JP4625394B2 - 製膜装置、製膜方法 - Google Patents

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本発明は、製膜装置に関し、特にプラズマを用いて処理を行う製膜装置に関する。
光に反応して発電する太陽電池が知られている。その一つとして、アモルファスシリコンや微結晶シリコン等の発電層を大型の基板に製膜した薄膜シリコン系太陽電池が知られている。その中でも、ボトムセル(i層)の膜厚が厚い微結晶型太陽電池は、製膜速度を向上する生産性向上の観点から、製膜時に高圧力、高放電電極印加電力(以下、Rfパワーと記載)でプラズマを発生させて高速で製膜することが望まれる。
図1は従来のアモルファスシリコン製膜用装置の製膜装置10の構成を概略的に示す図である。図1に示されるアモルファスシリコン製膜用装置の製膜装置10は、基板11を保持する基板テーブル12、基板テーブル12に対向して設けられたプラズマ放電電極13、基板テーブル12に間接的に熱を加える棒状ヒータ14、及び装置内部に蓄積された熱を除去するヒートシンク15を備えている。図11は基板を鉛直方向に設置するように記載されているが、鉛直軸に対して約10°傾斜させて、基板11を重力で安定に支持することとしても良い。
図1に示されるような装置を用いて、高圧力、高Rfパワー条件下にて基板に製膜を行うと、ヒートシンク15による吸熱が追いつかず、基板の膜面側(プラズマ放電電極側)から基板11へのプラズマからの入熱が大きくなることがある。基板11の膜面側においてプラズマからの入熱が大きくなると、基板の表裏の温度差が大きくなる。基板の表裏の温度差は、基板温度が低い場合のように基板11へ基板テーブル12からの伝熱が大きいと、図2Aに示されるように基板の外側が基板テーブル12から浮き上がったり、プラズマからの入熱が大きくなり基板11の膜面側温度が高くなると、図2Bに示されるように基板の中央部が基板テーブル12から浮き上がるような、基板の反り、の一因となる。大型の基板(例示:1m×1m以上)においては、このような反りの大きさは特に顕著である。基板の反りは、基板と電極間距離にばらつきを生じさせ、基板の面内で均一な膜厚及び膜質が得られなくなる要因となる。基板11の面内温度分布が不均一になり辺長が1mを超える大型基板では略30°以上の温度分布が発生すると、基板の反りは、平坦な基板がうねるような変形(バックリング変形)が生じて基板の面内温度分布が小さくなるまで変形が回復しない状況となり、膜の製品表面への回り込みや製膜不良の原因ともなる。これらの基板の反りにより発生する事象は、太陽電池の性能悪化や、太陽電池の製品価値を低下させるものである。前記大型基板においては、その処理する製膜室の各部の構成部品は大型で重量物であり、温度調整には非常に長時間を必要とする。このため、基板を基板テーブルに設置後や製膜開始後に、各部に発生した温度変動分を従来のPID制御などにより温度調整を開始しても短時間で調整することはできないので、製膜処理には間に合わず、有効な制御が出来ていない状況にある。即ち、大型基板で高圧力、高Rfパワーでプラズマを発生させた際に、基板を所定の温度に保ちながら、基板の反りを抑制させる技術の提供が望まれる。
上記と関連して、特許文献1は、基板の表面温度を製膜開始前に所定温度まで上げた後に製膜し、製膜中の温度を230〜260℃範囲内に保つ方法として、製膜後のアニーリング熱処理時の配線ダメージの原因となる膜内応力の変化(圧縮応力から引っ張り応力への変化)を生じさせる水分のない、透水性の小さい膜を、配線の熱ストレスダメージをもたらさない温度以下で形成する絶縁膜形成方法、を開示している。
更に、上記と関連して、特許文献2は、プラズマCVD装置の印加電極温度調節装置において、電極の温度調節液接液部を電気絶縁性材料による被覆を施してなることを特徴とする印加電極の温度調節装置、を開示している。
更に、上記と関連して、特許文献3は、電極部と、その電極部に熱的に接続された冷却部とを具備し、その電極部は複数の電極棒を具備し、その冷却部はその複数の電極棒のそれぞれに対応して形成されたプラズマCVD装置用電極、を開示している。
特開平5‐29300号 公報 特開2002‐339073号 公報 特開2005‐123339号 公報
本発明の目的は、高Rfパワー、高圧力条件で製膜しても、基板の反りが発生しない製膜装置及び製膜方法を提供することにある。
更なる本発明の目的は、高Rfパワー、高圧力条件で製膜するに、早く製膜室内部の温度を事前に設定された所定温度に制御するとともに、基板の温度上昇が発生しない製膜装置及び製膜方法を提供することにある。
本発明のほかの目的は、高Rfパワー、高圧力条件下で製膜しても、均一な膜厚分布、膜質分布が得られる製膜装置及び製膜方法を提供することにある。
その課題を解決するための手段が、下記のように表現される。その表現中に現れる技術的事項には、括弧()つきで、番号、記号等が添記されている。その番号、記号等は、本発明の実施の複数の形態又は複数の実施例のうちの少なくとも1つの実施の形態又は複数の実施例を構成する技術的事項、特に、その実施の形態又は実施例に対応する図面に表現されている技術的事項に付せられている参照番号、参照記号等に一致している。このような参照番号、参照記号は、請求項記載の技術的事項と実施の形態又は実施例の技術的事項との対応・橋渡しを明確にしている。このような対応・橋渡しは、請求項記載の技術的事項が実施の形態又は実施例の技術的事項に限定されて解釈されることを意味しない。
本発明に係る製膜装置(1)は、
内部に電極用熱媒体が流れる流路を有し、プラズマを放電して基板(2)に製膜する放電電極(3)と、
電極用熱媒体の温度を調節する電極温度調節装置(4)と、
基板(2)を表面で保持する基板テーブル(5)と、
基板テーブル(5)の裏面に密接して、内部に均熱板用熱媒体が流れる流路を有する均熱板(6)と、
その均熱板用熱媒体の温度を調節する均熱板温度調節装置(7)と、
製膜時に基板(2)の表裏の温度差が無くなるように電極温度調節装置(4)及び均熱板温度調節装置(7)の動作を制御する制御装置(9)と、
を備える。
上述の構成に依れば、製膜時において制御装置(9)が基板(2)の表裏の温度差が零となるように均熱板温度調節装置(7)と電極温度調節装置(4)の動作を制御する。均熱板温度調節装置(7)及び電極温度調節装置(4)の双方が制御されるので、均熱板(6)及び放電電極(3)の双方の温度も制御される。均熱板(6)及び放電電極(3)の温度を製膜時を想定して事前に準備した最適な温度になるように制御するので、製膜時において基板(2)の表裏の温度差が抑制される。よって、製膜時における基板(2)の反りが抑制される。
図3は、図1に示される従来の製膜装置(10)における、基板(11)に対する熱収支を説明する図である。基板(11)への入熱する熱流束の総量Qinは、棒状ヒータ(14)から基板テーブル(12)を経由して基板(11)へ向かう熱流束Qh、発熱した放電電極(13)から基板(2)へ向かう熱流束Qe、及びプラズマから基板(11)へ向かう熱流束Qp、を用いて、「Qin=Qh+Qe+Qp」という式により表現される。基板(11)から放電電極(13)やヒートシンク(15)等を経由して製膜室30より外部へ搬出される熱流束QoutよりもQinが大きい場合には、基板温度は上昇して基板表面温度が基板裏面温度よりも高くなる。即ち、基板表裏温度に差が生じ、基板の反りの原因となる。よって、QinはQoutよりも大きくならないように制御する必要があるが、ヒートシンク(15)では熱を取りきれない場合がある。特に、高Rfパワー、高圧力条件下においては、QeとQpが大きくなるので、Qinが大きくなりやすい。本発明の構成に依れば、ヒートシンク(15)で熱を取るのではなく、放電電極(3)内部を流れる電極用熱媒体と、均熱板(6)内部を流れる均熱用熱媒体と、によって放電電極(3)及び均熱板(6)の温度が制御される。いずれも、内部を流れる熱媒体によって温度が制御されるので、放電電極(3)及び均熱板(6)の温度はより確実に制御されるとともに、熱媒体の熱の授受容量が大きく、基板搬入搬出などによる外乱要因に対して温度が安定する。放電電極(3)及び均熱板(6)の温度がより確実に制御されるので、基板(2)への入熱(出熱)もより確実に制御される。
本発明に係る製膜装置(1)は、
更に、
基板(2)に対して製膜を行う際に設定される設定パラメータと、製膜時に基板(2)の表裏の温度差が零となるその電極用熱媒体の温度及びその均熱板用熱媒体の温度の組み合わせ、との対応関係が予め記述されたテーブル(8)
を備え、
制御装置(9)は、テーブル(8)を参照して、その設定パラメータの設定値に対応する電極用熱媒体の温度Tを取得して、その電極用熱媒体の温度を取得した温度Tとなるように電極温度調節装置(4)の動作を制御し、且つ、その設定パラメータの設定値に対応するその均熱板用熱媒体の温度Lを取得して、その均熱板用熱媒体の温度が取得した温度Lとなるように均熱板温度調節装置(7)の動作を制御する。
製膜時における基板2への入出熱は、製膜条件に大きく影響を受ける。上述のように、予め、製膜条件の設定値である設定パラメータと、製膜中において基板表裏の温度差が零となる電極用熱媒体の温度及びその均熱板用熱媒体の温度の組み合わせと、が対応付けられていることにより、様々な製膜条件下においても制御装置(9)が製膜時の熱バランスを予想して事前に準備した最適な温度の組み合わせを取得することができる。制御装置(9)より指示を受けた電極温度調節装置(4)及び均熱板温度調節装置(7)は、結果として、基板(2)の表裏の温度差が零となるように電極用熱媒体の温度と均熱板用熱媒体の温度を調節する。よって、製膜時における基板(2)の反りが様々な条件下(高Rfパワー、高圧力条件下においても)抑制される。また、設定パラメータの設定値から製膜室内部の温度条件(放電電極の温度及び均熱板の温度)を制御するにあたり、テーブル(8)を使用することで、制御を簡易に、且つ、確実に行うことができる。
