JP4648021B2 - スクロール型流体機械 - Google Patents

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Description

本発明は、スクロール型流体機械に係り、詳しくは、車両の空調システムの冷凍回路に組み込まれて好適なスクロール型流体機械に関する。
この種のスクロール型流体機械、つまり、スクロール型圧縮機には冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを実施するスクロールユニットが備えられている。
詳しくは、スクロールユニットは互いに噛み合うような固定スクロール及び可動スクロールを備えており、可動スクロールが固定スクロールに対して旋回運動する。これにより、各スクロールで形成される空間の容積が減少し、上記一連のプロセスが行われる。
上記圧縮のプロセスでは冷媒の吐出圧力によってスクロールユニット内に高圧の空間が形成される。そして、この圧力が可動スクロールの正面側から背面側に向けてスラスト荷重として加わり、可動スクロールを固定スクロールから離れる方向に移動させる。これに対し、可動スクロールの背面側は上記一連のプロセスを確実に行うために固定スクロールに向けて支持されている。つまり、この可動スクロールの背面側にはスラスト荷重に対する支持反力が作用し、可動スクロールを固定スクロールに近付ける方向に移動させる結果、その正面側は固定スクロールとの摩擦によって摩耗し、スクロールユニットの性能が低下する。そこで、可動スクロールの正面側の冷媒を圧縮機の内部を介してその背面側に導入し、上記スラスト荷重を軽減させる技術が開示されている(例えば、特許文献1〜3)。
特開2000−136782号公報 特開2000−249086号公報 特開2000−352386号公報
ところで、スクロールユニット内では圧力が常に変動している故に、可動スクロールの正面側に作用する冷媒の吐出圧力も常に変動し得るものである。
すなわち、この吐出圧力を有する冷媒が圧縮機の内部を介して可動スクロールの背面側に導入されると、この背面側に作用する圧力も同様に変動することになる。また、その正面側の冷媒が背面側に直ちに伝達されるとは限らず、これではスラスト荷重を効果的に相殺できないとの懸念がある。換言すれば、従来の技術ではスラスト荷重の低減については依然として課題が残されている。
ここで、近年、地球環境への配慮から、温暖化係数(GWP)の小さな値を有する冷媒を用いた冷凍回路の開発が進められている。この種の冷媒の一例としては自然系のCO2(炭酸)ガスがあるが、このCO2冷媒はその作動圧力が高いので、上記スラスト荷重の低減が特に必要なる。
また、この作動圧力の高いCO2冷媒を使用するためには、スクロールユニットは簡素、且つ、剛性を備えることが望ましく、例えば、可動スクロール自体に連通孔を設ける、或いは、その背面側から正面側への逆流を防止する逆止弁を設ける、又は、背面側に弾性部材を設ける等の構造は、スクロールユニットによる上記一連のプロセスにとって障害となり得る点にも留意しなければならない。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、簡素、且つ、剛性を備えたスクロールユニットであって、スラスト荷重の低減を確実に図ることができるスクロール型流体機械を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するべく、請求項1記載のスクロール型流体機械は、駆動ケーシング及び駆動ケーシングに気密に嵌合された圧縮ケーシングを有するハウジングと、駆動ケーシング内に形成され、駆動ケーシングに支持された回転軸を通電により駆動させるモータを備えた機械室と、圧縮ケーシング内に収容され、回転軸によって駆動されて旋回運動することにより、固定スクロールと協働して冷凍回路の循環経路内を循環する冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを行う可動スクロールを有するスクロールユニットと、可動スクロールの正面側に作用する冷媒の吐出圧力にバランスさせるべく、循環経路から機械室に向けて導入され、可動スクロールの背面側に負荷される冷媒の圧力を制御する第1圧力制御手段と、導入された機械室内の冷媒の圧力を所定の圧力にすべく、機械室から循環経路に向けて導出される冷媒の圧力を制御する第2圧力制御手段とを具備することを特徴としている。
