JP4630653B2 - 心臓治療装置 - Google Patents

心臓治療装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4630653B2
JP4630653B2 JP2004358933A JP2004358933A JP4630653B2 JP 4630653 B2 JP4630653 B2 JP 4630653B2 JP 2004358933 A JP2004358933 A JP 2004358933A JP 2004358933 A JP2004358933 A JP 2004358933A JP 4630653 B2 JP4630653 B2 JP 4630653B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heart
heart rate
stimulation
vagus nerve
nerve stimulation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004358933A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006158890A (ja
Inventor
美仁 福井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TRUMO KABUSHIKI KAISHA
Original Assignee
TRUMO KABUSHIKI KAISHA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TRUMO KABUSHIKI KAISHA filed Critical TRUMO KABUSHIKI KAISHA
Priority to JP2004358933A priority Critical patent/JP4630653B2/ja
Publication of JP2006158890A publication Critical patent/JP2006158890A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4630653B2 publication Critical patent/JP4630653B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrotherapy Devices (AREA)

Description

本発明は、迷走神経刺激の電気刺激療法を組み入れた心臓治療装置に関し、特に迷走神経刺激のタイミングを調節することが可能な心臓治療装置に関する。
突然死の中で特に心臓病に起因するものを心臓突然死といい、その数は国内で年間約5万人にのぼる。心臓突然死の直接的な原因は、致死的不整脈と呼ばれる、血行動態の破綻をきたす心室頻拍や、心室細動の発生である。
心室頻拍は、心室が発作的に異常に速く拍動した状態であり、心室細動は、心室を構成する個々の筋繊維がばらばらに興奮を始めて、心室全体としては小刻みに震えているだけの状態である。このような心室頻拍や心室細動が発生すると、心臓のポンプ機能が低下あるいは消失して、必要な血液を全身に送り出すことができなくなる。その結果、脳血流の減少に伴う意識消失をきたし、直ちに適切な処置を施さなければ死に至ることもある。
ところで、心臓活動は、自律神経系の支配を受けるが、自律神経系には交感神経系と副交感神経系があり、心臓の副交感神経系は迷走神経である。交感神経の活動が高まる(緊張する)と心活動(心拍数及び心拍出量)が増加し、迷走神経の活動が高まると心活動(心拍数)は低下する。この交感神経と迷走神経の活動は通常拮抗しているが、疾病などによってそのバランスが崩れると、心筋の刺激伝導系における自動能の亢進や不応期の短縮によって不整脈が起こりやすくなる。特に、心筋梗塞や心筋症などの器質的心疾患患者では、迷走神経の活動が著しく低下するとともに、交感神経の活動が亢進しており、心臓の器質的病変と、この迷走神経活動の低下及び交感神経活動の亢進があいまって致死的不整脈発生の可能性が非常に高くなる。
このような致死的不整脈に対して、迷走神経の電気的刺激がその発生に対して予防的に作用することが知られている。迷走神経の電気的刺激は、低下した迷走神経活動を補うとともに、交感神経の緊張を拮抗的に抑制する。また、迷走神経の電気的刺激に伴う心拍数の低下(心拍間隔の増大)は、心筋の酸素消費量を減少させ、心筋障害部位での酸欠状態を予防あるいは改善して、心筋虚血や心筋梗塞、及びこれに伴う致死的不整脈の発生を防止することが知られている。また、迷走神経の電気的刺激の制御による心拍数の安定化は、心臓の不応期分布を均一として致死的不整脈を起こりにくくすると考えられている。
