以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。以下の説明では、同一または類似の要素には同一または類似の参照符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
本発明に係る光回路(500)は、基板(501)上にそれぞれ作製された、入力された光を所定の比率で分岐する光分岐手段(504)、スラブ導波路(506)および当該スラブ導波路に接続されたアレイ導波路(508)を備え、アレイ導波路(508)からの光を所定の光路に結合するあるいは所定の光路からの光をアレイ導波路(508)に結合する結合手段(B;510;902,904)をさらに備える。
結合手段は、アレイ導波路(508)と同一基板上に作製されたスラブ導波路(510)で構成することも、レンズなどの空間光学素子(902,904)で構成することもできる。分岐手段は、方向性結合器(504)や多モード干渉カプラで構成することができる。
本発明に係る光回路は、MUXまたはDEMUXを構成する一要素として用いることができる。
また、本発明に係る光回路は、信号処理素子(906)とともに用いることで、光信号処理装置を構成することができる。
なお、本明細書において光回路の基板における信号光の出射端面と水平な方向をx、垂直な方向をyとし、光波の進行方向すなわち光軸をzとする。
図4を参照して本発明の第1の参考例を説明する。図4は、本参考例の光回路500の概略構成を示す図である。本参考例の光回路500は、入力されたWDM光信号の一部を波長分離した各光信号をメイン光信号として出力するとともに、入力されたWDM光信号の残りの一部を波長分離した各信号光をモニター光信号として出力することができる光回路であり、DEMUX装置を構成する部品として用いることができる光回路である。
図4に示す本参考例の光回路500は、基板501上にそれぞれ作製された、入射した光を所定の比率で分岐する4ポートの方向性結合器504と、スラブ導波路506と、スラブ導波路506に接続されたアレイ導波路508とを備える。さらに本参考例の光回路は、アレイ導波路508から出力する光信号を所定の光路に結合する結合手段としてのスラブ導波路510を備える。本参考例の光回路は、アレイ導波路508が作製された基板と同一の基板501上に作製されたスラブ導波路510で結合手段Bを構成している。
また、本参考例の光回路500は、光信号を入力するための光導波路502と、光信号から分岐されたメイン光信号を出力するための光導波路512と、光信号から分岐されたモニター光信号を出力するための光導波路514とを備える。光導波路512および514はそれぞれスラブ導波路510へ接続される。すなわち、アレイ導波路508からのメイン光信号およびモニター光信号は、スラブ導波路510によってそれぞれの所定の光路である光導波路512および514に結合されて出力される。光導波路502から入力される複数の波長の光信号が多重されたWDM光信号の波長数をN(2以上の整数)個とした場合、光導波路512および514はそれぞれN本となる。
アレイ導波路508は、予め定められた光路長差を有し、スラブ導波路506から入力されたWDM信号を波長分離して出力する。導波路502から入力される複数の波長の光信号が多重されたWDM光信号の帯域幅をF(Hz)とした場合、アレイ導波路508は、少なくとも2F(Hz)の自由スペクトル領域を有するように構成されている。
方向性結合器504は、ポート1〜4にそれぞれ対応する光導波路504−1〜504−4を備え、入力した光を所定の分岐比(例えば9対1)で2分岐して出力する。例えば、方向性結合器504において、ポート1から入力された光信号の10分の9はポート3へ出力され、ポート1から入力された光信号の10分の1はポート4へ出力される。同様に、ポート3から入力された光信号の10分の9はポート1へ出力され、ポート3から入力された光信号の10分の1はポート2へ出力される。
本参考例において、光導波路504−1は光導波路502と接続され、光導波路504−3は、ポート1から入力されWDM光信号の10分の9(メイン光信号)がスラブ導波路506、アレイ導波路508およびスラブ導波路510を透過してメイン光信号の所定の光路である光導波路512へ結合されるような位置で、スラブ導波路506と接続されている。光導波路504−4は、ポート1から入力されWDM光信号の10分の1(モニター光信号)がスラブ導波路506、アレイ導波路508およびスラブ導波路510を透過してモニター光信号の所定の光路である光導波路514へ結合されるような位置で、スラブ導波路506と接続されている。
以上の構成により、本参考例の光回路において、光導波路502から入力されたWDM光信号は、方向性結合器504においてメイン光信号およびモニター光信号に分岐される。メイン光信号は、光導波路504−3およびスラブ導波路506を介してアレイ導波路508へ入力され、アレイ導波路508において波長分離される。メイン光信号から波長分離された各光信号は、スラブ導波路510によって光導波路512に結合されて出力される。他方、モニター光信号は、光導波路504−4およびスラブ導波路506を介してアレイ導波路508へ入力され、アレイ導波路508において波長分離される。モニター光信号から波長分離された各光信号は、スラブ導波路510によって光導波路514に結合されて出力される。したがって、本参考例の光回路を一要素として用いてDEMUXを構成することができる。
