JP4622395B2 - 分光透過率測定方法 - Google Patents
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Description
図7、及び図8に示すように、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタは、ガラス基板(50)上にブラックマトリックス(51)、着色画素(52)が形成されたものである。
図7、及び図8はカラーフィルタを模式的に示したもので、着色画素(52)は12個表されているが、実際のカラーフィルタにおいては、例えば、対角17インチの画面に数百μm程度の着色画素が多数個配列されている。
ブラックマトリックス(51)は、ブラックマトリックス上にその周縁部を重ねて形成される着色画素の位置を定め、カラーフィルタとして機能する着色画素の形状、面積を均一なものとしている。また、表示装置に用いられた際に、好ましくない光を遮蔽し、表示装置の画像をムラのない均一な、且つコントラストを向上させた画像にする機能を有している。
バックライトからの直接光をカラーフィルタの周縁部の端まで遮蔽し、またカラーフィルタの端面から入射する迷光を低減させ画像のコントラストを向上させる機能をもたせたものである。
或いは、ガラス基板(50)上にブラックマトリックス形成用の黒色感光性樹脂を用いてフォトリソグラフィ法によってブラックマトリックス(51)を形成するといった方法がとられている。
ガラス基板が大サイズ化するに伴い、ブラックマトリックスの材料としてクロムなどの金属を用い真空装置で薄膜を成膜するブラックマトリックスよりも、黒色感光性樹脂を用いてフォトリソグラフィ法によって形成する樹脂ブラックマトリックスの方が価格的に有利なものとなり、次第に樹脂を用いたブラックマトリックスへと移行が進んでいる。
この移行は、ガラス基板が更に大サイズ化するに伴い著しくなるものと思われる。また、環境に配慮してクロムなどの金属を用いることを回避する傾向もある。
図9に示すように、カラーフィルタの下方から入射した白色光(白太矢印)(31)は、例えば、赤色の着色画素(52R)を経て赤色光(矢印)(32)となり、入射ピンホール(33)を経て分光光度計の顕微鏡の対物レンズ(34)に達する。
すなわち、着色画素の分光透過率の測定は、形成した着色画素の略中央部の狭い範囲、言わば、ミクロな範囲の測定を行っている。
従って、このようなミクロな範囲の測定を行う際には、カラーフィルタ基板の特定位置を正確に位置決めすることのできる位置決め機能を備えた分光光度計が用いられる。例えば、分光光度計の顕微鏡の下方に、カラーフィルタ基板を載置し、位置決めするXYステージと、着色画素の色を判別する画像処理装置を備えた分光光度計である。
1)予め、分光光度計に、a)ガラス基板に面付けしたカラーフィルタの面付け位置情報、b)着色画素の配列情報、c)画素サイズ及び画素ピッチ情報、d)図10に示す、各色の受光強度プロファイル情報、などを入力しておく。
なお、受光強度プロファイル情報は、各色の可視光線領域における透過率の累積に相当するものであり、各色固有の値を有している。
この測定は、各色の着色画素がフォトリソグラフィ法によって順次に形成される度毎に行うことになる。
すなわち、製造ラインからカラーフィルタ基板を取り出すことなく、比較的簡単な機構の装置によって、リアルタイムで簡便に着色画素の分光透過率を測定することのできる分光透過率測定方法、及び分光透過率測定装置が要望されている。
また、上記分光透過率測定方法を採用した比較的簡単な機構の分光透過率測定装置を提供することを課題とする。
1)ガラス基板にブラックマトリックスが形成された時点で、3色各一個の着色画素とブラックマトリックスの組み合わせの単位が多数繰り返されるガラス基板の領域であるマクロな範囲における分光透過率を測定し、該分光透過率を透過率100%と定義する工程。2)ガラス基板にブラックマトリックス及び第一色の着色画素が形成された時点で、前記マクロな範囲における分光透過率T M−1 を測定する工程。
3)ガラス基板にブラックマトリックス及び第一色の着色画素及び第二色の着色画素が形成された時点で、前記マクロな範囲における分光透過率T M−2 を測定する工程。
4)ガラス基板にブラックマトリックス及び第一色の着色画素と第二色の着色画素及び第三の着色画素が形成された時点で、前記マクロな範囲における分光透過率T M−3 を測定する工程。
5)前記分光透過率T M−1 を用いて、以下の式1を計算して第一色分光透過率T 1 を計算し、
(式1) T 1 =(T M−1 ×3)−200%
前記分光透過率T M−2 と前記第一色分光透過率T 1 を用いて、以下の式2を計算して第二色分光透過率T 2 を計算し、
(式2) T 2 =(T M−2 ×3)−T 1 −100%
前記分光透過率T M−3 と前記第一色分光透過率T 1 と前記第二色分光透過率T 2 を用いて、以下の式3を計算して第三色分光透過率T 3 を計算する工程。
