JP5306568B2 - 吸着方法およびリガンド - Google Patents

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Description

(技術分野および背景技術)
本発明は、異常に高いレベルのイオン強度において物質を吸着/結合する新種の陽イオン交換体に関する。これらの陽イオン交換体は、正荷電物質、例えば生物有機物質、を好ましくは水性である液体から除去する新方法を可能にする。
陽イオン交換体は、正味の負電荷を運ぶ、複数のリガンドを含む。これらの種類のリガンドは今後“陽イオン交換リガンド”と呼ぶことにする。これらには、支持マトリックス間の可能なスペーサーおよび結合すべき物質と相互作用するリガンドの一部が挙げられる。本発明の文脈で意図するような陽イオン交換リガンドは、存在し得るハロゲン基の分子量寄与を除いて、<700ダルトンのような、<1000の分子量を典型的に所有する。
リガンドは、典型的に水性液体媒体中に不溶であるか不溶化されている、適切な担体材に結合する。不溶性の担体材は今後マトリックスというが、不溶化した形態もしくは不溶化し得る担体材をまた含む。
この発明の文脈において、用語“二項性”とは、結合すべき物質と相互作用する、少なくとも二つの異なる、しかし共−操作性の、部位を提供する能力のあるリガンドをいう。これらの部位の一つは、リガンドおよび興味のある物質の間に吸引性タイプの電荷−電荷相互作用を与える。第二の部位は、水素結合および/もしくは疎水性相互作用を与える。他の種類の相互作用、例えばπ−π、電荷移動および誘起双極子相互作用、もまた存在してもよい。リガンドおよび興味のある物質との相互作用を引き起こす他の部位もまた存在してもよい。
本発明の文脈において用語“除去する/除去もしくは分離する/分離”は、いかなる目的のための物質の除去を包含し、かくして単離、精製、濃縮、分析等のための陽イオン交換体への吸着を含む。かくして、液体から不純物の除去/分離を含むであろう。この場合には、興味のある他の幾らかな物質に関してこの液体をさらに処理することができる。また、吸着した物質をさらに処理してもよい。後者の場合には、この物質は典型的には脱着されて収集される。必要ならば、この物質をさらなる精製ステップに付す。良好なプロセス経済性のためには、陽イオン交換体を再生し、かつ脱着後に再使用することが必要である。
(初期技法での不利性)
陽イオン交換吸着は、発酵ブロス等の大規模処理において長年の間興味を持たれてきた。この種の液体は典型的に高いイオン強度を有し、それらが従来のイオン交換体に直接応用するのを不適切にする。一つの理由は、従来のイオン交換体は中庸のイオン強度、例えばNaClで0.1もしくはそれ以下、においてのみタンパク質および他の生体高分子を吸着することである。これは、大容量の処理になるプロセス液体の希釈およびプロセス設備での巨額の投資を意味する。
(関連刊行物)
WO 9965607(Amersham Pharmacia Biotech AB)は、直列の陽イオン交換リガンド−A−X−Y(−Z)がある陽イオン交換体を開示しているが、式中、nは1の整数であり、Aはスペーサーであり、そしてXは−O−、−SR'−もしくは−N(R')(R'')(R'およびR''はH、遊離電子対およびヘテロ原子に直接取り付けられる炭素を与える或る基である)であり、Yは、それらの幾らかは−O−もしくは−S−であるXと結合しない免責条項を持つ、或るヒドロカルビル基であり、そして最後にZは陽イオン交換基である。WO 9965607に記載された発明は、リガンドの規定された基の中では、従来の陽イオン交換体とは対照的に、対照スルホプロピル陽イオン交換体に比べて200%までの溶出イオン強度を必要とする陽イオン交換リガンドが在るという発見に基づいている。対照陽イオン交換体の200%以上の溶出イオン強度を必要とする極端なリガンドが見出されるかもしれないと推測される。
WO 9808603(Upfront Chromatography)は一般式M−SP1−Lの分離媒体を開示するが、そこではMは親水性でであり得る支持マトリックスであり、SP1はスペーサーであり、そしてLは、置換されてもよい単環式もしくは二環式のホモ芳香族もしくはヘテロ芳香族部分(ホモ芳香族部分は炭素原子のみで形成される芳香環を含む)を含む。一つの変形において、LはX−A−SUBであるが、式中、Xは−O−、−S−もしくは−NH−であり、そしてAは置換されているホモ芳香族もしくはヘテロ芳香族部分である。A上の置換基は酸性の基であり得るが、それは−SP1−X−A−SUBは直列の陽イオン交換リガンドであり得ることを意味する。この分離媒体は、タンパク質、特にイムノグロブリン、の陽イオン交換よりむしろ親水性相互作用による吸着(塩濃度は2Mまで)への使用に提案されている。
WO 9600735およびWO 9609116(Burton等)は、リガンドを含む樹脂の疎水性/親水性をpHの変化によって変化させる、イオン交換樹脂を開示する。疎水性はまた、疎水性の非−イオン化可能リガンドの導入により合成的に増加させ得る。吸着/脱着は、リガンドを含むマトリックスの疎水性/親水性を変更することにより、例えばpHを代えることにより制御される。
US 5,789,578(Burton等)は、3−メルカプトプロピオン酸のようなチオール含有リガンドを、支持マトリックスに取り付けた炭素−炭素二重結合上へのチオール基の付加により固定化することを提案する。この場合における発明者たちは、得られた材料の陽イオン交換吸着のための使用を用いることも提案することもしていない。
WO 9729825(Amersham Pharmacia Biotech AB)は、陰イオン交換リガンドが、一級、二級もしくは三級のアンモニウム基(正に荷電した、陽イオン性)の窒素原子から2〜3原子の距離において酸素および/もしくは窒素を含む、陰イオン交換体を開示している。
エピクロロヒドリンを用いるスルファニル酸の結合により作製した双極吸着剤が記載されている(リガンド+スペーサー=−CHCHOHCHSO )(Porat et al., J. Chromatog. 51 (1970) 479-489; and Ohkubo et al., J. Chromatog. A, 779 (1997), 113-122)。この文献は、リガンドが負に荷電しそして除去すべき物質は正に荷電する、方法を開示していない。
2,4,6−トリハロ−1,3,5−トリアジンを利用して異なる化合物RHNR'Xを担体、とりわけセルロース、へ結合する。Rは水素、アリールもしくはアルキルであり、R'はアルキレンもしくはアリーレンであり、そしてXはカルボキシ、スルホニル、ホスフェート、ホスホネート、ボロネート等である(Behrend et al., WPI Abstract Accession No. 86-312313 (= DD-A-237844)を参照)。このカップリング方法論は、加水分解に不安定である構造を与える。
EP 326233は、陽イオン交換基を取り付けている疎水性の支持スマトリックスがある、陽イオン交換体を開示する。この疎水性はこのタイプの陽イオン交換体をタンパク質のような生体分子の分離に不適当にする。
(発明の目的)
この発明の目的は、
a)タンパク質のような正荷電化合物の比較的高いイオン強度における陽イオン交換体への吸着/結合;
b)吸着/結合した化合物の高いイオン強度におけるおよび/もしくは広いイオン強度区間内での溶出/脱着;
c)高い漏出点容量、タンパク質の良好な回収率(多くの場合、興味のあるタンパク質の添加量の95%まで)等を有する陽イオン交換体;
d)高いイオン強度の試料を陽イオン交換体上で処理しかつ簡略化脱塩手順を達成すべきときに広範な希釈の必要性を低下すること;
e)支持マトリックスに結合するとき、対照陽イオン交換体を持つ同一の物質に対して得られるのと少なくとも同一程度の大きさであるところの漏出点容量を持つ正荷電物質を吸着する、陽イオン交換体/陽イオン交換リガンドを発見する方法;等
を達成することである。
この比較はこの分野で従来のものと相対的である。
或る基(そのような陽イオン交換リガンドでない)に関して下記に示す式において、オープン結合およびR基がある。オープン結合とは炭素、典型的にはSP−混成もしくは芳香性炭素、への結合をいう。Rとは低級ヒドロカルビル(C1−10)および/もしくは相当するアシルをいうが、両者ともしばしば水酸基のような親水性置換基を有する。水素(H)は、水素が今規定したような低級ヒドロカルビルもしくは相当するアシルで置換され得ることを意図する。
(本発明)
我々は驚くべきことに、上述の目的(c)で表される性質(これらの性質を適切にスクリーニングするとして)の一つもしくはそれ以上を有する陽イオン交換体を与える、数多くの陽イオン交換リガンドが在ることを今や発見している。(実験の部を参照)。
この発明の第一の態様は、正荷電物質、典型的には生体有機物質、を該物質を含む水性液体(I)から除去する方法である。この方法は:
(i)該物質を陽イオン交換により該陽イオン交換リガンドへ結合させることに至る条件下に液体(I)を陽イオン交換体(1)と接触させ、そして
(ii)可能ならば該物質の引き続いた脱着を続ける、
ことを含む。
この方法は、使用する陽イオン交換体(1)は、(a)0.3M NaClに相当するイオン強度において水性対照液体(II)中で陽イオン交換により該物質に結合しそして、
(b)スルホプロピル基−CHCHCHSO を含む対照陽イオン交換体(2)についての物質の漏出点容量の200%、例えば300%もしくは500%もしくは1000%、で該物質の漏出点容量を容認する能力があることを特徴とする。
陽イオン交換体(1)および対照陽イオン交換体は本質的に同一程度の置換(全体のイオン交換容量として測定した)および本質的に同一の支持マトリックス(支持材料、ビーズサイズ、細孔サイズ、細孔容量、充てん手順等)を有する。操作条件は本質的に同一である[漏出点(例えばQb=10%)、pHのような液体中の条件、塩濃度および塩の種類、非−化合物Aの成分等]。比較のためのpHは、そこで物質が正味の正荷電を有しそして陽イオン交換体(1)および(2)のそれぞれは正味の負荷電を有する、pHにおいて選ばれる。スペーサーおよびカップリング化学は異なってもよい。或る種のカップリング化学は、さらに剛性のマトリックスをもたらす出発支持マトリックスの架橋に至り得る。この場合には、比較をするフローの条件は勿論、マトリックスが本質的に非−圧縮されているレベルにおいて選ばれる。
この発明の第五の態様に略述するように(下記参照)、適切な陽イオン交換リガンドを選択してもよい。
使用する陽イオン交換体(1)は複数の陽イオン交換リガンドを典型的に含むが、それらは、しばしば共有結合的にそして典型的には或る種のスペーサーを介して、支持マトリックスに強固に取り付けられる。用語“強固に取り付けられる”は、適用した吸着/脱着の間リガンドはいかなる有意な程度でも取り外れてはならないことを意味する。
この発明の第一の態様の第一部に従って、陽イオン交換リガンドは分岐されかつ上で規定したような二項性機能を有する。
かくして、第一の分岐(1)は、スルホネート(−SO−/−SOH)、スルフェート(−OSO /−OSOH)、カルボキシレート(−COO/−COOH)、ホスフェート(−OPO 2−/−OPO/−OPO)およびホスホネート(−PO 2−/−PO/−PO)から選ばれる陽イオン交換基を含む。いわゆる弱陽イオン交換体、即ち3以上のpKaを有する陽イオン交換体、が好適である。典型的な例は、カルボキシレート(−COO/−COOH)、ホスフェート(−OPO 2−/−OPO/−OPO)およびホスホネート(−PO 2−/−PO/−PO)である。この好適性はこの発明の種々な他の態様にもまた適用される。
第二の分岐(2)は、分岐(1)の陽イオン交換基から1〜7原子の距離に位置する、少なくとも一つの水素結合原子を含む官能基を含む。水素結合原子は、酸素(カルボニル酸素、エーテル酸素、ヒドロキシ酸素、スルホン酸素、スルホンアミド酸素、スルホキシド酸素、芳香原中の酸素等)、窒素(アミド窒素、芳香環中の窒素等)および硫黄(チオエーテル硫黄、芳香環中の硫黄等) のようなヘテロ原子;ならびにsp−およびsp−混成炭素;ならびにフルオロ、クロロ、ブロモもしくはヨードのようなハロゲン基(フルオロが好適である)から選ばれる。典型的には、分岐(2)は非荷電原子もしくはpH変化により荷電し得る原子を含む。分岐(1)は、陽イオン交換基に加えて、陽イオン交換基から1〜7原子の距離に位置する、一つもしくはそれ以上の水素結合原子をまた含んでもよい。
水素結合原子は、水素結合に関与する能力がある原子(水素を除いて)である。Karger et al.、分離科学入門、John Wiley & sones (1973) page 42 を参照。
sp−およびsp−混成炭素は疎水性相互作用ならびに水素結合に関与してもよい。
上述のタイプの分岐した陽イオン交換リガンドは以下のように例示し得る:(a)Xは、スルホネート(−SO−/−SOH)、スルフェート(−OSO /−OSOH)、カルボキシレート(−COO/−COOH)、ホスフェート(−OPO 2−/−OPO/−OPO)およびホスホネート(−PO 2−/−PO/−PO)から選ばれる陽イオン交換基である;
(b)Aは、もしA基中に陽イオン交換基(X')が在れば、そのような陽イオン交換基(X')からの鎖は常にA'より短いかもしくは同一の長さを有するという条件で、Xから支持マトリックスへ伸びる有機鎖(A')を含む有機基を表す;
(c)HBは、少なくとも一つの炭素原子プラス陽イオン交換基(X)から1〜7原子の距離に位置する、少なくとも一つの水素結合原子を含む基である。
かくして、A'は、Xを支持マトリックスに連結する、陽イオン交換リガンドの鎖を含む。Aは、可能ならば有機鎖A'に個々の二価有機架橋により連鎖した、陽イオン交換基(X')をさらに含んでもよい。X'およびXは異なっていても同等でもよい。この種の有機架橋は、上で議論したような水素結合原子を含んでも含まなくてもよい。同様に、上で議論したように陽イオン交換基から1〜7原子の距離に位置する、水素結合原子を提供する追加的分岐(HB')もまた在ってもよい。HBおよびHB'は異なっていても同等でもよい。
環構造に属するA'の部分が在る場合には、A'について一つ以上の選択肢が在るであろう。規定により、置換環原子の最大数を含む環を通る経路はA'の部分と考えられる。残りの経路は、それらが、水素結合原子を含む基(例えばHB基)のような置換基を運んでいるか、もしくは水素結合ヘテロ原子を含まない限り、分岐を規定しない。
HBおよびHB'基は陽イオン交換基Xから1〜7原子の距離に位置するが、好適な原子数は1,2,3および4である。
上で規定した水素結合原子は、次の二つの形態のどちらかでAのA'部分中に存在してもよい:
(a)A'鎖の部分として、もしくは
(b)A'中の原子に結合しかつ鎖から突き出ている原子として。
タイプ(a)の典型的な水素結合原子は、エーテルもしくはエステル酸素(−O−および−CO−O−)、チオエーテル硫黄(−S−)ならびにアミド窒素[カルボキサミド(−CO−NH−および−N(COR)−)およびスルホンアミド(−SONH−、−N(SOR)−)中におけるような]のようなヘテロ原子、ならびにsp−およびsp−混成炭素、から選ばれる。オープン結合は炭素に結合する。Rは典型的に低級ヒドロカルビル、例えばC1−10、である。
タイプ(a)の水素結合原子はまた、芳香環中でヘテロ原子(硫黄、窒素もしくは酸素)を含む。ヘテロ芳香環の例示的な例はチオフェン、フランおよびピリジンである。
タイプ(b)の典型的な水素結合原子は以下から選ばれる:
(i)以下の基中の酸素
(i.1)炭素、硫黄および窒素はA'の部分である、−CO−、−SO−、−SO−および−SONH−;
(i.2)A'の部分である炭素に直接取り付けられている、アルコール性もしくはフェノール性のヒドロキシル;そして
(i.3)A'の部分である炭素に取り付けられている、ニトロ(−NO)ならびに≡は三つの一重結合を表しそして窒素はA'の部分である、アミンオキシド(≡N→O);
(ii)A'中の炭素に結合している、フルオロ、クロロ、ブロモもしくはヨードのようなハロゲン(フルオロが好適である);そして
(iii)A'中に存在する同種の炭素原子に直接取り付けられている、sp−およびsp−混成炭素。
sp−混成炭素(上のiii)は典型的に芳香環の部分である。カルボニル基(−CO−)はケト、エステルもしくはアミド基の部分でもよい。
Xに最も近い原子は、sp3−混成もしくはsp−混成炭素のような炭素原子である。典型的に、この位置におけるsp3−混成炭素は、陽イオン交換基への結合に加えて、水素および/または一つもしくは二つの炭素を結合する。残りの結合は、例えばHB基の部分として、ヘテロ原子もしくはもう一つの炭素に取り付けてもよい。この位置におけるsp−混成炭素は芳香環の一部もしくは炭素−炭素二重結合であってもよい。
XおよびHBの間のA'中に一つもしくはそれ以上の水素結合原子が在ってもよい。かくして、貴重な陽イオン交換リガンドは、A'がXおよびHBの間に上で規定したようなアミド基を提供する場合に見られる。この位置におけるアミド基は、エチレン基、エーテル基、チオエーテル基等またはアミド基に同等もしくはより高い加水分解安定性を有する、いずれかの他の基で置換されてもよい。
HBならびに水素結合原子の適切な選択および位置に関しては、A'に対する規則と類似する規則を適用する。
したがって、HBは、Xから1〜7原子の距離に位置する芳香環の少なくとも一部分を含み得る。芳香環は、好ましくは、チオフェン中におけるような硫黄原子、もしくはピリジン中におけるような窒素もしくはフラン中におけるような酸素を含む、ホモ芳香族もしくはヘテロ芳香族であってもよい。