以上説明したように、モニター光信号を取り出すための追加素子または追加部材を少なくした光回路を提供することができる。また、高次回折光ではなく0次回折光をモニター光として取り出す光回路を提供することができる。
次に図5を参照して本発明の第2の参考例を説明する。図5は、本参考例の光回路500の概略構成およびそれを用いた光信号処理装置900の一部の概略構成を示す図である。本参考例の光回路500は、入力されたWDM光信号の一部を波長分離した各光信号をメイン光信号として出力するとともに、入力されたWDM光信号の残りの一部を波長分離した各信号光をモニター光信号として出力することができる光回路である。また本参考例の光信号処理装置900は、光導波路回路500から出力されたモニター光信号をモニターするとともに、光導波路回路500から出力されたメイン信号を信号処理する光信号処理装置である。
本参考例の光回路500は、図16または18に例示する光信号処理装置におけるDEMUX部として用いることができる。
図5に示す本参考例の光信号処理装置900は、入射した光を所定の比率で分岐する4ポートの方向性結合器504、スラブ導波路506およびスラブ導波路506に接続されたアレイ導波路508が作製された基板501と、基板501からのメイン光信号およびモニター光信号がそれぞれ透過するシリンドリカルレンズ902および集光レンズ904と、モニター光信号を検出する光検出器アレイ908と、メイン光信号を処理する信号処理素子906とを備える。
図5に示すアレイ導波路508の端末Aは、図4に示すアレイ導波路508の端末Aに対応し、基板501上に作製された方向性結合器504、スラブ導波路506およびアレイ導波路508は図4と同様である。図5に示す本参考例の光回路500は、アレイ導波路508から出力する光を所定の光路に結合する結合手段Bとしてのシリンドリカルレンズ902および集光レンズ904を備える点で図4に示す光回路500と異なる。すなわち、シリンドリカルレンズ902および集光レンズ904は、モニター光信号から波長分離された各光信号を対応する光検出器アレイ908の光検出素子に入射する光路に結合するように作用し、かつメイン光信号から波長分離された各光信号を対応する信号処理素子906に入射する光路に結合するように作用する。
より詳細には、シリンドリカルレンズ902は、アレイ導波路508から波長に応じた角度で出力されたメイン光信号およびモニター光信号がy方向に拡がることなく集光レンズ904へ入射するように作用する。
集光レンズ904はモニター光信号から分波された光信号の各々を対応する光検出器アレイ908の光検出素子へ集光するように作用する。また集光レンズ904はメイン光信号から分波された光信号の各々を対応する信号処理素子906の素子へ集光するように作用する。
光検出器アレイ908は、例えば、複数のフォトダイオードがy方向に配列されたフォトダイオードアレイとすることができる。
信号処理素子906は、液晶、ピエゾ、電気光学結晶、マイクロミラーなどによる位相制御素子や強度制御素子や光路変換素子を用いることができる。信号処理素子906は、光検出器アレイ908からの検出値に基づいて、メイン光信号に対する処理量(例えば、位相シフト量、減衰量、増幅量)などを制御するように構成することができる。
以上の構成により、本参考例の信号処理装置において、光回路500の光導波路502から入力されたWDM光信号は、方向性結合器504においてメイン光信号とモニター光信号とに分岐される。メイン光信号は、光導波路504−3およびスラブ導波路506を介してアレイ導波路508へ入力され、アレイ導波路508において波長分離される。メイン光信号から波長分離された各光信号は、シリンドリカルレンズ902および集光レンズ904により信号処理素子906への光路に結合され、信号処理素子906へ入力され位相シフトなどの処理が施される。他方、モニター光信号は、光導波路504−4およびスラブ導波路506を介してアレイ導波路508へ入力され、アレイ導波路508において波長分離される。モニター光信号から波長分離された各光信号は、シリンドリカルレンズ902および集光レンズ904により光検出器アレイ908への光路に結合され、光検出器アレイ908において光信号強度や位相が検出される。
以上説明したように、モニター光信号を取り出すための追加素子または追加部材を少なくした光回路および信号処理装置を提供することができる。また、高次回折光ではなく0次回折光をモニター光として取り出す光回路および信号処理装置を提供することができる。
次に図7を参照して本発明の第2の実施例を説明する。図7は、本実施例の光回路500の概略構成およびそれを用いた光信号処理装置900の一部の概略構成を示す図である。本実施例の光回路500は、入力されたWDM光信号の一部を波長分離した各光信号をメイン光信号として出力するとともに、入力されたWDM光信号の残りの一部を波長分離した各信号光をモニター光信号として出力することができる光回路である。また本実施例の光信号処理装置900は、光導波路回路500から出力されたモニター光信号をモニターするとともに、光導波路回路500から出力されたメイン信号を信号処理する光信号処理装置である。
本実施例の光回路500は、図16または18に例示する光信号処理装置におけるDEMUX部として用いることができる。
