以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。なお、本発明のIP電話システムは、大規模の事業体、例えばメガバンクなどのように、本社や本店があり、各地に支社や支店が存在し、本社をセンタとしてIP交換機を設置し、各地を多くの拠点として、それぞれの拠点に複数のIP端末を設置して営業活動を行うような場合に適用し、全ての拠点に設置された全てのIP端末をWAN(Wide Area LAN)などの回線(ネットワーク)を介してセンタのIP交換機に収容し、センタのIP交換機で全てのIP端末の呼制御を実行することにより、全てのIP端末相互間の通話を集中的に管理するものである。
また、本発明のIP電話システムは、システム内の装置や回線(ネットワーク)などの冗長化や2重化を図って、故障や障害に対してバックアップすることにより、システムの信頼性を高めるものである。
図1はこの発明に係るIP電話システムの一実施の形態ブロック構成図である。図1において、IP電話システム1は、センタに設置されるIP交換機2と、拠点A1〜拠点Hnの拠点毎に設置されるバックアップ交換機(B―TM)6および複数のIP端末Eqiと、センタのIP交換機2と全ての拠点A1〜Hnを接続するWANなどの回線(ネットワーク)5から構築する。
IP交換機(TM)2は、IP交換機(TM)2の全体動作を制御する主制御装置(CC)3と、主制御装置(CC)3の制御により、回線(ネットワーク)5を介して拠点A1〜Hn毎に設置された複数のIP端末Eqiを収容し、呼制御を行う複数の信号制御装置4とを備える。
信号制御装置4は、主制御装置(CC)3と制御バスBUを介して接続されるSC−0〜SC−7およびSC−N(バックアップSC)で構成し、SC−0〜SC−7は、回線(ネットワーク)5を介して、それぞれ拠点A1〜拠点HnのIP端末Eqiを収容し、IP端末Eqiの呼制御を実行する。また、SC−N(バックアップSC)は、SC−0〜SC−7が正常時には、拠点A1〜拠点HnのいかなるIP端末Eqiも収容せず、SC−0〜SC−7の1台が故障した場合には、故障したSC−0〜SC−7をバックアップし、該当する拠点A1〜拠点HnのIP端末Eqiを収容する。
拠点Aは、拠点A1〜拠点Anから構成し、拠点Bは、拠点B1〜拠点Bnから構成し、…、拠点Hは、拠点H1〜拠点Hnから構成し、拠点A1〜拠点Hnは、それぞれ中継ネットワークを介して回線(ネットワーク)5に接続する。
拠点A1〜拠点HnのIP端末Eqiは、起動時に、それぞれSC−0〜SC−7にログインすることにより、SC−0〜SC−7に収容されることになる。
バックアップ交換機(B―TM)6は、拠点A1〜拠点HnのLAN(Local Area Network)に接続し、拠点A1〜拠点Hnの各々に対応してバックアップ交換機(B―TM)6A1、バックアップ交換機(B―TM)6A2,…,バックアップ交換機(B―TM)6Hnを備え、IP交換機2が通常に運用している時には、待機状態(待機系)にあり、IP端末Eqiの呼制御は行わない。
また、バックアップ交換機(B―TM)6A1、バックアップ交換機(B―TM)6A2,…,バックアップ交換機(B―TM)6Hnは、それぞれ接続される中継ネットワークに障害が発生した時には、運用状態(運用系)となり、該当するSC−0〜SC−7nに代わり、IP端末Eqiからのログインを受け付けてIP端末Eqiの呼制御を行い、拠点A1〜拠点Hn内のIP端末Eqi相互間の通話を可能にする。
なお、IP電話システム1は、例えばSC−0〜SC−7の8台で構成し、各SC−0〜SC−7がそれぞれ16拠点をカバーして、1台のSCがそれぞれ16拠点合計で2000台のIP端末Eqiを収容可能とし、1システムでは、16000台のIP端末Eqiを収容可能とする大規模なシステムを想定する。
図2はこの発明に係る主制御装置と信号制御装置の実施の形態接続図である。図2において、主制御装置(CC)3は、装置を2重化構成とし、運用系(ACT系)の主制御装置3aと待機系(SBY系)の主制御装置3bを備える。
運用系(ACT系)の主制御装置3aは、制御バスBU―aを介して信号制御装置4を構成するSC−0〜SC−7およびSC―N(バックアップSC)と接続し、待機系(SBY系)の主制御装置3bは、制御バスBU―bを介してSC−0〜SC−7およびSC―N(バックアップSC)と接続する。
SC−0〜SC−7およびバックアップSCは、制御バスBU―aおよび制御バスBU―の双方に接続し、制御バスBU―aを介して運用系(ACT系)の主制御装置3aに接続し、制御バスBU―bを介して待機系(SBY系)の主制御装置3bに接続する。
運用系(ACT系)の主制御装置3aは、CPU―aおよびRAM―aを備え、SC−0〜SC−7およびSC―N(バックアップSC)のIPアドレスa〜IPアドレスhおよびIPアドレスiや局データなど呼処理情報を記憶し、制御バスBU―aを介してSC−0〜SC−7およびSC―N(バックアップSC)を制御する。