かくして、HBはまた、Xから1〜7原子の距離において、エーテル酸素(−O−)、チオエーテル硫黄(−S−)、アミド(−CO−NH−、−N(COR)−、−CONH、−SONH−、−N(SOR)−、−SONH)、ヒドロキシ、ハロゲン、もしくは芳香環中のヘテロ原子(酸素、窒素もしくは硫黄)から選ばれた基の少なくとも一部分を提供する。ハロゲン基は好ましくは、トリフルオロメチル中におけるようなフッ素である。
この発明の第一の態様の第二の部分において、この方法で用いる陽イオン交換体は複数の陽イオン交換リガンドを有し、これらのそれぞれは一般式、D−X''、に適合するが:
式中、
(a)X''は、スルホネート(−SO−/−SOH)、スルフェート(−OSO /−OSOH)、カルボキシレート(−COO/−COOH)、ホスフェート(−OPO 2−/−OPO/−OPO)およびホスホネート(−PO 2−/−PO/−PO)から選ばれる陽イオン交換基であり、そして
(b)Dは、支持マトリックスにX''を連鎖させる有機鎖D'を含む基であるが、該有機鎖D'は、陽イオン交換基(X'')から1〜7原子(好ましくは1〜5原子)の距離に位置するチオエーテルを含み、そしてD'中の炭素は非−芳香族性である。
発明のこの部分において、Dは、この発明の第一の態様の第一の部分について規定されたような、D'中のチオエーテル硫黄の他に、HB基および/もしくは水素結合原子を含んでも含まなくてもよい。
分岐したおよび分岐していない陽イオン交換リガンドについて上で議論した水素結合原子は、陽イオン交換基(X、X'、X''等)から7、6、5、4、3、2および1原子の距離に位置してもよい。
(スペーサー)
A基(およびA'鎖)ならびにD基(およびD'鎖)は、存在すれば、スペーサーを含むであろう。上で議論してきた線で、スペーサーは支持マトリックから出発しそしてXから7、6、5、4、3および2原子のような1〜8原子の距離で終結する(実験の部を参照)。
典型的には、スペーサーは直鎖の、分岐したもしくは環状の二価の炭化水素基を含む。炭素鎖は、プロセスサイクルの間に陽イオン交換体が受ける条件(加水分解条件は典型的に最も有害なものである)に耐えることができる、エーテル酸素もしくは、チオエーテルおよびアミドのような、或る他の基により一つもしくはそれ以上の位置において割り込みされてもよい。加水分解安定性についての要求は、多くの好ましいスペーサーにおいて、一つおよび同一の炭素原子に結合している酸素および硫黄から選ばれる、せいぜい一つの原子があることを意味する。
スペーサー中の炭素原子はまた、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アシルアミド等により一つもしくはそれ以上の位置において置換されてもよい。低級アルコキシおよび低級アシルアミドとは、主としてC1−6基を意図するが、もし親水性置換基を含むならば、より大きい基を思い浮かべてもよい。
スペーサーは、将来に開発されるべき技法もまた含めた、従来の共有カップリング方法論に従って導入され得る。例示的なカップリング化学は、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、アリル−グリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテルのようなビス−エポキシド、ジクロロプロパノールのようなハロゲン−置換脂肪族化合物、ジビニルスルホン、カルボニルジイミダゾール、グルタリックジアルデヒドのようなアルデヒド、キノン、臭化シアン、メタ過ヨウ素酸ナトリウムのような過ヨウ素酸塩、カルボジイミド、クロロトリアジン、塩化トシルおよび塩化トレシルのような塩化スルホニル、N−ヒドロキシスクシンイミド、オキサゾロン、マレイミド、2−フルオロ−1−メチルピリジウムトルエン−4−スルホネート、ピリジルジスルヒドおよびヒドラジド、に関与する。
(新規陽イオン交換体の安定性)
この発明の陽イオン交換体/陽イオン交換リガンドは陽イオン交換吸収を含むプロセスに典型的に適用される条件に耐えるに違いない。一般的な経験則として、これは、この発明に従う陽イオン交換体は、全体のイオン結合能力に本質的に減少無しでもって、少なくとも10時間水中の0.1もしくは1MのNaOHに耐えることができるに違いない。“全体のイオン結合能力に本質的に減少無し”は、全体のイオン結合能力はせいぜい10%しか減少しないことを意図している。構造的用語では、これは、上で規定した陽イオン交換基に加えて陽イオン交換リガンドは単に、純正のヒドロカルビル(ホモ芳香族またはヘテロ芳香族構造を含む)、チオエーテルおよびエーテル基、ジスルフィド基、ヒドロキシ基、スルホキシドもしくはスルホン基、カルボキサミド基、スルホンアミド基、アセタールおよびケタール基ならびに同様な加水分解安定性を持つ基を含むべきであることを意味する。
(支持マトリックス)
支持マトリックスは有機もしくは無機の材料をベースにしてもよい。親水性であることおよび水に不溶性で多少は膨潤性であるポリマーの形態にあることが望ましい。親水性になるように誘導体化されている疎水性のポリマーはこの規定に含まれる。適切なポリマーは、例えば、アガロース、デキストラン、セルロース、デンプン、プルラン等のような多糖をベースにするポリヒドロキシポリマー、ならびにポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリ(ヒドロキシアルキルビニルエーテル)、ポリ(ヒドロキシアルキルアクリレート)およびポリメタクリレート(例えば、ポリグリシジルメタクリレート)、ポリビニルアルコールおよびスチレンとジビニルベンゼンをベースにするポリマー、ならびに上述のポリマーに相当する二つ以上の単量体が含まれるコポリマー、である。水溶性のポリマーは、例えば、架橋によりおよび吸着もしくは共有結合による不溶性体へのカップリングにより、不溶性になるように誘導体化されてもよい。OHへ変換し得る基を示す単量体の重合により、もしくは、例えば、親水性ポリマーのような適切な化合物の吸着による最終ポリマーの親水性化によって、親水性基を疎水性ポリマー上に(例えば、モノビニルおよびジビニルベンゼンのコポリマー上に)導入することができる。
支持マトリックスに使用される適切な無機材料は、シリカ、酸化ジルコニウム、黒鉛、酸化タンタル等である。
好ましい支持マトリックスは、シラン、エステル、アミド基およびシリカにそのように存在する基のような、加水分解に不安定な基を欠如する。
支持マトリックスは多孔性でも非−多孔性でもよい。これは、マトリックスは完全にもしくは部分的に浸透性(多孔性)であるかもしくは除去すべき物質に対して完全に非浸透性(非−多孔性)であってもよいことを意味する。
本発明の特に興味のある実施態様において、マトリックスは、1〜1000μm、高速の応用については好ましくは5〜50μm、分離の目的には50〜300μm、の範囲のサイズを持つ不規則なもしくは球状の粒子の形態に在る。
支持マトリックスの興味のある形態は、液体より高いか低い密度を有する。これらの種類のマトリックスは、流動もしくは拡張床クロマトグラフィーのためのならびに、例えば攪拌槽における、異なるバッチ様手順のための大規模操作に特に応用可能である。流動もしくは拡張床手順はWO 9218237およびWO 92/00799に記載されている。これらのマトリックスの最も実用的な使用は、流動液体の密度より高い密度を持つ粒子/ビーズを上流気流と合体させることである。拡張床様式におけるこの種類の支持マトリックスは、水性液体(I)が微粒子および/もしくは粘着性材料を含む場合に、この発明の陽イオン交換リガンドと結合するのに特に有益である。
用語“実用的に親水性の支持マトリックス”は、マトリックスの疎通性表面が水性液体により浸透されるという意味で親水性であることを意味する。典型的には、親水性ベースのマトリックスの疎通性表面は、例えば酸素おおび/もしくは窒素原子を含む、複数の極性基を露出する。このような極性基の例は、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシ、エステルおよび低級アルキルのエーテル(式中nは2、3、4もしくはそれ以上である(−CHCHO−)Hのような)である。
マトリックスの内部おおび/もしくは外部の表面上の親水性被膜は概念上支持マトリックスに属する。この被膜は、例えばWO 9833572(Amersham Pharmacia Biotech AB)に記載されているような、形状増量剤中にあってもよい。
全体的な出典明示により本明細書の一部とする、WO 9839364(Amersham Pharmacia Biotech AB)およびWO 9839094(Amersham Pharmacia Biotech AB)に記載されているように、支持マトリックスは、表面層もしくは内部層/内部部分に位置する、ここに規定した陽イオン交換リガンドを持つビーズ体であってもよい。したがって、そのようなビーズは、(a)ここに規定した陽イオン交換リガンドを欠如するかもしくは他の種類のリガンドを持つ、外部層、および(b)新しいこの発明のリガンドを運ぶ内部部分/内部(もしくはその逆)を持ってもよい。
