JP2014093759A - 光通信モジュール、通信装置、受光素子のバイアス電圧調整方法および受光素子の増倍率測定方法 - Google Patents

光通信モジュール、通信装置、受光素子のバイアス電圧調整方法および受光素子の増倍率測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電流増幅作用を有する受光素子を備える構成において、低コストで当該受光素子へのバイアス電圧を良好に調整する。
【解決手段】光通信モジュール101は、受信した光信号の強度に応じた電流を出力し、かつバイアス電圧による増倍率の変更が可能な受光素子PD、の出力電流に対応する電流であって、上記出力電流よりも周波数帯域の低い電流を出力するための受光電流モニタ回路11と、受信した上記光信号の強度に応じた電流であって、受光素子PDの出力電流よりも周波数帯域の低い電流を出力するためのモニタ用受光素子PDと、受光電流モニタ回路11の出力電流およびモニタ用受光素子PDの出力電流を比較し、比較結果に基づいて受光素子PDへのバイアス電圧を調整するためのバイアス調整部12とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、光通信モジュール、通信装置、受光素子のバイアス電圧調整方法および受光素子の増倍率測定方法に関し、特に、電流増幅作用を有する受光素子を備える光通信モジュール、通信装置、当該受光素子の増倍率測定方法および当該受光素子のバイアス電圧調整方法に関する。
近年、インターネットが広く普及しており、利用者は世界各地で運営されているサイトの様々な情報にアクセスし、その情報を入手することが可能である。これに伴って、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)およびFTTH(Fiber To The Home)等のブロードバンドアクセスが可能な装置も急速に普及してきている。
IEEE Std 802.3ah(登録商標)−2004(非特許文献1)には、複数の宅側装置(ONU:Optical Network Unit)が光通信回線を共有して局側装置(OLT:Optical Line Terminal)とのデータ伝送を行なう媒体共有形通信である受動的光ネットワーク(PON:Passive Optical Network)の1つの方式が開示されている。すなわち、PONを通過するユーザ情報およびPONを管理運用するための制御情報を含め、すべての情報がイーサネット(登録商標)フレームの形式で通信されるEPON(Ethernet(登録商標) PON)と、EPONのアクセス制御プロトコル(MPCP(Multi-Point Control Protocol))およびOAM(Operations Administration and Maintenance)プロトコルとが規定されている。局側装置と宅側装置との間でMPCPフレームをやりとりすることによって、宅側装置の加入、離脱、および上りアクセス多重制御などが行なわれる。また、非特許文献1では、MPCPメッセージによる、新規宅側装置の登録方法、帯域割り当て要求を示すレポート、および送信指示を示すゲートについて記載されている。
なお、1ギガビット/秒の通信速度を実現するEPONであるGE−PON(Giga Bit Ethernet(登録商標) Passive Optical Network)の次世代の技術として、IEEE802.3av(登録商標)−2009として標準化が行なわれた10G−EPONすなわち通信速度が10ギガビット/秒相当のEPONにおいても、アクセス制御プロトコルはMPCPが前提となっている。
ところで、PONシステム等において長距離光伝送を実現するために、たとえば受光感度の高いアバランシェフォトダイオード(APD)が受光素子として使用される。APDは、電流増幅作用を有する受光素子であり、APDにおいて、高い温度依存性を有するキャリア増倍係数すなわち増倍率を精度良く維持するためには、APDへの逆バイアス電圧を、APDの温度に応じて調整する必要がある。
APDへの逆バイアス電圧を調整する技術として、たとえば、特開2009−105489号公報(特許文献1)には、以下のような構成が開示されている。すなわち、光信号を送信および受信する送受一体型の光トランシーバであって、レーザダイオードを含む光送信サブアッセンブリと、アバランシェフォトダイオードを含む光受信サブアッセンブリと、温度センサを搭載し、上記温度センサの出力信号に基づいて、上記レーザダイオードを駆動する第1の制御回路と、上記アバランシェフォトダイオードのバイアス電圧を制御する第2の制御回路とを備える。上記第2の制御回路は、上記温度センサの出力に所定のオフセット値を付加した温度補正値に基づいて上記バイアス電圧を制御する。
IEEE Std 802.3ah(登録商標)-2004
特開2009−105489号公報
特許文献1に記載の光トランシーバでは、光トランシーバ内の温度に関するルックアップテーブルを用いたフィードフォワード制御が行なわれる。しかしながら、このようなルックアップテーブルを作成するためには、たとえば、低温、室温および高温での値を用いた3点近似式を使用する必要がある。すなわち、環境試験器の温度変化に要する調整時間が、光トランシーバの調整におけるコストの大部分を占め、作成コストが高くなってしまう。
このような問題点を解決するために、受光素子の調整において、上記のような温度調整が不要となるフィードバック制御を採用することが考えられる。
ここで、APDの増倍率をMとし、APDの受光感度をR[A/W]とし、APDの受光強度をPI[W]とすると、APDの受光電流I[A]は以下の式(A0)で表される。
I=M×R×PI ・・・(A0)
式(A0)において、受光強度PIは、外部から与えられる不確定パラメータである。このため、逆バイアス電圧に依存する増倍率Mのフィードバック制御を行なうことは困難であった。
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、電流増幅作用を有する受光素子を備える構成において、低コストで当該受光素子へのバイアス電圧を良好に調整することが可能な光通信モジュール、通信装置、受光素子のバイアス電圧調整方法および受光素子の増倍率測定方法を提供することである。
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる光通信モジュールは、受信した光信号の強度に応じた電流を出力し、かつバイアス電圧による増倍率の変更が可能な受光素子、の出力電流に対応する電流であって、上記出力電流よりも周波数帯域の低い電流を出力するための受光電流モニタ回路と、受信した上記光信号の強度に応じた電流であって、上記受光素子の出力電流よりも周波数帯域の低い電流を出力するためのモニタ用受光素子と、上記受光電流モニタ回路の出力電流および上記モニタ用受光素子の出力電流を比較し、比較結果に基づいて上記受光素子への上記バイアス電圧を調整するためのバイアス調整部とを備える。
このような構成により、モニタ用受光素子を受光素子とは別の信号経路で用いて、たとえば前述の受光電流Iの式(A0)におけるAPDの受光強度PIを確定させることができる。これにより、受光素子の増倍率のフィードバック制御を行なうことが可能となる。そして、受光素子へのバイアス電圧に依存する増倍率のフィードバック制御を行なうことができるため、特許文献1に記載の技術のような、低温、室温および高温での値を用いた3点近似式を使用したルックアップテーブルの作成を行なう必要がなくなり、1つの温度における調整を行なえば足りる。また、受光素子が受信する光信号、および受光素子の出力電流そのものを測定するのではなく、両者を平均化すなわち周波数帯域を低くした後の信号を生成して測定する構成により、光信号が高速である場合でも、正確な測定を行なうことができる。したがって、電流増幅作用を有する受光素子を備える構成において、低コストで当該受光素子へのバイアス電圧を良好に調整することができる。
好ましくは、上記光通信モジュールは、さらに、光信号を分岐するための光分岐器を備え、上記受光素子および上記モニタ用受光素子は、上記光分岐器によって分岐された光信号を受信する。
このような構成により、受光素子およびモニタ用受光素子への入力光の分岐比を正確かつ安定した値に設定することができるため、たとえば、ビットエラーレート等の通信品質に対する受光素子の増倍率の最適値を容易に得ることができる。