待機系(SBY系)の主制御装置3bは、CPU―bおよびRAM―bを備え、運用系(ACT系)の主制御装置3aが運用時に、常時、運用系(ACT系)の主制御装置3aを監視し、主制御装置3aの故障を検出した際には、主制御装置3aに代って切り替わり、待機系(SBY系)から運用系(ACT系)となって制御バスBU―bを介してSC−0〜SC−7およびSC―N(バックアップSC)を制御する。
運用系(ACT系)の主制御装置3aは、呼制御情報をRAM―aに記憶するとともに、同時に待機系(SBY系)の主制御装置3bのRAM―bにも記憶させ、主制御装置3aの故障時に、主制御装置3bへの切替えを迅速に移行させる。
主制御装置(CC)3は、信号制御装置4を構成するSC−0〜SC−7およびSC−7(バックアップSC)にIPアドレスa〜IPアドレスhおよびIPアドレスiを設定する。例えば、SC−0にIPアドレスa、SC−1にIPアドレスb、SC−2にIPアドレスc、SC−3にIPアドレスd、SC−4にIPアドレスe、SC−5にIPアドレスf、SC−6にIPアドレスg、SC−7にIPアドレスh、SC−N(バックアップSC)にIPアドレスiを初期設定する。なお、IPアドレスa〜IPアドレスhは、SC−0〜SC−7およびSC−7(バックアップSC)に任意に設定することができる。
また、主制御装置(CC)3は、SC−0〜SC−7およびSC−N(バックアップSC)と、常時、疎通確認を行い、例えばSC−0の疎通確認ができない場合に、SC−0を故障と判断する。
さらに、主制御装置(CC)3は、SC−0を故障と判断すると、SC−N(バックアップSC)のIPアドレスiを故障が発生したSC−0のIPアドレスaに変更し、故障が発生したSC−0をSC−N(バックアップSC)に切り替える制御を実行する。
信号制御装置(SC)4は、SC−0〜SC−7およびSC−7(バックアップSC)で構成し、それぞれ主制御装置(CC)3とのインタフェースであるCCI/F、制御部(CPU)、故障を検出して通知する保守部、回線(ネットワーク)5とのインタフェースであるLANポートなどを備える。
信号制御装置(SC)4のSC−0〜SC−7は、主制御装置(CC)3からIPアドレスa〜IPアドレスhを設定されて運用系を構成し、拠点A〜拠点H毎のIP端末EqiからのIPアドレスa〜IPアドレスhに基づいたログイン宛て先となり、ログインされた拠点A〜拠点H毎のIP端末EqiのIPアドレスを受け付けることにより、それぞれ拠点A〜拠点H毎のIP端末Eqiを収容する。
このように、この発明に係る信号制御装置(SC)4は、拠点毎A〜Hの複数のIP端末Eqiからのログインに基づいて複数のIP端末Eqiを収容するので、収容された複数のIP端末Eqiを特定して呼制御を実行することができ、システムの全IP端末EqiをセンタのIP交換機2で集中して管理することができる。
信号制御装置(SC)4のSC−N(バックアップSC)は、主制御装置(CC)3からIPアドレスiを設定されて待機系(バックアップ系)を構成し、拠点A〜拠点H毎のIP端末Eqiを何ら収容しない。
SC−0〜SC−7の1台(例えば、SC−0)に故障が発生すると、主制御装置(CC)3の制御により、SC−N(バックアップSC)のIPアドレスiがSC−0のIPアドレスaに変更された後、SC−N(バックアップSC)は、SC−0として待機系から運用系に切り替わる。
この時、SC−N(バックアップSC)は、SC−0にログインされたIP端末EqiのIPアドレスも引き継いで、拠点AのIP端末Eqiを収容して運用し、拠点AのIP端末Eqiの呼制御を継続して実行することになる。
このように、この発明に係る信号制御装置(SC−0〜SC−7)および予備の信号制御装置(SC−N:バックアップSC)は、主制御装置3からそれぞれIPアドレス(IPアドレスa〜IPアドレスhおよびIPアドレスi)を指定されるので、IPアドレスを変更(IPアドレスi→IPアドレスa)することにより、予備の信号制御装置(SC−N)を運用中の信号制御装置(SC−0)に切り替えることができ、信号制御装置(SC−0)の運用を停止することなく、継続することができる。
一方、故障を発生したSC−0は、修復後に、主制御装置(CC)3からの制御により、IPアドレスiが設定されてSC−N(バックアップSC)となって予備系に回り、次回に、運用系のSC−0〜SC−7の故障に対応する。
なお、故障を発生したSC−0は、修復後に、主制御装置(CC)3からの制御により、運用中のSC−0(前のバックアップSC)からIPアドレスaと拠点AのIP端末EqiのIPアドレスを引き継いで、再度SC−0となって運用を開始し、運用中のSC−0(前のバックアップSC)にIPアドレスiを設定してSC−N(バックアップSC)に戻すこともできる。
このように、この発明に係る故障が発生した信号制御装置(例えば、SC−0)は、修復後に予備の信号制御装置SC−N(バックアップSC)にするので、引き続き運用中の信号制御装置(SC−0〜SC−7)の故障に対応することができ、運用中の全ての信号制御装置4と同数のバックアップ装置を設けることなく、予備の信号制御装置(バックアップSC)でバックアップを実現することができる。
図3はこの発明に係る信号制御装置の切替えの一実施の形態説明図である。図3において、信号制御装置4を構成するSC−0〜SC−7は、それぞれIPアドレスa〜IPアドレスhで運用中であり、回線(ネットワーク)5を介して拠点A〜拠点HのIP端末Eqiを収容し、IP端末Eqiの呼制御を行っている。
