JP4624515B2 - C型肝炎ウイルス(hcv)rnaの効率的逆転写のためのオリゴヌクレオチドプライマーおよびそれの使用方法 - Google Patents
C型肝炎ウイルス(hcv)rnaの効率的逆転写のためのオリゴヌクレオチドプライマーおよびそれの使用方法 Download PDFInfo
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、生物学的試料中の核酸配列、特に感染性微生物に由来する配列の検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
C型肝炎ウイルス(HCV)は、世界中の大部分の輸血後肝炎の症例とかなりの割合の散在性(または地域社会獲得性)肝炎の症例の原因である、非経口的に伝染するウイルスである。世界人口の1%超がHCVに感染していると見積もられている。HCV感染は急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変および続発する肝細胞癌に関係がある。
【0003】
HCVは現在フラビウイルス科(Flaviviridae)の中の独自のヘパチウイルス属(Hepacivirus )として分類されている。そのゲノムは、約3,000 アミノ酸のポリタンパク質前駆体をコードする単一の大きな転写解読枠(ORF)を有する約9,500 ヌクレオチドの正鎖RNA分子から成る。この大きなORFの上流には、ゲノムの最も高度に保存された領域である約340 ヌクレオチドの5′非コード領域(NCR)がある。このORFの5′領域は(5′→3′方向で)キャプシドタンパク質、2つのエンベロープ糖タンパク質(E1とE2)および未知の機能を有する小さなタンパク質(P7)をコードする。このORFの3′領域は、プロテアーゼ、プロテアーゼ/ヘリカーゼ二機能性タンパク質、RNAポリメラーゼおよび調節タンパク質を包含する非構造タンパク質をコードする。
【0004】
世界中からのHCVコード配列の分析により、個々のウイルス分離株間で相当な配列変異が明らかになった。更に、個々の患者からのHCV配列の分析により、関連するが同一でない配列を含むいわゆる「準種 "quasi-species"」としてウイルスが流布することが示された。分離株間と個々の患者間に存在する変異は、ウイルスによりコードされるRNA依存性RNAポリメラーゼが低い信頼度を有することの結果であると考えられる。HCVの遺伝的変異の程度は、感染の予防、診断および制御にとって重要な意味を持つ。
【0005】
HCV感染の血清学的診断は、典型的には組換えHCVタンパク質またはペプチドを結合する抗体を検出する市販のエンザイムイムノアッセイ(EIA)により測定される。陽性EIA結果は組換え免疫ブロットアッセイ(RIBA)により確かめることができるが、EIAもRIBA法も現在の感染と過去の感染を区別することはできない。循環しているウイルスは典型的には低いウイルス価であるために、ウイルスタンパク質についての直接アッセイの開発は成功していない。更に、抗体に依存するアッセイは一般に、暴露後2〜3カ月間はHCV感染を検出することができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、HCVへの患者の暴露後数日以内にHCVウイルス血症を検出するのに十分な位感受性であるHCVについての改良アッセイが当該技術分野で必要とされている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一面では、生物学的試料中のC型肝炎ウイルス(HCV)RNAの逆転写方法に向けられる。この方法は、
(a) 前記試料から誘導されたRNAを、オリゴヌクレオチドが前記RNAの少なくとも一部分に相補的なcDNAの合成を開始するような条件下で、前記1または複数のオリゴヌクレオチドと接触させる
ことを含んで成り、前記オリゴヌクレオチドが
(i) 5'-AGGCCAGTATCAGCACTCTCTGCAGTC-3' (57R27)〔配列番号1〕,
(ii) 5'-GTATCAGCACTC-3' (66RT12)〔配列番号2〕,
(iii)5'-AGTATCAGCACTC-3' (66RT13) 〔配列番号3〕,
(iv) 5'-CAGTATCAGCACTC-3' (66RT14)〔配列番号4〕,
(v) 5'-CCAGTATCAGCACTC-3' (66RT15) 〔配列番号5〕,
(vi) 5'-GCCAGTATCAGCACTC-3' (66RT16)〔配列番号6〕および
(vii) 前記のものの任意組合せ
から成る群より選ばれることを特徴とする。
【0008】
別の面では、本発明は、生物学的試料中のC型肝炎ウイルス(HCV)RNAの存在の検出方法に向けられる。この方法は、
(a) 鋳型として前記試料から誘導されたRNAを使用しそしてプライマーとして前記RNA中に含まれる配列に相補的なオリゴヌクレオチドを使用して逆転写反応を行うことにより、HCV特異的逆転写生成物を生成させ、前記プライマーが
(i) 5'-AGGCCAGTATCAGCACTCTCTGCAGTC-3' (57R27)〔配列番号1〕,
(ii) 5'-GTATCAGCACTC-3' (66RT12)〔配列番号2〕,