本発明に係る製膜装置(1)において、
その設定パラメータは、基板(2)の製膜時における表面の温度である基板表面温度、放電電極(3)に印加される放電電極印加電力(Rfパワー)、及び製膜時の雰囲気圧力である製膜圧力である。
基板表面温度、Rfパワー、及び製膜圧力は、製膜時の基板(2)に対する入出熱の大きさに対する影響が顕著である。設定パラメータとして、基板表面温度、Rfパワー、及び製膜圧力を用いることで、より確実に基板表裏温度差が抑制される。
本発明に係る製膜装置(1)は、
更に、
その電極用熱媒体を送出する電極用ポンプ(21)と、
その均熱板用熱媒体を送出する均熱板用ポンプ(22)と、
放電電極(3)の温度を測定する電極温度センサ(23)と、
均熱板(6)の温度を測定する均熱板温度センサ(24)と、
を備え、
制御装置(9)は、その基板表面温度又はそのRfパワーの設定値が変更された場合に、電極温度センサ(23)によって測定された放電電極(3)の温度の単位時間当たりの変化率に基いて、電極用ポンプ(21)が送出するその電極用熱媒体の流量を制御し、且つ、均熱板温度センサ(24)によって測定された均熱板(6)の温度の単位時間当たりの変化率に基いて、均熱板用ポンプ(22)が送出するその均熱板用熱媒体の流量を制御する。
基板表面温度、Rfパワー、及び製膜圧力の設定値は、製膜の状況に応じて変更される場合がある。また、製膜室(30)の各部の構成部品は大型で重量物であり、温度調整には非常に長時間を必要とするため、基板を基板テーブルに設置後や製膜開始後に温度調整を開始しても各部の適正な温度に到達することができず、製膜処理には間に合わない。よって、基板表面温度、Rfパワー、及び製膜圧力の設定値が変更された場合、放電電極(3)や均熱板(6)の温度はいち早く安定することが好ましい。上述の構成に依れば、制御装置(9)が、放電電極(3)及び均熱板(6)の温度の変化率に基いて、電極用ポンプ(21)及び均熱板用ポンプ(22)が送出する流量を制御する。即ち、放電電極(3)や均熱板(6)の温度の変化率を大きくする必要があり、短時間で安定した状況とする場合には、送出する流量を所定の時間において増やして温度が安定化するまでの時間を短縮することができる。
本発明に係る製膜装置(1)において、
制御装置(9)は、その基板表面温度又はそのRfパワーの設定値が変更された場合に、テーブル(8)を参照して変更後のその基板表面温度及びそのRfパワーに対応する電極用熱媒体の温度T1を取得し、変更後に取得したT1が変更前の電極用熱媒体の温度T0よりも高い場合には、その電極用熱媒体の温度がT1よりも所定の温度αだけ高い温度T1+αになるように電極温度調節装置(4)の動作を所定の時間において制御し、所定の時間経過後は取得した温度T1になるように動作を制御し、変更後に取得したT1が変更前の電極用熱媒体の温度T0よりも低い場合には、その電極用熱媒体の温度がT1よりも所定の温度αだけ低い温度T1‐αになるように電極温度調節装置(4)の動作を所定の時間において制御し、所定の時間経過後は取得した温度Tになるように動作を制御し、且つ、変更後のその基板表面温度及び前記Rfパワーに対応する均熱板用熱媒体の温度L1を取得し、変更後に取得したL1が変更前の均熱板用熱媒体の温度L0よりも高い場合には、その均熱板用熱媒体の温度がL1よりも所定の温度βだけ高い温度L1+βになるように均熱板温度調節装置(7)の動作を所定の時間において制御し、所定の時間経過後は取得した温度Lになるように制御し、変更後に取得したL1が変更前の均熱板用熱媒体の温度L0よりも低い場合には、その均熱板用熱媒体の温度がL1よりも所定の温度βだけ低い温度L1‐βになるように均熱板温度調節装置(7)の動作を所定の時間において制御し、所定の時間経過後は取得した温度Lになるように動作を制御する。
ここで、前記の所定の時間とは、後述の第1の実施形態で記載するように、放電電極(3)や均熱板(6)の温度を計測しながら設定温度に実際の温度が近づいた時点で所定時間として制御装置(9)に通知してもよい。また、所定の時間をシミュレーション計算により予め算出しておき、テーブル(8)からの受け取り情報に織り込んでおいてもよい。
本発明に係る製膜装置(1)において、
電極用ポンプ(21)と均熱板用ポンプ(22)とは共通であり、
その電極用熱媒体とその均熱板用熱媒体は共通であり、
その電極用熱媒体が循環する経路(31)とその均熱板用熱媒体が循環する経路(32)とは共通である。
上述のように、電極用熱媒体が循環する経路と均熱板用熱媒体が循環する経路を共通とすることにより、システムが簡素化する。また、電極用熱媒体と均熱板用熱媒体を共通とすることで、熱媒体量が低減するのでコストが低減される。さらに、電極用ポンプ(21)と均熱板用ポンプ(22)も共通化できるために、ポンプは一つでよく、設置コストが更に低減される。
本発明に係る製膜装置(1)において、
その電極用熱媒体は、放電電極(3)中を流れた後、均熱板温度調節装置(7)によって温度を調整されて均熱板(6)中を流れる。
放電電極(3)と均熱板(6)とでは、放電電極(3)のほうが温度が低い傾向にある。よって、熱媒体は、温度の低い放電電極(3)へ先に流れることで、放電電極(3)から熱量を受け取る。温度が若干上昇した熱媒体は均熱板温度調整装置(7)で設定温度にまで追加加熱され、均熱板(6)へ送出される。均熱板用熱媒体のみを循環する循環系を持つ場合に比べて、均熱板(6)へ流れる前に均熱板温度調節装置(7)が熱媒体に加える熱量は少なくて済む。均熱板(6)中を流れた熱媒体は、電極温度調節装置(4)において冷却されて、再び放電電極(3)へ送出される。よって電極温度調節装置(4)は冷却機能のみを、均熱板温度調節装置(7)は加熱機能のみを有していればよく、各温度調節装置で加熱と冷却の機能を分担できるのでコストが低減される。
また、放電電極(3)の温度が高く、高Rfパワーで長時間実施されるセルフクリーニング実施時を考えると、均熱板温度調節装置(7)にも若干の冷却機能を設けて、放電電極(3)を出てきた熱媒体を冷却することが必要になる場合がある。しかしながら、この場合も均熱板温度調節装置(7)が冷却すべき熱量は若干であり、必ずしも十分な冷却機能を有する必要はない。同様に、電極温度調節装置(4)は若干の加熱機能が必要となる場合があるが、加熱すべき熱量は若干であるので、必ずしも十分な加熱機能を有する必要はない。よって、各温度調節装置(4、7)は単独で十分な加熱、冷却機能の双方を保有する必要はなく、コストが低減される。
本発明に係る製膜装置(1)において、
更に、
基板(2)の温度を測定する基板温度センサ(25)
を備え、
テーブル(8)は、更に、均熱板(6)の温度とその均熱板用熱媒体の温度との対応関係を記述し、
制御装置(9)は、基板(2)が投入される前に基板温度センサ(25)により計測された基板温度を取得してその基板表面温度の設定値と比較し、投入される前の基板温度と基板表面温度の設定値との差が所定の差より大きい場合において、
テーブル(8)を参照して、基板表面温度、放電電極印加電力、及びその製膜圧力の設定値から均熱板(6)の温度Pを取得し、更に、取得したその均熱板の温度P1よりも所定の温度γだけ高い温度P1+γに対応した均熱板用熱媒体の温度L1+γを取得し、その均熱板用熱媒体の温度が取得した温度L1+γとなるように均熱板温度調節装置(7)の動作を所定の時間において制御し、所定の時間経過後は取得した温度L1になるように動作を制御する。
装置内に基板(2)を投入する際には、投入前の基板の温度が製膜時の基板温度よりも低いことがある。この場合、基板の投入直後には基板に対する入熱が発生して、
均熱板(6)の温度が低くなることがある。上述の構成に依れば、投入前の基板(2)の温度と製膜時の設定温度との間に大きな差がある場合には、均熱板用熱媒体の温度をより高くして調節することにより、基板投入時の均熱板(6)の温度低下を抑制することができる。
本発明に係る製膜装置(1)において、
テーブル(8)は、更に、放電電極(3)の温度とその電極用熱媒体の温度との対応関係を記述し、
セルフクリーニング時において、制御装置(9)は、テーブル(8)を参照して、設定された放電電極(3)の温度Dに対応したその電極用熱媒体の温度Tを取得し、その電極用熱媒体の温度が、取得した温度Tとなるように、電極温度調節装置(4)の動作を制御する。
これによりセルフクリーニング時において、Si系膜や粉にフッ素ラジカルを反応させてSiFを生成して除去する際に発生する発熱量を、熱媒体に有効に吸収させて除去できるので、製膜室(30)の温度変化を抑制することができる。
このためセルフクリーニング終了後は製膜室(30)の温度が製膜可能な状況になるまで待機する無駄時間を省き、すみやかに製膜処理準備を開始することが出来て、生産量向上に寄与する効果がある。
本発明に係る製膜方法は、
プラズマを放電して基板(2)に製膜する際の基板表面温度を設定するステップ(ステップS10)と、
基板表面温度と、製膜時に基板(2)の表裏の温度差が零となるような、その電極用熱媒体の温度及び基板(2)を保持する基板テーブル(5)の裏面に密接する均熱板(6)の内部を流れる均熱板用熱媒体の温度の組み合わせ、との対応関係が記述されたテーブル(8)を参照するステップ(ステップS20)と、
基板表面温度の設定値に対応するその電極用熱媒体の温度Tを取得する電極用熱媒体温度取得ステップ(ステップS30)と、
