JP4633672B2 - プランクトン観察装置、並びにプランクトン計測装置、プランクトン計測方法及びプランクトン計測プログラム - Google Patents

プランクトン観察装置、並びにプランクトン計測装置、プランクトン計測方法及びプランクトン計測プログラム Download PDF

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Description

本発明は、プランクトン観察装置並びにプランクトン計測装置、プランクトン計測方法及びプランクトン計測プログラムに関する。さらに詳述すると、本発明は、海水中あるいは淡水中の走光性を有するプランクトンを計数するためのプランクトン観察装置及びそれを用いた計測装置、プランクトン計測方法並びにプランクトンの撮影画像から画像処理によりプランクトンの自動計数を行うためのプランクトン計測プログラムに関する。
プランクトンの生態等を調査するため、一定水量中に含まれるプランクトン数の計測試験が一般に行われている。例えばフジツボは、様々な海洋構築物や火力・原子力発電所の冷却水路系等に付着する代表的生物であり、冷却水路系にフジツボなどの生物が付着すると、冷却水の流動抵抗が増し流量の低下を引き起こして復水器の冷却効率が低下する。また、潰食により復水器細管の漏洩を引き起こすため、漏洩事故が発生し問題となっている。
このため現在、各発電所では、付着したフジツボなどを機械的に除去したり、防汚塗料によりフジツボの付着を抑制する等の様々な防除対策を行って、付着量の減少を図り、漏洩事故の防止を行っている。
フジツボなどの海洋付着生物の防除対策には、作業員の多大な労力及びそれに伴うコストが発生するため、当該海洋付着生物の付着時期に効果的に実施することが望まれている。
しかし、フジツボ幼生などの付着時期の推定は、水路に付着板を設置して、経時的に観察を行って付着生物の種類判定や付着量を測定したり、プランクトンネットを用いたサンプリングなどを行って、フジツボ幼生など付着生物の幼生の特定及びカウントを行っているのが現状である。これらの作業には、作業員の多大な労力及びそれに伴うコストを伴う。また、このような作業に費やす人的、経済的資源は限られるため、付着時期や付着生物量の推定は、少ないデータから全体の量を推定することとなる。このため、推定精度が極めて低いという問題があった。
このような理由から、現在、防除作業を効果的な時期に、効果的な内容(薬剤の散布量等)で実施できているとはいえず、計測対象とするプランクトンを簡便、かつ精度良く計測することが必要となる。このためには、一定水量中に計測対象のプランクトンがどの程度含まれているかを簡便且つ精度良く計測できることが必要となる。
このような一定水量に含まれるプランクトンの計測を行う装置として、例えば、ホースに小型セルを設け、当該セルを撮影する技術が提案されている(非特許文献1)。この計測装置におけるプランクトンの撮影は、5分間で9000枚の連続撮影を行い、画像を取り込むものである。そして、取り込んだ画像はパーソナルコンピュータで処理され、予め設定した大きさ以内の画素数のものが自動的にカウントされるものである。
また、特許文献1には、プランクトンのシルエット、形状をテンプレート識別により識別する画像処理により、プランクトンの識別を行う技術が提案されている。
Tatsuro Akiba ,Yoshimi Kakui 「Design and Testing of an Underwater Microscope and Image Processing System for the Study of Zooplankton Distribution」,IEEE TRANSACTIONS ON OCEANIC ENGINEERING vol.25,No1,January 2000 特開平5−263411
しかしながら、非特許文献1に記載の技術では、流速が遅く、流量が少ないため、計測対象とするプランクトンをほとんど検出できないという問題があった。また、フジツボなどの付着生物の場合、流速が遅いと付着してしまうという問題も生じる。
逆に、流速を速くすると、プランクトンが、撮影間隔よりも速くセルを通過してしまったり、撮影画像がぼやけて、正確にとらえることができないという問題が生じていた。また、プランクトンが遊泳する速度は、種によっても異なるので、対象とする種ごとに最適な流速を設定するのは煩雑であり、現実的ではない。
また、この場合に、チューブを太くしたり、セルを大きくすることも考え得るが、カメラの焦点が合わせにくくなり、画像処理での計数に向かないという問題がある。
また、非特許文献1の技術に高速度カメラを用いても、例えば、フジツボの幼生を認識可能な最低限のシャッタースピード(1/1000秒以上)と画像サイズ(256×256)で観察した場合、カメラのメモリ性能上1回の撮影が2分程度に限られ、測定時間内でプランクトンの流入がほとんど観察されないという問題がある。
更に、非特許文献1に記載の技術では、プランクトンと同等の大きさであることを検出の際の基準としているので、気泡等のプランクトン以外をプランクトンとして計数してしまうという問題がある。
また、特許文献1に記載の技術のように、形状からのパターンマッチングでは、遊泳速度の速い種については、撮影画像がぼやけてしまい判別することができないという問題がある。
以上、大きさによる判別や形状のテンプレートマッチングでは、計測対象とするプランクトンの計測は困難であることがわかった。
そこで本発明は、計測対象となるプランクトンの簡便且つ高精度の観察を可能とするプランクトン観察装置を提供することを目的とする。更に、撮影された画像から、当該プランクトンの移動軌跡を求め、計測対象のプランクトンの自動計数を行うことを特徴とするプランクトン計測装置、プランクトン計測方法及びプランクトン計測プログラムを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、請求項1記載のプランクトン観察装置は、検水を入水口から排水口に一定流量で通水するセルであって、検水を滞留させる滞留領域を有するプランクトン観察用セルと、プランクトン観察用セルに対し光を照射する発光手段と、発光手段により照射されたプランクトン観察用セルを撮影する撮像手段とを備え、撮像手段が検水中に存在する走光性を有するプランクトンを撮影することにより、プランクトンを観察するものである。
したがって、プランクトン観察用セルに一時的に流れの緩やかな領域(滞留領域)と流れの速い領域を形成している。そこで、当該プランクトン観察用セルに対し、フジツボのキプリス幼生(以下、単にフジツボ幼生ともいう)などの光に向かう習性(以下、正の走光性という)を有するプランクトンが流入すれば、当該プランクトンは、プランクトン観察用セルの内部において、発光手段により照射される光の入射方向へ向けて遊泳する。あるいは光から遠ざかる習性(以下、負の走光性という)を有するプランクトンが流入すれば、当該プランクトンは、プランクトン観察用セルの内部において、発光手段により照射される光の入射方向と逆方向へ遊泳する。更に、プランクトンはセル内に形成された流れが緩やかな空間を遊泳するが、プランクトン観察用セルは一定流量を通水するものであり、当該プランクトンは、一定時間経過後に流速に押されて、セルから流出される。そこで、当該セルの撮影を行うことにより、これらのプランクトンの有無の確認及び挙動の観察をしている。尚、本明細書中において走光性とは、正の走光性及び負の走光性をいう。
また、請求項1に記載のプランクトン観察装置プランクトン観察用セルが、円筒形の観察部と、該観察部に対し接線方向に検水を導入する入水口と観察部内に導入された検水の流れに関し最も入水口から離れた位置に設けられた排水口とを突起部として備えることを特徴としている。
したがって、セル内にプランクトンが遊泳可能な滞留領域を形成し、かつセルの内周壁に沿って流れの速い領域を形成している。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載のプランクトン観察装置において、発光手段を撮像手段の撮影方向に対して側方から光を照射する位置に備えるものである
したがって、撮像手段は、検水中のプランクトンが発光手段により照射されることに生じる散乱光及び反射光を撮影することができる。
請求項に記載の発明は、請求項またはのいずれかに記載のプランクトン観察装置において、入水口は、観察部の内周壁に沿って検水を流入させる入水ガイドを備えるものである。
したがって、入水口から流入する検水により、セルの内周壁に沿って流れの速い領域が形成されるようにしている。
請求項に記載の発明は、請求項1からまでのいずれかに記載のプランクトン観察装置において、撮像手段は、観察用セルの撮影方向に対する背面を暗黒色として撮影するものである。
したがって、撮像手段は、検水中のプランクトンが発光手段により照射されることに生じる散乱光及び反射光を背景色を黒として撮影することができる。
請求項に記載のプランクトン計測装置は、請求項1からまでのいずれかに記載のプランクトン観察装置と該プランクトン観察装置の撮像手段からプランクトンの動画像を取得する画像処理装置とを備え、画像処理装置は、動画像の各フレーム画像に対し、フレーム間差分処理により差分画素を検出し、該差分画素にラベリング処理を行いラベリング領域を作成し、該ラベリング領域を記録する移動領域検出手段と、動画像の連続するフレーム間において、ラベリング領域の各重心座標が近似するラベリング領域同士を対応付け、該対応付けられたラベリング領域の連続する重心座標を移動軌跡として記憶する移動軌跡作成手段と、移動軌跡から該移動軌跡の長さ、方向及び屈曲回数を算出し、移動軌跡を予め設定された長さ、方向及び屈曲回数の閾値によってプランクトンの移動軌跡に絞り込み出力装置に表示する結果確認・修正手段を備えるものである。
