JP4646676B2 - 吊り下げ対象物の吊り下げ方法及びその吊り下げ装置 - Google Patents

吊り下げ対象物の吊り下げ方法及びその吊り下げ装置 Download PDF

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Description

本発明は建物構造物に上端を固定するアンカーボルトに吊り下げ対象物を吊り下げ固定するその吊り下げ方法及びその装置に関するものである。
この種の吊り下げ対象物の一例として、レンジフードファンを挙げることができる。
この天井吊り下げ式のレンジフードファンは、予め複数のアンカーボルトに上下一対のナットを取り付けておき、レンジフードファンに設けたダルマ穴の大孔をアンカーボルト、下部側のナットが通るようにレンジフードファンを持ち上げ上昇させた後、ダルマ穴の小孔にアンカーボルトが通るようにレンジフードファンを水平移動させて仮止めした後、上下のナットを締結する構造をもって吊り下げられている(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、この先行技術は、大孔に下部側のナットだけが通るようにレンジフードファンを持ち上げ上昇させ、更にアンカーボルトが小孔に挿し込まれるようレンジフードファンを水平移動させ、その後、室天井から突出する排気ダクトにフード体の排気口が嵌合関係を構成するように上下のナットをアンカーボルトに沿って高さ方向にずらして締結される。
しかしながら、下部側のナットがダルマ穴の大孔に通るようにレンジフードファンを持ち上げてから、そのレンジフードファンを水平移動させなければならない。
このレンジフードファンは全重量数十キロのなるものもあるため、水平移動作業が加わることで、その作業が重労働である。
しかも、アンカーボルトの上下のナットで締結する際、ナット座面に接する部分の小孔の一部分が欠如しているので、取り付け強度が低く、上下ナットの締結が不十分な時にダルマ穴の変形、位置ズレによってレンジフードファンが落下する危険性がある。
その上、水平移動させたレンジフードファンを、排気ダクトに送風機の連絡する排気口を嵌合させるために嵌合代分(一般的に50〜60mm程度)、ナットの締め付けを解いて上昇させる必要があり、手間と時間が掛かり、吊り下げ対象物の吊り下げ固定作業を極めて重労働で厄介なものにしてしまう。
特開平5−26489号公報
本発明は上記従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は吊り下げ対象物を水平移動させずに仮止めする吊り下げ対象物の吊り下げ方法及びその吊り下げ装置を提供することにある。
他の目的とする処は、取り付け強度が高く万が一回転締結部材の締結が不十分なものであっても、落下する危険性が全くない吊り下げ対象物(例えばレンジフードファン)の吊り下げ方法及びその吊り下げ装置を提供することにある。
更に他の目的とする処は、仮止め後、排気ダクトとレンジフードファンの排気口との嵌合代分、ナットの締め付けを解いてレンジフードファンを上昇させることなく、仮止め時に排気ダクトとその排気口とが嵌合関係を構成する吊り下げ対象物(レンジフードファン)の吊り下げ方法及びその吊り下げ装置を提供することにある。
そして、更に他の目的とする処は、複数のアンカーボルトに対し仮止めを一括に行える吊り下げ対象物(例えばレンジフードファン)の吊り下げ方法及びその吊り下げ装置を提供することにある。
前記課題を解決するために講じた技術的手段は、方法は、吊り下げられるアンカーボルトに螺嵌する上下一対の回転締結部材を挿し通し得る大口部とそれに連通する小口部とを有する仮止め用スライド体を吊り下げ対象物側にスライド可能に摺接し、前記大口部と同一または同等な大きさをもって前記吊り下げ対象物側に設けられた大形口と前記大口部とのどちらか上位の上側口縁に、該大形口、大口部に下位回転締結部材を通過させて両回転締結部材間に設けられた大形な受け座が当接するように吊り下げ対象物を上昇させてから、仮止め用スライド体をスライドさせて小口部にアンカーボルトを通した後、上下の回転締結部材を締結することを特徴とする吊り下げ対象物の吊り下げ方法である(請求項1)。
ここで、前記吊り下げ対象物としては、レンジフードファンの他、天井裏に配されるダクト扇や、室天井に開口した窓口からフロント面が室内に臨むエアーコンディショナー等をその一例として挙げることができる。
以上の手段によれば、上位の回転締結部材と一体または別体な受け座に、仮止め用スライド体の大口部または吊り下げ対象物の構成部材の大形口とのどちらか上位の上側口縁が当接するように吊り下げ対象物を上昇させた(持ち上げた)後、仮止め用スライド体をスライドさせてアンカーボルトを小口部に通すだけで、吊り下げ対象物を仮止めする。
そして、大形口で小口部の大口部との連通部を閉口する。
また、前記仮止め用スライド体を吊り下げ対象物の構成部材の下面にスライド可能に摺接していると、吊り下げ対象物の構成部材とその構成部材に重なる仮止め用スライド体からなる二重構造部を挟持部としてアンカーボルトに本固定できる。
前記仮止め用スライド体をスライドさせて小口部にアンカーボルトを通した後、上下の回転締結部材を締結する前または締結後にその仮止め用スライド体をそのスライド位置に固定するようにすると好適なものである(請求項2)。
また、前記アンカーボルト複数本に対応して仮止め用スライド体を設け、該仮止め用スライド体を連結して、1度の仮止め用スライド体のスライド操作で各小口部に対応するアンカーボルトを通すようにしていると、アンカーボルトに対応する各仮止め用スライド体を一括して移動させる(請求項3)。
更に、前記アンカーボルト複数本に対応して仮止め用スライド体を設け、該仮止め用スライド体のスライド操作が付勢手段の一度の解除操作によるその付勢力で行われるようにすると、付勢手段の解除でアンカーボルトに対応する各仮止め用スライド体を一括して移動させ得る(請求項4)。
ここで付勢手段は、バネ(圧縮バネ)がその一例として提案される。
前記吊り下げ対象物がレンジフードファンであり、前記アンカーボルトの受け座に仮止め用スライド体の大口部または吊り下げ対象物の構成部材の大形口のどちらか上位の上側口縁が当接するように吊り下げ対象物を上昇させた時に室天井からの排気ダクトと送風機に連絡する排気口とが嵌合関係を構成する。即ち前記のようにレンジフードファンを上昇させて(持ち上げて)受け座に当接した際に排気ダクトと排気口とが所定の嵌合代をもって互いに嵌合される位置にその受け座をアンカーボルトに対して高さ調整しておくことによって、仮止め用スライド体をスライドさせ、回転締結部材を締結してレンジフードファンがアンカーボルトに吊り下げ本固定させる(請求項5)。
装置は、建築構造物から吊り下げられる複数本のアンカーボルトでレンジフードファンを吊り下げ固定する吊り下げ装置において、各アンカーボルトに螺嵌する上下一対の回転締結部材と、上位回転締結部材の下位にその上位回転締結部材と一体または別体に設けられ回転締結部材よりも大形な受け座と、レンジフードファンの構成部材に設けられ前記回転締結部材よりも大形で受け座よりも小形な大形口と、該大形口と同一または同等大きさの大口部とそれに連通する小口部とを有して前記構成部材に摺動可能に設けられた仮止め用スライド体と、該仮止め用スライド体のスライド固定手段とを備え、該スライド固定手段は、前記下位回転締結部材が前記大口部、大形口を通過してその大形口または大口部のどちらか上位の上側口縁に前記受け座が当接するようにレンジフードファンを上昇させて小口部にアンカーボルトが挿入されるように仮止め用スライド体をスライドさせた際、そのスライド位置で仮止め用スライド体のスライド状態を固定すること(請求項6)。
前記複数のアンカーボルトに対応する仮止め用スライド体を連結し、該連結手段は、一度のスライド操作で大形口、大口部を通された複数のアンカーボルトに小口部を通すように各仮止め用スライド体をスライドさせる構成であること(請求項7)。
前記建築構造物から吊り下げられる複数本のアンカーボルトでレンジフードファンを吊り下げ固定する吊り下げ装置において、各アンカーボルトに螺嵌する上下一対の回転締結部材と、上位回転締結部材の下位にその上位回転締結部材と一体または別体に設けられ回転締結部材よりも大形な受け座と、レンジフードファンの構成部材に設けられ前記回転締結部材よりも大形で受け座よりも小形な大形口と、該大形口と同一または同等大きさの大口部とそれに連通する小口部とを有して前記構成部材に摺動可能に設けられた仮止め用スライド体と、仮止め用スライド体を連結するバネ付勢式の連結手段とを備え、該連結手段は、下位回転締結部材が前記大口部、大形口を通過して該大形口または大口部のどちらか上位の上側口縁に前記受け座が当接するようにレンジフードファンを上昇させてからバネ手段の一度の解除操作で小口部にアンカーボルトを通すように各仮止め用スライド体をスライドさせること(請求項8)である。
