JP5176304B2 - 半透過型液晶表示装置用カラーフィルタおよびこれを用いた半透過型液晶表示装置 - Google Patents

半透過型液晶表示装置用カラーフィルタおよびこれを用いた半透過型液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、半透過型液晶表示装置等に用いられる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタおよびこれを用いた半透過型液晶表示装置に関するものである。
近年、液晶表示装置として、外光の反射と、バックライト光の透過光とを利用した半透過型液晶表示装置が開発され、この半透過型液晶表示装置は、外光を利用して表示を行なう従来の反射型カラー液晶表示装置に、バックライトを兼ね備え、周囲が暗い場合でもバックライトによる表示(透過表示)が行なえる、という利点を有する。
このような半透過型液晶表示装置では、透過光および反射光が液晶を通過する回数が異なることから、透過表示および反射表示の視認性を良好なものとするためには、透過光および反射光が、それぞれ液晶を通過する距離を調整する必要があった。そこで、例えば図3に示すように、透明基板1のうち、反射表示に用いられる反射光用領域(rで示される領域)にのみ、所定の膜厚を有する透明樹脂層2を形成し、その透明樹脂層2を覆うように着色層3を形成することにより、反射光用領域(rで示される領域)と、透過光用領域(tで示される領域)との光路差を調整する方法が一般的に用いられている。
しかしながら、このような半透過型液晶表示装置は、反射光用領域では進入してきた外光が通常2回カラーフィルタを通過するのに対し、透過光用領域では通常1回のみカラーフィルタを通過することになり、透過表示時と反射表示時とは色特性が異なるという問題点を有していた。
上記問題点を解決するために、透過光用領域に形成される着色層と、反射光用領域に形成される着色層との膜厚比を調節することで、透過光用領域および反射光用領域の色特性をコントロールする方法が試みられている。一般的には、透過光用領域に形成される着色層の膜厚と、反射光用領域に形成される透明樹脂層上の着色層の膜厚とを比較した場合に、反射光用領域における透明樹脂層上の着色層の膜厚の方がより薄く形成される必要がある。
上記反射光用領域における透明樹脂層上の着色層をより薄く形成するために、例えば特許文献1には、1画素内における反射光用領域上に透明樹脂層をドット状に分割して形成した後、この分割された透明樹脂層上に着色層形成用塗工液を塗布して、着色層を形成する方法が提案されている。この方法によれば、透明樹脂層上に塗布された着色層形成用塗工液が、分割された透明樹脂層間に流れ込むため、透明樹脂層上に塗布された着色層形成用塗工液が膜減りし、より薄い着色層を透明樹脂層上に形成することができる。
しかしながら、例えばフォトリソ法を用いて、透明樹脂層をドット状に分割して形成した場合、透明樹脂層の端部の肩落ち度、すなわち角の除去度合いが大きくなってしまう。このような透明樹脂層上に塗布された着色層形成用塗工液は、透明樹脂層の形状に追従するため、表面の平坦性が低い着色層が形成されてしまう。さらに、透明樹脂層間に着色層形成用塗工液が流れ込んで形成された着色層部分においても、基板から表面までの高さが、透明樹脂層上に形成された着色層の基板から表面までの高さよりも低くなるため、着色層表面の平坦性はさらに失われたものとなる。したがって、このような平坦性の極めて低い半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを半透過型液晶表示装置に用いた場合、液晶の配向が乱され、高品質な表示が困難となる、という問題が生じた。
特開2004−85986号公報
そこで、反射光用領域に形成された着色層の輝度が高く、かつ半透過型液晶表示装置に用いられた際、液晶の配向を乱すこと等のない高品質な半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの提供が望まれている。
本発明は、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成された透明樹脂層と、上記透明基板および上記透明樹脂層を覆うように形成された着色層と、上記透明基板上に形成され、画素部を画定する遮光部とを有し、上記透明基板と、上記透明樹脂層と、上記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、上記透明基板と、上記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタであって、上記透明樹脂層が、反射光用領域上において、上記遮光部で画定される複数の画素部にわたって連続形成されたものであり、かつ上記遮光部が形成された領域上に凹部を有することを特徴とする半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを提供する。
本発明によれば、透明樹脂層上に凹部が形成されていることから、着色層を形成する際、透明樹脂層上に塗布された着色層形成用塗工液が透過光用領域の透明基板上だけでなく、上記凹部にも流れ込むため、透明樹脂層上に着色層をより薄く形成することが可能となる。したがって、反射光用領域の輝度が高い半透過型液晶表示装置用カラーフィルタとすることが可能となる。
