JP2003028079A - スクロール型圧縮機及び空気調和装置 - Google Patents

スクロール型圧縮機及び空気調和装置

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JP2003028079A
JP2003028079A JP2001218501A JP2001218501A JP2003028079A JP 2003028079 A JP2003028079 A JP 2003028079A JP 2001218501 A JP2001218501 A JP 2001218501A JP 2001218501 A JP2001218501 A JP 2001218501A JP 2003028079 A JP2003028079 A JP 2003028079A
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scroll
end plate
back pressure
discharge
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JP2001218501A
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English (en)
Inventor
Hisayuki Kimata
央幸 木全
Tomoji Kinoshita
智司 木下
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定スクロールの端板に作用するスラスト力
の均衡並びに圧縮室の圧力安定を図り、端板の変形を抑
えて性能向上及び効率向上がなされたスクロール型圧縮
機及び空気調和装置を提供すること。 【解決手段】 ディスチャージカバー13と固定スクロ
ール20の端板21との間に中間背圧室17を形成し、
中間背圧室17と圧縮室37aとを連通させる第1バイ
パス孔24と、中間背圧室17と吐出チャンバ38とを
連通させる第2バイパス孔13bと、この第2バイパス
孔13bを開閉する弁15とを備える構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクロール型圧縮
機及び空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】スクロール型圧縮機は、固定スクロール
と旋回スクロールとを渦巻形状の各渦巻状壁体どうしを
組み合わせて配置し、固定スクロールに対して旋回スク
ロールを公転旋回運動させることで、各渦巻状壁体の間
に形成される圧縮室の容積を漸次減少させ、この圧縮室
内の流体の圧縮を行うものである。
【0003】従来のスクロール型圧縮機50について図
2を用いて説明する。図において、符号51は上部ハウ
ジング、52は中間ハウジングを示し、これらはディス
チャージカバー53の外周端部を挟み込んだ状態で接続
される。また、中間ハウジング52の下端部は、図示し
ない下部ハウジングと接合され、これら各ハウジング5
1,52の接合によって密閉された空間が形成される。
【0004】ディスチャージカバー53は、外周端部に
おいて上部ハウジング51と中間ハウジング52とによ
って固定され、ディスチャージカバー53の中心部付近
には後述する固定スクロール60が嵌め込まれる凹所が
形成される。また、この凹所の中心付近には、圧縮され
た冷媒(流体)が流通する第2吐出ポート55が形成さ
れ、この第2吐出ポートを開閉する吐出弁54がディス
チャージカバー13の図において上側端面に設けられ
る。
【0005】ディスチャージカバー53と上部ハウジン
グ51とで形成される空間は、高圧状態となった冷媒が
安定して吐出されるための吐出チャンバ78とされ、吐
出管59から放熱器等の室外熱交換器等(図示せず)に
送出される。従って、ディスチャージカバー53は、固
定スクロール60の固定を行うと共に、ハウジング内の
空間を吐出側と吸入側とに分離する。
【0006】符号60は固定スクロールを示し、この端
板61には渦巻状壁体62が立設される。また、この端
板61の反対側(図において上側)の壁面は、ディスチ
ャージカバー53の凹所に対応した形状の凸部が形成さ
