JP4644406B2 - 軸封部を備えた水中用モータ - Google Patents
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Description
(技術分野)
本発明は、水中用モータおよび水中用モータの密封部分に関するものである。特に、水中用モータの空中または水中にて動作する能力と持続性に関する。本発明は特に、モータとポンプユニットの組み合わせを参照しているが、本発明の特定の特徴は、ポンプの動作以外の目的で使用する水中用モータにとって有益である。
【0002】
(背景技術)
本願明細書中で使用している「水中用」という用語は、モータ設計に一体形成された外部ケーシングまたはモータハウジングによりモータ内への流入を規制された流体で、モータを包囲することができるという意味である。
【0003】
集水孔または井戸から液体を運搬するために、水中用モータ駆動のポンプが幅広く使用されている。一般に、これらのポンプはモータと、汲み上げた流体のモータ軸に沿った侵入を防止する密封部分とを備えている。水中用モータは、湿式および乾式固定子の両方と共に設計されてきた。湿式固定子設計では、軸受けを潤滑し、熱を除去するために、融和性の流体を充填した固定子チャンバを採用している。流体は、流体とモータ翼の間に電気伝導が生じないように、誘電特性を備えていなければならない。
【0004】
しかし、流体充填した固定子チャンバ内の流体特性による粘性抗力のために、モータの全体的な効率が低下するという欠点がある。その結果、モータのサイズが大きくなるにしたがい、効率の低下が著しくなる。
【0005】
乾式固定子設計がモータと密封チャンバを分離することで、モータ固定子が非湿潤環境あるいは乾式固定子チャンバ内で回転し、粘性抗力が低下し、モータの全体的な効率が増加する。一般に、乾式モータ設計は、密封チャンバの両端部にそれぞれ一つずつ配置された二つの機械密封部を採用している。固定子チャンバと密封部チャンバを分離する機内の密封部の表面を冷却および潤滑するために、密封チャンバは融和性の流体で充填されている。
【0006】
水中用モータが流体内に沈められると、モータの外面上の圧力が沈没の深度に比例して上昇する。水の場合には、2.3インチ(5.842cm)沈む毎に約1lb/in2の圧力が上昇する。気体と液体が、常に高圧範囲から低圧範囲にかけて流れることは周知の事実である。水中用ポンプは、モータ空洞または固定子チャンバ内への流体の流入を防止するために、いわゆる「機械」密封部分を採用しているが、これらの密封部分は密封を行うのではなく、実際には流体の流れを非常に低いレベルに規制するものである。この流体の流れが、合致密封面上に、過熱と早期疲労を防止するための流体力学的な膜を作る。
【0007】
通常の環境下で、水中用モータは常に、高い外部圧力範囲からモータ内の低圧範囲へと、密封面にかけて移動する流体を備えている。一般に製造業者は、伝導性の液体がモータへの危険性を有するレベルに達したことを警告するために、モータ空洞内に配置された何らかの形態の電子式湿度検出装置に依存するか、または、満足のいくモータ寿命を提供するべく流体の侵入を十分に遅速させる積層した密封部を使用している。
【0008】
従来の水中用設計は、内部環境を外部流体から分離するが、機械密封部上の圧力のバランスを維持するべく外部流体との連絡を保つために、何らかの形の可撓性装置を使用している。これらの装置は、少数の例を挙げればピストン、提灯型筒、空気袋の形状をしている。これらの装置は全て、清潔な環境には適しているが、装置の移動機能を無効にしてしまう油、泥、固形物が蓄積した環境での動作には望ましくない。
【0009】
数種の設計は、接続ホース等を介して水中用モータを加圧するための非沈水手段を提供している。一般に、これらの容器は、水中用モータのための個別の支持システムとして設計され、モータに一体形成されているのではない。
【0010】
1997年4月1日付けで発行された米国特許明細書第5、616、973号は、複数の一体型冷却通路を備えたモータハウジングを参照しており、このモータハウジングでは、冷却通路を介して、同軸配置して取り付けた軸で駆動される渦巻き型の羽根車の手段によって、緩衝流体が循環される。緩衝流体がモータからの熱を吸収し、この熱を、緩衝流体と汲み上げた流体の両方に共通する隔離仕切り内の導電性熱伝導部を介して、汲み上げた流体内に伝播する。この設計は、空気中で動作しているモータからの熱の除去には有効であり、モータを空気中で連続的に動作できるが、特に回転および静止密封面と接触した、上昇する摩擦熱に晒される機外の機械密封部の臨界面がポンプ軸と密封部構成要素によって形成された、小型の環状部付近に配置されているため、緩衝流体と臨界密封面の間に相対動作がほとんど生じないという欠点を有する。
【0011】
1999年9月1日付けで発行された欧州特許明細書第939231A1号は、羽根車の軸流動スタイルを使用して類似した方法で動作する。この設計は、空気中で動作するモータからの熱の除去には有効であるが、モータは空気中で連続的に動作できるが、特に回転および静止密封面と接触した、上昇する摩擦熱に晒される機外の機械密封部の臨界面がポンプ軸と密封部構成要素によって形成された、小型の環状部付近に配置されているため、緩衝流体と臨界密封面の間に相対動作がほとんど生じないという欠点を有する。
【0012】
この淀み範囲内の緩衝流体は、機外の機械密封部の接触面を十分に冷却することができないため、汲み上げた流体に冷却機能を頼らなければならない。ポンプ内が空の状態で動作し、モータが動作を継続する乾式動作状況下で、あるいは気体または蒸気ポケットが機外の密封面の外面を包囲している状態において、合致密封面の過熱と、これによる機外の機械密封部の早期故障が生じる可能性がある。そのため、機外の機械密封部の通常処理で湿潤した面が乾燥している状況では、水中式モータを、機外の機械的密封面を過熱により損傷せずに、長期間にわたって動作することは不可能である。汲み上げ用途に使用する場合には、負荷センサ、レベル制御等の方法による器具を追加するか、あるいは、これらの問題を回避するべく操作者側が十分に注意を払うかのいずれかの方法をとる必要がある。これらのオプションは全て、関連する経費および信頼性の面で望ましくない。
【0013】
