以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、発明の実施の形態における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、発明の実施の形態に記載されていることを確認するためのものである。したがって、発明の実施の形態中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
さらに、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明が、請求項に全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明であって、この出願の請求項には記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加される発明の存在を否定するものではない。
請求項1に記載の記録媒体(例えば、図2の磁気ディスク2)は、所定のクロック専用トラックに記録されているクロック再生信号に基づくクロックに基づいて、同じデータ領域に、一方のデータ(例えば、ID情報)が記録される位相(例えば、図5の磁化変化点a1)と、一方のデータとは周波数特性が異なる他方のデータ(例えば、タイトル情報)が記録される位相(図5の磁化変化点a2)とが、それぞれ異なるように、複数のデータが多重に記録されていることを特徴とする。
請求項4に記載の記録装置は、記録媒体(例えば、図2の磁気ディスク2)のトラック上の所定のデータ領域に、データを記録するデータ記録手段(例えば、図1の記録アンプ19)と、データ記録手段により第1の周回において一方のデータ(例えば、ID情報)が記録された後、第1の周回の次の第2の周回においても記録ヘッドがトラック上を再度移動するように、記録ヘッドの位置を制御するヘッド位置制御手段(例えば、図1の位置制御部21)と、記録媒体の所定のクロック専用トラックに記録されているクロック再生信号に基づくクロックに基づいて、一方のデータの情報が記録される位相と、一方のデータと周波数特性が異なる他方のデータ(例えば、タイトル情報)が記録される位相とが異なるように、他方のデータを記録するタイミングを生成するタイミング生成手段(例えば、図1のタイミング発生部17)とを備え、データ記録手段は、トラック上の所定のデータ領域に、第1の周回において、所定のタイミングで、一方のデータを記録し、第2の周回において、タイミング生成手段により生成されたタイミングで、他方のデータを記録することを特徴とする。
請求項7に記載の記録方法は、記録媒体のトラック上の所定のデータ領域に、データを記録するデータ記録ステップ(例えば、図7のステップS23)と、データ記録ステップの処理により第1の周回において一方のデータが記録された後、第1の周回の次の第2の周回においても記録ヘッドがトラック上を再度移動するように、記録ヘッドの位置を制御するヘッド位置制御ステップ(例えば、図7のステップS25)と、記録媒体の所定のクロック専用トラックに記録されているクロック再生信号に基づくクロックに基づいて、一方のデータの情報が記録される位相と、一方のデータと周波数特性が異なる他方のデータの情報が記録される位相とが異なるように、他方のデータを記録するタイミングを生成するタイミング生成ステップ(例えば、図7のステップS27)とを含み、データ記録ステップの処理では、トラック上の所定のデータ領域に、第1の周回において、所定のタイミングで、一方のデータを記録し、第2の周回において、タイミング生成ステップの処理により生成されたタイミングで、他方のデータを記録することを特徴とする。
なお、請求項8に記載のプログラム記録媒体および請求項9に記載のプログラムは、上述した請求項7に記載の記録方法と基本的に同様の構成であるため、繰り返しになるのでその説明は省略する。
請求項10に記載の再生装置は、同じデータ領域に、一方のデータ(例えば、ID情報)が記録される位相と、一方のデータとは周波数特性が異なる他方のデータ(例えば、タイトル情報)が記録される位相とが、それぞれ異なるように、複数のデータが多重に記録された記録媒体(例えば、図2の磁気ディスク2)から信号を読み出す読み出し手段(例えば、図8の再生アンプ212)と、一方のデータの増幅すべき第1の周波数(例えば、図11の周波数D)および他方のデータの増幅すべき第2の周波数(例えば、図11の周波数C)の信号成分が両方とも増幅するように設定された所定の周波数(例えば、図11の周波数E)の信号成分を増幅して、読み出し手段により読み出された信号の波形を整形する波形整形手段(例えば、図8の等化器213)と、一方のデータの情報が記録される位相および他方のデータの情報が記録される位相に基づいて、波形整形手段により波形が整形された信号から、一方のデータおよび他方のデータを復号するタイミングを制御するタイミング制御手段(例えば、図8のタイミング発生部219)と、タイミング制御手段によるタイミングに従って、波形整形手段により波形が整形された信号から、一方のデータおよび他方のデータを復号する復号手段(例えば、図8のID検出部220およびデータ復調部221)とを備えることを特徴とする。
請求項12に記載の再生装置は、信号の位相特性が、所定の周波数(例えば、図13の周波数F)の2倍以上の周波数(例えば、図13の周波数I)まで直線になるように、所定の周波数の信号成分を増幅させて、信号の波形を整形することを特徴とする。
請求項14に記載の再生装置は、読み出し手段によりデータ領域以外の信号が読み出されるか否かを判定するデータ判定手段(例えば、図8のCPU11)をさらに備え、データ判定手段によりデータ領域以外の信号が読み出されると判定された場合、波形整形手段は、第2の周波数の信号成分を増幅して、読み出し手段により読み出された信号の波形を整形することを特徴とする。
請求項15に記載の再生方法は、同じデータ領域に、一方のデータの情報が記録される位相と、一方のデータとは周波数特性が異なる他方のデータの情報が記録される位相とが、それぞれ異なるように、複数のデータが多重に記録された記録媒体から信号を読み出す読み出しステップ(例えば、図14のステップS53)と、一方のデータの増幅すべき第1の周波数および他方のデータの増幅すべき第2の周波数の信号成分が両方とも増幅するように設定された所定の周波数の信号成分を増幅して、読み出し手段により読み出された信号の波形を整形する波形整形ステップ(例えば、図14のステップS54)と、一方のデータの情報が記録される位相および他方のデータの情報が記録される位相に基づいて、波形整形ステップの処理により波形が整形された信号から、一方のデータおよび他方のデータを復号するタイミングを制御するタイミング制御ステップ(例えば、図14のステップS56およびS57)と、タイミング制御ステップの処理によるタイミングに従って、波形整形ステップの処理により波形が整形された信号から、一方のデータおよび他方のデータを復号する復号ステップ(例えば、図14のステップS58およびS59)とを含むことを特徴とする。
なお、請求項16に記載のプログラム記録媒体および請求項17に記載のプログラムは、上述した請求項15に記載の再生方法と基本的に同様の構成であるため、繰り返しになるのでその説明は省略する。
以下、図を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明を適用した記録装置1の構成例を表している。記録装置1は、例えば、記録ヘッドの位置決めやタイミング生成が精度よく行うことができるサーボライタにより構成される。記録装置1は、装着された磁気ディスク2に、パーソナルコンピュータなどが記録や再生を行うヘッドを所定の位置に制御するための様々なマークやパターンからなるサーボ情報、磁気ディスク2を識別するための固有の情報(以下、ID(Identify)情報と称する)、ID情報と重ねて記録される、例えば、磁気ディスク2の名前などのタイトル情報などを記録する処理を行う。なお、図1の例においては、記録装置1の記録処理を行うブロックのみが示されており、それ以外のブロック(例えば、各ブロックの基幹となるホストコンピュータなど)は省略されている。
