JP6942954B2 - Rfタグ - Google Patents

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Description

本発明は、例えばアルミ製の容器や金属製の筐体のような金属容器,金属物品に貼り付けられて使用されるRFタグに関する。
一般に、任意の物品や対象物に対して、当該物品や対象物に関する所定情報を読み書き可能に記憶したICチップを内蔵した所謂RFタグが広く使用されている。
RFタグは、RFID(Radio Frequency Identification)タグ,ICタグ,非接触タグ等とも呼ばれ、ICチップと無線アンテナを備えた電子回路が樹脂フィルム等の基材によって封止・コーティングされた所謂インレイ(インレット)が、タグ(荷札)状に形成されてなる超小型の通信端末であり、読取・書込装置(リーダ・ライタ)によってタグ内のICチップに所定の情報が無線で読み取り/書き込み/読み書き(リードオンリー/ライトワンス/リード・ライト)されるようになっている。
そして、このようなRFタグに所定の情報を書き込んで任意の物品,対象物等に取り付けることにより、RFタグに記録された情報がリーダ・ライタによりピックアップされ、タグに記録された情報を当該物品に関する所定情報として認識,出力,表示,更新等させることができる。
このようなRFタグは、ICチップのメモリに数百ビット〜数キロビットのデータが記録可能であり、物品等に関する情報としては十分な情報量を記録でき、また、読取・書込装置側とは非接触で通信が行えるため接点の磨耗や傷、汚れ等の心配もなく、さらに、タグ自体は無電源にすることができるため対象物に合わせた加工や小型化・薄型化が可能となる。
そして、このようなRFタグを用いることで、タグを取り付ける物品に関する種々の情報、例えば当該物品の名称や識別記号,内容物,成分,管理者,使用者,使用状態,使用状況,日時などの種々の情報が記録可能となり、ラベル表面に印刷表示される文字やバーコード等では不可能であった多種多様な情報を、小型化・薄型化されたタグを物品に装着するだけで正確に読み書きすることが可能となる。
ところで、このようなRFタグは、例えばアルミ製の容器や金属製の筐体などに取り付けた場合には、金属の導電性の影響を受けてしまい、通信距離が変化したり正確な無線通信が行えなくなるといった問題があった。このため、通常の汎用されているRFタグを金属製の物品・対象物に直接取り付けると、タグが誤動作したり、リーダ・ライタとの無線通信が行えないという問題が発生する。
特に、UHF帯の高周波数帯を使用する電波方式のRFタグでは、135KHzや13.56MHz帯域を使用する電磁誘導方式の場合と比べて、通信距離は長くなる反面、金属による吸収や反射等によって通信特性が大きく損なわれやすいという問題があった。
我が国では、電波法の改正により、RFタグについては、これまで使用されていたUHF帯の950MHz帯(950−958MHz:8MHz幅)から、920MHz帯(915−930MHz:15MHz幅)へ移行されることになり、利用可能な周波数帯が拡大されるようになった。
このような移行後の920MHz帯を使用するRFタグにおいても、上述した金属の影響は避けられず、有効な対策が講じられることが強く望まれている。
ここで、RFタグにおける通信特性を向上させる手段として、RFタグに対して面状に形成されたパッチアンテナを補助アンテナとして積層することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
RFタグの通信特性はアンテナサイズによる利得によって左右されることから、RFタグに対して更に面上のパッチアンテナ(補助アンテナ)を積層することで、RFタグのアンテナサイズを実質的に大きくすることで、通信距離を大きく確保して通信特性を向上させることが可能となる。
国際公開第2010/038813号
しかしながら、特許文献1に開示されているような従来提案されている補助アンテナを備えるRFタグは、面状の補助アンテナがRFタグの一部又は全部に重ねて配置されるようになっており、RFタグに備えられているアンテナやループ回路が補助アンテナによって覆われてしまうという問題があった。
RFタグは、それ自体がアンテナを備えており、アンテナの一部はループ回路として構成され、それによってRFタグ単独でも通信が行えるようになっている。
ところが、補助アンテナがRFタグに重ねて配置されると、RFタグのアンテナやループ回路の一部又は全部が補助アンテナによって覆われてしまい、RFタグの通信特性が向上せず、却って損なわれるような場合があった。
また、補助アンテナによってRFタグのアンテナが覆われてしまうと、アンテナの表面積(投影面積)が重なって無駄になってしまい、その分だけアンテナ利得も縮小・減少し、折角RFタグに備えられているアンテナ資源を有効に活用することができなくなってしまう。
さらに、RFタグに重なるように配置される補助アンテナは、積層するRFタグの形状や構成等に制約されて、アンテナの設計範囲も制限され、補助アンテナの形状や大きさなどの設計の自由度が制約を受けるという問題もあった。
このため、補助アンテナによってRFタグの通信特性を改善・向上させつつ、RFタグ自体が備えるアンテナを有効活用し、かつ、補助アンテナの設計の自由度等も確保できるための技術が望まれたが、現在までのところ、有効な提案等はなされていなかった。