また、本発明によれば、透明樹脂層が凹部を有する、複数の画素部にわたって連続形成された形状であることから、例えば透明樹脂層をフォトリソ法により形成した場合、透明樹脂層を分割形成した場合と比較して、凹部の端部部分における肩落ち度、すなわち角の除去度合いを抑えることができる。これにより、透明樹脂層上に形成された着色層の平坦性を高いものとすることができ、液晶表示装置に用いた際、液晶の配向を乱すことのない高品質な液晶表示装置用カラーフィルタとすることが可能となる。
さらに、本発明によれば、上記透明樹脂層の凹部を遮光部が形成された領域上に有することから、表示領域に影響を与えることなく透明樹脂層上に着色層を薄くかつ平坦に形成することができる。これにより、高品質な色表示が可能な半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを提供できる。
上記発明においては、上記透明樹脂層における凹部の深さが、0.3μm〜4.0μmの範囲内であることが好ましい。これにより、透明樹脂層上により薄く、かつ平坦性の高い着色層が形成されたものとすることができるからである。
また本発明は、上記半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを用いたことを特徴とする半透過型液晶表示装置を提供する。
本発明によれば、上述した反射光用領域の膜厚が薄く、かつ表面の平坦性の高い半透過型液晶表示装置用カラーフィルタが用いられていることから、反射光用領域の輝度が高く、液晶の配向の乱れの少ない、高品質な表示が可能な半透過型液晶表示装置とすることができる。
本発明によれば、半透過型液晶表示装置に用いた際、反射光用領域の輝度が高く、かつ液晶の配向の乱れが少なく、高品質な表示が可能な半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを提供できるという効果を奏する。
本発明は、半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ、および、これを用いた半透過型液晶表示装置に関するものである。以下、それぞれについて分けて説明する。
A.半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ
まず、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタについて説明する。
本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタは、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成された透明樹脂層と、上記透明基板および上記透明樹脂層を覆うように形成された着色層と、上記透明基板上に形成され、画素部を画定する遮光部とを有し、上記透明基板と、上記透明樹脂層と、上記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、上記透明基板と、上記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタであって、上記透明樹脂層が、反射光用領域上において、上記遮光部で画定される複数の画素部にわたって連続形成されたものであり、かつ上記遮光部が形成された領域上に凹部を有することを特徴とするものである。
本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタについて、図面を用いて説明する。図1は、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタにおける反射光用領域部分の一例を示す概略断面図である。本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタは、例えば図1に示すように、透明基板1と、上記透明基板1上にパターン状に形成された透明樹脂層2と、上記透明樹脂層2上に形成された着色層3とが積層された反射光用領域を有し、この反射光用領域に形成された透明樹脂層2は、反射光用領域上において遮光部4で画定される複数の画素部にわたって連続形成され、かつ遮光部4が形成された領域上に凹部5を有するものである。なお、遮光部4が形成された領域は、非表示領域aとされ、遮光部4で画定される画素部が形成された領域は、表示領域bとされる。
一般に、反射光用領域上に膜厚の薄い着色層を形成する方法として、反射光用領域上にパターン状に透明樹脂層を形成し、その上に着色層形成用塗工液を塗布する方法が知られている。この方法によれば、透明樹脂層上に塗布された着色層形成用塗工液は、透過光用領域側に流れ落ちるため、透明樹脂層上には膜厚の薄い着色層が形成される。しかしながら、着色層形成用塗工液が透過光用領域方向のみへ移動するだけでは、目的とする薄い膜厚の着色層を形成することは困難であった。
一方、本発明においては、透明樹脂層上に凹部が形成されていることから、着色層形成の際、透明樹脂層上に塗布された着色層形成用塗工液は、凹部内および透過光用領域側に流れ落ちることとなる。これにより、凹部が形成されていない透明樹脂層上に着色層形成用塗工液を塗布した場合に比べて、透明樹脂層上に塗布された着色層形成用塗工液の移動効率を上げることが可能となる。したがって、透明樹脂層上に目的とする薄い膜厚の着色層を形成することができ、反射光用領域の輝度が高い半透過型液晶表示装置用カラーフィルタとすることが可能となるのである。
