JP4643006B2 - カチオン交換体による分離方法 - Google Patents

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Description

【0001】
技術分野
本発明は、新たな特性をもつことが判明した一群のカチオン交換体に関する。本発明では、新たな特性は混合物のうちの1種以上の化合物のカチオン交換体への吸着/結合による化合物の複雑な混合物の分離に利用される。目標化合物は典型的には陽性に荷電したものである。これらは、例えばタンパク質であることから、複雑な構造を有している。
【0002】
カチオン交換体の幾つかはそれ自体新規である。
【0003】
発明の背景
本発明において「分離」という表現は、溶解物質の混合物からの1種以上の化合物の除去又は分離を意味する。分離は、目標とする化合物の単離、精製、濃縮、分析などに利用し得る。カチオン交換体上でのカチオン交換による分離が起こるのは、加えた混合物の化合物によってカチオン交換体との相互作用が異なるからである。相互作用は、相互作用しないものから非常に強い相互作用まで変化し得る。
【0004】
「タンパク質」という用語は、アミノ酸間のペプチド結合を含む化合物を包含する。換言すれば、この用語には、オリゴペプチド及びポリペプチドだけでなく、リポタンパク質、糖タンパク質、プロテオグリカンなども包含される。
【0005】
カチオン交換体への「吸着」及び[結合]という用語には、化合物をカチオン交換体に流したときに遅延することも包含される。
【0006】
イオン交換体は、不溶性である程度膨潤性のマトリックスに荷電基(リガンド)が結合したものからなる。これらの荷電基の対イオンは、同じ種類の電荷をもつ他のイオンと交換し得る。
【0007】
負に荷電した基(リガンド)を有するイオン交換体は、正に荷電した対イオン(陽イオン)を有しており、そのためカチオン交換体と呼ばれる。負に荷電した基(リガンド)の存在はカチオン交換体の基本的特徴である。リガンドの種類及び量は、正荷電化合物に対するイオン交換体の親和性及び選択性を左右する。容量は、主に、基の総数とそれらの利用可能性によって決まる。最も一般的なカチオン交換基はスルホン酸(−SO3 -/−SO3H)、カルボン酸(−COO-/−COOH)、リン酸(−O−PO3 2-/−O−PO3-/−O−PO32)及びホスホン酸(−PO3 2-/−PO3-/−PO32)である。これらの基は通常スペーサーを解してマトリックスに結合している(自由結合とは、スペーサー又はベースマトリックス中の飽和又は不飽和炭素原子との結合を意味する。)。
【0008】
負荷電基がスルホン酸であるカチオン交換体は一般に強カチオン交換体として分類される。他のカチオン交換体は弱カチオン交換体(カルボン酸、リン酸又はホスホン酸基)と呼ばれる。強カチオン交換体は広いpH域、通常はpH>2で完全にイオン化される。弱カチオン交換体では、イオン交換の容量及びイオン化の程度はpHによって変化する(通常はpH2〜12の範囲)。
【0009】
マトリックスは無機化合物、合成樹脂、多糖類などに基づくものがある。種々のマトリックスは様々な物理的特性を有する。マトリックスの気孔率(ポロシティ)、機械的強度、剛性、流動特性、膨潤特性、非特異的吸着などが異なることがある。
【0010】
カチオン交換体での物質の分離については、以下のことが当てはまる。
a)試料中の不要な物質がカチオン交換体に結合して、目標物質が通過するように条件を選択する場合には、目標物質を別途脱着/溶出する必要はない。カチオン交換体の再使用には再生を要することがある。
b)目標物質がカチオン交換体に結合するような条件を選択する場合には、カチオン交換体からその物質を解離させるための脱着/溶出が必要とされる。この場合、物質は脱着工程によって回収される。
【0011】
カチオン交換体を用いた分離は、以下の(a)〜(c)によって達成し得る。
(a)回分法、例えば、吸着/結合させるべき物質を含有する液体中にカチオン交換体を分散させることによるもの。
(b)カチオン交換体がモノリシックベッドの形態又は流動ベッドもしくは充填ベッドを画成する粒子の形態にあるカラム法(例えばイオン交換クロマトグラフィー)。吸着/結合させるべき物質を含有する液体をベッドに通す。
(c)メンブラン法など。
【0012】
物質を精製するためのカチオン交換体による分離は、サイズ及び形状の差(ゲル濾過)、生体分子特異的な親和性の差(バイオアフィニティークロマトグラフィー)、疎水性相互作用の能力の差などに基づいて化合物を分別する他の技術と併用されることが多い。
【0013】
化合物の精製は通常は抽出によって開始される。得られた粗抽出液は通例体積が大きく、イオン強度が高すぎて希釈しないと慣用のイオン交換体に吸着させることができず、そのためさらに体積が増してしまう(慣用のイオン交換体は高イオン強度では十分な吸着能を有していない。)。こうして大きな体積のものを取り扱わなければならず、空間要件及び高価な装置に投資しなければならず、高度に精製された水を使う必要もある。
【0014】
関連技術
エピクロロヒドリンを用いたスルファニル酸のカップリングによって調製された双極性吸着剤が記載されている(リガンド+スペーサー=−CH2CHOHCH2+264SO3 -)(Porat et al., J. Chromatog. 51 (1970)479−489;及びOhkubo et al., J. Chromatog. A, 779 (1997), 113−122)。これら2つの論文には、本発明者らが見出した特徴は開示されていない。これらの論文には、リガンドが負に荷電していて、除去すべき目標物質が正に荷電している方法は開示されていない。
【0015】
