JP4630944B2 - 焦点検出装置および位置調整方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光学部材と保持部材の位置決め固定方法に係る焦点検出装置に関するものである。
従来の焦点検出装置は、焦点検出センサーの光軸中心や傾きなどの位置調整を行えるように焦点検出装置の本体ブロックに固着された再結像レンズに対して焦点検出センサーを揺動可能にする必要がある。
そこで従来例として、焦点検出センサーをクリアモールドを使ったタイプの説明を行うが、その前にまずクリアモールドの説明を図7で行う。
図7(a)はクリアモールドの平面図であり、図7(b)はクリアモールドの図7(a)のA−A’から見た断面図である。
301は焦点検出センサーであり、リードフレーム302に位置決めされ、周知のワイヤーボンディングにより、焦点検出センサー301と接続される。この状態で、透明樹脂のモールディングにより焦点検出センサー301とリードフレーム302を挟みこむように一体的にパッケージしたものがクリアモールド300である。
304はクリアモールド300の透明樹脂部である。また、前記リードフレーム302にはリード部303が一体的に形成されており、このリード部303を実装部材305に半田付け等により接続される。
306はガラス板であり、クリアモールド300のセンサー側面が透明樹脂304のままだと傷がつく恐れがあるため、ガラス板306を貼ってセンサー301の光路上に傷がつくのを防いでいる。
このように構成された前記クリアモールド300を前記再結像レンズに対して傾き調整可能なセンサーホルダーに位置調整可能に保持させ、前記再結像レンズに対する位置調整が行えるようにしている。また、前記センサーホルダーは焦点検出装置の本体ブロックに位置調整可能に保持されており、前記再結像レンズに対する焦点検出センサーの位置調整を行えるようにしている。
上記のように、焦点検出センサーとセンサーホルダー、センサーホルダーと焦点検出装置の本体ブロックの各々の位置調整を行うことにより、焦点検出センサーを再結像レンズに対して最適な位置に調整可能としている。このように焦点検出センサーの位置調整を行なわれた後に、焦点検出センサーとセンサーホルダー、センサーホルダーと焦点検出装置の本体ブロックは接着剤により接着固定される。
これら従来の特徴は、焦点検出センサーの位置調整終了後にすべての接着作業を行う点にある。また、上記のように従来の焦点検出センサーはクリアモールド300を使用しており、クリアモールド300を焦点検出センサーを保持するためのセンサーホルダーにセットした状態で焦点検出装置の本体ブロックに取り付け、位置調整を行った後に瞬間接着剤で固定していたため、焦点検出センサーの外装であるクリアモールドパッケージと前記クリアモールドパッケージを固定するセンサーホルダーと前記センサーホルダーを固定する焦点検出装置の本体ブロックは同様のプラスチック材料でモールド成型されたものを使用しているため、瞬間接着剤で非常に接着しやすく、また接着強度もかなり出る構成となっているため接着の問題によるAF精度への影響が非常に少なかった。
しかしながら、クリアモールドの場合以下のような問題点がある。
接着強度や焦点検出精度からみると非常に良好な特性を示すが、一方で問題も多くある。それは、製造上の問題としてセンサー301とリードフレーム302の位置精度が非常に厳しく、また、透明樹脂304をモールディングするときもごみの混入や気泡の発生が多いため、非常に歩留まりが悪く製品としてのコストが高いという問題がある。また、リード部303やセンサー側面保護用のガラス板306が必要であるため外形寸法も大きいという問題があった。
そこで、本発明では、焦点検出センサーをチップオンボード(以降COBと呼ぶ)パッケージとしたものであり、クリアモールドパッケージに対して以下のようなメリットが有る。
本発明に用いられているCOBパッケージの特徴は基板上に実装した焦点検出センサーチップをガラス板で挟んで、前記基板と前記ガラス板の間に樹脂を充填したものであり、クリアモールドに対して、ごみの混入や気泡の発生が少ないため、歩留まりがよく製品としてのコストが安いというメリットがある。また、クリアモールドに必要なリードもCOB製造時のスルーホール部を兼用できるため必要がなくなり、センサー側面もガラス板を使っているので別途保護用のガラス板が必要ないため外形寸法も小さいというメリットがあった。
このようなCOBパッケージを前記従来のクリアモールドパッケージと全く同じ構成にした場合の問題点を述べる。