また、請求項に記載のプランクトン計測方法は、検水を滞留させる滞留領域を有するプランクトン観察用セルに対し、発光手段により光を照射し、更に前記発光手段により照射された前記プランクトン観察用セルを撮像手段により撮影し、撮影されたプランクトンの動画像に対し、画像処理装置が、撮像手段からプランクトンの動画像を取得し動画像の各フレーム画像に対し、フレーム間差分処理により差分画素を検出し、該差分画素にラベリング処理を行いラベリング領域を作成し、該ラベリング領域を記録する移動領域検出処理と、動画像の連続するフレーム間において、ラベリング領域の各重心座標が近似するラベリング領域同士を対応付け、該対応付けられたラベリング領域の連続する重心座標を移動軌跡として記憶する移動軌跡作成処理と、移動軌跡から該移動軌跡の長さ、方向及び屈曲回数を算出し、移動軌跡を予め設定された長さ、方向及び屈曲回数の閾値によってプランクトンの移動軌跡に絞り込みを行う結果確認・修正処理を行うようにしている。
したがって、更に画像処理装置は、取得したプランクトンの動画像の各フレーム画像に対しフレーム間差分処理を行って、前のフレームに対して変化のあった画素を検出し、検出した画素にラベリング処理を行って、ラベリング領域を作成し、当該ラベリング領域を記憶装置に記録し、また、動画像の連続する数フレーム間において、ラベリング領域の各重心座標が近似する座標位置にあるラベリング領域同士を対応付け、当該対応付けられたラベリング領域の連続する重心座標を移動軌跡として記憶装置に記憶し、更に、移動軌跡の長さ、方向及び屈曲回数を算出し、これらの値に対して、予め設定された閾値によって移動軌跡に絞り込みを行い、計測対象のプランクトンの移動軌跡のみを計測するようにしている。
ここで、請求項7記載の発明のように、請求項6記載のプランクトン計測方法において、発光手段によって撮像手段の撮影方向に対して側方から光を照射しながら撮像手段によって撮影を行うようにしても良い。
請求項に記載のプランクトン計測プログラムは、コンピュータに対し、検水を入水口から排水口に一定流量で通水し、かつ検水を滞留させる滞留領域を有するプランクトン観察用セルに対し、発光手段により光を照射し、更に発光手段により照射されたプランクトン観察用セルを撮像手段により撮影したプランクトンの動画像を取得して記憶装置に記録する動画像取得処理と、動画像の各フレーム画像を読み出して、フレーム間差分処理により差分画素を検出し、該差分画素にラベリング処理を行いラベリング領域を作成し、該ラベリング領域を記憶装置に記録する移動領域検出処理と、動画像の連続するフレーム間において、ラベリング領域の各重心座標が近似するラベリング領域同士を対応付け、該対応付けられたラベリング領域の連続する重心座標を移動軌跡として記憶装置に記憶する移動軌跡作成処理と、移動軌跡を読み出して、該移動軌跡の長さ、方向及び屈曲回数を算出し、移動軌跡を予め設定された長さ、方向及び屈曲回数の閾値によってプランクトンの移動軌跡に絞り込みを行う結果確認・修正処理とを実行させるものである。
したがって、コンピュータに、プランクトン観察用セルを撮影したプランクトンの動画像データを読み込み、ハードディスク等の補助記憶装置に画像データを取得させ、取得したプランクトンの動画像の各フレーム画像をメモリ上に読み出して、各フレーム画像に対してフレーム間差分処理を行って、前のフレームに比べて変化のあった画素を検出し、検出した画素にラベリング処理を行って、ラベリング領域を作成して補助記憶装置に記録させ、また、連続する数フレーム間において、ラベリング領域の各重心座標が近似する座標位置にあるラベリング領域同士を対応付け、当該対応付けられたラベリング領域の連続する重心座標を移動軌跡として記憶装置に記憶させ、更に、当該移動軌跡をメモリ上に読み出して移動軌跡の長さ、方向及び屈曲回数を算出し、これらの値に対して、予め設定された閾値によって移動軌跡に絞り込みを行い、計測対象のプランクトンの移動軌跡のみを計測させるようにしている。
以上説明したように、本発明にかかるプランクトン観察装置によれば、多くの計測対象となるプランクトンをセル内に形成される滞留領域に一定時間遊泳させることができるので、プランクトンを長時間に渡り簡便に観察することができる。また、観察装置も簡易に構成することができ、低コスト化を図ることができる。
また、プランクトンがセル内で遊泳する様子を連続画像として撮影することで、その間の挙動が可視化されて観察が可能となる。これにより、従来のような非常に短い時間でセルを通過していくプランクトンを撮影する観察方法における問題点を解消し、目視によるカウントでも容易に行うことができる。更に、従来技術に比して長時間の撮影及び観察が可能となる。
また、請求項に記載のプランクトン観察装置によれば、プランクトン計測用セル内に、一時的に流れの遅い滞留領域をセルの中央部に形成し、セル内周壁に沿って流れの速い領域を効果的に形成することができる。内周壁に沿って流れが形成されているため、フジツボなどの付着生物の付着を防ぐことができる。また、プランクトンをセル内に長時間とどまらせることができる。これにより観察を容易にすることができる。
また、請求項に記載のプランクトン観察装置、請求項に記載のプランクトン計測方法によれば、検水中のプランクトンが発光手段により照射されることに生じる散乱光及び反射光を撮影することができる。これにより撮影画像において、プランクトンの認識を容易なものとすることができる。
また、請求項に記載のプランクトン観察装置によれば、セル内周壁に沿って流れの速い領域をより効果的に形成することができる。これにより、付着生物の付着を防止することができる。
また、請求項に記載のプランクトン観察装置によれば、撮像手段による撮影画像において、プランクトンが発光手段により照射されることに生じる散乱光及び反射光を背景色を黒として撮影することができる。これにより撮影画像において、プランクトンの認識を容易なものとすることができる。
また、請求項に記載のプランクトン計測装置、請求項に記載のプランクトン計測方法、請求項に記載のプランクトン計測プログラムによれば、撮像手段により撮影された動画像から、移動する物体の移動軌跡を抽出し、さらに計測対象となるプランクトンの移動軌跡のみに絞り込むことでプランクトンの計数処理の自動化を図ることができる。
このため、従来の技術に比して、プランクトン計測の高精度化を図ることが可能となる更に、従来技術に比して長時間に渡るプランクトンの計測が可能となる。
更に、精度の高い推定を行うことが可能となるので、計測対象となるプランクトン、例えばフジツボ幼生の発生時期を正確に捉えることができる。フジツボの付着時期を特定することができれば、付着時期に重点的に上述の防除対策を施すことができるため、防除作業にかかる作業員の労力及びコストを削減することが可能となる。
更に、防除作業を効果的に行うことにより、フジツボ等の付着生物の付着を抑えることができる。これにより除去作業の手間を省くことが可能となる。尚、付着生物の付着が大量に発生すると、除去後の廃棄も問題となる。例えば、フジツボの廃棄量は、発電所によっては、年間2000トンにも上るため、フジツボの付着を効果的に減らすことができれば、廃棄にかかるコストの削減も図ることができる。
また、作業員のプランクトンネット等を用いた対象プランクトン含有数の計数作業を不要とすることが可能となり、作業員の労力及び人件費の削減を図ることができる。また、作業が単純化されるため、従来に比して大量の検水から実質含有数を推定することが可能となり、精度の高い推定を行うことが可能となる。
また、プランクトンネットを用いた調査では不可能であった連続的なデータの取得が可能となる。このため、断片的なデータ取得しかできなかった従来の調査方法に比して、より精度の高いプランクトン出現状況の把握が可能となる。
以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。尚、本実施形態では、フジツボのキプリス幼生の検出に適用した例を挙げて説明するが、本発明は、走光性を有するプランクトン種であれば適用可能であり、フジツボの例に限られるものではない。
本発明のプランクトン観察装置は、検水を入水口から排水口に一定流量で通水するセルであって、検水を滞留させる滞留領域を有するプランクトン観察用セルと、プランクトン観察用セルに対し光を照射する発光手段と、発光手段により照射されたプランクトン観察用セルを撮影する撮像手段とを備え、撮像手段が検水中に存在する走光性を有するプランクトンを撮影することにより、プランクトンを計測するものである。
図1〜図19までに本発明の一実施形態を示す。このプランクトン観察装置は、図1に示すようにプランクトン観察用セル1、発光手段10、撮像手段11を備える。また、撮像手段11により撮影された画像を処理する画像処理装置20を備えることが好ましい。
図2に、プランクトン観察用セル1の正面図を示す。本実施形態でのプランクトン観察用セル1(以下、単にセル1ともいう)は、入水ホース4から検水を流入させるための入水口2と排水ホース5から検水を流出させるための排水口3を突起部として有し、一定の厚みを有する円筒状のセルである。
