JP4631235B2 - デジタル放送送信方法、デジタル放送送信装置、並びに、デジタル放送受信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、MPEG−2Systemsに規定されたトランスポートストリームを放送信号として適用したデジタル放送送受信システムにおけるデジタル放送送信方法、デジタル放送送信装置、並びに、この放送信号を受信するデジタル放送受信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
社団法人電波産業会(ARIB)で提案されている「デジタル放送に使用する番組配列情報 標準規格 ARIB STD-B10 1.3版」(平成12年6月発行 以下、単にARIB STD-B10と呼ぶ。)では、デジタル放送における番組配列情報の構成及び識別子の運用として、ブーケと呼ばれる概念を提案している。このブーケは、複数のサービス(プログラム)やトランスポートストリームの集合を示す概念であり、ネットワークの境界を越えて集合が組まれてもよいものである。
【0003】
従来のCSデジタル放送、2000年12月開始予定のBSデジタル放送においては、複数のサービスをグループ化するというブーケの概念は現時点では必要とされておらず、運用上適用されていない。その要因としては、サービスエリアが日本全国であり、いわゆるPSI/SI(Program Specific Information/Service Information 番組を選択や番組の情報を取得するための補助的な情報)が十分に送信されていることなどが挙げられる。また、ARIB STD-B10の付属「番組配列情報の運用方法に関するガイドライン」では、「ブーケ事業者」に関する記述がされているが、BSデジタル放送では「事業者」という観点でサービスのグループ化を行うためにBIT(Bouquet Information Table)を適用している。
【0004】
これに対して、現在規格化が進められている地上デジタル音声放送(ISDB-Tn:Intergrated Services Digital Broadcasting - Terrestorial narrow)では、サービスエリアが日本全国ではなく一定の地域ごとに分割されること、伝送レートが数百kbpsと衛星放送に比べて非常に小さくPSI/SIの情報量が十分に送信できないという状況がある。このような状況の中では、サービス(プログラム)やトランスポートストリームを有機的に関連付けて、番組選択をする際や番組情報を取得する際に、有効に活用することが必要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ARIB STD-B10では、ブーケに関する情報を定義するテーブルとして、BAT(Bouquet Association Table)が規定されている。また、ARIB STD-B10では、ブーケに関連する情報を記述する記述子、或いは、BATに用いられる記述子として、サービスリスト記述子、スタッフ記述子、ブーケ名記述子、国別受信可否記述子、リンク記述子、CA識別記述子が規定されている。
【0006】
しかしながら、これらのテーブルや記述子だけでは、複数のサービス(プログラム)やトランスポートストリームの集合を簡潔に識別することが困難であり、これらの集合を有効に活用することが困難であった。
【0007】
本発明は、このような実情を鑑みてなされたものであり、なんらかの関係で関連づけされた複数のサービス(プログラム)、トランスポートストリーム及び/又はネットワークの集合を提供するにあたり、その関連を簡潔に識別し、有効に活用することができるデジタル放送送信方法、デジタル放送送信装置、並びに、このデジタル放送送信装置により放送される放送信号を受信するデジタル放送受信装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、MPEG−2Systemsに規定されたトランスポートストリームを放送信号として適用したデジタル放送送受信システムにおけるデジタル放送送信方法であって、関連づけされた複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークをブーケとしてグループ化し、その関連づけの内容をブーケ種別として識別するブーケ識別情報を作成して、上記デジタル放送送受信システムに定められた各ブーケをユニークに識別するブーケIDに上記ブーケ識別情報を記述し、上記ブーケ識別情報を記述したブーケIDをブーケに付与するブーケID付与ステップと、上記ブーケ識別情報を記述したブーケIDを含むトランスポートストリームを送信する送信ステップとを有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、MPEG−2Systemsに規定されたトランスポートストリームを放送信号として適用したデジタル放送送受信システムにおけるデジタル放送送信装置であって、関連づけされた複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークをブーケとしてグループ化し、その関連づけの内容をブーケ種別として識別するブーケ識別情報を作成して、上記デジタル放送送受信システムに定められた各ブーケをユニークに識別するブーケIDに上記ブーケ識別情報を記述し、上記ブーケ識別情報を記述したブーケIDをブーケに付与するブーケID付与手段と、上記ブーケID付与手段により上記ブーケ識別情報を記述したブーケIDを含むトランスポートストリームを送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明は、MPEG−2Systemsに規定されたトランスポートストリームを放送信号として適用したデジタル放送送受信システムにおけるデジタル放送受信装置であって、関連づけされた複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークがブーケとしてグループ化され、その関連づけの内容をブーケ種別として識別するブーケ識別情報が上記デジタル放送送受信システムに定められた各ブーケをユニークに識別するブーケIDに記述され、上記ブーケ識別情報が記述されたブーケIDがブーケに付与されて送信されてくる上記ブーケ識別情報が記述されたブーケIDを含むトランスポートストリームを受信する受信手段と、上記受信手段による受信されるトランスポートストリームに含まれるブーケIDに記述された上記ブーケ識別情報に基づき、上記ブーケによりグループ化された複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークを、上記ブーケ種別毎に管理し、管理している上記ブーケ識別情報に基づき、受信するサービス、トランスポートストリーム又はネットワークを、上記ブーケ種別により示された関連づけの内容に応じて切り換えを行う制御手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態のデジタル放送システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明の実施の形態のデジタル放送システムは、図1に示すような地上波のデジタル放送システム1に対して適用される。このデジタル放送システムにおいて放送する内容としては、例えば、動画像と音声情報とが組み合わされて送信されるデジタルテレビジョン放送(以下、地上DTV放送という。)、音声情報(影像情報も含めて放送される場合もある)が送信されるデジタル音声放送(以下、地上D音声放送という。)、コンピュータや各種の情報端末を介して利用するような各種データが送信されるデータ放送、或いは、テレビジョン放送や音声放送に各種データが組み合わされて送信されるマルチメディア放送に適用される。
【0021】
なお、以下、本発明の実施の形態として、本発明を適用した地上デジタル放送について説明するが、本発明は、地上デジタル放送に限らず、例えばBSデジタル放送やCSデジタル放送等の衛星を用いたデジタル放送にも適用することができるものである。
【0022】
デジタル放送システム1は、図1に示すように、複数の放送局10,20,30からそれぞれデジタル方式で送信される地上波放送を、受信装置100で受信するシステムである。
【0023】
各放送局10,20,30には、それぞれ送信装置が備えられており、この送信装置から送信される放送波がアンテナから送信される。各放送局10,20,30から送信される放送波の到達距離には限界があるため、受信装置100でそれぞれの放送波を受信可能な範囲を、それぞれサービスエリア10a,20a,30aとして示す。
【0024】
各放送局10,20,30から送信される地上波放送は、例えば、音声情報及び画像情報の圧縮多重化規格のひとつであるMPEG−2Systems(ITU-T H.222.0,ISO/IEC 13818-1)を利用したデジタル多重化方式を採用して放送を行っている。
【0025】
また、各放送局10から送信される地上波放送の変調方式には、例えばOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式が採用される。
【0026】
このようにMPEG-2 Systemsを利用したデジタル方式の地上波放送では、一般に、ニュースやドラマなどのように開始時刻・終了時刻が定められた各々の放送番組のことをイベント(event)と称し、複数のイベントが連続して編成されたプログラムのことをサービス(service)と称する。そして、複数のサービスが、トランスポートストリーム(Transport Stream)とされ、このトランスポートストリームが変調されて、放送波として送信される。
【0027】
ここで、このデジタル放送システム1におけるサービスエリアの範囲について説明をする。
【0028】
このデジタル放送システム1では、例えば都道府県といった行政区画を基本単位としてサービスエリアが設定される。また、さらに、関東、中京、近畿といった特別地域では、2県以上に跨る広域圏でもサービスエリアが設定される。都道府県単位及び広域圏をカバーするサービスエリアのことを、本発明では一般エリアと称する。また、さらに、例えば都道府県より小さな行政区画である例えば市町村といった行政区画を基本単位としてもサービスエリアが設けられる。この市町村単位で設けられたサービスエリアは、例えばアンテナ電力が所定の電力以下に規定されているコミュニティ放送局がカバーすることとなる。この市町村単位をカバーするサービスエリアのことを、本発明では小規模エリアと称する。
【0029】
なお、ここでは、日本の行政区画を例にとってサービスエリアの範囲について説明したが、正確に県境や市境で正確にサービスエリアが区切られるものではないのはもちろんであり、また、サービスエリアの分割の方式は、特に行政区画を基本として区切るものでなくてもよい。また、一般エリアと小規模エリアとの区別は、単にサービスエリアの相対的な大きさの違いであるので、例えば複数の市を跨るサービスエリアに対しては、小規模エリアとして設定してもよいし、一般エリアとして設定してもよい。
【0030】
また、デジタル放送システム1においては、異なるサービスエリアの放送局同士が互いに番組制作、編成、中継、放送の上で協力関係をつくり系列ネットを構築している場合がある。このような系列ネット局同士では、例えばある放送局で生成したトランスポートストリームを、他の放送局に中継することにより、各放送局がカバーするサービスエリアにおいて同一のイベントやサービス(プログラム)を放送している。
【0031】
このように中継を行うに際して、各放送局は、異なる周波数チャンネルで放送波を送信するとしてもよいし、変調方式としてOFDM方式を用いいれば、同じ周波数チャンネルで放送波を送信してもよい。一般に、サービスエリアごとに異なる周波数で放送波を送信するよう構成されたネットワークは、MFN(Multi-Frequency Network)と称されており、各サービスエリアで同一の周波数により放送波を送信するよう構成されたネットワークは、SFN(Single Frequency Network)と称されている。
【0032】
(ブーケによるグループ化)
つぎに、デジタル放送システム1において適用されるブーケについて説明をする。
【0033】
ブーケとは、何らかの関係に基づき関連づけされた複数のサービス(プログラム)、トランスポートストリーム及び/又はネットワークの集合をいう。具体的には、複数のサービス(プログラム)の集合(グループ)、複数のトランスポートストリームの集合、或いは、1以上のサービス(プログラム)及び1以上のトランスポートストリームの集合、1以上のトランスポートストリームの集合及び1以上のネットワークの集合、1以上のネットワークの集合及び1以上のサービス(プログラム)の集合、1以上のサービス(プログラム)及び1以上のトランスポートストリーム及び1以上のネットワークの集合を示す概念である。その集合は、ネットワークの境界を越えて形成されてもよく、例えば、地上D音声放送と地上DTV放送との間でブーケが形成されてもよいし、また、さらに、その集合の内容によっては、地上波放送と衛星放送との間でブーケが形成されてもよい。
【0034】