また、請求項2記載の発明では、駆動ケーシングは、循環経路の冷媒が機械室に向けて導入される冷媒導入孔を備え、第1圧力制御手段は、冷媒導入孔の上流側の循環経路、又は冷媒導入孔自体に配設されることを特徴としている。
更に、請求項3記載の発明では、冷媒導入孔には、循環経路中のガスクーラからの冷媒が機械室に向けて導入されていることを特徴としている。
に、請求項記載の発明では、駆動ケーシングは、導入された機械室内の冷媒が循環経路に向けて導出される冷媒導出孔を備え、第2圧力制御手段は、冷媒導出孔自体、又は冷媒導出孔の下流側の循環経路に配設されることを特徴としている。
更にまた、請求項記載の発明では、機械室内の冷媒は、冷媒導出孔を介して循環経路中の内部熱交換器に向けて導出されることを特徴としている。
また、請求項記載の発明では、機械室内の冷媒は、冷媒導出孔を介して循環経路中の蒸発器に向けて導出されることを特徴としている。
更に、請求項記載の発明では、冷媒はCO冷媒であることを特徴としている。
従って、請求項1記載の本発明のスクロール型流体機械によれば、可動スクロールの正面側には冷媒の吐出圧力が作用する一方、この可動スクロールの背面側には冷凍回路の循環経路からの冷媒の圧力を負荷として作用させる。そして、第1圧力制御手段がこの可動スクロールの背面側への圧力を調整することにより、これら正面側及び背面側の圧力をバランスさせる。よって、可動スクロールのスラスト荷重を確実に相殺し、スクロールユニットでは安定した圧縮のプロセスが得られる。この結果、可動スクロールの摩耗が低減され、スクロールユニットの信頼性が向上する。
また、可動スクロールに対して変更を加えることなく、この正面側及び背面側の圧力がバランスされるので、簡素、且つ、剛性を備えたスクロールユニットの構造が可能となる。
更に、第2圧力制御手段は、可動スクロールの背面側への冷媒が導入された機械室内の圧力を所定の圧力に保持することから、この背面側の負荷がより一層安定する。
また、請求項2記載の発明によれば、第1圧力制御手段が冷媒導入孔の上流側の循環経路に配設されると、現有の流体機械でも適用可能となる。一方、第1圧力制御手段が冷媒導入孔自体に配設されると、現有の循環経路に対して流体機械を交換すれば適用可能となる。
更に、請求項3記載の発明によれば、可動スクロールの正面側には高圧の冷媒が負荷として作用し、その背面側にはガスクーラからの同じく高圧の冷媒が負荷として作用し、第1圧力制御手段がこの背面側の負荷の安定化を図る。よって、より安定した圧縮のプロセスが得られる。
また、機械室にはガスクーラにより冷却された冷媒が導入されるため、機械室内のモータ等の熱損傷が回避される。
た、請求項記載の発明によれば、第2圧力制御手段が冷媒導出孔自体に配設されると、現有の循環経路に対して流体機械を交換すれば適用可能となる。一方、第2圧力制御手段が冷媒導出孔の下流側の循環経路に配設されると、現有の流体機械でも適用可能となる。
更に、請求項記載の発明によれば、機械室内の冷媒が内部熱交換器にて熱交換に利用可能となるので、冷凍能力の向上に寄与する。
更にまた、請求項記載の発明によれば、機械室内の冷媒が蒸発器に向けて導出されることから、第2圧力制御手段による制御可能な範囲が広くなり、制御上の利点が多くなる。
また、請求項記載の発明によれば、冷凍回路に作動圧力の高いCO冷媒が使用されても、十分な耐久性が確保されるし、しかも、自然系のCO冷媒が使用されると、環境負荷の軽減に大きく寄与する。
以下、図面により本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るスクロール型流体機械を示す。
当該流体機械はハウジング20を備えた回転式のスクロール型圧縮機4であり、この圧縮機4は車両の空調システムの冷凍回路2に組み込まれている。具体的には、この冷凍回路2には圧縮機4、ガスクーラ6、二重管式の内部熱交換器10、膨張弁12及び蒸発器14が順次配置され、圧縮機4は内部熱交換器10の出口側の循環経路16から自然系冷媒であるCO2冷媒(以下、単に冷媒と称す)を吸入し、この冷媒を圧縮してガスクーラ6の入口側に向けて吐出する。
