JP4641105B2 - 分光光度計、それに用いる試料用容器、および較正方法 - Google Patents

分光光度計、それに用いる試料用容器、および較正方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な形式の分光光度計と、その分光光度計に用いるのに適した試料用容器、及びその較正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
分光光度計は、試料液体の波長毎の吸光度を測定して、溶解している物質の分光特性を求めたり、特定の波長における吸光度から、物質の含有量を求める等の測定手段としてよく用いられており、比較的簡単な原理で測定を行なうにもかかわらず、測定精度が優れ、液体中における物質の含有度を、かなりの微量まで、測定できる特長を有している。
【0003】
従来の分光光度計は、図1に例示するように、光源部101からの光を、分光器102を用いて分光させ、石英等の透明容器からなる試料セル103中に試料104を充填したものに当て、透過した光を光検出器105で検出し、その後、増幅器、演算装置等で処理を行なったのち、必要に応じ、適宜な表示装置106により表示を行なう等するものである。また、ここでは図示していないが、試料用セル単独を測定する以外に、参照用セルを準備して使用し、較正を行なうこともある。
【0004】
従来の分光光度計においては、試料セル103に入射する光を特定の波長にする、いわゆる分光を、プリズム、または平面もしくは凹面の回折格子をパルスモーター等で回転させる方式の分光器102により行なっているが、このような分光器102は、駆動部を有していて、機構的に複雑である上、小型化が難しいと言う問題がある。分光光度計は、その特長から、水質試験等、屋外での環境測定等に用いられる機会が多く、小型で軽便なものが望まれている。
また、従来の分光光度計においては、試料セルを透過した光を、入射側の分光の進行に伴なって行なっているため、波長を変えながら分光特性を求める際に、一回あたりの測定に要する時間が長くかかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明においては、従来の分光光度計における動作原理を維持しつつも、分光器の機構を簡素化することを課題とするものである。また、本発明においては、波長を変えて分光特性を求める際に、分光に要する時間を短縮することも課題とするものである。また、本発明においては、上記の課題を解決する上で、分光の機能を付与した試料用容器を提供することも課題とするものである。さらに、その較正方法を提供することも課題とするものである。
【0006】
【課題を解決する手段】
発明者等は、液晶表示パネル等に用いるホログラムカラーフィルターを利用すると、集光と分散を同時に行なうことが出来ること、また、ホログラムカラーフィルターとして、ホログラム構造を合成樹脂層中に有するもの、もしくはホログラム構造を合成樹脂層の表面に干渉縞に相当する凹凸として有するものは、シート状に形成でき、適宜な形状の対象に適用できることに注目して検討した結果、試料セルの表面にそのようなホログラムカラーフィルターを積層して用いることにより、入射側の従来の回折格子を回転するタイプの分光器を使用せずに、従って時間の経過を伴なうことなく、分光を行なうことができ、しかも、出射側においても、出射光の特定の波長の光が特定の位置毎に集光することから、センサを多数、並べて配置することにより、波長毎の出射光の強度を一時に測定でき、駆動部を有することなく、分光特性を求めたり、特定波長での測定が可能であることが判明し、本発明に到達することができた。
【0007】
第1の発明は、光透過性の試料用容器と、前記試料用容器に光を入射する光源と、前記試料用容器から出射した光を検出する光センサシステムからなり、前記試料容器には、前記光源側に、光透過性であって、入射した光を分光し、前記光センサシステムに特定の波長の光を集光するホログラム分光素子が形成されていることを特徴とする分光光度計に関するものである。第2の発明は、光透過性の試料用容器と、前記試料用容器に光を入射する光源と、前記試料用容器から出射した光を検出する光センサシステムからなり、前記試料容器が、光透過性のベース板、および光透過性のカバー板からなり、且つ、前記試料容器には、前記光源側に、光透過性であって、入射した光を分光し、前記光センサシステムに特定の波長の光を集光するための、集光素子および均一な回折格子の重合体が形成されていることを特徴とする分光光度計に関するものである。