以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。以下、始動入賞にもとづいて可変表示部に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種パチンコ遊技機を例にパチンコ遊技機の構成の説明を進めるが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第2種パチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する第3種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、それら(1種、2種、3種)のうちの複数の機能を備えた遊技機にも本発明を適用できる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが識別情報としての図柄を可変表示する複数の可変表示部を含む可変表示装置(特別図柄表示装置)9が設けられている。可変表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。また、可変表示装置9には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動記憶数(保留記憶数:特別図柄の変動を開始するための条件が成立したが未だそれにもとづく変動が開始されていない数)を表示する4つの特別図柄始動記憶表示エリア(始動記憶表示エリア)18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、表示色が変化する(例えば青色表示から赤色表示に変化)始動記憶表示エリアを1増やす。そして、可変表示装置9の可変表示が開始される毎に、表示色が変化している始動記憶数表示エリアを1減らす(すなわち表示色をもとに戻す)。この例では、図柄表示エリアと始動記憶表示エリアとが区分けされて設けられているので、可変表示中も始動記憶数が表示された状態にすることができる。なお、始動記憶表示エリアを図柄表示エリアの一部に設けるようにしてもよい。また、可変表示中は始動記憶数の表示を中断するようにしてもよい。また、この例では、始動記憶表示エリアが可変表示装置9に設けられているが、始動記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)を可変表示装置9とは別個に設けてもよい。
可変表示装置9の下方には、始動入賞口14としての可変入賞球装置(普通電動役物)15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口(可変入賞球装置、特別電動役物)を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球はVカウントスイッチ22で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aも設けられている。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に右側のランプが点灯すれば当たりとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32に入った入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、可変表示装置9において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動記憶数を1増やす。
可変表示装置9における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄の組み合わせが大当り図柄(特定表示結果)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に遊技球がV入賞領域に入賞しVカウントスイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
停止時の可変表示装置9における特別図柄の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
遊技球がゲート32に入賞すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図2を参照して説明する。図2は、遊技機を裏面から見た背面図である。
図2に示すように、遊技機裏面側では、可変表示装置9を制御する演出制御手段が搭載された演出制御基板80を含む可変表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31が設置されている。また、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37が設置されている。なお、演出制御手段は、遊技盤6に設けられている可変表示装置9、各種装飾LED、普通図柄始動記憶表示器41、装飾ランプ25、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cを点灯制御するとともに、スピーカ27からの音発生を制御する。
演出制御手段は、演出制御基板80に搭載されている1つの演出制御用マイクロコンピュータで実現されるが、遊技盤6に設けられている各種装飾LED、普通図柄始動記憶表示器41、装飾ランプ25、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cを駆動するための駆動回路は、演出制御基板80と電気的に接続されているランプドライバ基板に搭載されている。また、スピーカ27を駆動する駆動回路等は、演出制御基板80と電気的に接続されている音声制御基板に搭載されている。
さらに、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5Vを作成する電源回路が搭載された電源基板910やタッチセンサ基板91が設けられている。
遊技機裏面において、上方には、各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えた情報端子基板(情報出力基板)34が設置されている。
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レール39を通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置に至る。球払出装置の上部には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レール39における上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構から遊技機に対して遊技球の補給が行われる。
