JP4622834B2 - 回転バレルめっき装置 - Google Patents

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Description

本願発明は、めっき装置に関し、詳しくは、電子部品素子などの被めっき物をバレルに入れてめっき液に浸漬し、通電しながらバレルを回転させて被めっき物にめっきを施す回転バレルめっき装置に関する。
電子部品などの被めっき物にめっきを施す際に用いられるめっき装置の一つに回転バレルめっき装置がある。図7は、従来の回転バレルめっき装置の一例を示す図である。
この回転バレルめっき装置は、少なくとも一部がめっき液を通過させる網状部材から構成され、内部に陰極電極(給電端子)52が配設されたバレル51内に、例えば積層セラミックコンデンサなどの多数の被めっき物(図示せず)と、被めっき物と陰極電極52とを導通させる、例えば、スチールボールなどの接触媒体(図示せず)を収納した後、バレル51をめっき槽53内のめっき液54中に浸漬し、めっき槽53内に配設された陽極電極55と陰極電極52との間に通電しつつ、めっき液54中でバレル51を回転させ、被めっき物を、接触媒体を介して陰極電極52およびめっき液54に接触させることにより、被めっき物にめっきを行う(例えば、積層セラミックコンデンサの外部電極にNiめっきやSnめっきを行う)ように構成されている。
また、このような回転バレルめっき装置においては、陰極線56の先端に取り付けられた陰極電極52がバレル51の内部に配設された状態とするために、通常は、図8に示すように、先端に陰極電極52が配設された陰極線56の、陰極電極52が配設されていない方の端部側を、バレル51の端面57側に配設された、バレル51を回転可能に支持するバレル支持回転軸58の貫通孔59から、バレル51の外側に導き出すことにより、陰極線56の先端に取り付けられた陰極電極52がバレル51内の所定の位置に配設された状態となるように構成されている。
そのため、陰極線56を、バレル支持回転軸58に設けられた貫通孔59を貫通させ、バレルの内部から、陰極線56の、陰極電極52が配設されていない方の端部側をバレル支持回転軸58の貫通孔59を経て、バレル51の外側に導き出すことができるように、貫通孔59の内径を陰極線56の外径よりもわずかに大きく形成している。
しかしながら、近年、被めっき物である積層セラミックコンデンサの小型化が進み、めっき中に、積層型コンデンサが陰極線56と貫通孔59との隙間に入り込む場合が生じるようになり、この隙間に入り込んだ積層セラミックコンデンサにおいては、外部電極の表面に形成されるべきめっき膜厚が薄くなり、場合によってはめっき不良を生じるという問題点がある。
また、この傾向は陰極線の外径および貫通孔の内径のばらつきによりさらに増大する場合がある。
特許第3431007号公報
本願発明は、上記課題を解決するものであり、被めっき物の寸法が小さい場合にも、被めっき物が陰極線と貫通孔との隙間に入り込むことを防止して、めっき不良をなくし、製品の歩留まりを向上させることが可能な回転バレルめっき装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願請求項1の回転バレルめっき装置は、
略筒状で回転可能に構成され、内部に被めっき物が収容されるバレルと、
前記バレルの両端面の軸心が通過する位置を含む位置に配置され、自身は回転せずに、前記バレルを回転可能に支持するバレル支持回転軸と、
線状の導電材料からなる陰極線本体と、前記陰極線本体の表面を被覆する絶縁材料からなる被覆材とを備え、端部に被めっき物に給電するための陰極電極が前記陰極線本体と電気的に導通するように配設された陰極線と
を具備し、
前記バレル支持回転軸は前記陰極線の一部を通過させるための貫通孔を備えており、
前記陰極線は、前記バレル支持回転軸の前記貫通孔を貫通して、前記陰極電極が配設された方の端部が前記バレル内に位置するように配設されており、かつ、前記陰極線の前記バレル支持回転軸の前記貫通孔を通過する領域の近傍は、前記陰極電極が配設された方の端部側から前記バレル支持回転軸の前記貫通孔を通過する領域に向かって、直径が徐々に小さくなるようなテーパ形状とされており、
