JP4623952B2 - 太陽電池素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は太陽電池素子の製造方法に関し、特に半導体基板の一主面側に微細な凹凸と逆導電型半導体領域を有する太陽電池素子の製造方法に関する。
太陽電池は入射した光エネルギーを電気エネルギーに変換するものである。太陽電池のうち主要なものは使用材料の種類によって結晶系、アモルファス系、化合物系などに分類される。このうち、現在市場で流通しているものはほとんどが結晶系シリコン太陽電池である。
この結晶系シリコン太陽電池はさらに単結晶型、多結晶型に分類される。単結晶型のシリコン太陽電池は、太陽電池を形成する単結晶シリコン基板の品質がよいために高効率化が容易であるという長所を有する反面、基板の製造が高コストになるという短所を有する。これに対して多結晶型のシリコン太陽電池は、太陽電池を形成する多結晶シリコン基板の品質が劣るために高効率化が難しいという短所はあるものの、低コストで製造できるという長所がある。また、最近では多結晶シリコン基板の品質の向上やセル化技術の進歩により、研究レベルでは18%程度の変換効率が達成されている。
一方、量産レベルの多結晶シリコン太陽電池は低コストであったため、従来から市場に流通してきたが、近年環境問題が取りざたされる中でさらに需要が増してきており、低コストでより高い変換効率が求められるようになった。
太陽電池では電気エネルギーへの変換効率を向上させるため、従来から様々な試みがなされてきた。そのひとつに太陽電池素子表面に入射する光の反射を低減する技術があり、太陽電池素子表面での光の反射を低減することで電気エネルギヘの変換効率を高めることができる。
シリコン基板を用いて太陽電池素子を形成する場合、基板の一主面側を水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液でエッチングすると、基板の一主面側に微細な凹凸が形成され、反射をある程度低減できる。例えば、面方位が(100)面の単結晶シリコン基板を用いた場合、このような方法でテクスチャ構造と呼ばれるピラミッド構造を基板の一主面側に均一に形成することができる。しかしながら、アルカリ水溶液によるエッチングは結晶の面方位に依存することから、多結晶シリコン基板で太陽電池素子を形成する場合、ピラミッド構造を均一には形成できず、そのため全体の反射率も効果的には低減できないという問題がある。
このような問題を解決するために、太陽電池素子を多結晶シリコンで形成する場合に、その表面に微細な凹凸をドライエッチングの一種である反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching)法で形成することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、多結晶シリコンにおける不規則な結晶の面方位に左右されずに微細な凹凸を均一に形成し、多結晶シリコンを用いた太陽電池素子においても反射率をより効果的に低減しようとするものである。
シリコンはエッチングすると基本的には気化するが、一部は気化しきれずに分子同士が吸着して基板の表面にエッチング残渣として残る。つまり、基板の表面を反応性イオンエッチング法および類似のドライエッチング法で粗面化する際に、エッチングされた半導体材料を主成分とするエッチング残渣を基板の表面に再付着させる速度を促進させ、これをエッチングのマイクロマスクとして利用することで基板の表面に微細な凹凸を形成することができるのである。
この方法を用いると、多結晶シリコン基板を用いた場合でも面方位の影響を受けにくく表面にほぼ均一な凹凸を形成することができ、太陽電池素子の反射を低減し、変換効率を向上させることができる。
特開平9−102625号公報
このドライエッチング法で半導体基板の表面に微細な凹凸を形成するには、半導体基板の表面に同時にエッチング残渣を形成する必要がある。このエッチング残渣をマイクロマスクとして微細な凹凸を形成する。しかしこのエッチング残渣が基板に残ったままだと、より後の工程、例えば反射防止膜の形成時にムラを生じる恐れがある。また、エッチング残渣が遮光して太陽電池の変換効率を低下させる原因となる恐れもある。
そこで従来は、このエッチング残渣を除去するために、水中での超音波洗浄が行われてきた。この方法は、太陽電池素子基板を載置したトレイを水中に浸漬し、その上から超音波ホーンで超音波を印加してエッチング残渣を除去するものである。また、エッチング残渣を連続して除去する場合、例えば回転するベルトまたはチェーンに固定されたトレイ上に太陽電池素子基板を載置して水中に浸漬して超音波ホーン部を連続して通過させるよう構成すればよい(例えば、特願2002−73057号明細書など参照)。
