JP4651650B2 - 歩行速度測定計 - Google Patents
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Description
(1)老化に伴う心身の機能低下は、必ずしも病気によるものではない。
(2)このような心身の機能低下の大部分は、適切な対処によって予防することが可能である。
(3)予防対策は70歳になってからでも、あるいは80歳になってからでも決して遅くはない。
しかし、より重要なことは、高齢期にみられる心身の機能の衰退はこのような病気ではなく、実は知らず知らずのうちに進行し衰えていく体力や精神力にこそ大きな原因があることである。しかもそれは早期に対処することにより、そして自助努力により確実に予防することができるということである。
なお、本明細書においては、「老年症候群」に含まれる個々の状態に特に言及する場合には、それらを特に「機能低下状態」と称することにし、その「機能低下状態」が実際に現れることを「発現」と称することにする。
このように病気ではなく、老化に伴うさまざまな機能低下状態、すなわち老年症候群に対して早期にチェックを行い、或る特定の老年症候群に関して、未発現であっても発現可能性が高い高齢者を未然に把握することができれば、発現前に適正な対策を立てることによって、発現を遅らせることができる。
このように、老年症候群の発現可能性を予測することによって、老年症候群の確実な予防を実現することが可能になり、高齢者特に後期高齢者の健康を維持し、要介護状態を予防し、生活の質を高めるために重要なことである。
従って、本発明の課題は、老年症候群について、その危険性を有するか否かを、包括的に且つ簡易に判定する方法を提供することにある。
1.ふだん、自分は健康でないと思う。
2.現在、複数種類の薬を飲んでいる。
3.この1年間に入院したことがある。
4.この1年間に転んだことがある。
5.現在、転ぶのが怖いと感じる。
6.ひとりで外出又は遠出することができない。
7.不自由なくひとりで所定距離を続けて歩くことができない。
8.不自由なくひとりで階段の上り下りができない。
9.物につかまらないで、つま先立ちができない。
10.トイレに行くのに間に合わなくて、失敗することがある。
11.尿がもれることがある。
12.趣味や稽古ごとをしない。
13.肉類、卵、魚介類、又は牛乳のいずれも食べない日がある。
14.現在、食事づくりを行う日が、1週間に3日以下である。
15.これまでやってきたことや、興味があったことの多くを、最近やめてしまった。
16.貯金の出し入れや公共料金の支払い、家計のやりくりができない。
17.自分で電話番号を調べて、電話をかけることができない。
18.薬を決まった分量、決まった時間に、自分で飲むことができない。
19.握力が、予め統計学的に決定した閾値未満である。
20.目を開いて片足で立つことができる時間が、予め統計学的に決定した閾値未満である。
21.所定距離を普通に歩くときの所要時間が、予め統計学的に決定した閾値以上である。
からなる群から選択される条件の内、少なくとも2つを満足する場合に、老年症候群の危険性があると判定することを特徴とする、老年症候群の危険性を判定する方法により解決することができる。
本発明による身体虚弱の判定方法における好ましい態様によれば、条件1、7、9、10、12〜14、及び17からなる群から選択される条件を満足する場合、満足した条件毎に点数aを与え、条件16、19、及び20からなる群から選択される条件を満足する場合、満足した条件毎に点数bを与え、条件6及び21からなる群から選択される条件を満足する場合、満足した条件毎に点数cを与え(但し、a<b<cであるものとする)、その合計点が予め設定した閾値以上である場合に、身体虚弱の危険性があると判定する。
本発明による転倒の判定方法における好ましい態様によれば、条件2、3、6、9、10、13、及び15からなる群から選択される条件を満足する場合、満足した条件毎に点数aを与え、条件5、19、及び20からなる群から選択される条件を満足する場合、満足した条件毎に点数bを与え、条件4及び21からなる群から選択される条件を満足する場合、満足した条件毎に点数cを与え(但し、a<b<cであるものとする)、その合計点が予め設定した閾値以上である場合に、転倒の危険性があると判定する。
本発明による尿失禁の判定方法における好ましい態様によれば、条件1、4〜6、8、9、15、及び16からなる群から選択される条件を満足する場合、あるいは、条件11を満足し、且つ尿がもれる回数が1週間に1回未満である場合、満足した条件毎に点数aを与え、条件17、19、及び21からなる群から選択される条件を満足する場合、あるいは、条件11を満足し、且つ尿がもれる回数が1週間に1回以上である場合、満足した条件毎に点数bを与え、条件10を満足する場合、点数cを与え(但し、a<b<cであるものとする)、その合計点が予め設定した閾値以上である場合に、尿失禁の危険性があると判定する。
本発明による低栄養の判定方法における好ましい態様によれば、条件13、14、及び16からなる群から選択される条件を満足する場合、満足した条件毎に点数aを与え、条件3、4、12、19、及び20からなる群から選択される条件を満足する場合、満足した条件毎に点数bを与え、条件21を満足する場合、点数cを与え(但し、a<b<cであるものとする)、その合計点が予め設定した閾値以上である場合に、低栄養の危険性があると判定する。
本発明による軽度の痴呆の判定方法における好ましい態様によれば、条件6及び16〜18からなる群から選択される条件を満足する場合、満足した条件毎に点数aを与え、その合計点が予め設定した閾値以上である場合に、軽度の痴呆の危険性があると判定する。
(2)前記計数工程によって得られたYes回答数が2以上であるか否かを判定する工程、及び
(3)前記判定工程においてYes回答数が2以上であると判定した場合に、老年症候群の危険性があることを表示する工程
を含むことを特徴とする、老年症候群の危険性の判定をコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
(2)前記カウント工程によって得られたYes回答数が2以上であるか否かを判定する工程及び
(3)前記判定工程においてYes回答数が2以上であると判定した場合に、身体虚弱の危険性があることを表示する工程
