JP4631054B2 - ウインドファームにおける発電電力平準化装置および方法 - Google Patents
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Description
いずれの方法も、定格風速からカットアウト風速までの領域では、発電機出力を一定に維持して出力電力変動を抑制することができるが、カットイン風速から定格風速までの領域では最大出力運転を行うため、風速変動に伴う出力変動に対する対策には十分でない。
また、風力発電機は非線形性が強いため直接にモデル化すると、極めて高次の式が必要になり、オンライン制御を実行するためには演算負荷が過大となり実用性が未だ十分ではない。
このようにして算出されるウインドファーム出力電力指令値は、風速分布に起因してウインドファーム最大出力電力が揺らいでも、殆どの期間でそれより大きくなるので制御が可能であり、また変動が小さくウインドファーム出力電力の平準化が達成できる。
このような補償を行うことにより、ウインドファーム出力電力が極めて平準化して安定化する。
GPCは、風力発電機出力電力と出力電力指令値との偏差を入力しパラメータを含む制御式をこの偏差に適用して制御補償指令値を算出し、これをサーボシステムの指令値に加えるために出力する。
パラメータ同定器は、風力発電機出力電力と出力電力指令値との偏差とGPCの出力を入力してこれらを変数とする評価関数を極値に近付けるようにGPCの制御式に含まれるパラメータを同定する。
本発明の方法によれば、風力発電機のピッチ角制御器に供給される指令値は平準化されるので、風力発電機の出力は穏やかな変動しか現れず、またウインドファーム全体の出力電力の状態も平準化して安定になる。
図1は本実施例に係るウインドファームシステムのブロック図、図2は本実施例を適用する風力発電システムのブロック図、図3はピッチ角制御装置を表すブロック図、図4は本実施例に用いる風車の出力特性図である。
図2は、風力発電システムにおいてよく用いられるピッチ角制御システムを表すブロック図である。風車と風車に直結する発電機1にピッチ角制御器2と油圧サーボ系3を備えた制御系が組まれて出力電力の平準化を図る。
総出力電力指令値Pgoと出力電力Pgの偏差eを求め、ピッチ角制御器2を通じてピッチ角指令値βCMDを求める。そして、ピッチ角指令値βCMDを油圧サーボ系3に供給すると油圧サーボ系3が風車の翼を操作してブレードのピッチ角βを変化させ、出力電力Pgの平準化を達成する。
(1) Pw=d1(β)+d2(β)Vw 2
ここで、V w は風速、d1(β),d2(β)はα11〜α24を定数として下式で表される。
d1(β)=α11+α12β+α13β2+α14β3
d2(β)=α21+α22β+α23β2+α24β3
誘導電動機のエネルギ損失を無視すれば、定常状態において風車の回転エネルギ出力Pwは出力電力Pgと等しくなる。
GPC10は、出力偏差e(k)を入力しパラメータを含む制御式に適用して制御補償指令値u2(k)を算出する。制御補償指令値u2(k)は、フィードバック制御系のピッチ角制御器2が算出する操作出力u1(k)に加算して、油圧サーボ系3に与えるピッチ角指令値βCMDとする。
(2) A(q-1)e(k)=q-kmB(q-1)u2(k)+ξ(k)/Δ
ここで、
A= 1+a1q-1+・・・・+anq-n
B=b0+b1q-1+・・・・+bmq-m
a1,・・・・,an、b0,b1,・・・・,bmはパラメータ、mとnはモデル次数である。
また、q-1はシフトオペレータ、kmはむだ時間、e(k)は発電機出力偏差、u2(k)は制御補償指令値、ξ(k) は平均値0分散σ2の白色雑音、Δ=1−q-1は差分演算子、kはサンプリング数である。
(3) J=E[Σj=1〜Ne2(k+j)+Σj=1〜NUλ2(j)Δu2 2(k+j−1)]
ここで、λ2(j)は重み係数、E[・]は期待値(空間平均)、Σj=1〜Nはj=1からNまでの積算を表す。