この発明の方法で使用される陽イオン交換体中の陽イオン交換リガンドのレベルは、0.002〜0.5mmol/mlマトリックス、好ましくは0.005〜0.3mmol/mlマトリックスのような、0.001〜4mmol/mlマトリックスの間隔で通常選ばれる。他の中で、可能性のあるかつ好ましい範囲はマトリックス、リガンド、除去されるべき物質等の種類により決定される。かくして、陽イオン交換リガンドのレベルは、アガロース−ベースのマトリックスについて0.01〜0.3の範囲内に通常ある。デキストラン−ベースのマトリックスについては、間隔は典型的に0.01〜0.6mmol/mlマトリックスである。
先行する節に示した範囲は、ナトリウムイオンに結合する完全荷電型のマトリックスのついての容量をいう。
(吸着/脱着)
吸着おおび/もしくは脱着プロセスを、バッチ操作として、即ち、マトリックスを液体中に多少とも完全に分散した微粒子体をもって、実施してもよい。これに代えて、陽イオン交換マトリックスを一体式体でまたは充てんもしくは流動床の形態の粒子として用いそして液体Iもしくは脱着液(液体III)をプラグ流れ条件下で通過させる、クロマトグラフ操作としてプロセスを操作してもよい。
(吸着)
吸着の間に、正荷電物質を含む液体試料を、陽イオン交換(陽イオン交換条件)媒介リガンドにこの物質を結合させるような条件下で陽イオン交換体(上で規定した)と接触させる。この物質が、少なくとも部分的に、正に荷電し、そして少なくとも一部の陽イオン交換体が負に荷電するように(上を参照)、pHを選択する。好ましい変形において、弱陽イオン交換体(例えば、X=−COO)を、pKa±2、例えば±1、pH単位に緩衝化した液体のpHで使用する。陽イオン交換体のpH値は、この陽イオン交換体をNaOHで滴定するときに変曲点として求められる。典型的に、イオン強度(塩濃度もしくは伝導度として測定する)は、陽イオン交換体、結合すべき物質、温度とpH、溶媒組成等の特別な組合わせについての溶出イオン強度以下である。この発明の恩恵の一つは、上に規定した二項性の陰イオン交換体を用いることにより、従来の陽イオン交換体、例えば、上で議論した対照スルホプロピル陽イオン交換体、について通例行ってきたものと比較してより高いイオン強度においてもまた吸着/結合を操作することが可能であるだろうということである。陽イオン交換体を除去すべき物質とマッチングさせることにより、対照陽イオン交換体を用いるときより高い(同一のpHおよびさもなければ同一の条件で測定した)イオン強度において、吸着を実施し得る。陽イオン交換体の漏出点容量次第で、対照陽イオン交換体で得られる陽イオン交換体の漏出点容量の200%、例えば、300%もしくは500%および1000%さえ、を達成し得る。
結合の間に使用すべき正確なイオン強度は用いるリガンド、マトリックス上のその密度、結合すべき物質およびその濃度等に依存するであろう。有用なイオン強度はNaCl濃度(純水) 0.1M、例えば、0.3Mもしくは0.5Mさえ、にしばしば相当する。
(脱着)
この分野で確立した手順にしたがって脱着を行ってもよい。好ましくは、この脱着プロセスは以下の条件の少なくとも一つを含む:
(A)脱着に必要とされる最少溶出イオン強度より上に塩濃度(イオン強度)を増加すること、
(B)リガンドの負電荷を下げるためにpHを減少すること、
(C)物質上の正電荷を減少させるためにpHを増加すること、および
(D)使用する水性液体の極性を減少する、リガンド類似体もしくは試剤(例えば溶媒添加物)を含むこと。
これらの変更は物質を含む水性液体(上の水性液体I)に相対的である。
脱着は陽イオン交換条件下に行ってもよいが、これは以下のことを意味する:
(a)脱着に用いる液体(III)は、脱着すべき物質の少なくとも一部分は正に荷電するような条件(例えばpH)を提供すること、および
(b)イオン強度を、これらの条件について最少の溶出イオン強度の上の値にセットすること。
両性の化合物については、オプション(a)はpHpI、例えばpHpI+0.5を意味する。
脱着をまた、脱着すべき物質がゼロ以下の正味の電荷を有しそして/もしくは本質的に全ての陽イオン交換リガンドが脱電荷される、条件(例えばpH)の間に行ってもよい。
大抵の場合には、WO 9600735およびWO 9609119(Burton等)に記載されているように、陽イオン交換リガンドが完全に脱電荷されるか、もしくは興味のある物質が正味の負電荷を有するようにpHを変更することは不可能でありそして必要ではない。
(A)〜(D)により与えられた条件を組合せてもしくは単独で使用してもよい。最も簡単な場合には、これは、
(a)イオン強度の増加おおび/もしくは
(b)吸着液体(I)から脱着液体(III)へ変更するときに、脱着すべき化合物の正電荷を減少するためにpHの減少
を意味する。選択肢(a)には、脱着ステップの間の減少した、一定のもしくは増加したpHが挙げられる。選択肢(b)には、減少した、増加したもしくは一定のイオン強度が挙げられる。
クロマトグラフのおおび/もしくはバッチの手順において、脱着すべき物質を持つマトリックスは、カラムもしくは他の適切な容器の中で吸着液体(水性液体I)と接触して存在する。それから、この液体により与えられた条件を、望ましい物質がマトリックスより放出されかつ溶出されるまで、上述のように変更する。陽イオン交換条件下に行われた脱着プロセスについては、イオン強度は典型的には、吸着に比較して増加され、そしてしばしば少なくとも0.6M NaClに相当する。実際の値は上で議論した種々の要素に依存する。
脱着のために増加したイオン強度を使用する要件は、水性液体IIIにより与えられた他の条件次第であまり厳格でなくともよい(下記参照)。
上で議論した条件の変更を、一つもしくはそれ以上のステップで(段階的勾配)もしくは連続的に(連続的勾配)達成することができる。マトリックスと接触する液体の種々の変数を一つずつもしくは組合せて変更してもよい。
イオン強度を変更するために用いられる典型的な塩類は、ホスフェート、スルフェート等の可溶性アンモニウムもしくは金属塩、特にアルカリ金属おおび/もしくはアルカリ土類金属塩、の中から選ばれる。同一の塩をまた吸着ステップに用いることができるが、それならしばしばより低い濃度においてである。
この発明の方法で用いられる典型的な緩衝成分は、塩基部分が陰イオン性である酸/塩基対の中から好ましくは選ばれる。例示的な例は、カルボン酸/カルボン酸塩(例えば酢酸/酢酸塩)、ホスフェート等である。脱着ステップもしくはそれ以前におけるpHの増加は脱着すべき物質の正電荷を減少し、脱着を助け、そしてかくしてまた、マトリックスから物質の放出に必要なイオン強度を減少させるであろう。用いるリガンドのpKaおよび物質のpI次第で、PHの減少は陽イオン交換マトリックスから/への物質の放出もしくは結合に至るであろう。
脱着はまた、脱着液体(III)の極性を調節する(吸着液体(I)に比較して)ことにより助成され得る。これは、脱着液体(III)中に水−混和性のおおび/もしくは親水性の少ない有機溶媒を含むことにより達成され得る。そのような溶媒の例は、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルフォルムアミド、アクリロニトリル等である。脱着液体(III)の極性の減少は(水性液体Iに比較して)、多分脱着を助け、そしてかくしてまた、マトリックスから化合物の放出に必要なイオン強度を減少させるであろう。
脱着はまた、脱着液体(III)中に陽イオン交換リガンドの可溶性構造類似体(リガンド類似体)を含むことにより助成され得る。そのような類似体の必要な濃度は吸着液体(I)のその濃度より少なくとも大きい。
(回収率)
従属態様において、本発明方法は、吸着物質の高回収率、例えば、80%以上もしくは90%以上のような、60%以上の回収率を可能にする。回収率は、吸着/結合ステップにおいて陽イオン交換体に加えた物質の量に比較して脱着された物質の量である。多くの場合には、回収率は95%さえを越すかもしくは本質的に定量的であることができる。これは、陽イオン交換体に加えるべき物質の量を物質にたいする陽イオン交換体の全結合容量以下に調整することにより達成される。典型的には、陽イオン交換体に加える物質の量は、全容量の10〜80%、例えば20〜60%、の間隔にある。脱着は、この分野で確立された手順にしたがって、例えば上で略述したように、行われる。多くの場合には、イオン強度の増加より他の手段により、例えば、物質の正電荷を減少させるかもしくは陽イオン交換リガンドの負電荷を減少させるためのpHの変更により、脱着を助ける必要がある。
(発明の第二の態様)
