JP4641373B2 - 浄水カートリッジ及び浄水器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、安全な美味しい水を簡単かつ手軽に得ることができる浄水器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、水資源の汚染、おいしい水への要求等により水道水の浄化に浄水器が用いられている。浄水器は、活性炭、イオン交換樹脂等の吸着剤によるカルキ臭、カビ臭、トリハロメタン等の除去、多孔質中空糸膜による細菌類、濁質成分等の除去を機能として有するものが知られている。浄水器の種類としては、蛇口直結型浄水器や、据え置き型浄水器、アンダーシンク型浄水器、ピッチャー型浄水器等が市販され、一般家庭で使用されている。
【0003】
近年では、蛇口直結型などの浄水器とは異なり、持ち運びが自由で、余分な水圧をかけず自重で1〜2リットル程度の比較的多量の原水を一度に浄化することが出来るとともに、そのまま冷蔵庫等に保管ができ、カップへの注ぎ口が形成されているピッチャー型浄水器が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1の浄水器は、原水貯留部と浄水貯留部との間に、中空糸膜と、活性炭、イオン交換樹脂などの吸着材とを備えた浄水カートリッジが交換可能に配されている。中空糸膜は、U字状に曲げられ、筒状のケースにポッティングされている。
【0005】
ピッチャー型浄水器は、その使用方法によっては冷蔵庫内等に2時間以上の長時間保存される場合もあり、その間、浄水カートリッジは概ね水没した状態となっている。この場合、水没している間に、中空糸膜のポッティングに使用したウレタン等の樹脂から異臭味が溶出する場合がある。
【0006】
特許文献1の浄水器は、活性炭を中空糸膜の下流側に配しているため、溶出した異臭味をある程度除去することができる。しかしながら、係る構成の場合、一旦中空糸膜で濾過して水が無菌状態となっていても、その後に活性炭層と長時間接触することになるため、活性炭層に繁殖した細菌が浄水中に混入する恐れがあった。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−320967公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、浄水カートリッジが長時間水没した状態となっても、ポッティング樹脂からの溶出を低減可能で、異臭味がせず、おいしく、安全性が高く、衛生的にも著しく優れた浄水カートリッジ及び浄水器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の第一の要旨は、筒状容器の内部に、長さ(L)が3〜10cmの中空糸膜(23)がU字状に曲げられた状態でエポキシ樹脂又はウレタン樹脂からなるポッティング樹脂(24)により固定された浄水カ−トリッジ(4)であって、該中空糸膜の本数(F)が2000〜20000本であり、該中空糸膜(23)のエポキシ樹脂又はウレタン樹脂からなるポッティング樹脂(24)に埋没した部位における中空部内表面の合計面積(A)が、530cm2未満であり、前記ポッティング樹脂の厚み(H)が1cm以下であるピッチャー型浄水器用浄水カ−トリッジ、である。
【0010】
前記ポッティング樹脂(24)の厚み(H)が1cm以下であると、異臭味の発生をより効果的に防止することができる。
【0011】
本発明の第二の要旨は、浄水貯留部(11)を有する外容器(5)と、原水貯留部(10)を有する内容器(6)と、筒状容器の内部に長さ(L)が3〜10cmの中空糸膜(23)がU字状に曲げられた状態でエポキシ樹脂又はウレタン樹脂からなるポッティング樹脂(24)により固定された浄水カ−トリッジ(4)とからなる浄水器であって、前記浄水カ−トリッジが、該中空糸膜の本数(F)が2000〜20000本であり、該中空糸膜(23)のエポキシ樹脂又はウレタン樹脂からなるポッティング樹脂(24)に埋没した部位における中空部内表面の合計面積(A)が530cm2未満であり、前記ポッティング樹脂の厚み(H)が1cm以下であるピッチャー型浄水器、である。
【0012】
本発明の第三の要旨は、浄水貯留部(11)を有する外容器(5)と、原水貯留部(10)を有する内容器(6)と、筒状容器の内部に長さ(L)が3〜10cmの中空糸膜(23)がU字状に曲げられた状態でエポキシ樹脂又はウレタン樹脂からなるポッティング樹脂(24)により固定された浄水カ−トリッジ(4)とからなる浄水器であって、前記浄水カ−トリッジが、該中空糸膜の本数(F)が2000〜20000本であり、該中空糸膜(23)のエポキシ樹脂又はウレタン樹脂からなるポッティング樹脂(24)に埋没した部位における中空部内表面の合計面積(A)が530cm2未満、前記ポッティング樹脂の厚み(H)が1cm以下、該浄水貯留部(11)の体積(l)をVとしたとき、A/Vが1000以下であるピッチャー型浄水器、である。
