JP4715308B2 - シール構造及び浸入水の排出方法 - Google Patents

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Description

本発明はシール構造及び浸入水の排出方法に係り、特に固形物を懸濁した汚水中の回転体に動力を伝達する回転軸からの汚水漏れを防止するシール構造であって、シールの磨耗を簡易な構造で防止し、長期間汚水漏れすることなく運転可能とするシール構造及び浸入水の排出方法に関する。
スクリュウやポンプなどの流体搬送装置においては、水中の回転体に動力を伝達する回転軸からの漏水を防止するためにシールが設けられている。回転体用のシールにはラビリンスシール、オイルシール、メカニカルシール等、多くの種類があるが、省スペースで取付交換が容易なオイルシールが一般的に多く用いられている。オイルシールは、シールハウジングに外周部を嵌合固定するとともに、内周部に形成されたリップと呼ばれる接触部分を回転軸に押し付けることによりシールし、漏水を防止するものである。
なお、特許文献1には、ラジアル軸受とラジアル軸受を挟んだ一対のスラスト軸受とによって回転軸を回転自在に支持するとともに、ラジアル軸受の内周面にヘリングボーン状パターンが形成され、ラスト軸受に動圧発生溝が形成された動圧軸受ユニットが開示されている。この動圧軸受ユニットは、作動流体がその内部で循環して軸受の外部に漏出することがないので、浸水状態及び乾燥状態のいずれの環境下でこれを使用しても、小さいトルクで滑らかに軸を回転させることができる。
特開平8−42563号公報
しかしながら、上述した流体搬送装置のうち、砂などの微細な固形物が懸濁した汚水中で使用されるものは、その固形物がシールのリップと回転軸の摺動面に浸入した場合にリップが磨耗したり、リップが破損したりするため運転開始から短期間で汚水漏れが発生するという問題があった。
この間題に対して、摺動面にグリースを注入して固形物を排除する対策もなされたが、固形物を完全に排除することはできないため、汚水漏れが発生するまでの期間はほとんど延びず、さらに頻繁にグリースを注入する必要もあったため維持管理コストが増加する問題が発生した。また、シールの材質を耐磨耗性の高い樹脂に変更するなど、材質面での検討もなされたが、長期間に渡って良好な耐磨耗性が得られるシールは存在しないのが現状である。
なお、特許文献1の動圧軸受ユニットは、作動流体を動圧軸受ユニットの内部で循環させて軸受内部の密閉性を高めることにより、回転軸の起動時において小さなトルクで滑らかに回転させることを目的としてなされたものであり、シールの耐磨耗性を向上させる目的でなされたものではない。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、磨耗の原因となる固形物のシール摺動面への浸入を防止することによりシールの長寿命化を図ることができるシール構造及び浸入水の排出方法を提供することを目的とする。

請求項1に記載のシール構造に係る発明は、前記目的を達成するために、水中の回転体に動力を伝達する回転軸が貫通配置されたシールボックスと、該シールボックスに固定されるとともにそのリップ部が前記回転軸に当接されることにより回転軸の周囲からの水漏れを防ぐシール部材とを備え、前記シールよりも水側に配置され、且つ前記シールボックス内で前記回転軸に固定されるとともに前記水側に前記回転軸に対して直交方向の溝が多数形成された羽根車を備えたことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、回転軸と一体的に回転する羽根車のラジアルポンプ作用による吸出し効果によって、シールの磨耗原因となる固形物の浸入を確実に防止することが可能となり、シールの磨耗防止・長寿命化を図ることができる。