モータ固定子チャンバを、離れた場所にある気体供給源からの気体により、周囲の流体よりも高い圧力での加圧が可能な密封装置を提供する軸封部を備えた、水中用モータ駆動ポンプが開示されている。この高い圧力が密封チャンバ内を軸に沿って伝播されるため、モータ外部から密封チャンバ内への外部流体の侵入と、密封チャンバからモータチャンバ内への流体の侵入が防止される。
【0014】
しかしながら、加圧のために固定子チャンバを介した遠隔場所の圧力源を利用する上で問題が生じる。機械密封部は「密封」を行うのではなく、実際には流れを「規制」するものである。この設計に伴う一つの欠点は、この設計の密封寿命が密封チャンバ内の少量の緩衝媒体に部分的に依存している点である。この媒体が密封チャンバから外部環境へ流れる際に、密封チャンバに緩衝流体を補給する設備は設けられていない。
【0015】
この設計に伴う別の欠点は、加圧された気体の量が使用できる緩衝流体量が、密封チャンバ内の緩衝流体の供給が排出される度合を越えると、気体が密封面にかかる通過を継続する点である。これにより外部流体の密封面への侵入の防止が補助されるが、その結果、気体が、液体潤滑用に設計された機械面密封部の密封面を潤滑するのに十分な粘性を備えていないという事実による早期密封欠陥が生じる。
【0016】
水中式モータは、モータ軸の軸線を地表に対してほぼ垂直にした状態で、垂直に向けられることが多い。液体よりも軽量な気体は、あらゆる環境内で最高地点へと上昇する傾向がある。水中用ユニットに伴う共通の問題は、多くの場合、機械密封面が、機外機械密封部についてはポンプチャンバ内の最高地点付近に配置され、また、内機機械密封部については密封チャンバ内の最高地点付近に配置されていることである。ポンプチャンバ内または密封チャンバ内のいずれか、あるいは密封チャンバに存在する気体は、チャンバ内の最高地点に集中する傾向にある。気体ポケットが周囲の液体を密封面から制御する場合、密封面の過熱および早期損傷が生じる可能性がある。
【0017】
沈液用途の最も一般的な形態は、井戸内に収容された水である。これほど一般的ではないが、研磨媒体および/または化学製品が沈液媒体である工業用途も一般的な沈液環境になりつつある。これらの環境において、水中用モータの携帯性は多くの使用者にとって望ましい特徴である。遠隔場所にある容器または加圧源を使用すればこの携帯性を制限することになる。さらに、固形物が存在する環境では、モータの熱伝導面内およびその周囲での固形物の固定により、周囲の液体へのモータの熱伝導機能が制限されてしまう。その結果、モータの早期損傷が生じかねない。
【0018】
水中用モータ駆動ポンプは、集水孔内、あるいは液体が集中する低部範囲に配置されることが多く、収集した液体の全てを別の場所へ運搬することを主要目的としている。通常の動作中に、電気損失によってモータ内で熱が発生する。この熱をモータから除去しなければ、熱は上昇し、早期モータ損傷を引き起こしてしまう。初期の水中用設計は、気体に対する流体の優勢熱伝導特性に依存したものであり、モータを常に液体内に沈めておく必要があった。主要な欠点は、ポンプの正確な動作が全ての液体をポンプ場所から除去できず、ポンプの主要目的を達成できないことである。
【0019】
多くの発明が、液体を汲み上げるべくモータのレベル以下に沈めることを可能にしながら、水中用モータの露出時にモータから生じる熱を除去する問題を連続して扱ってきた。最も一般的な設計は、モータハウジング周囲の環状チャンバを介して液体を汲み上げるもの、または、密封チャンバ内の放射状羽根車の手段により、緩衝流体を、モータハウジング内のジャケットを通り、モータの熱を汲み上げた液体、または冷却材内に伝播する冷却フィンを通過して循環させるものである。
【0020】
これらの設計の欠点は、現在はモータが保護されているが、密封チャンバから外部環境への軸に沿った漏出を規制する機械面密封部が、汲み上げた冷却媒体に依存する点である。そのため、水中用モータは、完全な乾燥状態において、損傷することなく長時間機能することが不可能である。汲み上げ用途で使用する場合、負荷センサ、レベル制御等の形の器具を追加するか、あるいは操作者側の注意を高める必要がある。これらのオプションは全て、これに関連する経費および信頼性の問題上望ましくない。
【0021】
その機械の設計がいかに優れていても、移動接触部分を備えた全ての機械は疲労し、定期的な防止または修理メンテナンスが必要となる。産業環境において、ポンプのような一つの装置の停止時間により、工程全体の生産性や、汚水が関係した環境の安全性に影響を及ぼすことになる。現行のような構造の水中用モータは、構成要素を分離するべく取り付けられた軸封部と軸受けを使用したものである。正確な設置とは、これらの構成要素を個別に配置、取り付けすることを意味するため、組み立て、分解に要する時間を延長してしまう。
【0022】
(発明の開示)
本発明の目的は、従来技術に記された欠点を克服する、電気モータ駆動水中用ポンプのための密封装置を提供することである。
【0023】
本発明の目的は特に、外部流体内に含まれる固体および他の汚染物によって生じる外部流体の密封面間への侵入が、密封部またはモータの寿命を、清潔な融和性流体内における密封面間で得られる寿命よりも低下させてしまう場合に、外部流体に関連した正味正圧を密封チャンバ内に提供することである。
【0024】
別の目的は、水中用モータが乾式にて長時間動作できる、つまり、冷却目的の外部液体と接触することがなく、密封部またはモータを損傷しない環境を提供することである。
【0025】
さらなる目的は、モータの回転方向に無関係に、密封部またはモータを損傷することなく、水中用モータが乾式にて長時間動作できる環境を提供することである。
【0026】
さらに別の目的は、乾式動作を生じず、これによる機械密封部の加熱を生じることのない、気体が集中する環境を、ポンプチャンバ内の機外の機械密封部の合致面付近に提供することである。
【0027】
別の目的は、設置と取り外しに要する時間を、現存の水中用設計のものと比較して、短縮できる密封部および軸受け装置を提供することである。
【0028】
別の目的は、熱伝達を禁じる固形物、汚染物の堆積を生じかねない規制を作成することなく、モータによって生じた熱を周囲環境に除去させる方法で、外部モータ面が固形物およびその他の汚染物質を含有する液体にさらされる環境において、上述の装置を提供することである。
【0029】
