JP4637816B2 - レーザ照射装置および半導体装置の作製方法 - Google Patents

レーザ照射装置および半導体装置の作製方法 Download PDF

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Description

本発明はレーザ光を用いた半導体膜のアニール(以下、レーザアニールという)の方法およびそれを行うためのレーザ照射装置(レーザと該レーザから出力されるレーザ光を被照射体まで導くための光学系を含む装置)に関する。また、前記レーザアニールを工程に含んで作製される半導体装置の作製方法に関する。なお、本明細書において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、液晶表示装置や発光装置等の電気光学装置及び該電気光学装置を部品として含む電子装置も含まれるものとする。
近年、ガラス等の絶縁基板上に形成された半導体膜に対し、レーザアニールを施して、結晶化させたり、結晶性を向上させる技術が広く研究されている。上記半導体膜には珪素がよく用いられる。本明細書中では、半導体膜をレーザ光で結晶化し、結晶性半導体膜を得る手段をレーザ結晶化という。
ガラス基板は、従来よく使用されてきた合成石英ガラス基板と比較し、安価で加工性に富んでおり、大面積基板を容易に作製できる利点を持っている。これが上記研究の行われる理由である。また、結晶化に好んでレーザが使用されるのは、ガラス基板の融点が低いからである。レーザは基板の温度を余り上昇させずに、半導体膜のみ高いエネルギーを与えることが出来る。また、電熱炉を用いた加熱手段に比べて格段にスループットが高い。
レーザ光の照射により形成された結晶性半導体膜は、高い移動度を有するため、この結晶性半導体膜を用いて薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、例えば、1枚のガラス基板上に、画素部用、または画素部用と駆動回路用のTFTを作製するアクティブマトリクス型の液晶表示装置等に利用されている。
前記レーザ光として、Arレーザやエキシマレーザ等から発振されたレーザ光が用いられることが多い(例えば、特許文献1または特許文献2参照。)。また、エキシマレーザは出力が大きく、高周波数での繰り返し照射が可能であるという利点を有する。これらのレーザから発振されるレーザ光は半導体膜としてよく用いられる珪素膜に対しての吸収係数が高いという利点を有する。
そして、レーザ光の照射には、レーザ光を照射面またはその近傍における形状が楕円状、矩形状や線状となるように光学系にて成形し、レーザ光を移動させて(あるいはレーザ光の照射位置を照射面に対し相対的に移動させて)、照射する方法が生産性が高く、工業的に優れている。また、ここでいう「線状」は、厳密な意味で「線」を意味しているのではなく、アスペクト比の大きい長方形(もしくは長楕円形)を意味する。例えば、アスペクト比が10以上(好ましくは100〜10000)のもの指す。また、本明細書中において、照射面におけるレーザ光の形状(レーザ光のスポット)が楕円状であるものを楕円状ビーム、矩形状であるものを矩形状ビーム、線状であるものを線状ビームとする。またレーザ光のスポットは特に定義しない場合はレーザ光の照射面におけるエネルギー分布とする。
特開平6−163401号公報 特開平7−326769号公報
一般に、光学系により照射面またはその近傍において形成される楕円状、矩形状や線状のレーザ光の端部は、レンズの収差などにより、中央部分をピークとし、端部においてはエネルギー密度が徐々に減衰している。(図9)このようなレーザ光において、被照射体のアニールを行うために十分なエネルギー密度を有する領域は、前記レーザ光の中央部分を含む1/5〜1/3程度と非常に狭い。本明細書中では、レーザ光の端部において、被照射体のアニールを行うためのエネルギー密度が不足している領域を減衰領域と呼ぶ。
また、基板の大面積化、レーザの大出力化に伴って、より長い楕円状ビーム、線状ビームや矩形状ビームが形成されつつある。このようなレーザ光によりアニールを行う方が効率が良いためである。しかしながら、レーザから発振されるレーザ光の端部のエネルギー密度は中心付近と比較して小さいため、光学系によってこれまで以上に拡大すると、減衰領域がますます顕著化する傾向にある。
減衰領域はレーザ光の中央部分に比べてエネルギー密度が十分でなく、前記減衰領域を有するレーザ光を用いてアニールを行っても、被照射体に対して十分なアニールを行うことはできない。
例えば、被照射体が半導体膜である場合には、減衰領域によりアニールされた領域と中央部分を含むエネルギー密度の高い領域によってアニールされた領域とでは結晶性が異なる。そのため、このような半導体膜によりTFTを作製しても、減衰領域によりアニールされた領域で作製されるTFTの電気的特性が低下し、同一基板内におけるばらつきの要因となる。
そこで本発明は、減衰領域を有するレーザ光を用いて効率良く、均一なアニールを行うことのできるレーザ照射装置を提供することを課題とする。また、このようなレーザ照射装置を用いたレーザ照射方法を提供し、前記レーザ照射方法を工程に含む半導体装置の作製方法を提供することを課題とする。
本発明は、照射面またはその近傍において、複数のレーザ光をそれぞれのレーザ光の減衰領域を互いに合成する(重ね合わす)ものである。しかしながら、このようにして形成されるレーザ光の端部には減衰領域が存在する。そのため、前記複数のレーザ光のうちの1つを、各々減衰領域を有する分割ビーム1および分割ビーム2に分割する。そして、分割ビーム1および分割ビーム2のそれぞれの切断部分を両端部とし、分割ビーム1および分割ビーム2のそれぞれの減衰領域と、他のレーザ光の減衰領域とを互いに合成する(重ね合わす)。(図1(A))また、分割ビーム同士は照射面において重ね合わさらない。このようにすることで、減衰領域を有する複数のレーザ光から、どの部分においても被照射体に対して十分にアニールを行うことのできるエネルギー密度を有するレーザ光を形成することができる。(図1(B))
もちろん、それぞれのレーザ光の照射面における形状は、中央をピークとし、端部においてはエネルギー密度が徐々に減衰しているとは限らず、レーザのモードによってはエネルギーのピークが複数形成されるものもある。いずれのモードであっても、レーザ光のエネルギー密度が被照射体のアニールに十分でない領域を有するのであれば、本発明を適用することができる。
本明細書で開示するレーザ照射装置に関する発明の構成は、複数のレーザと、前記複数のレーザから射出される複数のレーザ光のうちの1つのレーザ光を該レーザ光の進行方向に対して垂直な平面で分割して、分割によりできた切断部分と減衰領域を各々両端部とする2つのレーザ光を形成する手段と、被照射体上またはその近傍において、前記2つのレーザ光の前記切断部分を各々両端部とし、前記2つのレーザ光の減衰領域および他のレーザ光の減衰領域を互いに合成する光学系と、を有することを特徴としている。
上記構成において、前記レーザは、連続発振またはパルス発振の固体レーザまたは気体レーザまたは金属レーザなどを用いることができる。なお、前記固体レーザとしてはYAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、Y23レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ等があり、前記気体レーザとしてはエキシマレーザ、Arレーザ、Krレーザ、CO2レーザ等があり、前記金属レーザとしてはヘリウムカドミウムレーザ、銅蒸気レーザ、金蒸気レーザが挙げられる。前記YAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、Y23レーザのドーパントにはNd3+、Yb3+、Cr4+などが用いられる。
また、上記構成において、前記レーザ光は、非線形光学素子により高調波に変換されていることが望ましい。例えば、YAGレーザは、基本波として、波長1065nmのレーザ光を出すことで知られている。このレーザ光の珪素膜に対する吸収係数は非常に低く、このままでは半導体膜の1つである非晶質珪素膜の結晶化を行うことは技術的に困難である。ところが、このレーザ光は非線形光学素子を用いることにより、より短波長に変換することができ、高調波として、第2高調波(532nm)、第3高調波(355nm)、第4高調波(266nm)、第5高調波(213nm)が挙げられる。これらの高調波は非晶質珪素膜に対し吸収係数が高いので、非晶質珪素膜の結晶化に用いる事ができる。
また、本明細書で開示するレーザ照射方法に関する発明の構成は、複数のレーザ光のうちの1つのレーザ光を該レーザ光の進行方向に対して垂直な平面で分割して、分割によりできた切断部分と減衰領域を各々両端部とする2つのレーザ光を形成し、被照射体上またはその近傍において、前記2つのレーザ光の前記切断部分を各々両端部とし、前記2つのレーザ光の減衰領域および他のレーザ光の減衰領域を互いに合成して、レーザ光を形成し、形成された前記レーザ光を前記被照射体に対して相対的に移動しながら照射することを特徴としている。
上記構成において、前記レーザは、連続発振またはパルス発振の固体レーザまたは気体レーザまたは金属レーザなどを用いることができる。なお、前記固体レーザとしてはYAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、Y23レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ等があり、前記気体レーザとしてはエキシマレーザ、Arレーザ、Krレーザ、CO2レーザ等があり、前記金属レーザとしてはヘリウムカドミウムレーザ、銅蒸気レーザ、金蒸気レーザが挙げられる。前記YAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、Y23レーザのドーパントにはNd3+、Yb3+、Cr4+などが用いられる。
また、上記構成において、前記レーザ光は、非線形光学素子により高調波に変換されていることが望ましい。
