JP4640226B2 - トンネル換気装置 - Google Patents
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Description
そして、これらジェットファン等の運転を制御する換気動力盤は、トンネルの一端部に設けられた電気室に収容され、各ジェットファン等に対して電力ケーブルを介して電力を供給される。ジェットファン等の正常な運転を維持するためには、電力ケーブルにおける電圧降下を考慮して、ケーブルサイズを選定する必要がある。特に、全長の長いトンネルにおいては、電力ケーブルにおける電圧降下が大きくなるので、断面積の大きい電力ケーブルを選定する必要とあり、設備コスト及び工事費が上昇してしまうという問題があった。
しかしながら、ジェットファン等の台数制御を行っているだけなので、ジェットファン等を希望する回転速度で駆動することができず、したがって、換気風量を最適な値に設定することができず、必要な換気風量よりも大きい換気風量が達成されるようにジェットファン等を運転する必要が生じる等、不経済な運転になってしまうという問題があった。
また、インバータ制御盤等の制御機器を煤塵等から保護するために密閉容器内に収容する場合には、インバータ制御盤等の発熱を抑える必要がある。しかしながら、冷却ファン等を用いたしても密閉容器内であるために、所望の冷却効率を得ることができないというという問題がある。
また、インバータ制御盤を煤塵等から保護しつつ、効率よく冷却することができるトンネル換気装置を提供することを目的とする。
本発明は、トンネルの天井部に設けられたトンネルファンにより、トンネル内の換気を行うトンネル換気装置において、トンネルファンの駆動を制御するインバータ制御盤を収容容器に収容すると共に、収容容器をトンネル内に配置するようにした。
この発明によれば、インバータ制御盤からトンネルファンまでのケーブルの長さを短くすることができるので、高周波ノイズ等の影響を抑えることができる。
また、トンネルファンの近傍に収容容器を配置したものでは、確実に高周波ノイズ等の影響を抑えることができる。
また、収容容器が、前面に開口が設けられると共に、開口を扉体で被覆した手元開閉器であるものでは、メンテンナンス性が確保される。
この発明によれば、収容容器に収容されたインバータ制御盤の発熱をトンネルファンの送風を利用して冷却することができるので、専用の冷却ファン等が不要となり、設備コストを低減することができる。特に、インバータ制御盤を収容する収容容器をトンネルファンの近傍に配置した場合には、インバータ制御盤の発熱を効率的に抑えることができる。
また、トンネルファンの上流と下流の圧力差を利用して、第一流路及び第二流路に送風を流通させるものでは、収容容器内に導入された送風が特別な動力を必要とせずに流通可能となるので、更に効率的にインバータ制御盤の発熱を抑えることができる。
また、トンネルファンは、送風方向が反転可能に構成され、第一流路及び第二流路は、逆方向の送風も流通可能に構成されるものでは、いわゆるジェットファンと呼ばれる反転可能なトンネルファンであっても適用可能となる。
また、第一流路及び/又は前記第二流路は、トンネルファンとインバータ制御盤とを接続するケーブルが収容されるコンジットであるものでは、既存の設備を利用できるので、設備コストを抑えることができる。
また、収容容器は、インバータ制御盤の冷却を補助する冷却用ファンを備えるものでは、トンネルファンの送風量が少ない場合であっても、インバータ制御盤の冷却を確実に行うことができる。
インバータ制御盤からトンネルファンまでのケーブルの長さを短くすることができるので、高周波ノイズ等の影響を抑えることができ、これにより、トンネルファンのインバータ制御を高性能に行うことができる。
また、収容容器に収容されたインバータ制御盤の発熱をトンネルファンの送風を利用して冷却することができるので、インバータ制御盤の性能を充分に発揮することができる。
自動車が走行するトンネル内においては、ドライバーの視環境の確保、自動車から排出される一酸化炭素や亜硫酸ガス等の有害物質の希釈、火災時の避難路の確保等を目的として、換気を行う必要があり、このためトンネルの天井部にはトンネルファン(軸流ファン)が設けられる。
トンネルファンのうち、トンネル天井面に配設され、噴流の力を利用するものをジェットファン等と称し、噴流の吐出方向が両方向であるファンをジェットファン、原則的に片方向のみであるファンをブースタファンと称している。
ジェットファン等は電気集じん機や大形の送排風機を用いる他の換気設備と比較して、設備費、維持費の両面で大きなコストメリットがある。さらに、電気集じん機や送排風機を用いる換気設備には、機械室や換気立坑等の土木・建築工事が必要であるので、工期と建築費の点においても、ジェットファン等は他の換気設備と比較して、メリットが多い。
トンネルT内の換気装置Eとしては、図1(a)に示すように、トンネル内の天井に複数のジェットファン1を所定間隔で設置し、縦流風を発生させて換気する方式が一般的である。更に、図1(b)に示すように、トンネルTの中央付近に集中立坑排気口を設け、トンネルTの入口及び出口の両坑口から導入した換気風を集中的に排気する方式等もある。
なお、トンネルTの全長が長い場合には、十分な換気能力を確保するため、上述したジェットファン1による縦流換気方式と集中立坑排気方式とが併用される場合もある。
ジェットファン1は、トンネルTの天井部に取り付けられる円筒状のケーシング2内に、支持脚3により同心状となるよう両軸モータ4を配設し、両軸モータ4の各軸にそれぞれ、複数枚の動翼5を有するファン6を嵌着してなる構成を有する。
このような構成において、両軸モータ4を正転させたときには正方向の気流7が発生する。一方、両軸モータ4を逆転させたときには逆方向の気流8が発生するようになっている。
また、ジェットファン1の両軸モータ4は、電力ケーブル10を介してジェットファン1の近傍に設置される手元開閉器11内のインバータ盤9に接続される(図3参照)。そして、更に電力ケーブル10を介してトンネルTの入口或いは出口に設けられた電気室内の電源(いずれも不図示)に接続される。なお、電気室内には、トンネルT内の複数のジェットファン1の運転を制御する制御盤等も収容される。