第3の発明は、第1または第2いずれかの発明において、前記試料容器が、光透過性のベース板、および光透過性のカバー板からなり、前記ホログラム分光素子、もしくは前記集光素子および均一な回折格子の重合体による集光が分光方向に垂直な方向も持つ線分状に行なわれるものであるであることを特徴とする分光光度計に関するものである。第4の発明は、第1〜第3いずれかの発明において、前記試料用容器が、前記光が入射する側、および前記光が出射する側共、平坦な面を有する筒状形状であることを特徴とする分光光度計に関するものである。第5の発明は、請求項1に記載の光透過性の試料用容器に光を入射する請求項1に記載の光源と、前記試料用容器から出射した光を検出する請求項1に記載の光センサシステムからなる請求項1に記載の分光光度計と組み合わせて使用するものであって、前記試料用容器の前記光が透過する前記光源側に、光透過性であって、入射した光を分光し、前記光センサシステムに特定の波長の光を集光するホログラム分光素子が形成されていることを特徴とする試料用容器に関するものである。第6の発明は、請求項2に記載の光透過性の試料用容器に光を入射する請求項2に記載の光源と、前記試料用容器から出射した光を検出する請求項2に記載の光センサシステムからなる請求項2に記載の分光光度計と組み合わせて使用するものであって、前記試料容器が、光透過性のベース板、および光透過性のカバー板からなり、且つ、前記光が透過する前記光源側に、光透過性であって、入射した光を分光し、前記光センサシステムに特定の波長の光を集光するための、集光素子および均一な回折格子の重合体が形成されていることを特徴とする試料用容器に関するものである。第7の発明は、第5または第6いずれかの発明において、前記試料容器が、光透過性のベース板、および光透過性のカバー板からなり、前記ホログラム分光素子、もしくは前記集光素子および均一な回折格子の重合体による集光が分光方向に垂直な方向も持つ線分状に行なわれるものであるであることを特徴とする試料用容器に関するものである。第8の発明は、第5〜第7いずれかの発明において、前記試料用容器が、前記光が入射する側、および前記光が出射する側共、平坦な面を有する筒状形状であることを特徴とする試料用容器に関するものである。第9の発明は、請求項1または2に記載の分光光度計の較正方法であって、請求項1または2に記載の試料用容器、請求項1に記載のホログラム分光素子、請求項2に記載の集光素子、もしくは請求項2に記載の均一な回折格子の少なくともいずれかが、特定波長に吸収を持つ素材からなるか、もしくは特定波長に吸収を持つ材料を含有することにより、基準となる吸収波長を有し、前記基準波長を検出することにより、波長較正を行うことを特徴とする分光光度計の較正方法に関するものである。
【0008】
図を引用しながら、本発明を説明する。
図2は、本発明の分光光度計の一例の主要部分を示す図であり、ほぼ中央にある光透過性の材料からなる試料用容器12に対して光が入射するよう、斜め左上方に光源11が配置されており、試料用容器12は、ベース板12a上に試料14を介してカバー板12bが重ねて配置された構造を有しており、試料用容器12の下方には、上面に光を検出するセンサが多数配置された光センサアレイ15が配置されたものである。
ベース板12aおよびカバー板12bは、次段落で説明するように、いずれか一方にホログラムが形成されている以外、顕微鏡を使用する際の、試料を載せるガラス板およびカバーガラスと同様のものであり、積み重ねてもかさばらない特長を有する。
【0009】
図2において、試料用容器12の上部をなすカバー板12aに、ホログラム分光素子13の凹凸が形成されており、このホログラム分光素子13の凹凸は、光源11から入射した光を分光し、試料用容器12の下方にある光センサアレイ15の上面に多数配置された各光センサの所定の位置の光センサに、特定の波長の光を集光する性質を有するものである。光センサアレイ15の上面の、光源11に近い側から赤(R)、緑(G)、および青(B)の順に集光する。実際には、波長の変化に応じた連続的な分布を与えるので、各光センサには、ある波長からある波長までの波長域の光が集光する。なお、光源11〜試料用容器12〜光センサアレイ15の間の矢印および線は、光の光路を参考的に描いたものであり、厳密なものではない。