また、本明細書で開示する半導体装置の作製方法に関する発明の構成は、複数のレーザ光のうちの1つのレーザ光を該レーザ光の進行方向に対して垂直な平面で分割して、分割によりできた切断部分と減衰領域を各々両端部とする2つのレーザ光を形成し、半導体膜上またはその近傍において、前記2つのレーザ光の前記切断部分を各々両端部とし、前記2つのレーザ光の減衰領域および他のレーザ光の減衰領域を互いに合成して、レーザ光を形成し、形成された前記レーザ光を半導体膜に対して相対的に移動しながら照射することで、前記半導体膜の結晶化または結晶性の向上を行うことを特徴としている。
また、本明細書で開示する半導体装置の作製方法に関する他の発明の構成は、複数のレーザ光のうちの1つのレーザ光を該レーザ光の進行方向に対して垂直な平面で分割して、分割によりできた切断部分と減衰領域を各々両端部とする2つのレーザ光を形成し、半導体膜上またはその近傍において、前記2つのレーザ光の前記切断部分を各々両端部とし、前記2つのレーザ光の減衰領域および他のレーザ光の減衰領域を互いに合成して、レーザ光を形成し、形成された前記レーザ光を不純物元素が導入された半導体膜に対して相対的に移動しながら照射することで、前記不純物元素の活性化を行うことを特徴としている。
上記構成において、前記レーザは、連続発振またはパルス発振の固体レーザまたは気体レーザまたは金属レーザなどを用いることができる。なお、前記固体レーザとしてはYAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、Y23レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ等があり、前記気体レーザとしてはエキシマレーザ、Arレーザ、Krレーザ、CO2レーザ等があり、前記金属レーザとしてはヘリウムカドミウムレーザ、銅蒸気レーザ、金蒸気レーザが挙げられる。前記YAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、Y23レーザのドーパントにはNd3+、Yb3+、Cr4+などが用いられる。
また、上記各構成において、前記レーザ光は、非線形光学素子により高調波に変換されていることが望ましい。
また、上記各構成において、前記半導体膜は、珪素を含む膜を用いるのが望ましい。そして、前記半導体膜を形成する基板として、ガラス基板、石英基板やシリコン基板、プラスチック基板、金属基板、ステンレス基板、可撓性基板などを用いることができる。前記ガラス基板として、バリウムホウケイ酸ガラス、またはアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラスからなる基板が挙げられる。また、可撓性基板とは、PET、PES、PEN、アクリルなどからなるフィルム状の基板のことであり、可撓性基板を用いて半導体装置を作製すれば、軽量化が見込まれる。可撓性基板の表面、または表面および裏面にアルミ膜(AlON、AlN、AlOなど)、炭素膜(DLC(ダイヤモンドライクカーボン)など)、SiNなどのバリア層を単層または多層にして形成すれば、耐久性などが向上するので望ましい。
本発明は、減衰領域を有する複数のレーザ光を用いて、照射面またはその近傍においてエネルギー密度の分布が非常に優れたレーザ光を形成することを可能とする。このようなレーザ光を用いることにより、被照射体に対して均一にアニールすることを可能とする。さらに、本発明は、これまでアニールを行うにはエネルギー密度が不足していた減衰領域を有効に利用しているため、スループットを向上させることを可能とする。また、基板上に形成されている半導体膜に対して、効率良く、均一に照射することができるので、半導体膜の結晶化や結晶性の向上、不純物元素の活性化などを良好に行うことができる。そして、このような半導体膜を用いて作製されたTFTの電気的特性のばらつきを低減し、良好なものとすることを可能とする。さらに、このようなTFTから作製された半導体装置の動作特性および信頼性をも向上し得る。
本発明の構成を採用することにより、以下に示すような基本的有意性を得ることが出来る。
(a)照射面またはその近傍の平面においてエネルギー密度の分布が非常に優れたレーザ光を形成することを可能とする。
(b)被照射体に対して均一にアニールすることを可能とする。特に半導体膜の結晶化や結晶性の向上、不純物元素の活性化を行うのに適している。
(c)スループットを向上させることを可能とする。
(d)以上の利点を満たした上で、アクティブマトリクス型の液晶表示装置に代表される半導体装置において、半導体装置の動作特性および信頼性の向上を実現することができる。さらに、半導体装置の製造コストの低減を実現することができる。
本発明の実施形態について図2を用いて説明する。
レーザ101b、101cから射出されるそれぞれのレーザ光は凹シリンドリカルレンズ105b、105cにより長尺方向に広げ、拡張される。図示しないが、レーザ101b、101cと凹シリンドリカルレンズ105b、105cの間に、レーザ101b、101cから射出されるレーザ光を平行光とするためのビームコリメーターや、レーザ光を広げるためのビームエキスパンダーを入れてもよい。そして、短尺方向に曲率を有する凸シリンドリカルレンズ106によりレーザ光を短尺方向に絞り集光し、基板107に到達する。
一方、レーザ101aから射出されたレーザ光はプリズム102aにより2つに分割されて進行方向が変えられ、プリズム102bから射出するレーザ光は元のレーザ光の長尺方向においてエネルギー密度が十分である部分を境界として左半分と右半分が入れ替えられる(反転する)。これは、基板107上に形成されるレーザ光109の両端部において、レーザ101aから射出されたレーザ光の中央部分、つまりエネルギー密度が十分である部分をそれぞれ到達させ、かつ、ミラー104aまたはミラー104bを経て基板107上に到達するレーザ光の減衰領域と、他のレーザ光の減衰領域とをそれぞれ合成させて、どの部分においてもエネルギー密度が十分であるレーザ光109を形成するためである。なお、図示しないが、レーザ101aとプリズム102aの間に、レーザ101aから射出されるレーザ光を平行光とするためのビームコリメーターや、レーザ光を広げるためのビームエキスパンダーを入れてもよい。
続いて、ミラー103により2方向に分割し、それぞれミラー104a、104dを経て、凹シリンドリカルレンズ105a、105dに入射して、レーザ光を長尺方向に広げる。そして、短尺方向に曲率を有する凸シリンドリカルレンズ106によりレーザ光を短尺方向に集光し、基板107に到達する。
本実施の形態では、レーザ101a〜101cとして連続発振のYVO4レーザを用い、第2高調波に変換したレーザ光を射出させる。このとき、レーザ光のビーム径はレーザの出口で2.5mmである。また、凹シリンドリカルレンズ105a〜105dは焦点距離100mmのものを、凸シリンドリカルレンズ106は焦点距離20mmの球面レンズを用いる。非球面レンズを用いてもよい。これを使用するとより細い線状ビームが作製できる。そして、凹シリンドリカルレンズ105a〜105dから基板107までの距離を100mm、凸シリンドリカルレンズ106から基板107までの距離を20mmとする。レーザ101b、101cから射出されるレーザ光は、基板107上において長尺方向の長さ5mm、短尺方向の長さ5μmのレーザ光に成形される。このレーザ光は中央部分を含む2mmの領域はアニールに十分なエネルギー密度を有しているが、両端部分はエネルギー密度が低く、アニールに適さない減衰領域になっている。また、レーザ101aから射出されるレーザ光は、基板107上において長尺方向の長さ2.5mm、短尺方向の長さ5μmのレーザ光に成形される。そして、それぞれのレーザ光は、基板107上において減衰領域を含む領域で互いに重ね合わされ、長さ12mm、幅5μmの矩形状ビームが形成される。なお、凹シリンドリカルレンズ105a〜105dを基板107から遠ざけることにより、基板107上に形成されるレーザ光の長尺方向の長さを長くすることができる。
もちろん、レーザ101a〜101cとしてパルス発振のレーザを用いることもできる。例えば、レーザの出口でレーザ光のビーム径が4mmのYLFレーザを用い、第2の高調波に変換する。そして、焦点距離100mmの凹シリンドリカルレンズ105a〜105d、焦点距離20mmの凸シリンドリカルレンズ106を用いると、基板107上に形成されるそれぞれのレーザ光は0.1mm×10mmとなり、減衰領域を重ね合わせて形成されるレーザ光の大きさは、0.1mm×24mmとなる。
以上より、基板107上において、プリズム102、ミラー103により分割されてできた切断面を端部とし、長尺方向における減衰領域は互いに合成されて、どの部分においてもエネルギー密度が十分であり、長尺方向に長い矩形状のレーザ光109を形成することができる。
そして、このようにして形成されるレーザ光109を基板107に対して相対的に110、111で示す方向や、112で示す方向に移動しながら照射すれば、基板107の全面または所望の領域を効率良くアニールすることができる。例えば、このような照射方法を用いて、半導体膜の結晶化や活性化を行えば、均一なアニールを効率良く行うことができる。そして、本発明を用いて形成される半導体膜を用いて作製されたTFTの電気的特性は向上し、さらには半導体装置の動作特性および信頼性をも向上し得る。
なお、光学系の母材は高い透過率を得るために、例えばBK7や石英とするのが好ましい。また、光学系のコーティングは、使用するレーザ光の波長に対する透過率が99%以上得られるものを使用するのが好ましい。
本実施形態において、レーザ101aから照射面までの光路長と、レーザ101b、101cから照射面までの光路長は異なっている。レーザ光はコヒーレント性の優れた光ではあるが拡がり角を有するため、それぞれのレーザから照射面までの光路長は等しいことが望ましい。そのため、レーザ101b、101cから凹シリンドリカルレンズ105b、105cの間にミラーを入れるなどをして光路長を追加して、それぞれのレーザから照射面までの光路長を等しくする方が好ましい。