を含む。
(2)身体虚弱条件aに対するYes回答数に点数aを乗算して積の和を得る工程、
(3)前記条件16、19、及び20からなる群から選択される身体虚弱条件bに対して被験者が入力したYes回答又はNo回答に関して、Yes回答の数をカウントする工程、
(4)身体虚弱条件bに対するYes回答数に点数bを乗算して積の和を得る工程、
(5)前記条件6及び21からなる群から選択される身体虚弱条件cに対して被験者が入力したYes回答又はNo回答に関して、Yes回答の数をカウントする工程、
(6)身体虚弱条件cに対するYes回答数に点数cを乗算して積の和を得る工程(但し、a<b<cであるものとする)、
(7)前記乗算工程(2)、(4)及び(6)のそれぞれの和を合計する工程、
(8)前記合計計算工程によって得られた和が予め設定した閾値以上であるか否かを判定する工程及び
(9)前記判定工程において閾値以上であると判定した場合に、身体虚弱の危険性があることを表示する工程
を含む。
(2)前記カウント工程によって得られたYes回答数が2以上であるか否かを判定する工程及び
(3)前記判定工程においてYes回答数が2以上であると判定した場合に、転倒の危険性があることを表示する工程
を含む。
(2)転倒条件aに対するYes回答数に点数aを乗算して積の和を得る工程、
(3)前記条件5、19、及び20からなる群から選択される転倒条件bに対して被験者が入力したYes回答又はNo回答に関して、Yes回答の数をカウントする工程、
(4)転倒条件bに対するYes回答数に点数bを乗算して積の和を得る工程、
(5)前記条件4及び21からなる群から選択される転倒条件cに対して被験者が入力したYes回答又はNo回答に関して、Yes回答の数をカウントする工程、
(6)転倒条件cに対するYes回答数に点数cを乗算して積の和を得る工程(但し、a<b<cであるものとする)、
(7)前記乗算工程(2)、(4)及び(6)のそれぞれの和を合計する工程、
(8)前記合計計算工程によって得られた和が予め設定した閾値以上であるか否かを判定する工程及び
(9)前記判定工程において閾値以上であると判定した場合に、転倒の危険性があることを表示する工程
を含む。
(2)前記カウント工程によって得られたYes回答数が2以上であるか否かを判定する工程及び
(3)前記判定工程においてYes回答数が2以上であると判定した場合に、尿失禁の危険性があることを表示する工程
を含む。
(2)尿失禁条件aに対するYes回答数に点数aを乗算して積の和を得る工程、
(3)前記条件17、19、及び21、並びに条件11を満足し、且つ尿がもれる回数が1週間に1回以上であるとの条件からなる群から選択される尿失禁条件bに対して被験者が入力したYes回答又はNo回答に関して、Yes回答の数をカウントする工程、
(4)尿失禁条件bに対するYes回答数に点数bを乗算して積の和を得る工程、
(5)前記条件10からなる尿失禁条件cに対して被験者が入力したYes回答又はNo回答に関して、Yes回答の数をカウントする工程、
(6)尿失禁条件cに対するYes回答数に点数cを乗算して積の和を得る工程(但し、a<b<cであるものとする)、
(7)前記乗算工程(2)、(4)及び(6)のそれぞれの和を合計する工程、
(8)前記合計計算工程によって得られた和が予め設定した閾値以上であるか否かを判定する工程及び
(9)前記判定工程において閾値以上であると判定した場合に、尿失禁の危険性があることを表示する工程
を含む。
(2)前記カウント工程によって得られたYes回答数が2以上であるか否かを判定する工程及び
(3)前記判定工程においてYes回答数が2以上であると判定した場合に、低栄養の危険性があることを表示する工程
を含む。
(2)低栄養条件aに対するYes回答数に点数aを乗算して積の和を得る工程、
(3)前記条件3、4、12、19、及び20からなる群から選択される低栄養条件bに対して被験者が入力したYes回答又はNo回答に関して、Yes回答の数をカウントする工程、
(4)低栄養条件bに対するYes回答数に点数bを乗算して積の和を得る工程、
(5)前記条件21からなる群から選択される低栄養条件cに対して被験者が入力したYes回答又はNo回答に関して、Yes回答の数をカウントする工程、
(6)低栄養条件cに対するYes回答数に点数cを乗算して積の和を得る工程(但し、a<b<cであるものとする)、
(7)前記乗算工程(2)、(4)及び(6)のそれぞれの和を合計する工程、
(8)前記合計計算工程によって得られた和が予め設定した閾値以上であるか否かを判定する工程及び
(9)前記判定工程において閾値以上であると判定した場合に、低栄養の危険性があることを表示する工程
を含む。
(2)前記カウント工程によって得られたYes回答数が2以上であるか否かを判定する工程及び
(3)前記判定工程においてYes回答数が2以上であると判定した場合に、軽度の痴呆の危険性があることを表示する工程
を含む。
(2)軽度痴呆条件aに対するYes回答数に点数aを乗算して積の和を得る工程、
(3)前記計算工程によって得られた和が予め設定した閾値以上であるか否かを判定する工程及び
(4)前記判定工程において閾値以上であると判定した場合に、軽度痴呆の危険性があることを表示する工程
を含む。
(2)前記条件1〜21の全て又はそれらの一部を表示する条件表示手段、
(3)前記条件1〜21の全て又はそれらの一部に対する被験者のYes回答及び/又はNo回答を入力する回答入力手段、
(4)前記条件1〜21の全て又はそれらの一部に対するYes回答及び/又はNo回答の回答記憶手段、
(5)前記Yes回答の数を計数する回答数計数手段、
(6)Yes回答数に対して予め設定された基準値を記憶する基準値記憶手段、
(7)Yes回答数が前記基準値以上であるか否かを判定する基準値判定手段、及び
(8)前記基準値判定手段による判定結果を出力する判定結果出力手段
含むことを特徴とする、判定装置に関する。
また、本発明は、片足立ち時間の測定試験開始からの経過時間を計測するタイマーと、予め統計学的に決定した閾値(時間)まで、被験者が片足立ちの状態で到達した場合に、その到達を表示する正規到達表示手段とを有することを特徴とする、片足立ち検査計に関する。
また、本発明は、歩行速度を自動的に測定可能な手段を有することを特徴とする、歩行速度測定計に関する。