(iii)5'-AGTATCAGCACTC-3' (66RT13) 〔配列番号3〕,
(iv) 5'-CAGTATCAGCACTC-3' (66RT14)〔配列番号4〕,
(v) 5'-CCAGTATCAGCACTC-3' (66RT15) 〔配列番号5〕,
(vi) 5'-GCCAGTATCAGCACTC-3' (66RT16)〔配列番号6〕および
(vii) 前記のものの任意組合せ
から成る群より選ばれ;
(b) 前記逆転写反応の生成物を増幅させることにより増幅生成物を生成させ;そして
(c) 前記増幅生成物を検出する
ことを含んで成り、前記増幅生成物の検出が前記試料中のHCV RNAの存在を示すことを特徴とする。
【0009】
増幅は任意方法で実施できるが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が好ましい。本発明のHCV特異的逆転写プライマーの使用は、試料、好ましくは血漿中のHCVの高感度検出方法を提供する。
【0010】
別の面では、本発明は、生物学的試料中のHCVの検出用のキットに向けられる。このキットは
(i) 5'-AGGCCAGTATCAGCACTCTCTGCAGTC-3' (57R27)〔配列番号1〕,
(ii) 5'-GTATCAGCACTC-3' (66RT12)〔配列番号2〕,
(iii)5'-AGTATCAGCACTC-3' (66RT13) 〔配列番号3〕,
(iv) 5'-CAGTATCAGCACTC-3' (66RT14)〔配列番号4〕,
(v) 5'-CCAGTATCAGCACTC-3' (66RT15) 〔配列番号5〕,
(vi) 5'-GCCAGTATCAGCACTC-3' (66RT16)〔配列番号6〕および
(vii) 前記のものの任意組合せ
から成る群より選ばれた逆転写プライマーを含んで成る。
【0011】
このキットは逆転写、増幅および生成物検出のための試薬および説明書を更に含んでもよい。
【0012】
【発明の実施態様】
本発明者らは、C型肝炎ウイルス(HCV)RNA中に存在する特定の配列に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドを逆転写反応用のプライマーとして用いると、生物学的試料中のHCV RNAの検出がより効率的であることを発見した。好ましくは、このプライマーの配列はHCV RNAの3′非コード領域近隣の配列に相当する。
【0013】
HCVの3′非コード(NC)領域はわずか98ヌクレオチドの長さであり、その長さはこの領域で逆転写を開始させるためにランダムプライマーの使用を支持するには短すぎる。本発明は、HCVゲノムの3′非コード領域から誘導された配列の逆転写(およびそれによって増幅および検出)を可能にする、新規特異的オリゴヌクレオチドプライマーを提供する。
【0014】
分子生物学、微生物学、組換えDNAおよびタンパク質生化学の多数の技術、例えばCurrent Protocols in Molecular Biology, 第I,IIおよびIII 巻, 1997(F.M. Ausubel編);Sambrook他, 1989, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第2版,Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York ; DNA Cloning: A Practical Approach,第IおよびII巻, 1985 (D.N. Glover 編) ; Oligonucleotide Synthesis, 1984 (M.L. Gait編) ; Transcription and Translation, 1984 (Hames & Higgins編) ; A Practical Guide to Molecular Cloning; 双書, Methods in Enzymology (Academic Press, Inc.) ; Protein Purification: Principles and Practice, 第2版(Springer-Verlag, N.Y. )中に説明された技術を、本発明を実施する際に使用する。
【0015】
本明細書中で用いる「核酸」または「ポリヌクレオチド」とは、ポリリボヌクレオチドもしくはポリデオキシリボヌクレオチドまたは混合ポリリボ/ポリデオキシリボヌクレオチドのいずれかの、任意の長さのプリンおよびピリミジン含有ポリマーを言う。これには一本鎖および二本鎖分子、例えばDNA−DNA,DNA−RNAおよびRNA−RNAハイブリッド、並びにアミノ酸主鎖に塩基を結合することにより形成された「タンパク質核酸」(PNA)が含まれる。これには修飾塩基を含有する核酸も含まれる。
【0016】
本明細書中で用いる核酸配列の「相補体」とは、元の配列と共にワトソン−クリック塩基対合に参加するアンチセンス配列を言う。
【0017】
本明細書中で用いる「プライマー」は、着目の一本鎖核酸配列と共に二重鎖を形成しそして例えば逆転写酵素またはDNAポリメラーゼを使って相補鎖の重合を可能にする、長さ約10〜約50ヌクレオチド、好ましくは長さ約12〜約25ヌクレオチド、最も好ましくは約12〜約18ヌクレオチドの単離されたオリゴヌクレオチドである。
【0018】
