JP4637876B2 - 光学活性アルコール化合物合成用触媒 - Google Patents

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Description

この出願の発明は、新規ルテニウム錯体の触媒に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、医薬、農薬、あるいは多くの汎用化学品の合成中間体等としてのアルコール化合物、そしてまた、アキラル及び光学活性アルコール化合物を製造するのに有用な、新規ルテニウム錯体の触媒に関するものである。
これまで、遷移金属錯体は、様々な均一系或いは不均系触媒反応の有効な触媒としての実績を有しているが、カルボニル化合物の高効率かつ高選択的な水素化ないし還元反応のための触媒は開発されていない。均一系触媒を使用してカルボニル化合物類の水素化により対応するアルコール類を製造する方法はこれまでによく知られている。例えば、ルテニウム錯体を用いる方法(非特許文献1)や、ロジウム錯体を用いる方法(非特許文献2〜5)、イリジウム錯体を用いる方法(非特許文献6)等が知られている。
しかしながらこれらの従来の方法は、触媒として用いる金属が比較的高価なロジウム、イリジウム、パラジウム、白金などのいわゆる貴金属錯体触媒であり、しかも水素化活性が低く比較的高温あるいは高い水素圧を必要とするため実用には必ずしも適さないという問題点があった。
一方、光学活性アルコールの取得に着目した場合、1)パン酵母などの酵素を用いる方法や、2)金属錯体触媒を用いてカルボニル化合物を不斉水素化する方法などが知られている。とくに後者の方法においては、これまでにも多くの不斉触媒反応の例が報告されている。例えば、光学活性ルテニウム触媒による官能基を有するカルボニル化合物の不斉水素化方法(非特許文献7)や、ルテニウム、ロジウム、イリジウムの不斉錯体触媒による水素移動型還元反応による方法(非特許文献8)、酒石酸を修飾したニッケル触媒を用いて不斉水素化する方法(非特許文献9,10)、不斉ヒドロシリル化による方法(非特許文献11,12)、不斉配位子の存在下にボラン還元する方法(非特許文献13,14)、ホスフィンおよびジアミン不斉配位子の存在下に不斉水素化する方法(非特許文献15)などが知られている。
Eds. G. Wilkinson, F.G.A. Stone and E.W. Abel; Comprehensive Organometallic Chemistry, Vol.4, pp. 931 (1982) Inorg. Nucl. Chem. Letters, Vol. 12, pp. 865 (1976) J. Organomet. Chem., Vol. 129, pp. 239 (1977) Chem. Letters, pp. 261 (1982) Tetrahedron Letters, Vol. 35, pp. 4963 (1994) J. Am. Chem. Soc., Vol. 115, pp. 3318 (1993) Ed. R. Noyori; Asymmetric Catalysis in Organic Synthesis, pp. 56-82 (1994) Chem. Rev., Vol. 92, pp. 1051-1069 (1992) 油化学, pp. 822-831 (1980) Ed. Y. Izumi; Advances in Catalysis, Vol. 32, pp. 215 (1983) Ed. J. D. Morrison, Asymmetric Synthesis, Vol. 5, Chap. 4 (1985) J. Organomet. Chem, Vol. 346, pp. 413-424 (1988) J. Chem. Soc., Perkin Trans, 1, pp. 2039-2044 (1985) J.Am.Chem.Soc., Vol. 109, pp. 5551-5553 (1987) J.Am.Chem.Soc., Vol. 117, pp. 2675-2676 (1995)
しかしながら、酵素を用いる方法は比較的高い光学純度のアルコール類を得ることができるものの反応基質の種類に制約があり、しかも得られるアルコール類の絶対配置も特定のものに限られるという欠点がある。
また、遷移金属の不斉水素化触媒による従来の方法の場合には、分子内に官能基を含む、例えばケト酸のような基質に対しては高い選択性で光学活性アルコール類は製造できるものの、官能基を持たない単純構造のカルボニル化合物の水素化においては反応速度に難点があった。
さらに、非特許文献15に記載の方法は、選択性および活性の点で優れているものの、ルテニウムホスフィン錯体、ジアミン、及び塩基の3成分を混合して用いており、操作が煩雑であるという難点があった。
このため、従来より、アルコール化合物を製造するための、一般性が高く、しかも高活性、かつ、高選択的な触媒が求められていた。
そこで、本発明は、このような従来の問題点を解消し、高収率、高選択率で光学活性アルコール化合物を得ることができる触媒を提供することを課題としている。
この出願の発明は、上記のとおりの課題を解決するものとして、次のとおりの触媒組成物を提供する。
第1:一般式(1)
Figure 0004637876
(式中X、Yは、同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基または他のアニオン基を示し、R,R,Rは、アルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭化水素基であり、RとRが一緒になってアルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭素鎖環を形成してもよいことを示し、nは1から4の整数であり、R,R,Rは、水素原子または、アルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭化水素基を示し、mは1から4の整数である。PRおよびNRは、共に光学活性基である。)で表わされるルテニウム錯体の固体からなり、この固体と原料のカルボニル化合物とを溶媒中に添加して溶解させた後、水素あるいは水素を供与する化合物の存在下にカルボニル化合物を還元して光学活性アルコール化合物を合成するために用いられる光学活性アルコール化合物合成用触媒。
第2:一般式(2)
Figure 0004637876