なお、本明細書において「高齢者」とは、65歳以上の人を意味する。
本明細書において「老年症候群」には、身体虚弱、転倒、尿失禁、低栄養、及び軽度の痴呆が含まれる。
ここで「身体虚弱」とは、IADL(Instrumental Activities of Daily Living;手段的日常生活能力)に含まれる5項目:
A.バスや電車を使って一人で外出できない。
B.日用品の買い物ができない。
C.自分で食事の用意ができない。
D.請求書の支払いができない。
E.銀行預金・郵便貯金の出し入れができない。
の内、少なくとも1つの項目に該当している状態を意味する。
「転倒」とは、自分の意志からではなく、地面またはより低い場所に、膝や手などが接触することを意味する。
「尿失禁」とは、尿がもれることを心配するために、生活に支障が生じている(例えば、外出を控える)状態を意味する。
「低栄養」とは、血清アルブミン量が3.8g/dL以下である状態を意味する。
「軽度の痴呆」とは、痴呆判定法の1つであるMMSE(Mini Mental State Examination)で23点以下(30点満点)である状態を意味する。
本発明の判定方法では、21項目の条件(健診項目)の内、各老年症候群についてそれぞれ選定された所定の条件を少なくとも2つ満たすか否かにより、各老年症候群の危険性があるか否か、すなわち、各老年症候群のリスク保有者であるか否かを判定する。
本発明者が本発明において選定した21項目の条件、並びに各条件と各老年症候群との関連性は、後述するように、東京都老人総合研究所が保有する65歳以上の高齢者のべ5111名の調査から得られた膨大なデータを統計学的に詳細に解析することにより、初めて明らかにされたものである。これまでにも、老年症候群とその危険性を判定する項目については、個別の老年症候群毎に種々の報告がされてはいるが、本発明者は、公知の判定項目を含む500以上の候補項目の中から、複数の老年症候群を包括的に且つ簡易に判定することが可能な項目として、21項目を選定したものである。本発明の判定方法によれば、21項目の条件にそれぞれ対応するわずか21項目の健診項目により、複数の老年症候群、具体的には、身体虚弱、転倒、尿失禁、低栄養、及び軽度の痴呆の危険性を一度に判定することができる。あるいは、これらの少なくとも1つの機能低下状態の発現リスクを判定するのであれば、21項目よりも更に少ない健診項目により判定が可能である。
質問1.ふだん、ご自分で健康だと思われますか。
0点:非常に健康だと思う。または、健康な方だと思う。
1点:あまり健康ではない。または、健康ではない。
質問2.現在、3種類以上の薬を飲んでいますか。
0点:飲んでいない。または、1〜2種類の薬を飲んでいる。
1点:3種類以上の薬を飲んでいる。
質問3.この1年間に入院したことがありますか。
0点:入院したことがない。
1点:入院したことがある。
質問4.この1年間に転んだことがありますか。
0点:転んだことがない。
1点:転んだことがある。
質問5.現在、転ぶのがこわいと感じますか。
0点:こわくない。
1点:こわい。
質問6.日常の移動能力についてですが、おひとりで外出(遠出)できますか。
0点:自転車・車・バス・電車を使って、ひとりで外出できる。
1点:ひとりで遠出はできない。
質問7.ひとりで、1キロメートルぐらいの距離を、続けて歩くことができますか。
0点:不自由なく続けて歩ける。
1点:歩けるが難儀する。または、歩けない。
質問8.おひとりで階段の上り下りができますか。
0点:不自由なく階段の上り下りができる。
1点:階段の上り下りはできるが難儀する。または、階段の上り下りができない。
質問9.ものにつかまらないで、つま先立ちができますか。
0点:はい。
1点:いいえ。
質問10.トイレに行くのに間に合わなくて、失敗することがありますか。
0点:ない(トイレ、もしくは便器を使い、もらすことはない)。
1点:ときどきもらすことがある(下着を替える必要がある)。または、常時、おむつを使用。
質問11.尿がもれる回数は、1週間に1回以上ですか。
0点:全くない。
1点:1週間に1回未満。
2点:1週間に1回以上。
質問12.あなたは、趣味やけいこごとをしますか。
0点:よくする。
1点:ときどきする。または、ほとんどしない。
質問13.肉類、卵、魚介類、牛乳の内、いずれかを毎日1つ以上食べていますか。
0点:毎日、いずれか1つ以上食べる。
1点:毎日は食べていない。
質問14.現在、食事づくりを1週間にどのくらいしていますか。
0点:ほぼ毎日。または、1週間に4〜5日。
1点:1週間に1〜3日。または、ほとんどしない。
質問15.これまでやってきた事や、興味があった事の多くを、最近やめてしまいましたか。
0点:やめない。
1点:やめた。
質問16.貯金の出し入れや公共料金の支払い、家計のやりくりができますか。
0点:できる。
1点:できない。
質問17.自分で電話番号を調べて、電話をかけることができますか。
0点:できる。
1点:できない。
質問18.薬を決まった分量、決まった時間に自分で飲むことができますか。
0点:できる。
1点:できない。
質問19.利き手による1回の握力:
0点:男性で29kg以上。女性で19kg以上。
1点:男性で29kg未満。女性で19kg未満。
質問20.開眼での片足立ち時間(二回のうち長い方):
0点:男性で20秒以上。女性で10秒以上。
1点:男性で20秒未満。女性で10秒未満。
質問21.いつも歩いている速さの歩行5mの時間:
0点:男性で4.4秒未満。女性で5.0秒未満。
1点:男性で4.4秒以上。女性で5.0秒以上。
例えば、表1に記載の質問7を行う場合、前記所定距離(例えば、1km)を被験者が判断しにくい場合は、具体的な質問(例えば、「駅AからスーパーBくらいまでの距離を歩くことが出来ますか。」)に代えることができる。
また、前記閾値は、種々条件、例えば、性別又は年齢により適宜、適当な値を選択することができる。一般的には、被験者に対応する適当な母集団において既に得られているデータを用いて統計学的処理を行い、低値から10〜25%の値を閾値として使用することができる。前記閾値は、時代の経過に従っても変化することが予想されるが、例えば、現在のところ、表3に記載の質問21に示すように、所定距離が5mである場合、65歳以上の男性では4.4秒を用いることが好ましく、65歳以上の女性では5秒を用いることが好ましい。また、所定距離を3mとする場合は、65歳以上の男性では2.6秒を用いることが好ましく、65歳以上の女性では3秒を用いることが好ましい。