COBパッケージに実装された焦点検出センサーのセンサーホルダーに対する位置調整は、COBパッケージのガラス面とセンサーホルダーのセンサー受け面が従来のクリアモールドパッケージとは、ほぼ平面で受ける構造は同様であるため位置調整可能であるが、位置調整後の接着固定が問題となる。
つまり、従来はクリアモールドパッケージとセンサーホルダーの接着であったため、どちらも同様のプラスチック材料でモールド成型されたものであり、瞬間接着剤等による接着を行う場合非常に接着性が良く、接着強度も十分に出る構成となっている。
しかし、本発明に用いるCOBパッケージではガラス面とプラスチック材料との接着となるため非常に接着性が悪く、また、焦点検出ユニットの状態で瞬間接着剤を流す必要があるので瞬間接着剤がセンサーホルダー全体に流れているか確認する方法がないという問題があるため、瞬間接着剤が十分にセンサーホルダー全体に流れていなかった場合、接着強度を満足しないという問題があった。
また、接着強度を満足させるために接着剤にUV硬化樹脂を用いた接着方法も考えられるが、UV硬化樹脂は硬化乾燥時の収縮変化が大きいため、焦点検出センサーの接着に用いた場合、焦点検出センサーの位置調整後にUV硬化樹脂で接着すると硬化乾燥時の収縮変化により焦点検出センサーの調整位置がズレるという問題が発生する。
また、接着乾燥後もUV硬化樹脂は膨張係数が比較的大きいため環境温度変化による膨張・収縮が大きいという問題があるため、UV硬化樹脂を焦点検出センサーの接着に使うことは好ましくない。
本発明は上記のような従来の問題点を解消する為になされたものであり、焦点検出センサーをCOBパッケージとして低コストでコンパクト化を図り、かつ接着強度や焦点検出精度を良好な特性とすることを目的とする。
本発明は、対物レンズの予定結像面の後方に再結像レンズと、前記再結像レンズによる物体像に関する光量分布を受容する光電変換素子を備え、前記光電変換素子は基板上に実装され、前記光電変換素子を挟むようにガラス板を配置し、前記基板と前記ガラス板の間を樹脂で封入するようにしたCOBで構成されたパッケージを用いた焦点検出装置において、前記再結像レンズを位置決め固定する本体ブロックと、前記本体ブロックに対して揺動可能であり前記再結像レンズに対する前記光電変換素子を実装した前記COBパッケージの位置を調整するための調整部材と、前記調整部材に対して揺動可能であって前記光電変換素子を実装した前記COBパッケージを保持し、かつ前記再結像レンズに対する前記光電変換素子を実装した前記COBパッケージの位置を調整するための保持部材を有しているので、COBパッケージと保持部材との接着固定作業を単品状態で行うことができるので、接着作業が容易になる。また、調整部材への接着固定は、保持部材が無い場合COBパッケージのガラス板面と調整部材の接着となるため、接着剤に瞬間接着剤を使用するとガラス面の接着性が悪いため接着強度が不十分となる問題が生じるが、保持部材がある場合は保持部材と調整部材の接着となるため、保持部材と調整部材を形成する材料を瞬間接着剤で接着性のよいプラスチック材料等の同一材料にすることにより、接着強度を十分に確保することができる。
好ましくは、本発明では、前記再結像レンズに対する前記光電変換素子を実装した前記COBパッケージの位置調整は、前記COBパッケージを前記保持部材に接着固定後に、前記保持部材と前記調整部材の位置調整により行うようにしたので、COBパッケージの接着固定時の接着剤の乾燥収縮にCOBパッケージが引っ張られ、COBパッケージの調整位置がずれること防ぐことができる。
好ましくは、本発明では、前記保持部材を透明もしくは半透明のプラスチック材料で形成したので、COBパッケージと保持部材との接着固定作業を単品状態で行うときに、保持部材に接着剤を塗布したときの接着剤の流れ具合を目視で確認できるようになるので、安定した接着作業ができるようになり、安定した接着強度を十分に確保することができる。
好ましくは、本発明では、前記保持部材には、前記再結像レンズからの物体像に関する光量分布を前記光電変換素子に受容するための開口部と、前記COBパッケージの前記ガラス板の表面を受ける受け面と、前記COBパッケージの外形の端面を囲むような壁面と、少なくとも1つ以上の接着剤を供給する供給口を有し、接着剤を供給した際には前記COBパッケージの前記ガラス板の表面と前記保持部材の前記受け面及び、前記COBパッケージの外形の端面と前記保持部材の前記壁面の隙間に接着剤が供給されるようにしたので、瞬間接着剤での接着性が悪いCOBパッケージのガラス面と保持部材の接着固定だけではなく、COBパッケージを構成するガラス面、硬化樹脂面、基板面の端面と保持部材を接着固定することになるので、COBパッケージと保持部材の接着強度を増すことが