本発明は、以上のような従来の技術が有する課題を解決するために提案されたものであり、RFタグの通信周波数に対応した面状のアンテナを形成することで、各通信周波数に応じた良好な通信特性を得ることができ、金属の影響を有効に回避・低減することができるとともに、RFタグ自体が備えるアンテナやループ回路を有効に機能させつつ、補助アンテナの設計範囲等にも制限を与えず、補助アンテナの設計等の自由度を向上させることができるRFタグの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のRFタグは、ICチップとアンテナを備えたインレイと、前記インレイと絶縁状態で積層される補助アンテナと、積層された前記インレイ及び補助アンテナが搭載される基材と、を備え、前記インレイのアンテナが、前記ICチップの近傍にループ回路を形成し、前記補助アンテナが、前記ループ回路と対向する当該補助アンテナの共振軸に沿った辺の中心位置に凸部を有し、前記ループ回路と対向する前記補助アンテナの共振軸に沿った辺の中心位置が前記ICチップとの間に前記ループ回路を挟んで前記ループ回路に対向するように前記ループ回路の近傍に位置するように配置される構成としてある。
本発明によれば、RFタグの通信周波数に対応した面状のアンテナを形成することで、各通信周波数に応じた良好な通信特性を得ることができ、金属の影響を有効に回避・低減することができる。
そして、本発明によれば、RFタグ自体が備えるアンテナやループ回路を有効に機能させることができ、かつ、補助アンテナの設計範囲等に制限を与えることなく、補助アンテナの設計等の自由度を向上させることが可能となる。
これによって、例えばアルミ製の金属容器や金属製の筐体等に好適な金属対応RFタグを実現することができる。
本発明の一実施形態に係るRFタグを示す外観斜視図であり、(a)はRFタグの完成状態、(b)はRFタグを構成する表層,インレイ,補助アンテナ,基材を分解した状態を示している。 本発明の一実施形態に係るRFタグのインレイと補助アンテナの配置関係を示す平面図であり、(a)は補助アンテナをインレイと積層させずにループ回路部分に対向・離間させて配置した場合、(b)は補助アンテナをインレイのループ回路部分に当接・積層させて配置した場合、(c)は補助アンテナを配置しないインレイ単独の場合を示している。 本発明の一実施形態に係るRFタグのインレイと補助アンテナの外形寸法とアンテナの投影面積の関係を示す平面図であり、(a)は補助アンテナをインレイと積層させずにループ回路部分に対向・離間させて配置した場合、(b)は補助アンテナをインレイの一部に積層させて配置した場合を示している。 図2に示すインレイと補助アンテナの配置関係に対応した、インレイのアンテナ及び補助アンテナの誘導電流の強度を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係るRFタグのインレイと補助アンテナの配置関係を示す平面図であり、補助アンテナとインレイのループ回路部分との対向間距離を順次異ならせた場合を模式的に示している。 本発明の一実施形態に係るRFタグの通信特性(読み取り距離と周波数の関係)を示す折れ線グラフであり、補助アンテナとインレイのループ回路部分との対向間距離を順次異ならせた場合を示している。 本発明の一実施形態に係るRFタグの通信特性(読み取り距離と周波数の関係)を示す折れ線グラフであり、RFタグの基材としてマグネットを備える場合を示している。 本発明の一実施形態に係るRFタグの通信特性(読み取り距離と周波数の関係)を示す折れ線グラフであり、RFタグの基材としてマグネットを備える場合と備えない場合とを対比して示している。
以下、本発明に係るRFタグの実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るRFタグを示す外観図であり、(a)はRFタグの完成状態の斜視図、(b)はRFタグを構成する表層,インレイ,補助アンテナ,基材を分解した状態の斜視図を示している。
同図に示すように、本実施形態に係るRFタグ1は、無線通信を行うRFタグを構成するインレイ10と面状の補助アンテナ20とが積層状態で配置され、それらインレイ10,補助アンテナ20が基材50の表面に搭載された状態で、表層40により被覆・保護されてRFタグ1を構成するようになっている。
そして、このようなRFタグ1は、インレイ10のアンテナ12が、ICチップ11の近傍にループ回路(ループ部11a)を形成しており、補助アンテナ20の共振軸に沿った辺の中心位置が、ICチップ11の近傍に位置するように配置されるようになっている。
また、補助アンテナ20は、当該補助アンテナ20の共振軸に沿った辺の中心位置が、インレイ10のループ部11aと対向するように配置されて、ICチップ11の近傍に位置するようにすることが好ましい。
インレイ10のICチップ部分は、最も電力が供給される部分であり、その付近に補助アンテナの共振軸の中心位置を配置させることで、誘導電流の効果によって、補助アンテナ20による通信利得を向上させることができるようになる。
また、補助アンテナ20をインレイ10のループ部11aと対向させることで、補助アンテナ20がループ部11aに重なることなく離間・対向することによって、後述するようにRFタグ1の通信特性を向上させることができる。なお、インレイ10にループ部11aが備えられない場合にも、ICチップ11の近傍に補助アンテナ20の共振軸に沿った辺の中心位置が位置することで、誘導電流の効果により通信特性を向上させることが可能となる。