その電極用熱媒体の温度を調節する電極温度調節装置(4)の動作を、温度Tになるように制御するステップ(ステップS40)と、
その基板表面温度の設定値に対応するその均熱板用熱媒体の温度Lを取得する均熱板用熱媒体温度取得ステップ(ステップS50)と、
その均熱板用熱媒体の温度を調節する均熱板温度調節装置(7)の動作を、取得した温度Lになるように制御するステップ(ステップS60)と、
を備える。
本発明に係る製膜方法は、
更に、
放電電極(3)に印加されるRfパワーの値を設定するステップ(ステップS11)と
を備え、
テーブル(8)には、その基板表面温度、そのRfパワー、及びその製膜圧力に対して、製膜時に前記基板の表裏の温度差が零となるようなその電極用熱媒体の温度及びその均熱板用熱媒体の温度の組み合わせ、が対応付けられて記述され、
電極用熱媒体温度取得ステップ(ステップS30)において、基板表面温度、そのRfパワー、及びその製膜圧力の設定値に対応したその電極用熱媒体の温度Tを取得し、
均熱板用熱媒体温度取得ステップ(ステップS50)において、基板表面温度、そのRfパワー、及びその製膜圧力の設定値に対応したその均熱板用熱媒体の温度Lを取得する。
本発明に係る製膜方法は、
更に、
その基板表面温度、そのRfパワー、又はその製膜圧力の設定値が変更されるステップ(ステップS70)と、
放電電極(3)の温度を測定するステップ(ステップS140)と、
放電電極(3)の温度の単位時間当たりの変化率である電極温度変化率を求めるステップ(ステップS150)と、
その電極温度変化率に基いて、その電極用熱媒体を送出する電極用ポンプ(21)の動作を制御するステップ(ステップS160)と、
均熱板(6)の温度を測定するステップ(ステップS170)と、
均熱板温度センサ(24)により測定された均熱板(6)の温度の単位時間当たりの変化率である均熱板温度変化率を求めるステップ(ステップS171)と、
その均熱板温度変化率に基いて、その均熱板用熱媒体を送出する均熱板用ポンプ(22)の動作を制御するステップ(ステップS172)と、
を備える。
本発明に係る製膜方法は、
更に、
その基板表面温度又はRfパワーの設定値が変更されるステップ(ステップS70)と、
テーブル(8)を参照して、変更後の基板表面温度、Rfパワー、及び製膜圧力の設定値に対応する電極用熱媒体の温度T1を取得するステップ(ステップS80)と、
変更後に取得したT1が変更前の電極用熱媒体の温度T0よりも高い場合には、取得した温度T1よりも所定の温度αだけ高い温度T1+αになるように電極温度調節装置(4)の動作を所定の時間において制御し、所定の時間経過後は取得した温度Tになるように制御し、変更後に取得したT1が変更前の電極用熱媒体の温度T0よりも低い場合には、電極用熱媒体の温度がT1よりも所定の温度αだけ低い温度T1‐αになるように電極温度調節装置(4)の動作を所定の時間において制御し、所定の時間経過後は所得した温度Tになるように制御するステップ(ステップS90)と、
テーブル(8)を参照して、変更後の基板表面温度、Rfパワー、及び製膜圧力の設定値に対応する均熱板用熱媒体の温度L1を取得するステップ(ステップS110)と、
変更後に取得したL1が変更前の均熱板用熱媒体の温度L0よりも高い場合には、取得した温度L1よりも所定の温度βだけ高い温度L1+βになるように均熱板温度調節装置(4)の動作を所定の時間において制御し、所定の時間経過後は取得した温度Lになるように制御し、変更後に取得したL1が変更前の均熱板用熱媒体の温度L0よりも低い場合には、均熱板用熱媒体の温度がL1よりも所定の温度βだけ低い温度L1‐βになるように電極温度調節装置(4)の動作を所定の時間において制御し、所定の時間経過後は取得した温度Lになるように制御するステップ(ステップS120)と、
を備える。
本発明に係る製膜方法において、
テーブル(8)は、更に、均熱板(6)の温度とその均熱板用熱媒体の温度との対応関係を記述し、
更に、
製膜室に投入する前の基板(2)の温度を測定するステップ(ステップS175)と、
投入する前の基板(2)の温度と、設定された基板表面温度との差が所定の値より大きいかどうかを比較するステップ(ステップS176)と、
投入する前の基板(2)の温度と、設定された基板表面温度との比較の結果、差が所定の値より大きい場合において、テーブル(8)を参照して、設定された基板表面温度、放電電極印加電力及び製膜圧力に対応する均熱板(6)の温度P1を取得するステップ(ステップS180)と、
取得した均熱板(6)の温度P1よりも所定の温度γだけ高い温度P1+γを求めるステップ(ステップS190)と、
求めた温度P1+γに対応した均熱板用熱媒体の温度L1+γを取得するステップ(ステップS200)と、
その均熱板用熱媒体の温度が、取得した温度L1+γになるように、均熱板温度調節装置(7)の動作を所定の時間において制御し、所定の時間経過後は取得した温度Lになるように動作を制御するステップ(ステップS210)と、
を備える。
本発明に係る製膜方法において、
テーブル(8)は、更に、放電電極(3)の温度とその電極用熱媒体の温度との対応関係、及び均熱板(6)と均熱板用熱媒体の温度との対応関係、を記述し、
更に、
セルフクリーニングモードに設定するステップ(ステップS220)と、
放電電極(3)の温度Dを設定するステップ(ステップS230)と、
均熱板(6)の温度Lを設定するステップ(ステップS235)と、
前記放電電極に印可する放電電極印加電力(Rfパワー)を設定するステップ(ステップS240)と、
圧力を設定するステップ(ステップS245)と、
テーブル(8)を参照するステップ(ステップS250)と、
設定された放電電極(3)の温度D、均熱板(6)の温度L、圧力、及びRfパワー、に対応した電極用熱媒体の温度T及び均熱板用熱媒体の温度Pを取得するステップ(ステップS260)と、
その電極用熱媒体の温度が、取得した電極用熱媒体の温度Tとなるように、電極温度調整装置(4)の動作を制御し、且つ、均熱板用熱媒体の温度が、取得した均熱板用熱媒体の温度Pとなるように、均熱板温度調節装置(7)の動作を制御するステップ(ステップS270)と、
を備える。
本発明に依れば、高Rfパワー、高圧力条件で製膜しても、基板の反りが発生しない製膜装置及び製膜方法が提供される。
また、本発明に依れば、高Rfパワー、高圧力条件で製膜するに、早く製膜室内部の温度を所定温度に制御するとともに、基板の温度上昇が発生しない製膜装置及び製膜方法が提供される。
更に、本発明に依れば、高Rfパワー、高圧力条件下で製膜しても、均一な膜厚分布、膜質分布が得られる製膜装置及び製膜方法が提供される。
(第1の実施形態)
図4Aは本発明の第1の実施形態に係る製膜装置1の構成の概略を示すブロック図である。本発明に係る製膜装置1としては、プラズマCVD装置、ドライエッチング装置などが挙げられる。ここでは、ガラス基板のような透光性基板上に太陽電池として、微結晶シリコンi層を製膜する例について説明する。微結晶シリコンi層は、微結晶化させる製膜条件の一つとして高Rfパワーを放電電極に印加することに加えて、膜厚がアモルファスシリコンi層の5から10倍と厚い為に、生産性向上のために高圧力、高Rfパワーでの高速製膜が適している。製膜装置1は、製膜室30、電極温度調節装置4、均熱板温度調節装置7、制御装置9、及び記憶装置(図示せず)に格納されたテーブル8を備えている。制御装置9は、テーブル8、均熱板温度調節装置7、及び電極温度調節装置4にアクセス可能である。
図5は製膜室30内部の断面を概略的に示す図である。製膜室30内部には、放電電極3、基板2を保持する基板テーブル5、基板テーブル5の裏面に密接する均熱板6が設けられている。放電電極3には図示されない高周波電源として例えば60MHz高周波電力が図示されない整合器を経由して印加されるようになっており、対向する基板2と放電電極3間でプラズマが発生して基板2に製膜される。放電電極3の裏側(基板テーブル5の反対側)には、防着板16が設けられており、製膜範囲を限定することで製膜室30の壁面に対する製膜が防止される。
放電電極3及び均熱板6の内部には流路が設けられている。図4Bは、放電電極3の構造を示す図である。放電電極3は複数の縦方向電極棒30a、一対の横方向電極棒30b、複数のジャケット36、及び一対のヘッダー55を備えている。一対の横方向電極棒35bは、複数の縦方向電極棒35aを挟みこむように配置されて梯子状となっている。また、一対のヘッダー37は複数のジャケット36を挟みこむように配置されて梯子状となっている。さらに、複数の縦方向電極棒35aと複数のジャケット36は、夫々が対応して一体に形成されている。即ち、各縦方向電極棒35aの被処理基板の反対側(図中、矢印S側の反対側)に、各ジャケット36が一体に形成されている。尚、図4Bにおいては、一対のうちの横方向電極棒35bの片方と、複数の縦方向電極棒35bとの接続部分における構成を示している。
被処理体である基板2に対向するように、複数のガス噴出し孔38が各縦方向電極棒35bに形成されている。横方向電極棒35bの内部は空洞となっており、各縦方向電極棒35bの内部にはガス通路39が設けられている。製膜時の材料ガスは、ガス管40を介して片方の横方向電極棒35b内部に導入される。導入された材料ガスは、各縦方向電極棒35bのガス通路39に略均一に分配され、ガス通路39に接続した複数のガス噴出孔38から基板側(図4B中のS方向)へ略均一に放出される。