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払い出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払い出されると、感知レバー(図示せず)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示せず)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止する(すなわち遊技球の払い出しを禁止する状態になる。)とともに打球発射装置の駆動も停止する。
図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御用マイクロコンピュータに相当:遊技制御手段)53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、およびクリアスイッチ921からの信号を基本回路53に与える入力ドライバ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21および大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。
なお、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行う始動口スイッチ14a、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの各スイッチは、入賞検出手段でもある。主基板31には、スイッチコモン電圧を監視するスイッチコモン監視回路71が搭載されている。
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置9における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータで実現される基本回路53は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、遊技制御手段は、遊技制御用マイクロコンピュータで実現される基本回路53で実現されているが、主として、遊技制御用マイクロコンピュータにおけるプログラムに従って制御を実行するCPU56で実現される。
また、RAM55は、その一部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部の内容は保存される。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされている。CPU56のリセット端子には、電源基板910からのリセット信号が入力される。リセット信号がローレベルからハイレベルに変化すると、CPU56は動作を開始する。すなわち、ROM54に格納されているプログラムにもとづく処理を開始する。
遊技球を打撃して発射する打球発射装置はタッチセンサ基板91上の回路によって制御される発射モータ94を含み、発射モータ94が回転することによって遊技球を遊技領域7に向けて発射する。遊技者が操作ノブ(打球ハンドル)5に触れていることはタッチセンサおよびタッチセンサ回路(遊技者が操作ノブ5に触れているか否かを検出するための検出回路等を含む回路)で検出され、タッチセンサ回路からの信号がオフ状態を示している場合には、発射モータ94の駆動を停止する。タッチセンサ基板91には、間欠的に繰り返しパルス(ステッピングモータとしての発射モータ94の各相に供給されるパルス信号)を発生するパルス発生器と、単発パルスを発生する単発パルス発生器とが設けられている。タッチセンサ回路からの信号がオン状態を示している場合に、パルス発生器が発生するパルスが発射モータ94に供給される。さらに、操作ノブ5に、または操作ノブ5の近傍に発射停止スイッチが設けられ、発射停止スイッチが操作されているときにはパルス発生器のパルス出力が停止される。なお、パルス発生器のパルス出力は、払出制御基板37からの発射制御信号がオフ状態になったときにも停止される。また、操作ノブ5には単発発射スイッチが設けられ、単発発射スイッチが操作されると、単発パルス発生器が発生する単発パルスが発射モータ94に供給される。
なお、この実施の形態では、タッチセンサ基板91にパルス発生器が設けられているが、発射モータ94に供給されるパルスの発生機能を払出制御手段に持たせてもよい。その場合には、例えば、払出制御用CPU371がパルスを発生し、発生されたパルスはタッチセンサ基板91で中継されて発射モータ94に供給される。また、発射停止スイッチの出力は払出制御用CPU371に入力され、払出制御用CPU371は、下皿満タンや補給球切れが生じたとき、および発射停止スイッチの出力がオフ状態になったときに、パルス出力を停止する。
また、打球発射装置は、遊技球を遊技領域7に打ち出す打球ハンマ、打球ハンマを付勢するためのコイルばね、コイルばねで付勢された打球ハンマを付勢された位置から解放させるためのカム機構を備え、カム機構が発射モータ94により駆動される。そして、操作ノブ5の回動によりコイルばねの固定位置を変化させてばねの付勢力を調整し、その結果として、打球ハンマの遊技球を打ち出す力(発射強度)が調整される。
打球発射装置として、ステッピングモータによる発射モータ94やロータリソレノイドの軸に直接打球ハンマを固定して遊技球を打ち出す方式のものがある。そのように構成されている場合には、操作ノブ5の回動角度(位置)を可変抵抗器により検出し、検出結果に応じて駆動源としてのステッピングモータやロータリソレノイドの動作速度を上げることにより遊技球を打ち出す力(発射強度)が調整される。
上記のそれぞれの構成において、打球発射装置の発射強度を調整する操作が可能な発射強度操作手段は、回動可能な操作ノブ5に相当する。なお、打球発射装置による遊技球の発射を停止させる操作が可能な発射停止操作手段は、発射停止スイッチに相当する。
また、この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、遊技盤6に設けられている普通図柄始動記憶表示器41および装飾ランプ25の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cの表示制御を行う。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段は、特別図柄を可変表示する可変表示装置9および普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御も行う。
図4は、払出制御基板37および球払出装置97などの払出に関連する構成要素を示すブロック図である。図4に示すように、払出制御基板37には、払出制御用CPU371を含む払出制御用マイクロコンピュータ(電気部品制御用マイクロコンピュータの一例)が搭載されている。この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータは、1チップマイクロコンピュータであり、少なくともRAMが内蔵されている。また、RAMは、主基板31におけるRAM55と同様に、電源バックアップされている。払出制御用CPU371、RAM、払出制御用プログラムを格納したROM(図示せず)およびI/Oポート等は、払出制御手段を構成する。従って、払出制御手段は、払出制御用CPU371、RAM、ROMおよびI/Oポートを含む払出制御用マイクロコンピュータで実現されるが、主として、プログラムに従って制御を実行する払出制御用CPU371で実現される。