できる。
好ましくは、本発明では、前記保持部材に接着剤を供給する前記供給口は、保持部材の前記壁面に少なくとも1つ以上設けたので、COBパッケージの外形の端面に直接接着剤を塗布することができ、COBパッケージと保持部材に十分に接着剤を導くことができるので、COBパッケージと保持部材の安定した接着強度を十分に確保することができる。
好ましくは、本発明では、前記保持部材に接着剤を供給する前記供給口は、前記受け面に少なくとも1つ以上設けたので、COBパッケージと保持部材に十分に接着剤を導きつつ、保持部材の一方向から容易に接着作業ができるようになる。以上のように、COBパッケージであってもクリアモールドと同等以上の接着強度、接着安定性、焦点検出精度を達成することができる。
本発明では、保持部材を有しているので基板(COB)と保持部材との接着固定作業を単品状態で行うことができ、接着作業が容易になる。また、調整部材への接着固定は、保持部材が無い場合COBのガラス板面と調整部材の接着となるため、接着剤に瞬間接着剤を使用するとガラス面の接着性が悪く接着強度が不十分となる問題が生じるが、保持部材がある場合は保持部材と調整部材の接着となるため、保持部材と調整部材を形成する材料を瞬間接着剤で接着性のよいプラスチック材料等の同一材料にすることにより、接着強度を十分に確保することができる。
また、本発明では、COBの接着固定時の接着剤の乾燥収縮にCOBが引っ張られ、COBの調整位置がずれること防ぐことができる。
また、本発明では、COBと保持部材との接着固定作業を単品状態で行うときに、保持部材に接着剤を塗布したときの接着剤の流れ具合を目視で確認できるようになるので、安定した接着作業ができるようになり、安定した接着強度を十分に確保することができる。
また、本発明では、瞬間接着剤での接着性が悪いCOBのガラス面と保持部材の接着固定だけではなく、COBを構成するガラス面、硬化樹脂面、基板面の端面と保持部材を接着固定することになるので、COBと保持部材の接着強度を増すことができる。
また、本発明では、COBの外形の端面に直接接着剤を塗布することができ、COBと保持部材に十分に接着剤を導くことができるので、COBと保持部材の安定した接着強度を十分に確保することができる。
また、本発明では、COBと保持部材に十分に接着剤を導きつつ、保持部材の一方向から容易に接着作業ができるようになる。
以上のように、COBパッケージであってもクリアモールドと同等以上の接着
強度、接着安定性、焦点検出精度を達成することができる。
第1の実施の形態を示す焦点検出装置の断面図である。 図1の焦点検出装置の分解斜視図である。 第1の実施の形態を示すCOBパッケージの構成を示す断面図である。 第1の実施の形態の要部詳細を示す断面図である。 第1の実施の形態のCOB接着固定方法を示す斜視図である。 第2の実施の形態のCOB接着固定方法を示す斜視図である。 従来例を示す図である。
(第1の実施の形態)
以下に、本発明の第1の実施の形態について図面に基づき説明する。
図1、図2は、本発明の特徴をもっともよく表している図であり、図1は複数の測距視野を持つ焦点検出装置の断面図、図2はその分解斜視図である。
図において、10は不図示の対物レンズの後方に位置し測距光束を分離して不要な光束を除去するためのマスクの役割をする視野マスク、20は一次結像面に形成される像を受光手段であるセンサーに導く分割フィールドレンズ、30は複数の測距視野のうちの中央測距視野の光束と周辺測距視野の光束を分離して各測距視野に対応した有効光束以外の光束がセンサーに入射するのを防止するための遮光板である。
40は焦点検出ユニットに入射した焦点検出光束をセンサーに向けて折り曲げるための表面鏡であるミラー、50は赤外光を除去するための赤外カットフィルター、60は焦点検出光束を分離するための多孔絞り、70はセンサー上に像を結像させるための対になった複数組のレンズを持つ光学部材である再結像レンズである。
80はセンサーユニットを調整保持するための調整ホルダー、90はセンサーを保持するためのセンサーホルダー、100は焦点検出動作を行なうための像を検出する受光手段としてのセンサーであり、対になったラインセンサーが複数組形成されている。