本実施形態では、補助アンテナ20が、インレイ10のループ部11aと対向する当該補助アンテナ20の共振軸に沿った辺の中心位置に凸部21を有し、この凸部21がICチップ11の近傍に位置するように配置される。
特に、補助アンテナ20は、図2(a),図3(a)に示すように、インレイ10のアンテナ12に接することなく、インレイ10と投影面上で並列に配置されるようになっている。
具体的には、本実施形態に係るRFタグ1は、図1(a)及び(b)に示すように、ICチップ11とアンテナ12を備えたインレイ10と、インレイ10に対して絶縁状態で同一平面上に配置される面状の補助アンテナ20と、インレイ10及び補助アンテナ20が配置・搭載される基材層となるとともに、搭載されたインレイ10に対する誘電率調整層として機能する基材50と、基材50に搭載されたインレイ10及び補助アンテナ20を覆うカバーとなる表層40とを備えた構成となっている。
補助アンテナ20は、インレイ10の通信周波数に対応して所定の形状・大きさに形成されるようになっており、その補助アンテナ20が、インレイ10に対して所定位置となるように配置され(図2(a),図3(a)参照)、基材50上に搭載されるようになっている。
以下、各部を詳細に説明する。
[インレイ]
インレイ10は、図示しないリーダ・ライタ(読取・書込装置)との間で無線による所定の情報の読み取りや書き込み,読み書きが行われるRFタグを構成しており、例えばリードオンリー型,ライトワンス型,リード・ライト型等の種類がある。
具体的には、インレイ10は、ICチップ11と、ICチップ11に電気的に導通・接続されたアンテナ12とを有し、これらICチップ11及びアンテナ12が、基材となる例えばPET樹脂等で形成された1枚の封止フィルム13上に搭載,形成された後、もう1枚の封止フィルム13が重ね合わされて、2枚の封止フィルム13によって挟持された状態で封止・保護されている。
本実施形態では、ICチップ11とICチップ11の両側に伸びるアンテナ12を長方形状の封止フィルム13で挟持・封止した矩形状のインレイ10を用いている。
ICチップ11は、メモリ等の半導体チップからなり、例えば数百ビット〜数キロビットのデータが記録可能となっている。
ICチップ11には、チップ周囲を囲むようにループ状の回路導体が接続されてループ部(ループ回路)11aが形成されており、このループ部11aを経由して、ICチップ11の左右両側にアンテナ12が接続されている。
そして、このアンテナ12及び後述する補助アンテナ20を介して図示しないリーダ・ライタとの間で無線通信による読み書き(データ呼び出し・登録・削除・更新など)が行われ、ICチップ11に記録されたデータが認識されるようになっている。
ICチップ11に記録されるデータとしては、例えば、商品の識別コード、名称、重量、内容量、製造・販売者名、製造場所、製造年月日、使用期限等、任意のデータが記録可能であり、また、書換も可能である。
アンテナ12は、基材となる1枚の封止フィルム13の表面に、例えば導電性インクや導電性を有するアルミ蒸着膜等の金属薄膜をエッチング加工等により所定の形状・大きさ(長さ,面積)に成形することで形成される。
ここで、アンテナ12は、ICチップ11の左右両側に伸びる長手方向の長さが、インレイ10の電波周波数の波長の整数分の1、例えば電波周波数の波長の略1/2や略1/4の長さとなるように形成される。本実施形態に係るインレイ10では、アンテナ12は、ICチップ11の左右両側に伸びる長手方向がほぼ直角に2回曲折されることで、アンテナ12の長手方向の両端が、互いにループ部11aに向かって伸びる鉤型形状に形成され、所定のアンテナ長となるように形成されている。
また、本実施形態に係るアンテナ12は、金属薄膜の中央部分が、ICチップ11の近傍から長手方向の両端部分まで、長手方向に沿って金属薄膜が存在しない中空・打ち抜き状に形成されており、アンテナ12の導電性部分が環状・ループ状となるように形成されている。これによって、アンテナ12の導電性部分の距離が確保され、所定のアンテナ長が得られるようになっている。
封止フィルム13は、例えばポリエチレン,ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリプロピレン,ポリイミド,ポリ塩化ビニル(PVC),アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合合成樹脂(ABS)等の可撓性を有するフィルム材からなり、封止するICチップ11・アンテナ12が外部から視認可能な透明のPET樹脂等で構成されることが好ましい。
また、封止フィルム13の片面側のフィルム表面には、基材や物品への貼り付けができるように粘着層・接着層を備えることができる。
なお、封止フィルム13は、2枚の封止フィルム13によって、ICチップ11及びアンテナ12を挟持した状態で封止してもよく、また、1枚の封止フィルム13を折り曲げて、ICチップ11及びアンテナ12を挟持して封止することもできる。
インレイ10で使用される通信周波数帯としては、本実施形態のRFタグ1では、所謂UHF帯に属する920MHz帯(915−930MHz:15MHz幅)を対象としている。