本発明者は、この作用を利用して、迷走神経の電気的刺激を行うことにより、致死的不整脈の発生を防止する心臓治療装置を提案した(例えば、特許文献1を参照。)
この提案は、心拍数の許容変動範囲を定め、心拍数がこの許容変動範囲を超過した場合に迷走神経の刺激を行い、心拍数がこの許容変動範囲を下回った場合には心臓の刺激を行うことによって心拍数の安定化を図ろうとするものである。
特開2004−173790号公報
特許文献1に記載のものは、心拍数の許容変動範囲を定め、心拍数がこの許容変動範囲を超過した場合に、迷走神経の刺激を行って心拍数を低下させ、心拍数がこの許容変動範囲を下回った場合には、心臓の刺激を行うことによって心拍数の安定化を図ろうとするものである。しかしながら、特許文献1に記載されている心臓治療装置は、迷走神経刺激の発生のタイミングについては、特に言及しておらず、そのタイミングを調整する機構を備えたものではない。したがって、所望の心拍数低下を得るために過度に迷走神経を刺激する必要があるという問題があった。
ところで、迷走神経への電気刺激による心拍数の低下は、迷走神経への刺激が1心臓サイクル(心臓の拍動開始から次の拍動が始まるまで)における、どのタイミングで与えられたかによってその応答が大きく変化する。例えば、心房の脱分極と同時に迷走神経を刺激すると心拍間隔が延長する。そして、この刺激のタイミングを徐々に延長させていくと、これに伴って心拍間隔が増加していく。そして、更にこの刺激のタイミングを遅延させていくと、心拍間隔の増加が最大になった後、心拍間隔が減少に転じる。この関係は、自律神経の緊張状態によって影響されており、それ故、心拍間隔を最大とする迷走神経の刺激のタイミングは自律神経の緊張状態によって変化する。
また、迷走神経への過度の刺激は、迷走神経と刺激電極での界面での神経細胞膜の興奮性を低下させる。そして、神経終末においては、神経伝達物質のアセチルコリンを枯渇させて、所望の効果を継続的に維持することを困難とする。このため、生理的には、心臓抑制に起因した違和感や不快感、息切れ、易疲労感を誘発するとともに、心臓以外の臓器への影響として、消化不良や悪心、咳増加、咽頭炎、喉頭痙攣、知覚麻痺、呼吸困難、喘息発作を誘発するという問題があった。このような問題を避けるには、迷走神経を過度に刺激しないようにすることが重要であり、このため、迷走神経を刺激するタイミングを調節することにより、迷走神経刺激による心拍数低下において最大の効果が得られるようにする必要があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、迷走神経刺激を行う直前の心臓サイクルにおける、心拍数あるいは心拍間隔、迷走神経刺激の実施の有無によって、迷走神経刺激パルスの発生のタイミングを調節することを目的としている。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、請求項1に記載の心臓治療装置は、迷走神経刺激を行うための神経刺激信号を発生する神経刺激手段と、 心房収縮を検出する心房収縮検出手段と、心房収縮の検出から所定時間の計時後に前記神経刺激信号の発生をトリガする計時手段と、心拍数あるいは心拍間隔を計測する心拍計測手段と、計時手段と前記心拍計測手段に接続する制御手段とを備えており、この制御手段が、前記心拍計測手段の出力に基づいて計時手段が計時する所定時間を調節することを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成要件に、更に、制御手段が、心拍数の増加に対して前記所定時間を減少させる働きを有すること、言い換えると心拍間隔の減少に対して前記所定時間を減少させる点を付加したものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明に対して、更に、所定時間の調節が、直前の心臓サイクルにおける心拍数あるいは心拍間隔に基づいて行われることを特定したものであり、請求項4に記載の発明は、更に、同一の心拍数あるいは心拍間隔に対する所定時間が、直前の心臓のサイクルでの迷走神経刺激の有無によって異なることを特定したものである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、同一の心拍数あるいは心拍間隔に対する所定時間が、直前の心臓のサイクルでの迷走神経刺激を行わなかった場合よりも迷走神経刺激を行った場合の方が長いことを特定したものであり、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、更に、直前の心臓のサイクルでの迷走神経刺激を行った場合に対する所定時間が、迷走神経刺激を行わなかった場合に対する所定時間よりも固定された時間だけ長いことを特徴とするものである。