本明細書中で用いる「単離された」核酸とは、それの元の環境(例えば、それが天然に存在する混合物であるならそれの天然の環境、それが合成物であるなら反応混合物)から分離されている成分を言う。単離された核酸は、典型的には、最初にそれが関連していた成分の約50%未満、好ましくは約75%未満、そして最も好ましくは約90%未満を含有する。
【0019】
指摘した配列「から誘導された」核酸配列とは、その指摘した配列の一領域に相当する配列を言う。これには、その配列に相同であるかまたは相補的である配列も含まれる。
【0020】
内部陽性対照(=IPC)標的核酸とは、典型的には制限エンドヌクレアーゼの作用により後で直鎖状にされるプラスミドベクター中にクローニングされた合成核酸配列を指して言う。IPCは、典型的には一般的なプローブ結合領域を取り囲む複数のプライマー結合配列を有し、そして核酸増幅反応において偽陽性結果に対する包括的な対照として働く。
【0021】
好ましい内部陽性対照標的DNAの配列は下記のものである:
5'-CGCCAGCGTGGACCATCAAGTAGTAATGAACGCACGGACGAGGACATCATAGAGATTACACCTTTATCCACAGTTCTCGGTCTAACGCAGCAGTCAGTGTATCAGCACCAGCATCCGTAGTGAGTCTTCAGTGTCTGCTCCAGGATCGTG-3'〔配列番号7〕。
【0022】
本明細書中で用いる場合、逆転写に適した条件、即ち、オリゴヌクレオチドがcDNA合成を開始させる条件は、cDNA合成をもたらす温度および時間において、RNAおよびプライマーオリゴヌクレオチドを逆転写酵素およびヌクレオチドとインキュベーションすることを包含する。
【0023】
本明細書中に開示するいずれかの配列またはそれの部分配列を含んで成る核酸は、常法により調製することができる。例えば、Matteucci 他, 1981, J. Am. Chem. Soc. 103:3185のホスホロアミダイト固体支持体法、Yoo 他, 1989, J. Biol. Chem. 764:17078の方法、または他の周知の方法を使って、DNAを合成することができる。当該技術分野で既知である多数の手段により核酸を修飾することもできる。そのような修飾の非限定例としては、メチル化、「キャップ付加」、類似体による1もしくは複数の天然ヌクレオチドの置換、ヌクレオチド間修飾、例えば無電荷結合(例えばメチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホロアミデート、カルバメートなど)もしくは荷電結合(例えばホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)が挙げられる。核酸は1または複数の追加の共有結合した成分、例えば、タンパク質(例えばヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リジンなど)、挿入剤(例えばアクリジン、ソラレンなど)、キレート化剤(例えば金属、放射性金属、鉄、酸化金属など)およびアルキル化剤を含んでもよい。「核酸」なる用語にはPNAも含まれる。核酸は、メチルもしくはエチルホスホトリエステルまたはアルキルホスホロアミデート結合の形成により誘導体にすることができる。更に、本発明の核酸配列は、直接または間接的に検出可能なシグナルを提供することができる標識により修飾されてもよい。典型的な標識としては、放射性同位体、蛍光分子、ビオチンなどが挙げられる。
【0024】
本明細書中で用いる「増幅」とは、非限定的に、核酸がコピーされる相互作用工程を言う。適当な増幅方法としては、ポリメラーゼ連鎖反応、リガーゼ連鎖反応、鎖置換増幅、核酸一塩基増幅、および転写媒介増幅が挙げられる。
【0025】
本明細書中で用いる「C型肝炎ウイルス(HCV)」とは、ヘパシウイルス属(Hepacivirus )に属するウイルスを指す。本発明により検出することができるHCVの分離株としては、非限定的に、血清型1〜6が挙げられる。
【0026】
本発明は、生物学的試料中のHCVの逆転写方法を提供する。HCV RNAの効率的逆転写は、生物学的試料中のHCVの高感度検出に備える。HCV RNAの逆転写は、本発明のオリゴヌクレオチドが前記RNAの少なくとも一部分に相補的なDNAの合成を開始させるような条件下で、本発明のオリゴヌクレオチドを前記試料から誘導されたDNAと接触させることにより行われる。
【0027】
生物学的試料中のHCV RNAの検出は、前記試料中に含まれるRNAかまたは前記試料から誘導されたRNAを鋳型として使用し、HCV RNA中に含まれる配列に相補的である本発明のオリゴヌクレオチドをプライマーとして使用して逆転写反応を行うことにより、HCV特異的逆転写生成物を生成させ、次いで逆転写生成物を増幅させることによりHCV特異的増幅生成物を生成させ、そしてHCV特異的増幅生成物を検出することにより行われる。HCV特異的増幅生成物の検出が試料中にHCV RNAが存在することを示す。
【0028】
本発明によれば、任意の常法により患者から生物学的試料が得られる。適当な生物学的試料としては、非限定的に、血液、血清、血漿、尿、母乳および脳脊髄液が挙げられる。好ましくは血漿がHCV RNAの入手源として使われる。
【0029】