身体虚弱 転倒 尿失禁 低栄養 軽度痴呆
質問1. (×1) (×1)
質問2. (×1)
質問3. (×1) (×2)
質問4. (×3) (×1) (×2)
質問5. (×2) (×1)
質問6. (×3) (×1) (×1) (×2)
質問7. (×1)
質問8. (×1)
質問9. (×1) (×1) (×1)
質問10. (×1) (×1) (×3)
質問11. (×1)
質問12. (×1) (×2)
質問13. (×1) (×1) (×1)
質問14. (×1) (×1)
質問15. (×1) (×1)
質問16. (×2) (×1) (×1) (×2)
質問17. (×1) (×2) (×2)
質問18. (×2)
質問19. (×2) (×2) (×2) (×2)
質問20. (×2) (×2) (×2)
質問21. (×3) (×3) (×2) (×3)
判定用閾値 5 5 5 4 4
例えば、表1〜表3に示す質問1〜21に対して、質問1、4、6、12、及び16について、基礎点数が1点である回答を行い、残る質問について、基礎点数が0点である回答を行った被験者の場合、身体虚弱の危険性に関する被験者の合計点数は、式:
1点(質問1の基礎点数)×1(重み付け)+1点(質問6の基礎点数)×3(重み付け)+1点(質問12の基礎点数)×1(重み付け)+1点(質問16の基礎点数)×2(重み付け)
で算出され、7点である。なお、質問4の基礎点数(1点)は、合計点数には算入しない。身体虚弱の判定用閾値は5点であるので、この被験者は、身体虚弱の危険性があると判定することができる。
1点(質問4の基礎点数)×3(重み付け)+1点(質問6の基礎点数)×1(重み付け)
で算出され、4点である。質問1及び12の各基礎点数(1点)は、合計点数には算入しない。この合計点数は判定用閾値(5点)未満であるので、この被験者は、転倒の危険性がないと判定することができる。
1点(質問1の基礎点数)×1(重み付け)+1点(質問4の基礎点数)×1(重み付け)+1点(質問6の基礎点数)×1(重み付け)+1点(質問16の基礎点数)×1(重み付け)
から4点(質問12の基礎点数は算入しない)であり、判定用閾値(5点)未満であるので、この被験者は、尿失禁の危険性がないと判定することができる。
1点(質問4の基礎点数)×2(重み付け)+1点(質問12の基礎点数)×2(重み付け)+1点(質問16の基礎点数)×1(重み付け)
から5点(質問1及び6の各基礎点数は算入しない)であり、判定用閾値(4点)以上であるので、この被験者は、低栄養の危険性があると判定することができる。
1点(質問6の基礎点数)×2(重み付け)+1点(質問16の基礎点数)×2(重み付け)
から4点(質問1、4、及び12の各基礎点数は算入しない)であり、判定用閾値(4点)以上であるので、この被験者は、軽度痴呆の危険性があると判定することができる。
これらの結果をまとめると、この被験者は、身体虚弱、低栄養、及び軽度の痴呆の危険性があり、転倒及び尿失禁の危険性がないと判定することができる。
例えば、本発明の判定方法を用いて身体虚弱の危険性を判定する場合には、条件1、7、9、10、12〜14、及び17からなる群から選択される条件を満足する場合、満足した条件毎に点数aを与え、条件16、19、及び20からなる群から選択される条件を満足する場合、満足した条件毎に点数bを与え、条件6及び21からなる群から選択される条件を満足する場合、満足した条件毎に点数cを与え(但し、a<b<cであるものとする)、その合計点が予め設定した閾値以上である場合に、身体虚弱の危険性有りと判定することができる。閾値は、種々条件、例えば、性別又は年齢により変化し、また、時代の経過に従っても変化することが予想されるため、被験者に対応する適当な母集団において既に得られているデータを用いて統計学的処理を行うことによって、適宜決定することができる。
例えば、前記点数a、b、及びcがn点、2n点、及び3n点である場合(nは正数)には、身体虚弱の危険性を判定するための閾値として「5n」を用いることができる。また、前記点数a、b、及びcが1点、2点、及び3点である場合(すなわち、表4に示す判定シートに記載した重み付けを採用する場合)には、身体虚弱の危険性を判定するための閾値として「5」を用いることができる。
例えば、前記点数a、b、及びcがn点、2n点、及び3n点である場合(nは正数)には、転倒の危険性を判定するための閾値として「5n」を用いることができる。また、前記点数a、b、及びcが1点、2点、及び3点である場合(すなわち、表4に示す判定シートに記載した重み付けを採用する場合)には、転倒の危険性を判定するための閾値として「5」を用いることができる。
例えば、前記点数a、b、及びcがn点、2n点、及び3n点である場合(nは正数)には、尿失禁の危険性を判定するための閾値として「5n」を用いることができる。また、前記点数a、b、及びcが1点、2点、及び3点である場合(すなわち、表4に示す判定シートに記載した重み付けを採用する場合)には、尿失禁の危険性を判定するための閾値として「5」を用いることができる。
例えば、前記点数a、b、及びcがn点、2n点、及び3n点である場合(nは正数)には、低栄養の危険性を判定するための閾値として「4n」を用いることができる。また、前記点数a、b、及びcが1点、2点、及び3点である場合(すなわち、表4に示す判定シートに記載した重み付けを採用する場合)には、低栄養の危険性を判定するための閾値として「4」を用いることができる。
前記点数aが2点である場合(すなわち、表4に示す判定シートに記載した重み付けを採用する場合)には、軽度の痴呆の危険性を判定するための閾値として「4」を用いることができる。
(1)リスク保有者の判定基準の決定
本発明が対象とする「老年症候群」、すなわち、身体虚弱、転倒、尿失禁、低栄養、及び軽度の痴呆のそれぞれに対して、それらの機能低下状態と極めて密接に関連していると考えられている公知の代表的な健診項目を、項目数の少ない尿失禁で約30項目、平均して約40〜50項目ずつ採集した。