満タンスイッチ48および払出個数カウントスイッチ301からの検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372fに入力される。また、球切れスイッチ187および払出モータ位置センサ295からの検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372eに入力される。また、球切れスイッチ187からの検出信号が球切れ状態を示していたり、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、球払出処理を停止する。さらに、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、打球発射装置からの球発射を停止させる。
入賞によって払い出すべき賞球が発生すると、主基板31の出力回路67から、払出制御信号として、賞球の払出要求を行うための賞球REQ信号(賞球リクエスト信号)および払い出すべき賞球個数を示す賞球個数信号(4ビットのデータ(2進4桁のデータ))が出力される(オン状態になる)。賞球REQ信号および賞球個数信号は、入力回路373Aを介してI/Oポート372eに入力される。払出制御用CPU371は、I/Oポート372eを介して賞球REQ信号および賞球個数信号が入力されると、賞球個数信号が示す個数の遊技球を払い出すために球払出装置97を駆動する制御を行う。
払出制御手段は、電源基板910からの電源断信号の入力に応じて、主基板31に対して電源断確認信号を出力する。また、払出制御手段は、電源基板910に搭載されているクリアスイッチ921からのクリアスイッチ信号の入力に応じて、主基板31に対してクリア信号の出力を開始し、クリア信号をオン状態とする。電源断確認信号とクリア信号とは、払出制御基板37の出力ポート372bおよび出力回路373Bを介して主基板31に出力される。そして、主基板31において、入力回路68およびI/Oポート57を介してCPU56に入力される。
払出制御用CPU371は、出力ポート372bを介して、賞球払出数を示す賞球情報信号および貸し球数を示す球貸し個数信号をターミナル基板(枠用外部端子基板と盤用外部端子基板とを含む)160に出力する。なお、出力ポート372bの外側に、ドライバ回路が設置されているが、図4では記載省略されている。また、ターミナル基板160(枠用外部端子基板)には、ドア開放情報スイッチ161A,161Bが接続されている。
また、払出制御用CPU371は、出力ポート372cを介して、7セグメントLEDによるエラー表示用LED374にエラー信号を出力する。さらに、出力ポート372bを介して、点灯/消灯を指示するための信号を賞球LED51および球切れLED52に出力する。なお、払出制御基板37の入力ポート372fには、エラー状態を解除するためのエラー解除スイッチ375からの検出信号が入力される。エラー解除スイッチ375は、ソフトウェアリセットによってエラー状態を解除するために用いられる。
さらに、払出制御基板37からの払出モータ289への駆動信号は、出力ポート372aおよび中継基板72を介して球払出装置97の払出機構部分における払出モータ289に伝えられる。なお、出力ポート372aの外側に、ドライバ回路(モータ駆動回路)が設置されているが、図4では記載省略されている。また、払出制御基板37からの発射モータ94への発射制御信号(球発射を禁止するか許可するのかを示す信号)が、出力ポート372aおよびタッチセンサ基板91を介して発射モータ94に伝えられる。
遊技機に隣接して設置されているカードユニット50(図1では省略)には、カードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。インタフェース基板(中継基板)66には、打球供給皿3の近傍に設けられている度数表示LED60、球貸し可LED61、球貸しスイッチ62および返却スイッチ63が接続される。なお、この実施の形態では、カードユニット50が遊技機とは別体として遊技機に隣接して設置されている場合を例にするが、カードユニット50は遊技機と一体化されていてもよい。また、コイン投入に応じてその金額に応じた遊技球が貸し出されるような場合でも本発明を適用できる。
図5は、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声制御基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、ランプドライバ基板35および音声制御基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていない。演出制御基板80において、演出制御用マイクロコンピュータにおける演出制御用CPU101は、ROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行わせる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート104および出力ドライバ110を介して音声制御基板70に対して音番号データを出力する。また、演出制御用CPU101に入出力するバス(アドレスバス、データバス、および書込/読出信号等の制御信号ラインを含む)はバスドライバ105を介してランプドライバ基板35まで延長されている。
ランプドライバ基板35において、演出制御用CPU101に入出力するバスは、バスレシーバ351を介して出力ポート352および拡張ポート353に接続される。出力ポート352から出力される各ランプを駆動する信号は、ランプドライバ354で増幅され各ランプに供給される。また、出力ポート352から出力される各LEDを駆動する信号は、LED駆動回路355で増幅され各LEDに供給される。
なお、この実施の形態では、1つの演出制御手段が、可変表示の表示制御、ランプ・LED(発光体)の点灯制御およびスピーカ27からの音発生制御を実行しているが、すなわち、演出制御手段が、表示制御手段、発光体制御手段および音制御手段を実現している。よって、可変表示装置9による表示演出、ランプ・LEDを用いた演出、および音による演出を容易に同期させることができる。しかし、演出制御手段の負担を軽くするために、発光体制御用マイクロコンピュータや音制御用マイクロコンピュータを設け、それらが、遊技制御手段または演出制御手段(この場合には表示制御手段となる。)からの指令に応じて、発光体制御および音制御を行うように構成してもよい。
図6は、主基板31、払出制御基板37および演出制御基板80の試験信号(遊技機から外部装置に出力される試験用の信号)の出力に関わる部分を示すブロック図である。主基板31において、各スイッチ(クリアスイッチを除く)からの信号は、入力ポート572に入力されるとともに、コネクタ71を介して試験信号端子基板(中継基板)90に出力される。なお、図5に示す入力ポート572は、図4における入出力ポート57の一部である。