このデジタル放送システム1がブーケによってグループ化されるサービス(プログラム)、トランスポートストリーム及びネットワークの関係としては、例えば、放送の代替関係、系列局関係、連結送信関係、同一放送事業者関係、同一サービスエリア関係、サイマル放送関係等がある。
【0035】
以下、ブーケにより関連づけがされる関係の具体的な内容について説明をする。
【0036】
放送の代替関係は、異なるサービスエリア間でのサービス(プログラム)同士の代替関係を示している。すなわち、あるサービスエリアから隣接する他のサービスエリアに移動する場合において、移動前のサービスエリアで受信していたサービス(プログラム)と代替される隣接サービスエリアのサービス(プログラム)との関係を示している。
【0037】
例えば、自動車等で移動しながらあるサービス(プログラム)を視聴していたとする。この際、現在視聴しているサービス(プログラム)が配信されているサービスエリアを超えて自動車が移動してしまうと、すなわち、エリアを越境してしまうと、そのサービス(プログラム)を視聴することができなくなる。このようなとき、エリア越境前に視聴していたサービス(プログラム)と同様の内容のサービス(プログラム)を移動先のサービスエリアで継続して視聴したいとユーザが希望する場合がある。例えばジャイアンツ対タイガース戦のナイター中継を視聴していた場合、エリアを越境しても、やはりジャイアンツ対タイガース戦のナイター中継を視聴したいとユーザは希望する。
【0038】
ところで、エリアを越境してしまうと、移動後のサービスエリアで配信されている番組ガイドやEPG等を検索して、同様のサービスを探しだし、周波数チャンネルやプログラム番号等を再設定する必要がある。しかしながら、このような設定はユーザにとっては非常に面倒である。
【0039】
このためデジタル放送システム1では、ブーケにより関連づけを行う関係として放送の代替関係を規定し、サービスエリア間におけるサービス(プログラム)同士の代替関係を予めブーケによりグループ化してユーザに提供するようにしている。このような情報が提供されることにより、受信装置では、サービスエリアの切り換え時に、移動前に視聴していたサービス(プログラム)と代替されるサービス(プログラム)へ自動切り換えすることができたり、或いは、ブーケによりグループ化されているサービス(プログラム)のリストをモニタに表示することができ、再設定作業が簡単となる。
【0040】
なお、サービス(プログラム)単位で放送の代替関係を示して説明をしたが、トランスポートストリーム同士、ネットワーク同士、サービス(プログラム)とトランスポートストリームとの間、トランスポートストリームとネットワークの間、及び、ネットワークとサービス(プログラム)との間、サービスとトランスポートストリームとネットワークとの間でグループ化して代替関係を規定してもよい。
【0041】
系列局関係は、提供者が同一の系列ネットを構成する放送局から放送されるサービス(プログラム)同士の関係を示している。また、同一放送事業者関係は、放送信号の提供者が同一の事業者の放送局から放送されるサービス(プログラム)同士の関係を示している。
【0042】
異なるサービスエリアの放送局同士が互いに番組制作、編成、中継、放送の上で協力関係をつくり系列ネットを構築している場合がある。系列ネットを構成する複数の放送事業者は、それぞれ同時刻に同一の番組を放送する場合が考えられる。しかしながら、特定の系列ネットから配信される特定のサービス(プログラム)を受信中に、現在視聴しているサービス(プログラム)が配信されているサービスエリアを超えて移動してしまうと、そのサービス(プログラム)を視聴することができなくなる。この場合、エリア越境前に受信していた系列ネットのサービス(プログラム)を継続して受信するためには、移動後のサービスエリアで配信されている番組ガイドやEPG等を検索して、同一の系列ネットを探しだし、周波数チャンネルやプログラム番号等を再設定する必要がある。このときに、視聴者が受信をやめてしまったり、別の放送事業者が提供する放送を受信するように変更してしまうと、放送局側としては損失が大きい。
【0043】
このため、デジタル放送システム1では、ブーケにより関連づけを行う関係として系列局関係を規定し、系列ネットを構成する放送局から放送されるサービス(プログラム)を予めブーケによりグループ化してユーザに提供する。このような情報が提供されることにより、受信装置では、サービスエリアの切り換え時に、移動前に視聴していた放送局と系列ネットを構成する放送局へ自動切り換えをすることができたり、或いは、ブーケによりグループ化されている系列ネットをモニタに表示することができ、再設定作業が簡単となる。そのため、サービスエリアの越境時に視聴者が受信を辞めてしまったり、別の放送事業者が提供する放送を受信するように変更してしまうとう可能性が低くなる。
【0044】
また、同一の放送事業者が異なるサービスエリアで放送を行っている場合にも、系列局関係と同様のことがいえる。
【0045】
なお、サービス(プログラム)単位で系列局関係及び同一事業者関係を示して説明をしたが、トランスポートストリーム同士、ネットワーク同士、サービス(プログラム)とトランスポートストリームとの間、トランスポートストリームとネットワークの間、及び、ネットワークとサービス(プログラム)との間、サービスとトランスポートストリームとネットワークとの間でグループ化してグループ化して系列局関係を規定してもよい。
【0046】
連結送信関係は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式における連結送信を行っているトランスポートストリーム同士の関係を示している。
【0047】
地上波デジタル放送では、マルチパスによる受信妨害の影響を少なくするため、一般に放送波の変調方式としてOFDM方式が採用されている。日本における地上波デジタル放送システムであるISDB-T(Intergrated Services Digital Broadcasting - Terrestorial)でも、やはりOFDM方式が採用されている。このOFDM方式では、送信時にはIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)、受信時にはFFT(Fast Fourier Transform)を行うことによって変調がされる。
【0048】
このISDB-Tでは、複数の周波数チャネルに伝送されるOFDM信号を周波数方向に多重化し、一括してFFT変換する、という連結送信が規定されている。この連結送信をすることにより、チャンネル間の混信を防止するためのガードバンドを設けずに複数の周波数チャンネルに対して情報を放送することができるので、周波数の利用効率を改善することができる。
【0049】
また、受信側では、このような互いに連結送信がされた周波数チャンネル間でチャンネル切り替えを行う場合には、一括してIFFTが行われているため各種パラメータやタイミングがチャンネル間で同期が取られているので、復調器での同期動作をチャンネル間で連続的に行うことができる。そのため、連結送信で結合されたチャンネル間でのチャンネル切換を行う場合には、新たに同期の引き込み動作等を行わなくてもよく、チャンネル変更時間が短くなる。
【0050】
このため、デジタル放送システム1では、ブーケにより関連づけを行う関係として連結送信関係を規定し、連結送信がされた周波数チャンネルに送信されているトランスポートストリームをブーケによりグループ化してユーザに提供する。
このことにより、チャンネル切換を行う場合、切り換え先が連結送信をしているかどうかを参照することができ、もし連結送信内でのチャンネル変更等があった場合に、復調器での同期検出動作を連続的に行うことができ、チャンネル変更時間を短くすることができる。
【0051】
サイマル放送関係は、同一の放送を行ういわゆるサイマル放送を行っているサービス(プログラム)同士の関係を示している。
【0052】
例えば、地上D音声放送と衛星デジタル音声放送とが受信可能なカーステレオを搭載している車が、建物のかげに入り現在受信している地上D音声放送の受信が困難になったとする。このときに、同一の放送を行ってるサイマル放送を受信しようとすると、ユーザは、衛星デジタル音声放送で放送されてる番組ガイドやEPG等をあらためて検索して、受信装置の設定を行う必要がある。
【0053】
このためデジタル放送システム1では、ブーケにより関連づけを行う関係としてサイマル放送関係を規定し、サイマル放送関係を予めブーケによりグループ化してユーザに提供する。このことにより、サイマル放送への切り換え時に、例えば自動切り換えをすることができたり、或いは、ブーケによりグループ化されているサービス(プログラム)をモニタに表示することができ、サイマル放送への再設定作業が簡単になる。
【0054】
なお、サービス(プログラム)単位で放送のサイマル放送関係を示して説明をしたが、トランスポートストリーム同士、ネットワーク同士、サービス(プログラム)とトランスポートストリームとの間、トランスポートストリームとネットワークの間、及び、ネットワークとサービス(プログラム)との間、サービス(プログラム)とトランスポートストリームとネットワークとの間でグループ化して関連づけをしてサイマル放送関係を規定してもよい。
【0055】
つぎに、MPEG2Systemsに規定されるトランスポートストリームへの具体的なブーケの記述方法について説明をする。
【0056】
本実施の形態のデジタル放送システム1では、ARIB STD-B10により規定されているBATでブーケに関する情報を定義し、このBATをトランスポートストリームに含めて送信している。
【0057】
また、ARIB STD-B10により規定されているサービスリスト記述子、スタッフ記述子、ブーケ名記述子、国別受信可否記述子、リンク記述子、CA識別記述子ブーケを用いて、ブーケに関連する情報を記述し、トランスポートストリームに含めて伝送している。
【0058】
また、本発明では、以上のARIB STD-B10により規定された記述子に加え、さらに、ブーケ種別記述子を規定し、このブーケ種別記述子にブーケに関連する情報を記述して、トランスポートストリームに含めて伝送している。
【0059】
以下、これらBAT並びに各記述子について説明をする。
図2に、ARIB STD-B10で定義されているBAT(Bouquet Association Table)のデータ構造を示す。
【0060】
[table_id]は、このネットワーク情報セクションが何を示すセクションであるかを示す。ここでは「0x4A」なる値が記述される。
[section_syntax_indicator]は、セクションシンタクス指示を示す。その値は常に「1」とされる。
[reserved_future_use]は、将来のなんらかの情報を規定できるようしたリザーブ拡張領域である。
[reserved]は、リザーブ領域である。
[section_length]は、セクション長フィールドの直後からCRC(Cyclic Redundancy Check)を含むセクションの最後までのセクションのバイト数を規定する。
【0061】
[bouquet_id]は、ブーケを識別するためのIDである。このIDについては、その詳細を後述する。
[version_number]は、サブテーブルのバージョン番号を示す識別子である。バージョン番号は、サブテーブル内の情報に変化があった場合に1加算される。その値が31になった場合は、その次は0に戻る。
[current_next_indicator]は、この値が「1」である場合に、サブテーブルが現在のサブテーブルであることを示し、「0」である場合に、送られるサブテーブルはまだ適用されず、次のサブテーブルを使用することを示す。
【0062】
[section_number]は、セクションの番号を表す。サブテーブル中の最初のセクションである場合に「0x00」なる値となる。このセクション番号は、同一の[table_id]と[bouquet_id]とを有するセクションの追加ごとに値が「1」ずつ加算される。
【0063】
[last_section_number]は、そのセクションが属するサブテーブルの最後のセクション、すなわち最大のセクション番号を有するセクションの番号を示す。
【0064】
[bouquet_descriptor_length]は、以下に続くブーケ記述子ループ([for(i=0;<N;i++){descripter()}]のループのこと)の全バイト数を示す。
【0065】
ブーケ記述子ループの記述子領域(“for(i=0;<N;i++){descripter()}”内の第1記述子領域[descripter()]には、ブーケ種別記述子[bouquet_type_descriptor]又はブーケ名記述子[bouquet_name_descriptor]が必ず記述され、また、スタッフ記述子[stuffing_descriptor]、国別受信可否記述子[country_availablity_descriptor]、リンク記述子[linkage_descriptor]、CA識別記述子[CA_identifer_descriptor]が必要に応じて記述される。
【0066】
[transport_stream_loop_length]は、以下に続くトランスポートストリームループ([“for(i=0;<N;i++{transport_stream_id 〜 descripter() }]のループこと)の全バイト数を示す。