得られた回答を使用して、各健診項目のそれぞれ単独について、あるいはそれらの組合せについて「YES」の通過率を調べ、「YES」通過率が10〜20%の範囲となる健診項目を選択したところ、各機能低下状態に関してそれぞれ1項目ずつの健診項目を選択することができた。
続いて、一般的に「老年症候群」に関連があると考えられる健診項目を、東京都老人総合研究所所属の各分野の専門家から網羅的に広く採集したところ、合計で500項目程度となった。この場合、上位尺度や下位尺度も区別することなく、採取した。
具体的には、各機能低下状態に共通する項目とし、例えば、身体計測値(例えば、身長、体重、BMI)、血圧、運動機能に関する各項目(例えば、筋力、バランス、歩行、手指巧緻性)、健康度自己評価、心理面(例えば、うつの指標)、老研式活動能力指標、または生活満足度などを採取した。
「転倒」及びその関連機能低下状態については、前記表1〜表3に記載の条件(健診項目)2〜6、9、10、13、15、及び19〜21を含め、それ以外に、例えば、目又は耳の疾患の有無、脚筋力、バランス項目(例えば、タンデム歩行)、低血圧の既往などの項目を採取した。
「尿失禁」及びその関連機能低下状態については、前記表1〜表3に記載の条件(健診項目)1、4〜6、8〜11、15〜17、19、及び21を含め、それ以外に、例えば、失禁の頻度、失禁防止に対する処置などの項目を採取した。
「低栄養」及びその関連機能低下状態については、前記表1〜表3に記載の条件(健診項目)3、4、12〜14、16、及び19〜21を含め、それ以外に、例えば、食事内容、食欲の有無、入院の有無、一人で食べるか否か、間食の有無などの項目を採取した。
「軽度の痴呆」及びその関連機能低下状態については、前記表1〜表3に記載の条件(健診項目)6及び16〜18を含め、それ以外に、例えば、MMSE及びその各質問項目、意欲の低下、GDS、うつなどの項目を採取した。
こうして、およそ500項目の健診項目を採集した。
次に、これらの約500項目の各健診項目に関し、前記高齢者5111名に質問を行い、「YES」(機能低下状態の進行又は発現)又は「NO」(機能低下状態の未進行又は未発現)の回答を得た。
健診項目の選択には、主に、t検定、分散分析、χ二乗検定、因子分析、及びロジスティック回帰分析の各統計学的手法を用いて実施した。例えば、連続変数に関しては、項目毎に保有者と非保有者との差異の有無を、t検定又は分散分析により検定した。また、名義変数に関しては、χ二乗検定により検定した。
続いて、その関連の強さに応じて点数を2倍又は3倍にするという項目の重み付けを行い、更に、老年症候群毎のリスク保有判定に最もよい合計点の閾値(判定基準)を設定した。決定した重み付け及び判定基準を表4に示す。
なお、質問項目2及び18については、別の母集団データを使用して、同様の手法を用いて選定した。
のべ5111名の前記データには、「老年症候群」に含まれる個々の「機能低下状態」の発現状態の経過データが含まれているので、この各個人のデータを用いて、前記21項目の健診項目が各リスクの有無をどれくらい説明することができるかの確認を行った。
χ二乗検定によりp<0.001水準で有意であることが確認され、更に、各老年症候群リスク保有者の77%以上がリスク保有者として正しく判別される結果となった。より具体的には、リスク保有者を正しく判定することができる確率は、「身体虚弱」で77.4%であり、「転倒」で81.5%であり、「尿失禁」で95.2%であり、「低栄養」で77.3%であり、「軽度の痴呆」で92.5%であった。
本発明は、老年症候群の危険性を判定する装置にも関する。その判定装置は、
(1)本発明の判定方法における前記条件(あるいは、前記表1〜表3に記載の健診項目)1〜21の全て又はそれらの一部を記憶する条件記憶手段、
(2)前記条件(健診項目)1〜21の全て又はそれらの一部を(被験者、検査担当者、又は測定補助者の少なくとも1者、好ましくは全ての者に)表示する条件表示手段、
(3)前記条件(健診項目)1〜21の全て又はそれらの一部に対する被験者のYes回答及び/又はNo回答を(被験者、検査担当者、又は測定補助者の少なくとも1者、好ましくは全ての者のいずれかが)入力することができる回答入力手段、
(4)前記条件(健診項目)1〜21の全て又はそれらの一部に対するYes回答及び/又はNo回答の回答記憶手段、
(5)前記Yes回答の数を計数する回答数計数手段、
(6)Yes回答数に対して予め設定された基準値を記憶する基準値記憶手段、
(7)Yes回答数が前記基準値以上であるか否かを判定する基準値判定手段、及び
(8)前記基準値判定手段による判定結果を出力する判定結果出力手段
を含むことができる。
(9)各老年症候群の機能低下状態(すなわち、身体虚弱、転倒、尿失禁、低栄養、及び軽度の痴呆)毎に定めた分類に従って、前記条件(健診項目)1〜21を分類別に記憶する分類別記憶手段
を、前記条件記憶手段(1)に代えて、あるいは前記条件記憶手段(1)に加えて、含むことができる。
また、本発明による判定装置は、場合により、
(10)前記の各老年症候群の機能低下状態毎に定めたYes回答数の基準値を記憶する手段、
(11)予め決定した設定値(例えば、予め設定した閾値、又は条件毎に付与する点数a、b、及びc)の入力手段、
(12)条件毎に付与された点数a、b、及びcを、該当する条件に対するYes回答に積算して積を算出する手段、及び
(13)前記設定値入力手段によって入力された設定値(例えば、予め設定した閾値、又は条件毎に付与する点数a、b、及びc)の記憶手段
を備えていることが好ましい。
なお、前記分類記憶手段(9)を備えている場合には、前記出力手段(8)によって、各老年症候群の機能低下状態毎に判定結果を出力することができる。また、前記積算手段(12)を備えている場合には、前記Yes回答計数手段(5)によって、各積算結果を合計することができ、その計算結果を基準値と比較して各老年症候群の機能低下状態を判定することができる。
本明細書において、老年症候群の複数個の機能低下状態の任意の組合せには、2つの機能低下状態の任意の組合せ、3つの機能低下状態の任意の組合せ、4つの機能低下状態の任意の組合せ、あるいは5つの機能低下状態の組合せが含まれる。