また、主基板31において、CPU56は、所定の試験信号を作成して、出力ポート571およびコネクタ72を介して試験信号端子基板90に出力する。出力ポート571は、図4における入出力ポート57の一部である。また、出力ポート571は、複数の8ビットポートを含む。出力ポート571からソレノイド回路59に出力される駆動信号(制御信号)は、分岐してコネクタ72を介して試験信号端子基板90に出力される。
払出制御基板37において、スイッチ(払出個数カウントスイッチ301)からの信号は入力ポート372fに入力されるとともに、AND回路379およびコネクタ378を介して試験信号端子基板90出力される。AND回路379の他方の入力には、払出制御用CPU371から出力される賞球払出中であることを示す信号が入力される。なお、スイッチからの信号を、AND回路を介さず、そのままコネクタ378に接続してもよい。
演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、所定の試験信号を作成して、出力ポート111およびコネクタ112を介して試験信号端子基板90に出力する。
図7に示すように、試験信号端子基板90には、試験信号端子(1)111〜試験信号端子(9)119が搭載されている。試験信号端子111〜119は、外部装置としての試験装置からのプローブを接続可能な信号ピンや試験装置からのケーブルを接続可能なコネクタで構成される。コネクタを用いる場合には、オス型のものが使用される。オス型を使用すれば、試験装置等から延びるケーブル端部に設けられるコネクタをメス型とすることができ、試験装置等からのケーブル端部のコネクタが破損する可能性が低減する。なお、この実施の形態では、試験時にのみ試験信号端子基板90を遊技機と試験装置との間に介在させ、試験終了後には試験信号端子基板90は取り払われるが、試験信号端子111〜119を、主基板31、払出制御基板37または演出制御基板80に実装することによって試験信号端子基板90を不要にしてもよい。また、コネクタを用いる場合には、主基板31、払出制御基板37または演出制御基板80にコネクタ接続用の配線パターンを用意しておいて、試験時にのみコネクタを搭載するようにしてもよい。
図7に示すように、払出制御基板37から出力される試験信号の一つである遊技機エラー状態信号は、試験信号端子111に入力されるとともに、論理反転されてAND回路に入力する。AND回路の他方の入力には、遊技球の発射を停止させる操作をすべきか、または、打球発射装置の発射強度を複数段階の発射強度のうちいずれの強度に調整する操作をすべきかを外部装置に対して指定するための発射位置指定信号1,2,3が入力されている。なお、図7には1つのAND回路が図示されているが、発射位置指定信号の種類(この例では3種類)に応じた数のAND回路が設けられている。このような構成によって、遊技機エラー状態信号がオン状態(例えばハイレベル)のときには発射位置指定信号1,2,3は強制的にオフ状態(例えばローレベル)になる。
図8および図9は、試験信号端子(1)111の試験信号配置例を示す説明図である。なお、ここでは、試験信号端子111〜119は、一例として、片側68ピンの2列コネクタとする。例えば、図8に示す試験信号が試験信号端子111の一方の側の68ピンに接続され、図9に示す試験信号が試験信号端子111の他方の側の68ピンに接続される。
なお、図8,図9および以下で説明する図10〜図25に示されている試験信号のうちには、機種に応じて使用されないものがある。例えば、この実施の形態では、実際には、賞球信号1,2のうち賞球信号1のみ使用される。すなわち、他の遊技機に対して同一の試験装置を用いることができるように、全ての機種で使用されるわけではないが、あらかじめ定義されている試験信号がある。
図8に示す各試験信号は、主基板31に入力される各種スイッチの信号が分岐された信号、またはソフトウェアで作成される信号である。例えば、始動口1,2,3有効信号はソフトウェア(遊技制御用プログラム)で作成されCPU56から出力される信号である。図8に示された各試験信号において、発射球信号1,2は、発射球センサの出力信号である。発射球センサの出力信号とは、図1には示されていないが、打球流出部(打球レールから遊技領域7に遊技球が流入する部分)の内側(打球レール側)と、打球流出部の外側(遊技領域7側)とに発射球センサが設けられている場合の発射球センサの出力である。
賞球信号1,2は、主基板31または払出制御基板37(この実施の形態では払出制御基板37)から出力される賞球検出信号(払出カウントスイッチ301の出力)である。
発射位置指定信号1,2,3は、CPU56が、遊技状態に応じて作成する信号である。例えば、発射位置指定信号1は、遊技者が左打ち(遊技領域7の左側の領域を狙って遊技球を発射する遊技方法)を行うと想定される遊技状態において出力される(オン状態になる)信号である。発射位置指定信号2は、遊技者が中打ち(遊技領域7の中央領域を狙って遊技球を発射する遊技方法)を行うと想定される遊技状態において出力される(オン状態になる)信号である。発射位置指定信号3は、遊技者が右打ちを行うと想定される遊技状態において出力される(オン状態になる)信号である。このように、発射位置指定信号1,2,3は、遊技領域7におけるいずれの領域に向けて打球発射装置から遊技球が発射されるのかを示す発射状態を示す信号である。なお、遊技状態とは、遊技領域7に設けられている可変表示装置9の表示状態や役物の状態(例えば、遊技球が入賞しやすい状態、遊技球が入賞し難い状態、開放状態(入賞しやすい状態の一例)、閉成状態(遊技球が入賞しない状態))などを表す、遊技機における構成部材の状態に相当する。また、満タンスイッチ48や球切れスイッチ187がオンして球払出を禁止するときなど、遊技機の制御状態も含む概念である。
遊技機エラー状態信号は、この実施の形態では、払出制御手段が、下皿満タンや補給球切れ等遊技球の払い出しを停止する状態において出力する信号である。
図9に示す各試験信号は、主基板31に入力される各種スイッチの信号が分岐された信号、可変入賞球装置などの役物を駆動するための駆動信号が分岐された信号、または主基板31のCPU56が作成した信号である。例えば、普通電動役物1開放信号は、可変入賞球装置15を開放するためのソレノイド16への出力信号(駆動信号)が分岐された信号である。また、特別電動役物1開放信号は、大入賞口を開放するためのソレノイド216への出力信号(駆動信号)が分岐された信号である。
図10および図11は、試験信号端子(2)112の試験信号配置例を示す説明図である。主基板31に入力される各種スイッチの信号が分岐された信号、可変入賞球装置などの役物を駆動するための駆動信号が分岐された信号、または主基板31のCPU56が作成した信号である。例えば、「入賞信号」という名称を含む信号は各種スイッチの信号が分岐された信号であり、「開放信号」という名称を含む信号は役物を駆動するための駆動信号が分岐された信号である。