しかしながら、このようなエッチング残渣除去の方法は、超音波を用いて物理的に除去する方法であるために太陽電池素子基板にダメージが入りやすく、また、割れ・カケを発生させるなど工程の歩留まりを低下させる要因となっていた。さらに超音波洗浄の工程を別途設ける必要があるため、低コスト化の点で問題となっていた。
本発明はこのような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、太陽電池素子基板にダメージが入ることを防止するとともに、工程の歩留まりの低下を防いで低コスト化を実現した太陽電池素子の製造方法を提供することを目的とする。
太陽電池素子の製造方法は、一導電型を有する半導体基板の一主面側にドライエッチングで微細な凹凸を形成する凹凸形成工程と、前記凹凸形成工程に引き続いて、前記半導体基板の一主面側に逆導電型半導体領域を設ける逆導電型半導体形成工程とを具備した太陽電池素子の製造方法において、前記凹凸形成工程は、塩素(Cl)と酸素(O)と六フッ化硫黄(SF)が1:5:5の割合で流し、反応圧力7Paの雰囲気下で、前記ドライエッチングによりエッチングされる量が、基板面積1cm当たり0.015mgを超えないようにしながら微細な凹凸を形成する工程と、次いで前記半導体基板の自然酸化膜をフッ酸含有溶液で除去する第一の酸化膜除去工程とを備え、前記逆導電型半導体形成工程は、前記半導体基板を加熱して逆導電型不純物を熱拡散させることにより前記逆導電型半導体領域を形成する工程と、次いで前記熱拡散によって前記半導体基板に生じた熱酸化膜をフッ酸含有溶液で除去する第二の酸化膜除去工程とを備えたことを特徴とする。
これにより、エッチング残渣が残っていたとしても入射した光を遮って受光面に影を作って変換効率に悪影響を及ぼすことがないので、従来行っていた超音波洗浄などによる物理的なエッチング残渣除去の工程を行わなくても、太陽電池の素子特性に影響を与えず、実用上問題とならない。
それに加えて、熱拡散の工程と二つの酸化膜除去工程を経るため、ドライエッチングで生じたエッチング残渣の少なくとも一部を、第一の酸化膜除去工程および/または第二の酸化膜除去工程で除去することができ、エッチング残渣を確実に除去することができる。
また、これらの酸化膜除去工程において、エッチング残渣の除去と微細な凹凸上の酸化膜の除去とを同時に行うことから、確実にエッチング残渣を除去することが可能になるとともに、次の工程において、清浄化された状態で処理を行うことができる。
さらに、太陽電池素子の製造方法は、前記第一の酸化膜除去工程では、前記半導体基板の自然酸化膜をフッ酸含有溶液で除去し、かつ前記第二の酸化膜除去工程では、前記熱拡散によって前記半導体基板に生じた熱酸化膜をフッ酸含有溶液で除去することを特徴とする。
エッチング残渣は非常に微細であるため、酸化されやすい。したがって、第一の酸化膜除去工程では、エッチング残渣のうち自然酸化膜となった部分を除去し、第二の酸化膜除去工程では、熱拡散による加熱によって残りのエッチング残渣をほぼ完全に酸化させた後にこれを除去するので、エッチング残渣をほぼ完全に除去することができる。
そして、太陽電池素子の製造方法は、前記第一の酸化膜除去工程および/または前記第二の酸化膜除去工程において、フッ酸を含有する溶液を用いることを特徴とする。
このようにフッ酸を含有する溶液を用いて酸化膜を除去するようにしたので、特にシリコン系の太陽電池においてシリコンの酸化膜を効率良く除去することができ、同時に酸化されたエッチング残渣も確実に除去することができる。
なお、本発明においてドライエッチングとは、プラズマを用いるエッチング法全般を指すものとする。
ところで本発明の構成により、上述の優れた作用が得られる理由について、次のように推測する。
図2に従来のドライエッチングの条件によって、太陽電池素子の表面に微細な凹凸を形成した模式図を示す。そして、図2(a)はドライエッチングにより微細な凹凸を形成した直後の状態、図2(b)は従来の超音波洗浄によりエッチング残渣を除去した状態、図2(c)は酸処理を行ったときの状態である。
まず、図2(a)に示すように半導体基板5の表面にドライエッチングを行うと、半導体基板5のエッチング残渣1がピラー部2を介して微細な凹凸の突起部3の上に形成される。このエッチング残渣1がマイクロマスクとなって、ドライエッチングの時に微細な凹凸が形成されるのである。
そして、図2(b)に示すように、超音波洗浄によって微細な凹凸の突起部3の上に残っているエッチング残渣1を除去すると、超音波洗浄による基板への衝撃から、例えば、ピラー部2や突起部3の先端などにクラック3aが入ったり、欠け3bが生じたりする可能性がある。
そして、後の工程で、基板表面を清浄にする目的から自然酸化膜を除去したり、不純物を拡散させて表面に逆導電型半導体領域を形成してから、拡散時に表面に形成された酸化膜を除去したりするために、フッ酸処理などを行うと、図2(c)に示すように、酸化膜が除去されるのと同時に、上部のピラー部2もエッチングされ、微細な凹凸の突起部3はわずかになだらかになるが、前の工程でクラック3aや欠け3bのようなダメージが生じていると、酸処理によってこれらのダメージが進行してしまう恐れがある。
