JP4646668B2 - 撮像装置及びその制御方法 - Google Patents

Description

本発明は、ネットワークカメラ等を用いた映像監視に好適な撮像装置及びその制御方法に関する。

従来の映像データの通信方式では、複数の映像データを送信するシステムにおいて、個々の映像データの映像品質を保ちつつ送信するための最低帯域が予め設定されている。そして、複数の映像データを送信して通信帯域が不足した場合は、個々の映像データの送信に使用されている帯域を設定されている最低帯域以上の範囲で制御する方法が採られている（特許文献１参照）。

また、映像データを録画する際に、映像データを送信パケットに変換してリアルタイムに送信し、送信に失敗したパケットはリアルタイム送信が終了後に再送信する技術も開示されている（特許文献２を参照）。

特開平７−２４８９８０号公報 特開２００３−１８５２５号公報

しかしながら、従来技術においては、ネットワーク帯域の情報のみで映像の送信に使用する帯域を減らす制御を行うため、場合によっては重要な場面で映像品質の低下やコマ落ちが生じることがある。

また、監視業務等で終日映像を録画する場合、リアルタイムで送信が失敗したパケットを再送信することができず、録画の映像品質の低下やコマ落ちが生じることがある。

本発明は、撮影した映像をより確実に利用することを可能にする撮像装置及びその制御方法を提案することを目的とする。

本願発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す発明の諸態様に想到した。

本発明に係る撮像装置は、被写体を撮影する撮影手段と、前記被写体の動きを検知する動き検知手段と、前記動きが検知された場合、前記動きが検知されない場合よりも高いフレームレートで前記撮影手段による映像データを外部に送信する送信手段と、前記送信手段による送信が失敗した映像データを保存する保存手段と、前記保存手段に保存されたデータ量が閾値以上となった場合、前記データ量が前記閾値未満のときよりも動きが検知されにくくなるように動き検知に用いるパラメータを設定する設定手段と、を有することを特徴とする。

本発明によれば、被写体の動き検知の頻度が変化しても、安定して映像を処理することができる。このため、例えばこの映像データを記録等することにより、撮影した映像をより確実に利用することができる。

以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。

（第１の実施形態）
先ず、本発明の第１の実施形態について説明する。図１は、本発明の第１の実施形態に係るカメラ装置の構成を示す図である。

本実施形態に係るカメラ装置１には、図１に示すように、被写体を撮影するカメラ部１１、カメラ部１１が撮影した映像を解析して被写体の動きを検知する動き検知部１２、動き検知部１２についての設定をする動き検知設定部１３、動き検知部１２が被写体の動きを検知したことを発行して通知するイベント発行部１４、及び、イベント発行部１４が発行したイベントを記録してイベントの発生割合等を算出するイベント統計部１５が設けられている。

このように構成されたカメラ装置１では、カメラ部１１で撮影された映像が動き検知部１２に送られ、動き検知部１２によって画像の解析が行われ、被写体に動きがあるか無いかの判断がなされる。この画像の解析は、動き検知設定部１３による設定値に基づいて行われる。そして、被写体に動きがあった場合は、イベント発行部１４により動き検知のイベントが発行されて通知される。その後、イベント統計部１５によりイベント発行部１４からの動き検知のイベントが記憶され、動き検知のイベント発生の統計処理が行われ、この結果に基づいて動き検知設定部１３により動き検知の設定値が設定される。

このような構成のカメラ装置１は、例えば、図２に示すようなハードウェアを用いて構成される。即ち、カメラ部１１に、レンズ１０２、ＣＣＤ１０３及び信号処理部１０４が設けられる。信号処理部１０４は、ＣＣＤ１０３によって光電変換された信号に対し、Ａ／Ｄ変換等の信号処理を施す。また、ＣＰＵ１０１は、記憶媒体又はＲＯＭ等（図示せず）に格納されたプログラムを実行することにより、動き検知部１２、動き検知設定部１３、イベント発行部１４及びイベント統計部１５として機能する。そして、ＣＰＵ１０１により処理が施された映像データが通信インタフェースからネットワーク２を介して外部の端末機器（図示せず）に送信される。そして、この映像データが端末機器において、記録されたり、表示されたりする。

ここで、上述のカメラ装置の具体的な動作の例について説明する。図３は、カメラ装置の動作の例を示す図である。上述のように構成されたカメラ装置１は、範囲４１内の被写体を撮影し、動き検知部１２は、最大で最大範囲４２内の被写体の動きを検知し、最小で最小範囲４３内の被写体の動きを検知することができるものとする。

任意の時刻において、カメラ装置１が範囲４１内の被写体を撮影し、動き検知部１２が範囲４４内の被写体の動きを検知する。即ち、動き検知部１２は、範囲４４内の映像データを用いて画像の変化を解析し、被写体に動きがあるとイベント発行部１４がイベントを発行する。

そして、イベント統計部１５は単位時間に発生する動き検知のイベント数を算出し、その数が第１の閾値以上となると、動き検知設定部１３が、動き検知範囲４４が最小範囲４３に近づくように、動き検知部１２による動き検知の設定値を変更する。一方、単位時間の動き検知のイベント数が第２の閾値（＜第１の閾値）以下となると、動き検知範囲４４が最大範囲４２に近づくように、動き検知部１２による動き検知の設定値を変更する。

このような第１の実施形態によれば、動き検知のイベント数が多くなると動き検知範囲４４が狭くなり、動きが検出される頻度が低下して、イベントの発行数が少なくなる。一方、動き検知のイベント数が少なくなると動き検知の範囲４４が広くなり、動きが検出される頻度が上昇して、イベントの発行数が多くなる。従って、イベントの発行数のばらつきが著しく低減される。このため、録画した映像データを動き検知のイベントに基づいて再生して行う映像監視業務等において、動き検知のイベントが必要以上に頻発して全ての映像データを確認する必要が生じたり、殆ど動き検知のイベントが検知されずに重要な場面を見逃したりすることを防ぐことができる。従って、映像監視業務等の効率を向上させることができる。

なお、第１の実施形態のように動き検知範囲４４を変更するのではなく、イベント統計部１５で算出した単位時間の動き検知のイベント数が第１の閾値以上となると、動き検知設定部１３が、動き検知の設定値の設定に当たり、画素又はブロックのフレーム間での値の差による感度を敏感から鈍感に向けて変更し、単位時間の動き検知のイベント数が第２の閾値以下となると、動き検知の感度を鈍感から敏感に向けて変更するようにしてもよい。

また、イベント統計部１５で算出した単位時間の動き検知のイベント数が第１の閾値以上となると、動き検知設定部１３が、動き検知の設定値の設定に当たり、動き検知の設定で動きありと判断する面積の閾値を大きく変更し、単位時間の動き検知のイベント数が第２の閾値以下となると、動きありと判断する面積の閾値を小さく変更するようにしてもよい。

更に、イベント統計部１５で算出した単位時間の動き検知のイベント数が第１の閾値以上となると、動き検知設定部１３が、動き検知の設定値の設定に当たり、動きありと判断する継続時間の閾値を長く変更し、単位時間の動き検知のイベント数が第２の閾値以下となると、動きありと判断する継続時間の閾値を短く変更するようにしてもよい。

（第２の実施形態）
次に、本発明の第２の実施形態について説明する。図４は、本発明の第２の実施形態に係るネットワーク撮像システムの構成を示す図である。

本実施形態においては、撮影した映像データを送信するカメラ装置１と、カメラ装置１から送信された映像データを受信して録画する端末装置３とが、インターネット又はイントラネット等のネットワーク２を介して接続されている。

カメラ装置１には、第１の実施形態と同様に、被写体を撮影するカメラ部１１、撮影された映像を解析し動きを検知する動き検知部１２、動き検知に関する設定を行う動き検知設定部１３、及び、動きを検知したことを通知するイベント発行部１４が設けられている。更に、カメラ装置１には、端末装置３に送信する映像データのフレームレートを変化させる映像制御部（フレームレート制御手段）１６、及び、映像データを一時保存し、端末装置３への送信が失敗した場合に再配送する通信制御部１７が設けられている。

本実施形態では、図２におけるＣＰＵ１０１は、記憶媒体又はＲＯＭ等（図示せず）に格納されたプログラムを実行することにより、動き検知部１２、動き検知設定部１３、イベント発行部１４、映像制御部１６及び通信制御部１７として機能する。

このように構成されたネットワーク撮像システムでは、カメラ部１１で撮影された映像が動き検知部１２に送られ、動き検知部１２によって画像の解析が行われ、被写体に動きがあるか無いかの判断がなされる。この画像の解析は、動き検知設定部１３による設定値に基づいて行われる。そして、被写体に動きがあった場合は、イベント発行部１４により動き検知のイベントが発行されて通知される。

また、映像制御部１６によって、カメラ部１１で撮影された映像のフレームレートが変更される。このとき、映像制御部１６は、イベント発行部１４からの動き検知の通知に基づいて、動きが検知されない時間帯ではフレームレートを低くし、動きが検知されたタイミングの前後の一定の時間帯ではフレームレートを高くする。

更に、映像制御部１６によりそのフレームレートの調整が行われた映像は、通信制御部１７からネットワーク２を介して端末装置３に送信される。また、通信制御部１７は、高いフレームレートの映像データを端末装置３に送信しようとしたときに、この送信が失敗すると、この送信に失敗した映像データを一時的に保存し、その後に低いフレームレートの映像データを送信する際に、一時的に保存した高フレームレートの映像データを再送信する。

そして、端末装置３が、失敗することなく送信されてきた映像データと、一旦送信に失敗した後に再送信された映像データとを受信し、これらを合わせて再構築した後、録画したり、表示したりする。

このような第２の実施形態によれば、撮影した映像を即時に送信する従来の技術と比べて、高いフレームレートの区間を含む映像データを確実に送信して録画したり表示したりすることができる。このため、映像監視業務での証拠能力を高めることができる。

なお、通信制御部１７が送信に失敗したデータを一時的に保存する領域の空き容量を算出し、この空き容量が閾値以下となった場合に、動き検知設定部１３が、動き検知部１２による動き検知の設定値に関し、検知範囲、検知感度、検知対象面積及び検知継続時間等を、被写体の動きが検知されやすくなるようにそれらの閾値を低くして設定を変更してもよい。

同様に、通信制御部１７が送信に失敗したデータを一時的に保存する領域の使用容量を算出し、この使用容量が閾値以上となった場合に、動き検知設定部１３が、動き検知部１２による動き検知の設定値に関し、検知範囲、検知感度、検知対象面積及び検知継続時間等を、被写体の動き検知が検知されにくくなるようにそれらの閾値を高くして設定を変更してもよい。

このように、空き容量又は使用容量に応じて動き検知の設定値を変更することにより、動き検知の頻度が適切に調整され、不意な映像データの録画失敗を防ぐことができ、映像監視業務での安全性を高めることができる。

また、通信制御部１７がフレームレートの映像データを送信する時の使用ネットワーク帯域を算出し、使用ネットワーク帯域が閾値を超えた場合に、動き検知設定部１３が、動き検知部１２による動き検知の設定値に関し、検知範囲、検知感度、検知対象面積及び検知継続時間等を、被写体の動き検知が検知されにくくなるようにそれらの閾値を高くして設定を変更してもよい。

同様に、通信制御部１７がフレームレートの映像データを送信する時の空きネットワーク帯域を算出し、空きネットワーク帯域が閾値を下回った場合に、動き検知設定部１３が、動き検知部１２による動き検知の設定値に関し、検知範囲、検知感度、検知対象面積及び検知継続時間等を、被写体の動きが検知されやすくなるようにそれらの閾値を低くして設定を変更してもよい。

このように、使用ネットワーク帯域又は空きネットワーク帯域に応じて動き検知の設定値を変更することにより、動き検知の頻度が適切に調整され、不意な映像データの録画失敗を防ぐことができ、映像監視業務での安全性を高めることができる。

また、１個のカメラ装置１に対して、図５に示すように、ネットワーク２を介して、複数の端末装置３１、３２、３３が接続されることもある。この場合、通信制御部１７からネットワーク２を介して映像データが端末装置３１、３２及び３３に送信され、各端末装置３１、３２及び３３が受信した映像データの録画及び／又は表示を行う。また、上述のように、通信制御部１７は送信に失敗した高フレームレートの映像データを低フレームレートの映像データと共に再送信する。このようにして映像データの送受信が行われる。

なお、第１の実施形態に係るカメラ装置１に映像制御部１６及び通信制御部１８を設けて、第２の実施形態のネットワーク撮像システムに用いてもよい。

また、本発明の実施形態は、例えばコンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したＣＤ−ＲＯＭ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体又はかかるプログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体も本発明の実施形態として適用することができる。また、上記のプログラムも本発明の実施形態として適用することができる。上記のプログラム、記録媒体、伝送媒体及びプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。

本発明の第１の実施形態に係るカメラ装置の構成を示す図である。 カメラ装置のハードウェア構成の例を示す図である。 カメラ装置の動作の例を示す図である。 本発明の第２の実施形態に係るネットワーク撮像システムの構成を示す図である。 複数の端末装置が接続された例を示す図である。

符号の説明

１：カメラ装置
２：ネットワーク
３、３１、３２、３３：端末装置
１１：カメラ部
１２：動き検知部
１３：動き検知設定部
１４：イベント発行部
１５：イベント統計部
１６：映像制御部
１７：通信制御部
１０１：ＣＰＵ
１０２：レンズ
１０３：ＣＣＤ
１０４：信号処理部
１０５：通信インタフェース

Claims (10)

1. 被写体を撮影する撮影手段と、
   前記被写体の動きを検知する動き検知手段と、
   前記動きが検知された場合、前記動きが検知されない場合よりも高いフレームレートで前記撮影手段による映像データを外部に送信する送信手段と、
   前記送信手段による送信が失敗した映像データを保存する保存手段と、
   前記保存手段に保存されたデータ量が閾値以上となった場合、前記データ量が前記閾値未満のときよりも動きが検知されにくくなるように動き検知に用いるパラメータを設定する設定手段と、
   を有することを特徴とする撮像装置。
2. 前記送信手段は、前記送信の失敗に応じて前記保存手段に保存された映像データを当該送信に失敗したときのフレームレートよりも低いフレームレートでの映像データの送信中に再送信することを特徴とする請求項１に記載の撮像装置。
3. 前記設定手段は、所定時間内に前記動きが検知された回数が所定回数以上の場合、前記所定回数未満の場合よりも動きが検知されにくくなるように動き検知に用いるパラメータを設定することを特徴とする請求項１又は２に記載の撮像装置。
4. 前記設定手段は、前記動きが検知されにくくする前よりも、動き検知の対象とする被写体の範囲を狭く設定することを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項に記載の撮像装置。
5. 前記設定手段は、前記動きが検知されにくくする前よりも、動きがあると判定するフレーム間の画素値の差を大きく設定することを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項に記載の撮像装置。
6. 被写体を撮影する撮影ステップと、
   前記被写体の動きを検知する動き検知ステップと、
   前記動きが検知された場合、前記動きが検知されない場合よりも高いフレームレートで前記撮影ステップによる映像データを外部に送信する送信ステップと、
   前記送信ステップによる送信が失敗した映像データを保存手段に保存する保存ステップと、
   前記保存手段に保存されたデータ量が閾値以上となった場合、前記データ量が前記閾値未満のときよりも動きが検知されにくくなるように動き検知に用いるパラメータを設定する設定ステップと、
   を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
7. 前記送信ステップは、前記送信の失敗に応じて前記保存手段に保存された映像データを当該送信に失敗したときのフレームレートよりも低いフレームレートでの映像データの送信中に再送信することを特徴とする請求項６に記載の撮像装置の制御方法。
8. 前記設定ステップは、所定時間内に前記動きが検知された回数が所定回数以上の場合、前記所定回数未満の場合よりも動きが検知されにくくなるように動き検知に用いるパラメータを設定することを特徴とする請求項６又は７に記載の撮像装置の制御方法。
9. コンピュータに、
   被写体を撮影する撮影ステップと、
   前記被写体の動きを検知する動き検知ステップと、
   前記動きが検知された場合、前記動きが検知されない場合よりも高いフレームレートで前記撮影ステップによる映像データを外部に送信する送信ステップと、
   前記送信ステップによる送信が失敗した映像データを保存手段に保存する保存ステップと、
   前記保存手段に保存されたデータ量が閾値以上となった場合、前記データ量が前記閾値未満のときよりも動きが検知されにくくなるように動き検知に用いるパラメータを設定する設定ステップと、
   を実行させることを特徴とするプログラム。
10. 前記送信ステップは、前記送信の失敗に応じて前記保存手段に保存された映像データを当該送信に失敗したときのフレームレートよりも低いフレームレートでの映像データの送信中に再送信することを特徴とする請求項９に記載のプログラム。

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