磁気ディスク2は、記録装置1によりサーボ情報、ID情報およびタイトル情報などが記録された後、例えば、パーソナルコンピュータ(図8を参照して後述する記録再生装置201)などに組み込まれる磁気ディスクで構成されている。なお、磁気ディスク2は、パーソナルコンピュータなどに、着脱が可能な光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)(商標)を含む)などからなるようにしてもよい。また、タイトル情報は、ID情報以外の他の情報であればよく、磁気ディスク2の名前以外にも、磁気ディスク2に書き込まれる情報のタイトルなどの情報であってもよいし、意味のないダミーデータであってもよい。
図1の例において、CPU(Central Processing Unit)11は、ハードディスクコントローラ12を介して、バッファRAM(Random Access Memory)13および図示せぬホストコンピュータと相互に接続されている。また、ハードディスクコントローラ12には、タイミング発生部17、記録データ生成部18、および記録アンプ19が接続されており、CPU11は、ホストコンピュータなどからバッファRAM13にロードされたプログラムに従って、タイミング発生部17、記録データ生成部18、および記録アンプ19を制御し、磁気ディスク2への記録処理を実行させる。バッファRAM13にはまた、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータなどが適宜記憶される。なお、図1の例においては、図示は省略するが、実際には、磁気ディスク2の回転制御部などもハードディスクコントローラ12に接続されている。
再生ヘッド14は、磁気ディスク2の、例えば、最外周などに設けられたクロック専用トラックに記録されているクロックの再生信号を読み出し、読み出した再生信号を、再生アンプ15に出力する。再生アンプ15は、再生ヘッド14からの再生信号を増幅し、増幅した再生信号を、クロック生成部16に出力する。クロック生成部16は、再生アンプ15からの再生信号に基づいて、クロック(同期信号)を生成し、生成したクロックを、タイミング発生部17に出力する。
タイミング発生部17は、CPU11の制御のもと、クロック生成部16からのクロックに基づいて、サーボ情報、ID情報、またはタイトル情報を記録するためのタイミング信号を発生し、発生したタイミング信号を、記録データ生成部18に出力する。また、タイミング発生部17は、CPU11の制御のもと、記録ヘッド20の位置を、半径方向への移動を禁止するタイミング信号を発生し、発生したタイミング信号を、位置制御部21に出力する。
記録データ生成部18は、CPU11の制御のもと、サーボ情報、ID情報、またはタイトル情報の記録データを生成し、タイミング発生部17からのタイミング信号に応じて、生成された記録データを、記録アンプ19に供給する。記録アンプ19は、CPU11の制御に応じた強さの記録電流を設定し、記録ヘッド20を制御し、設定された強さの記録電流で、記録データ生成部17からの記録データを磁気ディスク2に記録させる。記録ヘッド20は、磁気ディスク2上の、駆動部22により決められた位置に、記録アンプ19からの記録データを記録する。
位置制御部21は、磁気ディスク2が1周分回転すると、駆動部22を制御し、記録ヘッド20を、1データトラックの1/3だけ半径方向に移動させる。すなわち、位置制御部21は、トラックの1/3の分解能でサーボ情報が記録されるように、記録ヘッド20の位置を制御している。また、位置制御部21は、タイミング発生部17からタイミング信号を入力した場合、駆動部22を制御し、記録ヘッド20の位置を、半径方向に移動させることを禁止する。すなわち、位置制御部21は、タイミング発生部17からタイミング信号を入力すると、駆動部22を制御し、記録ヘッド20の位置を、再度、同じトラック上の位置(半径方向に同じ位置)に決定させる。駆動部22は、位置制御部21の制御のもと、記録ヘッド20を移動し、記録ヘッド20の位置を、所定のトラック上の位置に決定する。
図2は、磁気ディスク2の構成例を表している。図2の例において、磁気ディスク2は、サーボゾーン101(図中、ハッチング部分)、および、データゾーン102が交互に配置されて構成されている。また、磁気ディスク2において、図示は省略するが、例えば、最外周のトラックは、クロック専用トラックとされ、クロック専用トラックには、サーボ情報を記録する際に、基準となるクロックが記録されている。
サーボゾーン101は、記録再生を行うヘッドを磁気ディスク2の所定の位置に位置決めするための、様々なマークやパターンなどからなるサーボ情報が記録されている領域である。このサーボ情報は、記録装置1により予め記録され、磁気ディスク2が装着、あるいは組み込まれた、例えば、パーソナルコンピュータからなる、後述する図8の記録再生装置201などにより、読み出され、データの書き込みや再生を行う際に利用される。なお、図2の例においては、説明の便宜上、サーボゾーン101の数が実際よりも少なく示されているが、実際には、ディスク1周あたり、数十から数百のサーボゾーン101が生成される。
データゾーン102は、記録再生装置201がコンテンツなどのデータを記録することができる領域である。このデータゾーン102の所定の領域には、磁気ディスク2を識別するためのID(Identify)情報、およびタイトル情報が、記録装置1により予め多重に記録されている。このID情報は、磁気ディスク2が正規のものであることを示す固有の情報でもあり、記録再生装置201により読み出され、例えば、ネットワーク上のサーバから、著作権保護が必要なコンテンツを視聴したり、データゾーン102に記録するために用いられる。
以上のように、磁気ディスク2は、サーボゾーン101にサーボ情報が予め記録され、データゾーン102の所定の領域にID情報およびタイトル情報が予め多重に記録されている状態で、記録再生装置201などに組み込まれ、図14を参照して後述するように、再生され、利用される。
図3は、サーボゾーン101の詳細な構成を示している。図3の例において、データゾーン102には、複数のトラック121が示されており、点線は、トラック121の中心を表している。
サーボゾーン101には、サーボ情報として、シーク動作時などにおける粗い位置決めのサーボ信号生成に使用されるトラックアドレス122、データゾーン102にデータを記録する際に基準となるクロックの生成に用いられるクロックマーク123、並びにオントラック状態を保持するなどの細かい位置決めのサーボ信号生成に使用される、A,B,X,およびYからなるファインシグナル124が記録されている。
なお、ディスク1周あたり、数十乃至数百のサーボゾーン101が生成されるが、そのうちの少なくとも1つのサーボゾーン101のトラックアドレス122を記録する領域には、ディスクの周方向の基準点(以下、ホームインデックスと称する)を示す特殊なパターンが記録されている。このパターンは、他のトラックアドレスとして表現される値とは異なるパターンであり、磁気ディスク2に情報を記録する記録再生装置201は、このパターンを再生することにより求められる、ホームインデックスからのサーボゾーン数をカウントすることにより、周方向の位置を特定することができる。
記録装置1は、以上のように構成されるサーボ情報をサーボゾーン101に予め記録する。すなわち、記録装置1は、例えば、1データトラックの1/3だけ半径方向にずらしながら、トラックの1/3の分解能でサーボ情報を記録する。具体的には、位置制御部21は、まず1周分のサーボ情報を記録した後、記録ヘッド20を1/3トラックだけ半径方向に移動させる。そして、タイミング発生部17は、クロック生成部16からのクロックに基づいて、記録ヘッド20で、直前に記録したときと同じタイミングで次のパターンを記録する作業を、全半径に渡って行わせる。これにより、磁気ディスク2のサーボゾーン101には、必要なサーボ情報が記録される。