図7に示す本実施例の光信号処理装置900は、入射した光を所定の比率で分岐する4ポートの方向性結合器504、スラブ導波路506およびスラブ導波路506に接続されたアレイ導波路508が作製された基板501と、基板501からのメイン光信号およびモニター光信号がそれぞれ透過するシリンドリカルレンズ902および集光レンズ904と、モニター光信号を検出する光検出器アレイ(図示しない)と、メイン光信号を処理する信号処理素子906とを備える。図7に示すアレイ導波路508の端末Aは、図6に示すアレイ導波路508の端末Aに対応し、基板501上に作製された方向性結合器504、スラブ導波路506およびアレイ導波路508は図6と同様である。
図7に示す本実施例の光回路500は、アレイ導波路508から出力する光信号(メイン光信号から波長分離された各光信号)を所定の光路に結合し、かつ方向性結合器504から出力するモニター光信号を所定の光路に結合する結合手段Bとしてのシリンドリカルレンズ902および集光レンズ904を備える点で図6に示す光回路500と異なる。すなわち、シリンドリカルレンズ902および集光レンズ904は、モニター光信号から波長分離された各光信号を対応する光検出器アレイ(図示しない)の光検出素子に入射する光路に結合するように作用し、かつメイン光信号から波長分離された各光信号を対応する信号処理素子906に入射する光路に結合するように作用する。
また、方向性結合器504のポート4に対応する光導波路504−4から出力される光が集光手段Bを構成する集光レンズ904およびシリンドリカルレンズ902を介してアレイ導波路508に結合させるためのファイバコリメータ910を備える点で図6に示す光回路と異なる。
光導波路514から出力されるモニター光信号は、図示しない光検出器アレイ(例えば、複数のフォトダイオードがy方向に配列されたフォトダイオードアレイ)で光信号強度や位相などが検出される。
信号処理素子906は、液晶、ピエゾ、電気光学結晶、マイクロミラーなどによる位相制御素子や強度制御素子や光路変換素子を用いることができる。信号処理素子906は、光検出器アレイ(図示しない)からの検出値に基づいて、メイン光信号に対する処理量(例えば、位相シフト量、減衰量、増幅量)などを制御するように構成することができる。
以上の構成により、本実施例の信号処理装置において、光回路500の光導波路502から入力されたWDM光信号は、方向性結合器504においてメイン光信号とモニター光信号とに分岐される。メイン光信号は、光導波路504−3およびスラブ導波路506を介してアレイ導波路508へ入力され、アレイ導波路508において波長分離される。メイン光信号から波長分離された各光信号は、シリンドリカルレンズ902および集光レンズ904により信号処理素子906への光路に結合され、信号処理素子906へ入力され位相シフトなどの処理が施される。他方、モニター光信号は、光導波路504−4、集光レンズ904およびシリンドリカルレンズ902を介してアレイ導波路508へ入力され、アレイ導波路508において波長分離される。モニター光信号から波長分離された各光信号は、スラブ導波路506により光導波路514に結合され出力される。光導波路514から出力された各光信号は、光検出器アレイ(図示しない)において光信号強度や位相が検出される。
以上説明したように、モニター光信号を取り出すための追加素子または追加部材を少なくした光回路および信号処理装置を提供することができる。また、高次回折光ではなく0次回折光をモニター光として取り出す光回路および信号処理装置を提供することができる。
また、本実施例の光回路は、図5に示した光回路に比べて、メイン光信号とモニター光信号とのクロストークが低減される。
なお、図18に示すような波長選択スイッチとして機能する光信号処理装置を構成する場合、複数個のファイバコリメータ910の配置が互いに干渉する問題が生じる。このような場合、図20に示すように、ファイバコリメータ910を信号処理素子906を基準にしてy方向にずらして配置することで、問題を解消することができる。図20(a)は光信号処理装置の平面図、(b)は光信号処理装置の断面図である。図20に示すように、光信号処理装置において、集光レンズ904の一部をシリンドリカルレンズ918にして用いることで、ファイバコリメータ910をy方向にずらして配置することが可能となる。
次に図8を参照して本発明の第3の参考例を説明する。図8は、本参考例の光回路500の概略構成を示す図である。本参考例の光回路500は、入力された複数の波長の光信号を波長合成したWDM光信号の一部をメイン光信号として出力するとともに、WDM光信号の他の一部から波長分離された各信号光の一部をモニター光信号として取り出し可能な光回路であり、MUX装置を構成する部品として用いることができる光回路である。
図8に示す本参考例の光回路500は、基板501上にそれぞれ作製された、入射した光を所定の比率で分岐する4ポートの方向性結合器504と、スラブ導波路506と、スラブ導波路506に接続されたアレイ導波路508とを備える。さらに本参考例の光回路は、光導波路512から入力された光信号および方向性結合器504から出力された光信号を所定の光路に結合する結合手段としてのスラブ導波路510を備える。本参考例の光回路は、アレイ導波路508が作製された基板と同一の基板501上に作製されたスラブ導波路510で結合手段Bを構成している。
また、本参考例の光回路500は、メイン光信号を出力するための光導波路502と、モニター光信号を出力するための光導波路514とを備える。光導波路512および514はそれぞれスラブ導波路510および506へ接続される。