このように従来の超音波洗浄を用いた物理的なエッチング残渣の洗浄方法では、基板にダメージを与えて、特性低下を及ぼしたり、マイクロクラックを生成して割れやカケを生じたりする原因となっていた。
これに対する本発明の作用効果について図1を用いて説明する。図1は、本発明にかかる太陽電池素子の作製方法によって、太陽電池素子の表面に微細な凹凸を形成した模式図であり、図1(a)はドライエッチングにより微細な凹凸を形成した直後の状態、図1(b)は微細な凹凸を形成した後に酸処理を行って自然酸化膜を除去した状態、図1(c)は不純物を熱拡散させて表面に逆導電型半導体領域を形成した後に酸処理を行ったときの状態である。図1で、符号は図2の場合と全く同じである。
まず、図1(a)に示すように半導体基板5の表面にドライエッチングにより微細な凹凸6を形成すると、半導体基板5のエッチング残渣1がピラー部2を介して微細な凹凸の突起部3の上に形成される。ここまでは、図2(a)の従来の場合と同じであるが、本発明においては、ドライエッチングによりエッチングされる量が、基板面積1cm当たり0.015mgを超えないようにしているので、図2(a)に示した従来の場合と比べて、エッチング残渣1の量は少なく、形成される微細な凹凸の突起部3の高さは低くなる。
本発明の請求項1にかかる太陽電池素子の製造方法によれば、この状態で特にエッチング残渣1の除去工程を設けなくても、太陽電池の素子特性には悪影響がないという優れた作用を奏する。この理由は定かではないが、図2(a)に示した従来の場合と比べて、エッチング残渣1のサイズが非常に小さいため、太陽光が太陽電池素子に入射したときに回折が起こり、エッチング残渣1の陰の部分にも光が回り込んでいる可能性があると推測する。さらに、エッチング残渣1を支えているピラー部2の大きさも非常に小さいため、エッチング残渣1が後の工程(特定はしていない)において、ピラー部2から外れて結果的に除去される可能性が、図2(a)の従来の場合に比べて高いのではないかと思われる。
そして、本発明の請求項においては、図1(a)に示したドライエッチング条件により微細な凹凸を形成した後、図1(b)に示すように微細な凹凸を形成した後に酸処理を行って自然酸化膜をフッ酸含有溶液で除去する第一の酸化膜除去工程と、図1(c)に示すように不純物を熱拡散させて表面に逆導電型半導体領域を形成した後に酸処理を行って熱拡散によって前記半導体基板に生じた熱酸化膜をフッ酸含有溶液で除去する第二の酸化膜除去工程を設けている。本発明の場合、微細な凹凸の突起部3上に載っているエッチング残渣1は非常に小さいので、体積に対する表面積の割合が非常に大きく、従来の場合よりも酸化されやすいと考えられる。したがって、これらの酸化物除去工程を経ることによって、エッチング残渣1は図1(b)、図1(c)のように確実に除去される。すなわち、図1(b)の第一の酸化物除去工程だけでは除去しきれなかったとしても、逆導電型半導体形成工程において、不純物を熱拡散させる際の熱によって、エッチング残渣1の部分が酸化され、図1(c)の第二の酸化物除去工程で除去されるのである。
このように本発明の構成によれば、従来行っていた超音波洗浄などによる物理的なエッチング残渣除去の工程がないため、基板にダメージを与えて、特性低下を及ぼしたり、マイクロクラックを生成して割れやカケを生じたりすることがない。
以上のように、太陽電池素子の製造方法によれば、超音波洗浄によるエッチング残渣の除去工程を設けなくても、太陽電池の素子特性には悪影響がなく、さらに後工程でエッチング残渣が減少しやすいので、従来行っていた超音波洗浄などによる物理的な残渣除去の工程が不要となる。したがって基板に与えられるダメージによる特性低下や、マイクロクラックの生成による割れ、カケの原因を未然に防ぐことができる。よって太陽電池素子の歩留まりを向上させることができる。さらに、超音波洗浄による残渣除去をなくすことにより、工程を減らすことができ、コストの点でも有利となる。
また、太陽電池素子の製造方法によれば、後の工程でエッチング残渣をほぼ完全に除去することが可能となり、さらに確実に本発明の効果を奏することができる。そして、第一の酸化膜除去工程において、エッチング残渣の除去と自然酸化膜の除去とをフッ酸含有溶液で同時に行うことから、確実にエッチング残渣を除去することが可能になるとともに、次の逆導電型半導体形成工程において清浄化された状態で任意のシート抵抗の逆導電型半導体の拡散層を形成することが可能になるため、高い特性の太陽電池素子を簡易な工程で形成することが可能になる。さらに、第二の酸化膜除去工程において、エッチング残渣の除去と熱拡散によって前記半導体基板に生じた熱酸化膜の除去をフッ酸含有溶液で行うことから、確実にエッチング残渣を除去することが可能になるとともに、この後の工程、例えば、電極形成工程などにおいて清浄化された状態で逆導電型半導体上に電極を形成することが可能になるため、高い特性の太陽電池素子を簡易な工程で形成することが可能になる。