更に、セル1は、プランクトンが遊泳可能な、検水の流れが緩慢になる滞留領域13を有している。具体的には、従来のセルのように、入水口2と排水口3が一軸上に存在すると、滞留領域13が形成されないので、入水口2と排水口3は一軸上に構成しないことにより、滞留領域13を形成することができる。また、流量が一定である場合、流速は断面積の大きさに反比例するので、セル1の断面積を大きくし、流速を抑えている。
また、入水口2から検水が流入すると、セル1の内周壁に沿って流れの速い領域が形成されるので、フジツボ等の付着生物であっても、付着することがない。尚、突起部を除いた円筒状のセル部分を観察部6という。また、図3にセル1の正面からの撮影画像を、図4に背面上方からの撮影画像を示す。尚、図4に示す画像は、入水ホース4及び排水ホース5を取り付けていないセル1の画像である。
また、入水口2は、入水ガイド7を備えることが好ましい。入水口2から流入した検水は、入水ガイド7の中を通過して観察部6に流入する。入水ガイド7の拡大図を図5に示す。入水ガイドには、流量を安定させるための整流板8を備えることが好ましいが、入水ガイド7の形状はこれに限られるものではない。
尚、セル1の形状は、円筒形に限られるものではなく、入水口2と排水口3が一軸上に存在せず滞留領域13が形成される形状であればよい。例えばセル1が直方体の矩形であっても、入水口2と排水口3が一軸上になければ滞留領域13が形成される。また、セル1の大きさ、例えば奥行きや内径は特に限られるものではない。しかし、奥行きを大きくしすぎると、撮像手段11による撮影時の焦点を合わせることが難しくなるため、奥行きは例えば20mm程度が最適である。また、撮像手段11により撮影可能な大きさとすることが望ましいためセル1の内径は、例えば100mm程度が最適である。プランクトンのような微細な物体の画像処理においては、わずかな焦点のずれも許されないからである。尚、逆に内径や、奥行きを小さくしすぎると、流量が制限されるためプランクトンの計測に向かない。
また、セル1は、内部の撮影が可能なように光透過性のある素材により構成する。本実施形態では、セル1は、アクリル製としているが、これに限られるものではない。
検水とは、計測対象となるプランクトンを含む海水、淡水等である。本実施形態における検水は、例えば発電機の冷却系に用いる海水であり、計測対象となるフジツボのキプリス幼生を含むと考えられるものである。尚、流量は、50ml/minから500ml/min程度で安定して供給することが好ましいが、これに限られるものではない。これは、流速が遅くなりすぎると、フジツボの付着が懸念され、逆に流速が速すぎると撮影が困難になるからである。尚、検水の制御に電磁弁等を用いても良い。
また、本実施形態では、セル1を設置台9に乗せて固定しているが、セル1の取付は特に限られるものではなく、撮影時の画像がぶれないように、固定されていれば良い。また、本実施形態では、図4に示すようにセル1を縦置きにして使用しているが、横置きにして固定して使用することも可能である。
本実施形態では、入水ホース4、排水ホース5には、シリコンチューブを用いたが、これに限られるものではない。
更に、本発明のプランクトン観察装置は、発光手段10を備える。発光手段10としては、セル1内の検水に熱影響を与えない高輝度冷光装置、ハロゲン光源装置、LED等のコールドライトを用いることが好ましいが、これに限られるものではない。尚、光量は、セル1の照射面で1万lux〜50万lux程度が好ましく、更に好ましくは、20万lux程度であるが、これに限られるものではない。尚、適切な光量はCCDカメラ等の性能に応じて最適な光量を選択すれば良く、特に限られるものではない。
また、発光手段10は必ずしも一つには限られず、複数の発光手段10によりセル1の照射を行うこととしても良い。
発光手段10は、撮像手段11の撮影方向に対して側方から光を照射することが好ましい。これにより、セル1内のプランクトンの照射により生じる散乱光及び反射光を捉えることができるからである。また、撮像手段11により捉えるのはプランクトンの照射により生じる散乱光及び反射光に限られるものではなく、例えば、蛍光性を有するプランクトンであれば蛍光波長による観察も可能である。また、赤外光を照射して赤外線カメラによる観察を行っても良い。尚、フジツボの幼生は紫外線等の短い波長の光を当てると負の走光性を示すため、フジツボ幼生の負の走光性を利用した観察も可能である。
また、本実施形態では、入水口2から入水ガイド7により検水が流入する側の側面からセル1を照射することとしている。以下、発光手段10により照射されるセルの側面を特に照射面と呼ぶ。
これは、正の走光性を有するプランクトンを内周壁の速い流れに流されないようにし、照射面に誘導させるためである。発光手段10による照射位置は、上記の例には限られないが、例えば、排出口3側の側方から照射すると、フジツボ幼生は、正の走光性を示し、照射面に向かって遊泳しようとするが、水流と同じ方向であるので、そのまま排出口から流出してしまう可能性が高い。このため、セル1内にフジツボ幼生を一定時間とどまらせて、その移動軌跡を計測する本発明の目的に資さないこととなる。しかしながら、逆に負の走光性を持つプランクトンに対しては、排水口3側の側方から照射することにより、セル1内に当該プランクトンを一定時間とどまらせて、その移動軌跡を計測することが可能となる。
更に、本発明のプランクトン観察装置は、撮像手段11を備える。撮像手段11は、レンズ部11a、撮像部11b、制御部11cからなる。本実施形態では、プランクトンが撮影対象であり、撮像手段11は、セル1を至近距離で撮影することが要求されるので、レンズ部11aは接写レンズを用いることが好ましいが、これには限られず、至近距離の撮影が可能であればよい。尚、撮影距離は例えば30mm程度が好ましいがこれに限られるものではない。また、撮像部11bは、CCDカメラであることが最適であるが、これに限られるものではなく、プランクトンの撮影が可能な解像度を有していれば良い。また、制御部11cは、CCDカメラが変換した光の電気信号を中継する通信制御装置であって、例えばCCU(Communications Control Unit)により構成される。
尚、CCU一体型のCCDカメラを用いても、CCUとCCDカメラを別途構成するようにしても良い。尚、制御部11cは、電気信号を画像処理装置20が処理できるように組み立てる。また、DVコンバータはこの制御部11cと画像処理装置20との間に設けられ、制御部11cから送られる電気信号を変換して画像処理装置20に送信するものである。
また、撮像手段11は、必ずしも一つに限られるものではない。例えば複数のCCDカメラを用いてセル1の撮影をおこなうようにしてもよい。このようにすることで、例えば、一台のCCDカメラによりセル1の表面付近に焦点を合わせた撮影、もう一台のCCDカメラによりセル1の裏面付近に焦点を合わせた撮影といったセル1に対して複数の焦点を合わせた撮影が可能となる。また、例えば、1台のCCDカメラでセル1の全体を撮影し、更に他の一つまたは複数のCCDカメラでセル1の特定部分を拡大撮影することにより、プランクトンの観察を容易に行うことが可能となる。
また、撮像手段11による画像において、プランクトンの認識を容易にするためには、セル1の背面を発光手段10からの照射される光を吸収するために、暗黒色としておくことが好ましい。これにより、検水中のプランクトン等の内包物と背景部分とのコントラストが明確になるためである。尚、本実施形態では、セル1の背面に遮光カバーを挿入しているが、これに限られるものではない。例えば、予めセル1の背面を黒色の部材による設計としても良い。
更に、背面を暗黒色としても、セル1に対し、撮影方向や側方向から、発光手段10以外からの光が入射すると、撮影画面上でノイズ光となりうるので、本実施形態では、プランクトン観察装置を暗室に設置して、撮影を行うことが好ましい。尚、発光手段10以外からの光の入射をなくすことができればよいので、例えば、プランクトン観察装置を遮光カバーで覆うだけでも良い。
また、本発明のプランクトン観察装置を複数、例えば2つ設けて交互に観察を行うことが好ましい。この場合、一方の観察装置で撮影を行っている間に、他方の観察装置のセル1の洗浄等を行うことができ、観測を効率的に行うことが可能となる。本実施形態では、2台の洗浄機能を備えたプランクトン観察装置を使用し、一方のセルでの観察中に他方の観察装置の洗浄を行うことができるようにしている。
以下にフジツボ幼生の観察方法について詳細に説明する。先ず、観察開始時に、検水を一定流量でセル1に流し、更に、発光手段10によりセル1の照射及び撮像手段11によりセル1の撮影を開始する。尚、計測は一定の流量、または時間を区切って行うことが通常であるので、撮影や照射は常に行う必要はなく、時間を区切って行うようにしても良いのは勿論である。
図6を用いて、検水がセル1に流入してから、流出するまでの流れのイメージの一例について説明する。
1)検水は、入水ホース4から、入水口2に流入する(矢印12aで示す)。
2)流入した検水は、入水ガイド7を通過する(矢印12bで示す)。
3)検水は、入水ガイド7によって、照射面を沿って観察部6の底面方向へと流れる(矢印12cで示す)。