好ましくは、上記バイアス調整部は、上記受光電流モニタ回路の出力電流および上記モニタ用受光素子の出力電流の比が所定値になるように上記バイアス電圧を調整し、上記所定値は、上記受光素子の増倍率の目標値に基づいて設定される。
このような構成により、受光電流モニタ回路の出力電流およびモニタ用受光素子の出力電流の比を用いた簡易な演算処理で、受光素子の増倍率が目標値になるようなバイアス電圧の調整を行なうことができる。すなわち、受光素子の増倍率を、受光素子の温度変化によらず一定値に制御することができる。
好ましくは、上記受光電流モニタ回路は、上記受光素子と電気的に接続され、上記受光素子の出力電流を参照電流とし、上記参照電流に対応するミラー電流を出力するためのカレントミラー回路と、上記カレントミラー回路から出力される上記ミラー電流の周波数成分のうち、所定の周波数以上の成分を減衰させて上記バイアス調整部へ出力するためのフィルタ回路とを含む。
このような構成により、受光素子の出力電流に対して影響を与えることなく、受光素子の出力電流に対応する低周波電流を生成することができる。
より好ましくは、上記フィルタ回路の時定数は、上記光信号のビットレートの逆数よりも大きく、かつ上記バイアス調整部における上記ミラー電流のサンプリング周期よりも小さい。
このような構成により、ミラー電流のフィルタ回路の時定数を適切な値に設定することができるため、受光素子の出力電流を平均化した電流を生成して適切に測定しながら、当該測定を光信号の強度変動に追随させることができる。
好ましくは、上記光通信モジュールは、さらに、上記受光素子に供給される上記バイアス電圧を制限するためのバイアス制限部を備える。
このような構成により、たとえば光通信モジュールへの入力光が微小であり、受光電流モニタ回路の出力電流およびモニタ用受光素子の出力電流の測定精度に関し一定水準を確保することができない場合でも、バイアス電圧が誤った値に設定されることを防ぐことができる。
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる通信装置は、局側装置と光信号を送受信するための通信装置であって、受信した光信号の強度に応じた電流を出力し、かつバイアス電圧による増倍率の変更が可能な受光素子、の出力電流に対応する電流であって、上記出力電流よりも周波数帯域の低い電流を出力するための受光電流モニタ回路と、受信した上記光信号の強度に応じた電流であって、上記受光素子の出力電流よりも周波数帯域の低い電流を出力するためのモニタ用受光素子と、上記受光電流モニタ回路の出力電流および上記モニタ用受光素子の出力電流を比較し、比較結果に基づいて上記受光素子への上記バイアス電圧を調整するためのバイアス調整部とを備える。
このような構成により、モニタ用受光素子を受光素子とは別の信号経路で用いて、たとえば前述の受光電流Iの式(A0)におけるAPDの受光強度PIを確定させることができる。これにより、受光素子の増倍率のフィードバック制御を行なうことが可能となる。そして、受光素子へのバイアス電圧に依存する増倍率のフィードバック制御を行なうことができるため、特許文献1に記載の技術のような、低温、室温および高温での値を用いた3点近似式を使用したルックアップテーブルの作成を行なう必要がなくなり、1つの温度における調整を行なえば足りる。また、受光素子が受信する光信号、および受光素子の出力電流そのものを測定するのではなく、両者を平均化すなわち周波数帯域を低くした後の信号を生成して測定する構成により、光信号が高速である場合でも、正確な測定を行なうことができる。したがって、電流増幅作用を有する受光素子を備える構成において、低コストで当該受光素子へのバイアス電圧を良好に調整することができる。
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる受光素子のバイアス電圧調整方法は、受信した光信号の強度に応じた電流を出力し、かつバイアス電圧による増倍率の変更が可能な受光素子、の増倍率が、上記受光素子へのバイアス電圧を変化させても一定となるような範囲における上記バイアス電圧を設定するステップと、設定した上記バイアス電圧を上記受光素子に供給している状態において、上記受光素子の出力電流に対応する電流であって、上記出力電流よりも周波数帯域の低い電流である対応電流を測定するとともに、受信した上記光信号の強度に応じた電流であって、上記受光素子の出力電流よりも周波数帯域の低い電流を出力するためのモニタ用受光素子の出力電流を測定するステップと、測定した上記対応電流と測定した上記モニタ用受光素子の出力電流との比、および上記受光素子の増倍率の目標値に基づいて、上記対応電流と上記モニタ用受光素子の出力電流との比の目標値を設定するステップと、上記受光素子および上記モニタ用受光素子が光信号を受信している状態において、上記対応電流と上記モニタ用受光素子の出力電流との比が上記目標値になるように、上記受光素子へのバイアス電圧を調整するステップとを含む。
これにより、モニタ用受光素子を受光素子とは別の信号経路で用いて、たとえば前述の受光電流Iの式(A0)におけるAPDの受光強度PIを確定させることができる。これにより、受光素子の増倍率のフィードバック制御を行なうことが可能となる。そして、受光素子へのバイアス電圧に依存する増倍率のフィードバック制御を行なうことができるため、特許文献1に記載の技術のような、低温、室温および高温での値を用いた3点近似式を使用したルックアップテーブルの作成を行なう必要がなくなり、1つの温度における調整を行なえば足りる。また、受光素子が受信する光信号、および受光素子の出力電流そのものを測定するのではなく、両者を平均化すなわち周波数帯域を低くした後の信号を生成して測定する構成により、光信号が高速である場合でも、正確な測定を行なうことができる。したがって、電流増幅作用を有する受光素子を備える構成において、低コストで当該受光素子へのバイアス電圧を良好に調整することができる。
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる受光素子の増倍率測定方法は、受信した光信号の強度に応じた電流を出力し、かつバイアス電圧による増倍率の変更が可能な受光素子、の出力電流の平均成分を検出するステップと、受信した上記光信号の強度に応じた電流であって、上記受光素子の出力電流よりも周波数帯域の低い電流を出力するためのモニタ用受光素子の出力電流に基づいて上記光信号の平均成分を検出するステップと、検出した各上記平均成分を比較し、比較結果に基づいて上記受光素子の増倍率を測定するステップとを含む。
これにより、モニタ用受光素子を受光素子とは別の信号経路で用いて、たとえば前述の受光電流Iの式(A0)におけるAPDの受光強度PIを確定させることができる。これにより、受光素子の増倍率のフィードバック制御を行なうことが可能となる。そして、受光素子へのバイアス電圧に依存する増倍率のフィードバック制御を行なうことができるため、特許文献1に記載の技術のような、低温、室温および高温での値を用いた3点近似式を使用したルックアップテーブルの作成を行なう必要がなくなり、1つの温度における調整を行なえば足りる。また、受光素子が受信する光信号、および受光素子の出力電流そのものを測定するのではなく、両者を平均化すなわち周波数帯域を低くした後の信号を生成して測定する構成により、光信号が高速である場合でも、正確な測定を行なうことができる。したがって、電流増幅作用を有する受光素子を備える構成において、低コストで当該受光素子へのバイアス電圧を良好に調整することができる。
本発明によれば、電流増幅作用を有する受光素子を備える構成において、低コストで当該受光素子へのバイアス電圧を良好に調整することができる。