さらに、このとき、記録装置1は、ある特定のトラック(例えば、最内周トラック)上においては、サーボゾーン101にサーボ情報を記録するだけでなく、データゾーン102の所定の領域に、ID情報を記録し、次の周回では、その同じ領域に、ID情報以外の情報であるタイトル情報を重ねて記録する。
これを具体的に説明する。タイミング発生部17は、クロック生成部16からのクロックに基づいて、通常の記録電流を用いて、最内周トラック上の最初の周回において、サーボゾーン11にサーボ情報の記録データを記録させ、所定のサーボゾーン101の後に続くデータゾーン102の所定の領域に、ID情報の記録データを記録させる。最初の周回における1周分のサーボ情報の記録が終了した後、タイミング発生部17は、次の周回において、位置制御部21に、記録ヘッド20の半径方向の移動を禁止させ、再度、同じ最内周トラック上において、データゾーン102の所定の領域に、最初の周回よりも弱い記録電流を用いて、記録ヘッド20に、タイトル情報の記録データを記録させる。すなわち、次の周回においては、サーボゾーン101へのサーボ情報の記録が行われないが、データゾーン102のID情報がすでに記録された所定の領域に、通常よりも弱い記録電流で、タイトル情報の記録データが重ねて記録される。
なお、ID情報は、磁気ディスク2上の傷などによって再生できなくなることを防ぐため、1つの領域だけでなく、複数の異なる領域に記録されるようにしてもよい。この場合、IP情報は、例えば、磁気ディスク2の異なる面や、同じ面の内周と外周などの複数個所の領域に記録される。
次に、図4を参照して、記録電流の大きさについて説明する。図4は、記録電流とオードーライト特性の関係を表すグラフである。図4の例において、縦軸は、オーバーライト特性、すなわち、同じ領域に、2つの任意の情報の記録データが重ねて記録されたときの、1回目に記録された情報の再生振幅の大きさ(dB(デシベル))を表しており、横軸は、2回目の記録データを記録する際の記録電流の大きさ(mA(ミリアンペア))を表している。
図4の例においては、2回目に記録データを5mAの記録電流で記録した場合、1回目に記録された情報の再生振幅は、−10dBの大きさになることが示されており、2回目に記録データを8mAの記録電流で記録した場合、1回目に記録された情報の再生振幅は、−15dBの大きさになることが示されており、2回目に記録データを10mAの記録電流で記録した場合、1回目に記録された情報の再生振幅は、−20dBの大きさになることが示されている。
また、2回目に記録データを15mAの記録電流で記録した場合、1回目に記録された情報の再生振幅は、−30dBの大きさになることが示されており、2回目に記録データを15mAの記録電流で記録した場合、1回目に記録された情報の再生振幅は、−30dBの大きさになることが示されており、2回目に記録データを20乃至40mAの記録電流で記録した場合、1回目に記録された情報の再生振幅は、略−35dBの大きさになることが示されている。
通常の磁気記録、すなわち、すでに1回目の情報が記録されている上から、2回目に新たな情報の記録データを記録する場合、一般の記録装置は、1回目に記録された情報の再生振幅を−30dB以下にして、1回目に記録された情報に、新たな情報の記録データを十分に上書きする(すなわち、1回目に記録された情報は十分消去される)必要がある。したがって、通常の磁気記録においては、記録電流は、1回目に記録された情報の再生振幅を−30dB以下になるように、25mA以上に設定される。
これに対して、1回目に記録された情報の再生振幅が−30dBよりも大きくなるように、2回目に記録するときの記録電流の大きさを設定することにより、1回目に記録された情報は、記録媒体上に、ある程度残されるため、再生が可能となる。すなわち、例えば、2回目に記録するときの記録電流の大きさを10mAに設定すれば、1回目に記録された情報は、−20dBの大きさで再生される。
以上のように、記録装置1においては、データゾーン102のID情報がすでに記録された所定の領域に、タイトル情報の記録データを重ねて記録し、その両方の情報を再生させる(活かす)ために、最初の周回において、サーボ情報やID情報を記録する際には、略25mA以上の記録電流を用いて記録するように設定され、次の周回において、ID情報が記録済みの領域に、タイトル情報の記録データを重ねて記録する際には、例えば、10mAの記録電流を用いて記録するように設定される。
図5を参照して、複数の情報が重ねて記録されているデータゾーン102の所定の領域を再生した場合の再生信号波形を説明する。図5の例においては、データゾーン102の所定の領域に、通常の記録電流(たとえば、25mA)で、1回目に記録されたID情報の磁気ディスク2上の記録パターン151と、同じ領域に、弱い記録電流(例えば、10mA)で、2回目に重ねて記録されたタイトル情報の磁気ディスク2上の記録パターン152が表されており、記録パターン151および152上の矢印は、N極乃至S極への磁化の向きを示している。
磁気ディスク2においては、情報は、磁化の向きを遷移することにより記録されている。したがって、記録パターン151のID情報は、磁化の向きがS極乃至N極の向きからN極乃至S極に遷移する磁化遷移点a1、および、磁化の向きがN極乃至S極からS極乃至N極の向きに遷移する磁化遷移点b1に記録されている。一方、記録パターン152のタイトル情報は、記録パターン151の磁化遷移点a1およびb1が存在しない位置(位相)である、磁化の向きがN極乃至S極からS極乃至N極の向きに遷移する磁化遷移点a2、および、磁化の向きがS極乃至N極の向きからN極乃至S極に遷移する磁化遷移点b2に記録されている。
以上のように、記録パターン151が記録され、その上に、記録パターン152が重ねて記録されている所定の領域が再生されると、その再生信号は、再生信号波形161に示されるように、記録パターン152の磁化遷移点a2およびb2が対応する点A2およびB2の振幅は大きく、記録パターン151の磁化遷移点a1およびb1が対応する点A1および点B1の振幅が小さい波形で表される(点A1および点B1の振幅は、点A2およびB2の振幅の、略1/10である)。
なお、記録装置1においては、1回目に記録する記録データの磁化遷移点が存在する位相(時刻)は、予め設定されており、記録データを2回目に記録する場合、1回目の磁化遷移点の存在する位相(すなわち、1回目の情報が記録される位相)には、磁化反転が起きないように、すなわち、情報が書き込まれないように、両方の位相が管理されて、2回目の記録データが記録されるため、点A1および点B1における振幅と、点A2および点B2における振幅は重なることはない。したがって、再生時には、これらの記録パターン151の信号と記録パターン152の信号は、分離され、それぞれ再生される。
これに対して、通常のパーソナルコンピュータ(例えば、図8の記録再生装置201)などにおいて、このような位相制御は、厳密に管理されていない。したがって、記録再生装置201でID情報とタイトル情報を多重に記録しようとしても、例えば、磁化遷移点が近づいてしまったり、重なってしまったりしてしまい、記録再生装置201が再生する際に、記録パターン151の信号と記録パターン152の信号がうまく分離できず、再生することが困難となる。以上により、記録再生装置201などにおいては、位相を精度よく制御して記録を行うことが不可能であるため、同じ領域に多重に記録されたID情報とタイトル情報を簡単に書き換えられることが抑制される。
