JP6207547B2 - 認知症の程度を判定するための方法、システム及びプログラム - Google Patents

認知症の程度を判定するための方法、システム及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は認知の程度を判定するための方法、システム及びプログラムに関する。
認知症とは,(1)脳の病変もしくは脳に影響する全身疾患があって,(1)記憶や言語などの複数の認知機能が障害された状態が慢性に持続し,(3)その結果,社会生活の水準が低下した状態を言う。従って、その定義から「患者」としての視点[(1)(2)]だけでなく,「生活者」の視点[(3)]が含まれているのである。それを支援するには,医療保険をもとにした「治療」と,介護保険をもとにした「リハビリテーション」の包括的な視点が必要である。
このような認知の診断方法として最適に標準化されている手法が,臨床的認知症尺度(CDR)である。当該尺度において、CDR0は健常、CDR0.5は軽度認知障害CDR1以上は認知症である。ここで、CDR0.5はいわゆる「認知症予備軍」であり、年間15%程度認知症に移行する。従って、軽度認知障害の早期発見と定期健診も非常に重要である。CDR1以上である認知症の場合、鑑別診断を行い、原因別の治療を行う必要がある。従って、認知症についても進行してしまうまえに発見することが重要となる。
また、「治療」と「リハビリテーション」との選択に関して、認知の重症度が高いほど治療が必要となり、重症度が低いほどリハビリテーションで対応可能な場合が増えてくる。従って、「治療」と「リハビリテーション」との選択という観点からも、軽度認知障害が認知に進行してしまう前に早期に発見することが重要である。
認知症の検査としては、他にMMSE(Mini-Mental State Examination) 等の神経心理テストやMRI・SPECT画像などが知られているが、MMSEは教育年数の影響が強く、単独ではCDR0.5や認知症の判定には有効ではない。また「テストされた感覚」が強く、心理的に負担を与えてしまう。心理的な負担が大きいと、検査自体を受けないことにつながってしまい、認知症発見をすることができないまま症状が進行してしまい得る。
そもそもCDR0.5の軽度認知障害の場合、徘徊等の「問題行動」が少ないために,家族も「年のせい」と誤解し深刻感が少なく,外来を受診することが少ないという問題もある。また、このような軽度認知障害の場合、ほとんど自覚がなく,自分から外来を受診することはまずなく,調査などにも同意しにくい。従って、認知の検査については、被験者の心理的負担が少ないことが特に望まれる。
ここで、前述のCDRは非常に信頼性の高い方法である。しかし、CDRはワークシートに沿って、被験者に質問をした結果から評価・算出されるが、被験者に質問する前に被験者のことを知る介護者等の情報提供者に、事前に被験者のことを質問することを要する。具体的には、被験者の見当識について(被験者が、今日が何日か、何月か、何年か、正確に知っている頻度;出来事の時間的前後関係を間違えることがあるか;被験者がよく知っている通りでは迷わずいけるか否か;家の中で自分でどこへでも行けるか等)、非検査者の地域社会の活動について(被験者が今でも働いているか;働いていない場合、それが記憶あるいは考える力に問題があり、それが被験者が仕事を辞める決心をした原因の一つか;被験者が今までに車を運転したことがあるか;被験者が今でも運転している場合、考える力の低下のために、運転すると問題や危険があるか等)等について情報提供者から回答を得たうえで、被験者に対し質問を行う。従って、CDRの評価のためには情報提供者にも観察能力が求められる。しかし、高齢者が高齢者の介護をせざるをえない老老介護の状態では認知の親を介護する子供も認知又は軽度認知である場合もある。また、一人暮らし高齢者が増加している。従って、CDRの評価に必要な情報及び観察能力を有する情報提供者がいない場合も生じている。
かかる状況の下、心理的負担が少なく、介護者の観察能力が求められない認知の判定試験方法の開発が所望されている。
