JP2009130483A - 非接触型icタグ及び非接触型icタグの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】非接触型ICタグ1は、ベースフィルム2の上に第1のループアンテナ4と第2のループアンテナ5を、ダイバシティ機能を有するICチップ3を介して、ほぼ垂直に配設し形成される。平面アンテナ11は、独立した導体から構成される閉ループ形状のアンテナであり、2つの略方形から形成されたアンテナ6と、アンテナ6角部に対角に一対の摂動素子部7を設ける。物品8裏面に平面アンテナ11が形成され、物品8表面に、インレット10は、第1のループアンテナ4と第2のループアンテナ5の外辺とアンテナ6の周縁とが平行に近接する位置になるように配設される。
【選択図】図1
Description
UHF帯ICタグは、電磁誘導方式の13.56MHz帯の非接触ICタグに比べて遠距離(3〜5メートル)からの一括読み取りが可能である。また、マイクロ波帯ICタグも1〜1.5メートルの距離の通信が可能であり、今後、それらの特徴を活かした用途での普及が見込まれている。
図5は、従来の円偏波用ループアンテナを示す図であり、図5(a)は、左旋円偏波用のループアンテナ55aを示す図であり、図5(b)は、右旋円偏波用のループアンテナ55bを示す図である。
図5に示すように、ループアンテナ55に摂動素子56を設け、摂動素子56により、水平偏波と垂直偏波とに90°の位相差を生じさせて、直線偏波を円偏波に変換する。図5(a)に示すように、ループアンテナ55aは右旋円偏波用のループアンテナとなり、図5(b)に示すように、ループアンテナ55bは左旋円偏波用のループアンテナとなる。
非接触型ICタグは、リーダライタからの所定の信号を受信すると共に、返信する返信信号を送信することでリーダライタとの間で情報の通信を行うが、その非接触型ICタグとリーダライタとの位置関係によっては通信感度が著しく低下するという不具合があった。R/Wによる非接触型ICタグの各種データの送受信は、アンテナに対する読み取り方向に影響され、電波によっては通信不可能となることがあった。例えば、複数の荷物、商品等に貼り付けた非接触型ICタグのデータの一括読みを行う場合、一度に読み取りできない非接触型ICタグが発生してしまうという問題があった。
また、受信強度に応じて選択された第1のループアンテナ/第2のループアンテナに近接した平面アンテナのインピーダンスと、前記ICチップのインピーダンスを整合することが望ましい。
また、前記平面アンテナは、物体の裏面に形成されることが望ましい。
また、前記平面アンテナは、2つの略方形からなり、各方形の1つの角部に切り欠き部を備え、互いに該切り欠き部を介して形成されたループアンテナであって、前記インレットを、前記切り欠き部に相当する平面アンテナ角部近傍に配置することが望ましい。
また前記平面アンテナは、周囲の長さが1波長、前記摂動素子間の長さが約1/2波長、一方の摂動素子から前記ICチップ近傍までの長さが約3/8波長、前記ICチップ近傍から他方の摂動素子までの長さが約1/8波長であることが望ましい。
「インレット」は、外装基材を配設する前の、一次加工部材である。
「ダイバシティ機能」は、チップ内にアンテナに対するスイッチ機構が内蔵されていて、2つのアンテナの入力電力の強弱を判定し、いずれか強い方を自動的に選択する機能(回路)を有することをいう。
「摂動素子部」は、対角に一対の導電性金属板である。
物品に備えた非接触型ICタグに対する一括読み取りにおける非接触型ICタグのデータの読み落としを低減するとともに、読み取れなかった非接触型ICタグの特定に要する作業の負担軽減及び時間短縮を図ることを可能とする。
また、2つの方形からなる平面アンテナを用いることより、小型アンテナで広い指向性が得られる。
更に、平面アンテナを物品裏面に装着することにより、表面印刷へ侵食がすくなく、物品のデザインを損なわない。
図2は、非接触型ICタグ1の分解斜視図である。
ICチップ3はダイバシティ機能を有するものであって、第1のループアンテナ4と第2のループアンテナ5の受信波を増幅してその強弱を判定し、スイッチ機構によりスイッチングを行う。ICチップ3の2つの増幅回路は判定を正確に行うため、増幅特性、周波数特性等の電気的特性の同一性が要求される。
尚、本実施の形態では、アンテナ6は、略方形(例えば2つの略方形)から形成されたループアンテナであるが、これに限らず、アンテナ6は、インレット10と並置する部分が直線形状で、平行であるループアンテナを形成すればよい。すなわち、アンテナ6は、インレット10と並置する部分以外は、任意の形状でよい。
例えば、UHF帯を954MHzとした場合、1波長は31.4cm、1/2波長では15.7cmとなり、その条件を満たすとき効率よく電波との共振が生じる。平面アンテナ5は、例えば、摂動素子部7a、7b間の長さは約16cm、一方の摂動素子部7aからICチップ近傍までの長さは約12cm、ICチップ近傍から他方の摂動素子7bまでの長さは約4cmである。
物品8の包装表面に、インレット10は、切り欠き部9に相当する平面アンテナ角部近傍に、第1のループアンテナ4と第2のループアンテナ5の外辺とアンテナ6の周縁とが平行に近接する位置(−1mm〜3mm)になるように配設される。
尚、本実施の形態では、インレット10を物品8の包装表面に形成したが、物品の包装裏面に、平面アンテナ11とともに重ねて形成してもよい。これにより、更に、表面印刷への侵食が少なくなる。