この態様は、支持マトリックスに取り付けられる複数の陽イオン交換リガンドを含む陽イオン交換体(1)を含む。このリガンドは、スルホネート(−SO−/−SOH)、スルフェート(−OSO /−OSOH)、カルボキシレート(−COO/−COOH)、ホスフェート(−OPO 2−/−OPO/−OPO)およびホスホネート(−PO 2−/−PO/−PO)の中から選ばれた陽イオン交換基を含む。特色は、陽イオン交換体(1)が少なくとも一つの対照タンパク質の人血清アルブミン、リゾチームおよびIgGに対する漏出点容量を有することであるが、これは、スルホプロピル陽イオン交換体(陽イオン交換体2)について得られる相当する漏出点容量の200%、例えば300%もしくは500%もしくは1000%、である。同一の支持マトリックス、置換度、対イオン等は、上で議論したのと同一の意味で本質的に同一である。陽イオン交換体(1)および陽イオン交換体(2)の漏出点容量を決定する操作条件は、この本文のどこかで議論したのと本質的に同一である。
この態様において除外するのは、陽イオン交換基のそれぞれがただ一つの位置においてチオエーテル硫黄により割り込みされている非−置換直鎖の炭素原子を介して支持マトリックスに結合する、陽イオン交換体である。
(発明の第三の態様)
この態様は、それぞれが二項性である、複数の分岐した陽イオン交換リガンドを含むことを特徴とする新規の陰イオン交換体に関する。かくして、このタイプのそれぞれの個別なリガンドは、上で議論したような二種類の分岐を(一つの分岐は陽イオン交換基を含みそしてもう一つの分岐は陽イオン交換基から1〜7原子もしくはそれより短く離れて水素結合原子を含む)を含む。
この態様の陽イオン交換体は、上で議論した異常に高い漏出点容量を有しない陽イオン交換体をまた含むであろう。そのような“低”容量の陽イオン交換リガンドは多分、それらの二項性が、新しい選択性おおび/もしくは液体から除去するのが望ましいであろう種々の標的物質に相対的な選択性を多分課すであろうという事実のために貴重であろう。
(発明の第四の態様)
この態様は、第二および第三の態様の陽イオン交換体を、該物質を溶解した形態で含む水性液体(1)から正荷電物質を除去する方法に使用することを含む。この方法は、
(i)物質をリガンドに結合させる陽イオン交換条件下に液体(1)を陽イオン交換体(1)に接触させること、および
(ii)可能ならば、該物質の引き続く脱着に続けること
を含む。
種々の構造的特徴/変数および操作条件は第一の態様の方法に対するものと同一である。
(発明の第五の態様)
この態様は、一つもしくはそれ以上の陽イオン交換体が液体から物質を除去することについての適切性をテストする(スクリーニングする)方法であり、該方法は:
(a)(i)それぞれの陽イオン交換体がリガンドの種類(リガンド1,2,3,4、......n;n=>0の整数)に関して異なる、テストすべき一つもしくはそれ以上の陽イオン交換体(交換体1,2,3,4、......n)、および(ii)交換体1,2,3,4、....nおよび対照陽イオン交換体において本質的に同一である、対照リガンド、支持マトリックス、置換度、対イオン等を有する対照陽イオン交換体を含むライブラリーを提供し;
(b)予め決めた条件において物質についての交換体1の漏出点容量を決定し;
(c)ステップ(b)におけると同一の条件において物質についての対照陽イオン交換体の漏出点容量を決定し;
(d)ステップ(b)および(c)で得た漏出点容量の間の関係から、陽イオン交換体1は物質を除去するために使用するのに適切かどうかを結論し;そして
(e)必要ならば、少なくとも一つの交換体2,3,4、...nについてステップ(b)、(d)および(e)を繰り返す
ステップを含む。
特に、試料陽イオン交換体/リガンドについての漏出点容量が対照陽イオン交換体/リガンドについてより大きい場合には、それで試料陽イオン交換体/リガンドは対照陽イオン交換体/リガンド以上の有利性を有するであろう。この結論は、試料陽イオン交換体/リガンドについての漏出点容量が対照陽イオン交換体/リガンドについての漏出点容量の200%、例えば300%もしくは500%もしくは1000%である場合にはさらに顕著になるであろう。
このスクリーニング方法は、少なくとも一つの陽イオン交換体1〜nがこの発明の第一から第四の態様において規定されている、ライブラリーをスクリーニングするために特に適合される。
二つ以上の陽イオン交換体1〜nをこの方法において並行してもしくは連続してテストしてもよい。
対照陽イオン交換体はこの発明の第一から第四の態様のいずれか一つにおいて規定されている、リガンドを有してもよい。
操作条件および対照陽イオン交換体の選択はこの発明のこれら他の態様に略述したように行うことができる。例えば、水および0.1M NaClもしくはそれより高く、好ましくはは0.3M NaCl、より成る水溶液中のイオン強度に相当する、イオン強度において、ステップ(b)および(c)を実施しても良い。
この発明のこの態様において、対照陽イオン交換体についての要約したもしくは予め決めた漏出点容量を用いてもよい。かくして、この方法はまた、対照陽イオン交換体もしくは陽イオン交換リガンドについての外部源からの要約した値を使用することを含めて、異なる時間でおよび/もしくは異なる個人によりまたは異なる機械により測定を実施することを包含する。
このスクリーニング方法により見出された陽イオンリガンドは、上述の方法態様のいずれにおいてもこの発明の様式で用いることができる。
(液体(I)から除去すべき物質)
本発明は、上に規定して使用した二項性の陽イオンリガンドと相互作用ができる、幾らかな構造ユニットを持つ大分子量物質を主に対象としている。適切な化合物は、500ダルトン以上、例えば1000ダルトン以上、の分子量を典型的に有する。典型的な化合物は生体有機的および/もしくはポリマー的である。物質分子当たりの正荷電基の数は典型的には一つもしくはそれ以上である。物質の電荷は、最も良く適合した場合(即ち、物質は両性である)におけるpHに依存する。正荷電生体有機物質の中で、ポリペプチド構造、脂質構造および/もしくは炭水化物構造を有するものは、この発明の方法態様に従って液体から除去することが通常可能である。原理的に、この発明は、上記の構造的要求を満たす限り、他の生体有機および有機物質にもまた応用可能である。
物質は水性媒体(そこに溶解する)中の溶質でであるかもしくは、例えばコロイド的大きさの小生体粒子の形態にあってもよい。生体粒子の例示的な例は、ビールス、細胞(細菌および他の単細胞生物を含む)および細胞凝集体ならびに細胞小器官を含む細胞の部分である。
特に信じられているのは、この発明は、高濃度の塩と共に興味のある物質を含む生化学的流体から誘導される、水性液体に応用可能であろうことである。新規な陽イオン交換体は多分、例えば、先ずpHを変更して吸着した物質の正電荷を減少して、高イオン強度における吸着および低イオン強度における脱着を可能にすることにより、脱塩に非常に有用である。
高イオン強度のかつ精製すべき興味のある生体有機物質を含む典型的な液体は、例えば細胞培養からの発酵ブロス/液体およびそれから誘導される液体である。細胞は、哺乳動物のような脊椎動物もしくは無脊椎動物(例えば、培養した昆虫細胞)または微生物例えば、培養した真菌類、細菌、酵母等)に由来してもよい。また含まれるものは、好ましくは培養した、植物細胞および他種の生物細胞である。
除去すべき物質を含む水性液体(I)が微粒子物質を含有する場合はそれで、上昇流と共に新規の陽イオン交換リガンドを運ぶ、流動化微粒子支持マトリックスを利用することが有益であろう。このタイプの水性液体は、(a)細胞培養からの発酵ブロス/液体、(b)溶菌細胞を含む液体、(c)細胞および/もしくは組織のホモジネートを含む液体ならびに(d)細胞から得られるペーストに由来してもよい。
ここで、この発明を次に続く実験の部に示す非−限定的実験により例示する。
この発明は付属する特許請求の範囲でさらに規定される。
(実験の部)
1.陽イオン交換体の合成
リガンド−形成化合物を表面へ固定化する多種類の方法があるが[Hermanson, G. T., Mallia, A. K. & Smith, P. K., (Eds.)、固定化アフィニティリガンド技法、Academic Press, INC, 1992]、これらの多くは我々の目的に応用可能である。以下において、我々は、実施例として役に立つように我々が新系列の弱陽イオン交換体(カルボン酸をベースとした)を作製するために採用している方法を説明する。ベースマトリックスとして、我々はSepharose 6 Fast Flow (AmershamPharmacia Biotech, Uppsala, Sweden)を使用しているが、以後これをSepharose6 FFという。
1:1.アリルグリシジルエーテルによるSepharose 6 FFの活性化
