JP4638084B2 - 溶融スラグ用の流路形成用部材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は流動する酸化物主体の溶融スラグと絶えず接触する高レベルの超高温耐食性材料に係る。
【0002】
【従来の技術】
高温に曝される機器、装置に使用する高温用材料は、用途も多岐に亘り、その雰囲気も様々であるから、数多くの金属材料からセラミックスなど非金属に至るまで開発の長い歴史が記録されている。使用雰囲気が1000℃以下の場合には、これら高温用材はFeをベースとして、Feよりも酸化しやすいAl、Crなどを添加して選択的に酸化させ、薄く緻密な皮膜を形成させて以後の酸化の進行を妨げることが原則であり、さらに適用される用途に応じて高温クリープ強度や高温硬度(高温耐摩耗性)を重視するなど、用役独特のニーズも求められる。
【0003】
1000℃以上の高温用部材になると、もはやFeベースの合金では対応は難しくなると考えられる。特公昭52−48090号公報の発明は、重量割合において、Cr:50〜65%、Fe:40〜45%、W:5〜10%、NbまたはTa、もしくはその複合0.5〜5%を含むCr基合金で(以下「クリマックス;商品名;栗本鐵工所製」と呼ぶ)、たとえば圧延用熱処理装置に使用されるスキッドレールや鍛造炉の炉床のような超高温(1300℃)においても耐えられる耐熱性と耐摩耗性を具えていると謳っている。クリマックスはCrをベースとして、Feによって合金加工性を与え、WをCrに固溶強化させ、またはCrと化合物を作って高温強度、高温硬度を向上し、NbまたはTaによって凝固時にNと化合して結晶粒の微細化を図った。このクリマックスは、たとえば従来のCo基合金(Co:49.5%、Cr:28.2%、残りFe)と比較すると、1300℃・5hr保持における酸化減耗量は約1/3〜1/10に過ぎず、1400℃・3hr保持においても約1/4〜1/26に留まり、抜群の超高温の耐酸化性を発揮している。その他、高温引張り試験、900℃クリープ試験の何れにおいても従来材のCo基合金を大幅に上回った成果を謳っている。
【0004】
一方、特許第2625338号に係る発明においては、被処理物の灰分などを溶融スラグ化して排出する溶融固化装置に係り、溶融部でスラグ化し流下する溶融スラグを捕集して下方の搬送手段へ注ぐ漏斗部がブロック状Cr合金を組合せて形成されることを要旨とし、具体的には、W、Mo、Nb、Ta、Vの一種または二種以上を30重量%以下含み、残りCrよりなるCr合金が望ましい。これによって従来は漏斗部を炉壁材と同様の耐火物(セラミックス)で形成していたが、溶融スラグによって激しく侵食され、長時間初期の形状を維持することができず、溶融スラグが付着、固化して排出口を閉塞していた課題を解決し、さらに該Cr合金をブロック状に組合せることにより、割れによる剥離、脱落も生じ難くなったと謳っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記の従来技術のうち、初めに引用したクリマックスはほぼ60%Cr−40%Feをベースとして、W、Nb、Taなどを配合した合金であり、どのような用途に使用しても一定の評価に耐え得る。たとえば、後に引用した発明が対象とする焼却灰の溶融スラグ化炉などにおいて、課題の溶融スラグ用流路を形成する部分に使用したときでも、通常の使用条件であればよくその任を果し、期待を裏切るような結果に終ることはない。しかし、この溶融スラグ化炉という新たに開発された処理技術は、下水の汚泥、都市ゴミ、産業廃棄物、などきわめて多種類に及ぶ処理物を焼却して残った灰分をさらに高温に加熱して溶融スラグ化し、灰として処理すべき固形分を効率的に減容すると共に、重金属などの有害物質を捕捉固定するという国土の環境劣化を阻止する旗手として最も期待を集めている技術分野であり、それ故に適用する範囲をますます拡大する社会的ニーズはさらに高まり、焼却灰が溶融したスラグ自体の物理的、化学的性質も一段と複雑化、多様化せざるを得ない趨勢にある。