また、請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、直前の心臓のサイクルでの迷走神経刺激を行った場合に対する所定時間が、迷走神経刺激を行わなかった場合に対する所定時間に対して、直前の心臓サイクルの心拍数を所定値だけ増加させた値、あるいは心拍間隔を所定値だけ減少させた値に基づいて設定することを特徴としている。また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、所定値が、固定された心拍数値あるいは心拍間隔値であることを特徴とするものであり、請求項9に記載の発明は、この所定値が、直前の心臓サイクルの心拍数あるいは心拍間隔の所定の割合であることを特徴としている。
本発明の心臓治療装置によれば、迷走神経刺激を行う直前の心臓サイクルにおける心拍数あるいは心拍間隔、更にはそのときの迷走神経の刺激の有無によって迷走神経刺激の発生のタイミングを調節するようにしたので、迷走神経刺激による心拍数低下時に最大の効果が得られるように迷走神経を刺激することができる。これにより、過度な迷走神経の刺激を避けることが可能となる。
以下、本発明による心臓治療装置の実施の形態について、図面を参照にして詳細に説明する。ここで、「心拍」とは「心拍数」または「心拍間隔」のいずれかを示すものであるが、本例では「心拍計測」は「心拍数計測」、「心拍閾値」は「心拍数閾値」、「心拍基準値」は「心拍数基準値」として以下、説明する。「心拍数」の代わりに「心拍間隔」を指標として同様な装置設計が可能であることはいうまでもない。なお、心拍数とは1分間当たりの拍動の数であり、心拍間隔とは連続する2回の拍動間の時間(秒)のことであるため、両者は反比例の関係にあり、例えば「心拍数が大きい」という記載は「心拍間隔が小さい」のように置き換えて理解することができる。
図1は、本発明の心臓治療装置の実施の形態の例を示すブロック図である。
本例の心臓治療装置1は、その基本的な構成要素として、心房の収縮を検出する心房収縮検出部2と、心房に心房刺激パルスを供給する心房刺激部3と、心室の収縮を検出する心室収縮検出部6と、心室に心室刺激パルスを供給する心室刺激部7を備える。心房収縮検出部2と心房刺激部3は共通の心房電極リード4を介して、心臓10の右心房11に配置される心房刺激/検出電極5に接続されている。また、心室収縮検出部6と心室刺激部7は、共通の心室電極リード8を介して、心臓10の右心室12に配置された心室刺激/検出電極9に接続されている。
また、本例においては、迷走神経13を刺激するための神経刺激パルスを発生する神経刺激部14が設けられており、この神経刺激部14は神経電極リード15を介して迷走神経13に巻きつけられた神経刺激電極16に接続されている。
一般に、心房電極リード4と心室電極リード8は、いずれも最初は大静脈を通って心臓10の右心房11に導かれる。そして、大静脈から右心房11に挿入された心房電極リード4は、J字状に曲げられた先端部を右心房11の壁から出っ張った袋状の右心耳内に引っ掛けるように挿入し、心房刺激/検出電極5が右心耳内壁に接触するように配置される。
また、大静脈から右心房11に挿入された心室電極リード8は、更に、右心房11と右心室12の間に位置する弁である三尖弁を通って右心室12に挿入され、先端部にある心室刺激/検出電極9は右心室12の下部に配置される。
神経刺激電極16は上述したように通常は迷走神経13に巻きつけるようにして配置される。神経刺激電極16を巻きつける領域としては、頚部領域、詳しくは右外頚動脈中央に伴走する迷走神経部位が好適である。また、神経刺激電極16は、血管内にカテーテル電極を留置することによって、血管壁に隣接した迷走神経13を刺激するように配置することも可能である。配置領域としては、鎖骨下静脈内が好適である。
本例の心臓治療装置1は、上記基本的な構成のほかに、心房刺激部3、心室刺激部7及び神経刺激部14を制御するための一連の制御手段を備えている。すなわち、心房収縮検出部2は、OR回路20経由で心房刺激インターバルタイマ17のリセット/スタート端子に接続されている。そして、心房刺激インターバルタイマ17と心房刺激インターバル設定値記憶部18が心房刺激インターバル比較部19に接続され、心房刺激インターバル比較部19の出力が心房刺激部3に供給されるとともに、OR回路20経由で心房刺激インターバルタイマ17のリセット/スタート端子にフィードバックされている。