別の目的は、湿式固定子設計のものよりも大きな動作効率を得るために、乾式固定子設計での密封チャンバの加圧を可能にすることである。
【0030】
別の目的は、水中用装置の一体型部分を形成するモータ加圧システムを設けることで、装置の携帯性を提供することである。
【0031】
乾式固定子設計での密封チャンバの加圧を許容すると同時に、通常動作中に損失した緩衝媒体を補充する一体型容器を提供することである。
【0032】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明のこれ以外の目的および利点は、当業者には、以下の詳細な説明から容易に明白になるはずであり、この詳細な説明において、本発明の好ましい一実施形態のみを、単純に本発明を実施する上で考えられる最良の例証方法によって示し、記載した。
【0033】
水中用、モータ駆動ポンプの好ましい実施形態には三つの原理要素または特徴がある。密封チャンバ内の圧力を、ポンプの作業深度(working depth)の外部環境におけるレベルよりも高いレベルに維持するために、乾式回転子タイプの水中用モータと組み合わせた一体構造型の加圧容器である。水中用モータは、脱着可能な軸スリーブ、またはカートリッジ付き低部ベアリングおよび、上部密封装置を採用しているため、機内の機構密封部と外気式機溝密封部の間に配置されたベアリングによって両構成要素の設置、取り外しが容易になる。この脱着可能スリーブ上には独特の循環羽根車が取り付けられている。この循環羽根車は、モータ冷却の目的で遠心ポンプ動作を分与することに加え、運動エネルギーを、軸封部を冷却するためにモータ軸に沿って液体を同時に循環させる流体の流れに変換することで、モータを長時間にわたって乾式で動作する。
【0034】
個別または組み合わせで適用できるこれらの特徴は以下のように叙述できる。すなわち、(1)水中用モータに一体的に取り付けた、あるいは水中用モータから分離した加圧容器、(2)緩衝流体の局所およびモータ冷却循環両用の遠心およびピトー管羽根車の組み合わせ、(3)モータ軸に取り付けられた低部ベアリングと上部密封部装置カートリッジ。(3)により、低部ベアリングが上部機械密封部と下部機械密封部の間に配置され、また、緩衝流体羽根車を使用であればこれを収容する。
【0035】
まず図1に示す構造の一部分を参照する。モータハウジングM1に一体的または機械的に取り付けられた外部シェル661が、外部カバー662に嵌合している。軸01が、モータハウジングM1から、外部シェル661の環状部分および外部カバー662の別の環状部分を通ってのびている。外部シェル661内に遠心的に取り付けられた機械密封部MS1は、本願明細書中で機外の密封部とも呼ばれ、軸に沿った流体の漏れを規制する。外部シェル661、外部カバー662、機械密封部MS1、MS2、軸01の組み立ては、ここで密封チャンバと呼ぶものを形成している。
【0036】
回転中の装置における流体の高圧範囲から低圧範囲への流れを規制することが明らかな、機械面密封部設計が数多く市販されている。本発明は、使用する機械面密封部に特に依存せず、機械面密封部を動作するためのより好ましい環境に注目する。
【0037】
密封チャンバは機械密封部を収容するべく機能し、また、密封面の冷却材および潤滑材としての保護流体用容器として機能する。一般に、この流体は緩衝流体と呼ばれる。緩衝流体は、モータの巻きの欠如を十分に防ぎ、密封面を十分に潤滑する潤滑剤および誘電体の両方の特性を備えた、あらゆる清潔な非腐食性流体であってよい。様々な市販のオイルやオイル状物質が液状緩衝流体に適していることがわかっている。
【0038】
加圧した容器PAは、容器、また密封チャンバの加圧源として機能する。図2の従来技術は、図1の実施形態で使用するような、一般に市販されている気体操作タイプの加圧容器を示す。容器のタイプは、その機能ほど重要ではない。まず、ピストンまたはバネのような機械装置から、あるいは機械/気体運転式装置の組み合わせにより、圧力を伝播できなくてはならない。また、密封チャンバ内の緩衝流体へ圧力を伝播できなくてはならない。
【0039】
気体運転式装置の場合、加圧した気体が緩衝流体に吸収され、密封部合致面を超えて通過する際に解放されないようにするために、気体と緩衝流体を分離して、密封部の早期損傷を起こさないようにしなければならい。加圧した容器PAが正常な流体容量を排出した瞬間に、密封面の処理側部上の圧力と等しい、またはこれよりも高い緩衝流体圧力を供給するのに適した設計圧力定格(design pressure rating)を備えていなければならない。これは絶対に必要というわけではないが、外部密封部にかけて可能な限り正圧勾配を提供することにより、容量に関係なく圧力容器を使用することの重要な利点が最大化される。
【0040】
図1に戻ると、加圧容器PAが、流体を二方向に流すことができる導管PA1を介して密封チャンバと接続している。この特別なケースでは、迅速解除嵌合部C1を使用して設置および取り外しを容易化する。本発明の目的から逸脱しない限り、別の接続の形態を使用することもできる。加圧容器PAは、水中用モータM1に堅固に取り付けられているため、モータM1は自由であり、外部環境に解放されており、水中用モータと加圧容器の装置全体が単体装置として携帯可能である。
【0041】
圧力容器をあるいはモータ構造内に一体に設けることができるが、この場合、形状が他の重要な機能、および設計全体の最低限の冷却機能を妨害しない限り、適切なダイヤフラム、留め具、連結部を使用して、圧力容器をモータ上に垂直に積重するか、または円周タンクを密封チャンバのレベルにてモータ周囲に配置するか、あるいはモータまたはポンプハウジング内部に圧力容器を設けることも可能である。
【0042】
水中用モータ装置に設置する前に、加圧容器PAを機械的に、またはこの場合にはキャップ付き2方向弁C2を介して気体によって、予想される最大水中圧力よりも高い圧力にまで加圧する。次に、緩衝流体密封チャンバと、加圧容器PA内への接続ラインが、加圧源から、迅速解除嵌合部C1を介して、機内のおよび機外の軸封部設計の考えを含む密封チャンバ設計の最大正常圧力にまで、緩衝流体で充満または充填される。容器がハウジングと一体に形成されているか、あるいはハウジングから容易に取り外しできないように形成されている場合、モータ装置上で充填、充満することができる。形状によっては配置と充填の順序が異なるが、最終的に得られるのは自給式の、加圧された緩衝流体密封チャンバである。
