以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図23は本発明をアレンジボール機として具現化した一実施形態を例示している。図1〜図8において、1は外枠で、その前側には、前枠2が、左右一端側に設けられた上下一対のヒンジ3を介して開閉自在に枢着されている。4はガラス扉、5は前面板で、これらは前枠2の窓孔6に対応して上下に配置され、前枠2に開閉自在に枢支されている。前枠2の下部には、左右方向の中央部に下皿7が装着され、この下皿7の左右に灰皿8と発射手段9の発射ハンドル10とが夫々装着されている。
前面板5はステンレス板等の板金製であって、図3、図4等に示すように、ガラス扉4の下側にヒンジ5aにより開閉自在に装着されている。前面板5には、その前側に発射用の遊技球を貯留する上皿(供給皿)11が装着され、また裏側には、上皿11内の遊技球を発射手段9側に供給する球送り手段13と、遊技球のガラス扉4側への衝突を防止する案内羽根14と、これらを支持する合成樹脂製の支持ケース15とが装着されている。
上皿11は、前面板5の左右方向一端側、例えば左側に設けられた払い出し口5bを介して払い出された遊技球を、他端側、例えば右側の発射手段9側に案内すべくその底壁が緩やかな傾斜状に形成されており、図3、図5等に示すように、その下流側の整列部11aにおいて遊技球を一列状に整列させつつ球送り手段13に供給するようになっている。
前面板5には、整列部11aの下流端側で且つ球送り手段13の前側に対応して前後方向に遊技球通過可能な貫通孔5cが形成されており(図6参照)、整列部11aに沿って流下した遊技球はこの貫通孔5cを介して後側の球送り手段13側に案内される。
また、整列部11aの下流端側には、底壁に下皿7側に連通する開閉可能な球抜き口11bが形成されており、球抜き操作レバー11cが操作されてこの球抜き口11bが開放されることにより、上皿11内の遊技球が順次下皿7側に案内されるようになっている。
16は遊技盤で、前枠2の窓孔6に対応するように、前枠2の裏側の遊技盤装着枠17に裏側から着脱自在に装着され、窓孔6の下部側で前枠2の裏側に装着された下セット板18により下側から支持されている。
遊技盤16の前面には、図1に示すように、ガイドレール21が環状に配設されると共に、このガイドレール21の内側の遊技領域22には、その下部に入球口手段23が配置され、また入球口手段23の上側に図柄表示手段24、可変入球手段25、増加入球手段26、始動ゲート27、作動入球手段28,29、普通入球手段30,31等の各種遊技部品が配置されている。
入球口手段23には、複数個、例えば16個の下部入球口32が横一列状に設けられており、遊技盤16に沿って遊技領域22の下部まで落下してきた遊技球は、これら複数の下部入球口32の何れかに入球し、各下部入球口32に対応して設けられた下部入球検出スイッチ32a(図10)により検出された後、遊技盤16の裏側へと案内されるようになっている。
また、例えばこの入球口手段23の前側には、入球表示手段33と得点表示手段34とエラー表示手段35とが設けられている。入球表示手段33は、各下部入球口32に対応してその下側等に配置された複数個(例えば16個)の表示部33aを備え、下部入球口32に遊技球が入球したときに、その下部入球口32に対応する表示部33aが発光等の特定表示に変化して入球を表示する。
単位ゲーム中に、例えば連続する4個の表示部33aが発光状態となるなど、特定表示となった表示部33aが予め定められた組み合わせとなって入賞役が成立した場合には、その組み合わせの難易度等に応じて所定数の遊技球が賞球として払い出されるようになっている。
得点表示手段34は、特定表示となった表示部33aが予め定められた組み合わせとなって入賞役が成立したときにその組み合わせの難易度等に応じて付与される得点をゲーム毎に表示するためのもの、エラー表示手段35は、各種エラーの発生をそのエラーの種類に応じた番号等により報知するためのもので、夫々7セグメント式その他の表示素子により構成されており、例えば入球表示手段33の下側に左右に隣接して配置されている。
入球口手段23の上側近傍の遊技領域22には、下部入球口32によって遊技球が入球し易い箇所と入球し難い箇所とができるように、多数の遊技釘36が配置されている。
図柄表示手段24は、例えば液晶式の表示手段により構成されており、遊技球が始動ゲート27を通過することを条件に、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の遊技図柄24a〜24cが所定時間変動して停止するようになっている。遊技図柄24a〜24cには、数字図柄、アルファベット図柄、キャラクター図柄、その他の図柄を使用可能である。
可変入球手段25は、図柄表示手段24の変動後の3個の遊技図柄24a〜24cが特定態様(例えば全てが「7・7・7」等のように同種図柄となる等の特定図柄の組み合わせ)となった場合に所定単位ゲーム数(例えば3ゲーム)経過又は遊技球が所定個数(例えば1個)入球するまで開放する開閉板37を備え、その内部が複数個、例えば3個の通路に区画されており、そのうちの1個、例えば中央の通路が特定領域38に設定されている。特定領域38を遊技球が通過すると、作動入球手段28,29が有効となる。
可変入球手段25には、遊技球の入球を検出する可変入球検出スイッチ25a(図10)と、入球した遊技球が特定領域38を通過したことを検出する特定検出スイッチ39とが設けられている。なお、可変入球手段25は、変動後の遊技図柄24a〜24cが特定態様となった場合に開閉板37を所定時間開放するようにしてもよい。
増加入球手段26は、遊技球が入球したときにそのゲームで獲得した得点を増加させるためのもので、有効状態にある作動入球手段28,29に遊技球が入球することを条件に所定単位ゲーム数(例えば1ゲーム)経過又は遊技球が所定個数(例えば1個)入球するまで開放する開閉爪40を備え、この増加入球手段26に遊技球が入球したときにそのゲームで獲得した得点を増加(例えば2倍)させるようになっている。増加入球手段26には、遊技球の入球を検出する増加入球検出スイッチ26aが設けられている。なお、増加入球手段26は、有効状態にある作動入球手段28,29に遊技球が入球することを条件に開閉爪40を所定時間開放するようにしてもよい。
下部入球口32、可変入球手段25、増加入球手段26以外の入球手段、即ち作動入球手段28,29、普通入球手段30,31にも、遊技球の入球を検出する作動入球検出スイッチ28a,29a、普通入球検出スイッチ30a,31aが設けられている(図10)。
また、下部入球口32以外の入球手段、即ち作動入球手段28,29、普通入球手段30,31、可変入球手段25、増加入球手段26が遊技球を検出した場合には、夫々予め定められた1又は複数の所定の表示部33aが特定表示に変化して、それら1又は複数の表示部33aに対応する下部入球口32への入球と同等に取り扱われるようになっている。
遊技盤16の裏側には、図2に示すように、図柄表示手段24等の遊技部品を裏側から覆う裏カバー41が装着されている。裏カバー41の裏側には、主制御基板42を収納する主基板ケース43、ランプ表示制御基板44を収納するランプ表示基板ケース45、音声制御基板46を収納する音声基板ケース47等が着脱自在に装着されている。また、裏カバー41の下部には、集球カバー(図示省略)が一体に設けられており、各入球手段に入賞して遊技盤16の裏側に案内された遊技球はこの集球カバーで1箇所に集められた後、所定の排出通路を経て島側に回収されるようになっている。
遊技盤装着枠17は門形状であって、前枠2の窓孔6に沿って前枠2の裏側に固定され、この遊技盤装着枠17の下端部間に、前面板5の裏側に対応するように下セット板18が前枠2の裏側に固定されている。遊技盤装着枠17には、遊技盤16を裏側から押圧して固定するように、裏機構板51が上下一対のヒンジ52により開閉自在に枢着され、締結具53により遊技盤装着枠17に締結されている。
裏機構板51には、図2に示すように、その中央部に裏カバー41が嵌合する開口部54が形成され、この開口部54の上側に遊技球タンク55とタンクレール56が、左右一側に払い出し手段57が、下側に通路ユニット58と設置部59とが夫々設けられており、後述の払い出し制御基板60からの払い出し要求に基づいて遊技球タンク55内の遊技球をタンクレール56を経て払い出し手段57により払い出し、その遊技球を通路ユニット58を経て上皿11等に案内するようになっている。