4)観察部6の底面付近まで流れると、流速は弱まるため、水流は拡散して、流れがゆるやかな領域(滞留領域13)が形成される(矢印12dで示す)。
5)検水は、一定水量で流入するので、流入水量分は、排水口3から排水ホース5を介して流出する(矢印12eで示す)。
次に、検水に含まれるフジツボ幼生のセル1内での移動軌跡のイメージの一例について説明する。尚、当該移動軌跡のイメージは、セル1にフジツボ幼生を一匹だけ含む検水を一定流量で流入し、その移動軌跡を求めた実験結果(実施例参照)に基づくものである。
一匹のフジツボ幼生が、観察用セル1に入ってから出ていくまでの軌跡の一例を図7を用いて説明する。フジツボ幼生の時間経過と共に変化する移動位置を点(符号14a〜14f)で表し、各点間の矢印は、その間のフジツボ幼生の移動軌跡のイメージを示す。
フジツボ幼生は、入水口2から入り(14a)、入水ガイド7を通過して照射面に沿って流されていく(14b)、しかし、観察部6の底面付近になると流量も緩くなりはじめる(14c)。また、フジツボ幼生は正の走光性を有しているので、照射面(本実施形態では、向かって左側の側面)に向かって遊泳する(14d)。そして、一定時間、正の走光性により照射面へと向かおうとするが、水流に押されるため、結果として、滞留領域13を不規則的に遊泳する(14e)。しかし、時間と共に、やがて水流に押されて、フジツボ幼生は排出口3より流出していく(14f)。
尚、以上説明したフジツボ幼生の移動軌跡は、本発明のプランクトン観察装置により最も検出に適した理想的な移動軌跡を描いた例である。しかしながら、実際には、様々な動きをするものが存在するため、それらに対応することが必要となる。また、中には、走光性を示すことなく、すぐにそのまま水流に流されていくフジツボ幼生も存在することがわかっている(実施例参照)ため、これらのフジツボ幼生についても対応することが必要となる。
以上のように構成したプランクトン観察装置によると、検水中に走光性を有するプランクトン、例えばフジツボ幼生が含まれていれば、多くのフジツボ幼生は、セル1内に流入した後に、セル1内の滞留領域を一定時間遊泳してからセル1外に流出される。これを撮像手段11により撮影することで、その間の挙動が可視化されて観察が可能となる。これにより、従来のような非常に短い時間でセルを通過していくプランクトンを撮影する観察方法における問題点を解消し、目視によるカウントを容易に行うことができる。
本実施形態では、セル1の背面に遮光カバーを挿入し、かつ発光手段10によりセル1を照射しているので、検水中に含まれるプランクトン等の反射をCCDカメラにより撮影するものである。しかしながら、図8(b)に示すように光の反射により捉えられる検水中の大量の内包物の多くは、気泡15である。尚、図8(b)は、図8(a)に示す計測中のセル1の拡大図である。また、その他塵などの不純物も含まれる。したがって、プランクトンと気泡等のプランクトン以外とを判別することが必要となる。
ここで、気泡15は浮力によりセル1の上方に移動していき、塵などは検水の流れとともにすぐに排水口3より出ていくので、プランクトンとは異なる移動の軌跡をたどる。本発明では、この移動軌跡の特徴によりプランクトンと気泡等のプランクトン以外とを判別している。
また、プランクトンであっても正の走光性を有しないものについては、照射面に向かって遊泳することはないため、移動軌跡の特徴によりプランクトンと気泡等のプランクトン以外とを判別することができる。また、負の走光性を有したプランクトンの観測に際しては、照射面とは反対側に遊泳するので、移動軌跡の特徴によりプランクトンと気泡等のプランクトン以外とを判別することができる。
また、走光性を有するプランクトンであっても種毎に遊泳軌跡には特徴を有しているため、移動軌跡の特徴により計測対象のプランクトンとその他のプランクトンとの判別を行うことができる。
また、本実施形態では、フジツボ幼生を計測対象としているが、走光性を有する動物プランクトンは、数多く存在する。したがって、検水には計測対象以外の他のプランクトンも多く含まれる。当該プランクトンを計測することは誤計測となるため、判別することが必要となる。
そこで、本発明のプランクトン計測方法では、更に、移動軌跡を用いて、気泡等のプランクトン以外のものとプランクトンとの判別、更に、計測対象のプランクトン(ここでは、フジツボ幼生)とその他のプランクトンとの識別を可能とし、計測対象となるプランクトンのみの計数を可能とするものである。
本発明のプランクトン計測装置は、更に撮像手段11により得た画像を画像処理装置20に取り込み画像処理により移動軌跡を得ることで、計測対象のプランクトンを計数することが好ましい。
尚、画像処理によるプランクトンの計数に際しては、本発明のプランクトン計測装置により撮影した動画像に対して、従来型の形状のテンプレートマッチングや大きさによる自動計数も行ってもよいが、大きさ及び形状のテンプレートマッチングでは、上述のように計測対象とするプランクトンのみの計測は困難であり、また、本発明の手法に比して精度が劣る。
そこで、以下に述べるように、プランクトンの移動軌跡を利用してプランクトンの計測を行う画像処理装置20を備えることが好ましい。
画像処理装置20について詳細に説明する。尚、画像処理装置20には、パーソナルコンピュータを用いても、専用のハードウェアを用いても良い。
図9に本実施形態での画像処理装置20の構成の一例を示す。画像処理装置20は、ディスプレイ等の出力装置21と、キーボード、マウス等の入力装置22と、CPU23と、主記憶装置(RAM)24と、ハードディスク等の補助記憶装置25等により構成される。
さらに、画像処理装置20は、撮像手段11から動画像を取得する動画像取得処理を行う動画像取得手段28と、動画像の各フレーム画像に対し、フレーム間差分処理により差分画素を検出し、差分画素に対しラベリング処理を行いラベリング領域を作成し、ラベリング領域を記録する移動領域検出手段29と、動画像の連続するフレーム間において、ラベリング領域の各重心座標が近似するラベリング領域同士を対応付け、対応付けられたラベリング領域の連続する重心座標を移動軌跡として記憶する移動軌跡作成手段30と、移動軌跡から移動軌跡の長さ、方向及び屈曲回数を算出し、移動軌跡を予め設定された長さ、方向及び屈曲回数の閾値によってプランクトンの移動軌跡に絞り込みを行う結果確認・修正手段31とを有するものである。
上記の動画像取得手段、移動領域検出手段、軌跡作成手段及び結果確認・修正手段は、CPU23で実行されるソフトウェアを画像処理装置20により実行させることにより構成でき、その実行の際に必要なデータは、RAM24にロードされる。尚、画像処理装置20の構成はこれに限られるものではなく、例えば補助記憶装置25をLAN等を介し外部に設けても良い。
上記のハードウェア資源は例えばバス26を通じて電気的に接続され、入力I/F27を介して撮像手段11からの撮影画像の取り込みを行うものである。尚、本実施形態では、動画像をAVI画像として取り込んだが、これに限られるものではなく、CPU23の処理速度、ハードディスクの容量等によりmpeg2等の他の形式の画像ファイルに変換しても良い。また、本実施形態では、手動操作、遠隔操作を可能とするためにビデオセレクタを用いることが好ましい。
また、本実施形態では、撮像手段11と画像処理装置20は、IEEE1394インタフェースにより接続したが、これに限られるものではなく、他の高速インタフェースにより接続しても良い。
画像処理装置20は、撮像手段11により撮影された動画像を画像処理装置20に取り込み、プランクトンの計測を行うものである。
尚、画像処理装置20の補助記憶装置25の容量に制限がある場合等には、撮像手段11からの一旦別の記憶装置に記録することとしても良い。例えば、デジタルビデオカセットレコーダを用いてDVカセットに一旦記録し、画像処理を行う際に、画像処理装置20に取り込むようにしても良い。
本発明のプランクトン計測プログラムが行う処理を、図16のフローチャートを用いて説明する。本発明のプランクトン計測プログラムは、動画像取得処理(S100)と、移動領域検出処理(S200)と、移動軌跡作成処理(S300)と、結果確認・修正処理(S400)を実行する。以下、各処理の詳細について述べる。
先ず、動画像取得処理(S100)について説明する。動画像の取り込みは、撮像手段11により撮影された動画像データをインタフェースを介して画像処理装置20に読み込み、ハードディスク等の補助記憶装置25に画像データを記録する処理を行うものである。尚、撮影画像データは画像処理装置20とは別途設けられた外部の記憶装置に記録し、LAN、インターネット網等を通じて取得するようにしても良い。以下、取得した動画像の各フレーム画像について、移動領域検出処理(S200)以下の処理を実行するものである。
図17のフローチャートに示すように、移動領域検出処理(S200)は、フレーム間差分により、各フレーム画像内の変化領域(差分画素)を検出し、当該変化領域に対し、ノイズの除去、変化領域の拡張処理及びラベリング処理を行い、その結果を移動領域として補助記憶装置25に記憶する処理を行うものである。
具体的には、先ず、取得した動画像の各フレーム画像の読み込みを行う(S201)。i(iはフレームカウンタ)フレーム目のフレーム画像についての処理を開始する。