【0043】
最大正常圧力(maximum normal pressure)を計算する際の典型的な安全許容範囲は、最大動作温度における圧力装置の設計圧力の約2/3か、または、定められた温度における最低設計圧力定格の装置依存構成要素の設計圧力定格の2/3であり、いずれも最低の設計圧力定格を有する。本願明細書は、第3者設計において何が適切な安全許容範囲を構成するかについては請求しない。
【0044】
この実施形態における装置依存構成要素は、加圧蓄圧器PA、相互接続パイプ、構成要素PA1、PP1、C1、外部カバー662、外部シェル661、機械密封部MS1、MS2、モータM1として定義される。圧力装置は、装置依存構成要素の装置として定義される。通気栓PP2が取り除かれ、密封チャンバが、パイプPA1を介して緩衝流体で充填される。
【0045】
充填中に、密封チャンバから通気パイプPA2を介して空気が逃げ出す。密封チャンバから通気パイプを介した緩衝流体の逃げが確認されると、充填が停止し、通気栓PP2が戻される。次に、迅速解除嵌合部C1を相互接続パイプPA1と、ブラケットB1をモータM1と、ブラケットB1を加圧容器PAと組み立てることで、充填および加圧された容器PAが水中用モータ装置上に組み立てられる。
【0046】
水中用モータポンプ組立体が動作すると、緩衝流体が、より高い圧力密封チャンバから、機外の密封部MS2を通過して外部処理環境内へ流れる。機内の密封部MS1の密封面にかけて、モータチャンバ内への漏れが生じる。その誘電特性により、モータチャンバM1へ流入する緩衝流体が危害を生じることはない。緩衝流体が密封チャンバから流れる際に、加圧容器PAが、加圧蓄圧器PAの再補充および際充電に必要な時間まで、追加の緩衝流体を補充し続ける。
【0047】
水中用モータポンプ組立体の動作に伴い、密封チャンバ内の温度が上昇する傾向がある。これは、モータM1による電気および機械損失によって発生した熱と、機械密封部によって上昇した摩擦熱のためである。加圧容器PAの2方向流れ機能によって、密封部を損傷することなく、緩衝流体がモータ温度の上昇時に増大し、冷却時に収縮する。
【0048】
水中用モータは、モータ軸の軸線を地表に対してほぼ垂直にした状態で、垂直に向けられることが多い。容器内で、液体よりも軽量の気体が最高地点にまで上昇し易い。ポンプチャンバまたは密封チャンバ内のあらゆる気体は、チャンバ内の最高地点に集中し易い。外部シェル661は、機内の密封部MS1の合致密封面付近にあるあらゆる気体が、液体内で上昇する気体の自然な傾向を利用して、上方へ、密封面から放射方向に向かって移動し、通気パイプPA2がある範囲に集中する。初回の充填中に気体が逃げるため、動作中に、機内の密封部MS1と機外の密封部MS2の密封チャンバ表面が水中に沈む。周囲環境よりも高い圧力で密封チャンバを加圧することにより、密封チャンバ外の気体が侵入しないようになる。
【0049】
全ての遠心ポンプは、静的構成要素から回転分離する隙間を設けている。このような隙間の一つは、ポンプ羽根車63の回転ハブと静的裏板52の間に存在し、環状部分を形成する。裏板52のいずれかの側に存在する圧力差によって、ポンプ輸送部内にある固形物、泥、その他の汚染物が、回転ポンプ羽根車63、静的裏板52で形成された環状部分を通り、これ以降で2次ポンプチャンバと呼ぶ範囲内に流入し易い。この2次ポンプチャンバは、外部カバー662、機外の密封部MS2、軸1、裏板52によって境界を定められている。
【0050】
二次ポンプチャンバ内に侵入する液体は、出口V1から流出して周囲環境へ戻る。機械密封装置MS2付近にある外部カバー662の処理湿潤側部が、付近の機械密封装置MS2に対して、同心の、コップを逆さにした形状の傾斜環状部を形成しており、これにより、直径の小さな傾斜部が密封面に近接し、直径の大きな傾斜部が、二次ポンプチャンバ内の密封面からいくらかの軸距離だけ離れた位置で終端している。
【0051】
管状部分に侵入する流体は、軸1の回転面、スリンガ81、機外の密封部MS2の回転要素によって供給される運動力と同様、摩擦ドラグによって、軸1の軸線周囲で回転方法にて加速する。管状部分内の液体の回転量に作用する遠心力により、流体が外部カバー662の傾斜面に沿って、二次ポンプチャンバ内で終端している傾斜面の直径の大きな端部方向へ向かって移動する。この流れは、機機外の械密封部MS2の構成要素上に固形物が溜まり、潜在的にその移動を規制してしまうことを防ぐ補助をする。
【0052】
前述の説明において指摘したように、一般に、水中用モータは、モータ内部への侵入が制限された流体によって包囲されたモータと考えられる。そのため、前述の実施形態では、モータハウジングM1の外面が、汲み上げた媒体内に実際に沈められ、同媒体から冷却材を得るが、図3の実施形態では、モータは、長時間に渡る動作中に、汲み上げた媒体内に沈められず、外部液体から冷却材の利点を得ることもない。
【0053】
図3に示す新規の羽根車の設計は、モータ冷却目的の循環緩衝流体に加え、これと同時に冷却材を機機外の械密封部の臨界面に向けることができるため、空での連続動作が可能となる。この独特な羽根車設計は、個別に、あるいは図1の緩衝流体加圧システムと共に使用することができる。
【0054】
次に図3を参照すると、モータハウジングM1は、外部シェル661、外部カバー662、モータM1、軸1、機内の機械密封部MS1、機機外の械密封部MS2、軸スリーブ12、軸スリーブ121の組み立てによって形成された密封チャンバから開始し、同チャンバへと戻る流体通路と共に設計されている。以降でより詳細に説明しているように、軸スリーブ12と軸スリーブ121はオプションであり、本発明をさらに拡張するものであり、これらスリーブの有無によってこの特徴の機能または実用性が影響を受けることはない。
【0055】
前出の技術開発と一致して、羽根車631周囲に同心配置され、軸1またはスリーブ12に堅固に取り付けられた、等間隔で離間した複数の羽根の手段によって緩衝流体が加速され、緩衝流体のいくらかは、モータ内の摩擦および電気損失によって生じた熱を吸収しながら、モータハウジングM1内の流体通路と直接連通した流体出口FP1を介して、バッフル161の上側部に配置された通路内に排出され、また、緩衝流体のいくらかは、密封チャンバの解放範囲内を循環するべく排出される。