(式中、X,Yは、同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基または他のアニオン基を示し、R,R,Rは、アルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭化水素基であり、RとRが一緒になってアルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭素鎖環を形成してもよいことを示し、nは1から4の整数であり、R,R,R,R10は、水素原子または、アルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭化水素基を示し、Zは、アルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭化水素基を示し、mは1から4の整数である。PRおよび次式の基
Figure 0004637876

は、共に光学活性基である。)で表わされるルテニウム錯体の固体からなり、この固体と原料のカルボニル化合物とを溶媒中に添加して溶解させた後、水素あるいは水素を供与する化合物の存在下にカルボニル化合物を還元して光学活性アルコール化合物を合成するために用いられる光学活性アルコール化合物合成用触媒。
第3:一般式(3)
Figure 0004637876

(式中、X,Yは、同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基または他のアニオン基を示し、R,R,R,Rは、アルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭化水素基であり、RとRが一緒になってアルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭素鎖環を形成してもよいことを示し、またRとRが一緒になってアルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭素鎖環を形成してもよいことを示し、Wは、アルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭化水素基であり、nは1から4の整数を示し、R,R,Rは、水素原子または、アルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭化水素基を示し、mは、1から4の整数である。PR−W−PRおよびNRは、共に光学活性基である。)で表わされるルテニウム錯体の固体からなり、この固体と原料のカルボニル化合物とを溶媒中に添加して溶解させた後、水素あるいは水素を供与する化合物の存在下にカルボニル化合物を還元して光学活性アルコール化合物を合成するために用いられる光学活性アルコール化合物合成用触媒。
第4: 一般式(4)
Figure 0004637876

(式中、X,Yは、同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基または他のアニオン基を示し、R,R,R,Rは、アルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭化水素基であり、RとRが一緒になってアルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭素鎖環を形成してもよいことを示し、またRとRが一緒になってアルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭素鎖環を形成してもよいことを示し、Wは、アルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭化水素基であり、nは1から4の整数を示し、R,R,R,R10は、水素原子または、アルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭化水素基を示し、Zは、アルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭化水素基を示し、mは1から4の整数である。PR−W−PRと次式の基
Figure 0004637876
は、共に光学活性基である。)で表わされるルテニウム錯体の固体からなり、この固体と原料のカルボニル化合物とを溶媒中に添加して溶解させた後、水素あるいは水素を供与する化合物の存在下にカルボニル化合物を還元して光学活性アルコール化合物を合成するために用いられる光学活性アルコール化合物合成用触媒。
第5:前記ルテニウム錯体が非混合物として単一物質の固体状態で存在する上記第1から第4のいずれかの光学活性アルコール化合物合成用触媒。
第6:結晶である上記第1から第5のいずれかの光学活性アルコール化合物合成用触媒。
第7:PR−W−PRで表される光学活性基が、BINAP:2,2′−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル、BINAPのナフチル環がアルキル基およびアリール基から選ばれる置換基を有するBINAP誘導体、BINAPのリン原子上の1個のベンゼン環に1ないし5個のアルキル基を有するBINAP誘導体、またはフッ素置換基を有するBINAP誘導体であることを特徴とする上記第3または第4の光学活性アルコール化合物合成用触媒。
第8:次式
Figure 0004637876
で表される光学活性基が、1,2−ジフェニルエチレンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,2−シクロヘプタンジアミン、2,3−ジメチルブタンジアミン、1−メチル−2,2−ジフェニルエチレンジアミン、1−イソブチル−2,2−ジフェニルエチレンジアミン、1−イソプロピル−2,2−ジフェニルエチレンジアミン、1−メチル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−イソブチル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−イソプロピル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−ベンジル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−メチル−2,2−ジナフチルエチレンジアミン、1−イソブチル−2,2−ジナフチルエチレンジアミン、または1−イソプロピル−2,2−ジナフチルエチレンジアミンであることを特徴とする上記第2または第4の光学活性アルコール化合物合成用触媒。
第9:PR−W−PRで表される光学活性基が、BINAPまたはTol−BINAPであり、次式