【0006】
発明者は前記クリマックスを前記溶融スラグ化炉から得られた実際のスラグ中に埋没して操業条件と同一の高温に保持してその変遷を追跡してみた。今回適用した溶融スラグの溶融点は約1200℃以上と測定されたが、事実、1200℃を越える実験でもこのクリマックスがとくに腐食を受けて激しく減耗したという形跡は顕れず、この程度の温度範囲であれば、溶融スラグ化炉で生成される溶融スラグと直接、常時接触する流路に使用しても、特に溶融スラグのアタックによる腐食は認められず、十分使用に耐え得ると評価できる。
【0007】
しかし、前記のように溶融スラグ化炉による焼却灰の二次処理は、いまや環境悪化を抑止する最も期待の高いホープであり、その意味からも溶融スラグの溶融点は常に1200℃に留まるわけではない。処理温度をより高く設定して有害、有毒の灰中成分を徹底的に分解すると共に、溶融スラグの流動性を加速して効率的に排出するためには、今や1350℃以上の超高温にも耐えられる部材の開発が必須の前提となってくる。1350℃における前記スラグとの共存テストでは、クリマックスといえども耐食性は急激に低下し、この材料の限界を見せつける結果となった。したがってこの従来技術に依存する限り、溶融スラグ化炉の処理温度を現在よりもさらに高めようとする仕様に対しては重大な傷害とならざるを得ない。
【0008】
本発明は以上の観点に立ち、流動する溶融スラグと常に接触する条件にあって1350℃以上の超高温域においても、前記クリマックスに比べて少なくとも2倍以上の耐食性を堅持するような合金の成分範囲を特定することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る溶融スラグ用の流路形成用部材は、Cr:38〜45質量%(以下、「%」は質量%)、残りFeの二元系合金よりなり、とくに1350℃以上の超高温で優れた耐食性を具備することを特徴とする。
【0010】
この場合、前記耐食性はCr−Fe二元系合金のうち、前記特定成分範囲においてのみ形成される堅牢緻密なCr2O3薄膜の連続面によって発現するものであり、溶融スラグが、Fe、P、Ca、Si、Alを含み、そのFeとPをそれぞれ1%以上含むことを特徴とする。
【0011】
また、実施の態様としては、溶融スラグが、ゴミ焼却などで発生する焼却灰を高温で溶融したものであり、該溶融スラグ化炉における溶融スラグの流路が、溶融スラグ化する溶融部と該溶融スラグを自然流下させて排出室へ誘導する樋形成されたものであることが最も好ましい態様である。
【0012】
従来から個別に試みられてきたCr基、またはCrを大量に配合したCr−Fe系合金類は、前記従来技術に例示したように枚挙に暇ないが、純粋にCr−Feの配合比率のみを規則的に変動して1350℃を越える超高温域にあって酸化物主体の溶融スラグと常時接触するというきわめて異常な条件に限定した耐食性テストは皆無であった。そしてテストの結果は、前記特殊な条件下でも従来は暗黙の内に常識として受け入れられていたCrと耐食性との絶対的な相関関係、すなわち、Crが高ければ高いほど耐食性は向上するという予想は全く成立せず、試験前の予想を完全に裏切る意外な結果に終った。すなわち、1350℃を越えると合金と溶融スラグ間にCr、Fe、Pと酸素の配分に関する相対的な反応が活性化し、これが耐食性としての結果を支配してCr:38〜45%、残りFeの範囲において他の成分範囲とは明らかに異なるピークが顕れ、それよりCrが高くても、または逆に低くても耐食性が急落するという予想外の結果が得られたのである。
【0013】