ハウジング20は駆動ケーシング22及び圧縮ケーシング24を有し、駆動ケーシング22及び圧縮ケーシング24はそれぞれ圧縮ケーシング24及び駆動ケーシング22に向けて開口したカップ形状をなし、その開口端が気密に嵌合されている。
駆動ケーシング22の開口端部分には環状の支持ブロック46が配設され、駆動ケーシング22内、具体的には、支持ブロック46と駆動ケーシング22の有底部分との空間がモータ室(機械室)26として形成されている。このモータ室26には段付きの回転軸30が配置され、この回転軸30は小径軸部32と大径軸部34とを有する。小径軸部32はニードル軸受38を介して駆動ケーシング22の有底部分に回転自在に支持され、大径軸部34はボール軸受36を介して支持ブロック46に回転自在に支持されている。
回転軸30は電動モータ40への通電により駆動される。詳しくは、モータ室26にはブラシレスの電動モータ40が配設され、ロータ42が回転軸30の外周側に固着され、このロータ42の外周側には所定間隔をおいてステータ44が配置されている。そして、ステータ44が通電されると、ロータ42は回転軸30と一体的に回転する。
一方、圧縮ケーシング24の開口端部分にも環状の支持ブロック48が配設され、支持ブロック48の背面側が上記支持ブロック46の正面側に当接されている。また、支持ブロック48の正面側には3本のシールリング49が等間隔に配設されている。
ここで、圧縮ケーシング24内、具体的には、支持ブロック48と圧縮ケーシング24の有底部分との空間にはスクロールユニット52が収容され、このスクロールユニット52は可動スクロール54及び固定スクロール56を備えている。これら可動スクロール54及び固定スクロール56は互いに噛み合うような渦巻きラップ61,79をそれぞれ有し、これら渦巻きラップ61,79は互いに協働し、図示しないシール等を介して圧縮室58を形成する。この圧縮室58は可動スクロール54の旋回運動により、渦巻きラップ61,79の径方向外周側から中心に向けて移動し、この際にその容積が減少される。
上述した可動スクロール54の旋回運動を達成するため、可動スクロール54の基板60は駆動ケーシング22側に向けて突出するボス62を有しており、このボス62はニードル軸受64を介して偏心ブッシュ66を回転自在に支持している。この偏心ブッシュ66は図示しないクランクピンに支持され、大径軸部34から偏心して突出している。従って、回転軸30の回転に伴い、偏心ブッシュ66を介して可動スクロール54が旋回運動することなる。
なお、偏心ブッシュ66にはカウンタウエイト70が取り付けられており、このカウンタウエイト70が可動スクロール54の旋回運動に対するバランスウエイトとなる。
また、可動スクロール54の背面側と支持ブロック48の正面側との間には緩衝用の間隙が形成され、更に、ボス62の外周側と支持ブロック48の内周側との間にも冷媒導入用の間隙が形成され、この冷媒導入用の間隙を介して緩衝用の間隙とモータ室26とが連通されている。
固定スクロール56は圧縮ケーシング24の有底部分に固定され、その基板78が圧縮ケーシング24内を圧縮室58側と吐出室80側とを仕切っている。基板78にはその中央に圧縮室58に連なる吐出孔82が形成され、この吐出孔82は図示しないリード弁により開閉される。このリード弁はその弁押さえ84とともに基板78の吐出室80側に取り付けられている。
ここで、圧縮ケーシング24の周壁には圧縮室58に連通する吸入ポート25が形成されており、吸入ポート25は前述した循環経路16に接続されている。そして、この吸入ポート25は上述した緩衝用の間隙とも連通されており、当該緩衝用の間隙、つまり、可動スクロール54の背面側にはモータ室26内の冷媒の他、循環経路16から吸入された冷媒も流入される。更に、圧縮ケーシング24の有底部分には吐出室80に連通する吐出ポート86が形成されており、吐出室80は吐出ポート86を介してガスクーラ6に接続されている。
ところで、本実施形態の駆動ケーシング22の周壁において、その開口端近傍にはガスクーラ6の出口側に接続された循環経路7とモータ室26とを連通させる冷媒導入孔27が形成され、冷媒導入孔27を介してガスクーラ6からの冷媒がモータ室26に向けて導入される。また、この循環経路7の途中には内部熱交換器10に向かう循環経路9が接続されており、循環経路7には当該循環経路9との接続部分と冷媒導入孔27との間に入口側制御弁(第1圧力制御手段)88が配設されている。この入口側制御弁88によるモータ室26内の圧力制御により、可動スクロール54の正面側に作用する冷媒の吐出圧力と可動スクロール54の背面側に負荷される冷媒の圧力とをバランスさせる。