【0010】
図3に示すように、光源2、試料用容器12、および光センサアレイ15は、上下が図2に示すものとは逆に配置されていてもよい。この場合、ホログラム分光素子13の凹凸は、試料容器12のベース板12aに形成されている。
なお、図においては、いずれもベース板12aをカバー板12bよりも大きく描いてあるが、同じでもよいし、大小関係が逆でも支障はない。
【0011】
図4および図5に示すように、光源11と光センサアレイ15とは、共に、試料用容器12の上側、もしくは下側に配置されていてもよい。
図4に示す例では、光源11は、図2におけるのと同様、試料用容器12の斜め左上方に配置されており、かつ光センサアレイ15も、試料用容器12の上方に配置されている。また、ホログラム分光素子13の凹凸の下面には光を反射する反射層13aが積層されていて、反射層13aの作用により、光が反射する。
この例のものは、試料用容器12が光源11および光センサアレイ15の下方にあるので、試料用容器12を、光源11および光センサアレイ15にぶつからないよう、注意して分光光度計の下方に挿入する必要があるが、試料容器12中の試料が、光源11および光センサアレイ15を汚染することが少なくなる利点がある。また、試料用容器12を、図示はしてない試料用容器12の載置台に載せれば、試料用容器、特にホログラム分光素子13と光源11、および光センサアレイ15との位置決めが容易になる。
【0012】
図5に示す例では、光源11は、図3におけるのと同様、試料用容器12の斜め左下方に配置されており、かつ光センサアレイ15も、試料用容器12の下方に配置されている。
この例のものは、試料用容器12が光源11および光センサアレイ15の上方にあるので、試料用容器12をセットすることが容易であるが、光源11および光センサアレイ15等を配置した上に、試料用容器12を置くので、試料用容器12中の試料が、光源11および光センサアレイ15上を試料による汚染を防止する意味で、透明板で被覆しておくとよい。
【0013】
光源11と図示しない増幅器、演算装置および表示装置等については、従来技術において用いているものと同様でよい。
なお、光センサアレイ15で検出した光は、増幅器、演算装置を用いて処理した後、表示装置で表示するか、用紙上に出力する等、用途に応じて取り扱われ、必ずしも一定しない。ここでは、光センサアレイに加えて、増幅器、演算装置、表示装置、もしくは出力用プリンター等を適宜に組み合わせて用いたシステムを、光センサシステムと称することとする。
【0014】
本発明で用いるホログラム分光素子13は、場所によって異なるピッチ、向きを有する干渉縞が形成されたもので、体積型ホログラム、もしくはレリーフ型ホログラムであり得る。
あるいは、ホログラム分光素子13を、均一な回折格子とレンズ等の集光素子を組み合わせて重ねた重合体で置き換えてもよい。
【0015】
ホログラム分光素子が体積型ホログラムの場合、公知の体積ホログラム記録材料を用いて形成することができ、そのような体積ホログラム記録材料としては、銀塩材料、重クロム酸ゼラチン乳剤、光重合性樹脂、光架橋性樹脂等が挙げられるが、マトリックスポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤及び増感色素とからなる乾式の体積位相型ホログラム記録用途の感光性材料を用いることが好ましい。
上記の体積ホログラム記録材料は、塗布液の状態で準備し、スピンコーティング法により塗布形成して使用するとよく、また、市販の感光材フィルム(例えば、デュポン社製、「オムニデックス706M」、膜厚20μm)を利用することもできる。
【0016】
ホログラム分光素子を形成するには、例えば、ガラスやプラスチックの基板上に、上記の体積ホログラム記録材料をスピンコートし、乾燥処理を行なった後、更に、層間保護膜である酸素遮断膜としてポリビニルアルコールをスピンコートにより塗布し、乾燥処理を行ない、感光材料層とする。この感光材料層に、原版である計算機ホログラムを密着させ、感光材料が感度を有する波長をもったレーザー光により露光した後、加熱処理し、ホログラフィックレンズアレイを得る。
【0017】
