JP4622027B2 - 密閉形電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は密閉形電池に係り、特に過充電時,過放電時あるいは過負荷時の膨張,破裂を防止できる密閉形電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4に示すように、非水電解液を用いた一般的な密閉形電池40は、電解質層を介して正極41および負極42が積層された電池本体43と、電池本体43を収容する容器44と、容器44の内圧が一定以上に達したときに作動する防爆部45とを備えている。
容器44は、有底偏平角筒形状の本体46と、本体46の開口に取り付けられる平面略長方形の蓋部47とを有している。蓋部47は、正極41および負極42にそれぞれ接続された正極端子48および負極端子49が貫通して突出しているとともに、容器44内に電解液を注液するための注液口(図示せず)が設けられている。
【0003】
図5および図6にも示すように、防爆部45は、蓋部47を貫通する円形の連通孔50と、蓋部47の裏面に沿うとともに連通孔50を閉鎖する薄肉部材51と、薄肉部材の面方向に沿って連続する切欠溝52とを有している。
薄肉部材51は、例えば0.1mm 程度の厚み寸法を有するステンレス箔とされ、レーザ溶接,冷間圧接,抵抗溶接等の適宜な方法により蓋部47に固定されている。切欠溝52は、断面略V字状とされ、薄肉部材51の一定領域を囲むように、連通孔50と略同心の平面円形に設けられている。このような切欠溝52は、連通孔50を通じて容器44の外部から視認できるように、例えばプレス加工,エッチング加工等の適宜な方法により薄肉部材51の表面に設けられている。
【0004】
このような密閉形電池40は、過充電,過放電あるいは内部短絡等により容器44の内部にガスが発生し、容器44の内圧が一定以上に達すると、切欠溝52に囲まれた領域が円盤状の防爆蓋53として薄肉部材51から破断して容器44の内外を連通させ、これにより容器44の膨張,破裂を防止できるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した密閉形電池40は、防爆部45を構成する切欠溝52が平面円形、換言すれば切欠溝52が一定曲率で周回するように設けられているため、容器44の内圧が切欠溝52の全域に対して均一に作用し、切欠溝52の特定個所に剪断力が集中することはない。すなわち、このような密閉形電池40において、防爆蓋53が薄肉部材51から破断するためには、切欠溝52の全域が同時に剪断される必要があるため、容器44の内圧が比較的高くなる必要がある。
従って、前述した密閉形電池40は、防爆部45が作動すべき容器44の内圧を例えば15kgf/cm2程度の比較的低圧に設定し難いという不都合がある。
【0006】
この問題に対して、容器44の内圧が比較的低圧に達したときに防爆部45が作動するように、切欠溝52の深さ寸法を適宜選択する方法が考えられるが、薄肉部材51に対する加工が難しいため、加工コストが上昇するという問題が生ずる。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は切欠溝の加工コストを上昇させることなく、容器の内圧が比較的低圧に達したときに防爆部が確実に作動する密閉形電池を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、請求項1に記載したように、電池本体を収容する容器に設けられた防爆部を備え、前記防爆部が、前記容器の内外を連通する連通孔と、前記容器に沿って配置されて前記連通孔を閉鎖する薄肉部材と、前記薄肉部材の面方向に沿って一定領域を円弧状に囲む切欠溝とを有し、前記容器の内圧が一定以上に達したときに前記切欠溝が破断することにより前記一定領域が防爆蓋となって開口可能な密閉形電池であって、前記切欠溝は、複数の曲率で湾曲する円弧同士が交差又は合流して所定の角度を形成している曲折部を有していることを特徴としている。
ここで、前記切欠溝は、請求項2に記載したように、円弧の一部が欠損してなる離間部を備えているものとすると、前記防爆蓋が前記離間部を破断させることなく開口可能であるため、好ましい。