また、本発明に用いられる透明樹脂層は、反射光用領域で複数の画素部にわたって連続形成され、かつ凹部を有するものである。このような透明樹脂層を例えばフォトリソ法により形成した場合、ドット状に分割された透明樹脂層を形成する場合と比較して、現像時の除去部分の深さが浅いため、凹部の端部が表示領域まで至ることがないものとすることが可能となる。したがって、透明樹脂層上に着色層を形成した際、表示領域における着色層を平坦性の高いものとすることができ、液晶表示装置に用いた際、液晶の配向を乱すことのない高品質な液晶表示装置用カラーフィルタとすることが可能となる。
さらに、本発明によれば、上記透明樹脂層の凹部が遮光部の形成された領域、すなわち非表示領域上に形成されたものとすることから、表示領域に影響を与えることなく、反射光用領域上に、膜厚が薄く、かつ平坦性の高い着色層を形成することができる。これにより、高品質な色表示が可能な半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを提供することが可能となる。
以下、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの各構成について詳細に説明する。
1.透明樹脂層
まず、本発明における透明樹脂層について説明する。本発明における透明樹脂層は、後述する透明基板上の反射光用領域にパターン状に形成され、反射光用領域上において、後述する遮光部で画定される複数の画素部にわたって連続形成されたものであり、かつ遮光部が形成された領域上に凹部を有するものである。ここで、複数の画素部にわたって連続形成された透明樹脂層とは、反射光用領域上で途切れることなく、透明基板および遮光部を覆うように形成された透明樹脂層のことを示すものであり、例えば図1に示すように、凹部5の底部から遮光部4が露出していない透明樹脂層とすることができる。
上記透明樹脂層における凹部の深さとしては、遮光部が露出しない範囲であれば特に限定されるものでないが、本発明においては、0.3μm〜4.0μmの範囲内であることが好ましく、中でも0.5μm〜3.0μmの範囲内、特に0.5μm〜2.0μmの範囲内であることが好ましい。凹部の深さが上記範囲に満たないと、着色層形成の際、着色層形成用塗工液の凹部への流れ込み量が少なくなるため、膜厚の薄い着色層とすることができない場合があるからである。また、凹部の深さが上記範囲を超えると、透明樹脂層の端部が大きく肩落ちした形状となりやすいため、その上に形成される反射光用領域の着色層の平坦性が低くなる傾向にあるからである。
なお、上記透明樹脂層の凹部の深さは、表示領域における透明樹脂層の表面から凹部の底部までの距離(図2において、hで示される距離)とする。
また、上記透明樹脂層における凹部の幅としては、3μm〜40μmの範囲内であることが好ましく、中でも5μm〜30μmの範囲内、特に5μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。凹部の上端部の幅を上記範囲内とした場合、上記凹部が非表示領域内に形成されたものとすることができるため、表示領域に影響を及ぼすことなく、表示品質のより優れた半透過型液晶表示装置用カラーフィルタとすることが可能となるからである。
なお、ここでいう凹部の幅としては、例えば図2に示すように、上述した凹部5の深さh(表示領域における透明樹脂層2の表面から凹部の底部までの距離h)を100%とした際、凹部5の底面から、凹部の深さhの90%に相当する位置に引かれる直線mと凹部5の壁面との接点から測定される距離kとする。
ここで、上述したような凹部の深さおよび幅は、半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの断面を走査型電子顕微鏡(SEM)等で撮影したもの等から算出されるものとする。
また、本発明においては、上記凹部が、透明樹脂層の線幅方向に透明樹脂層を貫通していることが好ましい。これにより、着色層形成の際、透明樹脂層上から流れ込んだ着色層形成用塗工液を、さらに透過光用領域側に流れ落とすことが可能となるからである。
また、上記凹部の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば上部から底部にかけて幅が小さくなる形状(例えば、図1に示す凹部5の形状)であってもよく、また上部から底部にかけて同じ幅の形状であってもよい。
また、本発明に用いられる透明樹脂層のパターンとしては、凹部が形成できる形状のパターンであれば特に限定されるものではなく、例えば、モザイク状、トライアングル状、ストライプ状等とすることができる。本発明においては、これらの中でも、ストライプ状であることが好ましい。
また、本発明における透明樹脂層の膜厚としては、通常1.0μm〜5.0μm程度、中でも2.0μm〜4.5μm程度、特に2.5μm〜3.5μm程度とすることが好ましい。これにより、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタが半透過型液晶表示装置に用いられた際、反射光用領域および透過光用領域における光路差を調整することが可能となるからである。なお、ここでいう透明樹脂層の膜厚とは、表示領域に形成された透明樹脂層、すなわち透明樹脂層の凹部の形成されていない部分の膜厚のこととする。
また、本発明における透明樹脂層の線幅としては、半透過型液晶表示装置の用途等に応じて適宜決定されるものであるが、通常20μm〜150μmの範囲内程度であり、中でも30μm〜80μmの範囲内、特に35μm〜60μmの範囲内であることが好ましい。
