JP4622267B2 - エレクトロスラグ溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、300 kJ/cm以上の大入熱エレクトロスラグ溶接方法に関し、とくに靭性に優れた溶接継手(溶接金属)を得るための方法を提案するものである。
近年、建築物等の鋼構造物については、地震発生時の脆性破壊防止の観点から、溶接部の高靭性化の要求が高まっている。一般に、鉄骨構造に用いられる溶接法としては、ガスシ−ルドアーク溶接、サブマージアーク溶接、エレクトロスラグ溶接等が挙げられる。中でも、エレクトロスラグ溶接は、他の溶接法よりも大きな入熱で高能率の溶接ができることから、鉄骨ダイアフラムや仕口部の立向き溶接法として用いられている。例えば、ダイアフラムの板厚が60 mm程度の鋼材を、1パスでエレクトロスラグ溶接する場合、溶接入熱は1,000 kJ/cm程度と非常に高くなる。ただし、このような大入熱の溶接では、溶接時の溶接金属の冷却速度が小さくなり、溶接金属の焼入れ性が低下してミクロ組織が粗大となり、溶接金属の靭性が低下するという問題がある。
この間題を解決する方法として、従来、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、MoおよびVの各含有量を適正範囲内とし、かつTSE値(=41C+5Si+8Mn+28 Cu+5Ni+2Cr+7Mo+32V)が28以上となるように成分調整した、いわゆる極厚低合金高張力鋼板用エレクトロスラグ溶接用ワイヤが提案されている(特許文献1参照)。そして、この特許文献1に開示の技術では、極厚鋼板のエレクトロスラグ溶接時に、53 kg/mm2(519MPa)以上の引張強さと−20℃での吸収エネルギーが3kgf・m(29.4J)以上を有するエレクトロスラグ溶接金属が得られるとしている。
また、上記の問題を解決する方法としては、エレクトロスラグ溶接時に、母材とワイヤと当金との溶融で形成される溶接金属の珪素含有量が0.16〜0.20 mass%の範囲内となるように、Si含有量の少ない材質のワイヤを使用するとともに、当金のSi含有量を、母材とワイヤのSi含有量とに対応させて調整するエレクトロスラグ溶接金属のSi調整方法についての提案もある(特許文献2参照)。
さらに、その他の方法として、エレクトロスラグ溶接に当たり、C、Si、Mn、O、SおよびTiを適正範囲内で含み、かつMnがMn≧3(C+Si+Mo+Ti)を満足する非消耗ノズル式エレクトロスラグ溶接用ワイヤを用いる方法についての提案もある(特許文献3参照)。
しかし、上記各特許文献1、2、3に記載された技術の下で得られる溶接金属は、シャルピー吸収エネルギーが試験温度0℃ないし−20℃で30J程度と、十分な靭性を有しているとは言い難いのが実情である。
このような問題に対する解決手段として、従来、N、O含有量を低減した大入熱エレクトロスラグ溶接用ワイヤが提案されている(特許文献4参照)。この文献に記載された技術は、溶接ワイヤの化学成分を調整することにより、溶接金属のオーステナイト粒径を制御し、Bのオーステナイト粒界への偏析作用を利用して、溶接金属の靭性を向上させようというものである。
しかしながら、大入熱エレクトロスラグ溶接では、母材希釈率が高く、また種々の組成の鋼材を使用するため、鋼材の組合せと溶接条件によっては、上述した溶接ワイヤの化学成分を調整するだけでは、設計どおりの溶接金属特性が得られない場合があり、とくに高靭性の溶接金属を安定して得るまでに至ってはいない。
特開昭59−179289号公報 特開平9−136710号公報 特許第2892575号公報 特開2002−79386号公報
一般に、エレクトロスラグ溶接と同様に、大入熱溶接として用いられるサブマージアーク溶接においては、溶接金属を微細なアシキュラーフェライト組織とすることで高靭性化を達成することがよく知られている。溶接金属のアシキュラーフェライト化については、数多くの研究がある。例えば、溶接金属中にTiを含む酸化物系介在物を数多く分散させることによって、その介在物ないし介在物周辺からアシキュラーフェライトを生成させるという方法などが知られている。