また、本実施形態において、照射面におけるレーザ光の形状を矩形状としているが、本発明はこれに限らない。レーザ光の形状は、レーザの種類によって異なり、例えば、固体レーザは、ロッド形状が円筒形であればレーザ光の形状は円状や楕円状となり、スラブ型であればレーザ光の形状は矩形状となり、このようなレーザ光においても本発明を適用することは可能である。また、本実施形態では、レーザ光の長尺方向における減衰領域を互いに合成しているが、短尺方向における減衰領域を合成することもできるし、長尺方向および短尺方向における減衰領域を合成することもできる。ただし、最も簡易な構成で、効率良くレーザアニールを行うためには、レーザ光の長尺方向における減衰領域を合成することが望ましい。また、合成には減衰領域を含んでいればよい。
また、本実施形態において、レーザを3台用いているが、本発明は複数であるなら台数の限定はない。
以上の構成でなる本発明について、以下に示す実施例によりさらに詳細な説明を行うこととする。
本実施例では、本発明におけるアニールに適したエネルギー密度について図19及び図20を用いて説明する。
図19は、図1で示す様に、3台のレーザから発振されたレーザ光の1つを分割ビームとし、他のレーザ光の減衰領域とを互いに合成したエネルギー密度の分布のシミュレーション結果である。このとき、レーザとしてYAGレーザを用い、それぞれのレーザから発振されるレーザ光はLBO結晶により第2高調波に変換してあり、レーザ光のビーム径は2.25mm(1/e2幅)、TEM00モードとしている。図19において、点線は長尺方向のエネルギー密度を示し、実線は短尺方向のエネルギー密度を示している。
また、図20はレーザの出力を変化させ、膜厚150nmの非晶質珪素膜に照射したときの結晶化する領域を求めたものである。図20から結晶化に適したレーザの出力は3.5〜6.0Wであり、この範囲は全出力の約±10%であることが分かる。つまり、この範囲内での変動であれば、均一な照射が行うことができることがわかる。
図19より長尺方向のエネルギー密度の分布は減衰領域を除いた範囲(図19中A−A‘)では、該エネルギー密度の平均値から±10%以内に収まっている。この±10%以内のエネルギー密度の分布であれば、結晶化に適した均一なレーザ照射ができるので、大粒径結晶形成領域が得られる。
また図19より合成されたレーザ光の減衰領域は1/e2幅において200μm以下となっていることが分かる。
本実施例では、本発明を実現するためのレーザ照射装置の例として図3を用いて説明する。
レーザ101b、101cから射出されるそれぞれのレーザ光は凹シリンドリカルレンズ105b、105cにより長尺方向に広げられる。図示しないが、レーザ101b、101cと凹シリンドリカルレンズ105b、105cの間に、レーザ101b、101cから射出されるレーザ光を平行光とするためのビームコリメーターや、レーザ光を広げるためのビームエキスパンダーを入れてもよい。そして、短尺方向に曲率を有する凸シリンドリカルレンズ106によりレーザ光を短尺方向に集光し、基板107に到達する。
一方、レーザ101aから射出されたレーザ光はミラー103により2方向に分割される。なお、図示しないが、レーザ101aとミラー103の間に、レーザ101aから射出されるレーザ光を平行光とするためのビームコリメーターや、レーザ光を広げるためのビームエキスパンダーを入れてもよい。そして、凸シリンドリカルレンズ115a、115dに入射して、レーザ光を長尺方向に集光させた後、広げる。これは、基板107上に形成されるレーザ光119の両端部において、レーザ101aから射出されたレーザ光の中央部分、つまりエネルギー密度が十分である部分をそれぞれ到達させ、かつ、ミラー104aまたはミラー104bを経て基板107上に到達するレーザ光の減衰領域と、他のレーザ光の減衰領域とをそれぞれ合成させて、どの部分においてもエネルギー密度が十分であるレーザ光119を形成するためである。続いて、短尺方向に曲率を有する凸シリンドリカルレンズ106によりレーザ光を短尺方向に集光し、基板107に到達する。
以上より、基板107上において、ミラー103により分割されてできた切断面を端部とし、長尺方向における減衰領域が互いに合成されて、どの部分においてもエネルギー密度が十分であり、長尺方向に長い矩形状のレーザ光119を形成することができる。
そして、このようにして形成されるレーザ光119を基板107に対して相対的に110、111で示す方向や、112で示す方向に移動しながら照射すれば、基板107の全面または所望の領域を効率良くアニールすることができる。例えば、このような照射方法を用いて、半導体膜の結晶化や活性化を行えば、均一なアニールを効率良く行うことができる。そして、本発明を用いて形成される半導体膜を用いて作製されたTFTの電気的特性は向上し、さらには半導体装置の動作特性および信頼性をも向上し得る。
なお、光学系の母材は高い透過率を得るために、例えばBK7や石英とするのが好ましい。また、光学系のコーティングは、使用するレーザ光の波長に対する透過率が99%以上得られるものを使用するのが好ましい。
本実施例において、レーザ101aから照射面までの光路長と、レーザ101b、101cから照射面までの光路長は異なっている。レーザ光はコヒーレント性の優れた光ではあるが拡がり角を有するため、それぞれのレーザから照射面までの光路長は等しいことが望ましい。そのため、レーザ101b、101cから凹シリンドリカルレンズ105b、105cの間にミラーを入れるなどをして光路長を追加して、それぞれのレーザから照射面までの光路長を等しくする方が好ましい。
また、本実施例において、レーザを3台用いているが、本発明は複数であるなら台数の限定はない。
本実施例では、基板の両側にレーザを設置して、前記基板にレーザ光を照射するための装置および方法について図4を用いて説明する。
レーザ101a〜101cは基板107に対して互い違いに設置されている。レーザ101a〜101cから射出されたレーザ光は、凸シリンドリカルレンズ122a〜122cにより短尺方向へ集光され、基板107に到達する。図示しないが、レーザ101a〜101cと凸シリンドリカルレンズ122a〜122cの間に、レーザ101a〜101cから射出されるレーザ光を平行光とするためのビームコリメーターや、レーザ光を広げるためのビームエキスパンダーを入れてもよい。
一方、レーザ101dから射出されたレーザ光はミラー123a、123bにより2方向に分割される。これは、基板107上に形成されるレーザ光129の両端部において、レーザ101dから射出されたレーザ光の中央部分、つまりエネルギー密度が十分である部分をそれぞれ到達させ、かつ、ミラー124dまたはミラー124eを経て基板107上に到達するレーザ光の減衰領域と、他のレーザ光の減衰領域とをそれぞれ合成させて、どの部分においてもエネルギー密度が十分であるレーザ光129を形成するためである。なお、図示しないが、レーザ101dとミラー123aの間に、レーザ101dから射出されるレーザ光を平行光とするためのビームコリメーターや、レーザ光を広げるためのビームエキスパンダーを入れてもよい。続いて、ミラー124d、124eを経て、短尺方向に曲率を有する凸シリンドリカルレンズ122d、122eによりレーザ光を短尺方向に集光し、基板107に到達する。
以上より、基板107上において、ミラー123により分割されてできた切断面を端部とし、長尺方向における減衰領域が互いに合成されて、どの部分においてもエネルギー密度が十分であり、長尺方向に長い矩形状のレーザ光129を形成することができる。
そして、このようにして形成されるレーザ光129を基板107に対して相対的に110、111で示す方向や、112で示す方向に移動しながら照射すれば、基板107の全面または所望の領域を効率良くアニールすることができる。例えば、このような照射方法を用いて、半導体膜の結晶化や活性化を行えば、均一なアニールを効率良く行うことができる。そして、本発明を用いて形成される半導体膜を用いて作製されたTFTの電気的特性は向上し、さらには半導体装置の動作特性および信頼性をも向上し得る。
なお、本実施例では基板の両側にレーザを設置しているため、被照射体が形成されている基板およびステージを透過するレーザ光を用いる必要がある。図5は1737基板の波長に対する透過率であり、図6は石英基板の波長に対する透過率である。図5、図6より用いる基板によって透過率は異なり、被照射体に対して十分なアニールを行うには、波長が400nm以上であるレーザ光を用いるのが好ましい。
また、本実施例において、レーザ101a〜101cから照射面までの光路長と、レーザ101dから照射面までの光路長は異なっている。レーザ光はコヒーレント性の優れた光ではあるが拡がり角を有するため、それぞれのレーザから照射面までの光路長は等しいことが望ましい。そのため、レーザレーザ101a〜101cから凸シリンドリカルレンズ122a〜122cの間にミラーを入れるなどをして光路長を追加して、それぞれのレーザから照射面までの光路長を等しくする方が好ましい。また、本実施例において、レーザを4台用いているが、本発明は複数であるなら台数の限定はない。
また、本実施例において半導体膜として非晶質珪素膜を用いているが、本発明は半導体膜をこれに限定するものではなく、非晶質珪素ゲルマニウム膜などの非晶質構造を有する化合物半導体膜を適用しても良い。
本実施例は、実施形態または実施例1または実施例2と自由に組み合わせることが可能である。
本実施例では、本発明のレーザ照射装置を用いて半導体膜の結晶化を行う方法について図7を用いて説明する。
まず、基板20として、バリウムホウケイ酸ガラス、またはアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラスからなる基板、石英基板やシリコン基板、金属基板またはステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものなどを用いることができる。また、本実施例の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用いてもよい。本実施例では、ガラス基板を用いる。
次いで、基板20上に酸化珪素膜、窒化珪素膜または酸化窒化珪素膜などの絶縁膜から成る下地膜21を形成する。本実施例では下地膜21として単層構造を用いるが、前記絶縁膜を2層以上積層させた構造を用いても良い。本実施例では、プラズマCVD法により酸化窒化珪素膜(組成比Si=32%、O=59%、N=7%、H=2%)400nmを形成する。