認知症予防: 地域における早期発見(二次予防)とリハビリテーション. Dementia Japan, 25(2): 104―111, 2011
本発明が解決すべき課題は心理的負担が少なく、介護者の観察能力が求められない認知の判定試験方法を提供することである。
かかる状況の下、本発明者は、膨大な数の被験者の認知診断を伴うフィールドワークの経験から、認知に関連があると思われる項目を抽出した。さらに本発明者は、これらの項目のうち被験者に心理的負担を与えてしまうようなもの、介護者の観察能力が必要とされるものをなるべく排除しつつ、精度高く認知の程度を判定できるという観点から上記項目を精査した結果、年齢、教育年数、最大歩行速度及びTMTAテストのスコアという4つの係数を全て加味することにより、上記課題を解決しつつ認知の程度を高精度で判定できることを見出した。本発明はかかる新規の知見に基づくものである。
従って、本発明は以下の項を提供する:
項1.年齢、教育年数、最大歩行速度及びTMTAテストのスコアを入力する手段
年齢、教育年数、最大歩行速度及びTMTAテストのスコアの全てを用いて認知の程度を表わす係数を算出する手段、及び
上記算出する手段により算出された係数が予め設定された値よりも大きい場合に認知の程度が高いと判定する手段
を含む認知の程度を判定するためのシステム。
項2.前記算する手段が、年齢(Age)、教育年数(Educ)、最大歩行速度(Maxgait)及びTMTAテストのスコア(TMTA)から下記式(1)を用いて認知の程度を表わす係数Pを算出する、項1に記載のシステム:
log[P/(1-P)]=a年齢+b教育年数+c最大歩行速度+dTMTA+e (1)
[式中、0.996≦Exp(a)≦1.185、0.796≦Exp(b)≦1.259、0.050≦Exp(c)≦0.713、1.008≦Exp(d)≦1.030、eは定数を示す]。
項3.前記式(1)中の係数a、b、c、d及びeが、
a=0.083
b=0.001
c=−1.667
d=0.019
e=−9.278
である、項2に記載のシステム。
項4.年齢、教育年数、最大歩行速度及びTMTAテストのスコアの全てを指標とする、認知の程度を判定するための方法。
項5.年齢(Age)、教育年数(Educ)、最大歩行速度(Maxgait)及びTMTAテストのスコア(TMTA)から下記式(1)を用いて認知の程度を表わす係数Pを算出する項4に記載の方法:
log[P/(1-P)]=a年齢+b教育年数+c最大歩行速度+dTMTA+e (1)
[式中、0.996≦Exp(a)≦1.185、0.796≦Exp(b)≦1.259、0.050≦Exp(c)≦0.713、1.008≦Exp(d)≦1.030、eは定数を示す]。
項6.前記式(1)中の係数a、b、c、d及びeが、
a=0.083
b=0.001
c=−1.667
d=0.019
e=−9.278
である、項5に記載の方法。
項7.コンピュータに、
年齢、教育年数、最大歩行速度及びTMTAテストのスコアを取得する第1機能
第1機能で取得された年齢、教育年数、最大歩行速度及びTMTAテストのスコアの全てを用いて認知の程度を表わす係数を算出する第2機能、及び
上記第2機能により算出された係数が予め設定された値よりも大きい場合に認知の程度が高いと判定する第3機能
を実現させるためのプログラム。
項8.年齢(Age)、教育年数(Educ)、最大歩行速度(Maxgait)及びTMTAテストのスコア(TMTA)から下記式(1)を用いて認知の程度を表わす係数Pを算出する項7に記載のプログラム:
log[P/(1-P)]=a年齢+b教育年数+c最大歩行速度+dTMTA+e (1)
[式中、0.996≦Exp(a)≦1.185、0.796≦Exp(b)≦1.259、0.050≦Exp(c)≦0.713、1.008≦Exp(d)≦1.030、eは定数を示す]。
項9.前記式(1)中の係数a、b、c、d及びeが、
a=0.083
b=0.001
c=−1.667
d=0.019
e=−9.278