このような既知のアシキュラーフェライト組織を利用する高靭性化技術では、併せて溶接金属中の旧オーステナイト粒界で粗大なフェライトが生成するのを抑制することが重要である。その理由は、大入熱エレクトロスラグ溶接の場合、溶接金属の冷却速度が非常に遅いので、旧オーステナイト粒界に粗大な初析フェライト組織が成長しやく、オーステナイト粒内を微細なアシキュラーフェライト組織にしても、粒界に粗大フェライトが生成すると破壊が発生、伝播しやすくなり、溶接金属の靭性低下を招くことになる。このような粒界フェライトの生成抑制には、溶接金属中へBを添加することが有効である。即ち、オーステナイト粒界にフリーBを偏析させることにより、粒界の界面エネルギーを低下させて、フェライトの生成を抑制しようというものである。
しかしながら、エレクトロスラグ溶接は、溶接姿勢が立向きのため溶接速度が極めて遅く、溶接金属中の脱酸反応がより促進されることに加え、溶融プール中の酸化物が浮上し大部分がスラグとして排出されるため、溶接金属中の酸素量が低くなり、Tiを含む酸化物系介在物の分散が困難となるほか、脱酸元素であるBの安定添加が困難になる。そのため、サブマージアーク溶接の場合のように、アシキュラーフェライト主体でかつ旧オーステナイト粒界の粗大フェライトを抑制した均一微細のミクロ組織にすることができず、靭性を向上させることが困難になるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、従来技術が抱えている上述した問題が解消でき、溶接入熱が300 kJ/cm以上の非消耗ノズル式大入熱エレクトロスラグ溶接によって鋼板を溶接した際に、靭性の優れた溶接金属(溶接継手)を得ることができる溶接方法を提案することにある。
発明者らは、溶接入熱300 kJ/cm以上の大入熱エレクトロスラグ溶接によって鋼板を溶接するときに得られる溶接金属(溶接継手)の靭性向上について鋭意研究を重ねた結果、下記の知見を得るに至った。
大入熱エレクトロスラグ溶接では、一般に、低速の立向き溶接となるため、微細なアシキュラーフェライト組織とするために必要なTi含有酸化物系介在物を、溶接金属中に分散させることが困難である。というのはTiはエレクトロスラグ溶接においては、溶接ワイヤから添加されるが、そのTiが酸化物系介在物として溶接金属に分散するようになるためには、溶接中のスラグ−メタル間反応において、Tiが酸素と結合して、溶融金属内に導入され、かつ浮上してスラグアウトされないような状況にすることが必要である。
Ti系酸化物を溶接金属中に効果的に導入するには、そのTiがスラグアウトされたとしてもなお十分な量の酸化物が溶接金属中に残存するように、多量のTiおよびOが溶融メタル中に供給できるようにすればよい。そのために、発明者らは、溶接ワイヤからのTi添加に加え、スラグ−メタル間反応による溶接金属中の酸素量を制御することを考えた。
一般に、サブマージアーク溶接については、溶接フラックスの塩基度と溶接金属中の酸素量との間に関係があることは知られているが、発明者らの研究によると、エレクトロスラグ溶接においてもまた、溶接ワイヤからTi等の脱酸元素を添加した場合に、溶接フラックスの塩基度と溶接金属中酸素量との間に強い相関があることがわかった。すなわち、溶接ワイヤから多量のTiを添加するとともに、低塩基度のフラックスを使用することにより、溶融メタル中に多量のTi酸化物が生成され、スラグ−メタル間反応により、スラグ中に排出されても十分な量の酸化物系介在物が溶接金属中に残存させるようにすることができるのである。このような方法の採用によって、アシキュラーフェライト生成核となるTiを含む酸化物系介在物を、エレクトロスラグ溶接金属中に十分な量を分散させることが可能になり、アシキュラーフェライト組織主体の高靭性溶接金属が得られるようになる。