また、上記透明樹脂層に用いられる材料としては、半透過型液晶表示装置用カラーフィルタに入射した外光およびその外光が反射された反射光に対して透明なものであれば特に限定されるものではない。このような透明樹脂層に用いられる材料としては、たとえば感光性アクリル樹脂、感光性ポリイミド、ポジレジスト、カルド樹脂、ポリシロキサン、ベンゾシクロブテン等が挙げられる。
2.遮光部
次に、本発明における遮光部について説明する。本発明における遮光部は、透明基板上に形成され、画素部を画定するものである。このような遮光部が形成された領域は、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを半透過型液晶表示装置とした際、表示に関係しない非表示領域とされる領域である。
本発明における遮光部の幅としては、上述した透明樹脂層が有する凹部の幅と同等または凹部の幅よりも広い幅であれば特に限定されるものではなく、半透過型液晶表示装置の用途等に応じて決定される。このような遮光部の幅としては、通常、3μm〜40μmの範囲内程度とされ、好ましくは5μm〜20μmの範囲内である。なお、上記幅の測定は、上述した方法により行うことができる。
また、このような遮光部としては、一般的に、半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの遮光部として用いられるものと同様とすることができ、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法等によって、厚み1000〜2000Å程度のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄膜をパターニングしたもの等であってもよく、また、例えば、樹脂バインダ中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有させた層をフォトリソ法、印刷法等により形成した方法等であってもよい。
3.着色層
次に、本発明に用いられる着色層について説明する。本発明に用いられる着色層は、上記透明樹脂層および後述する透明基板を覆うように形成され、反射光用領域および透過光用領域の各領域に形成されるものである。
本発明に用いられる着色層は、通常、赤(R)、緑(G)、および青(B)の3色で形成される。また、上記着色層における着色パターン形状は、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の公知の配列とすることができ、着色面積は任意に設定することができる。
また、本発明においては、上記透明樹脂層上に形成される着色層、すなわち反射光用領域の着色層の膜厚を1とした際、上記透明基板上に形成される着色層、すなわち透過光用領域の着色層の膜厚としては、1.4〜7.0の範囲内、特に2.0〜3.3の範囲内、であることが好ましい。これにより、反射光用領域と透過光用領域における着色層の色特性を調整することが可能となるからである。
また、上記透明樹脂層上に形成される着色層の具体的な膜厚としては、着色層の種類等により、適宜選択されるものであるが、通常0.1μm〜2.0μmの範囲内、中でも0.2μm〜1.0μmの範囲内であることが好ましい。
なお、本発明における着色層の形成面積等については、一般的に半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの着色層として用いられるものと同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
4.透明基板
本発明に用いられる透明基板は、上記透明樹脂層および上記着色層を形成可能であり、可視光に対して透明な基板であれば特に限定されるものではなく、一般的な半透過型液晶表示装置用カラーフィルタに用いられる透明基板と同様のものとすることができる。
上記透明基板として具体的には、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材等が挙げられる。
5.半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ
次に、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタについて説明する。図3は、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタにおける反射光用領域部分および透過光用領域部分を示す概略断面図である。本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタは、例えば図3に示すように、透明基板1と、上記透明基板1上にパターン状に形成された透明樹脂層2と、上記透明基板1および上記透明樹脂層2を覆うように形成された着色層3と、上記透明基板1上に形成された遮光部(図示せず)とを有するものであり、この透明樹脂層2上の、遮光部が形成された領域上には凹部(図示せず)が形成されている。またこの際、上記透明基板1と、上記透明樹脂層2と、上記着色層3とが積層された領域を反射光用領域rとして用い、上記透明基板1と、上記着色層3とが積層された領域を透過光用領域tとして用いられ、透明樹脂層2は、反射光用領域r上において遮光部で画定された複数の画素部にわたって連続形成されているものである。
このような半透過型液晶表示装置用カラーフィルタは、上記透明基板、着色層、透明樹脂層および遮光部を有するものであれば特に限定されるものではなく、必要に応じて他の構成を有するものであっても良い。このような他の構成としては、例えば、着色層上に形成される保護層等、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの用途等に応じて任意の構成を採用することができる。
6.半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法
次に、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法について説明する。本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法としては、上記構成を備える半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを製造できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、上記透明基板上に上記遮光部が形成された半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ用基板を用い、反射光用領域に上記透明樹脂層を形成する透明樹脂層形成工程と、上記透明樹脂層および上記透明基板を覆うように着色層を形成する着色層形成工程を用いる方法を挙げることができる。
以下、本発明における半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法の各工程について説明する。
(透明樹脂層形成工程)
本工程において、透明樹脂層を形成する方法としては、例えば感光性樹脂を含有する透明樹脂層形成用塗工液を用いてフォトリソ法により形成する方法を挙げることができる。このような方法としては、例えば図4に示すように、透明基板1上に遮光部4が形成された半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ用基板上に、透明樹脂層形成用塗工液2’を塗布し(図4(a))、上記透明樹脂層形成用塗工液2’を、例えば、遮蔽部6と開口部7とが設けられたフォトマスク8等を用いてUV光9を照射することにより、パターン露光し(図4(b))、現像することによって凹部5を有する透明樹脂層2が形成される(図4(c))方法とすることができる。
本工程において、上記透明樹脂層形成用塗工液を透明基板上に塗布する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スピンコート法やダイコート法等、一般的な塗布方法を挙げることができる。
また、上記透明樹脂層形成用塗工液の材料としては、特に限定されるものではなく、一般的な半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの透明樹脂層をフォトリソ法により形成する際に用いられるものと同様とすることができる。
本工程におけるパターン露光の際に用いられるフォトマスクとしては、所望の深さおよび幅の凹部を有する透明樹脂層を形成することが可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば図4(b)に示すように、通常の遮蔽部6と開口部7とが設けられたものを挙げることができるが、通常の遮蔽部6に変えて、光の一部を遮蔽することによって光の透過率が調節された遮蔽部(ハーフトーンマスク)を用いたものであってもよい。
また、上記透明樹脂層形成用塗工液をパターン露光するための条件としては、得られる透明樹脂層の凹部が、上述した深さと幅とを有することができる条件であれば特に限定されるものではなく、一般的な半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法において、透明樹脂層を形成するための露光条件と同様とすることができる。
(着色層形成工程)
本工程において、着色層を形成する方法としては、例えば着色層形成用塗工液を、透明基板および透明樹脂層を覆うように塗布した後、減圧乾燥等により乾燥させる方法等とすることができる。本工程において、着色層形成用塗工液を塗布する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スピンコート法やダイコート法等、一般的な塗布方法を挙げることができる。また、この際用いられる着色層形成用塗工液に用いられる材料としては、一般的な半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの着色層の形成に用いられるものと同様とすることができる。
なお、本工程においては、着色層形成用塗工液の塗布後から乾燥させるまでの間に、透明樹脂層上に塗布された着色層形成用塗工液が、透明樹脂層の凹部および透過光用領域へ流れ落ちることにより、透明樹脂層上に膜厚の薄い着色層を形成することができる。したがって、着色層形成用塗工液を塗布してから、所定の時間経過後に、着色層形成用塗工液の乾燥が行われることとする。なお、所定の時間とは、透明樹脂層上に塗布された着色層形成用塗工液が、乾燥後に目的とする着色層となるような塗布膜となるまでの時間とする。
また、本工程における着色層形成用塗工液の乾燥方法としては、特に限定されるものではなく、例えば減圧乾燥等、一般的な乾燥方法とすることができる。
B.半透過型液晶表示装置