請求項2に記載のシール構造に係る発明は、前記目的を達成するために、水中の回転体に動力を伝達する回転軸が貫通配置されたシールボックスと、該シールボックスに固定されるとともにそのリップ部が前記回転軸に当接されることにより回転軸の周囲からの水漏れを防ぐシール部材とを備え、前記シールよりも水側に配置され、且つ前記シールボックス内で前記回転軸に固定されるとともに前記シール側に前記回転軸に対して直交方向の溝が多数形成された羽根車と、前記シールよりも水側に配置されて前記羽根車との間でクリアランスをもって前記シールボックスに固定され前記シール側に吸込口が形成されるとともに該吸込口に連通した吐出口が前記水側に形成された固定リングとを備え、前記シールと前記羽根車とに挟まれた空間に流体を導入する流体導入流路が前記シールボックスに形成されていることを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、回転軸と一体的に回転する羽根車の渦流ポンプ作用による押出し効果によって、シールの磨耗原因となる固形物の浸入を確実に防止することが可能となり、シールの磨耗防止・長寿命化を図ることができる。また、回転停止時に羽根車とシールとの間に浸入した固形物も前記渦流ポンプ作用により水中に放出できる。
請求項3に記載のシール構造に係る発明は、前記目的を達成するために、水中の回転体に動力を伝達する回転軸が貫通配置されたシールボックスと、該シールボックスに固定されるとともにそのリップ部が前記回転軸に当接されることにより回転軸の周囲からの水漏れを防ぐシール部材とを備え、前記シールよりも水側に配置され、且つ前記シールボックス内で前記回転軸に固定されるとともに前記水側には前記回転軸に対して直交方向の溝が多数形成され、前記シール側には前記回転軸に対して直交方向の溝が多数形成された羽根車を備え、前記シールと前記羽根車とに挟まれた空間に流体を導入する流体導入流路が前記シールボックスに形成されていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、回転軸と一体的に回転する羽根車のラジアルポンプ作用による吸出し効果と渦流ポンプ作用による液体の押出し効果によって、シールの磨耗原因となる固形物の浸入を確実に防止することが可能となり、シールの磨耗防止・長寿命化を図ることができる。また、回転停止時に羽根車とシールとの間に浸入した固形物も前記渦流ポンプ作用により水中に放出できる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記羽根車の、前記水側に形成された多数の前記溝は、前記回転軸の回転方向に対して傾斜して形成されていることを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、羽根車の水側の溝を傾斜して形成したので、大きな吸出し効果を得ることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記流体導入流路には、前記シールと前記羽根車とに挟まれた空間に流体を導入するためのポンプが設けられ、該ポンプは、前記回転軸の回転数に基づいてON/OFF制御されていることを特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、回転軸の回転数が低い場合には、液体の押出し効果を充分に得ることができないので、この場合には液体をポンプによって強制的に導入し、押出し効果を補助する。そして、回転軸の回転数が充分な押出し効果を得るだけの回転数に到達した時点でポンプによる強制導入を停止し、羽根車の回転のみで生じる押出し効果によって液体を押し出す。
請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記流体導入流路には、前記シールと前記羽根車とに挟まれた空間に流体を導入するためのポンプが設けられ、該ポンプは、前記シールと前記羽根車とに挟まれた空間の圧力に基づいてON/OFF制御されていることを特徴としている。