また、大入熱エレクトロスラグ溶接においては、オーステナイト粒界に偏析し、粒界フェライトの生成を抑制する作用のあるBを適正に添加するためには、脱酸反応によってスラグアウトされるBを、いかに安定して溶接金属中に歩留まらせるかということが重要である。発明者らは、エレクトロスラグ溶接時のBの挙動について調査を重ねた結果、溶接ワイヤから添加したBが溶接金属中に歩留まる量は溶接中のスラグ−メタル間反応によって決定され、スラグ中のB23濃度によって溶接金属中のB濃度が変動することを見出した。
溶接中の溶融スラグ−メタル間では、常に溶融メタル中B+O⇔溶融スラグ中B23の平衡反応が起こっている。即ち、溶融スラグ中のB23濃度が低い場合は溶融メタル中のBが酸化して、スラグ中に排出される方向に反応が促進され、溶接金属中のB歩留まりが低くなる。一方、溶融スラグ中のB23濃度が高い場合は、溶融メタル中のBの酸化、スラグ排出反応が抑制され、溶接金属中のB歩留まりが高くなる。即ち、溶融メタル中には溶接ワイヤから連続してBが供給されるが、溶接が進むにしたがってスラグ中に排出されるB23量が増加し、溶接金属中に歩留まるB量も増加することになり、結果的に溶接金属中のB量が1本の溶接線の中で変動することになる。
発明者らの知見では、溶接金属中B量の変動を防止するには、溶融スラグ中のB23濃度を制御することが有効であり、もし溶融スラグ中に予め一定濃度以上のB23を含有させると、溶融メタル中のBの酸化やスラグ排出が抑制され、また溶接金属中のB濃度を安定化させることができることがわかった。すなわち、エレクトロスラグ溶接に所定量のBを含有する溶接ワイヤと、一定量以上のB23を予め添加したフラックスを用いることにより、溶接金属中に安定的にBを添加することが可能となる。ここで新たにスラグ−メタル間反応を考慮した溶接フラックスの化学成分調整による脱酸元素の歩留まり調整が可能になり、フラックスによる溶接金属中B量の制御を実現したものである。
本発明は、上記の知見に基づいて開発されたものであって、鋼板をエレクトロスラグ溶接する方法において、C:0.02〜0.30 mass%,、Si:0.05〜1.80 mass%、Mn:0.5〜3.5 mass%、Al:0.005〜0.08 mass%、Ni:3.0 mass%以下、Mo:0.05〜2.5 mass%、Ti:0.05〜0.40 mass%、B:0.006〜0.018 mass%、N:0.012 mass%以下、O:0.001〜0.015 mass%を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる組成を有する溶接ワイヤと、下記(1)式で表される塩基度(BLK)が、−2.0〜0.5の範囲にあり、かつB23を0.5 mass%以上含有する溶接フラックスを用いて溶接することを特徴とするエレクトロスラグ溶接方法である。
LK=6.05[CaO]+6.05[CaF2 ]−6.31[SiO2
−4.97[TiO2 ]−0.2[A123 ]+4.8[MnO
+4[MgO]+3.4[FeO] …(1)
*−溶接フラックス中のそれぞれの化合物のモル分率
また、本発明は、Cr:0.05〜2.5 mass%、V:0.005〜0.5 mass%、Nb:0.005〜0.5 mass%のうちから選ばれるいずれか1種または2種以上を含有するものを用いることができる。
本発明方法に従い、300 kJ/cm以上の大入熱エレクトロスラグ溶接して得られる鋼板の溶接継手部は、靭性が良好で、溶接構造物自体の安全性を高めるだけでなく、溶接施工効率の向上にも効果を奏する。
本発明方法の説明に当たり、まず使用する溶接ワイヤについて、その化学成分を規定した理由を説明する。
C:0.02〜0.30 mass%