前記バレル支持回転軸の前記貫通孔の、前記バレルの内部側の開口部と、前記陰極線のテーパ形状部の外周とが接して、前記陰極線の前記テーパ形状部の外周と前記貫通孔の前記バレルの内部側の開口部との間に実質的に隙間のない状態で前記バレルが回転するように構成されていること
を特徴としている。
また、請求項2の回転バレルめっき装置は、請求項1記載の発明の構成において、前記陰極線の前記テーパ形状部が、
(a)同一径の陰極線本体と、前記陰極電極が配設された方の端部側から前記バレルの外側に至る領域に向かって、徐々に厚みが小さくなる被覆材とから構成されているか、または、
(b)前記陰極電極が配設された方の端部側から前記バレルの外側に至る領域に向かって、直径が徐々に小さくなるようなテーパ形状を有する陰極線本体と、前記陰極電極が配設された方の端部側から前記バレルの外側に至る領域に向かって厚みが同じである被覆材とから構成されているか
のいずれかであることを特徴としている。
また、請求項3記載の回転バレルめっき装置は、請求項1または2の発明の構成において、前記陰極線の外周部が所定の位置で、前記バレル支持回転軸の前記貫通孔の、前記バレルの内部側の開口部と接触して、前記陰極線が所定の位置で前記バレル支持回転軸の前記貫通孔に保持され、前記バレル内部に位置する部分の長さが所定の長さとなるように、前記陰極線を構成する陰極線本体を被覆する被覆材を削ることにより、前記陰極線の前記テーパ形状部の寸法、形状が調整されていることを特徴としている。
また、請求項の回転バレルめっき装置は、請求項1または2の発明の構成において、前記陰極線の外周部が所定の位置で、前記バレル支持回転軸の前記貫通孔の、前記バレルの内部側の開口部と接触して、前記陰極線が所定の位置で前記バレル支持回転軸の前記貫通孔に保持され、前記バレル内部に位置する部分の長さが所定の長さとなるように、前記貫通孔の内周面を削ることにより、前記貫通孔の内径が調整されていることを特徴としている。
本願請求項1の回転バレルめっき装置は、略筒状で回転可能に構成され、内部に被めっき物が収容されるバレルと、バレルを回転可能に支持するバレル支持回転軸と、バレル内に位置する方の端部に陰極電極が配設された陰極線とを具備する回転バレルめっき装置において、バレル支持回転軸が陰極線の一部を通過させるための貫通孔を備えた構成とし、陰極線を、バレル支持回転軸の貫通孔を貫通して、陰極電極が配設された方の端部がバレル内に位置するように配設し、かつ、陰極線のバレル支持回転軸の貫通孔を通過する領域の近傍を、陰極電極が配設された方の端部側からバレル支持回転軸の貫通孔を通過する領域に向かって、直径が徐々に小さくなるようなテーパ形状とし、バレル支持回転軸の貫通孔の、バレルの内部側の開口部と、陰極線のテーパ形状部の外周とが接するようにして、陰極線のテーパ形状部の外周と、貫通孔のバレルの内部側の開口部との間に実質的に隙間のない状態でバレルを回転させることができるようにしているので、バレル支持回転軸の貫通孔と陰極線の隙間に、めっき中に被めっき物が入り込むことを防止して、めっき膜厚が極端に薄くなったり、めっき膜が全く形成されなくなったりするというようなめっき不良を発生させることなく、被めっき物に均一なめっき膜を確実に形成して、製品の歩留まりを向上させることができる。
また、陰極線のテーパ部の外径とバレル支持回転軸の貫通孔の内径を調節し、バレル支持回転軸の貫通孔の内径と一致する陰極線のテーパ形状部における外径の位置を調整することにより、陰極線のバレル内に位置する部分の長さを容易に調整することが可能になり、陰極電極を適切な位置に配設して、信頼性の高い回転バレルめっきを行うことが可能になる。
また、請求項2の回転バレルめっき装置のように、請求項1記載の発明の構成において、陰極線のテーパ形状部を、(a)同一径の陰極線本体と、陰極電極が配設された方の端部側からバレルの外側に至る領域に向かって、徐々に厚みが小さくなる被覆材とから構成されているか、または、(b)陰極電極が配設された方の端部側からバレルの外側に至る領域に向かって、直径が徐々に小さくなるようなテーパ形状を有する陰極線本体と、陰極電極が配設された方の端部側からバレルの外側に至る領域に向かって厚みが同じである被覆材とから構成されているかのいずれかとした場合、陰極線に確実にかつ所望のテーパ形状を付与することが可能になり、本願発明をさらに実効あらしめることが可能になる。