トランスポートストリームループでは、このBATによりグループ化される全てのトランスポートストリーム或いはサービス(プログラム)に関する情報が記述される。すなわち、このBATによりグループ化されるトランスポートストリームの数だけ、ループが回転している。
【0067】
トランスポートストリームループ中の[transport_stream_id]は、このBATによりグループ化された各トランスポートストリームを特定するIDである。このTS−ID[transport_stream_id]が記述されていることにより、ブーケによりグループ化されたトランスポートストリームへ受信チャンネルを切り換えることができる。すなわち、NIT(Network Information table)内の地上分配システム記述子領域のTS−ID[transport_stream_id]を参照して、そのトランスポートストリームが伝送されるサービスエリア(エリアコードにより識別できる)及び周波数チャネル等を認識することができる。
【0068】
[original_network_id]は、そのトランスポートストリームの元のネットワークの[network_id]を示す。
[reserved_future_use]は、将来のなんらかの情報を規定できるようしたリザーブ拡張領域である。
[transport_descriptor_length]は、以下に続くトランスポート記述子ループ(for(i=0;<N;i++){descripter()}]のループのこと)の全バイト数を示す。
【0069】
トランスポート記述子ループ(“for(i=0;<N;i++){descripter()}”内の第2記述子領域[descripter()]には、以下に説明するサービスリスト記述子、スタッフ記述子[stuffing_descriptor]、が必要に応じて記述される。このサービスリスト記述子が記述されることにより、サービス(プログラム)単位でブーケをグループ化、トランスポートストリームとサービス(プログラム)とを混合してグループ化、サービス(プログラム)とネットワークとを混合してグループ化することができる。
【0070】
そして、[CRC_32]は、CRCを示し、セクション全体を処理した後にレジスタ出力が「0」となるようなCRC値を含むエラーコードである。
【0071】
図3に、サービスリスト記述子[service_list_descriptor()]のデータ構造を示す。
サービスリスト記述子は、ブーケに属するサービスに対応するtransport_stream_id, network_id, service_id, service_typeを列挙することができる記述子である。
[descriptor_tag]は、本記述子を他の識別子と識別するタグである。
[descriptor_length]は、この直後に続くデータ部分の全バイト長を示す。
[transport_descriptor_length]は、以下に続くループ(“for(i=0;<N;i++) 〜 }]”のループのこと)の全バイト数を示す。
ループ内には、[service_id]、[service_type]が記述される。
[service_id]は、トランスポートストリーム内に含まれているサービス(プログラム)をユニークに識別するIDである。
【0072】
ここで、サービスIDのユニーク性に制限を必ず設ける必要はないが、サービスIDの総数がサービスIDのビット数で許容される場合には、サービスIDを例えば日本全国でユニークとすることによって混乱を避け、利便性が向上する。
【0073】
[servece_type]は、ここで規定されているサービス(プログラム)のタイプ、例えば、音声放送、テレビジョン放送、データ放送といったタイプを示す。
なお、このサービスリスト記述子には、transport_stream_id, network_idは直接は記述されないが、[service_list_descriptor()]がトランスポートストリームループ内に記述されるので、一義的に定めることができる。
【0074】
図4に、ブーケ名記述子[bouquet_name_descriptor()]のデータ構造を示す。
ブーケ名記述子[bouquet_name_descriptor()]は、テキスト形式でブーケ名を示す記述子である。
[descriptor_tag]は、本記述子を他の識別子と識別するタグである。
[descriptor_length]は、この直後に続くループのデータ部分の全バイト長を示す。
ループ内には、[char]が記述される。
[char]には、キャラクタコードが割り当てられる。
【0075】
図5に、リンク記述子[linkage_descriptor]のデータ構造を示す。
【0076】
リンク記述子[linkage_descriptor]は、ブーケ事業者に属したサービスへのリンクを与えることができる。
【0077】
[descriptor_tag]は、本記述子を他の識別子と識別するタグである。
[descriptor_length]は、この直後に続くデータ部分の全バイト長を示す。
[transport_stream_id]は、リンク先として指示しているサービス(プログラム)が含まれているトランスポートストリームを示している。
[original_network_id]は、リンク先として指示しているサービス(プログラム)が含まれているネットワークの元のネットワークを示している。
【0078】
[service_id]は、リンク先として指示しているサービス(プログラム)を示している。
【0079】
[linlage_type]は、リンク種別を示している。リンクの種別としては、そのブーケに関する情報を含むサービスを参照する(0x01)、ブーケに関するEPGを参照する(0x02)、総括的な番組配列情報を運ぶトランスポートストリームを参照する(0x04)、が規定されている。
[private_data_byte]には、任意のデータが記述可能となる。
【0080】
また、図6に、拡張したリンク記述子[linkage_descriptor]のデータ構造を示す。
【0081】
この拡張したリンク記述子[linkage_descriptor]は、ブーケ事業者に属したサービスへのリンクを与えることができるが、さらに、サービルループを設け、複数のサービス(プログラム)を列挙できるようになっている。
【0082】
[descriptor_tag]は、本記述子を他の識別子と識別するタグである。
[descriptor_length]は、この直後に続くデータ部分の全バイト長を示す。
[linkage_type]は、リンクの種別を識別する。
[private_data_length]は、以下に続くプライベートデータループの全バイト数を示している。
ループ内の[praivate_data_byte]は、リンク種別名を記述することが可能である。
【0083】
また、この拡張したリンク記述子には、以下のサービスループが設けられている。このため複数のリンク先を列挙することができる。
サービスループ内の[transport_stream_id]は、リンク先として指示しているサービス(プログラム)が含まれているトランスポートストリームを示している。
[original_network_id]は、リンク先として指示しているサービス(プログラム)が含まれているネットワークの元のネットワークを示している。
[service_id]は、リンク先として指示しているサービス(プログラム)を示している。
【0084】
[transport_stream_id]は、リンク先として指示しているサービス(プログラム)が含まれているトランスポートストリームを示している。
[original_network_id]は、リンク先として指示しているサービス(プログラム)が含まれているネットワークの元のネットワークを示している。
【0085】
[service_id]は、リンク先として指示しているサービス(プログラム)を示している。
【0086】
[linlage_type]は、リンク種別を示している。リンクの種別としては、そのブーケに関する情報を含むサービスを参照する(0x01)、ブーケに関するEPGを参照する(0x02)、総括的な番組配列情報を運ぶトランスポートストリームを参照する(0x04)、が規定されている。
[private_data_byte]には、任意のデータが記述可能となる。
【0087】
スタッフ記述子[stuffing_descriptor]は、前に符号化された記述子を無効にしたり、テーブルのスタッフィングのためのダミー記述子の挿入に利用される記述子である。
【0088】
国別受信可否記述子[country_availablity_descriptor]は、受信可能な、あるいは、不可能な国を列挙する記述子である。
【0089】
CA識別記述子[CA_identifer_descriptor]は、あるサービスが一般的に限定受信で保護されている場合に、CAシステムに関するデータを伝送することができる。
【0090】
図7に、ブーケ種別記述子[bouquet_type_descriptor]のデータ構造を示す。 このブーケ種別記述子[bouquet_type_descriptor]では、ブーケによりグループ化されたサービス(プログラム)並びにトランスポートストリームの関連づけの内容を識別する。
[descriptor_tag]は、本記述子を他の識別子と識別するタグである。
[descriptor_length]は、この直後に続くデータ部分の全バイト長を示す。
[bouquet_type]は、関連づけの内容を特定するブーケ種別を示している。例えば、図8に示すように、「0x00」は隣接代替関係、「0x01」は系列局関係、「0x02」は連結送信関係、「0x03」は同一事業者関係、「0x04」は同一サービスエリア関係、「0x05」はサイマル放送関係として、各ブーケ種別を識別する。
【0091】
このようにブーケ識別記述子により、ブーケによりグループ化されたサービス(プログラム)並びにトランスポートストリームの関連づけの内容を識別する。
そのため、複数のサービス(プログラム)や或いはトランスポートストリームの集合を、簡潔に識別することが可能となる。
【0092】
なお、このブーケ種別識別子にブーケ種別を示す[bouquet_type]を記述せずに、上述したブーケ名記述子[bouquet_name_descriptor()]に[bouquet_type]を記述するようにしてもよい。
【0093】
例えば、図9に示すように、ブーケ名記述子内のキャラクタが記述されるループに続き、ブーケ種別を示す[bouquet_type]を記述してもよい。
【0094】
つぎに、上記BATにより定義されるブーケID(bouquet_id)について説明をする。
【0095】
ブーケIDは、上述したようにBATにより定義がされ、各ブーケをユニークに識別するIDである。
【0096】
このブーケID(bouquet_id)は、このデジタル放送システム1がカバーする全領域、例えば日本に適用した場合には日本国内全域で定義されているブーケごとすべてユニークに割り当てられる。また、さらに、地上DTV放送と、地上D音声放送とで互いにユニークに割り当てられる。つまり、地上DTV放送で放送されているブーケと、地上D音声で放送されているブーケとで、同一のブーケID(bouquet_id)が割り当てられないようにする。さらにまた、複数の放送メディア間でブーケによりグループ化することも可能で、このメディアの組み合わせに対しても互いにユニークに割り当てられる。
【0097】
図10にこのようなブーケID(bouquet_id)の具体的な構成例を示す。
【0098】
ブーケID(bouquet_id)は、全部で16ビットのデータで構成される。
【0099】
全16ビットのうち、放送メディアの識別して、予備も含めて4ビット(図10の先頭から1〜4ビット目)を割当てている。地上DTV放送内のみでグループ化されるブーケであれば、例えば“0x01”、地上D音声放送内のみでグループ化されるブーケであれば、例えば“0x02”、地上DTV放送及び地上D音声放送の両者を併せてグループ化されるブーケであれば、例えば“0x03”、で識別される。また、さらに、この放送メディアに、BSデジタル音声放送、BSデジタルDV放送、CSデジタル放送等の放送メディアを加えて識別してもよい。このようにメディア横断的にブーケIDを識別すれば、他の放送メディアで提供されているサービス(プログラム)等とブーケによりグループ化することができる。
【0100】
また、全16ビットのうち、ブーケ種別の識別として、予備も含めて4ビット(図10の先頭から5〜8ビット目)を割当てている。このブーケ種別は、例えば、図8に示した[bouquet_type]と同様に識別する。
【0101】
また、全16ビットのうち、ブーケ種別内でユニークに各ブーケの識別をするために、ブーケの識別情報が、8ビット(図10の先頭から9〜16ビット目)を割当てている。これにより、各ブーケ種別毎に、256個のブーケがユニークに識別可能となる。
【0102】
このような割当てを行えば、日本国内ですべてのサービスに対してユニークにブーケID(bouquet_id)を割り当てることができ、さらに、地上DTV放送と地上D音声放送とでブーケID(bouquet_id)のデータ構造を共通にでき、地上DTV放送内と地上D音声放送内でのブーケの区別やメディア横断的に形成されたブーケも識別でき、各々のメディア内におけるブーケもユニークに区別できる。
