以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3からあふれた景品玉を貯留する余剰玉受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の後方には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が設けられている。
遊技領域7の中央付近には、複数種類の図柄を可変表示するための可変表示部(特別図柄表示部)9と7セグメントLEDによる可変表示器(普通図柄表示器)10とを含む可変表示装置8が設けられている。また、可変表示器10の下部には、4個のLEDからなる通過記憶表示器(普通図柄用記憶表示器)41が設けられている。この実施の形態では、可変表示部9には、「左」、「中」、「右」の3つの図柄表示エリアがある。可変表示装置8の側部には、打球を導く通過ゲート11が設けられている。この例では、4個を上限として、通過ゲート11の玉通過がある毎に、通過記憶表示器41は点灯しているLEDを1つずつ増やす。そして、可変表示器10の普通図柄の可変表示が開始される毎に、点灯しているLEDを1つ減らす。
通過ゲート11を通過した打球は、玉出口13を経て始動入賞口14の方に導かれる。通過ゲート11と玉出口13との間の通路には、通過ゲート11を通過した打球を検出するゲートスイッチ12がある。また、始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ17によって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。この実施の形態では、開閉板20が大入賞口を開閉する手段となる。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(Vゾーン)に入った入賞球はVカウントスイッチ22で検出される。また、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。可変表示装置8の下部には、始動入賞口14に入った入賞球数の記憶数を表示する4個のLEDを有する始動入賞記憶表示器(特別図柄用記憶表示器)18が設けられている。この例では、4個を上限として、始動入賞がある毎に、始動入賞記憶表示器18は点灯しているLEDを1つずつ増やす。そして、可変表示部9の特別図柄の可変表示が開始される毎に、点灯しているLEDを1つ減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口19,24が設けられている。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、遊技効果LED28aおよび遊技効果ランプ28b,28cが設けられている。そして、この例では、一方のスピーカ27の近傍に、景品玉払出時に点灯する賞球ランプ51が設けられ、他方のスピーカ27の近傍に、補給玉が切れたときに点灯する玉切れランプ52が設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技台1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって玉貸しを可能にするカードユニット50も示されている。
打球発射装置から発射された打球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が通過ゲート11を通ってゲートスイッチ12で検出されると、可変表示器10の表示数字が連続的に変化する状態になる。また、打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ17で検出されると、図柄の変動を開始できる状態であれば、可変表示部9内の図柄が回転を始める。図柄の変動を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶を1増やす。
可変表示部9内の画像の回転は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の画像の組み合わせが大当り図柄の組み合わせであると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球が特定入賞領域に入賞しVカウントスイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。この継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
停止時の可変表示部9内の画像の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、高確率状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。また、可変表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、高確率状態では、可変表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