一方、ヘッダー37内部も空洞となっている。更に、各ジャケット36内部には電極用熱媒体が流れる熱媒体通路42が形成されており、ヘッダー37内部の空洞に接続している。電極用熱媒体は、媒体管42を介して片方のヘッダー37内部へ導入される。導入された電極用熱媒体は、各ジャケット36へ分岐して供給され、他方のヘッダー37内部で合流したのち、他方のヘッダー37に接続された媒体管を介して放電電極3の外部へ排出される。このように、梯子状に形成された横方向電極棒35b及び縦方向電極棒35aの片面に、梯子状に形成されたジャケット36及びヘッダー55が一体にまたは密着して形成されていることは、放電電極3の温度が均一に調整される観点から好ましい。
図4Cは、図4B中の線B−Bにおける放電電極3の断面図を示す。図4Cに示されるように、縦方向電極棒35aとジャケット36は一体に形成されている。放電電極3の材料としては、放電電極3の温度分布が極力均一になるような非磁性材料が望ましい。その材料として、SUS304、インコネル600が使用可能であるが、更に熱伝導性に優れたアルミニウムやアルミニウム合金などが好適に使用される。尚、図4Cにおいて、長方形の断面を有する放電電極が示されている。しかし、放電電極の断面は、長方形に限られるものではない。その断面は、正方形や円形や楕円系、角が丸くなった長方形や多角形などであってもよい。
図4Dは、均熱板6内部に設けられた流路を説明する図である。均熱板6の流路43は、四つの側面のうちの一つから均熱板6内部に入り、均熱板6の外周側から内側へ向かい、四つの側面のうちの一つから均熱板6を出るように設けられている。その流路は、ここでは、複数の流路43a及び43bに分けられている。いずれの流路も一筆書き的に枝分かれなく設けられている。流路43a及び43bの入り口には、配管44a及び44bが接続され、出口には配管45a及び45bが接続されている。即ち、均熱板用熱媒体は、配管44a及び44bに分岐して流路43a及び43bに導入され、配管45a及び45bから均熱板6の外部に排出される。排出された均熱板用熱媒体は、再び合流して、循環する。
電極用熱媒体及び均熱板用熱媒体としては、非導電性媒体であり、水素やヘリウムなどの高熱伝導性ガス、フッ素系不活性液体、不活性オイル、及び純水等が使用できる。これらの中でも、150℃〜250℃の範囲でも圧力が上がらずに、制御が容易であることから、フッ素系不活性液体(例えば商品名:ガルデン、F05など)の使用が好適である。
尚、図5は基板を鉛直方向に設置するように記載されているが、鉛直軸に対して約10°傾斜させて、基板2を重力で安定に支持する事としてもよい。
放電電極3には温度を測定する電極温度センサ23が備えられている。電極温度センサ23は基板2側へのプラズマ放電に影響を与えて製膜への影響が出ないように、プラズマ発生の少ない放電電極3の防着板16側の面に取り付けることで、放電電極3の温度として監視が可能である。同様に、均熱板6にも温度を測定する均熱板温度センサ24が備えられている。電極温度センサ23及び均熱板温度センサ24としては、熱電対が好ましい。電極温度センサ23及び均熱板温度センサ24は、制御装置9と接続しており、測定した温度は制御装置9に通知される。
図4Aに戻り、電極用熱媒体及び均熱板用熱媒体の循環経路について説明する。電極用熱媒体は電極用ポンプ21によって送出されて電極温度調節装置4にて温度を所定の温度に調節され、放電電極3内部を流れる。放電電極3を流れた電極用熱媒体は再び電極用ポンプ21に戻されて、循環経路31を循環する。同様に、均熱板用熱媒体も均熱板用ポンプ24によって送出され、均熱板温度調節装置7にて温度を所定の温度に調節されて、均熱板6内部を流れる。均熱板6を流れた均熱板用熱媒体は再び均熱板用ポンプ24に戻されて、循環経路32を循環する。
制御装置9は電極温度調節装置4、均熱板温度調節装置7と接続しており、電極温度調節装置4及び均熱板温度調節装置7の動作を制御する。制御装置9は、更に、テーブル8にアクセス可能であり、テーブル8を参照して、電極温度調節装置4や均熱板温度調節装置7が調節する熱媒体の温度を決定、指示する機能を実現する。
図6はテーブル8の内容を示す概念図である。図6Aに示されるように、テーブル8は、複数の基板表面温度のそれぞれについて、放電電極3に印加されるRfパワーを横軸、放電電極3の温度を縦軸としたグラフを、圧力毎に記憶している。また、図6Bに示されるように、テーブル8は、複数の基板表面温度のそれぞれについて、放電電極に印加されるRfパワーを横軸として、均熱板6の温度を縦軸としたグラフを、圧力毎に記憶している。即ち、ある基板表面温度、Rfパワー、及び圧力が与えられると、図6Aのグラフから放電電極3の温度が、図6Bのグラフから均熱板6の温度が決定される。ここで、決定された放電電極3の温度と均熱板6の温度とは、基板2の表裏の温度差が零となるような温度の組み合わせである。このような温度の組み合わせは、予め、各Rfパワーの各製膜圧力条件下において、放電電極3及び均熱板6の温度を変化させて、基板表面温度及び基板裏面温度の変化の挙動を測定することにより求めることができる。尚、このような温度の組み合わせは、予め、各基板表面温度の各Rfパワー条件下において、製膜室30内部の構成部材である均熱板6、放電電極3、及び防着板16等の温度を事前に測定しておき、シミュレーション計算により製膜室30内の熱バランスを計算しておくことで、基板2の通過熱流束が零になる時に基板2の表裏温度差が零になるので、このときの温度の組み合わせとして求めることもできる。
図6Aに示されるグラフにおいては、更に、放電電極3の温度が電極用熱媒体の温度と対応付けられている。即ち、ある放電電極3の温度が与えられると、与えれた放電電極3の温度にするために必要な電極用熱媒体の温度が決定される。同様に、図6Bに示されるグラフにおいて、更に、均熱板6の温度が均熱板用熱媒体の温度と対応付けられている。即ち、ある均熱板6の温度が与えられると、均熱板6を与えられた温度にする為に必要な均熱板用熱媒体の温度が決定される。放電電極3の温度と電極用熱媒体の温度との対応関係、及び均熱板6の温度と均熱板用熱媒体の温度との対応関係は、いずれも事前の測定や、測定値にもとづくシミュレーション計算により求めることができる。
電極温度調節装置4は電極用熱媒体に対して保温、加温、冷却機能を備えており、電極用熱媒体の温度を、制御装置9から指示された温度に調節する機能を有する。均熱板温度調節装置7も、均熱板用熱媒体に対して、保温、加温、冷却機能を備えており、均熱板用熱媒体の温度を制御装置9から指示された温度に調節する機能を有する。
図7は、本実施の形態に係る製膜装置1の動作の流れを示すフローチャートである。上述の構成を有する製膜装置1は、製膜中において以下に説明するように動作する。
ステップS10、S11、S12
まず、基板2の製膜にあたり基板表面温度、Rfパワー、及び製膜圧力の値が制御装置9に設定される。基板表面温度、Rfパワー、及び製膜圧力は、ユーザによって図示しない入力装置を介して制御装置9に通知されることで設定されてもよいし、予め記憶装置に記憶されていた値を読み込むことで設定されてもよい。
ステップS20、S30
続いて、制御装置9がテーブル8にアクセスして、基板表面温度、Rfパワー、及び製膜圧力の設定値から、対応する放電電極3の温度D1を取得する。更に、制御装置9は、取得した放電電極3の温度D1に対応する電極用熱媒体の温度T1を取得する。放電電極3の温度Dと電極用熱媒体の温度Tが違うのは、放電電極3と電極用熱媒体との間で熱抵抗のために温度差が生じるためである。
ステップS40
電極用熱媒体の温度T1を取得した制御装置9は、電極温度調節装置4に対して取得した電極用熱媒体の温度T1を通知する。通知を受けた電極温度調節装置4は、電極用熱媒体の温度が、通知された温度T1となるように調節する。
ステップS50
制御装置9は、放電電極3の温度D1を取得すると同時に、基板表面温度、Rfパワー、及び製膜圧力の設定値から、対応する均熱板6の温度P1を取得する。均熱板6の温度P1を取得した制御装置9は、更に、対応する均熱板用熱媒体の温度L1を取得する。
ステップS60
均熱板用熱媒体の温度L1を取得した制御装置9は、均熱板温度調節装置7に対して取得した均熱板用熱媒体の温度L1を通知する。通知を受けた均熱板温度調節装置7は、均熱板用熱媒体の温度を、通知された温度L1となるように調節する。
上述のステップS10〜S60までの動作により、電極用熱媒体及び均熱板用熱媒体の温度が制御されるので、放電電極3及び均熱板6の温度も制御される。これにより、製膜中の基板2は、基板表面温度の設定値となる。予めテーブル8に格納された、基板の表裏の温度差が零である電極用熱媒及び均熱板用熱媒の組み合わせを用いて、製膜状態における熱バランスを事前に考慮して放電電極3及び均熱板6の温度を制御するので、高Rfパワー、高圧力条件下において製膜しても、基板2の反りが抑制される。
本実施の形態に依れば、予め、製膜時の条件に対して、基板の表裏の温度差が零となる電極用熱媒温度及び均熱板用熱媒温度の組み合わせ、が対応付けられているので、どのような製膜条件下においても放電電極3及び均熱板6の温度を基板の表裏の温度差を零にする上で最適な温度に制御することができる。どのような製膜条件下においても最適な放電電極3及び均熱板6の温度の組みあわせが与えられるので、例え高Rfパワー、高圧力条件下において製膜したとしても、製膜時に基板2の表裏の温度差を抑制することができる。更に、製膜時の条件として、基板表面温度、Rfパワー、及び製膜圧力を用いることによって、より精度よく、基板の表裏の温度差の発生を抑制することができる。
(第2の実施形態)
(構成)