一方、本実施例においては、駆動ケーシング22の周壁において、その有底部分近傍にはモータ室26と蒸発器14に向かう循環経路8とを連通させる冷媒導出孔28が形成されている。つまり、この循環経路8は膨張弁12と蒸発器14との間の低圧回路に接続されており、冷媒導出孔28を介してモータ室26からの冷媒が蒸発器14の上流側に向けて導出される。そして、循環経路8には冷媒導出孔28と蒸発器14の上流側の接続部分との間に出口側制御弁(第2圧力制御手段)90が配設されている。この出口側制御弁90によるモータ室26内の圧力制御により、導入されたモータ室26内の冷媒の圧力を所定の圧力に保持させる。
なお、入口側制御弁88や出口側制御弁90は、上述のように循環経路7、8に配設される他、冷媒導入孔27や冷媒導出孔28自体に配設されていても良い。
そして、上記圧縮機4では、電動モータ40の通電による回転軸30の回転に伴い、偏心ブッシュ66を介して可動スクロール54が固定スクロール56の軸心周りを旋回運動する。この際、可動スクロール54の自転は複数個の回転阻止機構50の働きにより阻止された状態にある。この結果、可動スクロール54はその旋回姿勢を一定に維持した状態で固定スクロール56に対して旋回運動し、この旋回運動は吸入ポート25を通じて圧縮室58内に冷媒を吸い込み、この吸い込んだ冷媒を圧縮し、圧縮冷媒を吐出室80内に吐出する。
この吐出室80から吐出された高温高圧ガス状態の冷媒は吐出ポート86を経てガスクーラ6内で冷却され、循環経路7及び冷媒導入孔27を介してモータ室26内に導入される。このモータ室26内に導入された冷媒は、その一部がボール軸受36を通って可動スクロール54の背面側に到達する。一方、その残りは電動モータ40のステータ44を冷却して冷媒導出孔28に向かう。但し、このモータ室26内への冷媒の導入は、モータ室26内にて検出された高圧中温ガス状態の冷媒の圧力PMに基づき、入口側制御弁88が開弁されていることを条件とする。
具体的には、図2に示されるように、まず、モータ室26内の冷媒の圧力PMが読み込まれると、ステップS201では、この圧力PMが早急の昇圧化を要するか否かについて可動スクロール54の正面側に作用する吐出冷媒の圧力Pdを参照して判別される。そして、圧力PMが吐出圧力Pdよりも大きい場合、すなわち、YESと判定されたときにはステップS202に進む。
ステップS202では、この圧力PMが可動スクロール54の背面側に作用する負荷として吐出圧力Pdに対して十分に対抗して安定しているか否かが判別される。具体的には、圧力PMがモータ室26内の圧力の目標値である所定値を超えているか否かが判別される。そして、圧力PMが所定値を超えている場合、すなわち、YESと判定されたときにはステップS203に進み、入口側制御弁88を閉弁させ、ガスクーラ6からの冷媒をモータ室26内には導入させない。この場合には、ガスクーラ6の下流側の冷媒は循環経路9を介して内部熱交換器10に導入される。同時に、出口側制御弁90を開弁させ、モータ室26から冷媒を流出させて上記所定値となるようにモータ室26内の降圧化を図り、一連のルーチンを抜ける。
一方、ステップS202にて圧力PMが上記所定値を超えていない場合には、ステップS204に進んで入口側制御弁88及び出口側制御弁90を閉弁させる。この場合には、早急の昇圧化は不要であり、電動モータ40の温度上昇を利用する。そして、圧力PMが上記所定値となるようにモータ室26内の昇圧化を図り、一連のルーチンを抜ける。
ところで、上記ステップS201にて圧力PMが吐出圧力Pdよりも小さい場合には、圧力PMが早急の昇圧化を要するものと推定され、ステップS205に進む。
そして、このステップS205でも、この圧力PMが可動スクロール54の背面側に作用する負荷として吐出圧力Pdに対して十分に対抗して安定しているか否かが判別される。具体的には、圧力PMがモータ室26内の圧力の目標値である上記所定値を超えているか否かが判別される。そして、圧力PMが上記所定値を超えている場合、すなわち、YESと判定されたときには、早急の昇圧化は不要であると擬制されてステップS206に進み、圧力PMが入口側制御弁88を閉弁させ、同時に、出口側制御弁90を開弁させ、モータ室26から冷媒を流出させて上記所定値となるようにモータ室26内の降圧化を図り、一連のルーチンを抜ける。