設置部59には、払い出し制御基板60を収納する払い出し基板ケース61と、電源基板62を収納する電源基板ケース63とが裏側から着脱自在に取り付けられている。
下セット板18は合成樹脂製であって、遊技盤16を下側から支持する遊技盤支持部64(図6)、ファール球を下皿7側に案内するファール球案内通路65(図1)等が設けられており、またその前面側には発射手段9の発射レール12が装着されている。ファール球案内通路65には、そのファール球案内通路65を通過するファール球を検出するファール球検出スイッチ66が設けられている。
発射手段9は、図1,図6,図7等に示すように、発射レール12と、発射動作に同期して上皿11側の遊技球を発射レール12上に1個ずつ供給する球送り手段13と、揺動自在に支持された打撃槌73と、球送り手段13の球送り動作を打撃槌73の動作に連動させる球送り連動部材74と、打撃槌73を所定方向(反時計方向)に弾性付勢する発射バネ手段(図示省略)と、打撃槌73を駆動する発射駆動モータ76等を備え、遊技者により発射ハンドル10が操作されることに基づいて、発射駆動モータ76が打撃槌73を発射バネ手段のバネ力に抗して揺動駆動することにより、その揺動動作に同期して球送り手段13により発射レール12上に1個ずつ供給される遊技球を打撃して、単位ゲーム毎に規定数(例えば16個)の遊技球を発射レール12に沿って遊技領域22側に発射させるようになっている。
また、発射手段9の作動制御を行う発射制御基板77は、図2に示すように、発射制御基板ケース78に格納された状態で発射駆動モータ76の背面側等の適宜箇所に装着されている。
発射レール12は、図7に示すように、断面略M型に折り曲げて成形された板金製であって、下セット板18の前側に装着された発射レール装着板81の前側に、発射方向の下流端側が上流端側よりも高くなるように傾斜した状態で例えばネジ止め等により着脱自在に固定されている。
また、発射レール装着板81の前側には、発射レール12の上流端側に対応してその上側近傍に発射球ストッパー82が装着されている。発射球ストッパー82は、例えば合成樹脂製で、前後方向厚さが発射レール12と略等しい正面視三角形状に形成されている。
発射球ストッパー82は、その底面82aと発射レール12との間に遊技球の直径よりも若干小さい隙間を形成するように配置されており、発射レール12上に供給された遊技球は、発射レール12の上流端側の発射待機位置Paにおいてその上端側を発射球ストッパー82の底面82aの下流側端縁に当接した状態で保持されるようになっている。
また、発射球ストッパー82には、その下流側傾斜面にスイッチ装着部83が一体に形成されており、そのスイッチ装着部83に、発射検出スイッチ(発射検出手段)84が着脱自在に装着されている。発射検出スイッチ84は、例えば磁気感応型の近接スイッチにより構成されており、その検出部84aが発射待機位置Pa上の遊技球の上側に近接するように配置されている。
球送り手段13は、図6〜図8等に示すように、内部に形成された略縦向きの球誘導通路91と、この球誘導通路91の上部側で上皿11側に開口する球誘導口92と、球誘導通路91の下部側で発射レール12側に開口する球供給口93とが形成された球送りケース94を備え、この球送りケース94の上部側に、球誘導通路91内を通過する遊技球を検出する球送り検出スイッチ(球送り検出手段)95が設けられ、球送りケース94内に、球誘導通路91内を落下する遊技球を受けて下降動作時にその遊技球を球供給口93から発射レール12上に供給する球受け部材96と、この球受け部材96に連動して昇降し且つその昇降動作により球誘導口92側の遊技球を球誘導通路91を経て1個づつ球受け部材96側に送る球送り部材97とが設けられ、球受け部材96に、球送りケース94の外部で発射動作に連動して球受け部材96を上下に揺動させるための連動部材98が設けられている。
球送りケース94は、上下方向に長い矩形板状の偏平なベース101と、このベース101の裏側に着脱自在に結合されたカバー102とを有し、ベース101の上部側に球誘導口92が、カバー102の下部側に球供給口93が、夫々設けられており、球誘導口92を前面板5の貫通孔5cに一致させた状態でベース101が前面板5の裏側に着脱自在に固定されている。
また、カバー102は、別体に形成されたカバー本体部103と装着部材104とで構成されている。装着部材104は、カバー本体部103の左右方向略中央の上部側に後側から装着可能であり、カバー本体部103とベース101とで前後に挟まれた状態で固定されるようになっている。
カバー102には、その後壁102aの上部に、前側、即ち球誘導通路91内に向けて突出する突起部105が例えば一体に設けられている。この突起部105は、球誘導通路91の上流端側、即ち球誘導口92の後側に対応して設けられている。
球送り検出スイッチ95は、例えば通過型フォトセンサで、左右一対の縦部材95a,95aと、それら縦部材95a,95aの上部側を連結する横部材95bとで略門型状に形成されており、球誘導通路91の左右両側に対応して球送りケース94の上部側に開口状に設けられた一対のセンサー装着部106,106に縦部材95a,95aを上側から挿入した状態で固定されている。なお、センサー装着部106,106は、ベース101と、その後側の装着部材104との間に形成されている。
球送り検出スイッチ95は、縦部材95a,95aの下部側に投光部107aと受光部107bとが互いに対向して設けられている。この投光部107aと受光部107bとは、
その光路が球誘導通路91内の最上流側、即ち球誘導口92の後側を左右方向に略水平に通過するように配置されている。
球受け部材96は、球誘導通路91の下端部側に前後方向に配置されると共に、球送りケース94側の軸受け部108に嵌合する前端側左右方向の枢軸109により上下方向揺動自在に枢支されており、上昇状態の時に球供給口93を閉鎖し、その上昇状態から枢軸109廻りに揺動して下降状態となったときに、その上側の球送り部材97内に保持されていた1個の遊技球を球供給口93を経て発射レール12上に案内するようになっている。
球受け部材96は、ベース101側からカバー102の背面側と略同程度まで球送りケース94の後方に向けて突出され、その突出側に連動部材98が固定されている。なお、球受け部材96は、下降状態の時に前端側下部がベース101の背面側に当接して、その上の遊技球が発射レール12側に転がり易くなるように後下がりに若干傾斜するようになっている。以下の説明では、球受け部材96が下降した状態(図6(a))を「球送り実行状態」、球受け部材96が上昇した状態(図6(b))を「球送り準備状態」という。
連動部材98は、球受け部材96を枢軸109廻りに下方に付勢する重錘を兼用するように金属製のピンにより構成されており、球受け部材96から左右方向の一側方に突出し、その先端側に略円錐状のコロ110が回転自在に套嵌されている。この連動部材98の重みにより、球送り手段13は通常状態では「球送り実行状態」に保持される。
球送り部材97は、遊技球が通過し得るだけの間隔で配置される左右一対の昇降側板111と、この両昇降側板111間の上部側に配置される球止め部112と、両昇降側板111を上下中央の前側で連結する球受け部113と、球止め部112と球受け部113との間に形成された球案内口114と、各昇降側板111の上端から左右外側方に突出する一対の突起115とを備えている。球送り部材97は、球受け部材96の上下揺動に連動して昇降するように、その突起115が球送りケース94側の摺動受け部116により上下摺動自在に支持案内され、各昇降側板111の下端部が球受け部材96にその前後中央部の左右両側で連結軸117により枢支連結されている。なお、摺動受け部116は、カバー本体部103と装着部材104との間に上下方向に形成されている。
球止め部112は、左右の昇降側板111を上部側で連結する上部連結部118から前向きに突設され、その先端側は球誘導口92内又はその近傍に位置しており、球送り部材97が下降状態にある「球送り実行状態」(図6(a)参照)では球誘導口92の略中央に位置して上皿11側の遊技球を球誘導口92の上流側で規制することにより上皿11側から球誘導口92内への遊技球の流入を阻止し、球送り部材97が上昇状態にある「球送り準備状態」(図6(b)参照)では球誘導口92の周辺部、例えば上部側に待避して上皿11側から球誘導口92内への遊技球の流入を許容するようになっている。
