JP4645545B2 - 通信システム及びタグリーダ - Google Patents
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斯様な問題を解決するには、例えば、特許文献1に開示されているように、全てのタグのID情報が予め記録されているタグを、例えば管理用タグとして用意しておき、最初に管理用タグのデータを読取ってから、読み取り対象とするタグを個別に指定して通信を行うことが考えられる。
また、管理用タグとその他のタグとを、別々のリーダによって読取ることも考えられるが、この場合、複数のリーダの設置スペースが必要であると共に、それらの間でデータを転送する処理も必要となり、制御が複雑になってしまう。
即ち、タグリーダは、第1,第2RFIDタグとの通信に異なる搬送波を使用することで、最初に第2RFIDタグの情報を、衝突を発生させることなく読み出すことができる。そして、その後は、第2RFIDタグより取得した第1RFIDタグのIDを個別に指定することで、第1RFIDタグが複数存在する場合でも、夫々に記録されている情報を衝突を発生させることなく読み出すことができる。
また、タグリーダは、何れか一方の通信方式を実行した場合に、その通信方式に対応するRFIDタグ(タグA)による応答が検出限界となるしきい値に対して、他方の通信方式に対応するRFIDタグ(タグB)が最も接近した状態で応答した場合の信号レベルが有しているマージンを加えて、受信信号の判定しきい値を設定する。
即ち、判定しきい値を、上記の検出限界しきい値で設定すると、タグBが有している上記マージンが「0」になる距離Xまでは、タグリーダがタグA,B双方による応答を受信可能な状態となる。従って、検出限界しきい値に上記マージンを加えて判定しきい値を設定すれば、距離X内におけるタグBの応答検出を排除して、タグAの応答のみを受信可能にすることができる。
そして、請求項5記載の通信システムによれば、素子形状における短辺,長辺の比率が1:2以上となるように変化させるので、アンテナの共振周波数特性を変化させることなく、偏波指向性利得を向上させることができる。
以下、本発明の第1実施例について図1乃至図7を参照して説明する。図1は、通信システムの構成を概略的に示すものである。図1において、パレット1には、複数の部品2が搭載されており、その状態で入荷又は出荷が行われるようになっている。各部品2にはタグ3(タグA,第1RFIDタグ)が貼付されており、それらのタグ3には、夫々の部品2を管理するためのID情報(ID1,ID2,ID3,ID4,・・・)が書き込まれる。
尚、ステップS2におけるタグ3との通信は個別のタグ3を対象とするので、対象とするタグ3(が貼付されている部品2)をパレット1より取り出し、リーダライタ5に近づけて通信を行えば、コリジョンが発生することはない。
そして、リーダライタ5は、アンテナ7を構成するパッチアンテナ素子8の給電位置を変化させて、搬送波の一方を水平偏波で、他方を垂直偏波で送信するようにしたので、1つの素子8を用いて搬送波の偏波面を水平,垂直に切換えることができる。
図8及び図9は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。第2実施例のリーダライタ(タグリーダ)21は、図9に示すように、第1実施例のアンテナ7について給電点13を削除し、給電点12のみとしたアンテナ22を使用する。また、リーダライタ21は、モータなどで構成されるアンテナ回動機構23を備えており、アンテナ22をパッチアンテナ素子8の平面内で90度回動させることで、搬送波の偏波面を変更するように構成されている。
以上のように第2実施例によれば、リーダライタ21は、アンテナ回動機構23を制御してアンテナ22を90度回動させることで、第1,第2通信方式に対応する搬送波の偏波面を簡単に切り替えて送信することができる。
図10及び図11は、本発明の第3実施例を示すものであり、第1実施例と異なる部分について説明する。図10は、リーダライタ(タグリーダ)24の受信側の回路構成を示す機能ブロック図である。即ち、アンテナ25によって受信された応答信号は、検波回路26により搬送波成分が除去されて検波される。その検波出力信号は、2値化回路27において設定されている判定しきい値と比較されることで2値化され、復調回路28は、2値化されたデータ波形に基づき受信データ(タグ3,4の応答データ)を復調する。これらの受信処理の流れ自体は一般的なものであるが、第3実施例では、2値化回路27におけるしきい値レベルの設定に特徴を有している。
また、アンテナ25が垂直偏波の搬送波を送信する場合は、タグ3,4の位置関係が図11とは逆になるので、距離DV内でリーダライタ24がタグ4による応答を受信することは排除され、タグ3による応答のみを受信することができる。