である、項8に記載のプログラム。
本発明によれば、年齢、教育年数、最大歩行速度及びTMTAテストのスコアから認知の程度を高精度で判定することできる。ここで年齢、教育年数は試験を行うことなく入手できる数値であり、また最大歩行速度は体力測定として行うことができる。そして、TMTAテストは、被験者がゲーム感覚で行うことができるテストである。また本発明であれば、MMSEテストのように、見当識、記憶力等について被験者に質問をすることなく試験を行うことができる。従って、本発明の方法は、被験者に対するテストされた感覚を与えることによる心理的負担が少ないという利点を有する。
さらに、上記項目はいずれも被験者自身の情報又は被験者自身が試験を行うことにより数値を得ることができる。従って、本発明によれば情報提供者の観察能力を必要としない。
本発明によれば、上記のように心理的負担が少なく、かつ情報提供者の観察能力を必要としない項目に基づき判定する手法で精度よく認知の程度を判定することができる。
上記のように被験者に対する見当識、記憶力等についての質問の回答を含まない項目のみから、高精度で認知の程度を判定できることは、これまで知られていた知見からは予想し得なかった事項である。
認知症の程度を判定するための方法
本発明は、年齢(年齢値)、教育年数、最大歩行速度及びTMTAテストのスコアの全てを指標とする、認知の程度を判定するための方法を提供する。
本発明の方法においては、背景技術の欄で前述した認知(CDR1以上)にまだ該当しない軽度認知障害(CDR0.5)も含め、その程度を判定することができる。従って、本発明において「認知の程度を判定するための方法、システム及びプログラム」とは、前記背景技術で定義した認知だけでなく認知認知予備軍も含めた症状の程度を判定する方法、システム及びプログラムを意味する。
本発明において、教育年数とは、小学校、中学校、高校、専門学校、大学、大学院及びこれに相当する学校で教育を受けた年数を示す。年齢値及び教育年数は被験者自身の情報であり、取得に観察能力等を必要としない。
最大歩行速度は、6mを被験者に可能な限り最も速く歩いてもらい、距離(6m)を6m歩くのに要した時間で割ることにより求めることができる。通常、2回測定し、その平均値を最大歩行速度とする。
最大歩行速度の測定は、通常、体力測定として行われるものであるため、心理的負担が少ない。本発明によれば、最大歩行速度は単なる体力の指標であるだけでなく、試験官による指示(可能な限り速く歩くこと)を理解し、それを実行できるかという認知テストの側面も有していること、及びその数値を年齢値、教育年数及びTMTテストのスコアと組み合わせることにより高精度で認知の程度を判定できることができる。
Trail Making Test(TMT)は、用紙にランダムに記載された数字及び/またはアルファベット(またはひらがなもしくはカタカナ)を順に線で結んでいく試験であり、上記作業の遂行時間(秒)をTMTスコアとする。ここで、TMTAでは、1〜25の25個の数字が用紙にランダムに配置されており、TMTBでは1〜13の13個の数字及びA〜Lの12個のアルファベットまたはこれに相当するひらがな(あ、い、う・・・;い、ろ、は・・・等)もしくはカタカナが配置されている。TMTAでは25個の数字を1から順に線で結んでいき、TMTBでは、数字及びアルファベット(ひらがな又はカタカナ)を交互に線で結んでいく。かかるテストも被験者はゲーム感覚で行うことができるため、テストをされたという感覚が生じ難く、心理的負担が少ない。
本発明の典型的な実施形態においては、年齢(Age、単位:才)、教育年数(Educ、単位:年)、最大歩行速度(Maxgait単位:m/s)及びTMTAテストのスコア(TMTA、単位:秒)から下記式を用いて認知の程度を表わす係数Pを算出することができる:
log[P/(1-P)]=a×Age+b×Educ+c×Maxgait+d×TMTA+e) [I]