図2は、遊技盤6の打球レール32の周辺を示す正面図である。打球発射装置(図示せず)から発射された打球は、打球レール32に沿って上方に向かい、打球流出部36に設けられている逆流防止部材34を越えて遊技領域7に進入する。逆流防止部材34は、遊技領域7に流入した打球が打球レール32側に逆流することを防止するために設けられている。さらに、打球流出部36の内側(打球レール32側)には、発光素子132aと受光素子132bとによる発射球センサ132が設けられている。また、打球流出部36の外側(遊技領域7側)には、発光素子133aと受光素子133bとによる発射球センサ133が設けられている。
なお、ここでは発射球センサ132,133として光学式のセンサを示すが、機械式や磁力式等他のタイプのセンサを用いることもできる。また、発射球センサ132,133は固定的に設けられていてもよいが、遊技盤6にはセンサ装着部のみを設け、試験時には発射球センサ132,133を装着し、遊技機稼働時(出荷時)には発射球センサ132,133を取り外すようにしてもよい。また、発射球センサ132,133の出力信号は一般にコネクタを介して主基板31に入力されるが、遊技機量産時にはコネクタを取り付けないようにしてもよい。
図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、賞球制御基板37、ランプ制御基板35、音声制御基板70、発射制御基板91および表示制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23および入賞球検出スイッチ99からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16および開閉板20を開閉するソレノイド21を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59と、始動入賞記憶表示器18および通過記憶表示器41の点灯/消灯を行うとともに7セグメントLEDによる可変表示器10と装飾ランプ25とを駆動するランプ・LED回路60とを含む。
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示部9の画像表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等をホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する情報出力回路64を含む。
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用されるRAM55、制御用のプログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。なお、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている場合もある。
さらに、主基板31には、電源投入時に基本回路53をリセットするための初期リセット回路65と、定期的(例えば、2ms毎)に基本回路53にリセットパルスを与えてゲーム制御用のプログラムを先頭から再度実行させるための定期リセット回路66と、基本回路53から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート部57のうちのいずれかのI/Oポートを選択するための信号を出力するアドレスデコード回路67とが設けられている。
なお、玉払出装置97から主基板31に入力されるスイッチ情報もあるが、図4ではそれらは省略されている。
ここで、発射球センサ132,133からの信号は、主基板31に入力される。具体的には、発射球センサ132,133からの信号線が主基板31にまで引き延ばされ、主基板31に搭載されたコネクタ(図3において図示せず)を介して主基板31に信号が伝えられる。
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モータ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわち、発射制御基板91上の回路によって、操作ノブ5の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
図4は、主基板31、賞球制御基板37および表示制御基板80の試験用信号出力に関わる部分を示すブロック図である。主基板31において、各センサからの信号は、入力ポート577に入力されるとともに、試験信号出力回路71にも供給される。なお、センサとは、この実施の形態では、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、カウントスイッチ23、Vカウントスイッチ22および発射球センサ132,133であるが、その他、主基板31に入力される各種のスイッチ情報およびセンサ出力情報を含む。また、図4に示す入力回路578は、図3におけるスイッチ回路58に相当する回路である。