様々な化合物RHNR’Xを担体、特にセルロースに結合させるために2,4,6−トリハロ−1,3,5−トリアジンが用いられている。Rは水素、アリール又はアルキルであり、R’はアルキレン又はアリーレンであり、Xはカルボキシ、スルホニル、リン酸、ホスホン酸、ボロン酸等である(Behrend et al., WPI Abstract Accession No. 86−312313(=DD−A−237844参照)。このカップリング法は加水分解に不安定な構造を生じる。
【0016】
欧州特許出願公開第326233号には、疎水性ベースマトリックスにカチオン交換基が結合したカチオン交換体が開示されている。カチオン交換体のこの種の疎水性は、タンパク質のような生体分子の分離には不向きなものとなる。
【0017】
従前公知のアニオン交換体に比べて特性の改善されたアニオン交換体が国際公開WO97/29825に記載されている。本発明で用いるカチオン交換体は、国際公開WO97/29825に記載されたアニオン交換体を補完するものとして特に興味深い。本発明及び国際公開WO97/29825のイオン交換リガンドは、タンパク質相互作用の複雑さを反映して、様々な点で複雑である。
【0018】
Principles of Instrumental Analysis, 4th ed., Chapter 26F, (1992)654−658のSkoog他の論文には、イオン交換体の構築及び使用のための様々な原理が開示されている。
【0019】
国際公開WO98/08603には、一般構造M−SP1−Lの分離媒体(式中、Mはベースマトリックスであり、SP1はスペーサーであり、Lは、置換されていてもよい単環式又は二環式芳香族又はヘテロ芳香族基を含むリガンドである。)が開示されている。その1つの形態では、LはX−A−SUBであり、Xは−O−、−S−又は−NH−であり、Aは置換された芳香族又はヘテロ芳香族基である。A上の置換基は酸性基であってもよい。この分離媒体は、タンパク質、特に免疫グロブリンの単離について示唆されている。この刊行物には、本発明者らが見出した特徴は開示されていないし、これらの特徴を利用した分離方法については何ら開示されていない。
【0020】
米国特許第5652348号には、リガンドを含む樹脂の疎水性/親水性をpH変化によって変化させることが開示されている。イオン化できない疎水性基の導入によって疎水性を増大させることができる。吸着/脱着は、リガンドを含むマトリックスの疎水性/親水性を変化させることによって制御される。
【0021】
発明の目的
本発明の目的は、以下のa)及びb)を達成することである。
a)正に荷電した化合物(タンパク質など)の、カチオン交換体への高イオン強度での吸着/結合、及び
b)高イオン強度及び/又は広いイオン強度範囲での吸着/結合化合物の溶出/脱着。
【0022】
比較の対象となるのは、この分野で一般的なものである。付随する目的は、高イオン強度の試料をカチオン交換体にかける際に、費用のかかる希釈の必要性を低減することである。
【0023】
発明の詳細な説明
本発明は、ある種の構造のリガンドを有するカチオン交換体は、複雑な構造の正荷電化合物(例えば、タンパク質のような高分子その他数多くの生体分子など)と予想外に強い相互作用を示すという本発明者らの発見に基づくものである。これは、この種のカチオン交換体では吸着タンパク質の溶出に異常に高いイオン強度が必要とされるという我々の知見に反映されている。
【0024】
これらのカチオン交換体の分離における使用は、様々な改善を与え、本発明の重要な態様をなす。
【0025】
本発明に係るカチオン交換体は、ベースマトリックス、好ましくはポリマーマトリックスを含んでおり、1種以上のカチオン交換リガンドがベースマトリックスに結合している。カチオン交換体は次の式(I)で特徴付けられる。
M−A−X−Y(−Z)n (I)
式中、
a)X−Y(−Z)nはリガンド(本発明に従って吸着が起こるときに、正味負電荷(アニオン)をもつことができるもの)である。
b)nは1以上の整数であり、通例1、2又は3である。nが2以上の場合、Zは1つの同じリガンドで異なっていてもよい。
c)Mはマトリクスであって、追加の荷電基を含んでおり、追加の荷電基はA−X−Y(−Z)nと同一でも異なるものでもよい。マトリックスは、他の正荷電リガンド及び/又は他の負荷電リガンドを含んでいてもよい。
d)Aはスペーサーであり、カチオン交換のためマトリックスへのリガンドの共有結合に関する一般的指針に沿って選択される。
e)Xは−O−、−S(R1)−又は−N(R1)(R2)−である。式中、R1及びR2はH、非共有電子対、A−X−Y(−Z)n、Y(−Z)n又は直鎖、環状もしくは枝分れ脂肪族C1〜C6基である。R1及びR2は好ましくは飽和基(アルキル)であり、C2-6アルキルについては、1〜4の水素原子がOH基又は低級アルコシキルで置換されていてもよい。非共有電子対となり得るのは、最高でもR1及びR2のうちの一方だけである。硫黄原子上に1又は2つのA−X−Y(−Z)n又はY(−Z)n基が存在していてもよいし、窒素原子上に1、2又は3つのA−X−Y(−Z)n又はY(−Z)n基が存在していてもよい。
f)Yは、
1)二重結合を含む5又は6員環構造、好ましくは芳香族基であるか、或いは
2)脂環式C5〜C6基又は直鎖もしくは枝分れ脂肪族(好ましくは飽和)C1〜C8基であり、XとZとを連結する鎖に1又は2つの炭素原子が存在するが、その場合にはXは−O−又は−S−ではないことを条件とする。
g)Zはカチオン交換基であり、好ましくは上述の負荷電基(例えば、カルボン酸、スルホ酸、硫酸、ホスホン酸、リン酸、硫酸)から選択される。
【0026】
シクロペンチル及びシクロヘキシルが、Yとして用いることができる最も重要な脂環式基である。
