JP4624318B2 - バーストモード光パワー測定を容易にする方法およびシステム - Google Patents

バーストモード光パワー測定を容易にする方法およびシステム Download PDF

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Description

本明細書中で行われる開示は、一般に、パッシブ光ネットワーク内の光パワー測定に関し、より詳細には、バーストモード光パワー測定を容易にする技法に関する。
光データネットワークの従来の光入力パワー測定方法は、トランスインピーダンス型増幅器(TIA)または制限増幅器(LimAmp)によって行われる平均電流電圧変換からなる。TIAまたはLimAmpは、光データネットワークの受信器データパスに提供される。パッシブ光ネットワーク(PON)の場合、光回線終端装置(OLT)アプリケーションで使用されるこれらの装置の1つの主な機能は、高周波フォトダイオード電流をデジタル電圧レベルに変換してデータを復元することである。場合によっては、TIAまたはLimAmpは、平均光入力パワーに比例する出力電圧も提供し、この出力電圧は、外部回路によって使用されて受信信号強度表示(RSSI)測定を発生する。
BPON(すなわちブロードバンドパッシブ光ネットワーク)やGPON(すなわちギガビットパッシブ光ネットワーク)など、知られている光ネットワーク技術は、比較的高ビットレートのバーストモード伝送を使用する。したがって、BPONおよびGPONは、バーストモード使用可能PON技術と呼ばれる。バーストモード使用可能PON技術の入力パワー測定を容易にするには、ネットワークのメディアアクセスコントローラ(MAC)に、RSSI測定によって光ネットワークユニット(ONU)バーストを調整する機能を実装する必要がある。しかし、現在までのところ、そのような従来の光入力パワー測定を容易にするために必要なMAC層の機能に対する解決策は何も存在しないことが知られている。そのようなMAC層の機能の一例は、アナログ信号情報を対応するデジタル信号情報に変換するアナログデジタル変換器(ADC)の制御を容易にすることである。
従来の光入力パワー測定法は、大きな追加コストおよび複雑さを課すことなく、GPONなど、比較的高ビットレートの用途に実施された場合、1つまたは複数の制約を示す。従来の光入力パワー測定法を使用する場合、そのような測定を容易にするための1つの制約は、応答時間である。この応答時間は、通常1ミリ秒を超える。測定のために共用媒体上にタイムスロット(通常マイクロ秒)が割り当てられなければならないGPONなどのバーストモードシステムでは、1つのONUからのパワーを測定するのにかかる時間は、他のエンドユーザのためのクオリティオブサービス要件を満たすシステムの能力に影響を与える。したがって、GPONシステムでは、ミリ秒単位の応答時間は受け入れ不可能と考えられる。他の制約は、そのような測定に関連するダイナミックレンジである。ダイナミックレンジは、平均フォトダイオード電流と直線的に変化する電圧出力の使用によって制限され、その結果、入力パワーレンジのハイエンドではボルト単位の電圧出力になり、入力パワーレンジのローエンドではミリボルト単位の電圧出力になる。この出力電圧が大地電位と関係付けられる場合は、雑音やオフセット電圧などの影響を抑えるために回路実装に十分な注意が必要である。入力電圧の測定を容易にするのに利用されるADCは、低パワーレベルでの正確性の要件を満たすために比較的高変換能力を有することが必要である。この変換能力の要件はコスト増大と同時に変換時間増大の一因となる。さらに、電流電圧利得を決定し、したがって正確性に影響を与えるTIAトランスインピーダンスは、温度およびデバイスロットによってかなり大きく変わる傾向がある。さらに他の制約は、正確性が受け入れ可能な程度より低いことである。線形電流電圧変換を利用する従来の光入力パワー測定法は、電圧をdBm単位の光パワーに変換する対数関数の計算を必要とする。OLTに関するそのような計算またはテーブルルックアップは、OLTの処理パワーおよび/またはメモリが限定されているので、追加エラーの一因となる。他の制約は、TIAまたは他のデータパス装置に組み込まれたRSSI測定方法は、データパスでどの装置が使用されることができるかを制限する効果を有することである。
したがって、光入力パワー測定を容易にする従来の方法に関連する制約を少なくとも部分的に克服する方式で光入力パワー測定を容易にすることは有用で有利であろう。
本発明は、光入力パワーを測定する非侵入型方法を提供し、それによって、測定された光パワーが監視されることができるようにする。
そのようにして、本発明は、光システム装置が、測定された光入力パワーに応じてシステム性能を改善するために、正常な動作中にシステムパラメータを調整することができるようにする。たとえば、比較的高ビットレートのバーストモード伝送を利用する光ネットワーク技術(たとえばGPONやBPON)は、光入力パワー測定から得られた情報を使用して関連するパッシブ光ネットワークの光インターフェースの性能要件を低減し、それによりシステム性能の改善をサポートすることができるので、そのような非侵入型測定法を実施するのに特に適しており、そのような非侵入型測定法から利益を受ける。さらに、本発明によって光入力パワー測定を容易にすることは、従来の測定法に比べてより速い応答、より大きなダイナミックレンジ、より大きな正確性を提供し、これは、GPONやBPONなど、複雑で高帯域幅の光ネットワーク技術では、光入力パワー測定値に応じてシステムパラメータを調節するために必須である。
本発明の一実施形態では、光回線終端装置は、DC電流負荷、パワー測定回路、上流データパス回路および電流ミラー回路を備える。電流ミラー回路は、DC電流負荷、パワー測定回路および上流データパス回路の間に接続される。
本発明の他の実施形態では、光入力パワー監視装置は、電流ミラー回路およびパワー測定回路を備える。電流ミラー回路は、第1出力および第2出力を含む。パワー測定回路は、第2出力に接続される。電流ミラー回路は、第1電流のコピーを生成し、第2出力を介して第1電流のコピーを出力し、第1出力を介して第1電流を出力するように構成される。
本発明の他の実施形態では、1つの方法は、受信信号強度表示を発生するように構成される。1つの動作は、総電流のコピーを提供するように行われる。総電流は、DC電流負荷による電流ドローとパッシブ光ネットワーク内の上流データパス回路のフォトダイオードによる電流ドローの合計である。総電流のコピーを提供した後、総電流をデジタル電圧に変換するために1つの動作が行われ、それに続いて、デジタル電圧をパワーレベルに変換するために1つの動作が行われる。
ここで本発明の特定の諸態様に戻ると、少なくとも一実施形態では、DC電流負荷は、上流データパス回路のフォトダイオードとパラレルに接続される。
本発明の少なくとも一実施形態では、DC電流負荷は、実質的に固定された負荷を示す。
本発明の少なくとも一実施形態では、電流ミラーは、総電流のコピーをパワー測定回路に提供し、総電流は、DC電流負荷による電流ドローとフォトダイオードによる電流ドローの合計である。
本発明の少なくとも一実施形態では、パワー測定回路はアナログ増幅回路およびアナログデジタル変換回路を含み、アナログ増幅回路は電流ミラー回路とアナログデジタル変換回路の間に接続され、電流ミラー回路はアナログ増幅回路に総電流のコピーを提供し、総電流はDC電流負荷による電流ドローと上流データパス回路のフォトダイオードによる電流ドローの合計である。
本発明の少なくとも一実施形態では、パワー測定回路は、電流ミラー回路とアナログ増幅回路の間に接続された第1アナログフィルタ、およびアナログ増幅回路とアナログデジタル変換回路の間に接続された第2アナログフィルタを含む。
本発明の少なくとも一実施形態では、アナログ増幅回路は総電流に依存するアナログ電圧を出力し、アナログデジタル変換回路はアナログ電圧に依存するデジタル電圧を出力し、パワー測定回路は、デジタル電圧に依存するパワーレベルを出力するパワー測定モジュールを含む。
本発明の少なくとも一実施形態では、パワー測定回路はカウンタを含み、パワー測定回路は、アナログ電流およびアナログ電圧の少なくとも1つでの予期された変化に呼応してカウンタを始動し、カウンタが所定のカウント数を達成したときアナログ電圧のアナログデジタル変換を開始するように構成される。
本発明の少なくとも一実施形態では、総電流のコピーを提供する動作は、DC電流負荷による電流ドローと上流データパス回路のフォトダイオードによる電流ドローの両方を電流ミラー回路に提供することを含む。
本発明の少なくとも一実施形態では、総電流をデジタル電圧に変換することは、総電流に依存するアナログ電圧を発生するアナログ増幅回路に総電流を供給し、アナログ電圧に依存するデジタル電圧を発生するアナログデジタル変換回路にアナログ電圧を提供することを含む。
本発明の少なくとも一実施形態では、デジタル電圧をパワーレベルに変換することは、デジタル電圧に依存するパワーレベルを発生するパワー測定モジュールにデジタル電圧を供給することを含む。
本発明の少なくとも一実施形態では、アナログ電圧をデジタル電圧に変換することは、フォトダイオードに電圧を加えることに呼応してカウンタを始動することと、カウンタが所定のカウント数を達成したときアナログ電圧のアナログデジタル変換を開始することとを含む。
本発明の少なくとも一実施形態では、デジタル電圧のパワーレベルへの変換は、総電圧のデジタル電圧への変換の完了に呼応して行われる。
本発明のこれらおよび他の目的、実施形態の利点および/または相違は、以下の説明、関連する図面、および添付の特許請求の範囲をさらに詳しく検討することによって容易に明らかになる。
パッシブ光ネットワーク(PON)では、各光回線終端装置(OLT)は、光ファイバプラントを介していくつかの光ネットワークユニット(ONU)に接続される。OLTは、一般にサービスプロバイダの構内にあるユニットであり、各ONUは加入者の構内あるいはその近くにある。ONUは交替でデータをOLTに伝送する。出力校正、ファイバロスなどが異なるため、OLTは、あるONUからは比較的強い光信号を受信し、別のONUからは比較的弱い信号を受信する可能性がある。受信された光信号強度の変化は、OLTが入力データを正しく復元するのを困難(かつ高価)にする可能性がある。
信号強度のそのような変化に関連する不都合な影響を低減するために、OLTの受信器で受信される入力光パワーの範囲を縮小するために、パワーレベリング機構を実装することは有利である。パワーレベリング機構は、ONUにその出力パワーを調整させるメッセージをONUに送る。しかし、OLTは、ONU出力パワーがどのように調整されるべきかに関して決定を行うために、OLTが各ONUからどのようなパワーレベルを受信するのかある程度正確に知らなければならない。現在のOLT受信器技術は、この測定法を標準機能として備えておらず、したがって、別個の受信信号強度表示(RSSI)回路が実装される必要がある。本発明によるOLTは、そのようなRSSI回路を含み、それによってパワーレベリング機能をサポートする。
パワーレベリングの必要条件に加えて、OLTが、システムオペレータによるシステム状態の非侵入型監視(たとえばシステムの動作監視または定期保守)のためにONUごとのベースでdBm単位の入力パワー値を提供できることが望ましい。したがって、本発明によって容易にされた光入力パワー測定は、パワーレベリング勧告を満たすために使用されることができ、その目的にもかなう。
ITU−T勧告G.984で定義されているギガビットPON(GPON)は、本発明によるOLTがパワーレベリング機能をイネーブルにするために実施されることができるPON技術の具体的な例である。しかし、本発明によるパワーレベリングおよび対応するRSSI回路の利点は、他の光ネットワーク技術およびおそらくは一般的な他の用途に適用可能であるということが本明細書中で開示される。
GPON物理媒体依存(PMD)層仕様(すなわち、ITU−T勧告G.984.2、03/2003内の)は、OLTバーストモード受信器のダイナミックレンジ要件を緩和するためにOLT上に実施されることができるパワーレベリング機構について記載している。この仕様はそのような機構に関するいくつかの具体的な勧告を含む。第1の具体的な勧告は、OLTが各ONUバーストの平均光入力パワー(P)を測定することである。これは、測定がPONの正常な動作中に行われなければならないので、測定技法の応答時間に制約を加える。ONUバースト時間が変化できるように、OLTは各ONUに割り当てられるバースト時間を制御する。典型的なバースト時間は、マイクロ秒単位であることが期待される。長いバースト時間は、OLTによって割り当てられることができるが、他のONUからのトラフィックに待ち時間を追加する傾向がある。第2の具体的な勧告は、OLT Rxが、(ITU G.984によって定義されているように)5dBより低い感度でバーストパワーを測定することができなければならないことである。この勧告は、測定技法のダイナミックレンジを定義するのに役立つ。Rx感度要件は、−30dBm(dBミリワット)程度であり、入力パワーレンジの上限は−5dBmの近くであり得る。これは、光入力パワーでは30dB、あるいはOLTのフォトダイオードでは電流出力の60dBのダイナミックレンジになる。第3の具体的な勧告は、OLTの全動作範囲にわたる測定の不確実性範囲は最大4dBであることである。これは、温度および入力パワーレベルの変動を含む、OLTの動作範囲にわたる測定の許容誤差を定義する。本発明によるパワー測定機能は、これらの勧告に対応する手段を提供する。
パワーレベリングの要件に加えて、GPON OLTは、システムオペレータによるシステム状態の非侵入型監視(システムの動作監視またはPM)のために、ONUごとのベースでdBm単位の入力パワー値を提供することができることが望ましい。パワーレベリング勧告を満たすために使用される測定法は、この目的を満たす。
図1は、本明細書中では光回線終端装置(OLT)100と呼ばれる、本発明による光回線終端装置の一実施形態を示す。光回線終端装置100は、フォトダイオードDC電源105、受信信号強度表示(RSSI)回路110、およびフォトダイオード115を備える。RSSI回路110は、フォトダイオードDC電源105とフォトダイオード115の間に接続される。DC電源105は、フォトダイオード115の信号動作中に入力パワー電流をフォトダイオード115に提供する。フォトダイオードDC電源105およびフォトダイオード115は、従来のOLT構成部品であり、したがって、本明細書中ではあまり詳しく議論されない。
RSSI回路110は、DC電流負荷120、パワー測定回路125、および電流ミラー回路130を含む。DC電流負荷120は、フォトダイオード115にパラレルに接続され、これはRSSI回路110の応答時間全体を低減するのに寄与する。電流ミラー回路130は、DC電流負荷120、DC電源105およびパワー測定回路125の間に接続される。従来のフォトダイオードOLT実装での電流の流れの場合と同じように、光入力信号によって、フォトダイオードDC電源105が電流をフォトダイオード115に提供するようになる(すなわち、フォトダイオード電流IP)。しかし、本発明によれば、フォトダイオード115をDC電流負荷120に並列接続することによって、フォトダイオードDC電源105が電流をDC電流負荷120に提供することになる(すなわち、DC負荷電流IL)。フォトダイオード電流IPとDC負荷電流ILは合わせて総電流を表す(すなわち総電流IA)。DC電流負荷120は、温度によってほとんど変化しないオフセット電流を提供するために、温度補償法を実施することが好ましい。
電流ミラー回路130は、総電流IAのコピーをパワー測定回路125に提供し(すなわちミラー電流IM)、それによって、フォトダイオード電流IPの測定がデータパス実装に関係なく行われることができるようにする。本発明によるフォトダイオード電流IPの測定は、RSSI回路かデータパス回路かどちらかに対する改善が互いに影響を与えることなく実施されることができるように、データパス構成部品に依存しないことが有利である(逆の場合も同じ)。
好ましくは、DC電流負荷120は、実質的に固定された負荷を示し、したがって、ミラー電流IMがフォトダイオード電流IPとの知られている関係を有し、OLTの受信器回路に影響を与えることなく測定されることができるように、知られている電流(すなわちDC負荷電流IL)をドローする。OLT100のフォトダイオードDC電源105、フォトダイオード115、および、ONU信号を上流から受信し上流に送信する他の従来の回路は、受信器回路の例である。電流ミラー130は、有利には、OLT100の受信器回路をパワー測定回路125から分離するのに役立ち、これは、OLT100内のフォトダイオード回路115の位置が雑音汚染に非常に敏感なので有利である。
パワー測定回路125は、第1アナログフィルタ131、対数増幅器135、第2アナログフィルタ140、アナログデジタル変換器145、変換開始モジュール150およびパワー計算モジュール155を含む。対数増幅器135は、第1アナログフィルタ131と第2アナログフィルタ140の間に接続される。第2アナログフィルタ140は、対数増幅器135とアナログデジタル変換器145の間に接続される。変換開始モジュール150およびパワー計算モジュール155はそれぞれアナログデジタル変換器145に接続される。
上記で開示されたように、電流ミラー回路130は、総電流IAのコピーをパワー測定回路125に提供する(すなわちミラー電流IM)。ミラー電流IMは、アナログ形式である。好ましくは、しかし必ずしも必要ではなく、ミラー電流IMは、利得を含む(すなわち、IM=GainIP+IL)。ミラー電流IMは、電流ミラー回路130から(すなわち、ミラー電流出力を介して)第1アナログフィルタ131を通して対数増幅器135の入力に提供される。第1アナログフィルタ131は、ミラー電流IMに周波数補償および雑音除去を提供する。対数増幅器135は、ミラー電流IMの平均値に依存するアナログ電圧を出力する(すなわち、ミラー電流IMを変換する)。ミラー電流IMの平均値は、対数スケール上でアナログ電圧に変換され、これは、ダイナミックレンジを増大しdBm単位のフォトダイオード入力パワーの計算を簡単にする。たとえば、1μAミラー電流IMは0.2Vアナログ電圧に相当し、10μAミラー電流IMは0.4Vアナログ電圧に相当し、100μAミラー電流IMは0.6Vアナログ電圧に相当するなどである。有利には、対数スケール上でのミラー電流IMの変換は、様々な入力パワーレベルを、典型的なオフィス環境での(すなわち、構内のスイッチングパワーサプライや他の電子機器からの雑音が存在する中での)比較的低コストのアナログデジタル変換器による測定に適した電圧範囲に変換することによって、ダイナミックレンジを改善する。
対数増幅器135は、RSSI回路110の応答時間に大きな影響を与える。知られている集積化された対数増幅器(たとえば対数増幅器135)の応答時間は、印加された入力電流(すなわちミラー電流IM)に比例して変化する。最初の入力パワー(すなわち、ミラー電流IMから得られたもの)は非常に低く、対数増幅器135の応答時間は受け入れられないほど長い可能性がある。たとえば、典型的な対数増幅器の応答時間は、ゼロ入力パワーで開始し、非常に低い平均入力パワーになる場合、数百マイクロ秒である。約100マイクロ秒より長い応答時間は、上流のONUの帯域幅割当に受け入れられない制約を課す可能性がある。したがって、DC電流負荷120は、応答時間全体を改善するために、有利には、フォトダイオード115(すなわち分流負荷)にパラレルに接続される。DC電流負荷120を含むことは、一定量の電流を下げるのに役立ち、その結果、対数増幅器135の入力は、入力電流オフセットを示す。DC電流負荷120によって発生されたシンク電流は十分大きいので、対数増幅器135を、どんな有効入力に対する応答時間でも受け入れ可能な動作領域に移す。たとえば、1マイクロアンペアのシンク電流によって、約50マイクロ秒までの最大応答時間が生じる可能性がある。シンク電流は、対数増幅器135出力でのオフセット電圧を上げる効果を有するが、その対数利得に影響を与えることはない。
対数増幅器135によって出力されたアナログ電圧は、第2アナログフィルタ140を介してアナログデジタル変換器145の入力(すなわちアナログデジタル変換器入力)に提供される。第2アナログフィルタ140は、アナログ電圧に周波数補償および雑音除去を提供する。アナログデジタル変換器145は、アナログ電圧に依存するデジタル電圧を出力する(すなわち、アナログ電圧を変換する)。
対数増幅器135から出力されたアナログ電圧は、アナログデジタル変換器145に連続して提供される。本発明によれば、変換開始モジュール150は、特定のフォトダイオードバーストに対応するパワー計算を容易にするアナログデジタル変換を開始する。特定のフォトダイオードバーストパワー計算のためのパワー計算は、OLTにローカルに、あるいはシステムのより高いレベルからのいずれかで、開始されてよいことが本明細書中で開示される。たとえば、変換開始モジュール150およびパワー計算モジュール155は、パワー計算がそれを介して開始されてよいGPON MACインターフェースの構成部品でよい。この例では、MACインターフェースは、測定されるべき特定の光ネットワークユニット(ONU)に上流タイムスロットを割り当て、ONUバーストがいつ開始したかを(たとえば標準GPON動作ごとに)知る。アナログデジタル変換のMAC制御は、ONUバーストに関するフォトダイオード入力パワー測定の厳しい調整に寄与する。上流バーストが開始する(すなわち、加圧される)と、MACインターフェースは、終端値がシステム構成に基づいて設定されている変換開始モジュール150のカウンタを始動させる。好ましくは、終端値は、RSSI回路110の設定時間プラス多少のマージンを表す。カウンタが終端値に達すると、変換開始モジュール150は、アナログ電圧のアナログデジタル変換を開始させる。このようにして、RSSI回路110の応答時間は、入力パワー測定がフォトダイオード115の正常な動作中にシグナリングトラフィックに与える影響が低減されて行われることができるように、単一のONUバーストと一致する。
アナログデジタル変換が完了すると、アナログデジタル変換器145はパワー計算モジュールを始動させて、アナログデジタル変換器によって出力されたデジタル電圧に依存するdBmのフォトダイオード入力パワーの計算を容易にする。本発明の一実施形態では、デジタル電圧のdBmのフォトダイオード入力パワー(Pin)への変換は、以下の同次多項式の計算によって定義される。
Pin(dBm)=AxVout+B+f(Vout)
上式で、AおよびBは定数であり、f(Vout)は、ゼロ光入力があった場合にフォトダイオードおよびDC電流シンクからのオフセット電流を計算するVoutの関数である。好ましくは、A、Bおよびf(Vout)の値は、OLT100がランタイムに算術演算(たとえば、掛け算や足し算)しか必要がないように校正されたときに計算され記憶される。
本発明の一代替実施形態では、電流を電圧に変換するために、対数増幅器の代わりに抵抗器またはその他の線形変換回路が使用される。この場合、DC電流負荷は、応答時間全体を改善するためには必要がない。しかし、DC電流負荷は、アナログデジタル変換器入力を低入力パワーレベルで0Vから引き離すことに関連する利益を依然として提供する。そのような代替実施形態は、ダイナミックレンジおよび正確性に関する、知られている既存の入力パワー測定法と同じ問題のいくつかを示す可能性が大きい。しかし、有利には、本発明のこの代替実施形態は、データパス構成部品に依存せず、シグナリングトラフィックに最小の影響しか与えない正常な動作中に、ONUごとの光入力パワーを測定する手段を提供する。
ここで、本発明による入力パワー測定機能の具体的な有用性についての議論に戻ると、PON内の典型的なOLT上のバーストモード受信器回路は、一般に、ビットレートや光配線網(ODN)クラスなどのネットワークパラメータに基づく、特定の光パワー範囲(たとえば、−27dBmから−6dBm)をサポートするように設計される。既存のPONシステムは、オープンループ技法を使用して各ONUからの測定された入力パワーに関して受信器動作点を設定し、OLTの状態(温度など)だけを明らかにし、PON上の状態は明らかにしない。しかし、各光ネットワークユニット(ONU)からの入力パワーが測定されることができ、入力光電気利得が調整されることができる本発明によるシステムでは、OLTの入力範囲は、異なる光ネットワークレベル状態を明らかにするクローズドループ方式で発明的に制御されることができる。有利には、この機能は、追加の6dBmだけ(たとえば、−30dBmから−3dBmに)動作範囲を広げることができる。
GPONなどの(すなわち、ITU勧告G.984で定義されている)PON技法は、OLT受信器回路が、複数の光ネットワークユニット(ONU)からのバーストモード光入力パワーレベルの広いダイナミックレンジをサポートすることを必要とする。これは、一般に、システム要件が温度やエージングなどの動作条件に適合されたある初期状態で受信器動作点を最適化することによって遂行される。上記で議論されたように、GPON規格は、ONU出力パワーレベルがグループ化されることができるようにするパワーレベリング機構について述べている。したがって、パワーレベリングを使用してOLT受信器のダイナミックレンジ要件を約6dBmだけ低減することができる。しかし、望ましくないことには、ONUパワー調整を容易にするための従来の方法は、範囲が粗く、また限定されている。
OLT受信器が、たとえば、アバランシェタイプフォトダイオード(APD)などの可変利得フォトダイオードを使用する場合、受信器の光入力範囲は、APD光電気利得がバイアスレベルに依存するので、APD電圧バイアスを制御することによって調整されることができる。場合によっては、元の受信器動作点によってサポートされない光リンク状態を明らかにするために動作中のOLT受信器の動作範囲を調整することが望ましい。そのような状況の一例は、1つまたは複数のONUからの入力パワーが、サポートされている範囲より高く、したがって受信器の入力過負荷レベルを超えるシステムである。この場合、受信器の動作範囲は、より高い入力過負荷レベルをサポートするために(APD利得を低減することによって)上方にシフトされることができる。そのような状況の他の例は、各ONUからの入力パワーが時が経つにつれてかなり低減し、ODNまたは受信器の特性の変化を示すシステムである。この場合、受信器の動作範囲は、低入力レベルでのビットエラーレート(BER)を改善するために(APD利得を上げることによって)下方にシフトされることができる。
この目的のために、本発明によるRSSI回路を用いてフォトダイオード入力パワー測定(すなわち、ONU入力パワー測定)を容易にすることによって、PON上の各ONUからの入力パワーの正確な測定が可能になる。入力パワーの正確な測定によって、OLTは、ONUが許可された範囲外で動作しているかどうか、あるいは、ONUのグループからのパワーが時が経つにつれてどれほど変化したかなどの状態を判定することができるようになる。したがって、適切なフォトダイオード利得制御と組み合わせての本発明によるRSSI回路の実装は、一定のPON状態に応答してフォトダイオード利得を調整することができるクローズドループシステムを提供する。
そのようなRSSI回路とフォトダイオード利得制御のそのような組合せ実装の利点は、OLT受信器の利得がPONの状態および受信器の特性の測定された変化を明らかにするように調整されることである。これによって、OLTは正しい動作をし、OLTの入力動作範囲を広げるように構成されることができるようになる。さらに、これらの調整は、比較的精細な変換で、比較的広い範囲で行われることができる。
OLT上で使用されるAPDの電圧バイアスは、DC−DC電源の動作点を設定する回路を使用して制御される。電圧バイアスを上げることは、APDの光電気利得を上げる効果を有する。一般に、最大SNRのバイアス点は温度によって変化するので、OLTは、最大信号対雑音比(SNR)を提供するAPDバイアスを使用してバイアスを調整するだけで、温度の変化を明らかにする。
図2を参照すると、本発明によるクローズドループフォトダイオード利得制御を提供するように構成されたGPON OLTの実施形態が示されている。GPON OLTは、本明細書中では、OLT200と呼ばれる。OLT200は、フォトダイオードDC電源205、RSSI210、フォトダイオード215、GPON受信器データパス回路220、およびGPON MAC回路225を含む。RSSI回路210は、図1に示されたものと実質的に同じであり、DC電源205、フォトダイオード215およびGPON MAC回路225の間に接続される。好ましくは、フォトダイオード215は、アバランシェタイプフォトダイオード、または任意選択で、適切なバイアスレベル依存利得を提供するフォトダイオードである。
フォトダイオード215は、RSSI回路210とGPON受信器データパス回路220の間に接続される。クローズドループパス230は、DC電源205、RSSI回路210およびGPON MAC225の間に提供される。フォトダイオードDC電源205の制御によって、図1に関して上記で議論されたRSSI入力パワー測定の結果を使用して、(たとえば、フォトダイオードDC電源205の制御部分を介して)フォトダイオードDC電源205の特定の出力を設定する。
図3は制御ループ300と呼ばれる、図2のOLT200で使用される制御ループの一実施形態を示す。フォトダイオード光電気伝達関数305の出力は、RSSI回路伝達関数310の入力と直列に接続される。OLT200のすべてのONUの測定された光入力パワーレベルP(n)は、RSSI回路伝達関数310の出力から提供される。測定された光入力パワーレベルP(n)は、フォトダイオードバイアス調整ロジック315の入力に提供される。フォトダイオードバイアス調整パラメータB(adj)は、フォトダイオードバイアス調整ロジック315の出力から提供される。フォトダイオードバイアス調整パラメータB(adj)は、基準電圧V(ref)と比較され、結果としての電圧差はフォトダイオード光電気伝達関数305に入力で印加される。
前記の詳しい説明で、本明細書の一部を形成する添付の図面が参照され、それらの図面では、本発明が実施されることができる特定の実施形態が例として示されている。これらの実施形態、およびそれらのある種の変形形態は、当業者が本発明の諸実施形態を実施することができるようにするのに十分詳細に説明されてきた。他の適切な諸実施形態が利用されてもよく、論理的、機械的、化学的および電気的変更がそのような発明の開示の主旨または範囲から逸脱することなく行われてもよいことを理解されたい。不必要な詳細を避けるため、本説明は、当業者に知られているある種の情報を省略する。したがって、前述の詳細な説明は、本明細書中で説明された特定の形態に限定されることを意図するものではなく、それどころか、添付の特許請求の範囲に記載の主旨および範囲内に合理的に含まれる可能性があるような代替物、修正、同等物を含むことを意図するものである。
本発明による、受信信号強度表示回路を含む光回線終端装置の一実施形態を示す図である。 本発明による、クローズドループフォトダイオード利得制御を提供するように構成されたGPON OLTの一実施形態を示す図である。 図2のOLTに使用された制御ループの一実施形態を示す図である。
符号の説明
100 光回線終端装置(OLT)
105、205 フォトダイオードDC電源
110 受信信号強度表示(RSSI)回路