【0056】
外部シェル661の内面から内方へ放射状にのびた複数の固定子羽根632が、羽根車631と共に回転する緩衝流体の傾向を部分的に中断し、これにより、羽根車632と、羽根車631のピックアップ管103と極めて近接した緩衝流体の間の相対速度差が維持される。これは、図4A、図4Bにおいてより明瞭に示されている。
【0057】
さらに図3を参照すると、緩衝流体は、モータM1内の流体通路から、密封チャンバと連通した、流体が密封チャンバ内で外部カバー662に対して垂直にのびた熱交換フィン663にかけて流れる、バッフル161の下側部の流体出口FP2部分に配置された流体通路を通って密封チャンバへ戻る。緩衝流体がフィン663にかけて引き込まれると、過剰熱がフィンを介して外部カバー662に伝播され、外部流体または密封チャンバ内の空気によって外部カバー662内に吸収される。次に緩衝流体は、バッフル161の開口部、羽根車631のハブによって形成された環状部分内へ引き込まれ、ここで再び羽根車631によって加速され、冷却循環を繰り返す。
【0058】
次に図4A、図4Bを参照すると、図3の羽根車631を詳細に、より明瞭に開示している。従来技術と著しく異なり、羽根車631は、流体を外方へ放射状に加速することを目的とした、中心軸周囲で等間隔で離間した複数の羽根100の他に、羽根車631の外径から羽根車のハブに向かって内方にのびた、少なくとも一つの内部放射状通路101を備えている。二次通路102は、軸が羽根車631の中心縦軸と交差し、いくつかは羽根車から離れて示されている。二次通路102は、一次通路101との交差点から開始し、羽根車631のハブの表面において終端している。直角のピックアップ管103が、放射状通路101と接続しており、解放端部が羽根車631の回転方向を向いた状態で羽根車631の外縁に取り付けられている。
【0059】
当業者にとって明らかなように、循環羽根車タイプを、羽根車の性能をその設計外形に関連して特長付ける無次元数である羽根車の特定の速度によって、部分的に区別して説明している。回転の外形および速度は、ピックアップ管103の性能の要素である。
【0060】
動作中、羽根車631が緩衝流体内で回転すると、ピックアップ管103が緩衝流体の一部分を収集する。収集された緩衝流体は、羽根車の遠心動作により生じた、羽根車と羽根車外縁における流体の回転速度との間の速度差の二乗に比例する圧力よりも高く、これを越える正味速度ヘッド(net velocity head)に晒される。ピックアップ管内の液体の運動エネルギーが、羽根車の外縁と入口の間の遠心作用により生じた圧力差よりも高く、これを越える静圧に変換される。
【0061】
したがって、羽根車の外縁と入口の間には、放射状通路101に沿って合成速度(resultant velocity)を生じる圧力差が存在する。放射状羽根100の遠心力によって生じた圧力差は、放射状通路101を介して戻ろうと試みる際の同じ力によって相殺される。放射状管101内の運動変換の負の摩擦および乱流の損失によってピックアップ管103内に圧力が生じた結果、羽根車の外縁から入口へ移動して放射状通路101内に正味流体速度が生じる。
【0062】
次に、流体が二次通路102に入り、図3に示すように、機外の密封部MS2と回転軸12またはスリーブ121の間の環状部分内に排出される。この排出によって環状部分内の流体が入れ換えられ、その結果、密封面構成要素と緩衝流体の間に、過熱部の減少または除去を助け、密封面を冷却する相対動作が生じる。この方法でなら、ポンプが空になり、外部流体循環が途絶えても、密封面の冷却を継続することができる。
【0063】
再び図4A、図4Bを参照すると、本発明のこの面は、内部通路配置を羽根車上のどこか他の部分に、第一配置から180°偏倚して形成し、直角管113を、その開放端部が羽根車631の通常回転と逆方向に向くように設ける。これにより、モータ回転子が逆回転する際にも、密封面の潤滑が継続する。この配置では、低部密封部付近において、循環を増加させる方法において追加的利点があることがわかる。管103に関連した汲み上げ動作に加えて、対向する管113と、これに関連する通路が動作中に遠心的汲み出し動作を提供し、これが管113からの流体の正味排出となり、ポンプ軸1付近の羽根車ハブ周辺範囲における緩衝流体の循環と流れが増加する。
【0064】
換言すれば、回転の方向を向いたピックアップ管が、流れを羽根車631の外縁から羽根車ハブの内方に向ける運動変換に晒される。回転方向と逆の方向を向いたピックアップ管が、遠心作用を介して、羽根車ハブから羽根車の外縁へ外方に向かう流れを作り、これによって循環ループが生じる。この現象は回転方向とは無関係であり、通路あるいは対面するピックアップ管のセットを、好ましくは羽根車の周囲に一定の間隔で交互に配置して追加することで増加できる。
【0065】
羽根車の片側または両側上の羽根車のハブと近接する軸密封面付近での緩衝流体の循環を促進するために、この新規の羽根車拡張式の循環流動を、あらゆる回転式の、流体循環羽根車に適用することができる。羽根車の外縁とハブまたは軸との間に流体範囲実質的に同一の循環ループを得るための、通路およびピックアップ管の外形の応用は本発明の範囲内に入る。
【0066】
本発明の別の実施形態では、ポンプに最も近いモータ軸受けが密封チャンバ内に移動され、軸受けと駆動負荷(driven load)の間のオーバハング距離が短縮される。従来技術で周知のように、負荷端部軸受けを機内の機械密封部から、機内の機械密封部と機機外の械密封部の間の場所へ移動することにより、軸受けと密封部の間の片持ち距離が短縮され、機外の密封面における軸逸脱を減少する効果が生じ、密封効率と密封部の耐性が向上する。乾式回転子モータ設計における多くの軸受けは潤滑油で潤滑されているため、この軸受け配置で、軸受けをモータ回転子チャンバの油潤滑した環境から、密封チャンバのオイル潤滑した環境に移動することにより、さらなる利点が生じる。任意の所与の負荷および速度にて、油潤滑した軸受けはオイル潤滑した軸受けよりも動作温度が低く、理論上の耐性が長い。この軸受け配置は、以下に説明する本発明のさらなる利点を備えている。
【0067】
