JP4631604B2 - シール構造 - Google Patents

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本発明は、軸部材と固定部材の軸挿入部との嵌め合い部分をシールリングによりシールするシール構造に関する。
従来、軸部材と固定部材の軸挿入部との嵌め合い部分をOリングのようなシールリングによりシールするシール構造が知られている。このようなシール構造は、例えば、インジェクタ方式を採用するエンジンの燃料供給装置において、インジェクタのような軸部材と、デリバリパイプのような固定部材との嵌め合い部分をOリングのようなシールリングによりシールする場合に用いられる(例えば、特許文献1参照)。具体的に説明すると、インジェクタの端部がデリバリパイプに形成された軸挿入部に挿入されて、インジェクタがデリバリパイプに固定されている。ここで、通常、インジェクタの端部とデリバリパイプの軸挿入部との嵌め合い部分には隙間がある。このため、Oリングがインジェクタの端部の外周に取り付けられており、このOリングによりインジェクタの端部とデリバリパイプの軸挿入部との嵌め合い部分をシールすることによって、その隙間から高圧燃料が漏洩しないようにしている。
ところで、インジェクタの端部には、Oリング以外にも、バックアップリングが取り付けられている。バックアップリングは、Oリングのインジェクタ挿入方向(インジェクタ軸方向)の両側にそれぞれ配置されている。このうち、一方のインジェクタ挿入方向先端側のバックアップリングは、インジェクタをデリバリパイプから取り外す際、Oリングがインジェクタとともに取り外せるようにするために、つまり、Oリングがインジェクタの挿入方向先端側から脱落してデリバリパイプの中に残らないようにするために設けられている。他方のバックアップリングは、Oリングが高圧燃料の圧力によってインジェクタの端部とデリバリパイプの軸挿入部との嵌め合い部分の隙間に押し込まれて変形することを防止するために設けられている。
特開平11−320440号公報
しかしながら、従来のシール構造にあっては、次のような問題点があった。
上述したように、インジェクタ挿入方向先端側のバックアップリングは、Oリングの脱落防止用として設けられるものであるため、インジェクタ先端側からの脱落が阻止されている一方で、その逆側への移動は規制されていなかった。つまり、インジェクタ挿入方向後方側への移動は可能であった。
このように、インジェクタ挿入方向先端側のバックアップリングのインジェクタ挿入方向後方側への移動が規制されていないため、インジェクタをデリバリパイプの軸挿入部に挿入する際、このバックアップリングが傾き、インジェクタが軸挿入部の中心軸に対して傾いて挿入されることがあった。そして、インジェクタが傾いた状態でデリバリパイプの軸挿入部に挿入されると、Oリングが傾いた状態でデリバリパイプの軸挿入部の開口縁部に突き当たる。
ここで、Oリングの外径は、通常、デリバリパイプの軸挿入部の内径よりも大きく形成されており、インジェクタの挿入時には、Oリングは圧縮されながら軸挿入部に押し込まれていく。このため、上述のように、Oリングが傾いた状態でデリバリパイプの軸挿入部
の開口縁部に突き当たり、この状態のまま、Oリングが軸挿入部に押し込まれると、Oリングが部分的に圧縮された状態となり、部分的に歪が大きくなる。そして、この結果、インジェクタの挿入時のOリングへのダメージが大きくなる。
本発明は、上述した従来技術の問題点を鑑みてなされたものであり、軸部材の固定部材の軸挿入部への挿入時におけるシールリングへのダメージを低減することができるようなシール構造を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、軸部材と、軸部材を挿入する軸挿入部を有する固定部材と、軸部材に取り付けられたシールリングと、シールリングの両側に配置されるバックアップリングとを備え、軸部材と固定部材の軸挿入部との嵌め合い部分をシールリングによりシールするシール構造であって、軸部材の挿入方向先端側のバックアップリングは、軸方向に位置決め固定され、前記軸部材の挿入方向先端側のバックアップリングは、径方向に拡縮可能に設けられており、その自由時の外径が固定部材の軸挿入部の内径よりも大きいことを特徴とする。ここで、バックアップリングを軸方向に位置決め固定するとは、バックアップリングの軸方向におけるわずかな程度の移動も許容しない場合だけに限られず、軸方向におけるわずかな程度の移動であれば許容する意味である。