図8は本発明の第2の実施形態に係る製膜装置1の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る製膜装置1は、第1の実施形態に対して、放電電極3の温度を測定する電極温度センサ23、均熱板の温度を測定する均熱板温度センサ24、電極用ポンプ21、及び均熱板用ポンプ22の構成が変更されている。電極温度センサ23及び均熱板温度センサ24は、制御装置9に接続されており、測定した温度データは制御装置9に通知される。また電極用ポンプ21及び均熱板用ポンプ22はそれぞれ、送出する熱媒体の流量を調節する機能を有している。電極用ポンプ21及び均熱板用ポンプ22は制御装置9と接続しており、これらのポンプが送出する熱媒体の流量は制御装置9からの指示によって決定される。
電極用ポンプ21及び均熱板用ポンプ22から送出される熱媒体の流量の値は、初期値を基板表面温度とRfパワーと製膜圧力とから、テーブル8から取得してもよい。熱媒体の流量はPI制御などを用いて、短時間に目標温度になるように適切に制御される。
尚、上述の構成以外の点については、本実施の形態の構成は第1の実施の形態と同様であるので、説明は省略する。
(動作)
本実施の形態に係る製膜装置1においては、基板表面温度、Rfパワー、又は製膜圧力の設定値が変更された場合について、以下のように動作する。図9は、第2の実施の形態に係る製膜装置1において、基板表面温度、Rfパワー、又は製膜圧力の設定値が変更された場合の動作の流れを示すフローチャートである。
ステップS70、80
基板表面温度、Rfパワー、又は製膜圧力の設定値が変更される(ステップS70)と、制御装置9はテーブル8を参照して、変更後の基板表面温度、Rfパワー、及び製膜圧力の設定値に対応した放電電極3の温度D1を取得する。制御装置9は、更に、取得した放電電極3の温度D1に対応した電極用熱媒体の温度T1を取得する(ステップS80)。
ステップS90
続いて、制御装置9は、取得した電極用熱媒体の温度Tを所定の温度だけ変化させる。この時、基板表面温度、Rfパワー又は製膜圧力の設定値の変更により、変更前に設定されていた電極用熱媒体の温度T0よりも、変更後に取得した電極用熱媒体の温度T1の方が高い場合(T1 >T0)には、制御装置9は、電極用熱媒体の温度Tを、取得した電極用熱媒体の温度T1よりも所定の温度αだけ高い温度(T1+α)に設定する。一方、T1<T0である場合には、制御装置9は、Tを所定の温度だけ低い温度(T1‐α)に設定する。
ステップS100
制御装置9は、新しく設定した温度(T+α)又は(T‐α)を電極温度調節装置4に通知する。電極温度調節装置4は、制御装置9より通知された温度(T1+α)又は(T1‐α)になるように、電極用熱媒体の温度を調節する。電極用熱媒体の温度の変更により、放電電極3の温度は、時間の経過とともに(T1+α)又は(T‐α)に対応する温度(D+α)又は(D‐α)に近づいていく。
ステップS101
放電電極3の温度は、(D+α)又は(D‐α)に到達する前に、D1へ近づく。所定の時間t1が経過して、放電電極3の温度がDに近づくと、制御装置9は電極温度調節装置4に対して、電極用熱媒体の温度をT1にするように指示する。電極温度調節装置4は、所定の時間t1が経過した後は、電極用熱媒体の温度TがT1になるように動作する。
ここで所定の時間t1とは、放電電極3の温度を計測しながら、設定値に近づいた時点で所定時間として制御装置9に通知してもよい。また、所定時間をシミュレーション計算により予め算出しておき、テーブル8からの受け取り情報に織り込んでおいてもよい。したがって、電極用熱媒体の温度は、所定の時間t1までは(T1+α)又は(T−α)になるように制御され、所定の時間t1が経過した後は取得した温度Tになるように制御される。
図10は、上述のステップS80〜101の動作において、時間tに対する電極用熱媒体の実際の温度、放電電極3の温度、及び設定された電極用熱媒体の温度Tの挙動を、T1>T0の場合について説明する図である。図10に示されるように、時刻t0において、電極用熱媒体の温度TがT1+αに設定される。これにより実際の電極用熱媒体の温度もT+αまで上昇する。それに伴ない時刻t0〜t1までは実際の放電電極3の温度Dは、T+αに対応する温度D+αへ向かって上昇する。放電電極3の温度Dが、Dに近づいた時刻t1において、電極用熱媒体の温度がT1+αからT1に変更される。実際の電極用熱媒体の温度もTまで下降する。よって、時刻t以降は、実際の放電電極3の温度はTに対応する温度Dに近づき、温度D1となるとこれを維持する。電極用熱媒体の温度Tが変更されても、放電電極3の温度が対応する温度Dに到達するまでには時間を要する。本実施の形態によれば、時刻t0〜t1の区間において、電極用熱媒体の温度が、T1よりも更に高いT+αに設定されるので、放電電極3の温度の上昇率を上げることができる。即ち、放電電極3の温度DがDまで上昇するまでの時間を短縮させることができる。尚、T1<T0の場合も同様に、放電電極3の温度がDまで下降するまでの時間を短縮させることができる。
ステップS110
再び図9に戻り、ステップS80〜ステップS101の処理と平行して、制御装置9はテーブル8を参照して、変更後の基板表面温度及びRfパワーの設定値に対応した均熱板6の温度P1を取得する。制御装置9は、更に、取得した均熱板6の温度P1に対応した均熱板用熱媒体の温度L1を取得する。
ステップS120
続いて、制御装置9は、取得した均熱板用熱媒体の温度Lを所定の温度βだけ変化させる。この時、基板表面温度及びRfパワーの設定値の変更により、変更前に設定されていた均熱板用熱媒体の温度L0よりも、変更後に取得した均熱板用熱媒体の温度L1の方が高い場合(L1 >L0)には、制御装置9は、均熱板用熱媒体の温度Lを、取得した均熱板用熱媒体の温度L1よりも所定の温度βだけ高い温度(L1+β)に設定する。一方、L1<L0である場合には、制御装置9は、Lを所定の温度βだけ低い温度(L1‐β)に設定する。
ステップS130
制御装置9は、新しく設定した温度(L+β)又は(L‐β)を均熱板温度調節装置7に通知する。均熱板温度調節装置7は、制御装置9より通知された温度(L1+β)又は(L1‐β)になるように、均熱板用熱媒体の温度Lを調節する。均熱板用熱媒体の温度の変更により、均熱板6の温度は、時間の経過とともに(L1+β)又は(L‐β)に対応する温度(P+β)又は(P‐β)に近づいていく。
ステップS131
均熱板6の温度は、(P+β)又は(P‐β)に到達する前に、P1へ近づく。均熱板6の温度がPに近づいた時刻t2において、制御装置9は均熱板温度調節装置7に対して、均熱板用熱媒体の温度をL1に調整するように指示する。均熱板温度調節装置4は、時刻t2以降、均熱板用熱媒体の温度がL1になるように動作する。
ここで所定の時間t2とは、均熱板6の温度を計測しながら目標温度に近づいた時点で所定時間として制御装置9に通知してもいい。また、所定時間をシミュレーション計算により予め算出しておき、テーブル8からの受け取り情報に織り込んでおいてもいい。
したがって、均熱板用熱媒体の温度は、所定の時間t2までは(L+β)又は(L−β)で制御し、所定の時間経過後は取得した温度Lになるように制御される。
図11は、上述のステップS110〜131の動作における時間tに対する均熱板用熱媒体の実際の温度、均熱板6の温度、及び設定された均熱板用熱媒体の温度Lの挙動を、L1>L0の場合について説明する図である。図11に示されるように、時刻t0において、均熱板用熱媒体の温度LがL1+βに設定される。これにより実際の均熱板用熱媒体の温度もL+βまで上昇する。それに伴ない時刻t0〜t2までは実際の均熱板6の温度Pは、L+βに対応する温度P+βへ向かって上昇する。均熱板6の温度Pが、Pに近づいた時刻t2において、均熱板用熱媒体の設定温度がL1+βからL1に変更される。実際の均熱板用熱媒体の温度もLまで下降する。よって、時刻t以降は、実際の均熱板6の温度はLに対応する温度Pに近づき、温度P1となるとこれを維持する。均熱板用熱媒体の温度が変更されても、実際の均熱板6の温度が対応する温度に到達するまでには時間を要する。本実施の形態によれば、時刻t0〜t2の区間において、均熱板用熱媒体の温度が、L1よりも更に高いL+βに設定されるので、均熱板6の温度の上昇率を上げることができる。即ち、均熱板6の温度PがPまで上昇するまでの時間を短縮させることができる。尚、L1<L0の場合も同様に、均熱板6の温度がPまで下降するまでの時間を短縮させることができる。
ステップS140
再び、図9に戻って動作を説明する。ステップS80〜S101及びステップS110〜S131の処理と平行して、電極温度センサ23が放電電極3の温度を測定する。測定は放電電極3の温度の経時変化が求められるように、一定の間隔を置いて複数回行われる。電極温度センサ23は、測定した温度の結果を制御装置9に通知する。
ステップS150
電極温度センサ23から測定結果を取得した制御装置9は、放電電極3の温度の単位時間当たりの変化率を計算する。
ステップS160
制御装置9は、計算した単位時間当たりの放電電極3の温度の変化率が、所定の値を超えている場合には、電極用ポンプ21が送出する電極用熱媒体の流量の増量を決定し、電極用ポンプ21へ通知する。放電電極3の温度の変化率が、所定の値以下となると、制御装置9は、電極用ポンプ21に対して、流量を元に戻すように指示する。