出力回路572は、CPU56から出力ポート571を介して出力された信号を賞球制御基板37に送出するドライバ回路やバッファ回路である。賞球制御基板37において、賞球制御用CPU371は、入力回路372を介して主基板31から賞球制御信号を入力する。また、入力回路373を介して各センサからの信号を入力する。ここで、センサとして、例えば、賞球モータ位置センサや払出球検出センサがある。賞球制御用CPU371は、賞球制御信号およびセンサ情報にもとづいて、出力回路374を介して賞球払出モータ97Aを駆動する。
出力回路573は、CPU56から出力ポート571を介して出力された信号にもとづいて、ランプ/LEDおよび普通図柄表示器を駆動する。ランプ/LEDとは、この実施の形態では、始動入賞記憶表示器18、通過記憶表示器41および装飾ランプ25である。
出力回路574は、CPU56から出力ポート571を介して出力された表示制御コマンドを表示制御基板80に送出する。表示制御基板80において、表示制御用CPU101は、入力バッファ105を介して表示制御コマンドを入力し、表示制御コマンドにもとづいて、出力回路109を介して可変表示部9を駆動する。
また、表示制御基板80において、表示制御CPU101は、所定の試験用信号を作成して、試験信号出力回路110を介して外部に出力する。試験信号出力回路110は、各入力信号を増幅する等の処理を行って試験用信号として試験信号端子111,112に出力する。試験信号端子111,112は、試験装置からのプローブを接続可能な信号ピンや試験装置からのケーブルを接続可能なコネクタで構成される。試験信号端子111,112は表示制御基板80に実装されていてもよいし、量産時のコスト低減のため中継基板等に実装されていてもよい。試験信号出力回路110と試験信号端子111,112は、情報出力手段を構成する。
なお、主基板31において、出力回路575は、CPU56から出力ポート571を介して出力された信号に応じてソレノイドを駆動する。この実施の形態では、ソレノイドは、可変入賞球装置15を開放するためのソレノイド16と、開閉板20を開放するためのソレノイド21である。
主基板31の試験信号出力回路71は、各入力信号を増幅する等の処理を行って試験用信号として試験信号端子72〜75に出力する。試験信号端子72〜75は、試験装置からのプローブを接続可能な信号ピンや試験装置からのケーブルを接続可能なコネクタで構成される。コネクタを用いる場合には、オス型のものが使用される。オス型を使用すれば、試験装置等から延びるケーブル端部に設けられるコネクタをメス型とすることができ、試験装置等からのケーブル端部のコネクタが破損する可能性が低減する。なお、試験信号端子72〜75は主基板31に実装されていてもよいし、量産時の主基板31のコスト低減のため中継基板等に実装されていてもよい。また、コネクタを用いる場合には、主基板31にコネクタ接続用の配線パターンを用意しておいて、試験時にのみコネクタを搭載するようにしてもよい。
次に遊技機の動作について説明する。
図5は、主基板31における基本回路53の動作を示すフローチャートである。上述したように、この処理は、定期リセット回路66が発するリセットパルスによって、例えば2ms毎に起動される。基本回路53が起動されると、基本回路53は、まず、クロックモニタ制御を動作可能状態にするために、CPU56に内蔵されているクロックモニタレジスタをクロックモニタイネーブル状態に設定する(ステップS1)。なお、クロックモニタ制御とは、入力されるクロック信号の低下または停止を検出すると、CPU56の内部で自動的にリセットを発生する制御である。
次いで、CPU56は、スタックポインタの指定アドレスをセットするためのスタックセット処理を行う(ステップS2)。この例では、スタックポインタに00FFHが設定される。そして、システムチェック処理を行う(ステップS3)。システムチェック処理では、CPU56は、RAM55にエラーが含まれているか判定し、エラーが含まれている場合には、RAM55を初期化するなどの処理を行う。
次に、表示制御基板80に送出されるコマンドデータをRAM55の所定の領域に設定する処理を行った後に(表示制御データ設定処理:ステップS4)、コマンドデータを表示制御コマンドデータとして出力する処理を行う(表示制御データ出力処理:ステップS5)。
次いで、各種出力データの格納領域の内容を各出力ポートに出力する処理を行う(データ出力処理:ステップS6)。また、ランプタイマを1減ずる処理を行い、ランプタイマがタイムアウトしたら(=0になったら)、ランプデータポインタを更新するとともに新たな値をランプタイマに設定する(ランプタイマ処理:ステップS7)。