生物学的試料は、試料中に含まれるRNA、特にHCV RNAへの逆転写試薬の接近を与えるようなやり方で処理する。生物学的試料「から誘導された」RNAは、最初は試料中に存在していたもので且つ試料を処理することによってそのRNAへの接近が増大された任意のRNAである。好ましくは、当該技術分野で周知の方法、例えばチオシアン酸グアニジウムを使用する方法、またはGentra Systems, Inc. (Minneapolis MN) からのPureScriptのような市販の試薬と方法を使う方法を用いて、試料からRNAを抽出する。RNアーゼからのRNA、別のタンパク質および/または逆転写反応を妨害する可能性のある他の成分からの分離をもたらすいずれの抽出方法を使ってもよい。
【0030】
次いで、試料をHCVの配列から誘導されたプライマーを使った逆転写反応にかける。好ましくは、プライマーは検出を所望する領域の下流、即ち3′側にあるHCV RNAの領域に相当する。それらの領域としては、例えば、ウイルスキャプシドタンパク質、E1およびE2タンパク質、P7タンパク質、プロテアーゼ/ヘリカーゼ、RNAポリメラーゼ並びに調節タンパク質をコードする領域、並びに5′および3′非コード領域が挙げられる。好ましくは、プライマーは3′末端先端に98 bp の非ホモポリマー配列を含む、3′非コード領域中の配列に相当する(Tanaka他, J. Virol. 70:3307, 1996 ; Kolykhalov他, J. Virol. 70: 3363, 1996)。プライマー配列は、HCVの特定の分離株または血清型(例えば、HCV 1〜6)を具体的に同定するために使うこともできる。プライマーは、それが別の分離株からのRNAにはハイブリダイズしないような条件下で、目的の分離株に由来するRNAにハイブリダイズすることにより特定の分離株または血清型を同定することができる。即ち、プライマーそれ自体が分離株間で異なる配列を含んでもよい。あるいは、プライマー配列は分離株間で異なるHCV RNAの断片の合成を開始させるために用いることができる。即ち、分離株間で異なる配列がプライマー配列の下流にあってもよい。
【0031】
本発明の実施の際に有用な逆転写プライマーは、配列保存、分子内および分子間相互作用、並びにアンプリコンおよび周辺配列の推定上の二次構造の理論的考察に基づいて選択される。更に、プライマーおよびアッセイ系は、HCVゲノムの複数領域、複数ウイルス種、および内部陽性対照(IPC)RNA(またはDNA)の同時増幅(および同時検出)を可能にするようにデザインされる。
【0032】
本発明のHCV逆転写プライマーの非限定例としては、5'-AGGCCAGTATCAGCACTCTCTGCAGTC-3' 〔配列番号1〕(57R27 と命名;HCVの3′非コード領域に関してヌクレオチド 57-83に相当する);5'-TCAGCACTCTCT-3'〔配列番号8〕(63RT12と命名;ヌクレオチド 63-74に相当する);5'-GTATCAGCACTC-3'〔配列番号2〕(66RT12と命名;ヌクレオチド 66-77に相当する);並びに66RT12の伸長変形種、即ち5'-AGTATCAGCACTC-3' 〔配列番号3〕(66RT13);5'-CAGTATCAGCACTC-3'〔配列番号4〕(66RT14);5'-CCAGTATCAGCACTC-3' 〔配列番号5〕(66RT15);および5'-GCCAGTATCAGCACTC-3'〔配列番号6〕(66RT16)が挙げられる。
【0033】
逆転写は上記プライマーのうちの1つまたは複数を使って行われる。ランダムプライマー、例えばランダムヘキサマー逆転写プライマー(N6, Pharmacia Biotech, Piscataway, NJ )を加えてもよい。逆転写は、例えばCurrent Protocols in Molecular Biology, 第I, IIおよびIII 巻, 1997 (F.M. Ausubel編) ; 米国特許第5,322,770 号明細書 ; Young他, J. Clin. Microbiol. 31(4):882 (1993) ; Myers他, Biochemistry 30(3):7661 (1991)中に記載されたような、常用手段を使って実施される。逆転写プライマーとしての使用に適した他のプライマーおよび本発明において使用することができる逆転写方法としては、同時係属米国特許出願第 09/ 号, 代理人書類番号2094/0E287に記載されたものが挙げられる。
【0034】
逆転写反応の後、生成物を回収しそして増幅させることができる。任意の増幅方法を使ってもよく、増幅法の非限定例としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応、鎖置換反応、核酸一塩基増幅および転写媒介増幅が挙げられる。好ましくはPCRが使われる。典型的には、PCRに必要な全ての成分(HCV特異的増幅プライマーを含む)を含有する反応混合物が直接逆転写反応混合物に添加される。次いで、使用するプライマー対により特定される条件を使って増幅反応を実施する。本発明の逆転写プライマーを使った逆転写により製造されたHCV DNAを増幅するのに使われる適当なプライマーは、米国特許出願第 09/ 号,代理人書類番号2094/0E26 に開示されている。