さらに、太陽電池素子の製造方法によれば、第一の酸化膜除去工程では、エッチング残渣のうち自然酸化膜となった部分をフッ酸含有溶液で除去し、第二の酸化膜除去工程では、熱拡散による加熱によって残りのエッチング残渣をほぼ完全に酸化させた後に熱拡散に
よって前記半導体基板に生じた熱酸化膜となった部分をフッ酸含有溶液で除去するので、エッチング残渣をほぼ完全に除去することができる。したがって、エッチング残渣による影響をほぼ皆無に抑え、後工程において、例えば反射防止膜を形成する際にムラが生じたりすることがなく、高い変換効率を有する高特性の太陽電池素子を形成することが可能となる。
そして、太陽電池素子の製造方法によれば、フッ酸を含有する溶液を用いて酸化膜を除去するようにしたので、特にシリコン系の太陽電池においてシリコンの酸化膜を効率良く除去することができ、同時に酸化されたエッチング残渣も確実に除去することができる。
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図3は本発明にかかる太陽電池素子の製造方法で形成される太陽電池素子の構造図である。図3において、4は逆導電型半導体領域、5は半導体基板、6は微細な凹凸、7は反射防止膜、8は裏面側の高濃度拡散層(BSF:Back Surface Field)、9は表面電極、10は裏面電極を示す。
なお、本発明では多結晶シリコン基板を例に説明しているが、結晶系基板を用いたバルク型の太陽電池であればその種類は問わない。
半導体基板5はp型、n型いずれでもよいが、ここでは便宜上ドーピング不純物元素としてB(ホウ素)を含有したp型の半導体シリコン基板によって説明する。
基板を切り出すインゴットとしては、CZ法・FZ法・EFG法などの方法で作られた単結晶シリコンインゴットや、キャスト法で鋳造された多結晶シリコンインゴットを用いることができる。なお、多結晶シリコンは、大量生産が可能で製造コスト面で単結晶シリコンよりもきわめて有利である。
上述の方法により、形成されたインゴットを300μm程度の厚みにスライスして、15cm×15cm程度の大きさに切断して半導体基板5を得る。
なお半導体基板5のドーピングはドーピング不純物元素単体を適量シリコンインゴット製造時に含ませてもよいし、既にドープ濃度の分かっているシリコン塊を適量含ませてもよい。
次に、凹凸形成工程として、半導体基板5の一主面側には入射する光を反射させずに有効に取り込むために微細な凹凸6をドライエッチングによって形成する。これは真空引きされたチャンバ内にガスを導入して一定圧力に保持してチャンバ内に設けられた電極にRF電力を印加することでプラズマを発生させ、生じた活性種であるイオン・ラジカルなどの作用によって基板の表面をエッチングするものである。この方法は反応性イオンエッチング(RIE)法と呼ばれる。
図4に反応性イオンエッチング装置を示す。アース16されたチャンバ17の内部を真空ポンプ14によって、十分真空引きした後、チャンバ17内にマスフローコントローラ11によって所定流量のエッチングガスを導入し、圧力調整器13により所定圧力となるように調整する。その後、RF電源15からRF電力をRF電極12に供給することによって、エッチングガスを励起分解しプラズマを発生させる。そしてイオンやラジカルを励起活性化して、RF電極12の上部に設置した半導体基板5の表面をエッチングする。
発生した活性種のうち、イオンがエッチングに作用する効果を大きくした方法を一般に反応性イオンエッチング法と呼んでいる。類似する方法にプラズマエッチングなどがあるが、プラズマの発生原理は基本的に同じであり、基板に作用する活性種の種類の分布をチャンバ構造、電極構造、あるいは発生周波数等によって異なる分布に変化させているだけである。そのため、本発明は反応性イオンエッチング法に限らず、プラズマエッチング法全般に対して有効である。
ここで、例えば反応性イオンエッチング装置において、塩素(Cl)と酸素(O)と六フッ化硫黄(SF)を1:5:5の割合で流しながら、RF電力を印加することでプラズマを発生させて反応圧力を7Paとし、所定時間エッチングする。これによってシリコンの半導体基板5の表面には微細な凹凸6が形成される。
シリコンはエッチングすると基本的には気化するが、一部は気化しきれずに分子同士が吸着して半導体基板5の表面にエッチング残渣として残る。つまり、半導体基板5の表面を反応性イオンエッチング法および類似のドライエッチング法で粗面化する際に、エッチングされた半導体材料を主成分とするエッチング残渣を半導体基板5の表面に再付着させる速度を促進させ、これをエッチングのマイクロマスクとして利用することで半導体基板5の一主面側に微細な凹凸6を形成するものである。