例えば、本発明の判定装置が、身体虚弱の危険性の判定装置である場合には、前記条件記憶手段(1)及び/又は前記分類別記憶手段(9)に、前記条件1、6、7、9、10、12〜14、16、17、及び19〜21からなる群から選択される条件の内、少なくとも2つ(好ましくは、条件6、16、19、20、及び21;より好ましくは、条件1、6、7、9、10、12〜14、16、17、及び19〜21の全て)を記憶させる。
また、前記の基準値記憶手段(6)には、前記判定方法欄の説明で述べた身体虚弱に関する基準値を記憶させる。
更に、前記の設定値入力手段(11)からは、前記判定方法欄の説明で述べた閾値や、条件毎に付与する点数a、b、及びcを入力し、前記の設定値記憶手段(13)に記憶させる。
また、前記の基準値記憶手段(6)には、前記判定方法欄の説明で述べた転倒に関する基準値を記憶させる。
更に、前記の設定値入力手段(11)からは、前記判定方法欄の説明で述べた閾値や、条件毎に付与する点数a、b、及びcを入力し、前記の設定値記憶手段(13)に記憶させる。
また、前記の基準値記憶手段(6)には、前記判定方法欄の説明で述べた尿失禁に関する基準値を記憶させる。
更に、前記の設定値入力手段(11)からは、前記判定方法欄の説明で述べた閾値や、条件毎に付与する点数a、b、及びcを入力し、前記の設定値記憶手段(13)に記憶させる。
また、前記の基準値記憶手段(6)には、前記判定方法欄の説明で述べた低栄養に関する基準値を記憶させる。
更に、前記の設定値入力手段(11)からは、前記判定方法欄の説明で述べた閾値や、条件毎に付与する点数a、b、及びcを入力し、前記の設定値記憶手段(13)に記憶させる。
また、前記の基準値記憶手段(6)には、前記判定方法欄の説明で述べた軽度痴呆に関する基準値を記憶させる。
更に、前記の設定値入力手段(11)からは、前記判定方法欄の説明で述べた閾値や、条件毎に付与する点数a、b、及びcを入力し、前記の設定値記憶手段(13)に記憶させる。
本発明は、老年症候群の危険性の判定をコンピュータに実行させるためのプログラムにも関する。
本発明によるプログラムは、
(1)本発明の判定方法における前記条件(あるいは、前記表1〜表3に記載の健診項目)1〜21の全て又はそれらの一部に対して被験者が入力したYes回答又はNo回答に関して、Yes回答の数を計数する工程、
(2)前記計数工程によって得られたYes回答数が2以上であるか否かを判定する工程、及び
(3)前記判定工程においてYes回答数が2以上であると判定した場合に、老年症候群の危険性があることを表示する工程
を含む。
(a)本発明の判定方法における前記条件(あるいは、前記表1〜表3に記載の健診項目)1〜21の全て又はそれらの一部を(被験者、検査担当者、又は測定補助者の少なくとも1者、好ましくは全ての者に対して)表示する工程、及び
(b)前記表示工程によって表示された条件(健診項目)1〜21の全て又はそれらの一部に対して、被験者、検査担当者、又は測定補助者の少なくとも1者(好ましくは全ての者のいずれか)に、被験者によるYes回答又はNo回答を入力させる工程
を含むのが好ましい。
(1)前記条件1、6、7、9、10、12〜14、16、17、及び19〜21からなる群から選択される条件の内、少なくとも2つ(好ましくは、条件6、16、19、20、及び21;より好ましくは、条件1、6、7、9、10、12〜14、16、17、及び19〜21の全て)に対して被験者が入力したYes回答又はNo回答に関して、Yes回答の数をカウントする工程、
(2)前記カウント工程によって得られたYes回答数が2以上であるか否かを判定する工程及び
(3)前記判定工程においてYes回答数が2以上であると判定した場合に、身体虚弱の危険性があることを表示する工程が含まれる。
(1)前記条件1、7、9、10、12〜14、及び17からなる群から選択される身体虚弱条件aに対して被験者が入力したYes回答又はNo回答に関して、Yes回答の数をカウントする工程、
(2)身体虚弱条件aに対するYes回答数に点数aを乗算して積の和を得る工程、
(3)前記条件16、19、及び20からなる群から選択される身体虚弱条件bに対して被験者が入力したYes回答又はNo回答に関して、Yes回答の数をカウントする工程、
(4)身体虚弱条件bに対するYes回答数に点数bを乗算して積の和を得る工程、
(5)前記条件6及び21からなる群から選択される身体虚弱条件cに対して被験者が入力したYes回答又はNo回答に関して、Yes回答の数をカウントする工程、
(6)身体虚弱条件cに対するYes回答数に点数cを乗算して積の和を得る工程(但し、a<b<cであるものとする)、
(7)前記乗算工程(2)、(4)及び(6)のそれぞれの和を合計する工程、
(8)前記合計計算工程によって得られた和が予め設定した閾値以上であるか否かを判定する工程及び
(9)前記判定工程において閾値以上であると判定した場合に、身体虚弱の危険性があることを表示する工程
を含む。
ここで、点数a、点数b、及び点数c、並びに閾値は、それぞれ、前記判定方法欄の説明で述べたとおりに決定することができる。
(1)前記条件2〜6、9、10、13、15、及び19〜21からなる群から選択される条件の内、少なくとも2つ(好ましくは、条件4、5、19、20、及び21;より好ましくは、条件2〜6、9、10、13、15、及び19〜21の全て)に対して被験者が入力したYes回答又はNo回答に関して、Yes回答の数をカウントする工程、
(2)前記カウント工程によって得られたYes回答数が2以上であるか否かを判定する工程及び
(3)前記判定工程においてYes回答数が2以上であると判定した場合に、転倒の危険性があることを表示する工程が含まれる。
(1)前記条件2、3、6、9、10、13、及び15からなる群から選択される転倒条件aに対して被験者が入力したYes回答又はNo回答に関して、Yes回答の数をカウントする工程、
(2)転倒条件aに対するYes回答数に点数aを乗算して積の和を得る工程、
(3)前記条件5、19、及び20からなる群から選択される転倒条件bに対して被験者が入力したYes回答又はNo回答に関して、Yes回答の数をカウントする工程、
(4)転倒条件bに対するYes回答数に点数bを乗算して積の和を得る工程、
(5)前記条件4及び21からなる群から選択される転倒条件cに対して被験者が入力したYes回答又はNo回答に関して、Yes回答の数をカウントする工程、
(6)転倒条件cに対するYes回答数に点数cを乗算して積の和を得る工程(但し、a<b<cであるものとする)、