本発明は、また、請求項3に記載したように、電池本体を収容する容器に設けられた防爆部を備え、前記防爆部が、前記容器の内外を連通する連通孔と、前記容器に沿って配置されて前記連通孔を閉鎖する薄肉部材と、前記薄肉部材の面方向に沿って一定領域を円弧状に囲む切欠溝とを有し、前記容器の内圧が一定以上に達したときに前記切欠溝が破断することにより前記一定領域が防爆蓋となって開口可能な密閉形電池であって、前記切欠溝は、円弧状の切欠溝の一部が欠損してなる離間部と、円弧状の切欠溝と他の切欠溝が略十字状に交わってなる曲折部と、を備えていることを特徴とする密閉形電池である。
ここで、前記離間部は、請求項4に記載したように、複数の曲率で湾曲する円弧同士の端部が行き違うことによって形成されているものとしてもよい。
【0008】
ここで、連通孔としては、容器の内外を連通していればよく、開口形状,開口寸法等は任意であり、容器の厚み方向に沿って一定の開口形状,開口寸法が連続している必要もない。
また、薄肉部材としては、切欠溝を形成可能な金属,樹脂等を採用でき、切欠溝に囲まれた防爆蓋が破断可能であれば厚み寸法も任意である。
【0009】
一方、切欠溝の断面形状としては、略V字状,略凹字状,略C字状,略U字状等を採用できるが、剪断力が特定個所に集中し易いように、略V字状,略凹字状が好ましい。
また、切欠溝が囲む一定領域としては、容器の内圧ができるだけ作用するように、できるだけ大面積であることが望ましく、かつ、縦横比ができるだけ接近していることが望ましい。
従って、切欠溝が囲む一定領域としては、連通孔から露出する薄肉部材の露出形状に対する相似形状が好ましく、かつ、連通孔の開口面積に対して過半であることが好ましい。
【0010】
そして、曲折部としては、例えば1つの角部を有する閉じた線状に切欠溝を連続させる形態や、あるいは複数の切欠溝を所定角度で交差,接続させる形態等を例示できる。このような切欠溝は、薄肉部材の表面および裏面のうちの一方あるいは双方に形成しておけばよく、薄肉部材の両面に切欠溝を形成する場合、各切欠溝を薄肉部材の表面および裏面において互いに対応する位置,形状,寸法を選択しておけばよい。
【0011】
本発明によれば、曲折部に剪断力が集中するため、容器の内圧が比較的低圧であっても、曲折部を起点として切欠溝が連続的に破断し、これにより切欠溝に囲まれた一定領域が防爆蓋として開放する。すなわち、この密閉形電池においては、曲折部の平面形状等を適宜選択することにより、切欠溝の深さ寸法を調整することなく、防爆部が作動すべき容器の内圧を例えば15kgf/cm2程度の比較的低圧に設定できることになり、これにより前述した目的を達成できる。
【0012】
ここで、前記曲折部は、切欠溝同士が交わるように設けられたものであってもよい。ここで、交差する各切欠溝は直線状あるいは曲線状でよく、互いに同一形状,相似形状,対称形状である必要はない。
【0013】
このように構成された密閉形電池においては、各切欠溝同士が平面略十字状に交差配置されているため、交差部の底部が切欠溝の内側面から切り離されて補強されない脆弱個所となっている。
すなわち、この密閉形電池においては、例えば切欠溝の特定個所を曲折形成した場合に比較して、曲折部と他の部分との剪断強度差を大きくでき、これにより容器の内圧が比較的低圧であっても、曲折部が起点として確実に防爆蓋が開放することになる。
【0014】
さらに、前記円弧状の各切欠溝の連続方向一端部同士を交差配置させることにより前記曲折部が設けられていてもよい。また、前記円弧状の各切欠溝の連続方向他端部同士を離間配置させることにより離間部が設けることにより、前記防爆蓋が前記離間部を破断させることなく開放可能とすることができる。この密閉形電池においては、離間部が防爆蓋のヒンジとして機能するため、防爆部の作動時に防爆蓋が飛散する虞れが少ないことになる。
【0016】
前記薄肉部材が金属箔であれば、例えばエッチング加工により切欠溝を高精度、かつ、任意形状に形成できることになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態において、既に図4ないし図6において説明した部材等については、図中に同一符号あるいは相当符号を付すことにより説明を簡略化あるいは省略する。
【0018】
図1および図2に示すように、本発明の実施形態である密閉形電池10は、図示しない電池本体を収容する容器44に設けられた防爆部15が、容器44の蓋部47の内外を連通する連通孔50と、蓋部47の裏側に沿って配置されて連通孔50を閉鎖する薄肉部材21と、薄肉部材21の表面に沿って一定領域を囲むように連続する第1切欠溝11および第1切欠溝12とを有している。