ここで、動画像のうち光を反射するプランクトンや気泡などの検水中の内包物を捉えている画素は、周辺の画素に比して、輝度値が高くなる。これは、撮像手段11が、発光手段10により照射され、かつ背面に遮光カバーが挿入されたセル1を撮影しているからである。したがって、同一座標における輝度値が直前のフレームとの差が大きい場合や輝度値がある一定の閾値以上の値を示している画素には、プランクトンが撮影されている可能性があると推定できる。本知見に基づいて、本発明のプランクトン計測プログラムでは、フレーム間差分を用いて、プランクトンの候補領域を検出している。
フレーム間差分は以下のように行うものである。先ず、nフレーム前の画像とのフレーム間差分処理(S202)によりフレーム間差分画像を作成する。本実施形態では、フレーム間差分画像は、2値画像Sとし、各画素をs(x,y)で表す。よって、s(x,y)は、0または1である。尚、nの値は、計測対象となるプランクトンの移動速度や流速により最適な値を選択すればよい。本実施形態では、n=4とし、4フレーム前のフレームとの2値画像を作成しているが、これに限られるものではない。尚、差分処理であるので、実際の処理はn+1フレーム目の画像から開始する。
差分画素(即ち、s(x,y)=1)とするかどうかは、予め選択的に設定された差分閾値により判断する。差分閾値は、フレーム間差分における同一座標の輝度値に対する閾値である。差分閾値として設定した数値以上、nフレーム前の画像との同一座標の輝度値の差があった場合に、差分画素として検出するための閾値である。これにより、輝度値が大きく変化した画素を抽出することが可能となる。
更に、差分画素の抽出には、輝度閾値を予め選択的に設定しておくことが好ましい。輝度閾値は、予め設定された輝度値以上の輝度値を示した画素のみを差分画素として検出対象とするものである。フレーム間の比較だけでなく、フレーム間に継続して高い輝度値を示す画素を抽出するための閾値であり、上述のように、プランクトンを捉えている画素は輝度値が高いことを利用したものである。
尚、差分閾値、輝度閾値は、撮影環境、例えば照明の強さ等によって、予め0から255までの間の最適な値を設定すればよい。また、本実施形態では、背景差分の基準値として輝度値を用いているが、これに限られるものではない。例えば、色相値等を用いても良い。
次に、得られたフレーム間差分画像からノイズ除去処理(S203)を行う。周囲から孤立した差分画素(以下、孤立画素という)については、計測対象ではない可能性が高いので、ノイズとみなして差分画素から除去することとしている。尚、ノイズ除去には既存の画像処理技術を用いればよく、特に限られるものではない。本実施形態では、差分画素の8近傍に他の差分画素が存在しない場合は、孤立画素であると判断し、当該差分画素を差分画素から外しているが、これに限られるものではない。
次に、残った差分画素の拡張処理(S204)を行う。拡張処理は、ラベリング処理を行うために便宜的に差分画素の拡張を行うものである。尚、拡張処理には、既存の画像処理技術を用いればよい。本実施形態では、例えば差分画素の8近傍については、差分画素に含めることとしているが、これに限られるものではない。
次に、ラベリング処理(S205)を行う。尚、ラベリング処理とは、同じ連結成分に属する画素に対して同じ番号(ラベル)を割り当て、異なる連結成分には、異なる番号をそれぞれ割り当てる処理をいう。
本実施形態でのラベリング処理(S205)は、例えば以下のように行う。まず、2値画像Sにおいてs(x,y)=1であるすべての差分画素に、予め設定した距離の半径の円を描き、その円の重なり合いによって構成される領域を連結成分とする。ここで、一つの連結成分において、一つの円は、少なくとも一つの他の円の中心をその領域内(円周内)に含んでいる必要がある。即ち、ある画素が連結成分に含まれるとは、その画素が連結成分を構成するいずれかの円の内部にあることをいう。尚、ここでいう半径(距離)はユークリッド距離である。尚、ユークリッド距離とは、ある座標(a, b)と座標(c, d)の距離はこれら両画素の座標の距離であり、 (a-c)2+(b-d)2 の平方根として表される。
このようにして、検出した各連結成分に対し、異なる番号を割り当てるものである。尚、上記ラベリング処理は、一例であって、これに限られるものではない。例えば、2値画像Sにおいてラベルが付加されていない差分画素を見つけ、新しいラベルを付加する。次に、当該差分画素の4近傍に他の差分画素が存在する場合は、同じラベルを付加し、新たにラベルを付された画素を基準として4近傍にラベルが付加されていない差分画素が存在するかどうかを見る。この操作を繰り返して、連結成分を作成するようにしても良い。
ここで、連結成分をラベリング領域として検出するに際し、本実施形態では、次の閾値を設定している。「下限サイズ」閾値は、検出するラベリング領域の最小画素数であって、この閾値以下の連結成分Cについては、ラベリング領域としては検出しない。また、「上限サイズ」閾値は、検出するラベリング領域の最大画素数であって、この閾値以上の連結成分は、検出しない。
次に、ラベリング結果の記録処理(S206)を行う。ラベリング結果の記録処理では、検出されたラベリング領域に該当する部分の画像、画素位置(座標)及びサイズ(画素数)を補助記憶装置25に記録する。尚、本実施形態では、動画像のうちラベリング領域として検出された部分の画像をppmフォーマット(Portable Pixel Map)で記録することとしているが、これに限られるものではなく、jpegやbmpフォーマットで記録しても良い。
フレームカウンタに1を加えて(S207)、S201へと戻りループ処理を行う。一方、フレームカウンタiが、動画像のフレーム数i_maxを超えれば(S201:No)、最終フレームの処理を終了したことになるので、移動領域検出処理(S200)は終了する。
以上述べた移動領域検出処理、加えてその拡張機能について図12に示すユーザインターフェース画面を用いて説明する。
出力装置21上には、動画像のフレーム画像40が表示される。尚、必ずしもフレーム画像全体について、以下に述べる画像処理の対象とする必要はなく、計数対象であるフジツボ幼生が通過し、尚かつ外乱の加わりにくい限定的な部分、例えば不要な部分にマスク処理して得られた部分(以下、探索領域という)で足りる。具体的には、探索領域を指定して、フレーム画像40のうち処理の対象とする範囲を選択することが可能である。このような、マスク処理を前提とすることで、計算量を減らしかつノイズの混入を制限できるため、高速かつ高精度な処理が可能となる。
探索領域は、フレーム画像上に表示される、探索領域を示す枠41をマウス等でドラッグすることにより、または、探索領域指定カウンタ48に予め枠41を設定する座標位置を入力することにより設定可能である。例えば、本実施形態では、フレーム画像(720×480画素)のうち、上下左右各20画素については処理を行わず、680×440画素についての処理を行うこととしている。尚、範囲リセットボタン49により、探索領域指定カウンタ48はリセットされる。
下限サイズ42には、ラベリング領域として検出する最小画素数を指定し、上限サイズ43には、ラベリング領域として検出する最大画素数を指定する。
また、輝度閾値51には、差分画素として検出する画素の輝度値の最低値を、差分閾値52には、差分画素として検出するnフレーム前の画像との輝度値の差を指定する。尚、各閾値の設定は、表示されたスライダをマウス等により操作することにより簡単に設定することを可能としている。
移動領域検出処理(S200)は、処理開始ボタン45をクリックすることで開始される。その際に開始するフレーム数を、処理開始時間カウンタ46に指定することができる。具体的には、処理開始時間カウンタ46に指定されたフレームを、フレームカウンタiとして処理を行うものである。これは、再度の確認処理を行う際等において有効である。また、ラベリング結果は、出力先47に指定した補助記憶装置25のディレクトリに記録される。また、ラベリング領域の検出数を検出数53に表示する。
また、本実施形態では、スキップボタン50を設けて、作業員の利便に資するようにしている。スキップボタン50は、動画像を一定フレーム数スキップするためのものである。本実施形態では、スキップボタン50を押すことにより、1分間(1800フレーム分)画像がスキップする。これは、再度の計測の場合等において作業員の利便性を向上するものである。更に、この場合において何フレームまたは何秒画像をスキップするかを入力可能として、指定されたフレーム数だけ画像をスキップできるようにしても良い。本実施形態では、スキップボタン50が押された場合には、フレームカウンタiに1800を加えて処理を継続するものである。尚、接続距離44は、暫定的にプランクトンの移動軌跡を作成し表示する場合に、どの程度離れた距離の移動軌跡を暫定的に接続して表示するかを示す閾値であるが、設定は任意である。
以上、ユーザインタフェース画面から設定可能な閾値、操作可能な機能について説明したが、これには限られないのは勿論である。例えば、動画像の早送り及び巻き戻しをインタフェース画面上から操作を可能としても良い。また、各閾値は、計数対象となるプランクトンの種別、CCDカメラとセル1との距離、CCDカメラの解像度等により適宜最適な値を選択すればよい。
また、本実施形態では、1回の移動領域検出処理(S200)での観測時間は最大5分(9000フレーム)としたが、これに限られるものではない。CPU性能、メモリ容量、ハードディスク容量により任意に選択可能である。