本発明において、特に明記しない限り、対数logXはネイピア数eを底とする自然対数を示す。式中、係数a、b、c、d及びeとしては、例えば、複数の被験者(例えば、100人以上の被験者、好ましくは500人以上の被験者)について診断により得たCDRの値と、年齢、教育年数、最大歩行速度及びTMTAテストのスコアの4つの変数とを用いた多重ロジスティック回帰分析により予め算出した値を使用することができる。
当該実施形態においては、例えば、被験者についての算出した係数Pが予め設定した値(例えば、0.5)よりも大きい場合、認知である(CDR1以上相当)と判定することができる。
式中の係数a、b、c、d及びeは、上記方法等に準じて適宜設定できるが、
例えば、aについては、0.8≦Exp(a)≦1.3となるような値が好ましく、0.996≦Exp(a)≦1.185がより好ましく、a=0.083(Exp(a)=1.0865)がより好ましい。bについては、例えば、0.65≦Exp(b)≦1.4となるような値が好ましく、0.796≦Exp(b)≦1.259がより好ましく、b=0.001(Exp(b)=1.001)がより好ましい。cについては、例えば、0.001≦Exp(c)≦0.86となるような値が好ましく、0.050≦Exp(c)≦0.713がより好ましく、c=−1.667(Exp(c)=0.189)がより好ましい。dについては、例えば、0.85≦Exp(d)≦1.18となるような値が好ましく、1.008≦Exp(d)≦1.030がより好ましく、d=0.019(Exp(d)=1.019)がより好ましい。eについては、予め設定した定数(例えば、上記方法により予め算出した値)であり、例えば、−10≦e≦−5が好ましく、−9.42≦e≦−9.13がより好ましく、e=−9.278がより好ましい。
尚、上記式[I]から係数a、b、c、d及びeの少なくとも1個を変更した式[I]’によりPを算出していても、上記式[I]と同じ結果が生じる場合には、実質的に式[I]を用いて判定をしていることと実質的に変わらないため、当該方法は、本発明の方法のうち式[I]を用いた実施形態にかかる方法に包含される。例えば、各測定値の単位を変更することにより(教育年数の単位を年から月に変更する、最大歩行速度の単位をm/sからkm/hrに変更する等)、意味を変えることなく単位を変えることで係数を変えた場合も本発明の方法に包含される。また、上記係数を多少上下させた式[I]’によりPを算出していても、係数の変化がわずかである場合には、複数の被験者について上記式[I]と同じ結果が生じることもありうる。その場合には、実質的に式[I]を用いて判定をしていることと実質的に変わらないため、当該方法は、本発明の方法に包含される。
また、本発明は、年齢(年齢値)、教育年数、最大歩行速度及びTMTBテストのスコアの全てを指標とする、認知の程度を判定するための方法も提供する。当該実施形態において、例えば、年齢(Age)、教育年数(Educ)、最大歩行速度(Maxgait)及びTMTBテストのスコア(TMTB)から下記式を用いて認知の程度を表わす係数P’を算出することができる:
log[P’/(1-P’)]=f×Age+g×Educ+h×Maxgait+i×TMTB+j) [II] 当該実施形態においては、例えば、被験者についての算出した係数P’が予め設定した値(例えば、0.5)よりも大きい場合、軽度認知障害である(CDR0.5相当)と判定することができる。
式中の係数f、g、h、i及びjは、例えば、複数の被験者(例えば、100人以上の被験者、好ましくは500人以上の被験者)について診断により得たCDRの値と、年齢、教育年数、最大歩行速度及びTMTBテストのスコアの4つの変数とを用いた多重ロジスティック回帰分析により予め算出した値を使用することができる。また、式中の係数f、g、h、i及びjは、本願実施例等を参照して適宜設定することもできるが、例えば、fについては、0.73≦Exp(f)≦1.23となる値が好ましく、0.978≦Exp(f)≦1.082がより好ましく、f=0.028(Exp(f)=1.028)がより好ましい。gについては、例えば、0.68≦Exp(g)≦1.18となるような値が好ましく、0.825≦Exp(g)≦1.029がより好ましく、g=−0.082(Exp(g)=0.921)がより好ましい。