図12および図13は、試験信号端子(3)113の試験信号配置例を示す説明図である。試験信号端子(3)113に入力される試験信号は、主基板31に入力される各種スイッチの信号が分岐された信号である。
図14および図15は、試験信号端子(4)114の試験信号配置例を示す説明図である。試験信号端子(4)114に入力される試験信号は、主基板31に入力される各種スイッチの信号が分岐された信号である。
図16および図17は、試験信号端子(5)115の試験信号配置例を示す説明図である。図18および図19は、試験信号端子(6)116の試験信号配置例を示す説明図である。図20および図21は、試験信号端子(7)117の試験信号配置例を示す説明図である。図22および図23は、試験信号端子(8)118の試験信号配置例を示す説明図である。図24および図25は、試験信号端子(9)119の試験信号配置例を示す説明図である。
図16〜図25に示す試験信号は、例えば、主基板31に搭載されている遊技制御手段または演出制御基板80に搭載されている演出制御手段から出力される信号であり、変動表示される図柄に関わる信号である。CPU56または演出制御用CPU101は、それらの試験信号を、遊技制御または演出制御を行っているときに適宜、もしくは、試験信号作成プログラムにもとづいて作成する。
次に遊技機の動作について説明する。図26は、定期的に発生するタイマ割込に応じて実行されるタイマ割込処理(遊技制御処理)を示すフローチャートである。タイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断確認信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20)。次いで、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。また、スイッチコモン監視信号にもとづいて所定の報知処理を行う短絡報知処理を実行する(ステップS22)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23)。CPU56は、さらに、表示用乱数および初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄に関する図柄制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して図柄制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS28)。また、普通図柄に関する図柄制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して図柄制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等がオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す賞球個数信号等の払出制御信号を出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU371は、賞球個数を示す賞球個数信号等の払出制御信号に応じて球払出装置97を駆動する。
そして、CPU56は、始動入賞記憶数(保留記憶数)の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS32)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするために、上述した試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。
また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート3のRAM領域におけるソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS34:ソレノイド出力処理)。その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
図27は、払出制御手段が定期的に発生するタイマ割込に応じて実行するタイマ割込処理(払い出し制御処理)を示すフローチャートである。タイマ割込処理において、払出制御用CPU371は、電源断信号が出力された否かを監視する電源断処理を実行する(ステップS750)。その後、ステップS751以降の払出制御処理を実行する。
ステップS751において、払出制御用CPU371は、入力判定処理を行う。入力判定処理は、例えば、払出個数カウントスイッチ301がオンしたか否かを判定する処理である。
次に、払出制御用CPU371は、発射モータ制御処理を実行する(ステップS752)。発射モータ制御処理では、遊技球の発射を許可する状態では、タッチセンサ基板91への発射制御信号をオン状態にする。また、発射モータ94を不能動化すべきときには、発射制御信号をオフ状態にする。また、払出制御用CPU371は、払出モータ制御処理を実行する(ステップS753)。払出モータ制御処理では、払出モータ289を駆動すべきときには、払出モータφ1〜φ4のパターンを出力するための処理を行う。
また、払出制御用CPU371は、カードユニット50と通信を行うプリペイドカードユニット制御処理を実行する(ステップS754)。次いで、払出制御用CPU371は、主基板31の遊技制御手段と通信を行う主制御通信処理を実行する(ステップS755)。さらに、カードユニット50からの球貸し要求に応じて貸し球を払い出す制御を行い、また、主基板からの賞球個数信号が示す個数の賞球を払い出す制御を行う賞球球貸し制御処理を実行する(ステップS756)。
そして、払出制御用CPU371は、各種のエラー(下皿満タンや補給球切れなど)を検出するエラー処理を実行する(ステップS757)。なお、エラーを検出した場合には、球払出を禁止する状態に設定するとともに、遊技機エラー状態信号を出力する。また、遊技機外部に出力される賞球情報や球貸し情報を出力するための情報出力処理を実行する(ステップS758)。また、エラー処理の結果に応じてエラー表示LED374に所定の表示を行うとともに、賞球LED51および球切れLED52を点灯するための表示制御処理を実行する(ステップS759)。なお、払出制御用CPU371は、表示制御処理において、賞球REQ信号がオン状態であるときに、賞球LED51を点灯するための制御を行う。また、賞球REQ信号がオフ状態になったら、賞球LED51を消灯するための制御を行う。
また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域が設けられているのであるが、払出制御用CPU371は、出力ポートバッファの内容を出力ポートに出力する(ステップS760:出力処理)。