次に、移動軌跡作成処理(S300)について説明する。移動軌跡作成処理(S300)は、移動領域検出処理(S200)により検出された領域の組合せを調べ、時間的に連続に移動しているであろう領域を接続し、プランクトンの移動軌跡を検出する処理を行うものである。
図18のフローチャートを用いて移動軌跡作成処理(S300)の一例を説明する。先ず、移動領域検出処理により補助記憶装置25に記録されたラベリング結果の読み込みを行う(S301)。本処理では、ラベリング結果の記録処理(S206)で記録した結果の内、ラベリング領域の座標とサイズを読み込む。
次に、連続するフレーム画像間でのラベリング領域の対応付け処理(S302)を行う。本処理は、ラベリング領域の重心座標の近いもの同士の対応付けを行うものである。図10に連続する複数枚のフレーム画像(フレーム1,2...n)を概念的に示す。
フレーム1においてラベリング領域32aが1領域、フレーム2においてラベリング領域32b、32cの2領域がラベリングされている場合に、各ラベリング領域の重心座標33a、33b、33cを求める。ここで、フレーム1の処理においては重心座標33aとフレーム2の重心座標33bと33cとのユークリッド距離をそれぞれ求めて、当該ユークリッド距離が最短のものを対応付ける処理を行うものである。尚、本実施形態では、最短であっても、一定の閾値(例えば、ユークリッド距離=20画素)以上のものは、連続する移動領域とは見なせないので除外している。
また、本実施形態では、次のフレーム(i+1)に対応するラベリング領域が存在しない場合であっても、nフレーム先の画像まで、対応付け可能なラベリング領域が存在するか居ないかの判断を行っている。尚、本実施形態では、n=6として、6フレーム先の画像までに対応付け可能なラベリング領域が存在するかどうかの判断を行っているが、これに限らず、計測対象となるプランクトン等により、最適な閾値の設定を行えばよい。
更に、対応付けができたラベリング領域の座標及びその重心座標を補助記憶装置25に軌跡検出結果ファイルとして記録し(S303)、移動軌跡作成処理(S300)は終了する。
ここまでの処理において、計測対象となるフジツボ幼生を含む、移動体の移動軌跡の本数を計数することができる。
更に、計数精度を向上させるために結果確認・修正処理(S400)を行う。結果確認・修正処理(S400)は、検出された移動軌跡を計測対象となるプランクトンの移動軌跡の特徴から絞り込みを行う処理である。
図19のフローチャートを用いて結果確認・修正処理(S400)の一例を説明する。結果確認・修正処理(S400)では、先ず、移動軌跡作成処理(S300)により作成された軌跡検出結果ファイルから移動軌跡を読み込み(S401)、移動軌跡毎の特徴の算出処理を行う(S402)。尚、本実施形態では、移動軌跡毎の特徴とは、移動軌跡の長さ、方向及び屈曲回数をいうものとする。
移動軌跡の長さとは、図11に示すように、当該移動軌跡の開始ポイント34から移動軌跡のすべての画素についてユークリッド距離を比較し、最もユークリッド距離が大きくなる画素までの距離を移動軌跡の長さとして検出することとしている。尚、図11において、実線で示すのがプランクトンの移動軌跡、点線で示すのが移動軌跡の長さである。尚、移動軌跡の長さの定義は、これに限られるものではなく、例えば、移動軌跡の総画素数を移動軌跡の長さとしても良い。
移動軌跡の方向とは、移動軌跡の開始ポイント(画素位置)から見て、移動軌跡の終了ポイント(画素位置)がどの方向にあるのかを示すものである。尚、本実施形態では、移動軌跡の方向は、開始ポイントからの終了ポイントに対する角度で表される。
移動軌跡の屈曲回数とは、当該移動軌跡中に屈曲回数が何回あるかを示すものである。本実施形態において、屈曲回数は、X方向の屈曲回数とY方向の屈曲回数の合計として表されRう。尚、X方向の屈曲回数は、当該移動軌跡をX軸方向に微分をしたときに符号が反転する回数であり、Y方向の屈曲回数は、当該移動軌跡をY軸方向に微分をしたときに符号が反転する回数であるが、これに限られるものではない。
次に、移動軌跡選択処理(S403)を行う。移動軌跡選択処理は、算出した移動軌跡の特徴を閾値により選択することで、対象とする計測対象の軌跡のみを抽出するものである。
以上述べた結果確認・修正処理、加えてその拡張機能について、図13〜15に示すユーザインターフェース画面を用いて説明する。
選択ディレクトリ63に、軌跡検出結果ファイルが保存されている補助記憶装置25のディレクトリを指定し、次に、開始:結果表示ボタン64が押されると、記録された軌跡検出結果ファイルが読み出され、図13に示すように、検出されたプランクトンの移動軌跡(ウィンドウ54中の移動軌跡を符号39で示す)がウィンドウ54に表示される。尚、ここでの移動軌跡39の総数(検出数71)は、980本であることを示している。
次に、各パラメータを設定して、移動軌跡39の絞り込みを行う。本実施形態では、移動軌跡39の屈曲回数から、移動軌跡39の絞り込みをすることができる。X屈曲数閾値55は、X軸方向の屈曲回数が閾値数以上ある軌跡を表示する閾値であり、Y屈曲数閾値56は、Y軸方向の屈曲回数が閾値数以上ある軌跡を表示する閾値である。
当該閾値により、計測するプランクトンの特性により最適な閾値を設定することができる。例えばフジツボ幼生は遊泳時に屈曲を繰り返し、その軌跡は、屈曲回数が多いものとなるので、当該閾値を設定することにより、屈曲をしない他のプランクトンや、気泡等との判別を行うことが可能となる。
また、移動軌跡39の長さから、移動軌跡39の絞り込みをすることができる。長さ閾値59は、閾値以上の軌跡長を持つものを表示する閾値であり、フレーム数閾値60は、閾値以上の連続画像で計測された軌跡を表示する閾値である。
また、輝度値閾値57は、軌跡内の検出画像の最大輝度値が閾値以上を表示する閾値であり、画素数閾値58は、軌跡内の検出画像の最大画素数が閾値以上を表示する閾値である。尚、本実施形態では、各閾値の設定は、表示されたスライダをマウス等により操作することにより簡単に設定することを可能としている。
ここで、表示切替ボタン65がクリックされると、図14に示すように各移動軌跡39の開始ポイントをウィンドウ54の中心とした画像に表示を切り替えられる。具体的には、表示切り替えボタンがクリックされると、すべての移動軌跡39の開始ポイントの座標位置を予め設定したウィンドウ54の中心画素位置に補正を行い、かつ、移動軌跡39のすべての画素位置に対し、同じ補正値により補正を行うものである。また、本実施形態では、この際に、移動軌跡39を1/2に縮小し、表示するようにしているが、これに限られるものではない。これは、すべての移動軌跡39を一つのウィンドウ54上に表示させるための措置であって、例えば、ウィンドウ54をスクロール表示を可能にして、縮小表示をしないようにしても良い。また、開始ポイントをウィンドウ54の中心としたのも、すべての移動軌跡39を一つのウィンドウ54上に表示することで作業員の利便に資するものであり、中心画素位置は、厳密な中心位置が要求されるものではなく、任意に設定可能である。
更に、図14において、移動軌跡39の方向から、移動軌跡39の絞り込みをすることができる。上向き軌跡の削除角度61は、軌跡の開始点から終了点を見て、その角度が指定範囲(上向き:最大−90度〜90度)に入るものを削除する。下向き閾値の削除角度62は、軌跡の開始点から終了点を見て、その角度が指定範囲(下向き:最大−90度〜90度)に入るものを削除する。
当該閾値の設定により、例えば、開始点から見て終了点が上方にあるものを気泡と見なして除外することができる。
ここまでの処理で、計測対象となるフジツボ幼生の軌跡を自動検出することが可能となる。更なる計測精度の向上のためには、以下に述べるプランクトン画像確認処理(S404)を作業員が実施することが好ましい。当該処理は必須の処理ではない。
プランクトン画像確認処理(S404)は、各軌跡上にプランクトンの画像を表示し、目的のプランクトンであるかどうかの判断処理を行うものである。
移動軌跡選択処理(S403)で閾値により移動軌跡の絞り込みを行った後、次の候補ボタン68をクリックすると、検出した移動軌跡39のうち一本だけが表示される(図15参照)。具体的には、次の候補ボタン68がクリックされる度に、移動軌跡作成処理(S300)で検出された軌跡のうち、前述の閾値による絞り込みで除外されなかった移動軌跡を順番に表示する。尚、本実施形態では、移動軌跡作成処理(S300)において、検出した移動軌跡について一意の番号を付すこととしているので、当該移動軌跡の番号の順番に表示することとしているが、これに限られるものではない。
ここで、確認画像表示ボタン69がクリックされると、ラベリング領域の記録処理(S206)において記録された当該ラベリング領域部分の画像72を読み出し、移動軌跡39と併せて表示する。本実施形態では、現在処理をしている移動軌跡39について、記録されたラベリング領域部分の画像72を連続的に読み出し、移動軌跡39に沿って連続表示させることにより、確認処理の支援を行っている。このように確認中の移動軌跡39について撮影したラベリング領域部分の画像72が表示されるので、当該移動軌跡39が計測対象のプランクトンのものであるのか、それ以外のものであるのかを容易に判断することができる。