請求項6に記載の発明によれば、回転軸の回転数が低い場合には、すなわち、圧力計によって計測される、シールと羽根車とに挟まれた空間の圧力が所定の負圧よりも高い場合には、液体の押出し効果を充分に得ることができないので、この場合には液体をポンプによって強制的に導入し、押出し効果を補助する。そして、回転軸の回転数が充分な押出し効果を得るだけの回転数に到達した時点で、すなわち、負圧誘引による押出し効果を得ることができる所定の負圧に達した時点でポンプによる強制導入を停止し、羽根車の回転のみで生じる押出し効果によって液体を押し出す。
請求項7に記載の発明は、請求項3〜6のうちいずれか一つに記載のシール構造において、羽根車を使用し、該羽根車のシール側の溝及び水側の溝が軸回転に伴い、前記シール側の溝が通過する混合室が渦流ポンプの原理により昇圧され、羽根車を挟んでシール側の水を水側へ排出することを特徴としている。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記羽根車の回転により水側の溝によって、排出水の排出を負圧誘引することを特徴としている。
本発明に係るシール構造及び浸入水の排出方法によれば、ラジアルポンプ作用による吸出し効果及び/又は渦流ポンプ作用による押出し効果によって、シールの磨耗原因となる固形物の浸入を確実に防止することが可能となるので、シールの磨耗防止・長寿命化を図ることができる。また、回転停止時に浸入した固形物も前記ポンプ作用により水中に放出できるので、浸入した固形物に起因するシールの損傷、破損を防止することができる。
以下添付図面に従って、本発明に係るシール構造及び浸入水の排出方法の好ましい実施の形態について詳説する。
まず、実施の形態のシール構造が適用される回転平膜モジュールについて説明する。
図1は、回転平膜モジュール10の一部破断部を含む全体斜視図であり、図2はその内部構成の一部を示す斜視図である。また、図3は、回転平膜モジュール10の内部構成の一部を示す平面断面図であり、図4は回転平膜ディスクの構成を示す斜視図である。
図1の如く回転平膜モジュール10は処理槽14を有し、処理槽14には流入管16から原水(固形物を懸濁した汚水)が流入される。処理槽14の内部には、多数の回転平膜ディスク12、12、…が設けられている。回転平膜ディスク12は、図2の如く平行に配設された三本の回転軸22A、22B、22Cに所定の間隔で取り付けられる。
回転軸22A〜22Cはそれぞれ、図1の処理槽14の外部に設けたシール部17A、17B、17C、及び軸受部18A、18B、18Cを介してモータ20A、20B、20Cの出力軸に連結されている。したがって、各モータ20A〜20Cを駆動することにより、回転軸22A〜22Cを回転させることができる。なお、各モータ20A〜20Cは、回転軸22A〜22Cを同方向に回転駆動する。また、各モータ20A〜20Cとカップリング18A〜18Cの間には減速機21A、21B、21Cが設けられ、モータ20A〜20Cの回転数が所定の回転数に減速されている。
回転軸22A〜22Cは中空状に形成され、その内部は各回転平膜ディスク12、12…の内部に連通される。更に、回転軸22A〜22Cの内部は処理水管24に連通され、ポンプ26を駆動することによって内部に吸引力を発生し、回転軸22A〜22C内の流体を処理水管24から排出するようになっている。なお、図1の符号27は、処理水管24を流れる処理水の流量を計測する流量計である。また、符号28は処理槽14から濃縮水を排水する排水管であり、符号30は回転平膜モジュール10の制御系が収納された制御盤である。
図3及び図4に示すように、回転平膜ディスク12は、ディスクと呼ばれる円形の支持板32と、この支持板32の両面に設けられた通水性のスペーサ34と、更にその両外面に設けられた円形のろ過膜36によって構成される。スペーサ34は、不織布やパンチングメタル等を組み合わせて形成され、通水性を有している。ろ過膜36は限外ろ過膜(UF膜)が使用され、その材質としては例えば、ポリスチレン系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリオレフィン系等の高分子樹脂膜が使用される。なお、ろ過膜36の種類は、限外濾過(UF)膜に限定されるものではなく、精密濾過(MF)膜、ナノ濾過(NF)膜、逆浸透(RO)等を用いてもよい。