(4) 1=ΔA(q-1)Ej(q-1)+q-jFj(q-1)
ただし、
Ej(q-1)= 1+e1q-1+・・・・+ej-1q-(j-1)
Fj(q-1)=f0+f1q-1+・・・・+fnー1q-n
さらに、(5)式を解いて、Rj(q-1)とSj(q-1)を求める。
(5) Ej(q-1)B(q-1)=Rj(q-1)+q-jSj(q-1)
ただし、
Rj(q-1)=r0+r1q-1+・・・・+rj-1q-(j-1)
Sj(q-1)=s0+s1q-1+・・・・+smー1q-(m-1)
(6) Fp(q-1)e(k)+Gp(q-1)Δu(k)=0
ただし、係数多項式は以下の通りである。
Fp(q-1)=p1F1(q-1)+・・・+pNFN
Sp(q-1)=p1S1(q-1)+・・・+pNSN
Gp(q-1)=1+q-1Sp(q-1)
[p1,p2,・・・,pN]=[1,0,・・・,0](RTR+Λ2)-1RT
Λ2=diag{λ2(j)}
また、Rは下に表示する行列式で表わされる。
本実施例のウインドファームシステムは、上記説明した風力発電機を例えば10機など、複数備えて構成される。風力発電機の機台数をWN個とし、簡単のため、風力発電機は全て同じ容量を持つものとする。
図1は、本実施例のウインドファームシステムの構成を表わすブロック図である。本システムは、第1ブロック21、第2ブロック22、第3ブロック23の群、第4ブロック24の群、および、A演算回路31、B演算回路32、C演算回路33、D演算回路34からなる。
また、第3ブロック23群において、ウインドファーム出力電力偏差*eを各風力発電機に与えて風力発電機ごとに他の風力発電機に対して協調的な出力電力補償指令値Pgo-comを生成する。
各風力発電機の制御系は、出力電力指令値Pgo-baseに出力電力補償指令値Pgo-comを加えた総出力電力指令値Pgoを目標値として制御して、ウインドファーム出力電力*Pgの平準化を図る。
従来のピッチ角制御は、カットイン風速から定格風速の範囲内でピッチ角を固定して使用するので、風力発電機の出力が風速変動に応じて激しく変動する。
本実施例では、風力発電機のカットイン風速からカットアウト風速までの全動作領域においてピッチ角制御をして電力出力調整を可能とすることにより、ウインドファームの出力電力平準化を達成できるようにした。
まず、ウインドファームの最大出力電力*Pgo-maxを算出する。
各風力発電機の出力の近似値は(1)式より求まる。(1)式におけるd1,d2はピッチ角βの関数であるが、風速の値にかかわらずβが10°のときに風車の取得エネルギが最大になる。そこで、ピッチ角を10°に固定して得られる各発電機の最大出力電力Pgo-maxは、
(8) Pgo-max=d1+d2Vw 2
と表わすことができる。
ただし、実際の出力には、発電機の過出力防止のため1p.u.の制限を設けている。
(9) *Pgo-max=Σnum=1〜WNPgonum-max
ここで、numは風力発電機番号、WNはウインドファームにおける風力発電機の台数である。
演算は、第1ブロック21において行う。図1の第1ブロック21は、ウインドファーム全体の最大電力出力*Pgo-maxを算出する部分で、ウインドファーム最大出力演算回路である。風力発電機ごとに風速Vwに対応する最大出力電力Pgo-maxを算出して、機台全体の総和を取る。
(10) av( * P go−max )=∫(t=t−T〜t) *Pgo−maxdt/T
(11) *Pgo−σ=(∫(t=t−T〜t)(*Pgo−max−av( * P go−max ))2dt/T)1/2
ここで、av(F)は関数Fの平均、tは現在の時刻、Tは積分区間、∫(t=t−T〜t)[F]dtは関数Fのt−Tからtまでの積分を表わす。積分区間は過去から現在時刻までの区間である(T≦t)。
本実施例では、積分区間Tを10分とし、10分未満の期間は時間平均、10分経過後は風速統計量として普遍的な10分間平均を使用する。
(12) *Pgo=av( * P go−max )−*Pgo−σ