一方、SC−N(バックアップSC)は、IPアドレスiで待機中であるが、拠点A〜拠点Hのいずれか1拠点のIP端末Eqiを収容可能な状態にある。
SC−0〜SC−7およびSC−7(バックアップSC)は、主制御装置(CC)3との相互間で正常稼働監視(破線表示)の疎通確認を行っている。
運用中のSC−0〜SC−7の1台(例えば、SC−0)に障害が発生した場合、主制御装置(CC)3とSC−0との間の疎通確認が取れなくなり、主制御装置(CC)3は、SC−0の故障を検出すると、SC−N(バックアップSC)のIPアドレスiを故障が発生したSC−0のIPアドレスaに変更し、故障が発生したSC−0とSC−N(バックアップSC)を切り替えて、SC−N(バックアップSC)をSC−0として運用させる。
このように、この発明に係る信号制御装置4は、主制御装置(CC)3との間で疎通確認を行うので、信号制御装置(例えば、SC−0)に故障が発生しても、疎通確認がないことで信号制御装置に故障を判断して、予備の信号制御装置(SC−N:バックアップSC)を運用の信号制御装置(SC−0)に切り替えることができ、予備の信号制御装置の切替えを効率的に実現することができる。
また、この発明に係る予備の信号制御装置4(SC−N:バックアップSC)は、運用中の1台の信号制御装置4(例えば、SC−0)に故障が発生した場合、主制御装置(CC)3の制御により、自身(SC−N)のIPアドレスiを故障が発生した信号制御装置4(SC−0)のIPアドレスaに変更するとともに、故障が発生した信号制御装置4(SC−0)にログインされている複数のIP端末EqiのIPアドレスを引き継ぐので、予備の信号制御装置(バックアップSC)を運用の信号制御装置4(SC−0)に容易に切り替えることができる。
なお、主制御装置(CC)3は、SC−0とSC−N(バックアップSC)を切り替える場合、SC−N(バックアップSC)の運用に必要な最低限のイニシャル条件をチェック(リブート)するのみで、切替えを実行するため、切替え時間を短縮してSC−0とSC−N(バックアップSC)の切替えに伴う影響を最小限にし、SC−0の運用を継続する。
図4はこの発明に係る信号制御装置の一実施の形態疎通確認動作シーケンス図である。図4において、信号制御装置(SC)4の運用中のSC−0〜SC−7は、正常状態にある場合を示す。主制御装置(CC)3とSC−0〜SC−7およびSC−N(バックアップSC)との間で疎通確認を行う。
主制御装置(CC)3は、通信テストをSC−0〜SC−7およびSC−N(バックアップSC)に送信し、SC−0〜SC−7およびSC−N(バックアップSC)から送信されてくる通信テスト結果を受信することにより、SC−0〜SC−7およびSC−N(バックアップSC)に故障が発生していないことを判定する。
図5はこの発明に係る信号制御装置の別実施の形態疎通確認動作シーケンス図である。図5において、運用系の信号制御装置4(SC−0)に故障(障害)が発生した場合を示す。この状態では、主制御装置(CC)3からSC−0に、何度通信テストを送信しても、主制御装置(CC)3は、SC−0から通信テスト結果を受信することができなく、主制御装置(CC)3とSC−0間の疎通確認が無くなる。
主制御装置(CC)3は、SC−0が故障(障害)と判定し、SC−N(バックアップSC)を障害発生のSC−0と切り替える。SC−N(バックアップSC)は、リブート(再起動)し、主制御装置(CC)3に対してSCイニシャル要求を送信する。
主制御装置(CC)3は、SC−N(バックアップSC)からのSCイニシャル要求を受信すると、最低限の初期設定情報をSC−N(バックアップSC)に送信し、最短期間でSC−N(バックアップSC)をSC−0として運用開始させる。
図6はこの発明に係る信号制御装置の一実施の形態切替動作シーケンス図である。図6において、SC−0に障害が発生し、その後、復旧処理をしてバックアップSCとして動作する。一方、バックアップSCは、SC−0の障害発生により、SC−0に切り替わって運用系として動作する。
この状態で、主制御装置(CC)3でSC切替コマンドを実行し、SC−0およびバックアップSCの双方に、SC切替処理の指令が送信されると、SC−0(バックアップSCとして待機中)およびバックアップSC(SC−0として運用中)がリブートし、SC−0が障害(故障)前のSC−0(運用系)に切り戻り、バックアップSCが障害(故障)発生以前のバックアップSC(待機系)に戻る。
次に、この発明に係る信号制御装置のLANポートの2重化について説明する。信号制御装置4を構成するSC−0〜SC−7およびSC−N(バックアップSC)は、それぞれ運用系のA系ポートPHY0と、待機系のB系ポートPHY1の2系統のLANポートと、2系統のLANポートの切替えを制御するCPUを備える。
A系ポートPHY0は、LANを介して2系統の回線(ネットワーク)5のA系ネットワークに接続し、B系ポートPHY1は、LANを介して2系統の回線(ネットワーク)5のB系ネットワークに接続する。
