JP2020161993A - 撮像システム及び物体認識システム - Google Patents

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Abstract

【課題】雨や雪などの悪天候の影響を受けることなく、イベントの物体認識を精度よく行うことができる撮像システム、及び物体認識システムを提供する。【解決手段】撮像システム1Aは、イベントを検出するイベント検出装置10、及び、イベント検出装置10を制御する制御部30を備える。制御部30は、車外情報に基づいて、イベント検出装置10によるイベント検出の検出感度を制御する。また、物体認識システムは、イベントを検出するイベント検出装置10、車外情報に基づいて、イベント検出装置10によるイベント検出の検出感度を制御する制御部30、及び、イベント検出装置から出力されるイベント信号に基づいて、イベントの物体認識を行う認識処理部を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、撮像システム及び物体認識システムに関する。
イベントドリブン方式の撮像装置の一つとして、DVS(Dynamic Vision Sensor)と呼ばれる非同期型の撮像装置がある。非同期型の撮像装置は、入射光を光電変換する画素の輝度変化が所定の閾値を超えたことをイベントとして検出することができる。従って、この種の非同期型の撮像装置については、イベント検出装置と言うこともできる。従来、イベント検出装置は、車両に搭載されて、走行路面をモニタリングするイベントベース視覚センサとして用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−79937号公報
ところで、イベント検出装置を車両等の移動体に搭載した場合、雨や雪などの悪天候時には、多数の水滴等の発生をイベントとして検出してしまうことがある。そして、このとき検出した水滴等のベントが、本来、イベント検出装置でイベントとして検出したい物体(車や歩行者等)のノイズとなってしまうことがあり、物体認識の精度の低下の一因となる可能性がある。
本開示は、雨や雪などの悪天候の影響を受けることなく、イベントの物体認識を精度よく行うことができる撮像システム、及び、当該撮像システムを用いる物体認識システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本開示の撮像システムは、
イベントを検出するイベント検出装置、及び、
イベント検出装置を制御する制御部を備える。
そして、制御部は、車外情報に基づいて、イベント検出装置によるイベント検出の検出感度を制御する。
また、上記の目的を達成するための本開示の物体認識システムは、
イベントを検出するイベント検出装置、
車外情報に基づいて、イベント検出装置によるイベント検出の検出感度を制御する制御部、及び、
イベント検出装置から出力されるイベント信号に基づいて、イベント検出装置の画角内の物体認識を行う認識処理部を備える。
図1は、本開示の第1実施形態に係る撮像システムのシステム構成の一例を示すブロック図である。 図2は、第1実施形態に係る撮像システムにおけるイベント検出装置の構成の一例を示すブロック図である。 図3は、イベント検出装置における画素アレイ部の構成の一例を示すブロック図である。 図4は、イベント検出装置における画素の回路構成の一例を示す回路図である。 図5は、イベント検出装置の画素におけるイベント検出部の回路構成の一例を示すブロック図である。 図6は、イベント検出部における電流電圧変換部の構成の一例を示す回路図である。 図7は、イベント検出部における減算部及び量子化部の構成の一例を示す回路図である。 図8は、イベント検出装置の積層型のチップ構造の概略を示す分解斜視図である。 図9は、実施例1に係るイベント検出処理の一例を示すフローチャートである。 図10は、電流電圧変換部の第1の回路構成の等価回路図である。 図11は、電流電圧変換部の第2の回路構成の等価回路図である。 図12は、実施例2に係るイベント検出処理の一例を示すフローチャートである。 図13は、第1実施形態に係る物体認識システムのシステム構成の一例を示すブロック図である。 図14は、実施例3に係るイベント検出処理の一例を示すフローチャートである。 図15は、イベント検出装置のみを用いて物体認識処理を行う具体例を示すフローチャートである。 図16は、本開示の第2実施形態に係る撮像システムのシステム構成の一例を示すブロック図である。 図17は、第2実施形態に係る撮像システムにおける撮像装置の一例であるCMOS型イメージセンサの構成の概略を示すブロック図である。 図18は、撮像装置における画素の回路構成の一例を示す回路図である。 図19は、撮像装置の平置型のチップ構造の概略を示す平面図である。 図20は、撮像装置の積層型のチップ構造の概略を示す平面図である。 図21は、第2実施形態に係る物体認識システムのシステム構成の一例を示すブロック図である。 図22は、実施例4に係るイベント検出処理の一例を示すフローチャートである。 図23は、イベント検出装置及び撮像装置を用いて物体認識処理を行う具体例を示すフローチャートである。 図24は、実施例5に係るイベント検出処理の一例を示すフローチャートである。 図25は、実施例6に係るイベント検出処理の一例を示すフローチャートである。 図26Aは、イベントとして検出したい物体が複数存在する様子を示す図であり、図26Bは、水滴が多く付着、又は、全く付着しない様子を示す図である。 図27は、実施例7に係るイベント検出処理の一例を示すフローチャートである。 図28は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。 図29は、車両制御システムにおける撮像部の設置位置の例を示す図である。
以下、本開示に係る技術を実施するための形態(以下、「実施形態」と記述する)について図面を用いて詳細に説明する。本開示に係る技術は実施形態に限定されるものではない。以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。尚、説明は以下の順序で行う。
1.本開示の撮像システム及び物体認識システム、全般に関する説明
2.本開示の第1実施形態
2−1.第1実施形態に係る撮像システムの構成例
2−2.イベント検出装置の構成例
2−2−1.画素アレイ部の構成例
2−2−2.画素の構成例
2−2−3.イベント検出部の構成例
2−2−3−1.電流電圧変換部の構成例
2−2−3−2.減算部及び量子化部の構成例
2−2−4.チップ構造の構成例
2−2−5.実施例1(雨量計の測定値を基にイベント検出閾値を制御する例)
2−2−6.実施例2(雨量計の測定値とノイズ情報とを併用して、イベント検出閾値を制御する例)
2−5.第1実施形態に係る物体認識システムの構成例
2−5−1.実施例3(物体認識結果をイベント検出閾値に反映させる例)
3.本開示の第2実施形態
3−1.第2実施形態に係る撮像システムの構成例
3−2.撮像装置の構成例
3−2−1.CMOS型イメージセンサの構成例
3−2−2.画素の構成例
3−2−3.チップ構造の構成例
3−2−3−1.平置型のチップ構造(所謂、平置構造)
3−2−3−2.積層型のチップ構造(所謂、積層構造)
3−3.第2実施形態に係る物体認識システムの構成例
3−3−1.実施例4(物体認識結果をイベント検出閾値に反映させる例)
3−3−2.実施例5(雨量計の測定値とノイズ情報とを併用して、イベント検出閾値を制御する例)
3−3−3.実施例6(イベント検出閾値の制御の前後に物体認識処理を2回実行する例)
3−3−4.実施例7(領域別にイベント検出閾値の制御を行う例)
4.変形例
5.本開示に係る技術の適用例
5−1.移動体への応用例
6.本開示がとることができる構成
≪本開示の撮像システム及び物体認識システム、全般に関する説明≫
本開示の撮像システム及び物体認識システムにあっては、イベント検出装置について、入射光を光電変換する画素の輝度変化が検出閾値を超えたことをイベントとして検出するイベント検出部を有する構成とすることができる。そして、本開示の撮像システムについては、移動体に搭載して用いることが好ましい。
更に、上述した好ましい構成を含む本開示の撮像システム及び物体認識システムにあっては、制御部について、車外情報に基づいて、イベント検出部の検出閾値を制御する、具体的には、車外情報が悪天候を示す情報であるとき、イベント検出部の検出閾値を上げる制御を行う構成とすることができる。また、制御部について、イベント検出部の検出閾値を上げた後、天候が回復したことを示す車外情報を受けたときは、イベント検出部の検出閾値を下げる、又は、初期設定値に戻す制御を行う構成とすることができる。
更に、上述した好ましい構成を含む本開示の撮像システム及び物体認識システムにあっては、イベント検出部について、画素の光電流を、光電流に対応する電圧に変換する電流電圧変換部を有する構成とし、電流電圧変換部について、トランジスタがカスケード接続された回路構成と、カスケード接続されてない回路構成とに切り替えが可能な構成とすることができる。このとき、制御部について、車外情報に基づいて、電流電圧変換部の回路構成を切り替えることにより、イベント検出部の検出閾値を制御する構成とすることができる。
また、上述した好ましい構成を含む本開示の撮像システム及び物体認識システムにあっては、イベント検出部について、第1の容量素子及び第2の容量素子を含み、画素の光電流に対応する電圧について、異なるタイミングどうしの電圧の差信号を求める減算部を有する構成とすることができる。このとき、制御部について、車外情報に基づいて、減算部の第1の容量素子と第2の容量素子との容量比を変えることにより、イベント検出部の検出閾値を制御する構成とすることができる。
また、上述した好ましい構成を含む本開示の撮像システム及び物体認識システムにあっては、イベント検出部について、減算部からの差信号を閾値電圧と比較することによってデジタル信号に量子化する量子化部を有する構成とすることができる。このとき、制御部について、車外情報に基づいて、量子化部の閾値電圧を調整することにより、イベント検出部の検出閾値を制御する構成とすることができる。
更に、上述した好ましい構成を含む本開示の撮像システム及び物体認識システムにあっては、制御部について、車外情報、及び、イベント検出装置が検出したイベント数に基づいて、イベント検出の検出感度を制御する構成とすることができる。
また、本開示の物体認識システムにあっては、制御部について、イベント検出部の検出閾値を、イベント検出装置の画角内の物体を認識できる範囲まで上げる制御を行う構成とし、認識処理部について、画角内において物体として検知できるエリアが所定の閾値以上のとき物体と認識する構成とすることができる。
更に、上述した好ましい構成を含む本開示の物体認識システムにあっては、固定のフレームレートで撮像を行う同期型の撮像装置を備える構成とすることができる。
更に、上述した好ましい構成を含む本開示の物体認識システムにあっては、認識処理部について、イベント検出装置によって物体を検知できないときは、撮像装置の情報を用いて物体を検知し、画角内において物体として検知できるエリアが所定の閾値以上のとき物体と認識する構成とすることができる。また、認識処理部について、画角に占める物体の領域が一定の割合以上であるとき認識成功とし、一定の割合未満のとき認識失敗とする構成とすることができる。
更に、上述した好ましい構成を含む本開示の物体認識システムにあっては、制御部について、車外情報が悪天候を示す情報で、かつ、イベント検出装置が検出したイベント数が所定の閾値以上のとき、イベント検出部の検出閾値を上げる制御を行う構成とすることができる。そして、制御部について、イベント検出部の検出閾値を上げた後、認識処理部による認識結果が成功で、かつ、天候が回復したことを示す車外情報を受けたとき、イベント検出部の検出閾値を下げる、又は、初期設定値に戻す制御を行う構成とすることができる。
また、上述した好ましい構成を含む本開示の物体認識システムにあっては、制御部について、車外情報が悪天候を示す情報で、かつ、認識処理部による認識結果が失敗のとき、イベント検出部の検出閾値を上げる制御を行う構成とすることができる。そして、制御部について、イベント検出部の検出閾値を上げた後、認識処理部による認識結果が成功で、かつ、天候が回復したことを示す車外情報を受けたとき、イベント検出部の検出閾値を下げる、又は、初期設定値に戻す制御を行う構成とすることができる。
≪本開示の第1実施形態≫
<第1実施形態に係る撮像システムの構成例>
図1は、本開示の第1実施形態に係る撮像システムのシステム構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、第1実施形態に係る撮像システム1Aは、イベント検出装置10、制御部30、データ処理部40、及び、画像記録部50を有する構成となっている。第1実施形態に係る撮像システム1Aは、車両等の移動体に搭載して用いることができる。
車両に搭載して用いる場合を例に挙げると、車両の所定の位置、例えば、車両のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア、及び、車室内のフロントガラスの上部のうちの少なくとも一つの位置に、撮像システム1Aを配置して用いることになる。本開示に係る技術(即ち、第1実施形態に係る撮像システム1A)の適用例の詳細については後述する。
イベント検出装置10としては、入射光を光電変換する画素の輝度変化が所定の検出閾値を超えたことをイベントとして検出するDVSと呼ばれる非同期型の撮像装置を用いることができる。非同期型の撮像装置は、垂直同期信号に同期して撮像を行う同期型の撮像装置に対して、垂直同期信号に非同期でイベントを検出する撮像装置である。非同期型の撮像装置から成るイベント検出装置10の詳細については後述する。
制御部30は、例えばプロセッサ(CPU)によって構成され、外部から与えられる車外情報に基づいて、イベント検出装置10のイベント検出の検出感度の制御を行う。外部から与えられる車外情報としては、雨、雪、霰、雹などの現在の天候情報を取得するための環境センサの情報を例示することができる。
環境センサは、例えば、雨量を計測する雨量計、雨天を検出する雨滴センサ、霧を検出する霧センサ、日照度合いを検出する日照センサ、及び、降雪を検出する雪センサのうちの少なくとも一つであってよい。環境センサは、例えば、車両のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア、及び、車室内のフロントガラスの上部のうちの少なくとも一つの位置に設けられる。
ここでは、制御部30に与えられる車外情報として、上記の環境センサの情報を例示したが、環境センサの情報に限られるものではない。車外情報としては、環境センサの情報の他に、ワイパーの作動の有無の情報や、インターネットやGPS(Global Positioning System)によって取得できる天候情報などであってもよい。