Figure 0004637876
で表される光学活性基が、1,2−ジフェニルエチレンジアミンであり、XおよびYが塩素原子または水素原子であることを特徴とする上記第4の光学活性アルコール化合物合成用触媒。
この出願の発明の触媒によれば、高収率、高選択率で光学活性アルコール化合物を得ることができる。
この出願の発明は以上のとおりの特徴をもつものであるが、以下に詳しくその実施の形態について説明する。まず、この発明の新規ルテニウム錯体を表わす一般式(1)(2)(3)(4)において、符号XおよびYは、同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子やカルボキシル基またはその他のアニオン基を示すが、この場合の、その他のアニオン基としては各種のものであってよく、たとえばアルコキシ基、ヒドロキシ基等が例示される。
そして、一般式(1)(2)(3)(4)で表わされるルテニウム錯体は、ホスフィン配位子とアミン配位子を持つが、このうちのホスフィン配位子は、PR1 2 3 、およびR1 2 P−W−PR4 5 で示されている。PR1 2 3 においては、R1 ,R2 ,R3 は、同じであっても互いに異なってもよく、置換基を有してもよい炭化水素基であり、R1 とR2 が一緒になって置換基を有してもよい炭素鎖環を形成してもよいことを示し、R1 2 P−W−PR4 5 においては、R1 ,R2 ,R4 ,R5 は、同じであっても互いに異なってもよく、置換基を有してもよい炭化水素基であり、R1 とR2 が一緒になって置換基を有してもよい炭素鎖環を形成してもよいことを示し、またR4 とR5 が一緒になって置換基を有してもよい炭素鎖環を形成してもよいことを示し、Wは、置換基を有してもよい炭化水素基を示す。
ここで、R1 ,R2 ,R3 ,R4 およびR5 の置換基を有してもよい炭化水素基は、脂肪族、脂環族の飽和または不飽和の炭化水素基、単環または多環の芳香族もしくは芳香脂肪族の炭化水素、あるいは置換基をもつこれら炭化水素基の各種のものであってよい。たとえばアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、ナフチル、フェニルアルキル等の炭化水素基と、これら炭化水素基に、さらにアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、エステル、アシルオキシ、ハロゲン原子、ニトロ、シアノ基等の許容される各種の置換基を有するもののうちから選択されるものである。
そして、R1 とR2 ,R4 とR5 が環を形成する場合には、R1 とR2 ,R4とR5 は、結合して炭素鎖を形成し、この炭素鎖上にアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、エステル、アシルオキシ、ハロゲン原子、ニトロ、シアノ基等の許容される各種の置換基をもつものから選択される。Wについては、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 の各種の炭化水素基のうちから2価基を構成するものとして適宜に選ばれて2座ホスフィン配位子を形成する。
一般式PR1 2 3 で表される単座ホスフィン配位子としては、R1 2 3 が三種とも異なる置換基からなる光学活性ホスフィン配位子、もしくは少なくとも一つの基が光学活性基である光学活性ホスフィン配位子が用いられる。
一般式R1 2 P−W−PR4 5 で表される光学活性2座ホスフィン配位子の例としては、例えば、BINAP:2,2′−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル、およびBINAPのナフチル環にアルキル基やアリール基等の置換基をもつBINAP誘導体、たとえばH8 BINAP、BINAPのリン原子上の1個のベンゼン環にアルキル基置換基を1〜5個有するBINAP誘導体、たとえば、Tol−BINAP:2,2′−ビス−(ジ−p−トリルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル、キシリル−BINAP:2,2′−ビス〔ビス(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィノ〕−1,1′−ビナフチル、さらにフッ素置換基をもつBINAP誘導体、BICHEP:2,2′−ビス−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−6,6′−ジメチル−1,1′−ビフェニル、BPPFA:1−〔1′,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル〕エチルジアミン、CHIRAPHOS:2,3−ビス−(ジフェニルホスフィノ)ブタン、CYCPHOS:1−シクロヘキシル−1,2−ビス−(ジフェニルホスフィノ)エタン、DEGPHOS:1−置換−3,4−ビス−(ジフェニルホスフィノ)ピロリジン、DIOP:2,3−O−イソプロピリデン−2,3−ジヒドロキシ−1,4−ビス−(ジフェニルホスフィノ)ブタン、DIPAMP:1,2−ビス〔(O−メトキシフェニル)フェニルホスフィノ〕エタン、DuPHOS:(置換−1,2−ビス(ホスホラノ)ベンゼン)、NORPHOS:5,6−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−2−ノルボルネン、PNNP:N,N′−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−N,N′−ビス〔1−フェニルエチル〕エチレンジアミン、PROPHOS:1,2−ビス−(ジフェニルホスフィノ)プロパン、SKEWPHOS:2,4−ビス−(ジフェニルホスフィノ)ペンタンなどが挙げられる。もちろんこの発明に用いることのできるホスフィン配位子はこれらに何ら限定されるものではない。
一般式(1)、(2)、(3)、(4)で表されるルテニウム錯体のアミン配位子においては、R6 ,R7 ,R8 ,R9 ,R10は、同じかもしくは異なっていてもよく、水素原子、または置換基を有してもよい炭化水素基を示し、Zは、置換基を有してもよい炭化水素基から選ばれる基を示す。ここで、置換基を有してもよい炭化水素基は、前記のR1 ,R2 ,R3 ,R4,R5 と同様のもののうちから適宜に選択されたものであってよい。
一般式NR6 7 8 で表される光学活性モノアミン配位子としては、光学活性フェニルエチルアミン、ナフチルエチルアミン、シクロヘキシルエチルアミン、シクロヘプチルエチレンジアミン等の光学活性モノアミン化合物を例示することができる。