上述したように、インバータ盤9は、ジェットファン1の近傍に設置される手元開閉器11に収容される。手元開閉器11は、前面に開口が設けられると共に、その開口を扉体で被覆した収容容器である。また、手元開閉器11は、インバータ盤9をトンネルT内の煤塵、水分から保護するために、防塵、防滴構造を備えるものが用いられる。
手元開閉器11が防塵、防滴構造であるため、インバータ盤9が過熱しやすくなって所定の性能を発揮できなくなってしまうので、効率的に冷却する必要がある。
このため、手元開閉器11には、ジェットファン1からの送風を導入するコンジット15が接続されている。コンジット15は、図3に示すように、ジェットファン1のケーシング2における一端に接続される。そして、コンジット15の開口16は、ジェットファン1の中心部を向くように設置される。
また、手元開閉器11には、ジェットファン1から導入された送風を外部に排出するためのコンジット17も接続されている。コンジット17は、図3に示すように、ジェットファン1のケーシング2における他端に接続される。そして、コンジット17の開口18は、ジェットファン1の中心部を向くように設置される。
すなわち、ジェットファン1のケーシング2における両端には、コンジット15,17が接続され、それぞれのコンジット15,17の開口16,18が対向するように配置される。つまり、コンジット15,17及び開口16,18は、対称的に配置されている。
なお、コンジット15,17内には、適宜、フィルタ(不図示)を設ける。インバータ盤9を煤塵から保護するためである。
まず、電気室内の制御盤からの指令により、インバータ盤9を介してジェットファン1の両軸モータ4に駆動電圧が与えられる。両軸モータ4を正転させた場合には、正方向の気流7が発生する。ジェットファン1のケーシング2の一端には、コンジット15の開口16が設けられているので、発生した気流7の一部がコンジット15を介して手元開閉器11に導入される。
そして、手元開閉器11に導入された気流7は、手元開閉器11に接続されたコンジット17を介してジェットファン1のケーシング2の他端に向けて排出される。このように、気流7が手元開閉器11内を通過する際に、インバータ盤9から熱を奪い、インバータ盤9を冷却する。
なお、ジェットファン1の上流側と下流側との間には、気圧差が発生している。すなわち、ファン6の回転により発生した気流7により、上流側は負圧となり、下流側は正圧となる。そして、正圧となるジェットファン1の下流側にコンジット15の開口16を配置し、負圧となるジェットファン1の上流側にコンジット17の開口18を配置しているので、コンジット15から手元開閉器11に気流7を導入し、更にコンジット17から気流7を排出する作用がジェットファン1に発生した気圧差によって良好に維持される。
このように、ジェットファン1の両軸モータ4を逆転させた場合であっても、手元開閉器11内のインバータ盤9を良好に冷却することが可能である。
つまり、本発明によれば、ジェットファン1の両軸モータ4の回転方向に関わらず、手元開閉器11内のインバータ盤9を良好に冷却することが可能である。しかも、ジェットファン1からの気流を用いると共に、ジェットファン1により発生する気圧差を利用するので、特別な設備等が必要とせず、またランニングコストを殆どかけずに、手元開閉器11内のインバータ盤9を冷却することが可能である。
また、手元開閉器11内に導入した気流をジェットファン1に向けて排出する場合について説明したが、これに限らない。例えば、トンネルT外に排出するようにしてもよい。
E…トンネル換気装置
1…ジェットファン(トンネルファン)
2…ケーシング
4…両軸モータ
6…ファン
7,8…気流(送風)
9…インバータ盤(インバータ制御盤)
11…手元開閉器(収容容器)
15…コンジット(第一流路)
17…コンジット(第二流路)
18…補助冷却ファン
Claims (8)
- トンネルの天井部に設けられたトンネルファンにより、前記トンネル内の換気を行うトンネル換気装置において、
前記トンネルファンの駆動を制御するインバータ制御盤を収容容器に収容すると共に、前記収容容器を前記トンネル内に配置し、
前記収容容器は、前記トンネルファンからの送風を前記収容容器内に導入する第一流路を備えることを特徴とするトンネル換気装置。 - 前記トンネルファンの近傍に前記収容容器を配置したことを特徴とする請求項1に記載のトンネル換気装置。
- 前記収容容器は、前面に開口が設けられると共に、該開口を扉体で被覆した手元開閉器であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトンネル換気装置。
- 前記収容容器は、前記収容容器内に導入された送風を前記トンネルファンに排出する第二流路を備えることを特徴とする請求項1に記載のトンネル換気装置。
- 前記トンネルファンの上流と下流の圧力差を利用して、前記第一流路及び前記第二流路に送風を流通させることを特徴とする請求項4に記載のトンネル換気装置。
- 前記トンネルファンは、送風方向が反転可能に構成され、
前記第一流路及び前記第二流路は、逆方向の送風も流通可能に構成される
ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のトンネル換気装置。 - 前記第一流路及び/又は前記第二流路は、前記トンネルファンと前記インバータ制御盤とを接続するケーブルが収容されるコンジットであることを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載のトンネル換気装置。
- 前記収容容器は、前記インバータ制御盤の冷却を補助する冷却用ファンを備えることを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載のトンネル換気装置。
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