JP4644315B2 - 発光素子駆動装置、面状照明装置および液晶表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電源回路に接続されたLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)などの発光素子を定電流により駆動する発光素子駆動装置、当該発光素子駆動装置を備えた面状照明装置、および当該面状照明装置をバックライトとして用いた液晶表示装置に関する。
近年、LEDの用途の一つとして、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)のバックライト用途が普及しつつある。一般的にLEDをLCD用バックライトとして使用する際には、直列に接続された複数個のLEDに所定の定電流を流すことによって、発光を得ることができる。このとき、必要な光量に応じてLEDの個数および電流量が決定される。また、LEDを駆動させるための駆動電圧は、電源電圧を所定の電圧に変換する電圧変換回路によって生成される。この電圧変換回路は、負荷であるLEDの所定端子の電圧値もしくは電流値を検出してその値を帰還することによって駆動電圧の制御を行う。以上のようなLED駆動技術は、例えば、特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示されている発光素子駆動装置について、図1を用いて以下に簡単に説明する。この従来例の発光素子駆動装置は、LEDが1つ以上直列接続して構成されたLED列負荷を複数列備える。各LED列負荷110〜113は、各々のカソード端子に直列接続された定電流源120〜123により生成される定電流I0〜I3によって駆動される。各LED列負荷110〜113のカソード端子電圧V0〜V3は選択回路130に入力される。選択回路130は、カソード端子電圧V0〜V3のうち最小の電圧を選択して検出電圧Vdetとして出力し、検出電圧Vdetを制御回路131に入力する。制御回路131は検出電圧Vdetと図示しない内部の基準電圧Vrefとを比較する。そして、制御回路131は、検出電圧Vdetが基準電圧Vrefに等しくなるように電圧変換回路100が動作するためのスイッチング信号Contをトランジスタ103のゲートに入力する。ここで、電圧変換回路100はコイル101、ダイオード102、トランジスタ103およびコンデンサ104によって構成される昇圧変換回路であり、所定の入力電圧VddをLED列負荷110〜113の駆動に必要な出力電圧Vhに変換する。出力電圧VhはLED列負荷110〜113のアノード端子に供給される。
図1に示す従来例の発光素子駆動装置において、各定電流源120〜123を個別にオンオフ駆動して、オン時間とオフ時間の割合を調整すると、各LED列負荷110〜113に流れる電流量を調整することができる。これにより、各LED列負荷について個別に輝度調整を行うことが可能である。また、選択回路130の働きによって、LED列負荷110〜113のうち最大の順方向電圧降下を有するLED列負荷(即ち、カソード端子電圧V0〜V3のうち最小のカソード端子電圧を有するLED列負荷)に合わせて、電圧変換回路100の出力電圧Vhが制御される。このため、各LED列負荷110〜113の発光を十分に確保しながら、損失の少ない駆動が実現できる。
特開2003−332624号公報
ここで、従来例の発光素子駆動装置において、図2に示すように、LEDの個体ばらつきによって各LED列負荷110〜113の順方向電圧降下Vf0〜Vf3にばらつきがある場合(ここでは、Vf0<Vf1<Vf2<Vf3とする)を想定する。この場合、電圧変換回路100の出力電圧Vhは、最大の順方向電圧降下Vf3を有するLED列負荷113に合わせて制御される。このため、他のLED列負荷110〜112に接続されている定電流源120〜122には、ばらつきに相当する電圧Vp0〜Vp2が余分な電圧としてかかることになる。その結果、電圧Vp0〜Vp2にそれぞれ定電流I0〜I2を掛け合わせた大きさの電力損失が発生し、発光素子駆動装置の消費電力の増加を招いてしまう。
ここでは、1つのLED列負荷あたりのLED直列接続数が4つであり、かつLED列負荷の並列接続数が4つである場合について図示した。しかし、LED列負荷の規模が大きくなるに従って、LED個体ばらつきの影響を大きく受けるため、消費電力の増加はより深刻な問題となる。また、定電流源にかかる電力損失が増加するということは、発光素子駆動装置のパッケージの許容損失にも大きく影響を及ぼし、より大きな許容損失を持ったパッケージが必要になるという課題も生じる。
本発明の目的は、LEDの順方向電圧降下のばらつきによって発生する消費電力の増加を抑制することが可能な発光素子駆動装置、それを用いた面状照明装置および液晶表示装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の発光素子駆動装置は、複数の発光素子列の駆動を行う発光素子駆動装置であって、前記駆動に用いられる複数の印加電圧を生成するために複数個設けられ、その個数は発光素子列の個数よりも少数である、複数の電圧印加部と、前記複数の発光素子列が個別に接続される電圧印加部を前記複数の電圧印加部の内で切り替える切替部と、前記切替部を制御する制御部と、を備え、前記複数の電圧印加部の各々は、当該電圧印加部に接続されている発光素子列に印加する印加電圧を、当該電圧印加部に接続されている発光素子列の順方向電圧降下のうち最大の順方向電圧降下に基づいて定まる検出電圧に基づいて生成し、前記制御部は、前記複数の電圧印加部にそれぞれ対応する複数のグループに前記複数の発光素子列を振り分けるためのグループ分けを、前記複数の発光素子列の各々についての順方向電圧降下と印加電圧との差の合計値が最小となるように行いつつ、前記複数の発光素子列がグループ毎に異なる電圧印加部に接続されるように前記切替部を制御する。
また、本発明の面状照明装置は、平面上に配置された複数の発光素子列と、前記複数の発光素子列に接続される前記発光素子駆動装置と、を備える。
また、本発明の液晶表示装置は、前記面状照明装置と、前記面状照明装置からの照明光を背面から入射し、当該照明光を映像信号に応じて空間変調して映像を表示する液晶パネルと、を備える。
本発明の発光素子駆動装置によれば、各LED列負荷の順方向電圧降下の大きさに基づいてLED列負荷を分類し、複数の電圧変換回路へ組み替え制御を行うことによって、LEDの順方向電圧ばらつきによって発生する消費電力の増加を抑制することが可能となる。
従来例の発光素子駆動装置の構成を示すブロック図 従来例の発光素子駆動装置においてLEDの順方向電圧降下がばらついた場合の動作説明図 本発明の実施の形態1に係る発光素子駆動装置の全体構成例を示すブロック図 VF判定部40の具体的な構成を示す回路図 本発明の実施の形態1に係る発光素子駆動装置における切り替え制御部41の動作シーケンスを示すフローチャート LED列負荷組み替え前の状態を説明するための図 LED列負荷組み替え後の状態を説明するための図 本発明の実施の形態2に係る発光素子駆動装置の全体構成例を示すブロック図 本発明の実施の形態2に係る発光素子駆動装置における切り替え制御部41の動作シーケンスを示すフローチャート 本発明の実施の形態3に係る発光素子駆動装置の全体構成例を示すブロック図 本発明の実施の形態4に係る発光素子駆動装置の全体構成例を示すブロック図 電圧比較部44の具体的な構成を示す回路図 本発明の実施の形態5に係る発光素子駆動装置の全体構成例を示すブロック図 本発明の実施の形態5に係る発光素子駆動装置の動作シーケンスを示す遷移図 本発明の実施の形態6における切り替え動作シーケンスを示すフローチャート 本発明の実施の形態に係る面状照明装置を備えた液晶表示装置の概略構成図
以下に、本発明の実施形態に係る発光素子駆動装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下において実施の形態で記述される数字は、本発明の実施形態を具体的に説明するために例示したものであり、本発明は例示された数字に制限されない。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る発光素子駆動装置について、図3〜図6を用いて説明する。図3は、実施の形態1に係る発光素子駆動装置の全体構成例を示すブロック図である。図3に示すように、この発光素子駆動装置は、電圧変換回路1〜2と、切り替え回路30〜31と、定電流源21〜24と、最小値検出部32、34と、PWM制御部33、35と、VF判定部40と、切り替え制御部41と、電流制御部42と、を備え、LED列負荷11〜14を駆動する。
なお、電圧変換回路1、最小値検出部32、およびPWM制御部33を合わせた構成は、1つの電圧印加部の具体例である。また、切り替え回路30、31を合わせた構成は、切替部の具体例である。また、VF判定部40、切り替え制御部41、および電流制御部42を合わせた構成は、制御部の具体例である。また、LED列負荷11〜14は、それぞれ発光素子列の具体例である。
電圧印加部は、各々に接続される複数の発光素子列の順方向電圧降下の内、最大の順方向電圧降下に基づいて定まる検出電圧に基づいて、接続される複数の発光素子列への印加電圧を決定して印加する。切替部は、発光素子列のそれぞれを、複数の電圧印加部の内いずれの電圧印加部に接続するかを切り替える。制御部は、各々の電圧印加部において接続される複数の発光素子列の順方向電圧降下の差が最小となるように、切替部を制御する。以下、具体構成を用いて詳細を説明する。