データ処理部40は、制御部30による制御の下に、イベント検出装置10から出力される、イベントの発生を表すイベント信号(イベントデータ)に対して所定のデータ処理を行う。制御部30は、このデータ処理部40を通して、イベント検出装置10がイベントを検出したことを知ることができる。画像記録部50は、データ処理部40で処理された画像データを記録する。
<イベント検出装置の構成例>
図2は、上記の構成の第1実施形態に係る撮像システム1Aにおけるイベント検出装置10の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、イベント検出装置10は、複数の画素11が行列状(アレイ状)に2次元配列されて成る画素アレイ部12を有する。複数の画素11のそれぞれは、光電変換によって生成される電気信号としての光電流に応じた電圧のアナログ信号を画素信号として生成する。また、複数の画素11のそれぞれは、入射光の輝度に応じた光電流に、所定の検出閾値を超える変化が生じたか否かによって、イベントの有無を検出する。換言すれば、複数の画素11のそれぞれは、輝度変化が所定の閾値を超えたことをイベントとして検出する。
イベント検出装置10は、画素アレイ部12の他に、画素アレイ部12の周辺回路部として、駆動部13、アービタ部(調停部)14、カラム処理部15、及び、信号処理部16を備えている。
複数の画素11のそれぞれは、イベントを検出した際に、イベントの発生を表すイベントデータの出力を要求するリクエストをアービタ部14に出力する。そして、複数の画素11のそれぞれは、イベントデータの出力の許可を表す応答をアービタ部14から受け取った場合、駆動部13及び信号処理部16に対してイベントデータを出力する。また、イベントを検出した画素11は、光電変換によって生成されるアナログの画素信号をカラム処理部15に対して出力する。
駆動部13は、画素アレイ部12の各画素11を駆動する。例えば、駆動部13は、イベントを検出し、イベントデータを出力した画素11を駆動し、当該画素11のアナログの画素信号を、カラム処理部15へ出力させる。
アービタ部14は、複数の画素11のそれぞれから供給されるイベントデータの出力を要求するリクエストを調停し、その調停結果(イベントデータの出力の許可/不許可)に基づく応答、及び、イベント検出をリセットするリセット信号を画素11に送信する。
カラム処理部15は、例えば、画素アレイ部12の画素列毎に設けられたアナログ−デジタル変換器の集合から成るアナログ−デジタル変換部を有する。アナログ−デジタル変換器としては、例えば、シングルスロープ型のアナログ−デジタル変換器を例示することができる。
カラム処理部15では、画素アレイ部12の画素列毎に、その列の画素11から出力されるアナログの画素信号をデジタル信号に変換する処理が行われる。カラム処理部15では、デジタル化した画素信号に対して、CDS(Correlated Double Sampling)処理を行うこともできる。
信号処理部16は、カラム処理部15から供給されるデジタル化された画素信号や、画素アレイ部12から出力されるイベントデータに対して所定の信号処理を実行し、信号処理後のイベントデータ及び画素信号を出力する。
上述したように、画素11で生成される光電流の変化は、画素11に入射する光の光量変化(輝度変化)とも捉えることができる。従って、イベントは、所定の閾値を超える画素11の光量変化(輝度変化)であるとも言うことができる。イベントの発生を表すイベントデータには、少なくとも、イベントとしての光量変化が発生した画素11の位置を表す座標等の位置情報が含まれる。イベントデータには、位置情報の他、光量変化の極性を含ませることができる。
画素11からイベントが発生したタイミングで出力されるイベントデータの系列については、イベントデータどうしの間隔がイベントの発生時のまま維持されている限り、イベントデータは、イベントが発生した相対的な時刻を表す時刻情報を暗示的に含んでいるということができる。但し、イベントデータがメモリに記憶されること等により、イベントデータどうしの間隔がイベントの発生時のまま維持されなくなると、イベントデータに暗示的に含まれる時刻情報が失われる。そのため、信号処理部16は、イベントデータどうしの間隔がイベントの発生時のまま維持されなくなる前に、イベントデータに、タイムスタンプ等の、イベントが発生した相対的な時刻を表す時刻情報を含める。
[画素アレイ部の構成例]
図3は、イベント検出装置10における画素アレイ部12の構成の一例を示すブロック図である。
複数の画素11が行列状に2次元配列されて成る画素アレイ部12において、複数の画素11のそれぞれは、受光部61、画素信号生成部62、及び、イベント検出部63を有する構成となっている。
上記の構成の画素11において、受光部61は、入射光を光電変換して光電流を生成する。そして、受光部61は、駆動部13(図2参照)の制御に従って、画素信号生成部32及びイベント検出部63のいずれかに、入射光を光電変換して生成した光電流に応じた電圧の信号を供給する。
画素信号生成部62は、受光部61から供給される光電流に応じた電圧の信号を、アナログの画素信号SIGとして生成する。そして、画素信号生成部62は、生成したアナログの画素信号SIGを、画素アレイ部12の画素列毎に配線された垂直信号線VSLを介してカラム処理部15(図2参照)に供給する。
イベント検出部63は、受光部61のそれぞれからの光電流の変化量が所定の検出閾値を超えたか否かにより、イベントの発生の有無を検出する。イベントは、例えば、光電流の変化量が上限の閾値を超えた旨を示すオンイベント、及び、その変化量が下限の閾値を下回った旨を示すオフイベントから成る。また、イベントの発生を表すイベントデータは、例えば、オンイベントの検出結果を示す1ビット、及び、オフイベントの検出結果を示す1ビットから成る。尚、イベント検出部63については、オンイベントのみを検出する構成とすることもできる。
イベント検出部63は、イベントが発生した際に、イベントの発生を表すイベントデータの出力を要求するリクエストをアービタ部14(図2参照)に出力する。そして、イベント検出部63は、リクエストに対する応答をアービタ部14から受け取った場合、駆動部13及び信号処理部16に対してイベントデータを出力する。
[画素の回路構成例]
図4は、イベント検出装置10における画素アレイ部12の画素11の回路構成の一例を示す回路図である。
上述したように、複数の画素11のそれぞれは、受光部61、画素信号生成部62、及び、イベント検出部63を有する構成となっている。
上記の構成の画素11において、受光部61は、受光素子(光電変換素子)611、転送トランジスタ612、及び、転送トランジスタ613を有する構成となっている。転送トランジスタ612及び転送トランジスタ613としては、例えば、N型のMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタを用いることができる。転送トランジスタ612及び転送トランジスタ613は、互いに直列に接続されている。
受光素子611は、転送トランジスタ612と転送トランジスタ613との共通接続ノードN1とグランドとの間に接続されており、入射光を光電変換して入射光の光量に応じた電荷量の電荷を生成する。
転送トランジスタ612のゲート電極には、図2に示す駆動部13から転送信号TRGが供給される。転送トランジスタ612は、転送信号TRGに応答してオン状態になることにより、受光素子611で光電変換されて生成された電気信号を画素信号生成部62に供給する。
転送トランジスタ613のゲート電極には、駆動部13から制御信号OFGが供給される。転送トランジスタ613は、制御信号OFGに応答してオン状態になることにより、受光素子611で光電変換されて生成された電気信号をイベント検出部63に供給する。イベント検出部63に供給される電気信号は、電荷からなる光電流である。
画素信号生成部62は、リセットトランジスタ621、増幅トランジスタ622、選択トランジスタ623、及び、浮遊拡散層624を有する構成となっている。リセットトランジスタ621、増幅トランジスタ622、及び、選択トランジスタ623としては、例えば、N型のMOSトランジスタを用いることができる。
画素信号生成部62には、受光部61の受光素子611で光電変換された電荷が、転送トランジスタ612によって供給される。受光部61から供給される電荷は、浮遊拡散層624に蓄積される。浮遊拡散層624は、蓄積した電荷を、その電荷量に応じた電圧値の電圧信号を生成する。すなわち、浮遊拡散層624は、電荷を電圧に変換する電荷電圧変換部である。
リセットトランジスタ621は、電源電圧VDDの電源ラインと浮遊拡散層624との間に接続されている。リセットトランジスタ621のゲート電極には、駆動部13からリセット信号RSTが供給される。リセットトランジスタ621は、リセット信号RSTに応答してオン状態になることにより、浮遊拡散層624の初期化(リセット)を行う。
増幅トランジスタ622は、電源電圧VDDの電源ラインと垂直信号線VSLとの間に、選択トランジスタ623と直列に接続されている。増幅トランジスタ622は、浮遊拡散層624で電荷電圧変換された電圧信号を増幅する。
選択トランジスタ623のゲート電極には、駆動部13から選択信号SELが供給される。選択トランジスタ623は、選択信号SELに応答してオン状態になることにより、増幅トランジスタ622によって増幅された電圧信号を、アナログの画素信号SIGとして垂直信号線VSLを介してカラム処理部15(図2参照)へ出力する。
上記の構成の画素11が2次元配置されて成る画素アレイ部12を有するイベント検出装置10において、駆動部13は、図1に示す制御部30によって、イベント検出の開始が指示される。そして、イベント検出の開始が指示されると、駆動部13は、受光部61の転送トランジスタ613に制御信号OFGを供給することによって当該転送トランジスタ613を駆動し、受光素子611で生成された電荷に応じた光電流をイベント検出部63に供給させる。
そして、ある画素11においてイベントが検出されると、駆動部13は、その画素11の転送トランジスタ613をオフ状態にしてイベント検出部63への光電流の供給を停止させる。次いで、駆動部13は、転送トランジスタ612に転送信号TRGを供給することによって当該転送トランジスタ612を駆動して、受光素子611で光電変換された電荷を浮遊拡散層624に転送させる。
このようにして、上記の構成の画素11が2次元配置されて成る画素アレイ部12を有するイベント検出装置10は、イベントが検出された画素11の画素信号のみをカラム処理部15に出力する。これにより、イベントの有無に関わらず、全画素の画素信号を出力する場合と比較して、イベント検出装置10の消費電力や、画像処理の処理量を低減することができる。
尚、ここで例示した画素11の構成は一例であって、この構成例に限定されるものではない。例えば、画素信号を出力する必要がない場合には、画素信号生成部62を備えない画素構成とすることもできる。この画素構成の場合は、受光部61において、転送トランジスタ612を省略すればよい。また、図2のカラム処理部15がアナログ−デジタル変換機能の持たない構成とすることができる。画素信号を出力しない画素構成とすることにより、イベント検出装置10の規模の抑制を図ることができる。
[イベント検出部の構成例]
図5は、イベント検出装置10の画素11におけるイベント検出部63の回路構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、本例に係るイベント検出部63は、電流電圧変換部631、バッファ632、減算部633、量子化部634、及び、転送部635を有する構成となっている。
電流電圧変換部631は、画素11の受光部63から供給される光電流を、当該光電流の対数の電圧信号(以下、「光電圧」と記述する場合がある)に変換し、バッファ632に供給する。バッファ632は、電流電圧変換部631から供給される光電圧をバッファリングして減算部633に供給する。
減算部633は、現在の光電圧と、現在と微小時間だけ異なる光電圧との差を演算し、その差に対応する差信号を量子化部634に供給する。量子化部634は、減算部633から供給される差信号をデジタル信号に量子化し、差信号のデジタル値を転送部635に供給する。
転送部635は、量子化部634から差信号のデジタル値が供給されると、イベントデータの送信を要求するリクエストをアービタ部14に供給する。そして、転送部635は、リクエストに対する応答、即ち、イベントデータの出力を許可する旨の応答をアービタ部14から受け取ると、量子化部634から供給される差信号のデジタル値に応じて、イベントデータを、駆動部13及び信号処理部16に供給する。
続いて、イベント検出部63における電流電圧変換部631、減算部633、及び、量子化部634の構成例について説明する。
(電流電圧変換部の構成例)
図6は、イベント検出部63における電流電圧変換部631の構成の一例を示す回路図である。
図6に示すように、本例に係る電流電圧変換部631は、トランジスタ6311、トランジスタ6312、トランジスタ6313、トランジスタ6314、及び、トランジスタ6315、並びに、スイッチ素子SW1、スイッチ素子SW2、スイッチ素子SW3、及び、スイッチ素子SW4を有する回路構成となっている。トランジスタ6311トランジスタ6313、トランジスタ6314、及び、トランジスタ6315としては、N型のMOSトランジスタを用いることができ、トランジスタ6312としては、P型のMOSトランジスタを用いることができる。
トランジスタ6311とトランジスタ6314とは、電源電圧VDDの電源ラインと信号入力線Lとの間に直列に接続されている。トランジスタ6312、トランジスタ6315、及び、トランジスタ6313は、電源電圧VDDの電源ラインとグランドとの間に直列に接続されている。そして、トランジスタ6312及びトランジスタ6315の共通接続ノードN2には、トランジスタ6311のゲート電極と、図5に示すバッファ632の入力端子とが接続されている。
トランジスタ6312のゲート電極には、所定のバイアス電圧Vbiasが印加される。これにより、トランジスタ6312は、一定の電流をトランジスタ6313に供給する。トランジスタ6313のゲート電極には、信号入力線Lを通して、受光部61から光電流が入力される。トランジスタ6311のドレイン電極は、電源電圧VDDの電源ラインに接続されており、ソースフォロワ構成となっている。
トランジスタ6311及びトランジスタ6314の共通接続ノードN3と信号入力線Lとの間には、スイッチ素子SW1が接続されている。すなわち、スイッチ素子SW1は、トランジスタ6314に対して並列に接続されている。トランジスタ6311及びトランジスタ6314の共通接続ノードN3とトランジスタ6315のゲート電極との間には、スイッチ素子SW2が接続されている。