また、次式
Figure 0004637876
で表わされる光学活性ジアミン配位子としては、例えば光学活性1,2−ジフェニルエチレンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,2−シクロヘプタンジアミン、2,3−ジメチルブタンジアミン、1−メチル−2,2−ジフェニルエチレンジアミン、1−イソブチル−2,2−ジフェニルエチレンジアミン、1−イソプロピル−2,2−ジフェニルエチレンジアミン、1−メチル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−イソブチル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−イソプロピル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−ベンジル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−メチル−2,2−ジナフチルエチレンジアミン、1−イソブチル−2,2−ジナフチルエチレンジアミン、1−イソプロピル−2,2−ジナフチルエチレンジアミンなどの光学活性ジアミン化合物を例示することができる。
さらに用いることのできる光学活性ジアミン化合物は例示した光学活性エチレンジアミン誘導体に限るものでなく光学活性なプロパンジアミン、ブタンジアミン、フェニレンジアミン、シクロヘキサンジアミン誘導体等を用いることができる。一般式(1)、(2)、(3)、(4)で表されるルテニウム錯体の合成は、ホスフィン配位子、およびアミン配位子を順に、もしくは逆の順で、または、同時に、原料であるルテニウム錯体と反応することにより合成することができる。
錯体合成のための出発物質であるルテニウム錯体には、0価、1価、2価、3価及び、さらに高原子価の錯体を用いることができる。0価、及び1価のルテニウム錯体を用いた場合には、最終段階までにルテニウムの酸化が必要である。2価の錯体を用いた場合には、ルテニウム錯体とホスフィン配位子、及び、アミン配位子を順次もしくは逆の順で、または、同時に反応することにより合成できる。3価、及び4価以上のルテニウム錯体を出発原料に用いた場合には、最終段階までに、ルテニウム原子の還元が必要である。
出発原料となるルテニウム錯体としては、塩化ルテニウム(III) 水和物、臭化ルテニウム(III) 水和物、沃化ルテニウム(III) 水和物等の無機ルテニウム化合物、〔2塩化ルテニウム(ノルボルナジエン)〕多核体、〔2塩化ルテニウム(シクロオクタジエン)〕多核体、ビス(メチルアリル)ルテニウム)シクロオクタジエン)等のジエンが配位したルテニウム化合物、〔2塩化ルテニウム(ベンゼン)〕二核体、〔2塩化ルテニウム(p−シメン)〕二核体、〔2塩化ルテニウム(トリメチルベンゼン)〕二核体、〔2塩化ルテニウム(ヘキサメチルベンゼン)〕二核体等の芳香族化合物が配位したルテニウム錯体、また、シクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等のホスフィンが配位した錯体等が用いられる。さらには、上記の中性ルテニウム錯体以外にも、〔クロロルテニウム(BINAP)(ベンゼン)〕クロライド、(クロロルテニウム(BINAP)(p−シメン))クロライド等のカチオン性ルテニウム錯体〔J. Org. Chem., 59,3064(1994)〕、また、アニオン性錯体も用いることができる。この他、ホスフィン配位子、アミン配位子と置換可能な配位子を有するルテニウム錯体であれば、特に、上記に限定されるものではない。例えば、COMPREHENSIVEORGANOMETALLIC CHEMISTRY II 7巻 294−296ページ(PERGAMON)に示された、種々のルテニウム錯体を出発原料として用いることができる。
3価のルテニウム錯体を出発原料として用いる場合には、たとえば、ハロゲン化ルテニウム(III) を過剰のホスフィンと反応することにより、ホスフィン−ルテニウムハライド錯体を合成することができる。次いで、得られたホスフィン−ルテニウムハライド錯体を、アミンと反応する事により、目的とするアミン−ホスフィン−ルテニウムハライド錯体を得ることができる。例えば、この合成については一例だけ文献(J. Mol. Cat., 15,297(1982))に記述がある。
すなわち、Inorg. Synth, vol12,237(1970)記載の方法により合成されたRuCl2 (PPh3 3 を、ベンゼン中、エチレンジアミンと反応させて、RuCl2 (PPh3 2 (en)が得られている(ただし、収率の記載はない)。ただ、この方法では、反応系が不均一系であり、未反応の原料が残存する傾向が見られる。一方、反応溶媒を塩化メチレン、クロロホルム等の溶媒に変更する場合には、反応を均一状態で行うことができ、操作性が向上する。
ハロゲン化ルテニウムとホスフィン配位子との反応は、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶媒、塩化メチレンなどのハロゲン含有炭化水素溶媒、エーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール系溶媒、アセトニトリル、DMF、N−メチルピロリドン、DMSOなどヘテロ原子を含む有機溶媒中、反応温度−100℃から200℃の間で行われ、ホスフィン−ルテニウムハライド錯体を得ることができる。
得られたホスフィン−ルテニウムハライド錯体とアミン配位子との反応は、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶媒、塩化メチレンなどのハロゲン含有炭化水素溶媒、エーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール系溶媒、アセトニトリル、DMF、N−メチルピロリドン、DMSOなどヘテロ原子を含む有機溶媒中、反応温度−100℃から200℃の間で行われアミン−ホスフィン−ルテニウムハライド錯体を得ることができる。
