JP4623959B2 - 換気フードおよび換気フードの取付方法 - Google Patents

換気フードおよび換気フードの取付方法 Download PDF

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本発明は、換気フードおよび換気フードの取付方法に関する。
近年、建物の気密性は高まってきており、屋内の空気は汚れやすくなっている。このため、常時(24時間)屋内を換気するために、小型の換気口を各部屋ごとに設けることがよく行われている。
このような換気口としては、建物の外壁を貫通して換気パイプを設け、この換気パイプの屋外側を覆う換気フードを外壁に取り付けたものが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
換気フードの取り付けは、通常、外壁から突出した換気パイプと、換気フードの背面側に形成された挿通孔とを嵌め合わせ、換気フードの周縁に形成されたフランジ部を外壁にネジ止めすることによって行われる。
ここで、換気フードの取り付ける際には、外壁から突出した換気パイプと、外壁との隙間をシーリング材でシールすることが行われるが、換気パイプの全周にわたって所定量のシーリング材を切れ目なく充填することは難しく、充填不足によるシーリング切れ等がまれに発生することがあった。
また、各部屋の換気を目的とした小型の換気口に用いられる換気パイプには、通常、2種類の外径のもの(VU管およびVP管:外径114mm、SU管:外径106mm)があるため、これら2種類の換気パイプの外径に対応した内径の挿通孔を有する2種類の換気フードをメーカー側が用意する必要があり、換気フードの製造コストがかさむという問題があった。
また、換気フードを外壁へ固定する際には、フランジ部を外壁にネジ止めするとともに、さらに、雨水が外壁とフランジ部との間から換気口に侵入しないように、換気フードの周縁をシーリング材でシールすることが行われている。
しかしながら、換気フードの固定に用いたネジや、換気フードの周縁のシーリング材が外側に露出し、見栄えが悪いという問題があった。
特許第3135208号公報
よって本発明の目的は、換気パイプと換気フードとの隙間に所定量のシーリング材を確実に充填することができる換気フードを提供することにある。
また、本発明の目的は、さらに、1種類の換気フードで外径の異なる各種換気パイプに対応可能な換気フード、およびこの換気フードの取付方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、さらに、周縁のシーリング材を見えにくくする換気フードを提供することにある。
すなわち、本発明の換気フードは、建物の外壁を貫通して設けられた換気パイプの屋外側を覆うフード本体と、該フード本体を建物の外壁に取り付けるフード取付下地とを有し、前記フード取付下地には、外壁から突出した換気パイプを挿通するための挿通孔が形成され、かつフード取付下地と換気パイプとによって換気パイプの周囲にシーリング材を充填するための溝が形成されるように、該挿通孔の周縁に、外壁側に屈曲した段部が形成されていることを特徴とするものである。
ここで、前記フード取付下地には、挿通孔の周縁から挿通孔の中心に向かって延びる切り取り可能な突起が形成されていることが望ましい。
また、フード本体の上縁および両側縁に、外壁から離間したフランジ部が、フランジ部と外壁との間にシーリング材を充填するための溝が形成されるように形成されていることが望ましい。
また、本発明の換気フードの取付方法は、外壁から突出した換気パイプを挿通するための挿通孔が形成され、かつ該挿通孔に、外壁側に屈曲した段部が形成されているフード取付下地を、外壁から突出した換気パイプを挿通孔に挿通した状態で外壁に固定し、該フード取付下地にフード本体を取り付ける換気フードの取付方法であって、挿通孔の周縁の段部と換気パイプとによって形成された換気パイプ周囲の溝に、シーリング材を充填することを特徴とする。
また、フード取付下地には、挿通孔の周縁から挿通孔の中心に向かって延びる切り取り可能な突起が形成され、比較的外径の大きい換気パイプをフード取付下地の挿通孔に挿通する際には、フード取付下地の突起を切り取ることが好ましい。