れる。この凸部がディスチャージカバー53の凹所に嵌
め込まれることにより、固定スクロール60がディスチ
ャージカバー53に対して固定される。この凸部の壁面
にはOリング58(シール部材)が備えられ、ディスチ
ャージカバー53と端板61の凸部上面との間に形成さ
れた内側背圧室56の密閉がなされる。また、内側背圧
室56の外側には、吸入室80と連通する外側背圧室5
7が備えられる。固定スクロール60のほぼ中心部に
は、冷媒を吐出する吐出ポート63が後述する圧縮室と
連通して設けられる。
【0007】符号70は、旋回スクロールを示し、この
端板71には渦巻状壁体72が立設される。この旋回ス
クロール70の渦巻状壁体72は、固定スクロール60
に形成された渦巻状壁体62とかみ合わされて、これら
両壁体間に圧縮室77を形成する。この圧縮室77は、
冷媒が封入された吸入室80から冷媒を吸入し、旋回ス
クロールの公転旋回運動により内側に移動されて容積減
少がなされる。容積減少によって高圧状態となった冷媒
は、固定スクロール60に形成された吐出ポート63か
ら吐出される。旋回スクロール70は、この端板71に
突設されたボス73を有し、ここに軸受75を介して偏
心ピン76を有するシャフトと連結される。シャフトは
図示しない駆動源であるモータ等に連結され、この回転
動力によって旋回スクロール70の公転旋回運動が行わ
れる。
【0008】ここで、中間ハウジング52の内部にあた
る吸入室80には、図示されない吸入管から流入される
低圧状態の冷媒(流体)が保存されており、この吸入室
80に連通する外側背圧室57を形成する固定スクロー
ル60の端板61壁面には、低圧状態の冷媒における軸
線方向のスラスト力LPが作用する。このLPはOリン
グ58よりも外周側にあたる端板61のリング状の平面
にすべてに作用する。また、内側背圧室56に接する固
定スクロール60の端板61壁面には、高圧状態に圧縮
された冷媒における軸線方向のスラスト力HPが作用す
る。
【0009】これらのスラスト力LP,HPは、圧縮室
77における冷媒の圧縮行程にて発生する図において上
方に向かうスラスト力HP,MP,LPに対して反対向
きに作用するものであり、背圧を利用した力である。圧
縮室77から生じる図において上方に向かう各スラスト
力HP,MP,LPは、両端板61,71の外周側にお
ける圧縮初期段階での低圧状態によるスラスト力LP、
及び、圧縮行程中程での中圧状態によるスラスト力M
P、及び、中心部付近の高圧状態によるスラスト力HP
である。端板61に作用する背圧におけるスラスト力L
P,HPは、固定スクロール60の端板61に作用する
圧縮室からのスラスト力HP,MP,LPをある程度相
殺し、端板61の変形を抑えることを目的として作用す
る。
【0010】このように構成されたスクロール型圧縮機
50は、例えば、室外熱交換器、室内熱交換器、膨張機
構、及び圧縮機を備えてなる空気調和装置の圧縮機とし
て用いられて、冷媒を圧縮して吐出する機能を担うこと
になる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のスクロール型圧縮機50においては、運転における
定常条件にて固定スクロール60の端板61の変形を回
避するように各背圧室56,57の背圧を設定しても、
運転状況によって圧力変動が発生し、内側背圧室56及
び外側背圧室57の圧力状態が不安定となっていた。
【0012】このため、上記のような構造を採用したに
もかかわらず、依然として固定スクロール60の端板6
1にかかる力の均衡がなされず、この端板61に余分な
負荷がかかっていた。また、端板61にかかる力によっ
て変形が多大に発生すると、性能低下が引き起こされる
可能性が多大にあった。
【0013】このため、固定スクロール60の端板61
の肉厚を厚く形成せざるをえず、このことは高効率化・
軽量化・小型化・低コスト化が要求されるスクロール型
圧縮機に対して大きな問題となっていた。
【0014】本発明は上記事情に鑑みて成されたもので
あり、固定スクロールの端板に作用するスラスト力の均
衡並びに圧縮室の圧力安定を図り、端板の変形を抑えて
性能向上及び効率向上がなされたスクロール型圧縮機及