【0027】
炭素原子数に応じて、脂環式、脂肪族及び芳香族構造は1、2、3、4、5又は6津のOR基で置換し得る。ROはOH又は低級アルコキシ又はその他本発明で利用する好ましい特性を損なわないアルコキシ基である。
【0028】
脂肪族基の鎖(Y並びにR、R1及びR2)は、例えば1又は2箇所で、チオエステル硫黄又はエーテル酸素(それぞれ−S−及び−O−)で中断されていてもよい。(Y、R、R1及びR2)で言及した脂肪族基において、1つの同じ炭素原子には、硫黄、酸素及び窒素から選択される1つの原子しか結合すべきでない。
【0029】
低級アルコキシ及び低級アルキルとは、C1-10、好ましくはC1-6アルコキシ/アルキルを意味する。
【0030】
カチオン交換体の好ましい実施形態
好適なリガンドX−Y(−Z)nは、Xが−O−又は−N(R1)(R2)−であり、R1及びR2の一方が非共有電子対又はHで、R1及びR2の他方がH又は上述の直鎖、枝分れ又は環状基(例えばアルキル)であるものである。
【0031】
X=−N(R1)(R2)である好適な変形は、−N(R1)(R2)−の窒素原子から2又は3炭素原子離れた位置に1〜4(例えば1〜3)個の低級アルコキシ基又はOH(=OR’)が存在する場合に生じる。これらのOR’基は、Y、R1又はR2或いはスペーサーAのいずれに位置していてもよい。OR’は好ましくはOHである。特に好適な変形(−X−Y(Z)n)は、X=−N[C(CH2OH)3]−で、Y=−CH2CH2CH2−又は−CH2CHOHCH2−で、nが1で、Zが−SO3 -であるリガンドのように、R1及びR2の一方が非共有電子対又はHである場合に生じる。
【0032】
好適なリガンドの別のグループは、Yが芳香族基(通例ベンゼン環(置換又は非置換フェニレン))であるものである。この場合のX及びYは互いにオルト、メタ又はパラのいずれでもよい。特に重要な変形は、特にスペーサーへのカップリングが化合物の環結合ヒドロキシ基を介して起こる場合は、ヒドロキシ安息香酸、スルホサリチル酸又はヒドロキノンスルホン酸から誘導されたリガンドである。
Yが脂肪族基である場合、Yは好ましくはC2〜C8基、例えばC2〜C6、好ましくはC2〜C4基であり、これらの基は上述のOR基で置換されていてもよい。YがC1基である場合、好ましい実施形態はX=−N(R1)(R2)−であって、R1又はR2の一方が非共有電子対又は水素であり、他方が上述のようにNから2炭素原子の位置に1、2又は3つのORをもつアルキルであるものである(ROは上記で定義した通りである。)。
【0033】
本発明で用いられるカチオン交換体は、2〜12のpH域で、リボヌクレアーゼ、キモトリプシノーゲンA、シトクロムC、リゾチーム、小麦胚芽レクチン及びβ−ラクトグロブリンから選択される1種以上のタンパク質に対して、イオン交換基がスルホン酸(−SO3 -)であってベースマトリクス、スペーサー及び置換度は同じであるがX基とY基とが存在しない対照イオン交換体での同じタンパク質で必要とされる最大溶出イオン強度と比較して、高い、好ましくは25%以上高い、例えば40%以上さらには100%高い最大溶出イオン強度を示す。
【0034】
本発明の最も重要な態様は、正荷電化合物を溶液から分離するための方法である。本方法は、溶液をカチオン交換体と接触させて、1種以上の正荷電化合物をカチオン交換体に結合させ、所望に応じて、結合した化合物を溶出/脱着させることを含む。関係する化合物は主に生体分子、特にタンパク質のような両性のものである。
この方法を特徴付ける特色は、(a)カチオン交換体が式(I)のものであり、対照スルホン酸カチオン交換体と上記と同様に比較して、高い最大溶出イオン強度を有していること、及び(b)カチオン交換体と正荷電化合物との結合が2〜14の範囲内のpH値で起こり、リガンド(−X−Y(−Z)n)のかなりの部分、好ましくはその全体が正味負電荷を有することである。n=2以上のリガンドでは、リガンドが正味負電荷を有するが、最大正味荷電(n=2以上)とはならないpHで、吸着ステップを行うのが好ましいこともある。
この種のカチオン交換体を選択することは、上述の対照イオン交換体から同一pH値で化合物を溶出するときに必要とされる溶出イオン強度よりも高いイオン強度で結合が起こり得ることを意味する。比較は、pHその他の条件を同じにして行われる。
【0035】
本発明のカチオン交換体は、結合が起こる際に、イオン強度が上述の対応する対照イオン交換体を用いた場合よりも25%以上、さらには40%以上高くなるように(同一pHで測定)選択することができる。必要であれば、結合は、上述の対応する対照イオン交換体を用いた場合よりも100%以上高いイオン強度で実施することもできる(同一pHで測定)。
絶対値では、結合は15又は20mS/cm超、例えば30mS/cm超、場合によっては40mS/cm超のイオン強度で実施される。特定の場合に適用し得る値は、溶出すべきリガンド及び化合物の選択に依存するであろう。
本発明の実施形態の興味深い用途は、イオン強度の高い大量の粗生成物をカチオン交換体にかけなければならない大規模プロセスである。一般に、目標化合物を、従来のイオン交換体に結合できるようにするには希釈が必要である。本発明の方法を用いることによって、多くの場合、希釈の必要性が低減される。
【0036】
本発明の方法の溶出ステップは、タンパク質のような両性化合物その他正に荷電し得る化合物に対して、主として以下の4つの主な選択肢に従って実施される。
(a)溶出液のpH変化(上昇又は低下)、
(b)イオン強度の増加、又は
(c)pH変化とイオン強度の変化の組合せ、又は
(d)溶出用の液体にリガンド類似体を含有させること。
