JP4642270B2 - 簡易棚 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、簡易棚に関し、詳しくは、高さを調整することが可能な合成樹脂製の簡易棚に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、物品を収容するための棚として、一旦組み付けたら、そのままの姿勢で使用される固定式のもの、あるいは、使用しないときは、棚板、脚などに分解して、コンパクトに保管できるものなどが知られている。
このうち、分解可能な簡易棚は、合成樹脂から形成されたものが多く、それらの棚は、スチール製の棚に比べて軽量であるとともに、一段ずつ組みつけていくので、必要に応じて何段にも増やすことができるといった利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このように分解・組立が可能な合成樹脂製の簡易棚であっても、倉庫などの保管場所から取り出してきて、再び組み立てることは、時間的に手間がかかるという問題があった。また、従来の簡易棚は、使用する姿勢か、使用しない姿勢かの二通りしかないため、大きな簡易棚では、小さな物品を収納しようとする場合の使用勝手が悪かった。
【0004】
本発明は、このような実情に鑑み、合成樹脂製の簡易棚であって、保管のために背を低くしたときであっても、小さな物品を収納することができ、また使用しない場合に保管のための手間がかからない簡易棚を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためのスタッキングおよびネスティングが可能な簡易棚は、
底壁部と一対の端壁部と一対の側壁部とにより、開口縁のフランジ部に向かって外に広がるように傾斜した略矩形状の棚素材が構成されるとともに、
前記一対の側壁部に、該側壁部の外面より突出し該側壁部のフランジ部上に係止されるべき支脚部と、該支脚部が嵌入可能なポケット部とからなる嵌合の組が、点対照となる位置に4組形成されており、
前記2つの棚素材を同一向きで上下に嵌合させた時には、上位に位置する一方の棚素材の各支脚部が下位に位置する他方の棚素材のフランジ部上に配置されるとともに、
前記一方の棚素材を前記他方の棚素材に対し180°異なる向きで上下に嵌合させた時には、前記一方の棚素材の各支脚部が前記他方の棚素材の各ポケット部内に嵌合される棚素材において、
前記一対の端壁部を、額縁状に開口させて形成したことを特徴としている。
【0006】
このような構成であれば、非使用時にこれまでのように棚板、脚などの各構成要素に分解し、倉庫などに納めるのではなく、使用場所で収納容積を小さくすることができる。また、通常の使用状態ではない非使用状態であっても、小さな物品を収納することができる。
ここで、本発明では、前記一対の端壁部に形成した開口付近の底面に断面略三角形のコーナー材を一体に配設することもできる。
【0007】
このような構成であれば、内部に収容した物品の滑落等を防止できるとともに、物品の出し入れも容易になる。
また、本発明は、前記棚素材の内部にコンテナが収納可能であるとともに、このコンテナを収納した状態で、前記2つの棚素材を180°異なる向きで上下に嵌合させた時に、ネスティング嵌合できることが好ましい。
【0008】
このような構成であれば、コンテナを収容する簡易棚として好ましく使用することができる。
また、前記コンテナが折り畳みコンテナであることが好ましい。
このような構成であれば、折り畳みコンテナを収容するのに好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例について説明する。
図1は本発明の一実施例によるスタッキングおよびネスティングが可能な簡易棚を示したもので、全体として10で示している。
この簡易棚10は、底壁部11と、該底部11の周縁部から立設される一対の端壁部12,13と、一対の側壁部14,15とから略矩形の棚素材16が構成され、この棚素材16が簡易棚10の基本形状とされている。そして、この棚素材16から、一対の端壁部12,13を額縁状にしたことで、本実施例の簡易棚10が形成されている。したがって、この簡易棚10では、端壁部12,13の主壁面が存在せず、ここに、物品を出し入れするための大きな開口A,Aが形成されている。
【0010】
また、このような簡易棚10の開口縁には、フランジ部12a,13a,14a,15aが連続して形成されているが、これらフランジ側の開口縁は、底壁部11に対して、若干、外に広がるように傾斜して形成されている。