115、215 フォトダイオード
120 DC電流負荷
125 パワー測定回路
130 電流ミラー回路
131 第1アナログフィルタ
135 対数増幅器
140 第2アナログフィルタ
145 アナログデジタル変換器
150 変換開始モジュール
155 パワー計算モジュール
200 OLT
210 RSSI回路
220 GPON受信器データパス回路
225 GPON MAC回路
230 クローズドループパス
300 制御ループ
305 フォトダイオード光電気伝達関数
310 RSSI回路伝達関数
315 フォトダイオードバイアス調整ロジック

Claims (9)

  1. フォトダイオードを含む上流データパス回路と、
    ミラー電流の平均値に依存する対数スケールのアナログ電圧を出力する対数増幅器を含むパワー測定回路と、
    パワー測定回路の応答時間が所定の範囲内の値に実質的に維持されるように対数増幅器の動作領域内で対数増幅器を維持するように構成されたDC電流負荷と、
    前記DC電流負荷、前記パワー測定回路および前記上流データパス回路の間に接続された電流ミラー回路とを備え、該電流ミラー回路が総電流のコピーを前記パワー測定回路に提供し、
    総電流がDC電流負荷による電流ドローとフォトダイオードによる電流ドローとの合計である、光回線終端装置。
  2. 前記パワー測定回路がアナログ増幅回路およびアナログデジタル変換回路を含み、
    前記アナログ増幅回路が前記電流ミラー回路と前記アナログデジタル変換回路の間に接続され、
    前記電流ミラー回路が総電流のコピーを前記アナログ増幅回路に提供し、
    総電流がDC電流負荷による電流ドローと前記上流データパス回路のフォトダイオードによる電流ドローの合計である、請求項1に記載の光回線終端装置。
  3. 前記パワー測定回路が、
    前記電流ミラー回路と前記アナログ増幅回路の間に接続された第1アナログフィルタと、
    前記アナログ増幅回路と前記アナログデジタル変換回路の間に接続された第2アナログフィルタとを含む、請求項に記載の光回線終端装置。
  4. 前記アナログ増幅回路が総電流に依存するアナログ電圧を出力し、
    前記アナログデジタル変換回路がアナログ電圧に依存するデジタル電圧を出力し、
    パワー測定回路が、デジタル電圧に依存するパワーレベルを出力するパワー測定モジュールを含む、請求項に記載の光回線終端装置。
  5. 受信信号強度表示を発生する方法であって、該方法は、
    DC電流負荷による電流ドローとパッシブ光ネットワーク内の上流データパス回路のフォトダイオードによる電流ドローの合計である総電流のコピーを提供するステップと、
    総電流をデジタル電圧に変換するステップとを含み、前記総電流をデジタル電圧に変換するステップは、総電流の平均値に依存する対数スケールのアナログ電圧を出力する対数増幅器に総電流を提供するステップと、DC電流負荷による電流ドローが、パワー測定回路の応答時間が所定の範囲内の値に実質的に維持されるように対数増幅器の動作領域内で対数増幅器を維持する値を持つようにするステップとを含み、前記方法は、
    デジタル電圧をパワーレベルに変換するステップを含む、方法。
  6. 総電流のコピーを提供するステップが、DC電流負荷による電流ドローと上流データパス回路のフォトダイオードによる電流ドローの両方を電流ミラー回路に提供するステップを含む、請求項に記載の方法。
  7. 総電流をデジタル電圧に変換するステップが、総電圧に依存するアナログ電圧を発生するために、総電流をアナログ増幅回路に提供するステップと、アナログ電圧に依存するデジタル電圧を発生するアナログデジタル変換回路にアナログ電圧を提供するステップとを含み、
    デジタル電圧をパワーレベルに変換するステップが、デジタル電圧に依存するパワーレベルを発生するパワー測定モジュールにデジタル電圧を提供するステップを含む、請求項に記載の方法。
  8. アナログ電圧をデジタル電圧に変換する前記ステップが、
    フォトダイオードに電圧を加えるのに応答してカウンタを始動するステップと
    カウンタが所定のカウント数を達成したとき、アナログ電圧のアナログデジタル変換を開始するステップとを含む、請求項に記載の方法。
  9. デジタル電圧をパワーレベルに変換する前記ステップが、総電流をデジタル電圧に変換する前記ステップの完了に応答して行われる、請求項に記載の方法。
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