110は焦点検出ユニットとカメラの焦点検出ユニット取付部の隙間をふさぐ遮光シート、120は焦点検出ユニットを構成する各構成部品を保持し、外部の光を遮光する保持部材である本体ブロックである。
上記構成において、本体ブロック120には、視野マスク10、分割フィールドレンズ20、遮光板30、ミラー40、赤外カットフィルター50、多孔絞り60、再結像レンズ70、調整ホルダー80、センサーホルダー90、センサー100、遮光シート110が取り付けられている。
視野マスク10は、嵌合軸と嵌合穴により位置決めされて本体ブロック120に固定され、分割フィールドレンズ20は、本体ブロック120に接着され、遮光板30及びミラー40、及び赤外カットフィルター50は本体ブロック120に位置決めされた後、接着固定されている。
また、多孔絞り60は、多孔絞り60に設けられている嵌合穴と長穴により再結像レンズ70に設けられている複数の位置決め用嵌合軸により再結像レンズ70に位置決め固定されている。そして、再結像レンズ70は、本体ブロック120に設けられている位置決め用嵌合穴と再結像レンズの位置決め用嵌合軸により位置決め固定されている。
調整ホルダー80は、後記する図4に示すように、位置決め調整するための一対の同一中心軸を有する凸面の略半球形状の当接部81と、本体ブロック120に凹面の構成される略半球形状を有する一対の調整ホルダー当接受部123とにより、調整ホルダー80の当接部81を中心として、本体ブロック120に揺動可能に位置決めされている。
センサーホルダー90は、位置決め調整するための平面部93により調整ホルダー80のセンサーホルダー受け面82に揺動可能に位置決めされている。センサー100は、センサーホルダー90に対して、あらかじめ接着固定されセンサー100とセンサーホルダー90は一体的なセンサーユニットとなる。
そして、センサー100を接着固定したセンサーホルダー90は、調整ホルダー80と共に本体ブロック120に固定された再結像レンズ70に対する光軸調整やセンサー傾き調整などの各種調整が行なわれた後に、調整ホルダー80は本体ブロック120に接着固定され、センサーホルダー90は調整ホルダー80に接着固定され、遮光シート110は、視野マスク10と本体ブロック120に挟まれて保持されている。
図3は本実施の形態に使用するセンサー100の構造を示す断面図である。
101は実装基板、102は焦点検出動作を行なうための像を検出する受光手段としてのセンサーチップであり、実装基板101に実装されている。
103はガラス板であり、実装基板101とガラス板103とでセンサーチップ102を挟むように構成している。
104は前記実装基板101とガラス板103の間にできた空間に充填する透明な樹脂であり、硬化させることによりセンサーチップ102を包み込み、実装基板101とガラス板103を一体的に固定している。
105はフレキシブルプリント基板である。このように構成したセンサーをチップオンボード(以降COBと呼ぶ)パッケージという。
このCOBパッケージの特徴は、コンパクトなパッケージであり、樹脂層にごみの混入が少なく、気泡ができにくいため、センサーの生産時の歩留まりもよく、コストが安いと言う点である。
図4は、COBパッケージを用いた焦点検出装置の再結像レンズ70からセンサー100までの構成を示した断面図である。
再結像レンズ70に形成される一対の位置決め用嵌合軸71,72が設けられており、本体ブロック120には形成された一対の再結像レンズ位置決め用の嵌合穴121と、長穴122が設けられている。
本体ブロック120の再結像レンズ位置決め用嵌合穴121には再結像レンズ70の位置決め嵌合軸71が嵌合して、再結像レンズ70に対して再結像レンズ70の光軸Aに垂直な面内の並進方向移動を規制し、本体ブロック120の再結像レンズ位置決め用長穴122には再結像レンズ70の位置決め嵌合軸72が嵌合して、再結像レンズ70に対して再結像レンズ70の光軸に垂直な面で再結像レンズ位置決め用嵌合穴121に関する回転方向移動を規制している。
本体ブロック120と再結像レンズ70の接着固定は、本体ブロック120の再結像レンズ位置決め用嵌合穴121と再結像レンズ位置決め用長穴122の再結像レンズ70の取付面の反対側から接着剤を塗布することによって、再結像レンズ70と本体ブロック120の接着固定部に対して接着剤が導かれるようになっている。
再結像レンズ70と本体ブロック120の接着固定部は、位置決め用の嵌合軸71、72及び、本体ブロック120の再結像レンズ位置決め用嵌合穴121及び再結像レンズ位置決め用長穴122の周囲に存在している。