次に、本発明の半透過型液晶表示装置について説明する。本発明の半透過型液晶表示装置は、上述した半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを用いたことを特徴とするものであれば、特に限定されるものではなく、通常の半透過型液晶表示装置と同様の構成を有するものとすることができる。具体的には、上記半透過型液晶表示装置用カラーフィルタと、対向して配置される対向基板と、その対向基板との間に封入された液晶と、パターン状に形成された、外光を反射するための反射板とを有するもの等とすることができる。
本発明によれば、上記半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを用いることから、対向基板と半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ間に封入された反射光用領域における液晶の配向が乱されることが少なく、かつ反射光用領域の輝度の高い、高品質な色表示が可能な半透過型液晶表示装置とすることができるのである。
また、上記半透過型液晶表示装置に用いられる各部材については、一般的な半透過型液晶表示装置に用いられるものと同様とすることができる。さらに、上記半透過型液晶表示装置に用いられる部材としては、上記のものに限定されるものではなく、例えば配向膜や電極層等、必要に応じて適宜有するものとすることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
(遮光部の形成)
透明基板として、300mm×400mm、厚さ0.7mmのガラス基板(コーニング社製1317ガラス)を準備した。この透明基板を定法にしたがって洗浄し、透明基板の片側にスパッタ法によりクロム薄膜(厚み1600Å)を形成した。このクロム薄膜上にポジ型感光性レジスト(東京応化工業(株)製OFPR−800)を塗布し、所定のマスクを介して露光し、レジストパターンを形成した。次いで、このレジストパターンをマスクとしてクロム薄膜をエッチングし、線幅20μmの遮光部を形成した。
(透明樹脂層の形成)
続いて、上記透明基板および遮光部を覆うようにして、下記組成の透明樹脂層形成用塗工液を塗布し、乾燥させた。この透明樹脂層形成用塗工液を、所定のフォトマスク(凹部形成領域および透過光用領域に対応する位置に遮蔽部を有するフォトマスク)を介して露光し、現像を行った。その後、230℃で、30分間焼成し、遮光部が形成された領域上に深さ0.7μm、幅(図2において示されるk)10μmの凹部を有する透明樹脂層を形成した。この際、表示領域上における透明樹脂層の平均膜厚は、3.3μm、線幅は50μmであった。なお、反射光用領域の幅は50μmであり、透過光用領域の幅は55μmであった。
〈透明樹脂層形成用塗工液〉
・メタクリル酸メチル−スチレン−メタクリル酸共重合体 ・・・42重量部
・エピコート180s70(三菱油化シェル(株)製) ・・・18重量部
・ペンタエリスリトールペンタアクリレート ・・・32重量部
・イルガキュア907(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)・・8重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・300重量部
(赤色着色層の形成)
上記透明樹脂層を覆うように、上記透明基板上に、下記組成の赤色着色層用の着色層形成用塗工液(ネガ型感光性樹脂組成物)をスピンコート法により塗布した。続いて、上記赤色パターン用のフォトマスクを用いて露光、現像した。その後、焼成することにより赤色着色層を形成した。なお、反射光用領域における赤色着色層の平均膜厚は0.95μmであり、透過光用領域における赤色着色層の平均膜厚は2.4μmであった。上記各膜厚は、赤色着色層の断面形状を走査型電子顕微鏡(SEM)等で撮影したものから算出した。
〈赤色着色層形成用塗工液〉
・赤色顔料(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 クロモフタルレッドA2B) ・・・4.8重量部
・黄色顔料(BASF社製 パリオトールイエローD1819)・・1.2重量部
・分散剤(ビックケミー社製 ディスパービック161)・・・3.0重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) ・・・4.0重量部
・ポリマーI ・・・5.0重量部
・イルガキュア907(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)・・・1.4重量部
・(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) ・・・0.6重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・80.0重量部
*ポリマーIは、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2‐メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である。
(緑色着色層の形成)
上記赤色着色層が形成された透明基板上に、下記組成の緑色着色層用の着色層形成用塗工液(ネガ型感光性樹脂組成物)を用いて、赤色着色層と同様の方法により緑色着色層を形成した。なお、反射光用領域における緑色着色層の平均膜厚は0.95μmであり、透過光用領域における緑色着色層の平均膜厚は2.4μmであった。上記膜厚は、緑色着色層の断面形状を走査型電子顕微鏡(SEM)等で撮影したものから算出した。
〈緑色着色層形成用塗工液〉