A系ネットワークには、GW(ゲートウェイ)7aが接続され、B系ネットワークには、GW(ゲートウェイ)7bが接続される。
また、SC−0〜SC−7およびSC−N(バックアップSC)は、制御バスBUを介して主制御装置(CC)3と接続し、レイヤ1障害発生通知および障害復旧通知を主制御装置(CC)3に送信する。
信号制御装置4(例えば、SC−0)のA系ネットワークに接続されたA系ポートPHY0が障害を発生すると、CPUから主制御装置(CC)3に障害発生通知を送信するとともに、A系ポートPHY0からB系ポートPHY1に切替えてB系ネットワークに接続して運用を継続する。
A系ポートPHY0が動作(運用)中に、レイヤ1障害が発生すると、A系ポートPHY0のIPアドレスおよびMACアドレスをB系ポートPHY1に引き継がせ、B系ポートPHY1に切替えて動作(運用)させ、B系ポートPHY1でA系ポートPHY0をバックアップする。
図7はこの発明に係る信号制御装置の一実施の形態ポート切替え説明図である。図7において、信号制御装置4は、SC−0〜SC−7およびSC−N(バックアップSC)で構成し、それぞれ回線(ネットワーク)5のA系ネットワークに接続するA系ポートPHY0(運用系)と、B系ネットワークに接続するB系ポートPHY1(待機系)を備える。
A系ポートPHY0(運用系)が動作中に、レイヤ1障害を検出すると、CPUは、A系ポートPHY0をB系ポートPHY1に切替え(実線表示→破線表示)て、運用系とし、B系ポートPHY1からB系ネットワークを介して該当する拠点A〜拠点HのIP端末Eqiの呼制御を実行する。
一方、A系ポートPHY0のレイヤ1障害が復旧すると、CPUの制御により、B系ポートPHY1をA系ポートPHY0に切替え(破線表示→実線表示)て、運用系に切り戻すか、またはB系ポートPHY1を切り戻さずに運用系とし、A系ポートPHY0を待機系とする。
図8はこの発明に係るLANポートの一実施の形態切替えシーケンス図である。図8において、A系ポートPHY0で動作中にレイヤ1障害が発生すると、保守部からA系レイヤ1障害発生通知がCCI/Fに送信され、CCI/Fは、B系リンクアップ状態であることを確認し、B系ポートPHY1への切替えの指示をパケットでB系ポートPHY1に送信する。
CCI/Fからパケットを受信したLANポートは、A系ポート(A系ポートPHY0)からB系ポート(B系ポートPHY1)に切り替わり、B系ポートで運用動作する。
一方、B系ポートPHY1で動作中に、保守部からA系レイヤ1障害復旧通知がCCI/Fに送信されても、CCI/Fは、A系ポートPHY0の切り戻しを行わず、LANポートは、B系ポートPHY1で運用動作を継続する。
図9はこの発明に係るLANポートの別実施の形態切替えシーケンス図である。図9において、A系ポートPHY0でレイヤ1障害が発生し、LANポートがA系ポート(A系ポートPHY0)からB系ポート(B系ポートPHY1)に切り替わり、B系ポートで運用動作するまでは図8と同じである。
B系ポートPHY1で動作中に、保守部からA系レイヤ1障害復旧通知がCCI/Fに送信されると、CCI/Fは、A系ポートPHY0の切り戻しを行い、A系ポートPHY0への切替えの指示をパケットでA系ポートPHY0に送信し、LANポートは、B系ポート(B系ポートPHY1)からA系ポート(A系ポートPHY0)に切り替わり(切り戻し)、A系ポートで運用動作する。
続いて、この発明に係る拠点のバックアップ交換機について説明する。IP電話システムの各拠点には、拠点毎(図1に示す拠点A1〜Hn)にバックアップ交換機6(図1に示すバックアップ交換機6A1〜6Hn)を備える。
バックアップ交換機(B−TM)6は、IP交換機(TM)2や回線(ネットワーク)5に障害がない正常な運用状態では、後述するユニキャスト−マルチキャスト変換の動作を除いて、待機状態(待機系)にあり、それぞれ所属するIP交換機2の信号制御装置(SC)4(SC−0〜SC−7)との間で疎通確認を行う。
また、バックアップ交換機(B−TM)6は、自身が属する拠点(例えば、拠点A)に属する複数のIP端末Eqiに対してもノーケア状態にある。
さらに、バックアップ交換機(B−TM)6は、IP交換機(TM)2の故障や回線(ネットワーク)5の障害の異常時には、待機状態(待機系)から運用状態(運用系)に切り替えて、拠点内のIP端末Eqiの内線通話をバックアップする。
待機状態(待機系)から運用状態(運用系)への切替えは、IP交換機(TM)2の故障や回線(ネットワーク)5の障害の異常によってIP交換機2(信号制御装置4)からの疎通確認ができない場合に実行する。
一方、運用状態(運用系)から待機状態(待機系)への復帰は、IP交換機(TM)2の故障や回線(ネットワーク)5の障害の異常が修復され、IP交換機2(信号制御装置4)からの疎通確認が再開された場合に実行する。
バックアップ交換機(B−TM)6は、IP交換機(TM)2の故障や回線(ネットワーク)5の障害の異常時になると、運用状態(運用系)になり、拠点内のIP端末EqiからログインされるIPアドレスを受け付け、該当する拠点(例えば、拠点A)内の全てのIP端末Eqi相互間の内線通話の呼制御を行う。