Crが38%以下、たとえば30%になると、なぜ耐食性が急落するのか、その理由を示唆する実験結果は図2、図3に窺うことができる。図2は30Cr材(残りFe、以下同じ)を酸化物主体のスラグ中に埋没させて1350℃で100時間保持した際の表面腐食層の結晶構造同定のためにX線回折を行なって得られた回折パターンであり、その回折ピークがFeCr4(▽マークで示す)特有の回折ピークと一致することからFeCr4と同定することができる。図3は38Cr材を同じ条件で得られた回折パターンであり、その回折ピークがCr23(▽マーク)よりなることを立証し、38Cr材では緻密なCr23の皮膜が表面に形成されて以後の腐食の進行を阻止するのに対し、30Cr材のFeCr4では、やや脆弱な酸化層が腐食の進行を許すものと理解される。
【0014】
この推論を傍証するのが図4(A)〜(F)であって、この図は前記X線回折を行なった各試料をEPMA(電子線マイクロアナライザー)によって面分析した画像のうち、とくに各試料の酸素濃度のみを抜粋したものであり、同図(A)は30Cr材、同図(B)は38Cr材、同図(C)は45Cr材のそれぞれ1350℃・100hrスラグ埋設後の表面を含む断面を示したものである。画像上、色が白いほど酸素の濃度が高いことを示す。同図(A)では、ある幅にまで進行した酸化層が不連続に形成されているのに対し、同図(B),(C)では極く薄い皮膜が連続的に形成(画像上では細い白線として表れている)されていることからも明白に両者の構成の差が証明される。
【0015】
Crが45%を越えると、なぜ耐食性が急落するのか、この説明はいまのところ推測の域を脱しない。先に引用した図4(D)は59Cr材、図4(E)はクリマックス材、図4(F)は76Cr材の高温腐食層の酸素濃度をそれぞれ示し、何れも表面に幅の厚い酸化層が形成され、かつ、Cr含有量が増えると共にその進行が一層昂進していることが明らかに読み取れる。また、図示は省略するが、前記X線回折による結晶構造の解析からは、腐食層は59Cr材ではCr23の他にMgFeAlO4を、66Cr材ではCr23の他に(CrFe)23を含むことから、30Cr材と同様な酸化皮膜の脆弱化が原因の一つかも知れない。
【0016】
さらに純CrとCr23との密着性は基本的に悪く、このことからCr含有量が高いほどCr23皮膜による保護作用が劣化し剥脱して新たな腐食を誘発するという推論も成り立つ。密着性の悪さについては、純CrとCr23、またはCr−Fe合金とCr23間の線膨張係数の差や、結晶の格子定数の差からは説明が難しく、最近の研究情報では高Cr合金に形成するCr23はバックリングという現象のためにCr23の皮膜が基材から剥離しやすくなるという報告もあるが、詳しい解明は今後に待たれる。
【0017】
図5は1450℃の極限まで温度を上げた各合金材の外観状態を示したもので、同図(A)は38Cr材、同図(B)は76Cr材である。38Cr材でも一部に溶解の始まった形成が見られるが、76Cr材に至ると、試験材としての元の形状は完全に失われ、大半が溶損していることを示している。このような現象は通常の大気中の高温酸化反応では見られないから、周囲に密着して共存する溶融スラグの存在に着目すべきである。
【0018】
図6はFe−Cr−Pの液相の三元状態図である。1450℃まで加熱した59Cr材と76Cr材の溶解した残材を化学分析すると、前者は37.2Cr−57.4Fe−5.3Pat%、後者は2.2Cr−80.2Fe−17.7Pat%と判った。この分析値を図6に当て填めて見ると、それぞれ点A、点Bとなり、その溶融点は59Cr材の残材が1400℃、76Cr材の残材はわずか1100℃に相当することが判る。すなわち原材のCr含有量が高いほどCrの喪失量も急増し、残材ではほとんどのCrが失われ、FeやPに置換して溶融点が急落していることを物語る。
【0019】