hについては、例えば、0.001≦Exp(h)≦0.61となるような値が好ましく、0.125≦Exp(h)≦0.463がより好ましく、h=−1.423(Exp(h)=0.241)がより好ましい。iについては、例えば、0.02≦Exp(i)≦0.53となるような値が好ましく、0.172≦Exp(i)≦0.375がより好ましく、i=−1.371(Exp(i)=0.254)がより好ましい。jについては、予め設定した定数(例えば、上記方法により予め算出した値)であり、例えば、1≦j≦5が好ましく、1.12≦j≦1.4がより好ましく、j=1.267がより好ましい。
本発明においては、例えば、式[I]を用いた方法及び[II]を用いた方法のいずれか一方のみを行ってもよいし、
まず前述の式[I]を用いた方法によりCDR1以上の認知であるか否かを判定し、CDR1以上の認知でないと判定された被験者に対し式[II]を用いた方法によりCDR0であるかCDR0.5であるかを判定してもよいし、
式[II]を用いた方法によりCDR0であるかCDR0.5以上であるかを判定し、CDR0.5以上と判定された被験者に対し前述の式[I]を用いた方法によりCDR1以上の認知であるか否かを判定してもよいし、
結果のいかんにかかわらず、式[I]を用いた方法及び[II]を用いた方法を共に行ってもよい。
尚、上記式[II]から係数f、g、h、i及びjの少なくとも1個を変更した式[II]’によりP’を算出していても、上記式[II]と同じ結果が生じる場合に、実質的に式[II]を用いて判定をしていることと実質的に変わらないため、当該方法は、本発明の方法のうち式[II]を用いた実施形態にかかる方法に包含されることは式[I]について前述したのと同様である。
認知症の程度を判定するためのシステム
本発明は、年齢、教育年数、最大歩行速度及びTMTAテストのスコアを入力する手段 年齢、教育年数、最大歩行速度及びTMTAテストのスコアの全てを用いて認知の程度を表わす係数を算出する手段、及び
上記算出手段により算出された係数が予め設定された値よりも大きい場合に認知の程度が高いと判定する手段
を含む認知の程度を判定するためのシステムを提供する。
また、本発明は、年齢、教育年数、最大歩行速度及びTMTBテストのスコアを入力する手段
年齢、教育年数、最大歩行速度及びTMTBテストのスコアの全てを用いて認知の程度を表わす係数を算出する手段、及び
上記算出手段により算出された係数が予め設定された値よりも大きい場合に認知の程度が高いと判定する手段
を含む認知の程度を判定するためのシステムも提供する。
当該システムの実施形態においても、「年齢」、「教育年数」、「最大歩行速度」、「判定」、「TMTA」、「TMTB」等の用語の定義は、前述の通りである。本発明のシステムは、前述した本発明にかかる認知の程度を判定するための方法を実施するために用いることができる。
入力手段としては、例えば、コンピュータに接続されるキーボード、マウス等の周辺機器、算出手段を備える装置に設けられたボタン、タッチパネル等が挙げられる。また、本発明において、係数を算出する手段及び認知の程度を判定する手段(これらを合わせて演算手段と言い換えることができる)としては、CPU、当該CPUを備えたコンピュータ等を挙げることができる。本発明の典型的な実施形態においては、演算手段は、前記入力手段に入力された数値及び予め設定された式[I]及び/又は[II]に従い、係数を算出する。本発明のシステムは、さらに算出結果を表示する手段(モニター、スクリーン等)を備えていても良い。本発明において、入力手段と、演算手段(コンピュータ、CPU等)と、任意選択の結果表示手段とは一つの機器に組み込まれていても、これらの手段が別々の機器であってもよい。また、本発明においては、前記入力手段及び結果表示手段が共通のタッチパネル画面であってもよい。
認知症の程度を判定するためのプログラム
本発明は、コンピュータに、
年齢、教育年数、最大歩行速度及びTMTAテストのスコアを取得する第1機能