移動軌跡39及びラベリング領域部分の画像72を確認し、計測対象のプランクトンであるかどうかを、判定のラジオボタン70で選択する。尚、本実施形態では、フジツボのキプリス幼生が計測対象であるので、当該軌跡がフジツボのキプリス幼生のものであれば、キプリスにクリックしてから、次の候補ボタンを押して、次の移動軌跡39の判断に移るものである。ここで、フジツボ幼生候補数67には、各閾値の設定により総検出数から選択された移動軌跡数が表示される。
尚、判定のラジオボタン70に、ノープリウスとあるのは、フジツボのノープリウス幼生のことであり、本実施形態では、ノープリウス幼生についても併せて計測を可能としている。因みに、フジツボ類のライフサイクルは、固着生活を送っている成体が受精し、受精卵は親の外套腔内でノープリウス幼生まで成長した後に孵化する。孵化したノープリウス幼生は5回の脱皮を繰り返し、6回目の脱皮の際に変態してキプリス幼生となるものである。
判定のラジオボタン70は、計測対象に応じて、適宜選択可能である。例えば、単に、計測対象であるか、計測対象でないかを選択するようにしても良い。
終了:結果の出力ボタン66をクリックすると、最終的に選択された移動軌跡39を補助記憶装置25に記録する(S406)。本実施形態では、移動軌跡39の本数、及び移動軌跡39の観測時間を記録する。尚、移動軌跡39の観測時間は、フレームカウンタから求めることができる。また、動画像取得処理(S100)において、撮影時のタイムコードを同時に記録することとしても良い。
以上、フジツボ幼生を例にとって、プランクトン計測装置、プランクトン計測方法及びプランクトン計測プログラムについて説明した。しかしながら、走光性を有するプランクトンといえども個体によっては、セル1に一定時間以上とどまらずに、すぐにセル1から流されていってしまう個体が存在する。これは個体の成長度や各個体の状態によると考えられる。当該個体については、本発明のプランクトン計測装置により計測を行うことは困難である。そこで、本実施形態では、予め一定の個体数について実験を行い推定のための統計値を求めた(実施例参照)。更に、本発明のプランクトン計測プログラムにより算出したフジツボ幼生の検出数に対して、求めた統計値により検出数の補正を行い、検水中の全個体数を推定することによりプランクトン計測を行うことが可能となる。更に、補正のための補正係数を求めて、予め画像処理装置20に記憶させておくことにより、検水中の全個体数を推定までの処理を自動化することとしても良い。
尚、プランクトン計測の実施環境に応じて、計測前にパラメータ決定のために少量の検水について実計測を行うことが好ましい。発生するプランクトンの種及び発生数は、環境により左右されるものであるからである。具体的には、発電所の立地場所、例えば、内地にあるか、湾沿いであるのか、また、湾沿いであれば、東京湾、大阪湾といったどの湾に面しているのかによって異なる。また計測時期によっても、プランクトンの発生種及び発生数は、変動する。
また、例えば同じフジツボ類でも、アカフジツボ、タテジマフジツボ、アメリカフジツボ等の種によって繁殖時期や生息場所が異なる。したがって、計測対象となるフジツボ類の種に応じて最適な閾値のチューニングを行うことが必要となる。
したがって、本発明のプランクトンの計測に先立って、少量の検水については、実含有数を実測し、当該実測結果に基づいて最適なパラメータのチューニングを行っておくことが望ましい。
以上、フジツボのキプリス幼生について説明したが、本発明の計数プログラムにより計数可能なプランクトンはフジツボ幼生に限られるものではないのは、勿論である。移動軌跡の特徴を把握し、且つパラメータの設定を調整することにより、他の走光性を有するプランクトンに適用することが可能である。
また、検水は、計測対象となるプランクトンを含む海水、淡水等に限られず、例えば、研究用に実験室等において、単一または複数のプランクトンを培養している培養水であっても良い。現在、研究用に培養されているプランクトンの計数は、例えば、少量の培養水を顕微鏡下で目視により計測し、タンク内のプランクトンの全体量を推定することにより行われている。このような推定では、プランクトンの全体量の推定精度が悪い。このような場合に、本発明のプランクトン計測装置を用いれば、例えば、タンク内の検水を別のタンクに移す際などの途中に、本発明のプランクトン観測装置を設置し、観測を行うことで、タンク内のプランクトン数の計測を、研究員の労力をかけることなく、迅速且つ高精度に行うことができる。
また、本発明のプランクトン計測装置は、プランクトンの移動軌跡を観察することができるので、例えば、プランクトンの薬物などに対する反応(逃避行動など)、繁殖行動、フェロモンなどに対する反応の研究等にも適用することができる。
また、本発明のプランクトン計測プログラムについて、フローチャートを用いて説明した処理手順は一例であって、これに限られるものではない。例えば、処理の先後を変更しても同様の結果を得られる箇所が存在するのは勿論である。
尚、本実施形態では、本発明のプランクトン観察用セル1をCCDカメラにより撮影した動画像に対して、本発明のプランクトン計数プログラムを適用した場合について説明したが、これに限られるものではなく他の観察用セル、撮影装置を用いて撮影されたプランクトンの動画像に対しても適用することが可能であるのは勿論である。この場合であっても、移動軌跡を判断基準とする本発明のプランクトン計数プログラムは、高い精度の計数を行うことができる。
また、最終的な計数結果は、出力装置21上に表示され、補助記憶装置25等の記憶装置に記憶される。この場合に、併せて日々の計数結果の統計をグラフ化して出力装置上に表示したり、計数結果を印刷可能として日々の計数結果の統計資料を自動作成することにより、作業員の労力を減らし、簡便且つ高精度のプランクトンの計測が可能となる。
本発明のプランクトン計測プログラムの実験例について述べる。尚、本実験に用いたプランクトン計測装置の詳細は以下の通りである。
プランクトン観察用セル1の内径は100mm、奥行きは20mmとした。また、アクリルの厚さは2.0mm、ホース接続部分の内径は8mm、外径は10mmとした(図3参照)。
発光手段10としては、コールドライト(HOYA−SCHOTT製:HL150)を用いた。
撮像手段11としては、CCDカメラ(東芝製:CS9301)及びCCU(IK−CU43)を用いた。また、レンズには、接写レンズ(いずれもELMO社製:T3425MまたはT3425MB)を用いた。また、画像処理装置20としては、市販のパーソナルコンピュータを用い、加えて外付けのハードディスクドライブを用いた。
本発明のプランクトン計測プログラムにより検出したフジツボ幼生の移動軌跡の本数(幼生数)から、最終的な計測値を推定するための補正値を求める実験結果を以下に示す。
補正値を求めるためフジツボ幼生を1匹ずつセル1に注入し、フジツボ幼生の移動軌跡を検出する実験を行った。
表1に実験に用いたプランクトンの動画像の一覧を示す。尚、計測に成功した回数は86回であった。
表1に示す動画像に対し、本発明のプランクトン計測プログラムを利用して計測を行った。移動軌跡作成処理により計測した13,078本の軌跡のうち、移動軌跡選択処理による閾値による移動軌跡の判定により798本に絞り込んだ。尚、閾値の詳細は差分閾値45、輝度閾値50、下限サイズ30、上限サイズ200である。更に作業員によるプランクトン画像確認処理(S404)により774本を選択し、集計した結果を図20に示す。尚、図20は、観測回数(全86回)中のうち、一回の観測における観測軌跡本数を横軸に、その観測軌跡本数を観測した観測回数(観測頻度)を縦軸に表したグラフである。尚、本実験では、プランクトン画像確認処理(S404)を行ったが、本処理は、必須ではない。
図20の集計に利用した閾値は、長さ閾値が120画素以上で、フレーム閾値が5画像以上、下限サイズ閾値が30画素以上のものを集計した結果である。尚、本実験では、1匹のフジツボ幼生が計測可能であるか否かを判定することを目的としたため、他の閾値の設定を行っていない。他のプランクトンとの判別を必要とする場合には、上述した他の閾値についても適宜設定することが必要となる。
尚、長さ閾値を短く設定した場合との比較実験を行った。その結果を表2に示す。長さ閾値120とあるのは、図20と同じ実験例を示し、長さ閾値60とあるのは、長さ閾値のみを60画素に変更し、他の閾値を同じに設定した実験結果である。
長さ閾値を短く設定すると、プランクトン画像確認処理(S404)において、目視によりフジツボ幼生でないと判定される確率(否認率)が高くなることがわかった。即ち、長さ閾値を短くしすぎると、移動軌跡選択処理(S403)による絞り込みでは、、実際には、フジツボ幼生以外の軌跡を多く含むことがわかった。したがって、長さ閾値は120程度が好ましい。この場合、目視による否認率は4%であり、プランクトン画像確認処理(S404)を行わないでもフジツボ幼生の軌跡を高精度に検出可能であることがわかった。
更に、図21に長さ閾値120で計測した観測軌跡本数を横軸に、その軌跡の出現頻度の割合(観測頻度:%)を縦軸にプロットしたグラフを示す。また、図22に観測軌跡本数を横軸に、観測頻度の累積を縦軸にプロットしたグラフを示す。図21〜図22より1匹のフジツボ幼生に対する移動軌跡の本数が5本以内である場合が、全観測のうち64%、10本以内である場合が、全観測のうち86%を占めることがわかった。