ただし、陰極線のテーパ形状部の構成は上記の構成に限らず、例えば、陰極線本体と被覆材の両方を、陰極電極が配設された方の端部側からバレルの外側に至る領域に向かって、直径が徐々に小さくなるようにした構成とすることも可能である。
また、請求項3記載の回転バレルめっき装置のように、請求項1または2の発明の構成において、陰極線を構成する陰極線本体を被覆する被覆材を削ることにより、陰極線のテーパ形状部の寸法、形状が調整された構成とすることで、バレル支持回転軸の貫通孔の内径にあわせて陰極線の外径を調整することが可能になる。また、陰極線を交換しても、その外径をバレル支持回転軸の貫通孔に対応するように削ることから、バレル支持回転軸を継続使用することが可能になる。また、陰極線を構成する被覆材の厚み(コーティング厚み)の精度が低く、目標値から外れていても、陰極線を所定位置で隙間なく保持することが可能になる。
また、請求項の回転バレルめっき装置のように、請求項1または2の発明の構成において、陰極線が所定の位置でバレル支持回転軸の貫通孔に保持されるように、貫通孔の内周面を削ることにより、貫通孔の内径が調整された構成とすることで、陰極線のテーパ部の外径にあわせて、バレル支持回転軸の貫通孔の内径を調整することが可能になる。
以下に本願発明の実施例を示して、本願発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
図1は、本願発明の一実施例(実施例)にかかる回転バレルめっき装置の概略構成を示す図、図2はバレルの端面側部分を構成する端面構成部材へのバレル支持回転軸の配設態様を示す図、図3はバレル支持回転軸の貫通孔近傍を拡大して示す図である。
この実施例の回転バレルめっき装置は、内部にめっき液11が収容されるめっき槽12と、めっき槽12内に配設される、六角筒状で、回転可能に構成され、内部に被めっき物が収容されるバレル1と、バレル1の両端面の軸心が通過する位置を含む位置に配置され、自身は回転せずに、バレル1を回転可能に支持するバレル支持回転軸2と、線状の導電材料(この実施例では銅線)からなる陰極線本体3と、陰極線本体3の表面を被覆する絶縁材料(この実施例ではフッ素樹脂からなる)からなる被覆材4を備え、端部に被めっき物に給電するための陰極電極(給電端子)5が陰極線本体3と電気的に導通するように配設された陰極線6とを具備している。
バレル支持回転軸2は、図2および図3に示すように、バレル1の端面側部分を構成する板状の端面構成部材13に配設されており、バレル支持回転軸2はバレル1を保持し、めっき槽12(図1)への浸漬や取り出しなどを行うためのバレル保持アーム14に結合されている。
また、一方のバレル支持回転軸2(2a)は陰極線6の一部を通過させるための貫通孔7を備えている。
さらに、陰極線6は、図1および図3に示すように、陰極電極5が配設された方の端部と逆側の端部がバレル支持回転軸2の貫通孔7から導き出され、陰極電極5が配設された方の端部側がバレル1内に位置している。そして、陰極線6の前記バレル支持回転軸2の貫通孔7を通過する領域の近傍は、陰極電極5が配設された方の端部側からバレル支持回転軸2の貫通孔7を通過する領域に向かって、直径が徐々に小さくなるようなテーパ形状とされている。すなわち、図3における、陰極線6の、バレル1の内側の所定の領域における直径D1よりもバレル1の外側の所定の領域における直径D2の方が小さくなるようなテーパ形状とされており、D1,D2と、貫通孔7の開口部の内径dとの関係が、D1>d>D2の条件を満たすように構成されている。
また、バレル支持回転軸2の貫通孔7における、バレル1の内部側の開口部7aと、陰極線6のテーパ形状部16の外周16aとが接して、陰極線6のテーパ形状部16の外周16aと貫通孔7のバレル1の内部側の開口部7aとの間に実質的に隙間のない状態でバレル1が回転するように構成されている。
なお、この実施例において、陰極線6のテーパ形状部16は、同一径の線状の陰極線本体3を被覆する被覆材4の厚みを、陰極電極5が配設された方の端部側からバレル1の外側に至る領域に向かって徐々に小さくなるようにすることにより形成されている。
上述のように構成された回転バレルめっき装置においては、陰極線6をバレル1の内側からバレル支持回転軸2の貫通孔7に挿入し、先端側を貫通孔7を経てバレル1の外側に導き出すとともに、テーパ形状部16の外周16aをバレル支持回転軸2の貫通孔7の開口部7aと当接させることにより、確実に、陰極線6のテーパ形状部16の外周16aと貫通孔7のバレル1の内部側の開口部7aとの間に実質的に隙間がない状態とすることが可能になる。