トランジスタ6312及びトランジスタ6315の共通接続ノードN2と、トランジスタ6315及びトランジスタ6313の共通接続ノードN4との間には、スイッチ素子SW3が接続されている。すなわち、スイッチ素子SW3は、トランジスタ6315に対して並列に接続されている。トランジスタ6314のゲート電極とトランジスタ6315及びトランジスタ6313の共通接続ノードN4との間には、スイッチ素子SW4が接続されている。
トランジスタ6313のゲート電極は、トランジスタ6314を介して、ソースフォロワ構成のトランジスタ6311のソース電極に接続されている。そして、ソースフォロワ構成のトランジスタ6311及びトランジスタ6313により、受光部61からの光電流は、当該光電流の対数に対応する光電圧に変換される。
上記の構成の電流電圧変換部631は、スイッチ素子SW1、スイッチ素子SW2、スイッチ素子SW3、及び、スイッチ素子SW4のオン(閉)/オフ(開)制御により、トランジスタがカスケード接続された回路構成と、カスケード接続されてない回路構成とに切り替えが可能である。そして、この回路構成の切り替えにより、イベント検出部63の検出閾値、即ち、イベント検出装置10によるイベント検出の検出感度を制御することができる。電流電圧変換部631の回路構成の切り替えの詳細については後述する。
(減算部及び量子化部の構成例)
図7は、イベント検出部63における減算部633及び量子化部634の構成の一例を示す回路図である。
・減算部の構成例
本例に係る減算部633は、第1の容量素子としての容量素子6331、オペアンプ6332、第2の容量素子としての容量素子6333、及び、スイッチ素子6334を有する構成となっている。
容量素子6331の一端は、図5に示すバッファ632の出力端子に接続され、容量素子6331の他端は、オペアンプ6332の入力端子に接続されている。これにより、オペアンプ6332の入力端子に、バッファ632から供給される光電圧が、容量素子6331を介して入力される。
容量素子6333は、オペアンプ6332に対して並列に接続されている。スイッチ素子6334は、容量素子6333の両端間に接続されている。スイッチ素子6334には当該スイッチ素子6334を開閉する制御信号として、図2に示すアービタ部14からリセット信号が供給される。スイッチ素子6334は、リセット信号に応じて、容量素子6333の両端を接続する経路を開閉する。
上記の構成の減算部633において、スイッチ素子6334をオン(閉)状態とした際に、容量素子6331のバッファ632側の端子に入力される光電圧をVinitとする。容量素子6331のバッファ632側の端子に光電圧Vinitが入力されたとき、その逆側の端子は仮想接地端子となる。この仮想接地端子の電位を、便宜上、ゼロとする。このとき、容量素子6331の容量値をC1とすると、容量素子6331に蓄積されている電荷Qinitは、次式(1)により表される。
init=C1×Vinit ・・・(1)
また、スイッチ素子6334をオン状態である場合には、容量素子6333の両端は短絡されているため、容量素子6333に蓄積される電荷はゼロとなる。その後、スイッチ素子6334がオフ(開)状態となる。スイッチ素子6334がオフ状態の場合の、容量素子6331のバッファ632側の端子の光電圧をVafterと表すこととする。スイッチ素子6334がオフ状態になった場合に容量素子6331に蓄積される電荷Qafterは、次式(2)により表される。
after=C1×Vafter ・・・(2)
容量素子6333の容量値をC2と表すとともに、オペアンプ6332の出力電圧をVoutと表すこととすると、容量素子6333に蓄積される電荷Q2は、次式(3)により表される。
2=−C2×Vout ・・・(3)
スイッチ素子6334がオフする前後で、容量素子6331の電荷量と容量素子6333の電荷量とを合わせた総電荷量は変化しないため、次の式(4)が成立する。
init=Qafter+Q2 ・・・(4)
式(4)に式(1)乃至式(3)を代入すると、次式(5)が得られる。
out=−(C1/C2)×(Vafter−Vinit) ・・・(5)
式(5)によれば、減算部633では、光電圧Vinitと光電圧Vafterとの減算、即ち、光電圧Vinitと光電圧Vafterとの差(Vinit−Vafter)に対応する差信号Voutの算出が行われる。また、式(5)によれば、減算部633の減算の利得はC1/C2となる。通常、減算部633の減算の利得を最大化することが望まれるため、容量素子6331の容量値C1を大きく、容量素子6333の容量値C2を小さく設計することが好ましい。
一方、容量素子6333の容量値C2が小さすぎると、kTCノイズが増大し、ノイズ特性が悪化するおそれがあるため、容量素子6333の容量値C2の容量削減は、ノイズを許容することができる範囲に制限される。また、画素11毎に減算部633を含むイベント検出部63が搭載されるため、容量素子6331や容量素子6333には、面積上の制約がある。これらを考慮して、容量素子6331の容量値C1及び容量素子6333の容量値C2が決定される。
上記の構成の減算部633において、第1の容量素子である容量素子6331、及び、第2の容量素子である容量素子6333として、容量値が可変な可変容量素子を用いることができる。そして、容量素子6331と容量素子6333との容量比(C1/C2)を変えることにより、イベント検出部63の検出閾値、即ち、イベント検出装置10によるイベント検出の検出感度を制御することができる。
・量子化部の構成例
図7において、量子化部634は、コンパレータ6341を有する構成となっている。コンパレータ6341は、減算部430からの差信号(即ち、オペアンプ6332の出力信号)を非反転(+)入力とし、所定の閾値電圧Vthを反転(−)入力としている。そして、コンパレータ6341は、減算部430からの差信号Voutと所定の閾値電圧Vthとを比較し、比較結果を表す、高レベル又は低レベルを、差信号Voutの量子化値として、図5に示す転送部635に出力する。
上記の構成の量子化部634において、閾値電圧Vthが可変な構成とすることができる。そして、量子化部634の閾値電圧Vthを調整することにより、イベント検出部63の検出閾値、即ち、イベント検出装置10によるイベント検出の検出感度を制御することができる。
転送部635は、量子化部634からの差信号Voutの量子化値から、イベントとしての光量変化(輝度変化)が発生したと認められる場合、即ち、差信号Voutが所定の閾値電圧Vthよりも大きい(又は、小さい)場合に、イベントの発生を表す、例えば高レベルのイベントデータを、図2の信号処理部16に出力する。
図2において、信号処理部16は、転送部635から供給されるイベントデータに、そのイベントデータが表すイベントを検出した画素11の位置情報、及び、イベントが発生した時刻を表す時刻情報、更には、必要に応じて、イベントとしての光量変化の極性情報を含めて出力する。
イベントを検出した画素11の位置情報、イベントが発生した時刻を表す時刻情報、及び、イベントとしての光量変化の極性情報を含むイベントデータのデータ形式としては、例えば、AER(Address Event Representation)と呼ばれるデータ形式を採用することができる。
尚、画素11では、カラーフィルタ等の所定の光を透過する光学フィルタを設けること等によって、入射光として、任意の光を受光することができる。例えば、画素11において、入射光として、可視光を受光する場合、イベントデータは、視認することができる被写体が映る画像における画素値の変化の発生を表す。また、例えば、画素11において、入射光として、測距のための赤外線やミリ波等を受光する場合、イベントデータは、被写体までの距離の変化の発生を表す。更に、例えば、画素11において、入射光として、温度の測定のための赤外線を受光する場合、イベントデータは、被写体の温度の変化の発生を表す。本実施形態では、画素11において、入射光として、可視光を受光することとする。
[チップ構造の構成例]
以上説明したイベント検出装置10のチップ(半導体集積回路)構造としては、例えば、積層型のチップ構造を採ることができる。図8は、イベント検出装置10の積層型のチップ構造の概略を示す分解斜視図である。
図8に示すように、積層型のチップ構造、所謂、積層構造は、第1のチップである受光チップ101、及び、第2のチップである検出チップ102の少なくとも2つのチップが積層された構造となっている。そして、図4に示す画素11の回路構成において、受光素子611のそれぞれが受光チップ101上に配置され、受光素子611以外の素子の全てや、画素11の他の回路部分の素子などが検出チップ102上に配置される。受光チップ101と検出チップ102とは、ビア(VIA)、Cu−Cu接合、バンプなどの接続部を介して電気的に接続される。
尚、ここでは、受光素子611を受光チップ101に配置し、受光素子611以外の素子や画素11の他の回路部分の素子などを検出チップ102に配置する構成例を例示したが、この構成例に限られるものではない。
例えば、図4に示す画素11の回路構成において、受光部61の各素子を受光チップ101に配置し、受光部61以外の素子や画素11の他の回路部分の素子などを検出チップ102に配置する構成とすることができる。また、受光部61の各素子、及び、画素信号生成部62のリセットトランジスタ621、浮遊拡散層624を受光チップ101に配置し、それ以外の素子を検出チップ102に配置する構成とすることができる。更には、イベント検出部63を構成する素子の一部を、受光部61の各素子などと共に受光チップ101に配置する構成とすることができる。
以下に、上記の構成の第1実施形態に係る撮像システム1Aにおいて実行される、イベント検出の処理の具体的な実施例について説明する。以下で説明するイベント検出は、基本的に、撮像システム1の制御部30による制御の下に実行されることとする。この点については、後述する各実施例においても同様である。
[実施例1]
実施例1は、第1実施形態に係る撮像システム1Aにおいて、車外情報を与える環境センサとして、雨量を計測する雨量計を用い、雨量計の測定値を基に、イベント検出部63の検出閾値(以下、単に「イベント検出閾値」と記述する場合がある)を制御する例である。実施例1に係るイベント検出処理の流れの一例を図9のフローチャートに示す。
制御部30は、イベント検出部63の検出閾値として所定の初期設定値を設定し、イベント検出装置10による撮影を行う(ステップS11)。イベント検出閾値については、先述した電流電圧変換部631の回路構成、減算部633における容量素子6331と容量素子6333との容量比、あるいは、量子化部634における閾値電圧Vthによって設定することができる。この点については、後述する実施例においても同様である。
イベント検出装置10によって撮影している状態において、制御部30は、車外情報として与えられる雨量計の測定値を取得し(ステップS12)、次いで、雨量計の測定値が所定の閾値以上か否かを判断する(ステップS13)。所定の閾値以上でなければ(S13のNO)、ステップS11に戻ってイベント検出装置10による撮影を継続する。
制御部30は、雨量計の測定値が所定の閾値以上であれば(S13のYES)、イベント検出部63の検出閾値を、例えば一定値上げる制御を行う(ステップS14)。イベント検出部63の検出閾値を上げるということは、イベント検出装置10のイベント検出の検出感度(イベント検出装置10のゲイン)を下げるということである。イベント検出閾値の制御の具体例については後述する。
雨量計の測定値が所定の閾値以上ということは、雨量が多いということである。雨量が多い状況下では、イベント検出装置10が多数の水滴(雨粒)等の発生をイベントとして検出する場合がある。この場合、イベントとして検出した水滴(雨粒)等が、本来、イベント検出装置10でイベントとして検出したい物体(車や歩行者等)のノイズとなってしまい、物体認識の精度の低下を招く可能性がある。
そこで、制御部30は、イベント検出部63の検出閾値を上げるという制御を行うことで、イベント検出装置10のイベント検出の検出感度(イベント検出装置10のゲイン)を、水滴等の発生をノイズとして検出しないような感度に変更する制御を行う。イベント検出の検出閾値を上げた後も、イベント検出装置10による撮影が継続され、イベント検出装置10では、制御部30によって変更された検出感度の下でイベントの検出処理が行われる。
制御部30は再び、雨量計の測定値を取得し(ステップS15)、次いで、雨量計の測定値が所定の閾値未満になったか否かを判断し(ステップS16)、まだ所定の閾値以上であれば(S16のNO)、ステップS15に戻って雨量計の測定値を取得を繰り返して実行する。そして、制御部30は、雨量計の測定値が所定の閾値未満になった場合は(S16のYES)、例えば、雨が上がったものと判断し、イベント検出閾値を所定値だけ下げる、又は、初期設定値に戻す制御を行う(ステップS17)。
イベント検出閾値を下げる、又は、初期設定値に戻す制御を行った後、制御部30は、イベント検出装置10による撮影の終了か否かを判断し(ステップS18)、終了でなければ(S18のNO)、ステップS11に戻って、上述した一連の処理を繰り返して実行する。制御部30は、イベント検出装置10による撮影の終了であれば(S18のYES)、イベント検出のための一連の処理を終了する。
(イベント検出閾値の制御について)
ここで、ステップS14又はステップS17の処理で行われるイベント検出閾値の制御の具体例について説明する。イベント検出装置10のゲインを決めるイベント検出閾値については、電流電圧変換部631の回路構成、減算部633における容量素子6331と容量素子6333との容量比、あるいは、量子化部634における閾値電圧Vthを変えることによって制御することができる。
ここで、電流電圧変換部631の回路構成を変えることによる、イベント検出閾値の制御について具体的に説明する。
図6に示す構成の電流電圧変換部631では、信号入力線Lを通して、受光部61から供給される光電流が、当該光電流の対数に対応する光電圧に変換される。そして、光電圧は、トランジスタ6312及びトランジスタ6315の共通接続ノードN2からバッファ632へ出力される。
電流電圧変換部631で、スイッチ素子SW1及びスイッチ素子SW3がオン状態になる場合、又は、オフ状態になる場合のそれぞれにおいて、スイッチ素子SW2及びスイッチ素子SW4がオン状態又はオフ状態になることで、イベント検出部63の検出閾値が変更される。
スイッチ素子SW1及びスイッチ素子SW3がオン状態で、スイッチ素子SW2及びスイッチ素子SW4がオフ状態の場合の電流電圧変換部631の実質的な回路構成を第1の回路構成として図10に示す。
また、スイッチ素子SW1及びスイッチ素子SW3がオフ状態で、スイッチ素子SW2及びスイッチ素子SW4がオン状態の場合の電流電圧変換部631の実質的な回路構成を第2の回路構成として図11に示す。