また、ランプデータポインタが示すアドレスのデータ、ホール管理用コンピュータに出力される大当り情報、始動情報、確率変動情報などの出力データを格納領域に設定する出力データ設定処理を行う(ステップS8)。さらに、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行われ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられる(エラー処理:ステップS9)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用乱数等の各判定用乱数を示す各カウンタを更新する処理を行う(ステップS10)。
次に、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS11)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS12)。普通図柄プロセス処理では、7セグメントLEDによる可変表示器10を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
さらに、CPU56は、スイッチ回路58を介して、各スイッチの状態を入力し、スイッチ状態に応じて必要な処理を行う(スイッチ処理:ステップS13)。また、後述するプロセスデータ中の音声データを音声制御基板70に送出する処理を行う(音声処理:ステップS14)。
基本回路53は、さらに、表示用乱数を更新する処理を行う(ステップS15)。すなわち、各表示用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。
また、基本回路53は、賞球制御基板37との間の信号処理を行う(ステップS16)。すなわち、所定の条件が成立すると賞球制御基板37に賞球個数を示す賞球制御コマンドを出力する。賞球制御基板37に搭載されている賞球制御用CPUは、受信した賞球個数に応じて玉払出装置97を駆動する。
その後、基本回路53は、次に定期リセット回路66からリセットパルスが与えられるまで、ステップS17の表示用乱数更新処理を繰り返す。
図6は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図6に示す特別図柄プロセス処理は、図5のフローチャートにおけるステップS11の具体的な処理である。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、その内部状態に応じて、図6に示すステップS300〜S309のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理が実行される。
特別図柄変動待ち処理(ステップS300):始動入賞口14(この実施の形態では可変入賞球装置15の入賞口)に打球入賞して始動口センサ17がオンするのを待つ。始動口センサ17がオンすると、始動入賞記憶数が満タンでなければ、始動入賞記憶数を+1するとともに大当り決定用乱数を抽出する。
特別図柄判定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、抽出されている大当り決定用乱数の値に応じて大当たりとするかはずれとするか決定する。
停止図柄設定処理(ステップS302):左右中図柄の停止図柄を決定する。すなわち、図9に示された処理の中半が実行される。
リーチ動作設定処理(ステップS303):リーチ判定用乱数の値に応じてリーチ動作するか否か決定するとともに、リーチ種類決定用乱数の値に応じてリーチ時の変動期間を決定する。
全図柄変動開始処理(ステップS304):可変表示部9において全図柄が変動開始されるように制御する。このとき、表示制御基板80に対して、左右中最終停止図柄と変動態様を指令する情報とが送信される。また、可変表示部9に背景やキャラクタも表示される場合には、それに応じた表示制御コマンドが表示制御基板80に送出されるように制御する。
全図柄停止待ち処理(ステップS305):所定時間が経過すると、可変表示部9において表示される全図柄が停止されるように制御する。また、全図柄停止のタイミングまで、所定のタイミングで左右図柄が停止されるように制御する。さらに、適宜、可変表示部9において表示される背景やキャラクタに応じた表示制御コマンドが表示制御基板80に送出されるように制御する。
大当たり表示処理(ステップS306):停止図柄が大当たり図柄の組み合わせである場合には、内部状態(プロセスフラグ)をステップS307に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS309に移行するように更新する。なお、大当たり図柄の組み合わせは、左右中図柄が揃った組み合わせである。また、左右図柄が揃うとリーチとなる。
大入賞口開放開始処理(ステップS307):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。
大入賞口開放中処理(ステップS308):大入賞口ラウンド表示の表示制御コマンドデータが表示制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、大当り遊技状態の終了条件が成立していなければ内部状態をステップS307に移行するように更新する。大当り遊技状態の終了条件が成立していれば、内部状態をステップS309に移行するように更新する。