電圧変換回路1は、昇圧型スイッチング電源であり、コイルL1と、ダイオードD1と、トランジスタM1と、コンデンサC1とにより構成される。電圧変換回路1は、PWM
制御部33からの制御信号Vpwm1に基づいて、所定の入力電圧Vccを各LED列負荷11〜14の駆動に必要な出力電圧Vout1に昇圧して、出力電圧Vout1を出力する。
電圧変換回路2は、昇圧型スイッチング電源であり、コイルL2と、ダイオードD2と、トランジスタM2と、コンデンサC2とにより構成される。電圧変換回路2は、PWM制御部35からの制御信号Vpwm2に基づいて、所定の入力電圧Vccを各LED列負荷11〜14の駆動に必要な出力電圧Vout2に昇圧して、出力電圧Vout2を出力する。
切り替え回路30は、セレクタ30a〜30dを有するセレクタ回路群である。切り替え回路30は、切り替え制御部41からの制御信号Vsel1に基づいて、各LED列負荷11〜14のアノード端子P1H〜P4Hのそれぞれを、電圧変換回路1の出力端子PO1または電圧変換回路2の出力端子PO2のいずれかに接続する。セレクタ30a〜30dは、例えばMOSスイッチ等により構成される。
定電流源21〜24は、それぞれLED列負荷11〜14のカソード端子P1L〜P4Lに直列接続され、LEDの発光に必要な定電流I1〜I4を各LED列負荷11〜14に供給する。各定電流源21〜24は、電流制御部42からの制御信号Vcntに基づいてオンオフ制御が可能であり、オン時間とオフ時間の割合を調整する。これにより、各LED列負荷11〜14へ供給する電流量を調整し、LEDの発光量を制御することができる。
切り替え回路31は、セレクタ31a〜31dを有するセレクタ回路群である。切り替え回路31は、切り替え制御部41からの制御信号Vsel2に基づいて、各LED列負荷11〜14のカソード端子電圧Vfb1〜Vfb4のそれぞれを、最小値検出部32または最小値検出部34のいずれかに接続する。セレクタ31a〜31dは、例えばMOSスイッチ等により構成される。各LED列負荷11〜14のカソード端子電圧Vfb1〜Vfb4は、各LED列負荷11〜14の順方向電圧降下に基づいて定まる。
最小値検出部32は、切り替え回路31で接続されたカソード端子電圧のうち、最小の電圧を選択し、検出電圧Vdet1としてPWM制御部33へ入力する。検出電圧Vdet1は、選択された最小のカソード端子電圧と同じ電圧である必要はなく、例えば、カソード端子電圧のうちの最小の電圧を所定電圧だけシフトさせたような、最小の電圧に基づいて生成された電圧であっても良い。
最小値検出部34は、切り替え回路31で接続されたカソード端子電圧のうち、最小の電圧を選択し、検出電圧Vdet2としてPWM制御部35へ入力する。検出電圧Vdet2は、選択された最小のカソード端子電圧と同じ電圧である必要はなく、例えば、カソード端子電圧のうちの最小の電圧を所定電圧だけシフトさせたような、最小の電圧に基づいて生成された電圧であっても良い。最小値検出部32、34は、それぞれ検出回路の一例である。
PWM制御部33は、入力された検出電圧Vdet1と、図示しない基準信号Vrefとを比較する。この比較結果に基づいて、検出電圧Vdet1が基準電圧Vrefと等しくなるように、制御信号Vpwm1が電圧変換回路1のトランジスタM1のゲートに入力される。この制御信号Vpwm1に基づいて、電圧変換回路1はトランジスタM1のスイッチングを行い、出力電圧Vout1を生成する。
PWM制御部35は、入力された検出電圧Vdet2と、図示しない基準信号Vref
とを比較する。この比較結果に基づいて、検出電圧Vdet2が基準電圧Vrefと等しくなるように、制御信号Vpwm2が電圧変換回路2のトランジスタM2のゲートに入力される。この制御信号Vpwm2に基づいて、電圧変換回路2はトランジスタM2のスイッチングを行い、出力電圧Vout2を生成する。
VF判定部40は、入力されたカソード端子電圧Vfb1〜Vfb4に基づいて、各LED列負荷11〜14における順方向電圧降下の大小関係を判定し、判定結果である判定信号Vchを切り替え制御部41に入力する。
図4は、VF判定部40の具体的な構成例を示す図である。定電流源21〜24のカソード端子電圧Vfb1〜Vfb4は、それぞれpnpトランジスタ51〜54のベース端子に接続される。各pnpトランジスタ51〜54のエミッタ端子は接点Eにおいてショートされる。電源Vddと接点Eとの間に定電流Ibを流す定電流源50が接続される。各pnpトランジスタ51〜54のコレクタ端子と接地との間にそれぞれ抵抗55〜58が接続され、各コレクタ端子の電圧は、バッファ回路59〜62を介して所定のロジックレベル電圧Vch[0]〜Vch[3]に変換される。
図4に示す回路では、カソード端子電圧Vfb1〜Vfb4のうち最小の電圧に接続するpnpトランジスタに定電流源50の電流Ibが流れる。このため、各コレクタ電圧をモニタすることによって、カソード端子電圧Vfb1〜Vfb4のうち最小のカソード端子電圧を特定することができる。得られた情報は、4ビットの判定信号Vch[3:0]として、切り替え制御部41へ出力される。
切り替え制御部41は、入力された判定信号Vchに基づいて制御信号Vsel1〜Vsel3を生成し、制御信号Vsel1〜Vsel3を、それぞれ切り替え回路30、31および電流制御部42に入力する。切り替え制御部41は、例えば論理回路またはマイコンにより構成される。
電流制御部42は、制御信号Vsel3に基づいて定電流源21〜24のオンオフを個別に制御するための制御信号Vcntを生成し、制御信号Vcntを各定電流源21〜24へ入力する。
本発明の実施の形態1における発光素子駆動装置では、各LED列負荷間の順方向電圧降下のばらつきに基づいてLED列負荷のグループ分けを行う。そして、グループ分けの結果として得られる複数のLED列負荷群を複数の電圧変換回路で分担する。即ち、ある電圧変換回路が、あるLED列負荷群に属するLED列負荷を駆動し、別の電圧変換回路が、別のLED列負荷群に属するLED列負荷を駆動する。このような駆動を行うことにより、各電圧変換回路に接続されたLED列負荷群内における順方向電圧降下のばらつき量を低減し、消費電力の削減を実現する。
図5〜図7を用いて、本発明の実施の形態1における発光素子駆動装置の動作シーケンスの一例について説明する。本発光素子駆動装置において、制御部は、全ての発光素子列を同一の電圧印加部に接続するように切替部を制御した後、当該電圧印加部に接続されている発光素子列の中で最大の順方向電圧降下を有する発光素子列を別の電圧印加部に接続するように切替部を制御する。以下の具体例では、動作説明のための一例として、各LED列負荷11〜14の順方向電圧降下の関係は「Vf1<Vf2<Vf3<Vf4」であるとする。
まず、切り替え回路30、31を制御して、全てのLED列負荷11〜14のアノード端子P1H〜P4Hを電圧変換回路2の出力端子PO2に接続し、カソード端子P1L〜
P4Lを最小値検出回路34に接続する。すなわち、全てのLED列負荷11〜14を電圧変換回路2の系(電圧変換回路2を有する電圧印加部)へ接続する(ステップS31)。このときの等価回路構成は図6のようになる。そして、定電流源21〜24を全てオンさせることによって、全てのLED列負荷11〜14を駆動させる(ステップS32)。
このとき、全てのLED列負荷11〜14が電圧変換回路2に接続されている。このため、全ての定電流源21〜24をオンさせると、電圧変換回路2には非常に大きな電流出力が要求されることになる。そこで、LEDの組み換えシーケンス中は通常動作時よりもLED電流の値を小さくすることによって、電圧変換回路2の負担を低減させても良い。
次に、VF判定部40が、オンしている定電流源21〜24にかかる各カソード端子電圧Vfb1〜Vfb4のうち、最小のカソード端子電圧Vfb4を検出することによって、どの定電流源が最小のカソード端子電圧で駆動しているのかを判定する(ステップS33)。そして、VF判定部40は、その判定結果(判定信号Vch)を切り替え制御部41に通知する(ステップS34)。
切り替え制御部41は、判定結果に基づいて生成された制御信号Vsel3を電流制御部42へ入力し、電流制御部42は、最小のカソード端子電圧Vfb4がかかる定電流源24をオフする(ステップS35)。
また、切り替え制御部41は、制御信号Vsel1、Vsel2によって切り替え回路30、31を制御し、最小のカソード端子電圧Vfb4(つまり最大の順方向電圧降下)を有するLED列負荷14にかかわる接続を切り替えさせる(ステップS36)。具体的には、切り替え制御部41は、LED列負荷14のアノード端子P4Hの接続先を、電圧変換回路2の出力端子PO2から電圧変換回路1の出力端子PO1に切り替えさせる。また、切り替え制御部41は、カソード端子P4Lの接続先を、最小値検出部34から最小値検出部32に切り替えさせる。
ステップS33〜ステップS36は、LED列負荷の個数の1/2に相当する回数だけ、繰り返される(ステップS37)。本実施の形態では、LED列負荷の個数が4であるため、ステップS33〜ステップS36は、2回まで行われる。ステップS33〜S36は、これまでに1回だけ行われているため、あと1回だけ行われる。このとき、定電流源24を除いた残りの定電流源21〜23がオンしているので、定電流源21〜23についてステップS33〜ステップS36が行われる。