次いで、下地膜21上に半導体膜22を形成する。半導体膜22は公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等)により25〜200nm(好ましくは30〜100nm)の厚さで半導体膜を成膜し、公知の結晶化法(レーザ結晶化法、RTAやファーネスアニール炉を用いた熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いた熱結晶化法等)により結晶化させる。なお、前記半導体膜としては、非晶質半導体膜や微結晶半導体膜、結晶性半導体膜などがあり、非晶質珪素ゲルマニウム膜、非晶質シリコンカーバイト膜などの非晶質構造を有する化合物半導体膜を適用しても良い。本実施例では、プラズマCVD法を用い、55nmの非晶質珪素膜を成膜する。
そして、前記半導体膜の結晶化を行う。本実施例では、レーザ結晶化により行い、前記非晶質珪素膜に脱水素化(500℃、3時間)を行った後、レーザアニール法を行って結晶性珪素膜23を形成する。(図7(B))
レーザアニール法で結晶性半導体膜を作製する場合には、パルス発振型または連続発振型のKrFエキシマレーザやYAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、Y23レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、Ti:サファイアレーザ等を用いることができる。これらのレーザを用いる場合には、レーザ発振器から放射されたレーザビームを光学系で線状に集光し半導体膜に照射する方法を用いると良い。結晶化の条件は実施者が適宣選択するものであるが、パルス発振型のレーザを用いる場合は発振周波数300Hzとし、レーザエネルギー密度を100〜1500mJ/cm2(代表的には200〜1200mJ/cm2)とする。この時の短尺(走査)方向のレーザ光の重ね合わせ率(オーバーラップ率)を50〜98%として行ってもよい。また、連続発振型のレーザを用いる場合にはエネルギー密度は0.01〜100MW/cm2程度(好ましくは0.1〜10MW/cm2)が必要である。
本実施例では、連続発振のYLFレーザの第2高調波を用い、実施形態、実施例2または実施例3で示す光学系によりレーザ光を成形し、該レーザ光に対して基板を相対的に移動させながら照射して全面を結晶化させる。本発明を用いることにより、非晶質半導体膜に対して均一なアニールを効率良く行って結晶性半導体膜を得ることができる。そして、本発明を用いて形成される半導体膜を用いて作製されたTFTの電気的特性は向上し、さらには半導体装置の動作特性および信頼性をも向上し得る。
本実施例は、実施形態または実施例1乃至実施例3と自由に組み合わせることが可能である。
本実施例では、本発明のレーザ照射装置を用いて実施例3とは異なる方法により、半導体膜の結晶化を行う方法について図8を用いて説明する。
まず、実施例4にしたがって、半導体膜として非晶質珪素膜まで形成する。
そして、特開平7−183540号公報に記載された方法を利用して金属含有層31を形成して、熱処理を行ったのち、レーザアニール法により、半導体膜の結晶性の向上を行う。本実施例では、半導体膜上にスピンコート法にて酢酸ニッケル水溶液(重量換算濃度5ppm、体積10ml)を塗布し、500℃の窒素雰囲気で1時間、550℃の窒素雰囲気で12時間の熱処理を行って第1の結晶性半導体膜32を得る。続いて、レーザアニール法により、半導体膜の結晶性の向上を行って第2の結晶性半導体膜33を得る。(図8)
レーザアニール法は、連続発振のYVO4レーザの第2高調波を用い、実施形態、実施例2または実施例3で示す光学系によりレーザ光を成形し、該レーザ光に対して基板を相対的に移動させながら照射して全面を結晶化させる。本発明を用いることにより、非晶質半導体膜に対して均一なアニールを効率良く行って、第2の結晶性半導体膜を得ることができる。そして、本発明を用いて形成される半導体膜を用いて作製されたTFTの電気的特性は著しく向上し、さらには半導体装置の動作特性および信頼性をも大きく向上し得る。
本実施例ではアクティブマトリクス基板の作製方法について図10〜図13を用いて説明する。本明細書ではCMOS回路、及び駆動回路と、画素TFT、保持容量とを有する画素部を同一基板上に形成された基板を、便宜上アクティブマトリクス基板と呼ぶ。
まず、本実施例ではバリウムホウケイ酸ガラス、またはアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラスからなる基板400を用いる。なお、基板400としては、石英基板やシリコン基板、金属基板またはステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いても良い。また、本実施例の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用いてもよいし、可撓性基板を用いても良い。なお、本発明はエネルギー分布が同一である線状ビームを容易に形成できるので、複数の線状ビームにより大面積基板を効率良くアニールすることが可能である。
次いで、基板400上に酸化珪素膜、窒化珪素膜または酸化窒化珪素膜などの絶縁膜から成る下地膜401を公知の手段により形成する。本実施例では下地膜401として2層構造を用いるが、前記絶縁膜の単層膜または2層以上積層させた構造を用いても良い。
次いで、下地膜上に半導体膜を形成する。半導体膜は公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等)により25〜200nm(好ましくは30〜150nm)の厚さで半導体膜を成膜し、レーザ結晶化法により結晶化させる。レーザ結晶化法は、実施形態および実施例1乃至実施例3のいずれか一、またはこれらの実施例を自由に組み合わせて、レーザ光を半導体膜に照射する。用いるレーザは、連続発振またはパルス発振の固体レーザまたは気体レーザまたは金属レーザが望ましい。 なお、前記固体レーザとしてはYAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、Y23レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ等があり、前記気体レーザとしてはKrFエキシマレーザ、Arレーザ、Krレーザ、CO2レーザ等があり、前記金属レーザとしてはヘリウムカドミウムレーザ、銅蒸気レーザ、金蒸気レーザが挙げられる。前記YAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、Y23レーザのドーパントにはNd3+、Yb3+、Cr4+などが用いられる。もちろん、レーザ結晶化法だけでなく、他の公知の結晶化法(RTAやファーネスアニール炉を用いた熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いた熱結晶化法等)と組み合わせて行ってもよい。前記半導体膜としては、非晶質半導体膜や微結晶半導体膜、結晶性半導体膜などがあり、非晶質珪素ゲルマニウム膜、非晶質シリコンカーバイト膜などの非晶質構造を有する化合物半導体膜を適用しても良い。
本実施例では、プラズマCVD法を用い、50nmの非晶質珪素膜を成膜し、この非晶質珪素膜に結晶化を助長する金属元素を用いた熱結晶化法およびレーザ結晶化法を行う。金属元素としてニッケルを用い、溶液塗布法により非晶質珪素膜上に導入した後、550℃で5時間の熱処理を行って第1の結晶性珪素膜を得る。そして、出力10Wの連続発振のYVO4レーザから射出されたレーザ光を非線形光学素子により第2高調波に変換したのち、実施例2にしたがって第2の結晶性珪素膜を得る。前記第1の結晶性珪素膜にレーザ光を照射して第2の結晶性珪素膜とすることで、結晶性が向上する。このときのエネルギー密度は0.01〜100MW/cm2程度(好ましくは0.1〜10MW/cm2)が必要である。そして、0.5〜2000cm/s程度の速度でレーザ光に対して相対的にステージを動かして照射し、結晶性珪素膜を形成する。また、パルス発振のエキシマレーザを用いる場合には、周波数300Hzとし、レーザーエネルギー密度を100〜1500mJ/cm2(代表的には200〜1300mJ/cm2)とするのが望ましい。このとき、短尺尺方向にレーザ光を50〜98%オーバーラップさせても良い。
もちろん、第1の結晶性珪素膜を用いてTFTを作製することもできるが、第2の結晶性珪素膜は結晶性が向上しているため、TFTの電気的特性が向上するので望ましい。第2の結晶性珪素膜を用いてTFTを作製すると、移動度は500〜600cm2/Vs程度と著しく向上する。
このようにして得られた結晶性半導体膜をフォトリソグラフィ法を用いたパターニング処理により、半導体層402〜406を形成する。
また、半導体層402〜406を形成した後、TFTのしきい値を制御するために微量な不純物元素(ボロンまたはリン)のドーピングを行ってもよい。
次いで、半導体層402〜406を覆うゲート絶縁膜407を形成する。ゲート絶縁膜407はプラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを40〜150nmとして珪素を含む絶縁膜で形成する。本実施例では、プラズマCVD法により110nmの厚さで酸化窒化珪素膜を形成する。勿論、ゲート絶縁膜は酸化窒化珪素膜に限定されるものでなく、他の絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。
また、酸化珪素膜を用いる場合には、プラズマCVD法でTEOS(Tetraethyl Orthosilicate)とO2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(13.56MHz)電力密度0.5〜0.8W/cm2で放電させて形成することができる。このようにして作製される酸化珪素膜は、その後400〜500℃の熱アニールによりゲート絶縁膜として良好な特性を得ることができる。