なお、球止め部112及び上部連結部118は、移動中に球送り検出スイッチ95の光路を遮ることのないように、それらの移動経路が球送り検出スイッチ95の光路よりも上側及び後側になるように設けられている。即ち、球止め部112は、その先端側を球誘導口92側に突出させた状態で球誘導通路91内の球送り検出スイッチ95の光路から外れた位置に配置されている。
球受け部113は、球送り部材97が上昇状態にある「球送り準備状態」(図6(b))では球誘導口92の下縁部と略同じ高さ位置となり、球送り部材97が下降状態にある「球送り実行状態」(図6(a))では球誘導口92の下縁部よりも下側に大きく待避するように設けられている。
「球送り準備状態」で球受け部113が球誘導口92の下縁部と略同じ高さ位置となったとき、球誘導通路91はその球受け部113により狭められて遊技球が通過不可能な状態となり、球誘導口92を介して球誘導通路91内に流入した遊技球は、球案内口114内で、その下側を球受け部113により、後側を球送りケース94側の突起部105により夫々支持された状態で保持されると共に、球送り検出スイッチ95の光路を遮断するようになっている(この状態での遊技球の保持位置を球送り検出位置Pbとする)。なお、この球送り検出位置Pbは、球誘導口92の下流側近傍に配置されており、「球送り準備状態」では、この球送り検出位置Pbに保持された1個の遊技球のみが球誘導口92の内側に収容されるようになっている。
また、「球送り実行状態」で球受け部113が球誘導口92の下縁部よりも下側に待避したとき、球受け部113により狭められていた球誘導通路91が広がって遊技球が通過可能な状態となり、球送り検出位置Pbにあった遊技球は球受け部材96側に落下して、球供給口93を介して発射レール12上に供給される。またこのとき、球送り検出位置Pbにあった遊技球の次の遊技球は、球誘導口92の略中央まで降下してきた球止め部112により球誘導口92の手前で規制される。
なお、球受け部113の上部側は、球誘導口92側からの遊技球を下流側に案内すべく、例えば後ろ向きの傾斜状に形成されている。
打撃槌73は、例えばその長手方向の中間位置において前後方向の揺動軸121廻りに揺動自在に支持され、発射駆動モータ76により発射バネ手段のバネ力に抗して反時計方向に所定角度回転された後(以下、この反時計方向への揺動動作を発射準備動作という)、その駆動力が解除されることにより高速で時計方向に回転して(以下、この時計方向への揺動動作を発射動作という)、その先端側の槌部122が発射待機位置Paの遊技球を発射レール12に沿って打撃するようになっている。また、打撃槌73には、例えば揺動軸121と槌部122との中間部分に、その揺動時に球送り連動部材74を押して揺動させるための球送り駆動部123が装着されている。
球送り連動部材74は、図7等に示すように、駆動アーム124と被駆動アーム125とで正面視略L字型に形成され、その屈曲部分において、例えば発射レール装着板81の下部側に、前後方向の固定軸126により揺動自在に枢支されている。球送り連動部材74は、打撃槌73が時計方向に揺動駆動されたとき、被駆動アーム125が球送り駆動部123に押されて反時計方向に揺動し、それによって駆動アーム124が連動部材98のコロ110を上向きに押し上げるようになっている。
続いて、図9を参照しつつ、発射手段9の発射動作とそれに伴う球送り検出スイッチ95及び発射検出スイッチ84の検出動作について具体的に説明する。
(a)待機状態(図9(a))
遊技者が発射ハンドル10を操作していない場合等、発射手段9による発射動作が行われていない待機状態では、図9(a)に示すように、打撃槌73は槌部122が発射待機位置Paにある状態で停止している。このとき、発射レール12上に遊技球が乗っている場合でも、その遊技球は槌部122に押されて発射待機位置Paよりも下流側にあるため、発射検出スイッチ84はその遊技球を検出していないOFF状態となっている。
また、打撃槌73の球送り駆動部123は球送り連動部材74を押していないので、球送り手段13は球受け部材96と球送り部材97とが下降状態にある「球送り実行状態」となっており、球止め部112が球誘導口92の略中央に位置して上皿11側から球誘導口92内への遊技球の流入を阻止しているため、球送り検出スイッチ95は投光部107aから受光部107bへの光路が遊技球によって遮断されていないON状態(遊技球非検出状態)となっている。
(b)槌部122を引き始めた瞬間(図9(b))
発射手段9が作動して打撃槌73が「発射準備動作」を開始すると、槌部122が発射待機位置Paから待避するため、発射レール12上に遊技球が乗っている場合には、その遊技球が発射待機位置Paまで移動して、発射検出スイッチ84はその遊技球を検出してONとなる。なお、発射レール12上に遊技球が乗っていない場合には、打撃槌73が 「発射準備動作」を開始しても発射検出スイッチ84はOFF(遊技球非検出状態)のままである。
(c)槌部122を引ききった瞬間(図9(c))
「発射準備動作」が進んで槌部122が徐々に後側に引かれると、その過程で球送り連動部材74の被駆動アーム125が球送り駆動部123に押されて揺動し、それによって駆動アーム124が連動部材98のコロ110を上向きに押し上げる。そして、打撃槌73の「発射準備動作」が終了して槌部122が引ききられた状態になると、球送り手段13は球受け部材96と球送り部材97とが上昇状態にある「球送り準備状態」となる。
球送り手段13が「球送り準備状態」になると、球止め部112が球誘導口92の上部側に待避するため、上皿11側の遊技球が球誘導口92内へ流入する。また、「球送り準備状態」では、球受け部113が球誘導口92の下縁部と略同じ高さ位置となるため、球誘導通路91はその球受け部113により狭められて遊技球が通過不可能な状態となり、球誘導口92を介して球誘導通路91内に流入した遊技球は球送り検出位置Pbで保持された状態となる。遊技球がこの球送り検出位置Pbにくると、球送り検出スイッチ95の投光部107aから受光部107bへの光路を遮断するため、球送り検出スイッチ95はOFF(遊技球検出状態)となる。
このように、球送り手段13は、発射手段9の発射動作に同期してまず「球送り準備状態」となって、上皿11側からの遊技球の流入を許容すると共に内部に流入した1個の遊技球を球送り検出スイッチ95により検出可能な球送り検出位置Pbで保持するため、球送り検出スイッチ95により遊技球を安定的且つ確実に検出することができる。
(d)槌部122が遊技球を打つ直前(図9(d))
打撃槌73が「発射準備動作」に続いて「発射動作」を開始すると、球送り駆動部123に押されていた球送り連動部材74が元の位置に復帰するため、連動部材98が降下し、
槌部122が遊技球を打つ直前には、球送り手段13は球受け部材96と球送り部材97とが下降状態にある「球送り実行状態」となる。
球送り手段13が「球送り実行状態」になると、球受け部113が球誘導口92の下縁部よりも下側に待避し、球送り検出位置Pbにあった遊技球は球受け部材96側に落下して、球供給口93を介して発射レール12側に案内されるが、槌部122が遊技球を打つ時点では発射レール12上に乗る直前の宙に浮いた状態となる。また、それと同時に球止め部112が次の遊技球が球誘導口92の略中央まで降下するため、続く遊技球はこの球止め部112により球誘導口92の手前で規制される。これにより、球送り検出位置Pbに遊技球がない状態となり、球送り検出スイッチ95は投光部107aから受光部107bへの光路が遊技球によって遮断されていないON状態(遊技球非検出状態)に復帰する。
このように、球送り手段13は、「球送り準備状態」の後に「球送り実行状態」に移行して、上皿11側からの後続の遊技球の流入を阻止すると共に球送り検出位置Pbで保持されていた遊技球を発射レール12側に案内するため、遊技球を1個ずつ確実に検出し且つ発射レール12側に案内できる。
(e)槌部122が遊技球を打った直後(図9(e))
打撃槌73の「発射動作」の最終段階で槌部122が発射待機位置Paの遊技球を打撃すると、発射検出スイッチ84はOFF状態(遊技球非検出状態)となる。また、遊技球が発射された直後に、次の遊技球が球送り手段13側から発射レール12上に落下して、(a)と同様の状態となる。
図10は本実施形態に係るアレンジボール機の制御系のブロック図である。この制御系は、制御機能別に主制御基板42、払い出し制御基板60、発射制御基板77、図柄制御基板130、音声制御基板46、ランプ表示制御基板44等を備えている。なお、図柄制御基板130は、例えば図柄表示手段24の裏側等に装着されている。