本発明は以上のように構成したから下記の利点がある。
(請求項1)アンカーボルトを通す小口部とそれに連通する大口部とを有する仮止め用スライド体をスライドさせて吊り下げ対象物をアンカーボルトに仮止めするので、吊り下げ対象物を持ち上げた後、更にその吊り下げ対象物を水平移動させる必要が無くなる。
そのため、吊り下げ対象物がレンジフードファン等の重量物であっても、上方に持ち上げてスライド体をスライドさせるだけで仮止めされ、仮止め作業を非常に楽なものにできる。
しかも、仮止め時の仮止め用スライド体における小口部の大口部との連通部を吊り下げ対象物の構成部材に開口した大形口で閉口してその大形口でアンカーボルトの落下を防止し、尚且つ仮止め用スライド体を吊り下げ対象物の構成部材の下面にスライド可能に摺接する構成を採用すると、吊り下げ対象物の構成部材と仮止め用スライド体からなる二重構造部が上下回転締結部材の締結部(取付部)になるので、吊り下げ対象物の重量がそのアンカーボルト部分的に集中しても、その二重構造部でしっかりと安定固定できる。
(請求項2、6)その上、仮止め用スライド体をその仮止めスライド位置で固定しておくようにすると、例えば上下回転締結部材による締結があまかったり、緩んでも吊り下げ対象物(例えばレンジフードファン)の落下を未然に防止することができる。
(請求項3、7)また、アンカーボルト複数本に対応する各仮止め用スライド体を一度のスライド操作で仮止めし、吊り下げ対象物(例えばレンジフードファン)の吊り下げ作業を簡素化できる。
(請求項4、8)付勢手段、バネ手段の一度の解除操作でアンカーボルト複数本に対応する各仮止め用スライド体が仮止めされ、そのバネ力でスライド位置が固定的になるので、スライド位置で仮止め用スライド体を固定する手段及び固定作業が敢えて不要であり、吊り下げ対象物(例えばレンジフードファン)吊り下げ作業の労力を著しく軽減することが可能になる。
(請求項5)その上、アンカーボルトの受け座に仮止め用スライド体の大口部またはレンジフードファンの構成部材の大形口とのどちらか上位の上側口縁が当接するようにレンジフードファンを持ち上げた時に自ずと排気ダクトと送風機に連絡する排気口とが嵌合関係を構成するから、仮止め時に排気系路を自ずと形成できる。
従って、先行技術のように排気ダクトに送風機の排気口を嵌合させるために嵌合代分(一般的に50〜60mm程度)、仮止めされたナットの締め付けを解いて上昇させる手間と時間が掛かるレンジフードファンの調整作業を全く必要としない。
次に、本発明吊り下げ対象物の吊り下げ方法及びその吊り下げ装置の実施の形態を図面に基づいて説明すると、図1〜図6はその第1の実施の形態を、図7はその第2の実施の形態を示し、吊り下げ装置に基づいて吊り下げ方法を説明する。共に吊り下げ対象物としてレンジフードファンの場合を示している。
図1〜図6に示す第1の実施の形態を説明すると、このレンジフードファンAは、下面を開放した扁平箱状のフード体1の上面に前後面蓋開閉式の送風機カバー2を立設し、該送風機カバー2に対してダクトカバー3を上下高さ調整可能に遊嵌し、送風機カバー2に横断状に設けられたブラケット(構成部材)12に送風機aを吊持状に取付け、吊り下げ装置4で室天井B裏の建築構造物(図示せず)に吊り下げ固定されるようになっている。
前記吊り下げ装置4は、各図に示すようにレンジフードファンAの構成部材である前記ブラケット12に室天井B裏の固定部材(梁部材等の建築構造物)に上端を固定して垂下(本実施の形態では4本垂下している)するアンカーボルト14…に対応して開口された大形口24と、螺嵌する上下一対の回転締結部材(ナット)34、34、上位の回転締結部材34に一体または別体に設けられた受け座44、前記ブラケット12の下面に摺動可能に設けられた仮止め用スライド体54と、該仮止め用スライド体54のスライド固定手段64とを備えている。
前記ブラケット12は、図3、図4、図5、図6等に示すようにその四縁から取付片12aを折曲形成し、その左右の取付片12aを送風機カバー2の左右面に固定し、中央部に送風機aを吊り下げ固定すると共に、その送風機a回りの上面部分にアンカーボルト14…に対応して上下回転締結部材34、34よりも若干大形で受け座44よりも小形な前記大形口(丸孔)24を開口している。