スイッチ素子SW1及びスイッチ素子SW3がオン状態で、スイッチ素子SW2及びスイッチ素子SW4がオフ状態の第1の回路構成の場合、電流電圧変換部631は、図10に示すように、トランジスタ6311及びトランジスタ6314がカスケード接続されず、かつ、トランジスタ6313及びトランジスタ6315がカスケード接続されない回路構成となる。
スイッチ素子SW1及びスイッチ素子SW3がオフ状態で、スイッチ素子SW2及びスイッチ素子SW4がオン状態の第2の回路構成の場合、電流電圧変換部631は、図11に示すように、トランジスタ6311及びトランジスタ6314がカスケード接続され、かつ、トランジスタ6313及びトランジスタ6315がカスケード接続された回路構成となる。
ここで、例えば、トランジスタ6311及びトランジスタ6313、並びに、トランジスタ6314及びトランジスタ6315が、同一の仕様の電界効果トランジスタから成るものとする。すると、図11に示す第2の回路構成の場合のイベント検出部63のゲイン(イベント検出閾値)は、図10に示す第1の回路構成の場合の約2倍となる。
従って、図9の実施例1に係るイベント検出処理でのステップS14の処理において、電流電圧変換部631の回路構成を、図11に示す第2の回路構成から、図10に示す第1の回路構成に切り替えることで、イベント検出閾値、即ち、イベント検出の検出感度を下げることができる。
尚、図6に示す構成の電流電圧変換部631では、トランジスタを2段のカスケード接続にする回路構成を例示したが、2段のカスケード接続に限定されるものではなく、3段以上のカスケード接続の回路構成にすることもできる。
ここでは、イベント検出閾値の制御について、電流電圧変換部631の回路構成を切り替える場合を例に挙げて説明したが、減算部633における容量素子6331と容量素子6333との容量比、又は、量子化部634における閾値電圧Vthを変えることによってもイベント検出閾値を制御することができる。
具体的には、図7に示す構成の減算部633において、第1の容量素子である容量素子6331と第2の容量素子である容量素子6333との容量比(C1/C2)を変えることにより、イベント検出閾値を制御することができる。また、図7に示す構成の量子化部634において、コンパレータ6341の反転(−)入力となる閾値電圧Vthをを調整することにより、イベント検出閾値を制御することができる。
[実施例2]
実施例2は、第1実施形態に係る撮像システム1Aにおいて、雨量計の測定値とノイズ情報とを併用して、イベント検出閾値を制御する例である。実施例2に係るイベント検出処理の流れの一例を図12のフローチャートに示す。
制御部30は、イベント検出閾値として所定の初期設定値を設定し、イベント検出装置10による撮影を行う(ステップS21)。イベント検出装置10によって撮影している状態において、制御部30は、車外情報として与えられる雨量計の測定値を取得し(ステップS22)、次いで、雨量計の測定値が所定の閾値以上か否かを判断する(ステップS23)。所定の閾値以上でなければ(S23のNO)、ステップS21に戻ってイベント検出装置10による撮影を継続する。
制御部30は、雨量計の測定値が所定の閾値以上であれば(S23のYES)、続いて、面内におけるイベント数(イベント検出数)が所定の閾値以上か否かを判断し(ステップS24)、面内におけるイベント数が閾値以上でなければ(S24のNO)、ステップS21に戻ってイベント検出装置10による撮影を継続する。ここで、「面内」とは、イベント検出装置10の画角に対応する撮影エリア内、又は、当該撮影エリア内の特定のエリア内をいう。
制御部30は、面内におけるイベント数が閾値以上であれば(S24のYES)、イベント検出部63の検出閾値を、例えば一定値上げる制御を行う(ステップS25)。すなわち、雨量計の測定値が閾値以上で、かつ、面内におけるイベント数が閾値以上の場合、雨量が多く、しかも、多数の水滴等の発生が、本来、イベント検出装置10でイベントとして検出したい物体(車や歩行者等)のノイズとなる可能性が高いと判断する。
そこで、制御部30は、イベント検出部63の検出閾値を上げるという制御を行うことで(ステップS25)、イベント検出の検出感度(イベント検出装置10のゲイン)を、水滴等の発生をノイズとして検出しないような感度に変更する。イベント検出閾値を上げた後も、イベント検出装置10による撮影が継続され、イベント検出装置10では、制御部30によって変更された検出感度の下でイベントの検出処理が行われる。
制御部30は再び、雨量計の測定値を取得し(ステップS26)、次いで、雨量計の測定値が所定の閾値未満になったか否かを判断し(ステップS27)、まだ所定の閾値以上であれば(S27のNO)、ステップS26に戻って雨量計の測定値を取得を繰り返して実行する。そして、制御部30は、雨量計の測定値が所定の閾値未満になったと判断した場合は(S27のYES)、イベント検出閾値を所定値だけ下げる、又は、初期設定値に戻す制御を行う(ステップS28)。
イベント検出閾値を下げる、又は、初期設定値に戻す制御を行った後、制御部30は、イベント検出装置10による撮影の終了か否かを判断し(ステップS29)、終了でなければ(S29のNO)、ステップS21に戻って、上述した一連の処理を繰り返して実行する。制御部30は、イベント検出装置10による撮影の終了であれば(S29のYES)、イベント検出のための一連の処理を終了する。
<第1実施形態に係る物体認識システムの構成例>
次に、上記の構成の第1実施形態に係る撮像システム1Aを用いて物体認識を行う、第1実施形態に係る物体認識システムについて説明する。第1実施形態に係る物体認識システムは、第1実施形態に係る撮像システム1Aと同様に、車両等の移動体に搭載されてイベントの物体認識に用いることができる。
図13は、第1実施形態に係る物体認識システムのシステム構成の一例を示すブロック図である。
図13に示すように、第1実施形態に係る物体認識システム2Aは、図1に示した第1実施形態に係る撮像システム1Aにおけるイベント検出装置10、制御部30、データ処理部40、及び、画像記録部50に加えて、認識処理部60を有する構成となっている。イベント検出装置10、制御部30、データ処理部40、及び、画像記録部50の詳細については、前述した通りである。
上記の構成の第1実施形態に係る物体認識システム2Aにおいて、データ処理部40で処理されたイベントデータは、認識処理部60に供給される。認識処理部60は、データ処理部40から供給されるイベントデータに基づいて、イベントの物体認識の処理を行う。認識処理部60での物体認識には、周知のパターン認識技術、例えば、教師データとして与えられる画像の特徴点と、撮影した被写体画像の特徴点とを比較することによって画像認識を行う技術を用いることができる。
[実施例3]
実施例3は、第1実施形態に係る物体認識システム2Aにおいて、物体認識結果をイベント検出閾値の制御に反映させる例である。実施例3に係るイベント検出処理の流れの一例を図14のフローチャートに示す。
制御部30は、イベント検出閾値として所定の初期設定値を設定し、イベント検出装置10による撮影を行う(ステップS31)。イベント検出装置10によって撮影している状態において、制御部30は、車外情報として与えられる雨量計の測定値を取得し(ステップS32)、次いで、雨量計の測定値が所定の閾値以上か否かを判断する(ステップS33)。所定の閾値以上でなければ(S33のNO)、ステップS31に戻ってイベント検出装置10による撮影を継続する。
制御部30は、雨量計の測定値が所定の閾値以上であれば(S33のYES)、イベント検出閾値を上げる制御を行い(ステップS34)、イベント検出の検出感度を、水滴等の発生をノイズとして検出しないような感度に変更する。イベント検出閾値を上げた後も、イベント検出装置10による撮影が継続され、イベント検出装置10では、制御部30によって変更された検出感度の下でイベントの検出が行われる。
次に、制御部30は、イベント検出装置10から出力されるイベントの発生を表すイベントデータに基づいて物体認識処理を行い(ステップS35)、次いで、物体認識が成功か否かを判断する(ステップS36)。ステップS35の物体認識処理の具体例については後述する。物体認識が成功か否かについては、例えば、画角に占める車の領域が一定の割合以上であるか否かによって判断することができる。
制御部30は、物体認識が失敗であれば(S36のNO)、ステップS34に戻ってイベント検出閾値を上げる制御を行う。すなわち、ステップS34→ステップS35→ステップS36→ステップS34のループ処理により、物体を認識できる範囲までイベント検出閾値を上げる制御が行われることになる。イベント検出閾値を上げることで、水滴等によるノイズの影響を軽減することができる。
制御部30は、物体認識が成功であれば(S36のYES)、雨量計の測定値を取得し(ステップS37)、次いで、雨量計の測定値が所定の閾値未満になったか否かを判断し(ステップS38)、まだ所定の閾値以上であれば(S38のNO)、ステップS37に戻って雨量計の測定値を取得を繰り返して実行する。そして、制御部30は、雨量計の測定値が所定の閾値未満になったと判断した場合は(S38のYES)、イベント検出閾値を所定値だけ下げる、又は、初期設定値に戻す制御を行う(ステップS39)。
イベント検出閾値を下げる、又は、初期設定値に戻す制御を行った後、制御部30は、イベント検出装置10による撮影の終了か否かを判断し(ステップS40)、終了でなければ(S40のNO)、ステップS41に戻って、上述した一連の処理を繰り返して実行する。制御部30は、イベント検出装置10による撮影の終了であれば(S40のYES)、イベント検出のための一連の処理を終了する。
図15は、ステップS35の物体認識処理の具体例の処理の一例を示すフローチャートである。
制御部30は、イベント検出装置10の情報(例えば、イベントの発生を表すイベントデータ)を用いて物体、例えば車を検知し(ステップS41)、次いで、画角内において車として検知できるエリアを特定する処理を行う(ステップS42)。次に、制御部30は、車として検知できるエリアが、所定の閾値以上であるか否かを判断し(ステップS43)、所定の閾値未満であれば(S43のNO)、ステップS42の処理に戻り、所定の閾値以上であれば(S43のYES)、車(物体)として認識し、図14のフローに戻り、ステップS36の処理に移行する。
尚、上述した実施例3では、雨量計の測定値に基づいてイベント検出閾値を制御する実施例1に対して、物体認識結果をイベント検出閾値の制御に反映させる技術を適用した場合を例示したが、雨量計の測定値とノイズ情報とを併用して、イベント検出閾値を制御する実施例2に対しても、同様に適用することができる。
≪本開示の第2実施形態≫
<第2実施形態に係る撮像システムの構成例>
図16は、本開示の第2実施形態に係る撮像システムのシステム構成の一例を示すブロック図である。
図16に示すように、本開示の第2実施形態に係る撮像システム1Bは、イベント検出装置10、撮像装置20、制御部30、データ処理部40、及び、画像記録部50を有する構成となっている。イベント検出装置10、制御部30、データ処理部40、及び、画像記録部50については、第1実施形態に係る撮像システム1Aにおいて説明した通りである。
撮像装置20は、垂直同期信号に同期して固定のフレームレートで撮像を行い、フレーム形式の画像データを出力する同期型の撮像装置を用いることができる。同期型の撮像装置としては、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型イメージセンサや、CCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサ等を例示することができる。
<撮像装置の構成例>
第2実施形態に係る撮像システム1Bにおける撮像装置20の基本的な構成について説明する。ここでは、撮像装置20として、X−Yアドレス方式の撮像装置の一種であるCMOS型イメージセンサを例に挙げて説明する。CMOS型イメージセンサは、CMOSプロセスを応用して、又は、部分的に使用して作製されたイメージセンサである。但し、撮像装置20としては、CMOS型イメージセンサに限られるものではない。
[CMOS型イメージセンサの構成例]
図17は、本開示の第2実施形態に係る撮像システム1Bにおける撮像装置20の一例であるCMOSイメージセンサの構成の概略を示すブロック図である。
本例に係る撮像装置20は、受光部(光電変換部)を含む画素21が行方向及び列方向に、即ち、行列状に2次元配置されて成る画素アレイ部22、及び、当該画素アレイ部22の周辺回路部を有する構成となっている。ここで、行方向とは、画素行の画素21の配列方向を言い、列方向とは、画素列の画素21の配列方向を言う。画素21は、光電変換を行うことにより、受光した光量に応じた光電荷を生成し、蓄積する。
本例に係る撮像装置20は、画素アレイ部22の各画素21に、例えば、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の各色フィルタが組み込まれたRGBセンサである。但し、撮像装置20は、RGBセンサに限られるものではない。
画素アレイ部22の周辺回路部は、例えば、行選択部23、定電流源部24、アナログ−デジタル変換部25、水平転送走査部26、信号処理部27、及び、タイミング制御部28等によって構成されている。
画素アレイ部22において、行列状の画素配列に対し、画素行毎に画素駆動線311〜31m(以下、総称して「画素駆動線31」と記述する場合がある)が行方向に沿って配線されている。また、画素列毎に垂直信号線321〜32n(以下、総称して「垂直信号線32」と記述する場合がある)が列方向に沿って配線されている。画素駆動線31は、画素21から信号を読み出す際の駆動を行うための駆動信号を伝送する。図1では、画素駆動線31について1本の配線として図示しているが、1本に限られるものではない。画素駆動線31の一端は、行選択部23の各行に対応した出力端に接続されている。
以下に、画素アレイ部22の周辺回路部の各回路部、即ち、行選択部23、定電流源部24、アナログ−デジタル変換部25、水平転送走査部26、信号処理部27、及び、タイミング制御部28について説明する。
行選択部23は、シフトレジスタやアドレスデコーダなどによって構成され、画素アレイ部22の各画素21の選択に際して、画素行の走査や画素行のアドレスを制御する。この行選択部23は、その具体的な構成については図示を省略するが、一般的に、読出し走査系と掃出し走査系の2つの走査系を有する構成となっている。
読出し走査系は、画素21から画素信号を読み出すために、画素アレイ部22の各画素21を行単位で順に選択走査する。画素21から読み出される画素信号はアナログ信号である。掃出し走査系は、読出し走査系によって読出し走査が行われる読出し行に対して、その読出し走査よりもシャッタスピードの時間分だけ先行して掃出し走査を行う。