原則として、結合を生じる相互作用を中和する条件/方法を単独で又は組合せて脱着に利用できる。
選択肢(c)では、イオン強度の変化は、結合を生じる相互作用に対してpH変化が有する効果に応じて、低下の場合もあるし、増加の場合もある。
選択肢(d)では、リガンド類似体を選択肢a〜cのいずれかと組合せてもよい。最も好適な選択肢は、通例、イオン強度の増加を必要とせずに結合を生じる相互作用を中和する。このようにして、溶出液は解離した物質を含むようになり、最初にかけた試料に比べると塩濃度が低下する。そのため脱塩の必要性は減る。この点で、溶出液のpH変化(選択肢a)とイオン強度の低下との組合せによる溶出が、選択肢(a)〜(c)の中で特に好ましい。リガンド類似物による選択肢も、同様の利点を与え得る。
溶出/脱着がpH変化を伴わない場合、イオン交換体の溶出/脱着は、通常、上述の対応する対照イオン交換体で必要とされる対応溶出イオン強度よりも高いイオン強度で行われなくてはならない(同一pHで測定して)。従って、このステップでのイオン強度は、対照カチオン交換体よりも25%以上高く、例えば40%以上高くてもよい。ある極端な事例では、イオン強度は、対応する対照イオン交換体よりも100%以上高いことが必要とされることもある(同一pHで測定)。
【0037】
別の好ましい実施形態では、式Iのカチオン交換体は、溶出範囲が上述の対照イオン交換体と同一pH値で必要とされる範囲より広くなるようなイオン強度勾配の使用によって溶出を行うことができるように選択される。これは、通常は、上述の好ましい形態に従って式Iのカチオン交換体を選択することによって達成される。範囲は、溶出のための最低イオン強度から始まり、目標化合物で最大ピーク高さのイオン強度で終る。別法では、範囲は、溶出時に現われる2種類の異なる化合物についてピーク最大となる溶出イオン強度で定まる範囲である。これは、(互いの電荷に関して)化合物の分離の可能性及び/又はこれらの化合物の収率の向上の可能性が増すことを意味する。好ましい実施形態では、本化合物が溶出される溶出範囲は、上述の対照イオン交換体の対応イオン強度範囲よりも20%以上、好ましくは40%以上広い(その他の点では同一条件下で測定)。多くの場合、イオン強度範囲はさらに広くなり、上述の対照イオン交換体での対応イオン強度範囲よりも50%以上、75%以上又は100%以上広くなる(その他の点では同一条件下で測定)。
本化合物を溶出することのできる範囲全体に関しては、通常、約10mS/cm以下又は幾分広い範囲が従前利用されていた。本発明では、式Iで定義されるカチオン交換体の適切な選択によって15mS/cm以上、好ましくは20mS/cm以上、さらに好ましくは30mS/cm以上の範囲まで広げることができる。特定の場合で適用しうる数値は、分離されるリガンド及び化合物に依存する。
イオン強度及び/又はpH変化は、段階的勾配(1、2又はそれ以上の段階を含む)として又は連続勾配として行うことができる。段階的勾配又は連続勾配の適用は、目標化合物のリガンドへの結合を中和するのに用いられる条件下での他の変化にも適用できる。
【0038】
さらに、様々なプロセス特性を適当な組合せで利用することができる。
本発明の様々なプロセス特性の他の好ましい態様は、カチオン交換体の好ましい実施形態によって規定される。
【0039】
本発明のカチオン交換体中のベースマトリクスは、好ましくは親水性でポリマーの形態であり、水に不溶性で幾分膨潤する。親水性となるよう誘導体化された疎水性ポリマーもこの定義に含まれる。適切なポリマーとしては、ポリヒドロキシポリマー、例えばアガロース、デキストラン、セルロース、デンプン、プルランのような多糖類系のもの、並びに完全な合成ポリマー、例えばポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリ(ヒドロキシアルキルビニルエーテル)、ポリ(ヒドロキシアルキルアクリレート)及びポリメタクリレート(例えばポリグリシジルメタクリレート)、ポリビニルアルコール、及びスチレンとジビニルベンゼンに基づくポリマーなど、さらに上記ポリマーの対応モノマーを2種以上含むコポリマーが挙げられる。水溶性ポリマーを、例えば架橋或いは吸着又は共有結合によって不溶性塊にカップリングすることによって、不溶性となるように誘導体化することもできる。OHへと変換できる基を呈するモノマーの重合或いは最終ポリマーの親水性化(例えば親水性ポリマーのような適当な化合物の吸着)によって、疎水性ポリマー(例えば、モノビニル及びジビニルベンゼンのコポリマー)に親水性基を導入することもできる。
マトリックスはシリカのような無機材料に基づくものであってもよい。好ましいマトリックスは、シラン、エステル及びアミド基のような加水分解に不安定な基を含まないものである。
マトリックスは多くの場合多孔性である。
本明細書で用いる「親水性マトリックス」という用語は、マトリックスの接近可能な表面が水性液体で浸透されるという点で親水性であることを意味する。通例、親水性ベースマトリックスの接近可能な表面は、例えば酸素及び/又は窒素原子のような複数の極性基を露出する。かかる極性基の例としては、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、エステル、低級アルキルのエーテル(例えば(−CH2CH2O−)nH、nは整数))である。
【0040】