図1の第2ブロック22は、上記の手順に従ってウインドファーム出力電力指令値*Pgoを生成する部分である。なお、より適切な演算を行うためにウインドファーム標準偏差出力電力*Pgo−σに補正係数を掛けているが、この部分については、後に説明する。
ウインドファーム出力電力指令値*Pgoは、A演算回路31を通り機台数で分割して、各機に対する出力電力指令値Pgo−baseとして制御系に与えられる。
図5は、横軸に時間軸を取り、上段に適宜選択した3機の風力発電機に対する風速Vw、下段に(9)式によるウインドファーム最大出力電力値*Pgo−max、(10)式のウインドファーム平均出力電力av( * P go−max )、(12)式のウインドファーム出力電力指令値*Pgoの3種の出力電力値を表示したものである。
本実施例では、図3に示したように、一般化予測制御器(GPC:Generalized predictive controller)10とパラメータ同定器12で構成されるセルフチューニングレギュレータ(STR)を適用した補償制御器を付属させている。この場合、GPCの制御則が(3)式に示した通り、最大出力電力と総出力電力指令値の差である出力電力偏差eに大きく依存しているため、風力発電機においてフィードバック信号となる偏差eが大きいと制御システムが不安定になる。
ファジー推論は、If-then形式の言語表現で表わされたファジールールに基づく推論を用いて、操作対象の確定的なモデルを使わずに操作量を決めることができるので、特に複雑性または非線形性のために数式表現が困難な場合や、曖昧性を含む場合などに有効である。
(13) *Pgo’=av( * P go−max )−η(k)*Pgo−σ
図1のD演算回路34にはファジー演算回路I35が備えられており、ファジー演算回路Iで実施されるファジー推論によって、風速状況に応じて補正係数η(k)を調整し、急峻な風速変動に対応する。
図1において、D演算回路34を含む第2ブロック22がウインドファーム出力電力指令値*Pgoを生成するウインドファーム出力電力指令値演算回路である。
なお、ウインドファーム出力電力指令値*Pgoは、A演算回路31で、風力発電機の台数WNで割って、風力発電機毎に平準化された出力電力指令値Pgo-baseとして与えられる。
一般に、風速の度数分布は左右非対称で、度数の左側(弱風速側)に偏っていて、強風時でも短時間に風速が減少する可能性が高い。そこで、ファジールールの設定及びメンバシップ関数のパラメータは、ウインドファーム出力電力指令値の急激な減少を防止することを優先し、試行錯誤により決定した。
(14) Rule i: if *Vnew(k) is Lx and *ΔVw(k) is My, then η(k) is Zl
ここで、x=1,2,・・・,7;y=1,2,・・・,7;z=1,2,・・・,7、LxとMyは前件部(ifクローズ)関数のファジー集合、Zlは後件部(thenクローズ)関数のファジー集合を示す。
(15) η(k)=Σ(i=1〜49)ωiZl/Σ(i=1〜49)ωi
ここで、ωiはrule iの前件部適合度で、各メンバシップ関数の積として(16)式で表わされる。
(16) ωi=ω*Vnewiω*ΔVwi
ここで、ω*Vnewiおよびω*ΔVwiはそれぞれ(14)式の前件部関数*Vnew(k)および*Vw(k)の適合度を意味する。
複数の風力発電機からなるウインドファームにおいて、幾つかの風力発電機で急激に風速が低下して出力電力が減少したときに、他の風力発電機で出力電力を追加して減少した出力電力を補うようにすれば、各風力発電機が互いに協調してウインドファーム全体の出力電力の平準化を達成することができる。
すなわち、平均的な出力電力指令値Pgo-baseを越えて出力できる余裕を持った風力発電機に対して、他の風力発電機で生じた出力電力の不足分を補償するための協調的な出力電力補償指令値Pgo-comを加えた総出力電力指令値Pgo(Pgo=Pgo-base+Pgo-com)を目標値としたピッチ角制御を行わせて、最終的にウインドファームの出力電力を平準化する。