また、バックアップ交換機(B−TM)6は、IP交換機(TM)2の故障や回線(ネットワーク)5の障害が復旧すると、待機状態(待機系)に切り戻り、拠点(例えば、拠点A)内の全てのIP端末Eqiがログアウトすることになり、該当する拠点(例えば、拠点A)内の全てのIP端末Eqi相互間の内線通話の呼制御を停止する。
拠点内の全てのIP端末Eqiは、バックアップ交換機6が待機系にあるIP交換機(TM)2や回線(ネットワーク)5の正常時には、IP交換機2(信号制御装置4)にIPアドレスを送信してログインし、IP交換機2(信号制御装置4)の制御によって通話を行う。
また、拠点内の全てのIP端末Eqiは、バックアップ交換機6が運用系となるIP交換機(TM)2や回線(ネットワーク)5の異常時には、IP交換機2(信号制御装置4)からログアウトし、バックアップ交換機6にIPアドレスを送信してログインし、バックアップ交換機6の制御によって拠点内の内線通話を行う。
さらに、拠点内の全てのIP端末Eqiは、バックアップ交換機6が待機系に戻るIP交換機(TM)2や回線(ネットワーク)5の異常からの復帰時には、バックアップ交換機6からログアウトし、IP交換機2(信号制御装置4)にIPアドレスを送信してログインし、IP交換機2(信号制御装置4)の制御によってシステム内の通話を行う。
また、IP端末Eqiは、IP交換機2(信号制御装置4)からのライフチェックを監視し、ライフチェックが無くてタイムオーバをすると、IP交換機2(信号制御装置4)からログアウトし、バックアップ交換機6にIPアドレスを送信してログインする。
さらに、IP端末Eqiは、バックアップ交換機6からのライフチェックを監視し、ライフチェックが無くてタイムオーバをすると、バックアップ交換機6からログアウトし、IP交換機2(信号制御装置4)にIPアドレスを送信してログインする。
図10はこの発明に係るバックアップ交換機の一実施の形態動作概要図である。図10において、拠点A、拠点B、…、拠点Nのバックアップ交換機6(バックアップTM)は、回線(ネットワーク)5を介してセンタのIP交換機(TM)2に収容される。なお、拠点A、拠点B、…、拠点N内には、それぞれ複数のIP端末Eqiが存在する。
IP交換機(TM)2および回線(ネットワーク)5に障害のない正常時には、拠点A、拠点B、…、拠点N内の全てのIP端末EqiがIP交換機(TM)2にIPアドレスを送信してログインして、IP交換機(TM)2の制御により、全てのIP端末Eqi相互間の通話を行う。
このシステム正常時から、第1のケースで、IP交換機(TM)2に故障が発生した場合には、拠点A、拠点B、…、拠点N内の全てのバックアップ交換機6(バックアップTM)が待機系から運用系に切り替わり、拠点A、拠点B、…、拠点N内の全てのIP端末EqiもIP交換機(TM)2からログアウトし、それぞれ自拠点内のバックアップ交換機6(バックアップTM)にIPアドレスを送信してログインし、バックアップ交換機6(バックアップTM)の制御により、自拠点内の内線通話が可能になる。
また、システム正常時から、第2のケースで、拠点Aが接続しているネットワークに障害が発生した場合には、拠点Aのバックアップ交換機6(バックアップTM)が待機系から運用系に切り替わり、拠点Aの全てのIP端末EqiがIP交換機(TM)2からログアウトし、拠点A内のバックアップ交換機6(バックアップTM)にIPアドレスを送信してログインし、バックアップ交換機6(バックアップTM)の制御により、拠点A内の内線通話が可能になる。
一方、拠点B、…、拠点N内の全てのIP端末Eqiは、IP交換機(TM)2の制御により、拠点B、…、拠点N内の全てのIP端末Eqi相互間で通話を行う。なお、IP交換機(TM)2およびネットワークに異常が同時に発生した場合には、第1のケースと同じ現象になる。
次に、この発明に係る拠点のバックアップ交換機のシーケンス動作について説明する。各拠点のバックアップ交換機6(バックアップTM)は、待機状態から運用状態に切り替える動作シーケンスおよび運用状態から待機状態に切り戻す動作シーケンスを備える。
図11はこの発明に係るバックアップ交換機の一実施の形態待機系から運用系への動作シーケンス図である。なお、動作シーケンスは、拠点Aのバックアップ交換機6(バックアップTM―A)とIP端末Eqi(端末A)、センタのIP交換機(TM)2、および拠点Bのバックアップ交換機6(バックアップTM―B)とIP端末Eqi(端末B)の相互間について説明する。
センタのTMならびにネットワークが正常な場合、拠点Aの端末Aおよび拠点Bの端末Bは、それぞれセンタの「TMログイン運用中」であり、端末Aおよび端末Bは、TMとの間で「呼制御メッセージ」(ダイヤル発信、転送、着信など)を遣り取りし、TMからの「ライフチェック」を監視し、TMに「ライフチェック応答」を送信する。
一方、拠点AのバックアップTM―Aおよび拠点BのバックアップTM―Bは、「待機系で動作中」であり、「動作可通知(予備系表示)」をTMに送信し、TMから「動作可通知(運用系表示)」を受信することにより、拠点AのバックアップTM―AとTM相互間および拠点BのバックアップTM―BとTM相互間の疎通確認を実行している。