(7)前記乗算工程(2)、(4)及び(6)のそれぞれの和を合計する工程、
(8)前記合計計算工程によって得られた和が予め設定した閾値以上であるか否かを判定する工程及び
(9)前記判定工程において閾値以上であると判定した場合に、転倒の危険性があることを表示する工程
を含む。
ここで、点数a、点数b、及び点数c、並びに閾値は、それぞれ、前記判定方法欄の説明で述べたとおりに決定することができる。
(1)前記条件1、4〜6、8〜11、15〜17、19、及び21からなる群から選択される条件の内、少なくとも2つ(好ましくは、条件10、11、17、19、及び21;より好ましくは、条件1、4〜6、8〜11、15〜17、19、及び21の全て)に対して被験者が入力したYes回答又はNo回答に関して、Yes回答の数をカウントする工程、
(2)前記カウント工程によって得られたYes回答数が2以上であるか否かを判定する工程及び
(3)前記判定工程においてYes回答数が2以上であると判定した場合に、尿失禁の危険性があることを表示する工程
が含まれる。
(1)前記の条件1、4〜6、8、9、15、及び16、並びに条件11を満足し、且つ尿がもれる回数が1週間に1回未満であるとの条件からなる群から選択される尿失禁条件aに対して被験者が入力したYes回答又はNo回答に関して、Yes回答の数をカウントする工程、
(2)尿失禁条件aに対するYes回答数に点数aを乗算して積の和を得る工程、
(3)前記の条件17、19、及び21、並びに条件11を満足し、且つ尿がもれる回数が1週間に1回以上であるとの条件からなる群から選択される尿失禁条件bに対して被験者が入力したYes回答又はNo回答に関して、Yes回答の数をカウントする工程、
(4)尿失禁条件bに対するYes回答数に点数bを乗算して積の和を得る工程、
(5)前記の条件10からなる尿失禁条件cに対して被験者が入力したYes回答又はNo回答に関して、Yes回答の数をカウントする工程、
(6)尿失禁条件cに対するYes回答数に点数cを乗算して積の和を得る工程(但し、a<b<cであるものとする)、
(7)前記乗算工程(2)、(4)及び(6)のそれぞれの和を合計する工程、
(8)前記合計計算工程によって得られた和が予め設定した閾値以上であるか否かを判定する工程及び
(9)前記判定工程において閾値以上であると判定した場合に、尿失禁の危険性があることを表示する工程を含む。
ここで、点数a、点数b、及び点数c、並びに閾値は、それぞれ、前記判定方法欄の説明で述べたとおりに決定することができる。
(1)前記条件3、4、12〜14、16、及び19〜21からなる群から選択される条件の内、少なくとも2つ(好ましくは、条件3、4、12、19、20、及び21;より好ましくは、条件3、4、12〜14、16、及び19〜21の全て)に対して被験者が入力したYes回答又はNo回答に関して、Yes回答の数をカウントする工程、
(2)前記カウント工程によって得られたYes回答数が2以上であるか否かを判定する工程及び
(3)前記判定工程においてYes回答数が2以上であると判定した場合に、低栄養の危険性があることを表示する工程
が含まれる。
(1)前記の条件13、14、及び16からなる群から選択される低栄養条件aに対して被験者が入力したYes回答又はNo回答に関して、Yes回答の数をカウントする工程、
(2)低栄養条件aに対するYes回答数に点数aを乗算して積の和を得る工程、
(3)前記の条件3、4、12、19、及び20からなる群から選択される低栄養条件bに対して被験者が入力したYes回答又はNo回答に関して、Yes回答の数をカウントする工程、
(4)低栄養条件bに対するYes回答数に点数bを乗算して積の和を得る工程、
(5)前記の条件21からなる群から選択される低栄養条件cに対して被験者が入力したYes回答又はNo回答に関して、Yes回答の数をカウントする工程、
(6)低栄養条件cに対するYes回答数に点数cを乗算して積の和を得る工程(但し、a<b<cであるものとする)、
(7)前記乗算工程(2)、(4)及び(6)のそれぞれの和を合計する工程、
(8)前記合計計算工程によって得られた和が予め設定した閾値以上であるか否かを判定する工程及び
(9)前記判定工程において閾値以上であると判定した場合に、低栄養の危険性があることを表示する工程
を含む。
ここで、点数a、点数b、及び点数c、並びに閾値は、それぞれ、前記判定方法欄の説明で述べたとおりに決定することができる。
(1)前記条件6及び16〜18からなる群から選択される条件の内、少なくとも2つ(好ましくは、条件6及び16〜18の全て)に対して被験者が入力したYes回答又はNo回答に関して、Yes回答の数をカウントする工程、
(2)前記カウント工程によって得られたYes回答数が2以上であるか否かを判定する工程及び
(3)前記判定工程においてYes回答数が2以上であると判定した場合に、軽度の痴呆の危険性があることを表示する工程
が含まれる。
(1)前記の条件6及び16〜18からなる群から選択される軽度痴呆条件aに対して被験者が入力したYes回答又はNo回答に関して、Yes回答の数をカウントする工程、(2)軽度痴呆条件aに対するYes回答数に点数aを乗算して積の和を得る工程、
(3)前記計算工程によって得られた和が予め設定した閾値以上であるか否かを判定する工程及び
(4)前記判定工程において閾値以上であると判定した場合に、軽度痴呆の危険性があることを表示する工程を含む。
ここで、点数a、点数b、及び点数c、並びに閾値は、それぞれ、前記判定方法欄の説明で述べたとおりに決定することができる。
本発明の判定シートは、21項目の条件の内、少なくとも2つの条件又はそれに対応する質問と老年症候群の危険性との関連性(例えば、重み付け)の有無又は程度が表示されている限り、特に限定されるものではない。本発明の判定シートは、所望により、老年症候群に含まれる少なくとも1つの状態の危険性を示す判定用閾値、及び/又は条件若しくはそれに対応する質問が更に表示されていることもできる。
本発明の判定シートは、老年症候群の少なくとも1つを判定することができる判定シートであることもできるし、あるいは、2つ以上を判定することができる判定シートであることもできる。老年症候群の内、身体虚弱、転倒、尿失禁、低栄養、及び軽度の痴呆を全て判定可能な判定シートであることが好ましい。本発明の判定シートは、本発明の判定方法に用いることができる。