(17) Pm=Pgo-max−Pg
出力電力余裕Pmは最大出力電力Pgo-maxと出力電力Pgの差である。出力電力余裕Pmが大きいときはピッチ角βが10°より大きいので、ピッチ角を調整することにより出力電力指令値Pgo-baseを越えて電力を出力して、他の風力発電機の出力不足を補うことができる。
(18) δ=Pm/*e
ウインドファーム出力電力偏差*eが生じたとき、正規化出力余裕δが1あれば電力出力の平準化が可能である。
複数の風力発電機がなにがしかの正規化出力余裕を持っている場合は、各々の風力発電機が協調的に働いて補償量を分配することによってウインドファーム出力電力偏差*eを0にすることができる。
(19) Pgo-com=γ×Pm×α(k)
γ=1/(Σ(num=1〜WN)δnum)
ここで、γは割当て係数、α(k)は出力電力増加係数である。
割当て係数γは正規化出力余裕の総計の逆数で、正規化出力余裕1が全体の出力余裕に占める割合を示す。割当て係数γにより、各風力発電機の出力電力余裕Pmの大きさに比例するように協調的に割り当てられる。ただし、α(k)は風力発電機により異なる数値である。
図8は出力電力増加係数α(k)を調整するためのファジー回路II25におけるファジールールを表わす表、図9はメンバシップ関数を示す図面である。
ファジールールおよびメンバーシップ関数は、出力電力増加を目的として試行錯誤により決定した。
(20) Rule o: if δ1 is Hc and (Σ(num=1〜WN)δnum)/(WN−1) =δother is Iz, then α1(k) is Qh
ここで、c=1,2,・・・,5;z=1,2,・・・,5;h=1,2,・・・,5、HcとIzは前件部関数のファジー集合、Qhは後件部関数のファジー集合を示す。
(21) α1(k)=Σ(i=1〜25)ω0Qh/Σ(i=1〜25)ωo
ここで、ωoはrule iの前件部適合度で、各メンバシップ関数の積として(22)式で表わされる。
(22) ωo=ωδ1oωδothero
ここで、ωδ1oおよびωδotheroはそれぞれ(20)式の前件部関数δ1およびδotherの適合度を意味する。
このようにして求めた出力電力補償値Pgo-comを出力電力指令値Pgo-baseに加えて総出力電力指令値Pgoとして各風車発電機に供給すると、ウインドファームの出力電力変動を平準化することができる。
本発明の有効性を検証するため、GPCを用いた風力発電機を10機有するウインドファームシステムを対象としたシミュレーションを行い、出力電力指令値一定のピッチ角制御システムを用いた従来技術の風力発電システムと比較した。
図10は、シミュレーションの対象とした風車、誘導発電機、制御器のパラメータを示した表である。なお、制御器のサンプリング周期Tsは1ms、風速の変化率を求めるためのシフトオペレータのサンプリング周期は3.0sとし、GPCの設計パラメータΛ2、最大予測区間N、制御区間NU、次数m,n等はシミュレーション結果に基づき良好な制御が達成できる値を選択した。
ウインドファーム出力電力*Pgの平準化性能を評価するため、最大出力電力関数*Pmaxと出力電力平準化関数*Plevelを(23)(24)式で定義する。
(23) *Pmax=∫(t=0〜t) *Pg(t)dt
(24) *Plevel=∫(t=0〜t)|d*Pg(t)/dt|dt
最大出力電力関数*Pmaxはウインドファーム出力電力の積分値であるから、これが大きいほど出力電力効率がよいことになる。また、出力電力平準化関数*Plevelはウインドファーム出力電力の微分値の絶対値を積分したもので、出力変化率が小さければこの関数は小さくなるので、出力電力平準化の評価指標となる。