図28は、遊技制御手段におけるCPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図28に示す特別図柄プロセス処理は、図26のフローチャートにおけるステップS26の具体的な処理である。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)を行い、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を行う。変動短縮タイマは、特別図柄の変動時間が短縮される場合に、変動時間を設定するためのタイマである。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数を確認する。保留記憶数が0でなければ、乱数を用いた抽選によって、大当りを発生させるか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示後の左中右図柄の停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
変動パターン設定処理(ステップS302):特別図柄の可変表示の変動パターン(可変表示態様)を、変動パターン決定用乱数の値に応じて決定する。また、演出制御基板80に対して、左中右最終停止図柄と変動態様(変動パターン)を指令する情報とを送信する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
特別図柄変動処理(ステップS303):所定時間(特別図柄の変動時間)が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):可変表示装置9において表示される全図柄が停止されるように制御する。具体的には、全図柄停止を示す演出制御コマンド(確定コマンド)を演出制御用CPU101に送信する。そして、停止図柄が大当り図柄である場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
大入賞口開放開始処理(ステップS305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。なお、ここで、大入賞口を開放するための処理を行う際に、その旨の内部フラグをセットし、試験端子処理(ステップS33)で、機種によっては、そのフラグのセットに応じて発射位置指定信号1,2,3の出力状態が変更されることがある。例えば、大入賞口が開放されているときに、遊技者が、遊技領域7における特定の領域(例えば、左、中、右のいずれか)を狙うと想定される場合である。すなわち、この場合には、試験端子処理において、遊技状態に応じて、発射装置の発射強度を変更すべき条件が成立したか否かが判定(大入賞口が開放されているか否かを示すフラグの判定)され、発射可否判定処理の判定結果に応じて、発射装置の発射強度を複数段階の発射強度のうちいずれの強度に調整する操作をすべきかを示す発射強度信号が出力される。なお、発射位置指定信号1,2,3の出力状態の変更は、ステップS305で実行されてもよい。
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口ラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS307に移行するように更新する。なお、ここで、大入賞口を閉成するための処理を行う際に、その旨の内部フラグをセットし、試験端子処理(ステップS33)で、機種によっては、そのフラグのセットに応じて発射位置指定信号1,2,3の出力状態が変更されることがある。例えば、大入賞口が閉成されている期間(いわゆるインターバル期間)において、遊技者が、遊技球の発射を停止すると想定される場合である。すなわち、この場合には、試験端子処理において、遊技状態に応じて、発射装置による遊技球の発射を停止すべき条件が成立したか否かが判定(大入賞口が閉成されているか否かを示すフラグの判定)され、発射可否判定処理の判定結果に応じて、遊技球の発射を停止させる操作をすべき発射可否信号(具体的には、発射位置指定信号1,2,3が全てオフ状態に相当)が出力される。なお、発射位置指定信号1,2,3の出力状態の変更は、ステップS306で実行されてもよい。
特定領域有効時間処理(ステップS307):V入賞スイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
大当り終了処理(ステップS308):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御手段に行わせるための制御を行う。そして、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
次に、遊技制御手段が実行するステップS33(図26参照)の試験端子処理について説明する。図29は、試験端子処理における発射位置指定信号1,2,3の出力に関わる処理例を示すフローチャートである。なお、図29では、発射位置指定信号1,2,3以外の試験信号を出力する処理は省略されている。
試験端子処理において、CPU56は、まず、出力ポートバッファのうちの試験信号出力バッファにおける発射位置指定信号1,2,3のビットをクリアする(ステップS801)。そして、条件装置が作動している場合には(ステップS802)、試験信号出力バッファにおける発射位置指定信号3のビットをセットする(ステップS803)。条件装置が作動していないときには、当り図柄を停止図柄とする図柄の変動が終了した時点であれば(ステップS804)、試験信号出力バッファにおける発射位置指定信号2のビットをセットする(ステップS805)。
なお、条件装置が作動しているとは、第1種パチンコ遊技機における大当り遊技状態、第3種パチンコ遊技機における権利発生状態のときである。そのような状態では、遊技制御手段は、試験信号としての条件装置作動信号を出力(オン状態に)する。また、役物連続作動装置が作動しているとは、第1種パチンコ遊技機や第3種パチンコ遊技機における大入賞口が開放している状態のことである。そのような状態では、遊技制御手段は、例えば試験端子処理において、試験信号としての役物連続作動装置作動信号を出力(オン状態に)している。すなわち、遊技制御手段は、遊技状態に応じて、可変入賞装置の状態を変化させるか否かを判定する可変入賞判定処理(例えば、遊技制御手段のうちで特別図柄プロセス処理を実行する手段による大入賞口を開閉する処理(ステップS306))を実行するとともに、可変入賞判定処理により可変入賞装置(例えば大入賞口)を第1状態(例えば開放状態)に変化させることが判定されたときに、可変入賞装置を第1状態に変化させることを示す可変入賞信号(例えば役物連続作動装置作動信号)を遊技機の外部に出力するための可変入賞信号出力処理(例えば、遊技制御手段のうちの試験信号としての役物連続作動装置作動信号を出力(オン状態に)する手段による処理)を実行し、可変入賞判定処理により可変入賞装置を第1状態に変化させることが判定されたときに、試験端子処理において発射装置の発射強度を変更すべき条件が成立したと判定するように構成される。なお、可変入賞装置としての大入賞口はソレノイド21によって開放状態とされ、ソレノイド21への駆動信号はソレノイド出力処理(ステップS34、図26参照)で出力されるが、ソレノイド出力処理において駆動信号を出力するか否か判定する処理が存在する場合には、その処理において駆動信号を出力すると決定した場合に、発射装置の発射強度を変更すべき条件が成立したとしてもよい。