本発明の換気フードは、挿通孔の周縁に外壁側に屈曲した段部が形成されているので、換気パイプと挿通孔とを嵌め合わせた際に、換気パイプのまわりにシーリング材を充填可能な溝が形成される。この溝をちょうど埋めるようにシーリング材で充填していけば、所定量のシーリング材を充填することが確実に行われるので、充填不足によるシーリング切れ等がなく、止水効果に優れる。また、換気パイプとフード取付下地との間のシール作業が容易となる。
また、換気パイプを挿通する挿通孔に切り取り可能な突起が形成されていれば、突起を切り取ることによって、換気パイプの外径に応じて挿通孔における換気パイプの挿通可能部分の大きさを変えることができ、1種類の換気フードで外径の異なる各種換気パイプに対応可能である。
また、フード本体の上縁および両側縁に、外壁から離間したフランジ部が形成されていれば、フード本体をフード取付下地に取り付けた際に、フード本体のフランジ部と外壁との間に、シーリング材を充填可能な空隙が形成されるので、フード本体と外壁との間のシール作業が容易となり、また、充填されたシーリング材はフランジ部に隠れて換気フードの正面から直接見えなくなる。また、フード本体のフランジ部により、所定量のシーリング材を充填することが確実に行われるので、充填不足によるシーリング切れ等がなく、止水効果に優れる。
また、本発明の換気フードの取付方法によれば、比較的外径の大きい換気パイプをフード取付下地の挿通孔に挿通する際には、フード取付下地の突起を切り取っているので、換気パイプの外径に合わせて、それに対応した換気フードをわざわざ用意する必要がなくなる。
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の換気フードを建物の外壁に取り付けた状態を示す断面図である。
この換気フード10は、建物の外壁1を貫通して設けられた換気パイプ2の屋外側を覆うフード本体20と、該フード本体20を建物の外壁1に取り付けるフード取付下地30とを組み合わせたものである。なお、換気パイプ2の屋内側には換気ファン3が取り付けられている。
フード本体20は、図2および図3に示すように、上部21および両側部22が外壁側に湾曲し、下端面が通気口23とされた半釣り鐘状のものであり、上縁および両縁には、外壁1から所定間隔をあけて外壁1に平行にフランジ部24が形成され、上縁には、フード取付下地30の上縁の受け部34への引っ掛かりとなる屈曲部25が形成され、通気口23には、鳥類の侵入を防止したり、屋外からゴミなどが吸い込まれたりしないようにする格子26が設けられている。
また、フード本体20には、フード本体20をフード取付下地30にネジ止めするためのフード本体側ネジ穴27、およびフード取付下地30に形成されたガイドピン37が挿入される位置合わせのための2つのガイド孔28が形成された、フード本体20の両縁の下端を結ぶ帯板状の固定部29が設けられている。
フード取付下地30は、図4および図5に示すように、略平板状のものであり、中央部のやや上寄りに、外壁1から突出した換気パイプ2を挿通するための挿通孔31が形成され、該挿通孔31の周縁から挿通孔31の中心に向かって延びる切り取り可能な突起32が円周等分複数箇所に形成され、四隅には、フード取付下地30を外壁1にネジ止めするための固定ネジ穴33が形成され、上縁には、フード本体20の上縁の屈曲部25を引っ掛ける受け部34が形成され、下縁には、先端が外壁側とは反対側に屈曲した、下地本体よりも幅広な水切り板35が形成されている。
また、フード本体20の固定部29が当接する箇所には、フード本体20をフード取付下地30にネジ止めするための下地側ネジ穴36、およびフード本体20に形成されたガイド孔28に挿入される位置合わせのための2つのガイドピン37が形成されている。
また、挿通孔31の周縁には、外壁1側に屈曲した段部38が形成され、挿通孔31の周縁が、外壁1側に落ち込んだようになっている。
挿通孔31の内径(図5中のA)は、特に限定はされないが、通常、比較的外径の大きい換気パイプ(VU管およびVP管)の外径114mmよりも若干大きめ、例えば、116〜120mmに設定される。
切り取り可能な突起32の長さもまた、特に限定はされないが、突起32で邪魔されることがない、換気パイプの挿通可能部分(図5中の破線)の直径Bが、比較的外径の小さい換気パイプ(SU管)の外径106mmよりも若干大きめになるように調整される。突起32の長さは、例えば、換気パイプの挿通可能部分の直径Bが108〜112mmとなるように、2〜6mmとされる。また、突起32の肉厚は、切り取りやすさの点で、下地本体の肉厚よりも薄くされている。