また、OR回路20の出力は、房室遅延タイマ(AVDタイマ)21のスタート端子に接続され、このストップ端子には心室収縮検出部6の出力が接続されている。そして、AVDタイマ21とAVD設定値記憶部22は、AVD比較部23に接続されており、このAVD比較部23の出力が心室刺激部7に接続されている。
さらに、OR回路20の出力は、心拍計測部24に接続されている。そして、心拍計測部24の出力は、心拍比較部26に接続されるとともに、神経刺激有りの遅延時間テーブル27と神経刺激無しの遅延時間テーブル28に接続されている。この神経刺激有りの遅延時間テーブル27と神経刺激無しの遅延時間テーブル28の出力は、それぞれ遅延時間比較部31に接続されている。心拍比較部26には、心拍計測部24のほかに、心拍閾値記憶部25が接続されている。
また、心拍比較部26の出力は、ゲート回路29を開閉するための制御入力として供給されており、心房収縮検出部2の出力を遅延時間タイマ30に供給するか否かを制御している。そして、遅延時間選択部31と遅延時間タイマ30は遅延時間比較部32に接続され、遅延時間比較部32は神経刺激部14に接続されている。なお、神経刺激部14は遅延時間選択部31に接続されている。
次に、以上のブロック構成からなる本発明の実施の形態の例の動作について説明する。
まず、心房収縮検出部2の心房収縮の検出により、心房刺激インターバルタイマ17がスタートする。心房刺激インターバル設定値記憶部18には、許容できる最大の心房収縮間隔(最低心拍数)、例えば1000ms(60回/分)が記憶されており、心房刺激インターバルタイマ17の計時が心房刺激インターバル設定値記憶部18に記憶されている設定値に達する前に心房収縮を検出すると、心房刺激インターバルタイマ17は再び計時をリセットしてスタートする。一方、心房刺激インターバルタイマ17の計時が、心房刺激インターバル設定値記憶部18に記憶されている設定値に達しても心房収縮が検出されない場合には、心房刺激インターバル比較部19から出力が発せられ、心房刺激部3、心房電極リード4、及び心房刺激電極5を介して右心房11が刺激されて、最大心房収縮間隔(最低心拍数)が確保される。同時に、心房刺激インターバル比較部19の出力は、OR回路20を介して心房刺激インターバルタイマ17のリセット/スタート端子に供給され、心房刺激インターバルタイマ17はその計時をリセットして再びスタートする。
心房収縮の検出(心房収縮検出部2出力)や心房刺激(心房刺激インターバル比較部19出力)はOR回路20によって、AVDタイマ21をスタートさせる。また、心室収縮の検出(心室収縮検出部6出力)は、AVDタイマ21をストップさせる。自発的あるいは刺激によって心房が収縮すると、その興奮は心房と心室を連絡する房室伝導路を通って心室に伝わり、心室の収縮が起こる。心房の収縮から心室が収縮するまでの時間は、通常、120ms程度である。AVD設定値記憶部22には、この120msよりも若干大きい値、例えば150msが記憶されており、AVDタイマ21の出力がAVD設定値記憶部23に記憶された設定値を超えても心室収縮が検出されない場合は、AVD比較部23から出力が発せられ、心室刺激部7、心室電極リード8、及び心室刺激電極9を介して右心室12が刺激されて、心室収縮が確保される。
また、心房収縮検出及び心房刺激(これを併せて「心房イベント」という。)の信号は、心拍計測部24に供給され、ここに供給される心房イベント信号の間隔の逆数から心拍数が計測される。心拍数(回/分)をHR、心房イベント信号間隔(秒)をAAIとすると、心拍数は次式により求められる。
(数1) HR=60/AAI
この心拍計測部24で計測された心拍数が、心拍比較部26において、心拍閾値記憶部25に記憶されている心拍閾値と比較される。
また、心拍計測部24で計測した心拍数は、神経刺激有りの遅延時間テーブル27と神経刺激無しの遅延時間テーブル28に供給される。この遅延時間テーブル27と28には、心拍数に対応付けられた遅延時間が記憶されており、遅延時間選択部31において、そのいずれかのテーブルに記憶されている遅延時間が、入力される心拍数に応じて選択されるように構成されている。神経刺激有りの遅延時間テーブル27を選択するか、神経刺激無しの遅延時間テーブル28を選択するかは、神経刺激部14からの信号の状態によって決まることになる。なお、遅延時間テーブル27と28のそれぞれに記憶される心拍数と遅延時間の関係は、通常、遅延時間が心拍数の増加に対して減少するように設定され、この遅延時間の制御範囲は、上限値と下限値によって制限される。