主制御基板42は、主として遊技盤16側の遊技動作を制御するもので、CPU、ROM、RAM等の電子部品により構成される乱数発生手段131、判定手段132、特別遊技状態発生手段133、入球表示要求手段134、得点付与手段135、遊技管理処理手段136、エラー管理処理手段137、制御コマンド送信手段138、入球数カウント手段139等を備えている。
乱数発生手段131は、変動後の遊技図柄24a〜24cが特定態様となる確率に応じて所定数の乱数値を繰り返し発生するようになっている。判定手段132は、乱数発生手段131から抽出した乱数値に基づいて遊技者に有利な特定遊技状態と不利な非特定遊技状態との何れにするかを択一的に選択し判定するためのもので、遊技球が始動ゲート27を通過することを条件に乱数発生手段131の発生乱数値を1個抽出して、その抽出乱数値が特定遊技判定乱数値のときに特定遊技状態とする旨を判定するようになっている。
判定手段132が特定遊技状態と判定したときには、図柄表示手段24の変動後の遊技図柄24a〜24cが「7・7・7」等の特定態様で停止した後に、可変入球手段25の開閉板37が所定単位ゲーム数(例えば3ゲーム)経過又は遊技球が所定個数(例えば1個)入球するまで開放するようになっている。
特別遊技状態発生手段133は、可変入球手段25に入球した遊技球が特定領域38を通過することを条件に遊技者に有利な特別遊技状態を発生し、その後に最大所定ゲーム数(例えば14ゲーム等の複数ゲーム)の結果が得られるまで特別遊技状態を継続的に発生するようになっている。なお、可変入球手段25に入球した遊技球が再度特定領域38を通過した場合には、特別遊技状態発生手段133の作動はその時点で終了する。
特別遊技状態では作動入球手段28,29が有効になり、この作動入球手段28,29に遊技球が入球すれば増加入球手段26の開閉爪40が所定単位ゲーム数(例えば1ゲーム)経過又は遊技球が所定個数(例えば1個)入球するまで開放し、この開放中の増加入球手段26に遊技球が入球することを条件に、そのゲームで獲得した得点が増加(例えば2倍)するようになっている。
入球表示要求手段134は、入球口手段23の下部入球口32、その他の入球手段に遊技球が入球した場合にその入球手段に対応する表示部33aに関する入球表示要求を出力するもので、下部入球検出スイッチ32a等からの検出信号に基づいてその入球手段に対応する1又は複数の表示部33aに関する入球表示要求を出力するようになっている。この入球表示要求手段134から入球表示要求が出力されると、その入球表示要求に対応して入球表示手段33の表示部33aが発光等の特定表示に変化する。
得点付与手段135は、各単位ゲーム毎に入賞役に応じて得点を付与するためのもので、例えば入球表示要求手段134から出力された入球表示要求に基づいて入賞役の成否の判定を行う機能と、入賞役が成立したときにその難易度等に応じて得点を付与する機能と、特別遊技状態の発生中に増加入球手段26に遊技球が入球したときに当該単位ゲームでの得点を増加(例えば2倍)させる機能等を備えている。なお、単位ゲーム当たりの得点は、最高で10点までとなっている。
遊技管理処理手段136は、遊技に関する所定の制御を行うもので、発射制御処理手段141、インターバル制御処理手段142、遊技終了チェック処理手段143等を備えている。
発射制御処理手段141は、単位ゲームにつき規定数の遊技球を遊技領域22に発射させるべく発射手段9による発射動作を制御するもので、所定時間間隔、例えば4m秒毎に発生する定期割り込み時に例えば図11に示す発射制御処理を実行するように構成されている。
発射制御処理手段141による発射制御処理(図11)は例えば次のような手順で行われる。即ち、まず発射球チェック処理(S1)が実行される。この発射球チェック処理は、図12に示すように、大きく分けてS11〜S15の「電源投入時処理」と、S16〜S29の「球送り検出処理」と、S30〜S33の「ファール球処理」とで構成される。
S11〜S15の電源投入時処理では、まず電源投入時フラグの値が5AHであるか否かが判定される(S11)。ここで、電源投入時フラグには、電源投入時に初期値として5AHがセットされるようになっている。
S11において電源投入時フラグの値が5AHであると判定された場合には、続くS12〜S15の処理が実行される。即ち、まず球送りカウント数の値が00Hであるか否かが判定される(S12)。ここで、球送りカウント数は、球送り手段13により発射レール12上に供給された遊技球のカウント数で、球送り検出スイッチ95による遊技球の検出に基づいて後述するS27において01Hずつ加算されるようになっている。
S12において球送りカウント数の値が00Hであると判定された場合には、即ち電源投入後に球送り手段13により発射レール12上に供給された遊技球が未だ0個である場合には、発射検出スイッチ84がON(遊技球検出状態)であるか否かが判定され(S13)、発射検出スイッチ84がON(遊技球検出状態)であれば、球送りカウント数に01Hが加算される(S14)と共に電源投入時フラグに00Hがセットされ(S15)、発射検出スイッチ84がOFF(遊技球非検出状態)であれば、S14,S15の処理をスキップしてS16以降の球送り検出処理に移行する。
一方、S12において球送りカウント数の値が00Hでないと判定された場合には、即ち電源投入後に球送り手段13により発射レール12上に既に1個以上の遊技球が供給された場合には、電源投入時フラグに00Hがセットされた後(S15)、S16以降の球送り検出処理に移行する。
以上説明したS11〜S15の電源投入時処理は、電源投入後、最初の球送り検出スイッチ95による遊技球の検出がある前に発射検出スイッチ84による遊技球の検出があった場合(発射検出スイッチ84の立ち上がりが検出された場合)には、電源投入時に既に発射レール12上に遊技球が存在したものとして、最初の球送り検出スイッチ95による遊技球の検出がある前に予め球送りカウント数に1を加算するものである。
S11〜S15の電源投入時処理が終了すると、続いてS16〜S29の球送り検出処理が行われる。この球送り検出処理を図16のタイムチャートを参照しつつ説明する。まず球送りカウントチェックタイマーの値が00Hであるか否かが判定される(S16)。ここで、球送りカウントチェックタイマーは、球送り検出スイッチ95の検出に関する所定時期から第1経過時間又は第2経過時間を計時するものであり、後述するように、所定のタイミングで第1経過時間に対応する値、又は第2経過時間に対応する値が初期値として設定されると共に時間経過と共にカウントダウンされ、その初期値設定から第1経過時間又は第2経過時間が経過したときに00Hとなる。
なお、第1経過時間は、球送り検出スイッチ95の立ち下がり(検出開始)から立ち上がり(検出終了)までの標準的な時間(例えば70m秒程度)よりも短い値に設定され、また第2経過時間は、球送り検出スイッチ95による立ち上がり(検出終了)から次の立ち下がり(検出開始)までの最短時間(例えば430m秒)から第1経過時間を減算した値よりも短い値に設定される。
S16において球送りカウントチェックタイマーの値が00Hであると判定され、且つS18において球送り検出スイッチ95がOFF(遊技球検出状態)であると判定された場合には、球送り検出フラグの値(S19)が5AHでないことを条件に、球送り検出フラグに5AHがセットされる(S20)と共に球送りカウントチェックタイマーに第1経過時間に対応する値、例えば04Hが初期値としてセットされる(S21)。
ここで、球送り検出フラグは、球送り検出スイッチ95の作動状態に関する値がセットされるもので、球送り検出スイッチ95による遊技球検出中には5AHが、球送り検出スイッチ95による遊技球検出終了後の球送りカウントチェックタイマーによる第1経過時間の計時中にはA5Hが、それら以外の場合には00Hが、夫々セットされるようになっている。
即ち、球送り検出スイッチ95の立ち下がり(検出開始)が検出された場合には、球送りカウントチェックタイマーによる第1経過時間の計時が開始されると共に、球送り検出フラグに5AH(遊技球検出中)がセットされる(図16(a1))。