次に、図6のフローチャートを参照して、記録装置1の記録処理を詳しく説明する。記録装置1に、磁気ディスク2が装着されると、図示せぬ回転制御部は、磁気ディスク2を回転させる。再生ヘッド14は、磁気ディスク2の、例えば、最外周などに設けられたクロック専用トラックに記録されているクロックの再生信号を読み出し、読み出した再生信号を、再生アンプ15に出力する。再生アンプ15は、再生ヘッド14からの再生信号を増幅し、増幅した再生信号を、クロック生成部16に出力する。
クロック生成部16は、ステップS1において、再生アンプ15からの再生信号から、クロック(同期信号)を生成し、生成したクロックを、タイミング発生部17に出力し、ステップS2に進む。ステップS2において、位置制御部21は、駆動部22を制御し、記録ヘッドを移動させ、磁気ディスク2の所定のトラックの1/3の位置に記録ヘッド20の位置を決定させ、ステップS3に進む。
記録装置1においては、上述したように、サーボ情報を記録する位相と、ID情報およびタイトル情報を記録するトラック、トラック上の所定の領域、並びに位相などが予め設定されており、CPU11は、それらの情報を、タイミング発生部17に供給している。タイミング発生部17は、ステップS3において、記録ヘッド20が位置されているトラック、すなわち、いまサーボ情報を記録するトラックの所定のデータゾーンに、ID情報を記録するか否かを判定する。
ステップS3において、タイミング発生部17は、記録ヘッド20が位置されているトラックの所定のデータゾーンに、ID情報を記録すると判定した場合、ステップS4に進み、ID情報記録処理を実行し、ステップS7に進む。なお、このID情報記録処理は、図7を参照して詳しく後述するが、このID情報記録処理により、トラック1周分のサーボゾーンには、サーボ情報が記録され、トラックの所定のデータゾーンの所定の領域には、ID情報とタイトル情報とが重ねて記録される。
タイミング発生部17は、ステップS3において、記録ヘッド20が位置されているトラックの所定のデータゾーンに、ID情報を記録しないと判定した場合、ステップS5に進み、クロック生成部16からのクロックに基づいて、磁気ディスク2のサーボゾーンにサーボ情報を記録させ、ステップS6に進む。具体的には、タイミング発生部17は、サーボ情報を記録するためのタイミング信号を発生し、発生したタイミング信号を、CPU11および記録データ生成部18に出力する。記録データ生成部18は、CPU11の制御のもと、サーボ情報の記録データを生成し、タイミング発生部17からのタイミング信号に応じて、生成された記録データを、記録アンプ19に供給する。記録アンプ19は、通常記録する強さの記録電流に予め設定されている。記録アンプ19は、記録ヘッド20を制御し、設定されている通常の記録電流で、記録データ生成部17からの記録データを磁気ディスク2に記録させる。記録ヘッド20は、磁気ディスク2上の、駆動部22により決められた位置に、記録アンプ19からの記録データを記録する。
タイミング発生部17は、ステップS6において、磁気ディスク2の1周分のサーボゾーンにサーボ情報を記録したか否かを判定し、まだ、1周分のサーボゾーンにサーボ情報を記録していないと判定した場合、ステップS5に戻り、それ以降の処理を繰り返す。タイミング発生部17は、ステップS6において、1周分のサーボゾーンにサーボ情報を記録したと判定した場合、ステップS7に進み、磁気ディスク2上のすべてのサーボ情報を記録したか否かを判定する。タイミング発生部17は、ステップS7において、磁気ディスク2上のすべてのサーボ情報を記録していないと判定した場合、ステップS2に戻り、それ以降の処理を繰り返す。すなわち、タイミング発生部17は、ステップS2において、位置制御部21を制御し、記録ヘッド20を1/3トラックだけ半径方向に移動させ、1/3トラックだけ移動した位置で、それ以降の処理を繰り返す。
タイミング発生部17は、ステップS7において、磁気ディスク2上のすべてのサーボ情報を記録したと判定した場合、記録処理を終了する。
以上のように、トラックの1/3の位置において、サーボゾーン101に1周分のサーボ情報を記録した後、記録ヘッド20を1/3トラックだけ半径方向に移動させ、クロック生成部16からのクロックに基づいて、直前に記録したときと同じタイミングで次のパターンを記録する処理が、全半径に渡って実行される。これにより、磁気ディスク2のサーボゾーン101には、必要なサーボ情報が記録される。
次に、図7のフローチャートを参照して、図6のステップS4のID情報記録処理を説明する。
タイミング発生部17は、ステップS21において、クロック生成部16からのクロックに基づいて、磁気ディスク2のサーボゾーンにサーボ情報を記録させ、ステップS22に進む。具体的には、タイミング発生部17は、サーボ情報を記録するためのタイミング信号を発生し、発生したタイミング信号を、CPU11および記録データ生成部18に出力する。記録データ生成部18は、CPU11の制御のもと、サーボ情報の記録データを生成し、タイミング発生部17からのタイミング信号に応じて、生成された記録データを、記録アンプ19に供給する。記録アンプ19は、通常記録する強さの記録電流に予め設定されている。記録アンプ19は、記録ヘッド20を制御し、設定されている通常の記録電流で、記録データ生成部17からの記録データを磁気ディスク2に記録させる。記録ヘッド20は、磁気ディスク2上の、駆動部22により決められたトラックの位置に、記録アンプ19からの記録データを記録する。
図2を参照して上述したように、磁気ディスク2には、サーボゾーンとデータゾーンが交互に配置されている。タイミング発生部17は、ステップS22において、このサーボゾーンの後に続くデータゾーンが、ID情報を記録するデータゾーンか否かを判定し、このサーボゾーンの後に続くデータゾーンが、ID情報を記録するデータゾーンであると判定した場合、ステップS23に進み、クロックに基づいて、データゾーンの所定の領域に、ID情報を記録させ、ステップS24に進む。
具体的には、タイミング発生部17は、クロック生成部16からのクロックに基づいて、予め設定されているID情報の位相のタイミングで、ID情報を記録するためのタイミング信号を発生し、発生したタイミング信号を、CPU11および記録データ生成部18に出力する。記録データ生成部18は、CPU11の制御のもと、ID情報の記録データを生成し、タイミング発生部17からのタイミング信号に応じて、生成された記録データを、記録アンプ19に供給する。記録アンプ19は、記録ヘッド20を制御し、設定されている通常の記録電流で、記録データ生成部17からの記録データを磁気ディスク2に記録させる。記録ヘッド20は、磁気ディスク2上の、駆動部22により決められた位置に、記録アンプ19からの記録データを記録する。これにより、所定の領域にID情報が飽和記録される。
タイミング発生部17は、ステップS22において、このサーボゾーンの後に続くデータゾーンが、ID情報を記録するデータゾーンではないと判定した場合、ステップS23をスキップし、ステップS24に進む。
タイミング発生部17は、ステップS24において、磁気ディスク2の1周分のサーボゾーンにサーボ情報を記録したか否かを判定し、まだ、1周分のサーボゾーンにサーボ情報を記録していないと判定した場合、ステップS21に戻り、それ以降の処理を繰り返す。タイミング発生部17は、ステップS24において、1周分のサーボゾーンにサーボ情報を記録したと判定した場合、ステップS25に進み、位置制御部21を制御し、駆動部22に、記録ヘッド20の位置を、半径方向に移動させることを禁止し、ステップS26に進む。すなわち、位置制御部21は、タイミング発生部17からタイミング信号を入力すると、駆動部22を制御し、記録ヘッド20の位置を、再度、同じトラック上に決定させる。駆動部22は、位置制御部21の制御のもと、記録ヘッド20を移動し、記録ヘッド20の位置を、所定のトラック上の位置に決定する。また、このとき、タイミング信号は、CPU11にも入力される。
CPU11は、タイミング発生部17からのタイミング信号を入力すると、ID情報の上に、タイトル情報を二重に記録するとし、ステップS26において、記録アンプ19を制御し、弱い記録電流(例えば、10mA)に切り替えさせ、ステップS27に進む。