次いで、ゲート絶縁膜407上に膜厚20〜100nmの第1の導電膜408と、膜厚100〜400nmの第2の導電膜409とを積層形成する。本実施例では、膜厚30nmのTaN膜からなる第1の導電膜408と、膜厚370nmのW膜からなる第2の導電膜409を積層形成する。TaN膜はスパッタ法で形成し、Taのターゲットを用い、窒素を含む雰囲気内でスパッタする。また、W膜は、Wのターゲットを用いたスパッタ法で形成した。その他に6フッ化タングステン(WF6)を用いる熱CVD法で形成することもできる。いずれにしてもゲート電極として使用するためには低抵抗化を図る必要があり、W膜の抵抗率は20μΩcm以下にすることが望ましい。
なお、本実施例では、第1の導電膜408をTaN、第2の導電膜409をWとしているが、特に限定されず、いずれもTa、W、Ti、Mo、Al、Cu、Cr、Ndから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成してもよい。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素膜に代表される半導体膜を用いてもよい。また、AgPdCu合金を用いてもよい。
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスク410〜415を形成し、電極及び配線を形成するための第1のエッチング処理を行う。第1のエッチング処理では第1及び第2のエッチング条件で行う。(図10(B))本実施例では第1のエッチング条件として、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用い、エッチング用ガスにCF4とCl2とO2とを用い、それぞれのガス流量比を25:25:10(sccm)とし、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成してエッチングを行う。基板側(試料ステージ)にも150WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。この第1のエッチング条件によりW膜をエッチングして第1の導電層の端部をテーパー形状とする。
この後、レジストからなるマスク410〜415を除去せずに第2のエッチング条件に変え、エッチング用ガスにCF4とCl2とを用い、それぞれのガス流量比を30:30(sccm)とし、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成して約30秒程度のエッチングを行う。基板側(試料ステージ)にも20WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。CF4とCl2を混合した第2のエッチング条件ではW膜及びTaN膜とも同程度にエッチングされる。なお、ゲート絶縁膜上に残渣を残すことなくエッチングするためには、10〜20%程度の割合でエッチング時間を増加させると良い。
上記第1のエッチング処理では、レジストからなるマスクの形状を適したものとすることにより、基板側に印加するバイアス電圧の効果により第1の導電層及び第2の導電層の端部がテーパー形状となる。このテーパー部の角度は15〜45°となる。こうして、第1のエッチング処理により第1の導電層と第2の導電層から成る第1の形状の導電層417〜422(第1の導電層417a〜422aと第2の導電層417b〜422b)を形成する。416はゲート絶縁膜であり、第1の形状の導電層417〜422で覆われない領域は20〜50nm程度エッチングされ薄くなった領域が形成される。
次いで、レジストからなるマスクを除去せずに第2のエッチング処理を行う。
(図10(C))ここでは、エッチングガスにCF4とCl2とO2とを用い、W膜を選択的にエッチングする。この時、第2のエッチング処理により第2の導電層428b〜433bを形成する。一方、第1の導電層417a〜422aは、ほとんどエッチングされず、第2の形状の第1の導電層428a〜433aを形成する。
そして、レジストからなるマスクを除去せずに第1のドーピング処理を行い、半導体層にn型を付与する不純物元素を低濃度に添加する。ドーピング処理はイオンドープ法、若しくはイオン注入法で行えば良い。イオンドープ法の条件はドーズ量を1×1013〜5×1014/cm2とし、加速電圧を40〜80keVとして行う。本実施例ではドーズ量を1.5×1013/cm2とし、加速電圧を60keVとして行う。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いるが、ここではリン(P)を用いる。この場合、導電層428〜433がn型を付与する不純物元素に対するマスクとなり、自己整合的に不純物領域423〜427が形成される。不純物領域423〜427には1×1018〜1×1020/cm3の濃度範囲でn型を付与する不純物元素を添加する。
レジストからなるマスクを除去した後、新たにレジストからなるマスク434a〜434cを形成して第1のドーピング処理よりも高い加速電圧で第2のドーピング処理を行う。イオンドープ法の条件はドーズ量を1×1013〜1×1015/cm2とし、加速電圧を60〜120keVとして行う。ドーピング処理は第2の導電層428b〜432bを不純物元素に対するマスクとして用い、第1の導電層のテーパー部の下方の半導体層に不純物元素が添加されるようにドーピングする。続いて、第2のドーピング処理より加速電圧を下げて第3のドーピング処理を行って図11(A)の状態を得る。イオンドープ法の条件はドーズ量を1×1015〜1×1017/cm2とし、加速電圧を50〜100keVとして行う。第2のドーピング処理および第3のドーピング処理により、第1の導電層と重なる低濃度不純物領域436、442、448には1×1018〜5×1019/cm3の濃度範囲でn型を付与する不純物元素を添加され、高濃度不純物領域435、441、444、447には1×1019〜5×1021/cm3の濃度範囲でn型を付与する不純物元素を添加される。
もちろん、適当な加速電圧にすることで、第2のドーピング処理および第3のドーピング処理は1回のドーピング処理で、低濃度不純物領域および高濃度不純物領域を形成することも可能である。
次いで、レジストからなるマスクを除去した後、新たにレジストからなるマスク450a〜450cを形成して第4のドーピング処理を行う。この第4のドーピング処理により、pチャネル型TFTの活性層となる半導体層に前記一導電型とは逆の導電型を付与する不純物元素が添加された不純物領域453、454、459、460を形成する。第2の導電層429bと432bを不純物元素に対するマスクとして用い、p型を付与する不純物元素を添加して自己整合的に不純物領域を形成する。本実施例では、不純物領域453、454、459、460はジボラン(B26)を用いたイオンドープ法で形成する。(図11(B))この第4のドーピング処理の際には、nチャネル型TFTを形成する半導体層はレジストからなるマスク450a〜450cで覆われている。第1乃至3のドーピング処理によって、不純物領域453,454,459,460にはそれぞれ異なる濃度でリンが添加されているが、そのいずれの領域においてもp型を付与する不純物元素の濃度を1×1019〜5×1021atoms/cm3となるようにドーピング処理することにより、pチャネル型TFTのソース領域およびドレイン領域として機能するために何ら問題は生じない。
以上までの工程で、それぞれの半導体層に不純物領域が形成される。
次いで、レジストからなるマスク450a〜450cを除去して第1の層間絶縁膜461を形成する。この第1の層間絶縁膜461としては、プラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを100〜200nmとして珪素を含む絶縁膜で形成する。本実施例では、プラズマCVD法により膜厚150nmの酸化窒化珪素膜を形成した。勿論、第1の層間絶縁膜461は酸化窒化珪素膜に限定されるものでなく、他の珪素を含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。
次いで、レーザ光を照射して、半導体層の結晶性の回復、それぞれの半導体層に添加された不純物元素の活性化を行う。レーザ活性化は、実施形態および実施例1乃至実施例3のいずれか一、またはこれらの実施例を自由に組み合わせて、レーザ光を半導体膜に照射する。用いるレーザは、連続発振またはパルス発振の固体レーザまたは気体レーザまたは金属レーザが望ましい。なお、前記固体レーザとしては連続発振またはパルス発振のYAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、Y23レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ等があり、前記気体レーザとしては連続発振またはパルス発振のKrFエキシマレーザ、Arレーザ、Krレーザ、CO2レーザ等があり、前記金属レーザとしては連続発振またはパルス発振のヘリウムカドミウムレーザ、銅蒸気レーザ、金蒸気レーザが挙げられる。このとき、連続発振のレーザを用いるのであれば、レーザ光のエネルギー密度は0.01〜100MW/cm2程度(好ましくは0.01〜10MW/cm2)が必要であり、レーザ光に対して相対的に基板を0.5〜2000cm/sの速度で移動させる。また、パルス発振のレーザを用いるのであれば、周波数300Hzとし、レーザーエネルギー密度を50〜1000mJ/cm2(代表的には50〜500mJ/cm2)とするのが望ましい。このとき、レーザ光を走査方向に50〜98%オーバーラップさせても良い。なお、レーザアニール法の他に、熱アニール法、またはラピッドサーマルアニール法(RTA法)などを適用することができる。
また、第1の層間絶縁膜を形成する前に活性化を行っても良い。ただし、用いた配線材料が熱に弱い場合には、本実施例のように配線等を保護するため層間絶縁膜(珪素を主成分とする絶縁膜、例えば窒化珪素膜)を形成した後で活性化処理を行うことが好ましい。
そして、熱処理(300〜550℃で1〜12時間の熱処理)を行うと水素化を行うことができる。この工程は第1の層間絶縁膜461に含まれる水素により半導体層のダングリングボンドを終端する工程である。第1の層間絶縁膜の存在に関係なく半導体層を水素化することができる。水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)や、3〜100%の水素を含む雰囲気中で300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行っても良い。