(式3) T 3 =(T M−3 ×3)−T 1 −T 2
ことのできる分光透過率測定方法となる。
また、製造ラインからカラーフィルタ基板を取り出すことなく、且つ製造ライン上でカラーフィルタ基板を移動させながらの測定も可能となる。
本発明による分光透過率の測定方法においては、ブラックマトリックスが形成されたガラス基板上に、着色画素が順次に形成されたカラーフィルタを例にとると、図1に示すように、互いに隣接する各一個の赤色の着色画素(52R)、緑色の着色画素(52G)、青色の着色画素(52B)と、それらを囲むブラックマトリックス(51)の組み合わせを色再現フィルタの単位とみている。
そして、分光透過率の測定に際しては、各色の着色画素が形成された時点毎に、この単位を対象にして測定を行い順次に各色の分光透過率を算出する。
尚、ブラックマトリックスは、予め、ブラックマトリックス(51)が形成された時点で、その分光透過率を測定しておき、レファレンスとして補正に用いる。
得られた分光透過率から、未だ、青色の着色画素が形成されていない部分(W2)の分光透過率、及び既に形成されている赤色の着色画素(52R)の分光透過率を減算し、緑色の着色画素(52G)の分光透過率を得る。
得られた分光透過率から、既に形成されている赤色の着色画素(52R)の分光透過率、及び緑色の着色画素(52G)の分光透過率を減算し、青色の着色画素(52B)の分光透過率を得る。
本発明におけるマクロな範囲とは、特定な1着色画素内の中央部ではなく、或いは、3色各一個の着色画素とブラックマトリックスの組み合わせの単位ではなく、例えば、10m
mφといった、3色各一個の着色画素とブラックマトリックスの組み合わせの単位が多数繰り返されているガラス基板上の領域を意味している。
本発明では、このような測定誤差を回避するために、3色各一個の着色画素とブラックマトリックスの組み合わせの単位を多数にして測定している。
(マクロブラックマトリックス分光透過率の測定)
図3(a)に示すように、分光光度計を用いて、ブラックマトリックス(11)が形成されたガラス基板(10)のマクロな範囲に、ガラス基板(10)の下方から照射した入射光(I0 )とガラス基板(10)の上方へ射出した射出光(I’)からマクロブラックマトリックス分光透過率(TRE、TRE=I’/I0 )を測定する。
このマクロブラックマトリックス分光透過率(TRE)を、以後に測定される各色の着色画素のレファレンスとし、このマクロブラックマトリックス分光透過率(TRE)を透過率100%とする。
図3(b)に示すように、分光光度計を用いて、ブラックマトリックス(11)及び第一色の着色画素(12−1)が形成されたガラス基板(10)のマクロな範囲に、ガラス基板(10)の下方から照射した入射光(I0 )とガラス基板(10)の上方へ射出した射出光(I1 )からマクロ第一色分光透過率(TM-1 、TM-1 =I1 /I0 )を測定する。
各色の着色画素の形状及び面積は同一で、且つ同一個数であるので、マクロ第一色分光透過率(TM1)と、求める第一色分光透過率(T1 )との関係は、下記の式で表される。
TM-1 =(T1 +100%+100%)/3
この式から、第一色分光透過率(T1 )を求める数式1が導かれる。
図3(c)に示すように、分光光度計を用いて、ブラックマトリックス(11)、第一色の着色画素(12−1)及び第二色の着色画素(12−2)が形成されたガラス基板(10)のマクロな範囲に、ガラス基板(10)の下方から照射した入射光(I0 )とガラス基板(10)の上方へ射出した射出光(I2 )からマクロ第二色分光透過率(TM-2 、TM-2 =I2 /I0 )を測定する。
各色の着色画素の形状及び面積は同一で、且つ同一個数であるので、マクロ第二色分光透過率(TM-2 )と、求める第二色分光透過率(T2 )との関係は、下記の式で表される。TM-2 =(T1 +T2 +100%)/3
この式から、第二色分光透過率(T2 )を求める数式2が導かれる。
図3(d)に示すように、分光光度計を用いて、ブラックマトリックス(11)、第一色の着色画素(12−1)、第二色の着色画素(12−2)、及び第三色の着色画素(12−3)が形成されたガラス基板(10)のマクロな範囲に、ガラス基板(10)の下方から照射した入射光(I0 )とガラス基板(10)の上方へ射出した射出光(I3 )からマクロ第三色分光透過率(TM-3 、TM-3 =I3 /I0 )を測定する。
各色の着色画素の形状及び面積は同一で、且つ同一個数であるので、マクロ第三色分光透過率(TM-3 )と、求める第三色分光透過率(T3 )との関係は、下記の式で表される。TM-3 =(T1 +T2 +T3 )/3
この式から、第三色分光透過率(T3 )を求める数式3が導かれる。
図4において、(TM−R)は、測定したマクロ赤色分光透過率を表しており、また、(TR)は、算出した赤色分光透過率、すなわち、赤色の着色画素の分光透過率を表している。