【0013】
前記ポッティング樹脂(24)の厚み(H)が1cm以下であると、異臭味の発生をより効果的に防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の浄水器について、図面を基に詳細に説明する。
図1は、本発明の浄水カートリッジ(4)の一例を示す模式断面図である。
【0015】
浄水カートリッジ(4)は、粒状濾材(22)と、中空糸膜(23)とが筒状容器内に配されている。中空糸膜(23)は、細菌等を確実に除去するため、最も下流に配置することが好ましい。
【0016】
中空糸膜(23)は、図1に示すように、U字状に曲げ、端部をポッティング樹脂(24)で接着固定している。ポッティング樹脂(24)は、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができ、中でもウレタン樹脂が加工性の観点で好ましく用いられる。
【0017】
中空糸膜(23)の素材としては、セルロース系、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン)系、ポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリビニルアルコール系、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリエーテル系、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)系、ポリスルフォン系、ポリアクリロニトリル系、ポリ四弗化エチレン(PTFE)系、ポリカーボネイト系、ポリエステル系、ポリアミド系、芳香族ポリアミド系等の各種材料が挙げられる。なかでもポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン)系、ポリビニリデンフロライド(PVDF)が好ましく、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン)系が最も好ましい。
【0018】
ここで、異臭味の発生程度に最も大きな影響を与えるのは、濾過時に水が直接接触する部分である、中空糸膜(23)の外表面側のポッティング樹脂(23)の面積や、中空糸膜(23)の端面部のポッティング樹脂(23)の面積ではなく、中空糸膜(23)のポッティング樹脂(24)に埋没した部位における中空部内表面の合計面積(A)であることを本発明者らは見出した。
すなわち、異臭味を発生させているのは、中空糸膜に含浸したポッティング樹脂(24)が主体であることを本発明者らは見出したのである。
【0019】
そして、この合計面積(A)が530cm2未満であると、異臭味の発生を効果的に抑制することができることを見出した。合計面積(A)は、430cm2以下であることがより好ましく、240cm2以下が更に好ましく、150cm2以下が最も好ましい。
【0020】
なお、合計面積(A)は、中空糸膜の内径をD(cm)、本数をF(本)、ポッティング樹脂(24)の厚さをH(cm)としたとき、以下の式によって求められる。
A=D×π×H×F
【0021】
このとき、ポッティング樹脂(24)の厚さをHは、図2に示すように、ポッティング樹脂(24)が中空糸膜(23)に這いあがった頂点から、中空糸膜(23)が開口する端面までの厚さをいう。
なお、図3に示すように、ポッティング樹脂(24)が這いあがった頂点の位置が水平でない場合は、個々の厚さを平均した値を全体の厚さ(H)とする。
【0022】
また、中空糸膜の本数(F)は、ポッティング樹脂(24)によって固定されている部分の本数をいい、U字状に折り曲げて固定されたものは、2本と数える。
【0023】
合計面積(A)を減らすためには、ポッティング樹脂(24)の厚さ(H)を薄くすること、中空糸膜(23)の本数(F)を減らすことが有効である。
【0024】
ポッティング樹脂(24)の厚さ(H)は、中空糸膜(23)の本数(F)が同じであれば、薄くするほど合計面積(A)は減少するので、異臭味の低減効果は大きくなる。具体的には、ポッティング樹脂(24)の厚さ(H)は1cm以下とするのが好ましく、0.8cm以下とすることがより好ましく、0.6cm以下とすることが更に好ましい。
【0025】
ポッティング樹脂(24)の厚さ(H)は、あまり薄くしすぎると、中空糸膜(23)に「す」が発生したりして、水密固定が不確実となるため、0.3cm以上が好ましい。
【0026】