この掃出し走査系による掃出し走査により、読出し行の画素21の受光部(光電変換部)から不要な電荷が掃き出されることによって当該受光部がリセットされる。そして、この掃出し走査系による不要電荷の掃き出す(リセットする)ことにより、所謂、電子シャッタ動作が行われる。ここで、電子シャッタ動作とは、受光部の光電荷を捨てて、新たに露光を開始する(光電荷の蓄積を開始する)動作のことを言う。
定電流源部24は、画素列毎に垂直信号線321〜32nの各々に接続された、例えばMOSトランジスタから成る複数の電流源I(図18参照)を備えており、行選択部23によって選択走査された画素行の各画素21に対し、垂直信号線321〜32nの各々を通してバイアス電流を供給する。
アナログ−デジタル変換部25は、画素アレイ部22の画素列に対応して設けられた(例えば、画素列毎に設けられた)複数のアナログ−デジタル変換器の集合から成る。アナログ−デジタル変換部25は、画素列毎に垂直信号線321〜32nの各々を通して出力されるアナログの画素信号を、デジタル信号に変換する列並列型のアナログ−デジタル変換部である。
列並列アナログ−デジタル変換部25におけるアナログ−デジタル変換器としては、例えば、参照信号比較型のアナログ−デジタル変換器の一例であるシングルスロープ型のアナログ−デジタル変換器を用いることができる。但し、アナログ−デジタル変換器としては、シングルスロープ型のアナログ−デジタル変換器に限られるものではなく、逐次比較型のアナログ−デジタル変換器やデルタ−シグマ変調型(ΔΣ変調型)のアナログ−デジタル変換器などを用いることができる。
この列並列アナログ−デジタル変換部25におけるアナログ−デジタル変換器の例については、先述したイベント検出装置10のカラム処理部15(図2参照)を構成するアナログ−デジタル変換部におけるアナログ−デジタル変換器においても同様である。
水平転送走査部26は、シフトレジスタやアドレスデコーダなどによって構成され、画素アレイ部22の各画素21の信号の読出しに際して、画素列の走査や画素列のアドレスを制御する。この水平転送走査部26による制御の下に、アナログ−デジタル変換部25でデジタル信号に変換された画素信号が画素列単位で水平転送線(水平出力線)29に読み出される。
信号処理部27は、水平転送線29を通して供給されるデジタルの画素信号に対して、所定の信号処理を行い、2次元の画像データを生成する。例えば、信号処理部27は、縦線欠陥、点欠陥の補正、又は、信号のクランプを行ったり、パラレル−シリアル変換、圧縮、符号化、加算、平均、及び、間欠動作などデジタル信号処理を行ったりする。信号処理部27は、生成した画像データを、本撮像装置20の出力信号として後段の装置に出力する。
タイミング制御部28は、外部から供給される垂直同期信号VDや水平同期信号HD、更には、マスタークロックMCK(図示せず)等に基づいて、各種のタイミング信号、クロック信号、及び、制御信号等を生成する。そして、タイミング制御部28は、これら生成した信号を基に、行選択部23、定電流源部24、アナログ−デジタル変換部25、水平転送走査部26、及び、信号処理部27等の駆動制御を行う。
このタイミング制御部28による制御の下に、本撮像装置20では、垂直同期信号VD等の同期信号に同期して撮像が行われる。すなわち、本撮像装置20は、固定のフレームレートで撮像を行う同期型の撮像装置である。
[画素の回路構成例]
図18は、撮像装置20における画素アレイ部22の画素21の回路構成の一例を示す回路図である。
画素21は、受光部(光電変換部)として、例えば、フォトダイオード211を有している。画素21は、フォトダイオード211の他に、転送トランジスタ212、リセットトランジスタ213、増幅トランジスタ214、及び、選択トランジスタ215を有する画素構成となっている。
尚、ここでは、転送トランジスタ212、リセットトランジスタ213、増幅トランジスタ214、及び、選択トランジスタ215の4つのトランジスタとして、例えばN型のMOSトランジスタを用いているが、ここで例示した4つのトランジスタ212〜215の導電型の組み合わせは一例に過ぎず、これらの組み合わせに限られるものではない。
この画素21に対して、先述した画素駆動線31として、複数の画素駆動線が同一画素行の各画素21に対して共通に配線されている。これら複数の画素駆動線は、行選択部23の各画素行に対応した出力端に画素行単位で接続されている。行選択部23は、複数の画素駆動線に対して転送信号TRG、リセット信号RST、及び、選択信号SELを適宜出力する。
フォトダイオード211は、アノード電極が低電位側電源(例えば、グランド)に接続されており、受光した光をその光量に応じた電荷量の光電荷(ここでは、光電子)に光電変換してその光電荷を蓄積する。フォトダイオード211のカソード電極は、転送トランジスタ212を介して増幅トランジスタ214のゲート電極と電気的に接続されている。ここで、増幅トランジスタ214のゲート電極が電気的に繋がった領域は、フローティングディフュージョン(浮遊拡散領域/不純物拡散領域)FDである。フローティングディフュージョンFDは、電荷を電圧に変換する電荷電圧変換部である。
転送トランジスタ212のゲート電極には、高レベル(例えば、VDDレベル)がアクティブとなる転送信号TRGが行選択部23から与えられる。転送トランジスタ212は、転送信号TRGに応答してオン状態となることにより、フォトダイオード211で光電変換され、当該フォトダイオード211に蓄積された光電荷をフローティングディフュージョンFDに転送する。
リセットトランジスタ213は、電源電圧VDDの電源ラインとフローティングディフュージョンFDとの間に接続されている。リセットトランジスタ213のゲート電極には、高レベルがアクティブとなるリセット信号RSTが行選択部23から与えられる。リセットトランジスタ213は、リセット信号RSTに応答してオン状態となり、フローティングディフュージョンFDの電荷を電源電圧VDDのノードに捨てることによってフローティングディフュージョンFDをリセットする。
増幅トランジスタ214は、ゲート電極がフローティングディフュージョンFDに接続され、ドレイン電極が電源電圧VDDの電源ラインに接続されている。増幅トランジスタ214は、フォトダイオード211での光電変換によって得られる信号を読み出すソースフォロワの入力部となる。増幅トランジスタ214は、ソース電極が選択トランジスタ215を介して垂直信号線32に接続される。そして、増幅トランジスタ214と、垂直信号線32の一端に接続される電流源Iとは、フローティングディフュージョンFDの電圧を垂直信号線32の電位に変換するソースフォロワを構成している。
選択トランジスタ215は、ドレイン電極が増幅トランジスタ214のソース電極に接続され、ソース電極が垂直信号線32に接続されている。選択トランジスタ215のゲート電極には、高レベルがアクティブとなる選択信号SELが行選択部23から与えられる。選択トランジスタ215は、選択信号SELに応答してオン状態となることにより、画素21を選択状態として増幅トランジスタ214から出力される信号を垂直信号線32に伝達する。
尚、ここでは、画素21の画素回路として、転送トランジスタ212、リセットトランジスタ213、増幅トランジスタ214、及び、選択トランジスタ215から成る、即ち4つのトランジスタ(Tr)から成る4Tr構成を例に挙げたが、これに限られるものではない。例えば、選択トランジスタ215を省略し、増幅トランジスタ214に選択トランジスタ25の機能を持たせる3Tr構成とすることもできるし、必要に応じて、トランジスタの数を増やした5Tr以上の構成とすることもできる。
[チップ構造の構成例]
上記の構成の撮像装置20のチップ(半導体集積回路)構造としては、平置型のチップ構造及び積層型のチップ構造を例示することができる。平置型のチップ構造及び積層型のチップ構造のいずれの撮像装置20においても、画素21について、配線層が配される側の基板面を表面(正面)とするとき、表面側から照射される光を取り込む表面照射型の画素構造とすることもできるし、その反対側の裏面側から照射される光を取り込む裏面照射型の画素構造とすることができる。以下に、平置型のチップ構造及び積層型のチップ構造について説明する。
(平置型のチップ構造)
図19は、撮像装置20の平置型のチップ構造の概略を示す平面図である。
図19に示すように、平置型のチップ構造(所謂、平置構造)は、画素21が行列状に配置されて成る画素アレイ部22と同じ半導体基板201上に、画素アレイ部22の周辺の回路部分を形成した構造となっている。具体的には、画素アレイ部22と同じ半導体基板201上に、行選択部23、定電流源部24、アナログ−デジタル変換部25、水平転送走査部26、信号処理部27、及び、タイミング制御部28等が形成されている。
(積層型のチップ構造)
図20は、撮像装置20の積層型のチップ構造の概略を示す分解斜視図である。
図20に示すように、積層型のチップ構造(所謂、積層構造)は、第1半導体基板202及び第2半導体基板203の少なくとも2つの半導体基板が積層された構造となっている。この積層構造において、画素アレイ部22は、1層目の第1半導体基板202に形成される。また、行選択部23、定電流源部24、アナログ−デジタル変換部25、水平転送走査部26、信号処理部27、及び、タイミング制御部28等の回路部分は、2層目の第2半導体基板203に形成される。そして、1層目の第1半導体基板202と2層目の第2半導体基板203とは、ビア(VIA)やCu−Cu接合などの接続部33A,33Bを通して電気的に接続される。
この積層構造の撮像装置20によれば、1層目の第1半導体基板202には画素21の作製に適したプロセスを適用でき、2層目の第2半導体基板203には回路部分の作製に適したプロセスを適用できるため、撮像装置20の製造に当たって、プロセスの最適化を図ることができる。特に、回路部分の作製に当たっては、先端プロセスの適用が可能になる。
尚、ここでは、第1半導体基板202及び第2半導体基板203が積層されて成る2層構造の積層構造を例示したが、積層構造としては、2層構造に限られるものではなく、3層以上の構造とすることもできる。そして、3層以上の積層構造の場合、行選択部23、定電流源部24、アナログ−デジタル変換部25、水平転送走査部26、及び、信号処理部27等の回路部分については、2層目以降の半導体基板に分散して形成することができる。
<第2実施形態に係る物体認識システムのシステム構成例>
次に、上記の構成の第2実施形態に係る撮像システム1Bを用いて物体認識を行う、第2実施形態に係る物体認識システムについて説明する。第2実施形態に係る物体認識システムは、第2実施形態に係る撮像システム1Bと同様に、車両等の移動体に搭載されてイベントの物体認識に用いることができる。
図21は、第2実施形態に係る物体認識システムのシステム構成の一例を示すブロック図である。
図21に示すように、第2実施形態に係る物体認識システム2Bは、図16に示した第2実施形態に係る撮像システム1Bにおけるイベント検出装置10、撮像装置20、制御部30、データ処理部40、及び、画像記録部50に加えて、認識処理部60を有する構成となっている。イベント検出装置10、撮像装置20、制御部30、データ処理部40、及び、画像記録部50の詳細については、前述した通りである。
上記の構成の第2実施形態に係る物体認識システム2Bにおいて、イベント検出装置10から出力されるイベントデータ、及び、撮像装置20から出力される画像データは、データ処理部40で所定のデータ処理が施された後、認識処理部60に供給される。認識処理部60は、データ処理部40から供給されるイベントデータ、又は、画像データに基づいて、イベントの物体認識の処理を行う。認識処理部60での物体認識には、周知のパターン認識技術、例えば、教師データとして与えられる画像の特徴点と、撮影した被写体画像の特徴点とを比較することによって画像認識を行う技術を用いることができる。
以下に、上記の構成の第2実施形態に係る物体認識システム2Bにおいて実行される、イベント検出の具体的な処理の実施例について説明する。第2実施形態に係る物体認識システム2Bでは、イベント検出装置10から出力されるイベントデータ、及び、撮像装置20から出力される画像データに基づいて、車等の物体についての物体認識の処理が行われる。
因みに、非同期型の撮像装置から成るイベント検出装置10では、イベント検出部63を有する画素構成がとられる。そのため、イベント検出装置10は、同期型の撮像装置20に比べて画素サイズが大きくならざるを得ないため、固定のフレームレートで撮像を行う撮像装置20に比べて解像度が低い。一方、同期型の撮像装置から成る撮像装置20は、非同期型の撮像装置に比べて解像度に優れている。
[実施例4]
実施例4は、第2実施形態に係る物体認識システム2Bにおいて、物体認識結果をイベント検出閾値の制御に反映させる例である。実施例4に係るイベント検出処理の流れの一例を図22のフローチャートに示す。
制御部30は、イベント検出閾値として所定の初期設定値を設定し、イベント検出装置10による撮影を行う(ステップS51)。イベント検出装置10によって撮影している状態において、制御部30は、車外情報として与えられる雨量計の測定値を取得し(ステップS52)、次いで、雨量計の測定値が所定の閾値以上か否かを判断する(ステップS53)。所定の閾値以上でなければ(S53のNO)、ステップS51に戻ってイベント検出装置10による撮影を継続する。
制御部30は、雨量計の測定値が所定の閾値以上であれば(S53のYES)、イベント検出閾値を上げる制御を行い(ステップS54)、イベント検出の検出感度を、水滴等の発生をノイズとして検出しないような感度に変更する。イベント検出閾値を上げた後も、イベント検出装置10による撮影が継続され、イベント検出装置10では、制御部30によって変更された検出感度でイベントの検出が行われる。
次に、制御部30は、画角に占める車の領域が一定割合以上であるか否かを判断するための物体認識処理を行い(ステップS55)、次いで、物体認識が成功か否かを判断し(ステップS56)、失敗であれば(S56のNO)、ステップS54に戻ってイベント検出閾値を上げる制御を行う。すなわち、ステップS54→ステップS55→ステップS56→ステップS54のループ処理により、物体を認識できる範囲までイベント検出閾値を上げる制御が行われることになる。イベント検出閾値を上げることで、水滴等によるノイズの影響を軽減することができる。ステップS55の物体認識処理の具体例については後述する。
制御部30は、物体認識が成功であれば(S56のYES)、雨量計の測定値を取得し(ステップS57)、次いで、雨量計の測定値が所定の閾値未満になったか否かを判断し(ステップS58)、まだ所定の閾値以上であれば(S58のNO)、ステップS57に戻って雨量計の測定値の取得を繰り返して実行する。そして、制御部30は、雨量計の測定値が所定の閾値未満になり、天候が回復したと判断した場合には(S58のYES)、イベント検出閾値を下げる、又は、初期設定値に戻す制御を行う(ステップS59)。