支持板32は、硬質の塩化ビニル樹脂からなり、円板状に形成され、その外縁部分32Aは全周にわたって幅広に形成されている。スペーサ34及びろ過膜36は、この外縁部分32Aよりも内側の部分に取り付けられる。外縁部分32Aの幅w1は、スペーサ34及びろ過膜36を設けた部分の厚みt1よりも大きく形成されており、外縁部分32Aはろ過膜36、36の膜面よりも突出して形成されている。
なお、スペーサ34、及びろ過膜36は接着によって支持板32に固定される。接着剤は、スペーサ34やろ過膜36の外縁に全周にわたって塗布されており、この接着剤によって、スペーサ34やろ過膜36の外縁部から液体が漏れることが防止される。
回転平膜ディスク12は、図4の液封リング38を介して回転軸22A〜22Cの所定の位置に取り付けられている。回転軸22A〜22Cには図3の如く、回転平膜ディスク12のスペーサ34の取付位置に孔23A〜23Cが形成され、スペーサ34内を通過した液体が孔23A〜23Cを介して回転軸22A〜22C内に流入するように構成されている。なお、液封リング38は、外部への漏れを防止している。
このように構成された回転平膜ディスク12は、図2又は図3に示すように、回転軸22Aに取り付けられた回転平膜ディスク12、12…と、回転軸22Bに取り付けられた回転平膜ディスク12、12…が軸方向において交互に配置されるとともに、軸方向から見て両方の回転平膜ディスク12、12同士が部分的に重なるように配置される。同様に、回転軸12Bに取り付けられた回転平膜ディスク12、12…と、回転軸12Cに取り付けられた回転平膜ディスク12、12…が軸方向において交互に配置されるとともに、軸方向から見て両方の回転平膜ディスク12、12同士が部分的に重なるように配置される。
次に、回転平膜モジュール10の作用について説明する。
まず、図1のモータ20A〜20Cを駆動して各回転平膜ディスク12を回転させながら、ポンプ26を駆動して各回転平膜ディスク12の内部に吸引力を発生させる。これにより、原水が回転平膜ディスク12のろ過膜36を介して回転平膜ディスク12の内部に吸引され、その際に原水がろ過される。ろ過された後の処理水は、回転平膜ディスク12のスペーサ34内を通って回転軸22A〜22Cの内部に吸引され、処理水管24を介して後段の設備に送水される。このようなろ過処理において、ろ過膜36の膜面には、回転平膜ディスク12の回転によって膜面流速が付与される。よって、ろ過膜36が閉塞しにくくなり、長時間にわたってろ過処理を連続して行うことができる。
図5は、回転軸22Aのシール部17A及び軸受部18Aの構造を示した断面図であり、図6は、シール部17Aの拡大断面図である。なお、回転軸22B、22Cのシール部17B、17C及び軸受部18B、18Cの構造は、シール部17A及び軸受部18Aの構造と同一構造なので、ここでは説明を省略する。
図5に示す軸受部18Aは、回転軸22Aの端部をラジアルボールベアリング40を介してベアリングハウジング42に回転自在に支持する構造である。また、ラジアルボールベアリング40のモータ20A(図1参照)側には複リップ形式のオイルシール44が配置され、ラジアルボールベアリング40のシール部17A側には単リップ形式のオイルシール46が配置される。これらのオイルシール44、46は、外周部がベアリングハウジング42の内周部に嵌入固定されるとともに、内周部のリップ部が回転軸22Aの外周面に所定の弾性をもって押圧当接されている。この軸受部18Aによっても、漏水防止構造が採られている。なお、ベアリングハウジング42は、リング状の本体42Aの両側面にドーナツ状の補助部品42B、42Cが連結されて構成され、補助部品42Bにオイルシール44が、そして、補助部品42Cにオイルシール46がそれぞれ取り付けられている。