これは、WO 97/29825(Amersham Pharmacia Biotech AB)に本質的に記載されているように、アルカリ性の条件下でアリルグリシジルエーテルをSepharose 6 FFと反応させることにより実施される。適切な反応容器中で、Sepharose 6 FF 80gをNaBH0.5g,NaSO13gおよび50%(w/w)NaOH水溶液40mLと混合した。この混合液を50℃で1時間攪拌し、そしてアリルグリシジルエーテル100mLを加えた。懸濁液を50℃でさらに18時間攪拌した。混合液をろ過し、そしてゲルを蒸留水500mL、エタノール500mL、蒸留水200mL、0.2M酢酸200mLおよび最後に蒸留水500mLで順次洗浄した。滴定による分析の結果、置換度はゲル1mL当りアリル基0.3mmolであった。以下においてこのアリル−置換Sepharose 6 FFを生成物Iという。
1:2.カルボキシル基の導入(選択肢1)
これは、カルボキシル基を含む反応性の求核試薬(例えばメルカプトプロピオン酸)を生成物Iにカップリングすることにより達成されることができる。また、アルカリ性条件下におけるSepharose 6 FFのクロロ酢酸との従来のカルボキシメチル化により達成することもできる。得られた生成物は、そのような陽イオン交換体として使用するか、もしくはアミド連鎖を介して他の陽イオン交換体を合成するための中間体として役立てることができる。下記の手順はメルカプトプロピオン酸を生成物I(アリル−誘導体化Sepharose 6 FF)にカップリングするための実施例を提供する。
1:2:1.生成物I(アリル−誘導体化Sepharose 6 FF)の活性化
典型的な手順において、生成物100mL、酢酸ナトリウム4gおよび蒸留水100mLの攪拌した懸濁液に、消えない黄色が得られるまで,臭素水を加えた。淡い黄色が消えるまで、懸濁液にギ酸ナトリウムを加えることにより過剰の臭素の還元を達成した。反応混合液をろ過し、そしてアリル−誘導体化ゲルを蒸留水500mLで洗浄した。
1:2:2.活性化した生成物Iへのメルカプトプロピオン酸のカップリング
活性化したゲル(生成物I)に続けてメルカプトプロピオン酸17.5mL(アリル基当り6当量)および4M NaCl50mLの混合液を反応容器へ移した。この混合液のpHを、活性化ゲルに加える前に、50%(w/w)NaOH水溶液でpH11.5に調節した。懸濁液を50℃で18時間攪拌してからろ過した。ゲルを蒸留水500mLで洗浄し、そしてカルボキシル基の含量を滴定により測定した。ゲル1mL当りCOOH基約0.29mmolの置換度を得た。この生成物は生成物IIという。
1:3.カルボキシル基の導入(選択肢2)
これは、リガンド−形成化合物(アミノおよびカルボキシル機能の両者を含む)を固体支持体へアミド結合を介してカップリングさせるための代わりの方法を提供する。この手順は2つのステップを伴い、下記に記述する。
1:3:1.メルカプトプロピオン酸−Sepharose 6 FF(生成物II)のN−ヒドロキシスクシンイミドによる活性化
メルカプトプロピオン酸−Sepharose 6 FF(生成物II)100mLを1M NaCl300mL、0.1M HC1500mL、50%アセトン水溶液500mLおよびアセトン500mLで順次洗浄した。ゲルを沈ませ、そして上澄み液をサイホンで除いた。それから、このゲルに続けて、アセトン80mL中ドロキシスクシンイミド15.2gの溶液およびアセトン80mL中ジシクロヘキシルカルボジイミド29.9gのもう一つの溶液を反応容器へ定量的に移した。スラリーを30℃で18時間攪拌した。混合液をろ過し、そしてゲルを10部のイソプロパノール150mLで8時間の期間に洗浄した(重力流により)。
生成物IIの活性化の程度は、NHOHとの反応で評価するとき、約75%であった。ここで得た生成物(即ちNHS−活性化メルカプトプロピオン酸−Sepharose 6 FF)を生成物IIIという。
1:3:2.チエニルセリンの生成物IIIへのカップリング
ここに略述する手順はアミド連鎖を介してリガンド−形成化合物をカップリングする一般方法の実施例を提供する。チエニルセリン(蒸留水80mL中2g)の溶液を1M NaHCO8mLおよびエタノール10mLと混合し、そしてこのpHを50%NaOH水溶液の注意深い添加によりpH0.5に調節した。生成物III(NHS−活性化メルカプトプロピオン酸−Sepharose 6 FF)25mLをガラスろ過漏斗上で氷冷した1mM HCl水溶液50mLで素早く洗浄した。それから、このゲルをエルレンマイヤーフラスコに移し、そしてこれにチエニルセリンの溶液を加えた。それから、反応混合液を中庸の速度で18時間室温で振り混ぜた。
反応液をろ過し、ゲルを蒸留水100mL、エタノール50mL、0.25Mエタノールアミン水溶液50mL、蒸留水50mL、1M NaCl50mLおよび最後に蒸留水50mLで順次洗浄した。チエニルセリンのカップリング効率は硫黄の元素分析により約70%と測定されたが、これはゲル1mL当りチエニルセリン0.15mmolの置換度に相当する。ほとんどの“高塩”陽イオン交換体をこの方法により作成した。
2.クロマトグラフィー
この検討において、3つの精製タンパク質[塩基性(リゾチーム=Lys)、中性から弱塩基性(IgG)および酸性(BSA)を代表する]を使用して、新系列の“高塩”陽イオン交換体を2つの重要なパラメター、即ち、それらに加えるタンパク質の漏出点容量(Qb10%)および回収率に関して特性化した。リゾチームの結合および溶出を正常な操作手順下に、即ち、吸着を中性pHにおいてそして溶出を同一のpHにおいて高塩(例えば2M NaCl)を含む緩衝液で、行った。IgGはpH4.5で結合させ、そして比較的低い塩濃度(0.1M)を含むpHの緩衝液で溶出した。IgGは、相当多量を種々の媒体に吸着させ得るので、低pHで結合させた。BSAは、それが正電荷を持つ(BSAのpI=4.9)pH4.0で結合させ、そして,IgGの場合と同様に、pHを7.0に上げて溶出させた。BSAをpH4.0においてBSAを結合するために用いる手順は“逆操作手順”と考えられることができて、そして負の電荷を持つ色素および他の不純物を組換え型たんぱく質、例えば、酵母中で生成するHSA、の除去のために広く採用されている(例えば、EP 0 570 916 A2およびEP 0 699 687 A2)。そのような低分子量の不純物は、さもなければ、それらはHSAと丁度同様に負の電荷を持つので、生理的pH下でHSAから分離するのは困難である。新系列の“高塩”リガンドについての漏出点容量、およびそれらに結合したタンパク質の回収率、を測定するために用いた手順を下に略述する。
A.“高塩”条件における漏出点容量(Qb10%)
陽イオン交換リガンドを“高塩”リガンドとして指定するための主な規準の一つは、同一の条件下で操作する対照陽イオン交換体に比べて、比較的高い濃度の塩(例えば0.3M NaCl)の存在下でタンパク質に対するその結合容量である。これは、下記のように、前端分析の方法を用いて測定される。
実験
I.緩衝溶液
緩衝溶液1:20mMリン酸ナトリウム、0.3M NaCl、pH6.8
緩衝溶液2:20mM酢酸ナトリウム、0.25M NaCl、pH4.0
緩衝溶液3:20mM酢酸ナトリウム、0.25M NaCl、pH4.5
緩衝溶液4:20mMリン酸ナトリウム、2M NaCl、pH6.8(リゾチームの溶出用)
緩衝溶液5:100mMリン酸ナトリウム、pH7.0(BSAおよびIgGの溶出用)
II.タンパク質溶液
1.リゾチーム:緩衝液1中で4mg/mL
2.BSA:緩衝液2中で4mg/mL
3.IgG:緩衝液3中で4mg/mL
全ての緩衝液およびタンパク質溶液を使用前に0.45μmのMillipore Millex HAフィルターを通してろ過した。
III.クロマトグラフィーシステム
全ての実験を、Unicorn 3.1ソフトウェア−を装備したAekta Explorer 100クロマトグラフィーシステムを用いて室温で実施した。試料を150mLのスーパーループを経由してカラムに加えた。1mL/分(約300cm/時間)の流速をずっと用いた。10mmのフローセルを用いる280nmでの吸光度測定により、溶出液を連続的にモニターした。
IV.前端分析
それぞれの試作陽イオン交換体をHR5/5カラム中に充てんし(充てん床容量=1mL)、そして適切なpHおよび塩濃度の緩衝液で平衡化した。適切なタンパク質溶液を非−結合条件下でカラムに加えることにより、システムのボイド容量を測定した。溶出液のA280が加えたタンパク質のA280の10%に達するまでの時間をシステムのボイド容量(分で表す)とする。
適切な緩衝液(緩衝液1,2もしくは3)で平衡化したカラムに、適切な平衡緩衝液(上を参照)に溶解した試料タンパク質を1mL/分(約300cm/時間)の流速で連続的に供給した(例えば150mLのスーパーループを経由して)。試料の添加を、溶出液のA280がカラムに加えた試料のA280の10%のレベルに達するまで、続けた。そのように得たデータ[即ち、充てんゲル床の体積(Vc)、そのボイド容量、およびカラムに供給するタンパク質液の流速および濃度]に基づいて、それに加えるタンパク質の濃度の10%レベルにおける充てんゲルの漏出点容量(Qb10%)を計算することができる。そのように得られる結果は、大多数の“高塩リガンド”候補をスクリーニングする基盤を形成し、そして3つのタンパク質、即ち、リゾチーム、ウシ血清アルブミン(BSA)およびヒトイムノグロブリン(IgG)について下に呈示する。