この状態から、TMと拠点Bを接続する中継ネットワーク(ネットワーク)に障害が発生すると、拠点BのバックアップTM―Bは、センタのTMから「動作可通知(運用系表示)」を受信できなくなって、「TMの疎通断検出」することになるので、「運用系動作へ切替」を実行する。
一方、拠点Bの端末Bは、センタのTMからの「ライフチェック」を受信できなくなり、「ライフチェックタイムアウト検出」をして「TMからログアウト」した後、「バックアップTM―Bをログイン先」として「ログイン」することにより、拠点BのバックアップTM―Bは、「端末Bのログイン」を受け付ける。
この時点で、センタのTMは、「端末BライフチェックNG」を検出し、「端末Bログアウト」を認識する。
運用系になったB拠点のバックアップTM―Bが「端末Bのログイン」を受け付けると、端末Bは、「バックアップTM―Bにログイン運用中」となり、バックアップTM―Bとの間で、「呼制御メッセージ」(ダイヤル発信、転送、着信など)を遣り取りし、拠点B内の内線通話が可能になる。
その後、端末Bは、バックアップTM―Bからの「ライフチェック」を監視し、バックアップTM―Bに「ライフチェック応答」を送信する。
一方、中継ネットワーク(ネットワーク)に障害がない拠点AのバックアップTM―Aおよび端末Aは、バックアップTM―Aが待機系で動作、端末AがTMにログインして運転中となる。
図12はこの発明に係るバックアップ交換機の一実施の形態運用系から待機系への動作シーケンス図である。なお、動作シーケンスは、図11と同様に、拠点Aのバックアップ交換機6(バックアップTM―A)とIP端末Eqi(端末A)、センタのIP交換機(TM)2、および拠点Bのバックアップ交換機6(バックアップTM―B)とIP端末Eqi(端末B)の相互間について説明する。
また、拠点Aのバックアップ交換機6(バックアップTM―A)とIP端末Eqi(端末A)は、拠点AとセンタのIP交換機(TM)2を接続する中継ネットワーク(ネットワーク)に障害が発生してないので、図11と同じ動作シーケンスであり、拠点Bのバックアップ交換機6(バックアップTM―B)とIP端末Eqi(端末B)、センタのIP交換機(TM)2の相互間について説明する。
TMと拠点Bを接続する中継ネットワーク(ネットワーク)に障害が発生しているので、バックアップTM―Bは、「運用系で動作中」であり、端末Bは、「バックアップTM−Bにログイン運転中」である。
端末Bは、バックアップTM―Bとの間で「呼制御メッセージ」(ダイヤル発信、転送、着信など)を遣り取りし、バックアップTM―Bからの「ライフチェック」を監視し、バックアップTM―Bに「ライフチェック応答」を送信する。
この状態から、TMと拠点Bを接続する中継ネットワーク(ネットワーク)の障害が復旧すると、拠点BのバックアップTM―Bは、TMから「動作可通知(運用系表示)」を受信し、TMに「動作可通知(運用系表示)」を送信することにより、拠点BのバックアップTM―BとTM相互間の疎通確認が再開することになり、「TM疎通復旧検出」をすることになる。
続いて、拠点BのバックアップTM―Bは、「予備系動作へ切替」に切り戻り、「ログイン端末(端末B)の通信停止」を実行する。
その後、拠点BのバックアップTM―Bは、TMから「動作可通知(運用系表示)」を受信し、TMに「動作可通知(予備系表示)」を送信することを繰り返す。
一方、端末Bは、バックアップTM―Bが予備系に切り戻ると、バックアップTM―Bからのライフチェックが受信できなく、「ライフチェックタイムアウト検出」をすると、「バックアップTM―Bからログアウト」し、「TMをログイン先とする」ことになって、TMに「ログイン」して、「TMにログイン運転中」となる。この状態で拠点Bの端末Bは、システム内での通話が可能になる。
TMは、端末Bからのログインを受け付けると、「ライフチェック」を端末Bに送信し、端末Bから「ライフチェック応答」を受信して、正常を確認し、端末Bとの間で「呼制御メッセージ」(ダイヤル発信、転送、着信など)を遣り取り、端末Bの通話を制御する。
一方、バックアップTM―Bは、TMから「動作可通知(運用系表示)」を受信し、TMに「動作可通知(待機系表示)」を送信することにより、TMとの間の疎通確認を実行する。
続いて、IP電話システムの共通メッセージ通信の中継方式について説明する。本発明のIP電話システム1は、拠点毎に設置するIP端末Eqiに、多くの台数(例えば、システム全体で16000台)を想定し、IP交換機2からランプ情報などの共通メッセージを拠点のIP端末に送信する際に、IP交換機(TM)2から共通メッセージを送信する拠点を指定し、共通メッセージをユニキャストメッセージで拠点に送信し、拠点内でユニキャストメッセージをマルチキャストメッセージに変換して、全てのIP端末Eqiにマルチキャストメッセージを送信するものである。
図13はこの発明に係る共通メッセージ通信の一実施の形態中継方式図である。なお、共通メッセージをマルチキャストメッセージ(実線表示)で送信する状態も参照として表わす。図13において、共通メッセージは、IP交換機(TM)2の主制御装置(CC)3→IP交換機(TM)2の信号制御装置4(SC−0〜SC−7)→回線(ネットワーク)5→各拠点の経路で拠点内のIP端末Eqiに送信される。