一般にRFタグで使用される周波数帯としては、例えば、135kHz以下の帯域、13.56MHz帯、UHF帯に属する860M〜960MHz帯、2.45GHz帯等の数種類の周波数帯がある。そして、使用される周波数帯によって無線通信が可能な通信距離が異なるとともに、周波数帯によって最適なアンテナ長などや配線パターンが異なってくる。
また、我が国では、電波法の改正により、RFタグについては、これまで使用されていた950MHz帯(950−958MHz:8MHz幅)から920MHz帯(915−930MHz:15MHz幅)へ移行されることになり、利用可能な周波数帯が拡大されるようになった。
そこで、本実施形態では、インレイ10が小型化でき、また、後述する補助アンテナ20を所定のサイズに形成する関係上、波長が短くアンテナが小型化できるUHF帯を対象とするようにしてあり、具体的には920MHz帯を対象として、この920MHz帯において良好な通信特性が得られるようにしている。
但し、インレイ10や補助アンテナ20の大きさの制約がなければ、本発明に係る技術思想自体は、920MHz帯、UHF帯以外の周波数帯域についても適用できることは勿論である。
[補助アンテナ]
補助アンテナ20は、上述したインレイ10の通信特性を向上・調整するためのエクストラアンテナとして機能するものであり、図1(b)に示すように、基材50上に搭載されて、インレイ10と同一平面上に配置される面状の導電性部材からなり、封止フィルム13によって樹脂封止されたインレイ10とは絶縁状態となっている。
すなわち、インレイ10は、封止フィルム13によって全体が樹脂封止されており、導電性部材からなる補助アンテナ20とは物理的には絶縁状態となっている。
そして、このような補助アンテナ20がインレイ10の近傍に配置されることで、補助アンテナ20とインレイ10のICチップ11は、封止フィルム13を介して対向配置されるようになり、所謂コンデンサカップリングによって電気的接続がなされるようになる。
これによって、インレイ10には補助アンテナ20が同一平面上で対向して配置されることで、インレイ10のアンテナ12と補助アンテナ20により二次元アンテナが構成され、補助アンテナ20が通信電波のブースターとして機能することになり、インレイ10の通信特性の調整・向上が図られることになる。
補助アンテナ20は、例えばPET樹脂等の基材となるフィルムの表面に導電性インクや導電性を有するアルミ蒸着膜等の金属薄膜をエッチング加工等により所定の形状・大きさ(長さ,面積)に成形することで形成することができる。
図2に本実施形態に係る補助アンテナの平面図を示してあり、同図(a)は補助アンテナをインレイと積層させずにループ回路部分に対向・離間させて配置した場合、(b)は補助アンテナをインレイのループ回路部分に当接・積層させて配置した場合、(c)は補助アンテナを配置しないインレイ単独の場合を示している。
同図(a)及び(b)に示すように、本実施形態では、補助アンテナ20は、長辺及び短辺がインレイ10の長辺及び短辺とほぼ同じ長さの矩形・面状に形成されるようになっている。
補助アンテナ20は、長手方向の長さが、インレイ10の電波周波数の波長の整数倍あるいは整数分の1の長さ、例えば電波周波数の波長の略1/2の長さとなるように形成される。
補助アンテナ20の長辺(長手方向)の長さは、パッチアンテナの原理により、通信電波の波長の整数倍又は整数分の1(1/2,1/4,1/8・・・)とすることにより整合を取ることができる。そして、RFタグ1の全体の大きさ(長さ)は、補助アンテナ20の長さによってほぼ規定されることになり、例えば補助アンテナ20の長さを1/2波長とすれば、RFタグ1の全体の大きさ(長さ)もほぼ1/2波長かそれよりやや大きい(長い)ものとなる。
この点、タグの全長が長くなり過ぎる(大き過ぎる)ことは小型化が要請されるRFタグの性質上好ましくない。
そこで、本実施形態では、補助アンテナ20の大きさとして、長辺(長手方向)の長さ、あるいは、隣接する短辺・長辺・短辺の3辺の合計の長さが、インレイ10の電波周波数の波長の例えば略1/2の長さとなるように形成されるようになっている。
このような構成により、補助アンテナ20は、インレイ10の電波周波数の波長の略1/2の長さのアンテナとして、良好な通信特性が得られるようになる。
具体的には、例えば対象とするインレイ10の通信周波数920MHzの場合には、λ≒326.0mm,λ/2≒163.0mmとなる。従って、補助アンテナ20は、長辺の長さ、あるいは長辺と隣接する両短辺を合わせた3辺合計の長さが、163.0mm前後となるように形成されることになる。
なお、通常インレイは、アンテナ+基材となるPET層の2層(UHFタグ)あるいは、更にPET層の下にインピーダンス調整アンテナとして3層として構成されている。
このため、本実施形態に係るインレイ10においても、導体である補助アンテナ20とインレイ10のアンテナ12に介在するPET層の構造が波長短縮効果を生み、このPET層を利用することで、見かけの波長が短縮されることになる。PETの比誘電率はおよそ「4」である。
このため、本実施形態における補助アンテナ20の長辺の長さ、あるいは長辺及び隣接する両短辺の3辺の長さもおよその値であり、その長さが例えば略λ/2の値となっていれば十分であり、RFタグ1の基材50の材質や誘電率,タグの使用環境,使用態様等による通信特性の変化に応じて長さが前後することはある。