S16において球送りカウントチェックタイマーの値が00Hでないと判定された場合には、球送りカウントチェックタイマーの値から01Hが減算され(S17)、S30以降のファール球処理に移行する。従って、例えばS21において第1経過時間に対応する04Hがセットされた場合、その後にこの発射球チェック処理が実行される4m秒毎に球送りカウントチェックタイマーの値が01Hずつ減算され、16m秒経過後、即ち第1経過時間の経過後に00Hとなる。
このように、球送り検出スイッチ95の立ち下がり(検出開始)の検出後、第1経過時間(16m秒)が経過するまでの間は、この球送り検出処理においては球送りカウントチェックタイマーの値から01Hが減算される(S17)のみで球送り検出スイッチ95の検出状態等はチェックされないため、球送り検出スイッチ95の立ち下がり時のチャタリングによる誤作動を防止できる。
例えば球送り検出スイッチ95の立ち下がり(検出開始)から第1経過時間(16m秒)が経過し、S16において球送りカウントチェックタイマーの値が00Hであると判定された場合には(図16(a2))、その後にS18において球送り検出スイッチ95がON(遊技球非検出状態)であると判定されるまで、即ち球送り検出スイッチ95の立ち上がり(検出終了)が検出されるまでは、球送り検出フラグに5AH(遊技球検出中)がセットされたままの状態が継続される。
そして、S18において球送り検出スイッチ95がON(遊技球非検出状態)であると判定されると、即ち球送り検出スイッチ95の立ち上がり(検出終了)が検出されると、球送りカウント数の値が判定され(S22)、この球送りカウント数の値が11H未満、即ち規定数(ここでは16個)以下であれば、球送り検出フラグの値がA5H(遊技球検出終了後の第1経過時間の計時中)であるか否かが判定される(S23)。
球送り検出スイッチ95の立ち上がり(検出終了)が検出された時点では、球送り検出フラグの値は5AHとなっているため、S23においては球送り検出フラグの値はA5Hでないと判定され、更にS24において球送り検出フラグの値は5AHであると判定され、球送り検出フラグにA5H(遊技球検出終了後の第1経過時間の計時中)がセットされる(S25)と共に球送りカウントチェックタイマーに第1経過時間に対応する値、例えば04Hが初期値としてセットされる(S26)。
即ち、球送り検出スイッチ95の立ち上がり(検出終了)が検出された場合には、球送りカウントチェックタイマーによる第1経過時間の計時が開始されると共に、球送り検出フラグにA5H(遊技球検出終了後の第1経過時間の計時中)がセットされる(図16 (a3))。その後は、S16において球送りカウントチェックタイマーの値が00Hであると判定されるまで、即ち球送り検出スイッチ95の立ち上がり(検出終了)から第1経過時間(16m秒)が経過するまでは、この球送り検出処理においては球送りカウントチェックタイマーの値から01Hが減算される(S17)のみで球送り検出スイッチ95の検出状態等はチェックされないため、球送り検出スイッチ95の立ち上がり時のチャタリングによる誤作動を防止できる。
球送り検出スイッチ95の立ち上がり(検出終了)から第1経過時間(16m秒)が経過すると、S23において球送り検出フラグの値がA5Hであると判定されるため、球送りカウント数に01Hが加算され(S27)、球送り検出フラグに00Hがセットされる(S28)と共に、球送りカウントチェックタイマーに第2経過時間に対応する値、例えば42Hが新たな初期値としてセットされる(S29)。即ち、本実施形態では、球送り検出スイッチ95の立ち下がり(検出終了)後、第1経過時間が経過した時点で球送りカウント数がカウントされる(図16(a4))。
その後は、S16において球送りカウントチェックタイマーの値が00Hであると判定されるまで、即ち球送りカウント数のカウントから第2経過時間(264m秒)が経過するまでは、この球送り検出処理においては球送りカウントチェックタイマーの値から01Hが減算される(S17)のみで球送り検出スイッチ95の検出状態等はチェックされないため、ノイズ等による誤作動を防止できる。
球送りカウント数のカウントから第2経過時間(264m秒)が経過すると(図16 (a5))、次の球送り検出スイッチ95の立ち下がり待ち状態となり、以後、上述の処理が繰り返される。
なお、S22において球送りカウント数が11H以上、即ち規定数(ここでは16個)を超えていると判定された場合には、その後はS24〜S29の処理がスキップされ、S30以降のファール球処理に移行する。
S16〜S29の球送り検出処理が終了すると、続いてS30〜S33のファール球処理が行われる。このファール球処理では、まず球送りカウント数の値が00Hであるか否かが判定される(S30)。球送りカウント数の値が00Hであれば、ファール球は発生し得ないため、続くS31以降の処理はスキップされ、ここで発射球チェック処理は終了する。
S30において球送りカウント数の値が00Hでなければ、ファール球検出スイッチ66の検出状態がチェックされ(S31)、ファール球が検出された場合には、球送りカウント数から01Hが減算され(S32)、これによって遊技領域22に到達できなかったファール球についてのカウント数が球送りカウント数から除かれると共に、インターバル時間中フラグに00Hがセットされ(S33)、発射球チェック処理は終了する。
ここで、インターバル時間中フラグは、インターバル時間に関する状態がセットされるもので、例えばインターバル時間前には00Hが、インターバル時間中には5AHが、インターバル時間後等にはA5Hがセットされるようになっている。なお、インターバル時間とは、その単位ゲームにおける発射手段9による発射数が規定数に達した時点からその単位ゲーム終了までに経過する必要がある最低限の時間であって、本実施形態では2秒に設定されているものとする。
ファール球が検出された場合には、そのファール球の個数分だけ更に発射を行う必要があるため、既にインターバル時間に入っている場合やインターバル時間を経過している場合でも、そのインターバル時間の経過はなかったものとすべくS33においてインターバル時間中フラグに00Hがセットされる。
発射制御処理(図11)において、以上説明した発射球チェック処理(S1、図12)が終了すると、続いて前回インターバルフラグの値が00Hであるか否かが判定される (S2)。ここで、前回インターバルフラグには、前回の当該発射制御処理時におけるインターバル時間中フラグの値がセットされている(後述するS9参照)。
前回インターバルフラグの値が00H(インターバル時間前)であると判定された場合には、続いてインターバル時間中フラグの値が判定され(S3,S4)、インターバル時間中フラグの値が5AH(インターバル時間中)でもA5H(インターバル時間後等)でもなく00H(インターバル時間前)であれば、前回インターバルフラグにインターバル時間中フラグの値が設定され(S9)、発射制御処理は終了する。
一方、S3,S4においてインターバル時間中フラグの値が5AH(インターバル時間中)又はA5H(インターバル時間後等)であると判定された場合には、入球未確認エラータイマーに所定の初期値、例えば1D4CHがセットされると共に(S5)、制御コマンド送信手段138を介して払い出し制御基板60に対して発射停止コマンドが送信され(S6)、前回インターバルフラグにインターバル時間中フラグの値が設定され(S9)、発射制御処理は終了する。
即ち、インターバル時間が開始されると、入球未確認エラータイマーが計時を開始すると共に、払い出し制御基板60に対して発射停止コマンドが送信されて発射動作が停止される。また、インターバル時間が開始されていない場合であっても、インターバル時間中フラグの値が00HからA5Hに変化した場合(後述のインターバル機能処理において説明する)には、入球未確認エラータイマーが計時を開始すると共に、払い出し制御基板60に対して発射停止コマンドが送信されて発射動作が停止される。
なお、入球未確認エラータイマーの値は、所定時間間隔、例えば4m秒毎に発生する定期割り込み時に所定のタイマー減算処理により0001Hずつ減算され、初期値である1D4CHが設定されてから30秒経過後に0000Hとなる。
S2において前回インターバルフラグの値が00Hでないと判定された場合には、続いてインターバル時間中フラグの値が判定され(S7)、インターバル時間中フラグの値が00H(インターバル時間前)であれば、制御コマンド送信手段138を介して払い出し制御基板60に対して発射再開コマンドが送信され(S8)、前回インターバルフラグにインターバル時間中フラグの値が設定され(S9)、発射制御処理は終了する。