本参考例の光回路500において、方向性結合器504は、ポート3から入力された光を所定の分岐比(例えば9体1)で2分岐して出力する。例えば、方向性結合器504において、ポート3から入力された光信号の10分の9はポート1へ出力され、ポート3から入力された光信号の10分の1はポート2へ出力される。
ポート2に対応する光導波路504−2はスラブ導波路510に接続され、方向性結合器504のポート1に対応する光導波路504−1は光導波路502に接続されている。
光導波路512から入力される光信号の波長数をN(2以上の整数)個とした場合、光導波路512および514はそれぞれN本となる。
アレイ導波路508は、予め定められた光路長差を有し、スラブ導波路510から入力された複数の波長の光信号を波長合成してWDM信号を出力し、かつスラブ導波路510から入力されたWDM光信号を波長分離して出力する。
光導波路512から入力される複数の波長の光信号が多重されたWDM光信号の帯域幅をF(Hz)とした場合、アレイ導波路508は、少なくともF×(N+1)/N(Hz)の自由スペクトル領域を有するように構成されている。
本参考例の光回路500において、方向性結合器504の光導波路504−3は、WDM光信号が出力される位置でスラブ導波路506と接続される。光導波路504−1は光導波路502に接続されポート3から入力され分岐されたWDM光信号の10分の9(メイン光信号)を出力する。光導波路504−2は、ポート3から入力され分岐されたWDM光信号の10分の1(モニター光信号)がスラブ導波路510、アレイ導波路508およびスラブ導波路506を透過してモニター光信号の所定の光路である光導波路514へ結合されるような位置で、スラブ導波路510へ接続される。
以上の構成により、本参考例の光回路において、光導波路512から入力された複数の波長の光信号は、アレイ導波路508において波長合成される。波長合成されたWDM光信号は、方向性結合器504においてメイン光信号およびモニター光信号に分岐される。メイン光信号は、光導波路502から出力される。モニター光信号は、アレイ導波路508において波長分離される。モニター光信号から波長分離された各光信号は、光導波路514から出力される。したがって、本参考例の光回路を一要素として用いてMUXを構成することができる。
以上説明したように、モニター光信号を取り出すための追加素子または追加部材を少なくした光回路を提供することができる。また、高次回折光ではなく0次回折光をモニター光として取り出す光回路を提供することができる。
次に図9を参照して第4の参考例を説明する。図9は、本参考例の光回路500およびそれを用いた光信号処理装置900の概略構成を示す図である。本参考例の光回路500は、複数の波長の光信号を入力して波長合成したWDM光信号の一部をメイン光信号として出力するとともに、WDM光信号の他の一部から波長分離された各信号光の一部をモニター光信号として取り出し可能な光回路であり、MUX装置を構成する部品として用いることができる光回路である。また本参考例の光信号処理装置900は、信号処理素子906により信号処理を施された複数の波長の光信号を光導波路回路500において波長合成してWDM光信号として出力するとともに、WDM光信号の一部から波長分離された光信号をモニター光信号としてモニターする光信号処理装置である。
本参考例の光回路500は、図16または18に例示する光信号処理装置におけるMUX部として用いることができる。
図9に示す本参考例の光信号処理装置900は、入射した光を所定の比率で分岐する4ポートの方向性結合器504、スラブ導波路506およびスラブ導波路506に接続されたアレイ導波路508が作製された基板501と、光信号を処理する信号処理素子906と、信号処理素子906からの複数の波長の光信号および方向性結合器504からのモニター光信号がそれぞれ透過するシリンドリカルレンズ902および集光レンズ904と、モニター光信号を検出する光検出器アレイ(図示しない)とを備える。
シリンドリカルレンズ902および集光レンズ904は、モニター光信号の所定の光路である導波路504−2からの光をアレイ導波路(508)に結合する結合手段Bを構成する。
図9に示すアレイ導波路508の端末Aは、図8に示すアレイ導波路508の端末Aに対応する。
本参考例の光回路500は、方向性結合器504のポート2に対応する光導波路504−2から出力される光が集光手段Bを構成する集光レンズ904およびシリンドリカルレンズ902を介してアレイ導波路508に結合させるためのファイバコリメータ910を備える点、およびモニター光信号を出力するための光導波路514がスラブ導波路506と接続されている点において、図5に示す光回路と異なる。また、信号処理素子906によって信号処理を施された光信号が集光レンズ904およびシリンドリカルレンズ902を介してアレイ導波路508から入力され、メイン光信号が方向性結合器504のポート1に対応する光導波路504−1に接続された光導波路502から出力される点おいて、図7に示す光回路と異なる。
シリンドリカルレンズ902および集光レンズ904を介して入力される複数の波長の光信号が多重されたWDM光信号の波長数をN(2以上の整数)個とした場合、光導波路514はそれぞれN本となる。