上記において、原版としては、計算機ホログラムを用いずに、上記のホログラフィックレンズアレイと同様の特性を有する体積型ホログラムを用いてもよいし、また、原版を用いずに、2光束干渉露光によって作製するようにしてもよい。
【0018】
ホログラム分光素子がレリーフ型ホログラムの場合には、露光量により、硬化もしくは分解の程度が異なるよう設計された、いわゆる感光性樹脂もしくはレジストと呼ばれる樹脂組成物を用い、やはり、ガラスやプラスチックの基板上に、上記の体積ホログラム記録材料と同様、スピンコート等により感光性樹脂層を形成し、原版を用いるか、もしくは2光束干渉露光によって、露光法により作製するか、または、そのようにして作製した凹凸型ホログラムもしくはその複製物を型として使用し、ガラスやプラスチックの基板上に積層された熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂の樹脂層の表面に型付けし、その後、必要に応じて硬化させることにより、作製することができる。
また、レリーフ型ホログラムの場合には、上記の方法以外に、機械切削によりレリーフ形状を作製してもよい。また、一般の回折格子と同様、レリーフ形状を三角形状にするブレーズド化により、回折効率を高めることができる。
【0019】
ホログラム分光素子に可視波長域以外での特性を持たせる場合にも、同様の方法により行なうことができる。
図4および図5を引用して説明した例における反射層13aは、例えば、アルミニウム等の光反射性の金属の薄膜で形成することができる。
【0020】
上記の説明においては、図2および図3の試料用容器12を光が透過する場合(「透過型の測定」)で、ホログラム分光素子がレリーフ型のときには、試料用容器12の入射光側の外側にホログラム分光素子13の凹凸を配置し、図4および図5においては試料用容器12中を光が往復するケース(「反射型の測定」)では、光が反射する位置の外側にホログラム分光素子13の凹凸を配置するとよい。
【0021】
前者の「透過型の測定」においては、分光した光を試料用容器に入射するので、従来の分光光度計における方法が踏襲されているが、後者の「反射型の測定」においては、光が一旦、試料用容器を透過し、分光された後に再び、試料用容器を透過するという、従来にない方法を採ることになる。
【0022】
しかしながら、光を分光させた後に試料を透過させても、光を試料を透過させた後に分光しても、同じことであるし、上記の後者における試料用容器を二度透過するのも、試料および容器の壁の厚みが増加したのと同じであり、常に、そのような測定方法を採るのであれば、測定上の支障は生じることがない。
【0023】
従って、「透過型の測定」において、ホログラム分光素子を適用する位置は、入射側の、図2であれば、カバー板12bの上面でも下面でもよいし、ホログラム分光素子をカバー板12bに適用せず、ベース板12aに適用してもよく、この場合も、適用する位置は、ベース板12bの上面でも下面でもよい。
【0024】
同様の観点で、「反射型の測定」において、図4の例であれば、ホログラム分光素子の形成位置は、ベース板12aの下面でも上面でもよいが、上面に形成すると、試料の屈折率により回折効率が変るので、下面に形成することがより好ましい。
【0025】
図2〜図5においては、試料用容器12は、顕微鏡用の試料をはさむためのプレートガラスおよびカバーガラスのような薄型のもののように描いたが、試料用容器12は、試料を保持するための容積を有していてよく、例えば、図6に示すように、ベース板12aが周囲部分を残して、窪みを形成された、皿状もしくは箱型のものであってもよい。
ホログラム分光素子は、既に説明したように、試料用容器12の種々の位置に形成することができる。ホログラム分光素子の適用は、粘着剤や接着剤を用いた積層のほか、機械的な固定によってもよい。なお、試料用容器を構成する透明材料に直接にホログラム分光素子を形成したり、もしくはその透明材料を基材として、ホログラム層を積層したものも、本発明における試料用容器へのホログラム分光素子の形成の概念の範囲とする。
試料用容器を構成する透明材料に、直接にホログラム分光素子を形成すると、通常、別の層にホログラムを形成したホログラム層を積層する場合よりも、光の吸収が少ないため、測定波長域が広くなる利点がある。
【0026】
また、カバー板12bは、ベース板12aの窪みの周囲に形成した段にはめこめるか、もしくはかぶせ蓋のような構造としておくと、ベース板12aとの角度を一定に保つことができるので好ましい。