このように形成された簡易棚10の一方の側壁部14の外方には、該側壁部14の外面より突出して、大きさの異なる支脚部21a、21bが形成されている。なお、これらの支脚部21a、21bは、簡易棚10の略半分の深さを有している。また、側壁部14の外方から見て支脚部21a、21bの左側には、それぞれポケット部22a、22bが形成されている。そして、これらポケット部22a、22bは、側壁部14の内壁が外側に膨出されて形成されている。また、ポケット部22a、22bは、側壁部14の略半分の高さを有している。これに対し、他方の側壁部15には、側壁部14の外方から見て支脚部23a、23bの左側に、それぞれポケット部24a、24bが形成されている。
【0011】
このように形成された複数の支脚部およびポケット部のうち、支脚部21aとポケット部24bとは、互いに嵌合の組を構成しており、同じく、支脚部23aとポケット部22bとも、嵌合の組を構成している。また、支脚部21bとポケット部24a、支脚部23bとポケット部22aとも、それぞれ嵌合の組を構成している。すなわち、これら嵌合の組同士は、底壁面11の平面視において、中心点Oを中心に、それぞれ点対称の位置にある。
【0012】
また、支脚部21bと支脚部23bは、支脚部21a、支脚部23aに比べて幅方向に大きく形成されている。また、同様にポケット部22aとポケット部24aは、ポケット部22b、ポケット部24bに比べて、幅方向に大きく形成されている。
このような簡易棚10は、例えば、2つの簡易棚10を2個用意して、例えば、図2に示したように、1つの簡易棚10の上に他の簡易棚10を同一の方向で重ね合わせると、背を高くしていわゆるスタッキングの姿勢で嵌合される。なお、以下においては、上下に配置された簡易棚10,10のうち、上位のものには、「’」をつけて説明する。
【0013】
すなわち、同一方向で上下に重ね合わせたときに、下位の簡易棚10の側壁部14上では、そのフランジ部14aに、上位の支脚部21a’、21b’が支持され、他方の側壁部15上では、そのフランジ部15bに、同じく支脚部23a’、23b’が支持される。したがって、上位の簡易棚10’は、4つの隅角部で支持されるため、全体が安定した姿勢で保持される。このようにして、上下2段の簡易棚10’,10が構成される。このようにして、高さ方向に簡易棚10’を増やしていくことにより、3段、4段と棚の数を増やしていくことができる。
【0014】
一方、図3に示したように、簡易棚10の上に他の簡易棚10’を重ねるに際し、上位の簡易棚10’を水平方向に180°回動させて異なる方向で重ね合わせていくと、上述した、嵌合の組同士が互いに嵌りあい、これにより背が低く収容される。
すなわち、下位の簡易棚10のポケット部22aに、嵌合の組を構成する上位の支脚部23b’が嵌合され、同じくポケット部22bに支脚部23a’が嵌合され、ポケット部24aに支脚部21b’が、ポケット部24bに支脚部21a’がそれぞれ嵌合される。
【0015】
したがって、図3に示したように、2つの簡易棚10,10’がネスティング嵌合されることにより、高さ方向の嵩を小さくすることができる。しかも、上位の簡易棚10’は、下位の簡易棚10内に半分の高さ程、収納されるので、落下の恐れも無く安定した姿勢で重ねることができる。このように、上位の方向に、180°向きを変えながら3段、4段と簡易棚10’を重ねていけば、全体の背を低くすることができる。
【0016】
さらに、本実施例では、互いに対向する一対の側壁部14,15に、一対のポケット部と支脚部とからなる嵌合の組を4組設け、このうち幅の広い支脚部は、幅の狭いポケット部に嵌入不能となるように設定しており、しかも幅の広い支脚部を、幅の狭い支脚部より隅部寄りに配しているので、スタッキング嵌合する際には、上位の簡易棚10’の支脚部を、下位の簡易棚のポケット部内に落ち込ませることなく嵌合させることができる。
【0017】
このように、本実施例によれば、簡易棚10が、これまでのスチール製の棚のように棚板あるいは四隅の脚などのように、各構成要素に分解されて構成要素ごとに収納されるのものではない。すなわち、本発明では、箱形状を保ちながら一つの簡易棚を高さ方向に何段にも重ねて使用姿勢をとり、非使用時には、ネスティング姿勢で保管できる構成であるので、使用時に、所望とする高さの簡易棚を容易に構成することができる。
【0018】
このような簡易棚は、例えば、背を高くしたり低くしたりする折り畳みコンテナを効率的に収納することができる。