前記仮止め用スライド体(仮止め用スライド金具)54は、図2において前側2本のアンカーボルト14、14間、後側2本のアンカーボルト14、14間の間隔よりも長い長さを有する2体が製作用意され、ブラケット12の前後部分に平行関係をもってスライド可能に設けられている。
この仮止め用スライド体54は、図2〜図6に示すように前記大形口24に匹敵する大きさの大口部(丸孔)54aに連通して前記上下回転締結部材34、34よりも小形でアンカーボルト14よりも大形な小口部(スリット孔)54bを形成している。
前記大口部54a、小口部54bは、図2等に示すように各々の仮止め用スライド体54の先端側、後端側夫々に配置され、スライド方向先側に大口部54aを、その大口部54aに連通してその後側に小口部54bを開口している。
また、前記仮止め用スライド体54は、前縁、後縁に折り曲げ片54cを下向きに折曲形成した薄箱状を呈し、その上面からその長さ方向に所要間隔をおいて逆L形状の爪体54dを立上形成し、前記ブラケット12の上面12cに開孔したレール兼用長孔12dの孔縁にその爪体54dを引掛けて、そのレール兼用長孔12dの許容範囲でブラケット12の上面12c裏面に摺動可能になっている。
この両仮止め用スライド体54は、図2に示すように連結手段5である連結杆で連結され、その連結杆5の中途部に設けた操作ピン15をブラケット12の上面12cに開孔したガイド長孔12eから上方に突出して、その操作ピン15の押し引きで双方が一度に操作できるようになっている。
また、この仮止め用スライド体54は、その操作ピン15をガイド長孔12eのスライド方向上流側の孔縁に当接するように位置させている待機時に、その大口部54aが大形口24と口芯を一致するレイアウトになるように構成されている。
前記受け座44は、座金であり、大形口24、大口部54a夫々よりも大形にされている。
前記スライド固定手段64は、図2等に示すようにブラケット12の前側の取付片12aに設けたネジ孔12a’と、前側の仮止め用スライド体54のその前側の折り曲げ片54cに開孔したネジ孔54c’とを備え、後述のように下位の回転締結部材34が挿通するようにレンジフードファンAを持ち上げて、小口部54bにアンカーボルト14が通るように両仮止め用スライド体54、54をスライドさせた時、ネジ孔12a’、54c’同士の孔芯が一致する関係をもって各々のネジ孔12a’、54c’を開孔してなり、両ネジ孔12a’、54c’に固定ネジ6を螺挿してスライド位置にて仮止め用スライド体54、54をスライド不能に固定できるようにしている。
以上のように構成されているレンジフードファン(吊り下げ対象物)Aのアンカーボルト14…への吊り下げ固定は、まず、大形口24、大口部54aに下位の回転締結部材34を挿通して受け座44下面にブラケット(構成部材)12の大口部54aの口縁が当接するようにレンジフードファンAを持ち上げた(上昇させた)際、室天井Bからの排気ダクトDと送風機aに連絡する排気口a1とが所定長さの嵌合代をもって嵌合関係を構成するようにアンカーボルト14…に対して上下の回転締結部材34、34の高さを調整しておく(図6(a)(b))。
そして、口芯が一致している大形口24、大口部54aに下位の回転締結部材34を挿通させて受け座44が大形口24の口縁に当接するようにレンジフードファンAを持ち上げ(上昇させ)(図6(c))、ブラケット12を片手で支えた状態で前記操作ピン15を操作して上下回転締結部材34、34間の4本のアンカーボルト14部分を対応する各小口部54b…に一括して通す。前記操作ピン15の操作は、送風機カバー22を外した状態で行う(図6(d))。
この時、小口部54bの欠如部、即ち大口部54aとの連通部54eは大形口24で閉口され、仮止め状態となる。
最後にネジ孔12a’、54c’に固定ネジ6をネジ込み(図6(e))、下位の回転締結部材34を上昇させて締結し、上位の回転締結部材34とでブラケット12の上面12cと仮止め用スライド体54とを挟持して本固定する(図6(f))。
尚、前側、後側の仮止め用スライド体54、54が連結杆15で連結されているので、前記する前側の仮止め用スライド体54のブラケット12に対するスライド不能な固定で後側の仮止め用スライド体54をスライド位置で固定できるが、安全のため、後側の仮止め用スライド体54も同様にブラケット12にスライド固定手段64でスライド不能に固定するのが好ましいものである。
