JP4632923B2 - 水解性シート - Google Patents

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Description

本発明は水解性シートに関する。
使用後に表面材を取り外し、該表面材上の排泄物を、おむつ本体とは別個に廃棄できるようにした使い捨ておむつが提案されている(特許文献1参照)。
このような使い捨ておむつにおいては、表面材を水解性又は水溶性とすることにより、表面材から排泄物を分離せずにトイレ等に流すことができ、使用後の処理を、簡便且つ衛生的に行うことができる。
トイレに流し捨てることができる水解性シートが種々提案されている。
例えば、お尻拭き又はトイレ周辺清掃用が主な用途であるシートとして、バインダーとしてスルホン酸又はカルボン酸変性ポリビニルアルコールを用いた繊維シートに、水溶性の有機酸、水溶性の無機酸及びホウ酸化合物よりなる群から選ばれる一種の化合物を含有させた水解性の繊維シートが提案されている(特許文献2参照)。また、同様な用途に用い得るシートとして、シート表面に現れる表面層にフィブリル化レーヨンを含む多層構造の水解性繊維シートが提案されている(特許文献3参照)。更に、特定の繊度及び繊維長を有する短繊維が、上水に対する溶解時間、生理食塩水に対する溶解時間及びこれらの比がそれぞれ特定範囲のバインダーによって結合してある水崩壊性不織布が提案されている(特許文献4参照)。
特開平5−3889号公報 特開平11−99090号公報 特開2001−288657号公報 特開平4−216889号公報
特許文献2の繊維シートは、風合いが硬く、また、湿潤状態において強度が低く破れ易いため、おむつ表面材として用いるには適さない。
特許文献3の水解性繊維シートは、おむつ等の表面材として用いるのに必要な値まで湿潤状態における強度をあげると、風合いおよび水解性が落ちる。
特許文献4の水崩壊性不織布は、上水では溶解しにくく、下水に溶解しやすいバインダーを使用しているが、家庭用トイレの多くは上水を用いているため、トイレに流した際にパイプが詰まりやすい。
従って本発明の目的は、トイレに流した時の水解性が良好であり、風合いに優れており、尿等の塩を含む液による湿潤状態では破れにくい水解性シートを提供することにある。
本発明は、短繊維を接合するバインダーとして、カルボン酸変性ポリビニルアルコール及び粘着性ポリマーを含むことを特徴とする水解性シートを提供することにより前記目的を達成したものである。
本発明の水解性シートは、トイレに流した時の水解性が良好であり、風合いに優れており、尿等の塩を含む液による湿潤状態では破れにくい。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。
本発明の水解性シートは、短繊維を主体として構成されている。短繊維を用いることにより、トイレに流したときに繊維が水に良好に分散する。
短繊維は、水に対する分散性の観点から、平均繊維長が30mm以下であることが好ましく、分散性及び強度の点から、5〜10mmであることがより好ましい。
短繊維は、水解性シートをトイレに流し捨てることができるようにする観点から、生分解性の繊維であることが好ましい。生分解性の繊維としては、パルプ、レーヨン、コットン等のセルロース系繊維や、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバリエート、ポリヒドロキシヘキサノエート等のポリヒドロキシアルカノエート等、ポリ乳酸樹脂、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート/アジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリリンゴ酸、ポリグリコール酸、ポリジオキサノン、ポリ(2−オキセタノン)等の脂肪族ポリエステル樹脂からなる繊維等が挙げられる。これらの繊維は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、必要に応じて生分解性を有しない繊維と組み合わせて使用することもできる。
短繊維の配合量は、本発明の水解性シート中、50質量%以上が好ましく、75〜90質量%がより好ましい。
本発明の水解性シートは、短繊維を接合させるバインダーとしてカルボン酸変性ポリビニルアルコールを含んでいる。
カルボン酸変性ポリビニルアルコール(以下、カルボン酸変性PVAともいう)は、カルボキシル基が導入されたビニルアルコール系重合体である。