そして、本実施形態では、上記のような形状・寸法に形成される補助アンテナ12が、ICチップ11の近傍、特に、上述したインレイ10のループ部11aと対向する当該補助アンテナ20の共振軸に沿った辺の中心位置が、ICチップ11の近傍に位置するように配置されるようになっている。
本実施形態では、図2(a),(b)に示すように、補助アンテナ20には、インレイ10のループ部11aと対向する当該補助アンテナ20の共振軸に沿った辺の中心位置に凸部21が形成されており、この凸部21がICチップ11の近傍に位置するように配置される。
さらに、本実施形態では、図2(a)に示すように、上記の凸部21を含めた補助アンテナ20が、インレイ10のアンテナ12に接することなく、インレイ10と投影面上で並列に配置されるようになっている。
補助アンテナ20がインレイ10に当接したり積層されて接触すると、特に、インレイ10のループ部11aやICチップ11に補助アンテナ20が重なって配置されると、補助アンテナ20を形成する導電性部材によりICチップ11の通信特性が損なわれることがある。
すなわち、インレイ10のICチップ11近傍にはループ回路が形成されており(ループ部11a)、このループ部11aは、インピーダンスの整合を図る目的があり、かつ、磁界成分での通信を行うために設けられており、この磁界成分が補助アンテナ20の導体により阻害されないようにする必要がある。
また、補助アンテナ20がインレイ10に重ねて配置されると、インレイ10のループ部11aを含むアンテナ12が補助アンテナ20と重なることで、アンテナとしての表面積(投影面積)がインレイ10と補助アンテナ20とで重なってしまい、インレイ10に備えられるアンテナ資源が無駄になり、その分だけアンテナ利得も小さくなってしまうことになる。
さらに、補助アンテナ20がインレイ10に重なるように配置されると、インレイ10のアンテナ12やループ部11aの制約を受けて補助アンテナ20の設計範囲も制限され、補助アンテナの形状や大きさなどの設計の自由度が制約を受けることになる。
一方で、補助アンテナ20とインレイ10とが離れすぎてしまうと、封止フィルム13を介した所謂コンデンサカップリングによる電気的接続が不十分となり、良好な通信特性が得られないことになる。
そこで、本実施形態では、補助アンテナ12の一方の長辺(長手方向)を、インレイ10のループ部11aに対して所定間隔(距離)をもって対向するように配置して、補助アンテナ20のループ部11aに対向する長辺の中心位置、すなわち、補助アンテナ20の共振軸に沿った長辺の中心位置が、ICチップ11の近傍に位置するように配置するようにしてある。
具体的には、本実施形態に係る補助アンテナ20には、図2(a)に示すように、インレイ10のループ部11aと対向する長辺の中心位置に凸部21が形成されており、この凸部21がICチップ11の近傍に、所定距離をもって対向配置されるようになっている。
したがって、補助アンテナ20は、図2(a)に示すように、凸部21を含めたアンテナ部分が、インレイ10のループ部11aを含むアンテナ12に接することなく、所定間隔をもって配置され、補助アンテナ20とインレイ10のアンテナ12とは、アンテナ資源が投影面上で重なることなく並列に配置されるようになる。
このとき、インレイ10の全体を被覆する封止フィルム13は、補助アンテナ20の一部に重なっており、補助アンテナ20とインレイ10のICチップ11は、封止フィルム13を介して対向配置され、コンデンサカップリングによって電気的接続される。
このような配置構成によって、補助アンテナ20とインレイ10のアンテナ12の双方のアンテナ面積を最大限に広く利用することができ、それによってアンテナ利得を最大限に増大させることができる。
ここで、補助アンテナ20に形成される凸部21は、使用するインレイ10の寸法を基準にして形状・寸法が設定されるようになっており、対向配置されるインレイ10のループ部11aに補助アンテナ20の導電性部材が重ならないような大きさ(幅及び高さ)に形成される。
具体的には、補助アンテナ20の凸部21は、インレイ10のICチップ11のループ部11aの幅を基準にしており、凸部21を含む補助アンテナ20の導体が、ICチップ11及びループ部11aに重ならず、かつ、凸部21がループ部11aの長手方向の幅とほぼ同じ長さとなるような大きさに形成される。
図3に、インレイ10と補助アンテナ20の外形寸法とアンテナ部分の投影面積の関係を示す。
まず、図3(a)は、補助アンテナ20をインレイ10に積層させずループ部11aに対向・離間させて並列配置させた場合である。この場合、補助アンテナ20の外形寸法は、例えば補助アンテナ20の幅(長手方向の長さ):105mm,高さ(短手方向の長さ):11mm、凸部21の幅:23mm,高さ7mmとなり、インレイ10のループ部11aを含むアンテナ12と補助アンテナ20のアンテナ部分は、投影面積:2014mm2となる。
一方、図3(b)は、補助アンテナ20をインレイ10の一部に積層させて配置した場合である。この場合、補助アンテナ20の外形寸法は、例えば補助アンテナ20の幅:105mm,高さ:13mm、凸部21の幅:25mm,高さ△2mmとなり、インレイ10のループ部11aを含むアンテナ12と補助アンテナ20のアンテナ部分は、投影面積:1755mm2となる。
このように、補助アンテナ20を、インレイ10のループ部11aを含むアンテナ12に接触・積層させることなく、インレイ10と投影面上で並列に配置させることで、凸部21を含む補助アンテナ20と、ループ部11aを含むインレイ10のアンテナ12との投影面積を最大限に広く大きく確保することできる。