【0019】
薄肉部材21は、0.1mm 程度の厚み寸法を有するステンレス箔とされ、例えば湿式エッチング,ガス式エッチング等により、深さ寸法が0.05mmとなるように第1切欠溝11および第2切欠溝12が形成されている。
第1切欠溝11および第2切欠溝12は、略V字状の断面が複数の曲率で湾曲する円弧状に連続していて、互いに対称形状とされている。
【0020】
そして、防爆部15は、第1切欠溝11および第2切欠溝12を互いに連通孔50の周方向に沿うように対向配置することにより、複数の曲率で湾曲する円弧からなる第1切欠溝11および第2切欠溝12の一端部同士が交差又は合流して所定の角度を形成してなる曲折部13が設けられているとともに、第1切欠溝11および第2切欠溝12の他端部同士を離間配置させた離間部14が設けられている。ここで、曲折部13および離間部14は、連通孔50から円形に外部露出する薄肉部材21の表面において、互いに相対的な最遠位置に形成されている。
【0021】
以上のような密閉型電池10においては、防爆部15が第1切欠溝11および第2切欠溝12による曲折部13を有しているため、容器44の内圧が一定以上に達すると、第1切欠溝11および第2切欠溝12に対する剪断力が曲折部13に集中する。
そして、この密閉型電池10においては、曲折部13を起点として第1切欠溝11および第2切欠溝12が他端部まで連続的に剪断され、第1切欠溝11および第2切欠溝12に囲まれた領域が防爆蓋23として開放する。
【0022】
従って、この密閉型電池10によれば、容器44の内圧上昇に伴う剪断力が曲折部13に集中して防爆部15が作動するため、従来のように切欠溝が一定曲率で周回するように設けられている場合に比較して、容器44の内圧が僅かに上昇しても防爆部15が作動可能となり、これにより従来に比較して防爆部15が作動すべき容器44の内圧を低く設定できる。
そして、この密閉型電池10によれば、防爆部15が作動すべき容器44の内圧を低く設定するために、曲折部13を設けるという極めて簡単な構造を採用しているため、例えば第1切欠溝11および第2切欠溝12の深さ寸法を適宜選択する方法を採用した場合に比較して、加工コストを低くできる。
【0023】
また、前述した密閉型電池10において、曲折部13は、第1切欠溝11および第2切欠溝12を平面略十字状に交差配置させることにより設けられているため、当該曲折部13の底部が第1切欠溝11および第2切欠溝12の内側面から切り離されて補強されない脆弱個所となっている。
すなわち、この密閉形電池10によれば、例えば切欠溝の特定個所を単に曲折形成した場合に比較して、曲折部13と他の部分との剪断強度差が大きく、これにより容器44の内圧が比較的低圧であっても、曲折部13を起点として確実に防爆蓋23が開口する。
【0024】
さらに、この密閉形電池10によれば、第1切欠溝11および第2切欠溝12の端部同士を離間配置させることにより離間部14が設けられているため、離間部14が防爆蓋23のヒンジとして機能し、これにより防爆蓋23が開口しても薄肉部材21から飛散する虞れが少ない。特に、防爆蓋23は、曲折部13および離間部14が相対的な最遠個所に設けられているため、曲折部13から第1切欠溝11および第2切欠溝12の終端部までの長い方の距離が最短となっている。従って、この密閉形電池10によれば、曲折部13を起点として短時間で防爆蓋23の開口が完了し、容器44の内圧を速やかに減圧できる。
【0025】
また、このような密閉形電池10によれば、本発明においては、薄肉部材21が金属箔であるため、第1切欠溝11および第2切欠溝12を形成するにあたって、湿式エッチング,ガス式エッチング等を採用でき、これによりプレス加工により形成する場合に比較して、第1切欠溝11および第2切欠溝12の深さ寸法を高精度、かつ、任意形状に設定できる。
【0026】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能であり、例えば図3に示す防爆部15A〜15Fも本発明に含まれるものである。すなわち、図3(A)に示す防爆部15Aは、複数の曲率で湾曲する円弧状の切欠溝30Aを有し、切欠溝30Aの両端部が交差して所定の角度を形成している曲折部13Aが設けられ、離間部が省略されている。
【0027】