第1機能で取得された年齢、教育年数、最大歩行速度及びTMTAテストのスコアの全てを用いて認知の程度を表わす係数を算出する第2機能、及び
上記第2機能により算出された係数が予め設定された値よりも大きい場合に認知の程度が高いと判定する第3機能
を実現させるためのプログラムを提供する。
当該プログラムの実施形態においても、「年齢」、「教育年数」、「最大歩行速度」、「判定」、「TMTA」、「TMTB」等の用語の定義は、前述の通りである。本発明のプログラムは、前述した本発明にかかる認知の程度を判定するための方法を実施するために用いることができる。
情報提供者及び被験者に対するインタビューを行い、590名の被験者に対しCDRの数値を得た。一方、同じ被験者590名から、年齢及び教育年数の情報を得、さらに最大補強速度、TMTAテスト及びTMTBテストを行い、各数値を得た。
まず、年齢値(Age、単位:才)、教育年数(Educ、単位:年)、最大歩行速度(Maxgait単位:m/s)及びTMTAテストのスコア(TMTA、単位:秒)の4つの変数と、CDR値との関係について、計算ソフト(SPSS22.0)を用いてMCR(multivariate curve resolution) 多重ロジスティック回帰分析を行った結果、下記数式を得た。P>0.5の時CDR 1以上とすると、下記数式により的中精度は92.8%となった:
log[P/(1-P)]=
0.083*年齢(p=0.063)
+0.001*教育年数(p=0.994)
-1.667*最大歩行速度(p=0.014)
+0.019*TMTA(p=0.001)-9.278
従って、上記数式により、認知(CDR1以上)であるか否かを高い精度で得ることができる。尚、上記数式をlog[P/(1-P)]=a年齢+b教育年数+c最大歩行速度+dTMTA+e)のように表わした場合の係数a、b、c、dの95%信頼区間は以下の通りであった:
0.996≦Exp(a)≦1.185、0.796≦Exp(b)≦1.259、0.050≦Exp(c)≦0.713、1.008≦Exp(d)≦1.030。
次に、年齢値(Age、単位:才)、教育年数(Educ、単位:年)、最大歩行速度(Maxgait単位:m/s)及びTMTBテストのスコア(TMTB、単位:秒)の4つの変数と、CDR値との関係について、上記と同様に多重ロジスティック回帰分析を行った結果、下記数式を得た。p>0.5の時CDR 0.5以上とすると、下記数式により的中精度は72.1%となった:log [P’/(1-P’)]=
0.028*年齢(p=0.271)
-0.082*教育年数(p=0.146)
-1.423*最大歩行速度(p<0.001)
-1.371*TMTB(p<0.001)+1.267
尚、上記数式をlog[P’/(1-P’)]=f×Age+g×Educ+h×Maxgait+i×TMTB+j)のように表わした場合の係数f、g、h、iの95%信頼区間は以下の通りであった:
0.978≦Exp(f)≦1.082、0.825≦Exp(g)≦1.029、0.125≦Exp(h)≦0.463、0.172≦Exp(i)≦0.375。
従って、上記数式により、軽度認知障害又は認知(CDR0.5以上)であるか否かを高い精度で得ることができる。これらの結果を下記表1に示す。
Figure 0006207547
前述のように認知又は軽度認知障害を有している人の家族、特に軽度認知障害を有している人の家族は「年のせい」と誤解して外来の受診をさせていないことが少なくなく、また本人もほとんど自覚がなく,自分から外来を受診することが少ない。そのため、早期診断が必要であるにもかかわらず認知又は軽度認知障害を有している人が地域に「埋もれている」可能性が大きく、地域医療における積極的な介入が必要である。かかる状況の下、本発明の方法は、被験者の心理的負担も大きくなく、観察能力のある情報提供者も必要としない、非常に簡便な方法であり、かつ認知の程度の判定制度が高いことから、認知又は軽度認知障害の早期発見を行うことができる。従って、本発明は、地域に「埋もれている」認知又は軽度認知障害を有している人を明らかにし、そのリハビリテーション及びケアを行うために非常に有用である。