【0103】
また、以上のようなブーケによるグループ化の階層の概念としては、デジタル放送メディア−デジタル地上波放送−ネットワークID−TSID−サービスIDという階層になっていると考えられる。従って、
(1)ネットワークIDのレベルでの関連性
(2)TSIDレベルでの関連性
(3)サービスIDのレベルでの関連性
というようにブーケによるグループ化にも階層化の概念を導入することができる。
このような階層化の概念を実現するためには以下のようにBATに記述を行う。
【0104】
ネットワークIDのレベルでの関連性を記述する場合には、BATのTSループにおいて、network_idを目的の値に設定し、transport_stream_idをnetwork_idのデフォルトTSのの値とする。このとき、サービスリスト記述子は記述しないか、或いは、transport_stream_idのデフォルトのservice_idをサービスリスト記述子で指定する。
【0105】
TSIDレベルでの関連性を記述する場合には、BATのTSループにおいて、network_id、transport_stream_idを目的の値に設定する。このとき、サービスリスト記述子は記述しないか、或いは、transport_stream_idのデフォルトのservice_idをサービスリスト記述子で指定する。
【0106】
サービスIDのレベルでの関連性を記述する場合には、BATのTSループにおいて、network_id、transport_stream_idを目的の値に設定する。さらに、サービスリスト記述子でサービスを指定する。
【0107】
(受信機の構成)
つぎに、送信された地上波放送を受信する受信装置100について説明する。
【0108】
受信装置100は、図11に示すように、送信装置50によって送信される地上波放送の放送波を受信する受信アンテナ120から放送信号が入力されて、この放送信号に対してデジタル復調処置を施す復調部101と、復調部101によってデジタル復調処置が施された信号に対して復号化処理を施してトランスポートストリームを取り出す復号化部102と、復号化部102により取り出されたトランスポートストリームに多重化されているデジタルデータを抽出して、このデジタルデータの内容に応じた出力を行う抽出部103と、抽出部103によって抽出されたデジタルデータがそれぞれ入力されて、それぞれオーディオ信号、ビデオ信号、データ信号を生成するオーディオデコーダ104、ビデオデコーダ105、及びデータデコーダ106と、GPS(Global Positioning System)により送出される信号に基づいて位置を検出するGPS受信部107と、トランスポートストリームに含まれるPSI/SI情報を保持するメモリ108と、当該受信装置100の各部に対する制御を行うシステムコントローラ109と、ユーザからの操作入力がされる操作入力部111と、ユーザにデータ等の表示を行う表示部112とを備える。
【0109】
復調部101は、受信アンテナ120から入力された放送信号に対して、デジタル復調処理を施す。
【0110】
復号化部102は、復調部101でデジタル復調処理が施された信号に対して、デインターリーブ処理や誤り訂正処理などを行うことにより復号化し、トランスポートストリームを取り出す。
【0111】
抽出部103は、復号化部102から入力されたトランスポートストリーム中のTSパケットに記述されたPID(パケット識別番号)に基づいて、各TSパケットを抽出し、各々のTSパケットに含まれるデジタルデータが、オーディオ信号に属するものであるかビデオ信号に属するものであるかなどを判別して、各デジタルデータごとに、オーディオデコーダ104やビデオデコーダ105などに出力する。また、抽出部103は、トランスポートストリーム中に含まれるNIT、SDT、BAT等のPSI/SI情報を抽出して、このPSI/SI情報に含まれる各情報をシステムコントローラ109に出力する。
【0112】
オーディオデコーダ104、ビデオデコーダ105、及びデータデコーダ106は、それぞれ、抽出部103から入力されたデジタルデータに対して復号化処理を施すことにより、オーディオ信号、ビデオ信号、データ信号を生成する。
【0113】
なお、本発明においては、例えば、放送局から音声情報だけの音声放送を送信する場合には、受信装置100におけるビデオデコーダ105やデータデコーダ106を不要とすることができる。
【0114】
GPS受信部107は、GPS(Global Positioning System)により送出される信号を受信し、この信号に基づいて受信装置100の位置を検出する。受信装置100は、GPS受信部107を備えていることにより、当該受信装置100の位置を知ることができる。
【0115】
なお、受信装置100は、GPS受信部107を備えることに限定されるものではなく、受信位置を検出するために他の手段を備えるとしてもよい。このような手段としては、例えば、所定の地上放送局から送出される基準信号を受信して、この基準信号に基づいて現在位置を検出するとしてもよい。また、例えば、各種情報を操作入力可能な入力部を備え、この入力部から入力された現在位置の郵便番号、市外局番、都道府県名、サービスエリア名などに基づいて現在位置を判断するとしてもよい。
【0116】
メモリ108は、書き換え可能な各種半導体メモリにより構成することができ、例えば、受信装置100に対して着脱自在とされていてもよい。
【0117】
システムコントローラ109は、受信装置100の各部と各種信号のやりとりをすることによって、各部の動作を制御する。また、抽出部103から入力されたNIT、SDT、BAT等のPSI/SI情報に含まれる情報を抽出し、メモリ108に保持する。
【0118】
操作入力部111は、受信開始命令、サービスの切り替え命令、サービス番号の設定等、本受信装置に対する各種操作がユーザによりされるものである。
【0119】
表示部112は、例えば液晶表示装置等からなり、サービス番号の表示、サービス名、付加情報等のユーザに対してデータ等の表示を行う。
【0120】
つぎに、メモリ108上に構築されるデータベースについて説明をする。
【0121】
メモリ108上には、地上分配システムリスト、サービスリスト、さらに、各ブーケ種別毎のブーケリストがデータベースとして構築される。
【0122】
受信装置100のシステムコントローラ109は、抽出部103から入力されたNIT、SDTに基づき、図12及び図13に示すような地上分配システムリスト及びサービスリストを構築する。NITには、地上分配システム記述子、サービスリスト記述子が記述されており、これらを参照することにより、このような地上分配システムリスト及びサービスリストを構築することができる。この地上分配システムリスト及びサービスリストには、NITで伝送されるPSIに含まれる全てのサービスエリアで送信されているトランスポートストリームに関する情報が、各々のトランスポートストリームを識別する情報である「transport_stream_id」に基づいてテーブル化されている。ただし、受信装置のメモリ量の削減のため、必ずしも全ての情報を常に記憶保持しておく必要はない。
【0123】
例えば、「transport_stream_id」が「TS1」であるトランスポートストリームを受信するために必要となる「周波数」、「モード」、「ガードインターバル」、「エリアコード」といった情報は、この「transport_stream_id」に基づいて地上分配システムリストを参照することによって、それぞれ「×××MHz」、「10」、「11」、「101010010011」であると分かり、同様にして、「transport_stream_id」が「TS1」であるトランスポートストリームに含まれるサービス(プログラム)を特定するために必要となる「サービスID」や「サービスタイプ」などの情報は、サービスリストを参照することによって、それぞれ「サービス2」、「音声放送」であると分かる。
【0124】
従って、受信装置100は、地上分配システムリスト及びサービスリストを参照することによって、受信中のサービス(プログラム)から、他のサービス(プログラム)に受信を切り替えることが可能となる。
【0125】
なお、このサービスリスト及び地上分配システムリスト等の所定のサービス(プログラム)を受信するために必要となる物理的な条件やサービスの情報のリストを、以下、単にアクセスリストという。
【0126】
また、受信装置100のシステムコントローラ109は、図14に示すように、現在受信しているサービス(プログラム)が含まれるトランスポートストリームからBATを抽出し、各BATに記述された「サービスID」及び「TS−id」並びに必要に応じて「ネットワークID」をリスト化したブーケリストを構築する。このブーケリストは、ブーケ種別毎にリストを構築される。例えば、代替関係ブーケリスト、サイマル放送ブーケリストといったように、ブーケ種別が識別できるようにリストを構築する。
【0127】
このようにブーケリストを構築することにより、現在受信しているサービス(プログラム)から、ブーケにより関連づけられた他のサービス(プログラム)やトランスポートストリームを認識することができ、例えば、ブーケ関係にあるサービスを切り換える場合には、これらのリストを参照することにより、早急に切り換えを行うことができる。
【0128】
例えば、サービスエリアを越えたため、隣接サービスエリアの代替関係にあるサービスを受信する場合には、ブーケ種別が代替関係とされたブーケリストを参照し、サービスIDとTS−idを抽出する。続いて、移動先のエリアコードが一致するトランスポートストリームをアクセスリストから検索し、そこから、周波数、モード、ガードインターバルを抽出して、受信を開始する。
【0129】
系列局、同一事業者関係、サイマル放送関係にあるサービスを受信する場合も、代替関係と同様に処理を行い、受信を開始する。
【0130】
また、連結送信関係については、次のように処理がされる。
【0131】
受信中のサービス(プログラム)から、他のサービス(プログラム)への受信切り換え操作がされると、システムコントローラ109は、まず、メモリ108上に構築されている連結送信関係のブーケリストを参照する。ここで、切り換え先のトランスポートストリームがブーケリストに示されていない場合には、通常の受信開始処理を行う。それに対して、切り換え先のトランスポートストリームがブーケリストに示されている場合には、復調時における同期動作を保持したまま、チャンネルの切換を行うようにする。
【0132】
なお、ブーケは、各サービス(プログラム)やトランスポートストリームに対して全てのブーケ種別が常に定義されているというわけではないので、ブーケが存在しないブーケ種別に対しては、ブーケリストを構築しなくてもよい。例えば、系列局が存在しない独立局から放送されたサービス(プログラム)であれば、系列局関係のブーケリストは構築せず、また、連結送信されていない場合には、連結送信関係のブーケリストは構築しない。
【0133】
また、サービス(プログラム)毎にブーケは異なっているため、サービス(プログラム)の切り換えがあった場合には、ブーケリストの更新処理を行うようにする。
【0134】
つぎに、図15に受信装置100の外観構成を示す。
【0135】
本受信装置100は、操作入力部111を用いて、サービスエリア、送出マスター、サービスの階層で希望サービス(プログラム)を選択することができるとともに、サービス(プログラム)の番号を直接入力して希望サービス(プログラム)を選択できる。また、本受信装置100は、サービスエリア移動時に、代替サービス、系列局を選択することができ、また、受信しているサービスが受信困難となったときにサイマル放送を選択することができる。
【0136】
また、本受信装置100は、受信すべきサービス(プログラム)が不明である場合には受信可能なサービス(プログラム)をサーチする機能を有しており、サーチを指示するボタンによってサーチが実行される。
【0137】
表示部112は、エリア名、送出マスター名、サービス名、サービス付加情報の他、受信周波数やEPGに必要な情報の表示を行う表示領域を有している。
【0138】
操作入力部111には、チャンネル(送出マスター)選択ボタン121と、サービス選択ボタン122と、エリア選択ボタン123と、機能ボタン124と、数値ボタン125と、代替放送選択ボタン126と、系列選択ボタン127と、サイマル放送選択ボタン128とが設けられている。
【0139】
チャンネル選択ボタン121は、現在選択されているサービスエリア内のチャンネル(送出マスター)を選択するために設けられている。
【0140】
サービス選択ボタン122は、現在選択されているチャンネル(送出マスター)内のサービス(プログラム)を選択するために設けられている。
【0141】
エリア選択ボタン123は、本受信装置100が属するサービスエリアを選択するために設けられている。また、チャンネル選択ボタン123の個数の制限のため、同一サービスエリア内の選択ボタンの数で表示できないチャンネル群を切り替える用途でも使用する。
【0142】
機能ボタン124としては、Bボタン、Fボタン、Pボタン、Sボタンの各種機能ボタンがある。
【0143】
Bボタンは、地上DTV放送バンドと地上D音声放送バンドとを切り替えるボタンである。