このように、予め上下回転締結部材34、34のアンカーボルト14に対する高さ調整で、レンジフードファンA持ち上げ(上昇)と同時に排気ダクトDと排気口a1とが所定の嵌合関係を構成し、操作ピン15の一度の操作で仮止め用スライド体54、54をスライドさせて仮止めされる。
また、仮止め時の小口部54bの欠如部54e(大口部との連通部)をブラケット12の大形口24で閉口してその大形口24でアンカーボルト14からの落下を防止し、そして、ブラケット12と仮止め用スライド体54からなる二重構造部Wが上下回転締結部材34、34の取付支持部となり、レンジフードファンAの重量がそのアンカーボルト14に部分的に集中しても、その二重構造部Wでしっかりと堅固に固定する。
従って、吊り下げ時の作業性を大幅に向上させ、作業者一人でも吊り下げ作業を遂行できる利便性を有していながら、安定して固定状態を保持することができる。
次に図7に示す第2の実施の形態を説明すると、この実施の形態は、前記前後の仮止め用スライド体54、54をバネ付勢式の連結手段25で連結したものである。
この連結手段25は、図7に示すように取付片12aに一端を固着したバネ支軸25a先端と仮止め用スライド体54のスライド方向後端面との間にストッパ体25bを配置し、前記バネ支軸25aを中心にして取付片12aとストッパ体25bとの間に圧縮バネ(付勢手段、バネ手段)25cを介装し、そのストッパ体25bを上下動可能にガイドする案内孔25dをブラケット12上面に開孔し、そのストッパ体25cをブラケット12上面上方にて連結杆25eで連結すると共にその中間位置に操作摘み25fを設けて構成し、ストッパ体25bがバネ支軸25aと仮止め用スライド体54の後端面との間に配置されている時には大形口24に対して大口部54aの口芯が一致しており、操作摘み25fを上方に引き上げ操作することによって、ストッパ体25bが上方に逃げて圧縮バネ25cが解放されてその弾撥力で前後の仮止め用スライド体54、54がスライド方向に押動されて、自動的に上下回転締結部材34、34間の4本のアンカーボルト14…部分を小口部54bに一括して通して、仮止めするようになっている。
尚、図示しないが仮止め用スライド体は、構成部材(ブラケット)の上面にスライド可能(摺動可能)に設けても良いものである。
また、図示しないが、前記図2に示す前側、後側の仮止め用スライド体を各々独立してスライド可能に構成しても良いものである。その時には、両仮止め用スライド体から突設する操作ピンをブラケットの上面に開孔したガイド長孔から上方に突出して、その操作ピンの押し引きで各々の仮止め用スライド体をスライド操作可能にする。
また、各アンカーボルトに対応して各仮止め用スライド体を個別にスライド操作可能に設けることも自由なものである。
本発明吊り下げ対象物の吊り下げ方法を実施する吊り下げ装置の第1の実施の形態の使用状態を示す正面断面図で、送風機カバーの蓋を外して一部切欠して示す。 図1の(2)−(2)線断面図。 図2における前側の仮止め用スライド体部分の底面図で部分的に示す。 図2の(4)−(4)線断面図。 図2の(5)−(5)線断面図。 吊り下げ対象物の吊り下げ工程断面図で部分的に示し、(a)は吊り下げ対象物を下位の回転締結部材が挿通するように持ち上げる状態を正面断面図、(b)は(a)の(b)−(b)線矢視図、(c)は受け座に大形部の口縁を当接させた状態を示す正面断面図、(d)は仮止め用スライド体をスライドさせて小口部にアンカーボルトを通した状態を示す正面断面図、(e)は同平面図でスライド位置する状態を示す、(f)は上下回転締結部材で締結してアンカーボルトに吊り下げ対象物を固定する状態を示す正面断面図。 第2の実施の形態の要部の断面図。
符号の説明
A:吊り下げ対象物(レンジフードファン) 14:アンカーボルト
12:構成部材(ブラケット) 34:回転締結部材
4:吊り下げ装置 54:仮止め用スライド体
54a:大口部 54b:小口部
24:大形口 44:受け座(座金)
25c:付勢手段(バネ手段(圧縮バネ)) 15、25:連結手段
B:室天井 D:排気ダクト
a1:排気口 64:スライド固定手段
54e:欠如部(大口部との連通部) W:二重構造部

Claims (8)