最大出力電力関数*Pmaxは、カットイン風速から定格風速の領域でピッチ角10°で固定しているときに最大となる。しかし、ピッチ角を固定すると入力トルク制御ができなくなるので、風速に従って出力電力が変動し、出力電力平準化関数*Plevelは増加する。このように、最大出力電力関数*Pmaxと出力電力平準化関数*Plevelは一種のトレードオフ関係にある。
図11から図18は、ウインドファームに適当な風速変動を与えてシミュレーションした結果を0秒から180秒の間について示したグラフである。
図11は、シミュレーションにおいて各風力発電機に与えた風速変動を示すグラフである。図では代表的に3番目と7番目と10番目の風力発電機に与えられた風速変動を示すが、カットイン風速5m/s以下の風速が生じており、過酷な条件となっている。
図13は、本発明の方法においてファジー回路I25のファジー推論により求めた補正係数η(k)の変化を表わすグラフ、図14は各風力発電機におけるピッチ角βの変化を表わすグラフ、また図15はウインドファーム全体の正規化出力余裕より決定される各風力発電機の出力電力増加係数α(k)の変化を表わすグラフである。
図17の最大出力電力関数*Pmaxは、従来方法に比べて本発明の方法では約3/4となり不利である。これは、従来法では定格風速以下ではピッチ角が最高効率の10°に固定されているのに対して、本発明では風速条件によってピッチ角を大きくするためである。
しかし、図18の出力電力平準化関数*Plevelは、本発明の方法では従来法の約1/2になり、有効に平準化されていることが分かる。
本発明の手法では、予測手法を用いず、風車出力の近似式と風速情報に基づいてウインドファーム出力電力指令値を決定しているため、ある程度の出力電力変動は許容しなければならない。しかし、予測制御の場合に問題となる大きな予測誤差は発生しないから、安定したウインドファーム出力電力の平準化を達成することができる。
また、かご型誘導発電機を対象としてシミュレーションを行ったが、発電機のモデルを選択することにより、永久磁石同期発電機、巻線形誘導発電機、同期発電機など、発電機の種類に制約されることなく適用できる。
さらに、各風力発電機のピッチ角制御器に付帯させたSTR(セルフチューニングレギュレータ)は必須ではなく、より単純な制御論理を使用する場合にも、本発明のウインドファーム出力電力制御アルゴリズムを適用することによって、より好ましい制御結果を得ることができることは言うまでもない。
2 ピッチ角制御器
3 油圧サーボ系
10 一般化予測制御器(GPC)
12 パラメータ同定器
21 第1ブロック
22 第2ブロック
23 第3ブロック
24 第4ブロック
25 ファジー演算回路II
31 A演算回路
32 B演算回路
33 C算回路
34 D演算回路
35 ファジー演算回路I
Claims (6)
- 複数の風力発電機を有するウインドファームにおいて、ウインドファームに含まれる各風力発電機が翼のピッチ角を変化させることによって回転調整ができる風車に繋がった発電機と風力発電機のカットイン風速からカットアウト風速までの動作領域においてピッチ角制御をするピッチ角制御器を備えると共に、各風力発電機のピッチ角制御器に対して設定値を供給するウインドファーム制御装置を備えて、該ウインドファーム制御装置がウインドファーム最大出力電力演算回路とウインドファーム出力電力指令値演算回路を備えて、該ウインドファーム最大出力電力演算回路が各風力発電機における風の風速を用いて各風力発電機の風に対応する最大出力電力を算出し、ウインドファーム全体について積算してウインドファーム最大出力電力を求め、前記ウインドファーム出力電力指令値演算回路が該ウインドファーム最大出力電力に基づきウインドファーム平均出力電力とウインドファーム標準偏差出力電力を算出し、該ウインドファーム平均出力電力から該ウインドファーム標準偏差出力電力を差し引いた値からウインドファーム出力電力指令値を生成し、該ウインドファーム出力電力指令値に基づいて風力発電機ごとの出力電力指令値を算出して前記ピッチ角制御器に供給すると共に、前記ウインドファーム出力電力指令値からウインドファーム出力電力を差し引いてウインドファーム出力電力偏差を求め、また、各風力発電機の出力余裕を算出し、前記ウインドファーム出力電力偏差と各発電機の前記出力余裕とから風力発電機ごとの出力電力補償値を算定し、これを前記風力発電機ごとの出力電力指令値に加えた値を各風力発電機の総出力電力指令値とし、各風力発電機の前記ピッチ角制御器に前記設定値として供給することを特徴とするウインドファームにおける発電電力平準化装置。