即ち、前回のインターバル時間中フラグが00H(インターバル時間前)でなかったにも拘わらず今回のインターバル時間中フラグが00H(インターバル時間前)であるということは、ファール球が検出されたということであり(S31〜S33参照)、この場合には、払い出し制御基板60に対して発射再開コマンドが送信され、停止されていた発射動作が再開される。
インターバル制御処理手段142は、インターバル時間に関する制御を行うもので、所定時間間隔、例えば4m秒毎に発生する定期割り込み時に例えば図13に示すインターバル制御処理を実行するように構成されている。
インターバル制御処理手段142によるインターバル制御処理(図13)は例えば次のような手順で行われる。即ち、まず球送りカウント数の値が規定数(16個)に対応する10H以上であるか否かが判定される(S41)。球送りカウント数の値が10H未満であると判定された場合にはここでインターバル制御処理は終了する。
球送りカウント数の値が規定数(16個)に対応する10H以上であると判定された場合には、その球送りカウント数の値が規定数(16個)に対応する10Hであるか否かが判定される(S42)。そして、球送りカウント数の値が10Hであれば、続いてインターバル時間中フラグの値が判定される(S43、S44)。
ここで、インターバル時間中フラグの値が5AH(インターバル時間中)でもA5H (インターバル時間後等)でもない、即ち00H(インターバル時間前)であると判定された場合には、発射検出スイッチ84がON(遊技球検出状態)であるか否かが判定され(S45)、発射検出スイッチ84がON(遊技球検出状態)であることを条件に、インターバル時間中フラグに5AH(インターバル時間中)がセットされると共に(S46)、インターバル時間タイマーに所定の初期値、例えば01F4Hがセットされ(S47)、インターバル制御処理は終了する。発射検出スイッチ84がON(遊技球検出状態)でなければS46,S47はスキップされる。
即ち、インターバル時間は、球送りカウント数が規定数(16個)に到達し、更に発射検出スイッチ84がON(遊技球検出状態)となることを条件に開始されるようになっている。
なお、インターバル時間タイマーの値は、所定時間間隔、例えば4m秒毎に発生する定期割り込み時に所定のタイマー減算処理により0001Hずつ減算され、初期値である01F4Hが設定されてから2秒経過後に0000Hとなる。
S43においてインターバル時間中フラグの値が5AH(インターバル時間中)であると判定された場合には、インターバル時間タイマーの値が0000Hであること、即ちインターバル時間の開始から2秒経過したことを条件に(S48)インターバル時間中フラグにA5H(インターバル時間後等)がセットされ(S49)、インターバル制御処理は終了する。
S43,S44においてインターバル時間中フラグの値がA5H(インターバル時間後等)であると判定された場合には、そのままインターバル制御処理は終了する。
また、S42において球送りカウント数の値が規定数(16個)に対応する10Hでない、即ちそれよりも大(17個)であると判定された場合には、インターバル時間タイマーの値が0000Hであることを条件に(S48)インターバル時間中フラグにA5H (インターバル時間後等)がセットされ(S49)、インターバル制御処理は終了する。
通常は、球送りカウント数の値が10H(16個)となった後、11H(17個)になる前にインターバル時間が開始されるため(S43〜S47)、球送りカウント数の値が11H(17個)になった時点ではインターバル時間タイマーの値が0000Hではなく、従ってS49においてインターバル時間中フラグにA5Hがセットされるのは球送りカウント数の値が11H(17個)となってから所定時間経過後である。しかしながら、例えば発射検出スイッチ84による16個目の発射が正しく検出されなかった場合には、インターバル時間が開始されてない状態で球送りカウント数の値が11H(17個)となる。このような場合には、球送りカウント数の値が11H(17個)となった時点でS48においてインターバル時間タイマーの値が0000Hであると判定され、S49においてインターバル時間中フラグにA5Hがセットされるため、次の発射制御処理においてS5,S6の処理が実行され、発射動作が停止される。
遊技終了チェック処理手段143は、単位ゲームの終了に関する処理を行うもので、所定時間間隔、例えば4m秒毎に発生する定期割り込み時に例えば図14に示す遊技終了チェック処理を実行するように構成されている。
遊技終了チェック処理手段143による遊技終了チェック処理(図14)は例えば次のような手順で行われる。即ち、まず全入球数の値が判定され(S51)、全入球数が規定数(16個)に対応する10H未満であればここで遊技終了チェック処理は終了する。なお、「全入球数」は、全ての入球手段25,26,28〜32に入球した遊技球の個数であって、入球数カウント手段139により単位ゲーム毎に計数されるようになっている。
全入球数が規定数(16個)に対応する10H以上であれば、続いて、ゲーム終了確認フラグの値が判定され(S52)、このゲーム終了確認フラグの値が5AH(ゲーム終了確認済み)でないことを条件に、ゲーム終了確認フラグに5AHがセットされ(S53)、入賞図柄確認時間タイマーに所定の初期値、例えば7DHがセットされる(S54)。
続いて、入賞図柄確認時間タイマーの値が00Hであるか否かが判定され(S55)、入賞図柄確認時間タイマーの値が00Hでなければ、入賞図柄確認時間タイマーの値から01Hが減算され(S56)、遊技終了チェック処理は終了する。
S55において入賞図柄確認時間タイマーの値が00Hであれば、即ち全入球数が10Hに達してから所定の入賞確認時間、例えば500m秒が経過した場合には、インターバル時間中フラグの値がA5H(インターバル時間後等)であること、即ち既にインターバル時間が経過していることを条件に、所定の初期化処理(S58)が行われると共に、球送りカウント数から10Hが減算される(S59)。
ここで、初期化処理(S58)では、ゲーム終了確認フラグ、全入球数、インターバル時間中フラグ等の各種フラグに00Hがセットされる等、単位ゲームの終了に際して必要な各種初期化処理が行われる。
また、単位ゲームの終了時点で球送りカウント数が規定数(16個)よりも1個多い17個に対応する11Hである場合には、発射レール12上に遊技球が1個供給された状態でその単位ゲームが終了することとなるが、S59において球送りカウント数から規定数(16個)に対応する10Hが減算されることにより、発射レール12上に遊技球が1個供給された状態で単位ゲームが開始される場合に球送りカウント数のズレを防止できる。
エラー管理処理手段137は、エラーに関する所定の制御を行うもので、入球未確認エラー検出処理手段145等を備えている。
入球未確認エラー検出処理手段145は、入球未確認エラーの検出に関する制御を行うもので、所定時間間隔、例えば4m秒毎に発生する定期割り込み時に例えば図15に示す入球未確認エラー検出処理を実行するように構成されている。
入球未確認エラー検出処理手段145による入球未確認エラー検出処理(図15)は例えば次のような手順で行われる。即ち、まずインターバル時間中フラグと前回インターバルフラグとの論理積の値が判定され(S61)、論理積が00Hであれば、即ちインターバル時間中フラグと前回インターバルフラグとの少なくとも一方が00Hであればここで入球未確認エラー検出処理は終了する。
論理積が00Hでなければ、即ちインターバル時間中フラグと前回インターバルフラグとが共に00Hでなければ、全入球数の値が判定され(S62)、全入球数の値が規定数(16個)に対応する10H以上であれば、入球未確認エラーがOFFにされ(S63)、入球未確認エラー検出処理は終了する。
一方、S62において全入球数の値が規定数(16個)に対応する10H未満であれば、入球未確認エラーがOFFで、且つ入球未確認エラータイマーの値が0000Hであること、即ちインターバル時間が開始されてから所定時間、例えば30秒が経過したことを条件に、入球未確認エラーがONにされ(S64〜S66)、入球未確認エラー検出処理は終了する。