赤色の着色画素は既に形成されており、赤色分光透過率(TR)は既知であり、また、青色の着色画素は未だ形成されていないことからして、マクロ緑色分光透過率(TM−G)は、図5に表される分光透過率曲線となっている。
このマクロ緑色分光透過率(TM−G)から数式2を用い緑色分光透過率(TG)を算出することにより点線で示す緑色の着色画素の分光透過率が得られる。
位置決めする必要がない。従って、比較的簡単な機構の分光光度計でよい。
例えば、製造ライン中に測定ステーションを設け、ここにカラーフィルタ基板を滞留させて測定を行うことができる。カラーフィルタ基板を製造ラインから取り出すことなく、インラインで着色画素の分光透過率を測定することが可能となる。つまり、本発明による分光透過率測定方法は、着色画素の分光透過率を測定する簡便、且つ効率のよい測定方法であり、また、この測定方法を採用した装置は廉価な測定装置となる。
その際は、形成される着色画素の形状、面積の精度に依存するが、上記図3(a)〜(d)に示す、ブラックマトリックスが形成されたカラーフィルタにおける測定に近似した精度で各色の着色画素の分光透過率が得られる。
本発明による分光透過率測定方法は、3色各一個の着色画素とブラックマトリックスの組み合わせをマクロな範囲で測定するので、カラーフィルタ基板を正確に位置決めする必要がない。従って、カラーフィルタ基板を製造ラインから取り出すことなく、且つ製造ライン上でカラーフィルタ基板を移動させながらの測定も可能となる。
10、50・・・ガラス基板
11、51・・・ブラックマトリックス
12−1・・・第一色の着色画素
12−2・・・第二色の着色画素
12−3・・・第三色の着色画素
31・・・白色光
32・・・赤色光
33・・・入射ピンホール
34・・・対物レンズ
31・・・白色光
52・・・着色画素
52R・・・赤色の着色画素
52G・・・緑色の着色画素
52B・・・青色の着色画素
I0 ・・・入射光
I’・・・射出光
I1 ・・・第一色時の射出光
I2 ・・・第二色時の射出光
I3 ・・・第三色時の射出光
R・・・赤色の受光強度プロファイル
G・・・緑色の受光強度プロファイル
B・・・青色の受光強度プロファイル
T1 ・・・第一色分光透過率
T2 ・・・第二色分光透過率
T3 ・・・第三色分光透過率
TM-1 ・・・マクロ第一色分光透過率
TM-2 ・・・マクロ第二色分光透過率
TM-3 ・・・マクロ第三色分光透過率
TM−R・・・マクロ赤色分光透過率
TM−G・・・マクロ緑色分光透過率
TM−B・・・マクロ青色分光透過率
TR・・・赤色分光透過率
TG・・・緑色分光透過率
TB・・・青色分光透過率
TRE・・・マクロブラックマトリックス分光透過率
W1、W2・・・着色画素が形成されていない部分
Claims (3)
- ガラス基板上に3色の着色画素が順次に同一面積で、同一個数形成されたカラーフィルタの、着色画素の分光透過率を各色毎に測定する分光透過率測定方法であって、以下の工程で各色毎の分光透過率を測定することを特徴とする分光透過率測定方法。
1)ガラス基板にブラックマトリックスが形成された時点で、3色各一個の着色画素とブラックマトリックスの組み合わせの単位が多数繰り返されるガラス基板の領域であるマクロな範囲における分光透過率を測定し、該分光透過率を透過率100%と定義する工程。2)ガラス基板にブラックマトリックス及び第一色の着色画素が形成された時点で、前記マクロな範囲における分光透過率T M−1 を測定する工程。
3)ガラス基板にブラックマトリックス及び第一色の着色画素及び第二色の着色画素が形成された時点で、前記マクロな範囲における分光透過率T M−2 を測定する工程。
4)ガラス基板にブラックマトリックス及び第一色の着色画素と第二色の着色画素及び第三の着色画素が形成された時点で、前記マクロな範囲における分光透過率T M−3 を測定する工程。
5)前記分光透過率T M−1 を用いて、以下の式1を計算して第一色分光透過率T 1 を計算し、
(式1) T 1 =(T M−1 ×3)−200%
前記分光透過率T M−2 と前記第一色分光透過率T 1 を用いて、以下の式2を計算して第二色分光透過率T 2 を計算し、
(式2) T 2 =(T M−2 ×3)−T 1 −100%
前記分光透過率T M−3 と前記第一色分光透過率T 1 と前記第二色分光透過率T 2 を用いて、以下の式3を計算して第三色分光透過率T 3 を計算する工程。
(式3) T 3 =(T M−3 ×3)−T 1 −T 2 - 前記ガラス基板が、ブラックマトリックスが形成されたガラス基板であることを特徴とする請求項1記載の分光透過率測定方法。
- 前記測定が、製造ライン上でガラス基板を移動させながら行う測定であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の分光透過率測定方法。
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