アレイ導波路508は、予め定められた光路長差を有し、シリンドリカルレンズ902および集光レンズ904を介して入力された複数の波長の光信号を波長合成してWDM光信号として出力し、かつシリンドリカルレンズ902および集光レンズ904を介して入力されたWDM光信号を波長分離して出力する。シリンドリカルレンズ902および集光レンズ904を介して入力される複数の波長の光信号が多重されたWDM光信号の帯域幅をF(Hz)とした場合、アレイ導波路508は、少なくともF×(N+1)/N(Hz)の自由スペクトル領域を有するように構成されている。
本参考例の光回路500において、方向性結合器504の光導波路504−3はスラブ導波路506と接続され、方向性結合器504は、光導波路504−3から入力したWDM光信号を所定の分岐比(例えば9対1)で2分岐して出力する。したがって、光導波路504−3は、WDM光信号が出力される位置においてスラブ導波路506と接続される。光導波路504−1は光導波路502に接続されポート3から入力され分岐されたWDM光信号の10分の9(メイン光信号)を出力する。光導波路504−2は、ポート3から入力され分岐されたWDM光信号の10分の1(モニター光信号)をファイバコリメータ910に接続する光導波路(例えば、光ファイバ)に接続される。ファイバコリメータ910は、モニター光信号がアレイ導波路508およびスラブ導波路506を透過してモニター光信号の所定の光路である光導波路514へ結合されるような位置に配置された集光レンズ904およびシリンドリカルレンズ902入射する位置に配置されている。
以上の構成により、本参考例の光回路は、信号処理装置906によって信号処理を施された複数の波長の光信号が波長合成されたWDM光信号をメイン光信号として光導波路502から出力するとともに、WDM光信号の一部から波長分離された各光信号をモニター光信号として光導波路514から出力する。したがって、本参考例の光回路を一要素として用いてMUXを構成することができ、あるいは光信号処理装置の一要素として用いることができる。
以上説明したように、モニター光信号を取り出すための追加素子または追加部材を少なくした光回路を提供することができる。また、高次回折光ではなく0次回折光をモニター光として取り出す光回路を提供することができる。
なお、本参考例の光回路500を複数用いて、図18に例示する光信号処理装置におけるMUX部を構成することで、波長選択スイッチとして機能する光信号処理装置を構成することができる。
図18(a)は波長選択スイッチとして機能する光信号処理装置の平面図、(b)は断面図である。信号処理素子906として、液晶素子と複屈折結晶素子を用いることにより光信号をy方向に方路変換して、y方向にスタックした光回路500の所望の光信号をスイッチングすることができる。以下の参考例においても同様である。
次に図10を参照して第5の参考例を説明する。図10は、本参考例の光回路500の概略構成を示す図である。本参考例の光回路500は、複数の波長の光信号を入力して波長合成したWDM光信号をメイン光信号として出力するとともに、WDM光信号の一部を波長分離して各信号光をモニター光信号として取り出し可能な光回路であり、MUX装置を構成する部品として用いることができる光回路である。
図10に示す本参考例の光回路500は、基板501上にそれぞれ作製された、入射した光を所定の比率で分岐する4ポートの方向性結合器504と、スラブ導波路506と、スラブ導波路506に接続されたアレイ導波路508とを備える。さらに本参考例の光回路は、入力用の導波路512から入力した複数の光信号を所定の光路であるアレイ導波路508に結合するおよびアレイ導波路508から出力する光信号を所定の光路である光導波路514に結合する結合手段としてのスラブ導波路510を備える。アレイ導波路508が作製された基板と同一の基板501上に作製されたスラブ導波路510で結合手段Bを構成している。
また、本参考例の光回路500は、光信号を入力するための光導波路512と、メイン光信号を出力するための光導波路502と、モニター光信号を出力するための光導波路514とを備える。光導波路512および514はそれぞれスラブ導波路510へ接続される。光導波路512から入力される複数の波長の光信号が多重されたWDM光信号の波長数をN(2以上の整数)個とした場合、光導波路512および514はそれぞれN本となる。
アレイ導波路508は、予め定められた光路長差を有し、光導波路512から入力された複数の波長の光信号を波長合成して出力するとともに、スラブ導波路506から入力されたWDM信号を波長分離して出力する。導波路512から入力される複数の波長の光信号が多重されたWDM光信号の帯域幅をF(Hz)とした場合、アレイ導波路508は、少なくとも2F(Hz)の自由スペクトル領域を有するように構成されている。
図10に示す本参考例の光回路500は、光信号が光導波路512から入力される点、メイン光信号が光導波路502から出力される点、および方向性結合器504のポート2に対応する光導波路504−2がスラブ導波路506に接続されている点で図4に示す光回路と異なる。
本参考例の光回路において、光導波路512は、入力された複数の波長の光信号がスラブ導波路510によりアレイ導波路508へ結合されて波長合成されWDM光信号としてスラブ導波路506を透過して方向性結合器のポート3に対応する光導波路504−3へ入力されるような位置においてスラブ導波路510と接続されている。