フード本体側ネジ穴27および下地側ネジ穴36は、ネジ止めの作業性の点で、斜め下方に傾斜していることが好ましく、その角度は略45゜が好ましい。
フード本体20およびフード取付下地30の材質は、特に限定はされないが、成形の容易さ、取付時の扱いやすさ(軽量である)、そしてなによりも、フード取付下地30の突起32の切り取りやすさの点で、プラスチックが好適に用いられる。プラスチックとしては、例えば、ASA樹脂(acrylate−styrene−acrylonitrile共重合体)、ABS樹脂、PP樹脂(ポリプロピレン)、PE樹脂(ポリエチレン)、AES樹脂(アクリロニトリル・エチレンプロピレンゴム・スチレン共重合体)などが挙げられ、中でも耐候性、耐衝撃性の点で、ASA樹脂が好適に用いられる。
次に、この換気フード10の取付について説明する。
まず、フード取付下地30の挿通孔31と、外壁1から突出した換気パイプ2(SU管:外径106mm)とを嵌め合わせる。外壁1から突出した換気パイプ2を挿通孔31に挿通した状態で、固定ネジ穴33にネジを通して、フード取付下地30を外壁1にネジ止めによって固定する。
ついで、図6に示すように、挿通孔31の周縁が外壁1側に落ち込んだ段部38と換気パイプ2とによって形成された、換気パイプ2周囲の溝40に、シーリング材41を充填し、換気パイプ2とフード取付下地30との間の隙間をシールする。
ついで、フード本体20の上縁の屈曲部25を、フード取付下地30の受け部34に引っ掛けた状態で、フード本体20のガイド孔28にフード取付下地30のガイドピン37を挿通しつつ、フード本体20をフード取付下地30に覆い被せる。このように、フード取付下地30にフード本体20を仮止めした状態で、フード本体側ネジ穴27および下地側ネジ穴36にネジ50を通して、フード本体20をフード取付下地30にネジ止めによって固定する。
ついで、図6に示すように、上縁および両縁に外壁1から所定間隔をあけて形成されたフランジ部24と、外壁1との間に形成された溝42に、シーリング材43を充填し、外壁1とフード本体20との間の隙間をシールする。
なお、換気パイプ2が比較的外径の大きいもの(VU管およびVP管:外径114mm)の場合は、フード取付下地30の突起32をあらかじめ切り取り、換気パイプの挿通可能部分を広げておく。
以上説明した換気フード10にあっては、挿通孔31の周縁に外壁1側に屈曲した段部38が形成されているので、換気パイプ2と挿通孔31とを嵌め合わせた際に、換気パイプ2のまわりにシーリング材41を充填可能な溝40が形成される。この溝40をちょうど埋めるようにシーリング材41を充填していけば、所定量のシーリング材41を充填することが確実に行われるので、充填不足によるシーリング切れ等がなく、止水効果に優れる。また、換気パイプ2とフード取付下地30との間のシール作業が容易となる。
また、換気フード10は、フード本体20およびフード取付下地30の2つの部材からなり、フード取付下地30が外壁1へ固定され、そしてフード取付下地30全体を覆うように、フード本体20がフード取付下地30に取り付けられているので、外壁1へのフード取付下地30の固定に使用したネジが、フード本体20によって隠れて外から見えないようになっており、換気フード10の見栄えがよい。
また、換気パイプ2が挿通される挿通孔31に切り取り可能な突起32が形成されているので、突起32を切り取ることによって、換気パイプ2の外径に応じて換気パイプ2の挿通可能部分の大きさを変えることができ、1種類の換気フード10で外径の異なる2種類の換気パイプ(SU管、およびVU管、VP管)に対応可能である。
また、フード本体20の上縁および両側縁に、外壁1から離間したフランジ部24が形成されているので、フード本体20をフード取付下地30に取り付けた際に、フード本体20のフランジ部24と外壁1との間に、シーリング材43を充填可能な溝42(空隙)が形成され、フード本体20と外壁1との間のシール作業が容易となり、また、充填されたシーリング材43はフランジ部42に隠れて換気フード10の正面から直接見えず、換気フード10の見栄えがよい。また、フード本体20のフランジ部24により、所定量のシーリング材43を充填することが確実に行われるので、充填不足によるシーリング切れ等がなく、止水効果に優れる。