また、図3(B)に示す防爆部15Bは、複数の曲率で湾曲するとともに、互いに対称円弧形状の第1切欠溝31Bおよび第2切欠溝32Bを有している。第1切欠溝31Bおよび第2切欠溝32Bは、略水滴状に配置することにより、一端部同士を所定の角度で合流するように形成している曲折部13Bが設けられ、かつ、他端部同士を離間配置させることにより、円弧の一部が欠損してなる離間部14Bが設けられている。
【0028】
さらに、図3(C)に示す防爆部15Cは、複数の曲率で湾曲するとともに、互いに対称円弧形状の第1切欠溝31Cおよび第2切欠溝32Cを有している。この防爆部15Cは、第1切欠溝31Cおよび第2切欠溝32Cを略ハート形状に配置することにより、一端部同士を所定の角度で合流するように形成している曲折部13Cが設けられ、かつ、他端部同士を離間配置させることにより、円弧の一部が欠損してなる離間部14Cが設けられている。
【0029】
そして、図3(D)に示す防爆部15Dは、一定曲率で湾曲するC字円弧形状の第1切欠溝31Dと、直線状の第2切欠溝32Dとを有している。この防爆部15Dは、第1切欠溝31Dの連続方向中央部において、第1切欠溝31Dの径方向に沿って第2切欠溝32Dを形成することにより、円弧状の切欠溝と他の切欠溝が略十字状に交わってなる曲折部13Dが設けられ、かつ、第1切欠溝31Dの両端部間に円弧状の切欠溝の一部が欠損してなる離間部14Dが設けられている。
【0030】
さらに、図3(E)(参考例)に示す防爆部15Eは、一定曲率で湾曲するC字円弧形状の第1切欠溝31Eおよび第2切欠溝32Eと、直線状の第3切欠溝33Eとを有している。この防爆部15Eは、第1切欠溝31Eおよび第2切欠溝32Eが対称配置されているとともに、第1切欠溝31Eおよび第2切欠溝32Eにおける連続方向中央部同士を接続するように第3切欠溝33Eが形成されている。このような防爆部15Eは、第1切欠溝31Eおよび第3切欠溝33Eの交差部分と、第2切欠溝32Eおよび第3切欠溝33Eの交差部分がそれぞれ曲折部13E,13Eとされ、かつ、第1切欠溝31Eおよび第2切欠溝32Eの端部間に円弧の一部が欠損してなる離間部14E,14Eが設けられている。
【0031】
また、図3(F)に示す防爆部15Fは、複数の曲率で湾曲する略渦状の第1切欠溝31Fと、直線状の第2切欠溝32Fとを有している。この防爆部15Fは、第1切欠溝31Fの連続方向中央部において、第1切欠溝31Fの径方向に沿って第2切欠溝32Fを形成することにより、円弧状の切欠溝と他の切欠溝が交わってなる曲折部13Dが設けられ、かつ、第1切欠溝31Fの両端部間に、円弧端部が行き違うことによって、円弧状の切欠溝の一部が欠損してなる離間部14Fが設けられている。
【0032】
その他、前述した実施形態において例示した密閉形電池,電池本体,容器,防爆部,連通孔,薄肉部材,切欠溝,曲折部,交差部,離間部等の材質,形状,寸法,形態,数,配置個所等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0033】
(実施例)
次に、本発明に基づく密閉形電池と、従来の密閉形電池とを製作し、各密閉形電池について、容器の内圧を上昇させて防爆部の作動圧力を測定するとともに、防爆部の作動に伴う防爆蓋の飛散状況を調査した。
その結果を表1に示したので、説明する。
【0034】
【表1】
【0035】
これらの実施例1,実施例2および比較例1は、薄肉部材であるステンレス箔に対して湿式エッチング,ガス式エッチング等により所定の切欠溝を形成した。
そして、これらの実施例1,実施例2および比較例1は、容器を構成する蓋部に対してステンレス箔をレーザ溶接により固定した後、浸透試験としてレッドチェック法を行って連通孔の密閉性を確認してから容器の本体に蓋部を取り付け、注液口から容器内に水を充填して水圧を加えることにより容器の内圧を昇圧させ、防爆部が作動した時点の内圧を記録したものである。
なお、表1中、防爆部が作動する作動内圧は、実施例1,実施例2および比較例1をそれぞれ10個用意して防爆部を動作させた際の平均値である。
【0036】
(実施例1)
防爆部として前述した図1および図2に例示した切欠溝を形成した結果、容器の内圧が5.5kgf/cm2〜7.5kgf/cm2に達したときに防爆部が作動し、すべての防爆蓋が飛散しなかった。
【0037】
(実施例2)