次いで、第1の層間絶縁膜461上に無機絶縁膜材料または有機絶縁物材料から成る第2の層間絶縁膜462を形成する。本実施例では、膜厚1.6μmのアクリル樹脂膜を形成したが、粘度が10〜1000cp、好ましくは40〜200cpのものを用い、表面に凸凹が形成されるものを用いる。
本実施例では、鏡面反射を防ぐため、表面に凸凹が形成される第2の層間絶縁膜を形成することによって画素電極の表面に凸凹を形成した。また、画素電極の表面に凹凸を持たせて光散乱性を図るため、画素電極の下方の領域に凸部を形成してもよい。その場合、凸部の形成は、TFTの形成と同じフォトマスクで行うことができるため、工程数の増加なく形成することができる。なお、この凸部は配線及びTFT部以外の画素部領域の基板上に適宜設ければよい。こうして、凸部を覆う絶縁膜の表面に形成された凸凹に沿って画素電極の表面に凸凹が形成される。
また、第2の層間絶縁膜462として表面が平坦化する膜を用いてもよい。その場合は、画素電極を形成した後、公知のサンドブラスト法やエッチング法等の工程を追加して表面を凹凸化させて、鏡面反射を防ぎ、反射光を散乱させることによって白色度を増加させることが好ましい。
そして、駆動回路506において、各不純物領域とそれぞれ電気的に接続する配線463〜467を形成する。なお、これらの配線は、膜厚50nmのTi膜と、膜厚500nmの合金膜(AlとTiとの合金膜)との積層膜をパターニングして形成する。もちろん、二層構造に限らず、単層構造でもよいし、三層以上の積層構造にしてもよい。また、配線の材料としては、AlとTiに限らない。
例えば、TaN膜上にAlやCuを形成し、さらにTi膜を形成した積層膜をパターニングして配線を形成してもよい。(図12)
また、画素部507においては、画素電極470、ゲート配線469、接続電極468を形成する。この接続電極468によりソース配線(433aと433bの積層)は、画素TFTと電気的な接続が形成される。また、ゲート配線469は、画素TFTのゲート電極と電気的な接続が形成される。また、画素電極470は、画素TFTのドレイン領域と電気的な接続が形成され、さらに保持容量を形成する一方の電極として機能する半導体層458と電気的な接続が形成される。また、画素電極470としては、AlまたはAgを主成分とする膜、またはそれらの積層膜等の反射性の優れた材料を用いることが望ましい。
以上の様にして、nチャネル型TFT501とpチャネル型TFT502からなるCMOS回路、及びnチャネル型TFT503を有する駆動回路506と、画素TFT504、保持容量505とを有する画素部507を同一基板上に形成することができる。こうして、アクティブマトリクス基板が完成する。
駆動回路506のnチャネル型TFT501はチャネル形成領域437、ゲート電極の一部を構成する第1の導電層428aと重なる低濃度不純物領域436(GOLD領域)、ソース領域またはドレイン領域として機能する高濃度不純物領域452を有している。このnチャネル型TFT501と電極466で接続してCMOS回路を形成するpチャネル型TFT502にはチャネル形成領域440、ソース領域またはドレイン領域として機能する高濃度不純物領域453と、低濃度不純物領域454を有している。また、nチャネル型TFT503にはチャネル形成領域443、ゲート電極の一部を構成する第1の導電層430aと重なる低濃度不純物領域442(GOLD領域)、ソース領域またはドレイン領域として機能する高濃度不純物領域456を有している。
画素部の画素TFT504にはチャネル形成領域446、ゲート電極の外側に形成される低濃度不純物領域445(LDD領域)、ソース領域またはドレイン領域として機能する高濃度不純物領域458を有している。また、保持容量505の一方の電極として機能する半導体層には、n型を付与する不純物元素およびp型を付与する不純物元素が添加されている。保持容量505は、絶縁膜416を誘電体として、電極(432aと432bの積層)と、半導体層とで形成している。
本実施例の画素構造は、ブラックマトリクスを用いることなく、画素電極間の隙間が遮光されるように、画素電極の端部をソース配線と重なるように配置形成する。
また、本実施例で作製するアクティブマトリクス基板の画素部の上面図を図13に示す。なお、図10〜図13に対応する部分には同じ符号を用いている。図12中の鎖線A−A’は図13中の鎖線A―A’で切断した断面図に対応している。また、図12中の鎖線B−B’は図13中の鎖線B―B’で切断した断面図に対応している。
本実施例では、実施例6で作製したアクティブマトリクス基板から、反射型液晶表示装置を作製する工程を以下に説明する。説明には図14を用いる。
まず、実施例6に従い、図12の状態のアクティブマトリクス基板を得た後、図12のアクティブマトリクス基板上、少なくとも画素電極470上に配向膜567を形成しラビング処理を行う。なお、本実施例では配向膜567を形成する前に、アクリル樹脂膜等の有機樹脂膜をパターニングすることによって基板間隔を保持するための柱状のスペーサ572を所望の位置に形成した。また、柱状のスペーサに代えて、球状のスペーサを基板全面に散布してもよい。
次いで、対向基板569を用意する。次いで、対向基板569上に着色層570、571、平坦化膜573を形成する。赤色の着色層570と青色の着色層571とを重ねて、遮光部を形成する。また、赤色の着色層と緑色の着色層とを一部重ねて、遮光部を形成してもよい。
本実施例では、実施例6に示す基板を用いている。従って、実施例6の画素部の上面図を示す図13では、少なくともゲート配線469と画素電極470の間隙と、ゲート配線469と接続電極468の間隙と、接続電極468と画素電極470の間隙を遮光する必要がある。本実施例では、それらの遮光すべき位置に着色層の積層からなる遮光部が重なるように各着色層を配置して、対向基板を貼り合わせた。
このように、ブラックマスク等の遮光層を形成することなく、各画素間の隙間を着色層の積層からなる遮光部で遮光することによって工程数の低減を可能とした。
次いで、平坦化膜573上に透明導電膜からなる対向電極576を少なくとも画素部に形成し、対向基板の全面に配向膜574を形成し、ラビング処理を施した。
そして、画素部と駆動回路が形成されたアクティブマトリクス基板と対向基板とをシール材568で貼り合わせる。シール材568にはフィラーが混入されていて、このフィラーと柱状スペーサによって均一な間隔を持って2枚の基板が貼り合わせられる。その後、両基板の間に液晶材料575を注入し、封止剤(図示せず)によって完全に封止する。液晶材料575には公知の液晶材料を用いれば良い。このようにして図14に示す反射型液晶表示装置が完成する。そして、必要があれば、アクティブマトリクス基板または対向基板を所望の形状に分断する。さらに、対向基板のみに偏光板(図示しない)を貼りつけた。そして、公知の技術を用いてFPCを貼りつけた。
以上のようにして作製される液晶表示装置はエネルギー密度が十分であるレーザ光により均一にアニールされた半導体膜を用いて作製されたTFTを有しており、前記液晶表示装置の動作特性や信頼性を十分なものとなり得る。そして、このような液晶表示装置は各種電子機器の表示部として用いることができる。
なお、本実施例は実施例1乃至6と自由に組み合わせることが可能である。
本実施例では、実施例6で示したアクティブマトリクス基板を作製するときのTFTの作製方法を用いて、発光装置を作製した例について説明する。本明細書において、発光装置とは、基板上に形成された発光素子を該基板とカバー材の間に封入した表示用パネルおよび該表示用パネルにTFTを備えた表示用モジュールを総称したものである。なお、発光素子は、電場を加えることで発生するルミネッセンス(Electro Luminescence)が得られる有機化合物を含む層(発光層)と陽極層と、陰極層とを有する。また、有機化合物におけるルミネッセンスには、一重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(リン光)があり、これらのうちどちらか、あるいは両方の発光を含む。
なお、本明細書中では、発光素子において陽極と陰極の間に形成された全ての層を有機発光層と定義する。有機発光層には具体的に、発光層、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層、電子輸送層等が含まれる。基本的に発光素子は、陽極層、発光層、陰極層が順に積層された構造を有しており、この構造に加えて、陽極層、正孔注入層、発光層、陰極層や、陽極層、正孔注入層、発光層、電子輸送層、陰極層等の順に積層した構造を有していることもある。
図15は本実施例の発光装置の断面図である。図15において、基板700上に設けられたスイッチングTFT603は図12のnチャネル型TFT503を用いて形成される。したがって、構造の説明はnチャネル型TFT503の説明を参照すれば良い。
なお、本実施例ではチャネル形成領域が二つ形成されるダブルゲート構造としているが、チャネル形成領域が一つ形成されるシングルゲート構造もしくは三つ形成されるトリプルゲート構造であっても良い。
基板700上に設けられた駆動回路は図12のCMOS回路を用いて形成される。従って、構造の説明はnチャネル型TFT501とpチャネル型TFT502の説明を参照すれば良い。なお、本実施例ではシングルゲート構造としているが、ダブルゲート構造もしくはトリプルゲート構造であっても良い。
また、配線701、703はCMOS回路のソース配線、702はドレイン配線として機能する。また、配線704はソース配線708とスイッチングTFTのソース領域とを電気的に接続する配線として機能し、配線705はドレイン配線709とスイッチングTFTのドレイン領域とを電気的に接続する配線として機能する。
なお、電流制御TFT604は図12のpチャネル型TFT502を用いて形成される。従って、構造の説明はpチャネル型TFT502の説明を参照すれば良い。なお、本実施例ではシングルゲート構造としているが、ダブルゲート構造もしくはトリプルゲート構造であっても良い。
また、配線706は電流制御TFTのソース配線(電流供給線に相当する)であり、707は電流制御TFTの画素電極711上に重ねることで画素電極711と電気的に接続する電極である。