これに対し、ステップS205にて圧力PMが上記所定値を超えていない場合には、早急の昇圧化が必要であると擬制されてステップS207に進み、入口側制御弁88を開弁させ、ガスクーラ6からの冷媒をモータ室26内には導入させる。同時に、出口側制御弁90を閉弁させてモータ室26からの冷媒の流出を防止して直ちに上記所定値となるようにモータ室26内の昇圧化を図り、一連のルーチンを抜ける。
なお、入口側制御弁88や出口側制御弁90の開閉制御は手動によって、或いは、コントローラからの信号によって操作されても良く、更に、コントローラからの信号によって入口側制御弁88や出口側制御弁90を連動させても良い。
また、入口側制御弁88の閉弁によって内部熱交換器10に供給された高圧中温ガス状態の冷媒は、蒸発器14からの冷媒との熱交換が行われた後に膨張弁12に供給され、絞り作用による膨張を受けて蒸発器14内に噴出され、冷媒の気化熱により蒸発器14の周囲の空気が冷却される。次いで、冷気が車室内に送り込まれて車室内の冷房が行われる。なお、蒸発器14内の冷媒は、循環経路16を介して圧縮機4の吸入ポート25に戻り、この後、圧縮機4により再度圧縮され、上述の如く循環する。
以上のように、本実施形態の圧縮機4によれば、可動スクロール54の正面側には圧縮室58にて冷媒の吐出圧力が負荷として作用する一方、この可動スクロール54の背面側には冷凍回路2の循環経路7からの冷媒の圧力を負荷として作用させる。そして、入口側制御弁88がこの可動スクロール54の背面側への圧力を調整することにより、これら可動スクロール54の正面側及び背面側の圧力をバランスさせる。よって、可動スクロール54のスラスト荷重を確実に相殺させ、スクロールユニット52では安定した圧縮のプロセスが得られる。この結果、渦巻きラップ61,79の摩耗が低減され、スクロールユニット52の信頼性が向上する。
また、可動スクロール54に対して変更を加えることなく、この正面側及び背面側の圧力がバランスされるので、簡素、且つ、剛性を備えたスクロールユニット52が構成される。
更に、冷凍回路2に作動圧力の高いCO2冷媒が使用されても、スクロールユニット52では十分な耐久性が確保される。
また、自然系のCO2冷媒が使用されると、環境負荷の軽減に大きく寄与する。
更にまた、可動スクロール54の背面側にはガスクーラ6からの高圧の冷媒が負荷として作用し、入口側制御弁88がこの背面側の負荷の安定化を図る。よって、蒸発器14からの低圧の冷媒がモータ室26内に導入される場合に比してモータ室26内の圧力が速やかに上昇し、より安定した圧縮のプロセスが得られる。また、モータ室26にはガスクーラ6により冷却された中温の冷媒が導入されるため、モータ40等の熱損傷も回避される。更に、蒸発器14からの低温の冷媒がモータ室26内に導入され、これがスクロールユニット52に導入される場合に比して冷凍能力の低下も防止される。
また、出口側制御弁90が可動スクロール54の背面側に供給されたモータ室26内の圧力を一定に保持することから、この背面側の負荷がより一層安定する。
更に、入口側制御弁88がガスクーラ6と冷媒導入孔27との間の循環経路7に配設されると、現有の圧縮機4でも適用可能となる。また、出口側制御弁90が冷媒導出孔28と蒸発器14との間の循環経路8に配設されても同様の効果を奏する。一方、入口側制御弁88が冷媒導入孔27自体に配設されると、現有の循環経路に対して圧縮機を交換すれば適用可能となる。これは、出口側制御弁90が冷媒導出孔28自体に配設された場合も同様である。
更にまた、モータ室26内の冷媒が蒸発器14に向けて導出されるので、出口側制御弁90による圧力制御の範囲が、例えばモータ室26内の冷媒が内部熱交換器10に接続される場合に比してより広くなり、制御上有利になる。