なお、試料用容器12自体も、本発明の分光光度計の所定の位置に、所定の角度で置く必要があるが、試料用容器12を置く部分に、所定の位置を示す機能と置く位置を規制する機能とを有する突起等を設けておくとよい。
【0027】
ところで、試料用容器12、特にそこに積層されたホログラム分光素子と光センサアレイの角度の関係は、測定上、重要であるが、ホログラム分光素子として、線分状に集光するものを使用すれば、光センサアレイとの関係が所定の角度でなくても、測定が可能である。または、光センサアレイは光センサの線状配列でもよいが、縦横の配列としておいても、光センサアレイとの関係が所定の角度でなくても、測定が可能となる。
また、試料用容器、ホログラム分光素子、集光素子、もしくは均一な回折格子を構成する材料の少なくともいずれかを、特定波長に吸収を持つ素材で形成するか、もしくは特定波長に吸収を持つ材料を含有させて、特長のある吸収波長を持たせておき、この特定の波長を検出することにより、光センサアレイ15のどの位置がどの波長に対応するのかを確認して較正してもよい。
【0028】
なお、試料用容器12は、偏平なものに限られることなく、図7に示す、通常の分光光度計において使用されるようなセル様式(=四角柱状の容器である。)の形状のものであってもよい。セル様式の試料用容器12は、試料である液体の保持性が優れている。この場合のホログラム分光素子の適用も上記の説明に従って行なうことができる。
【0029】
なお、図7に示す形状の試料容器12を使用する場合、試料用容器12を立てて使用するので、図2〜図5を引用して説明したような配置における光源11、試料用容器12、および光センサアレイ15等を、いずれかの方向に90度回転させて配置した形式の分光光度計とすることが望ましい。
【0030】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、試料用容器の光源側、光透過性のホログラム分光素子を形成したことにより分光器の機能を付与したため、駆動部を伴なう従来の分光器が不要になり、このため、装置が小型化でき、また、試料用容器に光を入射しただけで分光が行なわれるので、分光に要する時間的経過が無い分光光度計を提供することができる。請求項の発明によれば、試料容器が、光透過性のベース板、および光透過性のカバー板からなり、その光源側に、光透過性の集光素子および均一な回折格子の重合体を形成したことにより分光器の機能を付与したため、駆動部を伴なう従来の分光器が不要になるとともに、集光性と分光性とを個別に設定可能な分光光度計を提供することができる。請求項の発明によれば、請求項1または2いずれかの発明の効果に加え、試料容器が、光透過性のベース板、および光透過性のカバー板からなり、ホログラム分光素子、もしくは集光素子と回折格子との重合体による集光が線分状であるため、光センサアレイとの所定の角度の関係になくても測定が可能な分光光度計を提供することができる。請求項の発明によれば、請求項1〜いずれかの発明の効果に加え、試料の保持性が優れた筒状のセル形状の試料用容器を備えた分光光度計を提供することができる。請求項の発明によれば、入射側に光源を備え、かつ分光器を備えておらず、出射側に光センサシステムを備えた分光光度計において使用するのに適した、自身が分光機能を備えた試料用容器を提供することができる。請求項の発明によれば、光透過性のベース板、および光透過性のカバー板からなり、自身が分光機能を備え、さらに、集光性と分光性とを個別に設定可能な試料用容器を提供することができる。請求項の発明によれば、請求項5または6いずれかの発明の効果に加え、光透過性のベース板、および光透過性のカバー板からなり、ホログラム分光素子、もしくは集光素子と回折格子との重合体による集光が線分状であるため、光センサアレイとの所定の角度の関係になくても測定が可能な試料用容器を提供することができる。請求項の発明によれば、請求項いずれかの発明の効果に加え、筒状であるため、試料の保持性が優れたセル形状の試料用容器を提供することができる。請求項の発明によれば、試料用容器、ホログラム分光素子、集光素子、もしくは均一な回折格子の少なくともいずれかが、特定波長に吸収を持つ素材からなるか、もしくは特定波長に吸収を持つ材料を含有することにより、基準となる吸収波長を有するので、測定した結果が、どの波長に対応するかを、その都度、正確に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の分光光度計を示す図である。