なお、711は、透明導電膜からなる画素電極(発光素子の陽極)である。透明導電膜としては、酸化インジウムと酸化スズとの化合物、酸化インジウムと酸化亜鉛との化合物、酸化亜鉛、酸化スズまたは酸化インジウムを用いることができる。また、前記透明導電膜にガリウムを添加したものを用いても良い。画素電極711は、上記配線を形成する前に平坦な層間絶縁膜710上に形成する。本実施例においては、樹脂からなる平坦化膜710を用いてTFTによる段差を平坦化することは非常に重要である。後に形成される発光層は非常に薄いため、段差が存在することによって発光不良を起こす場合がある。従って、発光層をできるだけ平坦面に形成しうるように画素電極を形成する前に平坦化しておくことが望ましい。
配線701〜707を形成後、図15に示すようにバンク712を形成する。バンク712は100〜400nmの珪素を含む絶縁膜もしくは有機樹脂膜をパターニングして形成すれば良い。
なお、バンク712は絶縁膜であるため、成膜時における素子の静電破壊には注意が必要である。本実施例ではバンク712の材料となる絶縁膜中にカーボン粒子や金属粒子を添加して抵抗率を下げ、静電気の発生を抑制する。この際、抵抗率は1×106〜1×1012Ωm(好ましくは1×108〜1×1010Ωm)となるようにカーボン粒子や金属粒子の添加量を調節すれば良い。
画素電極711の上には発光層713が形成される。なお、図15では一画素しか図示していないが、本実施例ではR(赤)、G(緑)、B(青)の各色に対応した発光層を作り分けている。また、本実施例では蒸着法により低分子系有機発光材料を形成している。具体的には、正孔注入層として20nm厚の銅フタロシアニン(CuPc)膜を設け、その上に発光層として70nm厚のトリス−8−キノリノラトアルミニウム錯体(Alq3)膜を設けた積層構造としている。Alq3にキナクリドン、ペリレンもしくはDCM1といった蛍光色素を添加することで発光色を制御することができる。
但し、以上の例は発光層として用いることのできる有機発光材料の一例であって、これに限定する必要はまったくない。発光層、電荷輸送層または電荷注入層を自由に組み合わせて発光層(発光及びそのためのキャリアの移動を行わせるための層)を形成すれば良い。例えば、本実施例では低分子系有機発光材料を発光層として用いる例を示したが、中分子系有機発光材料や高分子系有機発光材料を用いても良い。なお、本明細書中において、昇華性を有さず、かつ、分子数が20以下または連鎖する分子の長さが10μm以下の有機発光材料を中分子系有機発光材料とする。また、高分子系有機発光材料を用いる例として、正孔注入層として20nmのポリチオフェン(PEDOT)膜をスピン塗布法により設け、その上に発光層として100nm程度のパラフェニレンビニレン(PPV)膜を設けた積層構造としても良い。なお、PPVのπ共役系高分子を用いると、赤色から青色まで発光波長を選択できる。また、電荷輸送層や電荷注入層として炭化珪素等の無機材料を用いることも可能である。これらの有機発光材料や無機材料は公知の材料を用いることができる。
次に、発光層713の上には導電膜からなる陰極714が設けられる。本実施例の場合、導電膜としてアルミニウムとリチウムとの合金膜を用いる。勿論、公知のMgAg膜(マグネシウムと銀との合金膜)を用いても良い。陰極材料としては、周期表の1族もしくは2族に属する元素からなる導電膜もしくはそれらの元素を添加した導電膜を用いれば良い。
この陰極714まで形成された時点で発光素子715が完成する。なお、ここでいう発光素子715は、画素電極(陽極)711、発光層713及び陰極714で形成されたダイオードを指す。
発光素子715を完全に覆うようにしてパッシベーション膜716を設けることは有効である。パッシベーション膜716としては、炭素膜、窒化珪素膜もしくは窒化酸化珪素膜を含む絶縁膜からなり、該絶縁膜を単層もしくは組み合わせた積層で用いる。
この際、カバレッジの良い膜をパッシベーション膜として用いることが好ましく、炭素膜、特にDLC膜を用いることは有効である。DLC膜は室温から100℃以下の温度範囲で成膜可能であるため、耐熱性の低い発光層713の上方にも容易に成膜することができる。また、DLC膜は酸素に対するブロッキング効果が高く、発光層713の酸化を抑制することが可能である。そのため、この後に続く封止工程を行う間に発光層713が酸化するといった問題を防止できる。
さらに、パッシベーション膜716上に封止材717を設け、カバー材718を貼り合わせる。封止材717としては紫外線硬化樹脂を用いれば良く、内部に吸湿効果を有する物質もしくは酸化防止効果を有する物質を設けることは有効である。また、本実施例においてカバー材718はガラス基板や石英基板やプラスチック基板(プラスチックフィルムも含む)や可撓性基板の両面に炭素膜(好ましくはDLC膜)を形成したものを用いる。炭素膜以外にもアルミ膜(AlON、AlN、AlOなど)、SiNなどを用いることができる。
こうして図15に示すような構造の発光装置が完成する。なお、バンク712を形成した後、パッシベーション膜716を形成するまでの工程をマルチチャンバー方式(またはインライン方式)の成膜装置を用いて、大気解放せずに連続的に処理することは有効である。また、さらに発展させてカバー材718を貼り合わせる工程までを大気解放せずに連続的に処理することも可能である。
こうして、基板700上にnチャネル型TFT601、pチャネル型TFT602、スイッチングTFT(nチャネル型TFT)603および電流制御TFT(pチャネル型TFT)604が形成される。
さらに、図15を用いて説明したように、ゲート電極に絶縁膜を介して重なる不純物領域を設けることによりホットキャリア効果に起因する劣化に強いnチャネル型TFTを形成することができる。そのため、信頼性の高い発光装置を実現できる。
また、本実施例では画素部と駆動回路の構成のみ示しているが、本実施例の製造工程に従えば、その他にも信号分割回路、D/Aコンバータ、オペアンプ、γ補正回路などの論理回路を同一の絶縁体上に形成可能であり、さらにはメモリやマイクロプロセッサをも形成しうる。
以上のようにして作製される発光装置はエネルギー密度が十分であるレーザ光により均一にアニールされた半導体膜を用いて作製されたTFTを有しており、前記発光装置の動作特性や信頼性を十分なものとなり得る。そして、このような発光装置は各種電子機器の表示部として用いることができる。
なお、本実施例は実施例1乃至6と自由に組み合わせることが可能である。
本発明を適用して、様々な半導体装置(アクティブマトリクス型液晶表示装置、アクティブマトリクス型発光装置、アクティブマトリクス型EC表示装置)を作製することができる。即ち、それら電気光学装置を表示部に組み込んだ様々な電子機器に本発明を適用できる。
その様な電子機器としては、ビデオカメラ、デジタルカメラ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイ(ゴーグル型ディスプレイ)、カーナビゲーション、カーステレオ、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子書籍等)などが挙げられる。それらの例を図16、図17及び図18に示す。
図16(A)はパーソナルコンピュータであり、本体3001、画像入力部3002、表示部3003、キーボード3004等を含む。本発明により作製される半導体装置を表示部3003に適用することで、本発明のパーソナルコンピュータが完成する。
図16(B)はビデオカメラであり、本体3101、表示部3102、音声入力部3103、操作スイッチ3104、バッテリー3105、受像部3106等を含む。本発明により作製される半導体装置を表示部3102に適用することで、本発明のビデオカメラが完成する。
図16(C)はモバイルコンピュータ(モービルコンピュータ)であり、本体3201、カメラ部3202、受像部3203、操作スイッチ3204、表示部3205等を含む。本発明により作製される半導体装置を表示部3205に適用することで、本発明のモバイルコンピュータが完成する。
図16(D)はゴーグル型ディスプレイであり、本体3301、表示部3302、アーム部3303等を含む。表示部3302は基板として可撓性基板を用いており、表示部3302を湾曲させてゴーグル型ディスプレイを作製している。また軽量で薄いゴーグル型ディスプレイを実現している。本発明により作製される半導体装置を表示部3302に適用することで、本発明のゴーグル型ディスプレイが完成する。
図16(E)はプログラムを記録した記録媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであり、本体3401、表示部3402、スピーカ部3403、記録媒体3404、操作スイッチ3405等を含む。なお、このプレーヤーは記録媒体としてDVD(Digital Versatile Disc)、CD等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネットを行うことができる。本発明により作製される半導体装置を表示部3402に適用することで、本発明の記録媒体が完成する。
図16(F)はデジタルカメラであり、本体3501、表示部3502、接眼部3503、操作スイッチ3504、受像部(図示しない)等を含む。本発明により作製される半導体装置を表示部3502に適用することで、本発明のデジタルカメラが完成する。
図17(A)はフロント型プロジェクターであり、投射装置3601、スクリーン3602等を含む。本発明により作製される半導体装置を投射装置3601の一部を構成する液晶表示装置3808やその他の駆動回路に適用することで、本発明のフロント型プロジェクターが完成する。
図17(B)はリア型プロジェクターであり、本体3701、投射装置3702、ミラー3703、スクリーン3704等を含む。本発明により作製される半導体装置を投射装置3702の一部を構成する液晶表示装置3808やその他の駆動回路に適用することで、本発明のリア型プロジェクターが完成する。