本発明のイオン交換リガンドをマトリックスに共有結合させるには、今後開発される技術も含めて、従来のカップリング化学を使用することができる。これは、カチオン交換体においてイオン交換リガンド−X−Y(−Z)nとマトリックスMとを結合するスペーサーAが、従来のイオン交換体におけるものと同じタイプのものであってもよいことを意味する。加水分解安定性についての要件は、スペーサーが加水分解に安定な基で構成されることを要する。これは、例えば、直鎖、枝分れ、環状の飽和及び不飽和及び芳香族炭化水素基(例えば、炭素原子数1〜10以下のもの)、エーテル基(−O−)、チオエ−テル(−S−)アミド(CONH−)及びその他同様の又は妥当な加水分解安定性をもつ基から選択される基を含む。通例、スペーサーはsp3−混成軌道又は芳香族炭素原子を介してXと結合する。
単独で又は互いにもしくは他の構造との組合せでスペーサーとして作用し得る共通構造要素の例は、−O−CH2−、−O−CH2−CHOH−CH2−、−O−CH2−CH2−CH2−、−O−CH2−CH(CH3)−、−S−CH2−、−CO−NH−CH2、及び−NH−CO−CH2−、−O−CH2−CHOH−CH2−O−CH2−CH2−CH2−CH2−O−CH2−CHOH−CH2−、−O−CH2−CHOH−CH2−O−CH2−CHOH−CH2−(=特許の実施例の対照スルホン酸イオン交換体中のスペーサー)である。
代表的な安定なスペーサーでは、1つの同じ炭素原子に、酸素、硫黄及び窒素から選択される原子は1つしか結合しない。
【0041】
本発明で用いられるカチオン交換体中のリガンドレベルは、通常は0.001〜4mmole/ml、好ましくは0.01〜1mmole/mlマトリックス(水で膨潤)の範囲から選択される。可能及び好ましい範囲はマトリックスの構造によって決まる。従って、リガンドのレベルは、アガロース系マトリックスについては、通常0.1〜0.3mmole/ml膨潤マトリックス(ゲル)の範囲である。デキストラン系マトリックスについては、この範囲は0.5〜0.6mmole/ml膨潤マトリックス(ゲル)まで広げることができる。
【0042】
以下、本発明を幾つかの非限定的な実施例でさらに例示する。
【0043】
実験
I.イオン交換体の合成
アリル化、アリルヒドロキシプロピルセファロース(Sepharose)HP(本発明のイオン交換体)の標準製造方法
NaOH存在下でのエピクロロヒドリンとアガロースとの反応で調製した架橋アガロース(30μm粒子)(Porath et al., (J. Chromatog. 60 (1971)167−77及び米国特許第3959251号)を、塩基としてのNaOHと共にアリルグリシジルエーテルと反応させて0.03〜0.30mmole/mlのアリルレベル(CH2=CHCH2OCH2CHOHCH2−)とした。
A.4種類の対照S−イオン交換体(リガンドスルホン酸)の合成
上述の架橋アリル化アガロース(アリル基レベル0.033、0.111及び0.200mmole/ml)から出発し、イオン交換容量0.031、0.094及び0.140mmole/mlの3種類の異なるSセファロースイオン交換体を調製した。架橋アリル化アガロース25gを水洗し、懸架式磁気攪拌機を備えた100mlビーカー中で、蒸留水30ml及び酢酸ナトリウム1.8gと一緒に加え、次いで臭素水溶液を黄色が残るまで加えた。ゲルをガラスフィルター上で蒸留水(>5ベッド体積)で洗浄し、15〜30秒間吸引乾燥した。次いで臭素処理したゲルを、懸架式磁気攪拌機を有するBellco社製100ml三ツ口フラスコに、蒸留水30ml及び亜硫酸ナトリウム8gと一緒に入れた。PHを約10〜11に調節した。反応は50℃で一晩(23時間)進行させた。
反応混合物を酢酸で中和した。ゲルを蒸留水(>10ベッド体積)で洗浄し、貯蔵用として23%(w/w)エタノールを含む蒸留水を使用した。
イオン交換容量0.220mmole/mlのS−イオン交換体を得るため、容量0.140mmole/mlのイオン交換体を再度アリル化(0.30mmole/mlのアリルレベルまで)し、次いで上述の亜硫酸塩カップリングを行った。
【0044】
B.リン酸イオン交換体の製造
上記Aの架橋アリル化アガロース20gを水洗し、蒸留水80〜100mlと酢酸ナトリウム4.6gと共に、懸架式磁気攪拌機を備えたBellco社製100mlフラスコに入れた。臭素水溶液を黄色が残るまで加えた。ゲルをガラス漏斗中で蒸留水(>5ベッド体積)で洗浄した。ゲルは15〜30秒間吸引乾燥した。
ゲルを吸引乾燥し、蒸留水30ml、リン酸水素二カリウム43.1g(0.2476mole)及び水酸化ナトリウム9.90gと共に、懸架式磁気攪拌機を備えたBellco社製25ml三ツ口フラスコに入れた。反応は40℃で一晩(16〜22時間)進行させた。濃HClでpHを7.0に下げて反応を停止させ、次いでゲルをガラスフィルター上で蒸留水(>10ベッド体積)で洗浄した。
平衡条件下での置換マトリックスでのNaOHによる直接的な変曲点滴定では、乾燥吸引ゲルのリガンドレベルは0.04mmole/gであった。
【0045】
C.ヒドロキシ安息香酸系カチオン交換体の合成
上記Aの架橋アリル化アガロース10g(アリル基レベル0.21mmol/mlゲル)を水洗し、懸架式磁気攪拌機を備えたBellco社製100mlフラスコに、緩衝液としての80〜100ml及び硫酸ナトリウム2.3gと共に入れた。最終的に黄色が残るまで臭素水溶液を加えた。蒸留水(>5ベッド体積)で洗浄を行った。
ゲルを15〜30秒間吸引乾燥し、蒸留水で洗浄し、次いで4−ヒドロキシ安息香酸15.36g(0.1112mole)及び水酸化カリウム 14.68g(>>0.2224mole)を含む蒸留水20ml溶液中へ入れた。まず苛性アルカリ液と水を混合した。反応は、懸架式磁気攪拌機撹拌子を有するBellco社製25ml三ツ口フラスコ内で行った。反応は40℃で一晩(16〜22時間)進行させた。
ゲルをガラスフィルター漏斗上へ移して反応を止め、数ベッド体積の蒸留水で洗浄し、次いでゲルを蒸留水中へ懸濁し、酢酸でpH値を約6に調節した。