  1. 吊り下げられるアンカーボルトに螺嵌する上下一対の回転締結部材を挿し通し得る大口部とそれに連通する小口部とを有する仮止め用スライド体を吊り下げ対象物側にスライド可能に摺接し、前記大口部と同一または同等な大きさをもって前記吊り下げ対象物側に設けられた大形口と前記大口部とのどちらか上位の上側口縁に、該大形口、大口部に下位回転締結部材を通過させて両回転締結部材間に設けられた大形な受け座が当接するように吊り下げ対象物を上昇させてから、仮止め用スライド体をスライドさせて小口部にアンカーボルトを通した後、上下の回転締結部材を締結することを特徴とする吊り下げ対象物の吊り下げ方法。
  2. 前記仮止め用スライド体をスライドさせて小口部にアンカーボルトを通した後、上下の回転締結部材を締結する前または締結後にその仮止め用スライド体をそのスライド位置に固定することを特徴とする請求項1記載の吊り下げ対象物の吊り下げ方法。
  3. 前記アンカーボルト複数本に対応して仮止め用スライド体を設け、該仮止め用スライド体を連結して、1度の仮止め用スライド体のスライド操作で各小口部に対応するアンカーボルトを通すことを特徴とする請求項1または2記載の吊り下げ対象物の吊り下げ方法。
  4. 前記アンカーボルト複数本に対応して仮止め用スライド体を設け、該仮止め用スライド体のスライド操作が付勢手段の一度の解除操作によるその付勢力で行われることを特徴とする請求項1記載の吊り下げ対象物の吊り下げ方法。
  5. 前記吊り下げ対象物がレンジフードファンであり、前記受け座に仮止め用スライド体の大口部または吊り下げ対象物の構成部材の大形口のどちらか上位の上側口縁が当接するように吊り下げ対象物を上昇させた時に室天井からの排気ダクトと送風機に連絡する排気口とが嵌合関係を構成することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の吊り下げ対象物の吊り下げ方法。
  6. 建築構造物から吊り下げられる複数本のアンカーボルトでレンジフードファンを吊り下げ固定する吊り下げ装置において、各アンカーボルトに螺嵌する上下一対の回転締結部材と、上位回転締結部材の下位にその上位回転締結部材と一体または別体に設けられ回転締結部材よりも大形な受け座と、レンジフードファンの構成部材に設けられ前記回転締結部材よりも大形で受け座よりも小形な大形口と、該大形口と同一または同等大きさの大口部とそれに連通する小口部とを有して前記構成部材に摺動可能に設けられた仮止め用スライド体と、該仮止め用スライド体のスライド固定手段とを備え、該スライド固定手段は、前記下位回転締結部材が前記大口部、大形口を通過してその大形口または大口部のどちらか上位の上側口縁に前記受け座が当接するようにレンジフードファンを上昇させて小口部にアンカーボルトが挿入されるように仮止め用スライド体をスライドさせた際、そのスライド位置で仮止め用スライド体のスライド状態を固定することを特徴とする吊り下げ対象物の吊り下げ装置。
  7. 前記複数のアンカーボルトに対応する仮止め用スライド体を連結し、該連結手段は、一度のスライド操作で大形口、大口部を通された複数のアンカーボルトが小口部を通るように各仮止め用スライド体をスライドさせる構成であることを特徴とする請求項6記載の吊り下げ対象物の吊り下げ装置
  8. 建築構造物から吊り下げられる複数本のアンカーボルトでレンジフードファンを吊り下げ固定する吊り下げ装置において、各アンカーボルトに螺嵌する上下一対の回転締結部材と、上位回転締結部材の下位にその上位回転締結部材と一体または別体に設けられ回転締結部材よりも大形な受け座と、レンジフードファンの構成部材に設けられ前記回転締結部材よりも大形で受け座よりも小形な大形口と、該大形口と同一または同等大きさの大口部とそれに連通する小口部とを有して前記構成部材に摺動可能に設けられた仮止め用スライド体と、仮止め用スライド体を連結するバネ付勢式の連結手段とを備え、該連結手段は、下位回転締結部材が前記大口部、大形口を通過して該大形口または大口部のどちらか上位の上側口縁に前記受け座が当接するようにレンジフードファンを上昇させてからバネ手段の一度の解除操作で小口部にアンカーボルトを通すように各仮止め用スライド体をスライドさせることを特徴とする吊り下げ対象物の吊り下げ装置。
JP2005105961A 2005-04-01 2005-04-01 吊り下げ対象物の吊り下げ方法及びその吊り下げ装置 Active JP4646676B2 (ja)

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