一方、シール部17Aは図5、図6の如く、複リップ形式のオイルシール2A、単リップ形式のオイルシール2B、オイルシール2A、2Bの外周面が嵌合固定されるシールボックス3、回転軸22Aに固定された羽根車4、シールボックス3に固定された固定リング5からなる。
また、オイルシール2Bと固定リング5の間に固形物を含まない流体を注入するため、シールボックス3には注入口(流体導入流路)3Aが形成されている。注入口3Aの上流側にはポンプ6を含む注水装置のトラブル等により流体が逆流して、シール側に固形物が浸入するのを防ぐために、逆流防止弁7が設けられている。注入口3Aに注入された流体は、オイルシール2Bの貫通孔8を介して固定リング5に形成された吸込口5A及び吐出口5B、及び羽根車4と固定リング5との間のクリアランス4aを介して汚水中に放出される。
本発明は、固形物を含まない流体をオイルシール2Bと羽根車4との間に注入して、磨耗の原因となる汚水中の固形物を浸入させない、及び、浸入しても排除する機構にあり、本機構の信頼性をさらに向上させるために、羽根車4及び固定リング5を設けて、そのポンプ作用(負圧誘引)により汚水中の固形物が確実に浸入しないように構成したことを最大の特徴としている。
実施の形態のポンプ作用には、羽根車4によるラジアルポンプ作用と、羽根車4及び固定リング5に形成された混合室5Dによる渦流ポンプ作用がある。以下、これらのポンプ作用について詳しく説明する。
まず、ラジアルポンプ作用について説明する。
羽根車4は回転軸1にねじ8によって固定されており、汚水側とオイルシール2B側に図7の如く溝4Cと溝4Dが回転軸22Aの軸方向に対して直角方向に形成されている。羽根車4が回転すると、その遠心力により汚水側の溝4Cに、図6の矢印4Eで示すような流れが発生する。この流れによって溝4Cの外周の静圧が低下するため、羽根車4の内側の固形物を含まない流体が羽根車4と固定リング5のクリアランス4Aから吸い出される。これが、ラジアルポンプ作用であり、溝4Cは羽根車4の全周に等間隔で多数形成されているため、回転軸22A全周から均等に流体は汚水側に吸出される。これによって、羽根車4からオイルシール2B側への固形物の浸入を確実に防止できる。
次に、渦流ポンプ作用について説明する。
固定リング5はシールボックス3に固定されており、図6、図8の如く内周部には断面楕円状の混合室5Dが形成されている。また、混合室5Dは、羽根車4を逃げるように1カ所だけ仕切り板(不図示)により分断されている。この仕切り板を挟むように吸込口5Aと吐出口5Bが形成されている。
混合室5Dの内部を羽根車4のシール側の溝4Dが回転すると、溝4Dから飛び出す流体の遠心力により混合室5Dが昇圧されるとともに混合室5Dに図6の矢印5Fで示されるような渦状の流れ(循環流)が発生する。したがって、吸込口5Aから混合室5Dに入った流体は、周知の渦流ポンプと同様のジェットポンプの原理により、羽根車4の回転とともに昇圧され吐出口5Bから汚水中に放出される。このとき、吸込口5Aから入った流体は昇圧されながら、クリアランス4Aからも汚水中に放出されるため、前記ラジアルポンプ作用とともに、全周から均等に流体を押出す効果があり、確実に固形物の浸入を防止できる。
以上述べたラジアルポンプ作用及び渦流ポンプ作用によって、オイルシール2Bの磨耗原因となる固形物の浸入を確実に防止することができる。これにより、オイルシール2Bの磨耗防止・長寿命化を図ることができる。また、回転停止時にオイルシール2Bと羽根車4との間に浸入した固形物も、前記ポンプ作用により汚水中に放出できるので、浸入した固形物に起因するオイルシール2Bの損傷、破損を防止することができる。
なお、実施の形態では、ラジアルポンプ作用及び渦流ポンプ作用の双方の作用によって前述した効果を得るようにしたが、ラジアルポンプ作用及び渦流ポンプ作用のうち一方の作用のみによっても上記効果を得ることができる。
また、実施の形態の羽根車4によれば、図7中矢印Aで示す羽根車4の回転方向に対して汚水側の溝4C、4C…を傾斜して形成したので、大きな吸出し効果を得ることができる。また、溝4Cの傾斜角度は、実験により15〜30°が好適であった。