調整ホルダー80は、位置決め調整するための一対の同一中心軸を持つ凸面の略半球形状の当接部81と本体ブロック120に構成される凹面の略半球形状を持つ一対の調整ホルダー当接受部123により、調整ホルダー80の当接部81を中心として、本体ブロック120に揺動可能に位置決めされている。
82はセンサーホルダー90の平面部93を受けるセンサーホルダー受け面である。
センサーホルダー90は、位置決め調整するために不図示の位置決め調整用工具ピンと嵌合する嵌合穴91,92が設けられており、後述するセンサー100の位置調整時に使われる。
そして、センサーホルダー90の平面部93は調整ホルダー80のセンサーホルダー受け面82と当接し、調整ホルダー80に揺動可能に位置決めされる。94はセンサー100のセンサー受け面であり、95は調整ホルダー80とセンサーホルダー90を接着するための接着剤を塗布するためのセンサーホルダー接着溝であり、96はセンサーホルダー90とセンサー100を接着するための接着剤を塗布するためのセンサー接着溝であり、97はセンサー100のセンサー端面100bと当接するセンサー端面当接部であり、センサー100の外形を囲むように形成している。
センサー100のセンサー面100aはセンサーホルダー90のセンサー受け面94と当接し、光軸方向Aの位置決めを行っている。この状態で、センサーホルダー90のセンサー接着溝96に接着剤を塗布することによって、センサーホルダー90とセンサー100の接着固定部に対して接着剤が導かれるようになっている。
センサーホルダー90とセンサー100の接着固定部は、センサーホルダー90の当接受け面96とセンサー100のセンサー面100aに挟まれた部分及び、センサーホルダー90のセンサー端面当接部97とセンサー100のセンサー端面100bに挟まれた部分に存在しており、センサー100のセンサー端面100b全周に渡り接着固定部となっている。
このとき、センサーホルダー90のセンサー受け面94に当接するセンサー100のセンサー面100aはガラス板面であるため特に瞬間接着剤などでの接着性が悪く、接着固定をしたときの接着強度が不十分である。
そこで、センサーホルダー90のセンサー端面当接部97は、センサー100のセンサー外形であるセンサー端面100bを囲むように形成し、センサー100のガラス板103だけではなく、硬化樹脂104及び実装基板101の端面と共に接着できるようにし、その隙間を接着固定した時の接着強度を十分に満足できる程度の隙間とした。
また、センサーホルダー90とセンサー100を接着固定するとき、従来はセンサー位置調整状態で接着作業を行う必要があったため、接着剤を塗布したときにセンサーホルダー90とセンサー100の接着固定部に接着剤が十分に流れているか確認する手段が無かった。
しかし、本実施の形態ではセンサーホルダー90とセンサー100を単品状態で接着作業ができるので、接着剤を塗布したときにセンサーホルダー90とセンサー100の接着固定部に接着剤が十分に流れているか確認することができるようになったので、センサー100の接着強度は十分である。
また、センサーホルダー90に透明もしくは半透明は材料を使うことにより、容易に接着剤を塗布したときにセンサーホルダー90とセンサー100の接着固定部に接着剤が十分に流れているかを目視確認することができるようになり、より安定した接着作業を行うことができる。
また、センサー100の接着乾燥時の接着剤の収縮変化によりセンサー100の位置が変化することがあるが、本実施の形態ではセンサーホルダー90とセンサー100を単品状態で接着作業ができるので、センサー100を接着乾燥後の位置が安定した状態で位置調整を行うことができる。
これにより、センサー100は、センサーホルダー90に対して、あらかじめ接着固定されセンサー100とセンサーホルダー90は一体的なセンサーユニット200となる。センサー100とセンサーホルダー90を接着固定後、センサー100の再結像レンズ70に対する各種位置調整を行う。
センサー100の光軸中心調整や傾き調整を行うために、不図示の位置決め調整用工具ピンがセンサーホルダー90の嵌合穴91,92と嵌合し、不図示の位置決め調整用工具ピンの移動量に対して、調整ホルダー80及びセンサーホルダー90が追従して動くようにした状態で不図示の位置決め調整用工具ピンを移動させることにより、調整ホルダー80を位置決め調整するための一対の同一中心軸を持つ凸面の略半球形状の当接部81と本体ブロック120に構成される凹面の略半球形状を持つ一対の調整ホルダー当接受部123の間の揺動と、センサーホルダー90の当接面93と調整ホルダー80の当接受け面82の間の揺動とで、センサーユニット200を移動して、センサー100の光軸中心調整や傾き調整を行う。