イベント検出閾値を下げる、又は、初期設定値に戻す制御を行った後、制御部30は、イベント検出装置10による撮影の終了か否かを判断し(ステップS60)、終了でなければ(S60のNO)、ステップS51に戻って、上述した一連の処理を繰り返して実行する。制御部30は、イベント検出装置10による撮影の終了であれば(S60のYES)、イベント検出のための一連の処理を終了する。
図23は、ステップS55の物体認識処理の具体的な処理の一例を示すフローチャートである。
制御部30は、非同期型の撮像装置から成るイベント検出装置10の情報のみで物体、例えば車を検知することが可能か否かを判断し(ステップS61)、可能であれば(S61のYES)、イベント検出装置10の情報(例えば、イベントの発生を表すイベントデータ)を用いて物体、例えば車を検知する(ステップS62)。
次に、制御部30は、画角内において車として検知できるエリアを特定する(ステップS63)。制御部30は、イベント検出装置10のみで車を検知することが不可能であれば(S61のNO)、イベント検出装置10の情報、及び、イベント検出装置10に比べて解像度に優れている撮像装置20の情報を用いて車を検知し(ステップS64)、しかる後、ステップS63の処理に移行する。
次に、制御部30は、車として検知できるエリアが、所定の閾値以上であるか否かを判断し(ステップS65)、所定の閾値未満であれば(S65のNO)、ステップS63の処理に戻り、所定の閾値以上であれば(S65のYES)、車(物体)として認識し、図22のフローに戻り、ステップS56の処理に移行する。
上述したように、物体認識処理において、イベント検出装置10のみで車を検知することができない場合には、非同期型の撮像装置に比べて解像度に優れている撮像装置20を併用することにより、例えば雨天などの悪天候の場合でも、より高い精度で物体認識処理を行うことができる。
[実施例5]
実施例5は、第2実施形態に係る物体認識システム2Bにおいて、雨量計の測定値とノイズ情報とを併用して、イベント検出閾値を制御する例である。実施例5に係るイベント検出処理の流れの一例を図24のフローチャートに示す。
制御部30は、イベント検出閾値として所定の初期設定値を設定し、イベント検出装置10による撮影を行う(ステップS71)。イベント検出装置10によって撮影している状態において、制御部30は、車外情報として与えられる雨量計の測定値を取得し(ステップS72)、次いで、雨量計の測定値が所定の閾値以上か否かを判断する(ステップS73)。所定の閾値以上でなければ(S73のNO)、ステップS71に戻ってイベント検出装置10による撮影を継続する。
制御部30は、雨量計の測定値が所定の閾値以上であれば(S73のYES)、続いて、例えばフロントガラスの面内におけるイベント数(イベント検出数)が所定の閾値以上か否かを判断し(ステップS74)、面内におけるイベント数が閾値以上でなければ(S74のNO)、ステップS71に戻ってイベント検出装置10による撮影を継続する。
制御部30は、面内におけるイベント数が閾値以上であれば(S74のYES)、イベント検出閾値を上げる制御を行う(ステップS75)。すなわち、雨量計の測定値が閾値以上で、かつ、面内におけるイベント数が閾値以上の場合、雨量が多く、しかも、多数の水滴等の発生が、本来、イベント検出装置10でイベントとして検出したい物体(車や歩行者等)のノイズとなる可能性が高いと判断する。
そこで、制御部30は、イベント検出閾値を上げるという制御を行うことで(ステップS75)、イベント検出の検出感度を、水滴等の発生をノイズとして検出しないような感度に変更する。イベント検出閾値を上げた後も、イベント検出装置10による撮影が継続され、イベント検出装置10では、制御部30によって変更された検出感度でイベントの検出処理が行われる。
次に、制御部30は、物体認識処理(図23の物体認識処理)を行い(ステップS76)、次いで、物体認識が成功か否かを判断し(ステップS77)、物体認識が失敗、即ち、画角に占める車の領域が一定割合未満であれば(S77のNO)、ステップS75に戻ってイベント検出閾値を上げる制御を行う。すなわち、ステップS75→ステップS76→ステップS77→ステップS75のループ処理により、物体を認識できる範囲までイベント検出閾値を上げる制御が行われることになる。イベント検出閾値を上げることで、水滴等によるノイズの影響を軽減することができる。
制御部30は、物体認識が成功、即ち、画角に占める車の領域が一定割合以上であれば(S77のYES)、雨量計の測定値を取得し(ステップS78)、次いで、雨量計の測定値が所定の閾値未満になったか否かを判断し(ステップS79)、まだ所定の閾値以上であれば(S79のNO)、ステップS78に戻って雨量計の測定値の取得を繰り返して実行する。そして、制御部30は、雨量計の測定値が所定の閾値未満になり、天候が回復したと判断した場合には(S79のYES)、イベント検出閾値を下げる、又は、初期設定値に戻す制御を行う(ステップS80)。
イベント検出閾値を下げる、又は、初期設定値に戻す制御を行った後、制御部30は、イベント検出装置10による撮影の終了か否かを判断し(ステップS81)、終了でなければ(S81のNO)、ステップS71に戻って、上述した一連の処理を繰り返して実行する。制御部30は、イベント検出装置10による撮影の終了であれば(S81のYES)、イベント検出のための一連の処理を終了する。
[実施例6]
実施例6は、第2実施形態に係る物体認識システム2Bにおいて、イベント検出閾値の制御の前後に物体認識処理を2回実行する例である。実施例6に係るイベント検出処理の流れの一例を図25のフローチャートに示す。
制御部30は、イベント検出閾値として所定の初期設定値を設定し、イベント検出装置10による撮影を行う(ステップS91)。イベント検出装置10によって撮影している状態において、制御部30は、車外情報として与えられる雨量計の測定値を取得し(ステップS92)、次いで、雨量計の測定値が所定の閾値以上か否かを判断する(ステップS93)。所定の閾値以上でなければ(S93のNO)、ステップS91に戻ってイベント検出装置10による撮影を継続する。
制御部30は、雨量計の測定値が所定の閾値以上であれば(S93のYES)、物体認識処理(図23の物体認識処理)を実行し(ステップS95)、物体認識が成功、即ち、画角に占める車の領域が一定割合以上であれば(S95のNO)、雨量が多い状況でも、物体認識が可能であると判断し、ステップS91に戻って上述した処理を繰り返して実行する。
制御部30は、物体認識が失敗であれば(S95のYES)、雨量が多いため物体認識を行うことが困難であると判断し、イベント検出閾値を上げる制御を行う(ステップS96)。イベント検出閾値を上げた後も、イベント検出装置10による撮影が継続され、イベント検出装置10では、制御部30によって変更された検出感度でイベントの検出処理が行われる。
制御部30は、イベント検出閾値を上げた後再度、物体認識処理(図23の物体認識処理)を行い(ステップS97)、次いで、物体認識が成功か否かを判断し(ステップS98)、物体認識が失敗、即ち、画角に占める車の領域が一定割合未満であれば(S98のNO)、ステップS96に戻ってイベント検出閾値を上げる制御を行う。すなわち、ステップS96→ステップS97→ステップS98→ステップS96のループ処理により、物体を認識できる範囲までイベント検出閾値を上げる制御が行われることになる。イベント検出閾値を上げることで、水滴等によるノイズの影響を軽減することができる。
制御部30は、物体認識が成功であれば(S98のYES)、雨量計の測定値を取得し(ステップS99)、次いで、雨量計の測定値が所定の閾値未満になったか否かを判断し(ステップS100)、まだ所定の閾値以上であれば(S100のNO)、ステップS99に戻って雨量計の測定値の取得を繰り返して実行する。そして、制御部30は、雨量計の測定値が所定の閾値未満になり、天候が回復したと判断した場合には(S100のYES)、イベント検出閾値を下げる、又は、初期設定値に戻す制御を行う(ステップS101)。
イベント検出閾値を下げる、又は、初期設定値に戻す制御を行った後、制御部30は、イベント検出装置10による撮影の終了か否かを判断し(ステップS102)、終了でなければ(S102のNO)、ステップS91に戻って、上述した一連の処理を繰り返して実行する。制御部30は、イベント検出装置10による撮影の終了であれば(S102のYES)、イベント検出のための一連の処理を終了する。
[実施例7]
車の走行中に、イベント検出装置10でイベントとして検出したい物体が複数存在する場合や、雨天走行中に、フロントガラスの領域によって水滴が多く付着したり、全く水滴が付着しなかったりする場合がある。イベントとして検出したい物体が複数存在する場合様子を図26Aに示し、水滴が多く付着したり、全く水滴が付着しなかったりする場合の様子を図26Bに示す。
図26Aには、イベントを検出する領域を、前方を走行する車を含む領域A、走行方向の左側を歩く歩行者を含む領域B、及び、走行方向の左側を走行するバイクを含む領域Cの3つの領域に分けた場合を例示している。図26Bには、フロントガラスに水滴が多く付着した領域A、水滴が少なめに付着した領域B、及び、付着した水滴が極めて少ない、又は、水滴が全く付着しない領域Cの3つの領域に分けた場合を例示している。
実施例7は、図26Aや図26Bに示す状況下において、領域別にイベント検出閾値の制御を行う例である。実施例7に係るイベント検出処理の流れの一例を図27のフローチャートに示す。
例えば、図21に示す第2実施形態に係る物体認識システム2Bにおいて、制御部30は、先ず、領域を判別する処理を行う(ステップS111)。ステップS111の領域判別処理において、図26Aの車を含む領域A、歩行者を含む領域B、及び、バイクを含む領域Cの判別は、例えば、周知のパターン認識技術、例えば、教師データとして与えられる画像の特徴点と、撮影した被写体画像の特徴点とを比較することによって画像認識を行う技術を用いて行うことができる。また、図26Bの水滴が多く付着した領域A、水滴が少なめに付着した領域B、及び、付着した水滴が極めて少ない領域Cの判別は、例えば、イベント検出装置10によって水滴をイベントとして検出するイベント数に基づいて行うことができる。
次に、制御部30は、ステップS111での領域判別処理の結果を基に、イベント検出の対象とする領域を決める(ステップS112)。そして、制御部30は、領域Aの場合、領域Aに対応したイベント検出処理を実行し(ステップS113)、領域Bの場合、領域Bに対応したイベント検出処理を実行し(ステップS114)、領域Cの場合、領域Cに対応したイベント検出処理を実行する(ステップS115)。
ステップS113、ステップS114、及び、ステップS115のイベント検出処理には、例えば、先述した実施例4乃至実施例6に係るイベント検出処理を適用することができる。ここで、例えば、図26Bの水滴が多く付着した領域A、水滴が少なめに付着した領域B、及び、付着した水滴が極めて少ない領域Cのイベント検出閾値の制御について説明する。この場合、例えば、イベント検出閾値の初期設定値を、領域A/B/Cに対応した値に設定することで、各領域に対応したイベント検出閾値の制御を行えることになる。その結果、例えば、水滴が多く付着した領域Aに含まれる、車、歩行者、バイク等の物体の認識精度を上げることができる。尚、イベント検出処理の他の例として、先述した実施例4乃至実施例6に係るイベント検出処理おいて、悪天候か否かの判別を行った後に、領域判別処理を行うようにすることもできる。
≪変形例≫
以上、本開示に係る技術について、好ましい実施形態に基づき説明したが、本開示に係る技術は当該実施形態に限定されるものではない。上記の実施形態において説明した撮像システム及び物体認識システムの構成、構造は例示であっ、変更することができる。例えば、上記の実施形態では、受光部61毎に画素信号生成部62を設けて画素11を構成するとしたが、複数の受光部31を単位としてブロック化し、各画素ブロックに画素信号生成部62を1つずつ設けて、当該画素信号生成部62を画素ブロック内の複数の受光部61を共有する構成とすることもできる。
≪本開示に係る技術の適用例≫
本開示に係る技術は、様々な製品に適用することができる。以下に、より具体的な適用例について説明する。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット、建設機械、農業機械(トラクター)などのいずれかの種類の移動体に搭載される撮像システムや物体認識システムとして実現されてもよい。
<移動体>
図28は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システム7000の概略的な構成例を示すブロック図である。車両制御システム7000は、通信ネットワーク7010を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図28に示した例では、車両制御システム7000は、駆動系制御ユニット7100、ボディ系制御ユニット7200、バッテリ制御ユニット7300、車外情報検出ユニット7400、車内情報検出ユニット7500、及び統合制御ユニット7600を備える。これらの複数の制御ユニットを接続する通信ネットワーク7010は、例えば、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、LAN(Local Area Network)又はFlexRay(登録商標)等の任意の規格に準拠した車載通信ネットワークであってよい。
各制御ユニットは、各種プログラムにしたがって演算処理を行うマイクロコンピュータと、マイクロコンピュータにより実行されるプログラム又は各種演算に用いられるパラメータ等を記憶する記憶部と、各種制御対象の装置を駆動する駆動回路とを備える。各制御ユニットは、通信ネットワーク7010を介して他の制御ユニットとの間で通信を行うためのネットワークI/Fを備えるとともに、車内外の装置又はセンサ等との間で、有線通信又は無線通信により通信を行うための通信I/Fを備える。図28では、統合制御ユニット7600の機能構成として、マイクロコンピュータ7610、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660、音声画像出力部7670、車載ネットワークI/F7680及び記憶部7690が図示されている。他の制御ユニットも同様に、マイクロコンピュータ、通信I/F及び記憶部等を備える。