また、ガス条件、反応圧力、RFパワーなどをシリコンのエッチング残渣が半導体基板5の表面に残るような条件に設定すると、微細な凹凸6を確実に形成することができる。逆に半導体基板5の表面にエッチング残渣が残らないような条件では微細な凹凸6を形成することは困難である。
この微細な凹凸6のアスペクト比(高さ/幅)は最適化する必要があり、0.1〜2の範囲とすることが望ましい。この範囲を超えると太陽電池素子の製造過程で微細な凹凸6が破損し、太陽電池素子を形成した場合にリーク電流が多くなって良好な出力特性が得られないという問題があり、この範囲未満では、例えば波長500〜1000nmの光の平均反射率が25%程度となり基板表面での反射率が大きくなるという問題がある。
なお、本発明にかかる太陽電池素子の製造方法においては、この凹凸形成工程でドライエッチングによる微細な凹凸6形成の際にはエッチング残渣が半導体基板5表面に生成するが、このエッチング量は、仮にエッチング残渣を除去したと仮定した場合に、0.015mgを超えないように調整することが必要である。この範囲内であれば、このような微量のエッチング量でも微細な凹凸6を十分に形成でき、エッチング残渣が入射した光を遮って受光面に影を作って変換効率に悪影響を及ぼすことがない。それだけではなく、従来行っていた超音波洗浄などによる物理的なエッチング残渣除去の工程が不要となる。
なお、エッチング量は0.001mg以上とすることが望ましい。この範囲未満では、エッチング残渣が少なくなりすぎるので、ドライエッチング時にマイクロマスクとして作用し微細な凹凸6の形成に寄与する効果が低くなるからである。
なおエッチング量を上述の範囲とするためには、あらかじめ所定の条件でドライエッチングを行って微細な凹凸6を形成し、かかるエッチング条件におけるエッチング量を測定して、エッチング条件のパラメータとエッチング量との相関を求めて検量線を作っておけばよい。エッチング量の測定は、エッチング後の基板を例えば超音波洗浄などによってエッチング残渣を除去し、エッチング前の重量との比較を行えばよい。また、超音波洗浄の代わりに、例えば、ブラシを用いて除去した後にエッチング前後の重量を確認してもよい。エッチング残渣が除去できているかどうかの確認は、例えば走査型電子顕微鏡を用いて観察すればよい。
また、エッチング残渣の量を単位面積(1cm)当たり0.015mgを超えないようなドライエッチングの条件としては次のような方法を用いればよい。まず、反応性イオンエッチングにより微細な凹凸6を形成する場合、例えば、塩素(Cl)と酸素(O)と六フッ化硫黄(SF)を1:5:5程度の割合で流し、反応圧力7Paで所定時間エッチングを行う。ここで、エッチングの時間を短縮したり、あるいはRFパワーを小さくしたり、あるいは全体のガス流量を下げたりすることによって、エッチング残渣の量を減少させることができる。また、ガスの流量バランスを変えても、エッチング残渣量を減少させることができる。
なお、エッチングの条件を変えると、エッチング形状も変化するので、太陽電池の特性が低下しないようにエッチング条件と凹凸の大きさ・形状、残渣の量を考慮した最適化が必要である。
次に、第一の酸化膜除去工程によって、半導体基板5から酸化膜を除去する。特に微細な凹凸6の部分は、表面積が大きいため、表面に自然酸化膜が形成されやすい。これを除去することによって、後工程である逆導電型半導体形成工程において、清浄な面に対して半導体接合層を形成することができ、太陽電池素子の特性が向上する。
また、図1に示したように、本発明の太陽電池素子の製造方法においては、ドライエッチングによる凹凸形成工程の際に生じたエッチング残渣1は、この酸化膜除去工程で同時に除去される。本発明の場合、微細な凹凸の突起部3に載っているエッチング残渣1は、
非常に小さいので体積に対する表面積の割合が大きくなり、酸化が進行しやすい。したがって図1(b)に示すように、この第一の酸化膜除去工程によって極めて容易に除去することができるのである。
さらに、本発明の太陽電池素子の製造方法において、この酸化膜除去工程はフッ酸を含有する溶液、例えば、0.1〜50重量%のフッ酸の水溶液、あるいは、混酸(フッ酸と硝酸とを例えば、1:10の比率で混合したもの)などによるウェットエッチング処理であることが望ましい。このように酸化膜除去工程において、フッ酸を含有する溶液を用いれば、特にシリコン系の太陽電池においてシリコンの酸化膜を効率良く除去することができ、同時に酸化されたエッチング残渣も確実に除去することができる。
その後、PN接合を形成する逆導電型半導体形成工程として、一導電型を有する半導体基板5の一主面側、すなわち上述の微細な凹凸6を設けたのと同じ面側に逆導電型半導体領域4を形成する。