図3に示す例では、(a)に示した並列配置と(b)に示した積層配置の場合とでは、インレイ10・補助アンテナ20のアンテナ部分の投影面積は、2014mm2−1755mm2=259mm2の面積差が生じることになる。
このようなインレイ10・補助アンテナ20のアンテナ部分の面積差によって、投影面積を広く大きく確保できる並列配置(図3(a))の場合、投影面積が小さくなる積層配置の場合と比較して、面積差の分だけアンテナ利得を増大・向上させることでき、より良好な通信特性を得ることができるようになる。
さらに、対向配置されるインレイ10と補助アンテナ20とは、所定の距離をもって離間して配置されるようになっている。このインレイ10と補助アンテナ20との離間する距離とその通信特性については、図4〜8を参照して後述する。
なお、インレイ10に対してデータの読み書きが行われる際に補助アンテナ20に流れる電流は、面状の補助アンテナ20の周縁部分にしか流れない(表皮効果)。
そこで、補助アンテナ20は、上述した大きさ・形状を有していれば、面状部分を例えばメッシュ(網目)状,格子状等に形成することができる。
このように補助アンテナ20をメッシュ状等に形成することで、表皮効果によりアンテナとしての機能は損なわれず、かつ、補助アンテナ20の全体の導体部分の面積を少なくすることができ、補助アンテナ20を形成する導電性インク等の導体材料を節減でき、RFタグ1の更なる低コスト化を図ることができるようになる。
[基材]
基材50は、上述したインレイ10及び補助アンテナ20が搭載される基材層となるとともに、搭載されたインレイ10に対する誘電率調整層として機能する部材である。
本実施形態では、インレイ10及び補助アンテナ20がはみ出さずに同一平面上に配置・搭載できるように、上述した並列配置された状態のインレイ10及び補助アンテナ20の外形よりも一回り大きな板状・面状等に形成されている。
具体的には、基材50の一面側(図1の上面側)には、補助アンテナ20及びインレイ10が同一平面上で並列配置される。そして、インレイ10・補助アンテナ20が搭載された基材50の一面(上面)は、カバー部材となる表層40によって被覆・コーティングされる。これによって、インレイ10及び補助アンテナ20は、並列配置されて基材50と表層40によって挟持された状態で封止され、外部から保護されるようになる。
表層40は、インレイ10及び補助アンテナ20を搭載した基材50の一面に貼着・接着されるシート状部材であり、例えば、紙や合成紙、ポリエチレン,ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリプロピレン,ポリイミド等の樹脂からなる可撓性を有するシート材,フィルム材によって形成することがでる。
一方、基材50のもう一方の面側(図1の下面側)には、特に図示しないが、例えば両面テープ(粘着テープ)等からなる粘着材や、板状のマグネットなどが備えられ、粘着材の粘着力やマグネットの磁力によって、取付対象となる金属物品の表面に貼着・取付されるようになっている。
これによって、RFタグ1は、基材50が取付対象の表面に貼付・固定されて、容易に脱落・剥離等されないように金属物品の表面に配置・固着される。
ここで、このような本実施形態に係る基材50としては、例えば、発泡ポリエチレン,発泡ポリプロピレン等の架橋ポリオレフィン発泡体によって形成することがでる。
また、基材50は、上記のような架橋ポリオレフィン発泡体により形成した単一の帯状部材によって構成することもでき、また、複数(例えば二層)の帯状部材を重ね合わせて一つの基材50を構成することもできる。
さらに、上述した金属対象物への取付のためのマグネットを基材50の一部として構成することもできる(後述する図7,8参照)。
基材50となるマグネットは、RFタグ1の取付対象となる金属に対して磁力による貼付・取付が可能な磁石を、基材50に対応する所定の大きさ・厚みを有する板状・帯状に形成して、樹脂製等の基材50に積層・貼着して構成することができる。
また、以上のような基材50は、補助アンテナ20とともに並列配置されるインレイ10の通信特性を調整する所定の比誘電率を有するように形成されることで、基材50に対して搭載・積層されたインレイ10に対する誘電率調整層として機能させることができる。
例えば、基材50は、所定の部材によって、所定の厚みで形成されることにより、インレイ10の通信特定に対して好適な比誘電率を有する誘電率調整層として形成することができる。
このように、基材50が所定の比誘電率・厚みを有することにより、RFタグ1の取付対象となる金属からの影響を基材50によって回避・吸収することができ、RFタグ1の通信特性として、後述するような良好な通信距離を得ることができるようになる。
したがって、使用するインレイ10の種類や通信特性,RFタグ1を使用する物品・使用環境・使用周波数帯域などの諸条件を考慮して、基材50として適切な材質と厚みを選定し、基材50のみを選択・交換することで、RFタグ1を異なる物品に使用したり、異なる通信周波数に対応させることが可能となる。
[筐体]
以上説明した本実施形態に係るRFタグ1は、図1に示すように、基材50及び表層40によって挟持・封止された状態で使用することができるが、さらに、そのようなRFタグ1を所定の筐体(ケース)に収納して使用することも可能である。