更に、図6に示したポンプ9は、回転軸22Aの回転数を検出するロタリーエンコーダ9からの回転数に基づき制御部50によってON/OFF制御されている。すなわち、回転軸22Aの回転数が低い場合には、羽根車4の溝4Dによる流体の押出し効果を充分に得ることができないので、この場合には流体をポンプ6によって強制的に導入し、押出し効果を補助する。そして、回転軸22Aの回転数が充分な押出し効果を得るだけの回転数に到達した時点でポンプ6による強制導入を停止し、羽根車4の回転のみで生じる押出し効果によって流体を押し出す。
なお、図6において符号52は流体を貯留するタンクである。なお、タンク52に貯留される流体は、この回転平膜モジュール10によってろ過された原水を利用してもよい。また、符号54は、回転軸22Aに嵌合されてオイルシール2Bのリップ部2Cが押圧される金属製スリーブである。符号56は、リップ部2Cをスリーブ54の外周面に押圧させるリングばねであり、符号58はオイルシール2Bとシールボックス3との水密性を保持するためのOリングである。更に、符号60は固定リング5をオイルシール2Bとの間で挟圧保持するリング部材であり、符号62はリング部材60をシールボックス3に固定するボルトである。更にまた、図5の符号64はシールボックス3を処理槽14にフレキシブルに固定するゴム管である。
また、図6の如くオイルシール2Bと羽根車4とに挟まれた空間の圧力を検出する圧力センサ70をオイルシール2Bに設け、圧力センサ70によって検出される圧力(負圧)に基づいて、制御部50によりポンプ6をON/OFF制御してもよい。
すなわち、回転軸22Aの回転数が低い場合には、すなわち、圧力センサ70によって計測される、オイルシール2Bと羽根車4とに挟まれた空間の圧力が所定の負圧(例えば、約−49〜−59Pa)よりも高い場合には、液体の押出し効果を充分に得ることができないので、この場合には液体をポンプ6によって強制的に導入し、押出し効果を補助する。そして、回転軸22Aの回転数が充分な押出し効果を得るだけの回転数に到達した時点で、すなわち、負圧誘引による押出し効果を得ることができる所定の負圧に達した時点でポンプ6による強制導入を停止し、羽根車4の回転のみで生じる押出し効果によって液体を押し出す。
図9は、圧力センサ70の取付構造を示した要部拡大図であり、同図には特に圧力センサ70の信号ケーブル72の引き出し構造、及びそれに付随する漏れ防止構造が示されている。
まず、信号ケーブル72の取り出し構造について説明すると、オイルシール2Bに信号ケーブル72を貫通させる貫通孔74が形成されるとともに、シールボックス3に信号ケーブル72を貫通させて外部に引き出すための貫通孔76が形成されている。この構造により、オイルシール2Bに設けられた圧力センサ70の信号ケーブル72を外部に引き出すことができる。
次に、漏れ防止構造について説明すると、シールボックス3に形成された貫通孔76はねじ孔であり、このねじ孔の貫通孔76にボルト形状をした漏れ止め用プラグ78がねじ込まれている。信号ケーブル72は、プラグ78の筒状雄ねじ部80に挿通された後、プラグ78の金属製ヘッド部82に形成された図10の貫通孔84に挿通されて外部に引き出される。また、貫通孔84には、弾性樹脂86が充填されて貫通孔84からの漏れが防止されるとともに、貫通孔84の出口は図9に示す硬化性樹脂88によって閉塞されている。更に、プラグ78は座金90及びパッキン92を介して貫通孔76にねじ込まれており、貫通孔76からの漏れが防止されている。
以上の構造により、圧力センサ70の信号ケーブル72が外部に引き出され、その引き出しに付随する漏れ防止が図られている。