タイミング発生部17は、ステップS27において、クロック生成部16からのクロックに基づいて、ID情報がすでに記録されているデータゾーンの所定の領域に、10mAの記録電流で、タイトル情報の記録データを記録させ、ステップS28に進む。具体的には、タイミング発生部17は、クロック生成部16からのクロックに基づいて、データゾーンの所定の領域を決定し、予め位相が重ならないように設定されたタイミングで、ID情報に上書きするタイトル情報を記録するためのタイミング信号を発生し、発生したタイミング信号を、CPU11および記録データ生成部18に出力する。記録データ生成部18は、CPU11の制御のもと、ID情報に上書きするタイトル情報の記録データを生成し、タイミング発生部17からのタイミング信号に応じて、生成された記録データを、記録アンプ19に供給する。記録アンプ19は、ステップS26において弱い記録電流に切り替えている。記録アンプ19は、記録ヘッド20を制御し、切り替えられた弱い記録電流で、記録データ生成部17からの記録データを磁気ディスク2に記録させる。記録ヘッド20は、磁気ディスク2上の、駆動部22により決められた位置に、記録アンプ19からの記録データを記録する。これにより、前回の周回で記録されたID情報が半ば消えた状態になる。
タイミング発生部17は、ステップS28において、トラック上の設定されたすべての所定の領域にID情報とタイトル情報とが重ねて記録されたか否かを判定し、すなわち、トラック上の設定されたすべての所定の領域にデータが二重に記録されたか否かを判定し、まだ、トラック上の設定されたすべての所定の領域にID情報とタイトル情報とが重ねて記録されていないと判定された場合、ステップS21に戻り、それ以降の処理を繰り返す。タイミング発生部17は、ステップS28において、トラック上の設定されたすべての所定の領域にID情報とタイトル情報とが重ねて記録されたと判定した場合、ステップS29に進み、CPU11に、記録アンプ19の記録電流を元に戻させ、ID情報記録処理を終了し、図6のステップS7に戻る。
以上のように、所定の領域に、記録位相(タイミング)が重ならないように、通常の記録電流で、ID情報の記録データを記録(飽和記録)し、ID情報を記録した上から、通常の記録電流よりも弱い記録電流で、タイトル情報の記録データを記録するようにしたので、磁気ディスク2に、ID情報とタイトル情報の記録位相が重なることなく、ID情報とタイトル情報を多重に記録することができる。これにより、磁気ディスク2から情報を再生する記録再生装置は、ID情報とタイトル情報を分離して、それぞれ再生することができる。
また、悪意のある第3者が、パーソナルコンピュータなどの汎用の記録再生装置を用いて、磁気ディスク2のデータゾーンに記録されているID情報を改竄しようとしても、汎用の記録再生装置などにおいては、このように位相が精度よく制御された記録を行うことが困難であるため、ユーザによるID情報の書き換えを抑制することができる。
図8は、本発明を適用した記録再生装置201の構成例を表している。記録再生装置201には、図1の記録装置1により各情報(サーボ情報、ID情報、およびタイトル情報)が予め記録された磁気ディスク2が組み込まれ、内蔵されている。なお、図8において、図1における場合と対応する部分には対応する符号を付してあり、その説明は繰り返しになるので省略する。
記録再生装置201は、例えば、パーソナルコンピュータなどの汎用の情報処理装置により構成され、内蔵する磁気ディスク2から、データを読み出したり、磁気ディスク2のデータゾーン102にデータを記録する処理を行う。具体的には、記録再生装置201は、例えば、内蔵する磁気ディスク2のサーボゾーン101からのサーボ情報を読み出し、サーボ情報に基づいて、データゾーン102に記録されているID情報を読み出し、ID情報を用いて、例えば、図示せぬネットワーク上のサーバから知的財産保護が必要なコンテンツなどを取得し、取得されたコンテンツのデータを記録する処理を行う。
図8の例において、ハードディスクコントローラ12には、位置制御部215、タイミング発生部219、ID検出部220、データ復調部221、および記録データ生成部222が接続されている。CPU11は、ハードディスクコントローラ12を介して、ホストコンピュータなどからバッファRAM13にロードされたプログラムに従って、等化器213、位置制御部215、タイミング発生部219、および記録データ生成部222を制御し、磁気ディスク2に所定のデータを記録したり、磁気ディスク2から所定のデータを読み出させる処理を実行させる。また、CPU11は、ハードディスクコントローラ12を介して、ID検出部220またはデータ復調部221からの各データを、ホストコンピュータに供給する。
ヘッド211は、再生アンプ212からの制御のもと、磁気ディスク2上の、駆動部216により決められた位置から、信号を読み出し、読み出された再生信号を、再生アンプ212に供給する。また、ヘッド211は、記録アンプ223からの制御のもと、磁気ディスク2上の、駆動部216により決められた位置に、記録アンプ223からの記録データを記録する。再生アンプ212は、タイミング発生部219からの制御のもと、ヘッド211の処理を再生処理に切り替え、ヘッド211からの再生信号を増幅し、増幅した再生信号を、等化器213に供給する。
等化器213は、磁気ディスク2に記録されているID情報およびID情報以外の情報(タイトル情報)を再生するために、所定の周波数の信号成分を増幅するように設定されたID兼用フィルタと、磁気ディスク2に記録されているID情報以外の情報を再生するために、所定の周波数の信号成分を増幅するように設定されたデータ用フィルタの2種類のフィルタを有している。等化器213は、初期値として、データ用フィルタを用いるように設定されており、データ用フィルタを用いて、所定の周波数の信号成分を増幅して、再生アンプ212からの再生信号の波形を等化し、波形が等化された再生信号を、A/D(Analog/Digital)変換部214に供給する。また、等化器213は、CPU11の制御のもと、使用するフィルタを、データ用フィルタから、ID兼用フィルタに切り替え、切り替えたフィルタを用いて、所定の周波数の信号成分を増幅して、再生アンプ212からの再生信号の波形を等化し、波形が等化された再生信号を、A/D変換部214に供給する。なお、等化器213には、クロック検出部218からのクロックが入力されており、等化器213は、入力されるクロックに基づいて、使用するフィルタにおいて設定されている所定の周波数を再生転送速度に合わせて変更している。
A/D変換部214は、等化器213からのアナログの再生信号を、デジタル信号に変換し、変換したデジタル信号を、位置制御部215、アドレス検出部217、クロック検出部218、ID検出部220、およびデータ復調部221に供給する。位置制御部215は、A/D変換部214からのデジタル信号から、トラッキングサーボ信号を検出する。また、位置制御部215は、CPU11からの制御、または、検出されたトラッキングサーボ信号に基づいて、ヘッド211の位置を決め、駆動部216を制御し、決めた位置に、ヘッド211を移動させる。駆動部216は、位置制御部215の制御のもと、ヘッド211を移動し、ヘッド211の位置を決定する。
アドレス検出部217は、A/D変換部214からのデジタル信号から、ヘッド211の半径方向の位置と周方向の位置を検出し、検出した半径方向の位置と周方向の位置を、タイミング発生部219に供給する。クロック検出部218は、A/D変換部214からのデジタル信号から、クロックを検出し、検出したクロックを、タイミング発生部219および等化器213に供給する。