初めに、共通メッセージをマルチキャストメッセージ(実線表示)で全拠点(システムの全てのIP端末Eqi)に送信する場合、主制御装置(CC)3から信号制御装置4(SC−0〜SC−7)に対して、マルチキャストメッセージを送信し、信号制御装置4(SC−0〜SC−7)からも回線(ネットワーク)5を介して全ての拠点に対して、マルチキャストメッセージを送信し、全ての拠点から全てのIP端末Eqi(図示せず)に対して、マルチキャストメッセージを送信することになる。
次に、共通メッセージをユニキャストメッセージ(破線表示)で指定された拠点の全てのIP端末Eqiに送信する場合には、主制御装置(CC)3から信号制御装置4(例えば、SC−0およびSC−7)に対して、送信先(拠点)を指定したユニキャストメッセージを選択的に送信し、SC−0およびSC−7から回線(ネットワーク)5を介して指定した拠点1〜拠点3(SC−0の制御拠点)、拠点n〜拠点n+2(SC−7の制御拠点)に対して、ユニキャストメッセージを送信する。拠点1〜拠点3、拠点n〜拠点n+2では、ユニキャストメッセージをマルチキャストメッセージに変換し、変換したマルチキャストメッセージをそれぞれ拠点1〜拠点3、拠点n〜拠点n+2内の全てのIP端末Eqi(図示せず)に対して送信する。
送信先(拠点)を指定したユニキャストメッセージは、主制御装置(CC)3が送信先を記載したビットマップに基づいて設定する。
また、拠点が指定されるので、回線(ネットワーク)5を伝送されるユニキャストメッセージのデータ量を少なくすることができる。
ユニキャストメッセージからマルチキャストメッセージへの変換は、拠点内に設けたバックアップ交換機6(マルチキャスト変換装置=バックアップTM)およびIP−CONV(IPコンバータ)8がマルチキャスト変換処理し、バックアップ交換機6(マルチキャスト変換装置=バックアップTM)または、IP−CONV(IPコンバータ)8からマルチキャストメッセージを該当する拠点内の全てのIP端末Eqiに送信する。
バックアップ交換機6(マルチキャスト変換装置=バックアップTM)は、2重化された回線(ネットワーク)5の運用系(A系)に接続し、拠点が収容される信号制御装置4(SC−0〜SC−7)から送信されてくるユニキャストメッセージを受信し、ユニキャストメッセージをマルチキャストメッセージに変換して拠点内のIP端末Eqiに送信する。なお、バックアップ交換機6は、運用系(A系)の回線が運用中の時には、待機系になっており、待機系にある時にのみ、ユニキャスト−マルチキャスト変換を行うマルチキャスト変換装置として動作する。
また、バックアップ交換機6(マルチキャスト変換装置=バックアップTM)は、運用系(A系)の回線(ネットワーク)5を介して自装置が収容されるIP交換機(TM)2の信号制御装置4(SC−0〜SC−7)との間で、疎通確認を行う。
IP−CONV(IPコンバータ)8は、2重化された回線(ネットワーク)5の待機系(B系)に接続し、バックアップ交換機6(マルチキャスト変換装置=バックアップTM)が故障の場合または回線(ネットワーク)5の運用系(A系)の障害の場合に、バックアップ交換機6をバックアップし、拠点が収容される信号制御装置4(SC−0〜SC−7)から送信されてくるユニキャストメッセージを受信し、ユニキャストメッセージをマルチキャストメッセージに変換して拠点内のIP端末Eqiに送信する。
また、IP−CONV(IPコンバータ)8は、待機系(B系)の回線(ネットワーク)5を介して自装置が収容されるIP交換機(TM)2の信号制御装置4(SC−0〜SC−7)との間で、疎通確認を行う。
図14はこの発明に係るマルチキャスト変換装置(バックアップ交換機)の実施の形態ユニキャスト−マルチキャスト変換説明図である。図14において、拠点Aおよび拠点Hのマルチキャスト変換装置(バックアップ交換機)6は、それぞれIP交換機(TM)2から回線(ネットワークの運用系)5を介してランプ情報などの共通メッセージをユニキャストメッセージ(破線表示)で受信して、ユニキャストメッセージにマルチキャストメッセージ変換処理を施し、変換したマルチキャストメッセージ(実線表示)をそれぞれ拠点内(拠点A、拠点N)の全てのIP端末Eqiに提供する。
図15はこの発明に係るIPコンバータの一実施の形態拠点マルチキャスト運用バックアップ説明図である。図15において、拠点A内では、マルチキャスト変換装置6が回線(ネットワーク)5の運用系(A系)に接続され、IP交換機(TM)2から共通メッセージをユニキャストメッセージ(破線表示)で受信し、マルチキャストメッセージ(実線表示)で拠点A内の全てのIP端末Eqiに提供している。
一方、IP−CONV(IPコンバータ)8は、回線(ネットワーク)5の運用系(B系)に接続され、運用状態にあるが、IP交換機(TM)2から運用系(B系)回線を介してユニキャストメッセージが送信されないため動作停止の状態にある。