このように、バックアップリングが軸方向に位置決め固定されると、バックアップリングのシールリングと対向する対向面の軸挿入部の中心軸に対する傾きが所定角度以内に規制される。そして、軸部材の固定部材の軸挿入部への挿入時に、バックアップリングが軸挿入部の開口縁部に突き当たることによって、軸部材の中心軸が軸挿入部の中心軸に対して略同軸上の状態となる。つまり、バックアップリングが、軸部材を固定部材の軸挿入部に挿入する際に、軸部材の中心軸の軸挿入部の中心軸に対する傾きを規制するようなガイドとなっている。このように、軸部材の傾きが規制されるため、シールリングが固定部材の軸挿入部の開口縁部に略均等に突き当たる。したがって、シールリングの歪が部分的に大きくなることを防止することができる。これにより、軸部材の挿入時におけるシールリングへのダメージを低減することができ、シールリングの劣化を抑制することができる。
ここで、前記バックアップリングを位置決め固定する手段を軸部材の外周に設けられた溝としてもよい。この軸部材周囲に設けられた溝によって、バックアップリングが軸方向に位置決め固定され、バックアップリングのシールリングと対向する対向面の軸挿入部の中心軸に対する傾きが所定角度以内に規制される。そして、軸部材の固定部材の軸挿入部への挿入時に、バックアップリングが軸挿入部の開口縁部に突き当たることによって、軸部材の傾きが規制されるため、シールリングが固定部材の軸挿入部の開口縁部に略均等に突き当たる。したがって、シールリングの歪が部分的に大きくなることを防止することができる。これにより、軸部材の挿入時におけるシールリングへのダメージを低減することができ、シールリングの劣化を抑制することができる。
そして、このような軸部材の一例として、インジェクタまたは燃料パイプが挙げられる。また、このような固定部材の一例として、デリバリパイプが挙げられる。
本発明によれば、シールリングの歪が部分的に大きくなることを防止することができる。これにより、軸部材の挿入時におけるシールリングへのダメージを低減することができ、シールリングの劣化を抑制することができる。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本実施の形態では、本発明のシール構造を、インジェクタ方式を採用するガソリンエンジンの燃料供給装置に適用した例について説明する。すなわち、軸部材としてのインジェクタと、固定部材としてのデリバリパイプとの嵌め合い部分をシールリングとしてのOリングによりシールするシール構造について説明する。
まず、インジェクタ方式を採用するガソリンエンジン(以下、エンジンという。)の燃料供給装置の概略構成について、図1を用いて説明する。なお、以下では、「挿入方向」とは、デリバリパイプの軸挿入部の中心軸と平行な方向であって、図3(a)に示すように、デリバリパイプに対し、インジェクタを挿入する方向を意味する。
図1に示すように、インジェクタ方式を採用するエンジン10において、その燃料供給装置11は、燃料タンク12から高圧ポンプ13を介して汲み上げた燃料を一旦蓄え、これを高圧に保持するデリバリパイプ15と、このデリバリパイプ15内で高圧に保たれた燃料をエンジン10の吸気系(あるいは燃焼室)14に噴射供給するインジェクタ20とを備えて構成されている。
インジェクタ20とデリバリパイプ15とは、インジェクタ20の挿入方向先端側の端部21がデリバリパイプ15の軸挿入部16に差し込まれる態様で互いに連結されている。デリバリパイプ15内には、燃料供給用の燃料通路18が設けられている。そして、この燃料通路18を通じて、デリバリパイプ15内で高圧に保持された燃料がインジェクタ20の燃料通路22に導入されつつ、インジェクタ20内部の電磁弁の開度に応じてエンジン10の吸気系(あるいは燃焼室)14に噴射供給されるようになっている。なお、デリバリパイプ15内へは、燃料パイプ19を通じて燃料タンク12からの高圧燃料が供給される。