タイミング発生部219は、CPU11からの情報(データ)の読み出し命令または書き込み命令に応じて、再生アンプ212および記録アンプ223を制御し、ヘッド211の再生、または記録処理を切り替えさせる。タイミング発生部219は、CPU11からデータの読み出し命令とともにそのアドレスが入力されると、クロック検出部218からのクロックおよびアドレス検出部217からのヘッド211の半径方向の位置と周方向の位置に基づいて、ヘッド211によりデータが読み出されるタイミングを特定し、特定したタイミング信号を、データ復調部221およびCPU11に供給する。タイミング発生部219は、読み出されるデータがID情報であった場合には、特定したタイミング信号を、ID検出部220にも供給する。
また、タイミング発生部219は、CPU11から情報(データ)の書き込み命令とともにそのアドレスが入力されると、クロック検出部218からのクロックおよびアドレス検出部217からのヘッド211の半径方向の位置と周方向の位置に基づいて、データを書き込むタイミングを特定し、特定したタイミング信号を、記録データ生成部222およびCPU11に供給する。
ID検出部220は、タイミング発生部219からのタイミング信号に基づいて、A/D変換部214からのデジタル信号から、ID情報を検出し、検出したID情報を、ハードディスクコントローラ12を介して、ホストコンピュータに出力する。これにより、ホストコンピュータには、磁気ディスク2のID情報が入力されるので、ホストコンピュータは、そのID情報を、例えば、図示せぬネットワーク上のサーバなどに送信し、照合などをすることにより、サーバからコンテンツの配信を受けることができたり、サーバから配信されたコンテンツの視聴などを実行することができる。すなわち、磁気ディスク2のID情報は、サーバが配信する知的財産保護が必要なコンテンツの記録や視聴するためなどの、磁気ディスク2の識別に利用される。
データ復調部221は、タイミング発生部219からのタイミング信号に基づいて、A/D変換部214からのデジタル信号から、タイトル情報やその他の情報のデータを検出し、検出したデータを復調して、ハードディスクコントローラ12を介して、ホストコンピュータに出力する。これにより、ホストコンピュータは、図示せぬモニタなどに、データに基づいた画像を表示させる。
記録データ生成部222は、CPU11からのデータの書き込み命令に基づいて、記録データを生成し、生成した記録データを、タイミング発生部219からのタイミング信号に基づいて、記録アンプ223に供給する。記録アンプ223は、ヘッド211を制御し、記録データ生成部222からの記録データを、磁気ディスク2に記録させる。
図9乃至図11を参照して、等化器213の等化器特性を説明する。なお、図9乃至図11の例においては、横軸が周波数(Hz)、縦軸が信号強度(dB)を表している。また、図中下の波形は、再生信号の周波数特性(再生信号特性)を表しており、図中上の波形は、各再生信号を良好に再生するために等化器213により増幅された再生信号の周波数特性(等化器特性)を表している。すなわち、図9乃至図11に示される再生信号特性を有する再生信号は、等化器213により、各図の等化器特性を有する再生信号に波形等化されるものである。
図9は、通常のデータの再生信号特性および等化器特性の例を示している。通常のデータ(例えば、タイトル情報や画像データなどID情報以外のデータ)の再生信号は、例えば、記録再生装置201などにより磁気ディスク2のデータゾーン102に記録されたデータを再生することにより得られ、その特性は、周波数が高い信号成分の信号強度がだんだん弱くなる傾向を有する。
したがって、通常、等化器213は、通常データの再生信号を良好に再生するために、再生信号の周波数特性が、信号強度が弱くなるあたりの周波数(例えば、周波数C)の信号強度c1が信号強度c2に持ち上げられるような、等化器特性になるように、再生信号を、周波数Cの信号成分を中心に増幅した波形に等化する。
図10は、ID情報の再生信号特性および等化器特性の例を示している。ID情報は、図5を参照して上述したように、予め設定された位相(時刻)にのみ情報が存在するように記録されるため、ある特定の周波数の信号成分を持った情報となる。すなわち、ID情報の再生信号は、ある特定の周波数(例えば、周波数D)の信号強度d1が最も強く再生される傾向を有する。
したがって、このような特性を有するID情報の再生信号を良好に再生するために、等化器213は、再生信号の周波数特性が、周波数Dの信号強度d1が信号強度d2に持ち上げられるような等化器特性になるように、再生信号を、周波数Dの信号成分を中心に増幅した波形に等化する。
しかしながら、実際には、記録再生装置201においては、所定の領域に多重に記録されたID情報およびタイトル情報(通常データ)が再生されると、図9および図10の再生信号特性を有する再生信号が重なった状態で再生される。ここで、複数の信号が重なった再生信号を同時に再生するために、それぞれの再生信号特性にあった等化器を複数用いるようにすると、回路は、複雑になってしまう。そこで、等化器213は、2つの信号が重なった再生信号を同時に再生するために、図11に示されるような等化器特性になるように、再生信号の波形を等化する。
図11は、2つの信号が重なった再生信号に対応した再生信号特性および等化器特性の例を示している。重なって記録されたID情報およびタイトル情報を再生した再生信号の再生信号特性は、ある特定の周波数(例えば、周波数D)の信号強度d1が最も強く再生される傾向と、周波数が高い信号成分の信号強度がだんだん弱くなる傾向の2つの傾向を有する。
そこで、ID情報および通常のデータの再生信号を良好に再生するために、等化器213は、再生信号の周波数特性が、周波数Dの信号強度d1が信号強度d2に持ち上げられ、かつ、信号強度が弱くなる周波数(例えば、周波数C)の信号強度c1が信号強度c2に持ち上げられるような等化器特性になるように、再生信号を、周波数Eの信号成分を中心に増幅した波形に等化する。すなわち、等化器213は、周波数Cおよび周波数Dの略中間の周波数Eの信号強度e1が、信号強度e2に持ち上げられる等化器特性になるように、再生信号を、周波数Eの信号成分を中心に増幅した波形に等化する。なお、周波数Eは、周波数Cおよび周波数Dの両方が良好に再生される信号強度に増幅されるように設定された周波数であればよく、その周波数が、周波数Cと周波数Dの中間付近になることが多いため、略中間の周波数として説明したが、丁度中間の周波数になることもある。
したがって、記録再生装置201の等化器213においては、通常の場合(すなわち、記録再生装置201などにより磁気ディスク2のデータゾーン102に記録されたデータを再生する場合)には、再生信号が図9の等化器特性を有するように設定されたデータ用フィルタが用いられるが、2つの信号(ID情報とタイトル情報)が重なった再生信号が再生される場合には、データ用フィルタから、再生信号が図11の等化器特性を有するように設定されたフィルタであるID兼用フィルタに切り替えられ、切り替えられたID兼用フィルタが、ID情報とタイトル情報の再生信号の波形等化に用いられる。
以上のように、2つの信号が重なっていても、2つの信号それぞれの再生を良好にする各周波数の信号成分が増幅されるので、同時に再生することが可能である。また、重なった2つの信号を同時に再生する場合、データ用フィルタと、ID情報専用のフィルタを別々に使う必要がないため、回路が複雑になることが抑制される。
図12は、ID兼用フィルタを用いて得られる再生信号の等化器特性を表すグラフを示している。
図12の例において、横軸は、周波数(×107Hz)を表している。図中上の信号強度グラフ251は、再生信号の信号強度特性を示すものであり、その縦軸は、再生信号の信号強度(dB)を表している。また、図中下の位相グラフ252は、再生信号の位相特性を示すものであり、その縦軸は、再生信号の位相(deg)を表している。また、これらのグラフにおいて、周波数Fは、通常データ(タイトル情報)およびID情報の再生信号を良好に再生するために持ち上げられる信号成分の周波数を示しており、周波数Gは、通常データの再生信号を良好に再生するために持ち上げる信号成分の周波数を示している。なお、ID兼用フィルタであるため、実際には、ID情報を良好に再生することも、もちろん考慮されているが、図12の例においては、説明の便宜上省略する。
図12の信号強度グラフ251は、再生信号の周波数が、周波数F(約4.7(×107Hz))のとき、再生信号の信号強度f1が、約4(dB)であり、再生信号の周波数が、周波数G(約7.5(×107Hz))のとき、再生信号の信号強度g1が約−2(dB)であることを示している。図12の例の位相グラフ252は、再生信号の周波数が、周波数Fのとき、再生信号の位相f2が、約−155(deg)であり、再生信号の周波数が、周波数Gのとき、再生信号の位相g2が、約−45(deg)であり、再生信号の周波数が、周波数H(約6.4(×107Hz))のとき、再生信号の位相h2が約−220(deg)であることを示している。
すなわち、図12のID兼用フィルタは、通常データの再生信号を良好に再生するために持ち上げたい周波数Gの信号強度g1が、約−2(dB)に増幅されるように、約4.7(×107Hz)の周波数Fの信号強度f1が、約4(dB)になるように設定されている。これにより、通常データの再生信号を良好に再生するために持ち上げたい周波数Gの信号強度g1が、約−2(dB)まで持ち上げられる。
しかしながら、このとき、位相グラフ252に示されるように、この再生信号の位相特性は、再生信号の周波数Hにおける位相h2までは、直線であるが、位相h2を境に曲線になっている。すなわち、通常データの再生のために必要な再生信号の周波数Gの位相(位相g2)が曲線になるため、再生信号の位相特性は、変化してしまう。したがって、図12のID兼用フィルタにより波形等化された信号の周波数Gの信号強度g1は、再生信号が正しく増幅された結果とは言えない。
図13は、ID兼用フィルタを用いて得られる再生信号の等化器特性の他の例を表すグラフを示している。図13の例の場合、用いられるID兼用フィルタは、通常データの再生のために必要な周波数の信号成分を正しく増幅するように設定されたものである。なお、図13において、図12における場合と対応する部分には対応する符号を付してあり、その説明は繰り返しになるので省略する。
図13の例の信号強度グラフ261は、再生信号の周波数が、周波数F(約4.8(×107Hz))のとき、再生信号の信号強度f1が、約2(dB)であり、再生信号の周波数が、周波数G(約7.5(×107Hz))のとき、再生信号の信号強度g1が約0(dB)であることを示している。図13の例の位相グラフ262は、再生信号の周波数が、周波数Fのとき、再生信号の位相f2が、約−220(deg)であり、再生信号の周波数が、周波数Gのとき、再生信号の位相g2が、約−340(deg)であり、周波数Fの約2倍の周波数である、再生信号の周波数が、周波数I(約9.4(×107Hz))のとき、再生信号の位相i2が約−440(deg)であることを示している。
すなわち、図13において用いられたID兼用フィルタは、通常データの再生信号を良好に再生するために持ち上げたい周波数Gの信号強度g1が、約0(dB)に増幅されるように、約4.7(×107Hz)の周波数Fの信号強度f1が、約2(dB)になるように設定されている。これにより、通常データの再生信号を良好に再生するために持ち上げたい周波数Gの信号強度g1が、約0(dB)まで持ち上げられる。
そして、このとき、位相グラフ262に示されるように、この信号の位相特性は、再生信号の周波数Iにおける位相i2まで直線で、位相i2を境に、曲線になる。すなわち、通常データの再生のために必要な周波数Gの信号成分の位相g2の周辺は直線であるため、図13のID兼用フィルタにより波形等化された信号の周波数Gの信号強度g1は、正しく増幅されている。
以上のように、等化器213においては、ID兼用フィルタは、再生信号の位相特性が、再生に必要な周波数Gでは、曲がることがないように、すなわち、増幅する周波数Fの略2倍の周波数Iの信号成分までは、直線で、周波数Iの信号成分あたりで、曲線になるように設定される。このように設定されたID兼用フィルタを用いることにより、ID情報および通常のデータの再生信号を良好に再生するために必要な各周波数の信号成分を増幅することができ、ID情報および通常のデータを同時に再生することができる。
なお、等化器213には、クロック検出部69からのクロックが入力されており、ID兼用フィルタおよびデータ用フィルタにおいて増幅する対象となる周波数は、入力されるクロックにより、再生転送速度に対応するように変更される。
次に、図14のフローチャートを参照して、記録再生装置201のID情報再生処理を説明する。図示せぬホストコンピュータからID情報の読み出し命令がハードディスクコントローラ12を介して、CPU11に入力される。CPU11は、ID情報の読み出し命令を、等化器213およびタイミング発生部219に出力する。CPU11からのID情報の読み出し命令に基づいて、等化器213は、ステップS51において、初期値として設定されているデータ用フィルタから、ID兼用フィルタに切り替え、ステップS52に進む。
CPU11は、ステップS52において、位置制御部215を制御して、ID情報が記録されているトラックに、ヘッド211を移動させ、ヘッド211の位置を所定のトラック上に正確に位置させ、ステップS53に進む。すなわち、位置制御部215は、CPU11からの制御に基づいて、ヘッド211の位置を決め、駆動部216を制御し、決めたトラックの位置に、ヘッド211を移動させる。駆動部216は、位置制御部215の制御のもと、ヘッド211を移動し、ヘッド211の位置を決定する。
ステップS53において、ヘッド211は、再生アンプ212からの制御のもと、磁気ディスク2上の、駆動部216により決められた位置(トラック)から、信号を読み出す。ヘッド211は、読み出された再生信号を、再生アンプ212に供給する。再生アンプ212は、ヘッド211からの再生信号を増幅し、増幅した再生信号を、等化器213に供給し、ステップS54に進む。
等化器213は、ステップS54において、ID兼用フィルタを用いて、所定の周波数の信号成分を中心に増幅して、再生アンプ212からの再生信号の波形を等化し、図13を参照して上述したように波形を等化した再生信号を、A/D変換部214に供給し、ステップS55に進む。A/D変換部214は、等化器213からのアナログの再生信号を、デジタル信号に変換し、変換したデジタル信号を、位置制御部215、アドレス検出部217、クロック検出部218、ID検出部220、およびデータ復調部221に供給する。なお、位置制御部215、アドレス検出部217、およびクロック検出部218において用いられるサーボ情報は、データゾーン102に記録されているID情報やデータとは異なり、等化器213のフィルタがデータ用フィルタであってもID兼用フィルタであってもあまり影響はなく、正常に再生される。
A/D変換部214からデジタル信号が入力されると、ステップS55において、アドレス検出部217は、デジタル信号に含まれるトラックアドレス122のホームインデックスなどから、ヘッド211の半径方向の位置と周方向の位置(アドレス)を検出し、検出した半径方向の位置と周方向の位置を、タイミング発生部219に供給し、ステップS56に進む。
なお、このとき、位置制御部215は、A/D変換部214からのデジタル信号に含まれるトラックアドレス122やファインシグナル124などから、トラッキングサーボ信号を検出し、検出されたトラッキングサーボ信号に基づいて、ヘッド211の位置を決め、駆動部216を制御し、決めた位置に、ヘッド211を移動させる。駆動部216は、位置制御部215の制御のもと、ヘッド211を移動し、ヘッド211の位置を正確に決定する。また、クロック検出部218は、A/D変換部214からのデジタル信号に含まれるクロックマーク123などから、クロックを検出し、検出したクロックを、タイミング発生部219および等化器213に供給する。
タイミング発生部219は、CPU11からID情報の読み出し命令とともにそのアドレスが入力されているので、ステップS56において、クロック検出部218からのクロックおよびアドレス検出部217からのヘッド211の半径方向の位置と周方向の位置に基づいて、ヘッド211によりID情報のデータが読み出されるタイミングを特定し、ステップS57に進む。
タイミング発生部219は、ステップS57において、特定したタイミングになるまで待機している。待機している間も、ヘッド211から読み出された信号は、再生アンプ212を介して、等化器213によりID情報フィルタで増幅され、波形が等化され、A/D変換部214によりデジタル信号に変換されて、位置制御部215、アドレス検出部217、クロック検出部218、ID検出部220、およびデータ復調部221に供給されている。
タイミング発生部219は、ステップS57において、特定したタイミングになったと判定した場合、ステップS58に進み、ID検出部220を制御し、A/D変換部214からのデジタル信号から、ID情報を検出させ、検出したID情報を、ハードディスクコントローラ12を介して、CPU11およびホストコンピュータに出力させ、ステップS59に進む。また、タイミング発生部219は、ステップS59において、データ復調部221を制御し、A/D変換部214からのデジタル信号から、タイトル情報のデータを検出させ、検出したタイトル情報のデータを復調して、ハードディスクコントローラ12を介して、CPU11およびホストコンピュータに出させ、ステップS60に進む。なお、このステップS58およびS59の処理は、並行して実行される処理である。
CPU11は、ステップS60において、ID情報が検出されたか否かを判定し、ID情報が検出されていないと判定した場合、ステップS52に戻り、それ以降の処理を繰り返す。すなわち、この領域に記録されているID情報が、ディスクの破損などで検出されないと判定し、他の領域に記録されているID情報を再生する処理を繰り返し行う。一方、CPU11は、ステップS60おいて、ID情報が検出されたか否かを判定し、ID情報が検出されたと判定した場合、ステップS61において、等化器213を制御し、フィルタを元に戻させる。すなわち、CPU11は、等化器213を制御し、ID情報用フィルタから、データ用フィルタに切り替えさせ、ID情報再生処理を終了する。
以上のように、特殊で高価なサーボライタからなる記録装置1を用いて、磁気ディスク2のデータゾーン102の所定の領域に、ID情報とタイトル情報を重ねて記録するようにしたので、磁気ディスク2が組み込まれる記録再生装置201においては、このID情報を再生することしかできない。すなわち、タイトル情報と重ねて記録されているID情報を、記録再生装置201が書き換えることは、ほぼ不可能とすることができる。
また、記録再生装置201においては、記録装置1により重ねて記録されたID情報とタイトル情報を読み出すために増幅すべき周波数の略中間の周波数の信号成分を持ち上げるように設定されたID兼用フィルタを用いて波形等化するようにしたので、ID情報とタイトル情報を同時に再生することができる。
さらに、ID兼用フィルタを用いることにより、ID情報とタイトル情報が含まれる再生信号を別々の等化器で波形等化する場合よりも、等化器の回路が複雑になることが抑制され、装置を簡単に実現することができる。
以上のように磁気ディスクに他のデータと多重化して記録されるID情報を、例えば、著作権保護を必要とする有料音楽情報を記録再生する際に、記録媒体または記録装置を識別するために用いることにより、ID情報の書き換えや改竄をすることが困難になるため、著作権保護を促進することができる。
なお、上記説明においては、装置に組み込まれる磁気ディスクを用いて説明したが、本発明は、装置に装着される着脱可能なディスクにも適用でき、さらに、光磁気、相変化、または、凹凸などのディスクの状態変化によって情報を記録する光磁気ディスクや光ディスクにも適用することができる。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。この場合、例えば、図1の記録装置1および図8の記録再生装置201は、図15に示されるような情報処理装置301により構成される。
図15において、CPU(Central Processing Unit)311は、ROM(Read Only Memory) 312に記憶されているプログラム、または、記憶部318からRAM(Random Access Memory)313にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM313にはまた、CPU311が各種の処理を実行する上において必要なデータなどが適宜記憶される。
CPU311、ROM312、およびRAM313は、バス314を介して相互に接続されている。このバス314にはまた、入出力インタフェース315も接続されている。
入出力インタフェース315には、キーボード、マウスなどよりなる入力部316、CRT(Cathode Ray Tube),LCD(Liquid Crystal Display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部317、ハードディスクなどより構成される記憶部318、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部319が接続されている。通信部319は、無線などのネットワークを介しての通信処理を行う。
入出力インタフェース315にはまた、必要に応じてドライブ320が接続され、磁気ディスク321、光ディスク322、光磁気ディスク323、或いは半導体メモリ324などが適宜装着され、それから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部318にインストールされる。
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば、汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、図15に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク321(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク322(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク323(MD(Mini-Disk)(商標)を含む)、もしくは半導体メモリ324などよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM312や、記憶部319に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、フローチャートに示されるステップは、記載された順序に従って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
なお、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
1 記録装置,2 磁気ディスク,11 CPU,12 ハードディスクコントローラ,13 バッファRAM,14 再生ヘッド,15 再生アンプ,16 クロック検出部,17 タイミング発生部,18 記録データ生成部,19 記録アンプ,20 記録ヘッド,21 位置制御部,22 駆動部,101 サーボゾーン,102 データゾーン, 201 記録再生装置,211 ヘッド,212 再生アンプ,213 等化器,214 A/D変換部,215 位置制御部,216 駆動部,217 アドレス検出部,218 クロック検出部,219 タイミング発生部,220 ID検出部,221 データ復調部,222 記録データ生成部