【0035】
増幅後、増幅生成物は、当該技術分野で周知の任意方法、例えば非限定的に、アガロースまたはアクリルアミドゲル中でのゲル電気泳動法;固体支持体上での増幅生成物の捕捉に続く比色検出法(例えば、下記の実施例1を参照のこと);ECi検出法;化学発光検出法,放射性同位体検出法および蛍光検出法を使って検出することができる。そのような検出法に用いる試薬は、例えばMolecular Probes, Eugene, OregonおよびOrtho Clinical Diagnostics, Rochester, NY から市販されている。
【0036】
HCV特異的増幅生成物の検出は試料中にHCV RNAが存在することを示す。ゲル電気泳動を用いた場合、HCV特異的増幅生成物は、反応に用いた増幅プライマーに相当する配列を有するHCV RNA中の位置により推定されるような、それらのサイズにより確認される。
【0037】
(i) 5'-AGGCCAGTATCAGCACTCTCTGCAGTC-3' (57R27)〔配列番号1〕,
(ii) 5'-GTATCAGCACTC-3' (66RT12)〔配列番号2〕,
(iii)5'-AGTATCAGCACTC-3' (66RT13) 〔配列番号3〕,
(iv) 5'-CAGTATCAGCACTC-3' (66RT14)〔配列番号4〕,
(v) 5'-CCAGTATCAGCACTC-3' (66RT15) 〔配列番号5〕,
(vi) 5'-GCCAGTATCAGCACTC-3' (66RT16)〔配列番号6〕および
(vii) 前記のものの任意組合せ
から成る群より選ばれた逆転写プライマーを含有する、生物学的試料中のHCVの検出用のキットを調製することができる。
【0038】
それらのキットは逆転写、増幅および生成物検出のための試薬および説明書を更に含んでもよい。例えば、該キットは逆転写酵素、デオキシヌクレオチド、DNA増幅反応に適した耐熱性ポリメラーゼ、並びに核酸の標識および検出用の試薬を含むことができる。
【0039】
本発明の方法および組成物は、患者のHCV感染の診断において;抗HCV療法処置の効能の試験において;およびHCV感染試料についての輸血用血液のスクリーニングにおいて利用することができる。
【0040】
【実施例】
下記の実施例は非限定的に本発明を例証する。
方法:
1.試料調製:
血漿試料から、PureScriptTMRNA単離試薬(Gentra Systems, Minneapolis MN)を使ってRNAを調製した。体液についての製造業者のプロトコルへの変更として、20 gではなく40 gのグリコーゲンをウイルスRNAの沈澱に役立つ担体として使用することを含んだ。更に、大部分において、RNAのイソプロピルアルコール沈澱とエタノールによるRNAペレットの洗浄の後に、製造業者により提供されるRNAハイブリダイゼーション溶液ではなく、RT緩衝液混合物中にRNAペレットを再懸濁した。
【0041】
2.逆転写:
ジエチルピロカルボネート(DEPC)で処理した水の中に50 mM Tris-HCl (pH 8.3), 75 mM KCl, 3 mM MgCl2, 10 mM DTT, 0.4 mM 各dNTP (Pharmacia Biotech), 4 M のランダムヘキサマー (Pharmacia Biotech, Piscataway, NJ)または特異的逆転写プライマーおよび20単位のRNasin(Promega, Madison, Wisoconsin)を含有する溶液50 L中の100 Uの組換えモロニーマウス白血病ウイルス(M−MLV)逆転写酵素(RT)(Gibco BRL, Gaithersburg, Maryland )を添加することにより、RNAからのcDNAの合成を触媒した。42℃で30分間のインキュベーション後、RT反応液を100 ℃に5分間維持してRT活性を破壊した。各反応液を1分間冷却した後、16000 ×gで4秒間超遠心した。
【0042】
3.PCR増幅:
PCRは、25 mM Tris-HCl, 3 mM MgCl2, 0.725 mM EDTA, 54 mM KCl, 3.72 mM NaCl, 40 M DTT, 108 g/mlのゼラチン(IV型), 9.5 %グリセロール, 0.02%Tween 20, 0.02%NP40, 子ウシ胸腺DNA(2 g), 1.2 mMの各dNTP, 0.4 M の各プライマー, 10コピーの線状化した内部陽性対照(IPC)プラスミドDNAおよび16 UのTaq ポリメラーゼを含む溶液 100 L中でPE9600サーモサイクラー(Perkin-Elmer)中で行った。Taq に対するモノクローナル抗体 TP1-12 とTP4-9 (それらの調製は米国特許第5,338,671 号明細書に開示されている)をそれぞれ50:1と5:1のモル比で反応液に添加して、Taq ポリメラーゼに対する抗体のモル比55:1を提供した。96℃で3分間の最初の変性の後、96℃で5秒と68℃で40秒から成る40サイクルの増幅を行った。サイクルの終了後、103 ℃で5分間の最終加熱段階を行ってTaq ポリメラーゼを失活させた。使用したプライマーを下記の第3表に示す。
【0043】
4.PCR生成物の検出:
増幅中に5′−ビオチン標識プライマー(センス鎖)を使用してPCR生成物をビオチン化した。フロースルー膜の表面上に付着させたラテックス粒子に共有結合せしめたオリゴヌクレオチドプローブへのハイブリダイセーションにより、生成物を捕捉した(SureCell試験)。プローブは 5'-GCGGCTCACGGACCTTTCACAGCTA-3'〔配列番号9〕および 5'-ATGCGGCTCACGGACCTTTCACAGC-3'〔配列番号10〕であった。生じたプローブ/生成物複合体を、色素前駆体から色素(青色)への酸化的変換を触媒するストレプトアビジン(SA)−西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)接合体と反応させた。色の強度を色標準に比較することにより、青色の強度を目視により採点した(0〜10)。目に見える色の得点>3は、全て陽性結果であると見なした。
【0044】
5.Roche Amplicorアッセイ:
Roche Amplicorアッセイ(Roche Diagnostics, Kaiseraugst, Swithland )を製造業者の教示に従って実施した。
【0045】
実施例1:3′非コード領域由来のHCV特異的逆転写プライマーのデザイン
次の実験は、HCV特異的3′非コード領域プライマーを使ってヒト血漿試料から誘導したHCV RNAの逆転写の効率を調べるために行った。
鋳型としてHCV RNAを使って逆転写反応を開始させるのに、配列 5'-AGGCCAGTATCAGCACTCTCTGCAGTC-3'〔配列番号1〕(57R27 と命名)を有するオリゴヌクレオチドプライマーを使った。正プライマーとして5'-GGTGGCTCCATCTTAGCCCTAGTCACG-3' 〔配列番号11〕(1F27と命名)を使いそして逆プライマーとして57R27 を使って増幅を行った。
【0046】
反応により推定サイズのものである83ヌクレオチド(nt)生成物が得られた。
しかしながら、多重逆転写/増幅反応、即ち内部陽性対照(IPC)も更に含む反応における57R27 の使用は、100 ntと70 nt の2種類の非特異的(即ち非HCV)生成物を与えた。
【0047】
実施例2:多重反応に使用される3′非コードHCV逆転写プライマーの最適化
次の実験は、多重逆転写/増幅アッセイにおける57R27 から誘導したプライマーの使用を試験するために行った。
【0048】
実施例1に記載したように、IPCと複合せしめた場合、57R27 逆プライマーは臭化エチジウム染色すると70 bp の強いゲルバンドと100 bpの弱いゲルバンドを含む2つの「副生成物」バンドを形成した。それらの副生成物バンドは優先的に形成され、その結果としてHCV生成物バンドが欠けていた。より厳密な分析により、57R27 プライマーとIPC逆プライマー間には強力な相互作用があることが明らかになった。
【0049】
この問題を解決するために、PCR工程中のRTプライマーとPCRプライマーとの直接的競合をなくすようなより小さい逆転写(RT)プライマーをデザインした。これらの新規RTプライマーは長さが8〜16塩基であり、そしてそれらの3′末端が57R27 の3′末端より下流になるようにデザインした。
【0050】
これらのプライマーを次の通り試験した。RNA抽出と精製の後、それらのプライマーを使って逆転写を行い、そして正プライマーとしての同プライマーと27マーの逆プライマーを使ってPCRを行った。
【0051】
この新デザインは4つの明らかな利点を有した:
1) それらのプライマーのTmは27マーのTmより低く、そのためそれらはPCR条件下でアニーリングと伸長が起こりにくかった。
2) RTプライマーの3′末端は27マーの3′末端の下流であり、従って27マーと正確に同じ標的DNAと交差反応を起こす可能性がなく、よってプライマー二量体の形成をなくした。
3) 全ての遺伝子型を増幅させるためにはゲノム内の位置が重要であり、そのためHCVゲノム内の保存配列と一致するように逆プライマーをデザインした。
4) 短鎖RTプライマーを使った逆転写の後に多重PCRが可能であった。
【0052】
A.12マープライマーの特徴づけ
最初に4つの短鎖RTプライマー(12マー)をデザインし、そして対に組み合わせて試験した。目標は、(i) それらが逆転写工程において使った組合せRTプライマーまたは単一RTプライマー間で生成するPCRバンド強度に何か差があるかどうか、そして(ii)それらの短鎖RTプライマーが互いに組み合わせて使用できるかどうかを調べることであった。短鎖RTプライマーを組み合わせて使用すれば、3′末端での不正対合(ミスマッチ)を避けるという利点があるかもしれない。
【0053】
結果は、短鎖RTプライマーを使うことに何も悪影響がないことを示した。プライマーが2倍濃度で使われていると思われるかもしれない場合でも(プライマーが自分自身と共に使われている)、プライマーは事実上は他のいずれのプライマーとも組み合わせることなく標準濃度で使われている。
【0054】
下記の第1表に示すように12マーRTプライマーの対組合せを逆転写反応に使った。PCRは3′NC領域プライマー 3x1F27 正プライマーと 3x57R27逆プライマーそれぞれを使って行った(上記実施例1を参照のこと)。HCV標的は反応あたり50コピーで使用した。標準RT−PCR条件を使用した。