さらに、得られたアミン−ホスフィン−ルテニウムハライド錯体を、水素化、または、水素移動型還元反応条件にて水素化することにより、アミン−ホスフィン−ルテニウムヒドリド錯体を得ることができる。たとえば、アミン−ホスフィン−ルテニウムハライド錯体を、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶媒、塩化メチレンなどのハロゲン含有炭化水素溶媒、エーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール系溶媒、アセトニトリル、DMF、N−メチルピロリドン、DMSOなどヘテロ原子を含む有機溶媒中、反応温度−100℃から200℃の間で、水素、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム等の金属水素化物、臭化メチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、臭化プロピルマグネシウム、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム等の有機金属化合物または、KOH、KOCH3 、KOCH(CH3 2 、KC108 、LiOH、LiOCH3 、LiOCH(CH3 2 等のアルカリ、アルカリ土類金属の塩あるいは4級アンモニウム塩等と反応することで、アミン−ホスフィン−ルテニウムヒドリド錯体を得ることができる。
また、最初に、ホスフィン−ルテニウムハライド錯体を、ホスフィン−ルテニウムヒドリド錯体に変換した後、アミンと反応してアミン−ホスフィン−ルテニウムハライド錯体を得ることができる。ホスフィン−ルテニウムハライド錯体を、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶媒、塩化メチレンなどのハロゲン含有炭化水素溶媒、エーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール系溶媒、アセトニトリル、DMF、N−メチルピロリドン、DMSOなどヘテロ原子を含む有機溶媒中、反応温度−100℃から200℃の間で、水素、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム等の金属水素化物、臭化メチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、臭化プロピルマグネシウム、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム等の有機金属化合物または、KOH、KOCH3 、KOCH(CH3 2 、KC108 、LiOH、LiOCH3 、LiOCH(CH3 2 等のアルカリ、アルカリ土類金属の塩あるいは4級アンモニウム塩等と反応することで、ホスフィン−ルテニウムヒドリド錯体を得ることができる。
得られたホスフィン−ルテニウムヒドリド錯体とアミン配位子の反応は、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶媒、塩化メチレンなどのハロゲン含有炭化水素溶媒、エーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール系溶媒、アセトニトリル、DMF、N−メチルピロリドン、DMSOなどヘテロ原子を含む有機溶媒中、反応温度−100℃から200℃の間で行われ、アミン−ホスフィン−ルテニウムヒドリド錯体を得ることができる。
一方、最初から2価のルテニウム錯体を用い、これと、ホスフィン配位子、アミン配位子を順次、もしくは逆の順で、又は、同時に、反応する方法も用いられる。一例として、〔2塩化ルテニウム(ノルボルナジエン)〕多核体、〔2塩化ルテニウム(シクロオクタジエン)〕多核体、ビス(メチルアリル)ルテニウム(シクロオクタジエン)等のジエンが配位したルテニウム化合物、または、〔2塩化ルテニウム(ベンゼン)〕二核体、〔2塩化ルテニウム(p−シメン)〕二核体、〔2塩化ルテニウム(トリメチルベンゼン)〕二核体、〔2塩化ルテニウム(ヘキサメチルベンゼン)〕二核体等の芳香族化合物が配位したルテニウム錯体、また、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等のホスフィンが配位した錯体を、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶媒、塩化メチレンなどのハロゲン含有炭化水素溶媒、エーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール系溶媒、アセトニトリル、DMF、N−メチルピロリドン、DMSOなどヘテロ原子を含む有機溶媒中、反応温度−100℃から200℃の間で、ホスフィン配位子と反応し、ホスフィン−ルテニウムハライド錯体を得ることができる。
得られたホスフィン−ルテニウムハライド錯体とアミン配位子の反応は、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶媒、塩化メチレンなどのハロゲン含有炭化水素溶媒、エーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール系溶媒、アセトニトリル、DMF、N−メチルピロリドン、DMSOなどヘテロ原子を含む有機溶媒中、反応温度−100℃から200℃の間で反応し、アミン−ホスフィン−ルテニウムハライド錯体を得ることができる。また、同様の条件で、〔クロロルテニウム(BINAP)(ベンゼン)〕クロライド等のカチオン性ルテニウム錯体をアミン配位子と反応させてアミン−ホスフィン−ルテニウムハライド錯体を得ることができる。
得られたアミン−ホスフィン−ルテニウムハライド錯体は、前記の方法と同様にして、アミン−ホスフィン−ルテニウムヒドリド錯体に変換することができる。たとえば以上のようにして合成される一般式(1)(2)(3)(4)で表されるルテニウム錯体を水素化触媒として用いる場合、その使用量は反応容器や経済性によって異なるが反応基質であるカルボニル化合物に対して1/100〜1/1,000,000用いることができ、好ましくは1/500〜1/100,000の範囲でとする。一般式(1)(2)(3)(4)で表されるルテニウム錯体は、X,Yが水素の場合は、塩基を添加することなしに、カルボニル化合物と混合後、水素圧をかけるか、または、水素供与体の存在下に攪拌する。これにより、カルボニル化合物の水素化を行うことができる。触媒に対してカルボニル化合物を大過剰に用いた場合には、塩基を展開した方が望ましい場合もある。一方、X,Yが、水素以外の基である場合には、塩基存在下、カルボニル化合物と混合後、水素圧をかけるか、または、水素供与剤の存在下に攪拌することにより、カルボニル化合物の水素化を行うことが有効でもある。