方向性結合器504は、ポート3に入力された光信号を所定の分岐比(例えば9対1)で2分岐して出力する。ポート3に対応する光導波路504−3は、スラブ導波路506から出力されるWDM光信号が入力されるような位置においてスラブ導波路506と接続されている。光導波路502に接続された光導波路504−1は、ポート3から入力され分岐された光信号の10分の9(メイン光信号)を出力する。ポート2に対応する光導波路504−2は、ポート3から入力され分岐された光信号の10分の1(モニター光信号)がスラブ導波路506、アレイ導波路508およびスラブ導波路510を透過してモニター光信号の所定の光路である光導波路514へ結合されるような位置においてスラブ導波路506と接続されている。
以上の構成により、本参考例の光回路は、光導波路512から入力された複数の波長の光信号を波長合成してWDM光信号としてその一部メイン光信号として光導波路512から出力するとともに、メイン光信号の他の一部を波長分離してそれぞれ対応するモニター光信号を光導波路514から出力する。したがって、本参考例の光回路を一要素として用いてMUXを構成することができる。
以上説明したように、モニター光信号を取り出すための追加素子または追加部材を少なくした光回路を提供することができる。また、高次回折光ではなく0次回折光をモニター光として取り出す光回路を提供することができる。また、本参考例の光回路は、メイン光信号とモニター光信号のクロストークが低減される。
次に図11を参照して第6の参考例を説明する。図11は、本参考例の光回路500およびそれを用いた光信号処理装置900の概略構成を示す図である。本参考例の光回路500は、複数の波長の光信号を入力して波長合成したWDM光信号をメイン光信号として出力するとともに、WDM光信号の一部を波長分離して各信号光をモニター光信号として取り出し可能な光回路であり、MUX装置を構成する部品として用いることができる光回路である。また本参考例の光信号処理装置900は、光導波路回路500から出力されたモニター光信号をモニターするとともに、信号処理素子906において光導波路回路500へ入力される複数の波長の光信号を信号処理する光信号処理装置である。
本参考例の光回路500は、図16または18に例示する光信号処理装置におけるMUX部として用いることができる。
図11に示す本参考例の光信号処理装置900は、入力した光信号を処理する信号処理素子906と、入射した光を所定の比率で分岐する4ポートの方向性結合器504、スラブ導波路506およびスラブ導波路506に接続されたアレイ導波路508が作製された基板501と、基板501からのモニター光信号および信号処理装置により信号処理が施された複数の波長の光信号がそれぞれ透過するシリンドリカルレンズ902および集光レンズ904と、モニター光信号を検出する光検出器アレイ908とを備える。図11に示すアレイ導波路508の端末Aは、図10に示すアレイ導波路508の端末Aに対応する。
図11に示す本参考例の光回路500において、シリンドリカルレンズ902および集光レンズ904は、信号処理素子906により信号処理を施された複数の光信号を所定の光路であるアレイ導波路508に結合するおよびアレイ導波路508から出力するモニター光信号を光検出器アレイ908へ入射する所定の光路に結合する結合手段Bを構成している。
また、図11に示す光回路500は、信号処理素子906において信号処理を施された複数の波長の光信号が集光レンズ904およびシリンドリカルレンズ902を介してアレイ導波路508へ入力される点、メイン光信号が光導波路502から出力される点、および方向性結合器504のポート2に対応する光導波路504−2がスラブ導波路506に接続されている点で図5に示す光回路と異なる。
光検出器アレイ908は、例えば、複数のフォトダイオードがy方向に配列されたフォトダイオードアレイとすることができる。
信号処理素子906は、液晶、ピエゾ、電気光学結晶、マイクロミラーなどによる位相制御素子や強度制御素子や光路変換素子を用いることができる。信号処理素子906は、光検出器アレイ908からの検出値に基づいて、メイン光信号に対する処理量、すなわち位相シフト量などを制御するように構成することができる。
以上の構成により、本参考例の光信号処理装置900は、入力された複数の波長の光信号を信号処理素子906において信号処理した後、光回路500においてWDM光信号に波長合成して、方向性結合器504において9対1の比率でメイン光信号とモニター光信号とに分岐して、アレイ導波路508においてモニター光信号を波長分離する。波長合成されたメイン光信号は、光導波路502から出力される。他方、波長分離されたモニター光信号は、光検出器アレイ908への光路に結合され、光検出器アレイ908において光信号強度や位相が検出される。
以上説明したように、モニター光信号信号を取り出すための追加素子または追加部材を少なくした光回路および信号処理装置を提供することができる。また、高次回折光ではなく0次回折光をモニター光として取り出す光回路および信号処理装置を提供することができる。
なお、図18に示すような波長選択スイッチとして機能する光信号処理装置を構成する場合、複数個の光検出器アレイ908の配置が互いに干渉する問題が生じる。このような場合、図19に示すように、光検出器アレイ908を信号処理素子906を基準にしてy方向にずらして配置することで、問題を解消することができる。図19(a)は光信号処理装置の平面図、(b)は光信号処理装置の断面図である。図19に示すように、光信号処理装置において、集光レンズ904の一部をシリンドリカルレンズ918にして用いることで、光検出器アレイ908をy方向にずらして配置することが可能となる。