この状態から、マルチキャスト変換装置6に故障が発生してユニキャスト−マルチキャスト変換ができなくなると、IP交換機(TM)2は、マルチキャスト変換装置6からの疎通確認ができなくなるので、マルチキャスト変換装置6の故障を検出し、回線(ネットワーク)5の待機系(B系)を運用系とし、待機系(B系)を介してユニキャストメッセージ(破線表示)をIP−CONV(IPコンバータ)8に送信する。
IP−CONV(IPコンバータ)8は、回線(ネットワーク)5の待機系(B系)を介してユニキャストメッセージ(破線表示)を受信すると、ユニキャストメッセージ(破線表示)にマルチキャストメッセージ変換処理を施し、変換したマルチキャストメッセージ(実線表示)を拠点A内の全てのIP端末Eqiに提供する。
回線(ネットワーク)5の運用系(A系)および待機系(B系)の2重化、マルチキャスト変換装置6およびIP−CONV(IPコンバータ)8のユニキャスト−マルチキャスト変換装置の2重化構成により、拠点内のマルチキャストメッセージ運用を確保することができる。なお、図15では、拠点Aについて説明したが、図1に示す拠点A1〜拠点Hnの全ての拠点についても同様である。
次に、共通メッセージ通信におけるマルチキャスト変換装置からIP−CONV(IPコンバータ)への切替え動作およびIP−CONV(IPコンバータ)からマルチキャスト変換装置への切戻し動作について説明する。なお、IP交換機2、マルチキャスト変換装置およびIP−CONV(IPコンバータ)8を、TM、B−TMおよびIP−CONVで表わす。
図16はこの発明に係る共通メッセージ通信の一実施の形態動作フロー図である。図16において、TMは、B−TMに対して「疎通監視」を送出するが、B−TMからの「疎通監視(STB)」が検出できなく、「B−TM疎通監視NG」を検出する。B−TMは、疎通NG検出でSTB(待機状態)からACT(運用状態)に移行し、マルチキャスト変換動作を停止する。
よって、TMは、B−TMからIP−CONVに切り替えてユニキャストメッセージを送出することになる。また、IP−CONVからB−TMへの切り戻しは、手動コマンドで実施し、この手動切り戻しコマンドにリンクし、TMからのユニキャストメッセージ送出もB−TMに切り戻ことになる。
TMは、IP−CONVに対して、「ユニキャストメッセージ(1)」を送信し、IP−CONVからの「ACK」を確認する。
続いて、TMは、IP−CONVに対して、「ユニキャストメッセージ(2)」を送信し、IP−CONVからの「ACK」を確認する。ただし、IP−CONVからも、ACK再送NGの場合には、TMは、ログ採取のみを行う。
続いて、TMは、B−TMに対して、「疎通監視」を送出し、B−TMからの「疎通監視(ACT)」を検出することにより、B−TMの疎通監視フレームに、ACT/STB状態が入っており、B−TMの状態を認識する。
B−TMは、ACT状態でユニキャストメッセージを受信した場合には、マルチキャスト変換を行わない。
TMが手動切替コマンドで、B−TMに「切替要求」をすると、B−TMから「応答」があり、B−TMは、ACT状態からSTB状態になって復旧し、TMに対して「疎通監視(STB)」を送出する。
TMは、B−TMから「疎通監視(STB)」を検出すると、B−TMに対して、「ユニキャストメッセージ(3)」を送信し、B−TMから「ACT」を受信する。この時点で、IP−CONVは、マルチキャスト変換動作を停止する。
図17はこの発明に係る共通メッセージ通信の別実施の形態動作フロー図である。図17において、TMからB−TMへの疎通監視がなくなると、B−TMは、「疎通監視NG」を検出し、STB(待機状態)からACT(運用状態)に移行し、マルチキャスト変換動作を停止する。
TMは、B−TMの疎通NGが検出できずにユニキャストメッセージをB−TMに送信した場合には、ACK再送NGで、IP−CONVに切り替えてユニキャストメッセージを送出することになる。
TMは、B−TMからの疎通監視がNGになっても、B−TMに対して「ユニキャストメッセージ(1)」を送信するが、B−TMからの「ACK」が確認できないので、「ユニキャストメッセージ(1)」をIP−CONVに送信し、IP−CONVからの「ACK」を確認することができ、B−TMからIP−CONVに切り替わって、IP−CONVから拠点内のIP端末Eqiにマルチキャストメッセージを提供することになる。
続いて、TMは、B−TMに対して「マルチキャストメッセージ(2)」を送信するか、B−TMが故障から復旧していなく、B−TMからの「ACK」が確認できないので、「ユニキャストメッセージ(2)」をIP−CONVに送信し、IP−CONVからの「ACK」を確認する。
この時点でも、TMは、B−TMからの「疎通監視(STB)」を確認することができず、B−TM疎通監視NGを検出することになる。
これ以降、TMの疎通監視NGの動作は、図16に示す動作フローと同じになる。
以上説明したように、この発明に係る信号制御装置4は、拠点毎A〜Hに複数のIP端末Eqiを収容しない予備の信号制御装置4(SC−N:バックアップSC)を備えたので、複数のIP端末Eqiを収容して運用中の信号制御装置4(例えば、SC−0)が故障しても、予備の信号制御装置(SC−N)でバックアップして装置の運用を継続することができ、信頼性の向上を図ることができる。