【0055】
【表1】
【0056】
3x84RTは単独で使っても3x76RTと組合せて使っても逆転写できなかった。3x63RTに対して悪影響があるようにも見えた。3x66RTと3x63RTは両方とも良好に逆転写を行い、生成した(臭化エチジウム染色した)PCRゲルバンドは、どのプライマー組合せを使用したかに関係なく強力であった。12マーRTプライマーを組み合わせることに何ら有利であるように見えなかった。
【0057】
B.プライマー濃度範囲:
3x63RTと3x66RTの両者を更なる試験のために選択した。逆転写反応に用いる27マー(3x57RT)の場合の標準濃度は1 Mであった。12マーは、それらが短鎖であるために、潜在的に27マーほど効率的にはアニールし伸長しないようであり、故に逆転写のためにより高い濃度が必要であると思われた。個別に1,2,3または4 M濃度で使用した時、3x63RT, 3x66RTおよび27マーについての結果は濃度に関係なく同等であった。標準プラクチスは、RT反応に12マーを使用しそしてPCRに正逆プライマーそれぞれとして27マー(および3x1F27)を加えることであった。
【0058】
C.試料処理の効果:
12マー(3x66RT)逆転写と27マー(3x57R27 )逆転写を比較した。同様に、逆転写プライマーとして12マーを使用した時、27マー正プライマー(3x1F27)を対応するPCR中に使用した。試料を様々な条件下に置き、生成する臭化エチジウム染色PCRゲルバンドを比較して、いずれかの条件がゲルバンドの質または強度に対して効果をもつかどうかを調べた。
【0059】
RNA調製段階の間に、氷冷イソプロパノール(IPA)を各試料試験管に添加し、試験管を室温で2分間振盪した。−80℃で(IPA中で)RNAを更に沈澱させるか、または即座に室温で調製した。逆転写反応を行う前に、RNAを完全RTミックス中に再懸濁し、そして氷上に置くかまたは室温に10分間置いた。
【0060】
逆転写は37℃か42℃のいずれかの温度で行った。増幅前に、cDNAを完全PCRミックス中で室温に4.5 時間置くか、または増幅反応を行う直前にcDNAを添加した。
【0061】
結果:12マーRTプライマー(3x66RT)は、上述の条件のいずれの下でも良好に機能した。12マーと27マーのRTプライマーは、バンド強度の点では同等に見えたが、12マーの方が生成するPCRバンドが単一できれいなバンドであり、副生成物がないので、全体的に優れていた。
【0062】
実施例3: 50 コピー/反応でのHCV RNAの検出のための 12 マー逆転写プライマーの使用
次の実験は、異なる血清型のHCVを含む患者試料中のHCVを検出する前記12マープライマーの能力を試験するために行った。
【0063】
遺伝子型決定した患者血清をRoche Monitor アッセイにより定量し、反応あたり50コピーにまで系列希釈した。改良Purescript法を使ってRNAを抽出し、そして3x63RTか3x66RT(12マー)プライマーを使って逆転写反応を行った。PCRは、内部陽性対照プライマー(IPCF1 とIPCR1 )と複合させて、3x57RT/3x1F27(それぞれHCV逆プライマーと正プライマー)を使って行った。12マーRTプライマーのいずれを使っても全てのRNA遺伝子型が逆転写された。結果を下記の第2表に示す。+は陽性結果を示す。
【0064】
【表2】
【0065】
12マーRTプライマーを使用し、次いで複合(3′NCとIPC)PCRを行うと、HCV遺伝子型の高感度検出をもたらした。Roche Monitor (商標)定量アッセイ(Roche Diagnostics, Kaiseraugst, Switzerland )は50コピー/反応の遺伝子型1〜6を検出した。(遺伝子型5は反応あたり100 コピーでしか試験しなかった。この遺伝子型のコピー数は終点希釈により決定した。)
【0066】
実施例4: 13 〜 16 ヌクレオチドプライマーを使った感度の改良
次の実験は、短鎖逆転写プライマーを使ったHCVの検出を更に最適化するために行った。
【0067】
改良Purescript法を使って一般HCV陽性血漿源からRNAを調製した。次のプライマーのうちの1つを使ってRTを行った:5'-GTATCAGCACTC-3'〔配列番号2〕(66RT12と命名;ヌクレオチド66〜77に相当する);並びに66RT12の延長形、即ち5'-AGTATCAGCACTC-3' 〔配列番号3〕(66RT13);5'-CAGTATCAGCACTC-3'〔配列番号4〕(66RT14);5'-CCAGTATCAGCACTC-3' 〔配列番号5〕(66RT15);および5'-GCCAGTATCAGCACTC-3'〔配列番号6〕(66RT16)。
【0068】
1F27および57R27 プライマーを使ってPCRを行った。3x32R25 または3x30R25 プローブのいずれかを含むビーズ上にPCR生成物を通過させた。その結果を陽性結果を与える試料の百分率として下記の第3表に示す。
【0069】
【表3】
【0070】