図1に示す判定シート1では、その中央部に、質問項目欄10、重み付け表示欄11a〜11e、及び点数記載欄12が設けられており、更に、シート上部に被験者特定欄19及び重み付け定義欄20が、シート下部に判定基準記載欄13a及びリスク判定記載欄13b並びに合計点数記載欄14が設けられている。
重み付け定義欄20には、重み付け表示欄11a〜11eで使用する重み付け表示方法(例えば、幾何学的パターン又は色分け等)の定義を記載することができる。
図1に示す判定シートでは、「おたっしゃ21質問」における「問1」〜「問18」が、21項目の条件に対応する21項目の質問(例えば、表1〜表3に示す質問)の質問1〜18に対応し、「おたっしゃ21体力」における「運動1」〜「運動3」が、21項目の質問の質問19〜21に対応する。
本発明の判定シートでは、各状態の危険性との関連性を表示する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ます目を幾何学的パターン又は色分けすることにより、あるいは、文字又は数字で直接表記することにより、表示することができる。
例えば、老年症候群の内、身体虚弱の危険性を判定するための本発明の判定シートでは、身体虚弱の危険性を判定するのに使用される条件1、6、7、9、10、12〜14、16、17、及び19〜21からなる群から選択される条件、又はそれに対応する質問の内、少なくとも2つについて、身体虚弱との関連性を表示することにより、身体虚弱の危険性を判定することができる。
尿失禁の危険性を判定するための本発明の判定シートでは、尿失禁の危険性を判定するのに使用される条件1、4〜6、8〜11、15〜17、19、及び21からなる群から選択される条件、又はそれに対応する質問の内、少なくとも2つについて、尿失禁との関連性を表示することにより、尿失禁の危険性を判定することができる。
低栄養の危険性を判定するための本発明の判定シートでは、低栄養の危険性を判定するのに使用される条件3、4、12〜14、16、及び19〜21からなる群から選択される条件、又はそれに対応する質問の内、少なくとも2つについて、低栄養との関連性を表示することにより、低栄養の危険性を判定することができる。
軽度痴呆の危険性を判定するための本発明の判定シートでは、軽度痴呆の危険性を判定するのに使用される条件6及び16〜18からなる群から選択される条件、又はそれに対応する質問の内、少なくとも2つについて、軽度痴呆との関連性を表示することにより、軽度痴呆の危険性を判定することができる。
本発明において、前記条件(健診項目)19の握力測定は、予め統計学的に決定した閾値に到達したことを表示する握力到達表示手段を有する握力検査計を用いて実施するのが好ましい。
一般的な握力計は、握力の数値を測定することを目的としているため、被験者は、自己の限界まで強く握る傾向がある。特に高齢者の場合は、握力計を自己の限界まで強く握ると、手や腕の筋肉を痛め易い。一方、前記条件(健診項目)19の握力測定で予め統計学的に決定されている閾値は、健康な高齢者であれば、比較的容易に到達可能なレベルであるため、その閾値へ到達した段階で、握ることを停止することができれば、被験者への負担は大幅に軽減され、手や腕の筋肉を痛める危険性もなくなる。また、検査担当者や測定補助者の判定も容易になる。
なお、一般の握力計は、握力の数値目盛りを示す文字盤と、針(握力の上昇に従って文字盤上を移動し、到達最高レベルで停止する針)を備えているか、あるいはデジタル数値の表示盤を備えているのに対し、握力到達表示手段を有する前記の握力検査計は、それらの文字盤及び針やデジタル数値表示盤を備えている必要はないが、備えていてもよい。
本発明において、前記条件(健診項目)20の開眼での片足立ち時間の測定は、試験開始からの経過時間を計測するタイマーと、予め統計学的に決定した閾値(時間)まで、被験者が片足立ちの状態で到達した場合に、その到達を表示する正規到達表示手段とを有する片足立ち検査計を用いて実施するのが好ましい。
本発明において、前記条件(健診項目)21の歩行速度の測定は、歩行速度を自動的に測定可能な手段を有する歩行速度測定計を用いて実施するのが好ましい。
10・・・質問項目欄;11・・・重み付け表示欄;12・・・点数記載欄;
13a・・・判定基準記載欄;13b・・・リスク判定記載欄;
14・・・合計点数記載欄;19・・・被験者特定欄;
20・・・重み付け定義欄;21・・・握力到達表示ランプ部;
22・・・男性モード表示ランプ;23・・・女性モード表示ランプ;
24・・・ディスプレー部;25・・・電源ボタン部;
26・・・セットボタン部;27・・・男女モード切替ボタン部;
28・・・数値変更用ツマミ部;30・・・握力検査計;
30A・・・グリップ部;30B・・・表示盤部;
31・・・外側フレーム部;31a,32a・・・把持領域;
32・・・内側把持部;33・・・間隙調整ネジ部;
40・・・片足立ち検査計;40A・・・検査台;40B・・・表示盤部;
40C・・・支持フレーム部;41・・・時間到達表示ランプ部;
42・・・男性モード表示ランプ;43・・・女性モード表示ランプ;
44・・・ディスプレー部;45・・・電源ボタン部;
46・・・セットボタン部;47・・・男女モード切替ボタン部;
48・・・操作部;50・・・歩行速度測定計;
51a・・・右側境界ライン;51b・・・左側境界ライン;
52・・・歩行路領域;52A・・・歩行準備領域;
52B・・・歩行速度測定領域;52C・・・歩行停止領域;
53・・・測定開始ライン;54・・・測定終了ライン;
55a,55b・・・開始点センサー;
56a,56b・・・終了点センサー;57・・・表示盤部;
58・・・歩行方向指示マーク;61・・・案内レール;
62・・・ペースメーカ;71・・・右足領域;72・・・左足領域。
Claims (1)
- 歩行速度を自動的に測定可能な手段と、
予め統計学的に決定した閾値を記憶する閾値記憶手段と、
その記憶されている閾値と、得られた歩行速度とを比較して、歩行速度が閾値を超えているか否かを判定する判定手段と、
歩行速度が閾値を超えている場合に、その結果を表示する閾値到達表示手段と
を有することを特徴とする、歩行速度測定計。
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