具体的には、VF判定部40が各定電流源にかかるカソード端子電圧Vfb1〜Vfb3の最小値を検出することによって、最小のカソード端子電圧がかかる定電流源を判定し、判定結果(判定信号Vch)を切り替え制御部41に通知する。
切り替え制御部41は、得られた判定結果(判定信号Vch)に基づいて生成した制御信号Vsel3を電流制御部42へ入力し、電流制御部42は、最小のカソード端子電圧Vfb3で駆動する定電流源23をオフする。また、切り替え制御部41は、制御信号Vsel1、Vsel2によって切り替え回路30、31を制御し、最小のカソード端子電圧Vfb3(つまり最大の順方向電圧降下)を有するLED列負荷13にかかわる接続を切り替えさせる。具体的には、切り替え制御部41は、LED列負荷13のアノード端子P3Hの接続先を、電圧変換回路2の出力端子PO2から電圧変換回路1の出力端子PO1に切り替えさせる。また、切り替え制御部41は、カソード端子P3Lの接続先を、最小値検出部34から最小値検出部32に切り替えさせる。
このように、最小のカソード端子電圧がかかる定電流源を検出して順次オフしていくこ
とによって、複数のLED列負荷の中から順方向電圧降下が大きなものを順番に抽出し、切り替え回路30、31によって接続を切り替えていくことができる。
以上のように、各カソード端子電圧の判定とLED列負荷の接続の切り替えを、全LED列負荷数の半分の回数だけ行うことによって、順方向電圧降下の大きさに基づいて均等な数のLED列負荷を2つの電圧変換回路1および2に振り分けることができる(図7参照)。
以上のように、各LED列負荷のカソード端子電圧Vfb1〜Vfb4に基づいて、複数の電圧変換回路で各LED列負荷の組み換えを行うことにより、図6に示すような各LED列負荷の順方向電圧降下Vf1〜Vf4のばらつき分の電圧Vp1〜Vp3の合計値を、図7に示すようなばらつき分の電圧Vp1’およびVp2’の合計値へと減少させることが可能となる。そのため、消費電力を削減することが可能となる。具体的な数値を用いて説明すると、例えば、Vf1が10V、Vf2が11V、Vf3が12V、Vf4が13Vであるとする。このとき図6に示すVp1が3V、Vp2が2V、Vp3が1Vとなり、合計値は6Vである。一方、図7に示すVp1’、Vp2’はいずれも1Vとなり、合計値は2Vとなる。このように、本実施の形態によれば、各LED列負荷が複数の電圧変換回路にどのような組み合わせで接続されていたとしても、上述した制御を行うことで図7に示すように消費電力を最低限に抑えた接続に組み換えることが出来る。
また、消費電力を最低限に抑えることで、発光素子駆動装置のパッケージついても、許容損失の小さなパッケージを使用することが可能となり、ICコスト削減および実装基板コスト削減が実現できる。さらに、LEDのばらつき選別に必要な工数を削減することにも貢献できる。
なお、本実施の形態においては、上記動作シーケンスの一例では、各電圧変換回路1および2に接続されるLED列負荷の数が実質的に同数となるよう、組み換え処理の回数をLED列負荷数の半分(本実施の形態では2回)とした。しかし、本発明の機能を実現する組み換え処理の回数はこれに限定されない。ただし、組み換え処理の回数を2回とすることで、各電圧印加部に接続されるLED列負荷の数を均一化することができ、電圧印加部の負荷を均一化できる。より一般的には、電圧印加部の全数をM、接続される発光素子列の全数をNとすると、一つの電圧印加部にはN/Mの数の発光素子列が接続されればよい。従って、一つの電圧印加部に対して組み換え処理をN/M回繰り返すことで、負荷を均一にするための最適な発光素子列の接続数にすることができる。ただし、M、Nは正の整数であり、M<Nである。
また、上記動作シーケンスの一例では、VF判定部40が1回の判定を行うたびに判定結果(判定信号Vch)に基づいてLED列負荷の組み替えを行った。しかし、複数回の判定を行うたび、または全ての判定を終えてから、最後に切り替え制御部41によって切り替え回路30および31を制御してLED列負荷の組み替えを行っても良い。その際には、毎回の判定結果(判定信号Vch)を切り替え制御部41に蓄えておくことによって、所望のLED列負荷の振り分けを実現できる。
また、VF判定部40は、各カソード端子電圧Vfb1〜Vfb4の最小値を判定する代わりに、最大値を判定してもよい。つまり、VF判定部40は、最大のカソード端子電圧がかかる定電流源を特定し、その判定結果(判定信号Vch)を切り替え制御部41に通知する。この場合、切り替え制御部41は、得られた判定結果(判定信号Vch)に基づいて、最大のカソード端子電圧がかかる定電流源をオフする、という動作を所定回数繰り返すことにより、各LED列負荷の選別を行うことも可能である。言い換えると、電圧印加部に接続されている発光素子列の中で最小の順方向電圧降下を有する発光素子列を別
の電圧印加部に接続するように切替部を制御してもよい。
また、本実施の形態1による発光駆動装置では、電圧変換回路1は、所定の入力電圧Vccを、それよりも高い電圧へと変換して出力する昇圧変換回路の構成としたが、LED列負荷の発光に十分な出力電圧Vout1およびVout2が得られるのであれば、所定の入力電圧Vccを、それよりも低い電圧へと変換して出力する降圧変換回路としても良いし、所定の入力電圧Vccよりも低い電圧にも高い電圧にも変換して出力できる昇降圧変換回路の構成としても良い。
なお、本実施の形態において、発光素子列であるLED列負荷のそれぞれは、LED4つを直列接続している構成としたが、これに限られない。LEDが1つ以上であれば適用することが出来る。即ち、1つの発光素子列は、1つ以上の発光素子により構成される。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る発光素子駆動装置について、図8〜9を用いて説明する。実施の形態2では、実施の形態1に係る発光素子駆動装置と比較して、主に、電圧変換回路3と、LED列負荷15、16と、定電流源25、26と、セレクタ30e〜30fと、セレクタ31e〜31fと、最小値検出部36と、PWM制御部37と、が付加されている点で異なる。図8は、実施の形態2に係る発光素子駆動装置の全体構成例を示すブロック図である。
電圧変換回路3は、昇圧型スイッチング電源であり、コイルL3と、ダイオードD3と、トランジスタM3と、コンデンサC3とにより構成される。電圧変換回路3は、PWM制御部37からの制御信号Vpwm3に基づいて、所定の入力電圧Vccを各LED列負荷11〜14の駆動に必要な電圧Vout3に昇圧して、電圧Vout3を出力する。
切り替え回路30は、セレクタ30a〜30fを有するセレクタ回路群である。切り替え回路30は、切り替え制御部41からの制御信号Vsel1に基づいて、各LED列負荷11〜16のアノード端子P1H〜P6Hのそれぞれを、電圧変換回路1の出力端子PO1、電圧変換回路2の出力端子PO2または電圧変換回路3の出力端子PO3のいずれかに接続する。セレクタ30a〜30fは、例えばMOSスイッチ等により構成される。
定電流源25、26は、それぞれLED列負荷15、16のカソード端子P5L、P6Lに直列接続され、LEDの発光に必要な定電流I5、I6を各LED列負荷15、16に供給する。
各定電流源25、26は、電流制御部42からの制御信号Vcntに基づいてオンオフ制御が可能であり、オン時間とオフ時間の割合を調整する。これにより、LED列負荷15、16へ供給する電流量を調整し、LEDの発光量を制御することができる。
切り替え回路31は、セレクタ31a〜31fを有するセレクタ回路群である。切り替え回路31は、切り替え制御部41からの制御信号Vsel2に基づいて、各カソード端子電圧Vfb1〜Vfb6のそれぞれを、最小値検出部32、最小値検出部34、または最小値検出部36、のいずれかに接続する。セレクタ31a〜31fは、例えばMOSスイッチ等により構成される。各LED列負荷11〜16のカソード端子電圧Vfb1〜Vfb6は、各LED列負荷11〜16の順方向電圧降下に基づいて定まる。
最小値検出部36は、切り替え回路31で接続されたカソード端子電圧のうち、最小の電圧を選択し、検出電圧Vdet3としてPWM制御部37へ入力する。検出電圧Vdet3は、選択された最小のカソード端子電圧と同じ電圧である必要はなく、例えば、各カ
ソード端子電圧のうちの最小値を所定電圧だけシフトさせたような、最小のカソード端子電圧に基づいて生成された電圧であっても良い。
PWM制御部37は、入力された検出電圧Vdet3と、図示しない基準信号Vrefとを比較する。この比較結果に基づいて、検出電圧Vdet3が基準電圧Vrefと等しくなるように、制御信号Vpwm3が電圧変換回路3のトランジスタM3のゲートに入力される。この制御信号Vpwm3に基づいて、電圧変換回路3はトランジスタM3のスイッチングを行い、出力電圧Vout3を生成する。
VF判定部40は、入力されたカソード端子電圧Vfb1〜Vfb6に基づいて、各LED列負荷11〜16における順方向電圧降下の大小関係を判定し、判定結果である判定信号Vchを切り替え制御部41に入力する。
それ以外の構成および動作については、実施の形態1で示したものと同様であるため、説明は省略する。
本発明の実施の形態2によれば、LED列負荷11〜16を順方向電圧降下の大きさに基づいて3つのグループに分類し、分類された3つのLED列負荷群をそれぞれ3つの電圧変換回路1〜3で駆動する。すなわち、実施の形態1で示した様に電圧変換回路2つで駆動するような発光素子駆動装置を用いた場合よりも、それぞれの電圧変換回路に接続されたLED列負荷群内での順方向電圧降下のばらつき幅を低減することが可能となる。このため、更なる消費電力削減が実現できる。