なお、ポッティング樹脂(24)の厚さ(H)は、水道の蛇口に接続して使用するタイプの浄水器においては、水道水の圧力に対する耐久性を持たせる必要があるため、1cmを超える厚さとしているが、ピッチャー型浄水器の場合は、濾過する際の水の自重による圧力が極めて低い為、厚さ(H)を前述のように薄くしても破損する懸念はない。
【0027】
中空糸膜(23)の本数(F)は、ポッティング樹脂(24)の厚さ(H)が同じであれば、少ないほど合計面積(A)は減少するので、異臭味の低減効果は大きくなる。
【0028】
このとき、中空糸膜(23)の長さ(L)を同じにして本数(F)を減らすと、濾過面積が減少してしまうため、濾過面積を確保するためには、長さ(L)を長くする必要がある。一方、長さ(L)を長くしすぎると、中空糸膜(23)の中空部における圧力損失が増加し、濾過効率が悪化する。また、ピッチャー型浄水器に使用するにあたっては、浄水貯留部の長さによる制約を受けるため、際限なく長くすることはできない。
【0029】
したがって、中空糸膜(23)の長さ(L)は適切な範囲とする必要があり、その上限としては10cm以下が好ましく、8cm以下がより好ましく、6cm以下が更に好ましい。
また、中空糸膜(23)の長さ(L)の下限としては、3cm以上が好ましい。
【0030】
なお、中空糸膜(23)の長さ(L)とは、図2に示すように、中空糸膜(23)のU字の先端部から、中空糸膜(23)が開口する端面までの長さをいう。
【0031】
中空糸膜(23)の本数(F)の上限としては、20000本以下が好ましく、10000本以下がより好ましく、8000本以下が更に好ましい。また、本数(F)の下限は2000本以上が好ましく、3000本以上がより好ましく、4000本以上が更に好ましい。
【0032】
粒状濾材(22)は、活性炭が最も好ましいが、分子吸着樹脂、ゼオライト、モレキュラーシーブ、キレート樹脂、イオン交換樹脂、コーラルサンド、麦飯石、医王石、トルマリン、骨炭、ヒドロキシアパタイト、珪酸チタニウムなどを併用することもできる。これらを併用する場合は、活性炭と混合したり、別々に層状として配置したり、或いは活性炭に添着したりすればよい。
【0033】
図4は、本発明の浄水器の一例を示す断面図である。
浄水器(1)は、上方が開口した外容器(5)と、この外容器(5)の開口端を塞ぐ蓋(3)と、外容器(5)の内部に配置された内容器(6)と、内容器(6)に取り付けられた浄水カートリッジ(4)とを備えている。
【0034】
外容器(5)は、全体形状がほぼ矩形状のプラスチック材成形品であり、材質としては、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリスチレン、MS樹脂、ナイロン樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1などの樹脂が挙げられ、機械的強度、表面外観や成型加工性などを加味して選択する。更に、外容器(5)に抗菌特性を付加してもよい。
【0035】
また、利用者が片手で挟持できる程度の幅の取っ手(25)を、外容器(5)の外周に配置してもよい。取っ手(25)を外容器(5)に装着するにあたっては、取っ手(25)の外容器(5)への装着部を環状とし、外容器(5)の幅を下から上に向かってやや大きくなるように形成し、取っ手(25)の環状部に外容器(5)を嵌めこむと、必要に応じて着脱することが可能なため好ましい。
【0036】
外容器(5)は、内容物を外部から目視できるように透明であることが望ましい。外容器(5)は、図1に示すように、内容器(6)の外壁と外容器(5)の内壁との間に形成され、横方向に突き出た浄水注ぎ口(8)を有する。この浄水注ぎ口(8)は、蓋(3)に揺動自在に取り付けられた注ぎ蓋(9)により開閉可能とすると、浄水の清澄性を保ちやすいため好ましい。
蓋(3)の材質は、外容器(5)と同様のものを用いることができ、抗菌特性を付加してもよい。
【0037】
内容器(6)は、上部が開放し、下部に浄水カートリッジ(4)のための係合部(13)を有するほぼ楕円柱形状をしており、その内部に原水貯留部(10)を有する。内容器(6)の高さ寸法は、外容器(5)の高さのほぼ1/2程度に設定されており、外容器(5)の内側に嵌合される構造としている。
【0038】
内容器(6)の材質は、外容器(5)と同様のものを用いることができ、抗菌特性を付加してもよい。
【0039】
浄水カートリッジ(4)は、その上端に空気を排出するための筒部(21)を有している。筒部(21)の外周側面には、原水流入口(20)が配されている。また、筒部(21)の頂部には、空気排出穴(30)が配されている。
【0040】
蓋(3)を外容器(5)から取り外して水道水を原水貯留部(10)へ注入すると、水道水は、浄水カートリッジ(4)の筒部(21)の側面外周の原水流入口(20)からカートリッジ4内に流入し、粒状濾材(22)、中空糸膜(23)を通って、外容器(5)の浄水貯留部(11)に落下し、浄水として貯留される。