そして、この状態で、バレル1を回転させてめっきを行うことにより、バレル支持回転軸2の貫通孔7と陰極線6の隙間に、被めっき物が入り込むことを防止することが可能になる。その結果、形成されるめっき膜厚が極端に薄くなったり、めっき膜が全く形成されなくなったりするというようなめっき不良を発生させることなく、均一なめっき膜厚を確実に形成して、製品の歩留まりを向上させることができる。
また、テーパ形状部16の外周16aの、バレル支持回転軸2の貫通孔7のバレル1の内部側の内径と一致する位置を調整することにより、陰極線6のバレル1内に位置する部分の長さを容易に調整することが可能になり、陰極電極5をバレル1内の適切な位置に配設して、信頼性の高いめっきを行うことが可能になる。
なお、陰極線6のテーパ形状部16の外周16aと、貫通孔7のバレル1の内部側の開口部7aとは、必ずしも密着していなくてもよく、両者の間に、被めっき物が入り込まない程度の隙間は存在していてもよい。
上述の、図7に示すような従来のバレルめっき装置と、上記実施例のバレルめっき装置を用いて、図4に示すような構造を有する積層セラミックコンデンサの外部電極25a,25bの表面にNiめっきを施し、めっき不良の発生率を調べた。なお、めっき不良の発生率とは、形成されるめっき膜厚が極端に薄くなる現象や、めっき膜が全く形成されなくなる現象が認められた試料数の全試料数に対する割合を示した値である。
なお、図4に示す積層セラミックコンデンサは、セラミック層23を介して複数の内部電極22a,22bが積層された積層セラミックコンデンサ素子21の両端面24a,24bに、内部電極22a,22bと導通するように外部電極25a,25bが配設された構造を有している。
また、めっき対象としては、寸法が、長さL:0.6mm、幅W:0.3mm、厚さT:0.3mmの積層セラミックコンデンサと、寸法が、長さL:0.4mm、幅W:0.2mm、厚さT:0.2mmの積層セラミックコンデンサとを用いた。
従来のバレルめっき装置と、実施例のバレルめっき装置を用いて、Niめっきを施した場合のめっき不良の発生率を表1に示す。
Figure 0004622834
表1に示すように、従来の回転バレルめっき装置を用いた場合、寸法が、長さL:0.6mm、幅W:0.3mm、厚さT:0.3mmの積層セラミックコンデンサの場合で、めっき不良の発生率が〜10ppm、寸法が、長さL:0.4mm、幅W:0.2mm、厚さT:0.2mmの積層セラミックコンデンサの場合で〜20ppmと、めっき不良の発生が認められた。
これに対し、実施例の回転バレルめっき装置を用いた場合、積層セラミックコンデンサの寸法にかかわらず、めっき不良の発生は認められなかった。
これは、本願発明の実施例の回転バレルめっき装置においては、陰極線6のテーパ形状部16の外周16aと、バレル支持回転軸2の貫通孔7におけるバレル1の内部側の開口部7aとの間に実質的に隙間がなく、積層セラミックコンデンサが該隙間に入り込むことがないことによる。
なお、上記実施例において、陰極線6のテーパ形状部16の位置、すなわち、陰極電極5からテーパ形状部16までの距離や、テーパ形状部16における直径の変化率(テーパの程度)、バレル支持回転軸2の貫通孔7の内径などを調整することにより、バレル支持回転軸2の貫通孔7から、陰極線6の先端の陰極電極5までの距離を規定することが可能になる。
具体的には、例えば、バレル支持回転軸2の貫通孔7から先端の陰極電極5までの距離Lが目標とする距離となる位置の、陰極線6の直径Dを、バレル支持回転軸2の貫通孔7の、バレル1の内部側の開口部7aの内径dと同じになるようにテーパ形状部16のテーパ角度を調整したり、テーパ角度を同じとしたままテーパ形状部16の外径を調整したりすることによって、バレル支持回転軸2の貫通孔7から、陰極線6の先端の陰極電極5までの距離Lを確実に調整することが可能になる。
その結果、陰極電極5が目標とする位置に配設された状態のバレル1を確実に構成することが可能になり、再現性の高いめっき処理を安定して実施することができるようになる。