本発明の実施の形態に係るPONシステムの構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係るPONシステムにおけるONUの構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係るONUにおける光通信モジュールの構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る光通信モジュールにおけるバイアス制御部の構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る光通信モジュールにおけるROSAの構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る光通信モジュールにおける受光素子の電流増倍特性の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る光通信モジュールにおける受光素子への逆バイアス電圧および通信品質の関係の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係るバイアス制御部におけるDC/DCコンバータの構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る光通信モジュールにおける受光素子のバイアス電圧調整方法の手順の一部を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る光通信モジュールにおける受光素子のバイアス電圧調整方法の手順の一部を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る光通信モジュールにおける受光素子のバイアス電圧調整方法の手順の一部を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る光通信モジュールにおける受光素子の増倍率測定方法の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る光通信モジュールにおけるバイアス制限部の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
図1は、本発明の実施の形態に係るPONシステムの構成を示す図である。
図1を参照して、PONシステム301は、たとえば10G−EPONであり、ONU202A,202B,202Cと、上位ネットワークに接続された局側装置201と、スプリッタSPとを備える。ONU202A,202B,202Cと局側装置201とは、スプリッタSPおよび光ファイバOPTFを介して接続され、互いに光信号を送受信する。
図2は、本発明の実施の形態に係るPONシステムにおけるONUの構成を示す図である。
図2を参照して、ONU202は、光通信モジュール101と、PON受信処理部92と、バッファメモリ93と、UN送信処理部94と、UNI(User Network Interface)ポート95と、UN受信処理部96と、バッファメモリ97と、PON送信処理部98と、制御部99とを備える。
光通信モジュール101は、ONU202に対して脱着可能である。光通信モジュール101は、局側装置201から送信される下り光信号を受信し、電気信号に変換して出力する。
PON受信処理部92は、光通信モジュール101から受けた電気信号からフレームを再構成するとともに、フレームの種別に応じて制御部99またはUN送信処理部94にフレームを振り分ける。具体的には、PON受信処理部92は、データフレームをバッファメモリ93経由でUN送信処理部94へ出力し、制御フレームを制御部99へ出力する。
制御部99は、各種制御情報を含む制御フレームを生成し、UN送信処理部94へ出力する。
UN送信処理部94は、PON受信処理部92から受けたデータフレームおよび制御部99から受けた制御フレームをUNIポート95経由で図示しないパーソナルコンピュータ等のユーザ端末へ送信する。
UN受信処理部96は、UNIポート95経由でユーザ端末から受信したデータフレームをバッファメモリ97経由でPON送信処理部98へ出力し、UNIポート95経由でユーザ端末から受信した制御フレームを制御部99へ出力する。
制御部99は、MPCPおよびOAM等、局側装置201およびONU202間のPON回線の制御および管理に関する宅側処理を行なう。すなわち、PON回線に接続されている局側装置201とMPCPメッセージおよびOAMメッセージをやりとりすることによって、アクセス制御等の各種制御を行なう。制御部99は、各種制御情報を含む制御フレームを生成し、PON送信処理部98へ出力する。また、制御部99は、ONU202における各ユニットの各種設定処理を行なう。
PON送信処理部98は、UN受信処理部96から受けたデータフレームおよび制御部99から受けた制御フレームを光通信モジュール101へ出力する。
光通信モジュール101は、PON送信処理部98から受けた電気信号であるデータフレームおよび制御フレームを光信号に変換し、局側装置201へ送信する。
図3は、本発明の実施の形態に係るONUにおける光通信モジュールの構成を示す図である。
図3を参照して、光通信モジュール101は、バースト送信部151と、受信部152とを含む。バースト送信部151は、プリアンプ86と、出力バッファ回路(変調電流供給回路)87と、バイアス電流供給回路88と、発光回路89とを含む。発光回路89は、発光素子LDと、インダクタL1,L2とを含む。受信部152は、受光素子PDと、TIA(トランスインピーダンスアンプ)81と、LIA(制限アンプ)82と、バイアス制御部83と、出力バッファ85とを含む。
バースト送信部151において、プリアンプ86は、UN受信処理部96からのデータフレームおよび制御部99からの制御フレームである送信データを受けて、当該送信データを増幅して出力する。たとえば、プリアンプ86は、当該送信データを、信号線INP,INNから差動信号として受ける。
出力バッファ回路87は、プリアンプ86から受けた送信データに基づいて、発光回路89に変調電流を供給する。この変調電流は、局側装置201へ送信すべきデータの論理値に応じた大きさの電流である。
発光回路89は、上り光信号を局側装置201へ送信する。発光回路89において、発光素子LDは、固定電圧たとえば電源電圧Vccの供給される電源ノードにインダクタL1を介して接続され、また、バイアス電流供給回路88にインダクタL2を介して接続されている。発光素子LDは、バイアス電流供給回路88から供給されたバイアス電流、および出力バッファ回路87から供給された変調電流に基づいて発光し、かつ発光強度を変更する。
受信部152において、受光素子PDは、たとえばアバランシェフォトダイオードである。受光素子PDは、局側装置201から受信した光信号を電気信号たとえば電流に変換して出力する。
TIA81は、受光素子PDから受けた電流を電圧に変換してLIA82へ出力する。
LIA82は、TIA81から受けた電圧のレベルを2値化し、受信データとして出力する。
出力バッファ85は、LIA82から受けた受信データを増幅してPON受信処理部92へ出力する。たとえば、出力バッファ85は、当該受信データを、差動信号として信号線OUTP,OUTNから出力する。
バイアス制御部83は、固定電圧たとえば電源電圧Vccの供給される電源ノードに接続され、受光素子PDにバイアス電圧を供給する。バイアス制御部83は、バイアス電圧の調整機能を有する。
また、たとえば、発光素子LDは、アセンブリされた発光モジュール(以下、TOSA:Transmitter Optical Sub-Assemblyとも称する。)に内蔵されている。また、受光素子PDおよびTIA81、ならびにバイアス制御部83の一部は、アセンブリされた受光モジュール(以下、ROSA:Receiver Optical Sub-Assemblyとも称する。)に内蔵されている。
図4は、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールにおけるバイアス制御部の構成を示す図である。
図4を参照して、バイアス制御部83は、モニタ用受光素子MPDと、DC/DCコンバータ(受光電流モニタ回路)11と、CPU(バイアス調整部)12と、抵抗14〜16とを含む。抵抗14,15,16の抵抗値は、それぞれRa,Rb,Rcである。なお、抵抗14および16は、DC/DCコンバータ11に含まれていてもよい。
受光素子PDは、DC/DCコンバータ11に接続されたカソードと、TIA81の入力端に接続されたアノードとを有する。モニタ用受光素子MPDは、電源電圧Vccの供給される電源ノードに接続されたカソードと、CPU12の入力端および抵抗15の第1端に接続されたアノードとを有する。抵抗15の第2端は、接地電圧の供給される接地ノードに接続されている。抵抗14は、CPU12の出力端およびDC/DCコンバータ11の入力端に接続された第1端と、接地ノードに接続された第2端とを有する。抵抗16は、DC/DCコンバータ11の出力端およびCPU12の入力端に接続された第1端と、接地ノードに接続された第2端とを有する。モニタ用受光素子MPD、DC/DCコンバータ11およびTIA81に電源電圧Vccが供給されている。