【0041】
このとき、カートリッジ(4)内の空気は、空気排気穴(30)から大気中に排出されるため、投入した水道水は空気抵抗を受けることなく、最高の透過速度で流下することになる。そして、貯留された浄水は、浄水器(1)を傾けることにより、浄水注ぎ口(8)から、例えばコップへ注ぐことができる。
【0042】
ここで、浄水貯留部(11)の体積(l)をVとし、中空糸膜(23)のポッティング樹脂(24)に埋没した部位における中空部内表面積の合計(cm2)をAとしたとき、
A/Vが1000以下であると、異臭味を低減させることができるため好ましい。
【0043】
なお、ここでいう浄水貯留部(11)の体積Vとは、浄水が溜まり得る最大限の体積をいい、外容器(5)の内部に内容器(6)が配された際に、内容器(6)の下端部から下の部位における外容器(5)の体積から、浄水カートリッジ(4)の体積を引くことにより求められる。
【0044】
A/Vの値を小さくするためには、中空糸膜(23)のポッティング樹脂(24)に埋没した部位における中空部内表面積の合計Aの値を小さくするか、浄水貯留部(11)の体積Vを大きくすることが有効である。
【0045】
このうち、中空糸膜(23)のポッティング樹脂(24)に埋没した部位における中空部内表面積の合計Aの値については前述した通りである。
【0046】
浄水貯留部(11)の体積Vについては、大きすぎると持ち運びが不便であり、また冷蔵庫で保存できない。一方、小さすぎると一度に利用できる浄水の量が少なくなってしまう。
【0047】
したがって、浄水貯留部(11)の体積Vの上限は、5L以下であり、4L以下が好ましく、3L以下が更に好ましい。
また、浄水貯留部(11)の体積Vの下限は、0.5L以上であり、0.8L以上が好ましく、1L以上が更に好ましい。
【0048】
また、A/Vの値は、700以下であることが好ましく、600以下であることがより好ましく、450以下であることが更に好ましい。
【0049】
以下、実施例を基に本発明を更に詳細に説明する。
【0050】
<実施例1>
粒状濾材(22)として、粒径0.4〜0.8mmの粒状炭を70ml、中空糸膜(23)として、三菱レイヨン(株)製ポリエチレン多孔質中空糸膜(製品名EX270TS、外径380μmm、内径270μm、平均孔径0.1μm)を使用して、図1に示すような構造の浄水カートリッジ(4)を作製した。
【0051】
このときの、中空糸膜(23)のポッティング樹脂(24)に埋没した部位における中空部内表面積の合計(A)、ポッティング樹脂(24)の厚み(H)、中空糸膜(23)の長さ(L)、中空糸膜(23)の本数(F)を、表1に示した。
【0052】
この浄水カートリッジ(4)を、図4に示す構造のピッチャー型の浄水器(1)の原水貯留部(10)と浄水貯留部(11)との間に配した。
【0053】
そして、この浄水器(1)を用いて1Lを自重で濾過し、中空糸膜(23)のポッティング樹脂(24)を含む浄水カートリッジ(4)が水没した状態のまま、冷蔵庫内で15時間保管した。得られた水を検体とし、同様の方法で濾過したあと、浄水カートリッジ(4)を取り外して冷蔵庫で15時間保管した水をコントロールとして、25名のパネラーによる官能試験1を行った。結果を平均点として表2に示した。平均点は、コントロールと差がなかった。
【0054】
なお、官能試験1は以下の手順にて実施した。
(1)検体及びコントロールを20℃に温度調整する。
(2)同一形状のコップ2個に、検体及びコントロールを別々に入れる。
(3)どの水が検体かコントロール化は伏せた状態で、パネラーに水を飲んでもらい、10点満点で採点してもらう。
【0055】
<実施例2>
中空糸膜(23)のポッティング樹脂(24)に埋没した部位における中空部内表面積の合計(A)、ポッティング樹脂(24)の厚み(H)、中空糸膜(23)の長さ(L)、中空糸膜(23)の本数(F)を変えて浄水カートリッジ(4)を作成した。各値は表1に示した。
【0056】
この浄水カートリッジ(4)を用いて、実施例1と同様の手順で官能試験1を行った。結果を平均点として表2に示した。平均点は、コントロールと差がなかった。
【0057】
<実施例3>
実施例1の浄水カートリッジ(4)を用いて、官能試験1と同様の手順で用意した検体及びコントロールについて、以下の手順で官能試験2を行った。結果を表3に示した。コントロールとの違いが解った正解者は殆どいなかった。
【0058】
官能試験2は、以下の手順で行った。
(1)検体及びコントロールを20℃に温度調整する。
(2)同一形状のコップを3個用意し、2個に検体又はコントロールを入れ、残りの1個に別の水を入れる。
(3)パネラーに水を飲んでもらい、3つの中で違うのはどの水かを当ててもらう。なお、区別がつかない場合は「解らない」と回答してもらい、不正解としてカウントする。