Claims (9)

  1. 年齢、教育年数、最大歩行速度及びTMTAテストのスコアを入力する手段
    年齢、教育年数、最大歩行速度及びTMTAテストのスコアの全てを用いて認知症の程度を表わす係数を算出する手段、及び
    上記算出する手段により算出された係数が予め設定された値よりも大きい場合に認知症の程度が高いと判定する手段
    を含む認知症の程度を判定するためのシステム。
  2. 前記算出する手段が、年齢(Age)、教育年数(Educ)、最大歩行速度(Maxgait)及びTMTAテストのスコア(TMTA)から下記式(1)を用いて認知症の程度を表わす係数Pを算出す
    る、請求項1に記載のシステム:
    log[P/(1-P)]=a年齢+b教育年数+c最大歩行速度+dTMTA+e (1)
    [式中、0.996≦Exp(a)≦1.185、0.796≦Exp(b)≦1.259、0.050≦Exp(c)≦0.713、1.008≦Exp(d)≦1.030、eは定数を示す]。
  3. 前記式(1)中の係数a、b、c、d及びeが、
    a=0.083
    b=0.001
    c=−1.667
    d=0.019
    e=−9.278
    である、請求項2に記載のシステム。
  4. 年齢、教育年数、最大歩行速度及びTMTAテストのスコアの全てを、被験者の認知症の程度を判定するための指標とする方法であって、年齢、教育年数、最大歩行速度及びTMTAテストのスコアの全てを用いて認知症の程度を表わす係数を算出する工程、及び
    当該係数が予め設定された値よりも大きい場合に認知症の程度が高く、当該係数が予め設定された値よりも小さい場合に認知症の程度が低いと特徴づけられる工程を含む、方法。
  5. 年齢(Age)、教育年数(Educ)、最大歩行速度(Maxgait)及びTMTAテストのスコア(TMTA)から下記式(1)を用いて認知症の程度を表わす係数Pを算出する請求項4に記載の方法: log[P/(1-P)]=a年齢+b教育年数+c最大歩行速度+dTMTA+e (1)
    [式中、0.996≦Exp(a)≦1.185、0.796≦Exp(b)≦1.259、0.050≦Exp(c)≦0.713、1.008≦Exp(d)≦1.030、eは定数を示す]。
  6. 前記式(1)中の係数a、b、c、d及びeが、
    a=0.083
    b=0.001
    c=−1.667
    d=0.019
    e=−9.278
    である、請求項5に記載の方法。
  7. コンピュータに、
    年齢、教育年数、最大歩行速度及びTMTAテストのスコアを取得する第1機能
    第1機能で取得された年齢、教育年数、最大歩行速度及びTMTAテストのスコアの全てを用いて認知症の程度を表わす係数を算出する第2機能、及び
    上記第2機能により算出された係数が予め設定された値よりも大きい場合に認知症の程度が高いと判定する第3機能
    を実現させるためのプログラム。
  8. 年齢(Age)、教育年数(Educ)、最大歩行速度(Maxgait)及びTMTAテストのスコア(TMTA)から下記式(1)を用いて認知症の程度を表わす係数Pを算出する請求項7に記載のプログラム:
    log[P/(1-P)]=a年齢+b教育年数+c最大歩行速度+dTMTA+e (1)
    [式中、0.996≦Exp(a)≦1.185、0.796≦Exp(b)≦1.259、0.050≦Exp(c)≦0.713、1.008≦Exp(d)≦1.030、eは定数を示す]。
  9. 前記式(1)中の係数a、b、c、d及びeが、
    a=0.083
    b=0.001
    c=−1.667
    d=0.019
    e=−9.278
    である、請求項8に記載のプログラム。
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