実施の形態のシール構造が適用された回転平膜モジュールの全体斜視図 図1の回転平膜モジュールの内部構成の一部を示した斜視図 図1の回転平膜モジュールの内部構成の一部を示した平面断面図 回転平膜ディスクの構成を示した斜視図 図1に示した回転平膜モジュールのシール部及び軸受部の断面図 図5に示したシール部の拡大断面図 図5のシール部に設けられた羽根車の斜視図 羽根車と固定リングの混合室との関係を示した要部拡大斜視図 図6の圧力センサの取付構造を示した要部拡大図 漏れ止めプラグに対する信号ケーブルの取付構造を示した要部拡大断面図
符号の説明
2A、2B…オイルシール、3…シールボックス、3A…注入口、4…羽根車、4C、4D…溝、5…固定リング、5D…混合室、6…ポンプ、7…逆流防止弁、10…回転平膜モジュール、17、17B、17C…シール部、22A、22B、22C…回転軸、50…制御部、52…タンク、70…圧力センサ、72…信号ケーブル、78…プラグ

Claims (8)

  1. 水中の回転体に動力を伝達する回転軸が貫通配置されたシールボックスと、該シールボックスに固定されるとともにそのリップ部が前記回転軸に当接されることにより回転軸の周囲からの水漏れを防ぐシール部材とを備え、
    前記シールよりも水側に配置され、且つ前記シールボックス内で前記回転軸に固定されるとともに前記水側に前記回転軸に対して直交方向の溝が多数形成された羽根車を備えたことを特徴とするシール構造。
  2. 水中の回転体に動力を伝達する回転軸が貫通配置されたシールボックスと、該シールボックスに固定されるとともにそのリップ部が前記回転軸に当接されることにより回転軸の周囲からの水漏れを防ぐシール部材とを備え、
    前記シールよりも水側に配置され、且つ前記シールボックス内で前記回転軸に固定されるとともに前記シール側に前記回転軸に対して直交方向の溝が多数形成された羽根車と、前記シールよりも水側に配置されて前記羽根車との間でクリアランスをもって前記シールボックスに固定され前記シール側に吸込口が形成されるとともに該吸込口に連通した吐出口が前記水側に形成された固定リングとを備え、前記シールと前記羽根車とに挟まれた空間に流体を導入する流体導入流路が前記シールボックスに形成されていることを特徴とするシール構造。
  3. 水中の回転体に動力を伝達する回転軸が貫通配置されたシールボックスと、該シールボックスに固定されるとともにそのリップ部が前記回転軸に当接されることにより回転軸の周囲からの水漏れを防ぐシール部材とを備え、
    前記シールよりも水側に配置され、且つ前記シールボックス内で前記回転軸に固定されるとともに前記水側には前記回転軸に対して直交方向の溝が多数形成され、前記シール側には前記回転軸に対して直交方向の溝が多数形成された羽根車を備え、前記シールと前記羽根車とに挟まれた空間に流体を導入する流体導入流路が前記シールボックスに形成されていることを特徴とするシール構造。
  4. 前記羽根車の、前記水側に形成された多数の前記溝は、前記回転軸の回転方向に対して傾斜して形成されていることを特徴とする請求項3に記載のシール構造。
  5. 前記流体導入流路には、前記シールと前記羽根車とに挟まれた空間に流体を導入するためのポンプが設けられ、該ポンプは、前記回転軸の回転数に基づいてON/OFF制御されていることを特徴とする請求項3に記載のシール構造。
  6. 前記流体導入流路には、前記シールと前記羽根車とに挟まれた空間に流体を導入するためのポンプが設けられ、該ポンプは、前記シールと前記羽根車とに挟まれた空間の圧力に基づいてON/OFF制御されていることを特徴とする請求項3に記載のシール構造。
  7. 請求項3〜6のうちいずれか一つに記載のシール構造において、羽根車を使用し、該羽根車のシール側の溝及び水側の溝が軸回転に伴い、前記シール側の溝が通過する混合室が渦流ポンプの原理により昇圧され、羽根車を挟んでシール側の水を水側へ排出することを特徴とする浸入水の排出方法。
  8. 前記羽根車の回転により水側の溝によって、排出水の排出を負圧誘引することを特徴とする請求項7に記載の浸入水の排出方法。
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