Cは、溶接金属の強度を上げ、かつ焼入れ性を向上させる元素であるが、その含有量が0.02 mass%未満では十分な焼入れ性が得られない。一方、0.30 mass%を超えると、溶接金属の高温割れが発生することがあるだけでなく、過剰な硬化や島状マルテンサイトの生成を促して溶接金属の靭性を劣化させる。このため、Cの含有量は、0.02〜0.30 mass%の範囲に限定した。なお、好ましくは、0.02〜0.15 mass%の範囲である。
Si:0.05〜1.80 mass%
Siは、脱酸作用を有するとともに溶接金属の強度を向上させ、さらには溶接金属の湯流れ性を向上させる元素である。このような作用は、0.05 mass%以上の含有で認められる。一方、1.80 mass%を超えると、溶接金属の高温割れが発生する可能性があるほか、島状マルテンサイトの生成を助長し、溶接金属の靭性を劣化させる。このため、Siの含有量は、0.05〜1.80 mass%の範囲に限定した。なお、好ましくは、0.15〜1.50 mass%の範囲である。
Mn:0.5〜3.5 mass%
Mnは、溶接金属の強度を確保し、溶接金属の焼入れ性を向上させる元素である。このMn含有量が0.5 mass%未満では、十分な焼入れ性が得られない。一方、3.5 mass%を超えて含有すると、溶接金属の高温割れが発生するだけでなく、上部ベイナイト相あるいはマルテンサイト相を生成して溶接金属の靭性を劣化させる。このため、Mnの含有量は、0.5〜3.5 mass%の範囲に限定した。なお、好ましくは、1.2〜2.5 mass%の範囲である。
Al:0.005〜0.08 mass%
Alは、強脱酸元素であり、溶接金属中での脱酸作用を促進させるためにワイヤ中に含有させる。それは、溶接金属の脱酸反応が不十分だと、溶接金属中の酸素量が増加し、固溶状態で含有されるべき元素であるSi、Mn、B等が酸化物となり、溶接金属の焼入れ性の低下、靭性の劣化が生じるからである。このため、本発明では、Alを0.005 mass%以上含有させる。しかし、このAlの含有量が過剰になると、溶接金属中にA123が多量に形成され、アシキュラーフェライト生成核となるTi酸化物の生成を阻害する。このため、Al含有量は、0.005〜0.08 mass%の範囲に限定した。
Ni:3.0 mass%以下
Niは、溶接金属の強度と靭性を向上させる元素として有効であり、0.05 mass%以上含有することが好ましい。一方、3.0 mass%を超えて含有すると、溶接金属の高温割れが発生する危険性が増大するばかりでなく、上部ベイナイト相あるいはマルテンサイト相が生成して溶接金属の靭性を劣化させる。このため、Niの含有量は、3.0 mass%以下に限定する。なお、好ましくは0.05〜2.5 mass%である。
Mo:0.05〜2.5 mass%
Moは、溶接金属の強度ならびに焼入れ性を向上させ、変態時にアシキュラーフェライトの生成を促進して、溶接金属組織を微細化させる元素である。このような効果を得るためには、0.05 mass%以上の含有を必要とする。一方、2.0 mass%を超えて含有すると、溶接金属の高温割れが発生する可能性があるほか、過剰に硬化して溶接金属の靭性劣化を招く。このため、Moの含有量は0.05〜2.5 mass%の範囲内とする。
Ti:0.05〜0.40 mass%
Tiは、溶接金属中で酸化物を形成し、その酸化物を核として微細なアシキュラーフェライトが生成して、溶接金属の靭性を向上させる効果を有する。エレクトロスラグ溶接では、Ti酸化物が溶融プールからスラグとして排出されやすいため、Ti含有量が0.05 mass%未満では酸化物が十分に生成せず、溶接金属の靭性向上が得られない。一方、0.40 mass%を超えて含有すると、Tiが溶接金属中で固溶元素として働くため、溶接金属が硬化して靭性の劣化を招く。このため、Tiの含有量は、0.05〜0.40 mass%の範囲に限定する。
B:0.006〜0.018 mass%