ステップS804において図柄の変動が終了した時点でないことを確認した場合には、遊技制御手段は、試験信号出力バッファにおける発射位置指定信号1のビットをセットする(ステップS806)。そして、CPU56は、試験信号出力バッファの内容を出力ポートに出力することによって(ステップS807)、試験信号としての発射位置指定信号1,2,3を試験信号端子111に伝達する。
図30は、発射位置指定信号1,2,3の出力例を示すタイミング図である。図30に示すタイミングは、図29に示された処理に対応している。図30に示す例では、当り図柄での図柄の変動停止後に所定時間(T1,停止図柄が確定するまでの期間)が経過したら、遊技状態が、遊技領域7に設けられている特別領域への入賞を許可する状態(特別領域有効状態)に制御される(図示せず)。また、遊技球が特別領域を通過すると、試験信号として条件装置作動領域通過信号が出力されるとともに、条件装置作動信号が出力される。
よって、図29に示された処理が実行されると、図30に示すように、通常状態(条件装置作動信号がオフしている状態および特別領域非有効状態)では、左打ちに対応する発射位置指定信号1のみが出力され、特別領域有効状態では、中打ちに対応する発射位置指定信号2のみが出力され、条件装置作動信号が出力されている状態では、右打ちに対応する発射位置指定信号3のみが出力される。なお、ここでは、特別領域が遊技領域における中央領域に設けられ、大入賞口としての可変入賞球装置が遊技領域における右側領域に設けられているとする。また、図柄の変動を開始させる条件を成立させる始動入賞口が遊技領域における左側領域に設けられているとする。
なお、役物連続作動装置作動信号は、大入賞口としての可変入賞球装置を駆動するためのソレノイド等への駆動信号が分岐されて試験信号とされたものである。また、例えば、遊技領域7の右側領域に大入賞口が設けられている第1種パチンコ遊技機では、大入賞口が開放するときに出力される役物連続作動装置作動信号が出力されたことを条件に、すなわち、大入賞口を開放状態(遊技球が入賞可能な状態)にさせるための制御信号(駆動信号)の出力状態に合わせて、右打ちに対応する発射位置指定信号3が出力される。なお、大入賞口を開放状態にさせるための制御信号の出力状態は、そのときの遊技状態に対応している。また、発射位置指定信号の出力状態をハードウェア回路により変更するようにしてもよい。一例として、出力ポートの外側に設けられるハードウェア回路により、出力ポートから出力された発射位置指定信号と、可変入賞球装置を駆動するためのソレノイド等への駆動信号との論理積(AND)をとって試験信号とする。ここでの例では、発射位置指定信号3に対して大入賞口を開放状態にさせるための(駆動信号)でANDをとる。
このように、電動役物を駆動するための信号の出力状態に合わせて発射位置指定信号の出力状態を設定すれば、制御上遊技状態が変更されたときよりも、むしろ、実際に役物が開放状態になってから遊技球の打ち方を変えることが多い遊技者の遊技方法に合わせて発射位置指定信号の出力状態を設定できる。
また、図30に示すように、遊技機エラー状態信号が出力されている状態では、発射位置指定信号1,2,3は全てオフ状態(発射停止状態に相当)になる。この実施の形態では、払出制御手段が、下皿満タンや補給球切れなどが生じたときに、発射制御信号をオフ状態にするとともに遊技機エラー状態信号を出力する。そして、図7に示されたように、遊技機エラー状態信号が出力されている状態では、ハードウェア的に発射位置指定信号1,2,3がオフ状態(発射停止状態を示す出力状態)になる。すなわち、発射位置指定信号設定手段が、遊技機エラー状態信号が出力されているときに、発射位置指定信号の出力状態を発射停止状態に設定することになる。発射位置指定信号設定手段は、この実施の形態では、遊技制御手段と図7に示された反転回路およびAND回路とを含む。
なお、遊技機エラー状態信号が出力されている状態において、遊技制御手段が、ソフトウェアによって発射位置指定信号1,2,3をオフ状態に制御するように構成してもよい。例えば、払出制御手段から遊技制御手段に対して遊技機エラー状態信号に対応する信号を送信することによって、遊技制御手段は、遊技機エラー状態信号が出力されている状態において発射位置指定信号1,2,3をオフ状態に制御することができる。また、満タンスイッチ48および球切れスイッチ187の出力信号が主基板31のCPU56に入力されるように構成されている場合には、遊技制御手段は、満タンスイッチ48および球切れスイッチ187の出力信号にもとづいて、遊技機エラー状態信号が出力されている状態において発射位置指定信号1,2,3をオフ状態に制御することができる。すなわち、制御手段が、遊技状態に応じて、払出手段による遊技球の払い出しを禁止する禁止条件が成立したか否かを判定する払出禁止判定処理と、払出禁止判定処理により禁止条件が成立したと判定されたときに、禁止条件が成立したことを示す払出禁止信号(例えば遊技機エラー状態信号)を遊技機の外部に出力するための払出禁止信号出力処理とを実行し、払出禁止判定処理により禁止条件が成立したと判定されたときに、可否判定処理において発射装置による遊技球の発射を停止すべき条件が成立したと判定することができる。
図31は、発射位置指定信号1,2,3の他の出力例を示すタイミング図である。図31に示す例では、例えば可変表示装置9において右打ちを行うべきであることが表示されて遊技者に報知される。そのような遊技機では、遊技制御手段は、図31に示すように、右打ちを行うべきであることを報知する報知手段が報知を行っているときに、換言すれば、報知手段に対して報知動作を行うことを指示する制御信号が出力されたことを条件に、右打ちに対応する発射位置指定信号3が出力される状態になる。なお、遊技制御手段は、例えば、権利発生状態の発生時(条件装置の作動開始時、図30参照)において、演出制御手段に対して「右打ち」を報知させるための指令を送信する。演出制御手段は、指令に応じて、可変表示装置9において「右打ち」を報知する。
このように、報知手段に対して報知動作を行うことを指示する制御信号が出力されたことを条件に発射位置指定信号の出力状態を設定すれば、制御上遊技状態が変更されたときよりも、むしろ、報知手段による報知が行われてから遊技球の打ち方を変えることが多い遊技者の遊技方法に合わせて発射位置指定信号の出力状態を設定できる。なお、遊技制御手段は、遊技状態に応じて、報知手段による報知を実行するか否かを判定する報知判定処理を実行するとともに、報知判定処理により報知を実行することが判定されたときに、報知を実行することを示す信号を遊技機の外部に出力するための報知出力処理を実行し、報知判定処理により報知を実行することが判定されたときに、試験端子処理において発射装置の発射強度を変更すべき条件が成立したと判定するように構成されていてもよい。また、報知手段を駆動するための駆動信号を出力するか否か判定する処理が存在する場合には、その処理において駆動信号を出力すると決定した場合に、発射装置の発射強度を変更すべき条件が成立したとしてもよい。