【0144】
Fボタンは、周波数を直接入力してチャンネル(送出マスター)を選択する場合に周波数入力の開始を指示するためのボタンである。
【0145】
Pボタンは、サービス(プログラム)を直接入力してサービス(プログラム)を選択する場合にサービス(プログラム)入力の開始を指示するためのボタンである。
【0146】
Sボタンは、受信可能な周波数をサーチする場合にサーチの開始を指示するためのボタンである。
【0147】
数値ボタン125は、数値入力を行うための数値入力ボタンである。
【0148】
代替放送選択ボタン126は、例えばサービスエリアを越えて移動したため受信中のサービスが受信困難となった場合に、移動先のサービスエリアで放送されている代替サービスを選択するためのボタンである。ユーザがこの代替放送ボタン126を押すと、システムコントローラ109がメモリ108上に構築されている代替関係のブーケリストを検索する。このブーケリストに移動先のサービスエリアに代替サービスがある場合には、サービスIDとTS−idとネットワークIDとを抽出する。そして、このサービスIDとTS−idとネットワークIDとに基づきさらにアクセスリストを検索し、そこから、周波数、モード、ガードインターバルを抽出して、受信を開始する。
【0149】
このように代替放送ボタン126を設けることによって、エリア越境時に、隣接サービスエリアで放送されている代替放送に容易に切り換えることができる。
例えば、移動受信中に視聴しているジャイアンツ対タイガースのナイター中継が受信困難となった場合に、移動先で放送されているジャイアンツ対タイガースのナイター中継に容易に切り換えることができる。
【0150】
また、代替が複数存在する場合には、代替放送選択ボタン126を押すごとに次の代替に切り換えるようにしてもよいし、代替のリストを表示して数値ボタン125又はチャンネル選択ボタン121で選択するようにしてもよい。
【0151】
系列選択ボタン127は、例えば自動車によるサービスエリアを地理的に連続的に移動した場合や引っ越しや旅行時など地理的に非連続に移動した場合なども含め、サービスエリアを移動した場合に、その移動先において、予め設定された系列局或いは自分がよく視聴する系列局等なんらかの形で設定されている系列局を選択するためのボタンである。ユーザがこの系列選択ボタン127を押すと、システムコントローラ109がメモリ108上に構築されている系列局関係のブーケリストを検索する。このブーケリストに移動先のサービスエリアに系列局サービスがある場合には、サービスIDとTS−idとネットワークIDとを抽出する。そして、このサービスIDとTS−idとネットワークIDに基づきさらにアクセスリストを検索し、そこから、周波数、モード、ガードインターバルを抽出して、受信を開始する。
【0152】
このように系列選択ボタン127を設けることによって、日本全国どこのサービスエリアに移動しても、設定されている系列局の放送を容易に受信することができる。例えば、日本全国どこに移動しても、例えばNHKの系列局は、番組ガイドやEPG等を参照せずとも、すぐにチャンネル設定がされて受信が開始できる。
【0153】
また、系列局が複数存在する場合には、系列選択ボタン127を押すごとに次の系列に切り換えるようにしてもよいし、系列のリストを表示して数値ボタン125又はチャンネル選択ボタン121で選択するようにしてもよい。
【0154】
サイマル放送ボタン128は、例えば建物のかげに入り現在受信しているサービス(プログラム)の受信が困難となったときに、同一の放送を行ってるサイマル放送を選択するためのボタンである。ユーザがこのサイマル放送ボタン128を押すと、システムコントローラ109がメモリ108上に構築されているサイマル放送関係のブーケリストを検索する。このブーケリストにサイマル放送がある場合には、サービスIDとTS−idとネットワークIDとを抽出する。そして、このサービスIDとTS−idとネットワークIDとに基づきさらにアクセスリスト(或いは、衛星放送にサイマル放送がある場合には衛星分配システムリスト等)を検索し、そこから、周波数、モード、ガードインターバルなどの受信条件を抽出して、受信を開始する。
【0155】
また、サイマル放送が複数存在する場合には、サイマル放送ボタン128を押すごとに次の系列に切り換えるようにしてもよいし、サイマル放送のリストを表示して数値ボタン125又はチャンネル選択ボタン121で選択するようにしてもよい。
【0156】
次に、特定のサービスを選択する処理手順を説明する。
【0157】
まず、エリアボタン123により受信装置100が属するサービスエリアを選択する。選択されたサービスエリアに属するチャンネル群が表示部122に表示される。希望するチャンネルが表示されない場合にはさらにエリアボタン123により希望するチャンネルが表示されるまで試行する。
【0158】
表示部2に希望するチャンネル(送出マスター)が表示されたら、この表示に対応するチャンネル選択ボタン121により希望するチャンネルを選択する。希望するチャンネルが選択されると選択されたチャンネルに含まれる特定のサービスが提示される。ここで、提示とは音声の出力、画像の出力、データのデコードと表示あるいは音声出力、端子からの出力を意味する。また、特定のサービスとは、前回同じチャンネルが選択されたときに提示されていたサービス、或いは、当該チャンネルのPMTで最初に配置されるサービス(プログラム)、あるいは、運用などで予め定められたサービス等を示す。
【0159】
チャンネル選択により希望するサービス(プログラム)が提示されていない場合は、サービス選択ボタン122により希望するサービスを選択する。このサービス選択ボタン122は、PMTに列挙されるサービス群の中で巡回的に正・逆方向にサービスの選択を行う。
【0160】
次に、直接受信周波数を入力するサービス選択処理手順について説明する。
【0161】
まず、Fボタンにより周波数入力開始の指示をし、数値ボタン125により直接周波数を指定する。指定された周波数でサービスが行われている場合、NITに記述されたエリアコード(area_code)より受信装置100が属するサービスエリアを特定する。それと同時に表示部112に特定したサービスエリア名、送出マスター名等を表示する。続いて、前項と同様にチャンネル内サービス(プログラム)の選択を行う。
【0162】
次に、直接サービス(プログラム)を入力するサービス選択処理手順について説明する。
【0163】
まず、Pボタンによりサービス入力開始の指示をし、数値ボタン125により直接サービス(プログラム)番号を指定する。サービス(プログラム)番号が受信装置100内のメモリ108に構築されているデータベースに存在する場合は、そこから周波数を抽出してチャンネル選局を行うとともに、指定されたサービス(プログラム)番号が選択されるようにトランスポートストリームに対する処理を行う。このとき、表示部112にサービスエリア名、送出マスター名等を表示するが、表示するための情報は、受信装置100内のメモリ108に構築されているデータベースから抽出してもよいし、新たに受信信号から抽出してもよい。
【0164】
なお、この受信装置100の構成は、それぞれの段階における処理と装置のボタンの関係を簡潔に説明するために示したものであり、複数の機能を実現したいわゆるマルチファンクションボタンやマルチスクリーンを用いて構成しても差し支えない。
【0165】
つぎに、系列局に関する情報のデータベースの構成例を示す。
【0166】
メモリ108には、受信装置100が現在位置するサービスエリアで配信されているサービス(プログラム)が受信できるように、当該サービスエリアで配信されているサービスが含まれるアクセスリストを記憶しておく。さらに、移動受信を考えた場合、理想的には、他のサービスエリアに対するアクセスリストが記憶されていることが望ましい。
【0167】
しかしながら、他のサービスエリアに対するアクセスリストをメモリ108上に記憶しておくと、記憶容量に無駄が生じる。
【0168】
従って、例えば図16に示すように、受信装置100が現在位置するサービスエリアで配信されているサービス(プログラム)に対するアクセスリスト、並びに、デフォルトとして登録してある系列局に対してはサービスエリアに対するアクセスリストをメモリ108上に記憶しておく。
【0169】
このように系列局に関するアクセスリストをメモリ108上に格納しておくことにより、サービスエリアの移動時に以下のように処理を行うことができる。
【0170】
例えば、受信装置100は、移動前にはサービスエリア2に位置しており、系列局2の放送を受信していたとする。この場合、サービスエリア2で配信されているサービスに関するアクセスリストと、デフォルトの系列局(この場合系列局2)のサービスエリア(エリア1,2,3・・・)のアクセスリストがメモリ102に記憶されている。ここで、受信装置100がサービスエリア2からサービスエリアXにエリアを越えて移動したとする。この場合、移動前のサービスエリア2のアクセスリストはもう使用することができない。そこで、まず、サービスエリアXのエリアコードを何らかの手段で入力し(例えばGPS等により自動入力をするようにしてもよい。)、アクセスリストからデフォルトに設定されている系列局2の情報(周波数チャンネル、ガードインターバル、TS−id等)を取得し、その系列局2の受信を行う。さらに、デフォルトに設定されている系列局2の放送波から、系列局2の放送波でそのサービスエリアXで放送されている他局の情報も送信されていれば、その移動先のサービスエリアXで放送されている他局の情報も取得し、新たにサービスエリアXで配信されるサービスに関するアクセスリストに更新する。
【0171】
このように所定の系列局に関してサービスエリアのアクセスリストを構築しておくことにより、最小限のメモリ容量でアクセスリストを構築することができ、さらに、移動後もすぐに移動先のサービスエリアで配信されているサービス(プログラム)に関する情報を取得することができるようになる。
【0172】
また、受信装置にこのような処理をさせることにより、放送するNITやSDT等のPSI/SIを最低限の伝送量とすることができ、伝送効率を高くすることができる。また、各放送局が同じサービスエリアの多局に関する情報を送信することにより、いわゆるポータル局としての機能を有することができる。
【0173】
なお、デフォルトとして登録しておく系列局は、現在視聴している系列局でもよいし、受信装置100の視聴者がよく利用する系列局であってもよいし、国営放送等のサービスエリアに亘って必ず配信がされている系列局でもよい。
【0174】
以上、ブーケにより複数のサービス(プログラム)やトランスポートストリームの集合を識別する例について説明したが、サイマル放送関係や連結送信関係については、つぎに示すようなサイマル放送記述子、連結送信記述子を新たに規定して、サービス(プログラム)やトランスポートストリームの集合を識別するようにしてもよい。
【0175】
以下、これらの記述子について説明をする。
【0176】
(サイマル放送記述子)
サイマル放送記述子[simul_broadcasting_descriptor()]は、サイマル放送されるサービスを列挙することができる記述子である。このサイマル放送記述子[simul_broadcasting_descriptor()]は、後述するNIT(Network Information Table)、SDT(Service Description Table)又はEIT(Event Information Table)に記述され、これらのテーブルで定義されているサービス(プログラム)又はイベントに対するサイマル放送を指定することができる。
【0177】
図17にサイマル放送記述子[simul_broadcasting_descriptor()]のデータ構造を示す。
【0178】
[descriptor_tag]は、本記述子を他の識別子と識別するタグである。
[descriptor_length]は、この直後に続くデータ部分の全バイト長を示す。
[transport_stream_id]は、サイマル放送が含まれているトランスポートストリームIDを識別するIDである。
[original_network_id]は、サイマル放送が含まれているトランスポートストリームの元のネットワークのネットワークIDを示す。
[service_id]は、サイマル放送となるサービス(プログラム)を識別するIDである。
【0179】
NITに記述する場合、第1記述子ループ又は第2記述子ループに記述する。
【0180】
第1記述子ループに記述する場合、2つ以上のネットワークで全く同一の番組又は番組群を放送している場合に適用する。
【0181】
第2の記述子ループに記述する場合、2つ以上のトランスポートストリームで全く同一の番組又は番組群を放送している場合に適用する。
【0182】
図18にSDT(Service Description Table)のデータ構造を示す。
【0183】
SDTは、特定のトランスポートストリームに含まれるサービスを定義するテーブルである。
【0184】
[table_id]は、このサービス記述セクションが何を示すセクションであるかを示す、自ネットワークのSDTである場合には「0x42」なる値が、他ネットワークのSDTである場合には「0x46」なる値が記述される。