制御コマンド送信手段138は、主制御基板42からの制御指令コマンドを一方向通信によりサブ制御基板44,46,54,60等に送信するためのもので、判定手段132の判定結果に基づいて図柄制御基板130側に図柄制御指令コマンドを送信する機能、特別遊技状態発生手段133による特別遊技状態の発生等の遊技状態に基づいて音声制御基板46、ランプ表示制御基板44側に夫々音声演出、ランプ演出の演出制御指令コマンドを送信する機能、入球表示要求手段134からの入球表示要求に基づいて図柄制御基板130側に入球表示制御コマンドを送信する機能、得点付与手段135の得点付与処理に基づいてランプ表示制御基板44側に得点表示制御コマンドを送信する機能、得点付与手段135の得点付与処理に基づいて払い出し制御基板60側に賞球の払い出し制御コマンドを送信する機能、遊技管理処理手段136による遊技管理処理に基づいて払い出し制御基板60に発射制御コマンド(発射開始コマンド、発射停止コマンド、発射再開コマンド)を送信する機能、遊技管理処理手段136による遊技管理処理に基づいて図柄制御基板130側に入球表示クリアコマンドを送信する機能、遊技管理処理手段136による遊技管理処理に基づいてランプ表示制御基板44側に得点表示クリアコマンドを送信する機能、エラー管理処理手段137のエラー管理処理に基づいてランプ表示制御基板44側に入球未確認エラーコマンド、入球未確認エラー終了コマンド等の各種エラーコマンドを送信する機能等を有する。
払い出し制御基板60は、主制御基板42側から発射開始コマンド又は発射再開コマンドがあったときに発射制御基板77への電源の供給を開始すると共に発射制御信号の出力を開始する機能と、主制御基板42側から発射停止コマンドがあったときに発射制御基板77への電源の供給を停止すると共に発射制御信号の出力を停止する機能と、主制御基板42側から払い出し制御コマンドがあったときに、払い出し手段57を作動させて所定数の賞球を払い出させる機能とを備えている。
発射制御基板77は、払い出し制御基板60から供給される電源及び発射制御信号に基づいて発射手段9の発射制御を行うもので、払い出し制御基板60から発射制御信号の出力が開始され、且つ遊技者が遊技球の発射操作を行ったことを発射ハンドル10の接触検出手段等からの信号に基づいて検出することを条件に発射手段9の作動を開始させ、払い出し制御基板60が発射制御信号の出力を停止することを条件に発射手段9の作動を終了させるようになっている。
図柄制御基板130は、図柄表示手段24及び入球表示手段33の表示制御を行うためのもので、図柄表示制御手段151、入球表示制御手段152等を備えている。
図柄表示制御手段151は、図柄表示手段24の表示制御を行うもので、主制御基板42側からの図柄制御コマンドに基づいて、遊技図柄24a〜24cの変動を開始させ、判定手段132の判定結果が特定遊技判定のときに「7・7・7」等の特定態様で、非特定遊技判定のときに非特定態様で夫々停止させるようになっている。
入球表示制御手段152は、入球表示手段33の表示制御を行うもので、主制御基板42側から入球表示制御コマンドがあったときに、その入球表示制御コマンドで指定された表示部33aを特定表示に変化させ、主制御基板42側から入球表示クリアコマンドがあったときに入球表示手段33の表示部33aの特定表示をクリアして初期状態に戻すようになっている。
音声制御基板46は、スピーカ等の音声出力手段153の音声出力制御を行うためのもので、主制御基板42側からの音声制御コマンドに基づいて音声出力手段153から所定の効果音、音楽等を出力させるようになっている。
ランプ表示制御基板44は、遊技盤16等に設けられた表示ランプ154、得点表示手段34、エラー表示手段35等の表示制御を行うためのもので、ランプ表示制御手段156、得点表示制御手段157、エラー表示制御手段158等を備えている。
ランプ表示制御手段156は、表示ランプ154の表示制御を行うもので、主制御基板42側からのランプ表示制御コマンドに基づいて表示ランプ154を所定のパターンで発光させるようになっている。
得点表示制御手段157は、得点表示手段34の表示制御を行うもので、主制御基板42側から得点表示制御コマンドがあったときに得点表示手段34にそのコマンドに応じた得点を表示させ、主制御基板42側から得点表示クリアコマンドがあったときに得点表示手段34の得点表示をクリアして初期状態に戻すようになっている。
エラー表示制御手段158は、エラー表示手段35の表示制御を行うもので、主制御基板42側から入球未確認エラーコマンド、発射球エラーコマンド等のエラーコマンドがあったときにエラー表示手段35にそのエラーコマンドに応じたエラー番号等を表示させ、主制御基板42側から入球未確認エラー終了コマンド、発射球エラー終了コマンド等のエラー終了コマンドがあったときにエラー表示手段35のエラー番号表示をクリアして初期状態に戻すようになっている。
次に、上記構成のアレンジボール機による発射動作の具体例をタイミングチャートに基づいて説明する。
(1)電源投入時に発射レール12上に遊技球が乗っていない場合(図17)
発射レール12上に遊技球が乗っていない状態で電源が投入され、最初の単位ゲームが開始された場合、発射手段9が作動して打撃槌73が「発射準備動作」を開始しても(図9(b)参照)、発射検出スイッチ84はOFF(遊技球非検出状態)のままである。
そして、打撃槌73の1周期の動作に同期して球送り手段13が「球送り実行状態」、「球送り準備状態」、「球送り実行状態」へと変化することにより(図9(b)〜(e))、上皿11側の遊技球が発射レール12上に1個供給されると共に、その間に球送り検出スイッチ95がON→OFF→ONと変化して、OFFからONへの立ち上がりが検出されてから第1経過時間(16m秒)が経過したときに球送りカウント数の値に01Hが加算されて00H(0個)から01H(1個)となる。
もちろん、電源が投入された段階では発射レール12上に遊技球は乗っていないため、発射手段9による1回目の発射動作では遊技球は発射されない。
その後、発射手段9による発射動作が連続的に行われることにより同様の処理が繰り返され、球送りカウント数の値が規定数に対応する10H(16個)になると、その次の発射検出スイッチ84の立ち上がりが検出されたときにインターバル時間タイマーによるインターバル時間(2秒)の計時が開始されると共にインターバル時間中フラグが00Hから5AHに切り換えられ(S42〜S47)、またこれによって払い出し制御基板60に対して発射停止コマンドが送信される(S2〜S6)。
払い出し制御基板60に発射停止コマンドが送信されると、払い出し制御基板60の制御により発射制御基板77への電源の供給が停止されると共に発射制御信号の出力が停止され、これによってその時点での発射動作(ここでは規定数(16個)目)が終了した時点で発射手段9の作動が停止する。従って、球送り手段13はその最後の発射動作に伴う球送り動作までが行われるため、上皿11に遊技球が残っている場合には、その最後の球送り動作で球送りカウント数の値は規定数より1個多い11H(17個)となり、発射動作の停止後に発射レール12上に遊技球が1個乗った状態となる。
その後、発射された規定数(16個)の全てが何れかの入球手段に入球して全入球数が16個となってから所定時間が経過する等の単位ゲーム終了条件が全て満たされることを条件に単位ゲームが終了し、次の単位ゲームが開始される。
(2)電源投入時に発射レール12上に遊技球が乗っている場合(図18)
発射レール12上に遊技球が乗っている状態で電源が投入され、最初の単位ゲームが開始された場合、発射手段9が作動して打撃槌73が「発射準備動作」を開始すると(図9(b)参照)、発射検出スイッチ84はON(遊技球検出状態)となる。この段階では、未だ球送り手段13による球送り動作は行われていないため、この発射検出スイッチ84による立ち上がりが検出された時点で球送りカウント数の値に01Hが加算される(S11〜S15)。
これにより、球送りカウント数の値が、その単位ゲームにおいて発射レール12上に供給された遊技球の個数と合致するため、その後は図17と全く同様の処理が行われる。
(3)電源投入直後以外の通常の単位ゲーム開始時に発射レール12上に遊技球が乗っていない場合(図19)
例えば、ある単位ゲームが、上皿11内にその単位ゲームに必要な規定数(16個)の遊技球しか貯留されていない状態で開始された場合、その単位ゲームの16個目の発射動作による球送り動作においては上皿11から球送り手段13内に遊技球が供給されないため、球送りカウント数の値は16個のまま発射動作が停止される。
その後、全入球数の値が10H(16個)となり、入賞図柄確認時間(500m秒)が経過した段階で、球送りカウント数の値から10H(16個)が減算され(S59)、00H(0個)となった状態でその単位ゲームは終了する。