次に、図23に全観測回数86件について、軌跡の観測時間を横軸に、観測回数の割合を縦軸にプロットした結果を示す。更に、図24に観測軌跡本数を横軸に、観測回数の割合の累積を縦軸にプロットしたグラフを示す。示す。図23〜図24より、観測時間は、3分以下である場合が93%、4分以下が98%であることがわかった。
以上の実験から得た統計値により補正値を決定し、フジツボ幼生数の推定を行った。先ず、実験結果より、以下の統計値を得た。
1)計測時間3分の中で93%のフジツボ幼生がセル1の中を通過する(入って出て行く)。
2)1匹のフジツボ幼生が作る軌跡は86%の割合で10本以下である。
以上の統計から、3分間で計測セル1内の全フジツボ幼生が入れ替わり、かつ1匹のフジツボ幼生は、10本の軌跡を作ると仮定した。尚、仮定は一例でありこれに限られるものではない。
本実験結果から、以下のように計測数の推定(以下、推定例1という)を行った。
1)3分間の計測で軌跡が5本検出された場合: 推定1匹
2)3分間の計測で軌跡が10本検出された場合: 推定1匹
3)3分間の計測で軌跡が20本検出された場合: 推定2匹
4)3分間の計測で軌跡が30本検出された場合: 推定3匹
また、3分間で観察用セル1内の全フジツボ幼生が入れ替わり、かつ1匹のフジツボ幼生は、5本の軌跡を作ると仮定して(実験では、64%までが5本以下)、以下のように計測数の推定(以下、推定例2という)を行うのも有効である。
1)3分間の計測で軌跡が5本検出された場合: 推定1匹
2)3分間の計測で軌跡が10本検出された場合: 推定2匹
3)3分間の計測で軌跡が20本検出された場合: 推定4匹
4)3分間の計測で軌跡が30本検出された場合: 推定6匹
以上の実験結果から、本発明のプランクトン計数プログラムの計数結果に対して演算処理を行う補正を行うことができる。例えば推定例1を基準とすれば、5分で100本の軌跡を計測した場合であれば、3分で60本の軌跡を計測したことになるので、6匹と推定することが可能となる。
このように求めた検水中に含まれるフジツボ幼生の推定数から、フジツボ幼生の発生数を推定することで、簡便且つ高精度のプランクトンの計測を行うことができることが確認できた。
本実施形態のプランクトン観察装置の一例を示す構成図である。 本実施形態の観察用セルの正面図である。 入水口に備えられる入水ガイドの一例を示す斜視図である。 本実施形態の観察用セルの一例を示す正面からの撮影画像である。 本実施形態の観察用セルの一例を示す背面上方からの撮影画像である。 本実施形態の観察用セルであって、検水がセルに流入してから流出するまでの流れを説明するためのイメージ図である。 本実施形態の観察用セルであって、フジツボのキプリス幼生がセルに流入してから流出するまでの流れを説明するためのイメージ図である。 本実施形態での観察用セルの画像の一例であって、大量の気泡を捉えた撮影画像の一例である。 本実施形態の画像処理装置の一例を示す構成図である。 連続する複数枚のフレーム画像を概念的に示した図である。 本実施形態での移動軌跡の長さを説明するための図である。 本発明のプランクトン計測プログラムの移動軌跡検出処理の実行画面の一例である。 本発明のプランクトン計測プログラムの結果確認・修正処理の実行画面の一例である。 本発明のプランクトン計測プログラムの結果確認・修正処理の実行画面の他の例である。 本発明のプランクトン計測プログラムの結果確認・修正処理の実行画面の他の例である。 本発明のプランクトン計測プログラムが実行する処理全体の一例を示すフローチャートである。 図16の移動領域検出処理を詳細化した処理内容の一例を示すフローチャートである。 図16の移動軌跡作成処理を詳細化した処理内容の一例を示すフローチャートである。 図16の結果確認・修正処理を詳細化した処理内容の一例を示すフローチャートである。 観測回数(全86回)中のうち、一回の観測における観測軌跡本数を横軸に、その観測軌跡本数を観測した観測回数(観測頻度)を縦軸にプロットしたグラフである。 長さ閾値120で計測した観測軌跡本数を横軸に、その軌跡の出現頻度の割合(観測頻度:%)を縦軸にプロットしたグラフである。 図21に示す実験結果において、観測軌跡本数を横軸に、観測頻度の累積を縦軸にプロットしたグラフである。 全観測回数86件のうち、軌跡の観測時間を横軸に、観測回数の割合を縦軸にプロットしたグラフである。 図23に示す実験結果において、観測軌跡本数を横軸に、観測回数の割合の累積を縦軸にプロットしたグラフである。
符号の説明
1 プランクトン観察用セル
2 入水口
3 排水口
6 観察部
7 入水ガイド
13 滞留領域
20 画像処理装置
28 動画像取得手段
29 移動領域検出手段
30 移動軌跡作成手段
31 結果確認・修正手段

Claims (8)

  1. 検水を入水口から排水口に一定流量で通水するセルであって、前記検水を滞留させる滞留領域を有するプランクトン観察用セルと、前記プランクトン観察用セルに対し光を照射する発光手段と、前記発光手段により照射された前記プランクトン観察用セルを撮影する撮像手段とを備え、前記プランクトン観察用セルは、円筒形の観察部と、該観察部に対し接線方向に前記検水を導入する前記入水口と前記観察部内に導入された前記検水の流れに関し最も前記入水口から離れた位置に設けられた前記排水口とを突起部として備えており、前記撮像手段が前記検水中に存在する走光性を有するプランクトンを撮影することにより、前記プランクトンを観察することを特徴とするプランクトン観察装置。
  2. 前記発光手段を前記撮像手段の撮影方向に対して側方から光を照射する位置に備えることを特徴とする請求項1に記載のプランクトン観察装置。
  3. 前記入水口は、前記観察部の内周壁に沿って前記検水を流入させる入水ガイドを備えることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のプランクトン観察装置。
  4. 前記撮像手段は、前記観察用セルの撮影方向に対する背面を暗黒色として撮影することを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載のプランクトン観察装置。
  5. 請求項1から4までのいずれかに記載のプランクトン観察装置と該プランクトン観察装置の前記撮像手段から前記プランクトンの動画像を取得する画像処理装置とを備え、前記画像処理装置は、前記動画像の各フレーム画像に対し、フレーム間差分処理により差分画素を検出し、該差分画素にラベリング処理を行いラベリング領域を作成し、該ラベリング領域を記録する移動領域検出手段と、前記動画像の連続するフレーム間において、前記ラベリング領域の各重心座標が近似する前記ラベリング領域同士を対応付け、該対応付けられた前記ラベリング領域の連続する重心座標を移動軌跡として記憶する移動軌跡作成手段と、前記移動軌跡から該移動軌跡の長さ、方向及び屈曲回数を算出し、前記移動軌跡を予め設定された前記長さ、方向及び屈曲回数の閾値によって前記プランクトンの移動軌跡に絞り込み出力装置に表示する結果確認・修正手段を備えることを特徴とするプランクトン計測装置。
  6. 検水を滞留させる滞留領域を有するプランクトン観察用セルに対し、発光手段により光を照射し、更に前記発光手段により照射された前記プランクトン観察用セルを撮像手段により撮影し、撮影されたプランクトンの動画像に対し、画像処理装置が、前記撮像手段から前記プランクトンの動画像を取得し前記動画像の各フレーム画像に対し、フレーム間差分処理により差分画素を検出し、該差分画素にラベリング処理を行いラベリング領域を作成し、該ラベリング領域を記録する移動領域検出処理と、前記動画像の連続するフレーム間において、前記ラベリング領域の各重心座標が近似する前記ラベリング領域同士を対応付け、該対応付けられた前記ラベリング領域の連続する重心座標を移動軌跡として記憶する移動軌跡作成処理と、前記移動軌跡から該移動軌跡の長さ、方向及び屈曲回数を算出し、前記移動軌跡を予め設定された前記長さ、方向及び屈曲回数の閾値によって前記プランクトンの移動軌跡に絞り込みを行う結果確認・修正処理を行うことを特徴とするプランクトン計測方法。
  7. 前記発光手段によって前記撮像手段の撮影方向に対して側方から光を照射しながら前記撮像手段によって撮影を行うことを特徴とする請求項6に記載のプランクトン計測方法。
  8. コンピュータに対し、検水を入水口から排水口に一定流量で通水し、かつ前記検水を滞留させる滞留領域を有するプランクトン観察用セルに対し、発光手段により光を照射し、更に前記発光手段により照射された前記プランクトン観察用セルを撮像手段により撮影した前記プランクトンの動画像を取得して記憶装置に記録する動画像取得処理と、前記動画像の各フレーム画像を読み出して、フレーム間差分処理により差分画素を検出し、該差分画素にラベリング処理を行いラベリング領域を作成し、該ラベリング領域を記憶装置に記録する移動領域検出処理と、前記動画像の連続するフレーム間において、前記ラベリング領域の各重心座標が近似する前記ラベリング領域同士を対応付け、該対応付けられた前記ラベリング領域の連続する重心座標を移動軌跡として記憶装置に記憶する移動軌跡作成処理と、前記移動軌跡を読み出して、該移動軌跡の長さ、方向及び屈曲回数を算出し、前記移動軌跡を予め設定された前記長さ、方向及び屈曲回数の閾値によって前記プランクトンの移動軌跡に絞り込みを行う結果確認・修正処理とを実行させることを特徴とするプランクトン計測プログラム。
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