次いでゲルを蒸留水(>10ベッド体積)で洗浄した。貯蔵用として、23%(w/w)エタノールを含む蒸留水を使用した。
NaOH溶液置換マトリックス上での直接的平衡条件下での変曲点滴定では、0.11mmole/g乾燥吸引ゲルのリガンドレベルであった。
【0046】
D.スルファニル酸系カチオン交換体の合成
上記Aの水洗した架橋アリル化アガロース10g(アリル基レベル0.21mmole/mlゲル)を、緩衝液としての蒸留水80〜100ml及び硫酸ナトリウム2.3gと共に、懸架式磁気攪拌機を備えたBellco社製100mlフラスコに入れた。その後、臭素水溶液を黄色が残るまで加えた。蒸留水(>5ベッド体積)で洗浄を行った。
ゲルを15〜30秒間吸引乾燥し、次いで蒸留水20ml中の4−スルファニル酸19.26g(0.1112mole)及び水素化カリウム(>85%)7.34g(>>0.1112mole)の溶液中へ入れた。まず苛性アルカリ液と水混合した。反応は懸架式磁気攪拌機を備えたBellco社製25ml三ツ口フラスコ内で行った。反応は40℃で16〜22時間行った。ガラスフィルター漏斗上へ移して反応を停止させ、数ベッド体積の蒸留水で洗浄し、次いでゲルを蒸留水に懸濁し、1M HClでpH約6になるまでpH値を調節した。
次いでゲルを蒸留水(>10ベッド体積)で洗浄した。23%(w/w)エタノールを含む蒸留水を貯蔵用として使用した。
0.12mmole/ml充填ゲルのリガンドレベルは、カラムに充填したゲルでのpH6におけるTRISの吸着により測定したが、その際過剰量を洗し流し、吸着したTRISを塩化ナトリウム溶液で溶出した。溶出液中のTRIS量は、ゲルの負荷電基の量に等しいが、水酸化ナトリウムでの変曲点滴定で測定した。
【0047】
E.スルホサリチル酸系カチオン交換体の合成
上記Aの水洗した架橋アリル化アガロース20g(アリル基レベル0.21mmole/mlゲル)を、緩衝液としての蒸留水80〜100ml及び硫酸ナトリウム4.6gと共に、懸架式磁気攪拌機を備えたBellco社製100mlフラスコに入れた。その後、黄色が残るまで臭素水溶液を加えた。蒸留水(>5ベッド体積)で洗浄を行った。
ゲルを15〜30秒間吸引乾燥し、次いで蒸留水40ml中、5−スルホサリチル酸二水和物56.54g(0.2224mole)及び水素化カリウム(>85%)44.04g(0.6672mole)、及び水素化ホウ素ナトリウム0.1gの溶液中へ入れた。反応は懸架式磁気攪拌機を備えたBellco社製100ml三ツ口フラスコ中で行った。反応は、窒素ガス雰囲気下中40℃で一晩(16〜22時間)進行させた。
ゲルをガラスフィルター漏斗に移して反応を止め、数ベッド体積の蒸留水で洗浄し、次いでゲルを蒸留水中に懸濁し、1M酢酸でpH値を7.5に調節した。
次いでゲルを蒸留水(>10ベッド体積)で洗浄した。貯蔵用として、23%(w/w)エタノールを含む蒸留水を用いた。
置換マトリックス上でのNaOH溶液による直接的変曲点滴定では、リガンドレベルは0.034mmole/g乾燥吸引ゲルであった(イオン交換容量0.068mmole/g)。
【0048】
F.ジヒドロキシベンゼンスルホン酸系カチオン交換体の合成
水洗浄した上記Aの架橋アリル化アガロース20g(アリル基レベル0.21mmole/mlゲル)を、緩衝液としての蒸留水80〜100ml及び硫酸ナトリウム4.6gと共に、懸架式磁気攪拌機を備えたBellco社製100mlフラスコに入れた。その後、黄色が残るまで臭素水溶液を加えた。蒸留水で洗浄を行った(>5ベッド体積)。
ゲルを15〜30秒間吸引乾燥し、次いで蒸留水30ml中のジヒドロキシベンゼンスルホン酸カリウム塩56.54g(0.2476mole)及び水素化カリウム(>85%)13.9g、及び水素化ホウ素ナトリウム0.1gの溶液中へ入れた。反応は、懸架式磁気攪拌機を備えたBellco社製100ml三ツ口フラスコ中で行った。反応は40℃で一晩(16〜22時間)進行させた。
ゲルをガラスフィルター漏斗上に移して反応を止めて、数ベッド体積の蒸留水で洗浄し、次いでゲルを蒸留水に懸濁し、1M酢酸でpH値を約6に調節した。
次いでゲルを蒸留水(>10ベッド体積)で洗浄した。貯蔵用として、23%(w/w)エタノールを含む水を使用した。
上述の、ゲル吸着そしてその後の置換TRISの、変曲点滴定は、0.10mmole/ml充填ゲルのイオン交換容量であった。
【0049】
G.TAPS−イオン交換体の合成。リガンド(TAPS)としてN−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−3−アミノプロパンスルホン酸と結合させる
上記Aの水洗した架橋アリル化アガロース20g(アリル基レベル0.21mmole/mlゲル)を、緩衝液としての蒸留水80〜100ml及び硫酸ナトリウム4.6gと共に、懸架式磁気攪拌機を備えたBellco社製100mlフラスコに入れた。その後、黄色が残るまで臭素水溶液を加えた。蒸留水で洗浄を行った(>5ベッド体積)。
ゲルを15〜30秒間吸引乾燥し、蒸留水30ml、水酸化ナトリウム10g(0.25mole)及びN−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−3−アミノ−プロパン−スルホン酸60.25g(0.24765mole)と共に、懸架式磁気攪拌機を備えたBellco社製100ml三ツ口フラスコに入れた。反応は40℃で一晩(16〜22時間)進行させた。
濃HClでpHを7.0に下げて反応を止めて、次いでゲルを蒸留水(>10ベッド体積)で洗浄した。
置換マトリックス上でのNaOH溶液による直接的変曲点滴定では、リガンドレベルは0.10±0.02mmole/g乾燥吸引ゲルであった。アミノ基のpKaを測定したところ、約8.4であった。