次に図12を参照して第7の参考例を説明する。図12は、本参考例の光回路500の概略構成を示す図である。本参考例の光回路500は、WDM光信号を波長分離してメイン光信号として出力するとともに、波長分離された各信号光の一部をモニター光信号として取り出し可能な光回路であり、他方、複数の波長の光信号を入力して波長合成したWDM光信号をメイン光信号として出力するとともに、WDM光信号の一部を波長分離して各信号光をモニター光信号として取り出し可能な光回路でもある。したがって、本参考例の光導波路回路500は、DEMUX装置またはMUX装置を構成する部品として用いることができる光回路でもある。
図12に示す本参考例の光回路500は、基板501上にそれぞれ作製された、入射した光を所定の比率で分岐する4ポートの方向性結合器504と、スラブ導波路506と、スラブ導波路506に接続されたアレイ導波路508とを備える。さらに本参考例の光回路は、入出力用の導波路512から入力した複数の光信号1を所定の光路であるアレイ導波路508に結合するおよびアレイ導波路508から出力するモニター光信号1を所定の光路である光導波路514に結合するとともに、入出力用の光導波路502から入力されアレイ導波路508から出力される光信号2(WDM光信号)のメイン光信号およびモニター光信号をそれぞれ所定の光路である光導波路512および514に結合する結合手段Bとしてのスラブ導波路510を備える。アレイ導波路508が作製された基板と同一の基板501上に作製されたスラブ導波路510で結合手段Bを構成している。
光導波路512から入力される複数の波長の光信号の波長数または光導波路502から入力される複数の波長の光信号が多重されたWDM光信号の波長数をN(2以上の整数)個とした場合、光導波路512はN本となり、光導波路514はN+1本となる。
アレイ導波路508は、予め定められた光路長差を有し、光導波路512から入力された複数の波長の光信号1を波長合成して出力する。また、アレイ導波路508は、光導波路502から入力されたWDM光信号(光信号2)を波長分離し出力する。さらに、アレイ導波路508は、方向性結合器504のポート2および4にそれぞれ対応する光導波路504−2および504−4からそれぞれ入力されたモニター光信号1および2(WDM信号)を波長分離して出力する。アレイ導波路508は、WDM光信号の帯域幅をF(Hz)とした場合、少なくとも(2N+1)F/N(Hz)の自由スペクトル領域を有するように構成されている。
本参考例の光回路において、光導波路512は、入力された複数の波長の光信号がスラブ導波路510によりアレイ導波路508へ結合されて波長合成されWDM光信号としてスラブ導波路506を透過して方向性結合器のポート3に対応する光導波路504−3へ入力されるような位置においてスラブ導波路512と接続されている。
方向性結合器504は、ポート1に入力された光信号を所定の分岐比(例えば9対1)で2分岐してポート3および4から出力し、またポート3に入力された光信号を所定の分岐比で2分岐してポート1および2から出力する。
ポート3に対応する光導波路504−3は、スラブ導波路506から出力されるWDM光信号が入力されるような位置であり、かつスラブ導波路506へ入力されたWDM光信号から波長分離された各光信号が光導波路512から出力されるような位置でスラブ導波路506と接続されている。
光導波路504−1は、光導波路502に接続され、ポート3から入力され分岐された光信号の10分の9(メイン光信号)を出力する。ポート2に対応する光導波路504−2は、ポート3から入力され分岐された光信号の10分の1(モニター光信号1)がスラブ導波路506、アレイ導波路508およびスラブ導波路510を透過してモニター光信号の所定の光路である光導波路514(例えば、基板501に配列されたN+1本のうちの1〜N番目の光導波路)へ結合されるような位置においてスラブ導波路506と接続されている。ポート4に対応する光導波路504−4は、ポート1から入力された入力され分岐された光信号の10分の1(モニター光信号2)がスラブ導波路506、アレイ導波路508およびスラブ導波路510を透過してモニター光信号の所定の光路である光導波路514(例えば、基板501に配列されたN+1本のうちの2〜N+1番目の光導波路)へ結合されるような位置においてスラブ導波路506と接続されている。
以上の構成により、本参考例の光回路は、光導波路512から入力された複数の波長の光信号を波長合成してWDM光信号としてその一部をメイン光信号として光導波路502から出力するとともに、WDM光信号の他の一部を波長分離してそれぞれ対応するモニター光信号を光導波路514から出力する。または、本参考例の光回路は、光導波路502から入力された複数の波長の光信号が多重されたWDM光信号の一部を波長分離してメイン光信号として光導波路512から出力するとともに、WDM光信号の他の一部を波長分離してモニター光信号として光導波路514から出力する。したがって、本参考例の光回路を一要素として用いてMUXおよびDEMUXを構成することができる。
以上説明したように、モニター光信号を取り出すための追加素子または追加部材を少なくした光回路を提供することができる。また、高次回折光ではなく0次回折光をモニター光として取り出す光回路を提供することができる。