・緑色顔料(アビシア社製 モナストラルグリーンθY−C)・・・4.2重量部
・黄色顔料(BASF社製 パリオトールイエローD1819)・・・1.8重量部
・分散剤(ビックケミー社製 ディスパービック161)・・・3.0重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) ・・・4.0重量部
・ポリマーI ・・・5.0重量部
・イルガキュア907(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)・・・1.4重量部
・(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル‐1,2´−ビイミダゾール) ・・・0.6重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・80.0重量部
(青色着色層の形成)
上記赤色着色層および緑色着色層が形成された透明基板上に、下記組成の青色着色層用の着色層形成用塗工液(ネガ型感光性樹脂組成物)を用いて、赤色着色層と同様の方法により青色着色層を形成した。なお、反射光用領域における青色着色層の平均膜厚は0.95μmであり、透過光用領域における青色着色層の平均膜厚は2.4μmであった。上記膜厚は、青色着色層の断面形状を走査型電子顕微鏡(SEM)等で撮影したものから算出した。
〈青色着色層形成用塗工液〉
・青色顔料(BASF社製 ヘイオゲンブルーL6700F)・・・6.0重量部
・顔料誘導体(アビシア社製 ソルスパース6000) ・・・0.6重量部
・分散剤(ビックケミー社製 ディスパービック161)・・・2.4重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) ・・・4.0重量部
・ポリマーI ・・・5.0重量部
・イルガキュア907(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)・・・1.4重量部
・(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) ・・・0.6重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・80.0重量部
[実施例2]
透明樹脂層の凹部の深さを2.6μm、幅(図2において示されるk)を18μmとしたこと以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを形成した。なお、この際、反射光用領域における赤色着色層、緑色着色層および青色着色層の平均膜厚は0.93μmであり、透過光用領域における赤色着色層、緑色着色層および青色着色層の平均膜厚は2.4μmであった。
[比較例1]
透明樹脂層に凹部を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを形成した。なお、この際、反射光用領域における赤色着色層、緑色着色層および青色着色層の平均膜厚は1.02μmであり、透過光用領域における赤色着色層、緑色着色層および青色着色層の平均膜厚は2.4μmであった。
[評価]
透明樹脂層に凹部を形成した実施例1および実施例2は、透明樹脂層に凹部を形成しなかった比較例1と比較して、透明樹脂層上に着色層(反射光用領域における着色層)を薄く形成することができた。
本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの一例を示す概略断面図である。 本発明における凹部の深さおよび幅を説明するための説明図ある。 本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの構成の一例を示す概略断面図である。 本発明における透明樹脂層形成工程について説明するための説明図である。
符号の説明
1 …透明基板
2 …透明樹脂層
3 …着色層
4 …遮光部
5 …凹部
t …透過光用領域
r …反射光用領域

Claims (2)

  1. 透明基板と、前記透明基板上にパターン状に形成された透明樹脂層と、前記透明基板および前記透明樹脂層を覆うように形成された着色層と、前記透明基板上に形成され、画素部を画定する遮光部とを有し、前記透明基板と、前記透明樹脂層と、前記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、前記透明基板と、前記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタであって、
    前記透明樹脂層が、反射光用領域上において、前記遮光部で画定される複数の画素部にわたって一体に形成されたものであり、かつ前記透明樹脂層は前記遮光部が形成された領域上に遮光部が露出されないように形成された凹部を有し、
    前記透明樹脂層に形成された前記凹部内には、前記着色層を形成する材料が充填されており、かつ前記凹部は上部から底部にかけて幅が小さくなる形状であることを特徴とする半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ。
  2. 請求項1に記載の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを用いたことを特徴とする半透過型液晶表示装置。
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