【0050】
II.タンパク質のクロマトグラフィー結果
図1:溶出イオン強度−pH8での各種カチオン交換リガンドの比較
A〜D: S−リガンド(0.03、0.09、0.14及び0.22mmole/ml);
E: リン酸(0.04mmole/g);
F: BPR−ブタン−修飾ヒドロキノンスルホン酸(0.10mmole/ml);
G: スルホプロピル−修飾ヒドロキノンスルホン酸(0.25mmole/ml);
H: ヒドロキノンスルホン酸(0.10mmole/ml);
I: スルホサリチル酸(0.034mmole/g);
J: TAPS(0.10mmole/g);
K: スルファニル酸(0.12mmole/ml);
L: 4−ヒドロキシ安息香酸(0.11mmole/g);
【0051】
図2:溶出イオン強度−pH4での各種カチオン交換リガンドの比較
A〜D: S−リガンド(0.03、0.09、0.14及び0.22mmole/ml);
E: リン酸(0.04mmole/g);
F: BPR−ブタン−修飾ヒドロキノンスルホン酸(0.10mmole/ml);
G: スルホプロピル−修飾ヒドロキノンスルホン酸(0.25mmole/ml);
H: ヒドロキノンスルホン酸(0.10mmole/ml);
I: スルホサリチル酸(0.03mmole/g);
J: TAPS(0.10mmole/g);
K: スルファニル酸(0.12mmole/ml);
L: 4−ヒドロキシ安息香酸(0.11mmole/g)。
【0052】
図1と図2の共通点:調製した各イオン交換体のリガンドのレベルを括弧中に示す。重量表示(g)は、ガラスフィルター漏斗で減圧水切りしたゲルに関するものである。
【0053】
クロマトグラフィー(タンパク質)。上述の架橋アガロースゲルとカップリングした各種カチオン交換リガンドの比較
上記の通り合成したイオン交換ゲルをHR10/2カラム(Amersham Pharmacia Biotech AB(スウェーデン、ウプサラ)製)に充填し、約1気圧の背圧でゲル高さ2〜2.5cmにした。
Amersham Pharmacia Biotech AB(スウェーデン、ウプサラ)によるFPLCシステムの下記の指示の条件及び試料のもとで、クロマトグラフィー評価を行った。
pH8
試料:リボヌクレアーゼA 1mg/ml、キモトリプシノーゲンA 1mg/ml、 シトクロムC 1mg/ml、リゾチーム 1mg/ml、
ループ容積:100μl
緩衝液A:HEPES−NaOH 20mM、pH8.0
緩衝液B:HEPES−NaOH 20mM、NaCl0.5又は1.0M、pH8.0
流速:0.5ml/min
勾配スロープ:0.05M/ml
UV検出器:280nm 0.05AU
電気伝導度計最大=100mS/cm
pH4
試料:小麦胚芽レクチン(3ピーク)1mg/ml及びp−ラクトグロブリン1mg/ml
ループ容積:100μl
緩衝液A:ギ酸−NaOH 20mM、pH8.0
緩衝液B:ギ酸−NaOH 20mM、LiCl 0.75又は1.0M、 pH8.0
流速:0.5ml/min
勾配スロープ:0.075M/ml
UV検出器:280nm 0.05AU
電気伝導度計最大=100mS/cm
【0054】
結果:
図1は、実験モデルタンパク質に対する調製イオン交換体のpH 8.0での溶出イオン強度(mS/cm)を示す。所与の条件下で正味負電荷を有するリガンド及び本発明の有用な官能基を示すイオン交換体は、カチオン交換クロマトグラフィーで実験モデルタンパク質を相互に分離する様々な能力を有する。1つの相違点は顕著に増大した動力学的性質、すなわち、分離における試料物質の溶出イオン強度の値が広範なイオン強度範囲に拡大されたことである。他の相違点は、使用した試料物質すべてを溶出するのに、高い又は格段に高い溶出イオン強度が必要とされることである。これらの効果は、多かれ少なか同時に現われる。
図2は、pH4での幾つかのクロマトグラフィー実験の結果を示す。この低いpH値では、実施例のリガンドは正味負電荷がないか又は減少している。TAPS−リガンドは、正味荷電が0で試料物質を付着しないリガンドの例である。
スルファニル酸基は、pH4で僅かに正味正電荷を有する。アミノ基は完全に荷電し(pKaは7を少し超える)、スルホン酸基(pKa約3)は荷電を失い始める。
【0055】
スルファニル酸リガンドにおける部分的に荷電していないスルホン酸基の結果は、相互作用が複雑であることを示しており、この結果は機械的に解釈するのが困難である。4−ヒドロキシ安息香酸リガンドのカルボキシル基もpH4で荷電を失うが、ヒドロキノンスルホン酸リガンドはpH4で荷電しており、強力な結合を生じる。ヒドロキノン硫酸リガンドの水酸基をエーテル基に変えると、結合容量が劇的に変化する(例えば、(a)アリル化と次いで二重結合のスルホン酸基への変換、又は(b)BPR−ブタン(1,4−ジグリシジルブチルエーテル)のアルキル化)。この種の修飾は、芳香族基が立体的に遮蔽され、同時にフェノール水酸基がエーテル結合の一部となることを意味している。その結果、試料物質は対照イオン交換体(スルホン酸リガンド)の挙動と非常に類似した溶出挙動を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、実験モデルタンパク質に対する調製イオン交換体のpH8.0での溶出イオン強度(mS/cm)を示す。
【図2】 図2は、pH4での幾つかのクロマトグラフィー操作の結果を示す。

Claims (21)

  1. 正荷電化合物を溶液から分離する方法であって、当該方法が、上記溶液をイオン交換体と、1種以上の正荷電化合物がイオン交換体と結合できる条件下で接触させる工程を含んでおり、