大当たり終了処理(ステップS309):大当たり遊技状態が終了したことを遊技者に報知するための表示を行う。その表示が終了したら、内部フラグ等を初期状態に戻し、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
上記の各ステップの処理に応じて、遊技制御プログラム中の表示制御コマンドを送出する処理を行うモジュール(図5におけるステップS5)は、対応する表示制御コマンドを出力ポートに出力するとともに、ストローブ信号を出力ポートに出力する。
特別図柄プロセス処理において、始動入賞にもとづく図柄変動の表示態様が大当たりとするか、リーチ態様とするか、はずれとするか決定され、それぞれの停止図柄の組合せが決定される。そして、決定された図柄を示す情報や全図柄変動を指示するコマンドが、表示制御コマンドとして、主基板31のCPU56から、表示制御基板80に送信される。なお、CPU56は、停止図柄の組合せを示す情報のみを表示制御基板80に送信してもよいし、時々刻々の図柄変動量を示す表示制御コマンドを表示制御基板80に送信してもよい。表示制御基板80には表示制御用CPUやビデオディスプレイプロセッサ(図3において図示せず)が搭載され、それらは、可変表示部9に表示するための画像データを生成する。
図7は、普通図柄プロセス処理(ステップS12)を示すフローチャートである。普通プロセス図柄処理では、CPU56は、ステップS61のゲートスイッチ処理を実行したた後に、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS62〜S65の処理のうちのいずれかの処理を実行する。また、ゲートスイッチ処理では、普通図柄変動開始の条件となる通過ゲート11の打球通過にもとづくゲートスイッチ12のオンを検出する。
図8は、第1の試験信号端子72の試験用信号配置例を示す説明図である。試験信号端子72に出力される各試験用信号は、図4に示された入力ポート577に入力される各種センサの信号が試験信号出力回路71に分岐された信号である。図8に示された各試験用信号において、発射球信号1,2は、発射球センサ132,133の出力信号である。また、各普通入賞口入賞信号は、各入賞口24に入賞した遊技球を検出するためのスイッチ(図1において図示せず)の出力信号である。
図9は、第2の試験信号端子73の試験用信号配置例を示す説明図である。試験信号端子73に出力される各試験用信号は、主基板31のCPU56が作成して試験信号出力回路71に出力した信号である。すなわち、CPU56が遊技制御プログラムを実行しているときに、適宜作成する信号、または試験用信号として作成された信号である。そして、試験信号端子73に出力される各試験用信号は、特別図柄および普通図柄に係る遊技状態を示す信号である。なお、図9において、内容欄の括弧付きの説明は、この実施の形態の遊技機では用いられないが、他の遊技機に対して同一の試験装置を用いることができるように、あらかじめ定義されている試験用信号である。
図10は、第3の試験信号端子74の試験用信号配置例を示す説明図である。試験信号端子74に出力される各試験用信号は、主基板31のCPU56が作成して試験信号出力回路71に出力した信号である。すなわち、CPU56が遊技制御プログラムを実行しているときに、適宜作成する信号、または試験用信号として作成された信号である。なお、試験信号端子74に出力される各試験用信号は、特に、普通図柄の変動状態を示す信号である。
図11は、第4の試験信号端子75の試験用信号配置例を示す説明図である。試験信号端子75に出力される各試験用信号は、主基板31のCPU56が作成して試験信号出力回路71に出力した信号である。すなわち、CPU56が遊技制御プログラムを実行しているときに、適宜作成する信号である。なお、試験信号端子74に出力される各試験用信号は、特に、普通図柄の変動中の表示図柄を示す信号である。
可変表示部9における停止時の図柄の組み合わせが大当たり図柄の組み合わせであると、遊技機は大当たり遊技状態に移行する。すなわち、CPU56は、ソレノイド21を駆動して開閉板20を開状態にする。そして、一定時間経過するまで、または、所定個数の打球の入賞がカウントセンサ23によって検出されるまで開状態は継続される。そして、開閉板20の開放中に打球が特定入賞領域に入賞しVカウントセンサ22で検出されると、所定回数を上限とした継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。
この間、CPU56は、カウントセンサ23およびVカウントセンサ22のオンを検出するが、オン状態は、図4に示す試験信号出力回路71に出力される。また、ソレノイド21の開閉状態を指示する信号も試験信号出力回路71に出力される。図8に示された特別電動役物開放信号は大入賞口が開放していることを示す信号であるが、CPU56が出力ポート571を介して大入賞口を開放するために出力する信号(ソレノイド21への出力信号)をそのような信号と見なして用いる。