筐体としては、特に図示しないが、内部に上述した並列配置されるインレイ10及び補助アンテナ20を収納することができる収納手段・保護手段であればどのような構成のものでも良い。例えば、基材50及び表層40で挟持・封止されたインレイ10及び補助アンテナ20を収納可能な内部空間を備えた、合成樹脂や金属製のケースなどで構成することができる。
このような筐体によってインレイ10及び補助アンテナ20が保護されることにより、RFタグ1としての耐候性や耐熱性・防水性が高められるようになる。
なお、インレイ10及び補助アンテナ20が筐体に収納・保護される場合には、基材50及び表層40の一部又は全部を省略することができる。
この場合には、筐体を構成する収納部や蓋部材などが、基材50や表層40としての機能を果たすことになる。
また、その場合には、上述した基材50が果たす誘電率調整層としての機能も、筐体の本体や蓋部材等が果たすことになる。
[通信特性]
次に、以上のような構成からなる本実施形態に係るRFタグ1の通信特性について、図4〜8を参照しつつ説明する。
図4は、図2に示したインレイ10と補助アンテナ20の配置関係に対応した、インレイ10のアンテナ12及び補助アンテナ20に流れる誘導電流の強度を示す説明図である。
同図に示すように、まず、インレイ10と補助アンテナ20とを接触・積層せずに投影面上に離間・対向する並列配置とした場合には、インレイ10のアンテナ12及び補助アンテナ20に流れる誘導電流は、11A/m(アンペア/メートル)以上となっていることが分かる。
一方、補助アンテナ20をインレイ10のループ部11aの対向辺に当接・接触させて並列配置した場合には、インレイ10のアンテナ12及び補助アンテナ20に流れる誘導電流は11A/m以下となり、同じ並列配置させた場合でも、インレイ10と補助アンテナ20を接触させずに離間して配置させた場合と比較して、アンテナ部分に流れる誘導電流が減少することが分かる。
さらに、補助アンテナ20を備えずにインレイ10を単独で配置した場合には、インレイ10のアンテナ12に流れる誘導電流は、約9A/m程度であり、補助アンテナ20を備える場合と比較して、誘導電流が大きく減少することが分かる。
このように、補助アンテナ20を備えることで、インレイ10のアンテナ12を含めたRFタグ1のアンテナ部分の誘導電流は大幅に増大するが、さらに、インレイ10と補助アンテナ20とを接触させず離間させた状態で並列配置させることで、アンテナ部の誘導電流を更に増大させることができることが分かる。
したがって、本実施形態に係るインレイ10と補助アンテナ20とを離間して並列配置させたRFタグ1は、アンテナ部分の誘導電流を大きく確保して、アンテナ利得を向上・増大させて良好な通信特性が得られることが理解できる。
次に、上記のように所定の距離をもって離間して対向配置されるインレイ10と補助アンテナ20の離間距離とその通信特性について、図5〜8を参照して説明する。
図5は、補助アンテナ20インレイ10のループ部11aとの対向間距離を順次異ならせた場合を模式的に示す図であり、上から1mm,2mm,3mm,4mm,5mm,6mmと対向間距離を大きくした場合である。
図6は、図5に対応して補助アンテナ20インレイ10のループ部11aとの対向間距離を順次異ならせた場合における、RFタグ1の通信特性(読み取り距離と周波数の関係)を示した折れ線グラフである。
これらの図に示すように、並列配置される補助アンテナ20とインレイ10とは、対向するインレイ10のループ部11aと補助アンテナ20の凸部21との離間距離が近い程、通信距離(読み取り距離)が長く、対応可能な通信周波数の帯域も広くなることが分かる。
特に、図6に示されるように、インレイ10のループ部11aと補助アンテナ20の凸部21との離間距離が1mm〜5mmの範囲では、読み取り距離が4〜10m以上となり、十分な通信距離が得られることが分かる。
したがって、インレイ10と補助アンテナ20の離間距離は、1mm〜5mmの範囲に設定することが好ましく、少なくとも6mm未満、5mm以内の範囲とすることが好ましい。
なお、図6に示されるように、インレイ10のループ部11aと補助アンテナ20の凸部21との離間距離が0mmの場合、すなわち、凸部21がループ部11aに当接・接触している場合にも、離間距離が1mmの場合に近い通信距離が得られている。
但し、この場合には、通信周波数の対応帯域が狭くなるため、離間距離は1mm程度あった方が、より好ましいことになる。
したがって、インレイ10と補助アンテナ20の離間距離は、少なくとも0mm以上の範囲に設定することが好ましい。
図7は、RFタグ1の基材50(図1参照)として、金属対象物となる金属板への貼付・取付用のマグネットを備えた場合における、RFタグ1の通信特性(読み取り距離と周波数の関係)を示す折れ線グラフである。
また、図8は、図7に対応して、RFタグ1の基材50としてマグネットを備える場合と備えない場合におけるRFタグ1の通信特性を対比したグラフである。
まず、図7に示すように、RFタグ1の基材50としてマグネットを設けた場合、上述した図6の場合と同様に、インレイ10のループ部11aと補助アンテナ20の凸部21との離間距離が1mmの場合に、読み取り距離が10m以上となっており、十分な通信距離が得られていることが分かる。