び空気調和装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、以下の手段を採用する。請求項1に記載の
スクロール型圧縮機は、ハウジング内に、端板の一側面
に立設された渦巻状壁体が形成され且つ前記端板の他側
面がディスチャージカバーに嵌合される固定スクロール
と、端板の一側面に立設された渦巻状壁体が形成され且
つ該渦巻状壁体が前記固定スクロールの前記渦巻状壁体
と組み合わされて渦巻状の圧縮室を形成する旋回スクロ
ールとを備え、前記旋回スクロールの公転旋回運動に伴
い導入した流体を前記圧縮室内で圧縮した後、吐出チャ
ンバを介して吐出するスクロール型圧縮機において、前
記ディスチャージカバーと前記固定スクロールの前記端
板との間に中間背圧室が形成され、該中間背圧室と前記
圧縮室とを連通する固定スクロールに穿設された第1バ
イパス孔が備えてなり、前記ディスチャージカバーに
は、前記中間背圧室と前記吐出チャンバとを連通する穿
設された第2バイパス孔と、前記第2バイパス孔を開閉
する弁とを備えてなることを特徴とする。
【0016】中間背圧室は、ディスチャージカバーと固
定スクロールとが嵌合されて、これらの壁面で形成され
た空間部とされる。この中間背圧室は、周囲の空間部と
隔離するために、シール部材等によって気密性を保つこ
とが好適である。また、中間背圧室は、固定スクロール
の壁体と旋回スクロールの壁体とのかみ合わせによって
形成された圧縮室に第1バイパス孔を介して連通されて
おり、この第1バイパス孔を流体が流通して圧力室から
圧縮された流体を導入することになる。よって、中間背
圧室内は、連通する圧縮室とほぼ同等な圧力状態とな
る。
【0017】また、請求項2に記載のスクロール型圧縮
機は、請求項1記載のスクロール型圧縮機において、前
記弁は、常時閉とされ、前記圧縮室内が高圧とされたと
きに、開とされることを特徴とする。
【0018】このような構成とすることで、圧縮室とほ
ぼ同等な圧力状態となった中間背圧室の内部に保存され
た流体は、第2バイパス孔を流通して吐出チャンバに導
かれる。第2バイパス孔と吐出チャンバとの境界部に
は、第2バイパス孔を開閉する弁が設けられており、第
2バイパス孔を流通する流体は通常吐出チャンバに流出
しない。なぜなら、吐出チャンバ内の圧力状態は中間背
圧室内の圧力状態よりも通常高圧状態であり、この吐出
チャンバの圧力にて通常弁は閉じられるからである。但
し、圧縮室にて異常な高圧状態が発生した場合、中間背
圧室は吐出チャンバよりも高圧となる場合があり、この
場合には弁が押し上げられて中間背圧室の流体が吐出チ
ャンバ内に流出する。中間背圧室の圧力状態が吐出チャ
ンバの圧力状態よりも減少した時点で、弁は閉じられ
る。このような弁の作用により、中間背圧室の圧力状態
の安定がなされる。
【0019】請求項3に記載の空気調和装置は、冷媒と
室内気との間で熱交換を行う室内熱交換器と、冷媒と室
外気との間で熱交換を行う室外熱交換器と、冷媒を圧縮
し吐出する圧縮機と、冷媒を減圧膨張させる膨張機構を
備えた空気調和装置において、前記圧縮機は、請求項1
〜請求項2に記載のスクロール型圧縮機とされているこ
とを特徴とする。
【0020】このような構成としたことで、空気調和装
置を構成する圧縮機として本発明に係るスクロール型圧
縮機が用いられることになる。このスクロール型圧縮機
は、室内の冷房を行う場合においては室内熱交換器(蒸
発器)から冷媒を吸入し、圧縮して室外熱交換器(凝縮
器)に吐出することとなる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態につい
て、図面を参照して説明する。図1は本実施形態のスク
ロール型圧縮機10の構成を示す断面図である。図1に
おいて、符号11は上部ハウジングであり、中間ハウジ
ング12及び図示されない下部ハウジングと共に密閉さ
れた内部空間を形成する。また、上部ハウジング11と
中間ハウジング12とは、ディスチャージカバー13の
外周端部をはさんだ状態で接続されており、このディス
チャージカバー13によってハウジングの内部空間が分
割され、上部ハウジング11における吐出チャンバ38
と、中間ハウジング12における吸入室40とがそれぞ
れ形成される。