同一の心拍数に対しては、神経刺激有り遅延時間テーブル27に記憶される遅延時間は、神経刺激無しの遅延時間テーブル28に記憶される遅延時間よりも長く設定されている。この神経刺激有りの場合と神経刺激無しの場合の遅延時間の差分として、予め定めた固定した時間を設定することができる。また、迷走神経刺激有りの遅延時間として、その時の心拍数を所定値だけ増加させた心拍数に対応した迷走神経刺激無しの遅延時間を設定することもできる。このときの所定値は、固定した心拍数値とすることもできるし、その時の心拍数の所定の割合とすることもできる。更には、遅延時間は心拍数の増減に関わらず一定とし、直前の心臓サイクルでの迷走神経刺激の実施の有無だけに基づいて、遅延時間を2値の間で切り換えることも可能である。このような迷走神経刺激の実施の有無や心拍数と遅延時間の関係は、医師が通常、この心臓治療装置を患者に植え込むときや定期診断時に電気生理学的検査を行って求められ、設定器等を用いて心臓治療装置内部の遅延時間テーブルを格納するメモリ上に求めた関係が転送される。また、患者を問診することによって、患者の状態から、予め心臓治療装置内部に格納された複数の遅延時間テーブルから適切なものを選択することも可能である。
また、遅延時間選択部31で選択された遅延時間は、遅延時間比較部32に送られ、ここで遅延時間タイマ30の計時時間と比較される。ここで、遅延時間タイマ30は、心拍比較部26からの出力がある場合、すなわち、心拍計測部24の計測値が心拍閾値記憶部25に記憶されている心拍閾値(上限値)より大きい場合に、心房収縮検出部2における心房収縮をトリガとして計時が開始される。
そして、遅延時間タイマ30の計時時間が、遅延時間選択部31で選択された遅延時間と一致すると、神経刺激部14に対して遅延時間比較部32は出力を発し、このタイミングで迷走神経13の刺激か行われる。
以上、本発明の心臓治療装置の実施形態例の構成と動作を説明したが、以下では本例の動作を図2と図3のフローチャートに基づいて更に詳細に説明する。
まず、図2において、神経刺激部14の神経刺激フラグをFALSEにする(ステップS1)。この神経刺激フラグの値は、遅延時間選択部31に供給されており、前の心臓サイクルで迷走神経13の刺激が行われたかどうかの判断に用いられる。神経刺激部14では、迷走神経13の刺激を行った場合には神経刺激フラグをTRUEに、迷走神経13の刺激を行わなかった場合にはFALSEにする。続いて、心房刺激インターバルタイマ17がリセットされ、カウントが開始される(ステップS2)。
次に、心房収縮検出部2において心房の収縮が検出されたか否かが判断される(ステップS3)。そして、この心房の収縮の検出により心拍計測が行われる(ステップS4)。判断ステップS3において、心房の収縮が検出されないと判断されたときは、次に心房刺激インターバルタイマ17がタイムアウトしているかどうかが判断される(ステップS5)。そして、タイムアウトしたと判断されたとき、すなわち、心房刺激インターバルタイマ17のカウント値が心房刺激インターバル設定値記憶部18に記憶された設定値を超えたときは、心房刺激インターバル比較部19から心房刺激のための出力が発せられ、心房刺激部3が作動して心房刺激が行われる(ステップS6)。心房刺激が行われた後は、後述する図3のフローチャート(A)に進む。一方、タイムアウトしていないと判断されたとき、すなわち、心房刺激インターバルタイマ17のカウント値が心房刺激インターバル設定値記憶部18に記憶された設定値を超えなければ、判断ステップS3に戻り、次の心房収縮の検出を待つ。
次に、心拍計測部24で計測された心拍数が心拍閾値記憶部25にあらかじめ記憶されている基準となる閾値より大きいか否かが判断される(ステップS7)。この判断ステップS7において、心拍数の計測値が心拍閾値より大きいと判断された場合(心拍間隔が基準となる心拍間隔閾値より小さい)は、次に、神経刺激フラグがTRUEであるか否かが判断される(ステップS8)。
初期の段階ではステップS1で神経刺激フラグがFALSEとされているため、判断ステップS8では、“NO”と判定され、神経刺激無しの遅延時間テーブル28が選択される(ステップS10)。そして、判断ステップS8において、神経刺激フラグがTRUEと判定された場合は、神経刺激有りの遅延時間テーブル27が選択される(ステップS9)。このステップS10またはステップS9において、遅延時間テーブル(神経刺激有)27または遅延時間テーブル(神経刺激無)28のいずれかが選択されることになるが、この選択は遅延時間選択部31において行われる。
遅延時間テーブル(神経刺激有)27と遅延時間テーブル(神経刺激無)28には心拍計測部24からの心拍数計測値が加えられているが、次のステップでは、神経刺激有りの場合(ステップS9)と神経刺激無し(ステップS10)の場合のいずれの場合においても、上記遅延時間テーブル27または28に供給される心拍数に応じた遅延時間が選択される(ステップS11)。ここでは、同じ心拍数であっても遅延時間テーブル(神経刺激有)27では遅延時間が長く設定され、遅延時間テーブル(神経刺激無)28では遅延時間が短く設定されるようにテーブルが作成されている。