センサー100の各種調整が終了すると、調整ホルダー80と本体ブロック120及び調整ホルダー80とセンサーホルダー90の接着固定を行う。
調整ホルダー80と本体ブロック120の接着は、調整ホルダー80の当接部81と本体ブロック120の当接受け面123の間に接着剤を塗布することによって、調整ホルダー80と本体ブロック120の接着固定部に対して接着剤が導かれるようになっている。
調整ホルダー80と本体ブロック120の接着固定部は、調整ホルダー80の当接部81と本体ブロック120の当接受け面123に挟まれた部分に存在している。
調整ホルダー80とセンサーホルダー90の接着は、調整ホルダー80のセンサーホルダー受け面82とセンサーホルダー90の平面部93に設けられた接着溝95の間に接着剤を塗布することによって、調整ホルダー80とセンサーホルダー90の接着固定部に対して接着剤が導かれるようになっている。
調整ホルダー80とセンサーホルダー90の接着固定部は、調整ホルダー80のセンサーホルダー受け面82とセンサーホルダー90の平面部93及び接着溝95に挟まれた部分に存在している。
このように、センサー100の再結像レンズ70に対する各種位置調整を行った後に、調整ホルダー80と本体ブロック120の接着及び調整ホルダー80とセンサーホルダー90の接着を行うことにより、調整ホルダー80からセンサー100までが一体的に本体ブロック120に接着固定され、不図示の対物レンズからの測距光束をセンサー100に導くことができるようになる。
図5は、COBパッケージをセンサーホルダーに接着固定する際の、第1の実施の形態を示した接着剤の塗布方法の斜視図である。
センサーホルダー90には、センサー受け面94とセンサー100のセンサー外形であるセンサー端面100bを囲むように形成したセンサー端面当接部97を備えており、センサー100を位置決めするようになっている。
このセンサー100を位置決めした状態で、センサーホルダー90の接着剤の塗布口98から接着剤を塗布することにより、接着剤は接着溝96に達してセンサーホルダー90とセンサー100の接着固定部に対して接着剤が導かれるようになっている。
センサーホルダー90とセンサー100の接着固定部は、センサーホルダー90のセンサー受け面94とセンサー100のセンサー面100aに挟まれた部分及び、センサーホルダー90のセンサー端面当接部97とセンサー100のセンサー端面100bに挟まれた部分に存在しており、センサー100のセンサー端面100b全周に渡り接着固定部となっている。
このとき、センサーホルダー90のセンサー受け面94に当接するセンサー100のセンサー面100aはガラス板面であるため特に瞬間接着剤などでの接着性が悪く、接着固定をしたときの接着強度が不十分である。
そこで、センサーホルダー90のセンサー端面当接部97は、センサー100のセンサー外形であるセンサー端面100bを囲むように形成し、センサー100のガラス板103だけではなく、硬化樹脂104及び実装基板101の端面と共に接着できるように、矢印A及び矢印Bのようにセンサーホルダー90の横方向から接着剤を塗布するようにして、接着強度を十分に確保できるようにした。
(第2の実施の形態)
図6は、COBパッケージをセンサーホルダーに接着固定する際の、第2の実施の形態を示した接着剤の塗布方法の斜視図である。
センサーホルダー90には、センサー受け面94とセンサー100のセンサー外形であるセンサー端面100bを囲むように形成したセンサー端面当接部97を備えており、センサー100を位置決めするようになっている。
このセンサー100を位置決めした状態で、センサーホルダー90の接着剤の塗布口99から接着剤を塗布することにより、接着剤は接着溝96に達してセンサーホルダー90とセンサー100の接着固定部に対して接着剤が導かれるようになっている。
センサーホルダー90とセンサー100の接着固定部は、センサーホルダー90のセンサー受け面94とセンサー100のセンサー面100aに挟まれた部分及び、センサーホルダー90のセンサー端面当接部97とセンサー100のセンサー端面100bに挟まれた部分に存在しており、センサー100のセンサー端面100b全周に渡り接着固定部となっている。