高温における酸化物の生成エネルギーを考えると、溶融スラグと合金が接触すると合金内ではFeよりも先にCrの酸化が始まる。このとき溶融スラグ中のP酸化物やFe酸化物の生成エネルギーがCr酸化物のそれよりも高いため、合金中のCrはP酸化物、またはFe酸化物の酸素を奪ってスラグ内に溶融するが、逆に溶融スラグ中のP酸化物、Fe酸化物は還元されてP、Feとなり合金中へ拡散して合金の融点を低下させる。この点に着目すれば、超高温下では合金中のCr含有量が高いほど溶融スラグとの反応、とくにFe、Pを含むスラグ間反応が活性化し、溶融点を下げて腐食を助長するのではないかという推論も成り立つ。
【0020】
【発明の実施の形態】
図7は本発明が適用される溶融スラグ化炉の概略図である。溶融スラグ化炉は旋回式であり、上方の旋回溶融室2と下方の溶融池室3を具え、都市ゴミや産業廃棄物などを焼却したとき生じる灰分は供給管4から装入され、主バーナ5から噴射する火炎によって旋回流を起しながら溶融されてスラグ化し、溶融池室3へ流動する。邪魔壁6によって適宜流量を調整しつつ、溶融スラグの排出室7へ斜めに流下する流路を形成するのが樋1であり本発明の実施の対象であって、常に酸化物主体の溶融スラグが表面上を流れ続ける。
【0021】
表1は本発明の実施の一例となるスラグの化学分析であり、Ca、Si、Alが主な構成成分であり、とくにFe、Pは前記の考察からも必須の成分である。X線回折によって化合物としての構造を調べたが、わずかにSiO2の回折ピークのみ観察され、ほとんどの化合物は非晶質であると考えられる。
【0022】
【表1】
Figure 0004638084
【0023】
表2は試験片の化学成分であり、Cr−Fe二元系合金において相互の割合を10%刻みを目標に変えてほぼ全域をカバーした。試料7は従来技術の前記クリマックスであり、比較のために加えたものである。試験片は鋳造後10×10×7tの各板状に加工し、平面研削、ぺーパ研磨、脱脂の後、アルミナ製るつぼの中央に試験片を入れ、周囲を前記のスラグで埋没させた上、1200℃、1250℃でそれぞれ400hr、1350℃・100hr、1450℃・10hrと、温度と保持時間を変えて加熱処理を施した。
【0024】
【表2】
Figure 0004638084
【0025】
試験後、取り出した各試験片を見ると、1200℃・400hrの試験ではCr量が変化しても余り耐食性に差は見られず、1200〜1250℃の試験を通じて前記クリマックスと比較して大きく耐食性が向上したと認められる合金はなかったが、1350℃の超高温になると表面の腐食層に重大な差が現れる。本発明の実施例である試験片2、3は表面全体に約4μm厚さ以下のCr酸化物が連続的に形成されるのに対し、30Cr材の試験片1では酸化層の厚さが一定でなく隙間も見られる。また、59Cr材以上の試験片4〜7では酸化物が表面から剥がれてスラグ中に散乱していた。この外観観察と前記の図4(A)〜(F)を見比べると、本発明の実施例だけが格段に耐食性の卓抜した点で完全に一致する。
【0026】
耐食性の評価を客観的な数値で表示するために、図8のように腐食層の減耗量を測定した。試験前にマイクロメータで肉厚を測定し、試験後に100倍に拡大した顕微鏡で試料中央4mmの範囲を測定した。図のように面を構成する状態の最小距離を全面腐食、表皮から部分的に侵入している腐食の先端間の最小距離を局部腐食と定義付けて測定した。測定は部分的な溶融が始まった1450℃試料を除くすべてについて行なったが、1250℃以下の試験では顕著な特徴は顕れず、とくに前記クリマックスを凌駕する材料は特定できなかった。
【0027】
しかしながら本発明の目的である1350℃・100hrにおいては明白、顕著な差が示され、最良の成分を特定する最大の根拠となった。表3(A)(B)は慎重を期して2度繰返した腐食量の測定結果であり、これらの測定値の平均値を図形化したのが図1である。
【0028】
【表3】
Figure 0004638084
【0029】