防爆部として前述した図3(A)に例示した切欠溝を形成した結果、容器の内圧が5.5kgf/cm2〜7.5kgf/cm2に達したときに防爆部が作動し、防爆蓋の飛散は10個中6個であった。
【0038】
(比較例1)
防爆部として円形の切欠溝を形成した結果、容器の内圧が7.5kgf/cm2〜 11.5kgf/cm2に達したときに防爆部が作動し、防爆蓋の飛散は10個中4個であった。
【0039】
この表1において、実施例1および実施例2は、防爆部に曲折部が設けられているため、比較例1に比較して防爆部が作動すべき容器の内圧を低く設定できることが判る。
また、実施例1は、防爆部に離間部が設けられているため、防爆部が動作しても防爆蓋が飛散せず、実施例2に比較して周辺機器に悪影響を与える虞れが少ないことが判る。
従って、防爆部としては、切欠溝に曲折部を設け、かつ、離間部を設けることが最良の形態であることが判る。
【0040】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、前記薄肉部材の面方向に沿って一定領域を円弧状に囲む切欠溝が、曲折部を有することにより、切欠溝の曲折部に剪断力が集中するため、容器の内圧が比較的低圧であっても、曲折部を起点として切欠溝に囲まれた一定領域を防爆蓋として開放できるとともに、切欠溝の深さ寸法を調整する必要がないため製造コストが上昇しない。
【0041】
また、本発明によれば、円弧状の切欠溝と他の切欠溝が交わってなる曲折部を備えることにより、複数の切欠溝同士が平面略十字状に交差配置されているため、曲折部と他の部分との剪断強度差を大きくでき、これにより容器の内圧が比較的低圧であっても、曲折部が起点として確実に防爆蓋が開放する。
【0042】
さらに、本発明によれば、円弧形状の一部が欠損してなる離間部を備えることにより、切欠溝の連続方向他端部同士を離間配置させることにより設けられた離間部が防爆蓋のヒンジとして機能するため、防爆部の作動時に防爆蓋が飛散する虞れが少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態を示す要部断面斜視図である。
【図2】本発明に係る実施形態を示す要部平面図である。
【図3】本発明の変形例を示す模式平面図である。
【図4】密閉形電池の概略を示す断面図である。
【図5】密閉形電池における従来の防爆部を示す要部断面斜視図である。
【図6】密閉形電池における従来の防爆部を示す要部平面図である。
【符号の説明】
10 密閉形電池
11,31B,31C,31D,31E,31F 第1切欠溝(切欠溝)
12,32B,32C,32D,31E,31F 第2切欠溝(切欠溝)
13,13A,13B,13C,13D,13E,13F 曲折部
14,14B,14C,14D,14E,14F 離間部
15,15A,15B,15C,15D,15E,15F 防爆部
21 薄肉部材
30A 切欠溝
33E 第3切欠溝(切欠溝)
44 容器
50 連通孔
Claims (4)
- 電池本体を収容する容器に設けられた防爆部を備え、
前記防爆部が、前記容器の内外を連通する連通孔と、前記容器に沿って配置されて前記連通孔を閉鎖する薄肉部材と、前記薄肉部材の面方向に沿って一定領域を円弧状に囲む切欠溝とを有し、
前記容器の内圧が一定以上に達したときに前記切欠溝が破断することにより前記一定領域が防爆蓋となって開口可能な密閉形電池であって、
前記切欠溝は、複数の曲率で湾曲する円弧同士が交差又は合流して所定の角度を形成している曲折部を有していることを特徴とする密閉形電池。 - 前記切欠溝は、円弧の一部が欠損してなる離間部を備えていることを特徴とする請求項1に記載した密閉形電池。
- 電池本体を収容する容器に設けられた防爆部を備え、
前記防爆部が、前記容器の内外を連通する連通孔と、前記容器に沿って配置されて前記連通孔を閉鎖する薄肉部材と、前記薄肉部材の面方向に沿って一定領域を円弧状に囲む切欠溝とを有し、
前記容器の内圧が一定以上に達したときに前記切欠溝が破断することにより前記一定領域が防爆蓋となって開口可能な密閉形電池であって、
前記切欠溝は、円弧状の切欠溝の一部が欠損してなる離間部と、円弧状の切欠溝と他の切欠溝が略十字状に交わってなる曲折部と、を備えていることを特徴とする密閉形電池。 - 前記離間部は、複数の曲率で湾曲する円弧同士の端部が行き違うことによって形成されている請求項3記載の密閉型電池。
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