【図2】「透過型」の分光光度計の主要部を示す図である。
【図3】上下の配置を逆にした「透過型」の分光光度計の主要部を示す図である。
【図4】「反射型」の分光光度計の主要部を示す図である。
【図5】上下の配置を逆にした「反射型」の分光光度計の主要部を示す図である。
【図6】皿状の試料用容器の図である。
【図7】セル様式の形状の試料用容器の図である。
【符号の説明】
11 光源
12 試料用容器(12a;ベース板、12b;カバー板)
13 ホログラム分光素子
14 試料
15 光センサアレイ

Claims (9)

  1. 光透過性の試料用容器と、前記試料用容器に光を入射する光源と、前記試料用容器から出射した光を検出する光センサシステムからなり、前記試料容器には、前記光源側に、光透過性であって、入射した光を分光し、前記光センサシステムに特定の波長の光を集光するホログラム分光素子が形成されていることを特徴とする分光光度計。
  2. 光透過性の試料用容器と、前記試料用容器に光を入射する光源と、前記試料用容器から出射した光を検出する光センサシステムからなり、前記試料容器が、光透過性のベース板、および光透過性のカバー板からなり、且つ、前記試料容器には、前記光源側に、光透過性であって、入射した光を分光し、前記光センサシステムに特定の波長の光を集光するための、集光素子および均一な回折格子の重合体が形成されていることを特徴とする分光光度計。
  3. 前記試料容器が、光透過性のベース板、および光透過性のカバー板からなり、前記ホログラム分光素子、もしくは前記集光素子および均一な回折格子の重合体による集光が分光方向に垂直な方向も持つ線分状に行なわれるものであるであることを特徴とする請求項1または2いずれか記載の分光光度計。
  4. 前記試料用容器が、前記光が入射する側、および前記光が出射する側共、平坦な面を有する筒状形状であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の分光光度計。
  5. 請求項1に記載の光透過性の試料用容器に光を入射する請求項1に記載の光源と、前記試料用容器から出射した光を検出する請求項1に記載の光センサシステムからなる請求項1に記載の分光光度計と組み合わせて使用するものであって、前記試料用容器の前記光が透過する前記光源側に、光透過性であって、入射した光を分光し、前記光センサシステムに特定の波長の光を集光するホログラム分光素子が形成されていることを特徴とする試料用容器。
  6. 請求項2に記載の光透過性の試料用容器に光を入射する請求項2に記載の光源と、前記試料用容器から出射した光を検出する請求項2に記載の光センサシステムからなる請求項2に記載の分光光度計と組み合わせて使用するものであって、前記試料容器が、光透過性のベース板、および光透過性のカバー板からなり、且つ、前記光が透過する前記光源側に、光透過性であって、入射した光を分光し、前記光センサシステムに特定の波長の光を集光するための、集光素子および均一な回折格子の重合体が形成されていることを特徴とする試料用容器。
  7. 前記試料容器が、前記光透過性のベース板、および光透過性のカバー板からなり、前記ホログラム分光素子、もしくは前記集光素子および均一な回折格子の重合体による集光が分光方向に垂直な方向も持つ線分状に行なわれるものであるであることを特徴とする請求項5または6いずれか記載の試料用容器。
  8. 前記試料用容器が、前記光が入射する側、および前記光が出射する側共、平坦な面を有する筒状形状であることを特徴とする請求項5〜7いずれか記載の試料用容器。
  9. 請求項1または2に記載の分光光度計の較正方法であって、請求項1または2に記載の試料用容器、請求項1に記載のホログラム分光素子、請求項2に記載の集光素子、もしくは請求項2に記載の均一な回折格子の少なくともいずれかが、特定波長に吸収を持つ素材からなるか、もしくは特定波長に吸収を持つ材料を含有することにより、基準となる吸収波長を有し、前記基準波長を検出することにより、波長較正を行うことを特徴とする分光光度計の較正方法。
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