この逆導電型半導体領域4の形成は、一般に気相拡散の方法として、半導体基板5を設置した容器内に加熱しながらキャリアガスを用いてPOCl(オキシ塩化リン)を流すことで不純物拡散源となるリンガラスを半導体基板5の表面に形成し、同時に半導体基板5の表面への熱拡散も行う。
また、他の方法としては塗布拡散などがあり、これは不純物拡散源となる薄膜を半導体基板5上にスピンコートなどで塗布し、これを加熱処理によって熱拡散させて逆導電型半導体領域4を形成する方法である。本発明はこれらのように表面に高濃度の不純物拡散源を形成してから、あるいは同時に加熱処理を行って不純物拡散する方法のいずれの方法でも有効である。
POClを拡散源とした熱拡散法を用いた場合、例えば、温度700〜1000℃程度で、半導体基板5の表面にドーピング不純物元素を拡散することによって、逆導電型半導体領域4を形成することができる。このとき拡散層厚は0.2〜1μm程度とするが、これは拡散温度と拡散時間を調節することで、所望の厚さとすることができる。
通常の拡散法では、目的とする面とは反対側の面や基板のエッジ部にも拡散領域が形成されるが、その部分は後からエッチングしたり、サンドブラストなどによって除去すればよい。あるいは、後述するように、裏面側の高濃度拡散層8をAlペーストによって形成する場合は、p型のドーピング不純物元素であり拡散係数の高いAlを充分な濃度かつ充分な深さまで拡散させることができるので、既に拡散された浅い領域のn型の逆導電型の拡散層の影響は無視できる。
また、逆導電型半導体領域4の表面側のシート抵抗は60〜300Ω/□程度にするとよい。この値は四探針法により測定することができる。すなわち半導体基板5の表面に一直線上に並んだ4本の金属針を加圧しながら接触させ、外側の2本の針に電流を流したときに内側の2本の針の間に発生した電圧を測定し、この電圧と流した電流からオームの法則により抵抗値を求める。
このシート抵抗の値を60〜300Ω/□とすることによって太陽電池を形成したときの短絡電流を大幅に増大させることができる。その理由としては次のように推測される。まず、半導体基板5の表面に上記のような微細な凹凸6を形成する場合、このような凹凸6を形成しない場合に比較して、逆導電型半導体不純物が半導体基板5の表面側に拡散されやすくなり、逆導電型半導体不純物が深く、かつ大量に拡散される。したがって、半導体接合部が半導体基板5の表面から離れた深いところに形成され、この半導体接合部に光が到達しにくくなって短絡電流が向上しない。このように、半導体基板5の表面に微細な凹凸6を多数形成した場合には半導体基板5の表面部のシート抵抗値を従来品よりも高くなるように設定すれば、半導体接合部が半導体基板5の比較的浅いところで形成されるようになるので、短絡電流値の向上を図ることができる。ここで、基板表面のシート抵抗値が60Ω/□未満の場合、短絡電流の低下が起こり、300Ω/□を超えると半導体基板5の表面側全面にわたって逆導電型半導体不純物を均一に拡散させることが困難になるので、不適である。
本発明の太陽電池素子の製造方法においては、逆導電型半導体形成工程を熱拡散によって行ったときに、前の工程であるドライエッチングによって生成し、第一の酸化膜除去工程で完全には除去しきれなかったエッチング残渣は、熱拡散時にさらに酸化される。この酸化されたエッチング残渣は、後述する第二の酸化膜除去工程時に、ほぼ完全に除去することができるのである。
次に、第二の酸化膜除去工程によって、半導体基板5から酸化膜を除去する。特に逆導電型半導体形成工程においては、熱拡散によって半導体基板5に酸化膜が形成されやすい。これを除去することによって、後工程、例えば、反射防止膜形成工程や電極形成工程などにおいて、清浄な面に対して必要な処理をすることができるので、形成される太陽電池素子の特性が向上する。
また、図1で説明したように、本発明の太陽電池素子の製造方法においては、ドライエッチングによって生成し、第一の酸化膜除去工程で完全には除去しきれなかったエッチング残渣1は、熱拡散の際に、熱によってさらに酸化される。そして、図1(c)に示すように第二の酸化膜除去工程において、極めて容易に除去することができるのである。
さらに、本発明の太陽電池素子の製造方法において、この第二の酸化膜除去工程は、第二の酸化膜除去工程と同様に、フッ酸を含有する溶液、例えば、0.1〜50重量%のフッ酸の水溶液、あるいは、混酸(フッ酸と硝酸とを例えば、1:10の比率で混合したもの)などによるウェットエッチング処理であることが望ましい。このように酸化膜除去工程において、フッ酸を含有する溶液を用いれば、特にシリコン系の太陽電池においてシリコンの酸化膜を効率良く除去することができ、同時に酸化されたエッチング残渣も確実に除去することができる。
次に、裏面側の高濃度拡散層8を形成する。不純物元素としてはBやAlを用いることができ、不純物元素濃度を高濃度として、p型とすることによって後述する裏面電極10との間にオーミックコンタクトを得ることができる。