[section_syntax_indicator]は、セクションシンタクス指示を示す。その値は常に「1」とされる。
[section_length]は、セクション長フィールドの直後からCRC(Cyclic Redundancy Check)を含むセクションの最後までのセクションのバイト数を規定する。
【0185】
[reserved_future_use]は、将来のなんらかの情報を規定できるようしたリザーブ拡張領域である。
[reserved]は、リザーブ領域である。
[transport_stream_id]は、このSDTで定義されるサービスが含まれているトランスポートストリームを識別するIDである。
[version_number]は、サブテーブルのバージョン番号を示す。
[current_next_indicator]は、この値が「1」である場合に、サブテーブルが現在のサブテーブルであることを示し、「0」である場合に、送られるサブテーブルはまだ適用されず、次のサブテーブルを使用することを示す。
【0186】
[section_number]は、セクションの番号を示す、サブテーブル中の最初のセクションである場合に「0x00」なる値となる。このセクション番号は、同一の[table_id]と[transport_stream_id]と[network_id]とを有するセクションの追加ごとに値が「1」ずつ加算される。
[last_section_number]は、サブテーブルの中の最後のセクションのセクション番号を示す。
【0187】
[original_network_id]は、元のネットワークの[network_id]を示す。
サービスループ内において、[service_id]は、他のサービスから当該サービスを識別するためのIDである。
[EIT_schedule_flag]は、この値が「1」である場合にはそのサービスのEIT(スケジュール)情報が現在のトランスポートストリーム内にあることを示し、「0」である場合にはそのサービスのEIT(スケジュール)情報が現在のトランスポートストリーム内に存在しないことを示す。
【0188】
[EIT_present_following_flag]は、この値が「1」である場合にはそのサービスのEIT(現在/次)情報が現在のトランスポートストリーム内にあることを示し、「0」である場合にはそのサービスのEIT(現在/次)情報が現在のトランスポートストリーム内に存在しないことを示す。 [running_status]は、非実行中、数秒以内に開始、停止中、実行中等のそのサービスに対する状態を示す。
【0189】
[free_CA_mode]は、その値が「0」の場合はそのサービスがスクランブルされていないことを示し、その値が「1」の場合はそのサービスがCAシステムにより制御されていることを示す。
[descriptor_length]は、以下に続く記述子(descripter()のこと)のループの全バイト数を示す。そして、この [descripter()]に、上述したサイマル放送記述子[simul_broadcasting_descriptor()]が記述され、サービスIDとサイマル放送の対応関係が確立される。
【0190】
図19にEIT(Event Information Table)のデータ構造を示す。
【0191】
EITは、各サービス内に含まれているイベントに関する時系列情報を示すテーブルである。
【0192】
[table_id]は、このサービス記述セクションが何を示すセクションであるかを示す。
自トランスポートストリームの現在/次のイベント情報である場合には、「0x4E」が記述される。他トランスポートストリームの現在/次のイベント情報である場合には、「0x4F」が記述される。自トランスポートストリームのイベントのスケジュール情報である場合には、「0x50〜0x5F」が記述される。他トランスポートストリームのイベントのスケジュール情報である場合には、「0x60〜0x6F」が記述される。
【0193】
[section_syntax_indicator]は、セクションシンタクス指示を示す。その値は常に「1」とされる。
[section_length]は、セクション長フィールドの直後からCRC(Cyclic Redundancy Check)を含むセクションの最後までのセクションのバイト数を規定する。
[reserved_future_use]は、将来のなんらかの情報を規定できるようしたリザーブ拡張領域である。
[reserved]は、リザーブ領域である。
[service_id]は、このEITで記述されるイベントが含まれているサービスを識別するためのIDである。
[version_number]は、サブテーブルのバージョン番号を示す。
【0194】
[current_next_indicator]は、この値が「1」である場合に、サブテーブルが現在のサブテーブルであることを示し、「0」である場合に、送られるサブテーブルはまだ適用されず、次のサブテーブルを使用することを示す。
【0195】
[section_number]は、セクションの番号を示す。サブテーブル中の最初のセクションである場合に「0x00」なる値となる。このセクション番号は、同一の[table_id]と[transport_stream_id]と[network_id]とを有するセクションの追加ごとに値が「1」ずつ加算される。
[last_section_number]は、サブテーブルの中の最後のセクションのセクション番号を示す。
[transport_stream_id]は、このEITDTで定義されるイベントが含まれているトランスポートストリームを識別するIDである。
【0196】
[original_network_id]は、元のネットワークの[network_id]を示す。
[segment_last_section_number]は、サブテーブルのこのセグメントの最後のセクションの番号を規定する。
【0197】
[last_table_id]は、使用されているテーブルを識別するテーブルIDを示す。
イベントループ内において、[event_id]は、他のイベントから当該イベントをユニークに識別するためのIDである。
[start_time]は、イベントの開始時間を示す。
[duration]は、イベントの継続時間を示す。
[running_status]は、非実行中、数秒以内に開始、停止中、実行中等のそのサービスに対する状態を示す。
[free_CA_mode]は、その値が「0」の場合はそのイベントがスクランブルされていないことを示し、その値が「1」の場合はそのイベントがCAシステムにより制御されていることを示す。
[descriptor_length]は、以下に続く記述子(descripter()のこと)のループの全バイト数を示す。
【0198】
そして、 [descripter()]に、上述したサイマル放送記述子[simul_broadcasting_descriptor()]が記述され、イベントIDとサイマル放送の対応関係が確立される。
【0199】
このようにサイマル放送記述子をNITやSDTやEIT規定することにより、受信装置では、受信しているサービス(プログラム)、或いはイベントのサイマル放送のサービスリストを作成することができる。サイマル放送のサービスリストには、サイマル放送となるサービスを指定するサービスID[service_id]、そのサービスが含まれているトランスポートストリームID[transport_stream_id]、サイマル放送がされるネットワークのネットワークID[network_id]を含んで作成する。また、受信装置は、サイマル放送へのチャンネル切り換えを行う場合には、このサイマル放送のサービスリストに含まれない例えば周波数、モード、ガードインターバル等の情報を、他NITから抽出する。
【0200】
(連結送信記述子)
日本において採用される地上デジタル音声放送方式であるISDB-Tnでは、変調方式にOFDM方式を採用しており、図20に示すように、MPEG−2Systemsで規定されるトランスポートパケット(TSP)複数個から構成されるデータのグループ単位(以下、データセグメントと呼ぶ。)で送信データが構成される。さらに、このデータセグメントにパイロット信号(SP[Scattered Pilot],CP[Continual Pilot],TMCC[transmission and Multiplexing Configuration Control],AC[Auxiliary Channel])を付加したOFDMブロック(以下、OFDMセグメントと呼ぶ。)を1又は3個周波数方向に組み合わせて送信する。1つのOFDMセグメントは、帯域幅が6/14MHzとなる。1つのOFDMセグメントを送信する形式を1セグメント形式、3つのOFDMセグメントを送信する形式を3セグメント形式と呼ぶ。
【0201】
3セグメント形式では、周波数方向の中央部の1つのOFDMセグメントと、隣接する2つのOFDMセグメントで、伝送特性の異なる2つの階層を同時に伝送階層伝送が可能である。各階層は、階層毎にキャリア変調方式、内符号の符号化率、時間インタリーブ長等のパラメータを指定することが可能である。なお、中央部のOFDMセグメントについては、周波数インタリーブをセグメント内のみで行うこととし、1セグメント形式を受信する受信装置により部分受信が可能となっている。3セグメント形式の場合、中央部分をA階層といい、中央に隣接する2つのOFDMセグメントをB階層という。また、1セグメント形式は、A階層のみである。
【0202】
また、このOFDMセグメントは、地上デジタルテレビジョン放送方式であるISDB-Twと相互運用が図られるように規定されている。ISDB-Twでは、13個のOFDMセグメントで1チャンネルを構成しており、さらに階層が、A、B、Cの3階層構成となっている。
【0203】
上述したようにISDB-Tnでは、階層構造が採用され、各階層毎にキャリア変調方式を指定することができる。
【0204】
ここで、そのセグメントが差動変調方式(DQPSK)で変調されているか或いは同期変調方式(QPSK,16QAM,64QAM)で変調されているかを示すセグメント形式識別、また、そのセグメントが1セグメント形式であるか3セグメント形式であるかを識別する形式識別フラグ等の復調時に必要となる各種伝送パラメータは、TMCC信号に含めて伝送される。
【0205】
このTMCC信号は、各放送波毎に個別に送信されるので、実際の放送波を受信しなければ復元することができない。すなわち、実際にチャンネルを切り換えてその放送波を受信しなければ、そのチャンネルに含まれている伝送パラメータを復元することができない。もっとも、どのような伝送パラメータに対しても、固定的に定義されるTMCCキャリアが存在するため、予めセグメント形式識別や形式識別フラグ等の情報がなくとも原理的にはTMCC信号の復元は可能である。しかしながら、劣悪な伝送路状態を想定した場合には復調動作が不安定になったり、TMCC信号の復元までに時間がかかる虞がある。
【0206】
また、ISDB-Tnでは、複数のチャンネルに伝送するOFDM伝送信号を直交性を保った状態で周波数方向に多重化して送信するという、連結送信が規定されている。このような連結送信をすると、チャンネル間のガードバンドを設けなくてもよいため、周波数帯域の利用効率が高くなる。
【0207】
ここで、受信をしているセグメントが同期変調方式の場合、受信装置ではSP信号を用いて伝送路の伝送特性を推定して波形等化処理を行うことができるが、各セグメント毎にSP信号が挿入されているので、通常そのセグメント内のSP信号のみを用いて波形等化処理が行われる。
【0208】
ところが、そのセグメントと、連結送信がされた上隣接セグメント(高周波側の隣接セグメント)或いは下隣接セグメント(低周波側の隣接セグメント)が存在する場合、当該セグメントを受信中に上下隣接のSP信号を利用することができる。このように上隣接セグメント或いは下隣接セグメントのSP信号を利用すると、伝送路特性を推定する際の補間特性がよくなり、より正確に伝送路特性を推定することができる。
【0209】
しかしながら、上隣接セグメントが存在するか或いは下隣接セグメントが存在するか、或いは、それらが同期変調方式か差動変調方式かという情報は、実際にそのセグメントの放送波を受信しなければ得ることはできない。
【0210】
また、受信側では、このような互いに連結送信がされたセグメント間でチャンネル切り替えを行う場合には、各種伝送パラメータや制御タイミングがセグメント間で同期が取られているので、再度復調のための同期の引き込み動作を簡略化でき、同期動作をチャンネル間で連続的に行うことができる。そのため、連結送信で結合されたチャンネル間でのチャンネル切換を行う場合には、チャンネル変更時間が短くなる。
【0211】
しかしながら、自分のセグメントと切り換え先のセグメントとが連結送信されているかどうかは、切り換え前にはわからない。
【0212】
そこで、本発明では、連結送信記述子を以下のように新たに規定し、さらに、ARIB STD-B10により規定されている地上分配システム記述子を以下のように拡張することとした。
【0213】
図21に連結送信記述子[connected_transmission_descriptor()]のデータ構造を示す。
【0214】