図9に示すフローチャートを用いて、本実施の形態2による発光素子駆動装置の動作シーケンスについて簡単に説明する。実施の形態1の図5で示した動作とは、LED列負荷を2つではなく3つのグループに分類し、それぞれを3つの電圧変換回路1〜3に振り分ける点が異なる。
まず、全てのLED列負荷のアノード端子P1H〜P6Hを電圧変換回路3の出力端子PO3に接続し、カソード端子P1L〜P6Lを最小値検出部36に接続する。すなわち、全てのLED列負荷11〜16を電圧変換回路3の系(電圧変換回路3を有する電圧変換部)へ接続する(ステップS71)。そして、定電流源21〜26を全てオンさせ、LED列負荷11〜16を全て駆動する(ステップS72)。
次に、VF判定部40が、オンしている定電流源の中で、最小のカソード端子電圧がかかる定電流源を判定する(ステップS73)。そして、VF判定部40は、判定結果(判定信号Vch)を切り替え制御部41に通知する(ステップS74)。
切り替え制御部41は、最小のカソード端子電圧がかかる定電流源を、電流制御部42を介してオフさせる(ステップS75)。そして、切り替え制御部41は、切り替え回路30、31を制御して、オフさせた定電流源に接続されているLED列負荷の接続先を、電圧変換回路3の系から電圧変換回路1の系に切り替えさせる(ステップS76)。
そして、残りのオンしている定電流源およびLED列負荷に対して、全LED列負荷数の1/3に相当する回数だけ、上記と同様の判定と電圧変換回路1への接続切り替えを繰り返し行う(ステップS77)。
次に、全LED列負荷数の2/3に相当する残りのオンしている定電流源およびLED列負荷に対しても、上記のステップS73〜S77と同様の動作を行う(ステップS78〜S82)。ただし、ステップS78〜S82では、オフさせた定電流源に接続されてい
るLED列負荷の接続先は、電圧変換回路3の系から電圧変換回路2の系に切り替えられる。
以上より、全LED列負荷は、順方向電圧降下の大きさに基づいて、均等な数(全LED列負荷数の1/3に相当する数)のLED列負荷をそれぞれ含む3つのグループに分類される。より具体的には、全LED列負荷を、順方向電圧降下が大きな順から電圧変換回路1、電圧変換回路2、電圧変換回路3に振り分けることができる。
なお、上記動作シーケンスの一例では、各電圧変換回路1〜3に接続されるLED列負荷の数が実質的に同数となるよう、組み換え処理の回数をLED列負荷数の1/3(本実施の形態では3回)とした。しかし、本発明の機能を実現する組み換え処理の回数はこれに限定されない。ただし、組み換え処理の回数を3回とすることで、各電圧印加部に接続されるLED列負荷の数を均一化することができ、電圧印加部の負荷を均一化できる。より一般的には、電圧印加部の全数をM、接続される発光素子列の全数をNとすると、一つの電圧印加部にはN/Mの数の発光素子列が接続されればよい。従って、一つの電圧印加部に対して組み換え処理をN/M回繰り返すことで、負荷を均一にするための最適な発光素子列の接続数にすることができる。さらに、処理をN/M回繰り返した後、接続を切替える先の電圧印加部を変更して再度前記処理を繰り返すことで、各電圧印加部に対して均一な数の発光素子列を接続させることが出来る。また、電圧印加部の数が更に増えた場合は、このような接続を切替える先の電圧印加部の変更処理をM−2回繰り返せば、全ての電圧印加部に対して全ての発光素子列を均一に接続させることが出来る。ただし、M、Nは正の整数であり、M<Nである。
また、上記動作シーケンスの一例では、VF判定部40が1回の判定を行うたびに判定結果(判定信号Vch)に基づいてLED列負荷の組み替えを行った。しかし、複数回の判定を行うたび、または全ての判定を終えてから、最後に切り替え制御部41によって切り替え回路30および31を制御してLED列負荷の組み替えを行っても良い。その際には、毎回の判定結果(判定信号Vch)を切り替え制御部41に蓄えておくことによって、所望のLED列負荷の振り分けを実現できる。
また、VF判定部40は、各カソード端子電圧Vfb1〜Vfb6の最大値を判定することにより、最大のカソード端子電圧がかかる定電流源を判定し、その判定結果(判定信号Vch)を切り替え制御部41に通知してもよい。この場合、切り替え制御部41は、得られた判定結果(判定信号Vch)に基づいて、最大のカソード端子電圧がかかる定電流源をオフする、という動作を所定回数繰り返すことにより、各LED列負荷の選別を行うことも可能である。
また、本実施の形態2による発光駆動装置では、電圧変換回路の数および順方向電圧降下の大きさに基づくLED列負荷の分類数をそれぞれ3つとしたが、本発明の機能を実現する回路構成はこれに限定されない。すなわち、実施の形態1から実施の形態2への応用と同じ要領で、LED列負荷の分類数を4つ以上にすることにより、各電圧変換回路におけるLED列負荷の順方向電圧のばらつき幅をさらに低減することができる。このため、更なる消費電力の低減を実現することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る発光素子駆動装置について、図10を用いて説明する。実施の形態3では、実施の形態2に係る発光素子駆動装置と比べて、主に、VF判定部40とは異なるVF判定部40bと、切り替え制御部41とは異なる切り替え制御部41bと、を有する点で異なる。図10は、実施の形態3に係る発光素子駆動装置の全体構成例を示すブロック図である。本実施の形態の発光素子駆動装置において、制御部は、全ての発
光素子列を同一の電圧印加部に接続するように切替部を制御した後、当該電圧印加部に接続されている発光素子列の中で最大の順方向電圧降下を有する発光素子列を別の電圧印加部に接続するとともに、当該電圧印加部に接続されている発光素子列の中で最小の順方向電圧降下を有する発光素子列をさらに別の電圧印加部に接続するように切替部を制御する。以下、具体構成を用いて詳細を説明する。
VF判定部40bは、カソード端子電圧Vfb1〜Vfb6のうち、最小のカソード端子電圧がかかる定電流源と、最大のカソード端子電圧がかかる定電流源とを同時に判定する点で、実施の形態2のVF判定部40とは異なる。VF判定部40bは、オンしている定電流源の中で最小のカソード端子電圧がかかる定電流源を判定し、その結果を判定信号Vch1として、切り替え制御部41bへ通知する。また、VF判定部40bは、オンしている定電流源の中で最大のカソード端子電圧がかかる定電流源を判定し、その結果を判定信号Vch2として、切り替え制御部41bへ通知する。
切り替え制御部41bは、複数のLED列負荷に対して、異なる2つ以上の電圧変換回路の系への切り替えを同時に行う点で、実施の形態2の切り替え制御部41とは異なる。切り替え制御部41bは、入力された判定結果(判定信号Vch1およびVch2)に基づいて、制御信号Vsel1〜3を生成し、制御信号Vsel1〜3により切り替え回路30、31および電流制御部42を制御する。
その以外の構成および動作については、実施の形態2で示したものと同様であるため、説明は省略する。
本実施の形態に係る発光素子駆動装置では、VF判定部40bによる1回の判定で、2つのLED列負荷に対して電圧変換回路の系(電圧印加部)の切り替え動作を同時に行うことができる。このため、LED列負荷のグループ分けと複数の電圧変換回路への振り分けの一連の動作に要する時間を約半分に短縮できる効果がある。
例えば、まず、全てのLED列負荷11〜16を電圧変換回路2の系へ接続し、全ての定電流源21〜26をオンして、全てのLED列負荷11〜16を駆動する。このとき、各LED列負荷11〜16のカソード端子電圧Vfb1〜Vfb6の大きさは、Vfb1>Vfb2>Vfb3>Vfb4>Vfb5>Vfb6と仮定する。
VF判定部40bは、オンしている定電流源の中で定電流源26にかかるカソード端子電圧Vfb6が最小であるという判定結果(判定信号Vch1)と、定電流源21にかかるカソード端子電圧Vfb1が最大であるという判定結果(判定信号Vch2)と、を切り替え制御部41bに通知する。
切り替え制御部41bは、最大のカソード端子電圧Vfb1がかかる定電流源21と最小のカソード端子電圧Vfb6がかかる定電流源26とを、電流制御部42を介してオフする。また、切り替え制御部41bは、判定結果(判定信号Vch1)に基づき切り替え回路30、31を制御して、最小のカソード端子電圧Vfb6を有するLED列負荷16にかかわる接続を切り替えさせる。具体的には、切り替え制御部41bは、LED列負荷16の接続先を電圧変換回路2の系から電圧変換回路1の系に切り替えさせる。さらに、切り替え制御部41bは、判定結果(判定信号Vch2)に基づき切り替え回路30、31を制御して、最大のカソード端子電圧Vfb1を有するLED列負荷11にかかわる接続を切り替えさせる。具体的には、切り替え制御部41bは、LED列負荷11の接続先を電圧変換回路2の系から電圧変換回路3の系に切り替えさせる。
上記のVF判定回路40bの判定からLED列負荷の接続の切り替えの一連の動作を、
もう一度だけ繰り返すと、LED列負荷は、順方向電圧降下が大きな順から2つずつグループ分けされ、それぞれ電圧変換回路1、電圧変換回路2、電圧変換回路3へと振り分けられる。