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記実施例では、モータ室26内の冷媒が循環経路8を介して膨張弁12と蒸発器14との間の低圧回路に導入されているが、必ずしもこの形態に限定されるものではなく、図3に示されるように、循環経路8が内部熱交換器10に向かう循環経路9に接続されていても良い。この実施例の場合には、モータ室26内の冷媒が内部熱交換器10にて熱交換に利用可能となるので、冷凍能力の向上に寄与する。なお、この場合にも、入口側制御弁88や出口側制御弁90は循環経路7、8に配設される他、冷媒導入孔27や冷媒導出孔28自体に配設されていても良い。
更に、本発明のスクロール型流体機械は、上記圧縮機の他、膨張機としても使用することができ、この場合にもスクロールユニットが簡素、且つ、剛性を備え、スラスト荷重の低減を確実に図ることができるとの効果を奏する。
また、上記実施形態の如く作動圧力の高いCO2冷媒を用いると、顕著な効果を有するが、冷媒としては代替フロンを用いても良く、この場合には、凝縮器からの冷媒が循環経路7を介してモータ室26内に導入される。
本発明の一実施形態に係るスクロール型圧縮機を示した縦断面図である。 図1の圧縮機におけるモータ室内の圧力制御のフローチャートである。 他の実施例に係るスクロール型圧縮機を示した縦断面図である。
符号の説明
2 冷凍回路
4 スクロール型圧縮機
6 ガスクーラ
7,8 循環経路
10 内部熱交換器
14 蒸発器
20 ハウジング
22 駆動ケーシング
24 圧縮ケーシング
26 モータ室(機械室)
27 冷媒導入孔
28 冷媒導出孔
30 回転軸
40 電動モータ
52 スクロールユニット
54 可動スクロール
56 固定スクロール
60 基板
88 入口側制御弁(第1圧力制御手段)
90 出口側制御弁(第2圧力制御手段)

Claims (7)

  1. 駆動ケーシング及び該駆動ケーシングに気密に嵌合された圧縮ケーシングを有するハウジングと、
    前記駆動ケーシング内に形成され、該駆動ケーシングに支持された回転軸を通電により駆動させるモータを備えた機械室と、
    前記圧縮ケーシング内に収容され、前記回転軸によって駆動されて旋回運動することにより、固定スクロールと協働して冷凍回路の循環経路内を循環する冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを行う可動スクロールを有するスクロールユニットと、
    前記可動スクロールの正面側に作用する前記冷媒の吐出圧力にバランスさせるべく、前記循環経路から前記機械室に向けて導入され、前記可動スクロールの背面側に負荷される冷媒の圧力を制御する第1圧力制御手段と
    導入された前記機械室内の冷媒の圧力を所定の圧力にすべく、前記機械室から前記循環経路に向けて導出される冷媒の圧力を制御する第2圧力制御手段と
    を具備することを特徴とするスクロール型流体機械。
  2. 前記駆動ケーシングは、前記循環経路の冷媒が前記機械室に向けて導入される冷媒導入孔を備え、
    前記第1圧力制御手段は、前記冷媒導入孔の上流側の循環経路、又は前記冷媒導入孔自体に配設されることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型流体機械。
  3. 前記冷媒導入孔には、前記循環経路中のガスクーラからの冷媒が前記機械室に向けて導入されていることを特徴とする請求項2に記載のスクロール型流体機械。
  4. 前記駆動ケーシングは、導入された前記機械室内の冷媒が前記循環経路に向けて導出される冷媒導出孔を備え、
    前記第2圧力制御手段は、前記冷媒導出孔自体、又は前記冷媒導出孔の下流側の循環経路に配設されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のスクロール型流体機械。
  5. 前記機械室内の冷媒は、前記冷媒導出孔を介して前記循環経路中の内部熱交換器に向けて導出されることを特徴とする請求項に記載のスクロール型流体機械。
  6. 前記機械室内の冷媒は、前記冷媒導出孔を介して前記循環経路中の蒸発器に向けて導出されることを特徴とする請求項に記載のスクロール型流体機械。
  7. 前記冷媒は、CO冷媒であることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型流体機械。
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