また、バレル支持回転軸2の貫通孔7から先端の陰極電極5までの距離Lが目標とする距離となる位置の、陰極線6の直径Dと同じになるように、バレル支持回転軸2の貫通孔7の、バレル1の内部側の開口部7aの内径d(貫通孔7の内径)を調整することによっても、陰極電極5が目標とする位置に配設された状態のバレル1を確実に構成することが可能になり、テーパ形状部16のテーパ角度や外径を調整した場合と同様の効果を得ることができる。
なお、バレル1の内部側の開口部7aの内径dを調整する方法としては、貫通孔が貫通する位置の陰極線外径にあわせて、開口部7aの内径d(貫通孔の内径)を削って調整する方法や、設計時に所定の寸法に形成しておく方法などが例示される。
なお、本願発明において、陰極線6のテーパ形状部16を形成する方法としては、例えば、図5(a)に示すように、陰極線6を構成する被覆材4を厚めに形成しておき、この被覆材4を図5(b)に示すように、所望の厚みとなるように切削加工することにより、所定の位置でテーパ形状部16の外周16aがバレル支持回転軸2の貫通孔7のバレル1の内部側の開口部7aに当接して位置決めが行われるような、意図する形状および寸法のテーパ形状部16を形成することが可能である。
なお、被覆材4を切削加工する方法を採る場合には、陰極線6を構成する被覆材4の厚み(コーティング厚み)精度が低く、目標値から外れていても、切削加工を行うことにより、陰極線を所定位置で隙間なく保持することが可能になる。
また、陰極線を交換しても、その外径をバレル支持回転軸の貫通孔に対応するように削ることから、バレル支持回転軸を継続使用することが可能になる。また、陰極線を構成する被覆材の厚み(コーティング厚み)精度が低く、目標値から外れていても、陰極線を所定位置で隙間なく保持することが可能になる。
また、上記実施例では、陰極線本体3の直径を変化させることなく、各位置で同一径としたまま、陰極線本体3を被覆する被覆材4の厚みを、陰極電極5が配設された方の端部側からバレル1の外側に至る領域に向かって徐々に小さくなるようにすることにより形成しているが、テーパ形状部16の構成はこれに限られるものではなく、図6に示すように、陰極電極5が配設された方の端部側からバレル1の外側に至る領域に向かって、直径が徐々に小さくなるようなテーパ形状を有する陰極線本体3を用い、これに、厚みが均一な被覆材4が被覆された構成とすることも可能である。
さらに、特に図示しないが、陰極線本体の直径を、陰極電極が配設された方の端部側からバレルの外側に至る領域に向かって、直径が徐々に小さくなるようにするとともに、被覆材の厚みを、陰極電極が配設された方の端部側からバレルの外側に至る領域に向かって、直径が徐々に小さくなるようにすることにより、テーパ形状部を構成することも可能である。
また、テーパ形状部は、陰極電極が配設された方の陰極線の端部から、バレル支持回転軸の貫通孔を通過する領域にかけて形成するようにしてもよく、また、本願発明の実施例のように、バレル支持回転軸の貫通孔を通過する領域の近傍にのみテーパ形状部を形成するようにしてもよい。
また、上実施例の回転バレルめっき装置においては、バレルの両端に配設された一対のバレル支持回転軸の一方のみにおいて、陰極線をバレルの内側からバレル支持回転軸の貫通孔に挿入するようにしているが、陰極線が挿入されていない他方のバレル支持回転軸にも貫通孔を設けて、バレル支持回転軸の貫通孔に陰極線を挿入することにより、バレル1に2本の陰極線が配設された構成とすることも可能である。
なお、本願発明は、その他の点においても、上記実施例に限定されるものではなく、バレルやバレル支持回転軸の具体的な構造、陰極線の配設態様(引き回し態様)、被めっき物の種類などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
上述のように、本願発明によれば、バレル支持回転軸の貫通孔と陰極線の間に隙間が形成されることを防止して、めっき工程において、被めっき物が該隙間にはまり込むことを確実に阻止し、めっき不良の発生を回避することが可能になる。
したがって、本願発明は、積層セラミックコンデンサの外部電極にNiめっきやSnめっきを施したりする場合をはじめ、種々の電子部品にめっきを施す場合に広く適用することができる。