図12は、本発明の第4実施例を示すものである。第4実施例では、例えば、第1実施例におけるアンテナ7に替えて、図12に示す素子形状のアンテナ29を使用する。通常の直線偏波アンテナの場合、パッチアンテナ素子は正方形状となるが、図12(a)に示すアンテナ29Vは、例えば、縦(長辺)125mm×横(短辺)62.5mmの縦長形状であり、水平偏波の電波信号を受信し難く、垂直偏波の電波信号を受信し易く、タグ4に対する通信指向性が高くなっている。一方、図12(b)に示すアンテナ29Hは、縦横の関係がアンテナ29Vとは逆になっており、水平偏波の電波信号を受信し易く、タグ3に対する通信指向性が高くなっている。
そして、タグリーダ本体5aがアンテナ29V,29Hを双方とも備えるか、又は何れか一方のアンテナ29と第2実施例のアンテナ回転機構23とを組み合わせて、タグリーダ本体21aがアンテナ29を90度回動させて使用しても良い。
図13は本発明の第5実施例を示すものである。第5実施例では、タグ3,4側に設けるアンテナの素子形状を変えることで、対応する搬送波の偏波指向性利得を向上させるようにしている。即ち、図13(a)に示すタグ3には、タグチップ30に直線状の素子からなるダイポールアンテナ31を設けて、水平偏波の電波信号を受信し易くしている。一方、図13(b)に示すタグ4には、タグチップ32に直線状の素子を折り返した形状の折り返しダイポールアンテナ33を設けている。折り返しダイポールアンテナ33の場合、折り返し形状をなしている部分に素子が垂直方向に延びている部分があるため、垂直偏波の電波信号が受信し易くなっている。
図14は本発明の第6実施例を示すものであり、第6実施例は、タグ4側に設けるアンテナの素子形状のバリエーションを示す。即ち、垂直偏波の搬送波に対応するタグ4については、タグチップ32に対して、直線状の素子を、途中から夫々図14中左上方側,右下方側に折り曲げた形状のダイポールアンテナ34を設けている。斯様な構成の素子形状のアンテナ34を用いることで、折り曲げにより垂直方向に一致する素子部分が垂直偏波で送信される搬送波の受信に寄与するので、偏波指向性利得が向上する。
第1実施例において、タグ4には、リーダライタ5とは異なるライタによって、図2の情報が予め記録されていても良い。
第4実施例において、アンテナ29の素子形状における短辺,長辺の比率は1:2以上であっても良い。
第5,第6実施例において、アンテナの素子形状を変える場合には、アンテナ31,33,34の形状に限ることなく、各通信方式に対応した搬送波を夫々受信し易くなる形状となるように変更すれば良い。
2つの通信方式で異なる偏波面の角度は、必ずしも90度である必要はない。
部品の管理システムに使用するものに限ることはない。
読出し機能のみを備えるタグリーダに適用しても良い。
Claims (7)
- 第1通信方式によって読み出し可能であり、固有のID情報を有する第1RFIDタグと、
前記第1通信方式とは異なる搬送波を使用する第2通信方式よって読み出し可能であり、固有のID情報を有すると共に、前記第1タグのID情報がデータとして記憶されている第2RFIDタグと、
夫々前記第1,第2通信方式により通信を行うための第1,第2通信手段を備えるタグリーダとで構成される通信システムにおいて、
前記タグリーダは、
前記第2通信手段を介して前記第2RFIDタグと通信を行うことで、前記第1RFIDタグのID情報を読み出すと、
前記第1通信手段を介して、前記第2RFIDタグより読み出したID情報に基づき通信対象に指定した第1RFIDタグと通信を行い、
何れか一方の通信方式を実行した場合に、その通信方式に対応するRFIDタグによる応答が検出限界となるしきい値に対して、他方の通信方式に対応するRFIDタグが最も接近した状態で応答した場合の信号レベルが有しているマージンを加えて、受信信号の判定しきい値を設定することを特徴とする通信システム。 - 前記タグリーダの第1,第2通信手段は、共通のアンテナを使用し、
前記アンテナを構成するアンテナ素子の給電位置が変化することで、前記第1,第2通信方式に対応する搬送波の一方が水平偏波で送信され、他方が垂直偏波で送信されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の通信システム。 - 前記タグリーダは、前記アンテナ素子を回動させる機構を備え、
前記アンテナ素子を90度回動させることで、前記第1,第2通信方式に対応する搬送波の送信を切り替えるように構成されていることを特徴とする請求項2記載の通信システム。 - 前記第1,第2通信方式に使用される搬送波の偏波面が異なる場合、
前記タグリーダは、各通信方式に対応するアンテナの素子形状における短辺,長辺の比率を変えることで、各搬送波の偏波指向性利得を向上させたものを使用することを特徴とする請求項1記載の通信システム。 - 前記素子形状における短辺,長辺の比率が1:2以上となるように変化させることを特徴とする請求項4記載の通信システム。
- 前記第1,第2通信方式に使用される搬送波の偏波面が異なる場合、
前記第1,第2RFIDタグは、アンテナの素子形状を変えることで、各搬送波の偏波指向性利得を向上させたものを使用することを特徴とする請求項1記載の通信システム。 - 請求項1乃至6の何れかに記載の通信システムに使用されることを特徴とするタグリーダ。
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