V.評価
吸光度極大の10%レベルにおける漏出点容量(Qb10%)を以下の関係式を用いて計算した:
Qb10%=(TR10%−TRD)×C/Vc
式中: TR10%=吸光度極大の10%における保持時間(分)、
RD=システムのボイド容量(分)、
C=供給タンパク質の濃度(4mg/mL)および、
Vc=カラムの充てん床の体積(mL)。
B.“高塩”陽イオン交換体に結合したタンパク質の回収率
“高塩”陽イオン交換リガンドはまた、それらに結合したタンパク質の回収率に関してスクリーニングされる。これは、比較的高い吸着容量を、加えたタンパク質の高いか定量的な回収率と結びつける、正しい種類のリガンドを選択するための追加的でかつ重要な規準である。下に略述するように回収率を測定した。
実験
使用した、カラムの種類、充てん床体積、緩衝液、タンパク質溶液、流速および装置のタイプに関する詳細を2A:iおよび2A:ii項で略述する。リゾチームについては、カラムを緩衝液1で平衡化し、そして結合したタンパク質を緩衝液4で溶出した。BSAについては、カラムを緩衝液2で平衡化し、そして結合したタンパク質を緩衝液5で溶出した;IgGについては、カラムを緩衝液3で平衡化し、そして結合したタンパク質を緩衝液5で溶出した。
適切な緩衝液(緩衝液1,2もしくは3)で平衡化したカラムに、タンパク質(リゾチーム(Lys)、BSAもしくはIgG)の溶液を50mLのスーパーループから、漏出点容量の30%に相当する量を加えるまで、加えた。それから、カラムを床容積の2倍量の平衡緩衝液で洗浄し、そして結合したタンパク質を適切な脱着緩衝液(緩衝液4もしくは5)で溶出した。溶出したタンパク質を20mLのメスフラスコ中に定量的に集め、そしてその容積および280nmにおける(BSAおよびIgGについて)もしくは254nmにおいる(リゾチームについて)吸光度を正確に測定した。それぞれの溶出試料中の全吸光度に基づいて、溶出液中のタンパク質の量を適切な検量線を用いて計算した(下記参照)。
評価
それぞれのタンパク質についての標準溶液を、カラム平衡化緩衝液中で0〜10mg/mLの濃度範囲をカバーして作製した。一連の希釈度のA280(BSAおよびIgG)もしくはA254(リゾチーム)を測定し、そしてx−軸にタンパク質濃度(mg/mL)をy−軸に吸光度を取って、検量線を作製した。それぞれの検量線についての一次方程式および回帰係数を計算した。これらの標準曲線に基づいて、溶出試料中のタンパク質の濃度(mg/mL)を該試料のA280もしくはA254を測定し下記の関係式を用いて計算した。
=A/ε・b
式中: C=溶出試料中のタンパク質の濃度(mg/mL)
A=吸光度(A280もしくはA254nmにおいて)
ε=特定の波長における分子吸光係数(M−1cm−1)
b=セル経路長(cm)
それから、結合したタンパク質の回収率下記の関係式を用いて計算する。
回収率、%=C・V/C・V
式中:
=溶出したタンパク質試料の容積(mL)
=加えた試料の濃度(mg/mL)
=加えた試料の容積(mL)
結果
高塩条件における漏出点容量
一連の代表的な“高塩”陽イオン交換リガンドについての漏出点容量および回収率に対して得られた結果を表1に要約する。表1に示す実施例は、種々のリガンドの幾らかな特異的性質を例示するもので、本発明の範囲を限定するものとして解釈してはならない。過半数のこれらの新陽イオン交換体についてのリガンド置換度は充てんゲル1mL当り約0.18〜0.20mmolであった。少数のものが充てんゲル1mL当り0.27mmolと高い値を示した。対照陽イオン交換体として、市販のスルホプロピル(もしくはS)Sepharose 6 FFを用いたが、そのリガンド濃度は新系列の陽イオン交換体と同一の範囲(即ち、充てんゲル1mL当り約0.18〜0.20mmol)にある。
この結果は以下の傾向を示す:
1.少数の例外を除いて、新陽イオン交換体は、対照陽イオン交換体SSepharose 6 FFに比較して、全ての3つのタンパク質に対してはるかに高いQb10%を有する。
2.リガンド1はLysに対して最高のQb10%を示した(60mg/mL);リガンド10はHSAに対して57mg/mLの最高値を示し、そしてリガンド12はIgGに対して33mg/mLの最高値を示した。これらの値は、対照陽イオン交換体(SSepharose 6 FF)に比して上の3つのリガンドについて、Lys,HSAおよびIgGに対して、それぞれ1295%、2092%および4025%の増加に相当する。
3.下に呈示する18のリガンドのうち、始めの5つは、他のものに比較して全て3つのタンパク質に対して相当高いQb10%を示した。これは、これらのリガンドは将来の“高塩”リガンドの構成のための基盤を形成することができることを示す。
4.幾らかのリガンドはIgGに対して比較的低いQb10%を示すが、他の2つのタンパク質に対しては高いQb10%値を示す(即ち、リガンド7、8および9)。
5.リガンド11はLysに対して高いQb10%値を有するが、他の2つのタンパク質に対しては非常に低い値を有する。逆はリガンド12、14および14について真である。かくして、これらの結果は、将来において“特異的”タイプの“高塩”陽イオン交換体の構成のためのガイドラインとして役立つことができる。
6.リガンド15,16,17および18は、LysもしくはIgGに対するより,HSAに対してはるかに高いQb10%を有する。この結果は、これらのリガンドはIgG製剤からHSAを除去するために有用であり得ることを示唆する。
“高塩”陽イオン交換リガンドに結合したタンパク質の回収率
HSAに対する回収率のデータは完全であるが、一方Lysに対するものはリガンドの約60%について測定されている。IgGに対するデータは少数の有望なリガンドについてのみ測定されている。得られた結果は以下のことを示す。
1.全てのリガンドは、一緒にして、用いたタンパク質に関係なく、65%より良い収率を与えた。
2.リガンド2は、Lys,BSAおよびIgGに対して、それぞれ100%、93%および79%の回収率をもたらした点で最も適切なリガンドであると見出され。
3.この結果はまた、pHもしくは塩との段階的溶出は高収率をもたらすことを示している。
リガンドの構造
陽イオン交換体を、
(a)リガンド−形成化合物1〜14,16および18を生成物IIのNHS−活性化体と反応させる、もしくは
(b)リガンド−形成化合物15および17を生成物Iの臭素−活性化体と反応させる
ことにより創成した。
変形(a)は、リガンド−形成化合物がアミド基を介してマトリックスに連鎖したことを意味する。変形(b)はチオエーテルを介する連鎖を意味する。
以下に示す最良のリガンド−形成化合物は、相当する従来のスルホプロピル陽イオン交換体の漏出点容量の300%より大きい漏出点容量を持つ陽イオン交換体をこれまでにもたらしたものである。
対照陽イオン交換体:SSepharose 6 FF(スルホプロピルSepharose 6 FF):Qb10%:Lys=4.3mg/mL,BSA=2.6mg/mL、IgG=0.8mg/mL。
原子における上付き文字としてのM、Z、HBおよびHB'は、この基がこの原子に結合していることを示す。
Figure 0005306568
リガンド1.A=OCHCH(OH)CHOCHCH(OH)CHSCHCHCONHCHB,ZH。HB=2−チエニルメチル。Qb10%:Lys=60mg/mL,BSA=44mg/mL、IgG=20mg/mL。回収率:Lys=100%、BSA=86%、IgG=69%。
Figure 0005306568
リガンド2.A=OCHCH(OH)CHOCHCH(OH)CHSCHCHCONHCHB,ZH。HB=2−フラニルヒドロキシメチル。Qb10%:Lys=38mg/mL,BSA=42mg/mL、IgG=27mg/mL。回収率:Lys=100%、BSA=93%、IgG=79%。
Figure 0005306568
リガンド3.A=OCHCH(OH)CHOCHCH(OH)CHSCHCHCONHCHB,ZH。HB=3,4−ジヒドロキシフェニルヒドロキシメチル。Qb10%:Lys=43mg/mL,BSA=44mg/mL、IgG=24mg/mL。回収率:Lys=93%、BSA=91%。
Figure 0005306568
リガンド4.A=OCHCH(OH)CHOCHCH(OH)CHSCHCHCONHCHB,ZH。HB=フェニルヒドロキシメチル。Qb10%:Lys=50mg/mL,BSA=50mg/mL、IgG=22mg/mL。回収率:Lys=97%、BSA=93%、IgG=75%。
Figure 0005306568