受光素子PDは、局側装置201から光ファイバOPTF経由で受信した光信号Pin1の強度に応じた電流IapdをTIA81へ出力する。また、受光素子PDは、逆バイアス電圧Vapdによる増倍率Mの変更が可能である。
モニタ用受光素子MPDは、たとえばPINフォトダイオードであり、増倍率は一定である。モニタ用受光素子MPDは、局側装置201から光ファイバOPTF経由で受信した光信号Pin2の強度に応じた電流Impdを出力する。この電流Impdは、受光素子PDの出力電流Iapdよりも周波数帯域の低い電流である。
電流Impdは、抵抗15によって電圧Vmpdに変換され、CPU12に供給される。CPU12は、内蔵するA/Dコンバータによって電圧Vmpdのデジタル値を取得する。このように、CPU12の内蔵部品を利用することにより、光通信モジュール101における部品点数を削減することができる。
図5は、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールにおけるROSAの構成を示す図である。
図5を参照して、光通信モジュール101は、さらに、ハーフミラー(光分岐器)17を含む。
ハーフミラー17は、たとえばROSAに内蔵されており、局側装置201から光ファイバOPTF経由で受信した光信号Pinを光信号Pin1および光信号Pin2に分岐し、それぞれ受光素子PDおよびモニタ用受光素子MPDへ出力する。
光信号Pin、光信号Pin1および光信号Pin2の強度の関係は、以下の式(A1)で表される。
Pin=Pin1+Pin2 ・・・(A1)
なお、光信号Pinを分岐する光分岐器は、ハーフミラー17としてROSAに内蔵される構成に限らず、ROSAの外部、たとえば光通信モジュール101の外部に設けられてもよい。
再び図4を参照して、DC/DCコンバータ11は、受光素子PDの出力電流Iapdに対応する電流Irssiを出力する。この電流Irssiは、電流Iapdよりも周波数帯域の低い電流である。
電流Irssiは、抵抗16によって電圧Vrssiに変換され、CPU12に供給される。CPU12は、内蔵するA/Dコンバータによって電圧Vrssiのデジタル値を取得する。このように、CPU12の内蔵部品を利用することにより、光通信モジュール101における部品点数を削減することができる。
CPU12は、DC/DCコンバータ11の出力電流Irssiおよびモニタ用受光素子MPDの出力電流Impdを比較し、比較結果に基づいて受光素子PDへの逆バイアス電圧Vapdを調整する。たとえば、CPU12は、電流Irssiの電圧変換値および電流Impdの電圧変換値を比較する。なお、CPU12は、たとえば、光信号の概ね直流成分を検出できればよく、受光素子PDの出力電流Iapdおよびモニタ用受光素子MPDの出力電流Impdは、概ね直流成分であってもよい。
DC/DCコンバータ11は、CPU12による逆バイアス電圧Vapdの調整に従って、受光素子PDに逆バイアス電圧Vapdを供給する。
より詳細には、CPU12は、電圧Vrssiおよび電圧Vmpdを比較し、比較結果に基づいて電流Ictrlを生成して出力する。電流Ictrlは、抵抗14によって電圧Vctrlに変換され、DC/DCコンバータ11に供給される。
DC/DCコンバータ11は、CPU12から受けた電圧Vctrlに基づいて、受光素子PDに逆バイアス電圧Vapdを供給する。
具体的には、逆バイアス電圧Vapdは、DC/DCコンバータ11の回路構成で定まる係数K1,K2、および電圧Vctrlを用いて、以下の式(B1)で表される。
Vapd=K1×Vctrl+K2 ・・・(B1)
また、抵抗14の抵抗値をRaとすると、電圧Vctrlは、CPU12の出力電流Ictrlを用いて、以下の式(B2)で表される。
Vctrl=Ictrl×Ra ・・・(B2)
式(B1)および式(B2)より、受光素子PDへの逆バイアス電圧Vapdは、CPU12の出力電流Ictrlによって変更されることが分かる。
たとえば、CPU12は、内蔵するD/Aコンバータによって制御デジタル値から電流Ictrlへの変換を行なう。このように、CPU12の内蔵部品を利用することにより、光通信モジュール101における部品点数を削減することができる。
また、受光素子PDの増倍率をMとし、受光素子PDの受光感度をRS1[A/W]とし、受光素子PDの受光強度をPin1[W]とすると、受光素子PDの出力電流Iapd[A]は、以下の式(C1)で表される。
Iapd=M×RS1×Pin1 ・・・(C1)
図6は、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールにおける受光素子の電流増倍特性の一例を示す図である。図6において、横軸は逆バイアス電圧Vapdであり、縦軸は出力電流Iapdである。
図6を参照して、受光素子PDへの逆バイアス電圧Vapdを大きくするほど、出力電流Iapdは大きくなる。すなわち、増倍率Mは大きくなる。
より詳細には、受光素子PDの増倍率Mは、逆バイアス電圧Vapdが小さいとき、逆バイアス電圧Vapdをある一定の範囲で変化させてもアバランシェ増倍が発生せず、一定となる。このときの増倍率Mを1とする。
そして、逆バイアス電圧Vapdが、上記範囲に含まれるV1から上昇してV2になると、逆バイアス電圧VapdがV1のときと比べて出力電流Iapdは10倍となる。すなわち、逆バイアス電圧VapdがV2のとき、増倍率Mは10である。
また、受光素子PDの増倍率Mは強い温度特性を有し、図6に示すように、受光素子PDの温度が上昇すると出力電流Iapdが小さくなり、受光素子PDの温度が下降すると出力電流Iapdが大きくなる。すなわち、受光素子PDの温度が上昇すると、逆バイアス電圧Vapdに対する増倍率Mが小さくなり、受光素子PDの温度が下降すると、逆バイアス電圧Vapdに対する増倍率Mが大きくなる。
図7は、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールにおける受光素子への逆バイアス電圧および通信品質の関係の一例を示す図である。図7において、横軸は逆バイアス電圧Vapdであり、縦軸はビットエラーレートである。
図7を参照して、増倍率Mが10となるような逆バイアス電圧Vapdを設定した状態から、逆バイアス電圧Vapdを大きくして増倍率Mを大きくすると、受光素子PDの周波数帯域が低下し、また、ノイズが増大することにより、S/N(Signal to Noise Ratio)比が劣化し、ビットエラーレートが上昇する。
一方、増倍率Mが10となるような逆バイアス電圧Vapdを設定した状態から、逆バイアス電圧Vapdを小さくして増倍率Mを小さくすると、受光素子PDの受光感度が小さくなり、より強度の小さい光信号を受信することが困難となるため、S/N(Signal to Noise Ratio)比が劣化し、ビットエラーレートが上昇する。
このように、増倍率Mには最適値が存在し、たとえば、10前後が最適値である。また、図6で説明したように増倍率Mは温度特性を有することから、受光素子PDの温度に応じて増倍率Mを調整し、最適値を維持する必要がある。
再び図4を参照して、モニタ用受光素子MPDの受光感度をRS2[A/W]とし、モニタ用受光素子MPDの受光強度をPin2[W]とすると、モニタ用受光素子MPDの出力電流Impd[A]は、以下の式(C2)で表される。
Impd=RS2×Pin2 ・・・(C2)
ハーフミラー17が光信号PinをPin1:Pin2=20:1になるように分岐すると仮定すると、受光素子PDの受光強度をPin1とし、モニタ用受光素子MPDの受光強度をPin2とすると、Pin1およびPin2の関係は、以下の式(C3)で表される。
Pin1=20×Pin2 ・・・(C3)
式(C1)〜式(C3)から、以下の式(C4)が成り立つ。
Iapd/(M×RS1)=20×Impd/RS2 ・・・(C4)
電流Irssiは電流Iapdに対応する電流であることから、抵抗15の抵抗値Rbおよび抵抗16の抵抗値Rcを用いて式(C4)を変形すると、以下の式(C5)が得られる。