製法としてはBBrを拡散源とした熱拡散法を用いて温度800〜1100℃程度で形成したり、特にAlの場合はAl粉末とガラスフリット、有機溶剤、バインダーなどからなるAlペーストを印刷法で塗布したのち温度700〜850℃程度で熱処理(焼成)してAlを拡散したりする方法を用いることができる。なお、この裏面側の高濃度拡散層8を熱拡散法で形成する場合は、既に形成してある逆導電型半導体領域4の表面側には酸化膜などの拡散バリアをあらかじめ形成しておくことが望ましい。またAlペーストを印刷して焼成する方法を用いれば、印刷面だけに所望の拡散層を形成することができるだけではなく、既に述べたように逆導電型半導体領域4形成時に同時に裏面側にも形成されているn型の逆導電型の拡散層を除去する必要もなくすことができる。
次に反射防止膜7を形成する。この反射防止膜7の形成は、プラズマCVD法、蒸着法、スパッタ法などを用いることができる。通常は、プラズマCVD法を用いて温度400〜500℃程度で形成する。
反射防止膜7の材質としては、Si膜・TiO膜・SiO膜・MgO膜・ITO膜・SnO膜・ZnO膜などを用いることができる。一般的には、Si膜がパッシベーション性を有することから好適に用いられ、原料ガスとしてシランとアンモニアの混合ガスをRFやマイクロ波などによってプラズマ化し、Siを生成させて反射防止膜7を形成する。
なお、反射防止膜7の厚さは材料によって適宜選択され、入射光に対する無反射条件を実現するようにすればよい。即ち、材料の屈折率をnとし、無反射にしたいスペクトル領域の波長をλとすれば、(λ/n)/4=dを満たすdが反射防止膜7の最適膜厚となる。例えば、一般的に用いられるSi膜(n=約2)の場合は、無反射目的波長を600nmとすれば、膜厚を75nm程度とすればよい。
本発明においては、前工程である凹凸形成工程において生成したドライエッチング時のエッチング残渣が、ドライエッチング時のエッチング量が基板面積1cm当たり0.015mgを超えないようにしたこと、ドライエッチングの後の工程において、エッチング残渣を減少させていること、などの理由から、エッチング残渣の量が、非常に微少となっているため、反射防止膜7を形成するときにムラが生じることがない。
反射防止膜7を形成した後、表面電極9と裏面電極10とを形成する。これらの電極の製法としては、Agなどの金属を含んだペーストを用いた印刷法などの厚膜による成膜プロセスや、スパッタ法、蒸着法などの真空プロセスを用いた成膜プロセスを用いることができる。
表面電極9の材料は、特に限定するものではないが、Ag、Cu、Alといった低抵抗金属を少なくとも1種含む材料を用いることが望ましい。また、裏面電極10の材料についても特に限定するものではないが、シリコン系の太陽電池を用いた場合、シリコンに対して反射率の高いAgを主成分に含む金属を用いることが望ましい。これらの電極材料としては一種類に限るものではなく、目的に応じて複数の材料を積層したり、混合したりすることも可能である。例えば、電極と半導体との界面にTiを主成分とした金属層を挿入すれば、電極の接着強度を高めることができる。
また、電極材料のパターンは、太陽電池素子から集電するために一般的に用いられるパターン、例えば表面電極9の場合であれば、一般的な櫛形パターンとすればよい。さらに、電極を所定形状にするためのマスクとしては、材質・形状は特に問わず、内部の雰囲気などに大きな影響を及ぼさないものであれば使用可能である。電極パターンにあわせたマスクの加工性の面などからは金属で作製するのが簡便である。
なお、上述のようにして作製された太陽電池素子は、通常は所要の出力電圧や出力電流を得ることができるように、複数個直列および並列に電気的に接続した状態で耐候性のある素材で覆われ太陽電池モジュールとなる。例えば、太陽電池素子の受光面にはガラス板や合成樹脂板などの光透過板を配置し、その裏面である非受光面にはテフロン(R)(デュポン社の登録商標)製のフィルムやPVF(ポリフッ化ビニル)、PET(ポレエチレンテレフタレート)などの耐候性フィルムが被着されている。そして、光透過板と耐候性フィルムとの間には、充填材として、例えばEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)などからなる透明な合成樹脂を介在させている。そして、これらの光透過板、太陽電池素子および耐候性フィルムの重ね構造の本体に対し、その各辺周囲をアルミニウムやSUSなどからなる枠体を挟み込むように装着し、太陽電池モジュール全体の強度を高めている。
さらにこのような太陽電池モジュールを複数配設して太陽電池アレイとし、この太陽電池アレイで発電された電力によって、系統連系用のインバータへと送電し、一般の交流負荷に供給したり、もしくは系統連系により電力会社へ売電することができるようになっている。