可変表示部9での図柄変動開始の条件となる始動口センサ17のオン状態および可変表示器10での図柄変動開始の条件となるゲートセンサ12のオン状態も、試験信号出力回路71に出力される。また、CPU56は、ランプ・LED回路60を介して可変表示器10および始動記憶表示器18や通過記憶表示器41の表示制御を行うが、それらの表示器における表示状態も、試験信号出力回路71に出力される。さらに、発射球センサ132,133のオン/オフ状態も試験信号出力回路71に出力される。
従って、試験信号出力回路71は、それらの情報を外部に出力することができる。また、表示制御基板80における試験信号出力回路110も各図柄に関する情報を遊技機の外部に出力するので、遊技機外部において、遊技進行中の種々の情報を収集することができる。例えば、双方の試験信号出力回路71,110からの情報を入力する試験装置において、自動的に、停止図柄の組合せの統計をとったりすることができる。従って、停止図柄の各組合せの発生頻度が設計値と異なっているような場合には、試験者は、直ちにそのことを知ることができる。また、各センサやソレノイドのオン/オフ情報も入力できるので、Vカウントセンサ22がオンしなかったにもかかわらず開閉板20開放の継続権が発生したり、開閉板20を開放すべきであるのにソレノイド21が駆動されなかったりする不具合を、開発段階の最終的な試験において容易に発見できる。
また、各センサのオン、各ソレノイドのオン、可変表示器10の表示状態、ならびに、始動記憶表示器18の表示状態に関する情報も試験装置に入力でき、かつ、図柄の表示状況も入力できることから、遊技機が遊技店に設置された状態においても、検査装置を用いて遊技機の状態をチェックできる。従って、遊技機に対して不正な改造が施された場合であっても、検査装置を接続することによって容易にそのことを検出できる。
さらに、発射球センサ132,133のオン/オフ状態も出力されるので、試験装置や検査装置を用いて、遊技領域7に流入した打球を認識できる。よって、発射球センサ132,133のオン回数をカウントすることによって、所定時間(例えば1分)における流入打球数等を検出できる。
図12は、本発明の他の実施の形態における第1の試験信号端子72の試験用信号配置例を示す説明図である。ここで、特徴的なことは、ピン番号3の信号ピンに、進入球信号が割り当てられていることである。進入球信号は、CPU56が、発射球センサ132,133からの信号にもとづいて作成した信号であり、実際に遊技領域7に遊技球が進入したことを示す信号である。
図13は、主基板31のCPU56が実行する進入球信号作成処理を示すフローチャートである。この処理は、例えば、図6に示されたメイン処理におけるデータ出力処理(ステップS6)の一部として実行される。なお、以下、打球流出部36の内側に設けられている発射球センサ132を第1センサと呼び、打球流出部36の外側に設けられている発射球センサ133を第2センサと呼ぶ。
進入球信号作成処理において、CPU56は、まず、第1センサ通過フラグがオンしているか否か確認する(ステップS81)。オンしていない場合には、第1センサによって球通過が検出されたか否か確認する(ステップS82)。遊技球が第1センサを通過したことが確認されると、CPU56は、時間差監視タイマをスタートし(ステップS83)、第1センサ通過フラグをセットする(ステップS84)。
なお、時間差監視タイマとは、遊技球が第1センサを通過してから第2センサを通過するか否かを監視するためのタイマである。すなわち、時間差監視タイマは、実質的に、打球が打球発射装置によって発射されてから第1センサを通過するまでの時間と、打球発射装置によって発射されてから第2センサを通過するまでの時間との時間差を監視する。タイムアウト時間は、正常時に打球が第1センサを通過後第2センサを通過するまでの時間に余裕を持たせた値である。時間差が所定値を越えると、打球は第1センサを通過したが第2センサを通過しなかったことになり、遊技領域7に進入しなかったことが検知される。その場合には、進入球信号は出力されない。
第1センサ通過フラグがオンしている場合には、CPU56は、第2センサによって球通過が検出されたか否か確認する(ステップS85)。遊技球が第2センサを通過していない場合には、時間差監視タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS86)。タイムアウトしている場合には、第1センサ通過フラグをリセットする(ステップS88)。
ステップS85において、遊技球が第2センサを通過したことが確認されると、CPU56は、時間差監視タイマによる経過時間が所定値未満であるか否か確認する(ステップS91)。所定値を越えていれば、進入球信号を出力するとともに(ステップS92)、時間差監視タイマを停止し(ステップS93)、第1センサ通過フラグをリセットする(ステップS94)。経過時間が所定値未満であれば、進入球信号を出力しない。
よって、時間差監視タイマのタイムアウト時間をy、ステップS91で比較される所定値をxとすると、第1センサで球検出後、x以上y未満の時間内で第2センサが球検出すると、進入球信号が出力される。