実施の形態2では、6本のLED列負荷に対して合計4回の判定動作が必要だったのに対して、本実施の形態3では、2回の判定動作だけで、LED列負荷の振り分け動作を終了することが可能となる。
なお、上記動作シーケンスの一例では、各電圧変換回路1〜3に接続されるLED列負荷の数が実質的に同数となるよう、組み換え処理の回数をLED列負荷数の1/3(本実施の形態では3回)とした。しかし、本発明の機能を実現する組み換え処理の回数はこれに限定されない。ただし、組み換え処理の回数を3回とすることで、各電圧印加部に接続されるLED列負荷の数を均一化することができ、電圧印加部の負荷を均一化できる。より一般的には、電圧印加部の全数をM、発光素子列の全数をNとすると、一つの電圧印加部にはN/Mの数の発光素子列が接続されればよい。従って、一つの電圧印加部に対して組み換え処理をN/M回繰り返すことで、負荷を均一にするための最適な発光素子列の接続数にすることができる。さらに、本実施の形態においては不要だが、電圧印加部の数が更に増えた場合は、上記処理をN/M回繰り返した後、接続を切替える先の電圧印加部を変更して再度上述の処理を繰り返す。これにより、各電圧印加部に対して均一な数の発光素子列を接続させることが出来る。ただし、M、Nは正の整数であり、M<Nである。
以上のように、本実施の形態に係る発光素子駆動装置では、一連のLED列負荷の振り分けに要する時間を短縮する効果がある。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る発光素子駆動装置について、図11および図12を用いて説明する。本実施の形態では、実施の形態1に係る発光素子駆動装置と比べ、主として、VF判定部40とは異なる電圧比較部44と、新たに閾値電圧Vthと、を有する点で異なる。図11は、実施の形態4に係る発光素子駆動装置の全体構成例を示すブロック図である。本実施の形態において、制御部は、全ての発光素子列を同一の電圧印加部に接続するように切替部を制御した後、当該発光素子列の各々のカソード端に接続された複数の電流源にかかる電流源電圧と所定の閾値電圧とを比較して、閾値電圧を超える電流源電圧を有する発光素子列を別の電圧印加部に接続するように切替部を制御する。以下、具体構成を用いて詳細を説明する。
電圧比較部44は、カソード端子電圧Vfb1〜Vfb4と、所定の閾値電圧Vthとの比較を行い、得られた比較結果(判定信号Vch)を切り替え制御部41へ通知する。電圧比較部44は、例えば図12に示すように、カソード端子電圧Vfb1〜Vfb4と閾値電圧Vthをそれぞれ比較器44a〜44dで比較するような構成とすることによって実現できる。
その以外の構成および動作については、実施の形態1で示したものと同様であるため、説明は省略する。
本発明の実施の形態4に係る発光素子駆動装置の動作シーケンスの一例について、以下に説明する。まず、切り替え回路30を制御することによって、LED列負荷11〜14のアノード端子P1H〜P4Hを、全て電圧変換回路1の出力端子PO1に接続する。
また、切り替え回路31を制御することによって、LED列負荷11〜14のカソード端子P1L〜P4Lを、全て最小値検出部32に接続する。
つまり、LED列負荷11〜14の全てを、電圧変換回路1の系(電圧変換回路1を有する電圧印加部)へと接続する。
次に、電圧比較部44により、カソード端子電圧Vfb1〜Vfb4と閾値電圧Vthとを比較し、比較結果を切り替え制御部41へ通知する。ここでは例として、Vfb1>Vfb2>Vth>Vfb3>Vfb4とする。
切り替え制御部41は、比較結果(判定信号Vch)に基づき、閾値電圧Vthよりも大きなカソード端子電圧Vfb1、Vfb2がかかる定電流源21、22を、電流制御部42を介してオフさせる。また、切り替え回路30、31を制御して、LED列負荷11、12の接続先を、電圧変換回路1の系から電圧変換回路2の系へと切り替える。
以上のような動作を行うことにより、LED列負荷11〜14を、順方向電圧降下の大きさに基づいて分類し、電圧変換回路1と電圧変換回路2とに振り分けることができる。
したがって、所定の電圧変換回路に接続されるLED列負荷の順方向電圧降下のばらつきを低減することができるので、発光素子駆動装置の消費電力低減が実現できる。
なお、本実施の形態においては、閾値電圧Vthの値によっては、各電圧変換回路に接続されるLED列負荷の数が均一にならない場合もある。ただし、上記の構成および動作により、電圧比較部44によるカソード端子電圧Vfb1〜Vfb4と閾値電圧Vthの一度の比較で、LED列負荷を分類することができるので、LED列負荷の振り分けに要する時間を短縮する効果を有する。
なお、本実施の形態においては、閾値電圧を超える電流源電圧を有する発光素子列を別の電圧印加部に接続するように切替部を制御する構成とした。ただし、閾値電圧よりも小さい電流源電圧を有する発光素子列を別の電圧印加部に接続するように切替部を制御する構成であってもよい。このような構成でも同様の効果を得ることができる。なお、閾値電圧に等しい電流源電圧を有する発光素子列も別の電圧印加部に接続するように切替部を制御する構成であってもよい。
また、電圧変換回路を3つ以上備え、さらにそれに応じて閾値電圧Vthを複数備え、各カソード端子電圧を複数の異なる閾値電圧Vthと比較し、その比較結果に基づいて、3つ以上の複数の電圧変換回路にLED列負荷を振り分ける構成としても良い。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5に係る発光素子駆動装置について、図13および図14を用いて説明する。本実施の形態では、実施の形態2に係る発光素子駆動装置と比べ、主として、切り替え制御部41とは異なる切り替え制御部41cと、切り替え回路31とは異なる切り替え回路90と、新たにセレクタ30g〜30iと、LED列負荷17〜19と、定電流源27〜29と、アドレス検出部71〜73と、を有する点が異なる。図13は、実施の形態5に係る発光素子駆動装置の全体構成例を示すブロック図である。本実施の形態では、発光素子駆動装置において、電圧印加部の全数がM、それぞれの電圧印加部を第1〜第Mの電圧印加部とするとき、制御部は、第Nの電圧印加部に接続されている発光素子列の中で最大の順方向電圧降下を有する発光素子列を第N−1の電圧印加部に接続するとともに、第Nの電圧印加部に接続されている発光素子列の中で最小の順方向電圧降下を有する発光素子列を第N+1の電圧印加部に接続するように切替部を制御する。なお、本実施の形態においては、電圧変換回路1、最小値検出部32、およびPWM制御部33を合わせた構成は、1つの電圧印加部の具体例である。また、切り替え回路30、90を合わせ
た構成は、切替部の具体例である。また、切り替え制御部41c、アドレス検出回路71〜73を合わせた構成は、制御部の具体例である。また、LED列負荷11〜19は、それぞれ発光素子列の具体例である。以下、具体構成を用いて詳細に説明する。
切り替え回路30は、セレクタ30a〜30iを有するセレクタ回路群である。切り替え回路30は、切り替え制御部41cからの制御信号Vsel10に基づいて、各LED列負荷11〜19のアノード端子のそれぞれを、電圧変換回路1の出力端子、電圧変換回路2の出力端子または電圧変換回路3の出力端子のいずれかに接続する。セレクタ30a〜30iは、例えばMOSスイッチ等により構成される。
定電流源21〜29は、それぞれLED列負荷11〜19のカソード端子に直列に接続され、LEDの発光に必要な定電流I1〜I9を各LED列負荷11〜19に供給する。定電流21〜29は、図示しない論理回路またはマイコン等によってオンオフ制御される。
切り替え回路90は、セレクタ90a〜90iを有するセレクタ回路群である。セレクタ90a〜90cのそれぞれは、切り替え制御部41cからの制御信号Vsel11に基づいて、各LED列負荷11〜19のカソード端子電圧Vfb1〜Vfb9のいずれかを、最小値検出部36およびアドレス検出部73に接続する。また、セレクタ90d〜90fのそれぞれは、切り替え制御部41cからの制御信号Vsel11に基づいて、各LED列負荷11〜19のカソード端子電圧Vfb1〜Vfb9のいずれかを、最小値検出部34およびアドレス検出部72に接続する。また、セレクタ90g〜90hのそれぞれは、切り替え制御部41cからの制御信号Vsel11に基づいて、各LED列負荷11〜19のカソード端子電圧Vfb1〜Vfb9のいずれかを、最小値検出部32およびアドレス検出部71に接続する。セレクタ90a〜90iは、例えばMOSスイッチ等により構成される。
アドレス検出部71は、LED列負荷11〜19の内、特定の1つのLED列負荷のストリングアドレスを検出し、アドレス信号MaxAdr1として切り替え制御部41cに入力する。ここで、アドレス信号MaxAdr1となるストリングアドレスを有するLED列負荷は、セレクタ90g、90h、90iを介してアドレス検出部71に入力された3つのカソード端子電圧の内、最大のカソード端子電圧を有するLED列負荷である。これは、最小の順方向電圧降下を有するLED列負荷である。
アドレス検出部72は、LED列負荷11〜19の内、特定の2つのLED列負荷のストリングアドレスを検出し、アドレス信号MaxAdr2およびMinAdr2として切り替え制御部41cに入力する。ここで、アドレス信号MaxAdr2となるストリングアドレスを有するLED列負荷は、セレクタ90d、90e、90fを介してアドレス検出部72に入力された3つのカソード端子電圧の内、最大のカソード端子電圧を有するLED列負荷である。これは、最小の順方向電圧降下を有するLED列負荷である。また、アドレス信号MinAdr2となるストリングアドレスを有するLED列負荷は、セレクタ90d、90e、90fを介してアドレス検出部72に入力された3つのカソード端子電圧の内、最小のカソード端子電圧を有するLED列負荷である。これは、最大の順方向電圧降下を有するLED列負荷である。