図12は、T1>T0の場合についてのステップS70〜S90までの処理における、電極用ポンプ21の流量、電極用熱媒体温度、及び放電電極3の温度の挙動を説明する図である。時刻t0において、電極用熱媒体の温度の設定がT0からTに変更される。電極用熱媒体の温度はt0以降にT1へ近づいていく。電極用熱媒体の温度が上昇するに伴ない、放電電極3の温度もT1に対応するD1へ近づいていく。但し、電極用熱媒体の温度が変化してから、実際に放電電極3の温度が変化し始めるまでには、時間を要する。放電電極3の温度の上昇率が所定の値を超えた時刻t3において、制御装置9が電極用ポンプ21の流量の増量を指示する。これにより、電極用ポンプ21の流量が、R0からR1に変更される。電極用ポンプ21の流量が増えることで、放電電極3内部を流れる電極用熱媒体から放電電極への熱伝導が加速される。これは、放電電極3と電極用熱媒体との間の熱伝導率が上昇することに加えて、熱が奪われる前の温度Tの電極用熱媒体が次々と放電電極へ供給されることによる。よって、放電電極3の温度が、D0からD1に達するまでの時間が短縮される。放電電極3の温度がD1に近づき、放電電極3の温度の上昇率が所定の値以下となる時刻t4において、電極用ポンプ21の流量は元の流量R0に戻される。時刻t4以降は、放電電極3の温度はD1を維持する。尚、T1<T0の場合においても同様に、放電電極3の温度がD1となるまでの時間が短縮される。
電極用ポンプ21及び均熱板用ポンプ22から送出する熱媒体の流量の値は、初期値Rを基板表面温度、Rfパワー、及び製膜圧力の設定値に基いて、テーブル8を参照して取得してもいい。熱媒体の流量RはPI制御などを用いて、短時間に目標温度になるように適切に制御される。また事前検証によりRをテーブル8から取得してもいい。また事前検証により所定の時刻t0から時刻t3、時刻t4までの時間を設定しておき、所定の時間tから所定の時間tになるまでの熱媒体流量をRへ制御し、所定の時間経過後は初期流量値R0としてもいい。
ステップS170
再び図9に戻り説明を行う。ステップS80〜101、ステップS110〜S131、及びステップS140〜S160の処理と平行して、均熱板温度センサ24が均熱板6の温度を測定する。測定は均熱板6の温度の経時変化が求められるように、一定の間隔を置いて複数回行われる。均熱板温度センサ24は、測定した温度の結果を制御装置9に通知する。
ステップS171
均熱板温度センサ24から測定結果を取得した制御装置9は、均熱板6の温度の単位時間当たりの変化率を計算する。
ステップS172
制御装置9は、計算した単位時間当たりの均熱板6の温度の変化率が、所定の値を超えている場合には、均熱板用ポンプ22が送出する均熱板用熱媒体の流量の増量を決定し、均熱板用ポンプ22へ通知する。均熱板6の温度の変化率が、所定の値以下となると、制御装置9は、均熱板用ポンプ22に対して、流量を元に戻すように指示する。
図13は、L1>L0の場合についてのステップS100〜S120までの処理における、均熱板用ポンプ21の流量、均熱板用熱媒体温度、及び均熱板6の温度の挙動を説明する図である。時刻t0において、均熱板用熱媒体の温度の設定がL0からLに変更される。均熱板用熱媒体の温度はt0以降にL1へ近づいていく。均熱板用熱媒体の温度が上昇するに伴ない、均熱板6の温度もP1へ近づいていく。但し、均熱板用熱媒体の温度が変化してから、実際に均熱板6の温度が変化し始めるまでには、時間を要する。均熱板6の温度の上昇率が所定の値を超えた時刻t5において、制御装置9が均熱板用ポンプ22の流量の増量を指示する。これにより、均熱板用ポンプ22の流量Mが、初期の流量M0からM1に変更される。均熱板用ポンプ22の流量が増えることで、均熱板6内部を流れる均熱板用熱媒体から均熱板6に対する熱伝導が加速される。よって、均熱板6の温度が、P0からP1に達するまでの時間が短縮される。均熱板6の温度がL1に近づき、均熱板6の温度の上昇率が所定の値以下となる時刻t6において、均熱板用ポンプ22の流量は元の流量M0に戻される。時刻t4以降は、均熱板6の温度はP1を維持する。尚、L1<L0の場合においても同様に、均熱板6の温度がP1となるまでの時間が短縮される。
(第3の実施の形態)
図14は本発明の第3の実施の形態に係る製膜装置1の構成を概略的に示す図である。本実施の形態に係る製膜装置1においては、第1の実施の形態に係る構成において、電極用ポンプ21と均熱板用ポンプ22とが共通であり、ポンプ20として追加されている。電極温度調節装置4により電極用熱媒体の温度が調節されたのち、ポンプ20から電極用熱媒体が送出される。送出された電極用熱媒体は放電電極3内を流れ、放電電極3を出た電極用熱媒体は均熱板温度調節装置7によって温度を調節される。均熱板温度調節装置7により温度が調節された電極用熱媒体は、均熱板用熱媒体として均熱板6内部を流れる。即ち、電極用熱媒体と均熱板用熱媒体は共通である。均熱板6の内部を流れた均熱板用熱媒体は、電極温度調節装置4により温度を調節される。電極温度調節装置4により温度を調節された均熱板用熱媒体は、再び電極用熱媒体として、ポンプ20へ循環する。即ち、電極用熱媒体と均熱板用熱媒体の循環経路は共通である。その他の部分の構成は、第1の実施の形態に係る製膜装置1の構成と同じである。
本実施の形態に係る製膜装置1の動作方法は、第1の実施の形態における動作方法と同様であるので、説明を省略する。本実施の形態に依れば、電極用熱媒体が循環する経路と均熱板用熱媒体が循環する経路を共通とすることにより、システムが簡素化する。また、電極用熱媒体と均熱板用熱媒体を共通とすることで、熱媒体量が低減するのでコストが低減される。更に、電極用ポンプ21と均熱板用ポンプ22もポンプ20として共通化できるためにポンプは一つでよく、設置コストが更に低減される。
基板表面温度を200℃として製膜する際は、放電電極3と均熱板6とでは、放電電極3の温度が均熱板温度より30℃から60℃低い傾向にある。よって、温度の低い放電電極3へ先に熱媒体が流れることで、放電電極3から熱量を受け取り、温度が若干上昇した熱媒体を均熱板温度調整装置7で目標温度の200℃に追加加熱して、均熱板6へ送出する。均熱板用熱媒体がある第1の実施形態と比較して、均熱板6へ流れる前に均熱板温度調節装置7によって熱媒体の熱量を奪い去る必要がない。均熱板温度調節装置7が奪う熱量がなく熱媒体の加熱を行い、製膜室30で放熱が必要な熱量は電極温度調節装置4でまとめて奪い取ることができる。各温度調節装置の加熱と冷却の機能を分担できることで、コストが低減される。
また、セルフクリーニング実施時を考えると、放電電極3における発熱量の熱吸収量が多くなる場合がある。このときは均熱板温度調整装置7では熱媒体の過熱ではなく若干の熱量を奪い去る機能を設けて、放電電極3を出てきた熱媒体を若干冷却することが必要になる場合がある。しかしながら各温度調節装置の加熱と冷却の機能を単独で十分に保有する必要はなく、コストが低減される。
(第4の実施の形態)
本実施の形態に係る製膜装置1の構成は、第2の実施形態に係る製膜装置1に対して、製膜室30に投入される前の基板2の温度を測定する基板温度センサ25(図示せず)が追加される。基板温度センサ25は、投入される前の基板2の温度を測定すると、測定結果を制御装置9に通知する機能を有している。基板温度センサ25以外の構成に付いては、第1の実施の形態と同様であるので、説明は省略される。
本実施の形態に係る製膜装置1は、第2の実施の形態に係る製膜装置1の動作方法に対して、製膜を行う前に以下のように動作する点が追加される。図15は、本実施の形態に係る製膜装置1の、製膜が開始される前までの動作の流れを示すフローチャートである。
ステップS175
製膜室30内に基板2が搬入される前に、基板温度センサ25が基板2の温度を測定する。基板温度センサ25は、測定の結果を制御装置9に通知する。
ステップS176
続いて、制御装置9は、基板2の製膜をする際の基板表面温度、Rfパワー、及び製膜圧力を設定値として読み込む。制御装置9は、基板表面温度の設定値と、基板温度センサ25から取得した基板2の温度と、を比較して、その差が予め設定された所定の値より大きいか否かを判断する。その差が所定の値よりも大きい場合にはステップS180へと進む。一方、所定の値よりも小さい場合には図7のステップS20へ進み、以下は第1の実施の形態と同様の動作を行う。
ステップS180
続いて、制御装置9は、テーブル8を参照して、基板表面温度、Rfパワー、及び製膜圧力の設定値に対応した均熱板の温度P1を取得する。ここで制御装置9は、更に、均熱板の温度P1に対応する均熱板用熱媒体の温度L1も取得する。
ステップS190
続いて、制御装置9は取得した温度P1に対して所定の温度γを加算し、均熱板温度をP1+γに設定する。
ステップS200
次に、制御装置9は再びテーブル8を参照して、設定した温度P1+γに対応する均熱板用熱媒体の温度L1+γを取得する。制御装置9は、取得した均熱板用熱媒体の温度L1+γを、均熱板温度制御装置7に通知する。
ステップS210
均熱板温度調節装置7は、通知された温度L1+γとなるように、均熱板用熱媒体の温度を調節する。
ステップS211、S212
続いて、基板2が製膜室30内に搬入される。制御装置9は、製膜開始前の所定の時間になると、均熱板調整装置7に対して、調整する均熱板用熱媒体の温度をL1+γからL1に変更するように指示する。均熱板調整装置7は、均熱板用熱媒体の温度をLに調整する。その後、放電電極3に電圧が印加され、基板2に対する製膜が行われる。
ここで所定の時間とは、均熱板6の温度を計測しながら目標温度に近づいた時点で所定時間として制御装置9に通知してもいい。また、所定時間をシミュレーション計算により予め計算しておき、テーブル8からの受け取り情報に織り込んでおいてもよい。したがって、均熱板用熱媒体の温度は、所定の時間まではL+γで制御し、所定の時間経過後は取得した温度Lで動作を制御する。
製膜室30内に搬入された直後の基板2は、製膜時の温度よりも約数10℃低い場合がある。従って、基板2が搬入されると、均熱板6から基板テーブル5を介して基板2へ熱が移動する。均熱板6の温度は、投入前の基板温度にも依るが熱の移動により、設定されている温度よりも数℃から数10℃低くなる。本実施の形態に依れば、基板搬入時において、均熱板6の温度が、製膜時の設定温度であるP1よりも高いP1+γに設定されるので、このような熱の移動による均熱板6の温度の低下を抑制することができる。