図14は、正常時および遊技球戻り時の第1センサおよび第2センサの出力と進入球信号とを示すタイミング図である。図14(A)に示すように、正常時には、第1センサがオンした後、時間差監視タイマがタイムアウトする前に第2センサがオンするので、進入球信号が出力される。
しかし、打球が第1センサ通過後に発射装置側に戻ったときには、図14(B)に示すように、第2センサはオンせず時間差監視タイマがタイムアウトするので、進入球信号は出力されない。また、遊技領域7から打球流出部36に打球が戻り第2センサがオンしても、その前に第1センサはオンしていないので、進入球信号が出力されることはない。
以上のように、進入球判定手段(この例では、進入球信号作成処理を実行するCPU56)は、発射球検出手段(この例では、第1センサおよび第2センサ)による検出信号の時間差を監視することによって、遊技球が遊技領域7に進入したと判断できたときにのみ進入球信号を出力する。よって、進入球信号を、確実に遊技球が遊技領域7に進入したことを示す信号とすることができる。
そして、進入球判定手段が確実な進入球信号が出力できるように、発射球検出手段は、遊技球の発射経路上で少なくとも2箇所に設けられ、打球の通過方向を識別可能に検出信号を出力する。また、複数の発射球検出手段は、逆流防止部材34を挟んで設置されているので、遊技領域7から打球流出部36に打球が戻ってきても進入球信号が出力されることはない。
図12に示すように、試験信号端子72には、センサ出力である発射球信号1,2と進入球信号とが出力されている。従って、試験信号端子72に試験装置とからのケーブルが接続されると、試験装置は、センサ出力である発射球信号1,2とセンサ出力にもとづいて作成された進入球信号とを入力することができる。よって、試験装置において、それらの信号にもとづいてより確実な発射球検知を行うことができる。例えば、戻り球個数の比率を算出したり、遊技領域7に進入した遊技球数を再確認したりすることもできる。
図2に例示された形態では、第1センサおよび第2センサともに、遊技球の通過を検出するものであった。しかし、センサ構成を簡略化してもよい。例えば、図15に示すように、第2センサを、逆流防止部材34の変化を検知するものとしてもよい。図15に示す発射球センサ133は、打球が逆流防止部材34を押して遊技領域7に流入するときに逆流防止部材34が変形するので、その変形を検出するセンサである。このようなセンサは、逆流防止部材34によって押下される機械的なセンサであってもよいし、逆流防止部材34の変形によって遮られる透過光を検知する光学的なセンサであってもよい。
図16は、試験信号端子72〜75の各種の実現例を示す説明図である。なお、表示制御基板80における試験信号端子111,112も同様に構成可能である。図16(A)に示す例は、パターン302上に、スルーホールを有するランド303が設けられた例である。試験装置からのプローブは、スルーホールを有するランド303に接続される。図16(B)に示す例は、試験用信号出力のためのコネクタ305を設けた例である。なお、コネクタ305に代えて信号ピンを実装してもよい。
なお、図16(A),(B)に示された各例は、試験信号端子72〜75が主基板31に設けられた例であるが、主基板31ではなく中継基板や端子盤に設けてもよい。そして、それらの中継基板や端子盤は、量産時には取り外し可能なように構成してもよい。さらに、主としてドライバ回路からなる試験信号出力回路72〜75も、主基板31ではなく中継基板に設けてもよい。
図17は、試験信号出力回路71の一構成例を示すブロック図である。ただし、図17には、1つの試験用信号のみが示されている。また、図17に示す例は、試験信号出力回路71が中継基板等に設けられた場合の例である。主基板31からの試験用信号およびグラウンド線は、端子321,322を介して、試験信号出力回路71に入力される。そして、試験用信号は、入力側が抵抗323でプルアップされているバッファ回路(この例では74HCT540)324を経て端子325に出力される。なお、端子325は、試験信号端子72〜75に相当するものである。
また、この例では、遊技機側から端子321に入力される試験用信号は全て正論理(ハイアクティブ)であるとする。試験用信号はバッファ回路324で論理反転されるので、試験装置には、負論理で供給される。なお、ここでは、中継基板にバッファ回路324等が搭載されている例を示したが、主基板31に搭載してもよい。
なお、上記の各実施の形態のパチンコ遊技機1は、始動入賞にもとづいて可変表示部9に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種パチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第2種パチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する第3種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。