続いて、心房刺激インターバルタイマ17をリセットさせ、カウントを開始させる(ステップS12)とともに、AVDタイマ21のカウントをスタートさせる。(ステップS13)。これは、OR回路20の出力が心房刺激インターバルタイマ17とAVDタイマ21のリセット端子(スタート端子)に供給されることによって実行される。
次に、この心房刺激インターバルタイマ17とAVDタイマ21のカウント開始に同期して、心拍比較部26からの出力がゲート回路29を開いて心房収縮検出部2の信号が遅延時間タイマ30に供給されて、遅延時間タイマ30のカウントが開始される(ステップS14)。続いて、この遅延時間タイマ30のカウント値がタイムアウトしたか否か、すなわち、カウント値が遅延時間選択部31で選択された選択値を超えたかどうかが判断される(ステップS15)。
そして、この判断ステップS15において、タイムアウトしたと判断された場合、つまり遅延時間タイマ30のカウント値が遅延時間選択部31で選択された遅延時間に一致したタイミングで迷走神経の刺激が行われる(ステップS16)。その後、神経刺激フラグをTRUEに切り替え(ステップS17)、このフラグを神経刺激部14から遅延時間選択部31に迷走神経刺激が行われた旨の情報を提供する。神経刺激フラグがTRUEに変わった後は、図3のフローチャートの(B)に進む。
次に、図3のフローチャートに基づいて、図2のステップS6で心房刺激が行われた以後の、本発明の実施形態の例の動作について説明する。
ステップS6で心房刺激が行われると(A)、神経刺激部14の神経刺激フラグがFALSEに設定される(ステップS18)。これは、最初から神経刺激フラグがFALSEであれば変更しないことを意味している。そして、心房刺激インターバルタイマ17をリセットしてカウントを開始するとともに(ステップS19)、AVDタイマ21のカウントを開始させる(ステップS20)。
このAVDタイマ21のカウントが開始した後、あるいは図2のステップS17において神経刺激フラグがTRUEに切り替わった後(B)は、続いて、心室収縮検出部6において心室の収縮が検出されたか否かが判断される(ステップS21)。この判断ステップS21において、心室収縮が検出された場合は、AVDタイマ21のストップ端子に心室収縮検出部6からの検出信号が供給されるため、AVDタイマ21のカウントが停止する(ステップS22)。判断ステップS21において、心室の収縮が検出されなかった場合には、AVDタイマ21がタイムアウトしたかどうかが判断される(ステップS23)。そして、AVDタイマ21がタイムアウトしたと判定された場合、すなわち、AVDタイマ21のカウント値がAVD設定値記憶部22に記憶されている設定値を超えた場合は、心室刺激部7を通して心室の刺激が行われる(ステップS24)。一方、AVDタイマ21がタイムアウトしていないと判定された場合、すなわち、AVDタイマ21のカウント値がAVD設定値記憶部22に記憶されている設定値を超えていない場合は、判断ステップS21に戻り、次の心室収縮の検出を待つ。
その後は、図2のフローチャートの判断ステップ3に戻り(C)、次の心房収縮の検出を待つ。
以上説明したように、本発明の心臓治療装置によれば、心拍数の増大時(心拍間隔の減少時)に迷走神経を刺激するタイミングを、患者の心拍数を監視することにより、患者の心房収縮の検出から最適な遅延時間を選定することができるので、迷走神経の刺激の効果をそれぞれの患者の状況に応じて最大限に発揮させることが可能である。
以上、本発明の心臓治療装置を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲を逸脱しない限りにおいて、種々の変更した実施形態にも適用することができるものである。
本発明の、実施の形態の心臓治療装置の構成例を示したブロック図である。 本発明の、実施の形態の心臓治療装置の動作を説明するための部分フロー図である。 本発明の、実施の形態の心臓治療装置の動作を説明するための部分フロー図である。
符号の説明
1・・・心臓治療装置、2・・・心房収縮検出部、3・・・心房刺激部、6・・・心室収縮検出部、7・・・心室刺激部、13・・・迷走神経、14・・・神経刺激部、17・・・心房刺激インターバルタイマ、19・・・心房刺激インターバル比較部、21・・・房室遅延(AVD)タイマ、23・・・AVD比較部、24・・・心拍計測部、25・・・心拍閾値記憶部、26・・・心拍比較部、27・・・遅延時間テーブル(神経刺激有)、28・・・遅延時間テーブル(神経刺激無)、30・・・遅延時間タイマ、31・・・遅延時間選択部、32・・・遅延時間比較部