Vrssi/Vmpd=((20×RS1×Rc)/(RS2×Rb))×M ・・・(C5)
式(C5)の右辺において、(20×RS1×Rc)/(RS2×Rb)は、設計で決まる一定値である。式(C5)より、Vrssi/Vmpdを調整することにより、増倍率Mを調整できることが分かる。
光通信モジュール101におけるバイアス制御部83は、増倍率Mが目標値となるようにCPU12の出力電流Ictrlを調整する。
すなわち、CPU12は、DC/DCコンバータ11の出力電流Irssiおよびモニタ用受光素子MPDの出力電流Impdの比が所定値になるように逆バイアス電圧Vapdを調整する。上記所定値は、受光素子PDの増倍率Mの目標値に基づいて設定される。
このように、光通信モジュール101では、ROSAにおける受光素子PDの近くに、たとえばPINフォトダイオードであるモニタ用受光素子MPDを設け、光通信モジュール101への入力光を分岐して受光素子PDおよびモニタ用受光素子MPDへ与える。
PINフォトダイオードは、アバランシェフォトダイオードとは異なり、増倍作用を有しておらず、その出力電流Impdは、式(C2)で与えられる。すなわち、PINフォトダイオードの受光電流、言い換えれば受光感度は温度依存性を持たないことから、温度変化に関わらず一定の受光量をモニタすることが可能となる。
このため、前述の受光電流すなわち電流Iapdの式(C1)における受光素子PDの受光強度Pin1を確定させることができるため、受光素子PDの増倍率Mのフィードバック制御を行なうことが可能となる。
図8は、本発明の実施の形態に係るバイアス制御部におけるDC/DCコンバータの構成を示す図である。
図8を参照して、DC/DCコンバータ11は、差動アンプ21と、コンパレータ22と、PWM制御回路23と、NチャネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)24と、インダクタ25と、ショットキーダイオード26と、カレントミラー回路27と、抵抗14,28〜30と、キャパシタ31〜33と、フィルタ回路35とを含む。フィルタ回路35は、抵抗16と、キャパシタ34とを含む。
差動アンプ21は、抵抗14の第1端およびCPU12の出力端に接続された非反転入力端子と、反転入力端子と、抵抗28の第1端に接続された出力端子とを有する。キャパシタ31は、抵抗28の第2端に接続された第1端と、接地ノードに接続された第2端とを有する。コンパレータ22は、差動アンプ21の出力端子およびPWM制御回路23の入力端に接続された反転入力端子と、PWM制御回路23の出力端に接続された非反転入力端子と、出力端子とを有する。NチャネルMOSFET24は、コンパレータ22の出力端子に接続されたゲートと、インダクタ25の第1端に接続されたドレインと、接地ノードに接続されたソースとを有する。インダクタ25の第2端が、電源電圧Vccの供給される電源ノードに接続されている。ショットキーダイオード26は、NチャネルMOSFET24のドレインに接続されたアノードと、キャパシタ32の第1端、抵抗29の第1端、キャパシタ33の第1端およびカレントミラー回路27の入力端に接続されたカソードとを有する。抵抗29の第2端、キャパシタ33の第2端および抵抗30の第1端が、差動アンプ21の反転入力端子に接続されている。カレントミラー回路27のミラー電流出力側が抵抗16の第1端、キャパシタ34の第1端およびCPU12の入力端に接続されている。カレントミラー回路27の参照電流出力側が受光素子PDに接続されている。キャパシタ32,34および抵抗14,16,30の第2端が接地ノードに接続されている。
たとえば、インダクタ25のインダクタンスは4.7マイクロヘンリーであり、抵抗29の抵抗値は1メガオームであり、抵抗30の抵抗値は20キロオームであり、抵抗16の抵抗値は2キロオームであり、キャパシタ32〜34の容量値は0.1マイクロファラッドである。
また、ショットキーダイオード26のカソードおよびカレントミラー回路27の入力端の接続ノードの電圧は、受光素子PDへの逆バイアス電圧Vapdに相当する。
キャパシタ33により、逆バイアス電圧Vapdの位相補償がなされ、発振が抑制される。
差動アンプ21は、CPU12の出力電流Ictrlが変換された電圧Vctrlを非反転入力端子において受けるとともに、受光素子PDへの逆バイアス電圧Vapdに基づくフィードバック電圧FBを反転入力端子において受ける。そして、差動アンプ21は、電圧Vctrlおよびフィードバック電圧FBの差に応じた電圧を出力する。このフィードバック電圧FBは、抵抗29および抵抗30の抵抗比により、Vapd/50となる。
抵抗28およびキャパシタ31の直列回路により、差動アンプ21の出力電圧の位相補償がなされ、発振が抑制される。
コンパレータ22は、反転入力端子において受けた差動アンプ21の出力電圧と反転入力端子において受けたPWM制御回路23からのランプ波とを比較し、比較結果に応じて論理ハイレベルまたは論理ローレベルの信号をNチャネルMOSFET24のゲートへ出力する。
PWM制御回路23は、ランプ波をコンパレータ22の非反転入力端子へ出力する。PWM制御回路23は、差動アンプ21の出力電圧に応じてランプ波を調整することにより、コンパレータ22の出力電圧の周波数を調整する。
具体的には、フィードバック電圧FBが電圧Vctrlよりも小さい場合、すなわち逆バイアス電圧Vapdが小さい場合、差動アンプ21は、正電圧を出力する。そして、PWM制御回路23は、この正電圧を受けて、コンパレータ22の出力信号の周波数が大きくなるようにランプ波を調整する。これにより、NチャネルMOSFET24のドレイン電圧が上昇し、逆バイアス電圧Vapdが上昇する。
一方、フィードバック電圧FBが電圧Vctrlよりも大きい場合、すなわち逆バイアス電圧Vapdが大きい場合、差動アンプ21は、負電圧を出力する。そして、PWM制御回路23は、この負電圧を受けて、コンパレータ22の出力信号の周波数が小さくなるようにランプ波を調整する。これにより、NチャネルMOSFET24のドレイン電圧が下降し、逆バイアス電圧Vapdが下降する。
したがって、電圧Vctrlを調整することにより、逆バイアス電圧Vapdを調整することができる。逆バイアス電圧Vapdは、カレントミラー回路27を介して受光素子PDに供給される。
カレントミラー回路27は、受光素子PDと電気的に接続され、受光素子PDの出力電流Iapdを参照電流とし、当該参照電流に対応するミラー電流I2を出力する。
具体的には、カレントミラー回路27は、参照電流I3に対応する電流であって、ミラー比に応じた大きさの電流であるミラー電流I2を出力する。参照電流I3は、受光素子PDの出力電流Iapdに相当する、たとえば10ギガビット/秒の電流信号である。
カレントミラー回路27への入力電流をI1とすると、以下の式が成り立つ。
I1=I2+I3 ・・・(D1)
フィルタ回路35は、カレントミラー回路27から出力されるミラー電流I2の周波数成分のうち、所定の周波数以上の成分を減衰させ、電流IrssiとしてCPU12へ出力する。
具体的には、キャパシタ34および抵抗16により、ミラー電流I2が平均化され、また、平均化されたミラー電流I2が電圧Vrssiに変換されてCPU12へ出力される。キャパシタ34および抵抗16の時定数は、たとえば2[キロ]×0.1[マイクロ]=0.2ミリ秒である。
ここで、CPU12が、電圧Vrssiを受けるA/Dコンバータの出力値を参照する速度はたとえば100Hzである。すなわち、CPU12における電圧Vrssiのサンプリング周期は10ミリ秒である。
すなわち、フィルタ回路35の時定数は、光信号のビットレートの逆数よりも大きく、かつCPU12におけるミラー電流I2すなわち電圧Vrssiのサンプリング周期よりも小さい。
このように、光通信モジュール101では、電流Irssiを生成するフィルタ回路の時定数を、光信号の周期よりも短く、CPU12のサンプリング周期より長く設定する。これにより、出力電流Iapdを平均化して測定を容易かつ適切にしながら、CPU12による電圧Vrssiの測定を光信号の強度変動に追随させることができる。
図9は、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールにおける受光素子のバイアス電圧調整方法の手順の一部を示すフローチャートである。図9は、受光素子PDのバイアス電圧調整における、フィードバック制御の目標値の設定方法の一例を示している。