連結送信記述子[connected_transmission_descriptor()]は、そのトランスポートストリームと連結送信がされるトランスポートストリームを列挙することができる記述子である。この連結送信記述子[connected_transmission_descriptor()]は、自ネットワークのNITのTSループ内に記述される。
【0215】
[descriptor_tag]は、本記述子を他の識別子と識別するタグである。
[descriptor_length]は、以下に続くループ([for(i=0;<N;i++){ 〜 }]のループのこと)の全バイト数を示す。
ループ[for(i=0;<N;i++){ 〜 }]内には、[original_network_id]及び[transport_stream_id]が記述される。
[original_network_id]は、連結送信がされているトランスポートストリームの元のネットワークのネットワークIDを示す。
[transport_stream_id]は、連結送信がされているトランスポートストリームIDを識別するIDである。
【0216】
図22に拡張した地上分配システム記述子[terrestrial_delivery_system_descriptor()]のデータ構造を示す。
【0217】
地上分配システム記述子[terrestrial_delivery_system_descriptor()]は、地上伝送路の物理的条件を示す記述子である。この地上分配システム記述子は、NITのTSループ内に記述される。
【0218】
[descriptor_tag]は、本記述子を他の識別子と識別するタグである。
[descriptor_length]は、以下に続くデータの全バイト数を示す。
[area_code]は、当該トランスポートストリームが送信されるサービスエリアを示す。この[area_code]は、図23に示すように、16ビットに拡張している。
[guard_interval]は、当該トランスポートストリームのガードインターバルを示す。
【0219】
[transmission_mode]は、当該トランスポートストリームのモード情報を示す。
【0220】
[segment_type]は、1セグメント方式であるか、3セグメント方式であるかの形式識別をする1ビットの情報である。例えば、図23に示すように、1セグメント方式であれば「0」が記述され、3セグメント方式であれば「1」が記述される。この[segment_type]は、ARIB STD B-10に規定されていない新たな情報である。
【0221】
[modulation_type_A]は、A階層のセグメント形式が同期変調方式か、差動変調方式かを示す1ビットのセグメント形式識別情報である。例えば、図23に示すようにA階層が同期変調方式であれば「0」が記述され、差動変調方式であれば「1」が記述される。この[modulation_type_A]は、ARIB STD B-10に規定されていない新たな情報である。
【0222】
[modulation_type_B]は、B階層のセグメント形式が同期変調方式か、差動変調方式かを示す1ビットのセグメント形式識別情報である。例えば、図23に示すようにB階層が同期変調方式であれば「0」が記述され、差動変調方式であれば「1」が記述される。この[modulation_type_B]は、ARIB STD B-10に規定されていない新たな情報である。
【0223】
[modulation_type_C]は、C階層のセグメント形式が同期変調方式か、差動変調方式かを示す1ビットのセグメント形式識別情報である。例えば、図23に示すようにC階層が同期変調方式であれば「0」が記述され、差動変調方式であれば「1」が記述される。この[modulation_type_C]は、ARIB STD B-10に規定されていない新たな情報である。
【0224】
[frequency]は、当該トランスポートストリームが送信される周波数を示す識別子である。
【0225】
図24に、以上のような連結送信記述子及び拡張した地上分配システム記述子が記述されるNITのデータ構造を示す。
【0226】
このISDB-Tnシステムでは、上述したCSデジタル放送やBSデジタル放送と同様に、MPEG−2Systemsにおいて個別定義とされているNITを配信することが規定されている。すなわち、ISDB-Tnシステムを構築する上でも、やはりネットワークという概念を導入し、分配システム記述子によってネットワークに属するトランスポートストリームに関する周波数情報や伝送パラメータ等、放送信号そのものに関する情報を伝送するようになされている。
【0227】
NIT(Network Information Table)は、ネットワークにより運ばれるトランスポートストリームの物理構成に関する情報、及び、ネットワーク自身の特性を示すテーブルである。NITには、自己のネットワーク情報を示すNIT、他のネットワークの情報を示すNITがある。
【0228】
[table_id]は、このネットワーク情報セクションが何を示すセクションであるかを示す識別子であり、自ネットワークのNITである場合には「0x40」なる値が、他ネットワークのNITである場合には「0x41」なる値が記述される。上述した連結送信記述子は、自ネットワークに関するNITに含められることとなる。
【0229】
[section_syntax_indicator]は、セクションシンタクス指示を示す識別子であり、その値は常に「1」とされる。
【0230】
[reserved_future_use]は、将来のなんらかの情報を規定できるようしたリザーブ拡張領域である。
[reserved]は、リザーブ領域である。
[section_length]は、セクション長フィールドの直後からCRC(Cyclic Redundancy Check)を含むセクションの最後までのセクションのバイト数を規定する。
[network_id]は、NITが示すネットワークを識別するためのIDである。
[version_number]は、サブテーブルのバージョン番号を示す。
【0231】
[current_next_indicator]は、この値が「1」である場合に、サブテーブルが現在のサブテーブルであることを示し、「0」である場合に、送られるサブテーブルはまだ適用されず、次のサブテーブルを使用することを示す識別子である。
【0232】
[section_number]は、セクションの番号を示す。サブテーブル中の最初のセクションである場合に「0x00」なる値となる。このセクション番号は、同一の[table_id]と[network_id]とを有するセクションの追加ごとに値が「1」ずつ加算される。
【0233】
[last_section_number]は、そのセクションが属するサブテーブルの最後のセクション、すなわち最大のセクション番号を有するセクションの番号を示す。
[network_descriptor_length]は、以下に続くネットワーク記述子(descripter()のこと)のループの全バイト数を示す。ループ内には、ネットワーク記述子descripter()が記述される。
[transport_stream_loop_length]は、CRCの最初のバイトの直前に終わるトランスポートストリームループの全バイト数を示す。
【0234】
そして、以下TSループが記述される。
TSループ内の[transport_stream_id]は、このトランスポートストリームを分配システム内の他の多重から識別するためのIDである。
[original_network_id]は、元のネットワークの[network_id]を示すIDである。
【0235】
[transport_descriptor_length]は、以下に続くトランスポート記述子(descripter()のこと)のループの全バイト数を示す識別子である。このトランスポート記述子内に、連結送信記述子[connected_transmission_descriptor()]及び拡張した地上分配システム記述子[terrestrial_delivery_system_descriptor()]が記述されることとなる。
【0236】
[CRC_32]は、CRCを示し、セクション全体を処理した後にレジスタ出力が「0」となるようなCRC値を含むエラーコードである。
【0237】
以上のようにNITに連結送信記述子及び拡張した地上分配システム記述子を記述することにより、受信装置側では、現在受信してるトランスポートストリームに、上隣接セグメントが存在するか或いは下隣接セグメントが存在するか、或いは、それらが同期変調方式か差動変調方式かという情報を得ることができる。
【0238】
また、チャンネル切り換えを行う場合、現在のセグメントと、切り換え先のセグメントとが連結送信されているかどうか知ることができる。
【0239】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、MPEG−2Systemsに規定されたトランスポートストリームを放送信号として適用したデジタル放送送受信システムにおいて、関連づけされた複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークをブーケとしてグループ化し、その関連づけの内容をブーケ種別として識別するブーケ識別情報を作成して、上記デジタル放送送受信システムに定められた各ブーケをユニークに識別するブーケIDに上記ブーケ識別情報を記述し、上記ブーケ識別情報を記述したブーケIDをブーケに付与し、上記ブーケ識別情報を記述したブーケIDを含むトランスポートストリームを送信することにより、なんらかの関係で関連づけされた複数のサービス及び/又はトランスポートストリームの集合を提供するにあたり、その関連を簡潔に識別し、有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるデジタル放送システムについて説明をするための図である。
【図2】BATのデータ構造を示す図である。
【図3】サービスリスト記述子のデータ構造を示す図である。
【図4】ブーケ名記述子のデータ構造を示す図である。
【図5】リンク記述子のデータ構造を示す図である。
【図6】拡張したリンク記述子のデータ構造を示す図である。
【図7】ブーケ種別記述子のデータ構造を示す図である。
【図8】ブーケ種別の一例を示す図である。
【図9】拡張したブーケ名記述子のデータ構造を示す図である。
【図10】ブーケIDのビット構造を示す図である。
【図11】上記デジタル放送システムで用いられる受信装置のブロック図である。
【図12】地上分配システムリストを示す図である。
【図13】サービスリストを示す図である。
【図14】ブーケリストを示す図である。
【図15】上記受信装置の外観構成を示す図である。
【図16】サービスエリアの系列局についての情報を格納したメモリイメージを示す図である。
【図17】サイマル放送記述子のデータ構造を示す図である。
【図18】SDTのデータ構造を示す図である。
【図19】EITのデータ構造を示す図である。
【図20】 ISDB-Tnで規定されたセグメント構造について説明する図である。
【図21】連結送信記述子のデータ構造を示す図である。
【図22】拡張した地上分配システム記述子のデータ構造を示す図である。
【図23】上記地上分配システム記述子に記述されるデータ内容について説明する図である。
【図24】NITのデータ構造を示す図である。
【符号の説明】
1 デジタル放送システム、10,20,30 放送局、10a,20a,30a サービスエリア、100 受信装置
Claims (21)
- MPEG−2Systemsに規定されたトランスポートストリームを放送信号として適用したデジタル放送送受信システムにおけるデジタル放送送信方法であって、
関連づけされた複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークをブーケとしてグループ化し、その関連づけの内容をブーケ種別として識別するブーケ識別情報を作成して、上記デジタル放送送受信システムに定められた各ブーケをユニークに識別するブーケIDに上記ブーケ識別情報を記述し、上記ブーケ識別情報を記述したブーケIDをブーケに付与するブーケID付与ステップと、
上記ブーケ識別情報を記述したブーケIDを含むトランスポートストリームを送信する送信ステップと
を有するデジタル放送送信方法。 - 上記ブーケID付与ステップでは、上記ブーケIDに、上記ブーケ種別を示すブーケ種別情報と、このブーケ種別内で各ブーケをユニークに識別するブーケ識別情報とを含めて記述することを特徴とする請求項1に記載のデジタル放送送信方法。
- 上記ブーケID付与ステップでは、記ブーケIDに、当該ブーケとしてグループ化されたサービス、トランスポートストリーム及びネットワークが放送される放送メディアを識別するメディア識別情報と、上記放送メディア内で各ブーケをユニークに識別するブーケ識別情報とを含めて記述することを特徴とする請求項1に記載のデジタル放送送信方法。
- 上記ブーケID付与ステップでは、上記ブーケIDには、当該ブーケとしてグループ化されたサービス、トランスポートストリーム及びネットワークが放送される放送メディアを識別するメディア識別情報と、この放送メディア内で上記ブーケ種別をユニークに識別するブーケ種別情報と、このブーケ種別内で各ブーケをユニークに識別するブーケ識別情報とを含めて記述することを特徴とする請求項1に記載のデジタル放送送信方法。
- 上記ブーケID付与ステップでは、任意のサービスエリアから他のサービスエリアに移動した場合におけるサービスの代替関係として関連づけされた複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークを、ブーケとしてグループ化し、上記ブーケとしてグループ化された複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークの関連づけの内容を示すブーケ種別を、任意のサービスエリアから他のサービスエリアに移動した場合におけるサービスの代替関係として定義することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のデジタル放送送信方法。
- 上記ブーケID付与ステップでは、放送信号の提供者が系列ネットを構成する系列局関係にあるとして関連づけされた複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークを、ブーケとしてグループ化し、上記ブーケとしてグループ化された複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークの関連づけの内容を示すブーケ種別を、放送信号の提供者が系列ネットを構成する系列局関係として定義することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のデジタル放送送信方法。
- 上記ブーケID付与ステップでは、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式における連結送信を行っている連結送信関係にあるとして関連づけされた複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークを、ブーケとしてグループ化し、上記ブーケとしてグループ化された複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークの関連づけの内容を示すブーケ種別を、OFDM方式における連結送信を行っている連結送信関係として定義することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のデジタル放送送信方法。
- 上記ブーケID付与ステップでは、同一の放送を行っているサイマル放送関係にあるとして関連づけされた複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークを、ブーケとしてグループ化し、上記ブーケとしてグループ化された複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークの関連づけの内容を示すブーケ種別を、同一の放送を行っているとして定義することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のデジタル放送送信方法。
- MPEG−2Systemsに規定されたトランスポートストリームを放送信号として適用したデジタル放送送受信システムにおけるデジタル放送送信装置であって、
関連づけされた複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークをブーケとしてグループ化し、その関連づけの内容をブーケ種別として識別するブーケ識別情報を作成して、上記デジタル放送送受信システムに定められた各ブーケをユニークに識別するブーケIDに上記ブーケ識別情報を記述し、上記ブーケ識別情報を記述したブーケIDをブーケに付与するブーケID付与手段と、
上記ブーケID付与手段により上記ブーケ識別情報を記述したブーケIDを含むトランスポートストリームを送信する送信手段と
を備えるデジタル放送送信装置。 - 上記ブーケID付与手段は、上記ブーケIDに、上記ブーケ種別を示すブーケ種別情報と、このブーケ種別内で各ブーケをユニークに識別するブーケ識別情報とを含めて記述することを特徴とする請求項9記載のデジタル放送送信装置。
- 上記ブーケID付与手段は、上記ブーケIDに、当該ブーケとしてグループ化されたサービス、トランスポートストリーム及びネットワークが放送される放送メディアを識別するメディア識別情報と、上記放送メディア内で各ブーケをユニークに識別するブーケ識別情報とを含めて記述することを特徴とする請求項9記載のデジタル放送送信装置。
- 上記ブーケID付与手段は、上記ブーケIDには、当該ブーケとしてグループ化されたサービス、トランスポートストリーム及びネットワークが放送される放送メディアを識別するメディア識別情報と、この放送メディア内で上記ブーケ種別をユニークに識別するブーケ種別情報と、このブーケ種別内で各ブーケをユニークに識別するブーケ識別情報とを含めて記述することを特徴とする請求項9記載のデジタル放送送信装置。
- 上記ブーケID付与手段は、任意のサービスエリアから他のサービスエリアに移動した場合におけるサービスの代替関係として関連づけされた複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークを、ブーケとしてグループ化し、上記ブーケとしてグループ化された複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークの関連づけの内容を示すブーケ種別を、任意のサービスエリアから他のサービスエリアに移動した場合におけるサービスの代替関係として定義することを特徴とする請求項9乃至12の何れか1項に記載のデジタル放送送信装置。
- 上記ブーケID付与手段は、放送信号の提供者が系列ネットを構成する系列局関係にあるとして関連づけされた複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークを、ブーケとしてグループ化し、上記ブーケとしてグループ化された複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークの関連づけの内容を示すブーケ種別を、放送信号の提供者が系列ネットを構成する系列局関係として定義することを特徴とする請求項9乃至12の何れか1項に記載のデジタル放送送信装置。
- 上記ブーケID付与手段は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式における連結送信を行っている連結送信関係にあるとして関連づけされた複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークを、ブーケとしてグループ化し、上記ブーケとしてグループ化された複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークの関連づけの内容を示すブーケ種別を、OFDM方式における連結送信を行っている連結送信関係として定義することを特徴とする請求項9乃至12の何れか1項に記載のデジタル放送送信装置。
- 上記ブーケID付与手段は、同一の放送を行っているサイマル放送関係にあるとして関連づけされた複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークを、ブーケとしてグループ化し、上記ブーケとしてグループ化された複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークの関連づけの内容を示すブーケ種別を、同一の放送を行っているとして定義することを特徴とする請求項9乃至12の何れか1項に記載のデジタル放送送信装置。
- MPEG−2Systemsに規定されたトランスポートストリームを放送信号として適用したデジタル放送送受信システムにおけるデジタル放送受信装置であって、
関連づけされた複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークがブーケとしてグループ化され、その関連づけの内容をブーケ種別として識別するブーケ識別情報が上記デジタル放送送受信システムに定められた各ブーケをユニークに識別するブーケIDに記述され、上記ブーケ識別情報が記述されたブーケIDがブーケに付与されて送信されてくる上記ブーケ識別情報が記述されたブーケIDを含むトランスポートストリームを受信する受信手段と、
上記受信手段による受信されるトランスポートストリームに含まれるブーケIDに記述された上記ブーケ識別情報に基づき、上記ブーケによりグループ化された複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークを、上記ブーケ種別毎に管理し、管理している上記ブーケ識別情報に基づき、受信するサービス、トランスポートストリーム又はネットワークを、上記ブーケ種別により示された関連づけの内容に応じて切り換えを行う制御手段と
を備えるデジタル放送受信装置。 - 上記受信手段は、任意のサービスエリアから他のサービスエリアに移動した場合におけるサービスの代替関係として関連づけされた複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークが、ブーケとしてグループ化され、上記ブーケとしてグループ化された複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークの関連づけの内容を示すブーケ種別情報が、任意のサービスエリアから他のサービスエリアに移動した場合におけるサービスの代替関係として定義されて記述されたブーケIDを含むトランスポートストリームを受信し、
上記制御手段は、上記ブーケ種別情報に基づき、受信している当該サービスと上記代替関係として関連づけられた複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークを管理し、管理している上記ブーケ種別情報に基づき、受信するサービス、トランスポートストリーム又はネットワークを、他のサービス、トランスポートストリーム又はネットワークに切り換えを行う
ことを特徴とする請求項17記載のデジタル放送受信装置。 - 上記受信手段は、放送信号の提供者が系列ネットを構成する系列局関係として関連づけされた複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークがブーケとしてグループ化され、そのブーケとしてグループ化された複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークを示すブーケ種別情報が記述されたブーケIDを含むトランスポートストリームを受信し、
上記制御手段は、上記ブーケ種別情報に基づき、受信している当該サービスと上記系列局関係として関連づけられた複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークを管理し、管理している上記ブーケ種別情報に基づき、受信するサービス、トランスポートストリーム又はネットワークを、他のサービス、トランスポートストリーム又はネットワークに切り換えを行う
ことを特徴とする請求項17記載のデジタル放送受信装置。 - 上記受信手段は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式における連結送信を行っている連結送信関係として関連づけされた複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークがブーケとしてグループ化され、そのブーケとしてグループ化された複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークを示すブーケ種別情報が記述されたブーケIDを含むトランスポートストリームを受信し、
上記制御手段は、上記ブーケ種別情報に基づき、受信している当該サービスと上記連結送信関係として関連づけられた複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークを管理し、管理している上記ブーケ種別情報に基づき、受信するサービス、トランスポートストリーム又はネットワークを、他のサービス、トランスポートストリーム又はネットワークに切り換えを行う
ことを特徴とする請求項17記載のデジタル放送受信装置。 - 上記受信手段は、同一の放送を行っているサイマル放送関係として関連づけされた複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークがブーケとしてグループ化され、そのブーケとしてグループ化された複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークを示すブーケ種別情報が記述されたブーケIDを含むトランスポートストリームを受信し、
上記制御手段は、上記ブーケ種別情報に基づき、受信している当該サービスと上記サイマル放送関係として関連づけられた複数のサービス、トランスポートストリーム及び/又はネットワークを管理し、管理している上記ブーケ種別情報に基づき、受信するサービス、トランスポートストリーム又はネットワークを、他のサービス、トランスポートストリーム又はネットワークに切り換えを行う
ことを特徴とする請求項17記載のデジタル放送受信装置。
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