Claims (9)

  1. 迷走神経刺激を行うための神経刺激信号を発生する神経刺激手段と、
    心房収縮を検出する心房収縮検出手段と、
    前記心房収縮の検出から所定時間の計時後に前記神経刺激信号の発生をトリガする計時手段と、
    心拍数あるいは心拍間隔を計測する心拍計測手段と、
    前記計時手段と前記心拍計測手段に接続する制御手段とを備え、
    前記制御手段が、前記心拍計測手段の出力に基づいて前記計時手段が計時する前記所定時間を調節することを特徴とする心臓治療装置。
  2. 前記制御手段が、前記心拍数の増加に対して前記所定時間を減少させる、あるいは前記心拍間隔の減少に対して前記所定時間を減少させることを特徴とする請求項1に記載の心臓治療装置。
  3. 前記所定時間の調節が、直前の心臓サイクルにおける前記心拍数あるいは前記心拍間隔に基づくものであることを特徴とする請求項1または2に記載の心臓治療装置。
  4. 同一の前記心拍数あるいは前記心拍間隔に対する前記所定時間が、前記直前の心臓のサイクルでの前記迷走神経刺激の有無によって異なることを特徴とする請求項3に記載の心臓治療装置。
  5. 同一の前記心拍数あるいは前記心拍間隔に対する前記所定時間が、前記直前の心臓のサイクルでの前記迷走神経刺激を行わなかった場合よりも前記迷走神経刺激を行った場合の方が長いことを特徴とする請求項4に記載の心臓治療装置。
  6. 前記直前の心臓のサイクルでの前記迷走神経刺激を行った場合に対する前記所定時間が、前記迷走神経刺激を行わなかった場合に対する所定時間よりも固定された時間だけ長いことを特徴とする請求項5に記載の心臓治療装置。
  7. 前記直前の心臓のサイクルでの前記迷走神経刺激を行った場合に対する前記所定時間が、前記迷走神経刺激を行わなかった場合に対する前記所定時間を、前記直前の心臓サイクルの前記心拍数を所定値だけ増加させた値あるいは前記心拍間隔を所定値だけ減少させた値に基づいて設定されることを特徴とする請求項5に記載の心臓治療装置。
  8. 前記所定値が、固定された心拍数値あるいは心拍間隔値であることを特徴とする請求項7に記載の心臓治療装置。
  9. 前記所定値が、前記直前の心臓サイクルの前記心拍数あるいは前記心拍間隔の所定の割合であることを特徴とする請求項7に記載の心臓治療装置。
JP2004358933A 2004-12-10 2004-12-10 心臓治療装置 Expired - Fee Related JP4630653B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004358933A JP4630653B2 (ja) 2004-12-10 2004-12-10 心臓治療装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004358933A JP4630653B2 (ja) 2004-12-10 2004-12-10 心臓治療装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006158890A JP2006158890A (ja) 2006-06-22
JP4630653B2 true JP4630653B2 (ja) 2011-02-09