回転装置は時折メンテナンスが必要であることは容易に理解でき、本願明細書中で説明している。ここで記載した実施例の主要目的は装置の動作寿命を延ばすことであり、別の目的はメンテナンスを容易化し、メンテナンス実施時の休止時間を短縮することである。メンテナンスが必要な場合、交換または検査のために密封部と軸受けをモータ装置から分解しなければならない。そのため、使用者が、ここでカートリッジ装置と呼ぶ事前に組み立てた単体スリーブに対して軸受け、密封部、他の回転構成要素を脱着することができる設計は、使用者にとって価値のあるものである。
【0068】
再び図3を参照すると、機内の機械密封部MS1の非回転部分が、外部シェル661に取り付けられているが、これはモータM1の一体構成部品または別部品であってよい。カートリッジ装置は、機内の機械密封部MS1回転部分のような回転要素、機外の軸受け3、緩衝流体を循環するための循環羽根車、羽根車631で構成されている。カートリッジ装置は、事前に組み立てられ、すべての構成要素が軸と共に回転するように軸1と同軸にしっかりと取り付けられた軸スリーブ12上の所定位置に容易に配置することができるように設計されている。
【0069】
図3中では、軸スリーブ12の事前配置は、軸1上の機械工作した肩部分に対する軸スリーブ12のアバットメントによって行われる。軸に沿った回転要素の配置に使用される標準の機械設計方法が数多くある。この特定の方法を例証の方法で示す。使用する実際の方法は、本発明の範囲をいかなる形でも損ねることはない。スリーブ12を軸1上に正しく位置付けした場合、機内の機械密封部MS1の回転要素が、外部シェル661内に取り付けられた機内の機械密封部MS1の静止要素と適切な圧縮で係合する。
【0070】
軸受け3が、ここでは軸受けハウジングとして知られ、外部シェル661と一体または同軸に形成された、外部シェル661内の逆さにしたコップ型の内腔と係合する。軸受けハウジングの最高地点には、その縦軸に対して直角を成す形で、複数の通路V2が機械工作されているため、緩衝流体が軸受け3、機内の機械密封部MS1、密封チャンバ周囲で自由に循環することができる。密封チャンバ内に閉じ込められたあらゆる空気または気体は、これらの通路を介して、機内の機械密封部MS1から離れた位置へ自由に移動することができる。循環羽根車631のような別の構成要素を軸スリーブ12上に同軸に取り付け、次に、これを軸1と同軸に取り付けることができるため、この副装置全体を水中用モータ装置M1に対して、迅速に着脱することが可能になる。O型リングOR1が、軸スリーブ12の内径と軸1の外径の間の漏れを防止する密封部を形成する。
【0071】
様々なカートリッジ要素のタイプ、数、形状を設計および用途によって変更することができる。この実施形態は、例証の方法のみによって、密封部、軸受け、循環羽根車を使用している。水中用モータの設計、メンテナンスのカートリッジ装置および軸スリーブの独特の使用から逸脱しない限り、別のタイプおよび組み立てのカートリッジ要素を使用することも可能である。
【0072】
次に特に図5を参照すると、図3の破線範囲内をより詳細に示す拡大図である。上述したカートリッジユニットの装置では、スリーブ12の縦軸に対して垂直を成し、この軸に沿った既知の距離の平面が形成されるように、軸スリーブ12の外径内に同軸的に溝が機械工作されている。この溝内には輪SR1が組み込まれており、この位置によって、残りのカートリッジ構成要素の軸位置が指示される。機内の機械密封部MS1の回転要素は、留め輪SR1と隣接するようにスリーブ12上に同軸に組み立てられている。軸受け3は、回転する内部レースが留め輪SR1の対向する側と隣接するように、スリーブ12上に同軸的に取り付けられている。緩衝流体循環羽根車631は、軸受け03の内部レースの対向側部と隣接するように、軸スリーブ12上に同軸的に取り付けられている。モータが走行すると、スリーブと、スリーブ上に取り付けた要素が軸によって回転される。
【0073】
回転要素のスリーブに沿った配置に使用できる設計実例が数多くある。スリーブ溝と留め輪SR1を、例証の方法によって簡略的に示す。使用する実際の方法は、本発明の範囲をいかなる形においても損ねることはない。
【0074】
本発明の多くの実施形態が可能である。例えば、密封チャンバの加圧と圧力容器の拡張を追加することで、緩衝流体の正味漏出が常に軸封部を通ってモータチャンバから密封チャンバ、ポンプへ外方に向かって排出されるよう密封チャンバよりも高圧に維持された、専用の緩衝流体供給源と圧力容器を備えたモータチャンバ加圧システムを提供することができる。あるいは、密封チャンバの加圧と圧力容器の拡張を、さらなる密封保護の目的で追加される機械密封部用の加圧システムの提供にまで拡大することができる。該システムは、外部環境よりも高圧に維持された専用の圧力容器を備えて、どの単独の密封部も、汲み上げた流体を一次密封チャンバへ侵入させることなしで、達成し得ない。
【0075】
従来技術は、モータをポンプおよび縦軸上へ垂直位置付けする強い性能を示しているが、本発明は、適切な場合に横軸水中用ポンプに適用され、その使用を容易化する。
【0076】
別の例として、モータとモータハウジングで構成された水中用モータおよびポンプ組立体は本発明の範疇であり、ここで、モータは出力軸、ポンプおよびポンプハウジングを備え、ポンプハウジングはモータハウジングと接続しており、ポンプは出力軸によって駆動される。取り外し可能な軸スリーブが軸上に非回転的に取り付けられている。モータ付近には、スリーブに取り付けられた機内の軸封部の回転構成要素を備えた機内の軸封部が設けられている。ポンプ付近には機外の軸封部が設けられ、モータとポンプの間には密封チャンバが差し込まれており、密封チャンバの一部分は、機内の軸封部と機外の軸封部のチャンバ側面によって構成されている。
【0077】
密封チャンバは、ポンプの作業深度にあるモータおよびポンプ組立体外部の圧力と少なくとも等しい圧力下で、緩衝流体によって充填され、緩衝流体は誘電特性を備えている。軸封部にかけて密封チャンバ内の正圧勾配を維持するために、密封チャンバ加圧システムと少なくとも一つの圧力容器とがモータおよびポンプ組立体に一体に設けられている。
【0078】