ここで、インジェクタ20の端部21の外周には、Oリング31が取り付けられている。このOリング31によりインジェクタ20とデリバリパイプ15の軸挿入部16との嵌め合い部分をシールすることによって、燃料供給装置11において、高圧燃料が漏洩しないようにしている。
以下、インジェクタ20とデリバリパイプ15の軸挿入部16との嵌め合い部分をOリング31によりシールするシール構造について、図2、図3、図4を用いて詳しく説明する。
図2は、インジェクタ20とデリバリパイプ15の軸挿入部16との嵌め合い部分をOリング31によりシールするシール構造を示す断面図である。
図2に示すように、デリバリパイプ15には、インジェクタ20の挿入方向先端側の端部21が挿入される軸挿入部16が設けられている。軸挿入部16は、挿入方向後方側が開放された略円筒状に形成された開口部分である。また、この軸挿入部16は、燃料通路18と連通されており、高圧燃料が供給可能となっている。
軸挿入部16の内径は、インジェクタ20の端部21の大径部24の外径と略同径に形成されている。また、軸挿入部16の開口縁部17は、面取りされており、後述するように、インジェクタ20挿入時に、ガイドとして機能するようになっている。
一方、インジェクタ20の挿入方向先端側の端部21には、デリバリパイプ15から導入される高圧燃料の通路となる燃料通路22が形成されている。また、インジェクタ20の端部21の外周には、フランジ23が取り付けられている。インジェクタ20の挿入時には、後述するように、フランジ23とデリバリパイプ15との互いに対向する面が当接するまで、インジェクタ20の端部がデリバリパイプ15の軸挿入部16に挿入される。
そして、インジェクタ20の端部21のフランジ23よりも挿入方向先端側には、段部25を介して、先端側に小径部26、その逆側に大径部24がそれぞれ形成されている。段部25は、挿入方向先端側へ向かうほど小径となるテーパ状に形成されている。また、小径部26の外周には、溝部27が形成されている。
このようなインジェクタ20の端部21の外周には、ゴム製のOリング31と、樹脂製のバックアップリング32、33、34とが取り付けられている。Oリング31は、インジェクタ20の端部21の小径部26の外周に嵌められている。バックアップリング32、33は、インジェクタ20の端部21の段部25の外周に嵌められている。バックアップリング34は、インジェクタ20の端部21の溝部27に嵌められている。このように、インジェクタ20の端部21において、Oリング31と、バックアップリング32、33、34とは、挿入方向先端側から、バックアップリング34、Oリング31、バックアップリング32、バックアップリング33の順で配置されている。なお、ゴム製のOリング31と、樹脂製のバックアップリング32、33、34とは、リングの径方向に向かう力により、拡径および縮径の径変化が可能となるように、ある程度の弾力性をもって形成されている。このようなバックアップリング32、33、34として、例えば、円周の1箇所にバイアスカットが施されたものを用いることができる。
Oリング31は、インジェクタ20とデリバリパイプ15の軸挿入部16との嵌め合い部分をシールするためのシール部材である。上述したように、軸挿入部16の内径は、インジェクタ20の端部21の大径部24の外径と略同径に形成されているものの、通常は、両者21、24の間には隙間が形成されている。したがって、その隙間から高圧燃料が漏洩しないように、Oリング31によりインジェクタ20とデリバリパイプ15の軸挿入部16との嵌め合い部分をシールするようにしている。
Oリング31の内径は、インジェクタ20の端部21の小径部26の外径よりも若干小さく形成されている。このため、Oリング31は、その内径が押し拡げられるようにして、インジェクタ20の端部21の小径部26に取り付けられる。一方、Oリング31の外径は、自由状態(図3(a)に示す状態)では、デリバリパイプ15の軸挿入部16の内径よりも若干大きく形成されている。このため、インジェクタ20の端部21をデリバリパイプ15の軸挿入部16に挿入すると、Oリング31が軸挿入部16の壁面に密着し、これにより、インジェクタ20とデリバリパイプ15の軸挿入部16との嵌め合い部分がシールされる。
Oリング31よりも挿入方向後方側に設けられるバックアップリング32、33は、上記背景技術の欄で述べたのと同様に、Oリング31が高圧燃料の圧力によってOリング31が挿入方向後方側へ押し込まれ、上述したインジェクタ20の端部21と大径部24とデリバリパイプ15の軸挿入部16との隙間に押し込まれて変形することを防止するために設けられている。この例では、2つのバックアップリング32、33により、Oリング31が挿入方向後方側へ押し込まれないようにしている。
一方、Oリング31よりも挿入方向先端側に設けられるバックアップリング34は、上記背景技術の欄で述べたのと同様に、インジェクタ20をデリバリパイプ15から取り外す際におけるOリング31の脱落防止用として設けられている。また、これに加えて、後
述するように、バックアップリング34は、インジェクタ20をデリバリパイプ15の軸挿入部16に挿入する際に、インジェクタ20の中心軸の軸挿入部16の中心軸に対する傾きを規制するようなガイドとなっている。
バックアップリング34は、インジェクタ20の端部21の溝部27に嵌められている。このため、バックアップリング34のインジェクタ20の軸方向への移動が規制されている。つまり、溝部27は、バックアップリング34をインジェクタ20の軸方向に位置決め固定する手段として設けられている。また、溝部27は、後述するように、バックアップリング34のOリング31と対向する対向面の軸挿入部16の中心軸に対する傾きを所定角度以内に規制するための姿勢保持手段として設けられている。
このバックアップリング34の内径は、自由状態(図3(a)に示す状態)では、溝部27の外径よりも若干大きく形成されている。また、バックアップリング34の外径は、デリバリパイプ15の軸挿入部16(ただし、開口縁部17以外の部分)の内径よりも若干大きく形成されている。一方、挿入状態(図1、図3(d)に示す状態)では、バックアップリング34が縮径されて、バックアップリング34がデリバリパイプ15の軸挿入部16内に挿入されている。
また、バックアップリング34は、自由状態(図3(a)に示す状態)では、Oリング31と間隔をあけて配置されている。その理由は、挿入状態(図1、図3(d)に示す状態)では、Oリング31が燃料に浸されると膨張するからである。したがって、自由状態におけるOリング31とバックアップリング34との空間が、Oリング31が膨張した際の逃げ代となっている。
次に、インジェクタ20をデリバリパイプ15の軸挿入部16に挿入する挿入作業について説明する。
図3は、インジェクタ20をデリバリパイプ15の軸挿入部16に挿入する挿入作業を示す図であり、(a)は挿入作業の開始前の状態を示す図、(b)、(c)は挿入作業の途中の状態を示す図、(d)は挿入作業が完了した状態を示す図である。
まず、図3(a)に示すように、挿入作業が開始される前には、インジェクタ20の中心軸がデリバリパイプ15の軸挿入部16の中心軸と略一致するように、インジェクタ20が配置される。この挿入作業の開始前の自由状態では、インジェクタ20の端部21のOリング31の外径およびバックアップリング34の外径が、デリバリパイプ15の軸挿入部16の内径よりもそれぞれ若干大きくなっている。また、バックアップリング34の内径は、溝部27の外径よりも若干大きく形成されている。
この状態からインジェクタ20をデリバリパイプ15側に移動させて、インジェクタ20の端部21をデリバリパイプ15の軸挿入部16に挿入する。このインジェクタ20の挿入時には、図3(b)、図3(c)に示す挿入作業が途中の状態を経由して、図3(d)に示す挿入作業が完了した状態に至る。
図3(b)に示す状態では、インジェクタ20のバックアップリング34がデリバリパイプ15の軸挿入部16の開口縁部17に突き当たる位置まで、インジェクタ20の端部21がデリバリパイプ15の軸挿入部16に挿入されている。図3(c)に示す状態では、インジェクタ20のOリング31がデリバリパイプ15の軸挿入部16の開口縁部17に突き当たる位置まで、インジェクタ20の端部21がデリバリパイプ15の軸挿入部16に挿入されている。そして、図3(d)に示す挿入作業が完了した状態では、インジェクタ20のフランジ23とデリバリパイプ15との互いに対向する面が当接する位置まで
、インジェクタ20の端部21がデリバリパイプ15の軸挿入部16に挿入されている。つまり、インジェクタ20の大径部24、段部25、および小径部26がデリバリパイプ15の軸挿入部16に挿入されている。
上述したように、バックアップリング34は、インジェクタ20の端部21の溝部27に嵌められているため、バックアップリング34のインジェクタ20の軸方向への移動が規制されている。これにより、バックアップリング34のOリング31と対向する対向面の軸挿入部16の中心軸(インジェクタ20の中心軸)に対する傾きが所定角度以内に規制されるため、図3(c)に示すように、インジェクタ20の軸挿入部16の中心軸に対する傾きが所定角度以内に規制される。この場合には、インジェクタ20の中心軸が軸挿入部16の中心軸に対して略同軸上にある状態が保持される。このように、バックアップリング34がインジェクタ20の中心軸の軸挿入部16の中心軸に対する傾きを規制するようなガイドとなっている。
このように、インジェクタ20の傾きが規制された状態で、インジェクタ20が挿入されると、バックアップリング34がデリバリパイプ15の軸挿入部16の開口縁部17に沿って縮径されながら軸挿入部16に押し込まれていき、図3(c)に示す状態となる。上述のように、インジェクタ20の傾きが規制されているため、インジェクタ20の軸挿入部16への挿入時、図3(c)に示すように、Oリング31の全周がデリバリパイプ15の軸挿入部16の開口縁部17に略均等に突き当たる。そして、この状態で、Oリング31がデリバリパイプ15の軸挿入部16の開口縁部17に沿って圧縮されながら軸挿入部16に押し込まれていき、図3(d)に示す状態となる。このように、Oリング31がデリバリパイプ15の軸挿入部16の開口縁部17に略均等に突き当たった状態でインジェクタ20が挿入されるため、Oリング31に対する歪が大きくなることを防止することができる。これにより、インジェクタ20の挿入時におけるOリング31へのダメージを低減することができ、Oリング31の劣化を抑制することができる。
ここで、上述の場合には、インジェクタ20の中心軸がデリバリパイプ15の軸挿入部16の中心軸と略一致するようにインジェクタ20を配置した後、インジェクタ20を挿入しているが、インジェクタ20のバックアップリング34がデリバリパイプ15の軸挿入部16の開口縁部17に突き当たる前に、インジェクタ20の挿入方向がデリバリパイプ15の軸挿入部16の中心軸に対して斜めに傾いている場合には、次のようにして、インジェクタ20は挿入される。
図4(a)に示すように、インジェクタ20のバックアップリング34がデリバリパイプ15の軸挿入部16の開口縁部17に突き当たる前には、インジェクタ20の中心軸がデリバリパイプ15の軸挿入部16の中心軸に対して斜めに傾いている。このように、インジェクタ20が斜めに傾いた状態で軸挿入部16に挿入されると、図4(b)に示すように、インジェクタ20のバックアップリング34のデリバリパイプ15側の一部分がデリバリパイプ15の軸挿入部16の開口縁部17に突き当たる。
上述したように、バックアップリング34のインジェクタ20の軸方向への移動が規制されており、バックアップリング34のOリング31と対向する対向面のインジェクタ20の中心軸に対する傾きが所定角度以内に規制されている。このため、図5に示すような状態とはならない。すなわち、インジェクタ20が斜めに傾いた状態でバックアップリング34の全周が軸挿入部16の開口縁部17に突き当たることがなくなる。
この例では、図5に示す状態ではなく、図4(c)に示すように、インジェクタ20の挿入時に、バックアップリング34のデリバリパイプ15の軸挿入部16の開口縁部17に突き当たった一部分を支点として、バックアップリング34の全周が軸挿入部16の開
口縁部17に突き当たるように、インジェクタ20が回動される。このとき、バックアップリング34のOリング31と対向する対向面のインジェクタ20の中心軸に対する傾きが所定角度以内に規制されているので、インジェクタ20の中心軸の軸挿入部16の中心軸に対する傾きが矯正されて所定角度以内となる。このように、バックアップリング34がインジェクタ20の中心軸の軸挿入部16の中心軸に対する傾きを規制するようなガイドとなっている。
以上のように、インジェクタ20の挿入方向がデリバリパイプ15の軸挿入部16の中心軸に対して斜めに傾いている場合であっても、バックアップリング34が軸挿入部16の開口縁部17に突き当たることによって、インジェクタ20の中心軸が軸挿入部16の中心軸に対して略同軸上となるように矯正される。これにより、インジェクタ20が斜めに傾いた状態で軸挿入部16に挿入されることがなくなる。そして、図4(c)に示す状態は、図3(b)に示す状態と同じになっており、その後は、図3(c)、(d)に示す場合と同様にして、インジェクタ20がデリバリパイプ15の軸挿入部16に挿入される。
したがって、この場合にも、Oリング31がデリバリパイプ15の軸挿入部16の開口縁部17に略均等に突き当たった状態でインジェクタ20が挿入されるため、Oリング31に対する歪が大きくなることを防止することができる。これにより、インジェクタ20の挿入時におけるOリング31へのダメージを低減することができ、Oリング31の劣化を抑制することができる。
なお、以上では、インジェクタ20の外周に設けられた溝部27によって、バックアップリング34がインジェクタ20の軸方向に位置決め固定される例について説明したが、バックアップリング34をインジェクタ20の軸方向に位置決め固定する構成であれば、溝部27以外であってもよい。バックアップリング34を位置決め固定する構成の他の例としては、次のような構成が挙げられる。
インジェクタ20の小径部26のバックアップリング34を取り付ける位置の両側に、突起を設けて、この突起によりバックアップリング34を位置決め固定することができる。この場合、インジェクタ20の小径部26の外周に全周にわたる突起を設けてもよく、小径部26の外周の複数箇所に小突起を設けてよい。
インジェクタ20の小径部26にバックアップリング34を取り付けた後、バックアップリング34の両側にストッパーを取り付けて、このストッパーによりバックアップリング34を位置決め固定することができる。このようなストッパーとして、例えば、Eリングを用いることができ、この場合、ストッパーは、小径部26に設けられる溝内に係入される。
また、以上では、軸部材がインジェクタである例について説明したが、Oリング等のシールリングを用いた的確なシールが望まれる場合には、軸部材はインジェクタ以外であってもよい。このような軸部材の他の例としては、デリバリパイプに差し込まれる燃料パイプが挙げられる。
さらに、以上では、本発明のシール構造を、デリバリパイプに蓄えた高圧燃料をインジェクタに導入するガソリンエンジンの燃料供給装置に適用した例について説明したが、コモンレールに蓄えた高圧燃料をインジェクタに導入するディーゼルエンジンの燃料供給装置にも、同様に本発明を適用することができる。
本発明のシール構造を適用するインジェクタ方式を採用するエンジンの燃料供給装置の概略構成を示す図である。 図1におけるA−A断面図である。 インジェクタをデリバリパイプの軸挿入部に挿入する挿入作業を示す図である。 インジェクタの挿入方向がデリバリパイプの軸挿入部に対して傾いている場合の挿入作業を示す図である。 インジェクタが斜めに傾いたままでバックアップリングの全周が軸挿入部の開口縁部に突き当たった状態を示す図である。
符号の説明
15 デリバリパイプ
16 軸挿入部
20 インジェクタ
21 端部
27 溝部
31 Oリング
34 バックアップリング

Claims (3)

  1. 軸部材と、軸部材を挿入する軸挿入部を有する固定部材と、軸部材に取り付けられたシールリングと、シールリングの両側に配置されるバックアップリングとを備え、軸部材と固定部材の軸挿入部との嵌め合い部分をシールリングによりシールするシール構造であって、
    軸部材の挿入方向先端側のバックアップリングは、軸方向に位置決め固定され
    前記軸部材の挿入方向先端側のバックアップリングは、径方向に拡縮可能に設けられており、その自由時の外径が固定部材の軸挿入部の内径よりも大きいことを特徴とするシール構造。
  2. 前記バックアップリングを位置決め固定する手段は、軸部材の外周に設けられた溝であること特徴とする請求項1に記載のシール構造。
  3. 前記軸部材は、インジェクタまたは燃料パイプであり、前記固定部材は、デリバリパイプであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシール構造。
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