Bは、溶接金属の焼入れ性と靭性を向上させる元素である。また、Bは、溶接金属中でNをBNとして固定し、固溶Nによる溶接金属の靭性劣化を防止する効果がある。しかもBは、旧オーステナイト粒界に偏析し、粗大な初析フェライトの成長を抑制する作用を発揮することによって、溶接金属の靭性を向上させる効果も有する。このようなBの作用効果は、溶接金属中で酸化物あるいは窒化物として固定されないフリーBを適正量安定して確保する必要がある。そのためには、エレクトロスラグ溶接において、溶接ワイヤにBを添加すると共にフラックスにもB23の形で添加し、溶接金属中へのB歩留まりを制御することが有効になる。
そこで、本発明では、溶接ワイヤ中にBを0.006 mass%以上添加する。ただし、その量が0.018 mass%を超えると、溶接金属の焼入れ性が高くなりすぎて、高温割れが発生しやすくなるだけでなく、マルテンサイト相を生成して溶接金属の靭性劣化を招く。このため、B含有量は、0.006〜0.018 mass%の範囲とする。
N:0.012 mass%以下
Nは、溶接金属中に固浴して靭性を劣化させる元素であり、できるだけ低減することが好ましい。本発明では、溶接ワイヤ中に多量のBを含有するため、溶接金属中のNはBNとして固定でることから、固溶Nによる靭性劣化をある程度抑制することができる。しかしながら、Nの量が0.012 mass%を超えると、溶接金属中にフリーのBが不足し、Bの初析フェライト抑制効果が得られなくなり、溶接金属の靭性が劣化する。このため、N含有量は、0.012 mass%以下とする。
O:0.001〜0.015 mass%
Oは、アシキュラーフェライト生成核であるTi酸化物の形成のために、溶接ワイヤ中に0.001 mass%以上含有させる必要がある。しかし、このO量が0.015 mass%を超えると、溶接金属中にOが過剰となり溶接金属の焼入れ性が低下し、溶接金属の靭性が劣化する。このため、O含有量は、0.001〜0.015 mass%の範囲に限定する。
さらに、本発明においては、上記の成分に加えて、Cr:0.05〜2.5 mass%、V:0.005〜0.5 mass%およびNb:0.005〜0.5 mass%のうちから選ばれるいずれか1種または2種以上を含有させることができる。これらの成分は、いずれも大入熱エレクトロスラグ溶接において、溶接金属の強度、靭性を向上させる元素であり、必要に応じて含有させる。
Cr:0.05〜2.5 mass%
Crは、大入熱溶接において、溶接金属の強度と靭性を向上させるために0.05 mass%以上含有させることが好ましいが、2.5 mass%を超えて含有すると、溶接金属の高温割れが発生するばかりでなく、上部ベイナイト相あるいはマルテンサイト相が生成して溶接金属の靭性劣化を招く。このため、Crの含有量は、0.05〜2.5 mass%の範囲に限定することが好ましい。
V:0.005〜0.5 mass%
Vは、Crと同様に、大入熱溶接において溶接金属の強度を向上させ、組織を微細化して靭性を向上させる。このような作用効果を得るためには、Vを0.005 mass%以上含有させることが好ましい。ただし、0.5 mass%を超えて含有させると、溶接金属の硬化により靭性が劣化する。このため、Vの含有量は0.005〜0.5 mass%の範囲に限定することが好ましい。
Nb:0.005〜0.5 mass%
Nbは、Cr、Vと同様に、大入熱溶接において溶接金属の強度を向上させ、組織を微細化して靭性を向上させる。このような効果を得るためには、0.005 mass%以上含有することが好ましい。一方、0.5 mass%を超えて含有すると、溶接金属の硬化により靭性が劣化する。このため、Nbの含有量は、0.005〜0.5 mass%の範囲に限定することが好ましい。
なお、上述した成分は、溶接ワイヤ(ソリッドワイヤ)中の含有量として規定したが、フラックス入りワイヤを用いてエレクトロスラグ溶接を行う場合には、そのフラックスから添加を行うようしてもよい。
次に、本発明の溶接方法において用いるフラックスについて、塩基度およびB23添加量を限定した理由を説明する。