(第5の実施の形態)
本実施の形態に係る製膜装置1の構成は、第2の実施形態に係る製膜装置1と同様であるので、説明は省略する。本実施の形態に係る製膜装置1は、第2の実施の形態に係る製膜装置1の動作方法に対して、セルフクリーニングを行う際に、以下のように動作する点が追加される。図16は、本実施の形態に係る製膜装置1の、セルフクリーニング時の動作の流れを示すフローチャートである。
ステップS220、230、235、240、245
まず、制御装置9がセルフクリーニングモードに設定される。セルフクリーニングモードでは、セルフクリーニング時における放電電極3の温度と、均熱板6の温度、圧力、及びRfパワーの値が設定される。これらの設定は、ユーザによって図示しない入力装置を介して制御装置9に通知されることで設定されてもよいし、予め記憶装置に記憶されていた値を読み込むことで設定されてもよい。
ステップS250、260
続いて、制御装置9はテーブル8を参照して、設定された放電電極3の温度、Rfパワー、及び圧力に基いて、電極用熱媒体の温度 を取得する。更に、設定された均熱板6の温度、Rfパワー、及び圧力に基いて均熱板用熱媒体の温度Pを取得する。制御装置9は、取得した電極用熱媒体の温度T及び均熱板用熱媒体の温度 を、電極温度調節装置4及び均熱板温度調節装置7に通知する。
ステップS270
電極用熱媒体の温度Tの通知を受けた電極温度調節装置4は、電極用熱媒体の温度がT となるように動作する。また、均熱板用熱媒体の温度 の通知を受けた均熱板温度調節装置7は、均熱板用熱媒体の温度が となるように動作する。これと同時に、設定されたPfパワー、及び圧力下において、セルフクリーニングが実行される。
セルフクリーニングは、NFなどのフッ素系ガスをプラズマで分解してフッ素ラジカルを発生させて、製膜処理時に製膜室30の内部、特に放電電極3や基板テーブル周辺に付着した膜や粉類を除去する。
Si+4×Fラジカル→SiF+1439kJ/mol
セルフクリーニングは、製膜時より放電電極3の温度が高温(例示:160℃)に設定されるとともに、高Rfパワーで長時間のクリーニングプラズマを発生することが実施される。製膜時より高温、且つ、高Rfパワーで長時間のプラズマを発生させることによる熱量に加えて、セルフクリーニング時のエッチング反応として発生する熱量があり、製膜室30内における熱が蓄積が大きくなる。製膜室30内における熱の蓄積は、放電電極3の温度を上昇させやすい。放電電極3の温度が過度に上昇すると、放電電極3を構成する部材が焼損したりフッ素系ガスによる腐食が増加するする恐れがある。一方で、放電電極3の温度が低いと、エッチング速度が遅くなり、クリーニングが効率よく行われない。よって、放電電極3の温度は設定された温度に精度よく維持されることが望まれる。本実施の形態に依れば、電極用熱媒体の温度を調節することにより、間接的に放電電極3の温度を調節するので、放電電極3の温度を精度よくコントロールすることができる。また均熱板6の温度制御も同様にコントロールすることができる。
なお、第1の実施形態から第4の実施形態は各々組み合わせて実施して、更に運用性の高い放電電極3の温度と均熱板6の温度の制御を実施してもよい。
従来の製膜装置の構成の示す例図である。 基板の反りを説明する図である。 基板の反りを説明する図である。 基板への入出熱を説明する図である。 第1の実施形態に係る製膜装置の構成を示すブロック図である。 放電電極の構造を示す図である。 図4BにおけるB-B断面を示す図である。 均熱板内部の流路の構造を示す図である。 製膜室30の断面を示す図である。 テーブル8に格納されたデータを示す概念図である。 テーブル8に格納されたデータを示す概念図である。 第1の実施の形態に係る製膜装置の動作の流れを示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る製膜装置の構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態に係る製膜装置の動作の流れを示すフローチャートである。 第2の実施の形態において、電極用熱媒体の実際の温度、放電電極3の温度、及び設定された電極用熱媒体の温度Tの挙動をT1>T0の場合について説明する図である。 第2の実施形態において、均熱板用熱媒体の実際の温度、均熱板6の温度、及び設定された均熱板用熱媒体の温度Lの挙動を、L1>L0の場合について説明する図である。 第2の実施形態において、電極用ポンプ21の流量、電極用熱媒体温度、及び放電電極3の温度の挙動を説明する図である。 第2の実施形態において、均熱板用ポンプ21の流量、均熱板用熱媒体温度、及び均熱板6の温度の挙動を説明する図である 第3の実施の形態に係る製膜装置の構成を示すブロック図である。 第4の実施の形態に係る製膜装置の動作の流れを示すフローチャートである。 第5の実施の形態に係る製膜装置の動作の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1 製膜装置
2 基板
3 放電電極
4 電極温度調節装置
5 基板テーブル
6 均熱板
7 均熱板温度調節装置
8 テーブル
9 制御装置
10 製膜装置
11 基板
12 基板テーブル
13 放電電極
14 棒状ヒータ
15 ヒートシンク
16 防着板
20 ポンプ
21 電極用ポンプ
22 均熱板用ポンプ
23 電極温度センサ
24 均熱板温度センサ
25 基板温度センサ
30 製膜室
31 循環経路
32 循環経路
33 循環経路
35 縦方向電極棒
36 横方向電極棒
37 ヘッダー
38 ガス噴出し孔
39 ガス通路
40 ガス管
41 熱媒体通路
42 媒体管
43 流路
44 配管
45 配管

Claims (15)

  1. 内部に電極用熱媒体が流れる流路を有し、プラズマを放電して基板に製膜する放電電極と、
    前記電極用熱媒体の温度を調節する電極温度調節装置と、
    前記基板を表面で保持する基板テーブルと、
    前記基板テーブルの裏面に密接して、内部に均熱板用熱媒体が流れる流路を有する均熱板と、
    前記均熱板用熱媒体の温度を調節する均熱板温度調節装置と、
    製膜時に前記基板の表裏の温度差が無くなるように前記電極温度調節装置及び前記均熱板温度調節装置の動作を制御する制御装置と、
    を具備した
    製膜装置。
  2. 請求項1に記載された製膜装置であって、
    更に、
    前記基板に対して製膜を行う際に設定される設定パラメータと、製膜時に前記基板の表裏の温度差が零となる前記電極用熱媒体の温度及び前記均熱板用熱媒体の温度の組み合わせ、との対応関係が予め記述されたテーブル
    を具備し、
    前記制御装置は、前記テーブルを参照して、前記設定パラメータの設定値に対応する前記電極用熱媒体の温度Tを取得して、前記電極用熱媒体の温度を取得した温度Tとなるように前記電極温度調節装置の動作を制御し、且つ、前記設定パラメータの設定値に対応する前記均熱板用熱媒体の温度Lを取得して、前記均熱板用熱媒体の温度が取得した温度Lとなるように前記均熱板温度調節装置の動作を制御する
    製膜装置。
  3. 請求項2に記載された製膜装置であって、
    前記設定パラメータは、前記基板の表面の温度である基板表面温度及び前記放電電極に印加される放電電極印加電力及び製膜時の雰囲気圧力である製膜圧力である
    製膜装置。
  4. 請求項3に記載された製膜装置であって、
    更に、
    前記電極用熱媒体を送出する電極用ポンプと、
    前記均熱板用熱媒体を送出する均熱板用ポンプと、
    前記放電電極の温度を測定する電極温度センサと、
    前記均熱板の温度を測定する均熱板温度センサと、
    を具備し、
    前記制御装置は、前記基板表面温度、前記放電電極印加電力、又は前記製膜圧力の設定値が変更された場合に、前記電極温度センサによって測定された前記放電電極の温度の単位時間当たりの変化率に基いて、前記電極用ポンプが送出する前記電極用熱媒体の流量を制御し、且つ、前記均熱板温度センサによって測定された前記均熱板の温度の単位時間当たりの変化率に基いて、前記均熱板用ポンプが送出する前記均熱板用熱媒体の流量を制御する
    製膜装置。
  5. 請求項3又は4に記載された製膜装置であって、
    前記制御装置は、前記基板表面温度、前記放電電極印加電力、又は前記製膜圧力の設定値が変更された場合に、前記テーブルを参照して変更後の前記基板表面温度、前記放電電極印加電力、又は前記製膜圧力に対応する電極用熱媒体の温度T1を取得し、変更後に取得したT1が変更前の電極用熱媒体の温度T0よりも高い場合には、前記電極用熱媒体の温度がT1よりも所定の温度αだけ高い温度T1+αになるように前記電極温度調節装置の動作を所定の時間において制御し、所定の時間経過後は取得した温度Tになるように動作を制御し、変更後に取得したT1が変更前の電極用熱媒体の温度T0よりも低い場合には、前記電極用熱媒体の温度がT1よりも所定の温度αだけ低い温度T1‐αになるように前記電極温度調節装置の動作を所定の時間において制御し、所定の時間経過後は取得した温度Tになるように動作を制御し、且つ、前記テーブルを参照して変更後の前記基板表面温度、前記放電電極印加電力、又は前記製膜圧力に対応する均熱板用熱媒体の温度L1を取得し、変更後に取得したL1が変更前の均熱板用熱媒体の温度L0よりも高い場合には、前記均熱板用熱媒体の温度がL1よりも所定の温度βだけ高い温度L1+βになるように前記均熱板温度調節装置の動作を所定の時間において制御し、所定の時間経過後は取得した温度Lで動作を制御し、変更後に取得したL1が変更前の均熱板用熱媒体の温度L0よりも低い場合には、前記均熱板用熱媒体の温度がL1よりも所定の温度βだけ低い温度L1‐βになるように前記均熱板温度調節装置の動作を所定の時間において制御し、所定の時間経過後は取得した温度Lになるように動作を制御する