    (i)結合時の溶液のイオン強度が15mS/cmを超えること、及び
    (ii)上記カチオン交換体が次の式(I)のものであり、
    M−A−X−Y(−Z)n (I)
    [式中、
    a)Mは親水性マトリクスであり、
    b)Aはスペーサーであり、
    c)X−Y(−Z)nはカチオン交換リガンドであり、
    d)Xは−O−、−S(R1)−又は−N(R1)(R2)−であり(式中、R1及びR2はH、非共有電子対、A−X−Y(−Z)n、Y(−Z)n及び直鎖、環状もしくは枝分れ脂肪族C1〜C6基から選択されるが、C2-6アルキルについては、1〜4の水素原子がOH基で置換されていてもよく、そのOH基の水素が低級アルキルで置換されていてもよいが、非共有電子対となり得るのはR1及びR2のうちの一方だけであることを条件とする。)、
    e)Yは、
    1)二重結合を含む5又は6員環構造、或いは
    2)脂環式C5〜C6基又は直鎖もしくは枝分れ脂肪族C1〜C8基であり、XとZとを連結する鎖が、1又は2つのエーテル酸素又はチオエステル硫黄原子で中断されていてもよいが、その場合にはXは−O−又は−S−ではないことを条件とし、
    f)Zはカチオン交換基である。]、
    上記カチオン交換体と正荷電化合物との結合が2〜14の範囲内のpH値で進行し、リガンド−X−Y(−Z)nが正味負電荷を有することを特徴とする、方法。
  2. 前記イオン交換体に結合した化合物を溶出させる工程をさらに含んでいることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 結合時の溶液のイオン強度が20mS/cmを超えることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の方法。
  4. 前記溶出が、前記化合物とリガンドとの結合を中和する条件で実施されることを特徴とする、請求項2又は請求項3記載の方法。
  5. 前記溶出が、結合時のpHとは別のpHで実施されることを特徴とする、請求項2乃至請求項4のいずれか1項記載の方法。
  6. 前記溶出が、結合時に用いたイオン強度を超えるイオン強度で実施されることを特徴とする、請求項2乃至請求項5のいずれか1項記載の方法。
  7. 前記溶出が、イオン交換基(Z)がスルホン酸(−SO3 -)であってベースマトリクス、スペーサー及び置換度は式Iのカチオン交換体と同じであるがX基とY基が存在しない対照イオン交換体で上記化合物を溶出させるための範囲よりも20%広い範囲のイオン強度の変化を適用することによって実施される、請求項2乃至請求項6のいずれか1項記載の方法。
  8. 前記溶出が、イオン交換基(Z)がスルホン酸(−SO3 -)であってベースマトリクス、スペーサー及び置換度は式Iのカチオン交換体と同じであるがX基とY基が存在しない対照イオン交換体において以下の点以外は同一条件下で測定したときの範囲よりも50%以上広い範囲のイオン強度の変化を適用することによって実施される、請求項2乃至請求項7のいずれか1項記載の方法。
  9. 1種以上の化合物の溶出に用いられるイオン強度範囲が50mS/cmを超える、請求項2乃至請求項のいずれか1項記載の方法。
  10. 1基及びR2基のうちのいずれか一方に1〜4個のOR’基(R’はR1及びR2と同じ基から選択される。)が存在する、請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の方法。
  11. Xが−N(R1)(R2)−である、請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載のイオン交換体。
  12. X=−N(R1)(R2であり、−N(R1)(R2)−の窒素原子から2又は3炭素原子離れた位置に1〜4個のOR’基(式中、R’はR1及びR2と同じ基から選択される。)が存在する、請求項1乃至請求項11のいずれか1項記載の方法。
  13. Y及び/又はAが、−N(R1)(R2)−の窒素原子から2又は3炭素原子離れた位置に水酸基を与えることを特徴とする、請求項11又は請求項12記載の方法。
  14. Y、R’、R1及びR2において、各炭素原子には、硫黄、酸素及び窒素から選択される1原子しか結合しない、請求項1乃至請求項13のいずれか1項記載の方法。
  15. Zが、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、リン酸及びそれらの荷電したプロトン化形から選択される、請求項1乃至請求項14のいずれか1項記載の方法。
  16. Xが−O−又は−S(R1)−である、請求項1乃至請求項8、請求項14及び請求項15のいずれか1項記載の方法。
  17. Yが芳香族基である、請求項1乃至請求項16のいずれか1項記載の方法。
  18. リガンド−X−Y(−Z)nがヒドロキシ安息香酸及び/又はスルホサリチル酸から誘導される、請求項1乃至請求項17のいずれか1項記載の方法。
  19. リガンド−X−Y(−Z)nがヒドロキノンスルホン酸から誘導される、請求項1乃至請求項18のいずれか1項記載の方法。
  20. YがC2〜C6基から選択される脂肪族基である、請求項1乃至請求項16のいずれか1項記載の方法。
  21. Xが−N(R1)(R2)−である[式中、R1は非共有電子対又は水素原子であり、R2はトリス(ヒドロキシメチル)メチルであり、Yは−CH2CH2CH2−又は−CH2CHOHCH2−であり、ZはSO3 -であり、nは1である。]、請求項20記載の方法。
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