロトコルによって観察される。さらに、ヌクレオチド配列およびアミノ酸配列における混乱を観察する他の方法(例えば、一本鎖コンホメーション多型分析)が、当該分野で周知である(例えば、米国特許第5,382,510号(1999年9月7日発行)および同第5,952,170号(1995年1月17日発行)を参照のこと)。
さらに、生物学的サンプルにおけるPSCA遺伝子のメチル化状態(status)が試験され得る。遺伝子の5’調節領域におけるCpG島の異常な脱メチル化および/または過剰メチル化は、しばしば、不死化細胞および形質転換細胞で起こり、種々の遺伝子の変化した発現を生じ得る。例えば、πクラスのグルタチオンS−トランスフェラーゼ(正常前立腺において発現されるが、90%より高い前立腺癌腫においては発現されないタンパク質)のプロモーター過剰メチル化は、この遺伝子の転写を永久的にサイレントにするようであり、そしてこれは、前立腺癌腫において最も頻繁に検出されるゲノム変化である(De Marzoら,Am.J.Pathol.155(6):1985−1992(1999))。さらに、この変化は、高度の前立腺上皮内新生物(PIN)の症例の少なくとも70%において存在する(Brooksら,Cancer Epidemiol.Biomarkers Prev.,1998,7:531−536)。別の例において、LAGE−I腫瘍特異的遺伝子(これは正常前立腺において発現しないが、前立腺癌のうちの25〜50%において発現される)の発現は、リンパ芽球様細胞(lymphoblastoid cell)において、デオキシ−アザシチジンによって誘導される。このことは、腫瘍発現が脱メチル化に起因していることを示唆する(Letheら,Int.J.Cancer 76(6):903−908(1998))。遺伝子のメチル化状態(status)を試験するための種々のアッセイは、当該分野で周知である。例えば、サザンハイブリダイゼーションアプローチにおいて、CpG島のメチル化状態(status)を評価するためにメチル化CpG部位を含む配列を切断できないメチル化感受性制限酵素が利用され得る。さらに、MSP(メチル化特異的PCR)は、所定の遺伝子のCpG島に存在するCpG部位全てのメチル化状態(status)を迅速にプロフィールし得る。この手順は、亜硫酸水素ナトリウムによるDNAの最初の改変(これは、全ての非メチル化シトシンをウラシルに変換する)、続いて、非メチル化DNAに対して、メチル化に特異的なプライマーを使用する増幅を伴う。メチル化妨害を伴うプロトコルは、例えば、Current Protocols In Molecular Biology,Unit 12,Frederick M.Ausubelら編,1995において見出され得る。
遺伝子増幅は、PSCA状態(status)を評価するためのさらなる方法である。遺伝子増幅は、本明細書で提供される配列に基づいて、サンプル中で、直接、例えば、mRNAの転写物を定量するために、従来のサザンブロッティングまたはノーザンブロッティング(Thomas,1980,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:5201 5205)、ドットブロッティング(DNA分析)、または適切に標識されたプローブを使用するインサイチュハイブリダイゼーションによって測定される。あるいは、特定の二重鎖(DNA二重鎖、RNA二重鎖、およびDNAとRNAのハイブリッド二重鎖またはDNAとタンパク質の二重鎖が挙げられる)を認識する抗体が使用される。その後、この抗体は標識され、表面での二重鎖の形成の際に、この二重鎖に結合した抗体の存在が検出され得るように、二重鎖が表面に結合されるアッセイが行われる。
生検で得られた組織または末梢血は、PSCA発現を検出するために、例えば、ノーザンブロット、ドットブロット、またはRT−PCR分析を用いて、癌細胞の存在について都合よくアッセイされ得る。RT−PCRで増幅可能なPSCA mRNAの存在は、癌の存在の指標を提供する。RT−PCRアッセイは、当該分野で周知である。末梢血における腫瘍細胞についてのRT−PCR検出アッセイは、現在、多くのヒト充実性腫瘍の診断および管理における使用について評価されている最中である。前立腺癌の分野において、これらは、PSAおよびPSMを発現する細胞の検出のためのRT−PCRアッセイを包含する(Verkaikら,1997,Urol.Res.25:373−384;Ghosseinら,1995,J.Clin.Oncol.13:1195−2000;Hestonら,1995,Clin.Chem.41:1687−1688)。
本発明のさらなる局面は、ある個体が有する、癌を発生させることに関する感受性の評価である。一実施形態において、癌に対する罹りやすさを推定するための方法は、組織サンプルにおいてPSCA mRNAまたはPSCAタンパク質を検出する工程を包含する。その存在は、癌に対する罹りやすさを示し、ここでPSCA mRNA発現の程度は、その罹りやすさの程度と相関する。具体的な実施形態において、前立腺または他の組織におけるPSCAの存在は、このサンプル中のPSCAの存在に対して試験される。これは、前立腺癌の罹りやすさ(または前立腺腫瘍の出現または存在)の指標を提供する。同様に、分子の構造における混乱(例えば、挿入、欠失、置換など)を同定するために、生物学的サンプル中のPSCAヌクレオチド配列およびPSCAアミノ酸配列の完全性が評価され得る。サンプル中のPSCA遺伝子産物の1種以上の混乱の存在は、癌の罹りやすさ(または腫瘍の出現または存在)の指標である。
本発明はまた、腫瘍の攻撃性を測定するための方法を包含する。一実施形態において、腫瘍の攻撃性を測定するための方法は、腫瘍細胞によって発現されたPSCA mRNAまたはPSCAタンパク質のレベルを決定する工程、このように決定されたレベルと、同じ個体から採取された対応する正常組織または正常組織参照サンプルにおいて発現されたPSCA mRNAまたはPSCAタンパク質のレベルとを比較する工程を包含する。ここで正常サンプルと比較して、腫瘍サンプルにおけるPSCA mRNAまたはPSCAタンパク質の発現の程度は、攻撃性の程度を示す。特定の実施形態において、腫瘍の攻撃性は、PSCAが腫瘍細胞において発現される程度を決定することによって評価され、より高い発現レベルは、より攻撃性の高い腫瘍を示す。別の実施形態は、これらの分子の構造における混乱(例えば、挿入、欠失、置換など)を同定するために、生物学的サンプルにおいてPSCAヌクレオチド配列およびPSCAアミノ酸配列の完全性を評価することである。1種以上の混乱の存在は、より攻撃性の高い腫瘍を示す。
本発明の別の実施形態は、個体における悪性疾患の進行を経時的に観察するための方法に関する。一実施形態において、個体における悪性疾患の進行を経時的に観察するための方法は、腫瘍のサンプルにおいて、細胞によって発現されるPSCA mRNAまたはPSCAタンパク質のレベルを決定する工程、このように決定されたレベルと、異なるときに同じ個体から採取された等価な組織サンプルにおいて発現されるPSCA mRNAまたはPSCAタンパク質のレベルと比較する工程を包含し、ここで経時的な、腫瘍サンプルにおけるPSCA mRNAまたはPSCAタンパク質の発現の程度は、癌の進行に関する情報を提供する。特定の実施形態において、癌の進行は、腫瘍細胞におけるPSCA発現を経時的に決定することによって評価される。ここで時間を経て増大される発現は、その癌の進行を示す。また、これらの分子の構造における混乱(例えば、挿入、欠失、置換など)を同定するために、生物学的サンプルにおいてPSCAヌクレオチド配列およびPSCAアミノ酸配列の完全性が評価され得る。ここで1種以上の混乱の存在は、癌の進行を示す。
上記の診断アプローチは、当該分野で公知の広範な種々の予後プロトコルおよび診断プロトコルのうちのいずれか1つと組み合わされ得る。例えば、本発明の別の実施形態は、組織サンプルの状態(status)を診断および予後予測(prognosticate)のための手段として、PSCA遺伝子およびPSCA遺伝子産物の発現(またはPSCA遺伝子およびPSCA遺伝子産物における混乱)と、悪性疾患と関連する要因との間の符合を観察するための方法に関する。悪性疾患と関連する広く種々の要因が、利用され得る(例えば、悪性疾患と関連する遺伝子の発現(前立腺癌などに関する例えば、PSA、PSCAおよびPSMの発現)ならびに肉眼で見える細胞学的観察(例えば、Bockingら,1984,Anal.Quant.Cytol.6(2):74−88;Epstein,1995,Hum.Pathol.26(2):223−9;Thorsonら,1998,Mod.Pathol.11(6):543−51;Baisdenら,1999,Am.J.Surg.Pathol.23(8):918−24を参照のこと))。PSCA遺伝子およびPSCA遺伝子産物の発現(またはPSCA遺伝子およびPSCA遺伝子産物における混乱)と悪性疾患と関連する別の要因との間の符合を観察するための方法は、有用である。なぜなら、例えば、疾患と符合する1セットの特定の要因の存在は、組織サンプル状態(status)を診断および予後予測するために重要な情報を提供するからである。
一実施形態において、PSCA遺伝子およびPSCA遺伝子産物の発現(またはPSCA遺伝子およびPSCA遺伝子産物における混乱)と、悪性疾患と関連する別の要因との間の符合を観察するための方法は、組織サンプルにおいてPSCA mRNAまたはPSCAタンパク質の過剰発現を検出する工程、組織サンプルにおいてPSA mRNAまたはPSAタンパク質の過剰発現(またはPSCA発現もしくはPSM発現)を検出する工程、ならびにPSCA mRNAまたはPSCAタンパク質と、PSA mRNAまたはPSAタンパク質過剰発現(あるいはPSCA発現またはPSM発現)との間の符合を観察する工程を包含する。特定の実施形態において、前立腺組織におけるPSCAおよびPSA mRNAの発現が検査され得る。ここでこのサンプルにおけるPSCAおよびPSA mRNAの過剰発現の符合は、前立腺癌の存在、前立腺癌の罹りやすさ、または前立腺腫瘍の出現もしくは状態(status)を示す。
PSCA mRNAまたはPSCAタンパク質の発現を検出および定量するための方法は、本明細書に記載されており、標準的な核酸およびタンパク質の検出および定量の技術は、当該分野で周知である。PSCA mRNAの検出および定量のための標準的方法としては、標識PSCAリボプローブを使用するインサイチュハイブリダイゼーション、PSCAポリヌクレオチドプローブを使用するノーザンブロットおよび関連技術、PSCAに対して特異的なプライマーを使用するRT−PCR分析、および他の増幅型検出法(例えば、分子したDNA、SISBA、TMAなど)が挙げられる。特定の実施形態において、半定量的RT−PCRは、PSCA mRNA発現を検出および定量するために使用される。PSCAを増幅し得る、任意の数のプライマー(本明細書で具体的に起債される種々のプライマーが挙げられるが、これらに限定されない)が、この目的で使用され得る。特定の実施形態において、野生型PSCAタンパク質と特異的に反応性のポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体は、生検により得られた組織の免疫阻止幾何学的アッセイにおいて使用され得る。
IX.)PSCAと相互作用する分子の同定
本明細書で開示されるPSCAタンパク質およびPSCA核酸配列は、当業者がPSCAと相互作用するタンパク質、低分子および他の因子、ならびに当該分野で受け入れられた種々のプロトコルのうちのいずれか1つを介して、PSCAによって活性化される経路を同定することを可能にする。例えば、いわゆる相互作用トラップシステム(「ツーハイブリッドアッセイ」ともいわれる)のうちの1つが利用され得る。いくつかのシステムにおいて、分子は、レポーター遺伝子の発現を指向する転写因子と相互作用して再構成し、その際に、レポーター遺伝子の発現が、アッセイされる。他のシステムは、真核生物転写活性化因子の再構成を介して、インビトロでタンパク質間相互作用を同定する。例えば、米国特許第5,955,280号(1999年9月21日発行)、同第5,925,523号(1999年7月20日発行)、同第5,846,722号(1998年12月8日発行)および同第6,004,746号(1999年12月21日発行)を参照のこと。アルゴリズムはまた、タンパク質機能のゲノムベースの推定のために当該分野で入手可能である(例えば、Marcotteら,Nature 402:4 November 1999,83−86を参照のこと)。
あるいは、PSCAタンパク質配列と相互作用する分子を同定するために、ペプチドライブラリーがスクリーニングされ得る。このような方法において、PSCAに結合するペプチドは、アミノ酸の無作為の集合および制御された集合をコードするライブラリーをスクリーニングすることによって同定される。このライブラリーによってコードされるペプチドは、バクテリオファージコートタンパク質の融合タンパク質として発現され、このバクテリオファージ粒子は、その後、PSCAタンパク質に対してスクリーニングされる。
従って、広範な種々の用途(例えば、治療用試薬または診断用試薬)を有するペプチドは、予測されたリガンドまたはレセプター分子の構造に関する事前の情報が何らなくとも、同定される。PSCAタンパク質配列と相互作用する分子を同定するために使用され得る代表的なペプチドライブラリーおよびスクリーニング法は、例えば、米国特許第5,723,286号(1998年3月3日発行)および同第5,733,731号(1998年3月31日発行)に開示されている。
あるいは、PSCAを発現する細胞株は、PSCAによって媒介されるタンパク質間相互作用を同定するために使用される。このような相互作用は、免疫沈降技術を用いて試験され得る(例えば、Hamilton B.J.ら Biochem.Biophys.Res.Commun.1999,261:646−51を参照のこと)。PSCAタンパク質は、抗PSCA抗体を用いてPSCA発現細胞株から免疫沈降され得る。あるいは、His−tagに対する抗体が、PSCAおよびHis−タグ(上記のベクター)の融合タンパク質を発現するように操作された細胞株において使用され得る。この免疫沈降された複合体は、ウェスタンブロッティング、タンパク質の35S−メチオニン標識、タンパク質微小配列決定、銀染色および二次元電気泳動法の様な手順によってタンパク質会合について試験され得る。
PSCAと相互作用する低分子およびリガンドは、このようなスクリーニングアッセイの関連する実施形態を通じて同定され得る。例えば、タンパク質機能を妨害する低分子が同定され得、これらの分子としては、PSCAがリン酸化および脱リン酸化、細胞周期調節の指標としてのDNA分子もしくはRNA分子との相互作用、二次メッセンジャーシグナル伝達または腫瘍発生を媒介する能力を妨害する分子が挙げられる。同様に、PSCA関連イオンチャネル、タンパク質ポンプ、または細胞連絡機能を調節する低分子が同定され、PSCAを発現する癌を有する患者を処置するために使用される(例えば、Hille,B.,Ionic Channels of Excitable Membranes 第2版,Sinauer Assoc.,Sunderland,MA,1992を参照のこと)。さらに、PSCA機能を調節するリガンドは、これらがPSCAを結合してレポーター構築物を活性化する能力に基づいて、同定され得る。代表的な方法は、例えば、米国特許第5,928,868号(1999年7月27日発行)において議論されており、この方法としては、少なくとも1種のリガンドが低分子であるハイブリッドリガンドを形成するための方法が挙げられる。例示的実施形態において、PSCAとDNA結合タンパク質の融合タンパク質を発現するように操作された細胞は、ハイブリッドリガンド/低分子の融合タンパク質およびcDNAライブラリー転写活性化因子タンパク質を同時発現するために使用される。この細胞はさらに、レポーター遺伝子を含み、その発現は、互いに第1の融合タンパク質および第2の融合タンパク質の近接(このハイブリッドリガンドが、両方のハイブリッドタンパク質上の標的部位に結合する場合にのみ生じる事象)に左右される。レポーター遺伝子を発現するそれらの細胞が選択され、未知の低分子または未知のリガンドが同定される。この方法は、PSCAを活性化するかまたは阻害するモジュレーターを同定する手段を提供する。
本発明の一実施形態は、図1に示されるPSCAアミノ酸配列と相互作用する分子をスクリーニングする方法を包含し、この方法は、分子集団と、PSCAアミノ酸配列とを接触させる工程、この分子集団およびPSCAアミノ酸配列を、相互作用を促進する条件下で相互作用させる工程、PSCAアミノ酸配列と相互作用する分子の存在を決定する工程、次いで、PSCAアミノ酸配列と相互作用しない分子と、PSCAアミノ酸配列と相互作用する分子とを分離する工程を包含する。特定の実施形態において、この方法は、PSCAアミノ酸配列と相互作用する分子を精製し、特徴付け、同定する工程をさらに包含する。この同定された分子は、PSCAによって発揮される機能を調節するために使用され得る。好ましい実施形態において、このPSCAアミノ酸配列は、ペプチドライブラリーと接触させられる。
X.)治療法および組成物
制限されたセットの組織において通常発現されるが、表Iに列挙されるもののような癌においても発現されるタンパク質としてのPSCAの同定は、このような癌の処置に対する多くの治療的アプローチを切り開く。
注目すべきは、標的とされた抗腫瘍治療が、標的とされたタンパク質が正常組織で、さらに生命時に必要な(vital)正常器官組織で発現される場合にすら有用であった。生命維持に必要な器官は、生命を維持するために必須の器官(例えば、心臓または結腸)である。生命維持に必要ではない器官は、個体がなお生存することができることにおいて除去され得る器官である。生命維持に必要ではない器官の例は、卵巣、乳房、および前立腺である。
例えば、Herceptin(登録商標)は、HER2、HER2/neu、およびerb−b−2として種々に知られるタンパク質と免疫反応性の抗体からなる、FDAにより認可された医薬品である。これは、Genentechによって市販されており、商業的に成功した抗腫瘍因子であった。Herceptin(登録商標)の売上高は、2002年には、ほぼ4億ドルにも達した。Herceptin(登録商標)は、HER2陽性の転移性乳癌に関する処置法である。しかし、HER2の発現は、このような腫瘍に制限されている。この同じタンパク質が、多くの正常組織において発現されている。特に、HER2/neuは、正常腎臓および心臓中に存在することが知られており、従って、これらの組織は、Herceptinの全てのヒトレシピエントに存在する。正常腎臓においてHER2/neuが存在することはまた、Latif,Z.ら,B.J.U.International(2002)89:5−9によって確認されている。(腎細胞癌が、Herceptinのような抗HER2抗体の好ましい適応症であるか否かを評価した)この文献において示されているように、タンパク質およびmRNAの両方が、良性腎組織において生成されている。顕著なことには、HER2/neuタンパク質は、良性腎組織において強く過剰発現されていた。
HER2/neuが、このような生命維持に必要な組織(例えば、心臓および腎臓)において発現されているという事実にも拘わらず、Herceptinは、非常に有用であるので、FDAは認可し、商業的に成功した薬物である。心臓組織に対するHerceptinの効果、すなわち「心臓毒性」は、処置に対する副作用に過ぎなかった。患者が、Herceptin単独で処置された場合、有意な心臓毒性が、非常に低い割合の患者で起こった。心臓毒性を最小限にするために、HER2/neuでの処置に関するより厳密な参加要件が存在する。心臓状態に対する素因のような要因が、処置を行う前に評価される。
特に注目すべきは、腎臓組織が、正常な発現を示すことが指摘されているが、おそらく、心臓組織よりさらに高い発現であり、腎臓は、どんなHerceptin副作用も認めない。さらに、HER2が発現される正常組織の多様なアレイのうち、いかなる副作用もほとんど存在しない。心臓組織のみが全てのかなりの副作用をとにかく発現した。腎臓のような組織は、HER2/neu発現が特に顕著であるが、いかなる副作用の根拠でもなかった。
さらに、有利な治療上の効果は、上皮増殖因子レセプター(EGFR)を標的とする抗腫瘍治療に関して見出された;Erbitux(ImClone)。EGFRはまた、多くの正常組織において発現される。抗EGFR治療の使用後に、正常組織において非常に制限された副作用が存在した。EGFR処置で生じる全身の副作用は、重篤な皮膚の発疹である。これは、処置を受けている患者の100%において観察された。
従って、正常組織における、さらに生命維持に必要な正常組織における標的タンパク質の発現は、このタンパク質がまた過剰発現される特定の腫瘍に対する治療剤としての、このタンパク質に対する標的化薬剤の有用性を覆さない。例えば、生命維持に必要な器官における発現は、それ自体かつ自然に有害ではない。さらに、前立腺および卵巣のような重要でないと考えられる器官は、死亡率に影響を及ぼすことなく除去され得る。最後に、いくつかの生命維持に必要な器官は、免疫寛容(immunoprivilege)に起因して、正常器官発現によって影響を受けない。免疫寛容器官は、血液−器官関門によって血液から保護されている期間であり、よって、免疫両方に影響を受けない。免疫寛容器官の例は、脳および精巣である。
従って、PSCAタンパク質の活性を阻害する治療的アプローチは、PSCAを発現する癌に罹患している患者に有用である。これらの治療的アプローチは、一般に、3つのクラスに分けられる。第1のクラスは、腫瘍細胞増殖に関するので、PSCA機能を調節し、よって、腫瘍細胞増殖の阻害もしくは遅延をもたらすかまたは腫瘍細胞の死滅を誘導する。第2のクラスは、PSCAタンパク質の結合パートナーもしくは他のタンパク質との、PSCAタンパク質の結合または会合を阻害するための種々の方法を包含する。第3のクラスは、PSCA遺伝子の転写またはPSCA mRNAの翻訳を阻害するための種々の方法を包含する。
X.A.)抗癌ワクチン
本発明は、PSCA関連タンパク質またはPSCA関連核酸を含む癌ワクチンを提供する。PSCAの発現を考慮すると、癌ワクチンは、非標的組織に対して最小限の影響歯科伴わないか、または何ら影響を及ぼさずに、PSCAを発現する癌を妨げ、かつ/またはPSCAを発現する癌を処置する。抗癌治療として、細媒介性体液性免疫応答を生成するワクチンにおいて腫瘍抗原を生成することは、当該分野で周知であり、ヒトPSMA免疫原および齧歯類PAP免疫原を使用して、前立腺癌において使用されてきた(Hodgeら,1995,Int.J.Cancer 63:231−237;Fongら,1997,J.Immunol.159:3113−3117)。
このような方法は、PSCA関連タンパク質、またはPSCAコード核酸分子およびPSCA免疫原(これは、代表的には、多くのT細胞エピトープまたは抗体を含む)を発現しかつ提示することができる組換えベクターを使用することによって容易に実施され得る。当業者は、免疫反応性エピトープの送達のための種々のワクチンシステムが当該分野で公知であることを理解している(例えば、Herylnら,Ann Med 1999 Feb 31(1):66−78;Maruyamaら,Cancer Immunol Immunother 2000 Jun49(3):123−32))。簡潔には、哺乳動物において免疫応答(例えば、細胞媒介性および/または体液性)を発生させるこのような方法は、以下の工程を包含する:この哺乳動物の免疫系を、免疫反応性エピトープ(例えば、図1に示されるPSCAタンパク質中に存在するエピトープまたはそのアナログもしくはホモログ)に曝し、この哺乳動物が、そのエピトープに対して特異的な免疫応答を発生させる(例えば、そのエピトープを特異的に認識する抗体を発生させる)ようにする工程。
PSCAタンパク質全体、その免疫原性領域または免疫原性エピトープは、種々の手段によって組み合わされ、送達され得る。このようなワクチン組成物としては、例えば、リポペプチド(例えば、Vitiello,A.ら,J.Clin.Invest.95:341,1995)、ポリ(DL−ラクチド−co−グリコリド)(「PLG」)ミクロスフェアに囲まれたペプチド組成物(例えば、Eldridgeら,Molec.Immunol.28:287−294,1991:Alonsoら,Vaccine 12:299−306,1994;Jonesら,Vaccine 13:675−681,1995を参照のこと)、免疫刺激複合体(ISCOMS)中に含まれるペプチド組成物(例えば、Takahashiら,Nature 344:873−875,1990;Huら,Clin Exp Immunol.113:235−243,1998を参照のこと)、多重抗原ペプチドシステム(MAP)(例えば、Tam,J.P.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:5409−5413,1988;Tam,J.P.,J.Immunol.Methods 196:17−32,1996を参照のこと)、多価ペプチドとして処方されるペプチド;衝撃送達システム(ballistic delivery system)において使用するためのペプチド(代表的には、結晶化ペプチド)、ウイルス送達ベクター(Perkus,M.E.ら,Concepts in vaccine development,Kaufmann,S.H.E.,編,p.379,1996;Chakrabarti,S.ら,Nature 320:535,1986;Hu,S.L.ら,Nature 320:537,1986;Kieny,M.−P.ら,AIDS Bio/Technology 4:790,1986;Top,F.H.ら,J.Infect.Dis.124:148,1971;Chanda,P.K.ら,Virology 175:535,1990)、ウイルス起源もしくは合成起源の粒子(例えば、Kofler,N.ら,J.Immunol.Methods.192:25,1996;Eldridge,J.H.ら,Sem.Hematol.30:16,1993;Falo,L.D.,Jr.ら,Nature Med.7:649,1995)、アジュバント(Warren,H.S.,Vogel,F.R.,およびChedid,L.A. Annu.Rev.Immunol.4:369,1986;Gupta,R.K.ら,Vaccine 11:293,1993)、リポソーム(Reddy,R.ら,J.Immunol.148:1585,1992;Rock,K.L.,Immunol.Today 17:131,1996)、または裸のcDNAもしくは粒子吸着cDNA(Ulmer,J.B.ら,Science 259:1745,1993;Robinson,H.L.,Hunt,L.A.,およびWebster,R.G.,Vaccine 11:957,1993;Shiver,J.W.ら,Concepts in vaccine development,Kaufmann,S.H.E.,編,p.423,1996;Cease,K.B.,およびBerzofsky,J.A.,Annu.Rev.Immunol.12:923,1994ならびにEldridge,J.H.ら,Sem.Hematol.30:16,1993)が挙げられ得る。Avant Immunotherapeutics,Inc.(Needham,Massachusetts)のような毒素標的化送達技術(レセプター媒介性標的化としても公知)がまた、使用され得る。
PSCA関連癌を有する患者において、本発明のワクチン組成物はまた、免疫アジュバント(例えば、IL−2、IL−12、GM−CSFなど)と組み合わせた使用を含む、癌に使用される他の処置(例えば、外科手術、化学療法、薬物療法、放射線療法など)とともに使用され得る。
(細胞ワクチン:)
CTLエピトープは、対応するHLA対立遺伝子を結合するPSCAタンパク質内のペプチド同定するために特定のアルゴリズムを用いて決定され得る(例えば、表IVを参照のこと;EpimerTMおよびEpimatrixTM、Brown University(URL brown.edu/Research/TB−HIV_Lab/epimatrix/epimatrix.html);ならびにBIMAS,(URL bimas.dcrt.nih.gov/;SYFPEITHI URL syfpeithi.bmi−heidelberg.com/)。好ましい実施形態において、PSCA免疫原は、当該分野で周知の技術を用いて同定される1つ以上のアミノ酸配列(例えば、表V〜XVIIIおよび表XXII〜LIに示される配列またはHLAクラスIモチーフ/スーパーモチーフによって特定される8アミノ酸、9アミノ酸、10アミノ酸もしくは11アミノ酸のペプチド(例えば、表IV(A)、表IV(D)、もしくは表IV(E))および/またはHLAクラスIIモチーフ/スーパーモチーフを含む少なくとも9アミノ酸のペプチド(例えば、表IV(B)または表IV(C))を含む。当該分野で認識されているように、このHLAクラスI結合溝は、特定のサイズ範囲のみのペプチドが、溝に嵌って結合し得るように本質的に末端で閉じており、一般に、HLAクラスIエピトープは、8アミノ酸長、9アミノ酸長、10アミノ酸長、または11アミノ酸長である。対照的に、このHLAクラスII結合溝は、本質的に末端が開いている;従って、約9つ以上のアミノ酸のペプチドが、HLAクラスII分子によって結合され得る。HLAクラスIとHLAクラスIIとの間の結合溝の差異に起因して、HLAクラスIモチーフは、特定の長さである。すなわち、クラスIモチーフの2位は、このペプチドのアミノからカルボキシ方向で、2番目のアミノ酸である。クラスIIモチーフにおけるアミノ酸位置は、全体のペプチドではなく、互いに対してのみ相対的であるのみである。すなわち、さらなるアミノ酸が、モチーフ保有配列のアミノ末端および/またはカルボキシル末端に付加され得る。HLAクラスIIエピトープは、しばしば、9アミノ酸長、10アミノ酸長、11アミノ酸長、12アミノ酸長、13アミノ酸長、14アミノ酸長、15アミノ酸長、16アミノ酸長、17アミノ酸長、18アミノ酸長、19アミノ酸長、20アミノ酸長、21アミノ酸長、22アミノ酸長、23アミノ酸長長、24アミノ酸、または25アミノ酸長であるか、または25アミノ酸より長い。
哺乳動物において免疫応答を生成するための広範な種々の方法が、当該分野で公知である(例えば、ハイブリドーマの生成における第一の工程として)。哺乳動物において免疫応答を生成する方法は、この哺乳動物の免疫系を、免疫応答が生成されるように、タンパク質(例えば、PSCAタンパク質)上の免疫原性エピトープに曝す工程を包含する。代表的実施形態は、宿主を、十分な量の少なくとも1つのPSCA B細胞または細胞毒性T細胞エピトープもしくはそのアナログと接触させ;少なくとも1つの周期的間隔の後、上記宿主と、PSCA B細胞または細胞毒性T細胞エピトープもしくはそのアナログと再び接触させることによって、宿主においてPSCAに対する免疫応答を生成するための方法からなる。特定の実施形態は、PSCA関連タンパク質または人工の複数エピトープペプチドに対して免疫応答を発生させる工程からなり、この方法は、ワクチン調製物中のPSCA免疫原(例えば、PSCAタンパク質またはそのペプチドフラグメント、PSCA融合タンパク質もしくはアナログなど)を、ヒトまたは別の哺乳動物に投与する工程を包含する。代表的には、このようなワクチン調製物は、適切なアジュバント(例えば、米国特許第6,146,635号を参照のこと)またはユニバーサルヘルパーエピトープ(universal helper epitope)(例えば、PADRETMペプチド(Epimmune Inc.,San Diego,CA;例えば、Alexanderら,J.Immunol.2000 164(3);164(3):1625−1633;Alexanderら,Immunity 1994 1(9):751−761およびAlexanderら,Immunol.Res.1998 18(2):79−92を参照のこと)をさらに含む。代替法は、PSCA免疫原に対して、個体において免疫応答を生成する工程:その個体の身体の筋肉または皮膚に、インビボで、PSCA免疫原をコードするDNA配列を含むDNA分子を投与する工程であって、このDNA配列は、このDNA配列の発現を制御する調節配列に作動可能に連結されている、工程を包含し;ここでこのDNA分子は、細胞によって取り込まれ、このDNA配列は、上記細胞において発現され、免疫応答が、この免疫原に対して生成される(例えば、米国特許第5,962,428号を参照のこと)。必要に応じて、遺伝子ワクチン促進因子(facilitator)(例えば、陰イオン性脂質;サポニン;レクチン;エストロゲン様化合物;ヒドロキシル化低級アルキル;ジメチルスルホキシド;および尿素)がまた、投与される。さらに、標的抗原に対する応答を生成するために、PSCAを模倣する抗イディオタイプ抗体が、投与され得る。
(核酸ワクチン:)
本発明のワクチン組成物は、核酸媒介様式を包含する。本発明のタンパク質をコードするDNAまたはRNAが、患者に投与され得る。遺伝子免疫法は、PSCAを発現する癌細胞に対して指向される、予防的または治療的な体液性免疫応答および細胞性免疫応答を生成するために使用され得る。PSCA関連タンパク質/免疫原および適切な調節配列をコードするDNAを含む構築物は、筋肉または皮膚の細胞がこの構築物を取り込み、そのコードされたPSCAタンパク質/免疫原を発現するように、個体の筋肉または皮膚に直接注射され得る。あるいは、ワクチンは、PSCA関連タンパク質を含む。PSCA関連タンパク質免疫原の発現は、PSCAタンパク質を有する細胞に対する予防的または治療的な体液性免疫および細胞性免疫の生成を生じる。当該分野で公知の種々の予防的および治療的な遺伝子免疫技術が、使用され得る(総説に関しては、インターネットアドレス genweb.comにおいて発表された情報および参考文献を参照のこと)。核酸ベースの送達は、例えば、Wolffら,Science 247:1465(1990)、ならびに米国特許第5,580,859号;同第5,589,466号;同第5,804,566号;同第5,739,118号;同第5,736,524号;同第5,679,647号;WO 98/04720に記載される。DNAベースの送達技術の例としては、「裸のDNA」、促進された(ブピバカイン、ポリマー、ペプチド媒介性)送達、陽イオン性脂質複合体、および粒子媒介性(「遺伝子銃」)または圧力媒介性送達(例えば、米国特許第5,922,687号を参照のこと)が挙げられる。
治療的または予防的な免疫の目的で、本発明のタンパク質は、ウイルスベクターまたは細菌ベクターを介して発現され得る。本発明の実施において使用され得る種々のウイルス遺伝子送達系としては、ワクシニアウイルス、鶏痘ウイルス、カナリア痘瘡ウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルス、ポリオウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、およびシンドビス・ウイルス(例えば、Restifo,1996,Curr.Opin.Immunol.8:658−663;Tsangら J.Natl.Cancer Inst.87:982−990(1995)を参照のこと)が挙げられるが、これらに限定されない。非ウイルス送達系はまた、PSCA関連タンパク質をコードする裸のDNAを、患者に(例えば、筋肉内または皮内で)導入して、抗腫瘍応答を誘導することによって使用され得る。
ワクシニアウイルスは、例えば、本発明のペプチドをコードするヌクレオチド配列を発現するためにベクターとして使用される。宿主へ導入する際に、この組換えワクシニアウイルスは、タンパク質、免疫原性ペプチドを発現し、それによって、宿主免疫応答を誘発する。ワクシニアベクターおよび免疫プロトコルにおいて有用な方法は、例えば、米国特許第4,722,848号に記載される。別のベクターは、BCG(カルメット・ゲラン桿菌)である。BCGベクターは、Stover ら,Nature 351:456−460(1991)において記載される。本発明のペプチドの治療的投与または免疫のために有用な、広範な種々の他のベクター(例えば、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、レトロウイルスベクター、Salmonella typhiベクター、解毒した炭疽毒素ベクターなど)は、本明細書の記載から当業者に明らかである。
従って、遺伝子送達系は、PSCA関連核酸分子を送達するために使用される。一実施形態において、全長ヒトPSCA cDNAが使用される。別の実施形態において、特定の細胞毒性Tリンパ球(CTL)エピトープおよび/または抗体エピトープをコードするPSCA核酸分子が、使用される。
(エキソビボワクチン)
種々のエキソビボストラテジーがまた、免疫応答を生成するために使用され得る。1つのアプローチは、PSCA抗原を患者の免疫系に提示するために、抗原提示細胞(APCs)(例えば、樹状細胞(DC))の使用を包含する。樹状細胞は、MHCクラスI分子およびMHCクラスII分子、B7 共刺激因子、ならびにIL−12を発現し、よって、高度に専門化された抗原提示細胞である。前立腺癌において、前立腺特異的膜抗原(PSMA)のペプチドを適用した自己由来の樹状細胞は、前立腺癌患者の免疫系を刺激するために、フェーズI臨床試験において使用されている(Tjoaら,1996,Prostate 28:65−69;Murphyら,1996,Prostate 29:371−380)。従って、樹状細胞は、MHCクラスI分子またはMHCクラスII分子の状況においてT細胞にPSCAペプチドを提示するために使用され得る。一実施形態において、自己由来の樹状細胞には、MHCクラスI分子および/またはMHCクラスII分子に結合することができるPSCAペプチドが適用される。別の実施形態において、樹状細胞には、完全PSCAタンパク質が適用される。なお別の実施形態は、当該分野で公知の種々の実行ベクター(implementing vector)(例えば、アデノウイルス(Arthurら,1997,Cancer Gene Ther.4:17−25)、レトロウイルス(Hendersonら,1996,Cancer Res.56:3763−3770)、レンチウイルス、アデノ随伴ウイルス、DNAトランスフェクション(Ribasら,1997,Cancer Res.57:2865−2869)、または腫瘍由来RNAトランスフェクション(Ashleyら,1997,J.Exp.Med.186:1177−1182))を用いて樹状細胞におけるPSCA遺伝子の過剰発現を操作する工程を包含する。PSCAを発現する細胞はまた、免疫モジュレーター(例えば、GM−CSF)を発現するために操作され得、免疫因子として使用され得る。
X.B.)抗体ベースの治療に関する標的としてのPSCA
PSCAは、抗体ベースの治療ストラテジーに関する魅力的な標的である。多くの抗体のストラテジーが、細胞外分子および細胞内分子の両方について当該分野で公知である(例えば、補体およびADCC媒介死滅ならびにイントラボディー(intrabody)の使用)。PSCAは、対応する正常細胞に対して種々の鶏痘の癌細胞によって発現されるので、PSCA免疫反応性組成物の全身投与が準備され、これは、非標的器官および非標的組織への免疫反応性組成物の結合によって引き起こされる毒性の、非特異的かつ/または非標的効果なしに、優れた感受性を示す。PSCAのドメインと特異的に反応する抗体は、毒素もしくは治療剤との結合体としてか、または細胞増殖もしくは細胞機能を阻害することができる裸の抗体としてかのいずれかで、PSCA発現癌を全身的に処置するために有用である。
PSCA抗体は、その抗体がPSCAに結合して、機能(例えば、結合パートナーとの相互作用)を調節し、結果的に腫瘍細胞の破壊を媒介し、かつ/または腫瘍細胞の増殖を阻害するように、患者に導入され得る。このような抗体が治療効果を発揮する機構としては、補体媒介性細胞溶解、抗体依存性細胞毒性、PSCAの生理学的機能の調節、リガンド結合またはシグナル伝達経路の阻害、腫瘍細胞分化の調節、腫瘍新脈管形成因子プロフィールの変化、ならびに/あるいはアポトーシスが挙げられ得る。例としては、非ホジキンリンパ腫のためのRituxan(登録商標)、転移性乳癌のためのHerceptin(登録商標)、および結腸直腸眼のためのErbitux(登録商標)が挙げられる。
当業者は、抗体が、免疫原性分子(例えば、図1に示されるPSCA配列の免疫原性領域)を特異的に標的としかつ結合するために使用され得ることを理解する。さらに、当業者は、抗体を細胞毒性因子に結合体化することは慣用的であることを理解する(例えば、Sleversら Blood 93:11 3678−3684(June 1,1999)を参照のこと)。細胞毒性薬剤および/または治療剤が、この細胞に、例えば、これら薬剤を、その細胞によって発現さえる分子(例えば、PSCA)に対して特異的な抗体に結合体化することによって、直接送達される場合、細胞毒性薬剤は、これらの細胞に対してその既知の生物学的効果(すなわち、細胞毒性)を発揮する。
細胞を死滅させるために抗体−細胞毒性薬剤結合体を用いるための、広範な種々の組成物および方法は、当該分野で公知である。癌の状況において、代表的方法は、腫瘍を有する動物に、発現され、細胞表面に結合するように接近可能であるかまたは細胞表面に局在するマーカー(例えば、PSCA)に結合する標的化薬剤(例えば、抗PSCA抗体)に連結された、選択された細胞毒性薬剤および/または治療剤を含む、生物学的に有効な量の結合体を投与する工程を包含する。代表的実施形態は、細胞毒性薬剤および/または治療剤を、PSCAを発現する細胞に送達する方法であり、この方法は、細胞毒性薬剤を、PSCAエピトープに免疫特異的に結合する抗体に結合体化する工程、およびこの細胞を、抗体−薬剤結合体に曝す工程を包含する。別の例示的実施形態は、転移した癌を患っていると疑われる個体を処置する方法であり、この方法は、この個体に、細胞毒性薬剤および/または治療剤に結合体化した、治療上有効な量の抗体を含む薬学的組成物を非経口的に投与する工程を包含する。
抗PSCA抗体を使用する癌免疫療法は、他の型の癌(結腸癌(Arlenら,1998,Crit.Rev.Immunol.18:133−138)、多発性骨髄腫(Ozakiら,1997,Blood 90:3179−3186、Tsunenariら,1997,Blood 90:2437−2444)、胃癌(Kasprzykら,1992,Cancer Res.52:2771−2776)、B細胞リンパ腫(Funakoshiら,1996,J.Immunother.Emphasis Tumor Immunol.19:93−101)、白血病(Zhongら,1996,Leuk.Res.20:581−589)、結腸直腸癌(Mounら,1994,Cancer Res.54:6160−6166;Veldersら,1995,Cancer Res.55:4398−4403)、および乳癌(Shepardら,1991,J.Clin.Immunol.11:117−127)が挙げられるが、これらに限定されない)の処置において首尾よく使用されてきた種々のアプローチに従って行われ得る。いくつかの治療アプローチは、それぞれ、毒素または放射性同位体への裸の抗体の結合体化(例えば、抗CD20抗体へのY91もしくはI131の結合体化(例えば、ZevalinTM、IDEC Pharmaceuticals Corp.またはBexxarTM、Coulter Pharmaceuticals)を包含するが、他のものは、抗体および他の治療剤(例えば、HerceptinTM(trastuzuMAb)とパクリタキセル(Genentech,Inc.)の同時投与を包含する。抗体は、治療剤に結合体化され得る。例えば、前立腺癌を処置するために、PSCA抗体は、照射、化学療法またはホルモン除去(hormone ablation)とともに、施され得る。また、抗体はまた、カリケアマイシン(例えば、MylotargTM(Wyeth−Ayerst,Madison,NJ)、抗腫瘍抗生物質カリケアマイシンに結合体化された組換えヒト化IgG4 κ抗体)またはマイタンシノイド(maytansinoid)(例えば、タキサンベースの腫瘍活性化プロドラッグ、TAP、プラットフォーム、ImmunoGen,Cambridge,MA、例えば、米国特許第5,416,064号もまた参照のこと)またはオーリスタチン(Auristatin)E(Nat Biotechnol.2003 Jul;21(7):778−84(Seattle Genetics))のような毒素に結合体化され得る。
PSCA抗体療法は、癌の全ての段階で有用であるが、抗体療法は、進行した癌または転移性癌において特に適切であり得る。本発明の抗体療法による処置は、1回以上の化学療法を受けたことがある患者に関して指示される。あるいは、本発明の抗体療法は、化学療法による処置を受けたことがない患者のための化学療法レジメンまたは照射レジメンと組み合わされる。さらに、抗体療法は、特に、化学療法剤の毒性にあまり耐えられない患者にとって、付随する化学療法の減少した用量の使用を可能にし得る。Fanら(Cancer Res.53:4637−4642,1993)、Prewettら(International J.of Onco.9:217−224,1996)、およびHancockら(Cancer Res.51:4575−4580,1991)は、化学療法剤と一緒に種々の抗体を使用することを記載している。
PSCA抗体療法は、癌の全ての段階で有用であるが、抗体療法は、進行した癌または転移性癌において特に適切であり得る。本発明の抗体療法による処置は、1回以上の化学療法を受けたことがある患者に関して指示される。あるいは、本発明の抗体療法は、化学療法による処置を受けたことがない患者のための化学療法レジメンまたは照射レジメンと組み合わされる。さらに、抗体療法は、特に、化学療法剤の毒性にあまり耐えられない患者にとって、付随する化学療法の減少した用量の使用を可能にし得る。
癌患者は、PSCA発現の存在およびレベルについて、好ましくは、腫瘍組織の免疫組織化学的評価、定量的PSCA画像化、またはPSCA発現の存在および程度を確実に示す他の技術を用いて、評価され得る。腫瘍生検または外科手術標本の免疫組織化学分析は、この目的で好ましい。腫瘍組織の免疫組織化学分析のための方法は、当該分野で周知である。
前立腺および他の癌を処置する抗PSCAモノクローナル抗体は、腫瘍に対して強力な免疫応答を起こす抗体または直接細胞毒性である抗体を包含する。この点に関して、抗PSCAモノクローナル抗体(MAb)は、補体媒介性細胞毒性機構または抗体媒介性細胞毒性(ADCC)機構のいずれかによって、腫瘍細胞溶解を誘発し得る。これらの機構はともに、補体タンパク質上のエフェクター細胞Fcレセプター部位との相互作用のために、免疫グロブリン分子のインタクトなFc部分を要する。さらに、腫瘍増殖に対して直接的に生物学的効果を発揮する抗PSCA MAbは、PSCAを発現する癌を処置するために有用である。細胞毒性MAbが直接的に作用する機構としては、以下が挙げられる:細胞増殖の阻害、細胞分化の調節、腫瘍新脈管系性因子プロフィールの調節、およびアポトーシスの誘導。特定の抗PSCA MAbが抗腫瘍効果を発揮する機構は、ADCC、ADMMC、補体媒介性細胞溶解などのような、細胞死を評価する当該分野で一般に公知の任意の数のインビトロアッセイを用いて評価することである。
ある患者において、マウスおよび他の非ヒトモノクローナル抗体、またはヒト/マウスキメラMAbを使用すると、非ヒト抗体に対する中程度から強い免疫応答が誘導され得る。このことは、循環からの抗体のクリアランスおよび低下した効力を生じ得る。最も重篤な症例においては、このような免疫応答は、潜在的に、腎不全を引き起こし得る、免疫複合体の大規模な形成をもたらし得る。従って、本発明の治療法において使用される好ましいモノクローナル抗体は、PSCA抗原を標的にするために高親和性で特異的に結合するが、患者において低い抗原性しか示さないかまたは全く抗原性を示さない、完全なヒト抗体またはヒト化抗体のいずれかである。
本発明の治療法は、単一の抗PSCA MAb、および種々のMAbの組み合わせ(すなわち、カクテル)の投与を企図する。このようなMAbカクテルは、これらカクテルが、異なるエピトープを標的とするMAbを含み、種々のエフェクター機構を利用するかまたは細胞毒性MAbを、免疫エフェクター機能に依存するMAbと直接組み合わせる限りは、特定の利点を有し得る。このような組み合わされたMAbは、相乗的治療効果を示し得る。さらに、抗PSCA MAbは、他の治療様式と同時に施され得る。他の治療様式としては、種々の化学療法剤、アンドロゲンブロッカー、免疫モジュレーター(例えば、IL−2、GM−CSF)、外科手術または照射が挙げられるが、これらに限定されない。この抗PSCA MAbは、それらの「裸の」形態または結合体化されていない形態で投与されるか、あるいは治療剤がこれらMabに結合体化され得る。
抗PSCA抗体処方物は、腫瘍細胞に抗体を送達することができる任意の経路を介して投与される。投与経路としては、静脈内、腹腔内、筋肉内、腫瘍内、皮内などが挙げられるが、これらに限定されない。処置は、一般に、代表的には約0.1mg/kg体重、0.2mg/kg体重、0.3mg/kg体重、0.4mg/kg体重、0.5mg/kg体重、0.6mg/kg体重、0.7mg/kg体重、0.8mg/kg体重、0.9mg/kg体重、1mg/kg体重、2mg/kg体重、3mg/kg体重、4mg/kg体重、5mg/kg体重、6mg/kg体重、7mg/kg体重、8mg/kg体重、9mg/kg体重、10mg/kg体重、15mg/kg体重、20mg/kg体重、または25mg/kg体重の範囲の用量での、許容可能な投与経路(例えば、静脈内注射(IV))を介する抗PSCA抗体調製物の反復投与を包含する。一般に、1週間あたり、10〜1000mg MAbの範囲の用量が、有効かつ十分に寛容される。
転移性乳癌の処置におけるHerceptinTM MAbでの臨床経験に基づくと、約4mg/kg患者体重のIVの初期負荷投与量、続いて、1週間に抗PSCA MAb調製物の約2mg/kg IVの投与量が、許容可能な投与レジメンを示す。好ましくは、この初期負荷投与量は、90分間以上の注入として投与される。周期的な維持用量が、初期投与量が十分寛容されたことを条件として、30分間以上の注入として投与される。当業者により認識されるように、種々の要因が、特定の症例における理想的な用量レジメンに影響を及ぼし得る。このような要因としては、例えば、使用されるAbまたはMAbの結合親和性および半減期、患者におけるPSCA発現の程度、循環する分離したPSCA抗原の程度、望ましい定常状態の抗原濃度レベル、処置頻度、および本発明の方法と組み合わせて使用される化学療法剤もしくは他の薬剤の影響、ならびに特定の患者の健康状態(status)が挙げられる。
必要に応じて、患者は、最も有効な投与レジメンなどの決定を補助するために、所定のサンプル中のPSCAレベル(例えば、循環するPSCA抗原および/またはPSCA発現細胞のレベル)について評価されるべきである。このような評価はまた、治療の間にわたってモニタリング目的で使用され、他のパラメーター(例えば、膀胱癌治療における尿細胞学および/または免疫細胞レベル、あるいは類似性、前立腺癌治療における血清PSAレベル)の評価と組み合わせて、治療的成功を測定するために有用である。
抗イディオタイプ抗PSCA抗体はまた、PSCA関連タンパク質を発現する細胞に対する免疫応答を誘導するためのワクチンとして、抗癌治療において使用され得る。特に、抗イディオタイプ抗体の生成は、当該分野で周知である;この方法論は、PSCA関連タンパク質上のエピトープを模倣する抗イディオタイプ抗PSCA抗体を生成するために容易に適合され得る(例えば、Wagnerら,1997,Hybridoma 16:33−40;Foonら,1995,J.Clin.Invest.96:334−342;Herlynら,1996,Cancer Immunol.Immunother.43:65−76を参照のこと)。このような抗イディオタイプ抗体は、癌ワクチンストラテジーにおいて使用され得る。
本発明の目的は、PSCAを発現する腫瘍細胞の増殖を阻害するかまたは遅らせるPSCA抗体を提供することである。本発明のさらなる目的は、新脈管形成および他の生物学的機能を阻害するための方法を提供し、それによって、哺乳動物、好ましくはヒトにおいて、このようなPSCA抗体を用いて、特に、照射および化学療法またはこの両方と組み合わせてこのようなPSCA抗体を用いて、腫瘍増殖を減少させることである。
一実施形態において、腫瘍(ヒト腫瘍を含む)が、化学療法剤または照射またはこれらの組み合わせとともに、PSCA抗体で処置される場合、相乗効果がある。言い換えると、PSCA抗体による腫瘍増殖の阻害は、化学療法剤または照射またはこれらの組み合わせと組み合わされる場合、予測されるよりも高められる。相乗効果は、例えば、PSCA抗体のみの処置またはPSCA抗体および化学療法剤または照射による処置の相加効果から予測されるよりも、組み合わせにより大きな腫瘍増殖阻害により示され得る。好ましくは、相乗効果は、寛解が、裸のPSCA抗体での処置またはPSCA抗体および化学療法剤もしくは照射の付加的組み合わせを用いる処置のいずれかから予測されない場合に、癌の寛解によって実証される。
PSCA抗体および化学療法もしくは照射の組み合わせ、またはその両方を使用して腫瘍細胞の増殖を阻害するための方法は、化学療法もしくは放射線療法、およびこれらの組み合わせを始める前、その間またはその後に(すなわち、化学療法および/もしくは放射線療法を始める前とその間か、始める前と後か、その間と後か、または始める前と間と後)、PSCA抗体を投与する工程を包含する。例えば、このPSCA抗体は、代表的には、放射線療法および/または化学療法を開始する1日間〜60日間前、好ましくは、3日間〜40日間前、より好ましくは、5日間〜12日間前に、投与される。しかし、処置プロトコルおよび特定の患者の要求に依存して、この方法は、最も有効な処置を提供し、最終的には、患者の生命を延ばす様式において行われる。
化学療法剤の投与は、非経口経路および経口経路によって全身を含め、種々の方法で達成され得る。一実施形態において、このPSCA抗体および化学療法剤は、別々の分子として投与される。別の実施形態において、このPSCA抗体は、例えば、化学療法剤へ結合体化によって、化学療法剤に結合される(標題「ヒト抗PSCA抗体のインビボでの使用を介したヒト癌腫の処置および診断のためのヒト臨床試験」の実施例を参照のこと、および標題「抗体ベースの治療に関する標的としてのPSCA」の節も参照のこと)。化学療法剤または化学療法の特定の例としては、シスプラチン、ダカルバジン(DTIC)、ダクチノマイシン、メクロレタミン(ナイトロジェンマスタード)、ストレプトゾトシン、シクロホスファミド、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ダウノルビシン、プロカルバジン、マイトマイシン、シタラビン、エトポシド、メトトレキサート、5−フルオロウラシル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ブレオマイシン、パクリタキセル(タキソール)、トセタキセル(タキソテール)、アルデスロイキン(aldesleukin)、アスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、クラドリビン(cladribine)、ダカルバジン、フロクスウリジン、フルダラビン、ヒドロキシウレア、イホスファミド、インターフェロンα、ロイプロリド、メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、プリカマイシン、ミトーテン、ペグアスパルガーゼ(pegaspargase)、ペントスタチン、ピポブロマン、プリカマイシン、ストレプトゾトシン、タモキシフェン、テニポシド、テストラクトン、チオグアニン、チオテパ、ウラシルマスタード、ビノレルビン、クロラムブシル、タキソールおよびこれらの組み合わせが挙げられる。
PSCA抗体と組み合わせて使用される照射源は、処置される患者に対して外部にあるかまたは内部にあるかのいずれかであり得る。この照射源が患者に対して外部にある場合、この療法は、外部ビーム照射療法(EBRT)として公知である。照射源が患者に対して内部にある場合、この処置は、近接照射療法(BT)といわれる。
照射は、この目的で製造された標準装置(例えば、AECL TheratronおよびVarian Clinac)を使用して、周知の標準的技術に従って施される。照射線量は、当該分野で周知の多くの要因に依存する。このような要因としては、処置される器官、不注意に不都合に影響を受け得る、照射の経路中にある健康な器官、放射線療法に関する患者の耐性、および処置が必要な身体の面積が挙げられる。この線量は、代表的には、1〜100Gyの間、より具体的には、2〜80Gyの間である。報告されたいくつかの線量としては、脊髄に対して35Gy、腎臓に対して15Gy、肝臓に対して20Gy、および前立腺に対して65〜80Gyが挙げられる。しかし、本発明が、いかなる特定の線量にも限定されないことは、強調されるべきである。この用量は、所定の状況における特定の要因(上記の要因を含む)に従って、処置する医師によって決定される。
外部照射源と患者へ入る点の間の距離は、標的細胞を死滅させることと、副作用を最小にすることとの間の許容可能なバランスを示す任意の距離であり得る。代表的には、外部照射源は、患者へ入る点から70〜100cmにある。
近接照射療法は、一般に、患者の中に照射源を配置することによって行われる。代表的には、照射源は、処置される組織から約0〜3cmの所に配置される。公知の技術としては、間質放射線治療、腔内近接照射療法、および表面近接照射療法が挙げられる。放射性物質(radioactive seed)は、恒久的にまたは一時的に移植され得る。恒久的な移植において使用されてきたいくつかの代表的な放射性原子としては、ヨウ素−125およびラドンが挙げられる。一時的な移植において使用されてきたいくつかの代表的な放射性原子としては、ラジウム、セシウム−137、およびイリジウム−192が挙げられる。近接照射療法において使用されてきたいくつかのさらなる放射性原子としては、アメリシウム−241及び金−198が挙げられる。近接照射療法のための放射線量は、外部ビーム放射線療法について上記で言及されたものと同じであり得る。外部ビーム放射線療法の用量を決定するために上記で言及された要因に加えて、使用される放射性原子の性質はまた、近接照射療法の線量を決定することにおいて考慮される。
X.C.)細胞性免疫応答のための標的としてのPSCA
本明細書で記載される免疫原性有効量の1つ以上のHLA結合ペプチドを含むワクチンおよびワクチンを調製する方法は、本発明のさらなる実施形態である。さらに、本発明に従うワクチンは、本願ペプチドのうちの1つ以上の組成物を含む。ペプチドは、個々にワクチン中に存在し得る。あるいは、このペプチドは、同じペプチドの複数のコピーを含むホモポリマーとしてか、または種々のペプチドのヘテロポリマーとして存在し得る。ポリマーは、増大した免疫学的反応の利点を有し、異なるペプチドエピトープが、ポリマーを構成するために使用される場合、病原性生物または免疫応答のために標的とされる腫瘍関連ペプチドの異なる抗原決定基と反応する抗体および/またはCTLを誘導するさらなる能力を有する。この組成物は、天然に存在する抗原領域であり得るか、あるいは例えば、組換えによって調製され得るかまたは化学合成によって調製され得る。
本発明のワクチンとともに使用され得るキャリアは、当該分野で周知であり、例えば、サイログロブリン、アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)、破傷風トキソイド、ポリアミノ酸(例えば、ポリL−リジン、ポリL−グルタミン酸)、インフルエンザタンパク質、B型肝炎ウイルスコアタンパク質などが挙げられる。ワクチンは、生理学的に許容可能な(すなわち受容可能な)希釈剤(例えば、水、または生理食塩水(好ましくはリン酸緩衝化生理食塩水))を含み得る。ワクチンはまた、代表的には、アジュバントを含む。アジュバント(例えば、不完全フロイントアジュバント、リン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、またはミョウバン)が、当該分野で周知の物質の例である。さらに、本明細書で開示されるように、CTL応答は、本発明のペプチドを、脂質(例えば、トリパルミトイル−S−グリセリルシステイニルセリル−セリン(P3CSS)に結合体化することによって、刺激され得る。しかし、合成シトシンホスホロチオール化グアニン含有(CpG)オリゴヌクレオチドの様なアジュバントが、CTL応答を10〜100倍高めることが分かった(例えば、DavilaおよびCelis,J.Immunol.165:539−547(2000)を参照のこと)。
本発明に従って、注射経路、エアロゾル経路、経口経路、経皮経路、筋肉内経路、胸膜腔内経路、髄腔内経路、または他の適切な経路を介して、ペプチド組成物で免疫する際に、宿主の免疫系は、所望の抗原に対して特異的な多量のCTLおよび/またはHTLを生成することによって、ワクチンに応答する。結果的に、宿主は、PSCA抗原を発現または過剰発現する細胞のより後期の発生に対して少なくとも部分的に免疫することになるか、または抗原が腫瘍関連抗原であった場合に、少なくともいくらかの治療的利益を導く。
いくつかの実施形態において、クラスIペプチド成分と、標的抗原に対して指向される中和抗体および/またはヘルパーT細胞応答を誘導または促進する成分とを組み合わせることは望ましいこと出あり得る。このような組成物の好ましい実施形態は、本発明に従って、クラスIエピトープおよびクラスIIエピトープを含む。このような組成物の代替的実施形態は、本発明に従って、交差反応性HTLエピトープ(例えば、PADRETM(Epimmune,San Diego,CA)分子(例えば、米国特許第5,736,142号において記載される)とともに、クラスIエピトープおよび/またはクラスIIエピトープを含む。
本発明のワクチンはまた、本発明のペプチドを提示するためのビヒクルとして、抗原提示細胞(APC)(例えば、樹状細胞(DC))を含み得る。ワクチン組成物は、樹状細胞の不死化および採取の後にインビトロで作製され得る。それによって、樹状細胞の負荷は、インビトロで生じる。例えば、樹状細胞は、例えば、本発明に従うミニ遺伝子でトランスフェクトされるか、またはペプチドが適用される。次いで、その樹状細胞は、インビボで免疫応答を誘発するために、患者に投与され得る。ワクチン組成物(DNAベースかまたはペプチドベースかのいずれか)はまた、樹状細胞不死化と組み合わせてインビボで投与され得、それによって樹状細胞の負荷は、インビボで行われる。
好ましくは、以下の原理は、ワクチンにおいて使用するためにポリエピトープ組成物に含めるためかまたはワクチンに含められるおよび/またはミニ遺伝子のような核酸によってコードされる別個のエピトープを選択するための一連のエピトープを選択する場合に利用される。以下の原理の各々は、選択を行うためにバランスをとることが好ましい。所定のワクチン組成物中に組み込まれるべき複数のエピトープは、エピトープが由来するネイティブ抗原において順に連続してもよいが、必ずしもそうでなくてもよい。
1.)投与した際に、腫瘍クリアランスと相関することが観察される、免疫応答を模倣するエピトープが、選択される。HLAクラスIについては、これは、少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)に由来する3〜4個のエピトープを含む。HLAクラスIIについては、類似の原理が、採用される;繰り返すと、3〜4個のエピトープが少なくとも1つのTAAから選択される(例えば、Rosenbergら,Science 278:1447−1450を参照のこと)。1つのTAAに由来するエピトープは、頻繁に発現されるTAAの変動する発現パターンを有する腫瘍を標的とするワクチンを生成するために、1個以上のさらなるTAAに由来するエピトープと組み合わせて使用され得る。
2.)免疫原性と相関することが確認された必須の結合親和性を有するエピトープが選択される:HLAクラスIについては、500nM以下、しばしば200nM以下のIC50;およびクラスIIについては、1000nM以下のIC50。
3.)十分なスーパーモチーフ保有ペプチド、または十分な一連の対立遺伝子特異的モチーフ保有ペプチドが、広く集団を網羅するために選択される。例えば、少なくとも80%集団を網羅することが好ましい。モンテカルロ分析(当該分野で公知の統計的評価法)が、集団網羅の幅、重複を評価するために採用され得る。
4.)癌関連抗原に由来するエピトープを選択する場合、患者が、ネイティブエピトープに対する寛容性を発生させ得るので、アナログを選択することがしばしば有用である。
5.)「ネスト化(nested)エピトープ」といわれるエピトープが、特に関連している。ネスト化エピトープは、少なくとも2個のエピトープが、所定のペプチド配列中に重複している場合に存在する。ネスト化ペプチド配列は、B細胞エピトープ、HLAクラスIエピトープおよび/またはHLAクラスIIエピトープを含み得る。ネスト化エピトープを提供する場合、一般的な目的は、1配列につき最大数のエピトープを提供することである。従って、局面は、そのペプチドにおけるアミノ末端エピトープのアミノ末端およびカルボキシル末端エピトープのカルボキシル末端より長いペプチドを提供することは避けることである。複数エピトープ配列(例えば、ネスト化エピトープを含む配列)を提供する場合、一般に、病的特性または他の有害な生物学的特性を有さないことを保証するために、その配列をスクリーニングすることが重要である。
6.)ポリエピトープタンパク質が作製される場合、またはミニ遺伝子を作製する場合、目的は、目的のエピトープを包含する最小のペプチドを生成することである。この原理は、ネスト化エピトープを含むペプチドを選択する場合に採用されるものとは同じでない場合、類似である。しかし、人工ポリエピトープペプチドを使用すると、大きさを最小にする目的は、ポリエピトープタンパク質中のエピトープ間に任意のスペーサー配列を組み込む必要性に対してバランスがとられる。スペーサーアミノ酸残基は、例えば、接合部エピトープ(免疫系によって認識されるが、標的抗原中に存在しない、エピトープに並置して人工的に作製されるのみであるエピトープ)を避けるために、またはエピトープ間の切断を促進し、それによってエピトープ提示を高めるために、導入され得る。接合部エピトープは、一般に、レシピエントが、その非ネイティブエピトープに対する免疫応答を生成し得るので、回避されるべきである。「優性エピトープ」である接合部エピトープが特に考慮される。優性エピトープは、他のエピトープに対する免疫応答が、減少されるかまたは抑制されるそのような集中的な(zealous)応答をもたらし得る。
7.)同じ標的タンパク質の多数の改変体の配列が存在する場合、潜在的なペプチドエピトープはまた、それらの保存性に基づいて選択され得る。例えば、保存性に関する基準は、HLAクラスI結合ペプチド全体の配列またはクラスII結合ペプチドの9マーコア全体が、特定のタンパク質抗原に対して評価される配列の指定された割合が保存されていると規定し得る。
X.C.1. ミニ遺伝子ワクチン
複数のエピトープの同時の送達を可能にする多くの種々のアプローチが、利用可能である。本発明のペプチドをコードする核酸は、本発明の特に有用な実施形態である。ミニ遺伝子中に含めるためのエピトープは、好ましくは、前節において示された基準に従って選択される。本発明のペプチドをコードする核酸を投与する好ましい手段は、本発明の1つまたは複数のエピトープを含むペプチドをコードするミニ遺伝子構築物を利用する。
複数エピトープミニ遺伝子の使用は、以下に、そしてIshiokaら,J.Immunol.162:3915−3925,1999;An,L.およびWhitton,J.L.,J.Virol.71:2292,1997;Thomson,S.A.ら,J.Immunol.157:822,1996;Whitton,J.L.ら,J.Virol.67:348,1993;Hanke,R.ら,Vaccine 16:426,1998に記載される。例えば、PSCA由来のスーパーモチーフ保有エピトープおよび/またはモチーフ保有エピトープをコードする複数エピトープDNAプラスミド、PADRETM ユニバーサルヘルパーT細胞エピトープまたはPSCA由来の複数HTLエピトープ(例えば、表V〜表XVIIIおよび表XXII〜表LIを参照のこと)、ならびに小胞体移動シグナル配列が、操作され得る。ワクチンはまた、他のTAAに由来するエピトープを含み得る。
複数エピトープのミニ遺伝子の免疫原性は、試験されるエピトープに対するCTL誘導応答の大きさを評価するために、トランスジェニックマウスにおいて確認され得る。さらに、DNAコードエピトープのインビボでの免疫原性は、DNAプラスミドでトランスフェクトされた標的細胞に対する特定のCTL系統のインビトロ応答と相関し得る。従って、これらの実験は、このミニ遺伝子は、1.)CTL応答を生成し、かつ2.)コードされるエピトープを発現するCTLで認識された細胞を誘導するように働くことを示し得る。
例えば、ヒト細胞における発現に関して選択されたエピトープをコードするDNA配列(ミニ遺伝子)を作製するために、これらエピトープのアミノ酸配列が、逆翻訳され得る。ヒトコドン用法の表は、各アミノ酸についてのコドン選択性をガイドするために使用され得る。これらエピトープをコードするDNA配列は、翻訳された場合に、連続ポリペプチド配列が作製されるように、直ぐ隣にあり得る。発現および/または免疫原性を最適化するために、さらなる要素が、ミニ遺伝子設計中に組み込まれ得る。逆翻訳されかつミニ遺伝子配列に含められ得るアミノ酸配列の例としては、HLAクラスIエピトープ、HLAクラスIIエピトープ、抗体エピトープ、ユビキチン化シグナル配列、および/または小胞体標的化シグナルが挙げられる。さらに、CTLエピトープおよびHTLエピトープのHLA提示は、合成(例えば、ポリ−アラニン)またはCTLエピトープもしくはHTLエピトープの隣に天然に存在する隣接配列を含めることによって改善され得る;これらエピトープを含むこれらのより大きなペプチドは、本発明の範囲内である。
このミニ遺伝子配列は、ミニ遺伝子の(+)鎖および(−)鎖をコードするオリゴヌクレオチドを組み立てることによって、DNAに変換され得る。重複するオリゴヌクレオチド(30〜100塩基長)は、合成され、リン酸化され、精製され、周知の技術を用いて適切な条件下でアニールされ得る。このオリゴヌクレオチドの末端は、例えば、T4 DNAリガーゼを用いて連結され得る。その後、エピトープポリペプチドをコードするこの合成ミニ遺伝子は、望ましい発現ベクターにクローニングされ得る。
当業者に周知の標準的な調節配列は、好ましくは、標的細胞における発現を確実にするために、ベクターに含まれる。いくつかのベクター要素が、望ましい:ミニ遺伝子挿入のための下流のクローニング部位を有するプロモーター;有効な転写終結のためのポリアデニル化シグナル;E.coli複製起点;およびE.coli選択マーカー(例えば、アンピシリン耐性またはカナマイシン耐性)。多くのプロモーターが、この目的で使用され得る(例えば、ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)プロモーター)。他の適切なプロモーター配列については、例えば、米国特許第5,580,859号および同第5,589,466号を参照のこと。
さらなるベクターの改変は、ミニ遺伝子発現および免疫原性を最適化するために望ましいことであり得る。いくつかの場合において、イントロンは、効率的な遺伝子発現に必要とされ、1つ以上の合成イントロンまたは天然に存在するイントロンが、ミニ遺伝子の転写される領域に組み込まれ得る。mRNA安定化配列および哺乳動物細胞における複製のための配列を含めることもまた、ミニ遺伝子発現を増大させるために考慮され得る。
一旦発現ベクターが選択されると、このミニ遺伝子は、プロモーターの下流にあるポリリンカー領域にクローニングされる。このプラスミドは、適切なE.coli株に形質転換され、DNAが、標準的技術を用いて調製される。ミニ遺伝子の方向およびDNA配列、ならびにこのベクターに含まれる全ての他の要素は、制限マップ分析およびDNA配列分析を用いて確認される。正確なプラスミドを有する細菌細胞が、マスター細胞バンクおよび作業用細胞バンクとして保存され得る。
さらに、免疫刺激配列(ISSまたはCpG)は、DNAワクチンの免疫原性において役割を果たすようである。これらの配列は、免疫原性を増強することが望まれる場合、ミニ遺伝子コード配列の外側において、ベクター中に含まれ得る。
いくつかの実施形態において、ミニ遺伝子がコードするエピトープおよび(免疫原性を高めるかまたは低下させるために含まれる)第2のタンパク質の両方の生成を可能にするバイシストロン発現ベクターが使用され得る。同時発現される場合に、免疫応答を有利なことに高め得るタンパク質またはポリペプチドの例としては、サイトカイン(例えば、IL−2、IL−12、GM−CSF)、サイトカイン誘導分子(例えば、LeIF)、同時刺激分子、またはHTL応答に関しては、全DR結合タンパク質(PADRETM,Epimmune,San Diego,CA)が挙げられる。ヘルパー(HTL)エピトープは、細胞内標的化シグナルに連結され得、そして発現されるCTLエピトープとは別個に発現され得る;このことは、HTLエピトープが、CTLエピトープのものとは異なる細胞区画を指向すること可能にする。要求される場合、これは、HTLエピトープをHLAクラスII経路へのより効率的な進入を促進し得、それによって、HTL誘導を改善する。HTL誘導またはCTL誘導とは対照的に、免疫抑制分子(例えば、TGF−β)の同時発現による免疫応答を具体的に減少させることは、特定の疾患において有益であり得る。
プラスミドDNAの治療に役立つ量は、例えば、E.coliにおける醗酵、その後の精製によって、生成され得る。作業用細胞バンクからのアリコートが、周知の技術に従って、増殖培地に接種するために使用され、振盪フラスコもしくはバイオリアクター中で飽和するまで増殖させられる。プラスミドDNAは、QIAGEN,Inc.(Valencia,California)によって供給される固相陰イオン交換樹脂のような標準的生物分離技術を使用して精製され得る。必要であれば、スーパーコイルドDNAが、ゲル電気泳動法または他の方法を用いて開環状の形態および直線状の形態から単離され得る。
精製されたプラスミドDNAは、種々の処方を用いて注射のために調製され得る。これらの中で最も単純なものは、滅菌リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)での凍結乾燥DNAの再構成である。えこのアプローチは、「裸のDNA」として公知であり、現在、臨床試験において筋肉内(IM)投与に関して使用されている。ミニ遺伝子DNAワクチンの免疫量法的な効果を最大にするために、精製されたプラスミドDNAを処方するための代替法が望ましい。種々の方法が記載されてきており、新たな技術が利用可能になっている可能性がある。陽イオン性脂質、糖脂質、および融合誘導性(fusogenic)リポソームがまた、処方において使用され得る(例えば、WO 93/24640;Mannino & Gould−Fogerite,BioTechniques 6(7):682(1988);米国特許第5,279,833号;WO 91/06309;およびFelgner,ら,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 84:7413(1987)によって記載されるものを参照のこと)。さらに、まとめて、防御的相互作用性非凝集化合物(protective,interactive,non−condensing compound;PINC)といわれるペプチドおよび化合物はまた、精製したプラスミドDNAに対して複合体を形成して、安定性、筋肉内分散、または特定の器官もしくは細胞型への輸送のような変数に影響を及ぼし得る。
標的細胞感作は、ミニ遺伝子によってコードされるCTLエピトープの発現およびHLAクラスI提示についての機能的アッセイとして使用され得る。例えば、このプラスミドDNAは、標準的なCTLクロム放出アッセイについての標的として適切な哺乳動物細胞株に導入される。使用されるトランスフェクション法は、最終的な処方物に依存する。エレクトロポレーションが、「裸の」DNAに対して使用され得るのに対して、陽イオン性脂質は、インビトロトランスフェクションにおいて指向することを可能にする。緑色蛍光タンパク質(GFP)を発現するプラスミドは、蛍光活性化セルソーティング(FACS)を用いてトランスフェクトされた細胞を富化することを可能にするために同時にトランスフェクトされ得る。これらの細胞は、次いで、クロム−51(51Cr)標識され、エピトープ特異的CTL系統についての標的細胞として使用され;51Cr放出によって検出される細胞溶解は、ミニ遺伝子によってコードされるCTLエピトープの生成およびHLA提示の両方を示す。HTLエピトープの発現は、HTL活性を評価するアッセイを使用して、類似の様式において評価され得る。
インビボでの免疫原性は、ミニ遺伝子DNA処方物の機能的試験に関する第2のアプローチである。適切なヒトHLAタンパク質を発現するトランスジェニックマウスは、DNA生成物で免疫される。用量および投与経路は、処方物に依存する(例えば、PBS中のDNAに関してはIM、脂質複合体化DNAに関しては腹腔内(i.p.))。免疫して21日後、脾細胞を採取し、試験される各エピトープをコードするペプチドの存在下で1週間にわたって再刺激する。その後、CTLエフェクター細胞に関して、標準的技術を用いて、ペプチドを負荷した51Cr−標識標的細胞の細胞溶解のアッセイを行う。ペプチドエピトープ(ミニ遺伝子によってコードされるエピトープに対応する)が負荷されたHLAによって感作された標的細胞の溶解は、CTLのインビボ誘導について、DNAワクチン機能を実証する。HTLエピトープの免疫原性は、類似の様式で、トランスジェニックマウスにおいて確認される。
あるいは、この核酸は、例えば、米国特許第5,204,253号に記載されるように、衝撃送達を使用して投与され得る。この技術を使用して、DNAのみから構成される粒子が投与される。さらなる代替的実施形態において、DNAは、粒子(例えば、金粒子)に付着され得る。
ミニ遺伝子はまた、当該分野で周知の他の細菌またはウイルスによる送達系を用いて送達され得る。例えば、本発明のエピトープをコードする発現構築物が、ウイルスベクター(例えば、ワクシニア)に組み込まれ得る。
X.C.2. CTLペプチドとヘルパーペプチドとの組み合わせ
本発明のCTLペプチドを含むワクチン組成物は、望ましい属性(例えば、改善された血清半減期、拡げられた集団網羅または高められた免疫原性)を提供するために、改変され得る(例えば、アナログにされ得る)。
例えば、ペプチドがCTL活性を誘導する能力は、Tヘルパー細胞応答を誘導し得る少なくとも1つのエピトープを含む配列にこのペプチドを連結することによって、高められ得る。CTLペプチドが、Tヘルパーペプチドに直接連結され得るが、しばしば、CTLエピトープ/HTLエピトープ結合体が、スペーサー分子によって連結される。このスペーサーは、代表的には、生理学的条件下で実質的に荷電していない比較的小さな中性分子(例えば、アミノ酸またはアミノ酸模倣物)から構成される。このスペーサーは、代表的には、例えば、Ala、Gly、または非極性アミノ酸または中性極性アミノ酸の他の中性スペーサーから選択される。必要に応じて、存在するスペーサーが、必ずしも同じ残基から構成される必要はなく、よって、ヘテロオリゴマーまたはホモオリゴマーであってもよいことが理解される。存在する場合、スペーサーは、通常、少なくとも1つ以上の残基、より通常は、3〜6個の残基、およびときおり10個以上の残基である。このCTLペプチドエピトープは、Tヘルパーペプチドエピトープに、直接に、またはCTLペプチドのアミノ末端またはカルボキシ末端のいずれかでスペーサーを介して連結され得る。免疫原性ペプチドのアミノ末端またはTヘルパーペプチドのアミノ末端は、アセチル化され得る。
HTLペプチドエピトープはまた、それらの生物学的特性を変化させるために改変され得る。例えば、それらは、それらのプロテアーゼに対する耐性を増すために、従って、それらの血清半減期を延ばすために、D−アミノ酸を含むように改変され得るか、またはそれらは、それらの生物学的活性を増すために、他の分子(例えば、脂質、タンパク質、炭水化物など)に結合体化され得る。例えば、Tヘルパーペプチドは、アミノ末端またはカルボキシ末端のいずれかにおいて1個以上のパルミチン酸鎖に結合体化され得る。
X.C.3. CTLペプチドとT細胞感作薬剤との組み合わせ
いくつかの実施形態において、Bリンパ球またはTリンパ球を感作する少なくとも1つの成分を含む本発明の薬学的組成物中に含まれることが望ましい。脂質は、CTLをインビボで感作することができる薬剤であると同定された。例えば、パルミチン酸残基は、リジン残基のe−アミノ基およびα−アミノ基に結合され得、次いで、例えば、1つ以上の連結残基(例えば、Gly、Gly−Gly−、Ser、Ser−Serなど)を介して免疫原性ペプチドに連結され得る。この脂質化ペプチドは、次いで、ミセルまたは粒子中に直接投与され得るか、リポソームに組み込まれ得るか、またはアジュバント(例えば、不完全フロイントアジュバント)中に乳化され得る。好ましい実施形態において、特に有効な免疫原性組成物は、Lysのe−アミノ基およびα−アミノ基に結合されたパルミチン酸(これは、連結(例えば、Ser−Ser)を介して、免疫原性ペプチドのアミノ末端に結合されている)を含む。
CTL応答の脂質感作の別の例として、E.coliリポタンパク質(例えば、トリパルミトイル−S−グリセリルシステイニルセリル−セリン(P3CSS))が、適切なペプチドに共有結合される場合、ウイルス特異的CTLを感作するために使用され得る(例えば、Deresら,Nature 342:561,1989を参照のこと)。本発明のペプチドは、P3CSSに連結され得、例えば、リポペプチドは、標的抗原に対する免疫応答を特異的に感作するために個体に投与され得る。さらに、中和抗体の誘導がまた、P3CSS結合体化エピトープで感作され得るので、2つのこのような組成物が、体液媒介性応答および細胞媒介性応答の両方をより効率的に誘発するために組み合わされ得る。
X.C.4. CTLペプチドおよび/またはHTLペプチドが適用されたDCを含むワクチン組成物
本発明に従うワクチン組成物の一実施形態は、エピトープ保有ペプチドのカクテルを患者の血液に由来するPBMCまたは患者の血液から単離されたDCにエキソビボで投与することを包含する。DCを採取することを容易にするための医薬が使用され得、例えば、ProgenipoietinTM(Pharmacia−Monsanto,St.Louis,MO)またはGM−CSF/IL−4である。DCにペプチドを適用した後でかつ患者に再度注入する前に、このDCは、結合していないペプチドを除去するために洗浄される。この実施形態において、ワクチンは、ペプチドが適用されたDCを含み、このDCは、それらの表面上のHLA分子と複合体化した、適用されたペプチドエピトープを提示する。
このDCには、ペプチドのカクテルがエキソビボで適用され、このペプチドのいくつかは、PSCAに対するCTL応答を刺激する。必要に応じて、ヘルパーT細胞(HTL)ペプチド(例えば、天然の拘束HLAクラスIIペプチドまたは人工的に緩く拘束されたHLAクラスIIペプチド)は、CTL応答を促進するために含められ得る。従って、本発明に従うワクチンは、PSCAを発現または過剰発現する癌を処置するために使用される。
X.D.)養子免疫療法
抗原性PSCA関連ペプチドは、同様にエキソビボでCTL応答および/またはHTL応答を誘起するために使用される。得られたCTL細胞またはHTL細胞は、他の従来の型の治療に応答しないか、または本発明に従う治療用ワクチンペプチドもしくは核酸に対して応答しない患者における腫瘍を処置するために使用され得る。特定の抗原に対するエキソビボでのCTL応答またはHTL応答は、この患者の、または遺伝的に適合性のCTL前駆細胞もしくはHTL前駆細胞を、組織培養において、抗原提示細胞(APC)(例えば、樹状細胞)の供給源、および適切な免疫原性ペプチドと一緒にインキュベートすることによって誘導される。前駆細胞が活性化されかつエフェクター細胞に発展される適切なインキュベーション期間(代表的には、約7〜28日間)の後、この細胞を患者に注入して戻すと、これらの細胞は、それらの特異的標的細胞(例えば、腫瘍細胞)を破壊する(CTL)かまたはその破壊を促進する(HTL)。トランスフェクトした樹状細胞はまた、抗原提示細胞として使用され得る。
X.E.)治療目的または予防目的でのワクチン投与
本発明の薬学的組成物およびワクチン組成物は、代表的には、PSCAを発現または過剰発現する癌を処置および/または予防するために使用される。治療適用において、ペプチド組成物および/または核酸組成物は、抗原に対する有効なB細胞、CTLおよび/またはHTL応答を誘発しかつ症状および/もしくは合併症を治癒または少なくとも部分的に停止もしくは遅延させるために十分な量で、患者に投与される。このことを達成するために十分な量は、「治療上有効な用量」として規定される。この用途に有効な量は、例えば、投与される特定の組成物、投与様式、処置される疾患の病期および重篤度、患者の体重および全身の健康状態、ならびに指示する医師の判断に依存する。
薬学的組成物に関して、本発明の免疫原性ペプチド、またはこれをコードするDNAは、一般に、PSCAを発現する腫瘍を既に有する個体に投与される。このペプチドまたはこれをコードするDNAは、個々に、または1つ以上のペプチド配列の融合物として投与され得る。患者は、免疫原性ペプチドで別個に、または適切な場合、外科手術のような他の処置とともに処置され得る。
治療的用途に関して、投与は、一般に、PSCA関連癌の最初の診断において始まるべきである。この後に、少なくとも症状が実質的に和らぐまで、その一定期間にわたって、ブースティング用量が継続される。患者に送達されるワクチン組成物のこの実施形態(すなわち、ペプチドカクテル、ポリエピトープポリペプチド、ミニ遺伝子、またはTAA特異的CTLもしくは適用した樹状細胞のような実施形態が挙げられるが、これらに限定されない)は、疾患の病期または患者の健康状態(status)に従って変動し得る。例えば、PSCAを発現する腫瘍を有する患者において、PSCA特異的CTLを含むワクチンは、代替的実施形態より進行した疾患を有する患者において腫瘍細胞を死滅させることにおいてより有効であり得る。
一般に、細胞毒性T細胞応答を効率的に刺激するに十分な世紆余様式によって送達されるペプチドエピトープの量を提供することが十分である;ヘルパーT細胞応答を刺激する組成物はまた、本発明のこの実施形態に従って与えられ得る。
最初の治療的免疫のための投与量は、一般に、低い方の値が、約1μg、5μg、50μg、500μg、または1,000μgであり、高い方の値が、約10,000μg;20,000μg;30,000μg;または50,000μgである単位投与量範囲において見出される。ヒトについての投与量の値は、代表的には、70kgの患者につき、約500μg〜約50,000μgの範囲である。患者の血液から得られたCTLおよびHTLの比活性を測定することによって決定される場合、数週間〜数ヶ月間にわたるブースティングレジメンに従って、約1.0μg〜約50,000μgの間のブースティング投与量が、患者の応答および状態に依存して投与され得る。投与は、少なくとも臨床的症状または検査試験が、その新生物がその後一定期間の間に排除されたかまたは減少したことを示すまで継続されるべきである。投与量、投与経路、および投与スケジュールが、当該分野で公知の方法論に従って調節される。
特定の実施形態において、本発明のペプチドおよび組成物は、重篤な疾患病期、すなわち、生命が脅かされているかまたは潜在的に生命が脅かされる状況において使用される。このような場合、本発明の好ましい組成物中の最小量の本質的でない物質および上記ペプチドの相対的な非毒性性質の結果として、これらの述べられた投与量に対して、これらのペプチド組成物の実質的に過剰量を投与することが可能でありかつ処置している医師によって望ましいと感じられ得る。
本発明のワクチン組成物はまた、純粋に予防因子として使用され得る。一般に、初期の予防免疫のための投与量は、一般に、低い方の値が、約1μg、5μg、50μg、500μg、または1000μgであり、高い方の値が、約10,000μg;20,000μg;30,000μg;または50,000μgである単位投薬量範囲において見出される。ヒトに関する投与量の値は、代表的には、70kgの患者につき、約500μg〜約50,000μgの範囲である。この次に、ワクチンの初回投与から約4週間〜約6ヶ月後の規定された間隔において投与されるペプチドの約1.0μg〜約50,000μgの間のブースティング投与量が、続けられる。ワクチンの免疫原性は、患者血液のサンプルから得られたCTLおよびHTLの比活性を測定することによって評価され得る。
治療処置のための薬学的組成物は、非経口投与、局所投与、経口投与、経鼻投与、髄腔内投与、または局所投与(例えば、クリーム剤または軟膏剤として)について意図される。好ましくは、この薬学的組成物は、非経口的に、例えば、静脈内に、皮下に、皮内に、または筋肉内に、投与される。従って、本発明は、受容可能なキャリア、好ましくは水性キャリア中に溶解または懸濁された免疫原性ペプチドの溶液を含む、非経口投与のための組成物を提供する。
種々の水性キャリアが、使用され得る(例えば、水、緩衝化した水、0.8% 生理食塩水、0.3% グリシン、ヒアルロン酸など)。これらの組成物は、従来の周知の滅菌技術によって滅菌されてもよいし、滅菌濾過されてもよい。得られた水溶液は、そのまま使用するためにパッケージされてもよいし、凍結乾燥されてもよい。この凍結乾燥調製物は、投与前に滅菌用液と合わせられる。
この組成物は、適切な生理学的状態に必要とされる場合、薬学的に受容可能な補助物質を含み得る(例えば、pH調節剤および緩衝化剤、張度調節剤、湿潤剤、保存剤など、例えば、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエートなど)。
薬学的処方物中の本発明のペプチドの濃度は、広範に、すなわち、約0.1%未満、通常は、2%または少なくとも約2重量%〜20重量%程度ないし50重量%以上で変動し得、選択される特定の投与様式に従って、主に、流体の体積、速度などによって選択される。
組成物のヒトの単位用量形態は、代表的には、受容可能なキャリアの、一実施形態においては、水性キャリアのヒト単位用量を含む薬学的組成物中に含まれ、ヒトへこのような組成物を投与するために使用される、当業者に既知の体積/量で投与される(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第17版,A.Gennaro,編者,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania,1985を参照のこと)。例えば、初回免疫のためのペプチド用量は、70kgの患者に対して約1μg〜約50,000μg、一般に、100〜5,000μgであり得る。例えば、核酸に関しては、初回免疫は、複数部位において0.5〜5mgの量において、IMで(またはSCもしくはIDで)投与される、裸の核酸の形態である発現ベクターを使用して行われ得る。この核酸(0.1〜1000μg)はまた、遺伝子銃を用いて投与され得る。3〜4週間のインキュベーション期間後に、ブースター用量が投与される。このブースターは、5〜107〜5×109pfuの用量において投与される組換え鶏痘ウイルスであり得る。
抗体に関して、処置は、一般に、静脈内注射(IV)のような受容可能な投与経路を介した、代表的には、約0.1〜約10mg/kg体重の範囲の用量での、抗PSCA抗体調製物の反復投与を包含する。一般に、10〜500mg MAb/週の範囲の用量が有効であり、かつ十分に寛容される。さらに、約4mg/kg患者体重のIVの初期負荷投与量、続いて、1週間に約2mg/kg IVの抗PSCA MAb調製物の用量は、受容可能な投薬レジメンの代表である。当業者によって認識されるように、種々の要因が、特定の症例における理想的な用量に影響を及ぼし得る。このような要因としては、例えば、組成物の半減期、Abの結合親和性、物質の免疫原性、患者におけるPSCA発現の程度、遊離したPSCA抗原の循環の程度、望ましい定常状態の濃度レベル、処置頻度、および本発明の処置方法と合わせて使用される化学療法剤もしくは他の薬剤の影響、ならびに特定の患者の健康状態(status)。非限定的な好ましいヒトの単位用量は、例えば、500μg〜1mg、1mg〜50mg、50mg〜100mg、100mg〜200mg、200mg〜300mg、400mg〜500mg、500mg〜600mg、600mg〜700mg、700mg〜800mg、800mg〜900mg、900mg〜1g、または1mg〜700mgである。特定の実施形態において、この用量は、2〜5mg/kg体重の範囲であり、例えば、その後、1〜3mg/kgの1週間の用量;1週間の用量で、0.5mg、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg/kg体重の1週間の用量が、例えば、2週間、3週間または4週間続き;1週間の用量で、例えば、0.5〜10mg/kg体重が、2週間、3週間、または4週間続き;1週間に体表面積で、225mg m2、250mg m2、275mg m2、300mg m2、325mg m2、350mg m2、375mg m2、400mg m2;1週間に体表面積で1〜600mg m2;1週間に体表面積で225〜400mg m2;これらの用量の後に、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、19週間、11週間、12週間、または12週間以上にわたって1週間の用量が続く。
一実施形態において、ポリヌクレオチドのヒトの単位用量形態は、任意の治療効果を提供する適切な投与量範囲または有効量を含む。当業者によって認識されるように、治療効果は、多くの要因に依存し、これらの要因としては、ポリヌクレオチドの配列、ポリヌクレオチドの分子量、および投与経路が挙げられる。投与量は、一般に、当該分野で公知の種々のパラメーター(例えば、症状の重篤度、患者の病歴など)に従って、医師または他の健康管理専門家によって選択される。一般に、約20塩基のポリヌクレオチドに関して、投与量範囲は以下から、例えば、独立して選択される下限から(例えば、約0.1mg/kg、0.25mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、20mg/kg、30mg/kg、40mg/kg、50mg/kg、60mg/kg、70mg/kg、80mg/kg、90mg/kg、100mg/kg、200mg/kg、300mg/kg、400mg/kg、または500mg/kg)、独立して選択される上限(下限より大きく、約60mg/kg、80mg/kg、100mg/kg、200mg/kg、300mg/kg、400mg/kg、500mg/kg、750mg/kg、1000mg/kg、1500mg/kg、2000mg/kg、3000mg/kg、4000mg/kg、5000mg/kg、6000mg/kg、7000mg/kg、8000mg/kg、9000mg/kg、または10,000mg/kg)まで選択され得る。例えば、用量は、以下のいずれかあたりであり得る:0.1〜100mg/kg、0.1〜50mg/kg、0.1〜25mg/kg、0.1〜10mg/kg、1〜500mg/kg、100〜400mg/kg、200〜300mg/kg、1〜100mg/kg、100〜200mg/kg、300〜400mg/kg、400〜500mg/kg、500〜1000mg/kg、500〜5000mg/kg、または500〜10,000mg/kg。一般に、非経口投与経路は、罹患組織へのヌクレオチドのより直接的な適用と比較して、長さが大きくなるポリヌクレオチドがそうであるように、より高い用量のポリヌクレオチドを必要とし得る。
一実施形態において、ヒトのT細胞の単位用量形態は、任意の治療効果を提供する適切な投与量範囲または有効量を含む。当業者によって認識されるように、治療効果は、多くの要因に依存する。投与量は、一般に、当該分野で公知の種々のパラメーター(例えば、症状の重篤度、患者の病歴など)に従って、医師または他の健康管理専門家によって選択される。用量は、約104細胞〜約106細胞、約106細胞〜約108細胞、約108細胞〜約1011細胞、または約108細胞〜約5×1010細胞であり得る。用量はまた、約106細胞/m2〜約1010細胞/m2、または約106細胞/m2〜約108細胞/m2であり得る。
本発明のタンパク質、および/またはこのタンパク質をコードする核酸はまた、リポソームを介して投与され得る。このリポソームはまた、1)特定の組織(例えば、リンパ組織)にこのタンパク質を標的化する;2)疾患細胞に選択的に標的化する;または3)to increase ペプチド組成物の半減期を増大させる、ように働き得る。リポソームは、エマルジョン、発泡体(foam)、ミセル、不溶性単層、脂質結晶、リン脂質分散物、ラメラ層などを含む。これらの調製物において、送達されるペプチドは、リポソームの一部として、単独で、またはリンパ細胞の中で優勢なレセプターに結合する分子(例えば、CD45抗原に結合するモノクローナル抗体)または他の治療用組成物もしくは免疫原性組成物と組み合わせて、組み込まれる。従って、望ましい本発明のペプチドが満たされるかまたは修飾されるかのいずれかのリポソームは、リンパ球の部位へと指向され得、ここでリポソームは、ペプチド組成物を送達する。本発明に従う使用のためのリポソームは、標準的な小胞形成脂質(これは、一般に、中性リン脂質および負に荷電したリン脂質およびステロール(例えば、コレステロール)を含む)から形成される。脂質の選択は、一般に、例えば、リポソームの大きさ、酸に対する不安定性、および血中でのリポソームの安定性の考慮事項によってガイドされる。種々の方法が、例えば、Szokaら,Ann.Rev.Biophys.Bioeng.9:467(1980)、および米国特許第4,235,871号、同第4,501,728号、同第4,837,028号および同第5,019,369号において記載されるように、リポソームを調製することに利用される。
免疫系の細胞を標的とするために、リポソームへ組み込まれるリガンドとしては、例えば、望ましい免疫系細胞の細胞表面決定基に対して特異的な抗体またはそのフラグメントが挙げられる。ペプチドを含むリポソーム懸濁液は、とりわけ、投与様式、送達されるペプチド、および処置されている疾患の病期に従って変動する用量において、静脈内に、局所的に(locally)、局所的に(topically)など、投与され得る。
固体組成物に関して、従来の非毒性固体キャリアが使用され得る。これらのキャリアとしては、例えば、薬学等級のマンニトール、ラクトース、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、セルロース、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウムなどが挙げられる。経口投与のために、薬学的に受容可能な非毒性組成物が、通常使用される賦形剤(例えば、上記に列挙されているキャリア)および一般に、活性成分(すなわち、本発明の1種以上のペプチド)を10〜95%(およびより好ましくは、25%〜75%の濃度で)を組み込むことによって形成される。
エアロゾル投与のために、免疫原性ペプチドは、好ましくは、界面活性剤およびプロペラントと一緒に、微細に分割された形態において供給される。ペプチドの代表的なパーセンテージは、約0.01重量%〜20重量%、好ましくは約1重量%〜10重量%である。界面活性剤は、当然のことながら、非毒性出なければならず、より好ましくは、プロペラント中で可溶性でなければならない。このような因子の代表は、脂肪族多価アルコールまたはその環状無水物との約6〜22個の炭素原子を含む脂肪酸(例えば、カプロン酸、オクタン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、オレステリン酸(olesteric acid)およびオレイン酸など)のエステルもしくは部分エステルである。混合エステル(例えば、混合グリセリドまたは天然グリセリド)が使用され得る。界面活性剤は、組成物の約0.1重量%〜20重量%、好ましくは、約0.25〜5重量%を構成し得る。この組成物のバランスは、通常はプロペラントである。キャリアがまた、例えば、経鼻送達のためのレシチンのように、望ましい場合には含まれ得る。
XI.)PSCAの診断実施形態および予後実施形態
本明細書で開示されるように、PSCAポリヌクレオチド、PSCAポリペプチド、PSCA反応性細胞毒性T細胞(CTL)、PSCA反応性ヘルパーT細胞(HTL)および抗PSCAポリペプチド抗体が、無調節になった細胞増殖(例えば、癌、特に表Iに列挙されている癌(例えば、組織発現のその特定のパターンおよび例えば、実施例標題「正常組織、および患者標本におけるPSCAの発現分析」において記載されるような特定の癌における過剰発現の両方を参照のこと))と関連する状態を試験する、周知の診断アッセイ、予後アッセイ、および治療アッセイにおいて使用され得る。
PSCAは、前立腺関連抗原PSA(前立腺癌の存在を同定およびミニターするために長年にわたって医者によって使用されてきた典型的なマーカー)と類似であり得る(例えば、Merrillら,J.Urol.163(2):503−5120(2000);Polascikら,J.Urol.Aug;162(2):293−306(1999)およびFortierら,J.Nat.Cancer Inst.91(19):1635−1640(1999)を参照のこと)。種々の他の診断マーカーはまた、p53およびK−rasを含む類似の状況において使用される(例えば、Tulchinskyら,Int J Mol Med 1999 Jul 4(1):99−102およびMinimotoら,Cancer Detect Prev 2000;24(1):1−12を参照のこと)。従って、PSCAポリヌクレオチドおよびPSCAポリペプチド(ならびにこれらの分子の存在を同定するために使用されるPSCAポリヌクレオチドプローブおよび抗PSCA抗体)およびこれらの特性の開示は、当業者が、例えば、癌と関連する状態の試験に関する種々の診断アッセイにおいて使用されるものと類似の方法においてこれらの分子を利用することを可能にする。
PSCAポリヌクレオチド、PSCAポリペプチド、PSCA反応性T細胞およびPSCA抗体を利用する診断方法の代表的実施形態は、例えば、PSAポリヌクレオチド、PSAポリペプチド、PSA反応性T細胞およびPSA抗体を使用する、十分に確立された診断アッセイからの方法と類似である。例えば、PSA過剰発現または前立腺癌の転移をモニターする方法において、PSA mRNAの存在および/またはレベルを観察するために、PSAポリヌクレオチドがプローブとして(例えば、ノーザン分析において(例えば、Shariefら,Biochem.Mol.Biol.Int.33(3):567−74(1994)を参照のこと))およびプライマーとして(例えば、PCR分析において(例えば、Okegawaら,J.Urol.163(4):1189−1190(2000)を参照のこと))使用されるのと同じように、本明細書に記載されるPSCAポリヌクレオチドは、PSCA過剰発現または前立腺の転移ならびにこの遺伝子を発現する他の癌を検出するために、同じ方法において利用され得る。あるいは、PSAポリペプチドが、PSAタンパク質過剰発現をモニターする方法(例えば、Stephanら,Urology 55(4):560−3(2000)を参照のこと)または前立腺細胞の転移(例えば、Alanenら,Pathol.Res.Pract.192(3):233−7(1996)を参照のこと)をモニターする方法において、PSAタンパク質の存在および/またはレベルを観察するために使用され得る、PSAに対して特異的な抗体を生成するために、使用されるのと同じように、本明細書に記載のPSCAポリペプチドも、PSCA過剰発現、または前立腺細胞およびこの遺伝子を発現する他の癌の細胞の転移を検出することにおいて使用するための抗体を生成するために、利用され得る。
具体的には、転移は、起源器官(例えば、肺または前立腺など)から身体の異なる領域(例えば、リンパ節)への癌細胞の移動を要するので、PSCAポリヌクレオチドおよび/またはPSCAポリペプチドを発現する細胞の存在について生物学的サンプルを試験するアッセイが、転移の証拠を提供するために使用され得る。例えば、when PSCA発現細胞を通常含まない組織(リンパ節)からの生物学的サンプルが、PSCA発現細胞(例えば、それぞれ、リンパ節および骨転移から単離された異種移植片である、LAPC4およびLAPC9において認められるPSCA発現)を含むことが分かった場合、この発見は、転移を示す。
あるいは、例えば、通常PSCAを発現しないかまたは異なるレベルでPSCAを発現する生物学的サンプル中の細胞が、PSCAを発現するかまたは増大したPSCA発現を有する(例えば、添付の図面において示される、表Iに列挙された癌および患者サンプルなどにおけるPSCA発現を参照のこと)ことが分かった場合、PSCAポリヌクレオチドおよび/またはPSCAポリペプチドが、癌の証拠を提供するために使用され得る。このようなアッセイにおいて、当業者は、生物学的サンプルを、(PSCAに加えて)PSA、PSCAなどのような第2の組織拘束マーカーの存在について試験することによって、転移の補助的な証拠を得ることを望み得る(例えば、Alanenら,Pathol.Res.Pract.192(3):233−237(1996)を参照のこと)。
組織切片内のPSCAポリペプチドの存在を同定するために免疫組織化学を利用すると、その組織内の特定の細胞の変化した状態が示され得る。抗体が、癌細胞において発現されるポリペプチドの位置を突き止める能力は、疾患、疾患の病期、進行および/または腫瘍攻撃性の存在を診断する方法であることが、当該分野で十分に理解されている。このような抗体はまた、対応する非悪性組織と比較して、癌細胞内のポリペプチドの変化した分布を検出し得る。
PSCAポリペプチドおよび免疫原性組成物はまた、疾患状態(state)における変化した細胞下タンパク質位置の現象に鑑みると、有用である。正常から疾患状態(state)までの細胞の変化は、細胞形対において変化を引き起こし、しばしば、細胞下タンパク質の位置/分布における変化と関連する。例えば、正常細胞において偏った様式(polarized manner)で発現される細胞膜タンパク質は、疾患によって変化し得、細胞表面全体にわたって、偏っていない様式(non−polar manner)でのタンパク質の分布を生じる。
疾患状態(state)における変化した細胞下タンパク質の位置の現象は、免疫組織化学的手段の使用によって、MUC1タンパク質発現およびHer2タンパク質発現とともに実証された。正常上皮細胞は、糖タンパク質のいくらの核上の位置に加えて、MUC1の代表的な先端分布を有するのに対して、悪性の病変部は、しばしば、無極の染色パターンを示す(Diazら,The Breast Journal,7;40−45(2001);Zhangら,Clinical Cancer Research,4;2669−2676(1998):Caoら,The Journal of Histochemistry and Cytochemistry,45:1547−1557(1997))。さらに、正常乳房上皮は、Her2タンパク質に対して陰性であるかまたは基底外側分布のみを示すのに対して、悪性細胞は、細胞表面全体にわたってタンパク質を発現し得る(De Potterら,International Journal of Cancer,44;969−974(1989):McCormickら,117;935−943(2002))。あるいは、タンパク質の分布は、罹患状態(state)における散在性の細胞質発現を含むように表面のみの位置から変化し得る。このような例は、MUC1(Diazら,The Breast Journal,7:40−45(2001))で認められ得る。
免疫組織化学法によって検出される場合、細胞中のタンパク質の位置/分布における変化はまた、特定の処置様式の都合に関する価値ある情報を提供し得る。この最後の点は、タンパク質が正常組織において細胞内に存在し得るが、悪性細胞において細胞表面に存在得る状況によって例示される;細胞表面位置は、その細胞を、抗体ベースの診断レジメンおよび処置レジメンに都合よく反応しやすくする。タンパク質位置のこのような変化は、PSCAに関して存在する場合、このPSCAタンパク質およびこれに関する免疫応答は、非常に有用である。従って、細胞下タンパク質位置の変化が24P4C12について存在するか否かを決定する能力によって、PSCAタンパク質およびこれに関する免疫応答が非常に有用になる。PSCA組成物の使用によって、当業者が、重要な診断決定および治療決定を行うことが可能になる。
PSCAに対して特異的な免疫組織化学試薬はまた、このポリペプチドが、PSCAが通常は生成されない組織において見られる場合にPSCAを発現する腫瘍の転移を堅守するために有用である。
従って、PSCAポリペプチドおよびこれに対する免疫応答から生じる抗体は、当業者に公知の診断目的、予後目的、予防目的および/または治療目的のような種々の重要な状況において 有用である。
PSAポリヌクレオチドフラグメントおよびPSCAポリヌクレオチド改変体が、PSAをモニターする方法において使用するために、当業者によって使用されるのと同じように、PSCAポリヌクレオチドフラグメントおよびPSCAポリヌクレオチド改変体は、類似の様式において使用される。特に、PSAをモニターする方法において使用される代表的なPSAポリヌクレオチドは、PSA cDNA配列のフラグメントからなるプローブまたはプライマーである。これを例示すると、PSAポリヌクレオチドをPCR増幅するために使用されるプライマーは、ポリメラーゼ連鎖反応において機能するように、完全PSA配列未満のものを含まなければならない。このようなPCR反応の状況において、当業者は、一般に、目的のポリヌクレオチドの異なる部分を増幅するために、または増幅反応を最適化するために、プライマーとして使用され得る種々の異なるポリヌクレオチドフラグメントを作り出す(例えば、Caetano−Anolles,G.Biotechniques 25(3):472−476、478−480(1998);Robertsonら,Methods Mol.Biol.98:121−154(1998)を参照のこと)。このようなフラグメントの使用のさらなる例は、実施例標題「正常組織および患者標本におけるPSCAの発現分析」において提供され、ここでPSCAポリヌクレオチドフラグメントは、癌細胞におけるPSCA RNAの発現を示すために、プローブとして使用される。さらに、改変ポリヌクレオチド配列は、代表的には、PCRおよびノーザン分析において対応するmRNAに対するプライマーおよびプローブとして使用される(例えば、Sawaiら,Fetal Diagn.Ther.1996 Nov−Dec 11(6):407−13およびCurrent Protocols In Molecular Biology,Volume 2,Unit 2,Frederick M.Ausubelら編,1995)を参照のこと)。ポリヌクレオチドフラグメントおよびポリヌクレオチド改変体は、それらが標的ポリヌクレオチド配列(例えば、図1に示されるPSCAポリヌクレオチドまたはその改変体)に高ストリンジェンシー条件下で結合し得るこの状況において有用である。
さらに、エピトープに特異的に結合する抗体またはT細胞によって認識され得る、このようなエピトープを含むPSAポリペプチドは、PSAをモニターする方法において使用される。PSCAポリペプチドフラグメントおよびPSCAポリペプチドアナログもしくは改変体はまた、類似の様式で使用され得る。抗体(例えば、抗PSA抗体もしくは抗PSA T細胞)を生成するために、ポリペプチドフラグメントまたはポリペプチド改変体を使用するというこの実施は、広く種々の系(例えば、融合タンパク質が、当業者によって使用される)において当該分野で代表的である(例えば、Current Protocols In Molecular Biology,Volume 2,Unit 16,Frederick M.Ausubelら編,1995を参照のこと)。この状況において、各エピトープは、抗体またはT細胞が反応性である構造物を提供するように機能する。代表的には、当業者は、目的のポリペプチドの異なる部分に特異的な免疫応答を生成するために使用され得る種々の異なるポリペプチドフラグメントを作り出す(例えば、米国特許第5,840,501号および同第5,939,533号を参照のこと)。例えば、下記で議論されるPSCA生物学的モチーフまたは当該分野で利用可能なモチーフに基づいて、当業者によって容易に同定されるモチーフ保有部分配列のうちの1つを含むポリペプチドを利用することは、好ましいことであり得る。ポリペプチドフラグメント、改変体またはアナログは、代表的には、これらが、標的ポリペプチド配列(例えば、図1に示されるPSCAポリペプチド)に対して特異的な抗体またはT細胞を生成することができるエピトープを含む限りにおいて、この状況において有用である。
本明細書で示されるように、PSCAポリヌクレオチドおよびPSCAポリペプチド(ならびにこれらの分子の存在を同定するために使用されるPSCAポリヌクレオチドプローブおよび抗PSCA抗体または抗PSCA T細胞)は、これが表Iに列挙されるような癌を診断することにおいて有用になる特定の特性を示す。本明細書で記載される疾患状態(condition)(例えば、前立腺癌)の存在または開始を評価するために、PSCA遺伝子産物の存在を測定する診断アッセイは、PSAでそのように首尾よく行われてきたように、予防手段またはさらなるモニタリングについて、患者を同定するために使用される。さらに、これらの物質は、例えば、前立腺起源の転移の明確な診断が、PSA単独についての試験に基づいてできず(例えば、Alanenら,Pathol.Res.Pract.192(3):233−237(1996)を参照のこと)、そして結果的に、PSCAポリヌクレオチドおよびPSCAポリペプチド(ならびにこれらの分子の存在を同定するために使用されるPSCAポリヌクレオチドプローブおよび抗PSCA抗体)のような物質が、前立腺起源の転移を確認するために使用される必要がある状況において、PSAと類似のまたはこれを補完する特性を有する分子が、当該分野における必要性を満たす。
最後に、診断アッセイにおけるそれらの使用に加えて、本明細書に開示されるPSCAポリヌクレオチドは、多くの他の有用性(例えば、PSCA遺伝子がマップされる(以下の実施例標題「PSCAの染色体マッピング」を参照のこと)染色体領域における腫瘍形成関連染色体異常の同定での使用)を有する。さらに、診断アッセイにおけるそれらの使用にくわえて、本明細書に開示されるPSCA関連タンパク質およびPSCA関連ポリヌクレオチドは、他の有用性(例えば、未知の起源の組織の法医学的分析におけるそれらの用途)を有する(例えば、Takahama K Forensic Sci Int 1996 Jun 28;80(1−2):63−9を参照のこと)。
さらに、本発明のPSCA関連タンパク質またはPSCA関連ポリヌクレオチドは、PSCAの過剰発現によって特徴づけられる病的状態(condition)を処置するために使用され得る。例えば、図1のアミノ酸配列または核酸配列、それらのいずれかのフラグメントは、PSCA抗原に対する免疫応答を生成するために使用され得る。PSCAと反応する抗体または他の分子は、この分子の機能を調節するために使用され得、それによって治療上の利益を提供し得る。
(XII.PSCAタンパク質機能の阻害)
本発明は、PSCAのその結合パートナーへの結合またはPSCAの他のタンパク質との会合を阻害するための種々の方法および組成物、ならびにPSCA機能を阻害するための方法を包含する。
(XII.A.細胞内抗体を用いたPSCAの阻害)
1つのアプローチにおいて、PSCAに特異的に結合する単鎖抗体をコードする組み換えベクターが、遺伝子移入技術を介してPSCA発現細胞内に導入する。従って、コードされる単鎖抗PSCA抗体が、細胞内で発現され、PSCAタンパク質に結合し、それによってその機能を阻害する。そのような細胞内単鎖抗体を設計する方法は、周知である。そのような細胞内抗体(「イントラボディ(intrabody)としてもまた公知」)は、細胞内の特定の区画に対して特異的に標的化され、このことによって活性阻害処置が集中される場所を制御する。この技術は、当該分野に首尾よく適用されている(総説としては、RichardsonおよびMarasco,1995,TIBTECH 第13巻を参照のこと)。イントラボディは、そうでなければ豊富な細胞表面レセプターの発現を実質的に排除することが示されている。(例えば、Richardsonら、1995,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:3137−3141;Beerliら、1994,J.Biol.Chem.289:23931−23936;Deshaneら、1994,Gene Ther.1:332−337を参照のこと)。
単鎖抗体は、柔軟なリンカーポリペプチドによって結合された重鎖および軽鎖からなる可変ドメインを含み、単一のポリペプチドとして発現される。必要に応じて、単鎖抗体は、軽鎖定常領域に結合された単鎖可変領域フラグメントとして発現される。イントラボディを所望の細胞内区画に正確に標的化させるために、周知の細胞内トラフィッキング(trafficking)シグナルがそのような単鎖抗体をコードする組み換えポリヌクレオチドベクター内に設計する。例えば、小胞体(ER)に標的化されたイントラボディは、リーダーペプチド、および必要に応じてC末端ER保持シグナル(例えば、KDELアミノ酸モチーフ)を組み込むように設計される。核において活性を発揮するように意図されたイントラボディは、核局在化シグナルを含むように設計される。イントラボディを細胞膜の細胞質側に係留するために、脂質部分がイントラボディに結合される。イントラボディはまた、サイトゾルにおいて機能を発揮するように標的化され得る。例えば、サイトゾルイントラボディが、サイトゾル内の因子を隔離し、それによってその因子が元々の細胞内での目的地へ輸送されることを防ぐために使用される。
一実施形態において、イントラボディは、核内でPSCAを捕捉し、それによってPSCAの核内での活性を防ぐために使用される。所望の標的化を達成するために、核標的化シグナルがそのようなPSCAイントラボディ内に設計される。そのようなイントラボディは、特定のPSCAドメインに特異的に結合するように設計される。別の実施形態において、PSCAタンパク質に特異的に結合するサイトゾルイントラボディが、PSCAが核へのアクセスを獲得し、それによってPSCAが核内で任意の生物学的活性を発揮するのを防ぐ(例えば、PSCAが他の因子と転写複合体を形成するのを防ぐ)ために使用される。
そのようなイントラボディの発現を特定の細胞に特異的に向けるために、そのイントラボディの転写が、適切な腫瘍特異的プロモーターおよび/またはエンハンサーの調節的制御下に置かれる。例えば、イントラボディ発現を前立腺に特異的に標的化するために、PSAプロモーターおよび/またはプロモーター/エンハンサーが使用され得る (例えば、1999年7月6日に特許されたに米国特許第5,919,652号を参照のこと)。
(XII.B.組み換えタンパク質によるPSCAの阻害)
別のアプローチにおいて、組み換え分子がPSCAに結合し、それによってPSCA機能を阻害する。例えば、これらの組み換え分子は、PSCAがその結合パートナーにアクセス/結合すること、または他のタンパク質と会合することを防ぐかまたは阻害する。そのような組み換え分子は、例えば、PSCA特異的抗体分子の反応性部分を含み得る。特定の実施形態において、PSCA結合パートナーのPSCA結合ドメインが二量体の融合タンパク質内に設計され、それによってこの融合タンパク質はヒトIgG(例えば、ヒトIgG1)のFc部分に連結された2つのPSCAリガンド結合ドメインを含む。そのようなIgG部分は、例えばCH2ドメインおよびCH3ドメインならびにヒンジ領域を含むが、CH1ドメインは含まない。そのような二量体融合タンパク質は、PSCAの発現に関連する癌に罹患している患者に可溶性形態で投与され、それによってその二量体タンパク質がPSCAに特異的に結合し、PSCAの結合パートナーとの相互作用をブロックする。そのような二量体融合タンパク質はさらに、公知の抗体連結技術を使用して多量体タンパク質と組み合わされる。
(XII.C.PSCAの転写または翻訳の阻害)
本発明はまた、PSCA遺伝子の転写を阻害するための種々の方法および組成物を包含する。同様に、本発明はまた、PSCA mRNAのタンパク質への翻訳を阻害するための方法および組成物を提供する。
1つのアプローチにおいて、PSCAの転写を阻害する方法は、PSCA遺伝子をPSCAアンチセンスポリヌクレオチドと接触させる工程を包含する。別のアプローチにおいて、PSCA mRNAの翻訳を阻害する方法は、PSCA mRNAをアンチセンスポリヌクレオチドと接触させる工程を包含する。別のアプローチにおいて、PSCA特異的リボザイムが、PSCAメッセージを切断し、それによって翻訳を阻害するために使用される。そのようなアンチセンスおよびリボザイムベースの方法はまた、PSCA遺伝子(例えば、PSCAプロモーターおよび/またはエンハンサーエレメント)の調節領域にも適用され得る。同様に、PSCA遺伝子転写因子を阻害し得るタンパク質は、PSCA mRNA転写を阻害するために使用される。上述の方法において有用な種々のポリヌクレオチドおよび組成物は、上で説明されている。転写および翻訳を阻害するためのアンチセンスおよびリボザイム分子の使用は、当該分野において周知である。
PSCA転写活性化因子に干渉することによってPSCAの転写を阻害する他の因子はまた、PSCAを発現している癌を処置するためにも有用である。同様に、PSCAプロセッシングに干渉する因子が、PSCAを発現する癌の処置に有用である。そのような因子を使用する癌の処置方法もまた、本発明の範囲内にある。
(XII.D.治療戦略のための一般的な考慮事項)
遺伝子移入および遺伝子治療技術は、PSCAを合成している腫瘍細胞へ治療的ポリヌクレオチド(すなわち、アンチセンス、リボザイム、イントラボディをコードするポリヌクレオチドおよび他のPSCA阻害分子)を送達するために使用され得る。多数の遺伝子治療アプローチが、当該分野において公知である。PSCAアンチセンスポリヌクレオチド、リボザイム、PSCA転写に干渉し得る因子などをコードする組み換えベクターが、そのような遺伝子治療アプローチを使用して腫瘍細胞を標的化するために送達され得る。
上記治療アプローチは、広範に種々の外科的、化学療法的または放射線治療的レジメンのうちの任意の1つと併用され得る。本発明の治療的アプローチは、化学療法(または他の治療)の減少した用量および/または低頻度の投与での使用を可能にし得る。これは、全ての患者に対して、特に化学療法剤の毒性に十分に耐性ではない患者に対して利点である。
特定の組成物(例えば、アンチセンス、リボザイム、イントラボディ)またはそのような組成物の組み合わせの抗腫瘍活性は、種々のインビトロアッセイ系およびインビボ活性系を使用して評価され得る。治療活性を評価するインビトロアッセイとしては、細胞増殖アッセイ、軟寒天アッセイおよび腫瘍促進活性の指標となる他のアッセイ、治療組成物がPSCAの結合パートナーへの結合を阻害する程度を決定し得る結合アッセイなどが挙げられる。
インビボでは、PSCA治療組成物の効果が、適した動物モデルにおいて評価され得る。例えば、異種前立腺癌モデルが使用され得、ここでヒト前立腺癌外植片または継代された異種移植片組織が免疫障害マウス(例えば、ヌードマウスまたはSCIDマウス)に導入される(Kleinら、1997,Nature Medicine 3:402−408)。例えば、PCT特許出願WO98/16628および米国特許第6,107,540号は、原発腫瘍、微小転移巣、および後期疾患の特徴である造骨性転移の形成の発症を繰り返すことができるヒト前立腺癌の異種移植片モデルを記載する。腫瘍形成、腫瘍退行または転移などを測定するアッセイを使用して、効力が予測され得る。
アポトーシスの促進を評価するインビボアッセイは、治療組成物の評価において有用である。一実施形態において、治療組成物で処置された腫瘍保持マウス由来の異種移植片が、アポトーシス巣の存在について試験され得、未処置のコントロールの異種移植片保持マウスと比較され得る。処置されたマウスの腫瘍においてアポトーシス巣が見られる程度は、上記組成物の治療効果の指標を提供する。
上述の方法の実施において使用される治療組成物は、所望の送達方法のために適したキャリアを含む薬学的組成物に処方され得る。適したキャリアは、その治療組成物と組み合わされた場合にその治療組成物の抗腫瘍機能を維持し、患者の免疫系と一般に非反応性である任意の材料を含む。例としては、任意の多数の標準的薬学的キャリア(例えば、滅菌リン酸緩衝化生理食塩水溶液、静菌水など)が挙げられるが、これらに限定されない(一般的に、Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th Edition,A.Osal編、1980を参照のこと)。
治療処方物は可溶化され、その治療組成物を腫瘍部位に送達することができる任意の経路を介して投与され得る。投与の潜在的に効率的な経路としては、静脈内、非経口、腹腔内、筋肉内、腫瘍内、皮内、臓器内、同所などが挙げられるが、これらに限定されない。静脈注射のために好ましい処方物は、保存静菌水、滅菌非保存水の溶液中にその治療組成物を含み、そして/または0.9%の滅菌注射用塩化ナトリウム(USP)を含む塩化ポリビニルまたはポリエチレンバッグにおいて希釈される。治療タンパク質調製物は、凍結乾燥され、滅菌粉末として(好ましくは、真空下で)保管され、次いで注射前に静菌水(例えば、ベンジルアルコール保存料を含む)または滅菌水において再構成される。
上述の方法を使用した癌の処置のための用量および投与プロトコルは、その方法および標的の癌によって異なり、一般に、当該分野において認識される多数の他の因子に依存する。
(XIII.PSCAのモジュレータの同定、特徴付けおよび使用)
(モジュレータを同定および使用する方法)
一実施形態において、特定の発現プロフィールを誘導または抑制し、特定のパスウェイを抑制または誘導し、好ましくはそれによって関連する表現型を生成するモジュレータを同定するために、スクリーニングが実施される。別の実施形態において、特定の状態において重要な差示的に発現した遺伝子を同定する場合、個々の遺伝子の発現を改変する(増加させるかまたは減少させるかのいずれか)モジュレータを同定するために、スクリーニングが実施される。別の実施形態において、示差的に発現した遺伝子の発現産物の生物学的機能を改変するモジュレータを同定するために、スクリーニングが実施される。再度、特定の状態において遺伝子の重要性が同定されている場合、結合し、そして/またはその遺伝子産物の生物学的活性を調節する因子を同定するために、スクリーニングが実施される。
さらに、候補因子に応答して誘導される遺伝子に対して、スクリーニングが行われる。モジュレータ(癌の発現パターンを抑制して正常の発現パターンを導くモジュレータ、または正常組織のような遺伝子の発現を導く癌遺伝子のモジュレータ)を同定した後、上記因子に応答して特異的に調節される遺伝子を同定するために、スクリーニングが実施される。正常組織と因子で処置された癌組織との間の発現プロフィールの比較により、正常組織または癌組織において発現していないが、因子で処置された組織で発現している(または、その逆)遺伝子が明らかになる。これらの因子特異的な配列が同定され、癌遺伝子またはタンパク質のための本明細書中に記載される方法によって使用される。特に、これらの配列およびその配列がコードするタンパク質は、因子で処理された細胞をマーキングまたは同定するのに使用される。さらに、抗体が因子で誘導されたタンパク質に対して惹起され、処置された癌組織サンプルに対する新規の治療剤を標的化するのに使用される。
(モジュレータ関連同定およびスクリーニングアッセイ)
(遺伝子発現関連アッセイ)
本発明のタンパク質、核酸および抗体は、スクリーニングアッセイにおいて使用される。癌関連タンパク質、抗体、核酸、修飾タンパク質およびこれらの配列を含む細胞が、ポリペプチドの発現プロフィールである「遺伝子発現プロフィール」または生物学的機能の改変についての候補薬物の効果を評価するようなスクリーニングアッセイにおいて使用される。一実施形態において、発現プロフィールが使用され、好ましくは、候補因子で処置された後の遺伝子発現プロフィールのモニタリングを可能にするハイスループットスクリーニング技術と組み合わされる。(例えば、Davis,GFら、J Biol Screen 7:69(2002);Zlokarnikら、Science 279:84−8(1998);Heid,Genome Res 6:986−94,1996を参照のこと)。
ネイティブな癌タンパク質もしくはネイティブな癌遺伝子または改変された癌タンパク質もしくは改変された癌遺伝子を含む、癌タンパク質、抗体、核酸、改変タンパク質および細胞が、スクリーニングアッセイにおいて使用される。すなわち、本発明は、本発明の癌タンパク質の癌表現型または物理学的機能を調節する組成物をスクリーニングするための方法を包含する。これは、遺伝子それ自体に対して行われるか、または「遺伝子発現プロフィール」もしくは生物学的機能に対する候補薬物の効果を評価することによって行われる。一実施形態において、発現プロフィールが使用され、好ましくは、候補因子での処置後のモニタリングを可能にするためのハイスループットスクリーニングと組み合わせて使用される(Zlokamik、上述を参照のこと)。
種々のアッセイが、本発明の遺伝子およびタンパク質に関して実施される。アッセイは、個々の核酸またはタンパク質レベルについて行われる。すなわち、特定の遺伝子を癌においてアップレギュレートしていると同定した後、遺伝子発現を調節する能力または本発明の癌タンパク質への結合について、試験化合物がスクリーニングされる。本明細書中の文脈における「調節」とは、遺伝子発現における増加または減少を包含する。調節の好ましい量は、正常の組織対癌に罹患している組織の遺伝子発現の元々の変化に依存し、少なくとも10%の変化であり、好ましくは50%、より好ましくは100〜300%、そしていくつかの実施形態では、300〜1000%以上である。従って、遺伝子が正常組織に対して癌組織において4倍の増加を示す場合、約4倍の減少がしばしば所望され;同様に、正常組織に対して癌組織において10倍減少している場合は、試験化合物による10倍の増加の目標値がしばしば所望される。癌組織において見られる遺伝子発現の型を悪化させるモジュレータもまた、例えばさらなる分析におけるアップレギュレートされた標的として、有用である。
遺伝子発現の量は、核酸プローブおよび遺伝子発現レベルの定量を使用してモニタリングされるか、あるいは遺伝子産物自体が、例えば癌タンパク質に対する抗体および標準的な免疫アッセイの使用によりモニタリングされる。プロテオミクスおよび分離技術により、発現の定量が可能になる。
(遺伝子発現を調節する化合物を同定するための発現モニタリング)
一実施形態において、遺伝子発現モニタリング(すなわち、発現プロフィール)が、多数の実体に対して同時にモニタリングされる。そのようなプロフィールは、代表的に、1つ以上の図1の遺伝子を包含する。この実施形態において、癌の核酸プローブがバイオチップに付着され、特定の細胞における癌配列を検出および定量する。あるいは、PCRが使用され得る。このようにして、一連の、例えばマイクロタイターウェルのプレートが、所望のウェルにおいて分注されたプライマーと一緒に使用され得る。次いでPCR反応が実施され、各ウェルに対して分析される。
発現モニタリングは、1つ以上の癌関連配列(例えば、図1に列挙されているポリヌクレオチド配列)の発現を変更する化合物を同定するために実施される。一般的に、分析の前に、試験モジュレータが細胞に加えられる。さらに、癌を調節するか、本発明の癌タンパク質を調節するか、本発明の癌タンパク質に結合するか、または本発明の癌タンパク質と抗体または他の結合パートナーとの結合を妨害する因子を同定するために、スクリーニングもまた提供される。
一実施形態において、ハイスループットスクリーニング法は、多数の潜在的治療化合物(候補化合物)を含むライブラリを提供する工程を包含する。次いでそのような「コンビナトリアル化学ライブラリ」が1つ以上のアッセイにおいてスクリーニングされ、所望の独特の活性を示すライブラリメンバー(具体的な化学種またはサブクラス)を同定する。このようにして同定された化合物は、従来の「リード化合物」としてか、スクリーニング用の化合物としてか、または治療剤として機能し得る。
特定の実施形態において、潜在的モジュレータのコンビナトリアルライブラリが、癌ポリペプチドに結合する能力または活性を調節する能力についてスクリーニングされる。従来は、有用な特性を有する新規化学物質は、いくつかの望ましい特性または活性(例えば、活性を阻害する)を有する化合物(「リード化合物」と呼ばれる)を同定し、そのリード化合物の改変体を作製し、そしてそれら改変体化合物の特性および活性を評価することによって生成されている。しばしば、ハイスループットスクリーニング(HTS)法が、そのような分析のために使用される。
上述のように、遺伝子発現モニタリングは、候補モジュレータ(例えば、タンパク質、核酸または低分子)を試験するために慣習的に使用されている。候補因子が添加され、細胞が一定期間インキュベートされた後、標的配列を含むサンプルが、例えばバイオチップに加えられて分析される。
必要とされる場合は、上記標的配列が、公知の技術を使用して調製される。例えば、サンプルが処理されて、公知の溶解緩衝液、エレクトロポレーションなどを使用して細胞を溶解し、精製し、そして/または増幅(例えば、適切に実施されるPCR)する。例えば、ヌクレオチドに共有結合された標識と一緒にインビトロ転写が実施される。一般的に、核酸は、ビオチン−FITCもしくはPEで、またはcy3もしくはcy5で標識される。
標的配列は、例えば、蛍光シグナル、化学発光シグナル、化学的シグナルまたは放射能シグナルで標識され得、標的配列のプローブへの特異的結合を検出する手段を提供し得る。この標識は、酵素(例えば、アルカリホスファターゼまたは西洋ワサビペルオキシダーゼ)であり得る。この酵素は、適切な基質を提供されると、検出される産物を産生する。あるいは、この標識は、結合するが酵素によって触媒または改変されない標識化合物または低分子(例えば、酵素インヒビター)である。この標識はまた、ストレプトアビジンに特異的に結合する部分または化合物(例えば、エピトープタグまたはビオチン)であり得る。ビオチンの例では、ストレプトアビジンが上述のように標識され、それによって結合した標的配列についての検出可能なシグナルを提供する。結合していない標識ストレプトアビジンは、代表的に、分析の前に除去される。
当業者には明白なように、これらのアッセイは、直接的ハイブリダイゼーションアッセイであってもよいし、「サンドイッチアッセイ」を含んでもよい。この「サンドイッチアッセイ」は、多数のプローブの使用を包含し、米国特許第5,681,702号;同第5,597,909号;同第5,545,730号;同第5,594,117号;同第5,591,584号;同第5,571,670号;同第5,580,731号;同第5,571,670号;同第5,591,584号;同第5,624,802号;同第5,635,352号;同第5,594,118号;同第5,359,100号;同第5,124,246号;および同第5,681,697号に概説される。この実施形態においては、一般的に、標的核酸は上で概説したように調製され、次いで複数の核酸プローブを含むバイオチップに、ハイブリダイゼーション複合体の形成を可能にする条件下で加えられる。
種々のハイブリダイゼーション条件が、本発明において使用される。この条件としては、上述のような高ストリンジェンシー条件、中ストリンジェンシー条件および低ストリンジェンシー条件が挙げられる。このアッセイは、一般的に、標的の存在下でのみ標識プローブハイブリダイゼーション複合体の形成が可能であるストリンジェンシー条件下で行われる。ストリンジェンシーは、熱力学的に可変な工程パラメーターを変えることによって制御され得る。このパラメーターとしては、温度、ホルムアミド濃度、塩濃度、カオトロピック塩濃度pH、有機溶媒濃度などであるが、これらに限定されない。これらのパラメーターはまた、米国特許第5,681,697号に一般的に概説されているように、非特異的結合を制御するためにも使用される。従って、非特異的結合を減らすために、特定の工程をより高いストリンジェンシーにおいて実施することが望ましくあり得る。
本明細書中に概説される反応は、種々の方法において達成され得る。その反応の成分は、以下に概説される好ましい実施形態において、同時に加えられてもよいし、異なる順序で別々に加えられてもよい。さらに、この反応は、種々の他の試薬を含み得る。これらとしては、最適なハイブリダイゼーションおよび検出を容易にし、そして/または非特異的相互作用もしくはバックグラウンドの相互作用を低減し得る、塩、緩衝液、中性タンパク質(例えば、アルブミン)、界面活性剤などが挙げられる。それ以外にアッセイの効率を向上させる試薬(例えば、プロテアーゼインヒビター、ヌクレアーゼインヒビター、抗菌剤など)もまた、サンプル調製法および標的の純度に依存して、適切に使用され得る。そのアッセイデータが分析され、遺伝子発現プロフィールを形成している個々の遺伝子の発現レベルおよび状態間での発現レベルにおける変化を決定する。
(生物学的活性関連アッセイ)
本発明は、本発明の癌関連遺伝子またはタンパク質の活性を調節する化合物を同定またはスクリーニングする方法を提供する。この方法は、本発明の癌タンパク質を含む細胞に、上で規定されたような試験化合物を加える工程を包含する。この細胞は、本発明の癌タンパク質をコードする組み換え核酸を含む。別の実施形態において、候補因子のライブラリが、複数の細胞について試験される。
一局面において、このアッセイは、生理学的シグナル(例えば、ホルモン、抗体、ペプチド、抗原、サイトカイン、成長因子、活動電位、化学療法剤を含む薬理学的因子、放射能、発癌物質または他の細胞(すなわち、細胞−細胞接触))の存在下もしくは非存在下、またはその生理学的シグナルに前に曝露されるかもしくは後に曝露されるかにおいて、評価される。別の例では、決定は、細胞周期プロセスの異なる段階においてなされる。この方法で、本発明の遺伝子またはタンパク質を調節する化合物が同定される。薬理学的活性を有する化合物は、本発明の癌タンパク質の活性を増強または妨害し得る。一旦同定されると、類似の構造が評価されて、その化合物の重要な構造的特徴を同定する。
一実施形態において、癌細胞分裂を調節(例えば、阻害)する方法が提供され;この方法は、癌モジュレータの投与を包含する。別の実施形態において、癌を調節(例えば、阻害)する方法が提供され;この方法は、癌モジュレータの投与を包含する。さらなる実施形態において、癌を有する細胞または個体を処置する方法が提供され;この方法は、癌モジュレータの投与を包含する。
一実施形態において、本発明の遺伝子を発現する細胞の状態を調節する方法が提供される。本明細書中で使用される場合、状態は、当該分野で容認されている細胞のパラメーター(例えば、成長、増殖、生存、機能、アポトーシス、老化、局在、酵素活性、シグナル伝達など)を含む。一実施形態において、癌インヒビターは、上で議論されたような抗体である。別の実施形態において、この癌インヒビターは、アンチセンス分子である。本明細書中に記載されるように、種々の細胞成長アッセイ、細胞増殖アッセイ、および細胞転移アッセイが当業者には公知である。
(モジュレータを同定するためのハイスループットスクリーニング)
適したモジュレータを同定するためのアッセイは、ハイスループットスクリーニングに適用可能である。従って、好ましいアッセイは、癌遺伝子の転写の増強または阻害、ポリペプチド発現の阻害または増強、およびポリペプチド活性の阻害または増強を検出する。
一実施形態において、ハイスループットスクリーニング法において評価されるモジュレータはタンパク質であり、しばしば天然に存在するタンパク質または天然に存在するタンパク質のフラグメントである。従って、例えばタンパク質を含む細胞抽出物またはタンパク質性細胞抽出物のランダム消化物もしくは直接消化物が使用される。この方法において、タンパク質のライブラリが、本発明のスクリーニング法のために作製される。この実施形態において特に好ましいのは、細菌、菌類、ウイルスおよび哺乳動物タンパク質のライブラリであり、後者が好ましく、そしてヒトタンパク質が特に好ましい。特に有用な試験化合物は、上記標的が属すタンパク質のクラス(例えば、酵素に対する基質、またはリガンドおよびレセプター)に関する。
(モジュレータを同定および特徴付けするための軟寒天増殖およびコロニー形成の使用)
正常細胞は、接着および増殖のために固形基材を必要とする。細胞が形質転換される場合は、細胞はこの表現型を失い、基材から離れて増殖する。例えば、形質転換された細胞は、攪拌された懸濁培地または半固形培地(例えば、半固形寒天または軟寒天)において増殖し得る。この形質転換された細胞は、腫瘍抑制遺伝子でトランスフェクションされた場合、正常の表現型を再生し、再度、接着して増殖するための固形基材を必要とする。アッセイにおける軟寒天増殖またはコロニー形成は、宿主細胞中で発現されたときに異常な細胞増殖および形質転換を阻害する、癌配列のモジュレータを同定するために使用される。モジュレータは、固形培地または半固形培地(例えば、寒天)中で懸濁されて増殖する宿主細胞の能力を、低減または排除する。
懸濁アッセイにおける軟寒天増殖またはコロニー形成のための技術は、Freshney,Culture of Animal Cells a Manual of Basic Technique(第3版、1994)に記載されている。上述のGarkavtsevら(1996)の方法のセクションもまた参照のこと。
(モジュレータを同定および特徴付けするための接触阻害および増殖)
正常細胞は、代表的に、他の細胞に触れるまでは、細胞培養中において平坦かつ整理されたパターンで増殖する。細胞が互いに触れ合うと、細胞は接触阻害され、増殖を止める。しかしながら、形質転換された細胞は接触阻害されず、乱れた病巣において高密集度で増殖し続ける。従って、形質転換された細胞は、対応する正常細胞よりも、より高い飽和密集度まで成長する。これは、病巣における細胞の乱れた単層の形成によって、形態学的に検出される。あるいは、飽和密集地点における(3H)−チミジンでの標識指標が、成長の密集阻害を測定するために使用され、同様にMTTまたはAlmarブルーアッセイが細胞の成長能力およびモジュレータのそれに影響を及ぼす能力を明らかにする。上述のFreshney(1994)を参照のこと。形質転換された細胞は、腫瘍抑制遺伝子でトランスフェクションされた場合、正常の表現型を再生し得、接触阻害され、より低い密集度で成長するようになる。
このアッセイにおいて、飽和密集地点における(3H)−チミジンでの標識指標が、成長の密集阻害を測定する好ましい方法である。形質転換された宿主細胞は、癌関連配列でトランスフェクションされ、非制限培地条件において飽和密集度まで24時間成長させられる。(3H)−チミジンで標識されている細胞のパーセンテージが、取り込まれたcpmによって決定される。
接触から独立した成長(contact independent growth)が、異常な細胞増殖および形質転換につながる癌配列のモジュレータを同定するために使用される。モジュレータは、接触から独立した成長を低減または排除し、細胞を正常な表現型に戻す。
(モジュレータを同定および特徴付けするための成長因子または血清依存性の評価)
形質転換された細胞は、その正常対応物よりも低い血清依存性を有する(例えば、Temin,J.Natl.Cancer Inst.37:167−175(1966);Eagleら、J.Exp.Med 131:836−879(1970));Freshney(上述)を参照のこと)。これは、形質転換された細胞による種々の成長因子の放出に部分的に起因する。形質転換された細胞の成長因子または血清依存性の程度が、コントロールの程度と比較され得る。例えば、細胞の成長因子または血清依存性は、本発明の癌関連配列を調節する化合物を同定および特徴づけするための方法において、モニタリングされる。
(モジュレータを同定および特徴付けするための腫瘍特異的マーカーレベルの使用)
腫瘍細胞は、対応する正常細胞よりも増加した量の特定の因子(本明細書中では以後「腫瘍特異的マーカー」と呼ぶ)を放出する。例えば、プラスミノーゲン活性化因子(PA)が、正常脳細胞よりも高レベルでヒトグリオーマから放出される(例えば、Gullino,Angiogenesis,Tumor Vascularization,and Potential Interference with Tumor Growth,Biological Responses in Cancer,pp.178−184(Mihich編、1985)を参照のこと)。同様に、腫瘍血管新生因子(TAF)が、正常細胞よりも腫瘍細胞において高レベルで放出される。例えば、Folkman,Angiogenesis and Cancer,Sem.Cancer Biol.(1992)を参照のこと。一方、bFGFは内皮腫瘍から放出される(Ensoli,Bら)。
これらの因子の放出を測定する種々の技術が、上述のFreshney(1994)に記載されている。Unklessら、J.Biol.Chem.249:4295−4305(1974);Strickland & Beers,J.Biol.Chem.251:5694−5702(1976);Whurら、Br.J.Cancer 42:305 312(1980);Gullino,Angiogenesis,Tumor Vascularization,and Potential Interference with Tumor Growth,Biological Responses in Cancer,pp.178−184(Mihich(編)1985);Freshney,Anticancer Res.5:111−130(1985)もまた、参照のこと。たとえば、腫瘍特異的マーカーレベルは、本発明の癌関連配列を調節する化合物を同定および特徴付けする方法においてモニタリングされる。
(モジュレータを同定および特徴付けするためのマトリゲルへの侵襲性)
マトリゲルまたは細胞外マトリクス構成物質への侵襲性の程度は、癌関連配列を調節する化合物を同定および特徴付けするためのアッセイにおいて使用され得る。腫瘍細胞は、悪性度と、マトリゲルまたは何らかの他の細胞外マトリクス構成物質への細胞の侵襲性との間に、正の相関を示す。このアッセイにおいて、代表的に発癌性細胞が、宿主細胞として使用される。これらの宿主細胞における腫瘍抑制遺伝子の発現は、その宿主細胞の侵襲性を減少させる。上述のCancer Res.1999;59:6010;Freshney(1994)に記載されている技術が、使用され得る。簡潔に述べると、宿主細胞の侵襲性のレベルは、マトリゲルまたは何らかの他の細胞外マトリクス構成物質でコーティングされたフィルターを使用して測定される。ゲル内への侵入またはフィルターの遠位側を通る侵入が、侵襲性としてランク付けされ、細胞数もしくは移動した距離によって組織学的に、または細胞を125Iで予め標識し、そしてそのフィルターの遠位側もしくはディッシュの底部上で放射能をカウントすることによってランク付けされる。例えば、上述のFreshney(1984)を参照のこと。
(モジュレータを同定および特徴付けするための腫瘍成長の評価)
細胞成長についての癌関連配列の効果は、トランスジェニック生物または免疫抑制生物において試験される。トランスジェニック生物は、種々の当該分野において認められている方法において調製される。例えば、癌遺伝子が破壊されているかまたは癌遺伝子が挿入されているノックアウトトランスジェニック生物(例えば、マウスのような哺乳動物)が作製される。ノックアウトトランスジェニックマウスは、相同組み換えを介したマウスゲノムにおける内在性癌遺伝子部位へのマーカー遺伝子または他の異種遺伝子の挿入によって作製される。そのようなマウスはまた、内在性癌遺伝子を、その癌遺伝子の変異したバージョンで置換するか、またはその内在性癌遺伝子を例えば発癌物質に曝露することによって変異させることにより、作製され得る。
トランスジェニックキメラ動物(例えば、マウス)を調製するために、DNA構築物が胚性幹細胞の核内に導入される。新規に操作された遺伝的損傷を含む細胞が宿主マウスの胚内に注入され、これがレシピエントの雌に再移植される。これらの胚のいくつかが、生殖細胞を有するキメラマウスへと発生し、その細胞のいくつかが変異細胞株から由来する。従って、そのキメラマウスを交配することによって、その導入された遺伝的損傷を含有するマウスの新規系統を得ることが可能である(例えば、Capecchiら、Science 244:1288(1989)を参照のこと)。キメラマウスは、2002年4月2日に発行された米国特許第6,365,797号;2000年8月22日に発行された米国特許第6,107,540号;Hoganら、Manipulating the Mouse Embryo:A laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory(1988)およびTeratocarcinomas and Embryonic Stem Cells:A Practical Approach,Robertson編、IRL Press,Washington,D.C.,(1987)に従って導かれ得る。
あるいは、種々の免疫抑制または免疫欠損宿主動物が使用され得る。例えば、遺伝的に無胸腺の「ヌード」マウス(例えば、Giovanellaら、J.Natl.Cancer Inst.52:921(1974)を参照のこと)、SCIDマウス、胸腺除去(thymectornized)マウス、または放射線放射マウス(例えば、Bradleyら、Br.J.Cancer 38:263(1978)、Selbyら、Br.J.Cancer 41:52(1980)を参照のこと)が、宿主として使用され得る。同系宿主に注入された移植可能な腫瘍細胞(代表的に、約106細胞)は、高割合の場合において侵襲性の腫瘍を産生するが、類似する起源の正常細胞は産生しない。侵襲性の腫瘍を発症した宿主において、癌関連配列を発現している細胞が、皮下注射または同所的(orthotopically)に注入される。次いで、マウスが、コントロール群および処置された(例えば、モジュレータで処置された)実験群を含む群に分けられる。適した時間(好ましくは、4〜8週間)の経過後、腫瘍の成長が(例えば、容積によって、またはその2つの最大直径もしくは重量によって)測定され、コントロールと比較される。(例えば、スチューデントT検定を使用して)統計学的に有意な減少を有する腫瘍は、阻害された成長を有するとされる。
(モジュレータを同定および特徴付けするためのインビトロアッセイ)
調節活性を有する化合物を同定するためのアッセイは、インビトロで実施され得る。例えば、癌ポリペプチドがまず潜在的モジュレータと接触され、そして適した時間(例えば、0.5〜48時間)インキュベートされる。一実施形態において、この癌ポリペプチドレベルが、タンパク質またはmRNAのレベルを測定することによって、インビトロで決定される。タンパク質のレベルは、その癌ポリペプチドまたはそのフラグメントに選択的に結合する抗体を用いて、ウェスタンブロッティング、ELISAなどのようなイムノアッセイを使用して測定される。mRNAの測定のためには、例えば、PCR、LCRを使用した増幅またはハイブリダイゼーションアッセイ(例えば、ノザンブロッティング、RNAse保護、ドットブロッティング)が好ましい。タンパク質またはmRNAのレベルは、本明細書中に記載されるように、直接的または間接的に標識された検出因子(例えば、蛍光分子によって標識された核酸もしくは放射能により標識された核酸、放射能により標識された抗体もしくは酵素的に標識された抗体など)を使用して検出される。
あるいは、レポーター遺伝子系が、ルシフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質、CATまたはP−galのようなレポーター遺伝子に操作可能に連結された癌タンパク質プロモーターを使用して考案され得る。このレポーター構築物は、代表的には、細胞内にトランスフェクションされる。潜在的モジュレータでの処理後、レポーター遺伝子の転写、翻訳または活性の量が、当該分野における当業者に公知の標準的な技術に従って測定される(Davis GF(上述);Gonzalez,J. & Negulescu,P.Curr.Opin.Biotechnol.1998:9:624)。
上で概説したように、インビトロスクリーニングは、個々の遺伝子または遺伝子産物について行われる。すなわち、特定の異なって発現している遺伝子を特定の状態において重要なものとして同定し、その遺伝子またはその遺伝子産物の発現のモジュレータのスクリーニングが実施される。
一実施形態において、具体的な遺伝子の発現のモジュレータに対するスクリーニングが実施される。代表的に、ただ1つまたは数個の遺伝子の発現が評価される。別の実施形態において、異なって発現したタンパク質に結合する化合物をまず見つけるために、スクリーニングが設計される。次いで、これらの化合物は、異なって発現した活性を調節する能力について評価される。さらに、一旦初期候補化合物が同定されると、改変体がさらにスクリーニングされ得、構造活性関係をさらに評価し得る。
(モジュレータを同定および特徴付けするための結合アッセイ)
本発明に従う結合アッセイにおいて、本発明の精製または単離された遺伝子産物が、一般的に使用される。例えば、本発明のタンパク質に対する抗体が生成され、そしてイムノアッセイが行われて、タンパク質の量および/または局在を決定する。あるいは、癌タンパク質を含む細胞が、アッセイにおいて使用される。
従って、上記方法は、本発明の癌タンパク質と、リガンドのような候補化合物とを組み合わせる工程、およびその化合物の本発明の癌タンパク質への結合を決定する工程を包含する。好ましい実施形態ではヒト癌タンパク質が使用され;癌のヒト疾患の動物モデルもまた、開発および使用される。同様に、他の類似哺乳動物タンパク質もまた、当業者によって適切に使用され得る。さらに、いくつかの実施形態において、改変体または誘導体癌タンパク質が使用される。
一般的に、本発明の癌タンパク質またはリガンドは、不溶性の支持体に非拡散性で結合される。この支持体は、例えば、単離されたサンプル受容領域(マイクロタイタープレート、アレイなど)を有し得る。この不溶性支持体は、組成物が結合され得る任意の組成から作製され得、可溶性材料から容易に分離され、そしてその他にはスクリーニングの全体的な方法に適合性である。そのような支持体の表面は、固形であっても多孔性であってもよく、任意の簡便な形状である。
適した不溶性支持体の例としては、マイクロタイタープレート、アレイ、メンブレンおよびビーズが挙げられる。これらは、代表的に、ガラス、プラスチック(例えば、ポリスチレン)、多糖類、ナイロン、ニトロセルロース、またはTeflonTMなどである。少量の試薬およびサンプルを使用して同時に多数のアッセイが実施され得るので、マイクロタイタープレートおよびアレイが特に簡便である。上記組成物のその支持体への結合の具体的な様式は、それがその試薬および本発明の全体的な方法に適合し、その組成物の活性を維持し、そして拡散性ではない限りは、重要ではない。結合の好ましい方法としては、そのタンパク質をその支持体に付着させたときにリガンド結合部位または活性化配列のいずれも立体的にブロックしない抗体の使用、「粘着性」またはイオン性の支持体への直接結合、化学的架橋、表面上でのタンパク質または因子の合成などが挙げられる。そのタンパク質またはリガンド/結合因子のその支持体への結合後、過剰量の非結合物質が洗浄によって除去される。次いで、サンプル受容領域が、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼインまたは他の無害のタンパク質もしくは他の部分と一緒にインキュベーションすることによって、ブロッキングされる。
一旦、本発明の癌タンパク質が上記支持体に結合すると、試験化合物がそのアッセイに加えられる。あるいは、候補結合因子がその支持体に結合され、次いで本発明の癌タンパク質が加えられる。結合因子としては、特異的抗体、化学的ライブラリのスクリーニングにおいて同定された非天然結合因子、ペプチドアナログなどが挙げられる。
特に興味深いものは、ヒト細胞に対して低い毒性を有する因子を同定するためのアッセイである。広範に種々のアッセイがこの目的のために使用され得、このアッセイとしては、増殖アッセイ、cAMPアッセイ、標識インビトロタンパク質−タンパク質結合アッセイ、電気泳動移動度シフトアッセイ、タンパク質結合に対するイムノアッセイ、機能的アッセイ(リン酸化アッセイなど)などが挙げられる。
試験化合物(リガンド、結合因子、モジュレータなど)の本発明の癌タンパク質への結合の決定は、多数の方法において行われ得る。この試験化合物は標識され得、そして結合は直接的に、例えば本発明の癌タンパク質の全てまたは一部を固形支持体に付着し、標識(例えば、蛍光標識)された候補化合物を加え、過剰量の試薬を洗い流し、そして標識がその固形支持体上に存在するか否かを決定することによって、決定される。種々のブロッキングおよび洗浄工程が、適切に使用され得る。
特定の実施形態において、1つの構成要素のみが標識され、例えば、本発明のタンパク質またはリガンドが標識される。あるいは、1つ以上の構成要素が、異なる標識(例えば、タンパク質に対しては125Iで化合物に対しては蛍光プローブ)で標識される。近接性試薬(例えば、消光剤またはエネルギー転移試薬)もまた、有用である。
(モジュレータを同定および特徴付けするための競合的結合)
一実施形態において、「試験化合物」の結合は、「競合因子」との競合的結合アッセイによって決定される。この競合因子は、標的分子(例えば、本発明の癌タンパク質)に結合する結合部分である。競合因子は、抗体、ペプチド、結合パートナー、リガンドなどの化合物を含む。特定の状況下で、この試験化合物とこの競合因子との競合的結合は、試験化合物と取って代わる。一実施形態において、この試験化合物は標識される。試験化合物と競合因子のいずれか、またはその双方が、結合するのに十分な時間、そのタンパク質に加えられる。最適な活性を促進する温度(代表的に、4℃と40℃との間)において、インキュベーションが実施される。インキュベーション時間は、代表的に、例えば迅速なハイスループットスクリーニングを促進するために最適化され;代表的には、0時間と1時間との間が十分である。過剰量の試薬は、一般的に、除去されるかまたは洗い流される。次いで第二の成分が加えられ、標識された成分の存在または非存在が続いて結合を示す。
一実施形態において、上記競合因子は最初に加えられ、次いで試験化合物が加えられる。その競合因子と置き換わることが、その試験化合物が癌タンパク質に結合しており、従ってその癌タンパク質に結合することができ、そしてその癌タンパク氏うtの活性を潜在的に調節し得ることの指標である。この実施形態において、いずれの成分も標識され得る。従って、例えば競合因子が標識された場合、試験化合物洗浄後の溶液における標識の存在は、試験化合物によって置き換わったことを示す。あるいは、試験化合物が標識された場合は、支持体上の標識の存在が置き換わりを示す。
代替の実施形態において、上記試験化合物が最初に加えられ、続いて競合因子とインキュベーションされて洗浄される。競合因子による結合の非存在は、その競合因子よりも高い親和性で、その試験化合物が癌タンパク質に結合することを示す。従って、その試験化合物が標識された場合は、競合因子の結合の欠如と組み合わせて、支持体上での標識の存在は、試験化合物が本発明の癌タンパク質に結合し、それゆえ潜在的に本発明の癌タンパク質を調節することを示す。
従って、競合的結合法は、本発明の癌タンパク質の活性を調節し得る因子を同定するための差示的なスクリーニングを包含する。この実施形態において、この方法は、第一のサンプルにおいて癌タンパク質と競合因子とを組み合わせる工程を包含する。第二のサンプルは、試験化合物、癌タンパク質および競合因子を含む。競合因子の結合は、両方のサンプルに対して決定され、その2つのサンプル間の結合における差異が、その癌タンパク質に結合することができ、そしてその活性を潜在的に調節し得る因子の存在を示す。すなわち、第一のサンプルに対して第二のサンプルにおいてその競合因子の結合が異なっている場合は、その因子は、その癌タンパク質に結合することができる。
あるいは、差示的なスクリーニングが、ネイティブ癌タンパク質に結合するが、改変された癌タンパク質には結合し得ない薬物候補を同定するために使用される。例えば、その癌タンパク質の構造が、部位と相互作用する因子(この因子は、部位が改変されたタンパク質には一般的に結合しない)を合成するための理論的薬物設計において、モデルにされ、使用される。さらに、ネイティブ癌タンパク質の活性に影響するそのような薬物候補はまた、そのようなタンパク質の活性を増強するかまたは低減するかのいずれかの能力について薬物をスクリーニングすることによっても、同定される。
ポジティブコントロールおよびネガティブコントロールが、上記アッセイにおいて使用され得る。好ましいコントロールおよび試験サンプルは、統計的に有意な結果を得るために、少なくとも三連で実施される。全てのサンプルのインキュベーションは、上記因子を上記タンパク質へ結合させるのに十分な時間行う。インキュベーション後、サンプルを、非特異的に結合した物質がなくなるように洗浄し、そして結合した、一般的には標識された因子の量が決定される。例えば、放射能が使用される場合は、そのサンプルはシンチレーションカウンターにおいて計数され、結合した化合物の量を決定する。
種々の他の試薬が、上記スクリーニングアッセイに含まれ得る。これらとしては、最適なタンパク質−タンパク質結合を促進し、そして/または非特異的相互作用またはバックグラウンドの相互作用を低減させるのに使用される塩、中性タンパク質(例えば、アルブミン、界面活性剤など)のような試薬が挙げられる。それ以外には、そのアッセイの効率を向上させる試薬(例えば、プロテアーゼインヒビター、ヌクレアーゼインヒビター、抗菌剤など)もまた、使用され得る。成分の混合物は、必要な結合を提供する順序で加えられる。
(本発明のタンパク質をダウンレギュレートまたは阻害するためのポリヌクレオチドの使用)
癌のポリヌクレオチドモジュレータが、WO 91/04753に記載されるように、リガンド結合分子との結合体の形成によって、標的ヌクレオチド配列を含有する細胞内に導入され得る。適したリガンド結合分子としては、細胞表面レセプター、成長因子、他のサイトカイン、または細胞表面レセプターに結合する他のリガンドが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、リガンド結合分子の結合体は、そのリガンド結合分子の、対応する分子またはレセプターに結合する能力を実質的に妨害しないし、センスオリゴヌクレオチドもしくはアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはそれらの結合体化バージョンの細胞への侵入をブロックもしない。あるいは、癌のポリヌクレオチドモジュレータは、WO 90/10448に記載されるように、例えばポリヌクレオチド−脂質複合体の形成によって、標的核酸配列を含有する細胞内へ導入され得る。処理の方法に加えて、アンリセンス分子の使用またはノックアウトおよびノックインモデルもまた、上で議論されたようなスクリーニングアッセイにおいて使用され得ることが理解される。
(阻害性ヌクレオチドおよびアンチセンスヌクレオチド)
特定の実施形態において、癌関連タンパク質の活性は、アンチセンスポリヌクレオチドまたは阻害性の小さい核RNA(snRNA)(すなわち、本発明の癌タンパク質、mRNA、またはその部分配列のようなコーディングmRNA核酸配列に相補的であり、かつ好ましくは特異的にハイブリダイズし得る核酸)の使用によって、ダウンレギュレートされるかまたは完全に阻害される。アンチセンスポリヌクレオチドのそのmRNAへの結合は、そのmRNAの翻訳および/または安定性を低減させる。
本発明の内容において、アンチセンスポリヌクレオチドは、天然に生じるヌクレオチド、または天延に生じるサブユニットから形成される合成種もしくはそれらに類似するホモログを包含し得る。アンチセンスポリヌクレオチドはまた、改変された糖部分または内部糖連結を有し得る。これらの例は、ホスホロチオエートおよび当該分野で公知の他の硫黄含有種である。アナログは、それが本発明のヌクレオチドと効率的にハイブリダイズするように機能する限り、本発明によって企図される。例えば、Isis Pharmaceuticals,Carlsbad,CA;Sequitor,Inc.,Natick,MA.を参照のこと。
そのようなアンチセンスポリヌクレオチドは、組み換え手段を使用して容易に合成され得るか、またはインビトロで合成され得る。そのような合成のための装置は、Applied Biosystemsを含むいくつかの供給源から販売されている。ホスホロチオエートおよびアルキル化誘導体のような他のオリゴヌクレオチドの調製は、当業者に周知である。
本明細書中で使用されるアンチセンス分子は、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはセンスオリゴヌクレオチドを包含する。センスオリゴヌクレオチドは、例えば、アンチセンス鎖に結合することによって転写をブロックするために使用され得る。このアンチセンスオリゴヌクレオチドおよびセンスオリゴヌクレオチドは、癌分子に対する標的mRNA(センス)またはDNA(アンチセンス)配列に結合することができる一本鎖核酸配列(RNAまたはDNAのいずれか)からなる。本発明に従うアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはセンスオリゴヌクレオチドは、一般的に、少なくとも約12ヌクレオチド、好ましくは約12〜30ヌクレオチドのフラグメントからなる。所定のタンパク質をコードするcDNA配列に基づいた、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはセンスオリゴヌクレオチドを誘導する能力は、例えば、Stein &Cohen(Cancer Res.48:2659(1988)およびvan der Krolら(BioTechniques 6:958(1988))に記載されている。
(リボザイム)
アンチセンスポリヌクレオチドに加えて、リボザイムが、癌関連ヌクレオチド配列の転写を標的および阻害するために使用され得る。リボザイムは、他のRNA分子を触媒的に切断するRNA分子である。グループIリボザイム、ハンマーヘッド型リボザイム、ヘアピン型リボザイム、RNase P、およびアックスヘッド(axhead)リボザイムを含む異なる種類のリボザイムが記載されている(異なるリボザイムの特性の一般的な総説については、例えば、Castanottoら、Adv.in Pharmacology 25:289−317(1994)を参照のこと)。
ヘアピン型リボザイムの一般的特徴は、例えば、Hampelら、Nucl.Acids Res.18:299−304(1990);欧州特許出願第0360257号;米国特許第5,254,678号に記載されている。調製方法は、当業者に周知である(例えば、WO 94/26877;Ojwangら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6340−6344(1993);Yamadaら、Human Gene Therapy 1:39−45(1994);Leavittら、Proc.Natl.Acad Sci.USA 92:699−703(1995);Leavittら、Human Gene Therapy 5:1151−120(1994);およびYamadaら、Virology 205:121−126(1994)を参照のこと)。
(表現型スクリーニングにおけるモジュレータの使用)
一実施形態において、試験化合物は、関連する癌発現プロフィールを有する癌細胞の集団に投与される。本明細書中において、「投与」または「接触」とは、モジュレータが、取り込まれて細胞内で作用するかまたは細胞表面において作用するかに関わらず、モジュレータがその細胞に対して作用するのを可能にするような様式で、その細胞に加えられることを意味する。いくつかの実施形態において、タンパク質性因子(すなわち、ペプチド)をコードする核酸が、アデノウイルス構築物またはレトロウイルス構築物のようなウイルス構築物内に入れられ、細胞に加えられ、その結果、そのペプチド因子の発現が達成される(例えば、PCT US97/01019)。制御可能な遺伝子治療系もまた、使用され得る。一旦、そのモジュレータが細胞に投与されると、その細胞は所望される場合は洗浄され、そして好ましい生理学的条件下である程度の時間インキュベートされる。次いで、その細胞が回収され、新しい遺伝子発現プロフィールが生成される。従って、例えば癌組織が、癌表現型を調節(誘導または抑制)する因子についてスクリーニングされる。発現プロフィールの少なくとも1つ(好ましくは、多く)の遺伝子における変化が、その因子が癌の活性について効果を有することを示す。同様に、生物学的機能またはシグナル伝達経路が変わっていることは、モジュレータ活性の指標である。癌の表現型についてそのような特徴を規定することにより、その表現型を変更する新しい薬物についてのスクリーニングが考案される。このアプローチでは、薬物の標的は既知である必要はなく、元来の遺伝子/タンパク質発現スクリーニングプラットフォームにおいて提示されている必要はなく、その標的タンパク質についての転写のレベルも変化する必要もない。モジュレータ阻害機能は、代理マーカーとして機能する。
上で概説したように、スクリーニングは、遺伝子または遺伝子産物を評価するために行われる。すなわち、特定の状態において重要なものとして特定の異なって発現した遺伝子を同定した場合、その遺伝子またはその遺伝子産物のいずれかのモジュレータのスクリーニングが実施される。
(本発明のペプチドに影響するモジュレータの使用)
癌ポリペプチド活性およびその癌の表現型の測定が、種々のアッセイを使用して実施される。例えば、癌ポリペプチドの機能に対するモジュレータの効果は、上述のパラメーターを試験することによって測定される。活性に影響する生理学的な変化が、本発明のポリペプチドに対する試験化合物の影響を評価するために使用される。機能的な結果がインタクトな細胞または動物を使用して決定される場合は、種々の効果が、例えば、固形腫瘍と関連する癌、腫瘍成長、腫瘍転移、心血管新生、ホルモン放出、既知および特徴付けされていない遺伝的マーカーに対する転写変化(例えば、ノザンブロッティングによる)、細胞成長またはpH変化のような細胞代謝における変化、およびcGNIPのような細胞内二次メッセンジャーにおける変化のような場合において、評価され得る。
(癌関連配列を同定および特徴付けする方法)
種々の遺伝子配列の発現が、癌と相関する。従って、変異体または改変体癌遺伝子に基づく疾患が決定される。一実施形態において、本発明は、改変体癌遺伝子を含む細胞を同定する方法、例えば、細胞における少なくとも1つの内在性癌遺伝子の配列の全てまたは一部の存在を決定する方法を提供する。これは、多数の配列決定技術を使用して達成される。本発明は、個体における癌遺伝子型を同定する方法、例えば、その個体における本発明の少なくとも1つの遺伝子の配列の全てまたは一部を決定する方法を包含する。これは、一般的に、その個体の少なくとも1つの組織(例えば、表Iに示される組織)において行われ、そして多数の組織またはその組織の異なるサンプルの評価を包含する。この方法は、配列決定した遺伝子の配列を、既知の癌遺伝子(すなわち、野生型遺伝子)とを比較し、ファミリーのメンバー、相同性、変異または改変体を決定する工程を包含する。次いで、その遺伝子の全てまたは一部の配列が、既知の癌遺伝子の配列と比較され得、何らかの差異が存在するか否かを決定し得る。これは、多数の公知の相同性プログラム(例えば、BLAST、Bestfitなど)を使用して行われる。患者における癌遺伝子と既知の遺伝子との間の配列における差異の存在は、本明細書中に概説されるように、疾患状態または疾患状態に対する傾向と相関する。
好ましい実施形態において、その癌遺伝子は、ゲノムにおける癌遺伝子のコピー数を決定するためにプローブとして使用される。この癌遺伝子は、その癌遺伝子の染色体中の局在を決定するためにプローブとして使用される。染色体中の局在のような情報は、特に染色体の異常性(例えば、転座)などがその癌遺伝子座において同定される場合、診断または予後診断を提供することにおいて用途が見出される。
(XIV.RNAiおよび小さい干渉RNA(siRNA)の治療的使用)
本発明はまた、siRNAオリゴヌクレオチド、具体的には5’’UTR領域のPSCAコード領域の少なくともフラグメントを包含する二重鎖RNA、もしくは相補体、またはPSCA配列に特異的な任意のアンチセンスオリゴヌクレオチドに関する。一実施形態において、そのようなオリゴヌクレオチドは、PSCAの機能を解明するために使用されるか、またはPSCAの機能または発現のモジュレータをスクリーニングもしくは評価するために使用される。別の実施形態において、PSCAの遺伝子発現が、siRNAトランスフェクションを使用することにより低減され、抗原を内在的に発現する形質転換した癌細胞の増殖能を顕著に減少させ;特異的なPSCA siRNAで処理された細胞は、例えば細胞の生存度の代謝読み出しによって測定すると、生存度の減少を示し、このことは、その増殖能の低減と相関する。従って、PSCA siRNA組成物は、PSCAタンパク質の核酸ORF配列に対応するsiRNA(二重鎖RNA)またはその部分配列を含み;これらの部分配列は、一般的に、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35または35より多くの連続RNAヌクレオチド長であり、mRNAコード配列の少なくとも一部に相補的で、一部に非相補的である。好ましい実施形態において、この部分配列は、19〜25ヌクレオチド長であり、最も好ましくは21〜23ヌクレオチド長である。
RNA干渉は、インビトロおよびインビボで遺伝子をサイレンシングさせるための新規のアプローチであり、それゆえ小さい二重鎖RNA(siRNA)は、治療剤として価値がある。特異的な遺伝子活性をサイレンシングさせるためのsiRNAの力は、疾患の動物モデルに提供され、同様にヒトにおいても使用されている。例えば、特定の標的に対するsiRNAを有するマウスにsiRNAの溶液を流体力学注入すると、治療的に効果的であることが証明されている。
Songらによる先駆けの研究により、ある型の完全に天然の核酸(小さい干渉RNA(siRNA))が、さらなる化学的改変なしでさえ、治療剤として作用することを示している(Song,E.ら、“RNA interference targeting Fas protects mice from fulminant hepatitis”Nat.Med.9(3):347−51(2003))。この研究は、動物内へのsiRNAの注入が疾患を軽減し得るという、最初のインビボでの証拠を提供した。このケースにおいて、著者らは、FASタンパク質(免疫応答の間に過剰活性化されて、肝細胞および他の細胞の死を誘導する細胞死レセプター)をサイレンシングするように設計されたsiRNAを、マウスへ注射した。翌日、その動物に、Fasに特異的な抗体を与えた。コントロールのマウスは、数日のうちに急性肝不全で死亡したが、siRNA処置されたマウスのうち80%以上は、深刻な疾患はないままで、生存した。その肝細胞の80%〜90%は、裸のsiRNAオリゴヌクレオチドを取り込んでいた。さらに、そのRNA分子は、3週間後に効果を失う前に、10日間機能した。
ヒト治療における使用のために、siRNAは、長続きするRNAi活性を誘導する効率的な系によって送達される。臨床使用のための大多数の警告(caveat)は、適切な細胞へsiRNAを送達することである。肝細胞は、外因性RNAへ特に感受性である。現在、肝臓に位置する標的は魅力的である。なぜなら、肝臓は、核酸分子およびウイルスベクターによって容易に標的とされ得るからである。しかしながら、他の組織および臓器の標的も、同様に好ましい。
細胞膜を横切る通過を促進する化合物とsiRNAとの処方物が、治療におけるsiRNAの投与を改善するために使用される。ヌクレアーゼに耐性であり、かつ血清安定性を有し、同時にRNAi効果の強化された持続期間を有する、化学的に改変された合成siRNAが、さらなる実施形態である。
従って、siRNA技術は、癌(例えば、表1に列挙されるようなもの)を有する個体へのPSCAに対するsiRNA分子の送達によって、ヒト悪性腫瘍に対して治療的である。siRNAのそのような投与は、PSCAを発現する癌細胞の成長の低減につながり、抗腫瘍治療を提供し、罹患率および/または悪性腫瘍に関連する死亡率を低下させる。
遺伝子産物ノックダウンのこの様式の有効性は、インビトロまたはインビボで測定された場合に、顕著である。インビトロでの有効性は、PSCAタンパク質の発現減少が検出するためのインビトロ法が使用される場合、培養中の細胞(上述の通り)に、または癌患者生検のアリコートにsiRNAを使用することにより、容易に実証可能である。
(XV.キット/製造物品)
本明細書中で記載される研究室用途、予後用途、予防用途、診断用途および治療用途における使用のために、キットが本発明の範囲内に含まれる。そのようなキットは、1つ以上の容器(例えば、バイアル、チューブなど)を受容するために区画化されたキャリア、包装、または容器を備え得る。各容器は、使用(例えば、本明細書中に記載される使用)のための説明書を含む標識または挿入物と一緒に、上記方法において使用される別個の要素を含む。例えば、この容器は、検出可能な標識されか、または検出可能に標識され得るプローブを含み得る。そのようなプローブは、本発明のタンパク質または遺伝子またはメッセンジャー(message)にそれぞれ特異的な抗体またはポリヌクレオチドであり得る。この方法が標的核酸を検出するために核酸ハイブリダイゼーションを利用する場合、上記キットはまた、標的核酸配列の増幅のためのヌクレオチドを含む容器を有し得る。キットは、レポーター分子に結合した、ビオチン結合タンパク質(例えば、アビジンまたはストレプトアビジン)のようなレポーター(例えば、酵素、蛍光または放射能標識)を含む容器を備え得;そのようなレポーターは、例えば核酸または交代と一緒に使用され得る。このキットは、図1、図2もしくは図3におけるアミノ酸配列またはそれらのアナログ、あるいはそのようなアミノ酸配列をコードする核酸分子の全てまたは一部を含み得る。
本発明のキットは、代表的に、上記のような容器およびそれと連結した1つ以上の他の容器を備える。この他の容器は、経済的または使用者の観点から望ましい物質を含む。この物質としては、例えば、緩衝液、希釈剤、フィルター、針、シリンジ、キャリア、包装、容器、バイアル、および/もしくは含有物を列挙するチューブ標識、および/または使用のための説明書ならびに使用のための説明書を有する包装挿入物が挙げられる。
標識は、組成物が特定の治療用途または非治療的用途(例えば、予後用途、予防用途、または研究用途)のために使用されることを示すために、容器上または容器と一緒に存在し得、そして本明細書中に記載されるように、インビボまたはインビトロでの使用のいずれかについての指示を示し得る。指示および/または他の情報は、キットと一緒にかまたはキット上に含まれる挿入物または標識上にも含まれ得る。この標識はまた、容器上または容器に付けられ得る。標識を形成する文字(letter)、数字または他の文字(character)が容器自体に形作るかまたはエッチングされた場合、標識がその容器上に存在し得;標識が例えば包装挿入物としてその容器もまた保持する容器またはキャリア内に存在する場合は、標識は容器に付けられ得る。この標識は、上記組成物が、表Iに示される組織の状態(例えば、新生組織形成)の診断、処置、予防または予後のために使用され得ることを示し得る。
用語「キット」および「製造物品」は、同義語として使用され得る。
本発明の別の実施形態において、組成物(例えば、アミノ酸配列、低分子、核酸配列、および/または抗体)を含む製造物品(例えば、表Iに示されるもののような組織の新生組織形成の診断、予後、予防および/処置のために有用な物質)が提供される。この製造物品は、代表的には、少なくとも1つの容器および少なくとも1つの標識を備える。適した容器としては、例えば、ボトル、バイアル、シリンジおよび試験チューブが挙げられる。この容器は、例えばガラス、金属またはプラスチックのような種々の材料から形成され得る。この容器は、アミノ酸配列、低分子、核酸配列、細胞集団および/または抗体を保持し得る。一実施形態において、その容器は、細胞のmRNA発現プロフィールを試験するのに使用するためのポリヌクレオチドを、この目的のために使用される試薬と共に保持する。別の実施形態において、容器は、細胞および組織におけるPSCAのタンパク質発現の評価において使用するため、ならびに関連する研究目的、予後目的、診断目的および治療目的のために、抗体、その結合フラグメントまたは特異的結合タンパク質を含み;そのような使用のための説明書および/または指示書が、そのような容器上に備えられるかまたはその容器内に備えられ得、これらの目的のために使用される試薬および他の組成物またはツールも同様であり得る。別の実施形態において、容器は、細胞性免疫応答または体液性免疫応答を惹起するための物質を、関連する説明書および/または指示書と一緒に含む。別の実施形態において、容器は、細胞毒性T細胞(CTL)またはヘルパーT細胞(HTL)のような養子免疫療法のための物質を、関連する説明書および/または指示書と一緒に含み;そのような目的のために使用される試薬またはツールもまた、含まれ得る。
あるいは上記容器はまた、状態を処置、診断、予後または予防するために有効な組成物を保持し得、そして滅菌のアクセスポートを有し得る(例えば、その容器は、皮下注射針によって貫通可能なストッパーを有する静脈注射用溶液バッグまたはバイアルであり得る)。上記組成物における活性因子は、特異的にPSCAに結合することができる抗体およびPSCAの機能を調節することができる抗体であり得る。
上記製造物品はさらに、薬学的に受容可能な緩衝液(例えば、リン酸緩衝化生理食塩水、リンゲル液および/またはデキストロース溶液)を含む第二の容器を含み得る。それはさらに、経済的および使用者の観点から望ましい他の物質を含み得、これには他の緩衝液、希釈剤、フィルター、攪拌棒、針、シリンジならびに/または使用のための指示書および/もしくは説明書が挙げられる。
本発明の種々の局面が、以下の数個の実施例によって、さらに説明および例示される。これらはいずれも、本発明の範囲を制限することを意図されない。
(実施例1)
(正常組織および患者標本におけるPSCA改変体の発現分析)
以前に、PSCA(本明細書中では、PSCA v.1と呼ぶ)を、前立腺癌において発現する抗原として同定した。その発現は、原発性前立腺癌の80%より多くにおいて、そして大多数の前立腺転移において検出された。膀胱癌、卵巣癌、および膵臓癌においても発現していることが示されており、これらの癌は表Iに列挙されている。免疫組織学的分析により、PSCAは、ほとんどの尿路上皮癌腫の細胞表面において、そして60%の原発性膵臓腺癌において過剰発現していることも示されている。このPSCA発現データは、特許出願(PCT/US98/04664、PCT/US/28883、PCT/US00/19967)および論文審査のある学術専門誌(Saffranら、Proc Natl Acad Sci USA.2001 Feb 27;98(5):2658−2663;Amaraら、Cancer Res.2001 Jun 15;61(12):4660−65;Reiterら、Proc Natl Acad Sci USA.1998 Feb 17;95(4):1735−40;Arganiら、Cancer Res.2001 Jun 1;61(11):4320−24)において報告されている。
種々のPSCA改変体の特異的な発現を、正常患者標本および癌患者標本において研究する。PSCA v.1/v.2/v.4、PSCA v.3およびPSCA v.5間を差別化するために、プライマーを設計した。PSCA v.1/v.2/v.4は、425bpのサイズのPCR産物をもたらし、PSCA v.3は、300bpのサイズのPCR産物をもたらし、そしてPSCA v.5は、910bpのサイズのPCR産物をもたらす(Figure 1I(a))。
第一のcDNA鎖を、正常膀胱、正常脳、正常心臓、正常腎臓、正常肝臓、正常肺、正常前立腺、正常脾臓、正常骨格筋、正常精巣、正常膵臓、正常結腸、正常胃、癌細胞癌のプール、膀胱癌のプール、腎臓癌のプール、結腸癌のプール、肺癌のプール、卵巣癌のプール、乳癌のプール、癌転移のプール、および膵臓癌のプールから調製した(図1I(b)。アクチンに対するプライマーを使用するPCRによって、正規化を行った。改変体特異的プライマーを使用する半定量PCRを、30サイクルの増幅で行った。
結果は、PSCA v.5は乳癌、癌転移、および膵臓癌において主に発現し、結腸癌および肺癌においてより低レベルで発現することを示している。PSCA v.1/v.2/v.4のPCR産物は、前立腺癌、膀胱癌、腎臓癌、結腸癌、肺癌、卵巣癌、乳癌、癌転移、および膵臓癌において検出された。正常組織の中で、PSCA v.1/v.2/v.4のPCR産物は、前立腺、胃においてのみ、そして低レベルで腎臓および肺において検出されたが、PSCA v.5は、どの正常組織でも検出されなかった。PSCA v.3のPCR産物は、試験されたどのサンプルでも検出されなかった。
PSCA v.4とPSCA v.5との間を差別化するために、プライマーを設計した(図1J(a))。PSCA v.4は、460bpのサイズのPCR産物をもたらし、PSCA v.5は、945bpのサイズのPCR産物をもたらす。
第一のcDNA鎖を、正常膀胱、正常脳、正常心臓、正常腎臓、正常肝臓、正常肺、正常前立腺、正常脾臓、正常骨格筋、正常精巣、正常膵臓、正常結腸、正常胃、前立腺癌のプール、膀胱癌のプール、および複数の異種移植片プール(前立腺癌、腎臓癌および膀胱癌異種移植片)から調製した(図1J(b))。アクチンへのプライマーを使用するPCRによって、正規化を行った。改変体特異的プライマーを使用する半定量PCRを、30サイクルの増幅で行った。
結果は、PSCA v.4が前立腺癌、膀胱癌および複数の異種移植片プール、正常腎臓および正常前立腺において発現することを示している。PSCA v.5は、正常前立腺および膀胱癌においてのみ検出された。
正常組織におけるPSCA改変体の制限された発現および癌患者標本において検出された発現は、PSCA改変体が、ヒトの癌に対する、治療的標的、予後標的、研究評定、予防的標的および診断的標的であることを示す。
(実施例2)
(PSCAのスプライス改変体)
本明細書中で使用される場合、用語「改変体」は、転写改変体および一塩基多型(SNP)を包含する。転写改変体は、同一の遺伝子由来の成熟mRNAの改変体であり、これは選択的転写および選択的スプライシングによって生じる。選択的転写は、同一の遺伝子由来の転写物であるが、異なる点から転写を開始する。スプライス改変体は、同一の転写物から異なってスプライシングされたmRNA改変体である。真核生物では、ゲノムDNAから複数のエキソン遺伝子が転写されると、最初のRNAがスプライシングされて機能的mRNAを生成する。これは、エキソンのみを有し、アミノ酸配列への翻訳のために使用され得る。従って、遺伝子が0〜多数の選択的転写物を有し得るとすると、各転写物は、0〜多数のスプライス改変体を有し得る。各転写改変体は、独特のエキソン構成を有し、元々の転写物とは異なるコード領域および/または非コード領域部分(5’または3’末端)を有し得る。転写改変体は、同一のタンパク質、類似のタンパク質または異なるタンパク質をコードすることができ、そのようなタンパク質は、同一の機能、類似の機能、または異なる機能を有する。この改変体タンパク質は、同時に同一の組織で発現することもできるし、同時に異なる組織で発現することもできるし、異なる時期に同一の組織で発現することもできるし、異なる時期に異なる組織で発現することもできる。転写改変体によってコードされるタンパク質は、類似または異なる細胞内または細胞外局在(例えば、分泌型対細胞内)を有し得る。
転写改変体は、種々の当該分野において許容されている方法によって同定される。例えば、選択的転写およびスプライス改変体は、全長クローニングによって、または全長転写物およびEST配列を使用することによって、同定される。第一に、全てのヒトESTを、互いに直接的または間接的な同一性を示すクラスターへ群別した。第二に、同一のクラスターにおけるESTを、さらにサブクラスターに群別し、コンセンサス配列をアセンブルした。元々の遺伝子配列を、このコンセンサス配列または多の全長配列と比較する。各コンセンサス配列は、その遺伝子の潜在的なスプライス改変体である。ノザン分析、全長クローニングまたはプローブライブラリの使用などによる改変体の同定のような、数個の確認様式が、当該分野において公知である。改変体がまだ全長のクローンではないと同定された場合でも、その改変体の一部は、当該分野で公知の技術を使用して、抗体生成のため、または全長スプライス改変体のさらなるクローニングのために、研究ツールとして非常に有用である。
さらに、ゲノム配列に基づいて転写改変体を同定するコンピュータープログラムが、当該分野において利用可能である。ゲノムベースの転写改変体同定プログラムとしては、
FgenesH(A.SalamovおよびV.Solovyev,”Ab initio gene finding in Drosophila genomic DNA,”Genome Research.2000年4月;10(4):516−22);Grail(URL compbio.ornl.gov/Grail−bin/EmptyGrailForm)ならびにGenScan(URL genes.mit.edu/GENSCAN.html)が挙げられる。スプライス改変体同定プロトコルの一般的な考察については、Southan,C.,A genomic perspective on human proteases,FEBS Lett.2001年6月8日;498(2−3):214−8;de Souza,S.J.ら、Identification of human chromosome 22 transcribed sequences with ORF expressed sequence tags,Proc.Natl Acad Sci USA.2000年11月7日;97(23):12690−3を参照のこと。
転写改変体のパラメーターをさらに確認するために、全長クローニング、プロテオーム検証、PCRベースの検証、および5’RACE検証などの種々の技術が、当該分野において利用可能である(例えば、プロテオーム検証については:Brennan,S.O.ら、Albumin banks peninsula:a new termination variant characterized by electrospray mass spectrometry,Biochem Biophys Acta.1999年8月17日;1433(1−2):321−6;Ferranti P,ら、Differential splicing of pre−messenger RNA produces multiple forms of mature caprine alpha(s1)−casein,Eur J Biochem.1997年10月1日;249(1):1−7;PCRベースの検証については:Wellmann S,ら、Specific reverse transcription−PCR quantification of vascular endothelial growth factor (VEGF)splice variants by LightCycler technology,Clin Chem.2001年4月;47(4):654−60;Jia,H.P.ら、Discovery of new human beta−defensins using a genomics−based approach,Gene.2001年1月24日;263(1−2):211−8;PCRベースの検証および5’RACE検証については:Brigle,K.E.ら、Organization of the murine reduced folate carrier gene and identification of variant splice forms,Biochem Biophys Acta.1997年8月7日;1353(2):191−8を参照のこと)。
ゲノム領域が癌においては調節されていることが、当該分野において知られている。このゲノム領域が特定の癌において調節されている場合、その遺伝子の選択的転写改変体またはスプライス改変体も同様に調節されている。PSCAが、癌に関連する具体的な発現プロフィールを有することが、本命書中で開示される(例えば表Iを参照のこと)。例えばこれらの1つ以上の組織において、および特定のさらなる組織においても同様に、PSCAの選択的転写改変体およびスプライス改変体もまた癌に関与する。従って、この改変体は、腫瘍関連マーカー/抗原として機能する。
全長のPSCA遺伝子をEST配列と一緒に使用して、4つのさらなる転写改変体を同定し、PSCA v.2、PSCA v.3、PSCA v.4およびPSCA v.5と名付けた。元々の転写物であるPSCA v.1におけるエクソンの境界を、表VIに示した。PSCAおよびPSCA改変体についての入れうtは、図1に示す。
(実施例3)
(PSCAの一塩基多型)
一塩基多型(SNP)は、特異的な位置でのヌクレオチド配列における1個の塩基対の変化である。ゲノム上のどの点においても、4つの可能なヌクレオチド塩基対:A/T、C/G、G/CおよびT/Aが存在する。本明細書中で使用される場合、対立遺伝子は、所定の遺伝子の一連の代替的形態の一つであり、DNA配列において異なり、産物(RNAおよび/またはタンパク質)に影響する。
cDNA上に生じるSNPをcSNPと呼ぶ。このcSNPは、遺伝子によってコードされるタンパク質のアミノ酸を変える可能性があり、それゆえ、そのタンパク質の機能を変える可能性がある。いくつかのSNPは、遺伝性疾患を引き起こし;他のものは、個体間の環境因子(食事および薬物)に対する表現型および反応における定量的なバリエーションを助長する。したがって、SNPおよび/または対立遺伝子の組み合わせ(ハプロタイプと呼ばれる)の存在は、多くの有用な用途(例えば、遺伝性疾患の診断、薬物反応および用量の決定、疾患に応答可能な遺伝子の同定、および個体間の遺伝的関連性の分析)を有する(P.Nowotny,J.M.KwonおよびA.M.Goate,“SNP analysis to dissect human traits,”Curr.Opin.Neurobiol.2001年10月;11(5):637−641;M.PirmohamedおよびB.K.Park,“Genetic susceptibility to adverse drug reactions,”Trends Pharmacol.Sci.2001年6月;22(6):298−305;J.H.Riley,C.J.Allan,E.LaiおよびA.Roses,“The use of single nucleotide polymorphisms in the isolation of common disease genes,”Pharmacogenomics.2000年2月;1(1):39−47;R.Judson,J.C.StephensおよびA.Windemuth,“The predictive power of haplotypes in clinical response,”Pharmacogenomics.2000年2月;1(1):15−26)。
SNPは、当該分野において許容されている種々の方法によって同定される(P.Bean,“The promising voyage of SNP target discovery,”Am.Clin.Lab.2001年10月〜11月;20(9):18−20;K.M.Weiss,“In search of human variation,”Genome Res.1998年7月;8(7):691−697;M.M.She,“Enabling large−scale pharmacogenetic studies by high−throughput mutation detection and genotyping technologies,”Clin.Chem.2001年2月;47(2):164−172)。例えば、SNPは、ゲルベースの方法(例えば、制限酵素断片長多型(RFLP)および変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(DGGE))によって多型を示すDNAフラグメントを配列決定することによって、同定される。SNPはまた、異なる個体由来のDNAサンプルを直接配列決定することによって、または異なるDNAサンプル由来の配列を比較することによっても、発見される。公的データベースおよび私有のデータベースにおける配列データの急速な蓄積により、コンピュータープログラムを使用して配列を比較することによってもまた、SNPは発見される(Z.Gu,L.HillierおよびP.Y.Kwok,“Single nucleotide polymorphism hunting in cyberspace,”Hum.Mutat.1998;12(4):221−225)。SNPを検証することができ、そして個体の遺伝型またはハプロタイプを、種々の方法(直接的配列決定およびハイスループットマイクロアレイを含む)によって決定することができる(P.Y.Kwok,“Methods for genotyping single nucleotide polymorphisms,”Annu.Rev.Genomics Hum.Genet.2001;2:235−258;M.Kokoris,K.Dix,K.Moynihan,J.Mathis,B.Erwin,P.Grass,B.HinesおよびA.Duesterhoeft,“High−throughput SNP genotyping with the Masscode system,”Mol.Diagn.2000年12月;5(4):329−340)。
上述の方法を使用して、13個のSNPを、PSCA v.2についての転写物において同定した。例えば改変体1ではなく、改変体2を使用した。なぜなら、改変体2は、改変体1よりも多義的な塩基をより少数しか有さなかったからである。したがって、SNPを、PSCA v.2において、57(t/c)、367(c/t)、424(a/c)、495(c/g)、499(c/t)、563(c/t)、567(g/a)、627(g/a)、634(t/g)、835(g/a)、847(g/a)、878(g/a)および978(c/g)の位置に同定した。代替の対立遺伝子を有する転写物またはタンパク質を、図1B〜図1Gに示すように、PSCA v.6〜v.18と命名した。
v.6におけるヌクレオチド変化は、v.1の開始コドンを変化させ、それゆえ、翻訳は次のATG(mRNAにおけるAUG)まで開始されなかった。このことは、v.1タンパク質よりも9アミノ酸短いタンパク質をもたらした。v.7およびv.8についてのヌクレオチド変化は、タンパク質レベルでは影響しなかった。
これら13個のSNPのうち12個は、改変体4にもまた存在した。PSCA v.4に関する12個のSNP改変体を、PSCA v.19〜v.30と命名した。改変体19〜27は、図1Hに示すように選択的アミノ酸をコードする。
(実施例4)
(原核生物系における組み換えPSCAの産生)
原核生物細胞において組み換えPSCAおよびPSCA改変体を発現させるために、全長または一部のPSCAおよびPSCA改変体のcDNA配列を、当該分野において公知の種々の発現ベクターのうちのいずれか1つにクローニングする。PSCA改変体の以下の領域の1つ以上が発現される:図1に提示される全長配列、またはPSCA由来の任意の8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30またはそれ以上の連続するアミノ酸、それらの改変体もしくははアナログ。
(A.インビトロ転写および翻訳構築物)
pCRII:インサイチュ研究でRNAに対するPSCAのセンスRNAプローブおよびアンチセンスRNAプローブを生成するために、PSCA cDNAの全てまたはそのフラグメントのいずれかをコードするpCRII構築物(Invitrogen,Carlsbad CA)を生成させる。このpCRIIベクターは、インサイチュハイブリダイゼーション実験におけるRNAのプローブとして使用するために、PSCA cDNAの転写を駆動するための、挿入物に隣接するSp6プロモーターおよびT7プロモーターを有する。これらのプローブは、PSCAの細胞および組織発現をRNAレベルで分析するために使用する。PSCA遺伝子のcDNAアミノ酸コード領域を示す転写されたPSCA RNAを、PSCAタンパク質の合成のために、TnTTM Coupled Reticulolysate System(Promega,Corp.,Madison,WI)のようなインビトロ翻訳計において使用する。
(B.細菌構築物)
pGEX構築物:細菌において、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)タンパク質に融合した組み換えPSCAタンパク質を生成するために、PSCA cDNAタンパク質コード配列の全てまたは一部を、pGEXファミリーのGST融合ベクター(Amersham Pharmacia Biotech,Piscataway,NJ)にクローニングする。これらの構築物により、GSTがアミノ末端に融合され、6個のヒスチジンエピトープ(6×His)がカルボキシ末端に融合した組み換えPSCAタンパク質の制御された発現が可能になる。このGSTおよび6×Hisタグにより、適切なアフィニティーマトリックスを用いて、誘導された細菌からその組み換え融合タンパク質を精製することが可能になり、抗GST抗体および抗His抗体によるその融合タンパク質の認識が可能になる。この6×Hisタグは、クローニングプライマーの、例えばオープンリディングフレーム(ORF)の3’末端において、6個のヒスチジンのコドンを加えることによって、生成される。タンパク質分解部位(例えば、pGEX−6P−1におけるPreScissionTM認識部位)が利用され得、その結果PSCA関連タンパク質からGSTタグを切断することが可能になる。アンピシリン耐性遺伝子およびpBR322複製起点により、選択およびE.coli内でのpGEXプラスミドの維持が可能になる。
pMAL構築物:マルトース結合タンパク質(MBP)に融合した組み換えPSCAタンパク質を細菌内で生成させるために、PSCA cDNAコード配列の全てまたは一部を、pMAL−c2XおよびpMAL−p2Xベクター(New England Biolabs,Beverly,MA)内にクローニングすることによって、MBP遺伝子に融合させる。これらの構築物は、MBPがアミノ末端に融合され、かつ6×Hisエピトープタグがカルボキシ末端に融合した組み換えPSCAタンパク質配列の制御された発現を可能にする。このMBPおよび6×Hisタグにより、適切なアフィニティーマトリックスを用いた、誘導された細菌からのその組み換えタンパク質の精製が可能になり、抗MBP抗体および抗His抗体でのその融合タンパク質の認識が可能になる。6×Hisエピトープタグは、6個のヒスチジンのコドンを3’クローニングプライマーに加えることによって、生成する。因子Xa認識部位により、PSCAからのpMALタグの切断が可能になる。このpMAL−c2XおよびpMAL−p2Xベクターは、それぞれ細胞質および周辺質において組み換えタンパク質を発現するように最適化されている。周辺質の発現は、ジスルフィド結合によるタンパク質のフォールディングを亢進する。
pET構築物:細菌内でPSCAを発現させるために、PSCA cDNAコード配列の全てまたは一部を、pETファミリーのベクター(Novagen,Madison,WI)にクローニングする。これらのベクターは、溶解性を強化するタンパク質(例えば、NusAおよびチオレドキシン(Trx))、ならびに組み換えタンパク質の精製および検出を助けるエピトープタグ(例えば、6×HisおよびS−TagTM)と一緒に、およびそれらなしで、細菌内での組み換えPSCAタンパク質の厳しく制御された発現を可能にする。例えば、構築物は、pET NusA融合系43.1を使用して作製され、粗sの結果、PSCAタンパク質領域がNusAへのアミノ末端融合物として発現される。
(C.酵母構築物)
pESC構築物:組み換えタンパク質の生成および機能的研究のために酵母種Saccharomyces cerevisiaeにおいてPSCAを発現するために、PSCA cDNAコード配列の全てまたは一部を、各々が4つの選択マーカー(HIS3、TRP1、LEU2およびURA3)のうちの1つを有するpESCファミリーのベクター(Stratagene,La Jolla,CA)にクローニングする。これらのベクターは、同一の酵母細胞内において、FlarTMまたはMycエピトープのいずれかを含む2つまでの異なる遺伝子またはクローニングされた配列の、同一のプラスミド由来の制御された発現を可能にする。この系は、PSCAのタンパク質−タンパク質相互作用を確認するのに有用である。加えて、酵母における発現は、真核生物細胞において発現した場合に見られるのと類似した翻訳後修飾(例えば、グリコシル化およびリン酸化)をもたらす。
pESP構築物:酵母種Saccharomyces pombeにおいてPSCAを発現するために、PSCA cDNAタンパク質コード配列の全てまたは一部を、pESPファミリーのベクターにクローニングする。これらのベクターは、アミノ末端またはカルボキシ末端のいずれかに、組み換えタンパク質の精製を助けるGSTが融合されたPSCAタンパク質配列の制御された高レベルの発現を可能にする。FlagTMエピトープタグにより、抗FlagTM−抗体での組み換えタンパク質の検出が可能になる。
(実施例5)
(高等真核生物系における組み換えPSCAの産生)
(A.哺乳動物構築物)
真核生物細胞において組み換えPSCAを発現させるために、PSCA cDNA配列の全長もしくは一部、またはその改変体が、当該分野で公知の種々の発現ベクターのいずれか1つにクローニングされ得る。PSCAの以下の1つ以上の領域が、これらの構築物において発現される:PSCA v.1由来のアミノ酸1〜123、またはany 8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30個の連続するアミノ酸のいずれか、それらのPSCA改変体もしくはアナログ。
上記構築物は、広範に種々の哺乳動物細胞(例えば、293T細胞)のいずれか1つにトランスフェクションすることができる。トランスフェクションされた293T細胞溶解物を、本明細書中で記載されるように、抗PSCAポリクローナル結成で精査することができる。
pcDNA/HisMax構築物:哺乳動物細胞内でPSCAを発現させるために、PSCAのPSCA ORFまたはその一部を、pcDNA4/HisMax Version A(Invitrogen,Carlsbad,CA)にクローニングする。タンパク質発現は、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターおよびSP16翻訳エンハンサーによって駆動する。組み換えタンパク質は、アミノ末端に融合されたXpressTMおよび6個のヒスチジン(6×His)エピトープを有する。pcDNA4/HisMaxベクターはまた、ラージT抗原を発現する細胞株におけるエピソームの複製および単一ベクターの救出のためのSV40複製起点と一緒に、mRNAの安定性を強化するためのウシ成長ホルモン(BGH)ポリアデニル化シグナルおよび転写終結配列も有する。Zeocine耐性遺伝子によって、このタンパク質を発現する哺乳動物細胞の選択が可能になり、アンピシリン耐性遺伝子およびColE1複製起点により、E.coliにおけるプラスミドの選択および維持が可能になる。
pcDNA3.1/MycHis構築物:哺乳動物細胞内でPSCAを発現させるために、コンセンサスKozak翻訳開始部位を含むPSCAのPSCA ORFまたはその一部を、cDNA3.1/MycHis Version A(Invitrogen,Carlsbad,CA)にクローニングした。タンパク質発現は、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターによって駆動する。この組み換えタンパク質は、カルボキシ末端に融合したmycエピトープおよび6×Hisエピトープを有する。pcDNA3.1/MycHisベクターはまた、ラージT抗原を発現する細胞株におけるエピソームの複製および単一ベクターの救出のためのSV40複製起点と一緒に、mRNAの安定性を強化するためのウシ成長ホルモン(BGH)ポリアデニル化シグナルおよび転写終結配列も有する。このタンパク質を発現する哺乳動物細胞の選択を可能にするので、ネオマイシン耐性遺伝子を使用することができ、そしてアンピシリン耐性遺伝子およびColE1複製起点により、E.coliにおけるプラスミドの選択および維持が可能になる。
pcDNA3.1/CT−GFP−TOPO構築物:哺乳動物細胞においてPSCAを発現させ、その組み換えタンパク質の蛍光を使用した検出を可能にするために、コンセンサスKozak翻訳開始部位を含むPSCA ORFまたはその一部を、pcDNA3.1/CT−GFP−TOPO(Invitrogen,CA)にクローニングする。タンパク質発現は、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターによって駆動する。この組み換えタンパク質は、カルボキシ末端に、非浸潤性のインビボ検出および細胞生物学研究を促進する緑色蛍光タンパク質(GFP)を有する。このpcDNA3.1CT−GFP−TOPOベクターはまた、ラージT抗原を発現する細胞株におけるエピソームの複製および単一ベクターの救出のためのSV40複製起点と一緒に、mRNAの安定性を強化するためのウシ成長ホルモン(BGH)ポリアデニル化シグナルおよび転写終結配列も有する。ネオマイシン耐性遺伝子により、このタンパク質を発現する哺乳動物細胞の選択が可能になり、アンピシリン耐性遺伝子およびColE1複製起点により、E.coliにおけるプラスミドの選択および維持が可能になる。アミノ末端にGFP融合物を有するさらなる構築物は、PSCAタンパク質の全長に及ぶpcDNA3.1/NT−GFP−TOPOにおいて作製される。
PAPtag:PSCAのORFまたはその一部を、pAPtag−5(GenHunter Corp.Nashville,TN)にクローニングする。この構築物は、IgGκシグナル配列をPSCAタンパク質のアミノ末端に融合させながら、PSCAタンパク質のカルボキシ末端にアルカリホスファターゼ融合を生成する。アミノ末端IgGκシグナル配列を有するアルカリホスファターゼがPSCAタンパク質のアミノ末端に融合した構築物もまた、生成される。得られた組み換えタンパク質は、トランスフェクションされた哺乳動物細胞の培地への分泌に最適化されており、PSCAタンパク質と相互作用するリガンドまたはレセプターのようなタンパク質の同定に使用され得る。タンパク質発現は、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターによって駆動し、この組み換えタンパク質はまた、検出または精製を促進するカルボキシ末端に融合したmycエピトープおよび6×Hisエピトープを有する。ベクター中に存在するZeocin耐性遺伝子によって、この組み換えタンパク質を発現する哺乳動物細胞の選択が可能になり、アンピシリン耐性遺伝子によりE.coliにおけるプラスミドの選択が可能になる。
ptag5:PSCAのORFまたはその一部を、pTag5にクローニングした。このベクターは、pAPtagと似ているが、アルカリホスファターゼ融合を伴わない。この構築物は、IgGκシグナル配列をアミノ末端に有し、検出およびアフィニティー精製を容易にするmycタグおよび6×Hisエピトープタグをカルボキシ末端に有する、PSCAタンパク質を生成する。得られた組み換えPSCAタンパク質は、トランスフェクションされた細胞の培地への分泌のために最適化されており、PSCAタンパク質と相互作用するリガンドまたはレセプターのようなタンパク質を同定するための免疫原またはリガンドとして使用される。タンパク質発現は、CMVプロモーターにより駆動される。ベクター中に存在するZeocin耐性遺伝子によって、この組み換えタンパク質を発現する哺乳動物細胞の選択が可能になり、アンピシリン耐性遺伝子によりE.coliにおけるプラスミドの選択が可能になる。
PsecFc:PSCAのORFまたはその一部を、psecFcにクローニングした。このpsecFcベクターは、ヒト免疫グロブリンG1(IgG)Fc(ヒンジ、CH2、CH3領域)を、pSecTag2(Invitrogen,California)にクローニングすることによって、構築した。この構築物は、IgGKシグナル配列をN末端に融合させながら、PSCAタンパク質のカルボキシ末端においてIgG1 Fc融合物を生成する。マウスIgG1 Fc領域を使用するOSCA融合物もまた、使用される。得られた組み換えPSCAタンパク質は、トランスフェクションされた哺乳動物細胞の培地への分泌のために最適化されており、免疫原として、あるいはPSCAタンパク質と相互作用するリガンドまたはレセプターのようなタンパク質を同定するために使用され得る。タンパク質タンパク質発現は、CMVプロモーターにより駆動される。そのベクター中に存在するハイグロマイシン耐性遺伝子によって、その組み換えタンパク質を発現する哺乳動物細胞の選択が可能になり、アンピシリン耐性遺伝子により、E.coliにおけるプラスミドの選択が可能になる。
図8は、293T細胞からのPSCA psecFcタンパク質の発現および精製を示す。
pSRα構築物:PSCAを構成的に発現する哺乳動物細胞株を生成するために、PSCAのORFまたはその一部を、pSRα構築物にクローニングした。アンホトロピックレトロウイルスおよびエコトロピックなレトロウイルスを、pSRα構築物の293T−10A1パッケージング株(packaging line)へのトランスフェクション、またはpSRαおよびヘルパープラスミド(欠失したパッケージング配列を含む)の293細胞への同時トランスフェクションにより、それぞれ生成した。レトロウイルスは、種々の哺乳動物細胞株を感染するのに使用され、クローニングした遺伝子(PSCA)の宿主細胞株への組み込みをもたらす。タンパク質発現は、長い末端反復配列(LTR)によって駆動される。ベクター中に存在するネオマイシン耐性遺伝子により、そのタンパク質を発現する哺乳動物細胞の選択が可能となり、そしてColE1複製起点により、E.coliにおけるプラスミドの選択および維持が可能になる。レトロウイルスベクターは、その後、例えばPC3、NIH 3T3、TsuPr1、293またはrat−1を使用して、種々の細胞株の感染および生成のために使用され得る。
図6は、PSCA pSRα構築物を使用する、組み換えマウス、ラットおよびヒト細胞株におけるPSCAの発現を示す。示されたマウス、ラットおよびヒト細胞株は、ヒトPSCA cDNAおよびネオマイシン耐性遺伝子を有するかまたはネオマイシン耐性遺伝子のみを有するレトロウイルスで感染させた。安定な組み換え細胞株を、G418薬物選択によって作製した。PSCA発現を、1G8抗PSCA MAb(5μg/ml)でFACS染色により決定した。FACSプロフィールに示されるように、PPSCAで感染した株においてのみ、PSCAにおいて蛍光シフトをしめす。このことは、細胞表面でのPSCAの発現を示している。これらの株は、免疫原としてのMAb開発、MAbスクリーニング試薬、および機能アッセイにおいて有用である。
抗Flag抗体を使用する検出を可能にするために、FLAGTMタグのようなエピトープタグをPSCA配列のカルボキシ末端に融合したさらなるsPRα構築物を、作製する。例えば、FLAGTM配列5’ gat tac aag gat gac gac gat aag 3’(配列番号76)を、PRFの3’末端においてクローニングプライマーに付加する。さらなるpSRα構築物を、全長PSCAタンパク質のアミノ末端およびカルボキシ末端両方のGFPならびにmyc/6×His融合タンパク質を産生するために、作製する。
さらなるウイルスベクター:さらなる構築物を、PSCAのウイルス媒介送達および発現のために作製する。高レベルのPSCA発現を導く高いウイルス力価は、アデノウイルスベクターおよびヘルペスアンプリコンベクターのようなウイルス送達系において達成される。PSCAコード配列またはそのフラグメントを、PCRによって増幅し、AdEasyシャトルベクター(Stratagene)にサブクローニングする。製造者の指示に従って、組み換えおよびウイスルのパッケージングを実施し、アデノウイルスベクターを生成する。あるいは、PSCAコード配列またはそのフラグメントを、HSV−1ベクター(Imgenex)にクローニングし、ヘルペスウイルスベクターを生成する。その後、このウイルスベクターを、PC3、NIH 3T3、293またはrat−1細胞のような種々の細胞株の感染のために使用する。
制御発現系:哺乳動物細胞におけるPSCAの発現を制御するために、PSCAのコード配列またはその一部を、T−Rex System(Invitrogen)、the GeneSwitch System(Invitrogen)および厳しき制御されたEcdysone System(Sratagene)のような、制御された哺乳動物発現系にクローニングする。これらの系により、組み換えPSCAの時間的および濃度依存的な研究が可能になる。その後、これらのベクターを、PC3、NIH 3T3、293またはrat−1のような種々の細胞株においてPSCAの発現を制御するために使用する。
(B.バキュロウイルス発現系)
バキュロウイルス発現系において組み換えPSCAタンパク質を生成するために、PSCAのORFまたはその一部を、バキュロウイルス移入ベクターであるpBlueBac 4.5(Invitrogen)にクローニングする。このベクターは、N末端にHisタグを提供する。具体的には、pBlueBac−PSCAを、ヘルパープラスミドであるpBac−N−Blue(Invitrogen)と一緒にSF9(Spodoptera frugiperda)昆虫細胞に同時トランスフェクションし、組み換えバキュロウイルスを生成する(詳細については、Invitrogenの支持マニュアルを参照のこと)。次いでバキュロウイルスを、細胞上清から収集し、プラークアッセイによって精製する。
次いで、組み換えPSCAタンパク質を、精製バキュロウイルスでのHighFive昆虫細胞(Invitrogen)の感染によって生成する。組み換えPSCAタンパク質は、抗PSCA抗体または抗Hisタグ抗体を使用して検出され得る。PSCAタンパク質を精製し、種々の細胞ベースのアッセイにおいて、またはPSCAに特異的なポリクローナル抗体もしくはモノクローナル抗体を生成するための免疫原として使用することができる。
(C.PSCAオルソログのための発現ベクター)
PSCAのマウスおよびサルオルソログを、pcDNA3.1/MycHis Version A(Invitrogen,Carlsbad,CA)にクローニングした。タンパク質発現は、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターによって駆動する。組み換えタンパク質は、カルボキシ末端に融合したmycエピトープおよび6×Hisエピトープを有する。これらのベクターにより、モノクローナル抗ヒトPSCA抗体の交差反応性をアッセイするための、PSCAオルソログの発現が可能になる。
PSCAのマウスおよびサルオルソログもまた、pSRα構築物にクローニングした。pSRα構築物により、PSCAオルソログを構成的に発現する哺乳動物細胞株の生成が可能になる。タンパク質発現は、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターによって駆動する。組み換えタンパク質は、カルボキシ末端に融合したmycエピトープおよび6×Hisエピトープを有する。これらのベクターにより、モノクローナル抗ヒトPSCA抗体の交差反応性をアッセイするため、およびPSCAオルソログの機能的活性を研究するための、PSCAオルソログの発現が可能になる。アンホトロピックレトロウイルスおよびエコとロピックレトロウイルスを、pSRα構築物の293T−10A1パッケージング株(packaging line)へのトランスフェクション、またはpSRαおよびヘルパープラスミド(欠失したパッケージング配列を含む)の293細胞への同時トランスフェクションにより、それぞれ生成した。このレトロウイルスは、種々の哺乳動物細胞株の感染に使用され、クローニングされた遺伝子(PSCAオルソログ)の宿主細胞株への組み込みをもたらす。
図7は、293T細胞へのトランスフェクション後のマウスおよびサルのPSCA.pcDNA3.1/MycHisの発現を示す。293T細胞を、マウスPSCA.pcDNA3.1/MycHisもしくはサルPSCA.pcDNA3.1/MycHis、またはpcDNA3.1/MycHisベクターコントロールのいずれかでトランスフェクションした。40時間後、細胞を収集し、抗OSCAモノクローナル抗体を使用するフローサイトメトリーによって分析した。
(実施例6)
(抗原性プロフィールおよび二次構造)
PSCA改変体1、3および4のアミノ酸プロフィールは、ExPasy分子生物学サーバ上の(.expasy.ch/cgi−bin/protscale.pl)のWorld Wide Web上のProtScaleにアクセスして見つけた。
これらのプロフィール:親水性(Hopp T.P.,Woods K.R.,1981.Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.78:3824−3828);疎水性(Kyte J.,Doolittle R.F.,1982.J.Mol.Biol.157:105−132);接触性残基パーセンテージ(Janin J.,1979 Nature 277:491−492);平均柔軟性(Bhaskaran R.およびPonnuswamy P.K.,1988.Int.J.Pept.Protein Res.32:242−255);β−ターン(Deleage,G.,Roux B.1987 Protein Engineering 1:289−294);および必要に応じて当該分野で利用可能な他のもの(例えばProtScale上にあるようなもの)を、各PSCA改変体タンパク質の抗原性領域を同定するために使用した。PSCA改変体の上述のアミノ酸プロフィールの各々は、分析のための以下のProtScaleパラメーターを使用して生成した:1)ウインドウサイズ9;2)ウインドウの中央と比較してウインドウの端の100%の重み;および3)0と1との間になるように正規化されたアミノ酸プロフィール値。
親水性、疎水性および接触性残基パーセンテージプロフィールは、親水性アミノ酸のストレッチを決定するために使用した(すなわち、値が、親水性および接触性残基パーセンテージプロフィールについて0.5より大きく、疎水性プロフィールについて0.5未満)。そのような領域は、水性環境に曝されており、タンパク質の表面に存在し、そしてそれゆえ免疫認識(例えば、抗体による)のために利用可能である傾向がある。
平均柔軟性およびβ−ターンプロフィールは、βシートおよびαへリックスのような二次構造に束縛されないアミノ酸のストレッチを決定する(すなわち、値が、β−ターンプロフィールおよび平均柔軟性プロフィールについて0.5より大きい)。そのような領域もまた、タンパク質上に曝されており、それゆえ免疫認識(例えば、抗体による)がアクセス可能である傾向がある。
例えば上述のプロフィールによって示されたPSCA改変体タンパク質の抗原性配列を、治療的または診断的抗PSCA抗体を生成するための免疫原(ペプチドまたはそれをコードする核酸のいずれか)を調製するのに使用する。この免疫原は、図1に列挙されるPSCAタンパク質改変体由来の、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50個または50個を超える連続するアミノ酸、またはそれらをコードする対応する核酸のいずれかであり得る。図1に列挙したPSCAタンパク質改変体のアミノ酸プロフィールは、その改変体が示された改変体と同一の配列を含むため、推測することができる。具体的には、本発明のペプチド免疫原は、親水性プロフィールにおいて0.5より大きい値を有するアミノ酸位置を含む、図1のアミノ酸の少なくとも5個(それ以上の整数)のアミノ酸のペプチド領域;疎水性プロフィールにおいて0.5未満の値を有するアミノ酸位置を含む、図1のアミノ酸の少なくとも5個(それ以上の整数)のアミノ酸のペプチド領域;接触性残基プロフィールにおいて0.5より大きい値を有するアミノ酸位置を含む、図1のアミノ酸の少なくとも5個(それ以上の整数)のアミノ酸のペプチド領域;平均柔軟性プロフィールにおいて0.5より大きい値を有するアミノ酸位置を含む、図1のアミノ酸の少なくとも5個(それ以上の整数)のアミノ酸のペプチド領域;およびβ−ターンプロフィールにおいて0.5より大きい値を有するアミノ酸位置を含む、図1のアミノ酸の少なくとも5個(それ以上の整数)のアミノ酸のペプチド領域を含み得る。本発明のペプチド免疫原はまた、上述のいずれかをコードする核酸も含み得る。
本発明の全ての免疫原(ペプチドまたは核酸)は、ヒト単位用量形態において具現化され得るか、またはヒト生理学に適合した薬学的賦形剤を含む組成物によって含まれ得る。
PSCAタンパク質改変体1、3、4および6の二次構造(すなわち、αへリックス、伸びたストランド、およびランダムコイルの予測される存在および局在)は、HNN−Hierarchical Neural Network法(NPS@:Network Protein Sequence Analysis TIBS 2000 March Vol.25,No 3[291]:147−150 Combet C.,Blanchet C.,Geourjon C.およびDeleage G.,http://pbil.ibcp.fr/cgi−bin/npsa_automat.pl?page=npsa_nn.html)を使用して一次アミノ酸配列から予測する。HNNは、(.expasy.ch/tools/)にあるWorld Wide Web上のExPasy分子生物学サーバからアクセスされる。この分析は、PSCA改変体1が30.89%のαへリックス、21.95%の伸びたストランドおよび47.15%のランダムコイルから構成されることを示している。PSCAタンパク質改変体3は、14.89%のαへリックス、8.51%の伸びたストランド、および76.60%のランダムコイルから構成される。PSCAタンパク質改変体4は、9.52%のαへリックス、8.99%の伸びたストランド、および81.48%のランダムコイルから構成される。PSCAタンパク質改変体6は、24.56%のαへリックス、21.93%の伸びたストランド、および53.51%のランダムコイルから構成される。
PSCA改変体タンパク質における膜貫通ドメインの潜在的な存在についての分析を、(.expasy.ch/tools/)にあるWorld Wide Web上のExPasy分子生物学サーバからアクセスされる種々の膜貫通予測アルゴリズムを使用して実行した。
(実施例7)
(PSCAポリクローナル抗体の作製)
ポリクローナル抗体は、例えば、免疫化剤、および、所望される場合、アジュバントの1回以上の注射により、哺乳動物において惹起され得る。代表的に、免疫化剤および/またはアジュバントは、複数回の皮下もしくは腹腔内への注射によって、哺乳動物に注射される。全長PSCAタンパク質改変体で免疫化することに加え、アミノ酸配列の解析に基づいて、抗原性があり、そして、免疫化された宿主の免疫系による認識に有効である特徴を含む免疫原の設計において、コンピュータのアルゴリズムが用いられる(「抗原性プロフィールおよび二次構造」という表題の実施例を参照のこと)。このような領域は、β−ターンの立体配置において、親水性かつ可撓性であり、そして、タンパク質の表面上に曝露されることが予測される。
例えば、PSCAタンパク質改変体の親水性の可撓性β−ターン領域を含む組換え細菌融合タンパク質もしくはペプチドは、「PSCAモノクローナル抗体(MAb)の作製」という表題の実施例に記載されるように、New Zealand Whiteウサギにおいてポリクローナル抗体を、または、モノクローナル抗体を作製するための抗原として使用される。例えば、PSCA改変体1において、このような領域としては、アミノ酸28〜56およびアミノ酸66〜94が挙げられるがこれらに限定されない。改変体3については、このような領域としては、アミノ酸7〜39およびアミノ酸70〜94が挙げられるがこれらに限定されない。改変体4については、このような領域としては、アミノ酸6〜18、アミノ酸27〜39、アミノ酸103〜133およびアミノ酸177〜189が挙げられるがこれらに限定されない。改変体6については、このような領域としては、アミノ酸19〜35およびアミノ酸57〜85が挙げられるがこれらに限定されない。免疫化された哺乳動物において免疫原性であることが知られているタンパク質に免疫化剤を結合体化させることが有用である。このような免疫原性タンパク質の例としては、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、血清アルブミン、ウシサイログロブリンおよび大豆トリプシンインヒビターが挙げられるがこれらに限定されない。一実施形態において、PSCA改変体4のアミノ酸103〜133をコードするペプチドが、KLHに結合体化され、そして、ウサギを免疫化するために使用される。あるいは、免疫化剤は、PSCA改変体タンパク質、そのアナログもしくは融合タンパク質の全てまたは一部を含み得る。例えば、PSCA改変体のアミノ酸配列は、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)およびHISタグ化融合タンパク質のように、組み換えDNA技術を用いて、当該分野で周知の種々の融合タンパク質パートナーのいずれか1つに融合され得る。一実施形態において、PSCA改変体1配列、アミノ酸18〜98を、組換え技術を用いて、pGEX発現ベクター内でGSTに融合させ、発現、精製させ、そして、これを用いてウサギおよびマウスの両方を免疫化して、それぞれ、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を作製した。このような融合タンパク質は、適切な親和性マトリクスを用いて、誘導細菌から精製される。
使用され得る他の組換え細菌融合タンパク質としては、マルトース結合タンパク質、LacZ、チオレドキシン、NusA、または、免疫グロブリン定常領域が挙げられる(「原核生物系における組み換えPSCAの産生」という表題の節と、Current Protocols In Molecular Biology,第2巻,第16部,Frederick M.Ausubulら編,1995;Linsley,P.S.,Brady,W.,Urnes,M.,Grosmaire,L.,Damle,N.,およびLedbetter,L.(1991)J.Exp.Med.174,561−566を参照のこと)。
細菌に由来する融合タンパク質に加え、哺乳動物が発現したタンパク質抗原もまた使用される。これらの抗原は、Tag5およびFc−融合ベクターのような哺乳動物発現ベクターから発現され(「真核生物系における組換えPSCAの産生」という表題の節を参照のこと)、そして、天然のタンパク質に見られる糖タンパク質のような翻訳後修飾を保持する。一実施形態において、N末端リーダーペプチドおよびC末端GPIアンカーを欠くPSCA改変体1のcDNAを、Tag5哺乳動物分泌ベクターにクローニングし、そして、293T細胞において発現させた。この組換えタンパク質を、この組換えベクターを安定して発現する293T細胞の組織培養上清から、金属キレートクロマトグラフィーにより精製した。精製したTag5 PSCAタンパク質を、次いで、免疫原として使用した。
免疫化プロトコールの間に、宿主動物の免疫応答を増強するアジュバント中に抗原を混合または乳化することが有用である。アジュバントの例としては、完全Freundアジュバント(CFA)およびMPL−TDMアジュバント(モノホスホリル脂質A、合成トレハロースジコリュノミコレート)が挙げられるがこれらに限定されない。
代表的なプロトコールにおいて、ウサギを、最初に、完全Freundアジュバント(CFA)中に混合したKLHに結合体化させた、200μgまで(代表的には、100〜200μg)の融合タンパク質またはペプチドで、皮下で免疫化する。次いで、ウサギに、2週間毎に、200μgまで(代表的には、100〜200μg)の不完全Freundアジュバント(IFA)中の免疫原を皮下注射する。各免疫化の7〜10日後、試験血液を採取して、そして、ELISAにより抗血清の力価をモニタリングするために使用する。
免疫血清(例えば、PSCA改変体3もしくは4タンパク質のGST−融合タンパク質での免疫化に由来するウサギ血清)の反応性および特異性を試験するために、それぞれの全長PSCA改変体cDNAを、pCDA3.1myc−his発現ベクター(Invitrogen,「真核生物系における組換えPSCAの産生」という表題の実施例を参照のこと。)293T細胞内へと構築物を移入させた後、細胞の溶解物を、抗改変体血清および抗His抗体(Santa Cruz Biotechnologies,Santa Cruz,CA)でプローブさせて、ウェスタンブロット技術を用いて、変性した改変体タンパク質に対する特異的な反応性を決定する。さらに、免疫血清を、蛍光顕微鏡法、フローサイトメトリーならびに293Tおよび他の組換えPSCA改変体を発現する細胞に対する免疫沈降により試験して、ネイティブなタンパク質の特異的な認識を決定する。ウェスタンブロット、蛍光顕微鏡法、および、PSCAを内因的に発現する細胞に対する免疫沈降により試験する。内因的にPSCAを発現する細胞を用いる、ウェスタンブロット、免疫沈降、蛍光顕微鏡法、およびフローサイトメトリー技術もまた、反応性および特異性を試験するために行なわれる。
PSCA改変体融合タンパク質(例えば、GSTおよびMBP融合タンパク質)で免疫化したウサギからの抗血清を、融合パートナーを単独か、または、無関係の融合タンパク質という状況で含む親和性カラムを通すことにより、融合パートナーの配列に対して反応性の抗体を枯渇させることによって、精製する。例えば、GST−PSCA改変体1融合タンパク質に由来する抗血清を、まず、AffiGelマトリクス(BioRad,Hercules,Calif.)に共有結合させたGSTタンパク質のカラムを通すことにより精製する。次いで、この抗血清を、Affigelマトリクスに共有結合させたMBP−PSCA融合タンパク質から構成されるカラムを通すことによって、親和性精製する。次いで、この血清を、さらに、プロテインG親和性クロマトグラフィーにより精製して、IgG画分を単離する。他のHis−タグ化抗原およびペプチドで免疫化したウサギに由来する血清、ならびに、融合パートナーを欠く血清を、元のタンパク質免疫原から構成されるか、ペプチドを含まないカラムマトリクスを通すことによって親和性精製する。
(実施例8)
(PSCAモノクローナル抗体(MAb)の作製)
一実施形態において、PSCAおよびPSCA改変体に対する治療用モノクローナル抗体(MAb)は、各タンパク質に特異的であるか、あるいは、PSCAもしくはPSCA改変体に結合するか、内部移行させるか、これらの生物学的な機能を妨害するか、または、調節する改変体の間に共通する配列に対して特異的なエピトープと反応する抗体(例えば、リガンドおよび結合パートナーとの相互作用を妨害する抗体)を含む。このようなMAbを作製するための免疫源としては、PSCAタンパク質の細胞外ドメインまたは全配列をコードするか、もしくは含むように設計されたもの、機能的モチーフを含むと予測される領域、および、アミノ酸配列のコンピュータ解析から、抗原性であると予測されるPSCAタンパク質改変体の領域が挙げられる。免疫源としては、ペプチド、組換え細菌タンパク質(例えば、GST−PSCA融合タンパク質(図8)およびHisタグ化PSCA pETベクタータンパク質(図6)および哺乳動物により発現させた、精製Hisタグ化タンパク質(図7)、ならびに、ヒトおよびマウスのIgG FC融合タンパク質)が挙げられる。さらに、細胞を、レトロウイルスの形質導入によって、高いレベルのPSCA改変体1を発現するように加工した(例えば、RAT1−PSCA)。293T−PSCA、3T3−PSCA、または300.19−PSCAは、マウスを免疫するために使用する(図5)。
PSCAに対するモノクローナル抗体を作製するために、第一に、マウスを、代表的には、5〜50μgのタンパク質免疫源、または、適切なアジュバント中で混合した106〜107個のPSCA発現細胞を用いてフットパッド(FP)において免疫した。FP免疫化に適切なアジュバントの例は、最初のFP注射についてはTiterMax(Sigma)であり、その後、Immuneasy(Qiagen)を含むミョウバンゲルが注射される。最初の注射後、屠殺する時点まで、マウスに、引き続いて、1週間に2回免疫し、そして、リンパ節から得たB細胞を、融合に用いた。
免疫化プロトコールの間に、試験血を採取して、免疫応答の力価と特異性をモニターした。多くの場合、ELISA、ウェスタンブロッティング、免疫沈降、蛍光顕微鏡法またはフローサイトメトリー解析により決定した場合に、一旦適切な反応性および特異性が得られると、次いで、エレクトロセルフュージョン(electrocell fusion)(BTX,ECM2000)を用いて融合およびハイブリドーマ作製を行った。
一実施形態において、本発明は、Ha1−1.16、Ha1−5.99、Ha1−4.117、Ha1−4.120、Ha1−4.121およびHa1−4.37と指定されるモノクローナル抗体を提供する。これらの抗体を同定し、そして、これらの抗体が、細胞表面、または固定化したPSCAと反応および結合することを示す。
PSCAに対するMAbを、XenoMouse(登録商標)技術を用いて作製し、このマウスにおいては、マウスの重鎖遺伝子座およびκ軽鎖遺伝子座が不活性化されており、そして、ヒト重鎖およびκ軽鎖の免疫グロブリン遺伝子座の大部分が挿入されている。ヒトγ1を産生するXenoMouseを(PSCA−GSTで13回)免疫化した後に、Ha1−1.16を作製し;Rat1−PSCA細胞で6回、そしてその後、PSCA−tag5で2回の注射によって、ヒトγ2を産生するXenoMouseを免疫化した後に、Ha1−5.99を作製し;Rat1−PSCA細胞で6回、そしてその後、PSCA−tag5で4回の注射によって、ヒトγ1を産生するXenoMouseを免疫化した後に、Ha1−4.117、HA1−4.37、Ha1−4.120およびHa1−4.121を作製した。抗PSCA MAbである、Ha1−1.16、Ha1−5.99、Ha1−4.117、Ha1−4.120およびHa1−4.121は、前立腺癌の異種移植片細胞において発現される、内在性の細胞表面PSCAと結合する。
Ha1−5.99、Ha1−4.117、Ha1−4.120、Ha1−4.37、Ha1−1.16およびHa1−4.121と指定されるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、2005年5月4日に、American Type Culture Collection(ATCC),P.O.Box 1549,Manassas,VA 20108に(Federal Expressにより)送付され、そして、それぞれ、PTA−6703およびPTA−6699およびPTA−6700およびPTA−6702およびPTA−6698およびPTA−6701の寄託番号が割り当てられた。
抗PSCA MAbであるHa1−1.16、Ha1−5.99、Ha1−4.117、Ha1−4.120、Ha1−4.121およびHa1−4.37の配列をコードするDNAを、それぞれのハイブリドーマ細胞からTrizol試薬(Life Technologies,Gibco BRL)を用いてmRNAを単離した後に決定した。総RNAを精製し、定量した。Gibco BRL Superscript Preamplificationシステムを用いて、オリゴ(dT)12 18プライミングにより、第一鎖(first strand)cDNAを総RNAから作製した。第一cDNA鎖を、ヒト免疫グロブリン可変重鎖プライマーおよびヒト免疫グロブリン可変軽鎖プライマーを用いて増幅した。PCR産物を、pCRScriptベクター(Stratagene,La Jolla)内にクローニングした。いくつかのクローンを配列決定し、そして、可変重鎖領域および可変軽鎖領域を決定した。可変重鎖領域および可変軽鎖領域の核酸配列およびアミノ酸配列を、図2および図3に列挙する。PSCA抗体の、生殖系列V−D−J配列に対するアラインメントを、図4A〜図4Mに示す。
(実施例9)
(PSCA抗体のスクリーニングおよび同定)
「PSCAモノクローナル抗体(MAb)の作製」という表題の実施例に示される手順を用いて作製した抗体を、ELISA、FACS、エピトープグルーピング、および、細胞表面上に発現するPSCAに対する親和性を含む、アッセイの組み合わせを用いて、スクリーニングおよび同定した。
(A.FACSによるPSCAヒトMAbのスクリーニング)
PSCAに対するMAbについての最初のハイブリドーマスクリーニングを、FACSにより行った。プロトコールは、以下の通りであった:50μl/ウェルのハイブリドーマ上清(希釈なし(neat))または(段階希釈した)精製抗体を、96ウェルのFACSプレートに加え、そして、PSCAを発現する細胞(内因性または組換え、50,000細胞/ウェル)と混合した。この混合物を、4℃にて2時間インキュベートした。インキュベーションの終了時に、細胞をFACS緩衝液で洗浄し、そして、100μlの検出抗体(抗hIgG−PE)と共に、4℃にて45分間インキュベートした。インキュベーションの終了時に、細胞をFACS緩衝液で洗浄し、ホルムアルデヒドで固定し、そして、FACScanを用いて分析した。データを、CellQuest Proソフトウェアを用いて分析した。黒色のヒストグラムは、ネガティブコントロールの細胞からのデータを示し、白色のヒストグラムは、PSCA陽性細胞からのデータを表す(図9)。
最初のスクリーニングから陽性であると同定されたハイブリドーマを、24ウェルプレートに移し、そして、確認のスクリーニングのために上清を回収した。確認のスクリーニングは、B300.19−PSCA/300.19−neo、Rat1−PSCA/Rat1−neo、PC3−PSCA/neo、SW780(膀胱癌細胞株)、LAPC9AI(前立腺癌細胞株)、HPAC(膵臓癌細胞株)についてのFACs、ならびに、Tag5−PSCA、GST−PSCA、GST−PSCA N−term、Med.C−TermおよびpET−PSCAを用いる、ELISAアッセイを含んだ。
(B.PSCAヒトMAbの相対的な親和性の分析)
ハイブリドーマの上清を試験して、細胞表面PSCAに対するそのそれぞれの結合親和性を決定した。ハイブリドーマの上清を、FACS緩衝液(FB)中でμg/ml〜ng/ml以下まで段階希釈し;そして、LAPC9AI細胞を用いる、FACS結合アッセイにおいて評価した。親和性の高い抗体が、高いMFI値を示した。各点におけるMFI値を、CellQuest Proソフトウェアを用いて取得し、そして、これを、Graphpad Prismソフトウェア:シグモイドの用量応答(可変勾配(variable slope))方程式を用いる、親和性の計算に用いた(表VIIおよび表VIII)。相対的な親和性の分析結果を、図10に示す。
(C.エピトープグルーピング)
PSCA抗体を、LAPC9AI細胞における結合パターンを評価することによって、エピトープに基づいてグルーピングした。簡単に述べると、少量の各抗体を、ビオチン化し;次いで、このビオチン化した抗体の各々を、過剰(100倍)量のビオチン化していない抗体の存在下で、LAPC9AIと共に、4℃にて1時間インキュベートした。一般に、過剰量の抗体は、同じエピトープに結合する場合、ビオチン化した抗体と競合する。インキュベーションの終了時に、細胞を洗浄し、そして、ストレプトアビジン−PEと共に4℃にて45分間インキュベートした。未結合のストレプトアビジン−PEを洗浄して除いた後、細胞を、FACSを用いて分析した。MFI測定を、データ分析に用いた(表VII)。表XIに示すように、黄色で強調した細胞は、自己競合(100%競合)を示し、そして、これらの細胞におけるMFIは、ビオチン化した抗体の各々についてのバックグラウンドのコントロールである。無色の細胞は、2つの抗体が互いに競合すること(低いMFI)を示し、高いMFI(青色で強調)は、2つの抗体が、2つの別個のエピトープに結合することを示す。同じ結合パターンを有する抗体は、複数の抗体の中でも、同じエピトープに結合する。試験した抗体の中には、6つのエピトープ群が存在する。表XIは、PSCA 4.121が、その固有のエピトープに結合することを示す。
(実施例10)
(PSCA抗体の性質決定および発現)
(A.サルPSCAおよびマウスPSCAの交差反応性)
MAbを、マウス起源およびサル起源のPSCAに反応するその能力についてスクリーニングし、そして性質決定した。この特性は、マウス動物モデルおよびサル動物モデルを使用した際の、細胞および組織におけるPSCAのMAb結合の結果を理解するために有用である。カニクイザルおよびマウスのPSCA遺伝子をクローニングし、レトロウイルスにおいて発現させ、そして一時的に293−T細胞内に感染させた。 を、以下のプロトコールを用いて、対応する抗体とともにインキュベートした。試験抗体を、カニクイザルPSCAもしくはマウスPSCAのどちらかを発現する293−T細胞、またはthe−neo gene遺伝子のみを発現する293T細胞(ネガティブコントロールとして)と共にインキュベートした。特異的認識を、抗hIgG−PE二次検出抗体を使用して決定した。種による(specied)交差反応性を図示する棒グラフを、図11に示す。まとめを、表Xに示す。表Xは、抗ヒトPSCA抗体の1つを除き全てがサルPSCAと交差反応し、そして抗ヒトPSCA抗体の1つを除き全てがマウスPSCAと交差反応したことを示す。
(B.FACSによる親和性決定)
7種の抗ヒトPSCA抗体のパネルを、SW780細胞(高レベルのPSCAを発現するヒト膀胱癌細胞株)上のPSCAに対するその結合親和性について試験した。精製抗体の23の1:2連続希釈系列を、SW780細胞(50,000細胞/ウェル)と共に、4℃で一晩、167nM〜0.01pMの終濃度でインキュベートした。インキュベーションの最後に、細胞を洗浄し、そして抗hIgG−PE検出抗体と共に4℃で45分間インキュベートした。未結合の検出抗体を洗い流した後、細胞を、FACSによって分析した;各点のMFI値を、Cell Quest Proソフトウェアを用いて得、このMFI値を、Graphpad Prismソフトウェア:シグモイド用量−応答(可変傾斜)方程式(表VIIおよび表VIII)を用いる親和性計算に用いた。7種の抗体の親和性の値を、表IXに示す。
(実施例11)
(PSCA抗体内在化)
Hal−4.121の内在化を、PC3−PSCA細胞を用いて研究した。簡潔にいうと、Hal−4.121を、細胞と共に4℃で90分間インキュベートし、抗体を細胞表面に結合させた。次いで、細胞を、2つのグループに分け、そしてインキュベーションを37℃で続けて抗体を内在化させるか、あるいはコントロールとしてインキュベーションを4℃で続けた(内在化なし)。37℃/4℃インキュベーション後に、酸洗浄を用いて、細胞表面上に結合したPSCA 4.121を除去した。その後の透明化により、内在化PSCAに結合した抗体の検出が可能になった。二次検出抗体とのインキュベーション後、細胞を、FACSを用いて分析するか、または蛍光顕微鏡下で観察した。約30%のHal−4.121は、2時間の37℃でのインキュベーション後、内在化した(図12)。
(実施例12)
(二次死滅を媒介する抗体)
PSCAに対する抗体は、PSCA発現細胞において、saporin界面活性剤死滅を媒介する。B300.19−PSCA発現細胞(750細胞/ウェル)を、1日目に、96ウェルプレート中に播種した。翌日、2×濃度の等容量の望ましい一次抗体を、2倍過剰量のsaporin毒素(Advanced Targeting Systems,San Diego,CA)と結合体化した抗ヒトポリクローナル抗体(Hum−Zap)もしくは抗ヤギポリクローナル抗体(Goat−Zap)と共に含有する培地を、各ウェルに添加した。細胞を、5日間37℃でインキュベートした。インキュベーション期間の最後に、MTS(Promega)を各ウェルに添加し、そしてインキュベーションをさらに4時間続けた。450nMにおけるODを、決定した。図13(A)の結果:PSCA抗体HA1−4.121およびHA1−4.117は、B300.19−PSCA細胞において、saporin界面活性剤細胞傷害を媒介した。一方、コントロール(非特異的ヒトIgG1)は、効果がなかった。図13Bの結果:二次saporin結合体化抗体の添加は、ヒトFcを認識せず、細胞傷害を媒介しなかった(図13(A)および図13(B))。これらの結果は、薬物もしくは細胞障害性タンパク質は、適切な抗PSCAMAbを用いて、PSCA発現細胞に選択的に送達され得ることを示す。
(実施例13)
(抗体免疫によって媒介される細胞傷害)
PSCA抗体を評価し、免疫依存性細胞傷害を媒介するその能力を決定した。PSCA抗体(0〜50μg)を、PHB緩衝液(RPMI 1640,Gibco Life Technologies,20mM HEPES)で希釈した。B300.19−PSCA発現細胞を、RHB緩衝液中で洗浄し、そして106細胞/mlの密度で再度浮遊させた。代表的なアッセイにおいて、50μlのPSCA抗体、50μlの希釈したウサギ補体血清(Cedarlane,Ontario,Can)、ならびに50μlの細胞浮遊液を、平底組織培養96ウェルプレート内に、共に添加した。混合液を、5% CO2インキュベーター内で37℃で2時間インキュベートし、補体媒介性細胞溶解を促進した。次いで、50μlのAlamar Blue(Biosource Intl.Camarillo,CA)を各ウェルに添加し、そしてインキュベーションを37℃でさらに4〜5時間続けた。各ウェル中の蛍光を、96ウェルフルオロメーターを用いて、励起530nmおよび放出590nmで読み取った。この結果は、Ig1イソ型を有するPSCA抗体(HA1−4.121)もしくはIgG2イソ型を有するPSCA抗体(HA1−5.99.1)は、補体依存性溶解を媒介可能であったが、IgG4イソ型を有するPSCA抗体(HA1−6.46)は、補体依存性溶解を媒介しなかったことを示す(図14)。
ADCC(抗体依存性細胞媒介性細胞傷害)は、特定の細胞表面抗原に対して標的化される抗体と結合する細胞上の、免疫媒介性溶解性攻撃である。この場合、この抗原はPSCAである。免疫細胞は、白血球、単球およびNK細胞の表面上のFcγレセプターへの結合を通して、抗体のFc部分を認識し、溶解性攻撃を引き起こして、細胞死をもたらす。この応答を媒介するPSCA抗体の能力は、インビトロで腫瘍細胞を51クロム、ユーロピウムもしくは蛍光分子で標識化し、そしてこれらをヒトPSCA MAbおよび末梢血単核細胞の存在下でインキュベートすることによって評価され得る。腫瘍細胞の特異的溶解は、標的化腫瘍細胞の溶解率(%)を測定することによって決定され得る。決定される共通の指標は、適切な検出方法を用いる、死滅した細胞からの放射活性、ユーロピウムもしくは蛍光色素の放出が挙げられる。あるいは、細胞内酵素(例えば、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH))の放出が、測定され得る。
(実施例14)
(F(Ab’)フラグメントの産生)
MAbのF(Ab’)フラグメントの産生は、二価抗原結合部位を有するが免疫エフェクターFcドメインを欠くMAb分子の効果を、インビトロもしくはインビボの治療モデルにおいて研究するために有用である。20mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)中の20mgのMAb Hal−4.121を、固定化したペプシン(Pierce.Rockford IL)と共に、またはこれなしで、指定時間にわたってインキュベートした。インタクトなMAbおよび切断したFcフラグメントを、プロテインAクロマトグラフィーによって除去した。図15において、インタクトな未切断非還元MAb、指定の時間で得た切断物質の非還元アリコート、および最終切断F(ab’)2産物の還元型サンプルの、SDS−PAGEクーマシー染色ゲルを示す。この試薬は、PSCA発現腫瘍を有する動物を処置するために使用され得る。この抗体フラグメントによって観察される抗腫瘍活性は、免疫依存性機構によって媒介される活性から、固有の生物学的活性を識別し得る。
(実施例15)
(組換えDNA方法を用いるヒト抗体の発現)
抗PSCA MAbが組換え的にトランスフェクトされた細胞を発現させるため、抗PSCA可変重鎖および抗PSCA可変軽鎖の配列を、それぞれヒト重鎖IgH1および軽鎖Igκ定常領域の上流にクローニングした。完全抗PSCAヒト重鎖カセットおよび完全抗PSCAヒト軽鎖カセットを、クローニングベクター中のCMVプロモーター/エンハンサーの下流にクローニングした。ポリアデニル化部位は、MAbコード配列の下流を含んだ。組換え抗PSCA MAb発現構築物を、293T細胞、Cos細胞およびCHO細胞の中にトランスフェクトした。組換え293−T細胞から分泌されたHA1−4.121抗体を、図Pia−3Aにおける細胞表面のPSCAへの結合について評価し、そして元のハイブリドーマから産生された同じ抗体と比較した(図16)。
(実施例16)
(HLAクラスIおよびクラスII結合アッセイ)
精製HLA分子を用いるHAクラスIおよびクラスII結合アッセイを、開示されているプロトコールに従って実施した(例えば、PST公開WO94/20127およびWO94/03205;Sidneyら,Current Protocols in Immunology 18.3.1(1998);Sidneyら,J.Immunol.154:247(1995);Setteら,Mol.Immunol.31:813(1994))。簡潔に言うと、記載のように、精製したMHC分子(5〜500nM)を、種々の未標識ペプチドインヒビターおよび1〜10nM 125I放射標識プローブペプチドと共に、インキュベートする。インキュベーション後、MHC−ペプチド複合体を、ゲル濾過によって遊離のペプチドから分離し、そしてペプチド結合した画分を決定する。代表的に、予備実験において、各MHC調製物を、固定量の放射標識ペプチドの存在下で滴定して、総放射活性の10〜20%の結合に必要なHLA分子の濃度を決定する。その後の全ての阻害アッセイおよび検出結合アッセイを、これらのHA濃度を用いて実施する。
[標識]<[HLA]およびIC50[HLA]の条件下なので、測定されたIC50値は、正しいKD値の妥当な近似値である。ペプチドインヒビターを、代表的に、120μg/mg〜1.2ng/mlの範囲の濃度で、そして2〜4の完全に独立した実験において試験する。異なる実験において得られたデータの比較を可能にするために、相対結合量(relative binding figure)を、阻害についてのポジティブコントロールのIC50を各試験ペプチドについてのIC50(代表的に、放射標識プローブペプチドの未標的バージョン)で除算することによって、各ペプチドについて計算する。データベースおよび実験間比較の目的で、相対結合値を編集した。これらの値を、その後、阻害についてのポジティブコントロールのIC50nMを目的のペプチドの相対結合で除算することによって、IC50nM値に変換し戻してもよい。このデータ編集の方法は、正確であり、かつ比較するペプチド(異なった日に試験されているか、または精製MHCの異なったロットで試験されている)について一定である。上記に概説される結合アッセイは、HLAスーパーモチーフ保有ペプチドおよび/またはHLAモチーフ保有ペプチドを分析するために使用され得る(表IV参照)。
(実施例17)
(「ミニ遺伝子(Minigene)」マルチエピトープDNAプラスミドの構築)
本実施例は、ミニ遺伝子発現プラスミドの構築を考察する。ミニ遺伝子プラスミドは、無論、本明細書中で記載されるB細胞、CTLおよび/またはHTLエピトープもしくはエピトープアナログの種々の構造を含み得る。
ミニ遺伝子発現プラスミドは、代表的に、他数のCTLペプチドエピトープおよびHTLペプチドエピトープを含む。本実施例において、HLA−A2、HLA−A3、HLA−B7のスーパーモチーフを保有するペプチドエピトープおよびHLA−A1およびHLA−A24のモチーフを保有するペプチドエピトープを、DRスーパーモチーフを保有するペプチドエピトープおよび/またはDR3エピトープと組み合わせて用いる。PSCAに由来する、HLAクラスIスーパーモチーフもしくはモチーフを保有するペプチドエピトープは、多数のスーパーモチーフ/モチーフが提示されて、広範な範囲の集団を包含することを確実にするように選択される。同様に、HLAクラスIIエピトープは、PSCAから選択されて、広範な範囲の集団を提供する。すなわち、HLA DR−1−4−7スーパーモチーフ保有エピトープおよびHLA DR−3モチーフ保有エピトープを選択して、ミニ遺伝子構築物に含む。選択したCTLエピトープおよびHTLエピトープは、発現ベクターにおける発現のためにミニ遺伝子内に組み込まれる。
このような構築物は、HTLエピトープを小胞体に方向付ける配列をさらに含む。例えば、Iiタンパク質は、当該分野で記載されるように1種以上のHTLエピトープに融合され、ここで、Iiタンパク質のCLIP配列は、除去され、そしてHLAクラスIIエピトープ配列と置き換えられて、それにより、HLAクラスIIエピトープは、小胞体に方向付けられ、このエピトープは小胞体においてHLAクラスII分子に結合する。
本実施例は、ミニ遺伝子保有発現プラスミドの構築のために使用される方法を説明する。ミニ遺伝子組成物のために使用され得る他の発現ベクターは、当業者に利用可能であり、公知である。
本実施例のミニ遺伝子DNAプラスミドは、共通のKozak配列および共通のマウスκIg軽鎖シグナル配列を含み、このマウスκIg軽鎖シグナル配列の後ろに、本明細書中で開示される原則に従って選択されるCTLエピトープおよび/またはHTLエピトープが続く。この配列は、pcDNA 3.1 Myc−HisベクターによってコードされるMyc抗体エピトープタグおよびHis抗体エピトープタグに融合される、オープンリーディングフレームをコードする。
重複オリゴヌクレオチド(例えば、15ヌクレオチドの重複を有する平均約70ヌクレオチド長であり得る)は、合成され、そしてHPLC精製される。このオリゴヌクレオチドは、選択されたペプチドエピトープおよび適切なリンカーヌクレオチド、Kozak配列、およびシグナル配列をコードする。最終的なマルチエピトープミニ遺伝子を、重複するオリゴヌクレオチドを伸長することによって、PCRを用いた3セットの反応において組み立てる。Perkin/Elmer 9600 PCRマシンを使用し、そして計30サイクルで、以下の条件を用いて実施する:95℃で15秒間、アニーリング温度(各プライマー対の最低Tm計算値の5度下)で30秒間、および72℃で1分間。
例えば、ミニ遺伝子を、以下のように調製する。第1PCR反応について、各々5gの2種のオリゴヌクレオチドを、アニーリングし、そして伸長する:1つの実施例において、8種のオリゴヌクレオチドを用いる。すなわち、4対のプライマー、オリゴヌクレオチド1+2、3+4、5+6および7+8を、Pfuポリメラーゼ緩衝液(1x=10mM KCL、10 mM(NH4)2SO4、20mM Tris−Cl(pH8.75)、2mM MgSO4、0.1% TritonX−100、100μg/ml BSA)、各0.25mMのdNTP、および2.5UのPfuポリメラーゼを含有する100μlの反応物中で混合する。全長二量体産物を、ゲル精製し、そして1+2の産物および3+4の産物を含有する2種の反応物、ならびに5+6の産物および7+8の産物を含有する2種の反応物を、混合し、アニーリングし、そして10サイクル伸長させる。次いで、2種の反応物のうちの半分を混合し、5サイクルのアニーリングおよび伸長を実施して、その後、隣接するプライマーを添加し、全長産物を増幅する。全長産物を、ゲル精製し、そしてpCR−blunt(Invitrogen)内にクローニングし、そして個々のクローンを、配列決定によってスクリーニングする。
(実施例18)
(プラスミド構築物およびこのプラスミド構築物が免疫原性を誘導する程度)
プラスミド構築物(例えば、上記実施例に従って構築したプラスミド)が免疫原性を誘導する程度を、APCのエピトープ発現核酸構築物による形質導入もしくはトランスフェクション後にAPCによるエピトープ提示を決定することにより、インビトロで確認する。このような研究は、「抗原性」を決定し、ヒトAPCの使用を可能にする。このアッセイは、T細胞によって認識される状況において、APCによって提示されるエピトープの能力を、細胞表面上のエピトープ−HLAクラスI複合体の密度を定量することによって、決定する。定量を、APCから溶出されるペプチドの量の直接測定によって実施し得る(例えば、Sijtsら,J.Immunol.156: 683−692,1996;Demotzら,Nature 342:682−684,1989)。または、ペプチド−HLAクラスI複合体の数を、疾患もしくはトランスフェクトした標的細胞によって誘導される溶解もしくはリンホカイン放出の量を測定することによって見積もり、次いで、溶解およびリンホカイン放出の同等のレベルを得るために必要なペプチドの濃度を決定することができる(例えば、Kageyamaら,J.Immunol.154:567−576,1995)。
あるいは、免疫原性を、マウスへのインビボ注射、ならびにその後のCTL活性およびHTL活性のインビトロ評価によって確認する。CTL活性およびHTL活性を、それぞれ、細胞毒性および増殖のアッセイを用いて分析する(例えば、Alexanderら,Immunity 1:751−761,1994において詳述される)。
例えば、少なくとも1種のHLA−A2スーパーモチーフペプチドを含むDNAミニ遺伝子構築物がインビボでCTLを誘導する能力を確認するために、HLA−A2.1/Kbトランスジェニックマウスを、100μgの裸のDNAにより、筋肉内で免疫化する。また、cDNA免疫化によって誘導されたCTLのレベルを比較する手段として、ミニ遺伝子によってコードされるように1種のポリペプチドとして合成したマルチエピトープを含む実際のペプチド組成物で、コントロール群の動物を免疫化する。
免疫化動物由来の脾臓細胞を、各々の対応する構築物(ミニ遺伝子中にコードされるペプチドエピトープまたはポリエピトープ性ペプチド)で2回刺激し、次いで、ペプチド特異的細胞毒性活性について、51Cr放出アッセイにおいてアッセイする。この結果は、A2制限エピトープに対して指向されるCTL応答の規模を示し、従って、ミニ遺伝子ワクチンおよびポリエピトープ性ワクチンのインビボ免疫原性を示す。
従って、このミニ遺伝子は、ポリエピトープ性ワクチンのように、HLA−A2スーパーモチーフペプチドエピトープに対して免疫応答を誘発することを見出す。また、同様の分析を、他のHLA−A3トランスジェニックマウスおよびHLA−B7トランスジェニックマウスを用いて実施し、HLA−A3もしくはHLA−B7のモチーフエピトープまたはスーパーモチーフエピトープによるCTLの誘導を評価する。それにより、また、ミニ遺伝子は、与えられたエピトープに対する適切な免疫応答を誘発することを見出す。
クラスIIエピトープをコードするミニ遺伝子が、インビボでHTLを誘導する能力を確認するために、DRトランスジェニックマウスを、100μgのプラスミドDNAで筋肉内で免疫化する。または、例えば、適切なマウスMHC分子と交差反応するエピトープについて、クラスIIエピトープをコードするミニ遺伝子がインビボでHTLを誘導する能力を確認するために、I−Ab−制限マウスを、100μgのプラスミドDNAで筋肉内で免疫化する。DNA免疫化によって誘導されるHTLのレベルを比較する手段として、コントロール動物群もまた、完全フロイントアジュバント中に乳化した実際のペプチド組成物で免疫化した。CD4+ T細胞、すなわちHTLを、免疫化動物由来の脾臓細胞から精製し、対応する構築物(ミニ遺伝子によってコードされるペプチド)で各々刺激する。HTL応答を、H−チミジン取り込み増殖アッセイを用いて測定する(例えば、Alexanderら,Immunity 1:751−761,1994)。結果は、HTL応答の規模を示し、従って、ミニ遺伝子のインビボ免疫原性を実証する。
また、上記実施例に記載されるように構築されたDNAミニ遺伝子を、ワクチンとブースト薬剤との組み合わせとして、プライムブーストプロトコールを使用して、確認し得る。ブースト薬剤は、組換えタンパク質(例えば、Barnettら,Aids Res.and Human Retroviruses 14,補遺3:S299−S309,1998)または(例えば、ミニ遺伝子もしくは目的の完全タンパク質をコードするDNAを発現する)組換えワクシニア(例えば、Hankeら,Vaccine 16:439−445,1998;Sedegahら,Proc.Natl.Acad.Sci USA 95:7648−53,1998;HankeおよびMcMichael,Immunol.Letters 66:177−181,1999;ならびにRobinsonら,Nature Med.5:526−34,1999)から構成され得る。
例えば、プライムブーストプロトコールにおいて使用されるDNAミニ遺伝子の効力は、トランスジェニックマウスにおいて最初に評価される。本実施例において、100μgの少なくとも1つのHLA−A2スーパーモチーフ保有ペプチドを含む免疫原性ペプチドをコードするDNAミニ遺伝子によって、A2.1/Kbトランスジェニックマウスを、IMで免疫化する。インキュベーション期間(3〜9週間の範囲)後、マウスを、1匹あたり107pfuのDNAミニ遺伝子と同じ配列をコードする配列を発現する組換えワクシニアウイルスにより、IPでブーストする。コントロールマウスを、100μgのミニ遺伝子配列を有さないDNAもしくは組換えワクシニアで免疫化するか、またはミニ遺伝子をコードするDNAを用い、ワクシニアブーストを用いずに免疫化する。2週間のさらなるインキュベーション期間の後、マウス由来の脾臓細胞を、ELISPOTアッセイにおいて、ペプチド特異的活性について直ちにアッセイする。さらに、脾臓細胞を、ミニ遺伝子によってコードされるA2制限ペプチドエピトープおよび組換えワクシニアにより、インビトロで刺激し、次いで、α、βおよび/またはγIFN ELISAにおけるペプチド特異的活性について、アッセイする。
プライムブーストプロトコールにおいて使用するミニ遺伝子は、HLA−A2スーパーモチーフペプチドに対する免疫応答を、DNAのみの場合よりも多く誘発することが見出される。また、このような分析を、HLA−A11トランスジェニックマウスモデルもしくはHLA−B7トランスジェニックマウスモデルを用いて実施し、HLA−A3もしくはHLA−B7のモチーフエピトープまたはスーパーモチーフエピトープによってCTL誘導を評価し得る。プライムブーストプロトコールのヒトにおける使用は、以下で、「プライムブーストプロトコールを用いるCTL応答の誘導」と題された実施例において記載する。
(実施例19)
(複数抗原由来のポリエピトープ性ワクチン組成物)
本発明のPSCAペプチドエピトープを、他の標的腫瘍関連抗原由来のエピトープと組み合わせて使用して、PSCAおよびこのような他の抗原を発現する癌の予防もしくは処置に有用なワクチン組成物を作製する。例えば、ワクチン組成物は、PSCAおよびPSCA発現に関連する標的癌によってしばしば発現される腫瘍関連抗原由来の多数のエピトープを組み込む、1つのポリペプチドとして提供され得るか、あるいは、1種以上の別々のエピトープの混合物を含む組成物として投与され得る。あるいは、ワクチンは、インビトロでペプチドエピトープを入れ込んだミニ遺伝子構築物または樹状細胞として投与され得る。
(実施例20)
(免疫応答を評価するためのペプチドの使用)
本発明のペプチドを、特定の抗体の存在に対する免疫応答(PSCAに対するCTLもしくはHTL)を分析するために使用し得る。このような分析は、Oggら,Science 279:2103−2106,1998によって記載される様式で実施され得る。本実施例において、本発明に従うペプチドを、免疫原としてではなく、診断または予後診断の目的のための試薬として、使用する。
この実施例において、高感受性の白血球抗原の四量体複合体(「テトラマー」)を、例えば、疾患の異なる段階におけるHLA A*0201陽性の個体由来のPSCA HLA−A*0201特異的CTLの頻度の横断分析、またはA*0201モチーフを含むPSCAペプチドを包含するその後の免疫化のために使用する。四量体複合体を、記載されるように合成する(Museyら、N.Engl.J.Med.337:1267、1997)。簡単にいうと、精製したHLA重鎖(この実施例におけるA*0201)およびβ2−ミクログロブリンを、原核細胞生物発現系の手段によって合成する。この重鎖を、膜貫通−サイトゾル尾部の削除およびBirA酵素的ビオチン化部位を含む配列のCOOH末端への付加によって改変する。この重鎖(β2−ミクログロブリン)およびペプチドを、希釈によってリフォールディングする。45kDのリフォールディング産物を、高速タンパク質(fast protein)液体クロマトグラフィーによって単離し、次いでビオチン(Sigma、St.Louis、Missouri)、アデノシン5’トリホスフェートおよびマグネシウムの存在下においてBirAによってビオチン化する。ストレプトアビジン−フィコエリスリン結合体を、1:4のモル比で添加し、そして四量体生成物を、1mg/mlに濃縮する。得られる生成物を、四量体−フィコエリスリンと称する。
患者の血液のサンプルに関して、約100万個のPBMCを、300gで5分間遠心分離し、そして50μlの冷却したリン酸緩衝生理食塩水中に再懸濁する。Tricolor分析を、抗CD8−Tricolor、および抗CD38によって、四量体−フィコエリスリンを用いて行う。PBMCを、四量体および抗体と一緒に、氷上で30分間〜60分間インキュベートし、次いでホルムアルデヒド固定の前に2回洗浄する。ゲート(gate)は、>99.98%のコントロールサンプルを含むように適用される。四量体に対するコントロールは、A*0201陰性の個体およびA*0201陽性の非疾患ドナーの両方を含む。その後、この四量体によって染色された細胞の%を、フローサイトメトリーによって決定する。これらの結果は、エピトープ制限CTLを含むPBMCサンプル中の細胞の数を示し、それによってPSCAエピトープに対する免疫応答の程度を示し、したがってPSCAに対する曝露の状態、または保護的応答もしくは治療的応答を誘発するワクチンに対する曝露の状態を容易に示す。
(実施例21)
(プライムブーストプロトコールを使用する免疫応答の誘導)
遺伝子組み換えマウスにおけるDNAワクチンの有効性を確認するために使用した、基本的な原則において同様のプライムブーストプロトコール(例えば、表題「プラスミド構築およびそれが免疫原性を誘導する程度」の実施例において上に記載される)はまた、ヒトに対するワクチンの投与のために使用され得る。このようなワクチンレジメンは、例えば、そのままのDNAを最初に投与し、次いでこのワクチンをコードする組換えウイルスを使用するか、または組換えのタンパク質/ポリペプチドもしくはアジュバントにおいて投与されるペプチド混合物を使用するブーストを行う工程を包含する。
例えば、最初の免疫化は、表題「「ミニ遺伝子」複数エピトープDNAプラスミドの構築」の実施例において構築したような発現ベクターを使用して行われ得、この発現ベクターは、複数の部位にて0.5〜5mgの量でIM(またはSCもしくはID)に投与されるそのままの核酸の形態である。この核酸(0.1〜1000μg)はまた、遺伝子銃を使用して投与され得る。3〜4週間のインキュベーション期間の後、ブースト用量を、投与する。このブーストは、5×107〜5×109pfuの用量にて投与される組換え鶏痘ウイルスであり得る。代替的な組換えウイルス(例えば、MVA、キャナリーポックス(canarypox)、アデノウイルス、またはアデノ随伴ウイルス)はまた、ブーストのために使用され得るか、またはポリエピトープタンパク質またはペプチドの混合物が、投与され得る。ワクチンの有効性の評価に関して、患者の血液サンプルを、免疫化の前および最初のワクチンおよびワクチンのブースト用量の投与後の間隔において入手する。末梢血の単核細胞を、Ficoll−Hypaque密度勾配遠心分離によって、新鮮なヘパリン処理した血液から単離し、凍結媒体中にアリコートし、そして凍結保存する。サンプルを、CTL活性およびHTL活性についてアッセイする。
これらの結果の分析は、PSCAに対する治療的免疫または保護的免疫を達成するのに十分な応答の強度がもたらされることを示す。
(実施例22)
(相補的ポリヌクレオチド)
PSCAコード配列に対する配列相補性(図1または図3)、またはその任意の部分を、天然に存在するPSCAの発現を検出するか、減少させるか、または阻害するために使用する。約15〜30塩基対を含むオリゴヌクレオチドの使用が、記載されるが、本質的に同じ手順を、より小さい配列フラグメントまたはより大きい配列フラグメントを用いて使用する。適切なオリゴヌクレオチドを、例えば、OLIGO 4.06ソフトウェア(National Biosciences)およびPSCAのコード配列を使用して設計する。転写を阻害するために、相補的オリゴヌクレオチドを、最も固有な5’配列から設計し、そしてコード配列に結合するプロモーターを妨げるために使用する。翻訳を阻害するために、相補的オリゴヌクレオチドを、PSCAをコードする転写物に対するリボソームの結合を妨げるように設計する。
(実施例23)
(PSCA特異的抗体を使用した天然に存在するPSCAまたは組換えPSCAの精製)
天然に存在するPSCAまたは組換えPSCAを、PSCAに特異的な抗体を使用した免疫親和性クロマトグラフィーによって実質的に精製する。免疫親和性カラムを、活性化したクロマトグラフィー樹脂(例えば、CNBr活性化SEPHAROSE(Amersham Pharmacia Biotech))に抗PSCA抗体を共有結合させることによって構築した。結合させた後、この樹脂を、ブロックし、そして製造業者の指示書に従って洗浄する。
PSCAを含む培地を、免疫親和性カラム上に通し、そしてこのカラムを、PSCAの優先的な吸着を可能にする条件下(例えば、洗浄剤の存在下における高イオン強度の緩衝液)において洗浄する。このカラムを、抗体/PSCA結合を崩壊する条件下(例えば、pH2〜pH3の緩衝液、または高濃度のカオトロープ(chaotrope)(例えば、尿素またはチオシアネートイオン))において溶出させ、そしてGCR.Pを回収する。
(実施例24)
(PSCAと相互作用する分子の同定)
PSCA、またはその生物学的に活性なフラグメントを、121 1 Bolton−Hunter試薬によって標識する(例えば、Boltonら、(1973)、Biochem.J.133:529を参照のこと)。複数ウェルプレートのウェル中に予め配列した候補分子を、標識したPSCAと一緒にインキュベートし、洗浄し、そして標識PSCA複合体を含む任意のウェルを、アッセイする。異なる濃度のPSCAを使用して得られたデータを、候補分子を伴うPSCAの数、PSCAと候補分子との親和性、およびPSCAと候補分子との会合についての値を計算するために使用する。
(実施例25)
(PSCAの腫瘍増殖促進についてのインビボアッセイ)
腫瘍細胞の増殖におけるPSCAタンパク質の効果を、PSCAを発現する細胞またはPSCAを欠く細胞の腫瘍発生および腫瘍増殖を評価することによって、インビボで評価する。例えば、SCIDマウスに、1×106個の、空tkNeoベクターもしくはPSCAを含む3T3または前立腺癌細胞株(例えばPC3細胞)のいずれかを、側腹部に皮下注射する。少なくとも以下の2つのストラテジーを、使用し得る:(1)ウイルス(例えば、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス(英国特許第2,211,504号(1989年7月5日公開)、アデノウイルス(例えば、アデノウイルス2)、ウシパピローマウイルス、トリサルコーマウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルスおよびシミアンウイルス40(SV40))のゲノムまたは異種の哺乳動物プロモーター(例えば、アクチンプロモーターまたは免疫グロブリンプロモーター)から得られるプロモーター(例えば、構成的プロモーター)の調節下における構成的なPSCA発現(但し、このようなプロモーターが宿主細胞系と適合性である)、および(2)誘導性のベクターシステムの制御(例えば、エクジソン、テトラサイクリンなど)下における調節された発現(但し、このようなプロモーターが宿主細胞系と適合性である)。その後、腫瘍体積を、PSCA発現細胞がより速い速度で増殖するか否か、およびPSCA発現細胞によってもたらされた腫瘍が変化した病原力の特性(例えば、増強した転移、血管新生、化学療法剤に対する減少した応答性)を示すか否かを決定するために、触診可能な腫瘍の出現におけるキャリパーの測定によってモニタリングし、そして長期にわたって追跡する。
さらに、マウスは、PSCAが前立腺における局所的な増殖における効果を有するか否か、およびPSCAがリンパ節、および骨に対して特異的に転移する細胞の能力に影響するか否かを決定するために、同じ場所に1×105個の同じ細胞を移植され得る(Miki Tら、Oncol Res.2001;12:209;Fu Xら、Int J Cancer.1991、49:938)。骨の腫瘍形成および腫瘍増殖におけるPSCAの効果を、前立腺腫瘍細胞を脛骨内に注射することによって評価し得る。
このアッセイはまた、候補の治療用組成物(例えば、PSCA細胞内抗体(intrabody)、PSCAアンチセンス分子およびリボザイム)のPSCA抑制効果を決定するのに有用である。
(実施例26)
(インビボにおける腫瘍のPSCAモノクローナル抗体媒介性の阻害)
腫瘍組織の細胞表面におけるPSCAの顕著な発現(正常組織における制限的な発現を伴う)は、PSCAを、抗体療法の良好な標的にする。同様に、PSCAは、T細胞ベースの免疫療法の標的である。したがって、ヒト前立腺癌の異種移植片マウスモデルおよびヒト膵臓癌の異種移植片マウスモデルにおける抗PSCA MAbの治療的有効性を、PC3−PSCAおよび3T3−PSCAのような組換え細胞株(例えば、Kaighn,M.E.ら、Invest Urol、1979.17(1):16−23を参照のこと)およびヒト前立腺の異種移植片モデル(例えば、LAPC 9AD(Saffranら、PNAS 1999、10:1073−1078)を使用することによって評価する。
腫瘍増殖および転移の形成に対する抗体の有効性を研究する(例えば、マウスの前立腺癌または膵臓癌の同所性異種移植片モデルにおいて)。これらの抗体は、この実施例において議論されるように、治療的様式(modality)に対して結合体化されなくてもよく、当業者に認識されるように、治療的様式に対して結合体化されてもよい。抗PSCA MAbは、膵臓の異種移植片および前立腺の異種移植片の両方の形成を阻害する。抗PSCA MAbはまた、確立された同所性の腫瘍の増殖を遅延させ、そして腫瘍を有するマウスの生存を延長させる。これらの結果は、局所性かつ進行した段階の前立腺癌、膵臓癌および表Iに示される癌の処置における、抗PSCA MAbの有用性を示す(例えば、Saffran,D.ら、PNAS 10:1073−1078またはワールドワイドウェブURL pnas.org/cgi/doi/10.1073/pnas.051624698を参照のこと)。
抗PSCA MAbの投与は、確立された同所性の腫瘍増殖の遅延および遠位部位への転移の阻害をもたらし、腫瘍を有するマウスの生存において有意な延長を生じる。これらの研究は、PSCAが免疫療法の魅力的な標的であること示し、そして局所性かつ転移性の前立腺癌および膵臓癌の処置に関する、抗PSCA MAbの治療的潜在性を実証する。この実施例は、非結合体化PSCAモノクローナル抗体が、SCIDマウスにおいて成長するヒト前立腺腫瘍の異種移植片の増殖を阻害するのに有効であり、したがって、このような有効なモノクローナル抗体の組み合わせがまた有効であることを示す。
(複数のPSCA MAbを使用した腫瘍の阻害)
(材料および方法)
(PSCAモノクローナル抗体)
モノクローナル抗体を、表題「PSCAモノクローナル抗体(MAb)の産生」の実施例に記載されるように、PSCAに対して産生した。これらの抗体を、PSCAに結合するそれらの能力について、ELISA、ウェスタンブロット、FACS、および免疫沈降によって特徴付ける。ELISAおよびウェスタン分析によって決定されるような、抗PSCA MAbに対するエピトープのマッピングデータは、PSCAタンパク質上のエピトープを認める。これらの抗体を用いて、前立腺癌の組織および細胞の免疫組織化学的な分析を行う。
モノクローナル抗体を、プロテインG SepharoseクロマトグラフィーまたはプロテインA Sepharoseクロマトグラフィーによって、腹水またはハイブリドーマ組織の培養上清から精製し、PBSに対して透析し、フィルター濾過し、そして−20℃に保存する。タンパク質の決定を、Bradfordアッセイ(Bio−Rad、Hercules、CA)によって行う。治療用モノクローナル抗体または個々のモノクローナル抗体の混合物を含むカクテルを調製し、そしてLAPC9 AD腫瘍異種移植片およびHPAC腫瘍異種移植片の、皮下注射または同所性の注射を受けるマウスの処置のために使用する。
(細胞株および異種移植片)
前立腺癌細胞株(PC3細胞株およびLNCaP細胞株)および線維芽細胞株NIH 3T3(American Type Culture Collection)を、それぞれ、L−グルタミンおよび10% FBSを補充したRPMIならびにDMEM中で維持する。
PC3−PSCA細胞集団および3T3−PSCA細胞集団を、Hubert,R.S.ら、Proc Natl Acad Sci U S A、1999.96(25):14523に記載されるように、レトロウイルスによる遺伝子導入によって産生する。
野生型アンドロゲンレセプターを発現し、そして前立腺特異的抗原(PSA)を産生するLAPC−9異種移植片を、s.c.トロカール移植によって、6週齢〜8週齢の雄ICR重症複合型免疫不全(SCID)マウス(Taconic Farms)において継代する(Craft,N.ら、Nat Med.1999、5:280)。LAPC−9腫瘍細胞の単細胞懸濁物を、Craftらに記載されるように調製する。
(異種移植片マウスモデル)
皮下(s.c.)腫瘍を、Matrigel(Collaborative Research)と1:1の希釈度にて混合した1×106個の癌細胞の、雄SCIDマウスの右側腹部における注射によってもたらす。腫瘍形成に対する抗体の効力を試験するために、すなわち、抗体の注射を、腫瘍細胞の注射と同じ日に始める。コントロールとして、マウスに、精製したマウスIgG(ICN)もしくはPBS;または細胞中で発現されない無関係の抗原を認識する精製したモノクローナル抗体のいずれかを注射する。予備的な研究では、腫瘍増殖において、マウスIgGまたはPBSの間に、違いは見出されない。腫瘍のサイズを、キャリパーの測定によって決定し、そしてその腫瘍体積を、長さ×幅×高さとして算出する。直径1.5cmより大きい皮下腫瘍を有するマウスを、屠殺する。
同所性の注射を、ケタミン/キシラジンを使用することによる麻酔下で行う。前立腺の同所性の研究に関して、切開を、前立腺をさらすために腹部を介して行い、そしてMatrigelと混合したLAPC腫瘍細胞またはPC3腫瘍細胞(2×106個)を、10μlの容量で前立腺の嚢に注射する。腫瘍増殖をモニタリングするために、マウスを触診し、そして血液を、PSAレベルを測定するために、毎週ベースで回収する。このマウスを、i.p.に注射される抗PSCAまたはコントロールMAbによる適切な処置のための群に分ける。
(抗PSCA MAbは、PSCAを発現する異種移植片の癌腫瘍の増殖を阻害する)
腫瘍形成に対する抗PSCA MAbの効果を、HPAC同所性モデルおよびLAPC9同所性モデルを使用することによって試験する。s.c.腫瘍モデルと比較すると、この同所性モデル(マウスの膵臓または前立腺において、それぞれ、直接的な腫瘍細胞の注射を必要とする)は、局所的な腫瘍増殖、遠位部位における転移の発生、マウスの健康の悪化、およびその後の死を生じる(Saffran,D.ら、PNAS、前出)。これらの特徴は、同所性モデルをヒトの疾患の進行をより代表するものにし、そしてこれらの特徴は、本発明者らが臨床的に関連する終末点におけるMAbの治療効果を追跡すること可能にする。
したがって、腫瘍細胞を、マウス前立腺に注射し、そして2日後、これらのマウスを、2つの群に分け、そして1週間に3回で2週間から5週間にわたって以下によって処置する:a)250〜1000μgの抗PSCA Ab、またはb)コントロール抗体。
上記同所性の癌モデルの主要な利点は、転移の発生を研究するための性能である。確立された同所性の腫瘍を有するマウスにおける転移の形成を、前立腺癌に関して、腫瘍特異的な細胞表面タンパク質に対する抗体(例えば、抗CK20)を使用する、肺の切片に対するIHC分析によって研究する(Linら、Cancer Detect Prev.(2001)25:202)。
異種移植片の癌モデルの別の利点は、新生血管形成および新脈管形成を研究するための性能である。腫瘍増殖は、部分的に、新しい血管の発達に依存する。毛細血管系および血液のネットワークの発達は、宿主由来のものであるが、新生血管系(neo脈管構造)の惹起および構築は、異種移植片の腫瘍によって調節される(Davidoffら、Clin Cancer Res.(2001)7:2870;Solesvikら、Eur J Cancer Clin Oncol.(1984)20:1295)。新生血管形成に対する抗体および低分子の効果を、腫瘍組織およびそれらを囲む微小環境のIHC分析によるような当該分野で公知の手順に従って研究する。
確立された同所性の腫瘍を有するマウスに、4週間にわたる抗PSCA MAbまたはコントロール抗体のいずれかの注射を投与する。両方の群におけるマウスは、高い全身腫瘍組織量を確立して、マウスの肺における高頻度の転移の形成を確実にし得る。その後、マウスを殺傷し、そしてそれらの膀胱、肝臓、骨および肺を、腫瘍細胞の存在についてIHC分析によって分析する。これらの研究は、異種移植片マウスモデルにおける前立腺癌のイニシエーションおよび進行に対する、抗PSCA抗体の広範な抗腫瘍効力を示す。抗PSCA抗体は、腫瘍の腫瘍形成を阻害し、そして既に確立された腫瘍の増殖を遅延させ、そして処置したマウスの生存を延長させる。さらに、抗PSCA MAbは、大きい全身腫瘍組織量の存在下でさえ、局所的な前立腺腫瘍の遠位部位への拡散に対する劇的な抑制効果を示す。したがって、抗PSCA MAbは、主要な臨床的に関連する終末点(腫瘍増殖)、生存の延長、および健康に対して有効である。
(マウスにおけるヒト前立腺癌の増殖に対するPSCA MAbの効果)
上記の方法論を使用して、LAPC−9AI腫瘍細胞(2.0×106個の細胞)を、雄SCIDマウスに皮下注射した。これらのマウスを、群(各群においてn=10)へと無作為化し、そして処置を、示されるようなHA1−4.120またはアイソタイプMAbコントロールを用いて、0日目において腹腔内(i.p.)に開始した。動物を、研究の28日目までに、1週間に2回、合計7用量で処置した。腫瘍増殖を、示される通り、3日毎〜4日毎にキャリパーの測定を使用してモニタリングした。これらの結果は、ヒト抗PSCAモノクローナル抗体Hal−4.120が、SCIDマウスにおいて皮下に移植したヒト前立腺癌の異種移植片の増殖を有意に阻害したことを示す(p<0.05)(図18)。
別の実験において、LAPC−9AI腫瘍細胞(2.0×106個の細胞)を、雄SCIDマウスに皮下注射した。腫瘍体積が50mm3に達した場合、これらのマウスを、群(各群においてn=10)へと無作為化し、そして処置を、示されるようなHA1−5.99.1またはアイソタイプMAbコントロールを用いて、腹腔内(i.p.)に開始した。動物を、研究の14日目までに、1週間に2回、合計5用量で処置した。腫瘍増殖を、示される通り、3日毎〜4日毎にキャリパーの測定を使用してモニタリングした。これらの結果は、完全ヒト抗PSCAモノクローナル抗体Ha1−5.99が、SCIDマウスにおいて皮下に移植した、確立されたアンドロゲン依存性ヒト前立腺癌の異種移植片の増殖を有意に阻害したことを示す(p<0.05)(図19)。
別の実験において、LAPC−9AD腫瘍細胞(2.5×106個の細胞)を、雄SCIDマウスに皮下注射した。腫瘍体積が40mm3に達した場合、これらのマウスを、群(各群においてn=10)へと無作為化し、そして処置を、示されるような、増加性の濃度のHA1−4.121または増加性の濃度のアイソタイプMAbコントロールを用いて、腹腔内(i.p.)に開始した。動物を、研究の21日目までに、1週間に3回、合計7用量で処置した。腫瘍増殖を、示される通り、3日毎〜4日毎にキャリパーの測定を使用してモニタリングした。この研究から得た結果は、HA1−4.121が、SCIDマウスにおいて確立された皮下のヒトアンドロゲン依存性の前立腺異種移植片の増殖を有意に阻害したことを示した。これらの結果は、14日目、17日目および21日目において、300ug用量の群に対して統計学的に有意(p<0.05、Kruskal−Wallis検定、a=0.05による両側性)であり、そして10日目、14日目、17日目および21日目において、700ug用量の群に対して統計学的に有意(p<0.05、Kruskal−Wallis検定、a=0.05による両側性)であった(図20)。
別の実験において、患者由来であり、アンドロゲン依存性のLAPC−9AD腫瘍細胞(2.0×106個の細胞)を、雄SCIDマウスの前立腺葉の背部に注射した。これらの腫瘍を、マウスを群へと無作為化するまでの約10日間、増殖させた。500mgのHA1−4.117、HA1−4.121またはアイソタイプコントロールMAbのヒトによる処置を、腫瘍移植の10日後に開始した。抗体を、1週間に2回、合計7用量で腹腔内に送達した。最後の用量の4日後、動物を屠殺し、そして原発腫瘍を、切除し、そして秤量した。これらの結果は、ヒト抗PSCAモノクローナル抗体Ha1−4.121(p<0.01)およびHa1−4.117(p<0.05)が、SCIDマウスにおいて同じ場所に移植したLAPC−9AD前立腺癌の異種移植片の増殖を有意に阻害したことを示した(図21)。
別の実験において、患者由来であり、アンドロゲン依存性のLAPC−9AD腫瘍細胞(2.0×106個の細胞)を、雄SCIDマウスの前立腺葉の背部に注射した。これらの腫瘍を、マウスを群へと無作為化するまでの約9日間、増殖させた。動物を、アイソタイプMAbコントロールにおいて11匹のマウスを含む生存群、およびHA1−4.121処置群における12マウスへと無作為化した。動物を、1000ugのHa1−4.121または1000ugのアイソタイプMAbコントロールを用いて、1週間に2回、合計9用量でi.p.にて処置した。これらの結果は、HA1−4.121が、ヒトアンドロゲン依存性前立腺腫瘍を有するSCIDマウスの生存を有意(ログランク検定:p<0.01)に延長させたことを示した。HA1−4.121処置群における2匹のマウスは、110日目(この実験の最後の日)において触診可能な腫瘍を有さないままであった(図22)。
(マウスにおけるタキソテールと組み合わせたPSCA MAbの効果)
別の実験において、LAPC−9AI腫瘍細胞(動物1匹あたり2×106個の細胞)を、雄SCIDマウスに皮下注射した。腫瘍体積が65mm3に達した場合、動物を、無作為化し、そして示されるように、4つの異なる群(各群においてn=10)に割り当てた。0日目の最初に、Ha1−4.121またはアイソタイプMAbコントロールを、500ugの用量にて1週間に2回、合計6用量でi.p.に投与した。最後の用量を、17日目に与えた。タキソテールを、0日目、3日目および7日目に5mg/kgの用量で静脈内に与えた。腫瘍増殖を、3日毎〜4日毎にキャリパーの測定を使用してモニタリングした。この研究から得た結果は、単一の薬剤としてのHA1−4.121は、28日目にコントロール抗体による処置単独と比較した場合に、SCIDマウスにおいてアンドロゲン依存性の前立腺異種移植片の増殖を45%阻害した(ANOVA/Tukey検定:p<0.05)。アイソタイプMAbコントロールにタキソテールを加えた投与は、コントロール抗体による処置単独と比較した場合に、腫瘍増殖を28%阻害した(このことは、統計学的に有意ではなかった)。タキソテールと組み合わせたHA1−4.121の投与は、その効果を増強し、そしてコントロール抗体単独と比較した場合に、腫瘍増殖の69%の阻害を生じた(ANOVA/Tukey検定:p<0.01)。統計学的な有意差はまた、HA1−4.121にタキソテールを加えた組み合わせの群をHA1−4.121の群またはアイソタイプMAbコントロールにタキソテールを加えた群のいずれかと比較した場合に示された(ANOVA/Tukey検定:p<0.05)(図23)。
(マウスにおけるヒト膵臓癌の増殖に対するPSCA MAbの効果)
別の実験において、ヒトHPAC膵臓癌細胞(マウス1匹あたり2×106個)を、免疫不全ICR SCIDマウス(Taconic Farm、Germantown、NY)に皮下注射した。これらのマウスを、群(n=10の群1つあたりの動物数)へと無作為化し、そして示したヒトPSCAモノクローナル抗体による処置を、同日に開始した。抗体(マウス1匹あたり500mg)を、1週間に2回、合計8用量で腹腔内に送達した。これらの結果は、ヒト抗PSCAモノクローナル抗体Ha1−4.121、Ha1−4.117およびHa1−1.16が、SCIDマウスにおいて皮下に移植したヒト膵臓癌の異種移植片の増殖を有意に阻害したことを示した。統計分析を、t検定を使用して行った(両側性、a=0.05)(図24)。
別の実験において、HPAC細胞(3.02×106個の細胞)を、SCIDマウスの膵臓の同じ場所に移植した。マウスを、示されるように、無作為に3つの群(各群においてn=9)に割り当てた。HA1−4.121(250ugまたは1000ug)またはアイソタイプMAbコントロール(1000ug)による処置を、移植の日に開始した。抗体を、1週間に2回、合計10用量でi.p.に投与した。最後の用量の13日後、動物を、屠殺し、そして原発腫瘍を、切除し、そして秤量した。この研究から得た結果は、HA1−4.121が、SCIDマウスにおいてヒト膵臓癌の異種移植片の同所性の増殖を、調べた両方の用量レベルにて有意に阻害したことを示した。250ugのAGS−PSCAおよび1000ugのAGS−PSCAによる処置が、それぞれ、腫瘍増殖の66%の阻害および70%の阻害を示した(Kruskal−Wallis/Tukey検定:それぞれ、p<0.01およびp<0.01)(図25)。
剖検において、リンパ節および遠位の器官への可視的な転移が、コントロール抗体処置群において観察された。可視的な転移は、両方のHA1−4.121処置群において観察されなかった。リンパ節、肺および肝臓を、全ての動物から取り出し、そして転移性腫瘍の存在について組織学的に調べた。各動物から取り出した肺およびリンパ節から得た切片を、ヒトサイトケラチンについて染色し、そして転移の数を、顕微鏡で決定した。この組織学的分析から得た結果は、HA1−4.121によって処置した動物における、リンパ節(LN)転移の有意な減少を示した(フィッシャーの正確検定によって検出した場合、p=0.0152)。転移および侵襲の発生率はまた、両方の濃度のHA1−4.121によって処置した動物において有意に減少した(フィッシャーの正確検定によって検出した場合、p=0.0152)。肺転移の数は、1.0mg用量のHA1−4.121のみによって処置したマウスにおいて、有意に減少した(フィッシャーの正確検定によって検出した場合、p=0.0498)(図26)。
(マウスにおけるヒト膀胱癌の増殖に対するPSCA MAbの効果)
別の実験において、ヒトSW780膀胱癌細胞(マウス1匹あたり2×106個)を、免疫不全ICR SCIDマウス(Taconic Farm、Germantown、NY)に皮下注射した。これらのマウスを、群(n=10の群1つあたりの動物数)へと無作為化し、そして示したヒトPSCA MAbによる処置を、同日に開始した。抗体(マウス1匹あたり250mg)を、1週間に2回、合計7用量で腹腔内に送達した。これらの結果は、HA1−4.117(p=0.014)、HA1−4.37(p=0.0056)、HA1−1.78(p=0.001)、Ha1−5.99(p=0.0002)およびHA1−4.5(p=0.0008)が、SCIDマウスにおいて皮下に移植したSW780膀胱腫瘍の増殖を有意に阻害したことを示した。統計分析を、t検定を使用して行った(両側性、a=0.05)(図27)。
これらの実験の結果は、PSCA MAbが治療目的および診断目的で使用されて、表1に示される癌を処置し得、そして管理し得ることを示す。
(実施例27)
(ヒトにおける抗PSCA抗体の治療的使用および診断的使用)
抗PSCAモノクローナル抗体を、ヒトにおいて、診断目的、予防目的、予後目的および/または治療目的のために、安全かつ有効に使用する。抗PSCA MAbを用いた癌の組織および癌の異種移植片のウェスタンブロットならびに免疫組織化学的な分析は、癌腫において、強い広範な染色を示すが、正常組織において、有意に、より低いレベル、または検出不可能なレベルを示す。癌腫および転移性の疾患におけるPSCAの検出は、診断的指標および/または予後の指標としてのMAbの有用性を示す。したがって、抗PSCA抗体を診断用途(例えば、腎臓の生検標本の免疫組織化学)に使用して、疑わしい患者から癌を検出する。
フローサイトメトリーによって決定されるように、抗PSCA MAbは、癌腫細胞に対して特異的に結合する。したがって、抗PSCA抗体を、PSCAの発現を示す局所的かつ転移性の癌の検出のために、診断的に全身を画像化する用途(例えば、放射免疫シンチグラフィー(radioimmunoscintigraphy))および放射免疫療法(例えば、Potamianos S.ら、Anticancer Res 20(2A):925−948(2000)を参照のこと)に使用する。アルカリ性ホスホジエステラーゼB10について見られる(Meerson、N.R.、Hepatology 27:563−568(1998))ような、PSCAの細胞外環境への細胞外ドメインの脱落(shedding)または放出は、疑わしい患者から得た血清サンプルおよび/または尿サンプルにおける、抗PSCA抗体によるPSCAの診断的検出を可能にする。
PSCAを特異的に結合する抗PSCA抗体を、PSCAを発現する癌の処置のための治療用途に使用する。抗PSCA抗体を、結合体化していない様式およびこの抗体が当該分野で周知である種々の治療的様式または画像化様式(例えば、プロドラッグ、酵素または放射性同位体)の1つに結合される結合体化した形態として使用する。前臨床試験において、結合体化していない抗PSCA抗体および結合体化した抗PSCA抗体を、SCIDマウスの癌の異種移植片モデル(例えば、腎臓癌モデルAGS−K3およびAGS−K6(例えば、表題「インビボにおける腫瘍のPSCAモノクローナル抗体媒介性の阻害」の実施例を参照のこと))における腫瘍の予防および増殖阻害の効力について試験した。結合体化した抗PSCA抗体および結合体化していない抗PSCA抗体のいずれかを、単独または以下の実施例に記載されるような他の処置との組み合わせのいずれかで、ヒトの臨床試験における治療的様式として使用する。
(実施例28)
(インビボでのヒト抗PSCA抗体の使用によるヒトの癌腫の処置および診断のための、ヒトの臨床試験)
PSCA上のエピトープを認識する抗体を、本発明に従って使用し、そして表Iに記載されるような特定の癌の処置において使用した。PSCAの発現レベルを含む多くの因子に基づいて、表Iに記載されるような腫瘍は、現在、好ましい指標である。これらの指標の各々と関連して、3つの臨床的アプローチを、首尾よく実行する。
(I)補助的療法:補助的療法において、患者を、化学療法剤もしくは抗腫瘍性薬剤および/または放射線療法と組み合わせた抗PSCA抗体によって処置する。原発癌の標的(例えば、表Iに記載される癌)を、抗PSCA抗体を標準的な一次治療および二次治療に加えることによって標準的なプロトコールの下で処置する。プロトコールの設計は、腫瘍塊の縮小および標準的な化学療法の常用量を減少させる能力によって評価されるような有効性に取り組む。これらの用量の減少は、化学療法剤の用量関連毒性を減少させることによって、さらなる療法および/または長期の療法を可能にする。抗PSCA抗体を、化学療法剤または抗腫瘍性薬剤(アドリアマイシン(進行した前立腺の癌腫)、シスプラチン(進行した頭および頚部および肺の癌腫)、タキソール(乳癌)、およびドキソルビシン(症状発現前))と組み合わせて、数種の補助的な臨床試験において利用する。
(II)単独療法:腫瘍の単独療法における抗PSCA抗体の使用に関連して、この抗体を、化学療法剤または抗腫瘍性薬剤を伴わずに、患者に投与する。一実施形態において、単独療法を、広い転移性の疾患を有する末期の癌患者において臨床的に行う。患者は、ある程度の疾患の安定化を示す。試験は、癌性の腫瘍を有する抗療性の患者における効果を示す。
(III)造影剤(imaging agent):放射性核種(例えば、ヨウ素またはイットリウム(I131、Y90))を抗PSCA抗体に結合することによって、放射性標識した抗体を、診断剤および/または造影剤として利用する。このような役割において、この標識した抗体は、固形腫瘍、およびPSCAを発現する細胞の転移性の病変の両方に局在化する。造影剤としての抗PSCA抗体の使用に関連して、この抗体を、前外科的なスクリーニング、および腫瘍が残存しそして/または復帰することを決定するための術後の追跡調査の両方の場合に、固形腫瘍の外科的処置についての補助剤として使用する。一実施形態において、(111In)−PSCA抗体を、(類推によって)PSCAを発現する癌腫を有する患者において、ヒトの第1相臨床試験中で造影剤として使用する(例えば、Divgiら、J.Natl.Cancer Inst.83:97−104(1991)を参照のこと)。患者を、標準的な対向型(anterior and posterior)γカメラによって追跡する。この結果は、原発性の病変および転移性の病変が同定されることを示す。
(投与の用量および経路)
当業者によって認識されるように、投薬における考慮を、診療所にある類似の製品によって決定し得る。したがって、抗PSCA抗体を、5mg/m2〜400mg/m2の範囲の用量で(例えば、安全性研究に関連して、使用される、より低い用量で)投与し得る。抗PSCA抗体の標的についての公知の抗体の親和性に対する抗PSCA抗体の親和性は、類似の用量レジメンを決定するために当業者によって使用される1つのパラメータである。さらに、完全ヒト抗体である抗PSCA抗体は、そのキメラ抗体に比べて、より緩徐なクリアランスを有し;したがって、患者におけるこのような完全ヒト抗PSCA抗体を用いた投薬は、より低いもの(おそらく、50mg/m2〜300mg/m2の範囲)であり得、そしてなお有効なままである。mg/m2での投薬は、mg/kgにおける用量からなる従来の測定とは対照的に、表面積に基づく測定であり、そして乳児から成人までの全てのサイズの患者を含むように設計される好都合な投薬測定である。
3つの異なる送達アプローチは、抗PSCA抗体の送達に有用である。従来の静脈内送達は、多くの腫瘍に対する1つの標準的な送達技術である。しかし、腹腔中の腫瘍(例えば、卵巣、胆管、他の管などの腫瘍)に関連して、腹腔内投与は、その腫瘍における抗体の高用量を得るために有利であることを証明し得、そしてまた、抗体のクリアランスを最小化することを証明し得る。同様の様式において、特定の固形腫瘍は、局所灌流に適切である脈管構造を有する。局所灌流は、腫瘍の部位における抗体の高用量を可能にし、そしてその抗体の短期クリアランスを最小化する。
(臨床開発計画(CDP))
概要:このCDPは、補助的療法、単独療法に関連した抗PSCA抗体による処置および造影剤としての抗PSCA抗体を追求し、そして開発する。試験は、最初に安全性を示し、その後、反復用量における効力を確認する。試験を、標準的な化学療法と抗PSCA抗体を加えた標準的な療法とを比較する非盲検である。認識される通り、患者の記録と合わせて利用され得る1つの判定基準は、生検によって決定されるような、患者におけるPSCAの発現レベルである。
任意のタンパク質または抗体の注入に基づく治療と同様に、安全上の問題は、一次的に以下に関する:(i)サイトカイン放出の症候群(すなわち、低血圧、発熱、震え、悪寒);(ii)その物質に対する免疫原性の応答の発生(すなわち、その抗体治療に対する患者によるヒト抗体の発生、またはHAHA反応);および(iii)PSCAを発現する正常細胞に対する毒性。標準的な検査および追跡調査を、これらの安全上の問題の各々をモニタリングするために利用する。抗PSCA抗体は、ヒトへの投与において安全であることが見出される。
(実施例29)
(ヒトの臨床試験:ヒト抗PSCA抗体による単独療法)
抗PSCA抗体は、上で議論される補助的な試験に関連して、安全であり、ヒトの第2相臨床試験は、単独療法についての効力および最適な投薬を確認する。このような試験は、達成され、そして患者が抗PSCA抗体の用量の受容と同時に化学療法を受けないことを除いて、上記の補助的な試験と同じ安全性および転帰の分析を必要とする。
(実施例30)
(ヒトの臨床試験:抗PSCA抗体による画像診断)
再び、上で議論されるように、補助的療法は、上で議論された安全性の判定基準の範囲内で安全であり、ヒトの臨床試験を、診断用造影剤としての抗PSCA抗体の使用について実施する。そのプロトコールを、Divgiら、J.Natl.Cancer Inst.83:97−104(1991)にあるような当該分野において記載される様式と実質的に同様の様式で設計する。この抗体は、診断的様式として使用した場合、安全でありかつ有効であることが見出される。
(実施例31)
(ヒト抗PSCA抗体ならびに化学療法、放射線療法、および/またはホルモン消失(hormone ablation)療法によるヒトの臨床試験の補助的療法)
ヒトの第1相臨床試験を開始して、固形腫瘍(例えば、表Iに記載される組織の癌)の処置に関するヒト抗PSCA抗体の6個の静脈内用量の安全性を評価する。この研究において、本明細書中で定義されるような、抗腫瘍性薬剤または化学療法剤またはホルモン消失剤(例えば、シスプラチン、トポテカン、ドキソルビシン、アドリアマイシン、タキソール、Lupron、Zoladex、Eulexin、Casodex、Anandronなどであるが、これらに限定されない)についての補助的療法として利用される抗PSCA抗体の単一用量の安全性を、評価する。この試験の設計は、ほぼ約25mg/m2から約275mg/m2まで上昇する抗体の投薬量を用いた抗PSCA抗体のほぼ6個の単一用量の送達を含み、この送達は、以下のスケジュールまたは類似のスケジュールに従う処置の経過にわたる:
患者を、抗体および化学療法の各施行後、1週間にわたって厳密に追跡する。特に、患者を、上述の安全上の問題((i)サイトカイン放出の症候群(すなわち、低血圧、発熱、震え、悪寒);(ii)その物質に対する免疫原性の応答の発生(すなわち、その抗体治療に対する患者によるヒト抗体の発生、またはHAHA反応);および(iii)PSCAを発現する正常細胞に対する毒性)について評価する。標準的な検査および追跡調査を、これらの安全上の問題の各々をモニタリングするために利用する。患者をまた、臨床的な転帰について評価し、そして特に、MRIまたは他の画像化によって証明されるような、腫瘍塊の縮小について評価する。
上記抗PSCA抗体は、安全かつ有効であることが示される。第2相試験は、効力を確認し、そして最適な投薬を精緻化する。
(実施例32)
(RNA干渉(RNAi))
RNA干渉(RNAi)技術を、腫瘍学に関する種々の細胞アッセイに導入する。RNAiは、二本鎖RNA(dsRNA)によって活性化される転写後の遺伝子抑制機構である。RNAiは、タンパク質発現の変化、およびその後の遺伝子機能の変化を生じる、特異的なmRNAの分解を誘導する哺乳動物細胞において、短い干渉(short interfering)RNA(siRNA)といわれるこれらのdsRNAは、いくつかのmRNAに対して特異的な分解のためのRNAi経路の標的性を活性化する正しい組成を有する。Elbashir S.M.ら、Duplexes of 21−nucleotide RNAs Mediate RNA interference in Cultured Mammalian Cells、Nature 411(6836):494−8(2001)を参照のこと。したがって、RNAi技術を哺乳動物細胞において首尾よく使用して、標的遺伝子を抑制する。
細胞増殖の制御の喪失は、癌性細胞の顕著な特徴である。したがって、細胞増殖の制御の喪失は、細胞の生存/増殖のアッセイにおけるPSCAの役割を評価する工程に、関連する。したがって、RNAiを使用して、PSCA抗原の機能を調査した。PSCAに対するsiRNAを産生するために、決定的な分子パラメータ(G:C含量、融解温度など)を示し、そして細胞に導入される場合にPSCAタンパク質の発現レベルを著しく減少させる能力を有するオリゴヌクレオチドを予測するアルゴリズムを、使用した。この実施例に従って、PSCAタンパク質の核酸ORF配列に対応するsiRNA(二本鎖の、短い干渉RNA)またはその配列を含有するPSCA siRNA組成物を、使用する。したがって、一般的に、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、30個、31個、32個、33個、34個、35個または35個より多い隣接RNAヌクレオチド長であるsiRNA配列を、この様式において使用する。これらのsiRNA配列は、mRNAコード配列の少なくとも一部に対して、相補的かつ非相補的である。好ましい実施形態において、siRNA配列は、19〜25ヌクレオチド長であり、最も好ましくは21〜23ヌクレオチド長である。好ましい実施形態において、これらのsiRNAは、PSCA抗原のタンパク質を発現する細胞におけるPSCA抗原のノックダウンを達成し、そして下に記載されるような機能的効果を有する。
選択されたsiRNA(PSCA.bオリゴ)を、(細胞の代謝活性を測定する)生存/増殖MTSアッセイにおいて、多くの細胞株で試験した。テトラゾリウムベースの比色定量アッセイ(すなわち、MTS)は、生存可能な細胞だけを検出する。なぜなら生細胞は、代謝的に活性であり、したがってテトラゾリウム塩を有色のホルマザン化合物に還元し得るが;しかし、死細胞はテトラゾリウム塩を有色のホルマザン化合物に還元ないからである。さらに、このPSCA.bオリゴは、PSCA抗原のタンパク質を発現する細胞におけるPSCA抗原のノックダウンを達成し、そして以下のプロトコールを使用して下に記載されるような機能的効果を有した。
哺乳動物のsiRNAトランスフェクション:RNAトランスフェクションの前の日、異なる細胞株を、生存/MTSアッセイのために、ウェル1個あたり2×103個の細胞にて80μl(96ウェルプレート形式)で培地(10% FBS w/o抗生物質を含むRPMI 1640)にプレートした。PSCA特異的siRNAオリゴと並行して、以下の配列が、コントロールとして各実験に含まれた:(a)Lipofectamine 2000(Invitrogen、Carlsbad、CA)を有するMockトランスフェクト細胞およびアニーリング緩衝液(siRNA無し);(b)ルシフェラーゼ−4特異的siRNA(標的配列:5’−AAGGGACGAAGACGAACACUUCTT−3’)(配列番号77);ならびに(c)Eg5特異的siRNA(標的配列:5’−AACTGAAGACCTGAAGACAATAA−3’)(配列番号78)。siRNAを、10nM/mlおよび1μg/mlのLipofectamine 2000の最終濃度にて使用した。
手順は、以下の通りであった:siRNAを、最初に、0.1uM μM(10倍濃縮)にてOPTIMEM(無血清トランスフェクション培地、Invitrogen)中に希釈し、そしてRTで5〜10分間インキュベートした。Lipofectamine 2000を、トランスフェクト体の総数に対して、10μg/ml(10倍濃縮)にて希釈し、そして室温(RT)で5〜10分間インキュベートした。適切な量の希釈した10倍濃縮のLipofectamine 2000を、希釈した10倍濃縮のsiRNAと、1:1で混合し、そしてRTで20〜30秒間インキュベートした(5倍濃縮のトランスフェクション溶液)。20μlの5倍濃縮のトランスフェクション溶液を、それぞれのサンプルに添加し、そして分析前に37℃で96時間インキュベートした。
MTSアッセイ:このMTSアッセイは、増殖において生存可能な細胞の数を決定するための比色定量法(テトラゾリウム化合物[3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウム、内塩;MTS(b)]および電子共役試薬(フェナジンエトスルフェート;PES)に基づく細胞毒性のアッセイまたは化学受容性のアッセイ)である。アッセイを、少量の溶液試薬を培養ウェルに直接添加し、1〜4時間インキュベートし、次いで96ウェルプレートリーダーによって490nmおける吸光度を記録することによって行った。490nmの吸光度の量によって測定されるような有色のホルマザン生成物の量は、ミトコンドリア活性および/または培養中の生細胞の数に正比例する。
細胞におけるPSCAの機能に取り組むために、PSCAを、内因的にPSCAを発現する細胞株をトランスフェクトすることによって抑制する。
本発明の別の実施形態は、増殖に対する指標としてのDNA合成の測定である、PSCA関連性の細胞増殖を分析する方法である。標識したDNA前駆物質(すなわち、3H−チミジン)を使用し、そしてそれらのDNAへの組み込みを定量化する。標識した前駆物質のDNAへの組み込みは、培養において細胞分裂が起きる量に正比例する。細胞増殖を測定するために使用される別の方法は、クローン原性のアッセイを行うことである。これらのアッセイにおいて、定義した数の細胞を、適切なマトリックス上にプレートし、そしてsiRNA処理後の増殖の期間の後に形成されるコロニーの数を、計測する。
PSCAの癌の標的の確認において、細胞の生存/増殖の分析のアポトーシスによる補完および細胞周期プロフィールの研究を、検討する。アポトーシスのプロセスの生化学的に顕著な指標は、ゲノムDNAの断片化(細胞と死とを関係付ける不可逆的な事象)である。細胞において断片化したDNAを観察する方法は、イムノアッセイによる、ヒストンと複合体化したDNAフラグメントの免疫学的検出(すなわち、細胞死を検出するELISA)であり、このイムノアッセイは、アポトーシス細胞の細胞質中のヒストンと複合体化したDNAフラグメント(モノ−ヌクレオソームおよびオリゴ−ヌクレオソーム)の豊富さ(enrichment)を測定する。このアッセイは、細胞の前標識を必要とせず、そしてインビトロで増殖しない細胞(すなわち、新しく単離した腫瘍細胞)におけるDNAの分解を検出し得る。
アポトーシスによる細胞死を誘発するための最も重要なエフェクター分子は、カスパーゼである。カスパーゼは、活性化された場合、活性化の際に非常に早期のアポトーシスを媒介するカルボキシ末端のアスパラギン酸残基にて、多くの基質を切断するプロテアーゼである。全てのカスパーゼは、前酵素として合成され、そして活性化は、アスパラギン酸残基における切断に関与する。特に、カスパーゼ3は、アポトーシスの細胞事象の開始において中心的な役割を果たすようである。カスパーゼ3の活性化を決定するためのアッセイは、アポトーシスの初期の事象を検出する。RNAi処理の後、アポトーシス細胞中に見出される活性カスパーゼ3の存在またはタンパク質分解性切断の産物(すなわち、PARP)のウェスタンブロットによる検出は、アポトーシスの活発な誘導をさらに支持する。アポトーシスを生じる細胞機構は複雑であるので、各々は、その利点および制限を有する。他の判定基準/終末点の検討(例えば、細胞形態学、染色体の凝縮化、膜の小胞形成、アポトーシス物質(apoptotic body))は、アポトーシス性の細胞死をさらに支持するのに役立つ。細胞増殖を調節する全ての遺伝子標的が抗アポトーシス性であるとは限らないので、透過処理した(permeabilized)細胞のDNA含量を、DNA含量のプロフィールまたは細胞周期プロフィールを得るために測定する。アポトーシス細胞の核は、細胞質の漏出に起因して、より少ないDNAを有する(サブG1集団(sub−G1 population))。さらに、DNA染色の使用(すなわち、ヨウ化プロピジウム)はまた、G0/G1、SおよびG2/Mにおける異なる量のDNAの存在に起因して、細胞集団における細胞周期の異なる期の間を差別化する。これらの研究において、下位集団を、定量化し得る。PSCA遺伝子に関して、RNAi研究は、癌の経路における遺伝子産物の寄与の理解を容易にする。このような活性RNAi分子は、活性な抗腫瘍治療であるMAbについてスクリーニングするための同定アッセイ(identifying assay)における使用を有する。さらに、siRNAを、数種の癌型(表1に記載されるものを含む)の悪性の増殖を減少させるために、癌患者に対する治療として施す。PSCAが細胞の生存、細胞増殖、腫瘍形成、またはアポトーシスに役立つ場合、PSCAを、診断目的、予後目的、予防目的および/または治療目的のための標的として使用する。
(実施例33)
(癌患者の標本におけるPSCAタンパク質のIHCによる検出)
癌患者から得た腫瘍標本中のPSCAタンパク質の発現を、抗体HA1−4.117を使用して検出した。ホルマリン固定し、パラフィン包理した組織を、4ミクロンの切片に切断し、そしてスライドガラス上に載せた。この切片を、この切片から蝋を除去し、再水和し、そして高温にて抗原回収(antigen retrieval)溶液(Antigen Retrieval Citra Solution;BioGenex、4600 Norris Canyon Road、San Ramon、CA、94583)によって処理した。次いで切片を、フルオレセインと結合体化したヒトモノクローナル抗PSCA抗体(Ha1−4.117)において、4℃にて16時間インキュベートした。これらのスライドカラスを、緩衝液中で3回洗浄し、そして緩衝液中での洗浄後、ウサギ抗フルオレセインと一緒に、1時間さらにインキュベートし、そしてDAKOEnVision+TMペルオキシダーゼと結合体化したヤギ抗ウサギ免疫グロブリンの二次抗体(DAKO Corporation、Carpenteria、CA)に30分間浸した。次いでこれらの切片を、緩衝液中で洗浄し、DABキット(SIGMA Chemicals)を用いて現像し、ヘマトキシリンを用いて対比染色し、そして明視野の顕微鏡によって分析した。これらの結果は、前立腺の腺癌の腫瘍細胞におけるPSCAの発現(A、B)、前立腺の移行上皮癌(transitional carcinoma)におけるPSCAの発現(C)および膵管の腺癌におけるPSCAの発現(D)を示す。これらの結果は、PSCAがヒトの癌において発現されること、およびこの抗原を指向する抗体が診断試薬として有用であることを示す(図17)。
これらの結果は、PSCAが、癌における診断用途、予後用途および治療用途のための標的であることを示す。
本願全体を通して、種々のウェブサイトのデータコンテンツ、刊行物、特許出願および特許が、参照される。ウェブサイトは、それらのユニフォームリソースロケーター(Uniform Resource Locator)、すなわち、URL(ワールドワイドウェブ上のアドレス)によって参照される。これらの参考の各々の開示は、本明細書によってその全体が本明細書中に参考として援用される。
本発明は、本明細書中に開示される実施形態によって範囲が限定されるべきではなく、この実施形態は、本発明の個々の局面の単なる例示として意図され、そして機能的に等価である任意の実施形態は、本発明の範囲内である。本明細書中に記載されるものに加えて、本発明のモデルおよび方法に対する種々の改変は、前述の説明および教示によって当業者に明らかとなり、そして同様に本発明の範囲内に含まれることを意図される。このような改変または他の実施形態は、本発明の正確な範囲および精神から逸脱することなく実施され得る。
(表I:悪性である場合に、PSCAを発現する組織)
前立腺
膵臓
膀胱
腎臓
結腸
肺
卵巣
乳房。
(表IV:HLAクラスI/IIモチーフ/スーパーモチーフ)