遊技機からの各試験信号は、例えば、パーソナルコンピュータなどの試験装置(外部装置)に入力される。そして、発射位置指定信号1,2,3の出力状態が、例えば試験装置の表示部に表示されることによって、試験者に報知される。タッチセンサ基板91において外部からの発射試験信号に応じて発射強度を調整可能な遊技機を使用している場合には、試験者は、報知に応じて、試験装置に組み込まれている試射試験装置、または試験装置と連動する試射試験装置から、発射位置指定信号1,2,3の出力状態に応じた強度を示す発射試験信号が出力されるように試射試験装置を調整する。従って、遊技機の遊技状態に応じた発射試験信号を直ちに出力することができ、遊技状態に応じた試射試験を実行することができる。
また、試射試験装置におけるアーム状の部材を遊技機の操作ノブ5に接続して機械的に操作ノブ5を操作することによって試射試験を行う場合には、発射位置指定信号1,2,3の出力状態に応じて、手動で、または自動的にアーム状の部材の回動量等を調整する。なお、この場合には、さらに、発射停止スイッチを操作するためのアーム状の停止用部材もあり、発射位置指定信号1,2,3が発射を停止させる操作をすべきことを示している場合には、停止用部材を操作することによって遊技球の発射を停止する。発射位置指定信号1,2,3の出力状態が遊技球の発射を停止させる操作をすべきこと(例えば、下皿満タンや補給球切れなどの払出禁止状態となったことに起因する)を示している場合に、遊技球の発射を継続すると、入賞が発生したにもかかわらず遊技球が払い出されないので正確な遊技機の稼働状況の試験が行えなかったり、入賞発生後エラー状態が解除されて初めて払い出しがなされることによって入賞発生時から遅れて払い出しがなされ、時間当たりの遊技機の稼働状況のデータが不正確になったりする。しかし、この実施の形態では、発射位置指定信号1,2,3の出力状態にもとづいて、遊技機の遊技状態に応じた適切な試射試験を行うことができる。
以上に説明したように、この実施の形態では、遊技機の遊技状態に応じた発射位置指定信号1,2,3を試験信号として出力することによって、試験の際に、遊技機の遊技状態に応じて正確な試射試験データを得ることができるようになる。
なお、発射位置指定信号1,2,3の出力状態は、上記の2例に限られず、以下のような例も考えられる。
保留記憶数が上限になったとき(上記の例では4になったとき)、または上限に近い数(例えば3)になったときに、発射位置指定信号1,2,3の出力状態を変更するようにしてもよい。例えば、発射位置指定信号1,2,3の出力を停止して(オフ状態にして)発射停止状態を示すようにしてもよい。保留記憶数が多い遊技状態では、遊技者は遊技球の発射を控える場合が多いからである。なお、発射位置指定信号出力状態を変更するタイミングを決めるための保留記憶数は固定値でなく、遊技に応じて変わりうる値でもよい。このように、発射位置指定信号設定手段が、発射位置指定信号の出力状態を保留記憶数に応じて変更するように構成されていれば、無駄打ちをしないという遊技者が実際にとる可能性が高い遊技方法に応じた試射試験を行うことができる。
同様に、大当り遊技状態(特定遊技状態)において、ラウンド間(大入賞口の閉成期間)では、発射位置指定信号1,2,3の出力を停止して発射停止状態を示すようにしてもよい。ラウンド間では、遊技者は遊技球の発射を控える場合が多いからである。このように、発射位置指定信号設定手段が、発射位置指定信号の出力状態を、特定遊技状態における役物の状態に応じて変更するように構成されていれば、無駄打ちをしないという遊技者が実際にとる可能性が高い遊技方法に応じた試射試験を行うことができる。
また、普通図柄表示器10における普通図柄が確定するとき、または、普通図柄が確定するときより所定期間前において発射位置指定信号1,2,3の出力状態を変更するようにしてもよい。例えば、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に開放する始動入賞口としての可変入賞球装置15が遊技領域の右側領域に設けられているような場合に、発射位置指定信号3を出力する状態に変更する。遊技者は、効率的に始動入賞口への入賞が得られるように、普通図柄が確定するタイミングで可変入賞球装置15を狙った遊技を行う場合が多いからである。
なお、遊技制御手段は、発射位置指定信号1,2,3が発射状態を示しているにも関わらず、所定期間以上、上述した発射球センサが遊技球を検出しなかった場合にエラーと判定して報知する(例えば可変表示装置9に)ようにしてもよい。また、発射位置指定信号1,2,3が発射停止状態を示しているにも関わらず、発射球センサが遊技球を検出した場合にエラーと判定して報知するようにしてもよい。すなわち、発射装置によって発射され遊技領域に進入する遊技球を検出可能な発射球検出手段(発射球センサ)と、発射位置指定信号の出力状態と発射球検出手段とに応じてエラーを検出する手段とを備えていてもよい。そのように構成されている場合には、試射試験が適切に行われているか否かを判定することができる。
また、上記の実施の形態では、以下のような遊技機も開示されている。
遊技球を遊技領域に発射する発射装置を備えた遊技機であって、遊技機から出力された信号に応じて発射装置の発射強度を調整可能な外部装置(例えば試射試験装置)に対して出力される発射位置指定信号の出力状態を、遊技領域におけるいずれの領域(例えば、左側、中央、右側)に向けて発射装置から遊技球が発射されるのかを示す発射状態、または発射装置からの遊技球の発射が停止されることを示す発射停止状態に設定する発射位置指定信号設定手段(例えば、遊技制御手段における試験端子処理を実行する部分、および図7に例示された回路)と、発射位置指定信号作成手段が作成した発射位置指定信号を外部装置に出力する発射位置指定信号出力手段(例えば試験信号端子111)とを備えた遊技機。
遊技状態が遊技球の払い出しを禁止する状態であることを示すエラー信号を作成するエラー信号作成手段(例えば、払出制御手段におけるエラー処理を実行する部分)と、エラー信号作成手段が作成したエラー信号を外部装置に出力するエラー信号出力手段(例えば試験信号端子111)とを備え、発射位置指定信号設定手段が、エラー信号出力手段がエラー信号を出力しているときに、発射位置指定信号の出力状態を発射停止状態に設定する(図7参照)ように構成されている遊技機。
遊技状態に応じて、所定の払出条件(例えば遊技球の入賞)の成立により遊技球を払い出すことが成立可能である状態に制御される役物(例えば、大入賞口)を備え、発射位置指定信号設定手段が、役物をそのような状態にするための制御信号が出力されたことを条件に、発射位置指定信号の出力状態を役物の状態に応じた状態に変更するように構成されている遊技機。
遊技状態に応じて、遊技球を遊技領域のいずれの領域(例えば右側領域)に向けて発射すべきかを遊技者に報知する報知手段(例えば可変表示装置9)を備え、発射位置指定信号作成手段が、報知手段に報知を行わせる制御信号が出力されたことを条件に、発射位置指定信号の出力状態を報知手段が報知を開始した後の遊技状態(例えば右打ちが推奨される遊技状態)に応じた状態に変更するように構成されている遊技機。