なお、図17(C)は、図17(A)及び図17(B)中における投射装置3601、3702の構造の一例を示した図である。投射装置3601、3702は、光源光学系3801、ミラー3802、3804〜3806、ダイクロイックミラー3803、プリズム3807、液晶表示装置3808、位相差板3809、投射光学系3810で構成される。投射光学系3810は、投射レンズを含む光学系で構成される。本実施例は三板式の例を示したが、特に限定されず、例えば単板式であってもよい。また、図17(C)中において矢印で示した光路に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相差を調節するためのフィルム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
また、図17(D)は、図17(C)中における光源光学系3801の構造の一例を示した図である。本実施例では、光源光学系3801は、リフレクター3811、光源3812、レンズアレイ3813、3814、偏光変換素子3815、集光レンズ3816で構成される。なお、図17(D)に示した光源光学系は一例であって特に限定されない。例えば、光源光学系に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相差を調節するフィルム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
ただし、図17に示したプロジェクターにおいては、透過型の電気光学装置を用いた場合を示しており、反射型の電気光学装置及び発光装置での適用例は図示していない。
図18(A)は携帯電話であり、本体3901、音声出力部3902、音声入力部3903、表示部3904、操作スイッチ3905、アンテナ3906等を含む。本発明により作製される半導体装置を表示部3904に適用することで、本発明の携帯電話が完成する。
図18(B)は携帯書籍(電子書籍)であり、本体4001、表示部4002、4003、記憶媒体4004、操作スイッチ4005、アンテナ4006等を含む。本発明により作製される半導体装置は表示部4002、4003に適用することで、本発明の携帯書籍が完成する。
図18(C)はディスプレイであり、本体4101、支持台4102、表示部4103等を含む。表示部4103は可撓性基板を用いて作製されており、軽量で薄いディスプレイを実現できる。また、表示部4103を湾曲させることも可能である。本発明により作製される半導体装置を表示部4103に適用することで、本発明のディスプレイが完成する。本発明のディスプレイは特に大画面化した場合において有利であり、対角10インチ以上(特に30インチ以上)のディスプレイには有利である。
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、さまざまな分野の電子機器に適用することが可能である。また、本実施例の電子機器は実施例1〜7または8の組み合わせからなる構成を用いても実現することができる。
本発明が開示する照射面に形成されるレーザ光の例を示す図。 本発明が開示するレーザ照射装置の例を示す図。 本発明が開示するレーザ照射装置の例を示す図。 本発明が開示するレーザ照射装置の例を示す図。 1737ガラス基板における波長に対する透過率を示す図。 石英基板における波長に対する透過率を示す図。 本発明を用いて半導体膜を結晶化する方法の例を示す図。 本発明を用いて半導体膜を結晶化する方法の例を示す図。 照射面に形成される従来のレーザ光の例を示す図。 画素TFT、駆動回路のTFTの作製工程を示す断面図。 画素TFT、駆動回路のTFTの作製工程を示す断面図。 画素TFT、駆動回路のTFTの作製工程を示す断面図。 画素TFTの構成を示す上面図。 アクティブマトリクス型液晶表示装置の作製工程を示す断面図。 発光装置の駆動回路及び画素部の断面構造図。 半導体装置の例を示す図。 半導体装置の例を示す図。 半導体装置の例を示す図。 本発明が開示する照射面に形成されるレーザ光のエネルギー密度の分布の例を示す図。 レーザの出力と結晶化領域の関係の例を示す図。

Claims (15)

  1. 長尺方向を有する線状のレーザ光を被照射体に照射するレーザ照射装置であって、
    第1のレーザと、
    少なくとも1つの第2のレーザと、
    前記第1のレーザから射出される第1のレーザ光を、当該第1のレーザ光の減衰領域以外の部分で2つに分割し、前記分割された第1のレーザ光を入れ替える第1の手段と、
    前記被照射体上において、前記分割された第1のレーザ光と、前記第2のレーザから射出される第2のレーザ光とを重ね合わせることによって、前記線状のレーザ光を形成する第2の手段と、を有し、
    前記長尺方向における前記線状のレーザ光のエネルギー密度の分布は、当該線状のレーザ光の減衰領域を除いたエネルギー密度の平均値から±10%以内にあり、
    前記被照射体上において、前記線状のレーザ光は、前記分割された第1のレーザ光のそれぞれの切断面を前記長尺方向の両端部とし、
    前記被照射体上において、前記分割された第1のレーザ光同士は重ならないことを特徴とするレーザ照射装置。
  2. 請求項1において、
    前記第2の手段は、凸シリンドリカルレンズを有することを特徴とするレーザ照射装置。
  3. 長尺方向を有する線状のレーザ光を被照射体に照射するレーザ照射装置であって、
    第1のレーザと、
    少なくとも1つの第2のレーザと、
    前記第1のレーザから射出される第1のレーザ光を、当該第1のレーザ光の減衰領域以外の部分で2つに分割し、前記分割された第1のレーザ光を入れ替える第1の手段と、
    前記分割された第1のレーザ光を前記長尺方向に広げる第2の手段と、
    前記第2のレーザから射出される第2のレーザ光を前記長尺方向に広げる第3の手段と、
    前記被照射体上において、前記第2の手段により広げられた前記分割された第1のレーザ光と、前記第3の手段により広げられた前記第2のレーザ光とを重ね合わせることによって、前記線状のレーザ光を形成する第4の手段と、を有し、
    前記長尺方向における前記線状のレーザ光のエネルギー密度の分布は、当該線状のレーザ光の減衰領域を除いたエネルギー密度の平均値から±10%以内にあり、
    前記被照射体上において、前記線状のレーザ光は、前記分割された第1のレーザ光のそれぞれの切断面を前記長尺方向の両端部とし、
    前記被照射体上において、前記分割された第1のレーザ光同士は重ならないことを特徴とするレーザ照射装置。
  4. 請求項3において、
    前記第2の手段は、凹シリンドリカルレンズを有し、
    前記第3の手段は、凹シリンドリカルレンズを有し、
    前記第4の手段は、凸シリンドリカルレンズを有することを特徴とするレーザ照射装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
    前記第1の手段は、プリズムを有することを特徴とするレーザ照射装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、
    前記第1の手段は、前記分割された第1のレーザ光の切断部分が外側に配置されるように、前記分割された第1のレーザ光を入れ替えることを特徴とするレーザ照射装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項において、
    前記長尺方向における前記線状のレーザ光の減衰領域は、1/e幅において200μm以下であることを特徴とするレーザ照射装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項において、
    前記第1のレーザ光または前記第2のレーザ光の波長は、400nm以上であることを特徴とするレーザ照射装置。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか一項において、
    前記第1のレーザ光または前記第2のレーザ光を高調波に変換する非線形光学素子を有することを特徴とするレーザ照射装置。
  10. 長尺方向を有する線状のレーザ光を半導体膜に照射する半導体装置の作製方法であって、
    前記線状のレーザ光は、減衰領域以外の部分で2つに分割された後、それぞれの切断面が前記線状のレーザ光の前記長尺方向の両端部になるように入れ替えられた第1のレーザ光と、少なくとも1つの第2のレーザ光とを、前記半導体膜上において重ね合わせることによって形成され、
    前記長尺方向における前記線状のレーザ光のエネルギー密度の分布は、当該線状のレーザ光の減衰領域を除いたエネルギー密度の平均値から±10%以内にあり、
    前記半導体膜上において、前記分割された第1のレーザ光同士は重ならないことを特徴とする半導体装置の作製方法。
  11. 請求項10において、
    前記線状のレーザ光を前記半導体膜に照射することによって、前記半導体膜を加熱することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  12. 請求項10または請求項11において、
    前記線状のレーザ光を照射することによって、前記半導体膜を結晶化することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  13. 請求項10または請求項11において、
    前記線状のレーザ光を照射することによって、前記半導体膜を活性化することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  14. 請求項10乃至請求項13のいずれか一項において、
    前記線状のレーザ光と前記半導体膜を相対的に移動しながら、前記線状のレーザ光を前記半導体膜に照射することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  15. 請求項10乃至請求項14のいずれか一項において、
    前記長尺方向における前記線状のレーザ光の減衰領域は、1/e幅において200μm以下であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
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