駆動系制御ユニット7100は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット7100は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。駆動系制御ユニット7100は、ABS(Antilock Brake System)又はESC(Electronic Stability Control)等の制御装置としての機能を有してもよい。
駆動系制御ユニット7100には、車両状態検出部7110が接続される。車両状態検出部7110には、例えば、車体の軸回転運動の角速度を検出するジャイロセンサ、車両の加速度を検出する加速度センサ、あるいは、アクセルペダルの操作量、ブレーキペダルの操作量、ステアリングホイールの操舵角、エンジン回転数又は車輪の回転速度等を検出するためのセンサのうちの少なくとも一つが含まれる。駆動系制御ユニット7100は、車両状態検出部7110から入力される信号を用いて演算処理を行い、内燃機関、駆動用モータ、電動パワーステアリング装置又はブレーキ装置等を制御する。
ボディ系制御ユニット7200は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット7200は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット7200には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット7200は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
バッテリ制御ユニット7300は、各種プログラムにしたがって駆動用モータの電力供給源である二次電池7310を制御する。例えば、バッテリ制御ユニット7300には、二次電池7310を備えたバッテリ装置から、バッテリ温度、バッテリ出力電圧又はバッテリの残存容量等の情報が入力される。バッテリ制御ユニット7300は、これらの信号を用いて演算処理を行い、二次電池7310の温度調節制御又はバッテリ装置に備えられた冷却装置等の制御を行う。
車外情報検出ユニット7400は、車両制御システム7000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット7400には、撮像部7410及び車外情報検出部7420のうちの少なくとも一方が接続される。撮像部7410には、ToF(Time Of Flight)カメラ、ステレオカメラ、単眼カメラ、赤外線カメラ及びその他のカメラのうちの少なくとも一つが含まれる。車外情報検出部7420には、例えば、現在の天候又は気象を検出するための環境センサ、あるいは、車両制御システム7000を搭載した車両の周囲の他の車両、障害物又は歩行者等を検出するための周囲情報検出センサのうちの少なくとも一つが含まれる。
環境センサは、例えば、雨天を検出する雨滴センサ、霧を検出する霧センサ、日照度合いを検出する日照センサ、及び降雪を検出する雪センサのうちの少なくとも一つであってよい。周囲情報検出センサは、超音波センサ、レーダ装置及びLIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)装置のうちの少なくとも一つであってよい。これらの撮像部7410及び車外情報検出部7420は、それぞれ独立したセンサないし装置として備えられてもよいし、複数のセンサないし装置が統合された装置として備えられてもよい。
ここで、図29は、撮像部7410及び車外情報検出部7420の設置位置の例を示す。撮像部7910,7912,7914,7916,7918は、例えば、車両7900のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部のうちの少なくとも一つの位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部7910及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部7918は、主として車両7900の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部7912,7914は、主として車両7900の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部7916は、主として車両7900の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部7918は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
尚、図29には、それぞれの撮像部7910,7912,7914,7916の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲aは、フロントノーズに設けられた撮像部7910の撮像範囲を示し、撮像範囲b,cは、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部7912,7914の撮像範囲を示し、撮像範囲dは、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部7916の撮像範囲を示す。例えば、撮像部7910,7912,7914,7916で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両7900を上方から見た俯瞰画像が得られる。
車両7900のフロント、リア、サイド、コーナ及び車室内のフロントガラスの上部に設けられる車外情報検出部7920,7922,7924,7926,7928,7930は、例えば超音波センサ又はレーダ装置であってよい。車両7900のフロントノーズ、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部に設けられる車外情報検出部7920,7926,7930は、例えばLIDAR装置であってよい。これらの車外情報検出部7920〜7930は、主として先行車両、歩行者又は障害物等の検出に用いられる。
図28に戻って説明を続ける。車外情報検出ユニット7400は、撮像部7410に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像データを受信する。また、車外情報検出ユニット7400は、接続されている車外情報検出部7420から検出情報を受信する。車外情報検出部7420が超音波センサ、レーダ装置又はLIDAR装置である場合には、車外情報検出ユニット7400は、超音波又は電磁波等を発信させるとともに、受信された反射波の情報を受信する。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、降雨、霧又は路面状況等を認識する環境認識処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、車外の物体までの距離を算出してもよい。
また、車外情報検出ユニット7400は、受信した画像データに基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等を認識する画像認識処理又は距離検出処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した画像データに対して歪補正又は位置合わせ等の処理を行うとともに、異なる撮像部7410により撮像された画像データを合成して、俯瞰画像又はパノラマ画像を生成してもよい。車外情報検出ユニット7400は、異なる撮像部7410により撮像された画像データを用いて、視点変換処理を行ってもよい。
車内情報検出ユニット7500は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット7500には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部7510が接続される。運転者状態検出部7510は、運転者を撮像するカメラ、運転者の生体情報を検出する生体センサ又は車室内の音声を集音するマイク等を含んでもよい。生体センサは、例えば、座面又はステアリングホイール等に設けられ、座席に座った搭乗者又はステアリングホイールを握る運転者の生体情報を検出する。車内情報検出ユニット7500は、運転者状態検出部7510から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。車内情報検出ユニット7500は、集音された音声信号に対してノイズキャンセリング処理等の処理を行ってもよい。
統合制御ユニット7600は、各種プログラムにしたがって車両制御システム7000内の動作全般を制御する。統合制御ユニット7600には、入力部7800が接続されている。入力部7800は、例えば、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチ又はレバー等、搭乗者によって入力操作され得る装置によって実現される。統合制御ユニット7600には、マイクロフォンにより入力される音声を音声認識することにより得たデータが入力されてもよい。入力部7800は、例えば、赤外線又はその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、車両制御システム7000の操作に対応した携帯電話又はPDA(Personal Digital Assistant)等の外部接続機器であってもよい。入力部7800は、例えばカメラであってもよく、その場合搭乗者はジェスチャにより情報を入力することができる。あるいは、搭乗者が装着したウェアラブル装置の動きを検出することで得られたデータが入力されてもよい。さらに、入力部7800は、例えば、上記の入力部7800を用いて搭乗者等により入力された情報に基づいて入力信号を生成し、統合制御ユニット7600に出力する入力制御回路などを含んでもよい。搭乗者等は、この入力部7800を操作することにより、車両制御システム7000に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
記憶部7690は、マイクロコンピュータにより実行される各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、及び各種パラメータ、演算結果又はセンサ値等を記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。また、記憶部7690は、HDD(Hard Disc Drive)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス又は光磁気記憶デバイス等によって実現してもよい。
汎用通信I/F7620は、外部環境7750に存在する様々な機器との間の通信を仲介する汎用的な通信I/Fである。汎用通信I/F7620は、GSM(登録商標)(Global System of Mobile communications)、WiMAX、LTE(Long Term Evolution)若しくはLTE−A(LTE−Advanced)などのセルラー通信プロトコル、又は無線LAN(Wi−Fi(登録商標)ともいう)、Bluetooth(登録商標)などのその他の無線通信プロトコルを実装してよい。汎用通信I/F7620は、例えば、基地局又はアクセスポイントを介して、外部ネットワーク(例えば、インターネット、クラウドネットワーク又は事業者固有のネットワーク)上に存在する機器(例えば、アプリケーションサーバ又は制御サーバ)へ接続してもよい。また、汎用通信I/F7620は、例えばP2P(Peer To Peer)技術を用いて、車両の近傍に存在する端末(例えば、運転者、歩行者若しくは店舗の端末、又はMTC(Machine Type Communication)端末)と接続してもよい。
専用通信I/F7630は、車両における使用を目的として策定された通信プロトコルをサポートする通信I/Fである。専用通信I/F7630は、例えば、下位レイヤのIEEE802.11pと上位レイヤのIEEE1609との組合せであるWAVE(Wireless Access in Vehicle Environment)、DSRC(Dedicated Short Range Communications)、又はセルラー通信プロトコルといった標準プロトコルを実装してよい。専用通信I/F7630は、典型的には、車車間(Vehicle to Vehicle)通信、路車間(Vehicle to Infrastructure)通信、車両と家との間(Vehicle to Home)の通信及び歩車間(Vehicle to Pedestrian)通信のうちの1つ以上を含む概念であるV2X通信を遂行する。
測位部7640は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からのGNSS信号(例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号)を受信して測位を実行し、車両の緯度、経度及び高度を含む位置情報を生成する。尚、測位部7640は、無線アクセスポイントとの信号の交換により現在位置を特定してもよく、又は測位機能を有する携帯電話、PHS若しくはスマートフォンといった端末から位置情報を取得してもよい。
ビーコン受信部7650は、例えば、道路上に設置された無線局等から発信される電波あるいは電磁波を受信し、現在位置、渋滞、通行止め又は所要時間等の情報を取得する。尚、ビーコン受信部7650の機能は、上述した専用通信I/F7630に含まれてもよい。
車内機器I/F7660は、マイクロコンピュータ7610と車内に存在する様々な車内機器7760との間の接続を仲介する通信インタフェースである。車内機器I/F7660は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)又はWUSB(Wireless USB)といった無線通信プロトコルを用いて無線接続を確立してもよい。また、車内機器I/F7660は、図示しない接続端子(及び、必要であればケーブル)を介して、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)、又はMHL(Mobile High-definition Link)等の有線接続を確立してもよい。車内機器7760は、例えば、搭乗者が有するモバイル機器若しくはウェアラブル機器、又は車両に搬入され若しくは取り付けられる情報機器のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。また、車内機器7760は、任意の目的地までの経路探索を行うナビゲーション装置を含んでいてもよい。車内機器I/F7660は、これらの車内機器7760との間で、制御信号又はデータ信号を交換する。
車載ネットワークI/F7680は、マイクロコンピュータ7610と通信ネットワーク7010との間の通信を仲介するインタフェースである。車載ネットワークI/F7680は、通信ネットワーク7010によりサポートされる所定のプロトコルに則して、信号等を送受信する。