Family

ID=36661498

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004358933A Expired - Fee Related JP4630653B2 (ja) 2004-12-10 2004-12-10 心臓治療装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4630653B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011103981A (ja) * 2009-11-13 2011-06-02 Olympus Corp 神経刺激装置
JP5881326B2 (ja) * 2011-07-08 2016-03-09 オリンパス株式会社 神経刺激装置、神経刺激システムおよび神経刺激装置の制御方法
JP5856876B2 (ja) * 2012-03-06 2016-02-10 オリンパス株式会社 心臓治療装置とその作動方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004181068A (ja) * 2002-12-05 2004-07-02 Terumo Corp 心臓治療装置
JP2005528939A (ja) * 2002-04-08 2005-09-29 メドトロニック・インコーポレーテッド 不整脈判別を提供する方法および装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0626593B2 (ja) * 1985-09-19 1994-04-13 オムロン株式会社 低周波治療器
JPH08744A (ja) * 1994-06-27 1996-01-09 Tec Corp 低周波治療装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005528939A (ja) * 2002-04-08 2005-09-29 メドトロニック・インコーポレーテッド 不整脈判別を提供する方法および装置
JP2004181068A (ja) * 2002-12-05 2004-07-02 Terumo Corp 心臓治療装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006158890A (ja) 2006-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4926064B2 (ja) モニタされた心臓血管パラメータに基づいた圧反射調節
US7277761B2 (en) Vagal stimulation for improving cardiac function in heart failure or CHF patients
US7092755B2 (en) System and method of cardiac pacing during sleep apnea
JP5548771B2 (ja) 埋め込み型医療装置における生理的振動検出
US8626282B2 (en) Baroreflex modulation to gradually change a physiological parameter
JP5624619B2 (ja) 埋め込み型医療装置における遠隔感知
JP5613234B2 (ja) 埋め込み型医療装置における遠隔ペース検出
US7194313B2 (en) Baroreflex therapy for disordered breathing
US7643875B2 (en) Baroreflex stimulation system to reduce hypertension
US8812108B2 (en) Autonomic balance monitoring to control intermittent therapy
JP4252833B2 (ja) 心臓治療装置
US20140121718A1 (en) Systems, devices and methods for modulating autonomic tone
JP2008526456A (ja) 心拍変動を使用する電気的刺激の制御
JP2004173790A (ja) 心臓治療装置
US10780288B2 (en) Systems amd methods for suppressing and treating atrial fibrillation and atrial tachycardia
JP4630653B2 (ja) 心臓治療装置
EP2916907B1 (en) Implantable neurostimulator for managing tachyarrhthmia and enhancing heart failure patient awakening through vagus nerve stimulation
JP4381044B2 (ja) 心臓治療装置
JP4575210B2 (ja) 心臓治療装置
JP4624159B2 (ja) 心臓治療装置
JP4563785B2 (ja) 心臓治療装置
US20080183231A1 (en) Systems, devices and methods to alter autonomic tone
JP2006263349A (ja) 心臓治療装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100629

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100706

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100820

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100907

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100924

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101019

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131119

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees