JP5176304B2 - 半透過型液晶表示装置用カラーフィルタおよびこれを用いた半透過型液晶表示装置 - Google Patents
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また、本発明によれば、透明樹脂層が凹部を有する、複数の画素部にわたって連続形成された形状であることから、例えば透明樹脂層をフォトリソ法により形成した場合、透明樹脂層を分割形成した場合と比較して、凹部の端部部分における肩落ち度、すなわち角の除去度合いを抑えることができる。これにより、透明樹脂層上に形成された着色層の平坦性を高いものとすることができ、液晶表示装置に用いた際、液晶の配向を乱すことのない高品質な液晶表示装置用カラーフィルタとすることが可能となる。
さらに、本発明によれば、上記透明樹脂層の凹部を遮光部が形成された領域上に有することから、表示領域に影響を与えることなく透明樹脂層上に着色層を薄くかつ平坦に形成することができる。これにより、高品質な色表示が可能な半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを提供できる。
まず、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタについて説明する。
本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタは、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成された透明樹脂層と、上記透明基板および上記透明樹脂層を覆うように形成された着色層と、上記透明基板上に形成され、画素部を画定する遮光部とを有し、上記透明基板と、上記透明樹脂層と、上記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、上記透明基板と、上記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタであって、上記透明樹脂層が、反射光用領域上において、上記遮光部で画定される複数の画素部にわたって連続形成されたものであり、かつ上記遮光部が形成された領域上に凹部を有することを特徴とするものである。
以下、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの各構成について詳細に説明する。
まず、本発明における透明樹脂層について説明する。本発明における透明樹脂層は、後述する透明基板上の反射光用領域にパターン状に形成され、反射光用領域上において、後述する遮光部で画定される複数の画素部にわたって連続形成されたものであり、かつ遮光部が形成された領域上に凹部を有するものである。ここで、複数の画素部にわたって連続形成された透明樹脂層とは、反射光用領域上で途切れることなく、透明基板および遮光部を覆うように形成された透明樹脂層のことを示すものであり、例えば図1に示すように、凹部5の底部から遮光部4が露出していない透明樹脂層とすることができる。
なお、上記透明樹脂層の凹部の深さは、表示領域における透明樹脂層の表面から凹部の底部までの距離(図2において、hで示される距離)とする。
なお、ここでいう凹部の幅としては、例えば図2に示すように、上述した凹部5の深さh(表示領域における透明樹脂層2の表面から凹部の底部までの距離h)を100%とした際、凹部5の底面から、凹部の深さhの90%に相当する位置に引かれる直線mと凹部5の壁面との接点から測定される距離kとする。
次に、本発明における遮光部について説明する。本発明における遮光部は、透明基板上に形成され、画素部を画定するものである。このような遮光部が形成された領域は、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを半透過型液晶表示装置とした際、表示に関係しない非表示領域とされる領域である。
次に、本発明に用いられる着色層について説明する。本発明に用いられる着色層は、上記透明樹脂層および後述する透明基板を覆うように形成され、反射光用領域および透過光用領域の各領域に形成されるものである。
本発明に用いられる透明基板は、上記透明樹脂層および上記着色層を形成可能であり、可視光に対して透明な基板であれば特に限定されるものではなく、一般的な半透過型液晶表示装置用カラーフィルタに用いられる透明基板と同様のものとすることができる。
次に、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタについて説明する。図3は、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタにおける反射光用領域部分および透過光用領域部分を示す概略断面図である。本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタは、例えば図3に示すように、透明基板1と、上記透明基板1上にパターン状に形成された透明樹脂層2と、上記透明基板1および上記透明樹脂層2を覆うように形成された着色層3と、上記透明基板1上に形成された遮光部(図示せず)とを有するものであり、この透明樹脂層2上の、遮光部が形成された領域上には凹部(図示せず)が形成されている。またこの際、上記透明基板1と、上記透明樹脂層2と、上記着色層3とが積層された領域を反射光用領域rとして用い、上記透明基板1と、上記着色層3とが積層された領域を透過光用領域tとして用いられ、透明樹脂層2は、反射光用領域r上において遮光部で画定された複数の画素部にわたって連続形成されているものである。
次に、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法について説明する。本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法としては、上記構成を備える半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを製造できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、上記透明基板上に上記遮光部が形成された半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ用基板を用い、反射光用領域に上記透明樹脂層を形成する透明樹脂層形成工程と、上記透明樹脂層および上記透明基板を覆うように着色層を形成する着色層形成工程を用いる方法を挙げることができる。
以下、本発明における半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法の各工程について説明する。
本工程において、透明樹脂層を形成する方法としては、例えば感光性樹脂を含有する透明樹脂層形成用塗工液を用いてフォトリソ法により形成する方法を挙げることができる。このような方法としては、例えば図4に示すように、透明基板1上に遮光部4が形成された半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ用基板上に、透明樹脂層形成用塗工液2’を塗布し(図4(a))、上記透明樹脂層形成用塗工液2’を、例えば、遮蔽部6と開口部7とが設けられたフォトマスク8等を用いてUV光9を照射することにより、パターン露光し(図4(b))、現像することによって凹部5を有する透明樹脂層2が形成される(図4(c))方法とすることができる。
本工程において、着色層を形成する方法としては、例えば着色層形成用塗工液を、透明基板および透明樹脂層を覆うように塗布した後、減圧乾燥等により乾燥させる方法等とすることができる。本工程において、着色層形成用塗工液を塗布する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スピンコート法やダイコート法等、一般的な塗布方法を挙げることができる。また、この際用いられる着色層形成用塗工液に用いられる材料としては、一般的な半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの着色層の形成に用いられるものと同様とすることができる。
また、本工程における着色層形成用塗工液の乾燥方法としては、特に限定されるものではなく、例えば減圧乾燥等、一般的な乾燥方法とすることができる。
次に、本発明の半透過型液晶表示装置について説明する。本発明の半透過型液晶表示装置は、上述した半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを用いたことを特徴とするものであれば、特に限定されるものではなく、通常の半透過型液晶表示装置と同様の構成を有するものとすることができる。具体的には、上記半透過型液晶表示装置用カラーフィルタと、対向して配置される対向基板と、その対向基板との間に封入された液晶と、パターン状に形成された、外光を反射するための反射板とを有するもの等とすることができる。
(遮光部の形成)
透明基板として、300mm×400mm、厚さ0.7mmのガラス基板(コーニング社製1317ガラス)を準備した。この透明基板を定法にしたがって洗浄し、透明基板の片側にスパッタ法によりクロム薄膜(厚み1600Å)を形成した。このクロム薄膜上にポジ型感光性レジスト(東京応化工業(株)製OFPR−800)を塗布し、所定のマスクを介して露光し、レジストパターンを形成した。次いで、このレジストパターンをマスクとしてクロム薄膜をエッチングし、線幅20μmの遮光部を形成した。
続いて、上記透明基板および遮光部を覆うようにして、下記組成の透明樹脂層形成用塗工液を塗布し、乾燥させた。この透明樹脂層形成用塗工液を、所定のフォトマスク(凹部形成領域および透過光用領域に対応する位置に遮蔽部を有するフォトマスク)を介して露光し、現像を行った。その後、230℃で、30分間焼成し、遮光部が形成された領域上に深さ0.7μm、幅(図2において示されるk)10μmの凹部を有する透明樹脂層を形成した。この際、表示領域上における透明樹脂層の平均膜厚は、3.3μm、線幅は50μmであった。なお、反射光用領域の幅は50μmであり、透過光用領域の幅は55μmであった。
・メタクリル酸メチル−スチレン−メタクリル酸共重合体 ・・・42重量部
・エピコート180s70(三菱油化シェル(株)製) ・・・18重量部
・ペンタエリスリトールペンタアクリレート ・・・32重量部
・イルガキュア907(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)・・8重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・300重量部
上記透明樹脂層を覆うように、上記透明基板上に、下記組成の赤色着色層用の着色層形成用塗工液(ネガ型感光性樹脂組成物)をスピンコート法により塗布した。続いて、上記赤色パターン用のフォトマスクを用いて露光、現像した。その後、焼成することにより赤色着色層を形成した。なお、反射光用領域における赤色着色層の平均膜厚は0.95μmであり、透過光用領域における赤色着色層の平均膜厚は2.4μmであった。上記各膜厚は、赤色着色層の断面形状を走査型電子顕微鏡(SEM)等で撮影したものから算出した。
・赤色顔料(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 クロモフタルレッドA2B) ・・・4.8重量部
・黄色顔料(BASF社製 パリオトールイエローD1819)・・1.2重量部
・分散剤(ビックケミー社製 ディスパービック161)・・・3.0重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) ・・・4.0重量部
・ポリマーI ・・・5.0重量部
・イルガキュア907(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)・・・1.4重量部
・(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) ・・・0.6重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・80.0重量部
*ポリマーIは、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2‐メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である。
上記赤色着色層が形成された透明基板上に、下記組成の緑色着色層用の着色層形成用塗工液(ネガ型感光性樹脂組成物)を用いて、赤色着色層と同様の方法により緑色着色層を形成した。なお、反射光用領域における緑色着色層の平均膜厚は0.95μmであり、透過光用領域における緑色着色層の平均膜厚は2.4μmであった。上記膜厚は、緑色着色層の断面形状を走査型電子顕微鏡(SEM)等で撮影したものから算出した。
・緑色顔料(アビシア社製 モナストラルグリーンθY−C)・・・4.2重量部
・黄色顔料(BASF社製 パリオトールイエローD1819)・・・1.8重量部
・分散剤(ビックケミー社製 ディスパービック161)・・・3.0重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) ・・・4.0重量部
・ポリマーI ・・・5.0重量部
・イルガキュア907(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)・・・1.4重量部
・(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル‐1,2´−ビイミダゾール) ・・・0.6重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・80.0重量部
上記赤色着色層および緑色着色層が形成された透明基板上に、下記組成の青色着色層用の着色層形成用塗工液(ネガ型感光性樹脂組成物)を用いて、赤色着色層と同様の方法により青色着色層を形成した。なお、反射光用領域における青色着色層の平均膜厚は0.95μmであり、透過光用領域における青色着色層の平均膜厚は2.4μmであった。上記膜厚は、青色着色層の断面形状を走査型電子顕微鏡(SEM)等で撮影したものから算出した。
・青色顔料(BASF社製 ヘイオゲンブルーL6700F)・・・6.0重量部
・顔料誘導体(アビシア社製 ソルスパース6000) ・・・0.6重量部
・分散剤(ビックケミー社製 ディスパービック161)・・・2.4重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) ・・・4.0重量部
・ポリマーI ・・・5.0重量部
・イルガキュア907(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)・・・1.4重量部
・(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) ・・・0.6重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・80.0重量部
透明樹脂層の凹部の深さを2.6μm、幅(図2において示されるk)を18μmとしたこと以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを形成した。なお、この際、反射光用領域における赤色着色層、緑色着色層および青色着色層の平均膜厚は0.93μmであり、透過光用領域における赤色着色層、緑色着色層および青色着色層の平均膜厚は2.4μmであった。
透明樹脂層に凹部を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを形成した。なお、この際、反射光用領域における赤色着色層、緑色着色層および青色着色層の平均膜厚は1.02μmであり、透過光用領域における赤色着色層、緑色着色層および青色着色層の平均膜厚は2.4μmであった。
透明樹脂層に凹部を形成した実施例1および実施例2は、透明樹脂層に凹部を形成しなかった比較例1と比較して、透明樹脂層上に着色層(反射光用領域における着色層)を薄く形成することができた。
2 …透明樹脂層
3 …着色層
4 …遮光部
5 …凹部
t …透過光用領域
r …反射光用領域
Claims (2)
- 透明基板と、前記透明基板上にパターン状に形成された透明樹脂層と、前記透明基板および前記透明樹脂層を覆うように形成された着色層と、前記透明基板上に形成され、画素部を画定する遮光部とを有し、前記透明基板と、前記透明樹脂層と、前記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、前記透明基板と、前記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタであって、
前記透明樹脂層が、反射光用領域上において、前記遮光部で画定される複数の画素部にわたって一体に形成されたものであり、かつ前記透明樹脂層は前記遮光部が形成された領域上に遮光部が露出されないように形成された凹部を有し、
前記透明樹脂層に形成された前記凹部内には、前記着色層を形成する材料が充填されており、かつ前記凹部は上部から底部にかけて幅が小さくなる形状であることを特徴とする半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ。 - 請求項1に記載の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを用いたことを特徴とする半透過型液晶表示装置。
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