例えば、図2、図4に示したように、2つの簡易棚10,10’をスタッキング状態に組み付けてあれば、1つの簡易棚10,10’ごとに、折り畳みコンテナ26を1つずつ立て起こした状態で収納することができる。また、図3、図5に示したように、2つの簡易棚10,10’をネスティング状態に組み付けてあれば、1つの簡易棚10,10’ごとに、1つの折り畳みコンテナ26を折り畳んだ状態で収納することができる。したがって、スタッキング嵌合あるいはネスティング嵌合のいずれかの姿勢で、2つの簡易棚10,10’が嵌合されていても、2つの折り畳みコンテナ26,26を、ともに収納することができるので、使い勝手が良い。このように、簡易棚10,10’をネスティング嵌合したときに、折り畳みコンテナ26を狭いスペースに無駄なく収容することができる。
【0019】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されない。例えば、上記実施例では、底壁部11の開口部近傍は平坦に形成されているが、図6に示したように、開口部Aの入口近傍に不用意に折り畳みコンテナ26が滑り落ちることを防ぐリブ30あるいは断面三角形のコーナー材を一体に配設し、これにより物品Mを矢印方向に出し入れする際に先端側を浮き上がらせて、移動の案内を行わすこともできる。このような構成であれば、内部からの物品の滑落を防止できるとともに、物品の出し入れを容易に行うことができる。
【0020】
また、上記実施例では、簡易棚のネスティング時に折り畳みコンテナ26を収容する例を示したが、勿論、簡易棚のネスティング時に空であってもよく、折り畳みコンテナ26は、収納に好ましい物品を、単に例示したものであり、どのような物品を収容しても良いことはいうまでもない。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る簡易棚によれば、簡易棚を使用する場合に、一段ずつ重ねていけば良いので、分解式のものに比べてセットが容易である。また、背を低くしてネスティングの状態で簡易棚を重ね合わせたとしても、その姿勢で背の低い物品を収納することができる。
【0022】
このように、本発明に係る簡易棚は、使用状態の姿勢と、非使用状態の姿勢の二通りの姿勢があり、また非使用状態の姿勢でも物品を収容することができるので、使用勝手が良好である。
また、このような簡易棚は、折り畳みコンテナを収容する簡易棚として好ましく用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例による簡易棚の斜視図である。
【図2】図2は図1の簡易棚をスタッキングしたときの正面図である。
【図3】図3は図1の簡易棚をネスティングしたときの正面図である。
【図4】図4は図2の斜視図である。
【図5】図5は図3の斜視図である。
【図6】図6は本発明の他の実施例による簡易棚の底壁部の一部を示した断面図である。
【符号の説明】
10 簡易棚
11 底壁部
12,13 端壁部
14,15 側壁部
16 棚素材
12a,13a,14a,15a フランジ部
21a,21b,23a,23b 支脚部
22a,22b,24a,24b ポケット部

Claims (4)

  1. 底壁部と一対の端壁部と一対の側壁部とにより、開口縁のフランジ部に向かって外に広がるように傾斜した略矩形状の棚素材が構成されるとともに、
    前記一対の側壁部に、該側壁部の外面より突出し該側壁部のフランジ部上に係止されるべき支脚部と、該支脚部が嵌入可能なポケット部とからなる嵌合の組が、前記底壁部の平面視における中心点を中心として、平面視において点対称となる位置に4組形成されており、
    前記2つの棚素材を同一向きで上下に嵌合させた時には、上位に位置する一方の棚素材の各支脚部が下位に位置する他方の棚素材のフランジ部上に配置されるとともに、
    前記一方の棚素材を前記他方の棚素材に対し180°異なる向きで上下に嵌合させた時には、前記一方の棚素材の各支脚部が前記他方の棚素材の各ポケット部内に嵌合される棚素材において、
    前記一対の端壁部を、額縁状に開口させて形成したことを特徴とする簡易棚。
  2. 前記一対の端壁部に形成した開口付近の底面に断面略三角形のコーナー材を一体に配設したことを特徴とする請求項1に記載の簡易棚。
  3. 前記棚素材の内部にコンテナが収納可能であるとともに、このコンテナを収納した状態で、前記2つの棚素材を180°異なる向きで上下に嵌合させた時に、ネスティング嵌合できることを特徴とする請求項1または請求項2記載の簡易棚。
  4. 前記コンテナが折り畳みコンテナであることを特徴とする請求項3に記載の簡易棚。
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