このとき、センサーホルダー90の当接受け面96に当接するセンサー100のセンサー面100aはガラス板面であるため特に瞬間接着剤などでの接着性が悪く、接着固定をしたときの接着強度が不十分である。
そこで、センサーホルダー90のセンサー端面当接部97は、センサー100のセンサー外形であるセンサー端面100bを囲むように形成し、センサー100のガラス板103だけではなく、硬化樹脂104及び実装基板101の端面と共に接着できるように、矢印C及び矢印Dのようにセンサーホルダー90のセンサー面方向から接着剤を塗布するようにして、接着強度を十分に確保できるようにした。
この矢印C及び矢印Dのようにセンサーホルダー90のセンサー面方向から接着剤を塗布することにより、センサーホルダー90の同一面から一箇所以上の接着剤の塗布口を設けることができるので、接着作業を容易に行うことができるようになる。
以上、COBの位置決め固定構造を焦点検出装置に関して説明してきたが、本実施の形態によるCOBの位置決め固定構造は、焦点検出装置のみに限定されるものではなく、一般的な光学部材の位置決め固定にも適用できるものである。
70 再結像レンズ
80 調整ホルダー(調整部材)
90 センサーホルダー(保持部材)
94 センサー受け面
96 接着溝
97 センサー端面当接部
98,99 塗布口
100 センサー(光電変換素子)
100a センサー面
100b センサー端面
120 本体ブロック

Claims (6)

  1. 対物レンズの予定結像面の後方に本体ブロックに位置決め固定された再結像レンズと、前記再結像レンズによる物体像に関する光量分布を受容する光電変換素子を基板上に実装し当該光電変換素子を当該基板との間に挟むようにガラス板を配置し当該基板とガラス板との間に樹脂が充填されたパッケージとを用いた焦点検出装置において、光軸方向に前記パッケージを受けるセンサー受け部と前記パッケージの端面を当接可能なセンサー端面当接部を有して、前記光電変換素子を実装した前記パッケージを当該パッケージのガラス板および樹脂と接着して接着保持する部材であって、前記再結像レンズに対する前記光電変換素子を実装した前記パッケージの位置を調整することができる保持部材とを有し、当該保持部材を前記再結像レンズに対して調整可能とすることで前記光電変換素子と前記再結像レンズとの位置調整を可能としていることを特徴とする焦点検出装置。
  2. 前記保持部材を透明もしくは半透明のプラスチック材料で形成したことを特徴とする請求項1記載の焦点検出装置。
  3. 前記保持部材には、前記再結像レンズからの物体像に関する光量分布を前記光電変換素子に受容するための開口部と、前記パッケージの前記ガラス板の表面を受ける受け面と、前記パッケージの外形の端面を囲むような壁面と、少なくとも1つ以上の接着剤を供給する供給口を有し、接着剤を供給した際には前記パッケージの前記ガラス板の表面と前記保持部材の前記受け面及び、前記パッケージの外形の端面と前記保持部材の前記壁面の隙間に接着剤が供給されるようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の焦点検出装置。
  4. 前記保持部材に接着剤を供給する前記供給口は、前記壁面に少なくとも1つ以上設けたことを特徴とする請求項3記載の焦点検出装置。
  5. 前記保持部材に接着剤を供給する前記供給口は、前記受け面に少なくとも1つ以上設けたことを特徴とする請求項3記載の焦点検出装置。
  6. 対物レンズの予定結像面の後方に本体ブロックに位置決め固定された再結像レンズと、前記再結像レンズによる物体像に関する光量分布を受容する光電変換素子を基板上に実装し当該光電変換素子を当該基板との間に挟むようにガラス板を配置し当該基板とガラス板との間に樹脂が充填されたパッケージと、光軸方向に前記パッケージを受けるセンサー受け部と前記パッケージの端面を当接可能なセンサー端面当接部を有して、前記光電変換素子を実装した前記パッケージを当該パッケージのガラス板および樹脂と接着して接着保持する部材であって、前記再結像レンズに対する前記光電変換素子を実装した前記パッケージの位置を調整することができる保持部材とを有している焦点検出装置の前記パッケージの位置調整方法であって、
    前記保持部材を前記再結像レンズに対して位置調整することで前記光電変換素子と前記再結像レンズとの位置調整を行うことを特徴とする位置調整方法。
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