本発明の製造方法によって作製された太陽電池素子は、ドライエッチングによりエッチングされる量が、基板面積1cm当たり0.015mgを超えないようにされているので、太陽電池素子に入射した光が、エッチング残渣によって遮られて受光面に影を作って変換効率に悪影響を及ぼすことがない。また、エッチング残渣量が非常に微量であるため、従来行っていた超音波洗浄によるエッチング残渣の除去工程を設けなくても、太陽電池の素子特性には悪影響がなく、さらに後工程でエッチング残渣が減少しやすいので、従来行っていた超音波洗浄などによる物理的な残渣除去の工程が不要となる。したがって基板に与えられるダメージによる特性低下や、マイクロクラックの生成による割れ、カケの原因を未然に防ぐことができ、太陽電池素子の歩留まりを向上させることができる。さらに、超音波洗浄による残渣除去をなくすことにより、工程を減らすことができ、コストの点でも有利となる。
また製造工程において、熱拡散の工程と二つの酸化膜除去工程を経るようにすれば、ドライエッチングで生じたエッチング残渣の少なくとも一部を、第一の酸化膜除去工程および/または第二の酸化膜除去工程で除去することができ、残ったエッチング残渣を確実に除去することができる。そして、これらの酸化膜除去工程に続く工程、例えば、逆導電型半導体形成工程や電極形成工程などにおいて清浄化された状態で処理をすることが可能になるため、高い特性の太陽電池素子を簡易な工程で形成することが可能になる。
なお、本発明の実施形態は上述の例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることはもちろんである。
例えば、上述において、半導体基板5に逆導電型半導体領域4を設けた後、半導体基板5の裏面に高濃度拡散層8(BSF)を設けた例で説明したが、これに限るものではなく、例えば、プラズマCVD法などによって、水素化アモルファスシリコン膜や微結晶シリコン相を含む結晶質シリコン膜などに不純物を高濃度となるようにドーピングして基板温度400℃程度以下、膜厚は10〜200nm程度となるように成膜してもよい。このように真空プロセスを用いて成膜する場合、途中で大気開放することなく連続して成膜できるように装置を構成しておくことが望ましく、微細な凹凸6に自然酸化膜が形成されたり、途中の工程で意図しない不純物によって汚染されたりすることがなく、高品質の太陽電池素子を形成することができるという利点がある。
さらに、上述の例では、電極形成工程を真空プロセスによって成膜した例で説明したがこれに限るものではなく、電極を印刷法などの厚膜プロセスによって形成してもよい。
本発明にかかる太陽電池素子の作製方法によって、太陽電池素子の表面に微細な凹凸を形成した模式図であり、(a)はドライエッチングにより微細な凹凸を形成した直後の状態、(b)は微細な凹凸を形成した後に酸処理を行って自然酸化膜を除去した状態、(c)は不純物を熱拡散させて表面に逆導電型半導体領域を形成した後に酸処理を行ったときの状態である。 従来のドライエッチングの条件によって、太陽電池素子の表面に微細な凹凸を形成した模式図であり、(a)はドライエッチングにより微細な凹凸を形成した直後の状態、(b)は従来の超音波洗浄によりエッチング残渣を除去した状態、(c)は酸処理を行ったときの状態である。 本発明にかかる太陽電池素子の製造方法を用いて形成した太陽電池素子を示す図である。 本発明にかかる太陽電池素子の製造方法に用いるエッチング装置を示す図である。
符号の説明
1:エッチング残渣
2:ピラー部
3:微細な凹凸の突起部
3a:クラック
3b:欠け
4:逆導電型半導体領域
5:半導体基板
6:微細な凹凸
7:反射防止膜
8:高濃度拡散層
9:表面電極
10:裏面電極
11:マスフローコントローラ
12:電極
13:圧力調整器
14:真空ポンプ
15:電源
16:アース
17:チャンバ

Claims (1)

  1. 一導電型を有する半導体基板の一主面側にドライエッチングで微細な凹凸を形成する凹凸形成工程と、前記凹凸形成工程に引き続いて、前記半導体基板の一主面側に逆導電型半導体領域を設ける逆導電型半導体形成工程とを具備した太陽電池素子の製造方法において、前記凹凸形成工程は、塩素(Cl)と酸素(O)と六フッ化硫黄(SF)が1:5:5の割合で流し、反応圧力7Paの雰囲気下で、前記ドライエッチングによりエッチングされる量が、基板面積1cm当たり0.015mgを超えないようにしながら微細な凹凸を形成する工程と、次いで前記半導体基板の自然酸化膜をフッ酸含有溶液で除去する第一の酸化膜除去工程とを備え、前記逆導電型半導体形成工程は、前記半導体基板を加熱して逆導電型不純物を熱拡散させることにより前記逆導電型半導体領域を形成する工程と、次いで前記熱拡散によって前記半導体基板に生じた熱酸化膜をフッ酸含有溶液で除去する第二の酸化膜除去工程とを備えたことを特徴とする太陽電池素子の製造方法。
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