    製膜装置。
  6. 請求項4に記載された製膜装置であって、
    前記電極用ポンプと前記均熱板用ポンプとは共通であり、
    前記電極用熱媒体と前記均熱板用熱媒体は共通であり、
    前記電極用熱媒体が循環する経路と前記均熱板用熱媒体が循環する経路とは共通である
    製膜装置。
  7. 請求項6に記載された製膜装置であって、
    前記電極用熱媒体は、前記放電電極中を流れた後、前記均熱板温度調節装置によって温度を調整されて前記均熱板中を流れる
    製膜装置。
  8. 請求項3乃至7のいずれかに記載された製膜装置であって、
    更に、
    前記基板の温度を測定する基板温度センサ
    を具備し、
    前記テーブルは、更に、前記均熱板の温度と前記均熱板用熱媒体の温度との対応関係を記述し、
    前記制御装置は、前記基板が投入される前に前記基板温度センサにより計測された基板温度を取得して前記基板表面温度の設定値と比較し、投入される前の基板温度と前記基板表面温度の設定値との差が所定の差より大きい場合において、
    前記テーブルを参照して、前記基板表面温度、前記放電電極印加電力、及び前記製膜圧力の設定値から前記均熱板の温度Pを取得し、更に、取得した前記均熱板の温度P1よりも所定の温度γだけ高い温度P1+γに対応した前記均熱板用熱媒体の温度L1+γを取得し、前記均熱板用熱媒体の温度が取得した温度L1+γとなるように前記均熱板温度調節装置の動作を所定の時間において制御し、所定の時間経過後は取得した温度L1になるように動作を制御する
    製膜装置。
  9. 請求項3乃至8のいずれかに記載された製膜装置であって、
    前記テーブルは、更に、前記放電電極の温度と前記電極用熱媒体の温度との対応関係を記述し、
    セルフクリーニング時において、前記制御装置は、前記テーブルを参照して、設定された放電電極の温度D、均熱板温度 、放電電極印加電力、及びクリーニング圧力、に対応した前記電極用熱媒体の温度Tと均熱板用熱媒体温度 とを取得し、前記電極用熱媒体の温度が取得した温度Tとなるように前記電極温度調節装置の動作を制御し、前記均熱板用熱媒体の温度が取得した温度Lとなるように前記均熱板温度調節装置の動作を制御する製膜装置。
  10. 基板表面温度を設定するステップと、
    基板表面温度と、製膜時に前記基板の表裏の温度差が零となるような、前記電極用熱媒体の温度及び前記基板を保持する基板テーブルの裏面に密接する均熱板の内部を流れる均熱板用熱媒体の温度の組み合わせ、の対応関係が記述されたテーブルを参照するステップと、
    基板表面温度の設定値に対応する前記電極用熱媒体の温度Tを取得する電極用熱媒体温度取得ステップと、
    前記電極用熱媒体の温度を調節する電極温度調節装置の動作を、温度Tになるように制御するステップと、
    前記基板表面温度の設定値に対応する前記均熱板用熱媒体の温度Lを取得する均熱板用熱媒体温度取得ステップと、
    前記均熱板用熱媒体の温度を調節する均熱板温度調節装置の動作を、取得した温度Lになるように制御するステップと、
    を具備した
    製膜方法。
  11. 請求項10に記載された製膜方法であって、
    更に、
    前記放電電極に印加される放電電極印加電力の値を設定するステップと、
    製膜時の雰囲気圧力である製膜圧力の値を設定するステップと、
    を具備し、
    前記テーブルには、前記基板表面温度、前記放電電極印加電力、及び前記製膜圧力に対して、製膜時に前記基板の表裏の温度差が零となるような前記電極用熱媒体の温度及び前記均熱板用熱媒体の温度の組み合わせ、が対応付けられて記述され、
    前記電極用熱媒体温度取得ステップは、前記基板表面温度、前記放電電極印加電力、及び前記製膜圧力の設定値に対応した電極用熱媒体の温度Tを取得するステップを含み、
    前記均熱板用熱媒体温度取得ステップは、前記基板表面温度、前記放電電極印加電力、及び前記製膜圧力の設定値に対応した前記均熱板用熱媒体の温度Lを取得するステップを含む、製膜方法。
  12. 請求項11に記載された製膜方法であって、
    更に、
    前記基板表面温度、前記放電電極印加電力、又は前記製膜圧力の設定値が変更されるステップと、
    前記放電電極の温度を測定するステップと、
    前記放電電極の温度の単位時間当たりの変化率である電極温度変化率を求めるステップと、
    前記電極温度変化率に基いて、前記電極用熱媒体を送出する電極用ポンプの動作を制御するステップと、
    前記均熱板の温度を測定するステップと、
    前記均熱板温度センサにより測定された前記均熱板の温度の単位時間当たりの変化率である均熱板温度変化率を求めるステップと、
    前記均熱板温度変化率に基いて、前記均熱板用熱媒体を送出する均熱板用ポンプの動作を制御するステップと、
    を具備した
    製膜方法。
  13. 請求項11又は12に記載された製膜方法であって、
    更に、
    前記基板表面温度、前記放電電極印加電力、又は前記製膜圧力の設定値が変更されるステップと、
    変更後の前記基板表面温度、前記放電電極印加電力、及び前記製膜圧力の設定値に対応する電極用熱媒体の温度T1を取得するステップと、
    変更後に取得したT1が変更前の電極用熱媒体の温度T0よりも高い場合には、前記電極用熱媒体の温度がT1よりも所定の温度αだけ高い温度T1+αになるように前記電極温度調節装置の動作を所定の時間において制御し、所定の時間経過後は取得した温度Tで動作を制御し、変更後に取得したT1が変更前の電極用熱媒体の温度T0よりも低い場合には、前記電極用熱媒体の温度がT1よりも所定の温度αだけ低い温度T1‐αになるように前記電極温度調節装置の動作を所定の時間において制御し、所定の時間経過後は取得した温度Tで動作を制御するステップと、
    変更後の前記基板表面温度、前記放電電極印加電力、及び前記製膜圧力の設定値に対応する均熱板用熱媒体の温度L1を取得するステップと、
    変更後に取得したL1が変更前の均熱板用熱媒体の温度L0よりも高い場合には、前記均熱板用熱媒体の温度がL1よりも所定の温度βだけ高い温度L1+βになるように前記均熱板温度調節装置の動作を所定の時間において制御し、所定の時間経過後は取得した温度Lで動作を制御し、変更後に取得したL1が変更前の均熱板用熱媒体の温度L0よりも低い場合には、前記均熱板用熱媒体の温度がL1よりも所定の温度βだけ低い温度L1‐βになるように前記均熱板温度調節装置の動作を所定の時間において制御し、所定の時間経過後は取得した温度Lになるように動作を制御するステップと、
    を具備した
    製膜方法。
  14. 請求項11乃至13のいずれかに記載された製膜方法であって、
    前記テーブルは、更に、前記均熱板の温度と前記均熱板用熱媒体の温度との対応関係を記述し、
    更に、
    製膜室に投入する前の前記基板の温度を測定するステップと、
    投入する前の前記基板の温度と、設定された基板表面温度との差が所定の値より大きいかどうかを比較するステップと、
    投入する前の前記基板の温度と、設定された基板表面温度との比較の結果、差が所定の値より大きい場合において、前記テーブルを参照して、設定された基板表面温度、放電電極印加電力及び製膜圧力に対応する前記均熱板の温度P1を取得するステップと、
    取得した前記均熱板の温度P1よりも所定の温度γだけ高い温度P1+γを求めるステップと、
    求めた温度P1+γに対応した均熱板用熱媒体の温度L1+γを取得するステップと、
    前記均熱板用熱媒体の温度が、取得した温度L1+γになるように、前記均熱板温度調節装置の動作を所定の時間において制御し、所定の時間経過後は取得した温度Lになるように動作を制御するステップと、
    を具備した
    製膜方法。
  15. 請求項11乃至14のいずれかに記載された製膜方法であって、
    前記テーブルは、更に、前記放電電極の温度と前記電極用熱媒体の温度との対応関係、及び前記均熱板の温度と前記均熱板用熱媒体の温度との対応関係を記述し、
    更に、
    セルフクリーニングモードに設定するステップと、
    前記放電電極温度を設定するステップと、
    前記均熱板温度を設定するステップと、
    放電電極印加電力を設定するステップと、
    セルフクリーニング時における雰囲気圧力であるクリーニング圧力を設定するステップと、
    前記テーブルを参照するステップと、
    前記放電電極及び前記放電電極印加電力、及び前記クリーニング圧力の設定値に対応した前記電極用熱媒体の温度Tsと前記均熱板温度Lを取得するステップと、
    前記電極用熱媒体の温度が取得した前記電極用熱媒体の温度Tsとなるように前記電極温度調整装置の動作を制御し、且つ、前記均熱板用熱媒体の温度が、取得した前記均熱板用熱媒体の温度Lとなるように、前記均熱板温度調整装置の動作を制御するステップと、
    を具備した
    セルフクリーニング方法。
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