【0022】また、上部ハウジング11の壁面には冷媒
を吐出するための吐出管39が設けられ、吐出チャンバ
38と外部とを連通させて、例えば室外熱交換器(凝縮
器)等に冷媒を吐出することになる。
【0023】中間ハウジング12内の密閉された空間に
は、ディスチャージカバー13の凹所壁面に嵌合された
固定スクロール20と、この固定スクロール20の端板
21に立設された渦巻状壁体22にかみ合わされる他の
渦巻状壁体32を有した旋回スクロール30とが収容さ
れる。
【0024】旋回スクロール30の端板31には、突設
されたボス33が形成されており、このボス33には旋
回スクロール30を公転旋回運動させるための偏心ピン
36を有するシャフト34が軸受35を介して接続され
る。なお、その他収容される構成部品については図示及
び説明を省略する。
【0025】固定スクロール20は、上述した端板21
とこれに立設された渦巻状壁体22を有しており、この
形状に加えて渦巻状壁体22が立設される反対側の端板
21側面には、ディスチャージカバー13の凹所に嵌合
可能な凸部が形成される。この凸部は、2段階の段付き
形状とされ、中心部に近づくにつれて端板21の厚みを
増した形状とされる。
【0026】また、この端板21の凸部の略中心部には
圧縮された冷媒を吐出する吐出ポート23が設けられ、
端板21を貫通して両渦巻状壁体22,32で形成され
る圧縮室37に連通する。この吐出ポート23は、吐出
チャンバ38に向けて開口されており、ディスチャージ
カバー13に形成された第2吐出ポート13aとほぼ同
軸となるように形成される。また、ディスチャージカバ
ー13に形成された第2吐出ポート13aの吐出チャン
バ38側の開口部には吐出弁14が設けられ、通過する
冷媒(流体)を制御する。
【0027】固定スクロール20の端板21の凸部壁面
には、Oリング19a,19b(シール部材)が備えら
れており、これらOリング19a,19bを介して嵌合
されることで、吐出チャンバ38と吸入室40との気密
性を確保する。
【0028】このOリングは、固定スクロールの端板2
1の凸部壁面の2カ所に設けられ、端板21とディスチ
ャージカバー13との間に形成される各背圧室16,1
7,18を個別にシールする役目を担う。内側に備わる
Oリング19aは、吐出ポート23から吐出される高圧
状態の冷媒をシールする役目を担い、このOリング19
aに囲まれた空間は端板21に対して高圧の背圧を作用
させる内側背圧室18となる。また、外側に備わるOリ
ング19bは、吸入室40に吸入される低圧状態の冷媒
をシールする役目を担い、端板21に対して低圧の背圧
を作用させる外側背圧室16となる。
【0029】さらに、両Oリング19a,19bに囲ま
れた空間は、中間背圧室17となる。この中間背圧室1
7には、端板21に穿設された第1バイパス孔24と、
ディスチャージカバー13に穿設された第2バイパス孔
13bとが接続される。第1バイパス孔24は、この中
間背圧室17と圧縮室37とを連通させ、また、第2バ
イパス孔13bは、この中間背圧室17と吐出チャンバ
38とを連通させる役目を担う。また、第2バイパス孔
13bが吐出チャンバ38に開口するディスチャージカ
バー13壁面には、マルチポート弁15(弁)が設けら
れる。
【0030】第1バイパス孔24が連通する圧縮室37
は、渦巻状の各壁体22,32の外周部と中心部との間
にあたる部分に形成される圧縮室37aとされ、圧力状
態は吸入される低圧状態の冷媒よりも高く、最終的に圧
縮されて吐出ポート23から吐出される高圧状態の冷媒
よりも低い状態の中圧状態の冷媒とされる。
【0031】さて、以上の構成からなる本実施形態のス
クロール型圧縮機は、以下のように動作する。電動機
(図示せず)を駆動することによってシャフト34、偏
心ピン56、軸受35、ボス33等を介して旋回スクロ
ール30が駆動される。旋回スクロール30は自転を阻
止されながら公転旋回半径の円軌道上を公転旋回運動す
る。すると冷媒ガスは吸入室40に外部から入り、固定
スクロール20と旋回スクロール30との外周側で形成
された吸入孔(図示せず)を経て圧縮室37内に吸入さ
れる。そして、旋回スクロール30の公転旋回運動によ
り圧縮室37の容積が減少するに伴って圧縮されながら