カルボン酸変性PVAとしては、ポリビニルアルコールとビニルカルボン酸化合物とのグラフト重合又はブロック重合により得られるもの、ビニルエステル化合物とビニルカルボン酸化合物とを共重合した後、けん化することにより得られるもの、及びポリビニルアルコールにカルボキシル化剤を反応させて得られるもの等が挙げられる。
前記ビニルカルボン酸化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、(無水)フタル酸、(無水)イタコン酸、(無水)トリメリット酸等のカルボキシル基又はその無水物含有化合物が挙げられる。前記ビニルエステル化合物としては、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ビバリン酸ビニル等が挙げられる。前記カルボキシル化剤としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水酢酸、無水トリメリット酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水グルタル酸、水添フタル酸無水物、ナフタリンジカルボン酸無水物等のカルボン酸無水物が挙げられる。
これらのビニルカルボン酸化合物、ビニルエステル化合物化合物、カルボキシル化剤は、それぞれ、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのカルボン酸変性PVAの中でも、マレイン酸変性ポリビニルアルコールが好ましい。マレイン酸変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、ゴーセナールT−215(商品名、日本合成化学工業(株)製)等を用いることができる。
カルボン酸変性PVAは、数平均重合度が、1000〜3000、特に1000〜2000であることが、水への溶解性と塩を含む液への耐久溶解性の点から好ましい。
また、カルボン酸変性PVAは、鹸化度が、90〜99mol%、特に95〜99mol%であることが、水への溶解性と塩を含む液への耐久溶解性の点から好ましい。
また、カルボン酸変性PVAは、変性率が、1〜5mol%、特に1〜3mol%であることが、水への溶解性と塩を含む液への耐久溶解性の点から好ましい。
カルボン酸変性PVAの配合量は、繊維(短繊維及びフィブリル化した繊維を含む場合は両者の合計)100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、0.5〜5.0質量部がより好ましく、風合い、水解性、強度の観点から0.5〜2.0質量部が更に好ましい。
本発明の水解性シートにおいては、カルボン酸変性ポリビニルアルコール100質量部に対して、水溶性無機塩0.1〜5.0質量部が配合されていることが好ましい。水溶性無機塩の配合によって、カルボン酸変性PVAの塩析反応をおこさせ、水のような塩濃度が低い溶液に対する溶解性を低下させずに塩濃度が高い溶液に対する溶解性を低下させることができる。このため、本発明の水解性シートは、水への水解性と尿等の塩を含む液による湿潤状態での破れにくさを両立する。
水溶性無機塩としては、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸亜鉛、硫酸銅、硫酸鉄、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、カリミョウバン、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アルミニウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム塩化アンモニウム等が挙げられ、これらの中でも塩析反応の即効性の観点から、特に硫酸カリウムが好ましい。これらの水溶性無機塩は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の水解性シートは、短繊維を接合させるバインダーとして更に粘着性ポリマーを含んでいる。
粘着性ポリマーとしては、アクリル酸エステルをベースにしたエマルジョン接着剤、酢酸ビニル系接着剤、アクリル/酢酸ビニル系接着剤、スチレン/アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ウレタン系接着剤等が挙げられ、特に低いガラス転移点温度(Tg)を有するアクリル酸エステルをベースにしたエマルジョン接着剤を用いることが好ましい。
アクリル酸エステルをベースにしたエマルジョン接着剤は、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、アクリル酸、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソステアリル等を用い、以上から選択される一又は二以上のモノマーを(共)重合することで得られる。
これらの粘着性ポリマーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
粘着性ポリマーの配合量は、繊維(短繊維及びフィブリル化した繊維を含む場合は両者の合計)100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、0.1〜5.0質量部がより好ましく、0.2〜0.5質量部が更に好ましい。
粘着性ポリマーは、ガラス転移点温度(Tg)が、−40〜0℃であることが好ましく、−15〜0℃であることがより好ましい。Tgが−40℃未満であると、水解性シートがべたつき、0℃であると硬くなり、風合いが低下する。ガラス転移点温度(Tg)は、DSCで測定することにより得られる値である。
本発明の水解性シートは、紙力増強剤を含むことが好ましい。
紙力増強剤を含むことで、本発明の水解性シートは、湿潤状態における強度と風合いとにバランス良く優れたものとなる。
紙力増強剤としては、乾燥紙力剤、湿潤紙力剤等、一般に使用されている薬剤を使用することができる。
乾燥紙力剤としては、各種公知のものを用いることができ、例えばカルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等が挙げられる。具体的には、商品名「ゴーセノール」〔日本合成化学工業(株)〕や、「セロゲン」〔第一工業製薬(株)製〕等の市販品を用いることができる。
湿潤紙力剤としては、各種公知のものを用いることができ、例えば尿素−ホルマリン樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂、ジアルデヒドデンプン、ポリエチレンアミン、エポキシ化ポリアミド樹脂、メチロール化ポリアミド等が挙げられる。具体的には、商品名「カイメン」〔星光PMC株式会社製〕等の市販品を用いることができる。
紙力増強剤の配合量は、配合の効果を効率的に発揮させる観点から、繊維(短繊維及びリヨセルを含む場合は両者の合計)100質量部に対して、0.1〜1.0質量部、特に強度および水解性の観点から0.1〜0.5質量部であることが好ましい。
本発明の水解性シートは、フィブリル化した繊維を含むことが好ましい。フィブリル化した繊維を含むことで、短繊維とフィブリル化した繊維との交絡やフィブリル化した繊維同士の交絡、及び/又は水素結合の増加により、水解性シートの湿潤状態における強度が向上し、また、風合いも向上する。
フィブリル化した繊維としては、リヨセルを、湿潤状態において摩擦することで、その繊維中のフィブリル(小繊維)を毛羽立たせたり、ささくれさせたりしたものを用いることができる。リヨセルは、木材パルプをN−メチルモルフォルリン−N−オキサイド(NMMO)等を溶媒に使って紡糸した繊維であり、例えばテンセル(コートルズ社)やニューセル(アクゾ社)といった名称で販売されているものを用いることができる。
フィブリル化した繊維の含有量は、風合い、水解性及び強度の観点から、短繊維100質量部に対して1〜50質量部、特に1〜20質量部であることが好ましい。また、フィブリル化した繊維は、風合い、水解性及び強度の観点から、その平均繊維長が、1〜50mm、特に10〜40mmであることが好ましい。
本発明の水解性シートは、例えば、短繊維、フィブリル化した繊維及び紙力増強剤を混合して湿式抄紙法によりウエブを形成し、該ウエブを乾燥させた後、そのウエブに対して、水溶性無機塩を含んだカルボン酸変性PVA水溶液、粘着性ポリマーを噴霧して乾燥させることにより製造することができる。短繊維、フィブリル化した繊維及び紙力増強剤の混合は、多段混合方式で行っても良い。例えば、フィブリル化した繊維のみ又はフィブリル化した繊維と紙力増強剤とを水を投入して攪拌した後、水と短繊維を加えて更に攪拌することもできる。
水溶性無機塩を含んだカルボン酸変性PVAは水溶液として、粘着性ポリマーはエマルジョンとして、湿式抄紙法により形成したウエブに、噴霧することが低濃度で均一に塗布できる点から好ましい。エマルジョンは、粘着性ポリマーを、乳化剤を用いて水に分散させたものが好ましく用いられる。エマルジョンの噴霧には、スプレー等を用いることができる。
本発明の水解性シートは、バインダーとしてカルボン酸変性ポリビニルアルコールを用いていることによって、尿等の塩濃度が比較的高い液(例えば1%)によって湿潤した状態では、強度の低下が少なく破れが生じにくい一方、トイレの水等の塩濃度が低い(ほぼ0%)水に投入された状態においては容易に分散する。そのため、使い捨ておむつの表面材として用いた場合には、尿により濡れた状態においても破れにくく、使用後にトイレに流されたときには、トイレの水に容易に分散して、トイレの配管等を詰まらせることなく、スムーズに下水に排出される。また、本発明の水解性シートにおいては、粘着性ポリマーを併用することによって、カルボン酸変性ポリビニルアルコールのみを用いた場合に比べて、得られた水解性シートの風合いを柔軟で肌触りの良いものとすることができる。
水解性シートは、その坪量が10〜200g/m2であることが好ましく、より好ましくは20〜50g/m2である。
本発明の水解性シートは、例えば、使用後に表面材を取り外すことのできる使い捨ておむつの表面材として好ましく用いられる。また、表面材、裏面材及びそれらの間に位置する吸収体を具備する吸収性物品(生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド、使い捨ておむつ等)であって、表面材、裏面材及び吸収体の何れもが水解性又は水溶性を有する吸収性物品の表面材として用いることもできる。更に、お尻や身体の他の部位を拭くためのシート、トイレの周辺を清掃するためのシート等として用いることもできる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明の範囲はかかる実施例によって何ら制限されるものではない。
(1)粘着性ポリマーのエマルジョンの調製
以下の表1に示す材料が表1に示す組成で配合された粘着性エマルジョンAを調製した。
Figure 0004632923
〔実施例1〕
ミキサー(National社製「MX−V350」)の攪拌槽中に、水800mlとリヨセル(帝人ファイバー株式会社製「LENZING・LYOCELL」、(1.3dt、繊維長38mm)0.2gを入れて10分間攪拌し、リヨセルをフィブリル化させた。次いで、レーヨン(短繊維、1.7dt、繊維長7mm))1.8g、水200ml、及びカイメン(星光PMC株式会社製の湿潤紙力増強剤、成分:ポリアミドアミン・エピクロルヒドリン樹脂)を繊維(短繊維及びリヨセルの合計)100質量部に対して0.2質量部加えて更に2分間攪拌した。
得られた混合物(スラリー)を湿式抄紙してウエブを得、該ウエブをヤンキードライヤー用いて乾燥した。乾燥した該ウエブに、前述のようにして調製した粘着性ポリマーのエマルジョンAを、スプレーを用いて繊維(短繊維及びリヨセルの合計)100質量部に対して0.5質量部噴霧した。そして、熱風乾燥機で100℃で15分乾燥させた。乾燥したシートに硫酸カリウムがカルボン酸変性ポリビニルアルコール100質量部に対して、0.3質量部添加されているマレイン酸変性PVA(日本合成化学工業(株)製「ゴーセナールT−215」)水溶液を、スプレーを用いて繊維(短繊維及びリヨセルの合計)100質量部に対して0.5質量部噴霧した。そして、熱風乾燥機で100℃で15分乾燥させた。以上により水解性シート(坪量30g/m2)を得た。配合量を、表2中に示した。
Figure 0004632923
〔比較例1〕
実施例1において、湿式抄紙により得られたウエブを、ヤンキードライヤー用いて乾燥し、その乾燥したシートをそのまま水解性シートとした以外は、実施例1と同様にして、水解性シート(坪量30g/m2)を得た。配合量を、表2中に示した。
〔比較例2〕
実施例1において、湿式抄紙により得られたウエブを、ヤンキードライヤー用いて乾燥し、乾燥したシートに硫酸カリウムがカルボン酸変性ポリビニルアルコール100質量部に対して、0.3質量部添加されているマレイン酸変性PVA(日本合成化学工業(株)製「ゴーセナールT−215」)水溶液を、スプレーを用いて繊維(短繊維及びリヨセルの合計)100質量部に対して5.0質量部噴霧した。そして、熱風乾燥機で100℃で15分乾燥させた。その乾燥したシートをそのまま水解性シート(坪量30g/m2)を得た。配合量を、表2中に示した。
〔比較例3〕
粘着性エマルジョンAを配合しない以外は、実施例1と同様にして、水解性シート(坪量30g/m2)を得た。配合量を、表2中に示した。
〔比較例4〕
硫酸カリウムが添加されているマレイン酸変性PVA水溶液を配合しない以外は、実施例1と同様にして、水解性シート(坪量30g/m2)を得た。配合量を、表2中に示した。
〔性能評価〕
実施例及び比較例で得られた水解性シートについて、(1)水解性、(2)風合い(柔軟性)(3)乾燥時引張強度、(4)湿潤時引張強度(人工尿)、(5)使用時破れ率を、それぞれ、下記の方法で測定した。それらの結果を表3に示した。
(1)水解性
トイレットペーパーのほぐれやすさ試験(JIS P 4501)に準じて測定した。
〔評価基準〕
○:ほぐれやすさが80秒未満
×:ほぐれやすさが80秒以上
(2)風合い(柔軟性)
水解性シートを150mm×150mmに裁断し、10名のパネラーによる手触りテストを行い評価した。
3:比較例1と同等の柔らかさ
2:比較例1よりやや劣る柔らかさ
1:比較例1より劣る柔らかさ
〔評価基準〕
○:平均値が2.5以上
△:平均値が2以上2.5未満
×:平均値が2未満
(3)乾燥時引張強度
水解性シートを幅25mm長さ80mmに裁断し、テンシロン試験機により、チャック間隔を30mmで保持し、引張強度300mm/minで引っ張って破断強度を測定した。
〔評価基準〕
○:乾燥時引張強度が0.3kgf/25mm以上
×:乾燥時引張強度が0.3kgf/25mm未満
(4)湿潤時引張強度(人工尿)
水解性シートを幅25mm長さ80mmに裁断し、裁断した水解性シートに対し、100質量%になるようにスプレーで人工尿を噴霧し、噴霧後5分間静置した後、テンシロン試験機により、チャック間隔を30mmで保持し、引張強度300mm/minで引っ張って破断強度を測定した。
〔評価基準〕
○:乾燥時引張強度が0.3kgf/25mm以上
×:乾燥時引張強度が0.3kgf/25mm未満
人工尿は下記成分を配合して調製した。
尿素(和光純薬製特級試薬)194.0g
塩化ナトリウム(和光純薬製特級試薬)79.5g
硫酸マグネシウム七水和物(和光純薬製1級試薬)11.1g
塩化カリウム二水和物(和光純薬製一級試薬)6.2g
硫酸カリウム(和光純薬製特級試薬)19.8g
食用赤色2号(東京化成工業製)1.0g
エマルゲン935(花王(株)製)0.35g
イオン交換水9688.05g
(5)使用時破れ率
水解性シートを使い捨ておむつの表面材として具備したテープ型おむつを作製し、10名の満1歳のパネラーに装着から尿を排泄し、次のおむつに交換するまでの期間に使用してもらい、破れた水解性シートの割合を使用時破れ率とした。
〔評価基準〕
○:使用時破れ率が20%未満
×:使用時破れ率が20%以上
Figure 0004632923
表3に示す結果から、実施例の水解性シートは、水に流した時の水解性が良好であり、風合いに優れており、尿等の塩を含む液による湿潤状態では破れにくいことが判る。これに対して、比較例1では、バインダーを使用していないため風合いは良いものの、乾燥時及び湿潤時引張強度が下がってしまう。比較例2では、風合いが低下する程カルボン酸変性PVAを用いているのにも関わらず、湿潤時引張強度が向上しない。粘着性ポリマーを用いていない比較例3、カルボン酸変性PVAを用いていない比較例4においては、風合いが下がらない程度にバインダー量を調整すると、人工尿における湿潤時引張強度が足らない。これらのことから、比較例1〜4では使用時に破れが発生してしまう。尚、表3中の乾燥時及び湿潤時の引張強度に関して比較例1の「測定不能」は、強度が弱すぎて測定できなかったことを示す。

Claims (6)

  1. 短繊維を接合するバインダーとして、カルボン酸変性ポリビニルアルコール及びアクリル酸イソステアリルを含む共重合体であってガラス転移点温度(Tg)が−40〜0℃である粘着性ポリマーを含み、吸収性物品の表面材である水解性シート。
  2. 前記カルボン酸変性ポリビニルアルコール100質量部に対して、水溶性無機塩0.1〜5.0質量部が配合されている請求項1記載の水解性シート。
  3. 紙力増強剤を含む請求項1又は2記載の水解性シート。
  4. フィブリル化した繊維を、前記短繊維100質量部に対して1〜50質量部含む請求項1〜3の何れか1項に記載の水解性シート。
  5. 前記カルボン酸は、マレイン酸である請求項1〜4の何れか1項に記載の水解性シート。
  6. 請求項1記載の水解性シートを、表面材として用いた吸収性物品。
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