また、この場合、インレイ10のループ部11aと補助アンテナ20の凸部21との離間距離が0mmの場合、離間距離が1mmの場合に近い通信距離が得られているが、上述した図6の場合と同様に、対応可能な通信周波数の帯域が狭くなる。
このため、インレイ10のループ部11aと補助アンテナ20の凸部21の離間距離は1mm程度あった方が良いことが分かる。
次に、図8に示すように、図7で示したRFタグ1の基材50としてマグネットを備えない場合には、対応可能な通信周波数の帯域が変動するが、通信距離としては、マグネットを備える場合とほぼ同様の結果が得られていることが分かる。
特に、インレイ10のループ部11aと補助アンテナ20の凸部21との離間距離が1mmの場合には、読み取り距離がほぼ12mとなっており、より長い通信距離が得られていることが分かる。
このように、本実施形態に係るRFタグ1によれば、インレイ10のループ部11aと補助アンテナ20の凸部21とを、所定距離をもって離間して並列配置することで、RFタグ1の基材50としてマグネットを備える場合でも、マグネットを備えない場合とほぼ同様の十分な通信距離が確保され、RFタグ1の良好な通信特性が得られるようになる。
以上説明したように、本実施形態のRFタグ1によれば、インレイ10に対して絶縁状態で同一平面上に並列配置される補助アンテナ20によって、インレイ10の通信特性を周波数帯域に合わせて最適な状態に設定・調整して、各通信周波数に応じた良好な通信特性を得ることができ、金属の影響を有効に回避・低減することができる。
そして、本実施形態によれば、RFタグ1の補助アンテナ12を、インレイ10のループ部11aに対して所定間隔(距離)をもって対向・離間して配置することで、補助アンテナ20を、インレイ10のループ部11aを含むアンテナ12に接触・積層させることなく、補助アンテナ20とインレイ10のアンテナ12とを、投影面上で重なることなく並列に配置されるようになっている。
これによって、補助アンテナ20によってインレイ10の一部又は全部が覆われることで、インレイ10の電気的特性が影響を受けることがなく、かつ、補助アンテナ20とインレイ10のアンテナ12の双方のアンテナ面積を可能な限り広く大きくすることができ、アンテナ利得を最大限に増大させることができる。
また、補助アンテナ20は、インレイ10のアンテナ12やループ部11aの制約を受けず、アンテナの設計範囲を拡張することができる。
したがって、本実施形態に係るRFタグ1では、RFタグ1自体が備えるアンテナ12やループ回路11aを有効かつ最大限に機能させることができ、また、補助アンテナ20の設計等の自由度を向上させることができ、使用するインレイ10に最適な補助アンテナ20を設計・調整等することができ、良好な通信特性が得られる金属対応のRFタグを実現することができるようになる。
以上、本発明のRFタグ及び金属容器について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係るRFタグは、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、本発明に係るRFタグを取り付けて使用する物品・対象物として、例えばアルミ製の金属容器や金属製の筐体などを想定しているが、本発明のRFタグを使用できる物品,対象物としては、アルミ製の金属容器や金属製の筐体に限定されるものではない。
すなわち、RFタグが使用され、リーダ・ライタを介して所定の情報・データが読み書きされる物品,対象物であれば、どのような物品・対象物であっても本発明に係るRFタグを適用することができる。例えばアルミ製の金属容器や金属製の筐体以外では、金属製のヒータや電気製品,食器,調理器具,家具,什器,コンテナ,自動車など、金属製の任意の物品・対象物に好適に用いることができる。
本発明は、例えばアルミ製の金属容器や金属製の筐体など任意の物品や対象物に取り付けられて使用される金属対応型のRFタグとして好適に利用することができる。
1 RFタグ
10 インレイ
11 ICチップ
11a ループ部
12 アンテナ
13 封止フィルム
20 補助アンテナ
21 凸部
40 表層
50 基材

Claims (3)

  1. ICチップとアンテナを備えたインレイと、
    前記インレイと絶縁状態で積層される補助アンテナと、
    積層された前記インレイ及び補助アンテナが搭載される基材と、を備え、
    前記インレイのアンテナが、前記ICチップの近傍にループ回路を形成し、
    前記補助アンテナが、
    前記ループ回路と対向する当該補助アンテナの共振軸に沿った辺の中心位置に凸部を有し、
    前記ループ回路と対向する前記補助アンテナの共振軸に沿った辺の中心位置が前記ICチップとの間に前記ループ回路を挟んで前記ループ回路に対向するように前記ループ回路の近傍に位置するように配置される
    ことを特徴とするRFタグ。
  2. 前記補助アンテナが、前記インレイのアンテナに接することなく、前記インレイと投影面上で並列に配置される
    ことを特徴とする請求項記載のRFタグ。
  3. 前記補助アンテナの共振軸に沿った辺の中心位置が、前記インレイのループ回路に対して5mm以内で離間するように配置される
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のRFタグ。
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