リガンド5.A=OCHCH(OH)CHOCHCH(OH)CHSCHCHCONHCHB,ZH。HB=4−ヒドロキシフェニルメチル。Qb10%:Lys=32mg/mL,BSA=40mg/mL、IgG=23mg/mL。回収率:Lys=81%、BSA=93%、IgG=76%。
Figure 0005306568
リガンド6.A=OCHCH(OH)CHOCHCH(OH)CHSCHCHCONHCHB,ZH。HB=ヒドロキシフェニルメチル。Qb10%:Lys=50mg/mL,BSA=44mg/mL、IgG=14mg/mL。回収率:Lys= 1%、BSA=79%、IgG=66%。
Figure 0005306568
リガンド7.A=OCHCH(OH)CHOCHCH(OH)CHSCHCHCONHCHCONHCHB,ZH。HB=4−ヒドロキシフェニルメチル。Qb10%:Lys=62mg/mL,BSA=44mg/mL、IgG=11mg/mL。回収率:Lys=93%、BSA=93%、IgG=65%。
Figure 0005306568
リガンド8.A=OCHCH(OH)CHOCHCH(OH)CHSCHCHCONHCHB,ZH。HB=2−チエニルヒドロキシメチル。Qb10%:Lys=51mg/mL,BSA=45mg/mL、IgG=5mg/mL。回収率:Lys=90%、BSA=92%。
Figure 0005306568
リガンド9.A=OCHCH(OH)CHOCHCH(OH)CHSCHCHCONHCHB’HCONHCHB,ZH。HB=1−ヒドロキシエチル、HB'=4−ヒドロキシフェニルメチル。Qb10%:Lys=46mg/mL,BSA=49mg/mL、IgG=6mg/mL。回収率:Lys=94%、BSA=92%。
Figure 0005306568
リガンド10.A=OCHCH(OH)CHOCHCH(OH)CHSCHCHCONHCHB’HCONHCHB,ZH。HB=2−チオメトキシエチル、HB'=ヒドロキシメチル。Qb10%:Lys=20mg/mL,BSA=57mg/mL、IgG=10mg/mL。回収率:Lys=78%、BSA=93%、IgG=68%。
Figure 0005306568
リガンド11.A=OCHCH(OH)CHOCHCH(OH)CHSCHCHCONHCHB,ZH。HB=(4−ピリジル)CHCHSCH−。Qb10%:Lys=50mg/mL,BSA=2mg/mL、IgG=4mg/mL。回収率:Lys=78%、BSA=93%。
Figure 0005306568
リガンド12.A=OCHCH(OH)CHOCHCH(OH)CHSCHCHCONH(チエニル)HB,Z。HB=3−CHCHCHSO−。Qb10%:Lys=5mg/mL,BSA=50mg/mL、IgG=33mg/mL。回収率:BSA=82%、IgG=88%。
Figure 0005306568
リガンド13.A=OCHCH(OH)CHOCHCH(OH)CHSCHCHCONH(フェニル)HB,Z。HB=2−ニトロ。Qb10%:Lys=5mg/mL,BSA=41mg/mL、IgG=27mg/mL。回収率:BSA=93%。
Figure 0005306568
リガンド14.A=OCHCH(OH)CHOCHCH(OH)CHSCHCHCONHB。HB=1,2−ジヒドロキシエチル。Qb10%:Lys=4mg/mL,BSA=38mg/mL、IgG=23mg/mL。回収率:BSA=93%、IgG=86%。
Figure 0005306568
リガンド15.D=OCHCH(OH)CHOCHCH(OH)CHSCH(CH)CONHC。Qb10%:Lys=5mg/mL,BSA=51mg/mL、IgG=4mg/mL。回収率:BSA=92%。
Figure 0005306568
リガンド16.D=OCHCH(OH)CHOCHCH(OH)CHSCHCHCONHCHCONHCH(CHCH)。Qb10%:Lys=3mg/mL,BSA=46mg/mL、IgG=3mg/mL。回収率:BSA=87%。
Figure 0005306568
リガンド17.D=OCHCH(OH)CHOCHCH(OH)CHSCH。Qb10%:Lys=4mg/mL,BSA=51mg/mL、IgG=4mg/mL。回収率:BSA=91%。
Figure 0005306568
リガンド18.A=OCHCH(OH)CHOCHCH(OH)CHSCHCHCONHB。HB=トリフルオロメチル。Qb10%:Lys=7mg/mL,BSA=37mg/mL、IgG=7mg/mL。回収率:BSA=93%。

Claims (8)

  1. 水性液体(I)に含まれる正荷電物質が陽イオン交換体(1)と結合する条件下で上記水性液体を陽イオン交換体(1)と接触させ、適宜上記物質の脱着を行うことによって、上記水性液体から上記正荷電物質を除去する方法であって、上記物質がポリペプチド構造であり、上記陽イオン交換体が、
    (i)0.3M NaClに相当するイオン強度の水性対照液(II)中で陽イオン交換体に上記物質が結合するとともに、
    (ii)上記物質に対する漏出点容量が、スルホプロピル基−CH2CH2CH2SO2-を含む対照陽イオン交換体(2)での上記物質の漏出点容量の >200%となる
    能力をもつように選択されており、かつ
    上記陽イオン交換体が、支持マトリックスに強固に結合した複数の陽イオン交換リガンドを含んでいて、該陽イオン交換リガンドが分岐していてバイモーダル機能を有しており、
    ・第一の分岐(I)が、スルホネート(−SO3−/−SO3H)、スルフェート(−OSO3 -/−OSO3H)、カルボキシレート(−COO-/−COOH)、ホスフェート(−OPO3 2-/−OPO3-/−OPO32)及びホスホネート(−PO3 2-/−PO3-/−PO32)から選択される陽イオン交換基を含んでおり、
    ・第二の分岐(II)が、第一の分岐の陽イオン交換基から1〜7原子の距離に位置する1以上の水素結合原子を含む官能基を含んでいて、該水素結合原子が、ヘテロ原子、sp−及びsp2−混成炭素、並びにハロゲンから選択されることを特徴とする方法。
  2. 前記水性液体(I)が、0.1M NaClの溶液で与えられるイオン強度以上のイオン強度を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 請求項1又は請求項2記載の方法であって、前記陽イオン交換体を、以下の条件(a)及び(b)の少なくともいずれかを満足する水性液体(III)と接触させることによって、前記物質を陽イオン交換体(1)から脱着させることを特徴とする方法。
    (a)結合時の液体(I)よりも増大したイオン強度を有する水性液体、及び/又は
    (b)前記物質の正電荷を減少させる及び/又は前記陽イオン交換体の負電荷を減少させる変更pHを有する水性液体。
  4. 前記水素結合原子が、酸素、窒素及び硫黄、sp−及びsp2−混成炭素、並びにフルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードから選択される請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の方法。
  5. 前記脱着が、ステップ(i)に関して、(a)前記物質の正電荷を減少させる、又は(b)負荷電基の数を減少させる、又は(c)陽イオン交換体の負電荷を減少させる、pHで実施することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の方法。
  6. 脱着ステップの際の水性溶液のイオン強度を結合ステップよりも低下させて前記物質の脱塩及び濃縮を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の方法。
  7. 前記水性液体(I)が、希釈又は未希釈の発酵ブロスであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の方法。
  8. ポリペプチド構造を有する正荷電物質を含む水性溶液(I)と接触させることによって上記正荷電物質を水性溶液(I)から除去するための、支持マトリックスに強固に結合した複数の陽イオン交換リガンドを含む陽イオン交換体であって、該陽イオン交換リガンドが分岐していてバイモーダル機能を有しており、
    ・第一の分岐が、スルホネート(−SO3−/−SO3H)、スルフェート(−OSO3 -/−OSO3H)、カルボキシレート(−COO-/−COOH)、ホスフェート(−OPO3 2-/−OPO3-/−OPO32)及びホスホネート(−PO3 2-/−PO3-/−PO32)から選択される陽イオン交換基を含んでおり、
    ・第二の分岐が、第一の分岐の陽イオン交換基から1〜7原子の距離に1以上の水素結合原子を含む基からなり、該水素結合原子が、ヘテロ原子、sp−及びsp2−混成炭素、並びにハロゲンから選択される
    ことを特徴とする陽イオン交換体。
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