次に図13を参照して第8の参考例を説明する。図13は、本参考例の光回路500およびそれを用いた光信号処理装置900の概略構成を示す図である。本参考例の光回路500は、入力された複数の波長の光信号が波長合成したWDM光信号の一部を波長分離した各光信号を信号処理装置906へ結合し、信号処理装置906において信号処理が施された各光信号を再び入力して波長合成してメイン光信号として出力するとともに、入力されたWDM光信号の他の一部を波長分離した各光信号をモニター光信号として取り出し可能な光回路であり、光信号処理装置を構成する部品として用いることができる光回路である。また本参考例の光信号処理装置900は、光導波路回路500から出力されたモニター光信号をモニターするとともに、信号処理素子906において光導波路回路500へ入力される複数の波長の光信号を信号処理する光信号処理装置である。
本参考例の光回路500は、図17に例示する光信号処理装置におけるDEMUX兼MUX部として用いることができる。
図13に示す本参考例の光信号処理装置900は、入力された光信号を処理する信号処理素子906と、入力された光を所定の比率で分岐する4ポートの方向性結合器504、スラブ導波路506およびスラブ導波路506に接続されたアレイ導波路508が作製された基板501と、基板501からのモニター光信号およびメイン光信号並びに信号処理装置906により信号処理が施されミラー912により反射された複数の波長の光信号がそれぞれ透過するシリンドリカルレンズ902および集光レンズ904と、モニター光信号を検出する光検出器アレイ908とを備える。図13に示すアレイ導波路508の端末Aは、図12に示すアレイ導波路508の端末Aに対応する。
図13に示す本参考例の光回路500において、シリンドリカルレンズ902および集光レンズ904は、アレイ導波路508から出力されたメイン光信号およびモニター光信号をそれぞれ信号処理素子906および光検出器アレイへ入射する所定の光路に結合し、かつ信号処理素子906により信号処理を施された複数の光信号を所定の光路であるアレイ導波路508に結合する結合手段Bを構成している。
図13に示す信号処理装置900は、光信号およびメイン光信号がサーキュレータ914を介して光導波路502から入出力される点、信号処理素子906において信号処理を施された複数の波長の光信号がミラー912で反射され、集光レンズ904およびシリンドリカルレンズ902を介してアレイ導波路508へ入力される点、および方向性結合器504のポート2および4にそれぞれ対応する光導波路504−2および504−4がスラブ導波路506に接続されている点で図11に示す光信号処理装置と異なる。
光検出器アレイ908は、例えば、複数のフォトダイオードがy方向に配列されたフォトダイオードアレイとすることができる。
信号処理素子906は、液晶、ピエゾ、電気光学結晶、マイクロミラーなどによる位相制御素子や強度制御素子を用いることができる。信号処理素子906は、光検出器アレイ908からの検出値に基づいて、メイン光信号に対する処理量、すなわち位相シフト量などを制御するように構成することができる。
以上の構成により、本参考例の光信号処理装置900に入力された複数の波長の光信号が波長多重されたWDM光信号は、方向性結合器504のポート1に入力されて9対1の比率でメイン光信号とモニター光信号1とに分岐される。
モニター光信号1は、ポート4から出力されてスラブ導波路506を介してアレイ導波路508へ入力される。モニター光信号1は、アレイ導波路508によって波長分離され、光検出器アレイ908への光路に結合され、光検出器アレイ908において光信号強度や位相が検出される。
メイン光信号は、方向性結合器504のポート3から出力されスラブ導波路506へ入力されアレイ導波路508において波長分離され出力される。メイン光信号から波長分離された各光信号は、シリンドリカルレンズ902および集光レンズ904によって信号処理素子906の各波長に対応した位置に集光され位相シフトなどの信号処理が施され、さらにミラー912によって光路が反転して再び集光レンズ904およびシリンドリカルレンズ902を介してアレイ導波路508へ結合される。信号処理を施された各波長の光信号は、アレイ導波路508において波長合成されて、スラブ導波路506を透過して方向性結合器のポート3に入力され、その10分の9が光導波路502およびサーキュレータ914を介して出力される。
方向性結合器のポート3に入力された信号処理を施された各波長の光信号が波長合成された光信号の10分の1は、方向性結合器のポート2に入力されて、スラブ導波路506を透過して、アレイ導波路508において波長分離されてモニター光信号2として、光検出器アレイ908への光路に結合され、光検出器アレイ908において光信号強度や位相が検出される。
光導波路504−3と504−4とを1チャネル分の間隔を離してスラブ導波路506へ接続した場合、モニター光信号1と2の同一波長の光信号は、光検出器アレイ908の1チャネル分ずれた位置においてそれぞれ検出される。
光導波路504−3と504−4とをWDM信号波長帯域分の間隔を離してスラブ導波路506へ接続した場合、モニター光信号1と2の同一波長の光信号は、光検出器アレイ908のWDM信号波長帯域分ずれた位置においてそれぞれ検出される。
以上説明したように、モニター光信号信号を取り出すための追加素子または追加部材を少なくした光回路および信号処理装置を提供することができる。また、高次回折光ではなく0次回折光をモニター光として取り出す光回路および信号処理装置を提供することができる。