統合制御ユニット7600のマイクロコンピュータ7610は、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660及び車載ネットワークI/F7680のうちの少なくとも一つを介して取得される情報に基づき、各種プログラムにしたがって、車両制御システム7000を制御する。例えば、マイクロコンピュータ7610は、取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット7100に対して制御指令を出力してもよい。例えば、マイクロコンピュータ7610は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行ってもよい。また、マイクロコンピュータ7610は、取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行ってもよい。
マイクロコンピュータ7610は、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660及び車載ネットワークI/F7680のうちの少なくとも一つを介して取得される情報に基づき、車両と周辺の構造物や人物等の物体との間の3次元距離情報を生成し、車両の現在位置の周辺情報を含むローカル地図情報を作成してもよい。また、マイクロコンピュータ7610は、取得される情報に基づき、車両の衝突、歩行者等の近接又は通行止めの道路への進入等の危険を予測し、警告用信号を生成してもよい。警告用信号は、例えば、警告音を発生させたり、警告ランプを点灯させたりするための信号であってよい。
音声画像出力部7670は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図28の例では、出力装置として、オーディオスピーカ7710、表示部7720及びインストルメントパネル7730が例示されている。表示部7720は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。表示部7720は、AR(Augmented Reality)表示機能を有していてもよい。出力装置は、これらの装置以外の、ヘッドホン、搭乗者が装着する眼鏡型ディスプレイ等のウェアラブルデバイス、プロジェクタ又はランプ等の他の装置であってもよい。出力装置が表示装置の場合、表示装置は、マイクロコンピュータ7610が行った各種処理により得られた結果又は他の制御ユニットから受信された情報を、テキスト、イメージ、表、グラフ等、様々な形式で視覚的に表示する。また、出力装置が音声出力装置の場合、音声出力装置は、再生された音声データ又は音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して聴覚的に出力する。
尚、図28に示した例において、通信ネットワーク7010を介して接続された少なくとも二つの制御ユニットが一つの制御ユニットとして一体化されてもよい。あるいは、個々の制御ユニットが、複数の制御ユニットにより構成されてもよい。さらに、車両制御システム7000が、図示されていない別の制御ユニットを備えてもよい。また、上記の説明において、いずれかの制御ユニットが担う機能の一部又は全部を、他の制御ユニットに持たせてもよい。つまり、通信ネットワーク7010を介して情報の送受信がされるようになっていれば、所定の演算処理が、いずれかの制御ユニットで行われるようになってもよい。同様に、いずれかの制御ユニットに接続されているセンサ又は装置が、他の制御ユニットに接続されるとともに、複数の制御ユニットが、通信ネットワーク7010を介して相互に検出情報を送受信してもよい。
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、例えば、撮像部7910,7912,7914,7916,7918等に適用され得る。具体的には、これらの撮像部に対して、本開示の撮像システムを適用することができる。本開示の撮像システムは、雨や雪などの悪天候の影響を受けることなく、イベントの物体認識を精度よく行うことができるため、安全な車両走行の実現に寄与することが可能となる。
≪本開示がとることができる構成≫
尚、本開示は、以下のような構成をとることもできる。
<A.撮像システム>
[A−1]イベントを検出するイベント検出装置、及び、
イベント検出装置を制御する制御部を備え、
制御部は、車外情報に基づいて、イベント検出装置によるイベント検出の検出感度を制御する、
撮像システム。
[A−2]イベント検出装置は、入射光を光電変換する画素の輝度変化が検出閾値を超えたことをイベントとして検出するイベント検出部を有する、
上記[A−1]に記載の撮像システム。
[A−3]移動体に搭載されて用いられる、
上記[A−2]に記載の撮像システム。
[A−4]制御部は、車外情報に基づいて、イベント検出部の検出閾値を制御する、
上記[A−3]に記載の撮像システム。
[A−5]制御部は、車外情報が悪天候を示す情報であるとき、イベント検出部の検出閾値を上げる制御を行う、
上記[A−4]に記載の撮像システム。
[A−6]制御部は、イベント検出部の検出閾値を上げた後、天候が回復したことを示す車外情報を受けたときは、イベント検出部の検出閾値を下げる、又は、初期設定値に戻す制御を行う、
上記[A−5]に記載の撮像システム。
[A−7]イベント検出部は、画素の光電流を、光電流に対応する電圧に変換する電流電圧変換部を有し、
電流電圧変換部は、トランジスタがカスケード接続された回路構成と、カスケード接続されてない回路構成とに切り替えが可能であり、
制御部は、車外情報に基づいて、電流電圧変換部の回路構成を切り替えることにより、イベント検出部の検出閾値を制御する、
上記[A−4]乃至上記[A−6]のいずれかに記載の撮像システム。
[A−8]イベント検出部は、第1の容量素子及び第2の容量素子を含み、画素の光電流に対応する電圧について、異なるタイミングどうしの電圧の差信号を求める減算部を有し、
制御部は、車外情報に基づいて、減算部の第1の容量素子と第2の容量素子との容量比を変えることにより、イベント検出部の検出閾値を制御する、
上記[A−4]乃至上記[A−6]のいずれかに記載の撮像システム。
[A−9]イベント検出部は、減算部からの差信号を閾値電圧と比較することによってデジタル信号に量子化する量子化部を有し、
制御部は、車外情報に基づいて、量子化部の閾値電圧を調整することにより、イベント検出部の検出閾値を制御する、
上記[A−8]に記載の撮像システム。
[A−10]制御部は、車外情報、及び、イベント検出装置が検出したイベント数に基づいて、イベント検出の検出感度を制御する、
上記[A−1]乃至上記[A−9]のいずれかに記載の撮像システム。
<B.物体認識システム>
[B−1]イベントを検出するイベント検出装置、
車外情報に基づいて、イベント検出装置によるイベント検出の検出感度を制御する制御部、及び、
イベント検出装置から出力されるイベント信号に基づいて、イベント検出装置の画角内の物体認識を行う認識処理部を備える、
物体認識システム。
[B−2]制御部は、イベント検出部の検出閾値を、イベント検出装置の画角内の物体を認識できる範囲まで上げる制御を行う、
上記[B−1]に記載の撮像システム。
[B−3]認識処理部は、画角内において物体として検知できるエリアが所定の閾値以上のとき物体と認識する、
上記[B−1]に記載の物体認識システム。
[B−4]固定のフレームレートで撮像を行う同期型の撮像装置を備える、
上記[B−1]に記載の物体認識システム。
[B−5]認識処理部は、イベント検出装置によって物体を検知できないときは、撮像装置の情報を用いて物体を検知し、画角内において物体として検知できるエリアが所定の閾値以上のとき物体と認識する、
上記[B−4]に記載の物体認識システム。
[B−6]認識処理部は、画角に占める物体の領域が一定の割合以上であるとき認識成功とし、一定の割合未満のとき認識失敗とする、
上記[B−4]又は上記[B−5]に記載の物体認識システム。
[B−7]制御部は、車外情報が悪天候を示す情報で、かつ、イベント検出装置が検出したイベント数が所定の閾値以上のとき、イベント検出部の検出閾値を上げる制御を行う、
上記[B−4]乃至上記[B−6]のいずれかに記載の物体認識システム。
[B−8]制御部は、イベント検出部の検出閾値を上げた後、認識処理部による認識結果が成功で、かつ、天候が回復したことを示す車外情報を受けたとき、イベント検出部の検出閾値を下げる、又は、初期設定値に戻す制御を行う、
上記[B−7]に記載の物体認識システム。
[B−9]制御部は、車外情報が悪天候を示す情報で、かつ、認識処理部による認識結果が失敗のとき、イベント検出部の検出閾値を上げる制御を行う、
上記[B−4]乃至上記[B−6]のいずれかに記載の物体認識システム。
[B−10]制御部は、イベント検出部の検出閾値を上げた後、認識処理部による認識結果が成功で、かつ、天候が回復したことを示す車外情報を受けたとき、イベント検出部の検出閾値を下げる、又は、初期設定値に戻す制御を行う、
上記[B−9]に記載の物体認識システム。
1A・・・第1実施形態に係る撮像システム、1B・・・第2実施形態に係る撮像システム、2A・・・第1実施形態に係る物体認識システム、2B・・・第2実施形態に係る物体認識システム、10・・・イベント検出装置、11・・・画素、12・・・画素アレイ部、13・・・駆動部、14・・・アービタ部(調停部)、15・・・カラム処理部、16・・・信号処理部、20・・・撮像装置、21・・・画素、22・・・画素アレイ部、23・・・行選択部、24・・・定電流源部、25・・・アナログ−デジタル変換部、26・・・水平転送走査部、27・・・信号処理部、28・・・タイミング制御部、30・・・制御部、40・・・データ処理部、50・・・画像記録部、60・・・認識処理部、61・・・受光部、62・・・画素信号生成部、63・・・イベント検出部、

Claims (20)

  1. イベントを検出するイベント検出装置、及び、
    イベント検出装置を制御する制御部を備え、
    制御部は、車外情報に基づいて、イベント検出装置によるイベント検出の検出感度を制御する、
    撮像システム。
  2. イベント検出装置は、入射光を光電変換する画素の輝度変化が検出閾値を超えたことをイベントとして検出するイベント検出部を有する、
    請求項1に記載の撮像システム。
  3. 移動体に搭載されて用いられる、
    請求項2に記載の撮像システム。
  4. 制御部は、車外情報に基づいて、イベント検出部の検出閾値を制御する、
    請求項3に記載の撮像システム。
  5. 制御部は、車外情報が悪天候を示す情報であるとき、イベント検出部の検出閾値を上げる制御を行う、
    請求項4に記載の撮像システム。
  6. 制御部は、イベント検出部の検出閾値を上げた後、天候が回復したことを示す車外情報を受けたときは、イベント検出部の検出閾値を下げる、又は、初期設定値に戻す制御を行う、
    請求項5に記載の撮像システム。
  7. イベント検出部は、画素の光電流を、光電流に対応する電圧に変換する電流電圧変換部を有し、
    電流電圧変換部は、トランジスタがカスケード接続された回路構成と、カスケード接続されてない回路構成とに切り替えが可能であり、
    制御部は、車外情報に基づいて、電流電圧変換部の回路構成を切り替えることにより、イベント検出部の検出閾値を制御する、
    請求項4に記載の撮像システム。
  8. イベント検出部は、第1の容量素子及び第2の容量素子を含み、画素の光電流に対応する電圧について、異なるタイミングどうしの電圧の差信号を求める減算部を有し、
    制御部は、車外情報に基づいて、減算部の第1の容量素子と第2の容量素子との容量比を変えることにより、イベント検出部の検出閾値を制御する、
    請求項4に記載の撮像システム。
  9. イベント検出部は、減算部からの差信号を閾値電圧と比較することによってデジタル信号に量子化する量子化部を有し、
    制御部は、車外情報に基づいて、量子化部の閾値電圧を調整することにより、イベント検出部の検出閾値を制御する、
    請求項8に記載の撮像システム。
  10. 制御部は、車外情報、及び、イベント検出装置が検出したイベント数に基づいて、イベント検出の検出感度を制御する、
    請求項1に記載の撮像システム。
  11. イベントを検出するイベント検出装置、
    車外情報に基づいて、イベント検出装置によるイベント検出の検出感度を制御する制御部、及び、
    イベント検出装置から出力されるイベント信号に基づいて、イベント検出装置の画角内の物体認識を行う認識処理部を備える、
    物体認識システム。
  12. 制御部は、イベント検出部の検出閾値を、イベント検出装置の画角内の物体を認識できる範囲まで上げる制御を行う、
    請求項11に記載の撮像システム。
  13. 認識処理部は、画角内において物体として検知できるエリアが所定の閾値以上のとき物体と認識する、
    請求項11に記載の物体認識システム。
  14. 固定のフレームレートで撮像を行う同期型の撮像装置を備える、
    請求項11に記載の物体認識システム。
  15. 認識処理部は、イベント検出装置によって物体を検知できないときは、撮像装置の情報を用いて物体を検知し、画角内において物体として検知できるエリアが所定の閾値以上のとき物体と認識する、
    請求項14に記載の物体認識システム。
  16. 認識処理部は、画角に占める物体の領域が一定の割合以上であるとき認識成功とし、一定の割合未満のとき認識失敗とする、
    請求項14に記載の物体認識システム。
  17. 制御部は、車外情報が悪天候を示す情報で、かつ、イベント検出装置が検出したイベント数が所定の閾値以上のとき、イベント検出部の検出閾値を上げる制御を行う、
    請求項14に記載の物体認識システム。
  18. 制御部は、イベント検出部の検出閾値を上げた後、認識処理部による認識結果が成功で、かつ、天候が回復したことを示す車外情報を受けたとき、イベント検出部の検出閾値を下げる、又は、初期設定値に戻す制御を行う、
    請求項17に記載の物体認識システム。
  19. 制御部は、車外情報が悪天候を示す情報で、かつ、認識処理部による認識結果が失敗のとき、イベント検出部の検出閾値を上げる制御を行う、
    請求項14に記載の物体認識システム。
  20. 制御部は、イベント検出部の検出閾値を上げた後、認識処理部による認識結果が成功で、かつ、天候が回復したことを示す車外情報を受けたとき、イベント検出部の検出閾値を下げる、又は、初期設定値に戻す制御を行う、
    請求項19に記載の物体認識システム。
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