中央部に至り、吐出ポート23、第2吐出ポート13a
を経て吐出弁14を押し上げて吐出チャンバ38に入
る。
【0032】吐出チャンバ38にて圧力の安定が図ら
れ、吐出管39から高圧状態の冷媒が吐出されて熱交換
器に送られることになる。
【0033】さらに、本発明に係る構成の作用について
説明する。圧縮室32の内壁面には圧縮される冷媒の圧
力によって負荷がかかる。スラスト方向について説明す
ると、吸入室40から吸入されたばかりの外周側の圧縮
室37には、固定スクロール20の端板21に対して働
く図において上向きのスラスト力LPが働く。また、次
第に圧縮室の容積が減少しながら中央部に移動するにつ
れ、固定スクロール20の端板21に対してスラスト力
LPよりも大きなスラスト力MP、さらに大きなスラス
ト力HPが働く。
【0034】これら図において上向きのスラスト力L
P,MP,HPに対して、各背圧室16,17,18に
は図において下向きのスラスト力LP’,MP’,H
P’が働く。これらのスラスト力LP’,MP’,H
P’について説明する。端板21の外周側に働くスラス
ト力LP’は、吸入室40と連通された外側背圧室16
によって発生し、低圧状態であるため小さな力である。
また、端板21の中央部に働くスラスト力HP’は、吐
出される高圧冷媒が流通する内側背圧室18によって発
生し、高圧状態であるため大きな力である。
【0035】さらに、外側背圧室16と内側背圧室18
との間に形成された中間背圧室17には、第1バイパス
孔24を介して流入する圧縮室37aの冷媒が流入し、
この連通する圧縮室37aとほぼ同等な圧力が作用す
る。よって、中間背圧室17が接する端板21の壁面に
対してスラスト力HP’とスラスト力LP’との中間の
スラスト力MP’が働く。
【0036】これら図において上下方向のそれぞれスラ
スト力は互いに相殺され、端板21に作用する力の均衡
がなされる。また、中間背圧室17の圧力状態は、連通
する圧力室37aの状態によって決定することが可能で
あり、第1バイパス孔24の開口位置によって設定され
る。
【0037】また、圧縮途中の圧縮室37内が部分的に
異常な高圧状態となることがある。これによってスクロ
ール型圧縮機の安定した運転、つまりは、スムーズな旋
回スクロールの回転が得られなくなり、効率低下・性能
低下が発生する。
【0038】しかし、この圧縮室37内の異常な高圧状
態は、第1バイパス孔24を介して中間背圧室17に送
出されて減圧され、さらに第2バイパス孔13bを流通
して吐出チャンバ38に送出される。通常は吐出チャン
バ38内の圧力状態が高いため、第2バイパス孔13b
はマルチポート弁15によって閉じられ、逆流が防がれ
ているが、吐出チャンバ38内の圧力を越えるような異
常高圧の場合においてマルチポート弁15は瞬時に開か
れる。よって圧縮室37の圧力安定が得られ、旋回スク
ロール30のスムーズな回転が得られることになる。も
ちろん、異常圧力による端板21、さらには旋回スクロ
ール30の端板31の変形が抑えられることにも繋が
る。
【0039】また、圧縮室37の圧力が部分的に低下し
た場合においても、中間背圧室17は蓄圧器の役目を担
うことができ、異常な圧力低下を最小限に抑えることが
できる。
【0040】このように、本実施形態のスクロール型圧
縮機においては、中間背圧室17における端板21の変
形防止と、圧縮室37の圧力安定とがなされるので、ス
ムーズな運転を行うことができ、性能向上・効率向上が
なされたスクロール型圧縮機を実現することができる。
また、端板21の変形が回避されるので、厚肉化を回避
して軽量・低コストなスクロール型圧縮機とすることが
できる。
【0041】なお、本実施形態の変形例として、以下の
構成としてもよい。中間背圧室17は2段の段付き形状
の中間部分に設けるように2つのOリングを用いて形成
したが、これに限定されるものではなく、外側背圧室1
6と同一壁面に形成してもよいし、内側背圧室18と同
一壁面に形成してもよい。これによれば、構造の簡略化
が得られることになる。また、Oリングは、さらに気密
性を保つために多く使用することとしてもよいし、シー
ル性を有する他のシール部材としてもよい。
【0042】
【発明の効果】以上説明した本発明のスクロール型圧縮