- 前記ウインドファーム出力電力指令値演算回路は、ウインドファーム出力電力指令値演算用ファジー推論回路を備えて、試行錯誤により予め定めたファジールールとメンバシップ関数を用いたファジー推論によって、ウインドファーム全体のウインドファーム平均瞬時風速とこれを時間平均したウインドファーム時間平均風速とウインドファーム全体の平均瞬時風速の変化率であるウインドファーム風速変化率とに基づいて補正係数を決めて、該補正係数を前記標準偏差値に掛けたものを使って前記ウインドファーム出力電力指令値を算定することを特徴とする請求項1記載の発電電力平準化装置。
- 前記ウインドファーム制御装置は出力電力補償指令値生成回路を備えて、出力電力指令値を越えて出力する余裕を持つ複数の風力発電機に対して、出力電力の不足分を各風力発電機の出力余裕に比例するように各風車発電機に配分して求めた出力電力補償指令値を生成し、該出力電力補償指令値を加えることにより他の風力発電機と協調するように出力電力指令値を補正することを特徴とする請求項1または2記載の発電電力平準化装置。
- 前記出力電力補償指令値生成回路は、出力電力補償指令値生成用ファジー推論回路を備えて、試行錯誤により予め定めたファジールールとメンバシップ関数を用いたファジー推論によって、対象とする風力発電機のウインドファーム出力電力偏差について正規化した正規化出力余裕と他の風力発電機の正規化出力余裕の平均値とに基づいて出力電力増加係数を決めて、該出力電力増加係数を前記出力電力補償指令値に適用して補正することを特徴とする請求項3記載の発電電力平準化装置。
- 前記風力発電機のピッチ角制御器は、一般化予測制御器(GPC)とパラメータ同定器を備えたセルフチューニングレギュレータ(STR)を付帯することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の発電電力平準化装置。
- 翼のピッチ角を変化させることによって回転調整ができる風車に繋がった発電機と風力発電機のカットイン風速からカットアウト風速までの動作領域においてピッチ角制御をするピッチ角制御器を備える複数の風力発電機を有するウインドファームにおいて、各風力発電機のピッチ角制御器に対して設定値を供給するウインドファーム制御装置を備えて、
該ウインドファーム制御装置が、各風力発電機における風の風速を用いて各風力発電機の風に対応する最大出力電力を算出し、ウインドファーム全体について積算してウインドファーム最大出力電力を求め、該ウインドファーム最大出力電力に基づきウインドファーム平均出力電力とウインドファーム標準偏差出力電力を算出し、該ウインドファーム平均出力電力から該ウインドファーム標準偏差出力電力を差し引いた値からウインドファーム出力電力指令値を生成し、該ウインドファーム出力電力指令値に基づいて風力発電機ごとの出力電力指令値を算出して前記ピッチ角制御器に供給すると共に、前記ウインドファーム出力電力指令値からウインドファーム出力電力を差し引いてウインドファーム出力電力偏差を求め、各風力発電機の出力余裕を算出し、前記ウインドファーム出力電力偏差と各発電機の出力余裕とから風力発電機ごとの出力電力補償値を算定し、該出力電力補償値を前記風力発電機ごとの出力電力指令値に加えた値を各風力発電機の総出力電力指令値として各風力発電機のピッチ角制御器に設定値として供給することを特徴とするウインドファームにおける発電電力平準化方法。
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