【0059】
<実施例4>
実施例2の浄水カートリッジ(4)を用いて、実施例3と同様の手順で官能試験2を行った。結果を表3に示した。結果を表3に示した。コントロールとの違いが解った正解者は殆どいなかった。
【0060】
<比較例1>
中空糸膜(23)のポッティング樹脂(24)に埋没した部位における中空部内表面積の合計(A)、ポッティング樹脂(24)の厚み(H)、中空糸膜(23)の長さ(L)、中空糸膜(23)の本数(F)を変えて浄水カートリッジ(4)を作成した。各値は表1に示した。
【0061】
この浄水カートリッジ(4)を用いて、実施例1と同様の手順で官能試験1を行った。結果を平均点として表2に示した。平均点は、コントロールと比較して明確に低かった。
【0062】
<比較例2>
中空糸膜(23)のポッティング樹脂(24)に埋没した部位における中空部内表面積の合計(A)、ポッティング樹脂(24)の厚み(H)、中空糸膜(23)の長さ(L)、中空糸膜(23)の本数(F)を変えて浄水カートリッジ(4)を作成した。各値は表1に示した。
【0063】
この浄水カートリッジ(4)を用いて、実施例1と同様の手順で官能試験1を行った。結果を平均点として表2に示した。平均点は、コントロールと比較して明確に低かった。
【0064】
<比較例3>
比較例1の浄水カートリッジ(4)を用いて、実施例3と同様の手順で官能試験2を行った。結果を表3に示した。70%近くのパネラーが、コントロールとの違いを判別でき、異臭味がすることが明らかであった。
【0065】
<比較例4>
比較例2の浄水カートリッジ(4)を用いて、実施例3と同様の手順で官能試験2を行った。結果を表3に示した。80%以上のパネラーが、コントロールとの違いを判別でき、異臭味がすることが明らかであった。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の浄水カートリッジ(4)は、中空糸膜(23)のポッティング樹脂(24)に埋没した部位における中空部内表面の合計面積(A)を530cm2未満とすることにより、浄水を冷蔵庫等で保管するに際し、浄水カートリッジ(4)が浄水に浸漬された状態であっても、細菌の繁殖を起こすことなく、異臭味の発生を効果的に防止することができる。
【0070】
また、ポッティング樹脂(24)の厚み(H)、中空糸膜(23)の長さ(L)、中空糸膜(23)の本数(F)も、それぞれ適切な範囲とすることにより、異臭味の発生をより低減させることができる。
【0071】
また、本発明の浄水器は、前述の浄水カートリッジ(4)を使用するので、ピッチャー型浄水器として好適である。
さらに、中空糸膜(23)のポッティング樹脂(24)に埋没した部位における中空部内表面の合計面積(A)と、浄水貯留部(V)との間で、A/Vを1000以下とすることにより、異臭味がなく、安全な浄水を作ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浄水カートリッジ(4)の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の浄水カートリッジ(4)に使用する中空糸膜(23)及びポッティング部(24)の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の浄水カートリッジ(4)に使用する中空糸膜(23)及びポッティング部(24)の別の一例を示す断面図である。
【図4】本発明の浄水器(1)の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 浄水器
3 蓋
4 浄水カートリッジ
5 外容器
6 内容器
8 浄水注ぎ口
9 注ぎ蓋
10 原水貯留部
11 浄水貯留部
20 原水流入口
21 筒部
22 粒状濾材
23 中空糸膜
24 ポッティング樹脂
25 取っ手
30 空気排出穴
Claims (2)
- 筒状容器の内部に、長さ(L)が3〜10cmの中空糸膜(23)がU字状に曲げられた状態でエポキシ樹脂又はウレタン樹脂からなるポッティング樹脂(24)により固定された浄水カ−トリッジ(4)であって、
該中空糸膜の本数(F)が2000〜20000本であり、
該中空糸膜(23)のエポキシ樹脂又はウレタン樹脂からなるポッティング樹脂(24)に埋没した部位における中空部内表面の合計面積(A)が、530cm2未満であり、
前記ポッティング樹脂の厚み(H)が1cm以下であるピッチャー型浄水器用浄水カ−トリッジ。 - 浄水貯留部(11)を有する外容器(5)と、原水貯留部(10)を有する内容器(6)と、請求項1に記載された浄水カ−トリッジ(4)とを有する浄水器。
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