機においては以下の効果を奏する。請求項1記載の発明
は、ディスチャージカバーと固定スクロールの端板との
間に中間背圧室形成し、中間背圧室と圧縮室とを連通さ
せる第1バイパス孔を設け、さらに、ディスチャージカ
バーに、中間背圧室と吐出チャンバとを連通させる第2
バイパス孔と、第2バイパス孔を開閉する弁とを備えた
構成としたので、圧縮室の圧力を用いて端板に背圧によ
る負荷を与えて端板の変形を抑えることができ、また圧
縮室の異常な圧力変動に対応してスムーズな動作が得ら
れることによって効率向上・性能向上がなされたスクロ
ール型圧縮機を提供することができる。
【0043】請求項2記載の発明は、第2バイパス孔を
開閉する弁は、圧縮室の高圧状態にて開くこととされて
いるので、圧縮室の圧力安定がなされ、旋回スクロール
のスムーズな動作によって効率向上・性能向上がなされ
たスクロール型圧縮機を提供することができる。
【0044】請求項3記載の発明は、中間背圧室及びこ
れに連通する各バイパス孔が形成されたスクロール型圧
縮機が空気調和装置の圧縮機として用いられることによ
り、効率的且つ安定して冷媒の圧縮を行い、冷房能力の
向上がなされた空気調和装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態におけるスクロール型圧
縮機の断面図である。
【図2】 従来のスクロール型圧縮機の断面図である。
【符号の説明】
13 ディスチャージカバー 13a 第2吐出ポート 13b 第2バイパス孔 15 マルチポート弁(弁) 16 外側背圧室 17 中間背圧室 18 内側背圧室 19a,19b Oリング(シール部材) 20 固定スクロール 21 端板 22 壁体 23 吐出ポート 24 第1バイパス孔 30 旋回スクロール 31 端板 32 壁体 37,37a 圧縮室 38 吐出チャンバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H029 AA02 AA14 AB03 BB24 BB42 CC03 CC04 CC05 CC06 CC15 CC19 CC25 3H039 AA03 AA04 AA12 BB01 BB03 BB28 CC03 CC08 CC24 CC29 CC30 CC31 CC33

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に、端板の一側面に立設さ
    れた渦巻状壁体が形成され且つ前記端板の他側面がディ
    スチャージカバーに嵌合される固定スクロールと、端板
    の一側面に立設された渦巻状壁体が形成され且つ該渦巻
    状壁体が前記固定スクロールの前記渦巻状壁体と組み合
    わされて渦巻状の圧縮室を形成する旋回スクロールとを
    備え、前記旋回スクロールの公転旋回運動に伴い導入し
    た流体を前記圧縮室内で圧縮した後、吐出チャンバを介
    して吐出するスクロール型圧縮機において、 前記ディスチャージカバーと前記固定スクロールの前記
    端板との間に中間背圧室が形成され、該中間背圧室と前
    記圧縮室とを連通する固定スクロールに穿設された第1
    バイパス孔が備えてなり、 前記ディスチャージカバーには、前記中間背圧室と前記
    吐出チャンバとを連通する穿設された第2バイパス孔
    と、前記第2バイパス孔を開閉する弁とを備えてなるこ
    とを特徴とするスクロール型圧縮機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスクロール型圧縮機にお
    いて、 前記弁は、常時閉とされ、前記圧縮室内が高圧とされた
    ときに、開とされることを特徴とするスクロール型圧縮
    機。
  3. 【請求項3】 冷媒と室内気との間で熱交換を行う室内
    熱交換器と、冷媒と室外気との間で熱交換を行う室外熱
    交換器と、冷媒を圧縮し吐出する圧縮機と、冷媒を減圧
    膨張させる膨張機構を備えた空気調和装置において、 前記圧縮機は、請求項1〜請求項2に記載のスクロール
    型圧縮機とされていることを特徴とする空気調和装置。
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