図9を参照して、まず、受光素子PDおよびモニタ用受光素子MPDへの光の強度をそれぞれ一定値とした状態、たとえば光通信モジュール101への光信号の平均強度を一定値とした状態において、CPU12は、受光素子PDの増倍率が1となるように、出力電流Ictrlを調整し、逆バイアス電圧Vapdを設定する。受光素子PDの増倍率が1となる状態は、前述のように、逆バイアス電圧Vapdが小さく、逆バイアス電圧Vapdをある一定の範囲で変化させても受光素子PDにおいてアバランシェ増倍が発生しない状態である(ステップS1)。
次に、設定した逆バイアス電圧Vapdを受光素子PDに供給している状態において、CPU12は、電流Irssiおよび電流Impdを測定する、すなわち、電圧Vrssiおよび電圧Vmpdを測定する。これにより、前述の式(C5)の右辺における(20×RS1×Rc)/(RS2×Rb)が得られる(ステップS2)。
次に、CPU12は、電流Irssiおよび電流Impdの比、および実動作における受光素子PDの増倍率Mの目標値に基づいて、電流Irssiおよび電流Impdの比の目標値を設定する。具体的には、CPU12は、電圧Vrssiおよび電圧Vmpdの比であるVrssi/Vmpdに、増倍率Mの目標値を乗じた値を算出する(ステップS3)。
次に、CPU12は、算出した値を、光通信モジュール101の実動作におけるVrssi/Vmpdの目標値Aとして設定し、記憶する(ステップS4)。
図10は、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールにおける受光素子のバイアス電圧調整方法の手順の一部を示すフローチャートである。図10は、受光素子PDのバイアス電圧調整における、フィードバック制御の目標値の設定方法の他の例を示している。
図10を参照して、まず、受光素子PDおよびモニタ用受光素子MPDへの光の強度をそれぞれ一定値とした状態、たとえば光通信モジュール101への光信号の平均強度を一定値とした状態において、CPU12は、受光素子PDの増倍率が1となるように、出力電流Ictrlを調整し、逆バイアス電圧Vapdを設定する(ステップS31)。
次に、CPU12は、電流Irssiおよび電流Impdの比、および実動作における受光素子PDの増倍率Mの目標値に基づいて、電流Irssiおよび電流Impdの比の目標値を設定する。
具体的には、設定した逆バイアス電圧Vapdを受光素子PDに供給している状態において、光通信モジュール101への光信号の平均強度を(上記一定値/増倍率Mの目標値)に変更する。この状態において、CPU12は、電流Irssiおよび電流Impdを測定する、すなわち、電圧Vrssiおよび電圧Vmpdを測定する(ステップS32)。
そして、CPU12は、電流Irssiおよび電流Impdの比を算出する。これにより、前述の式(C5)の右辺における((20×RS1×Rc)/(RS2×Rb))×M、すなわち実動作における電流Irssiおよび電流Impdの比の目標値が得られる(ステップS33)。
次に、CPU12は、算出した値を、光通信モジュール101の実動作におけるVrssi/Vmpdの目標値Aとして設定し、記憶する(ステップS34)。
図11は、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールにおける受光素子のバイアス電圧調整方法の手順の一部を示すフローチャートである。図11は、実動作において受光素子PDの増倍率Mを目標値に収束させるための、受光素子PDへのバイアス電圧調整方法を示している。
図11を参照して、まず、CPU12は、光通信モジュール101の実動作、たとえば局側装置201から送信される下り光信号を光通信モジュール101が受信している状態において、電圧Vrssiおよび電圧Vmpdを測定する。この測定の間隔は、CPU12におけるサンプリング周期に相当する(ステップS11)。
次に、CPU12は、電圧Vrssiおよび電圧Vmpdの比Vrssi/Vmpdを算出し、記憶している目標値Aとの比較を行なう(ステップS12)。
CPU12は、Vrssi/Vmpdが目標値Aより大きい場合(ステップS12でYES)、受光素子PDの増倍率Mが目標値より大きくなっていると判断し、逆バイアス電圧Vapdが小さくなるように電流Ictrlを調整する。たとえば、CPU12は、電流Ictrlを小さくすることにより、図8に示すNチャネルMOSFET24のスイッチング周波数を小さくして逆バイアス電圧Vapdを小さくする(ステップS13)。
一方、CPU12は、Vrssi/Vmpdが目標値Aより小さい場合(ステップS12でNOかつステップS14でYES)、受光素子PDの増倍率Mが目標値より小さくなっていると判断し、逆バイアス電圧Vapdが大きくなるように電流Ictrlを調整する。たとえば、CPU12は、電流Ictrlを大きくすることにより、図8に示すNチャネルMOSFET24のスイッチング周波数を大きくして逆バイアス電圧Vapdを大きくする(ステップS15)。
また、CPU12は、Vrssi/Vmpdが目標値Aと等しい場合(ステップS12でNOかつステップS14でNO)、受光素子PDの増倍率Mが目標値になっていると判断し、電流Ictrlを現状の値に維持する。
図12は、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールにおける受光素子の増倍率測定方法の手順を示すフローチャートである。図12は、実動作において受光素子PDの増倍率Mを目標値に収束させるための、図11に示す動作を別の観点からとらえた動作を示している。
図12を参照して、まず、CPU12は、たとえば局側装置201から送信される下り光信号を光通信モジュール101が受信している状態において、電圧Vrssiを測定することにより、受光素子PDの出力電流Iapdの平均成分を検出する(ステップS21)。
次に、CPU12は、モニタ用受光素子MPDの出力電流Impdを測定する、すなわち電圧Vmpdを測定することにより、上記光信号の強度の平均成分を検出する(ステップS22)。
次に、CPU12は、検出した各平均成分を比較することにより、すなわち電圧Vrssiおよび電圧Vmpdの比を算出することにより、受光素子PDの増倍率Mを測定する(ステップS23)。
次に、CPU12は、測定した受光素子PDの増倍率Mに基づいて、すなわち電圧Vrssiおよび電圧Vmpdの比に基づいて、受光素子PDへの逆バイアス電圧Vapdを調整する(ステップS24)。
上記のように、光通信モジュール101では、Vrssi/Vmpdが一定値となるように増倍率Mのフィードバック制御が行なわれる。
しかしながら、CPU12におけるA/Dコンバータの線形性およびオフセット特性を鑑みると、光通信モジュール101への入力光量によっては正しくフィードバック制御ができなくなる恐れがある。
たとえば、光通信モジュール101への入力光が微小である場合、CPU12における上記A/Dコンバータの出力値が微小となり、電圧Vrssiおよび電圧Vmpdの測定精度に関し一定水準を確保することが困難となる。
また、光通信モジュール101の動作中に、光ファイバOPTFと光通信モジュール101とを接続する光コネクタが抜かれたとき、あるいは、光通信モジュール101の動作中に光コネクタを着脱したときのように、光通信モジュール101への入力光量について過渡状態であるときも、電圧Vrssiおよび電圧Vmpdの測定精度に関し一定水準を確保することが困難となる。
そして、このような要因で測定精度が劣化すると、意図しないフィードバック制御が行なわれて増倍率Mを大幅に上昇させてしまう、すなわち逆バイアス電圧Vapdを大幅に上昇させてしまうことにより、受光素子PDが破損してしまう恐れがある。
そこで、光通信モジュール101では、増倍率Mが所定値を超えないように制限するバイアス制限部36を、CPU12あるいは基板上に設ける。たとえば、バイアス制限部36は、受光素子PDに供給される逆バイアス電圧Vapdを、たとえば受光素子PDに関する設計上の許容範囲に制限する。
より詳細には、たとえば、バイアス制限部36は、モニタ用受光素子MPDの出力電流Impdが所定の閾値以下である場合、逆バイアス電圧Vapdを所定値に固定する。この所定値としては、たとえば、受光素子PDにとって典型的なバイアス電圧値が設定される。なお、バイアス制限部36は、DC/DCコンバータ11の出力電流Irssiが所定の閾値以下である場合、逆バイアス電圧Vapdを所定値に固定する構成であってもよい。