添加する塩基の量は、アミン−ホスフィン−ルテニウム錯体に対し、0.5−100当量、好ましくは、2−40当量である。塩基の種類としては、KOH、KOCH3 、KOCH(CH3 2 、KC108 、LiOH、LiOCH3 、LiOCH(CH3 2 等のアルカリ、アルカリ土類金属の塩あるいは4級アンモニウム塩等が用いられる。また、アミン−ホスフィンルテニウムヒドリド体を発生させるものであれば、塩基に限定されることはなく、例えば、水素、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム等の金属水素化物、臭化メチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、臭化プロピルマグネシウム、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム等の有機金属化合物も用いることができる。
溶媒としては、反応原料、触媒系を可溶化するものであれば適宜なものを用いることができる。例としてトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶媒、塩化メチレンなどのハロゲン含有炭化水素溶媒、エーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール系溶媒、アセトニトリル、DMF、N−メチルピロリドン、DMSOなどヘテロ原子を含む有機溶媒を用いることができる。反応生成物がアルコール化合物であることから、アルコール系溶媒がより好適でもある。反応基質が溶媒に可溶化しにくい場合は上記溶媒から選択して混合溶媒として用いることができる。溶媒の量は反応基質の溶解度および経済性により判断される。たとえば、2−プロパノールの場合、基質濃度は、基質によっては1%以下の低濃度から無溶媒に近い状態で反応を行うことができ、通常は、20〜50重量%で用いることが望ましい。
そして、この発明における水素の圧力は、本触媒系が極めて高活性であることから1気圧で十分であるが、経済性を考慮すると1〜200気圧の範囲で、好ましくは3〜100気圧の範囲が望ましいが、プロセス全体の経済性を考慮して50気圧以下でも高い活性を維持することも可能である。反応温度は経済性を考慮して15℃から100℃で行うことが好ましいが、25〜40℃の室温付近で反応を実施することもできる。ただ、発明においては、−30〜0℃の低温でも反応が進行することを特徴としてもいる。反応時間は反応基質濃度、温度、圧力等の反応条件によって異なるが数分から1日で反応は完結する。
この発明におけるカルボニル化合物の水素化反応は反応形式がバッチ式においても連続式においても実施することができる。以下実施例を示し、さらに詳しくこの発明の方法について説明する。もちろん、この発明は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、下記の実施例においては、反応はすべてアルゴンガスまたは窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行った。また、反応に使用した溶媒は乾燥、脱気したものを用いた。カルボニル化合物の水素化の反応は、オートクレーブ中、水素を加圧して行った。
<実施例1>
Org. Synth., 71,1(1993)の方法に従い、〔RuCl2 (S)−Binap〕(dmf)n (dmfは、ジメチルホルムアミドの略である。)を合成した。
次いで、アルゴン置換した100mlシュレンクに、〔RuCl2 (S)−Binap〕(dmf)n (524mg,0.52mmol),(S,S)−ジフェニルエチレンジアミン(以下、DPENと略記する)(0.117mg,0.55mmol)、ジメチルホルムアミド15mlを仕込んだ。脱気後、一晩、室温で攪拌した。−50℃に冷却し、析出した固体を、トルエン/ヘキサンから再結晶し、(S)−BinapRuCl2 (S,S)−DPEN 361mgを得た。
この化合物はP31−NMR(C6 6 )上、47.4ppmにシングレットが観測された。
<実施例2>
アルゴン置換した50mlシュレンクに、(S)−Binap RuCl2 (S,S)−DPEN(229mg,0.227mmol)、KOt−Bu(80mg,0.713mmol)、2−プロパノール10ml、トルエン10mlを仕込んだ。脱気後、一晩攪拌、次いで、濃縮した。トルエン20mlで抽出、液層を濾過した後、濃縮し、濃赤色の化合物130mgを得た。この粉末は、H−NMR(C6 6 )上、−11.9ppm、−12.6ppm、及び−15.3ppmにヒドリドに帰属されるシグナルを与えた。
<実施例3>
〔RuCl2 (S)−Binap〕(dmf)nに変えて〔RuCl2 (R)−Binap〕(dmf)nを、(S,S)−DPENに変えて(R,R)−DPENを用いた以外は、実施例1と同様に反応を行い、(R)−BinapRuCl2 (R,R)−DEPNを350mg得た。
この化合物は、P31−NMR(C6 6 )上、47.4ppmにシングレットが観測された。
<実施例4>
アルゴン置換した50mlシュレンクに、(R)−Binap RuCl2 (R,R)−DPEN(300mg,0.298mmol)、KOt−Bu(85mg,0.745mmol)、2−プロパノール10ml、トルエン10mlを仕込んだ。脱気後、一晩攪拌、次いで、濃縮した。トルエン20mlで抽出、液層を濾過した後、濃縮し、濃赤色の化合物100mgを得た。
<実施例5>
(S,S)−DPENに変えて(R,R)−DPENを用いた以外は、実施例1と同様に反応を行い、(S)−BinapRuCl2 (R,R)−DPEN320mgを得た。
H−NMR(C6 6 )δ 3.03(d,2H),4.40(m,2H),4.70(m,2H),6.4−7.7(m),7.43,7.72,8.20,8.47,8.70
この化合物は、P31−NMR(C6 6 )上、46.9ppmにシングレットが観測された。
<実施例6>
アルゴン置換した50mlシュレンクに、(S)−Binap RuCl2 (R,R)−DPEN(381mg,0.378mmol)、KOt−Bu(112mg,0.998mmol)、2−プロパノール10ml、トルエン30mlを仕込んだ。脱気後、一晩攪拌、次いで、濃縮した。ヘキサンml、トルエン60mlで抽出、液層を濾過した後、濃縮し、濃赤色の化合物190mgを得た。この化合物は、H−NMR(C6 6 )上、−14.2ppm、−14.5ppm、及び−19.0ppmにヒドリドに帰属されるシグナルを与えた。
<実施例7>
〔RuCl2 (S)−Binap〕(dmf)nに変えて〔RuCl2 (R)−tol−Binap〕(dmf)nを、また、(S,S)−DPENに変えて(R,R)−DPENを用いた以外は、実施例1と同様に反応を行い、(R)−tol−BinapRuCl2 (R,R)−DPENを360mg得た。