外縁とハブを備えた緩衝流体循環用羽根車を設けることができ、外縁はハブよりも著しく大きな直径を有し、機外の軸封部または他の密封部付近の密封チャンバ内、あるいはさらに潤滑または冷却を必要とする隣接した構成要素の密封チャンバ内のスリーブ上に羽根車が取り付けられている。羽根車は、羽根車の外部縁または外縁上の回転的に通常前方を向いた(a rotationally normally forward facing )吸入管を、機外の軸封部付近の羽根車のハブの排出口と接続する少なくとも一つの内部通路を備え、ハブが外縁よりも小さな直径を備えている。内部で羽根車が回転する密封チャンバは、一つの縁が、羽根車上の吸入管の回転の弧と接近するよう方向付した、放射状に向いた固定子フランジを羽根車の機外の部に設けてよい。
【0079】
さらに別の例として、本発明の実施形態は、水中用モータおよびポンプ組立体を設けることができ、この水中用モータおよびポンプ組立体は、汲み上げ動作中に正圧勾配を維持するように密封チャンバと連通した圧力容器が外部に取り付けられているか、あるいは一体に設けられており、密封チャンバ加圧システムは、モータおよびポンプ組立体の通常の動作期間中に、軸封部内を漏出により損失するべく巡回する流体の容量を超える緩衝流体用の容積を備えている。
【0080】
本発明の別の実施形態は、密封チャンバ加圧システムに接続した多数の圧力容器を具備した水中用モータおよびポンプ組立体を備えているので、圧力容器容量を効率的に拡大し、潜在的により長時間にわたる動作サイクルを提供しながら、より大型の緩衝流体供給源として機能することができる。
【0081】
さらに別の実施形態は密封チャンバを備えており、この密封チャンバの内面または天井が機内の軸封部から上方へ向かってのびているため、密封チャンバ内に閉じ込められた、または蓄積した気体を収容する密封チャンバ内における限定された容量部分を機内の軸封部の高さよりも上に備えて、密封部が緩衝流体内に沈むようにすることができる。
【0082】
さらなる実施形態は、ハブ上のハブ吸入口周囲に設けられた回転的に通常後方を向いた(a rotationally normally rearward facing)排出口と接続している少なくとも一つの内部通路を具備する羽根車を備えているため、羽根車のハブと外縁範囲の間に流体循環用の戻り通路を提供する。
【0083】
いくつかの実施形態では、全体圧力(integral pressure)、流体レベルまたは温度センサを様々なタイプの遮断制御部と共に組み合わせて設けることができる。操作者が監視するための信号ラインを、表面に備えたものもある。これらのセンサおよび制御システムの範囲および性質は、当業者にとって明らかであり、また、本発明に容易に適用することができる。例えば、密封チャンバ内の圧力が、作業深度におけるモータおよびポンプ組立体の外部圧力よりも低くなった際に、ポンプを停止するための自動モータ遮断制御部と結合した、密封チャンバ圧力または圧力差用の圧力センサを備えていてもよい。これにより、特に、汲み上げられてあらゆる媒体または流体の侵入を禁じるための正圧傾斜が、機外の軸封部にかけて常に生じる。
【0084】
当業者は、前述の記載、添付の図面、特許請求の範囲に基づいた、本発明の範囲内に入るこれ以外の、および様々な実施形態を理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好ましい実施形態の断面図および線図の組み合わせであり、モータ密封チャンバ用の収容容器および蓄圧器として機能する、一体型の密封加圧装置を採用した水中用電気モータおよびポンプ組立体。
【図2】 図1の空気袋タイプの蓄圧器の断面図。
【図3】 本発明による別の好ましい実施形態の部分断面図であり、モータおよび軸受けおよび密封カートリッジ装置を冷却するための緩衝液を循環させる内部羽根車を備え、また、外機式機械密封部とモータ軸により形成された環状部分内で緩衝流体を循環させ、機械密封部を冷却するための水中用モータ。
【図4A】 図3で参照した羽根車設計の詳細図。
【図4B】 図3で参照した羽根車設計の詳細図。
【図5】 密封および軸受けの外での迅速な変更を可能にしながら、密封面における、半径方向負荷による軸の逸脱を減少させ、内機式軸受け上の全体的な半径方向負荷を減少させる機械面密封部および軸受け配置の部分断面図。
Claims (18)
- 出力軸を備えたモータおよびモータハウジングと、
前記出力軸によって駆動されるポンプおよび、前記モータハウジングと接続したポンプハウジングと、
前記出力軸上に取り付けられた取り外し可能な軸スリーブと、
前記機内の軸封部の回転構成要素が前記軸スリーブ上に取り付けられ、前記モータに近接した機内の軸封部と、
前記ポンプに近接した機外の軸封部と、
前記機内の軸封部と前記機外の軸封部のチャンバ側面を部分的に有し、作業深度における前記モータおよびポンプ組立体の外部の圧力と少なくとも等しい圧力下で、誘電特性を有する緩衝流体によって充填されて、前記モータと前記ポンプの間に差し入れられる密封チャンバと、
密封チャンバ内の正の圧力を前記軸封部にかけて維持するための、少なくとも一つの圧力容器を備え、該圧力容器が密封チャンバと流体連絡状態にあり、かつ前記モータおよび前記ポンプ組立体に一体に形成された加圧システムと、
羽根車の外縁上の回転的に通常前方を向いた吸入管を、前記機外の軸封部に近い前記羽根車の前記ハブ上の排出口に接続する、少なくとも一つの内部通路を有し、前記機外の軸封部付近の前記密封チャンバ内の前記スリーブ上に取り付けられた緩衝流体循環用羽根車と、
前記羽根車の前記密封チャンバ機外の部内に、複数の放射状に向き、一つの縁が、前記吸入管の回転の弧に非常に接近している、固定子フランジとを、
有することを特徴とする水中用モータおよびポンプ組立体。 - 前記一体型の密封チャンバ加圧システムが、前記モータおよびポンプ組立体の通常動作中に、前記軸封部内で漏出によって損失すると計算された容量を超える緩衝流体用の容積を有することを特徴とする請求項1に記載の水中用モータおよびポンプ組立体。
- 前記少なくとも一つの圧力容器が、前記密封チャンバ加圧システムと接続した多数の圧力容器であることを特徴とする請求項1に記載の水中用モータおよびポンプ組立体。
- 前記密封チャンバの内面が、前記機内の軸封部から離れて上方へのびているため、前記密封チャンバ内の、前記機内の軸封部の高さよりも上の部分に、気体を収容する容積部分を有することを特徴とする請求項1に記載の水中用モータおよびポンプ組立体。
- 前記モータハウジング内にモータ冷却通路を有し、前記モータ冷却通路が前記密封チャンバと連通しており、前記羽根車が、前記通路内に前記緩衝流体を流すための圧力を供給することを特徴とする請求項1に記載の水中用モータおよびポンプ組立体。