アドレス検出部73は、LED列負荷11〜19の内、特定の1つのLED列負荷のストリングアドレスを検出し、アドレス信号MinAdr3として切り替え制御部41cに入力する。ここで、アドレス信号MinAdr3となるストリングアドレスを有するLED列負荷は、セレクタ90a、90b、90cを介してアドレス検出部73に入力された3つのカソード端子電圧の内、最小のカソード端子電圧を有するLED列負荷である。こ
れは、最大の順方向電圧降下を有するLED列負荷である。
ここで、ストリングアドレスとは、各LED列負荷11〜19を識別するためのアドレス情報を意味する。切り替え制御部41cは、アドレス検出部71〜73から得たアドレス情報を電圧変換回路1〜3のいずれかに関連づけることによって、切り替え回路30、90を制御し、LED列負荷の組み替えを行う。
つまり、切り替え制御部41cは、入力されたアドレス信号MaxAdr1、MaxAdr2、MinAdr2、MinAdr3に基づいて生成された制御信号Vsel10〜Vsel11によって、切り替え回路30、90を制御する。具体的には、アドレス信号MaxAdr1に示されるアドレスを有するLED列負荷とアドレス信号MinAdr2に示されるアドレスを有するLED列負荷とを入れ替える。また、アドレス信号MaxAdr2に示されるアドレスを有するLED列負荷とアドレス信号MinAdr3に示されるアドレスを有するLED列負荷とを入れ替える。各電圧変換回路間において同じアドレス同士の組み替えが所定回数繰り返し行われると、該電圧変換回路間のLED列負荷の組み替え制御を終了する。切り替え回路41cは、例えば論理回路またはマイコンにより構成される。
それ以外の構成および動作については、実施の形態2で示したものと同様であるため、説明は省略する。
本実施の形態によれば、実施の形態2とは異なるシーケンスによって、LED列負荷11〜19を順方向電圧降下の大きさに基づいて3つのグループに分類し、分類された3つのLED列負荷群をそれぞれ3つの電圧変換回路1〜3で駆動する。すなわち、順方向電圧降下の大きさに基づいてグループ分けされた複数のLED列負荷群を複数の電圧変換回路で分担して、駆動を行う。これにより、各電圧変換回路に接続されたLED列負荷群内における順方向電圧降下のばらつき量を低減し、消費電力の削減を実現する。
図14に示す遷移表を用いて、本実施の形態に係る発光素子駆動装置の動作シーケンスの一例について説明する。初期状態(Step=1)では、電圧変換回路1にはLED列負荷14、17、18(順方向電圧降下の大きさはそれぞれ14V、17V、18Vとする)が接続されている。また、初期状態では、電圧変換回路2にはLED列負荷11、15、16(順方向電圧降下の大きさはそれぞれ11V、15V、16Vとする)が接続されている。さらに、初期状態では、電圧変換回路3にはLED列負荷12、13、19(順方向電圧降下の大きさはそれぞれ12V、13V、19Vとする)が接続されている。また、電圧変換回路1〜3は、接続されたLED列負荷のカソード端子電圧のうち、最小のカソード端子電圧が1Vとなるように、それぞれPWM制御部33〜37により制御されている。
まず、Step=1の状態における、各LED列負荷のカソード端子電圧の合計は33Vとなる。すなわち、各LED列負荷を流れる負荷電流が100mAだと仮定すると、33×0.1=3.3Wが発光に寄与しないロス電力となる。
ここで、電圧変換回路1に接続されているLED列負荷の中で最大のカソード端子電圧を有するLED列負荷はLED列負荷14であるから、アドレス信号MaxAdr1はLED列負荷14のアドレスを示す。
電圧変換回路2に接続されているLED列負荷の中で最大のカソード端子電圧を有するLED列負荷はLED列負荷11であるから、アドレス信号MaxAdr2はLED列負荷11のアドレスを示す。電圧変換回路2に接続されているLED列負荷の中で最小のカ
ソード端子電圧を有するLED列負荷はLED列負荷16であるから、アドレス信号MinAdr2はLED列負荷16のアドレスを示す。
電圧変換回路3に接続されているLED列負荷の中で最大のカソード端子電圧を有するLED列負荷はLED列負荷19であるから、アドレス信号MinAdr3はLED列負荷19のアドレスを示す。
切り替え制御部41cは、アドレス信号MaxAdr1により特定されるLED列負荷とアドレス信号MinAdr2により特定されるLED列負荷とを組み替える。また、アドレス信号MaxAdr2により特定されるLED列負荷とアドレス信号MinAdr3により特定されるLED列負荷とを組み替える。すなわち、Step=1において、LED列負荷14と16とが組み替えられ、LED列負荷11と19とが組み替えられる。よって、各電圧変換回路1〜3は、Step=2に示す状態へと遷移する。
Step=2においても、切り替え制御部41cは、アドレス信号MaxAdr1により特定されるLED列負荷とアドレス信号MinAdr2により特定されるLED列負荷とを組み替える。また、アドレス信号MaxAdr2により特定されるLED列負荷とアドレス信号MinAdr3により特定されるLED列負荷とを組み替える。すなわち、LED列負荷16と19とが組み替えられ、LED列負荷13と14とが組み替えられる。よって、各電圧変換回路1〜3は、Step=3に示す状態へと遷移する。
同様に、Step=3では、アドレス信号MaxAdr2により特定されるLED列負荷16とアドレス信号MinAdr1により特定されるLED列負荷17とが組み替えられる。また、アドレス信号MaxAdr2により特定されるLED列負荷13とアドレス信号MinAdr3により特定されるLED列負荷14とが組み替えられる。ここで、電圧変換回路2と3の間のLED列負荷の組み替えにおいて、同じLED列負荷の組み替えが2回繰り返し行われたことになる。切り替え制御部41cは、所定の電圧変換回路間で同じLED列負荷の組み替えが2回繰り返し行われると、該電圧変換回路間での組み替え制御を終了する。つまり、電圧変換回路2と3の間のLED列負荷の組み替え制御は、Step=3をもって終了する。
次に、Step=4では、アドレス信号MaxAdr1により特定されるLED列負荷16とアドレス信号MinAdr2により特定されるLED列負荷17との組み替えが行われる。ここで、電圧変換回路1と2の間のLED列負荷の組み替えにおいて、同じLED列負荷の組み替えが2回繰り返し行われたことになる。つまり、電圧変換回路1と2の間のLED列負荷の組み替え制御は、Step=4をもって終了する。このように、制御部が、各々の電圧印加部において、同一の発光素子列の接続の切り替えが繰り返された場合に、切替え部の制御を終了することで、簡易にかつ最小限の組み換えで最適な状態への組み換えを完了することが出来る。
全てのLED列負荷の組み替えが終了すると、Step=5の状態となる。Step=5では、各LED列負荷のカソード端子電圧の合計が18Vとなる。Step=1とStep=5のLED列負荷のカソード端子電圧を比較すると、Step=5の方が15V減少している。つまり、LED列負荷の負荷電流を100mAと仮定すると、ロス電力を1.5W削減できたことになる。
以上のような動作を行うことにより、LED列負荷11〜19を、順方向電圧降下の大きさに基づいて分類し、電圧変換回路1と電圧変換回路2と電圧変換回路3とに振り分けることができる。
したがって、所定の電圧変換回路に接続されるLED列負荷の順方向電圧降下のばらつきを低減することができるので、発光素子駆動装置の消費電力低減が実現できる。
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6に係る発光素子駆動装置の動作シーケンスについて、図15を用いて説明する。本実施の形態は、図10に示す実施の形態3による発光素子駆動装置と比べ、LED列負荷の駆動電圧判定に用いる電圧変換回路の用い方が異なる。具体的には、VF判定部40bがVF判定部40’に、切り替え制御部41bが切り替え制御部41’となっており、その動作が異なる。本実施の形態では、発光素子駆動装置において、制御部は、全ての発光素子列を全ての電圧印加部に均等に接続するように切替部を制御した後、駆動している全ての発光素子列の中で最大の順方向電圧降下を有する発光素子列を第1の電圧印加部に接続するように切替部を制御して当該最大の順方向電圧降下を有する発光素子列の駆動をオフするとともに、駆動している全ての発光素子列の中で最小の順方向電圧降下を有する発光素子列を第2の電圧印加部に接続するように切替部を制御して当該最小の順方向電圧降下を有する発光素子列の駆動をオフする。以下、具体例を用いて、詳細を説明する。
以下の具体例では、動作説明のための一例として、各LED列負荷11〜14の順方向電圧降下の関係は「Vf1<Vf2<Vf3<Vf4<Vf5<Vf6」であるとする。
まず、切り替え回路30および31を制御して、それぞれの電圧変換回路に均等にLED列負荷を接続し、各LED列負荷のカソード端子をそれに応じた最小値検出部に接続する(ステップS131)。次に、全ての電圧変換回路の電圧を全てのLED列負荷が点灯可能かつ同一の電圧とする(ステップS132)。そして、定電流源21〜26を全てオンさせることによって、全てのLED列負荷を駆動させる(ステップS133)。