具体的には、CPU12からDC/DCコンバータ11におけるエラーアンプすなわち
差動アンプ21への電圧Vctrl、すなわち電流Ictrlに上限を設けるソフトウェア的な制限方法が考えられる。たとえば、CPU12は、電圧Vrssiが所定の閾値以下であるか、または電圧Vmpdが所定の閾値以下である場合、電流Ictrlを所定値に固定する。この所定値は、たとえば、受光素子PDにとって典型的な大きさの逆バイアス電圧Vapdが得られる値である。
あるいは、DC/DCコンバータ11に逆バイアス電圧Vapdの制限回路を設けるハードウェア的な制限方法が考えられる。
図13は、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールにおけるバイアス制限部の一例を示す図である。
図13を参照して、DC/DCコンバータ11は、図8に示す構成と比べて、さらに、バイアス制限部36を含む。
バイアス制限部36は、CPU12および抵抗14の接続ノードと差動アンプ21の非反転入力端子との間に接続されている。バイアス制限部36は、電圧Vctrlの大きさが所定値を超える場合、電圧Vctrlを当該所定値に制限して差動アンプ21へ出力する。たとえば、この所定値は、受光素子PDに関する設計上の許容範囲に含まれる大きさの逆バイアス電圧Vapd、が得られる値である。
ところで、特許文献1に記載の光トランシーバでは、環境試験器の温度変化に要する調整時間が、光トランシーバの調整におけるコストの大部分を占め、作成コストが高くなってしまう。また、受光素子の調整において、上記のような温度調整が不要となるフィードバック制御を採用する方法では、APDへの入力光が、外部から与えられる不確定パラメータであるため、逆バイアス電圧に依存する増倍率のフィードバック制御を行なうことは困難であった。
これに対して、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールでは、受光素子PDは、受信した光信号の強度に応じた電流を出力し、かつ逆バイアス電圧Vapdによる増倍率の変更が可能である。DC/DCコンバータ11は、受光素子PDの出力電流Iapdに対応する電流であって、出力電流Iapdよりも周波数帯域の低い電流Irssiを出力する。モニタ用受光素子MPDは、受信した光信号の強度に応じた電流であって、受光素子PDの出力電流Iapdよりも周波数帯域の低い電流Impdを出力する。そして、CPU12は、DC/DCコンバータ11の出力電流Irssiおよびモニタ用受光素子MPDの出力電流Impdを比較し、比較結果に基づいて受光素子PDへの逆バイアス電圧Vapdを調整する。
このような構成により、モニタ用受光素子MPDを受光素子PDとは別の信号経路で用いて、たとえば前述の受光電流Iの式(A0)におけるAPDの受光強度PIを確定させることができる。これにより、受光素子PDの増倍率Mのフィードバック制御を行なうことが可能となる。
そして、受光素子PDへの逆バイアス電圧Vapdに依存する増倍率Mのフィードバック制御を行なうことができるため、特許文献1に記載の技術のような、低温、室温および高温での値を用いた3点近似式を使用したルックアップテーブルの作成を行なう必要がなくなり、1つの温度における調整を行なえば足りる。
また、受光素子PDが受信する光信号、および受光素子PDの出力電流Iapdそのものを測定するのではなく、両者を平均化すなわち周波数帯域を低くした後の信号を生成して測定する構成により、光信号が高速である場合でも、正確な測定を行なうことができる。
したがって、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールでは、電流増幅作用を有する受光素子を備える構成において、低コストで当該受光素子へのバイアス電圧を良好に調整することができる。
また、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールでは、ハーフミラー17は、光信号を分岐する。そして、受光素子PDおよびモニタ用受光素子MPDは、ハーフミラー17によって分岐された光信号を受信する。
このような構成により、受光素子PDおよびモニタ用受光素子MPDへの入力光の分岐比を正確かつ安定した値に設定することができるため、たとえば、ビットエラーレート等の通信品質に対する受光素子PDの増倍率Mの最適値を容易に得ることができる。
また、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールでは、CPU12は、DC/DCコンバータ11の出力電流Irssiおよびモニタ用受光素子MPDの出力電流Impdの比が所定値になるように逆バイアス電圧Vapdを調整する。上記所定値は、受光素子PDの増倍率の目標値に基づいて設定される。
このような構成により、電流Irssiおよび電流Impdの比を用いた簡易な演算処理で、受光素子PDの増倍率Mが目標値になるような逆バイアス電圧Vapdの調整を行なうことができる。すなわち、増倍率Mを、受光素子PDの温度変化によらず一定値に制御することができる。
また、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールでは、DC/DCコンバータ11において、カレントミラー回路27は、受光素子PDと電気的に接続され、受光素子PDの出力電流Iapdを参照電流とし、当該参照電流に対応するミラー電流I2を出力する。フィルタ回路35は、カレントミラー回路27から出力されるミラー電流I2の周波数成分のうち、所定の周波数以上の成分を減衰させてCPU12へ出力する。
このような構成により、受光素子PDの出力電流Iapdに対して影響を与えることなく、出力電流Iapdに対応する低周波電流を生成することができる。
また、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールでは、フィルタ回路35の時定数は、光信号のビットレートの逆数よりも大きく、かつCPU12におけるミラー電流I2のサンプリング周期よりも小さい。
このような構成により、ミラー電流I2のフィルタ回路の時定数を適切な値に設定することができるため、出力電流Iapdを平均化した電流を生成して適切に測定しながら、当該測定を光信号の強度変動に追随させることができる。
また、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールでは、バイアス制限部36は、受光素子PDに供給される逆バイアス電圧Vapdを制限する。
このような構成により、たとえば光通信モジュール101への入力光が微小であり、電流Irssiおよび電流Impdの測定精度に関し一定水準を確保することができない場合でも、逆バイアス電圧Vapdが誤った値に設定されることを防ぐことができる。
また、本発明の実施の形態に係る受光素子のバイアス電圧調整方法では、まず、CPU12は、受光素子PDの増倍率が、受光素子PDへの逆バイアス電圧Vapdを変化させても一定となるような範囲における逆バイアス電圧Vapdを設定する。次に、CPU12は、設定した逆バイアス電圧Vapdを受光素子PDに供給している状態において、DC/DCコンバータ11の出力電流Irssiを測定するとともに、モニタ用受光素子MPDの出力電流Impdを測定する。次に、CPU12は、測定した対応電流Irssiと測定したモニタ用受光素子MPDの出力電流Impdとの比、および受光素子PDの増倍率の目標値に基づいて、対応電流Irssiとモニタ用受光素子MPDの出力電流Impdとの比の目標値を設定する。次に、CPU12は、受光素子PDおよびモニタ用受光素子MPDが光信号を受信している状態において、対応電流Irssiとモニタ用受光素子MPDの出力電流Impdとの比が上記目標値になるように、受光素子PDへの逆バイアス電圧Vapdを調整する。
また、本発明の実施の形態に係る受光素子の増倍率測定方法では、まず、CPU12は、受光素子PDの出力電流Iapdの平均成分を検出する。次に、CPU12は、モニタ用受光素子MPDの出力電流Impdに基づいて光信号の平均成分を検出する。次に、CPU12は、検出した各平均成分を比較し、比較結果に基づいて受光素子PDの増倍率を測定する。