- 前記羽根車が、回転的に通常後方を向いた排出口を前記ハブ上のハブ吸入口と接続するための少なくとも一つの前記内部通路を有することを特徴とする請求項1に記載の水中用モータおよびポンプ組立体。
- 前記密封チャンバ内の圧力を感知する手段と、
前記作業深度にある前記モータおよびポンプ組立体の外部における前記圧力を感知する手段と、
前記密封チャンバ内の前記圧力が、作業深度にある前記モータおよびポンプ組立体外部の前記圧力よりも低下した際に、前記モータを停止する手段とをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の水中用モータおよびポンプ組立体。 - 出力軸を備えたモータおよびモータハウジングと、
前記出力軸によって駆動されるポンプおよび、前記モータハウジングと接続したポンプハウジングと、
前記モータに近接した、前記軸上の機内の軸封部と、
前記ポンプに近接した、前記軸上の機外の軸封部と、
前記機内の軸封部と前記機外の軸封部のチャンバ側面を部分的に有し、前記モータおよびポンプ組立体の外部の圧力と少なくとも等しい圧力下で、誘電特性を有する緩衝流体によって充填され、前記モータと前記ポンプの間に差し入れられた密封チャンバと、
密封チャンバ内の正の圧力を前記軸封部にかけて維持するための、少なくとも一つの圧力容器を備え、該圧力容器が密封チャンバと流体連絡状態にあり、かつモータおよびポンプ組立体に一体に形成された加圧システムと、よりなることを特徴とする水中用モータおよびポンプ組立体。 - 前記一体に形成された密封チャンバ加圧システムが、前記モータおよびポンプ組立体の通常動作中に、前記軸封部内で漏出により損失すると計算された容量を超えた緩衝流体用の容積を有していることを特徴とする請求項8に記載の水中用モータおよびポンプ組立体。
- 前記少なくとも一つの圧力容器が、前記密封チャンバ加圧システムと接続した複数の圧力容器であることを特徴とする請求項9に記載の水中用モータおよびポンプ組立体。
- 前記密封チャンバの内面が、前記機内の軸封部から離れて上方へのびているため、前記密封チャンバ内の、前記機内の軸封部の高さよりも上の部分に、気体を収容するための容積部分を有することを特徴とする請求項9に記載の水中用モータおよびポンプ組立体。
- 前記機外の軸封部付近の、前記密封チャンバ内の前記軸上に取り付けられた緩衝流体循環用羽根車と、
前記羽根車の外縁上に回転的に通常前方を向いた吸入管を、前記機外の密封軸付近の、前記羽根車の前記ハブ上の排出口と接続する、前記羽根車内の少なくとも一つの通路と、
前記羽根車の機外にある前記密封チャンバ内に、複数の放射状を向いた固定子フランジとをさらに有し、前記フランジの縁の一つが前記吸入管の回転の弧に非常に接近していることを特徴とする請求項11に記載の水中用モータおよびポンプ組立体。 - 出力軸を備えたモータおよびモータハウジングと、
前記出力軸によって駆動されるポンプ及び、前記モータハウジングに接続するポンプハウジングと、
前記モータに近接した、前記軸上の機内の軸封部と、
前記ポンプに近接した、前記軸上の機外の軸封部と、
前記機内の軸封部と前記機外の軸封部のチャンバ側面を部分的に有し、緩衝流体によって充填されて、前記モータと前記ポンプの間に差し入れられた密封チャンバと、
ハブ及び外縁を具備し、前記機外の軸封部付近の、前記密封チャンバ内の前記軸上に取り付けられ、外縁上に、回転的に通常前方を向いた吸入管を、前記機外の軸封部に接近した、前記羽根車の前記ハブ上の排出口と接続する少なくとも一つの内部通路を有した、緩衝流体循環用羽根車と、
前記羽根車の前記密封チャンバ機外の部内に、一つの縁が、前記吸入管の回転の弧に非常に接近している、複数の放射状に向いた固定子フランジと、
を有することを特徴とする水中用モータおよびポンプ組立体。 - 前記密封チャンバ内の前記密封部にかけて正の圧力を維持するための少なくとも一つの圧力容器を備え、かつ前記モータおよびポンプ組立体に一体に設けられた密封チャンバ加圧システムを有し、
前記一体に設けられた密封チャンバ加圧システムが、前記モータおよびポンプ組立体の通常作動中に、前記軸封部内で漏出により損失すると計算された容量を超えた緩衝流体用の容積を有し、
前記作動中に前記正の圧力を維持するべく、前記圧力容器が前記密封チャンバと連通していることを特徴とする請求項13に記載の水中用モータおよびポンプ組立体。 - 前記羽根車が、回転的に通常後方を向いた排出口を、前記機外の軸封部付近の前記ハブ上のハブ吸入口と接続するため、少なくとも一つの前記内部通路を有することを特徴とする請求項14に記載の水中用モータおよびポンプ組立体。
- 出力軸を備えたモータおよびモータハウジングと、
前記出力軸によって駆動されるポンプ及び、前記モータハウジングと接続したポンプハウジングと、
前記モータに近接し、回転構成要素を具備した機内の軸封部と、
前記ポンプに近接した機外の軸封部と、
前記モータと前記ポンプの間に差し込まれた密封チャンバと、
前記機内の軸封部の前記回転構成要素が取り付けられ、前記密封チャンバ内の軸上に装着された取り外し可能な軸スリーブと、
前記密封チャンバ内にある軸受け支持部構造及び、前記スリーブ上に取り付けられる軸用軸受けと、
前記密封チャンバ内に緩衝流体循環用羽根車と
を有し、
前記羽根車が前記スリーブ上に取り付けられ、
前記緩衝流体循環用羽根車がハブと外縁を有し、前記羽根車が、回転的に通常後方を向いた排出口を、前記機外の軸封部付近の前記ハブ上のハブ吸入口と接続するための、少なくとも一つの前記内部通路を有し、前記密封チャンバが、前記羽根車の機外に複数の放射状に向いた固定子フランジを有し、前記フランジの縁の一つが前記吸入管の回転の弧と非常に接近することを特徴とする水中用モータおよびポンプ組立体。 - 前記モータハウジング内にモータ冷却通路を有し、前記モータ冷却通路が前記密封チャンバと連通しており、前記羽根車が、内部に前記緩衝流体を流すための圧力を供給することを特徴とする請求項16に記載の水中用モータおよびポンプ組立体。
- 前記羽根車が、回転的に通常後方を向いた排出口を、前記ハブ上のハブ吸入口と接続するため、少なくとも一つの前記内部通路を有することを特徴とする請求項17に記載の水中用モータおよびポンプ組立体。
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