本願発明の一実施例(実施例)にかかる回転バレルめっき装置の概略構成を示す図である。 バレルの端面側部分を構成する端面構成部材へのバレル支持回転軸の配設態様を示す図である。 バレル支持回転軸の貫通孔近傍を拡大して示す図である。 本願発明の回転バレルめっき装置を用いてめっきを施す積層セラミック電子部品を示す図である。 (a)、(b)は、陰極線のテーパ形状部を形成する方法を示す図である。 テーパ形状部の構成の他の例を示す図である。 従来の回転バレルめっき装置の一例を示す図である。 従来の回転バレルめっき装置において、陰極電極をバレル内の所定の位置に配設する方法を示す図である。
1 バレル
2(2a) バレル支持回転軸
3 陰極線本体
4 被覆材
5 陰極電極(給電端子)
6 陰極線
7 貫通孔
7a 開口部
11 めっき液
12 めっき槽
13 端面構成部材
14 バレル保持アーム
16 テーパ形状部
16a テーパ形状部の外周
21 積層セラミックコンデンサ素子
22a,22b 内部電極
23 セラミック層
24a,24b 端面
25a,25b 外部電極
D 陰極線の直径
1 陰極線の、バレルの内側の所定の領域における直径
2 バレル外側の所定の領域における直径
d 貫通孔の開口部の内径

Claims (4)

  1. 略筒状で回転可能に構成され、内部に被めっき物が収容されるバレルと、
    前記バレルの両端面の軸心が通過する位置を含む位置に配置され、自身は回転せずに、前記バレルを回転可能に支持するバレル支持回転軸と、
    線状の導電材料からなる陰極線本体と、前記陰極線本体の表面を被覆する絶縁材料からなる被覆材とを備え、端部に被めっき物に給電するための陰極電極が前記陰極線本体と電気的に導通するように配設された陰極線と
    を具備し、
    前記バレル支持回転軸は前記陰極線の一部を通過させるための貫通孔を備えており、
    前記陰極線は、前記バレル支持回転軸の前記貫通孔を貫通して、前記陰極電極が配設された方の端部が前記バレル内に位置するように配設されており、かつ、前記陰極線の前記バレル支持回転軸の前記貫通孔を通過する領域の近傍は、前記陰極電極が配設された方の端部側から前記バレル支持回転軸の前記貫通孔を通過する領域に向かって、直径が徐々に小さくなるようなテーパ形状とされており、
    前記バレル支持回転軸の前記貫通孔の、前記バレルの内部側の開口部と、前記陰極線のテーパ形状部の外周とが接して、前記陰極線の前記テーパ形状部の外周と前記貫通孔の前記バレルの内部側の開口部との間に実質的に隙間のない状態で前記バレルが回転するように構成されていること
    を特徴とする回転バレルめっき装置。
  2. 前記陰極線の前記テーパ形状部が、
    (a)同一径の陰極線本体と、前記陰極電極が配設された方の端部側から前記バレルの外側に至る領域に向かって、徐々に厚みが小さくなる被覆材とから構成されているか、または、
    (b)前記陰極電極が配設された方の端部側から前記バレルの外側に至る領域に向かって、直径が徐々に小さくなるようなテーパ形状を有する陰極線本体と、前記陰極電極が配設された方の端部側から前記バレルの外側に至る領域に向かって厚みが同じである被覆材とから構成されているか
    のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の回転バレルめっき装置。
  3. 前記陰極線の外周部が所定の位置で、前記バレル支持回転軸の前記貫通孔の、前記バレルの内部側の開口部と接触して、前記陰極線が所定の位置で前記バレル支持回転軸の前記貫通孔に保持され、前記バレル内部に位置する部分の長さが所定の長さとなるように、前記陰極線を構成する陰極線本体を被覆する被覆材を削ることにより、前記陰極線の前記テーパ形状部の寸法、形状が調整されていることを特徴とする請求項1または2記載の回転バレルめっき装置。
  4. 前記陰極線の外周部が所定の位置で、前記バレル支持回転軸の前記貫通孔の、前記バレルの内部側の開口部と接触して、前記陰極線が所定の位置で前記バレル支持回転軸の前記貫通孔に保持され、前記バレル内部に位置する部分の長さが所定の長さとなるように、前記貫通孔の内周面を削ることにより、前記貫通孔の内径が調整されていることを特徴とする請求項1または2記載の回転バレルめっき装置。
JP2005352526A 2005-12-06 2005-12-06 回転バレルめっき装置 Active JP4622834B2 (ja)

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