平面アンテナ11を基材19に配設し、粘着剤を剥離紙23に塗布しながら基材の裏面に仮貼着しておく。シール型の平面アンテナ11の上面に、切り欠き部9に相当する平面アンテナ角部近傍に、第1のループアンテナ4と第2のループアンテナ5の外辺とアンテナ6の周縁とが平行に近接する位置になるようにインレット10を配設し、非接触型ICタグ1を形成する。非接触型ICタグ1を一般のシールのように物体8に自由に貼り付けられるシール型の非接触型ICタグ1構成にすることにより、非接触型ICタグの製造・貼付作業を簡素化することができる。
図4は、非接触型ICタグ1の製造過程の断面図であり、図4(a)は、表面剥離紙14に仮貼付されたインレット10の断面図であり、図4(b)は、剥離紙14に仮貼付された平面アンテナ11の断面図であり、図4(c)は、物体8に形成された非接触型ICタグ1の断面図である。
物品に備えた非接触型ICタグに対する一括読み取りにおける非接触型ICタグのデータの読み落としを低減するとともに、読み取れなかった非接触型ICタグの特定に要する作業の負担軽減及び時間短縮を図ることを可能とする。
また、2つの方形からなる平面アンテナを用いることより、小型アンテナで広い指向性が得られる。
更に、平面アンテナを物品裏面に装着することにより、表面印刷へ侵食がすくなく、物品のデザインを損なわない。
2………ベースフィルム
3………ICチップ
4………第1のループアンテナ
5………第2のループアンテナ
6………アンテナ
7………摂動素子部
8………物体
9………切り欠き部
10………インレット
11………平面アンテナ
19………基材
21………接着層
22………表面保護フィルム
23………剥離紙
Claims (11)
- 独立した導体から構成される閉ループ形状の平面アンテナと、
前記平面アンテナ内方に、ベースフィルム基材上に配設された第1のループアンテナと、前記第1のループアンテナに接続するダイバシティ機能を有するICチップと、前記ICチップに接続し前記第1のループアンテナに垂直配置する第2のループアンテナとで形成されるインレットと、
を備えるICタグであって、
前記インレットの第1のループアンテナと第2のループアンテナの外辺と前記平面アンテナの周縁とが平行に近接する位置になるよう前記インレットを配設し、前記ICチップは、受信強度に応じて前記第1のループアンテナと前記第2のループアンテナとを切換え選択することを特徴とする非接触型ICタグ。 - 前記平面アンテナは、前記インレットと並置する部分が直線形状である閉ループアンテナであって、前記平面アンテナの角部に、対角に一対の摂動素子部を設け、形成されて円偏波用アンテナとされることを特徴とする請求項1記載の非接触型ICタグ。
- 受信強度に応じて選択された第1のループアンテナ/第2のループアンテナに近接した平面アンテナのインピーダンスと、前記ICチップのインピーダンスを整合することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の非接触型ICタグ。
- 前記平面アンテナは、物体の裏面に形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の非接触型ICタグ。
- 前記平面アンテナは、2つの略方形からなり、各方形の1つの角部に切り欠き部を備え、互いに該切り欠き部を介して形成されたループアンテナであって、前記インレットを、前記切り欠き部に相当する平面アンテナ角部近傍に配置することを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の非接触型ICタグ。
- 前記平面アンテナは、周囲の長さが1波長、前記摂動素子間の長さが約1/2波長、一方の摂動素子から前記ICチップ近傍までの長さが約3/8波長、前記ICチップ近傍から他方の摂動素子までの長さが約1/8波長であることを特徴とする請求項1乃至請求項5記載の非接触型ICタグ。
- 独立した導体から構成される閉ループ形状の平面アンテナを形成する工程(a)と、
ベースフィルム基材上に配設された第1のループアンテナと、前記第1のループアンテナに接続するダイバシティ機能を有するICチップと、前記ICチップに接続し、前記第1のループアンテナに垂直配置する第2のループアンテナとでインレットを形成する工程(b)と、
前記平面アンテナを物体に形成する工程(c)と、
前記インレットの第1のループアンテナと第2のループアンテナの外辺と前記平面アンテナの周縁とが平行に近接する位置になるよう前記平面アンテナの角部近傍に前記インレットを装着する工程(d)と、
を具備することを特徴とする非接触型ICタグの製造方法。 - 前記工程(a)は、前記平面アンテナは、前記インレットと並置する部分が直線形状である閉ループアンテナであって、前記平面アンテナの角部に、対角に一対の摂動素子部を設け、形成されて円偏波用アンテナとすることを特徴とする請求項9記載の非接触型ICタグの製造方法。
- 前記平面アンテナは、物体の裏面に形成されることを特徴とする請求項7又は請求項8記載の非接触型ICタグの製造方法。
- 前記平面アンテナは、2つの略方形からなり、各方形の1つの角部に切り欠き部を備え、互いに該切り欠き部を介して形成されたループアンテナであって、前記インレットを、前記切り欠き部に相当する平面アンテナ角部近傍に配置することを特徴とする請求項7乃至請求項9記載の非接触型ICタグの製造方法。
- 前記平面アンテナは、周囲の長さが1波長、前記摂動素子間の長さが約1/2波長、一方の摂動素子から前記ICチップに近接する位置までの長さが約3/8波長、前記ICチップに近接する位置から他方の摂動素子までの長さが約1/8波長とし、アンテナの指向性を調整することを特徴とする請求項7乃至請求項10記載の非接触型ICタグの製造方法。
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