この表は、増加していくRTプライマー長さを使用した時の%プローブ陽性結果を要約する。長さ16ヌクレオチドまでのRTプライマーを逆転写反応に使った時にコピー数感度の更なる改善が見られる。HCV標的を反応あたり3コピーで使用した時には感度の相違が見られる。総括的考察として、14〜16マーをRTプライマーとして使った場合に大きな感度が達成された。更に、コピー数やRTプライマー長さに関係なく、副生成物形成には有意な相違が見られなかった。感度に関しては、わずかに長いRTプライマー(例えば14〜16マー)を使って逆転写を開始させた時に3′NC増幅は一層感受性であるだろう。この実験では、反応あたり50コピー数では感度に相違がなかったが、3コピー数では相違が観察され、長いRTプライマーがより大きいコピー数感度を提供するようである。
Claims (10)
- 生物学的試料中のC型肝炎ウイルス(HCV)RNAの逆転写方法であって、
(a) 前記試料から誘導されたRNAを、1または複数のオリゴヌクレオチドが前記RNAの少なくとも一部分に相補的なcDNAの合成を開始するような条件下で、前記1または複数のオリゴヌクレオチドと接触させる
ことを含んで成り、前記オリゴヌクレオチドが
(i) 5'-GTATCAGCACTC-3' (66RT12)〔配列番号2〕,
(ii)5'-AGTATCAGCACTC-3' (66RT13) 〔配列番号3〕,
(iii) 5'-CAGTATCAGCACTC-3' (66RT14)〔配列番号4〕,
(iv) 5'-CCAGTATCAGCACTC-3' (66RT15) 〔配列番号5〕,
(v) 5'-GCCAGTATCAGCACTC-3' (66RT16)〔配列番号6〕および
(vi) 前記のものの任意組合せ
から成る群より選ばれることを特徴とする方法。 - 前記試料が血液、血清、血漿、唾液および脳脊髄液から成る群より選ばれる、請求項1に記載の方法。
- (b) 前記cDNAを回収することを更に含んで成る、請求項1に記載の方法。
- 生物学的試料中のC型肝炎ウイルス(HCV)RNAの存在の検出方法であって、
(a) 鋳型として前記試料から誘導されたRNAを使用しそしてプライマーとして前記RNA中に含まれる配列に相補的なオリゴヌクレオチドを使用して逆転写反応を行うことにより、HCV特異的逆転写生成物を生成させ、前記プライマーが
(i) 5'-GTATCAGCACTC-3' (66RT12)〔配列番号2〕,
(ii)5'-AGTATCAGCACTC-3' (66RT13) 〔配列番号3〕,
(iii) 5'-CAGTATCAGCACTC-3' (66RT14)〔配列番号4〕,
(iv) 5'-CCAGTATCAGCACTC-3' (66RT15) 〔配列番号5〕,
(v) 5'-GCCAGTATCAGCACTC-3' (66RT16)〔配列番号6〕および
(vi) 前記のものの任意組合せ
から成る群より選ばれ;
(b) 前記逆転写反応の生成物を増幅させることにより増幅生成物を生成させ;そして
(c) 前記増幅生成物を検出する
ことを含んで成り、前記増幅生成物の検出が前記試料中のHCV RNAの存在を示すことを特徴とする方法。 - 前記試料が血液、血清、血漿、唾液および脳脊髄液から成る群より選ばれる、請求項4に記載の方法。
- 前記増幅が、ポリメラーゼ連鎖反応、リガーゼ連鎖反応、鎖置換反応、核酸一塩基置換および転写媒介増幅から成る群より選ばれた方法により行われる、請求項4に記載の方法。
- 前記検出が、アガロースゲル電気泳動、アクリルアミドゲル電気泳動、比色検出、ECi検出、蛍光検出、放射性同位体検出および化学発光検出から成る群より選ばれた方法により行われる、請求項4に記載の方法。
- 次のオリゴヌクレオチド:
5'-GTATCAGCACTC-3' (66RT12) 〔配列番号2〕,
5'-AGTATCAGCACTC-3' (66RT13)〔配列番号3〕,
5'-CAGTATCAGCACTC-3' (66RT14) 〔配列番号4〕,
5'-CCAGTATCAGCACTC-3' (66RT15)〔配列番号5〕および
5'-GCCAGTATCAGCACTC-3' (66RT16) 〔配列番号6〕
から成る群より選ばれたオリゴヌクレオチド。 - 次のオリゴヌクレオチド:
5'-GTATCAGCACTC-3' (66RT12) 〔配列番号2〕,
5'-AGTATCAGCACTC-3' (66RT13)〔配列番号3〕,
5'-CAGTATCAGCACTC-3' (66RT14) 〔配列番号4〕,
5'-CCAGTATCAGCACTC-3' (66RT15)〔配列番号5〕および
5'-GCCAGTATCAGCACTC-3' (66RT16) 〔配列番号6〕
から成る群より選ばれたHCV特異的逆転写プライマー。 - 生物学的試料中のHCVの検出用のキットであって、
(i) 5'-GTATCAGCACTC-3' (66RT12)〔配列番号2〕,
(ii)5'-AGTATCAGCACTC-3' (66RT13) 〔配列番号3〕,
(iii) 5'-CAGTATCAGCACTC-3' (66RT14)〔配列番号4〕,
(iv) 5'-CCAGTATCAGCACTC-3' (66RT15) 〔配列番号5〕,
(v) 5'-GCCAGTATCAGCACTC-3' (66RT16)〔配列番号6〕および
(vi) 前記のものの任意組合せ
から成る群より選ばれた1または複数の逆転写プライマーを含んで成るキット。
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