H−NMR(C6 6 )δ0.54,1.69,1.86,3.30,3.46,4.55,6.39,6.72,6.96,7.40,7.75,8.37,8.67,8.77
31P(C6 6 )δ46.21ppm
この錯体は、X線構造解析から、目的とする錯体であり、塩素基がトランスに配位した構造であることが確認された。
<実施例8>
〔RuCl2 (S)−Binap〕(dmf)nに変えて〔RuCl2 (R)−tol−Binap〕(dmf)nを用いた以外は、実施例1と同様に反応を行い、(R)−tol−Binap RuCl2 (S,S)−DPEN 370mgを得た。
H−NMR(C6 6 )δ0.47,1.69,1.80,3.10,4.40,6.44,6.62,6.74,6.93,7.38,7.72,8.09,8.44,8.53
31P(C6 6 )δ45.51
この錯体は、X線構造解析から、目的とする錯体であり、塩素基がトランスに配位した構造であることが確認された。
<実施例9>
J. Chem. Soc., Chem. Commun., 992(1985)の方法に従い、〔RuCl2(COD)〕n(CODは、1,5−シクロオクタジエンの略である。)と(S)−Binapを反応させ、〔(S)−Binap〕2 Ru2 Cl4 ・Et3 Nのトルエン溶液を得た。これを精製せずに、このまま、次の反応に用いた。
すなわち、アルゴン置換した200mlシュレンク中に〔(S)−Binap〕2 Ru2 Cl4 ・Et3 Nのトルエン溶液 80ml(1.98mmol)を仕込み、これに、トルエン10mlに溶解した(R,R)−DPEN(462mg,2.718mmol)を添加した。80℃で2時間攪拌した後、室温まで冷却した。濃縮後、トルエン/ヘキサンから再結晶し、(S)−BinapRuCl2 (R,R)−DPEN 1200mgを得た。
<実施例10>
(S)−Binap RuCl2 (S,S)−DPEN(12.2mg,0.0121mmol)、KO−t−Bu(11.5mg,0.102mmol)を5mlの2−プロパノールに溶解、脱気アルゴン置換した後、100mlのガラス製オートクレーブに全量を移した。30分攪拌した後、2−プロパノール5mlに溶解したアセトフェノン(600mg,5.0mmol)を添加し、脱気後、水素を所定圧(3気圧)まで仕込み反応を開始した。反応液を50分間攪拌の後、反応圧力を常圧にもどし反応液のガスクロマトグラフィーおよびNMRにより生成物であるフェネチルアルコールの同定と定量を行った。反応基質はすべて消費され、生成物の収率は99%以上であった。また、光学活性カラムを用いる生成物の分析から、得られたフェネチルアルコールは、(R)−体が81.7%eeで生成していた。
H−NMR、P−NMRは、実施例5で得られた錯体のスペクトルと一致した。
<実施例11>
実施例2で得た(S)−Binap RuH2 (S,S)−DPEN(25.9mg,0.0276mmol)とアセトフェノン(600mg,5.0mmol)を3mlの2−プロパノールに溶解させて脱気し、アルゴン置換した後100mlのガラス製オートクレーブに全量を移した後水素を所定圧(3気圧)まで仕込み反応を開始した。反応液を40分間攪拌の後、反応圧力を常圧にもどした。反応液のガスクロマトグラフィーおよびNMRにより生成物であるフェネチルアルコールの同定と定量を行った。反応基質はすべて消費され、生成物の収率は99%以上であった。また、光学活性カラムを用いる生成物の分析から、得られたフェネチルアルコールは、(R)−体が81.3%eeで生成していた。
<実施例12>
実施例4で得た(R)−Binap RuH2 (R,R)−DPEN(23.0mg,0.0245mmol)、KO−t−Bu(82mg,0.73mmol)、アセトフェノン(16.86g,0.140mol)を35mlの2−プロパノールに溶解させて脱気し、アルゴン置換した後200mlのガラス製オートクレーブに全量を移した後水素を所定圧(3気圧)まで仕込み反応を開始した。水素圧が常時3気圧になる様に、水素を供給した。反応液を1日攪拌した後、反応圧力を常圧にもどした。反応液のガスクロマトグラフィーおよびNMRにより生成物であるフェネチルアルコールの同定と定量を行った。反応基質はすべて消費され、生成物の収率は99%以上であった。また、光学活性カラムを用いる生成物の分析から、得られたフェネチルアルコールは、(S)−体が83.3%eeで生成していた。

Claims (9)

  1. 一般式(1)
    Figure 0004637876

    (式中X、Yは、同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基または他のアニオン基を示し、R,R,Rは、アルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭化水素基であり、RとRが一緒になってアルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭素鎖環を形成してもよいことを示し、nは1から4の整数であり、R,R,Rは、水素原子または、アルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭化水素基を示し、mは1から4の整数である。PRおよびNRは、共に光学活性基である。)で表わされるルテニウム錯体の固体からなり、この固体と原料のカルボニル化合物とを溶媒中に添加して溶解させた後、水素あるいは水素を供与する化合物の存在下にカルボニル化合物を還元して光学活性アルコール化合物を合成するために用いられる光学活性アルコール化合物合成用触媒。
  2. 一般式(2)
    Figure 0004637876

    (式中、X,Yは、同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基または他のアニオン基を示し、R,R,Rは、アルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭化水素基であり、RとRが一緒になってアルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭素鎖環を形成してもよいことを示し、nは1から4の整数であり、R,R,R,R10は、水素原子または、アルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭化水素基を示し、Zは、アルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭化水素基を示し、mは1から4の整数である。PRおよび次式の基