次に、VF判定部40’が、オンしている定電流源21〜26にかかる各カソード端子電圧Vfb1〜Vfb6のうち、最小のカソード端子電圧Vfb6と最大のカソード端子電圧Vfb1を検出する。これにより、VF判定部40’は、どの定電流源が最小のカソード端子電圧で駆動しているのか、また、どの定電流源が最大のカソード端子電圧で駆動しているのかを判定する(ステップS134)。そして、VF判定部40’は、その判定結果(判定信号Vch)を切り替え制御部41’に通知する(ステップS135)。
切り替え制御部41’は、判定結果に基づいて生成された制御信号Vsel3を電流制御部42へ入力する。電流制御部42は、最小のカソード端子電圧がかかる定電流源26と最大のカソード電圧がかかる定電流源21をオフする(ステップS136)。
また、切り替え制御部41’は、制御信号Vsel1、Vsel2によって切り替え回路30、31を制御し、最大および最小のカソード端子電圧Vfb1、Vfb6を有するLED列負荷11、16にかかわる接続を切り替えさせる。具体的には、切り替え制御部41’は、LED列負荷16のアノード端子P6Hの接続先を電圧変換回路1の出力端子PO1に切り替えさせ、カソード端子P6Lの接続先を最小値検出部32に切り替えさせる(元々接続されている場合はそのままとする)。すなわち、電圧変換回路1と最小値検出部32とで構成される第1の電圧印加部に、最大の順方向電圧降下を有するLED列負荷16を接続させる。また、それと合わせて、切り替え制御部41’は、LED列負荷11のアノード端子P1Hの接続先を電圧変換回路3の出力端子PO3に切り替えさせ、カソード端子P1Lの接続先を最小値検出部36に切り替えさせる(元々接続されている場合はそのままとする)。すなわち、電圧変換回路3と最小検出部36とで構成される第2の電圧印加部に、最小の順方向電圧降下を有するLED列負荷11を接続させる(ステップS137)。
同様に、LED列負荷の個数の1/3に相当する回数だけ、すなわち、LED列負荷の個数を電圧印加部の個数で割った値に等しい回数だけ、ステップS134〜ステップS137を繰り返す(ステップS138)。本実施の形態においては、ステップS134〜ステップS137を2回繰り返す。上記の判定で選択されなかったLED列負荷は、電圧変換回路2に接続されることとなり、組み換えが終了する。
なお、上記動作シーケンスの一例では、各電圧変換回路1〜3に接続されるLED列負荷の数が実質的に同数となるよう、組み換え処理の回数をLED列負荷数の1/3(本実施の形態では3回)とした。しかし、本発明の機能を実現する組み換え処理の回数はこれに限定されない。ただし、組み換え処理の回数を3回とすることで、各電圧印加部に接続されるLED列負荷の数を均一化することができ、電圧印加部の負荷を均一化できる。より一般的には、電圧印加部の全数をM、接続される発光素子列の全数をNとすると、一つの電圧印加部にはN/Mの数の発光素子列が接続されればよい。従って、一つの電圧印加部に対して組み換え処理をN/M回繰り返すことで、負荷を均一にするための最適な発光素子列の接続数にすることができる。さらに、本実施の形態においては不要だが、電圧印加部の数が更に増えた場合は、上記処理をN/M回繰り返した後、接続を切替える先の電圧印加部を変更して再度上述の処理を繰り返す。これにより、各電圧印加部に対して均一な数の発光素子列を接続させることが出来る。ただし、M、Nは正の整数であり、M<Nである。
本実施の形態によれば、全ての電圧変換回路の電圧を全てのLED列負荷が点灯できる同電圧にして、最小駆動電圧および最大駆動電圧の判定を行う。すなわち、実施の形態3では、最初に1つの電圧変換回路に全てのLED列負荷が接続され、その電圧変換回路の負担が大きくなることから、その電圧変換回路を他の電圧変換回路に比べて大容量とする必要がある。これに対して、本実施の形態では、駆動電圧判定時においても、判定後においても、電圧変換回路に接続されるLED列負荷数は同程度となる。そのため、電圧変換回路の規模および部品スペックも等しくなり、設計工数および部品種類などを最小限に抑える効果がある。
(実施の形態7)
次に、本発明の実施の形態に係る面状照明装置を有する液晶表示装置について説明する。図16は、本発明の実施の形態に係る面状照明装置を備えた液晶表示装置の概略構成図である。
液晶表示装置1400は、液晶パネル1410と面状照明装置1420とを備えている。
また、液晶表示装置1400は、液晶パネル制御部1430と、バックライト制御部1440と、を備えている。液晶パネル制御部1430は、入力される映像信号に基づいて液晶パネル1410の有する各画素(図示せず)の光透過率を制御する。バックライト制御部1440は、入力される映像信号に基づいて面状照明装置1420が照明する照明光の強度を所定の発光エリア毎に制御する。
面状照明装置1420は、複数の発光素子1421と、発光素子1421を実装する基板および反射板などからなるベース1422と、発光素子1421から出射した光を均一な面状光にするための光学シート1423とを有している。発光素子1421は、具体的には白色光を発するLEDなどである。光学シート1423は、例えば拡散板および輝度上昇フィルムなど複数の光学シートから構成されていてもよい。また、面状照明装置1420は、バックライト制御部1440から出力された信号に基づいて発光素子1421を
駆動する発光素子駆動装置1424を有している。発光装置駆動装置1424は、上述した実施の形態1乃至6のいずれかに記載の発光素子駆動装置である。
液晶パネル1410は、面状照明装置1420からの照明光を背面から入射し、照明光を映像信号に応じて空間変調して映像を表示する。
本実施の形態に係る面状照明装置1420によれば、発光素子駆動装置1424を有していることで、LEDの順方向電圧ばらつきによって発生する消費電力の増加を抑制した面状照明装置を構成することが出来る。また、本実施の形態に係る液晶表示装置1400によれば、発光素子駆動装置1424を有していることで、LEDの順方向電圧ばらつきによって発生する消費電力の増加を抑制した液晶表示装置を構成することが出来る。
2009年6月26日出願の特願2009−151949の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明によれば、液晶テレビまたは液晶モニターなど液晶表示装置、そのバックライトとして用いる面状照明装置、さらにはそのバックライトに用いる発光素子駆動装置の省電力化に貢献できる。
1、2、3 電圧変換回路
11、12、13、14、15、16、17、18、19 LED列負荷
21、22、23、24、25、26、27、28、29 定電流源
30、31 切り替え回路
30a、30b、30c、30d、30e、30f、30g、30h、30i セレクタ
31a、31b、31c、31d、31e、31f セレクタ
32、34、36 最小値検出部
33、35、37 PWM制御部
40、40b、40’ VF判定部
41、41b、41c、41’ 切り替え制御部
42 電流制御部
44 電圧比較部
44a、44b、44c、44d 比較器
50 定電流源
51、52、53、54 pnpトランジスタ
55、56、57、58 抵抗
59、60、61、62 バッファ回路
71、72、73 アドレス検出部
90 切り替え回路
90a、90b、90c、90d、90e、90f、90g、90h、90i セレクタ
100 電圧変換回路
101 コイル
102 ダイオード
103 トランジスタ
104 コンデンサ
110、111、112、113 LED列負荷
120、121、122、123 定電流源
130 選択回路
131 制御回路
1400 液晶表示装置
1410 液晶パネル
1420 面状照明装置
1421 発光素子
1422 ベース
1423 光学シート
1424 発光素子駆動装置
1430 液晶パネル制御部
1440 バックライト制御部

Claims (24)

  1. 複数の発光素子列の駆動を行う発光素子駆動装置であって、
    前記駆動に用いられる複数の印加電圧を生成するために複数個設けられ、その個数は発光素子列の個数よりも少数である、複数の電圧印加部と、
    前記複数の発光素子列が個別に接続される電圧印加部を前記複数の電圧印加部の内で切り替える切替部と、
    前記切替部を制御する制御部と、を備え
    前記複数の電圧印加部の各々は、当該電圧印加部に接続されている発光素子列に印加する印加電圧を、当該電圧印加部に接続されている発光素子列の順方向電圧降下のうち最大の順方向電圧降下に基づいて定まる検出電圧に基づいて生成し、
    前記制御部は、前記複数の電圧印加部にそれぞれ対応する複数のグループに前記複数の発光素子列を振り分けるためのグループ分けを、前記複数の発光素子列の各々についての順方向電圧降下と印加電圧との差の合計値が最小となるように行いつつ、前記複数の発光素子列がグループ毎に異なる電圧印加部に接続されるように前記切替部を制御する、
    発光素子駆動装置。
  2. 前記検出電圧は、前記複数の発光素子列の各々のカソード端に接続された複数の電流源にかかる電流源電圧の内、最小の電圧である、
    請求項1記載の発光素子駆動装置。
  3. 前記制御部は、前記複数の発光素子列の全てを前記複数の電圧印加部のうち同一の電圧印加部に接続するように前記切替部を制御した後、前記同一の電圧印加部に接続されている発光素子列の中で最大の順方向電圧降下を有する発光素子列を別の電圧印加部に接続するように前記切替部を制御する、