また、換気フード10の取付方法によれば、比較的外径の大きい換気パイプ2をフード取付下地30の挿通孔31に挿通する際には、フード取付下地30の突起32を切り取っているので、換気パイプ2の外径に合わせて、それに対応した別の換気フードをわざわざ用意する必要がなくなる。
なお、本発明の換気フードは、図示例の換気フード10に限定はされず、建物の外壁を貫通して設けられた換気パイプの屋外側を覆うフード本体と、該フード本体を建物の外壁に取り付けるフード取付下地とを有し、フード取付下地に、外壁から突出した換気パイプを挿通するための挿通孔が形成され、かつ該挿通孔の周縁から挿通孔の中心に向かって延びる切り取り可能な突起が形成されているものであれば、必ずしも図示例のようなフランジ部24、通気口23の格子26、水切り板35、挿通孔31周縁の段部38等を設ける必要はない。
また、フード取付下地30へのフード本体20の取付も、図示例のようなネジ止めに限定はされず、フード取付下地30およびフード本体20の周縁に係合部を設け、これらを係合させることによってフード取付下地30へフード本体20を取り付けてもよく、接着剤によってフード取付下地30へフード本体20を取り付けてもよい。
また、挿通孔31の突起32の数も、図示例の8本に限定はされず、少なくとも1本形成されていれば、本発明の作用効果を奏することは可能である。
また、突起の長さは、必ずしもすべて同じ長さにしなくてもよく、長さの異なる2種類以上の突起を設けることにより、外径の異なる3種類以上の換気パイプに対応可能とすることもできる。
本発明の換気フードによれば、換気パイプとフード取付下地との間のシール作業が容易となり、止水効果に優れる。また、1種類の換気フードで外径の異なる各種換気パイプに対応可能であり、外径の異なる各種換気パイプに対応した複数種類の換気フードをメーカー側が用意する必要がなくなり、換気フードの製造コストの削減を図ることができる。
本発明の換気フードを建物の外壁に取り付けた状態の一例を示す断面図である。 本発明の換気フードにおけるフード本体の一例を示す側断面図である。 本発明の換気フードにおけるフード本体の一例を示す背面図である。 本発明の換気フードにおけるフード取付下地の一例を示す側断面図である。 本発明の換気フードにおけるフード取付下地の一例を示す正面図である。 シーリング材の充填の様子を示す断面図である。
符号の説明
10 換気フード
20 フード本体
24 フランジ部
30 フード取付下地
31 挿通孔
32 突起
38 段部

Claims (5)

  1. 建物の外壁を貫通して設けられた換気パイプの屋外側を覆うフード本体と、該フード本体を建物の外壁に取り付けるフード取付下地とを有し、
    前記フード取付下地には、外壁から突出した換気パイプを挿通するための挿通孔が形成され、かつフード取付下地と換気パイプとによって換気パイプの周囲にシーリング材を充填するための溝が形成されるように、該挿通孔の周縁に、外壁側に屈曲した段部が形成されていることを特徴とする換気フード。
  2. 挿通孔の周縁から挿通孔の中心に向かって延びる切り取り可能な突起が形成されていることを特徴とする請求項1記載の換気フード。
  3. フード本体の上縁および両側縁に、外壁から離間したフランジ部が、フランジ部と外壁との間にシーリング材を充填するための溝が形成されるように形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の換気フード。
  4. 外壁から突出した換気パイプを挿通するための挿通孔が形成され、かつ該挿通孔の周縁に、外壁側に屈曲した段部が形成されているフード取付下地を、外壁から突出した換気パイプを挿通孔に挿通した状態で外壁に固定し、
    該フード取付下地にフード本体を取り付ける換気フードの取付方法であって、
    挿通孔の周縁の段部と換気パイプとによって形成された換気パイプ周囲の溝に、シーリング材を充填することを特徴とする換気フードの取付方法。
  5. フード取付下地には、挿通孔の周縁から挿通孔の中心に向かって延びる切り取り可能な突起が形成され、
    比較的外径の大きい換気パイプをフード取付下地の挿通孔に挿通する際には、フード取付下地の突起を切り取ることを特徴とする請求項4に記載の換気フードの取付方法。
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