この場合、次の単位ゲームは発射レール12上に遊技球が乗っていない状態で開始されるが、球送りカウント数の値は前の単位ゲームの終了時の値、即ち00H(0個)が引き継がれる。従って、球送りカウント数の値が、その単位ゲームにおいて発射レール12上に供給された遊技球の個数と合致した状態で単位ゲームが開始される。
(4)電源投入直後以外の通常の単位ゲーム開始時に発射レール12上に遊技球が乗っている場合(図20)
上皿11内に十分な個数の遊技球が貯留された状態で単位ゲームの16個目の発射が行われた場合、その最後の発射動作による球送り動作によって球送りカウント数の値は規定数(16個)よりも1個多い11H(17個)となり、その状態で発射動作が停止される。
その後、全入球数の値が10H(16個)となり、入賞図柄確認時間(500m秒)が経過した段階で、球送りカウント数の値から10H(16個)が減算され(S59)、01H(1個)となった状態でその単位ゲームは終了する。
この場合、次の単位ゲームは発射レール12上に遊技球が乗っている状態で開始されるが、球送りカウント数の値は前の単位ゲームの終了時の値、即ち01H(1個)が引き継がれる。従って、この場合も、球送りカウント数の値が、その単位ゲームにおいて発射レール12上に供給された遊技球の個数と合致した状態で単位ゲームが開始される。
(5)16個目の発射が検出されず、また上皿内に17個目の遊技球がある場合(図21)
通常は、球送りカウント数の値が規定数に対応する10H(16個)になると、その次の発射検出スイッチ84の立ち上がりが検出されたとき、即ち発射検出スイッチ84により16個目の遊技球が検出されたときに、インターバル時間(2秒)が開始されると共に発射動作が停止される。
しかしながら、16個目の発射動作が行われたにも拘わらず、何らかの不具合により発射検出スイッチ84による16個目の遊技球の発射が検出されなかった場合には、通常通りにインターバル時間(2秒)の開始と発射動作の停止を行うことができない。
このような場合、上皿11内に少なくとも17個目の遊技球があれば、16個目の発射動作による球送り動作において球送りカウント数の値が11H(17個)となり、またインターバル時間タイマーは作動しておらずその値は0000Hであるため、インターバル時間中フラグにA5Hがセットされる(S48,S49)。そして、インターバル時間中フラグが前回の00HからA5Hに切り換えられたことにより、払い出し制御基板60に対して発射停止コマンドが送信され、その時点で発射動作が停止される(S2〜S6)。
この場合には、規定数(16個)の発射自体は正しく行われているため、やがて全入球数の値は10H(16個)となり、また発射許可が停止されているため、その単位ゲームは正常に終了する。
(6)16個目の発射が検出されず、また上皿内に17個目の遊技球がない場合(図22)
16個目の発射動作が行われたにも拘わらず、何らかの不具合により発射検出スイッチ84による16個目の遊技球の発射が検出されなかった場合、上皿11内に17個目の遊技球がなければ、16個目の発射動作による球送り動作においては上皿11から球送り手段13内に遊技球が供給されないため、球送りカウント数の値は16個のまま変化しない。
そのまま遊技者による発射ハンドル10の操作が継続される限り、発射動作は継続されるが、発射レール12上に遊技球が供給されないため、全て空打ちとなる。この場合も、規定数(16個)の発射自体は正しく行われているため、やがて全入球数の値は10H (16個)となるが、発射許可状態が継続しているため、そのままでは単位ゲームは終了できない。
その後、上皿11に遊技球が追加されて球送りカウント数の値が17個になれば、図21の場合と同様に発射動作は停止され、その単位ゲームは正常に終了する。
(7)16個目の発射後にファール球が検出された場合(図23)
単位ゲームにおける16個目の発射後に、その発射球がファールになった場合には、そのファール球がファール球検出スイッチ66により検出されたときに球送りカウント数の値から01Hが減算され、球送りカウント数は10H(16個)となる(S32)。また、この場合には既にインターバル時間が開始(又は終了)しており、インターバル時間中フラグは5AH(又はA5H)となっているが、インターバル時間中フラグに00Hがセットされる(S33)。
これにより、インターバル時間中フラグは5AH(又はA5H)から00Hに切り換わるため、払い出し制御基板60に対して発射再開コマンドが送信され(S2,S7,S8)、これによって、発射手段9による発射動作が再開される。
この時点の球送りカウント数の値は10H(16個)であるため、発射動作が再開されて発射検出スイッチ84の立ち上がりが検出されたときにインターバル時間タイマーによるインターバル時間(2秒)の計時が再び開始されると共にインターバル時間中フラグが00Hから5AHに切り換えられ(S42〜S47)、またこれによって払い出し制御基板60に対して発射停止コマンドが送信され(S2〜S6)、再び発射動作が停止される。
以上説明したように、本実施形態のアレンジボール機は、球送り手段13に、当該球送り手段13により発射レール12上に供給される遊技球を検出する球送り検出スイッチ95を設け、発射制御処理手段141は、球送り検出スイッチ95からの検出信号に基づいて発射手段9による発射動作を停止させるように構成されているため、発射動作の誤検出を防止して発射個数を常に正しく計数することが可能で、例えば発射個数が規定数に達していないにも拘わらず発射動作が停止され、単位ゲームが正常に終了できない等の不具合を防止できる利点がある。
また、球送り手段13は、上皿11側からの遊技球の流入を許容すると共に内部に流入した1個の遊技球を球送り検出スイッチ95により検出可能な球送り検出位置Pbで保持する球送り準備状態と、上皿11側からの後続の遊技球の流入を阻止すると共に球送り検出位置Pbで保持されていた遊技球を発射レール12側に案内する球送り実行状態とに切り換え可能に構成されているため、球送り検出スイッチ95により遊技球を1個ずつ安定的且つ確実に検出して発射レール12側に確実に案内できる。
更に、球送り手段13は、内部に形成された略縦向きの球誘導通路91と、この球誘導通路91の上部側で上皿11側に開口する球誘導口92と、球誘導通路91の下部側で発射レール12側に開口する球供給口93と、球送り実行状態のときに球誘導口92の略中央に位置して上皿11側の遊技球を球誘導口92の上流側で規制すると共に、球送り準備状態のときに球誘導口92の周辺部又はその外側に待避する球止め部112とを備え、球送り検出位置Pbを球誘導口92の下流側近傍に配置しているため、球送り準備状態となる毎に、1個の遊技球のみを球誘導口92の内側に収容して球送り検出位置Pbで検出することができる。
球送り検出スイッチ95は、投光部107aから受光部107bへの光路が球送り検出位置Pbを略水平に通過するように配置されたフォトセンサにより構成され、球止め部112は、その先端側を球誘導口92側に突出させた状態で球誘導通路91内の球送り検出スイッチ95の光路から外れた位置に配置されているため、球止め部112による誤検出を防止できる。
発射手段9による遊技球の発射を検出する発射検出スイッチ84を備え、発射制御処理手段141は、球送り検出スイッチ95からの検出信号と、発射検出スイッチ84からの検出信号とに基づいて発射手段9による発射動作を停止させるように構成されているため、より確実で且つきめ細かい発射制御が可能となる。
以上、本発明の各実施形態について詳述したが、この実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、球送り検出スイッチ95は、投光部107aから受光部107bへの光路が球送り検出位置Pbを通過するように配置されていればよく、光路の通過方向は任意である。球止め部112は、球送り検出スイッチ95の配置状態に応じて、球送り検出スイッチ95の光路を遮断しないように配置すればよい。
球送り検出スイッチ95は、フォトセンサに限られるものではなく、例えば近接スイッチ等を用いてもよい。
発射検出スイッチ84を省略することにより、発射検出スイッチ84からの検出信号を用いることなく発射手段9による発射動作を制御するように構成してもよい。
なお、実施形態では、本発明をアレンジボール機に適用した例を示したが、アレンジボール機以外の組み合わせ遊技機をはじめ、種々の弾球遊技機においても同様に実施可能であることは言うまでもない。