    請求項1記載の発光素子駆動装置。
  4. 前記制御部は、前記複数の発光素子列の全てを前記複数の電圧印加部のうち同一の電圧印加部に接続するように前記切替部を制御した後、前記同一の電圧印加部に接続されている発光素子列の中で最小の順方向電圧降下を有する発光素子列を別の電圧印加部に接続するように前記切替部を制御する、
    請求項1記載の発光素子駆動装置。
  5. 前記電圧印加部の個数をM、前記発光素子列の個数をNとすると、
    前記制御部は、N個の発光素子列の全てをM個の電圧印加部のうち同一の電圧印加部に接続するように前記切替部を制御した後、前記同一の電圧印加部に接続されている発光素子列の中で最大の順方向電圧降下を有する発光素子列を別の一つの電圧印加部に接続するように前記切替部を制御する処理をN/M回繰り返す、
    請求項1記載の発光素子駆動装置。
    ただし、M、Nは、正の整数であり、M<Nであり、NはMの整数倍である。
  6. 前記電圧印加部の個数をM、前記発光素子列の個数をNとすると、
    前記制御部は、N個の発光素子列の全てをM個の電圧印加部のうち同一の電圧印加部に接続するように前記切替部を制御した後、前記同一の電圧印加部に接続されている発光素子列の中で最小の順方向電圧降下を有する発光素子列を別の一つの電圧印加部に接続するように前記切替部を制御する処理をN/M回繰り返す、
    請求項1記載の発光素子駆動装置。
    ただし、M、Nは、正の整数であり、M<Nであり、NはMの整数倍である。
  7. 前記電圧印加部の個数Mが2よりも大である場合、
    前記制御部は、前記処理をN/M回繰り返した後、接続を切替える先の電圧印加部を変更して再度前記処理を繰り返す、
    請求項5に記載の発光素子駆動装置。
  8. 前記制御部は、接続を切替える先の電圧印加部の変更をM−2回繰り返す、
    請求項7に記載の発光素子駆動装置。
  9. 前記電圧印加部の個数Mが2よりも大である場合、
    前記制御部は、前記処理をN/M回繰り返した後、接続を切替える先の電圧印加部を変更して再度前記処理を繰り返す、
    請求項6に記載の発光素子駆動装置。
  10. 前記制御部は、接続を切替える先の電圧印加部の変更をM−2回繰り返す、
    請求項9に記載の発光素子駆動装置。
  11. 前記制御部は、前記複数の発光素子列の全てを前記複数の電圧印加部のうち同一の電圧印加部に接続するように前記切替部を制御した後、前記同一の電圧印加部に接続されている発光素子列の中で最大の順方向電圧降下を有する発光素子列を別の電圧印加部に接続するとともに、前記同一の電圧印加部に接続されている発光素子列の中で最小の順方向電圧降下を有する発光素子列をさらに別の電圧印加部に接続するように前記切替部を制御する、
    請求項1記載の発光素子駆動装置。
  12. 前記電圧印加部の個数をM、接続される前記発光素子列の個数をNとすると、
    前記制御部は、N個の発光素子列の全てをM個の電圧印加部のうち同一の電圧印加部に接続するように前記切替部を制御した後、前記同一の電圧印加部に接続されている発光素子列の中で最大の順方向電圧降下を有する発光素子列を別の一つの電圧印加部に接続するとともに前記同一の電圧印加部に接続されている発光素子列の中で最小の順方向電圧降下を有する発光素子列をさらに別の一つの電圧印加部に接続するように前記切替部を制御する処理を、N/M回繰り返す、
    請求項1記載の発光素子駆動装置。
    ただし、M、Nは、正の整数であり、3≦M<Nであり、NはMの整数倍である。
  13. 前記電圧印加部の個数Mが3よりも大である場合、
    前記制御部は、前記処理をN/M回繰り返した後、接続を切替える先の電圧印加部を変更して再度前記処理を繰り返す、
    請求項12に記載の発光素子駆動装置。
  14. 前記制御部は、前記複数の発光素子列の全てを前記複数の電圧印加部のうち同一の電圧印加部に接続するように前記切替部を制御した後、前記複数の発光素子列の各々のカソード端に接続された複数の電流源にかかる電流源電圧と所定の閾値電圧とを比較して、前記閾値電圧を超える電流源電圧を有する発光素子列を別の電圧印加部に接続するように前記切替部を制御する、
    請求項1記載の発光素子駆動装置。
  15. 前記制御部は、前記複数の発光素子列の全てを前記複数の電圧印加部のうち同一の電圧印加部に接続するように前記切替部を制御した後、前記複数の発光素子列の各々のカソード端に接続された複数の電流源にかかる電流源電圧と所定の閾値電圧とを比較して、前記閾値電圧未満の電流源電圧を有する発光素子列を別の電圧印加部に接続するように前記切替部を制御する、
    請求項1記載の発光素子駆動装置。
  16. 前記制御部は、前記複数の発光素子列の全てを前記複数の電圧印加部の全てに均等に接続するように前記切替部を制御した後、駆動している全ての発光素子列の中で最大の順方向電圧降下を有する発光素子列を第1の電圧印加部に接続するように前記切替部を制御して当該最大の順方向電圧降下を有する発光素子列の駆動をオフするとともに、駆動している全ての発光素子列の中で最小の順方向電圧降下を有する発光素子列を第2の電圧印加部に接続するように前記切替部を制御して当該最小の順方向電圧降下を有する発光素子列の駆動をオフする、
    請求項1記載の発光素子駆動装置。
  17. 前記電圧印加部の個数をM、前記発光素子列の個数をNとすると、
    前記制御部は、N個の発光素子列の全てをM個の電圧印加部に均等に接続するように前記切替部を制御した後、駆動している全ての発光素子列の中で最大の順方向電圧降下を有する発光素子列を前記M個の電圧印加部のうち一つの電圧印加部に接続するように前記切替部を制御して当該最大の順方向電圧降下を有する発光素子列の駆動をオフするとともに、駆動している全ての発光素子列の中で最小の順方向電圧降下を有する発光素子列を前記M個の電圧印加部のうち別の一つの電圧印加部に接続するように前記切替部を制御して当該最小の順方向電圧降下を有する発光素子列の駆動をオフする処理を、N/M回繰り返す、
    請求項1記載の発光素子駆動装置。
    ただし、M、Nは、正の整数であり、3≦M<Nであり、NはMの整数倍である。
  18. 前記電圧印加部の個数Mが3よりも大である場合、
    前記制御部は、前記処理をN/M回繰り返した後、接続を切替える先の電圧印加部を変更して再度前記処理を繰り返す、
    請求項17に記載の発光素子駆動装置。
  19. 前記電圧印加部の個数がであり、それぞれの電圧印加部を第1、第2および第3の電圧印加部とするとき、
    前記制御部は、
    前記第1および第2の電圧印加部に接続される発光素子列を入れ替える第1の組み替え制御を行うとともに、前記第2および第3の電圧印加部に接続される発光素子列を入れ替える第2の組み替え制御を行い、
    前記第1の組み替え制御においては、前記第2の電圧印加部に接続されている発光素子列の中で最大の順方向電圧降下を有する発光素子列を前記第1の電圧印加部に接続し、これと同時に、前記第1の電圧印加部に接続されている発光素子列の中で最小の順方向電圧降下を有する発光素子列を前記第2の電圧印加部に接続し、
    前記第2の組み替え制御においては、前記第2の電圧印加部に接続されている発光素子列の中で最小の順方向電圧降下を有する発光素子列を前記第3の電圧印加部に接続し、これと同時に、前記第3の電圧印加部に接続されている発光素子列の中で最大の順方向電圧降下を有する発光素子列を前記第2の電圧印加部に接続する、
    請求項1記載の発光素子駆動装置
  20. 前記制御部は、
    前記第1の電圧印加部に接続されている発光素子列と前記第2の電圧印加部に接続されている発光素子列とから成る同一ペアの発光素子列の入れ替えが繰り返された場合に、前記第1の組み替え制御を終了し、前記第2の電圧印加部に接続されている発光素子列と前記第3の電圧印加部に接続されている発光素子列とから成る同一ペアの発光素子列の入れ替えが繰り返された場合に、前記第2の組み替え制御を終了する、
    請求項19に記載の発光素子駆動装置。
  21. 前記複数の電圧印加部はそれぞれ、
    前記複数の発光素子列のカソード端に接続され、前記検出電圧を検出する検出回路と、 前記複数の発光素子列のアノード端に接続され、前記検出電圧に基づいて印加電圧を前記複数の発光素子列に印加する電圧変換回路と、を有する、
    請求項1記載の発光素子駆動装置。
  22. 前記制御部は、
    特定の発光素子列および前記特定の発光素子列との順方向電圧降下の差が小である発光素子列を含むグループと、前記特定の発光素子列との順方向電圧降下の差が大である発光素子列を含むグループとが形成されるように、前記グループ分けを行う、
    請求項1記載の発光素子駆動装置。
  23. 平面上に配置された複数の発光素子列と、
    前記複数の発光素子列に接続される請求項1記載の発光素子駆動装置と、を備える、
    面状照明装置。
  24. 請求項23記載の面状照明装置と、
    前記面状照明装置からの照明光を背面から入射し、当該照明光を映像信号に応じて空間変調して映像を表示する液晶パネルと、を備える、
    液晶表示装置。
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