図1が明白に示す通り38Cr材において顕著な谷底を形成し、この点から左右に立ち上がって急激に腐食量が増大している。図中、クリマックスは本発明が目標としてきた従来技術の代表例であり、本発明の実施例は目標通り該従来技術の2倍以上の耐食性を具えることに成功した。本発明の特定する成分範囲よりCrが高くても、または少なくても腐食は確実に急増する。Crの少ない場合については生成酸化物の結晶構造的な弱さが主因と考えられる。Crの多い場合については結論は差し控えたいが、高Crほど酸化物の密着性が低下していくためか、超高温下における溶融スラグとの反応が過激に昂進するためか、俄かには断定し難い。もし後者によるのであれば、Crの少ないほど耐食性は向上することを意味するから、酸化物の構造の強弱と溶融スラグのアタックの強弱がバランスする谷底に本発明の成分が潜在していたとも解される。
【0030】
【発明の効果】
以上述べたように本発明に係る溶融スラグ用の流路形成用部材は、酸化物主体の溶融スラグに絶えず接触する流路を形成する材料という特殊な条件下において著しく優れた耐食性を持続する。とくに1350℃を越えるような超高温下においては、最高レベルと高く評価されていた従来材のクリマックスを大幅に凌駕する耐食性を保つから、今後、社会的ニーズの高まりと共に一層活発となる溶融スラグ化炉の機能の向上、適用の多様化に伴う現時点よりも一段と過酷な使用条件に耐え得る数少ない機能材料として、我が国の産業の発展、とくに環境問題の解決の一翼を担う新素材としてその価値は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の腐食試験の結果を示す図表である。
【図2】本発明比較例の腐食層の結晶構造を同定するX線回折パターンである。
【図3】本発明実施例の腐食層の結晶構造を同定するX線回折パターンである。
【図4(A)】比較例の表面腐食層の酸素濃度を解析した画像である。
【図4(B)】本発明の実施例の表面腐食層の酸素濃度を解析した画像である。
【図4(C)】本発明の実施例の表面腐食層の酸素濃度を解析した画像である。
【図4(D)】比較例の表面腐食層の酸素濃度を解析した画像である。
【図4(E)】比較例の表面腐食層の酸素濃度を解析した画像である。
【図4(F)】比較例の表面腐食層の酸素濃度を解析した画像である。
【図5】本発明実施例(A)と比較例(B)の1450℃保持後の外観写真である。
【図6】Fe−Cr−Pの液相の三元系状態図である。
【図7】溶融スラグ化炉の概略を示す縦断面図である。
【図8】腐食層の測定量を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 樋
2 溶融質
3 溶融池室
4 供給管
5 主バーナ
6 邪魔壁
7 排出室

Claims (4)

  1. 流動する酸化物主体の高温溶融スラグに絶えず接触する流路の表面を形成する部材において、Cr:38〜45質量%、残りFeの二元系合金よりなり、とくに、1350℃以上の超高温で優れた耐食性を具備することを特徴とする溶融スラグ用の流路形成用部材。
  2. 前記耐食性がCr−Fe二元系合金のうち、前記特定成分範囲においてのみ形成される堅牢緻密なCr薄膜の連続面によって発現することを特徴とする請求項1に記載の溶融スラグ用の流路形成用部材。
  3. 前記溶融スラグが、Fe、P、Ca、Si、Alを含み、かつ、そのFeとPをそれぞれ1質量%以上含む、その溶融スラグの流路形成に用いることを特徴とする請求項1に記載の溶融スラグ用の流路形成用部材。
  4. 前記溶融スラグが、ゴミ焼却などで発生する焼却灰を高温で溶融したものであり、流路が、溶融スラグ化する溶融部と該溶融スラグを自然流下させて排出室へ誘導する樋で形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の溶融スラグ用の流路形成用部材。
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