フラックス塩基度(BLK):-2.0〜0.5
本発明において用いるエレクトロスラグ溶接用フラックスは、主としてCaO、SiO2、TiO2、Al23、MnO、MgO、FeOの如き酸化物と、CaF2の如き弗化物で構成されており、スラグの粘性、融点、流動性、電気抵抗などの特性を考慮してその組成が決定される。
本発明では、アシキュラーフェライト組織を生成させるために、必要なTi含有酸化物系介在物を、溶接金属中に分散含有させるため、溶接金属酸素量を決定する塩基度を指標としてフラックスの成分組成を規定するものである。すなわち、モル分率をもって表わされる下記に示す塩基度BLKが0.5を超えると、溶融メタル中への酸素供給が不十分となり、ワイヤから多量のTiを添加してもTi酸化物の生成が不十分で、溶接金属中に酸化物系介在物を効果的に分散させることができない。一方、塩基度BLKが−2.0未満だと、溶融メタル中への酸素供給が過剰となり、溶接金属の焼入れ性を低下して靭性を劣化させる。また、Bを酸化物とし、粒界フェライト生成を抑制するフリーB量を低減し、靭性を劣化させる。したがって、前記フラックスの成分調整に当っては、下記(1)式で示される塩基度BLKは−2.0〜0.5の範囲内にする必要がある。
LK=6.05[CaO]+6.05[CaF2]−6.31[SiO2
−4.97[TiO2]−0.2[A123]+4.8[MnO]
+4[MgO]+3.4[FeO]
[CaO]:溶接用フラックス中のCaOモル分率
[CaF2]:溶接用フラックス中のCaF2モル分率
[SiO2]:溶接用フラックス中のSiO2モル分率
[TiO2]:溶接用フラックス中のTiO2モル分率
[A123]:溶接用フラックス中のA123モル分率
[MnO]:溶接用フラックス中のMnOモル分率
[MgO]:溶接用フラックス中のMgOモル分率
[FeO]:溶接用フラックス中のFeOモル分率
23添加量:0.5 mass%以上
溶接金属中のB量は、溶融スラグと溶融メタル間での、溶融メタル中B+O⇔溶融スラグ中B23の平衡反応によって決定される。従って、溶接ワイヤからくる溶融メタル中のBは、溶融スラグ中のB23濃度によって変化し、溶接金属中に歩留まるB量が変動する。しかし、溶融スラグ中に一定濃度以上のB23が存在すると、溶融メタル中でのBの酸化スラグ排出が抑制され、溶接金属中のB歩留まりが安定化する。このようなB歩留まり安定化の効果を得るのに必要なB23量は、0.5 mass%(フラックス)以上である。なお、フラックス中に0.5 mass%を超えてB23を添加しても、ワイヤから添加するBの歩留まりは一定で変化しないため、溶接金属特性の制約による上限添加量はないが、あまり多量の添加は溶融スラグの物性に影響し、溶接作業性を損ねる懸念があるため、5.0 mass%以上の添加は必要ないと考えられる。
なお、エレクトロスラグ溶接に使用されるフラックスは、一般的に溶融型フラックスであり、ここでの塩基度およびB23添加量は、溶融・粉砕・ふるい後のフラックス組成によって規定されるものである。
以下に、本発明の効果を実施例に基づいて説明する。
表1に示す化学成分の厚鋼板(板厚:60 mm)をスキンプレート1、ダイアフラム2に用い、図1に示すような、溶接長800 mmの溶接継手を仮組みし、表1に示す組成の溶接ワイヤ(線径:1.6 mm)と表2に示す化学成分の溶接フラックスを用い、表3に示す条件でエレクトロスラグ溶接を行った。なお、側板3はJIS−SN490相当のフラットバーを使用し、溶接フラックスの添加量は、溶接開始時に140gとし、溶接途中に適宜少量の追加添加を行った。
Figure 0004622267
Figure 0004622267
Figure 0004622267