    Figure 0004637876

    は、共に光学活性基である。)で表わされるルテニウム錯体の固体からなり、この固体と原料のカルボニル化合物とを溶媒中に添加して溶解させた後、水素あるいは水素を供与する化合物の存在下にカルボニル化合物を還元して光学活性アルコール化合物を合成するために用いられる光学活性アルコール化合物合成用触媒。
  3. 一般式(3)
    Figure 0004637876
    (式中、X,Yは、同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基または他のアニオン基を示し、R,R,R,Rは、アルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭化水素基であり、RとRが一緒になってアルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭素鎖環を形成してもよいことを示し、またRとRが一緒になってアルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭素鎖環を形成してもよいことを示し、Wは、アルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭化水素基であり、nは1から4の整数を示し、R,R,Rは、水素原子または、アルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭化水素基を示し、mは、1から4の整数である。PR−W−PRおよびNRは、共に光学活性基である。)で表わされるルテニウム錯体の固体からなり、この固体と原料のカルボニル化合物とを溶媒中に添加して溶解させた後、水素あるいは水素を供与する化合物の存在下にカルボニル化合物を還元して光学活性アルコール化合物を合成するために用いられる光学活性アルコール化合物合成用触媒。
  4. 一般式(4)
    Figure 0004637876
    (式中、X,Yは、同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基または他のアニオン基を示し、R,R,R,Rは、アルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭化水素基であり、RとRが一緒になってアルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭素鎖環を形成してもよいことを示し、またRとRが一緒になってアルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭素鎖環を形成してもよいことを示し、Wは、アルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭化水素基であり、nは1から4の整数を示し、R,R,R,R10は、水素原子または、アルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭化水素基を示し、Zは、アルコキシ基、エステル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる置換基を有してもよい炭化水素基を示し、mは1から4の整数である。PR−W−PRと次式の基
    Figure 0004637876

    は、共に光学活性基である。)で表わされるルテニウム錯体の固体からなり、この固体と原料のカルボニル化合物とを溶媒中に添加して溶解させた後、水素あるいは水素を供与する化合物の存在下にカルボニル化合物を還元して光学活性アルコール化合物を合成するために用いられる光学活性アルコール化合物合成用触媒。
  5. 前記ルテニウム錯体が非混合物として単一物質の固体状態で存在する請求項1から4のいずれかに記載の光学活性アルコール化合物合成用触媒。
  6. 結晶である請求項1から5のいずれかに記載の光学活性アルコール化合物合成用触媒。
  7. PR−W−PRで表される光学活性基が、BINAP:2,2′−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル、BINAPのナフチル環がアルキル基およびアリール基から選ばれる置換基を有するBINAP誘導体、BINAPのリン原子上の1個のベンゼン環に1ないし5個のアルキル基を有するBINAP誘導体、またはフッ素置換基を有するBINAP誘導体である請求項3または4に記載の光学活性アルコール化合物合成用触媒
  8. 次式
    Figure 0004637876
    で表される光学活性基が、1,2−ジフェニルエチレンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,2−シクロヘプタンジアミン、2,3−ジメチルブタンジアミン、1−メチル−2,2−ジフェニルエチレンジアミン、1−イソブチル−2,2−ジフェニルエチレンジアミン、1−イソプロピル−2,2−ジフェニルエチレンジアミン、1−メチル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−イソブチル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−イソプロピル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−ベンジル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−メチル−2,2−ジナフチルエチレンジアミン、1−イソブチル−2,2−ジナフチルエチレンジアミン、または1−イソプロピル−2,2−ジナフチルエチレンジアミンである請求項2または4に記載の光学活性アルコール化合物合成用触媒
  9. PR−W−PRで表される光学活性基が、BINAPまたはTol−BINAPであり、次式
    Figure 0004637876

    で表される光学活性基が、1,2−ジフェニルエチレンジアミンであり、XおよびYが塩素原子または水素原子であることを特徴とする請求項4に記載の光学活性アルコール化合物合成用触媒
JP2007165566A 2007-06-22 2007-06-22 光学活性アルコール化合物合成用触媒 Expired - Lifetime JP4637876B2 (ja)

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