これにより、モニタ用受光素子MPDを受光素子PDとは別の信号経路で用いて、たとえば前述の受光電流Iの式(A0)におけるAPDの受光強度PIを確定させることができる。これにより、受光素子PDの増倍率Mのフィードバック制御を行なうことが可能となる。
そして、受光素子PDへの逆バイアス電圧Vapdに依存する増倍率Mのフィードバック制御を行なうことができるため、特許文献1に記載の技術のような、低温、室温および高温での値を用いた3点近似式を使用したルックアップテーブルの作成を行なう必要がなくなり、1つの温度における調整を行なえば足りる。
また、受光素子PDが受信する光信号、および受光素子PDの出力電流Iapdそのものを測定するのではなく、両者を平均化すなわち周波数帯域を低くした後の信号を生成して測定する構成により、光信号が高速である場合でも、正確な測定を行なうことができる。
したがって、本発明の実施の形態に係る受光素子のバイアス電圧調整方法および受光素子の増倍率測定方法では、電流増幅作用を有する受光素子を備える構成において、低コストで当該受光素子へのバイアス電圧を良好に調整することができる。
なお、上記実施の形態では、光通信モジュール101を備えるONU202を例示したが、本発明は、通信装置に広く適用可能である。また、本発明は、連続的な信号を受信する通信装置に用いると好適である。特に、製造の際は同じ仕様に従って多数製造され、実使用の際は設置場所の環境に応じて個々に受光素子の増倍率が異なることとなる、PONシステムにおける宅側装置に用いるとより効果的である。
また、本発明は、バースト信号を受信する通信装置に用いることも可能である。この場合、バースト信号の立ち上がり速度に追従できる時定数、より詳細にはバースト信号のセトリング時間すなわち立ち上がり時間よりも短い時定数を、出力電流Irssiおよび出力電流Impdを測定するための各回路に設定すればよい。具体的には、たとえば、カレントミラー回路27の入力ノードの時定数、フィルタ回路35の時定数、モニタ用受光素子MPDのキャパシタおよび抵抗15等からなる回路の時定数を、バースト信号のセトリング時間よりも短く設定すればよい。また、たとえば、CPU12における電圧Vrssiのサンプリング周期と電流Ictrlの演算時間との和を、バースト信号のセトリング時間よりも短く設定すればよい。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
11 DC/DCコンバータ(受光電流モニタ回路)
12 CPU(バイアス調整部)
14〜16,28〜30 抵抗
17 ハーフミラー(光分岐器)
21 差動アンプ
22 コンパレータ
23 PWM制御回路
24 NチャネルMOSFET
25 インダクタ
26 ショットキーダイオード
27 カレントミラー回路
31〜34 キャパシタ
35 フィルタ回路
36 バイアス制限部
81 TIA
82 LIA
83 バイアス制御部
85 出力バッファ
86 プリアンプ
87 出力バッファ回路(変調電流供給回路)
88 バイアス電流供給回路
89 発光回路
92 PON受信処理部
93 バッファメモリ
94 UN送信処理部
95 UNIポート
96 UN受信処理部
97 バッファメモリ
98 PON送信処理部
99 制御部
101 光通信モジュール
151 バースト送信部
152 受信部
201 局側装置
202A,202B,202C 宅側装置
301 PONシステム
SP スプリッタ
OPTF 光ファイバ
LD 発光素子
L1,L2 インダクタ
PD 受光素子
MPD モニタ用受光素子

Claims (9)

  1. 受信した光信号の強度に応じた電流を出力し、かつバイアス電圧による増倍率の変更が可能な受光素子、の出力電流に対応する電流であって、前記出力電流よりも周波数帯域の低い電流を出力するための受光電流モニタ回路と、
    受信した前記光信号の強度に応じた電流であって、前記受光素子の出力電流よりも周波数帯域の低い電流を出力するためのモニタ用受光素子と、
    前記受光電流モニタ回路の出力電流および前記モニタ用受光素子の出力電流を比較し、比較結果に基づいて前記受光素子への前記バイアス電圧を調整するためのバイアス調整部とを備える、光通信モジュール。
  2. 前記光通信モジュールは、さらに、
    光信号を分岐するための光分岐器を備え、
    前記受光素子および前記モニタ用受光素子は、前記光分岐器によって分岐された光信号を受信する、請求項1に記載の光通信モジュール。
  3. 前記バイアス調整部は、前記受光電流モニタ回路の出力電流および前記モニタ用受光素子の出力電流の比が所定値になるように前記バイアス電圧を調整し、
    前記所定値は、前記受光素子の増倍率の目標値に基づいて設定される、請求項1または請求項2に記載の光通信モジュール。
  4. 前記受光電流モニタ回路は、
    前記受光素子と電気的に接続され、前記受光素子の出力電流を参照電流とし、前記参照電流に対応するミラー電流を出力するためのカレントミラー回路と、
    前記カレントミラー回路から出力される前記ミラー電流の周波数成分のうち、所定の周波数以上の成分を減衰させて前記バイアス調整部へ出力するためのフィルタ回路とを含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光通信モジュール。
  5. 前記フィルタ回路の時定数は、前記光信号のビットレートの逆数よりも大きく、かつ前記バイアス調整部における前記ミラー電流のサンプリング周期よりも小さい、請求項4に記載の光通信モジュール。
  6. 前記光通信モジュールは、さらに、
    前記受光素子に供給される前記バイアス電圧を制限するためのバイアス制限部を備える、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の光通信モジュール。
  7. 局側装置と光信号を送受信するための通信装置であって、
    受信した光信号の強度に応じた電流を出力し、かつバイアス電圧による増倍率の変更が可能な受光素子、の出力電流に対応する電流であって、前記出力電流よりも周波数帯域の低い電流を出力するための受光電流モニタ回路と、
    受信した前記光信号の強度に応じた電流であって、前記受光素子の出力電流よりも周波数帯域の低い電流を出力するためのモニタ用受光素子と、
    前記受光電流モニタ回路の出力電流および前記モニタ用受光素子の出力電流を比較し、比較結果に基づいて前記受光素子への前記バイアス電圧を調整するためのバイアス調整部とを備える、通信装置。
  8. 受信した光信号の強度に応じた電流を出力し、かつバイアス電圧による増倍率の変更が可能な受光素子、の増倍率が、前記受光素子へのバイアス電圧を変化させても一定となるような範囲における前記バイアス電圧を設定するステップと、
    設定した前記バイアス電圧を前記受光素子に供給している状態において、前記受光素子の出力電流に対応する電流であって、前記出力電流よりも周波数帯域の低い電流である対応電流を測定するとともに、受信した前記光信号の強度に応じた電流であって、前記受光素子の出力電流よりも周波数帯域の低い電流を出力するためのモニタ用受光素子の出力電流を測定するステップと、
    測定した前記対応電流と測定した前記モニタ用受光素子の出力電流との比、および前記受光素子の増倍率の目標値に基づいて、前記対応電流と前記モニタ用受光素子の出力電流との比の目標値を設定するステップと、
    前記受光素子および前記モニタ用受光素子が光信号を受信している状態において、前記対応電流と前記モニタ用受光素子の出力電流との比が前記目標値になるように、前記受光素子へのバイアス電圧を調整するステップとを含む、受光素子のバイアス電圧調整方法。
  9. 受信した光信号の強度に応じた電流を出力し、かつバイアス電圧による増倍率の変更が可能な受光素子、の出力電流の平均成分を検出するステップと、
    受信した前記光信号の強度に応じた電流であって、前記受光素子の出力電流よりも周波数帯域の低い電流を出力するためのモニタ用受光素子の出力電流に基づいて前記光信号の平均成分を検出するステップと、
    検出した各前記平均成分を比較し、比較結果に基づいて前記受光素子の増倍率を測定するステップとを含む、受光素子の増倍率測定方法。
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