溶接終了後、図2に示すように、溶接継手の溶接金属部4から、JIS Z 2202の規定に準拠した2mm−Vノッチシャルピー衝撃試験片を採取し、JIS Z 2242の規定に準拠して衝撃試験を実施し、溶接金属の靭性評価を行った。なお、衝撃試験片のノッチ位置5は、スキンプレート板厚方向で溶接金属幅が最大となる部位の溶接金属中心部とした。また、溶接金属の靭性評価は、試験温度0℃におけるシャルピー吸収エネルギーvE0により行い、溶接金属中のB歩留まりの変動を考慮し、溶接開始からの距離100〜150 mm間(溶接開始からの時間経過小)、650〜700 mm(溶接終了近く、溶接開始からの時間経過大)の2箇所から、各々3本ずつのシヤルピー試験片を採取し、試験を行った結果の平均値で評価した。なお、0℃におけるシヤルピー吸収エネルギーvE0が70J以上である場合を靭性良好と判定した。得られた結果を表4−1、表4−2に示す。
Figure 0004622267
Figure 0004622267
本発明例(No.1〜16)は、いずれも良好な靭性を有する溶接金属が得られている。一方、本発明の範囲を外れる組成のワイヤおよびフラックスを使用した比較例(No.1〜22)では、vE0が70J未満であり、溶接金属靭性が劣化している。比較例No.22では、溶接終了近くから採取したシャルピー試験片ではvE0≧70Jとなっているのに対し、溶接開始後すぐのシヤルピー試験片ではvE0<70Jと靭性が低い。これは、フラックス中のB23添加量が少ないため、溶接開始後しばらくは溶接ワイヤから添加したBが溶融スラグ中にB23として排出される反応が促進され、溶接金属中に歩留まるB量が不足するが、溶接開始から時間が経過し、溶融スラグ中のB23濃度が高くなるにしたがって溶接金属中のB歩留まりが高くなり、B量が安定するようになったためである。
このように、本発明方法に適合する条件の溶接ワイヤおよび溶接フラックスを使用した大入熱エレクトロスラグ溶接継手では、良好な靭性を有する溶接金属が得られることが確認できた。
本発明は、建築、造船、橋梁、海洋構造物、タンクなどの各種溶接鋼構造物を建造する際の大入熱エレクトロスラグ溶接の分野において利用される技術である。
スキンプレート、ダイアフラム、側板を用いて溶接継手を仮組みした状態を示す平面図である。 溶接継手の溶接金属部から、2mm−Vノッチシャルピー衝撃試験片を採取した位置を説明するための平面図である。
符号の説明
1 スキンプレート
2 ダイアフラム
3 側板
4 溶接金属部
5 衝撃試験片のノッチ位置

Claims (2)

  1. 鋼板をエレクトロスラグ溶接する方法において、
    C:0.02〜0.30 mass%、Si:0.05〜1.80 mass%、Mn:0.5〜3.5 mass%、Al:0.005〜0.08 mass%、Ni:3.0 mass%以下、Mo:0.05〜2.5 mass%、Ti:0.05〜0.40 mass%、B:0.006〜0.018 mass%、N:0.012 mass%以下、O:0.001〜0.015 mass%を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる組成を有する溶接ワイヤと、下記(1)式で表される塩基度(BLK)が、−2.0〜0.5の範囲にあり、かつB23を0.5 mass%以上含有する溶接フラックスを用いて溶接することを特徴とするエレクトロスラグ溶接方法。
    LK=6.05[CaO]+6.05[CaF2 ]−6.31[SiO2
    −4.97[TiO2 ]−0.2[A123 ]+4.8[MnO
    +4[MgO]+3.4[FeO] …(1)
    *−溶接フラックス中のそれぞれの化合物のモル分率
  2. 前記溶接ワイヤが、上記化学成分に加えて、Cr:0.05〜2.5 mass%、V:0.005〜0.5 mass%、Nb:0.005〜0.5 mass%のうちから選ばれるいずれか1種または2種以上を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロスラグ溶接方法。
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